JP2024047668A - 画像形成装置および画像形成装置における剥離電界制御方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成装置における剥離電界制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 加圧ローラを揺動させることで、加熱ベルトの蛇行を補正しつつ、当該加圧ローラを揺動させることに起因する不都合を回避する。【解決手段】 本発明に係る画像形成装置(10)によれば、定着装置36の加圧ローラ62の前方側端部の位置(Yp)が上下方向に沿って移動することで、当該加圧ローラ62が揺動し、これにより、加熱ベルト56の蛇行が補正される。ただし、加圧ローラ62が揺動することで、特に加圧ローラ62の前方側端部の位置(Yp)が基準位置(Ys)よりも下方へ移動することで、転写ニップ部Ntと定着ニップ部Nfとによって挟持搬送される用紙のたわみ量が大きくなり、このことによる不都合が生ずる。この不都合を回避するために、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypに応じて、剥離電極35により生成される剥離電界の画像形成装置(10)の前後方向における強度が制御される。【選択図】 図5

Description

本開示は、画像形成装置および画像形成装置における剥離電界制御方法に関し、特に、電子写真方式の画像形成装置および画像形成装置における剥離電界制御方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体が回転駆動された状態で、当該像担持体の表面にトナー像が形成される。そして、像担持体の表面に当接して回転する転写部材と、当該像担持体の表面と、の当接部分である転写ニップ部を、シート状の画像記録媒体、たとえば用紙が、通過することで、像担持体の表面に形成されたトナー像が当該用紙に転写される。この用紙に転写されたトナー像は、定着手段により加熱されることで、当該用紙に定着される。
定着手段としては、熱源によって加熱される無端帯状の加熱ベルトを有するものがある。この加熱ベルトは、当該加熱ベルトに内接する内接部材としての定着ローラを含む複数のローラによって張架された状態で、当該複数のローラと共に回転(周回移動)する。併せて、定着ローラの回転軸方向に沿って延伸するように、換言すれば加熱ベルトの回転軸方向に沿って延伸するように、加圧ローラが設けられる。この加圧ローラは、定着ローラとの間で加熱ベルトを押圧した状態で、当該加熱ベルトと共に回転する。そして、加熱ベルトに対する加圧ローラによる押圧部分である定着ニップ部を、用紙が通過することで、当該用紙上のトナー像が当該用紙に定着される。
ここで、加熱ベルトの回転軸方向において、当該加熱ベルトの位置が変動すること、つまり加熱ベルトが蛇行することが、懸念される。この加熱ベルトの蛇行を防止する技術の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された技術によれば、加熱ベルト(定着ベルト)の回転方向における定着ローラよりも上流側において、加熱ベルトの内側から当該加熱ベルトを押圧することで、当該加熱ベルトの回転方向へ定着ニップ部を延長する、ニップ延長部材が設けられる。このニップ延長部材は、加熱ベルトの回転軸方向(幅方向)に沿って延伸する長い部材であり、このニップ延長部材の長手方向における略中央部を支点として当該ニップ延長部材が揺動することで、加熱ベルトの蛇行が防止される。
特開2009-3441号公報
ところで、前述の特許文献1におけるようなニップ延長部材を設けずとも、たとえば加熱ベルトの回転軸方向に対して加圧ローラの回転軸方向を傾かせるように当該加圧ローラを揺動させることによって、加熱ベルトの蛇行を補正し得ることが、考えられる。この構成によれば、ニップ延長部材を設ける必要がないので、その分、画像形成装置全体の小型化および簡素化が図られる。ただし、加圧ローラが揺動すると、用紙の搬送方向に直交しかつ当該用紙の主面に沿う方向である搬送幅方向において、定着ニップ部と転写ニップ部との相互間距離が変わる。これにより、搬送幅方向において、用紙のたわみ量に差異が生じ、とりわけ、定着ニップ部と転写ニップ部との相互間距離が短い側の用紙のたわみ量が、当該相互間距離が長い側の用紙のたわみ量よりも大きくなる。その結果、用紙にしわが発生したり、用紙上のトナー像が不本意な形で当該用紙に定着することによる画像不良が発生したりするなどの、不都合が生ずる。
そこで、本開示は、加圧ローラを揺動させることで、加熱ベルトの蛇行を補正しつつ、当該加圧ローラを揺動させることに起因する不都合を回避することができる、新規な画像形成装置および画像形成装置における剥離電界制御方法を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本開示は、画像形成装置に係る第1の開示、および、画像形成装置における剥離電界制御方法に係る第2の開示を含む。
このうちの画像形成装置に係る第1の開示は、像担持体、転写手段、剥離電極、定着手段および制御手段を備える。像担持体には、トナー像が形成される。そして、像担持体は、回転可能である。転写手段は、像担持体と当接回転する転写部材を有する。この転写部材は、像担持体との間でシート状の画像記録媒体を挟持搬送して、当該像担持体に形成されたトナー像を画像記録媒体に転写する。剥離電極は、像担持体と転写部材との当接部分である転写ニップ部を通過した画像記録媒体を、当該像担持体から引き離すための剥離電界を生成する。定着手段は、画像記録媒体に転写されたトナー像を加熱して、当該トナー像を画像記録媒体に定着させる。具体的には、定着手段は、加熱ベルト、内接部材、加圧ローラおよび揺動手段を有する。加熱ベルトは、回転可能に設けられ、熱源によって加熱される。内接部材は、加熱ベルトに内接する。加圧ローラは、加熱ベルトの回転軸方向に沿って延伸するように設けられ、内接部材との間で加熱ベルトを押圧した状態で、当該加熱ベルトと共に回転し、当該加熱ベルトとの間で画像記録媒体を挟持搬送する。そして、揺動手段は、加熱ベルトの回転軸方向に対して加圧ローラの回転軸方向を傾かせるように、当該加圧ローラを揺動可能である。その上で、制御手段は、加圧ローラの揺動位置に基づいて、画像記録媒体の搬送方向に直交しかつ当該画像記録媒体の主面に沿う方向である搬送幅方向における剥離電界の強度を制御する。
なお、揺動手段は、加圧ローラの一方端側を、加熱ベルトに対する加圧ローラによる押圧部分である定着ニップ部における画像記録媒体の搬送方向に沿って変位させることで、当該加圧ローラを揺動させてもよい。
また、剥離電極は、第1電極および第2電極という互いに別個の2つの電極を有してもよい。第1電極は、搬送幅方向における転写ニップ部の一方端寄りに設けられる。そして、第2電極は、搬送幅方向における転写ニップ部の他方端寄りに設けられる。この場合、制御手段は、第1電極および第2電極のそれぞれに個別の電圧を印加することで、搬送幅方向における剥離電界の強度を制御する。
たとえば、制御手段は、加圧ローラの両端の一方側が予め定められた基準位置よりも転写ニップ部に近い場合に、第1電極および第2電極のうちの当該加圧ローラの両端の一方側に対応する一方電極に印加する電圧を、第1電極および第2電極のうちの他方電極に印加する電圧よりも大きくする。
また、制御手段は、前述の加圧ローラの両端の一方側と転写ニップ部との相互間距離に応じて、一方電極に印加する電圧の大きさを設定してもよい。
本開示のうちの画像形成装置における剥離電界制御方法に係る第2の開示は、制御ステップを含む。ここで、画像形成装置は、像担持体、転写手段、剥離電極および定着手段を備える。像担持体には、トナー像が形成される。そして、像担持体は、回転可能である。転写手段は、像担持体と当接回転する転写部材を有する。この転写部材は、像担持体との間でシート状の画像記録媒体を挟持搬送して、当該像担持体に形成されたトナー像を画像記録媒体に転写する。剥離電極は、像担持体と転写部材との当接部分である転写ニップ部を通過した画像記録媒体を、当該像担持体から引き離すための剥離電界を生成する。定着手段は、画像記録媒体に転写されたトナー像を加熱して、当該トナー像を画像記録媒体に定着させる。具体的には、定着手段は、加熱ベルト、内接部材、加圧ローラおよび揺動手段を有する。加熱ベルトは、回転可能に設けられ、熱源によって加熱される。内接部材は、加熱ベルトに内接する。加圧ローラは、加熱ベルトの回転軸方向に沿って延伸するように設けられ、内接部材との間で加熱ベルトを押圧した状態で、当該加熱ベルトと共に回転し、当該加熱ベルトとの間で画像記録媒体を挟持搬送する。そして、揺動手段は、加熱ベルトの回転軸方向に対して加圧ローラの回転軸方向を傾かせるように、当該加圧ローラを揺動可能である。その上で、制御ステップにおいては、加圧ローラの揺動位置に基づいて、画像記録媒体の搬送方向に直交しかつ当該画像記録媒体の主面に沿う方向である搬送幅方向における剥離電界の強度を制御する。
本開示によれば、加圧ローラを揺動させることで、加熱ベルトの蛇行を補正しつつ、当該加圧ローラを揺動させることに起因する不都合を回避することができる。
図1は、本開示の第1実施例に係る画像形成装置の内部の構成を概略的に示す図である。 図2は、第1実施例における定着装置を画像形成装置の右方から見た状態を模式的に示す図である。 図3は、第1実施例における定着装置を画像形成装置の右方から見た別の状態を模式的に示す図である。 図4は、第1実施例における定着装置を画像形成装置の右方から見たさらに別の状態を模式的に示す図である。 図5は、第1実施例における転写ニップ部から定着ニップ部までの区間における用紙のたわみ方を説明するための図である。 図6は、第1実施例における剥離電極を画像形成装置の上方から見た状態を模式的に示す図である。 図7は、第1実施例に係る画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。 図8は、第1実施例における剥離電圧制御タスクの流れを示すフロー図である。 図9は、本開示の第2実施例における剥離電圧制御タスクの流れを示すフロー図である。
[第1実施例]
本開示の第1実施例について、図1に示される画像形成装置10を例に挙げて説明する。
本第1実施例に係る画像形成装置10は、コピー機能、プリンタ機能、イメージスキャナ機能、ファクス機能などの複数の機能を有する、いわゆる複合機(MFP)である。なお、図1は、使用可能な状態に設置された画像形成装置10の内部の構成を当該画像形成装置10の前方側から見た図である。すなわち、図1における上下方向は、画像形成装置10の上下方向に対応する。そして、図1における左右方向は、画像形成装置10の左右方向に対応する。さらに、図1の紙面の手前側は、画像形成装置10の前方に対応する。そして、図1の紙面の奥側は、画像形成装置10の後方に対応する。
この画像形成装置10の上部には、画像読取手段としての画像読取部12が設けられる。画像読取部12は、不図示の原稿の画像を読み取って、当該原稿の画像に応じた2次元の読取画像データを出力する、画像読取処理を担う。このため、画像読取部12は、原稿が載置される原稿台14を有する。原稿台14は、概略矩形平板状のガラスなどの透明部材により形成され、その両主面を水平方向に沿わせるように設けられる。そして、原稿台14の下方に、画像読取ユニット16が設けられる。詳しい説明は省略するが、画像読取ユニット16は、光源、ミラー、レンズ、ラインセンサなどを有し、原稿台14の上面に画像形成装置10の前後方向に沿って延伸する直線状の画像読取位置Prを有する。さらに、原稿台14の下方には、画像読取ユニット16の画像読取位置Prを画像形成装置10の左右方向に沿って移動(走査)させるための不図示の駆動機構が設けられる。すなわち、原稿台14に原稿が載置された状態で、画像読取ユニット16の画像読取位置Prが駆動機構により移動されることで、当該原稿の画像が読み取られ、いわゆる固定読み方式により読み取られる。なお、画像形成装置10の前後方向は、主走査方向と呼ばれる。そして、画像形成装置10の左右方向は、副走査方向と呼ばれる。
また、原稿台14の上方には、当該原稿台14に載置された原稿を押さえるための原稿押さえカバーを兼ねる自動原稿送り装置(ADF)18が設けられる。自動原稿送り装置18は、原稿台14の上面を外部に露出させる状態と、当該原稿台14の上面を覆う状態と、に遷移可能に設けられる。このため、自動原稿送り装置18は、不図示のヒンジなどの適当な可動支持部材を介して画像形成装置10の本体(筐体)に結合される。なお、図1は、自動原稿送り装置18が原稿台14の上面を覆った状態を示す。また、自動原稿送り装置18は、図1に示される如く原稿台14の上面を覆った状態にあるときに、それ本来の機能を発揮する。
自動原稿送り装置18は、原稿載置トレイ20を有する。この原稿載置トレイ20には、原稿が、厳密にはシート状の原稿が、載置可能であり、とりわけ複数枚の原稿が積層状に載置可能である。詳しい説明は省略するが、自動原稿送り装置18は、原稿載置トレイ20に載置された原稿を1枚単位で(1枚ずつ)取り込み、当該自動原稿送り装置18内の原稿搬送路22を搬送させる。その途中で、原稿は、画像読取位置Prを通過し、厳密には固定された状態にある画像読取位置Prを通過する。これにより、原稿の画像が読み取られ、いわゆる流し読み方式で読み取られる。その後、原稿は、原稿排出トレイ24に排出される。
画像読取部12の下方には、画像形成手段としての画像形成部26が設けられる。この画像形成部26は、不図示のシート状の画像記録媒体、たとえば用紙に、前述の読取画像データなどの適宜の画像データに基づく画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を担う。この画像形成処理は、公知の電子写真方式により行われる。また、画像形成部26は、カラーの画像形成処理を行うために、タンデム方式を採用する。
具体的には、画像形成部26は、互いに異なる複数の色、たとえばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)という4つの色の、単色トナー像を個別に形成するための4つの単色画像形成手段としての画像形成ステーション(「プロセスユニット」と呼ばれることもある。)28,28,…を有する。併せて、画像形成部26は、各画像形成ステーション28,28,…による単色トナー像の形成に必要な露光を行う露光手段としての露光装置30を有する。さらに、画像形成部26は、各画像形成ステーション28,28,…により形成された各単色トナー像を後述する中間転写ベルト32に順次転写し、当該中間転写ベルト32に転写されたトナー像を用紙に転写するための転写手段としての転写ユニット34を有する。加えて、画像形成部26は、後述する転写ニップ部Ntを通過した用紙を、中間転写ベルト32から引き離すための剥離電界を生成する、剥離電極35を有する。さらに加えて、画像形成部26は、用紙に転写されたトナー像を当該用紙に定着させるための定着手段としての定着装置36を有する。
転写ユニット34は、中間転写ベルト(「1次転写ベルト」と呼ばれることもある。)32、中間転写ベルト32を回転させる駆動ローラ38、駆動ローラ38とともに中間転写ベルト32を張架する従動ローラ40、中間転写ベルト32の内側における各画像形成ステーション28,28,…と対応する位置に設けられた4つの中間転写ローラ(「1次転写ローラ」と呼ばれることもある。)42,42,…、転写部材の一例としての転写ローラ(「2次転写ローラ」と呼ばれることもある。)44などを有する。
中間転写ベルト32は、駆動ローラ38および従動ローラ40によって張架される。駆動ローラ38は、不図示の中間転写ベルト用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、たとえば図1において反時計回りに回転する。これに伴い、中間転写ベルト32が回転(周回移動)するとともに、従動ローラ40が回転する。中間転写ベルト32における駆動ローラ38と従動ローラ40との間の領域のうちの下側の領域32aは、水平方向に沿って張架されており、この水平方向に沿って張架された領域32aと対向するように、各画像形成ステーション28,28,…が配置される。この中間転写ベルト32における各画像形成ステーション28,28…が配置された領域32aは、中間転写領域と呼ばれる。この中間転写領域32aにおいては、中間転写ベルト32は、画像形成装置10の左側から右側へ向かって移動し、つまり副走査方向に沿って移動する。
なお、中間転写ベルト32は、可撓性を持つ無端帯状体であり、カーボンブラックなどの導電性材料が適宜に配合された合成樹脂(たとえばポリイミドあるいはポリカーボネート)製である。また、詳しい説明は省略するが、従動ローラ40は、中間転写ベルト32に適宜の張力を付与することにより、当該中間転写ベルト32の弛みを防止する機能を兼ね備える。
各画像形成ステーション28,28,…は、中間転写ベルト32の中間転写領域32aの下方において、当該中間転写領域32aにおける中間転写ベルト32の移動方向に沿って、つまり副走査方向に沿って、一定の間隔を置いて設けられる。前述したように、これら各画像形成ステーション28,28,…は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックという4つの色の単色トナー像を中間転写ベルト32に個別に形成する。なお、図1を含む各図からは分からないが、各画像形成ステーション28,28,…は、中間転写領域32aにおける中間転写ベルト32の移動方向の上流側から下流側へ向かって(図1における左側から右側へ向かって)、イエロー用、マゼンタ用、シアン用およびブラック用の順番で設けられる。ただし、この順番は、一例であり、これに限定されない。また、各画像形成ステーション28,28,…は、互いに異なる色の単色トナー像を中間転写ベルト32に形成する以外は、互いに同じ構造である。
それぞれの画像形成ステーション28は、感光体ドラム46、帯電装置48、現像装置50、クリーニング装置52、不図示の除電装置などを有する。
感光体ドラム46は、後述する静電潜像および単色トナー像を担持する像担持体であり、アルミニウムなどの導電性材料により形成された円筒状の基体を有する。この基体の表面(外周面)には、感光層が形成される。そして、感光体ドラム46は、中間転写領域22aにおいて、基体の表面を中間転写ベルト32の外側面に当接させるように設けられ、この状態で、不図示のドラム用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、たとえば図1において時計回りに回転する。なお、感光体ドラム46は、中間転写ベルト32の移動速度に合わせた速度で回転し、厳密には基体の周速度が中間転写ベルト32の移動速度よりも僅かに、たとえば0.1%~0.3%ほど、低い速度で回転する。これは、感光体ドラム46の表面に形成された後述する単色トナー像が中間転写ベルト32の外側面に転写され易くするためであり、換言すれば当該単色トナー像が感光体ドラム46の表面から中間転写ベルト32の外側面に転写されない現象、たとえば文字の中抜け現象を、防止するためである。
帯電装置48は、感光体ドラム46の表面を所定の電位に帯電する、帯電手段である。この帯電装置48によって所定の電位に帯電された感光体ドラム46の表面は、前述の露光装置30により露光される。露光装置30は、各画像形成ステーション28,28,…の並びの下方に設けられ、それぞれの画像形成ステーション28の感光体ドラム46の表面を、その下方から露光し、つまり画像形成処理に供される画像データに応じた態様の光を、当該感光体ドラム46の表面に照射する。これにより、画像形成処理に供される画像データに応じた態様の静電潜像が、感光体ドラム46の表面に形成される。なお、露光装置30は、たとえば光源としての不図示のレーザダイオードや、偏向手段としてのポリゴンミラーなどを有するレーザスキャニングユニットであるが、これに代えて、光源としてのLEDが並べられたLEDアレイを有するLEDユニットが、当該露光装置30として採用されてもよい。
現像装置50は、感光体ドラム46の表面に形成された静電潜像を現像する、現像手段である。すなわち、現像装置50は、不図示のトナーを撹拌することによって、当該トナーを帯電させ、この帯電されたトナーを感光体ドラム46上の静電潜像に付着させることで、当該静電潜像を単色トナー像として顕像化し、つまり現像する。
この現像装置50による現像によって顕像化された単色トナー像は、感光体ドラム46の表面と中間転写ベルト32の外側面との当接位置において、当該感光体ドラム46の表面から中間転写ベルト32の外側面に転写され、いわゆる中間転写(1次転写)される。そのために、中間転写ベルト32を挟んで感光体ドラム46と対向するように、中間転写ローラ42が設けられる。中間転写ローラ42は、自身の表面(外周面)を中間転写ベルト32の内側面に当接させるように設けられ、当該中間転写ベルト32が回転することによる駆動力を受けて回転し、たとえば図1において反時計回りに回転する。そして、中間転写ローラ42に不図示の中間転写電源から所定の中間転写電圧が印加されることで、感光体ドラム46の表面と中間転写ベルト32の外側面との間に転写電界が形成される。この転写電界の作用によって、感光体ドラム46上の単色トナー像が中間転写ベルト32上に転写される。
このような要領で、中間転写ベルト32上にイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックという4つの色の単色トナー像が個別に形成される。そして、これら4つの色の単色トナー像が互いに重なり合うことで、中間転写ベルト32上にカラーのトナー像が形成される。
クリーニング装置52は、感光体ドラム46上から中間転写ベルト32上に単色トナー像が転写された後の当該感光体ドラム46上の残留トナーを除去する、クリーニング手段である。そして、不図示の除電装置は、クリーニング装置52による残留トナー除去後の感光体ドラム46上の静電気を除去する、除電手段である。この除電手段による静電気の除去後、前述の帯電装置48による帯電以降の工程が繰り返される。
中間転写ベルト32上に形成されたカラーのトナー像は、当該中間転写ベルト32と転写ローラ44との当接部分である転写ニップ部Ntにおいて、用紙に転写される。具体的には、転写ローラ44は、中間転写ベルト32を挟んで駆動ローラ38と対向する位置において、当該駆動ローラ38との間で中間転写ベルト32を押圧するように設けられる。そして、転写ローラ44は、中間転写ベルト32が回転することによる駆動力を受けて回転し、つまり図1において時計回りに回転する。その上で、図1には示されない転写バイアス電源230(図5参照)から駆動ローラ38へトナーの帯電極性とは同極性の転写バイアス電流Itが印加される。これにより、中間転写ベルト32と転写ローラ44との間に、つまり転写ニップ部Ntに、転写電界が形成される。この状態で、転写ニップ部Ntを用紙が通過すると、中間転写ベルト32上のトナー像が当該用紙上に転写される。
剥離電極35は、後述する用紙搬送路54に沿って搬送される用紙の搬送方向における転写ニップ部Ntの下流側の当該転写ニップ部Ntの近傍に設けられる。前述したように、剥離電極35は、転写ニップ部Ntを通過した用紙を、中間転写ベルト32から引き離すための剥離電界を生成する。この剥離電極35については、後で詳しく説明するが、当該剥離電極35は、画像形成装置10の前後方向において2つに分割されており、換言すれば画像形成装置10の前方側に配置された前方側電極35aと、画像形成装置10の後方側に配置された後方側電極35bと、から成る。
定着装置36は、後述する用紙搬送路54に沿って搬送される用紙の搬送方向における剥離電極35の配置位置よりも下流側に設けられる。前述したように、定着装置36は、用紙上のトナー像を当該用紙に定着させ、詳しくはトナー像を加熱して溶融し、さらには押圧することにより、当該トナー像を用紙に定着させる。そのために、定着装置36は、加熱ベルト56、加熱ローラ58、定着ローラ60、加圧ローラ62などを有する。
加熱ベルト56は、可撓性を持つ無端帯状体であり、熱伝導性の高い合成樹脂製(たとえばポリイミドあるいはポリカーボネート)製である。この加熱ベルト56は、加熱ローラ58および定着ローラ60によって張架される。加熱ローラ58は、熱伝導性の高い円筒状の基体(熱伝導層)を有し、その内部に熱源が設けられる。熱源は、ハロゲンランプなどのランプヒータであり、不図示のヒータ加熱用電源からの加熱用電力の供給を受けて加熱される。定着ローラ60は、円柱状のローラ部材であり、芯金と、芯金を覆う弾性層と、を有する。すなわち、加熱ローラ58および定着ローラ60は、互いに平行を成した状態で延伸するとともに、加熱ベルト56に内接する。そして、定着ローラ60は、不図示の加熱ベルト用駆動手段としてのモータからの駆動力を受けて回転し、たとえば図1において反時計回りに回転する。これに伴い、加熱ベルト56が定着ローラ60と同じ方向へ回転(周回移動)し、併せて、加熱ローラ58も定着ローラ60と同じ方向へ回転する。なお、定着ローラ60は、本開示に係る内接部材の一例である。
加圧ローラ62は、円柱状のローラ部材であり、芯金と、芯金を覆う弾性層と、弾性層を覆う離型層と、を有する。そして、加圧ローラ62は、加熱ベルト56を挟んで定着ローラ60と対向する位置において、当該定着ローラ60との間で加熱ベルト56を押圧するように設けられる。すなわち、加圧ローラ62は、定着ローラ60の回転軸方向に沿って延伸するように、換言すれば加熱ベルト56の回転軸方向に沿って延伸するように、設けられる。この加圧ローラ62は、加熱ベルト56が回転することによる駆動力を受けて回転し、つまり図1において時計回りに回転する。この加圧ローラ62による加熱ベルト56の押圧部分である定着ニップ部Nfは、後述する用紙搬送路54中に位置する。この定着ニップ部Nfを用紙が通過することにより、当該用紙上のトナー像が加熱されて溶融し、さらには押圧されて、当該用紙に定着される。
なお、図示を含む詳しい説明は省略するが、定着装置36は、加熱ベルト56の表面温度(定着温度)を検出するための温度センサを有する。この温度センサによる検出結果に基づいて、前述の熱源による加熱ローラ58の加熱温度が制御され、ひいては加熱ベルト56の表面温度が制御される。温度センサとしては、たとえばサーミスタが用いられるが、これに限らない。
さらに、画像形成部26の下方に、換言すれば画像形成装置10内の下部に、給紙手段としての給紙部64が設けられる。給紙部64は、給紙カセット66を有し、この給紙カセット66には、複数枚の用紙が積層状に収容可能である。併せて、給紙部64は、ピックアップローラ68を有する。そして、給紙部64は、給紙カセット66に収容された用紙をピックアップローラ68により1枚単位で取り出し、次に説明する用紙搬送路54へ供給する。
用紙搬送路54は、給紙部64から転写ニップ部Ntおよび定着ニップ部Nfを介して排紙トレイ70への排紙口72へ至るように設けられる。そして、用紙搬送路54の適宜の位置には、給紙部64から排紙口72へ向けて当該用紙搬送路54に沿って用紙を搬送させるための複数の搬送ローラ(厳密にはローラ対)74,74,…が設けられる。なお、各搬送ローラ74,74,…のうち、用紙搬送路54における用紙の搬送方向の転写ニップ部Ntよりも上流側であって、当該転写ニップ部Ntに最も近い位置に設けられた搬送ローラ74aは、用紙が転写ニップ部Ntを通過するタイミングを計るためのレジストローラ(「ペーパストップローラ」と呼ばれることもある。)である。また、各搬送ローラ74,74,…のうち、用紙搬送路54における用紙の搬送方向の最下流側に設けられた、つまり排紙口72の近傍に設けられた、搬送ローラ74bは、当該排紙口72を介して排紙トレイ70へ用紙を排出するための排紙ローラである。なお、排紙トレイ70は、画像読取部12と画像形成部26との間に設けられ、いわゆる胴内空間に設けられるが、これに限定されない。
加えて、画像形成装置10内には、両面印刷用の搬送路76が設けられる。この両面印刷用の搬送路76は、一旦、定着ニップ部Nfを通過した用紙を、つまり画像形成処理が施された後の用紙を、取り込んで、改めて当該用紙を画像形成処理に供するための搬送路である。すなわち、両面印刷用の搬送路76に取り込まれた用紙は、当該搬送路76を経由して改めて用紙搬送路54に供給され、詳しくはレジストローラ74aの上流側に供給される。これにより、レジストローラ74aの上流側に供給される用紙は、その表裏が反転された状態となる。そして、この表裏が反転された用紙に対して画像形成処理が施され、いわゆる両面印刷が実現される。この両面印刷用の搬送路76の適宜の位置にも搬送ローラ78が設けられる。
また、画像形成装置10の右側面には、手差しトレイ80が設けられる。この手差しトレイ80には、複数枚の用紙が積層状に載置可能である。給紙部64は、この手差しトレイ80が用紙の供給元として指定された場合は、当該手差しトレイ80から用紙を1枚単位で用紙搬送路54へ供給する。
さらにまた、給紙部64は、不図示のオプションの給紙カセットを有する場合がある。このオプションの給紙カセットは、給紙カセット66の下方に設けられる。そして、給紙部64は、オプションの給紙カセットが用紙の供給元として指定された場合は、当該オプションの給紙カセットから用紙を1枚単位で用紙搬送路54へ供給する。なお、オプションの給紙カセットからの用紙を用紙搬送路54へ供給するためのオプション用搬送ローラ82が適宜の位置に設けられる。
さて、定着装置36に注目すると、加熱ベルト56が回転するに従って、当該加熱ベルト56の回転軸方向において、換言すれば加熱ベルト56の幅方向において、当該加熱ベルト56の位置が変動すること、つまり加熱ベルト56が蛇行することが、懸念される。この加熱ベルト56の蛇行を補正するために、本第1実施例に係る画像形成装置10は、ベルト蛇行補正機能を備える。
具体的には、図2に示されるように、加熱ベルト56の幅方向(画像形成装置10の前後方向)における当該加熱ベルト56の基準位置Xsからの位置ずれを検出するための、厳密には加熱ベルト56が基準位置Xsから画像形成装置10の前方側へ所定程度以上変位したことを検出するための、ベルト位置検出部100が設けられる。このベルト位置検出部100は、図2に矢印56aで示される加熱ベルト56の回転方向における定着ローラ60の下流側かつ加熱ローラ58の上流側の位置であって、加熱ベルト56の両側縁部のうちの画像形成装置10の前方側(図2における左側)の側縁部の近傍の位置に設けられる。
ベルト位置検出部100は、光電センサ102およびアーム部材104を有する。詳しい図示は省略するが、光電センサ102は、概略U字状の筐体に、その中央空間を挟んで発光部と受光部とが互いに対向するように一体的に組み込まれた、透過型センサである。そして、アーム部材104は、屈曲した形状の部材であり、その屈曲した部分を支点として回動可能に設けられ、詳しくは光電センサ102の発光部と受光部との間を遮蔽する遮蔽状態と、当該光電センサ102の発光部と受光部との間を開放する開放状態とに、遷移可能に設けられる。
なお、図2に示されるアーム部材104は、遮蔽状態にある。このアーム部材104が遮蔽状態にあるときには、光電センサ102の発光部からの発光光がアーム部材104によって遮られて、当該発光光は光電センサ102の受光部に入射されない。この場合、ベルト位置検出部100は、第1検出値の検出信号を出力し、たとえば0Vという電圧値の検出信号を出力する。また、図2において、符号104aが付された破線は、開放状態にあるアーム部材104を示す。このアーム部材104が開放状態にあるときには、光電センサ102の発光部からの発光光が当該光電センサ102の受光部に入射される。この場合、ベルト位置検出部100は、第2検出値の検出信号を出力し、たとえば+5Vという電圧値の検出信号を出力する。
さらに、図2は、加熱ベルト56の幅方向において、当該加熱ベルト56の位置Xbが基準位置Xsにある状態、詳しくは加熱ベルト56の中心56bが加熱ローラ58および定着ローラ60それぞれの中心58aおよび60aと一致している状態を、示す。この状態においては、アーム部材104は、前述の如く遮蔽状態にあり、したがって、ベルト位置検出部100は、0Vという電圧値第1検出値の検出信号を出力する。
加えて、加圧ローラ62は、図2に矢印110で示されるように、その両端部のうちの一方側が、たとえば画像形成装置10の前方側の端部側が、上下方向に、厳密には定着ニップ部Nfにおける用紙の搬送方向に沿って、変位可能に設けられる。より厳密に言えば、加圧ローラ62の両端部には、不図示のフレームに支持される軸受け62aおよび62bが設けられる。そして、画像形成装置10の後方側の軸受け62bの所定部分、たとえば加圧ローラ62の回転軸62c上におけるフレームによる被支持部分Qrを、支点として、画像形成装置10の前方側の軸受け62a側が、矢印110で示される方向に変位可能に設けられる。
そのために、前方側の軸受け62aを支持するフレームは、不図示の偏芯カムによって支持される。そして、偏芯カムは、図2には示されないカム用モータ120(図7参照)からの駆動力を受けて回動する。この偏芯カムが回動することにより、前方側の軸受け62aを指示するフレームが、つまり当該前方側の軸受け62a側が、矢印110で示される方向に変位する。その結果、加圧ローラ62が後方側の軸受け62bの被支持部分Qrを支点として、揺動する。すなわち、加圧ローラ62は、後方側の軸受け62bの被支持部分Qrを支点として、揺動可能に設けられる。
なお、図2は、前方側の軸受け62a側が、厳密には加圧ローラ62の回転軸62c上における前述のフレームによる当該軸受け62aの被支持部分Qfの位置Ypが、加圧ローラ62についての基準位置Ysにある状態を示す。この状態においては、加圧ローラ62の回転軸62cは、加熱ベルト56の回転軸と平行であり、つまりたとえば定着ローラ60の回転軸60bと平行である。
また、カム用モータ120は、たとえばステッピングモータであり、後述する制御部300のCPU300aによって制御される。CPU300aは、カム用モータ120を制御するための制御信号から、当該カム用モータ120の(基準角度からの)回転角度を認識し、つまり偏芯カムの回転角度を認識し、ひいては加圧ローラ62の前方側の軸受け62aの被支持部分Qfの位置Ypを認識する。これ以降、位置Ypについて、「加圧ローラ62の前方側端部の位置Yp」と称することがある。
ここでたとえば、図3に示されるように、加熱ベルト56の幅方向において、当該加熱ベルト56の位置Xbが基準位置Xsよりも画像形成装置10の前方側へ変位する、とする。そして、加熱ベルト56の(画像形成装置10の前方側の)側縁部がベルト位置検出部100のアーム部材104の(光電センサ102側とは反対側の)先端部に接触して、当該アーム部材104が開放状態となり、これにより、ベルト位置検出部100から出力される検出信号が第2検出値を示すようになる、とする。すると、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも上方側へ移動し、つまりはそうなるように前述のカム用モータ120が駆動される。これにより、加圧ローラ62の回転軸62cが、加熱ベルト56の回転軸に対して、つまりたとえば定着ローラ60の回転軸60bに対して、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypに応じた、換言すれば加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lに応じた、角度αを成して傾く。そして、図3に矢印130で示されるように、加圧ローラ62によって加熱ベルト56が送り出される方向が、当該加熱ベルト56の回転方向(矢印56aの方向)に対して、画像形成装置10の後方側へ角度αを成し、その結果、加熱ベルト56の位置Xbが基準位置Xs側へ戻される。
一方、図4に示されるように、加熱ベルト56の幅方向において、当該加熱ベルト56の位置Xbが基準位置Xsよりも画像形成装置10の後方側へ変位した場合は、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方側へ移動し、つまりはそうなるように前述のカム用モータ120が駆動される。これにより、加圧ローラ62の回転軸62cが、加熱ベルト56の回転軸に対して、つまりたとえば定着ローラ60の回転軸60bに対して、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypに応じた、換言すれば加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lに応じた、角度αを成して傾く。そして、図4に矢印140で示されるように、加圧ローラ62によって加熱ベルト56が送り出される方向が、当該加熱ベルト56の回転方向(矢印56aの方向)に対して、画像形成装置10の前方側へ角度αを成し、その結果、加熱ベルト56の位置Xbが基準位置Xs側へ戻される。
なお、図4に示される状態においては、ベルト位置検出部100のアーム部材104が遮蔽状態にあり、ゆえに、当該ベルト位置検出部100から出力される検出信号は第1検出値を示す。したがって、ベルト位置検出部100から出力される検出信号のみからでは、加熱ベルト56の幅方向における当該加熱ベルト56の位置Xbを、厳密にはベルト位置検出部100から出力される検出信号が第1検出値を示すときの当該加熱ベルト56の位置Xbを、認識することができない。
そこで、本第1実施例においては、図3に示されるように、ベルト位置検出部100のアーム部材104が開放状態になった時点で、つまり当該ベルト位置検出部100から出力される検出信号が第2検出値を示した時点で、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが上方側の限界位置(上限位置)Yaにあるように、前述のカム用モータ120が制御される。そして、一定の時間間隔で、たとえば加熱ベルト56が1回転するごとに、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが所定量ずつ下方側へ移動され、換言すれば当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが下方側へ段階的に移動され、つまりはそうなるようにカム用モータ120が制御される。その過程で、ベルト位置検出部100のアーム部材104が遮蔽状態となり、当該ベルト位置検出部100から出力される検出信号が第1検出値を示すようになる。
そして、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが下方側の限界位置(下限位置)Ybに移動すると、今度は、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが上方側への移動に転ぜられ、つまりはそうなるようにカム用モータ120が制御される。このときも、一定の時間間隔で、たとえば加熱ベルト56が1回転するごとに、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが所定量ずつ上方側へ移動され、換言すれば当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが上方側へ段階的に移動される。そして、ベルト位置検出部100から出力される検出信号が第2検出値を示すようになった時点で、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが下方側への移動に転ぜられる。この時点では、前述したように、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypは上限位置Yaにある。
なお、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが上限位置Yaから下限位置Ybにまで移動して改めて上限位置Yaにまで移動するのに要する時間、つまり当該加圧ローラ62の揺動周期は、プロセス時間にもよるが、たとえば10秒程度である。そして、加熱ベルト56が1回転するのに要する時間、つまり当該加熱ベルト56の回転周期は、たとえば約0.85秒である。したがって、加圧ローラ62の揺動周期は、加熱ベルト56が約12回転するのに要する時間に相当する。さらに、本第1実施例に係る画像形成装置10により対応可能な用紙の最大サイズであるA3サイズの用紙が定着ニップ部Nfを通過するのに要する時間(通紙時間)は、たとえば約2.8秒であり、つまり加圧ローラ62の揺動周期の約28%に相当する。言い換えれば、A3サイズを含む各サイズの用紙が定着ニップ部Nfを通過する間に、加圧ローラ62が何往復も揺動する訳ではない。要するに、加圧ローラ62の揺動周期は、加熱ベルト56の回転周期や用紙の通紙時間に対して、その程度である。
加えて、加圧ローラ62の前方側端部の上限位置Yaと基準位置Ysとの相互間距離Laは、たとえば0.6mmである。そして、加圧ローラ62の前方側端部の下限位置Ybと基準位置Ysとの相互間距離Lbもまた、たとえば0.6mmである。すなわち、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ybは、基準位置Ysを中心として上下方向のそれぞれに0.6mmまでの範囲で移動可能である。
さらに、加熱ローラ58の両端部には、当該加熱ローラ58の中央部よりも径の大きい規制部58bおよび58cが設けられる。これらの規制部58bおよび58cは、加熱ベルト56の両側縁部の位置を規制することで、当該加熱ベルト56がその幅方向に過度に変位するのを防止する。
このように、本第1実施例によれば、とりわけベルト蛇行補正機能によれば、加圧ローラ62が揺動されることで、加熱ベルト56の蛇行が補正される。ただし、加圧ローラ62が揺動すると、用紙の搬送方向に直交しかつ当該用紙の主面に沿う方向である搬送幅方向において、換言すれば画像形成装置10の前後方向において、定着ニップ部Nfと前述の転写ニップ部Ntとの相互間距離が変わる。これにより、画像形成装置10の前後方向において、用紙のたわみ量に差異が生ずる。特に、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方へ移動した場合に、画像形成装置10の前方側における用紙のたわみ量が、画像形成装置10の後方側における用紙のたわみ量よりも大きくなる。その結果、画像形成装置10の前方側において、用紙にしわが発生したり、用紙が加熱ベルト56における定着ニップ部Nf以外の部分に接触して、用紙上のトナーが不本意な形で当該用紙に定着することによる画像不良が発生したりするなどの、不都合が生ずる。
たとえば、図5において、符号200が付された太実線は、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysにあるときの用紙の搬送状態を示す。この太実線200で示されるように、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysにあるときの用紙は、若干たわんだ状態で搬送される。これは、転写ニップ部Ntと定着ニップ部Nfとによって同時に挟持された状態で搬送される用紙に対して過度な引張力が掛かることにより、当該用紙が破損するのを防止するためである。
そして、図5において、符号62dが付された一点鎖線は、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にあるときの当該加圧ローラ62を示す。この加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にあるときには、図5に太破線210で示されるように、用紙のたわみ量が大きくなる。これにより、用紙にしわが発生することが、懸念される。また特に、用紙が画像形成装置10の前方側へ大きくたわむと、当該用紙が加熱ベルト56における定着ニップ部Nf以外の部分に接触し、その結果、用紙上のトナーが不本意な形で当該用紙に定着することによる画像不良が発生することも、懸念される。用紙の厚みが小さい(薄い)ほど、これらの懸念が顕著になる。
これらの懸念を払拭するめに、つまり加圧ローラ62が揺動することに起因する不都合を回避するために、本第1実施例においては、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypに応じて、前述の剥離電極35により生成される剥離電界の強度が制御され、詳しくは画像形成装置10の前後方向における当該剥離電界の強度が制御される。この剥離電界の強度は、剥離電極35に印加される剥離電圧Vsの大きさによって制御される。なお、剥離電極35は、画像形成装置10の前方側に配置された前方側電極35aと、画像形成装置10の後方側に配置された後方側電極35bと、から成る。また、剥離電圧Vsの生成源である剥離電源220として、前方側電極35a用の前方側電源220aと、後方側電極35b用の後方側電源220bと、が設けられる。
因みに、転写ユニット34の駆動ローラ38には、定電流電源である転写バイアス電源230から接地電位を基準とするマイナスの転写バイアス電流Itが印加される。そして、転写ニップ部Ntを通過する用紙は、プラスに帯電する。したがって、剥離電極35には、剥離電源220から接地電位を基準とするマイナスの剥離電圧Vsが印加される。これにより、転写ニップ部Ntを通過した用紙を、中間転写ベルト32から引き離すための剥離電界が生成される。
剥離電極35および剥離電源220について、より詳しく説明すると、図6に示されるように、たとえば前方側電極35aは、これを上方から見ると、一方側縁が鋸歯状に形成された細長い板状体であり、当該鋸歯状に形成された一方側縁を用紙搬送路54へ向けるとともに、画像形成装置10の前後方向に沿って延伸するように、当該画像形成装置10の前方側に設けられる。そして、前方側電極35aには、前方側電源220aから接地電位を基準とするマイナスの前方側電圧Vsfが印加される。なお、前方側電源220aは、電圧値が可変の定電圧電源である。すなわち、前方側電圧Vsfは、可変である。また、前方側電極35aの鋸歯状に形成された一方側縁の当該鋸歯状部分の先端から用紙搬送路54までの距離は、たとえば約3mmである。そして、前方側電極35aの鋸歯状部分の歯の高さ寸法は、当該鋸歯状部分の先端から用紙搬送路54までの距離などの諸状況によって変わるが、たとえば約3~4mmである。併せて、前方側電極35aの鋸歯状部分の歯のピッチもまた、諸状況によって変わるが、たとえば約1mmである。そして、前方側電極35aの厚さ寸法は、たとえば約0.1mmである。
一方、後方側電極35bは、前方側電極36aと同じ仕様の要素であり、鋸歯状に形成された一方側縁を用紙搬送路54へ向けるとともに、画像形成装置10の前後方向に沿って延伸するように、当該画像形成装置10の後方側に設けられる。そして、後方側電極35bには、後方側電源220bから接地電位を基準とするマイナスの後方側電圧Vsrが印加される。なお、後方側電源220bは、電圧値が不変(一定)の定電圧電源である。すなわち、後方側電圧Vsrは、不変であり、たとえば-1kVである。
その上でたとえば、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysまたは当該基準位置Ysよりも上方にある場合は、前方側電圧Vsfが後方側電圧Vsrと同じ-1kVとされる。そして、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合は、前方側電圧Vsf(の絶対値)が後方側電圧Vsr(の絶対値)よりも大きく設定され、たとえば-3kVとされる。これにより、前方側電極35aによって生成される剥離電界が増大されて、用紙が当該前方側電極35a側へさらに引き寄せられる。その結果、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にあることに起因する不都合が、つまり当該加圧ローラ62が揺動することに起因する不都合が、回避される。
図7は、画像形成装置10の電気的な構成を示すブロック図である。この図7に示されるように、画像形成装置10は、制御部300を有する。そして、制御部300に、バス302を介して、画像読取部12、自動原稿送り装置18、画像形成部26および給紙部64が接続される。併せて、制御部300には、バス302を介して、操作ユニット304、補助記憶部306、通信部308などが接続される。なお、画像読取部12、自動原稿送り装置18、画像形成部26および給紙部64については、前述した通りある。特に、画像形成部26は、定着装置36を有し、定着装置36は、ベルト位置検出部100およびカム用モータ120を備える。
制御部300は、画像形成装置10全体の制御を司る、制御手段の一例である。このため、制御部300は、制御実行手段としてのコンピュータ、たとえばCPU300a、を有する。併せて、制御部300は、CPU300aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての主記憶部300bを有する。主記憶部300bは、たとえば不図示のROMおよびRAMを含む。このうちのROMには、CPU300aの動作を制御するための制御プログラム(ファームウェア)が記憶される。そして、RAMは、CPU300aが制御プログラムに従う処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。
操作ユニット304は、不図示のタッチパネル付きのディスプレイを有する。タッチパネル付きのディスプレイは、不図示のユーザによる操作を受付可能な操作受付手段の一例としてのタッチパネルと、各種の情報を表示する表示手段の一例としてのディスプレイと、が一体的に組み合わされた構成品である。また、操作ユニット304は、タッチパネル付きのディスプレイの他に、不図示のLEDなどの適宜の発光手段、および、不図示の押しボタンなどの適宜のハードウェアスイッチを有する。
補助記憶部306は、補助記憶手段の一例である。すなわち、補助記憶部306には、前述の読取画像データなどの種々のデータが適宜に記憶される。この補助記憶部306は、たとえば不図示のハードディスクドライブを有する。併せて、補助記憶部306は、フラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性メモリを有する場合がある。
通信部308は、通信手段の一例である。すなわち、通信部308は、不図示のLAN回線を介しての双方向の通信処理を担う。なお、通信部308は、LAN回線と有線により接続されてもよいし、無線により接続されてもよい。また、通信部308は、不図示の公衆交換電話網を介しての双方向の通信処理をも担う。
前述したように、本第1実施例によれば、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypに応じて、剥離電極35により生成される剥離電界の強度が制御され、詳しくは画像形成装置10の前後方向における当該剥離電界の強度が制御されるが、これを実現するために、CPU300aは、制御プログラムに従って、剥離電界制御タスクを実行する。この剥離電界制御タスクの流れを、図8に示す。なお、剥離電界制御タスクは、画像形成処理の実行を指示する命令である印刷ジョブが受け付けられることに応答して、実行される。
この剥離電界制御タスクによれば、CPU300aは、まず、ステップS1において、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にあるかどうかを判定する。ここで、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合(YES)、CPU300aは、処理をステップS3へ進める。一方、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にない場合、つまり当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysまたは基準位置Ysよりも上方にある場合(NO)は、CPU300aは、処理を後述するステップS5へ進める。
ステップS3において、CPU300aは、前方側電極35aに対して-3kVという前方側電圧Vsfを印加するとともに、後方側電極35bに対して-1kVという後方側電圧Vsrを印加する。そして、CPU300aは、処理をステップS7へ進める。
これに対して、CPU300aは、ステップS1からステップS5へ処理を進めた場合、当該ステップS5において、前方側電極35aに対して-1kVという前方側電圧Vsfを印加するとともに、後方側電極35bに対して-1kVという後方側電圧Vsrを印加する。そして、CPU300aは、処理をステップS7へ進める。
ステップS7において、CPU300aは、画像形成処理が終了したかどうかを判定する。ここで、画像形成処理が終了していない場合(NO)、CPU300aは、処理をステップS1へ戻す。一方、画像形成処理が終了した場合は(YES)、CPU300aは、処理をステップS9へ進める。
ステップS9において、CPU300aは、前方側電極35aに対する前方側電圧Vsfの印加を終了するとともに、後方側電極35bに対する後方側電圧Vsrの印加を終了する。これをもって、CPU300aは、剥離電界制御タスクを終了する。
このように、本第1実施例によれば、とりわけベルト蛇行補正機能によれば、加圧ローラ62が揺動されることで、加熱ベルト56の蛇行が補正される。言い換えれば、前述の特許文献1におけるようなニップ部延長部材が設けられることなく、加熱ベルト56の蛇行が補正される。その上で、加圧ローラ62が揺動されることに起因する不都合が回避される。すなわち、本第1実施例によれば、加圧ローラ62を揺動させることで、加熱ベルト56の蛇行を補正しつつ、当該加圧ローラ62を揺動させることに起因する不都合を回避することができる。
要するに、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にあるときに、用紙がより撓み易い画像形成装置10の前方側に配置された前方側電極35aに対して、より大きな剥離電圧Vsfが印加されることで、当該用紙における画像形成装置10の前方側が、画像形成装置10の左方側へ大きく撓むことが防止される。これにより、用紙における画像形成装置10の前方側が、加熱ベルト56における定着ニップ部Nf以外の部分に接触して、用紙上のトナーが不本意な形で当該用紙に定着する(過剰に加熱され、溶け過ぎたトナーが加熱ベルト56側に分断されて残る)ことによる画像不良の発生が防止される。
なお、本第1実施例における中間転写ベルト32は、本開示に係る像担持体の一例である。そして、本第1実施例におけるベルト蛇行補正機能は、前述の偏芯カムなどの機械的要素に加えて、カム用モータ120がCPU300aによって制御されることで、実現されるが、このベルト蛇行補正機能を実現するためのCPU300aなどの要素は、本開示に係る揺動手段の一例である。
[第2実施例]
次に、本開示の第2実施例について、説明する。
前述の第1実施例においては、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合に、前方側電圧Vsfが一律的に-3kVとされたが、本第2実施例においては、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合に、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lに応じて、前方側電圧Vsfが設定される。
具体的には、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合であって、たとえば当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lが0.3mm以下である場合には、前方側電圧Vsfが-3kVとされる。そして、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合であって、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lが0.3mmよりも大きい場合は、前方側電圧Vsfが-4.5kVとされる。すなわち、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合には、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lに応じて、前方側電圧Vsfが2段階で設定される。なお、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysまたは当該基準位置Ysよりも上方にある場合は、第1実施例と同様、前方側電圧Vsfは-1kVとされる。そして、前方側電圧Vsfについては、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypに拘らず、-1kVという一定値に設定される。
このような本第2実施例においては、CPU300aは、図9に示されるような流れで、剥離電界制御タスクを実行する。
すなわち、CPU300aは、まず、ステップS11において、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にあるかどうかを判定する。ここで、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合(YES)、CPU300aは、処理をステップS13へ進める。一方、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にない場合、つまり当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysまたは基準位置Ysよりも上方にある場合(NO)は、CPU300aは、処理を後述するステップS19へ進める。
ステップS13において、CPU300aは、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lが0.3mmよりも大きいかどうかを判定する。ここで、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lが0.3mmよりも大きい場合(YES)、CPU300aは、処理をステップS15へ進める。一方、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lが0.3mm以下である場合は(YES)、CPU300aは、処理を後述するステップS17へ進める。
ステップS15において、CPU300aは、前方側電極35aに対して-4.5kVという前方側電圧Vsfを印加するとともに、後方側電極35bに対して-1kVという後方側電圧Vsrを印加する。そして、CPU300aは、処理を後述するステップS21へ進める。
これに対して、CPU300aは、ステップS13からステップS17へ処理を進めた場合、当該ステップS17において、前方側電極35aに対して-3kVという前方側電圧Vsfを印加するとともに、後方側電極35bに対して-1kVという後方側電圧Vsrを印加する。そして、CPU300aは、処理をステップS21へ進める。
さらに、CPU300aは、前述のステップS11からステップS19へ処理を進めた場合、当該ステップS19において、前方側電極35aに対して-1kVという前方側電圧Vsfを印加するとともに、後方側電極35bに対して-1kVという後方側電圧Vsrを印加する。そして、CPU300aは、処理をステップS21へ進める。
ステップS21において、CPU300aは、画像形成処理が終了したかどうかを判定する。ここで、画像形成処理が終了していない場合(NO)、CPU300aは、処理をステップS11へ戻す。一方、画像形成処理が終了した場合は(YES)、CPU300aは、処理をステップS23へ進める。
ステップS23において、CPU300aは、前方側電極35aに対する前方側電圧Vsfの印加を終了するとともに、後方側電極35bに対する後方側電圧Vsrの印加を終了する。これをもって、CPU300aは、剥離電界制御タスクを終了する
このように、本第2実施例によれば、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合には、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lに応じて、前方側電圧Vsfが設定される。すなわち、用紙のたわみ量に応じて、前方側電圧Vsfが設定され、詳しくは当該前方側電圧Vsfが2段階で設定される。これにより特に、用紙のたわみ量が大きいときに、当該用紙が大きくたわむことに起因する不都合が、つまり加圧ローラ62が揺動することに起因する不都合が、より確実に回避される。
要するに、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にあるときに、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lに応じて、用紙がより撓み易い画像形成装置10の前方側に配置された前方側電極35aに印加される剥離電圧Vsfが適宜に制御されることで、当該用紙における画像形成装置10の前方側が、画像形成装置10の左方側へ大きく撓むことが効果的に防止される。これにより、用紙における画像形成装置10の前方側が、加熱ベルト56における定着ニップ部Nf以外の部分に接触して、用紙上のトナーが不本意な形で当該用紙に定着する(過剰に加熱され、溶け過ぎたトナーが加熱ベルト56側に分断されて残る)ことによる画像不良の発生が防止される。
なお、本第2実施例においては、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが基準位置Ysよりも下方にある場合には、当該加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypと基準位置Ysとの相互間距離Lに応じて、前方側電圧Vsfが2段階で設定されたが、これに限らない。すなわち、前方側電圧Vsfが3段階以上の複数の段階で設定されてもよい。
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本開示を適用することができる。
たとえば、各実施例においては、加圧ローラ62の前方側端部の位置Ypが上下方向に沿って移動されることで、当該加圧ローラ62が揺動されたが、これに限らない。たとえば、加圧ローラ62の後方側端部の位置が上下方向に沿って移動されることで、当該加圧ローラ62が揺動されてもよい。あるいは、加圧ローラ62の回転軸62cにおける中央部分を支点として、当該加圧ローラ62が揺動されてもよい。
また、各実施例においては、タンデム方式のカラーの画像形成部26を採用する画像形成装置10を例に挙げたが、ロータリ方式のカラーの画像形成部を採用する画像形成装置にも、本開示を適用することができる。さらに、モノクロの画像形成装置にも、本開示を適用することができる。
加えて、各実施例における画像形成装置10は、複合機であるが、プリンタ専用機やコピー専用機、ファクス専用機などの当該複合機以外の画像形成装置にも、本開示を適用することができる。
そして、本開示は、画像形成装置という装置の形態に限らず、画像形成装置における剥離電界制御方法という方法の形態によっても、提供することができる。
10 … 画像形成装置
20 … 画像形成部
32 … 中間転写ベルト
34 … 転写ユニット
35 … 剥離電極
35a … 前方側電極
35b … 後方側電極
36 … 定着装置
44 … 転写ローラ
56 … 加熱ベルト
58 … 加熱ローラ
60 … 定着ローラ
62 … 加圧ローラ
100 … ベルト位置検出部
120 … カム用モータ
220 … 剥離電源
220a … 前方側電源
220b … 後方側電源
Nt … 転写ニップ部
Nf … 定着ニップ部
Vs … 剥離電圧
Vsf … 前方側電圧
Vsr … 後方側電圧

Claims (6)

  1. トナー像が形成され、回転可能な像担持体、
    前記像担持体と当接回転し、当該像担持体との間でシート状の画像記録媒体を挟持搬送して、当該像担持体に形成された前記トナー像を当該画像記録媒体に転写する転写部材を有する転写手段、
    前記像担持体と前記転写部材との当接部分である転写ニップ部を通過した前記画像記録媒体を当該像担持体から引き離すための剥離電界を生成する剥離電極、
    前記画像記録媒体に転写された前記トナー像を加熱して当該画像記録媒体に定着させる定着手段、および、
    制御手段を備え、
    前記定着手段は、
    回転可能に設けられ、熱源によって加熱される無端帯状の加熱ベルト、
    前記加熱ベルトに内接する内接部材、
    前記加熱ベルトの回転軸方向に沿って延伸するように設けられ、前記内接部材との間で当該加熱ベルトを押圧した状態で当該加熱ベルトと共に回転し、当該加熱ベルトとの間で前記画像記録媒体を挟持搬送する加圧ローラ、および、
    前記加熱ベルトの回転軸方向に対して前記加圧ローラの回転軸方向を傾かせるように当該加圧ローラを揺動可能な揺動手段を有し、
    前記制御手段は、前記加圧ローラの揺動位置に基づいて、前記画像記録媒体の搬送方向に直交しかつ当該画像記録媒体の主面に沿う方向である搬送幅方向における前記剥離電界の強度を制御する、画像形成装置。
  2. 前記揺動手段は、前記加圧ローラの一方端側を、前記加熱ベルトに対する当該加圧ローラによる押圧部分である定着ニップ部における前記画像記録媒体の搬送方向に沿って変位させることで、当該加圧ローラを揺動させる、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記剥離電極は、前記搬送幅方向における前記転写ニップ部の一方端寄りに設けられた第1電極、および、当該搬送幅方向における当該転写ニップ部の他方端寄りに設けられた第2電極を有し、
    前記制御手段は、前記第1電極および前記第2電極のそれぞれに個別の電圧を印加することで、前記搬送幅方向における前記剥離電界の強度を制御する、請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記加圧ローラの両端の一方側が予め定められた基準位置よりも前記転写ニップ部に近い場合に、前記第1電極および前記第2電極のうちの当該一方側に対応する一方電極に印加する前記電圧を、当該第1電極および第2電極のうちの他方電極に印加する前記電圧よりも大きくする、請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記加圧ローラの両端の一方側と前記転写ニップ部との相互間距離に応じて、前記一方電極に印加する前記電圧の大きさを設定する、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. トナー像が形成され、回転可能な像担持体、
    前記像担持体と当接回転し、当該像担持体との間でシート状の画像記録媒体を挟持搬送して、当該像担持体に形成された前記トナー像を当該画像記録媒体に転写する転写部材を有する転写手段、
    前記像担持体と前記転写部材との当接部分である転写ニップ部を通過した前記画像記録媒体を当該像担持体から引き離すための剥離電界を生成する剥離電極、および、
    前記画像記録媒体に転写された前記トナー像を加熱して当該画像記録媒体に定着させる定着手段を備え、
    前記定着手段は、
    回転可能に設けられ、熱源によって加熱される無端帯状の加熱ベルト、
    前記加熱ベルトに内接する内接部材、
    前記加熱ベルトの回転軸方向に沿って延伸するように設けられ、前記内接部材との間で当該加熱ベルトを押圧した状態で当該加熱ベルトと共に回転し、当該加熱ベルトとの間で前記画像記録媒体を挟持搬送する加圧ローラ、および、
    前記加熱ベルトの回転軸方向に対して前記加圧ローラの回転軸方向を傾かせるように当該加圧ローラを揺動可能な揺動手段を有する、画像形成装置における剥離電界制御方法であって
    前記加圧ローラの揺動位置に基づいて、前記画像記録媒体の搬送方向に直交しかつ当該画像記録媒体の主面に沿う方向である搬送幅方向における前記剥離電界の強度を制御する制御ステップを含む、剥離電界制御方法。
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