JP2024047440A - 複列円すいころ軸受の組付け治具、及び、複列円すいころ軸受の組付け方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複列円すいころ軸受の組付け時に、円すいころの大端側(円すいころの大端面と内輪の大鍔との間)に隙間が生じることを防止して、円すいころの座り不良の発生を防止することが可能な複列円すいころ軸受の組付け治具を提供する。
【解決手段】複列円すいころ軸受の組付け治具10は、円環状に形成され、複列円すいころ軸受1が回転部材100に組付けられる際に、一方の円すいころ軸受1Aを構成する円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ軸受1Bを構成する円すいころ4の小端面4bとに当接して、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間を詰めるように、一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間に取付け可能に構成される。
【選択図】 図2
【解決手段】複列円すいころ軸受の組付け治具10は、円環状に形成され、複列円すいころ軸受1が回転部材100に組付けられる際に、一方の円すいころ軸受1Aを構成する円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ軸受1Bを構成する円すいころ4の小端面4bとに当接して、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間を詰めるように、一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間に取付け可能に構成される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、複列円すいころ軸受の組付け治具、及び、該複列円すいころ軸受の組付け治具を用いた複列円すいころ軸受の組付け方法に関する。
従来から、例えば、ドライブピニオンシャフトやハブ等の回転部材を回転自在に軸支するため、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を同時に支えることができる複列円すいころ軸受(ダブルテーパローラベアリング)が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
通常、複列円すいころ軸受は、耐久性や信頼性確保等の観点から、内外輪-円すいころ間に予圧をかけて使用される。例えば、複列円すいころ軸受にシャフト等の回転部材を組付ける際に、複列円すいころ軸受(内輪)にシャフト等の回転部材を圧入して内輪径を拡大することにより、予圧が付与される。
しかしながら、複列円すいころ軸受の組付け時に、シャフト等の回転部材を圧入する際の作業条件等によっては、円すいころの大端側(円すいころの大端面と内輪の大鍔との間)に隙間が生じ、シャフトの圧入後にも隙間が残ることがある。すなわち、円すいころの大端面が内輪の大鍔に接触せず、所謂座り不良の状態となることがある。このような座り不良のまま回転部材を運転すると、例えば、円すいころや内輪などが局所摩耗し、異音等が発生するおそれがある。そのため、このような座り不良を防止できる発明が望まれていた。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、複列円すいころ軸受の組付け時、すなわち、複列円すいころ軸受に回転部材が圧入される際に、円すいころの大端側(円すいころの大端面と内輪の大鍔との間)に隙間が生じることを防止して、円すいころの座り不良の発生を防止することが可能な複列円すいころ軸受の組付け治具、及び、該組付け治具を用いた複列円すいころ軸受の組付け方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る複列円すいころ軸受の組付け治具は、内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、複数の円すいころを保持する保持器と、を備えて構成される円すいころ軸受が、対となって、対向して配置された複列円すいころ軸受を回転部材に組付ける際に用いられる複列円すいころ軸受の組付け治具であって、円環状に形成され、複列円すいころ軸受が回転部材に組付けられる際に、一方の円すいころ軸受を構成する円すいころの小端と他方の円すいころ軸受を構成する円すいころの小端、又は、一方の保持器の小端と他方の保持器の小端とに当接して、一方の円すいころの大端面と一方の内輪の大鍔との間の隙間、及び、他方の円すいころの大端面と他方の内輪の大鍔との間の隙間それぞれを詰めるように、一方の円すいころの小端と他方の円すいころの小端との間、又は、一方の保持器の小端と他方の保持器の小端との間に取付け可能に構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、複列円すいころ軸受の組付け時、すなわち、複列円すいころ軸受に回転部材が圧入される際に、円すいころの大端側(円すいころの大端面と内輪の大鍔との間)に隙間が生じることを防止して、円すいころの座り不良の発生を防止することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1~図3を併せて用いて、第1実施形態に係る複列円すいころ軸受の組付け治具10の構成について説明する。図1は、複列円すいころ軸受の組付け治具10の構成を示す図である。図2は、複列円すいころ軸受の組付け治具10が取付けられた複列円すいころ軸受1を示す断面図である。図3は、複列円すいころ軸受の組付け治具10を用いた複列円すいころ軸受の組付け方法を説明するための図である。
まず、図1~図3を併せて用いて、第1実施形態に係る複列円すいころ軸受の組付け治具10の構成について説明する。図1は、複列円すいころ軸受の組付け治具10の構成を示す図である。図2は、複列円すいころ軸受の組付け治具10が取付けられた複列円すいころ軸受1を示す断面図である。図3は、複列円すいころ軸受の組付け治具10を用いた複列円すいころ軸受の組付け方法を説明するための図である。
複列円すいころ軸受(ダブルテーパローラベアリング)1は、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重を同時に支えることができ、例えば、ドライブピニオンシャフトやハブ等の回転部材100を回転自在に軸支する(図7参照)。なお、図7は、ドライブピニオンシャフト100に適用された複列円すいころ軸受1の構成を示す断面図である。
複列円すいころ軸受1は、内輪2と、外輪3と、内輪2と外輪3との間に転動自在に配された複数の円すいころ4と、複数の円すいころ4を周方向に沿って所定間隔毎に保持する保持器5とを備えて構成される2個の円すいころ軸受(一方の円すいころ軸受1A及び他方の円すいころ軸受1B)が、対となって、対向して配置されて構成される。例えば、本実施形態に係る複列円すいころ軸受1は、一対の内輪2と、一個の外輪3と、一方の内輪2と外輪3との間、及び、他方の内輪2と外輪3との間それぞれに転動自在に配された複数の円すいころ4と、複数の円すいころ4を周方向に沿って所定間隔毎に保持する一対の保持器5とを備えて構成される、外向き形の複列円すいころ軸受である。
より詳細には、内輪2は、その外径面に円すい状の軌道面を有し、軌道面の大端側(大径側)には、外径側へ突出する大鍔(鍔部)2aが形成されている。また、円すいころ4が小端側へ脱落することを防止するために、内輪2の小端側(小径側)には小鍔(鍔部)2bが形成されている。
外輪3はその内径面に一対の円すい状の軌道面を有し、この軌道面と内輪2の軌道面とを、保持器5で保持された複数の円すいころ4が転動する。
保持器5は、一対の環状部(大径側環状部及び小径側環状部)と、該環状部(大径側環状部と小径側環状部)を連結する柱部とを備え、周方向に沿って隣合う柱部間に形成された収容部(ポケット)5aに円すいころ4が回転自在に収容される。
各円すいころ軸受1A、1Bでは、円すいころ4と内外輪の軌道面とが線接触しており、内・外輪軌道面およびころ中心が軸心上の一点で一致するよう設計されている。
ところで、通常、複列円すいころ軸受1は、耐久性や信頼性確保等の観点から、内外輪-円すいころ間に予圧をかけて使用される。例えば、複列円すいころ軸受1にシャフト等の回転部材100を組付ける際に、複列円すいころ軸受1(内輪2)にシャフト等の回転部材100を圧入して内輪径を拡大することにより、予圧が付与される。
しかしながら、複列円すいころ軸受1の組付け時に、シャフト等の回転部材100を圧入する際の作業条件等によっては、例えば、外輪3や鉛直上方の円すいころ4が自重で落ちることにより、図6に示されるように、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じ、回転部材100の圧入後にも隙間が残ることがある。すなわち、円すいころ4の大端面4aが内輪2の大鍔2aに接触せず、所謂座り不良の状態となることがある。このような座り不良のまま回転部材100を運転すると、例えば、円すいころ4や内輪2などが局所摩耗し、異音等が発生するおそれがある。なお、図6は、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じている状態(すなわち座り不良な状態)を示す断面図である。
ここで、複列円すいころ軸受の組付け治具(以下、単に「組付け治具」ということもある)10は、複列円すいころ軸受1の組付け時、すなわち、複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入される際に、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じることを防止して、円すいころ4の座り不良の発生を防止する機能を有している(図5参照)。なお、図5は、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じていない状態(正規の状態、すなわち座りが良好な状態)を示す断面図である。
そのため、複列円すいころ軸受の組付け治具10は、円環状(無底円筒状)に形成され、複列円すいころ軸受1が回転部材100に組付けられる際に、一方の円すいころ軸受1Aを構成する円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ軸受1Bを構成する円すいころ4の小端面4bとに当接して、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間それぞれを詰めるように、一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間に取付け可能(挿入可能)に構成されている。
又は、複列円すいころ軸受の組付け治具10は、円環状(無底円筒状)に形成され、複列円すいころ軸受1が回転部材100に組付けられる際に、一方の円すいころ軸受1Aを構成する保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとに当接して、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間それぞれを詰めるように、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとの間に取付け可能(挿入可能)に構成されている。
より具体的には、複列円すいころ軸受の組付け治具10は、例えば、柔軟性を有する樹脂等からなり、円環状(無底筒状)に形成され、中心軸に対して斜め方向に切り込み10aが入れられている。そのため、回転部材100の組付け後に、切り込み10aが入れられた合口の先端を工具でつまんで、例えば、外輪3に形成された隙間(図示省略)から引き抜くことにより、複列円すいころ軸受の組付け治具10を取り外すことができる。
複列円すいころ軸受の組付け治具10の径(直径)は、例えば、保持器5の小端5bの径(直径)±円すいころ4の小端面4bの半径に設定される。なお、複列円すいころ軸受の組付け治具10の軸方向の長さは、径(直径)に応じて、装着時に、一方の円すいころ軸受1Aを構成する円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ軸受1Bを構成する円すいころ4の小端面4b、又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとに当接して、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間それぞれを詰めることができる長さに設定される。このように、複列円すいころ軸受の組付け治具10が円環状(無底円筒状)に形成されるため、装着時に、すべての(例えば18個×2)の円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間の隙間を詰めた状態で保持することができる。
次に、図3を参照しつつ、複列円すいころ軸受の組付け治具10を用いた複列円すいころ軸受の組付け方法について説明する。
複列円すいころ軸受1に回転部材(シャフト)100が組付けられる際に、まず、第1工程では、複列円すいころ軸受の組付け治具10が、一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間(又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとの間)に取付けられる。これにより、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間それぞれが詰められて保持される。
次に、第2工程では、複列円すいころ軸受の組付け治具10が取付けられた複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入される。
その後、第3工程において、複列円すいころ軸受1から組付け治具10が取り外される。例えば、切り込み10aが入れられた合口の先端が工具でつままれて、外輪3に形成された隙間から引き抜かれることにより、複列円すいころ軸受の組付け治具10が取り外される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、円環状に形成され、複列円すいころ軸受1が回転部材100に組付けられる際に、一方の円すいころ軸受1Aを構成する円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ軸受1Bを構成する円すいころ4の小端面4b、又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとに当接して、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間それぞれが詰まるように、一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間、又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとの間に取付け可能に構成されている。そのため、複列円すいころ軸受1の組付け時、すなわち、複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入される際に、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じることを防止して、円すいころ4の座り不良の発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、円環状に形成され、複列円すいころ軸受の組付け治具10の径(直径)が、例えば、保持器5の小端5bの径(直径)±円すいころ4の小端面4bの半径に設定される。そのため、複列円すいころ軸受の組付け治具10が円環状に形成されることにより、すべての(例えば18個×2)の円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間の隙間を詰めた状態で保持することができる。
また、本実施形態によれば、複列円すいころ軸受の組付け治具10は、例えば、柔軟性を有する樹脂等からなり、円環状に形成され、中心軸に対して斜め方向に切り込み10aが入れられている。そのため、切り込み10aが入れられた合口の先端を工具でつまんで、例えば、外輪3に形成された隙間から引き抜くことにより、複列円すいころ軸受の組付け治具10を取り外すことができる。
また、本実施形態によれば、複列円すいころ軸受1に回転部材(シャフト)100が組付けられる際に、まず、複列円すいころ軸受の組付け治具10が一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間(又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとの間)に取付けられ(第1工程)、次に、複列円すいころ軸受の組付け治具10が取付けられた複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入され(第2工程)、そして、その後、例えば、切り込み10aが入れられた合口の先端が工具でつままれて、外輪3に形成された隙間から引き抜かれることにより、複列円すいころ軸受の組付け治具10が取り外される(第3工程)。そのため、複列円すいころ軸受1の組付け時、すなわち、複列円すいころ軸受1に回転部材100を圧入する際に、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じることを防止して、円すいころ4の座り不良の発生を防止することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図4を用いて、第2実施形態に係る複列円すいころ軸受の組付け治具20について説明する。図4は、複列円すいころ軸受の組付け治具20の構成を示す図である。
次に、図4を用いて、第2実施形態に係る複列円すいころ軸受の組付け治具20について説明する。図4は、複列円すいころ軸受の組付け治具20の構成を示す図である。
上記第1実施形態では、例えば、柔軟性を有する樹脂等から形成され、組付け治具10を取り外すための切り込み10aが入れられていたが、このような構成に代えて、本実施形態では、常温において円環状(無底筒状)に固化されており、所定温度以上(例えば数十度から百数十度)で液化するグリース、パラフィン等の潤滑剤又は硬化油からなる点で、上述した第1実施形態と異なっている。
また、本実施形態では、組付け治具20が運転時に所定温度以上(例えば数十度から百数十度)となることで液化する(溶ける)ため(すなわち組付け治具20を取り出す必要がないため)、切り込み10aが不要である点で、上述した第1実施形態と異なっている。このため、組付け治具20を形成する潤滑剤又は硬化油は複列円すいころ軸1の潤滑用油脂に合わせて、この潤滑用油脂に溶解する素材が選択されることが好ましい。
なお、その他の構成は、上述した第1実施形態と同一又は同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、複列円すいころ軸受の組付け治具20を用いた複列円すいころ軸受の組付け方法について説明する。
複列円すいころ軸受1に回転部材(シャフト)100が組付けられる際に、まず、第1工程では、複列円すいころ軸受の組付け治具20が、一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間(又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとの間)に取付けられる。これにより、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間それぞれが詰められて保持される。
次に、第2工程では、複列円すいころ軸受の組付け治具20が取付けられた複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入される。なお、本実施形態では、所定温度以上(例えば数十度から百数十度)でグリース、パラフィン等の潤滑剤又は硬化油からなる組付け治具20が液化する(溶ける)ため、組付け治具20を取り出す行程は不要である。
本実施形態によれば、組付け治具20が、常温において円環状に固化されており、所定温度以上で液化するグリース、パラフィン等の潤滑剤又は硬化油からなり、複列円すいころ軸受1が回転部材100に組付けられる際に、一方の円すいころ軸受1Aを構成する円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ軸受1Bを構成する円すいころ4の小端面4b、又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとに当接して、一方の円すいころ4の大端面4aと一方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間、及び、他方の円すいころ4の大端面4aと他方の内輪2の大鍔2aとの間の隙間それぞれが詰まるように、一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間、又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとの間に取付け可能に構成されている。そのため、複列円すいころ軸受1の組付け時、すなわち、複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入される際に、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じることを防止して、円すいころ4の座り不良の発生を防止することが可能となる。
また、本実施形態によれば、所定温度以上(例えば数十度から百数十度)でグリース、パラフィン等の潤滑剤又は硬化油からなる組付け治具20が液化するため、組付け治具20を取り出す必要がない。よって、組付け治具20を取り出す工程を省略することができる。
また、本実施形態によれば、複列円すいころ軸受1に回転部材(シャフト)100が組付けられる際に、まず、複列円すいころ軸受の組付け治具20が一方の円すいころ4の小端面4bと他方の円すいころ4の小端面4bとの間(又は、一方の保持器5の小端5bと他方の保持器5の小端5bとの間)に取付けられ(第1工程)、次に、複列円すいころ軸受の組付け治具20が取付けられた複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入される(第2工程)。そのため、複列円すいころ軸受1の組付け時、すなわち、複列円すいころ軸受1に回転部材100が圧入される際に、円すいころ4の大端側(円すいころ4の大端面4aと内輪2の大鍔2aとの間)に隙間が生じることを防止して、円すいころ4の座り不良の発生を防止することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、外向き形(複列外輪使用)の複列円すいころ軸受1を例にして説明したが、本発明は、内向き形(複列内輪使用)の複列円すいころ軸受や、組合せ円すいころ軸受に適用することもできる。
また、複列円すいころ軸受の組付け治具10、20の形状や、素材、サイズ等は、上記実施形態に限られることなく、例えば、適用される複列円すいころ軸受や要件等に応じて任意に変更することができる。
1 複列円すいころ軸受(ダブルテーパローラベアリング)
1A、1B 円すいころ軸受
2 内輪
2a 大鍔
2b 小鍔
3 外輪
4 円すいころ
4a 大端面
4b 小端面
5 保持器
5a 収容部(ポケット)
5b 小端
10、20 複列円すいころ軸受の組付け治具
10a 切り込み
100 回転部材(シャフト)
1A、1B 円すいころ軸受
2 内輪
2a 大鍔
2b 小鍔
3 外輪
4 円すいころ
4a 大端面
4b 小端面
5 保持器
5a 収容部(ポケット)
5b 小端
10、20 複列円すいころ軸受の組付け治具
10a 切り込み
100 回転部材(シャフト)
Claims (5)
- 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、前記複数の円すいころを保持する保持器と、を備えて構成される円すいころ軸受が、対となって、対向して配置された複列円すいころ軸受が回転部材に組付けられる際に用いられる複列円すいころ軸受の組付け治具であって、
円環状に形成され、前記複列円すいころ軸受が回転部材に組付けられる際に、一方の前記円すいころ軸受を構成する前記円すいころの小端と他方の前記円すいころ軸受を構成する前記円すいころの小端、又は、一方の前記保持器の小端と他方の前記保持器の小端とに当接して、一方の前記円すいころの大端面と一方の前記内輪の大鍔との間の隙間、及び、他方の前記円すいころの大端面と他方の前記内輪の大鍔との間の隙間それぞれを詰めるように、一方の前記円すいころの小端と他方の前記円すいころの小端との間、又は、一方の前記保持器の小端と他方の前記保持器の小端との間に取付け可能に構成されることを特徴とする複列円すいころ軸受の組付け治具。 - 樹脂からなり、中心軸に対して斜め方向に切り込みが入れられていることを特徴とする請求項1に記載の複列円すいころ軸受の組付け治具。
- 常温において円環状に固化されており、所定温度以上で液化する潤滑剤又は硬化油からなることを特徴とする請求項1に記載の複列円すいころ軸受の組付け治具。
- 請求項2に記載された複列円すいころ軸受の組付け治具を、一方の前記円すいころの小端と他方の前記円すいころの小端との間、又は、一方の前記保持器の小端と他方の前記保持器の小端との間に取付ける第1工程と、
前記複列円すいころ軸受の組付け治具が取付けられた複列円すいころ軸受に回転部材を圧入する第2工程と、
前記切り込みが入れられた合口の先端をつまんで引き抜くことにより、前記複列円すいころ軸受の組付け治具を取り外す第3行程と、を備えることを特徴とする複列円すいころ軸受の組付け方法。 - 請求項3に記載された複列円すいころ軸受の組付け治具を、一方の前記円すいころの小端と他方の前記円すいころの小端との間、又は、一方の前記保持器の小端と他方の前記保持器の小端との間に取付ける第1工程と、
前記複列円すいころ軸受の組付け治具が取付けられた複列円すいころ軸受に回転部材を圧入する第2工程と、を備えることを特徴とする複列円すいころ軸受の組付け方法。
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JP2022153054A JP2024047440A (ja) | 2022-09-26 | 2022-09-26 | 複列円すいころ軸受の組付け治具、及び、複列円すいころ軸受の組付け方法 |
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