JP2024046545A - 吸収性物品用不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】凹凸構造の底部に配される開孔部に対する視認性の高を高めることができる吸収性物品用不織布を提供する。【解決手段】厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、吸収性物品用不織布。【選択図】図1

Description

本発明は吸収性物品用不織布に関する。
不織布は、おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材など様々な用途に用いられている。例えば、吸収性物品の表面シートとして用いられる不織布には様々な構造を備えたものがある。
例えば、特許文献1には、吸収性物品の表面シートとして、複数の畝部と底部とを有し、前記底部に開孔を配した凹凸構造の不織布が記載されている。特許文献2には、第1不織布層と第2不織布層とが積層された不織布が記載されている。前記第1不織布層は凹凸構造を有し、第2不織布層は略平坦な形状とされている。
特開2020-467号公報 特開2019-44293号公報
凹凸構造の底部に開孔部を有する不織布は、吸収性物品の表面シートとして用いた場合、前記開孔部の存在によって吸収性物品の液吸収性を高めることができる。ここでいう開孔部は、厚み方向に貫通した孔と凹状底部を有する孔とを含む。この液吸収性の高さは、吸収性物品を手に取った使用者にとっては開孔構造を認識することで理解されやすい。
しかし、前記不織布が表面シートとして吸収性物品に組み込まれると、前記開孔部は下層の部材の存在によって視認され難くなる。そのため、使用者に液吸収性の高さを訴求する観点から、上記のような不織布において底部の開孔部の視認性が高いことが望まれる。
本発明は、上記の点に鑑み、凹凸構造の底部に配される開孔部に対する視認性を高めることができる吸収性物品用不織布に関する。
本発明は、厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、吸収性物品用不織布を提供する。
また、本発明は、複数の突起と該突起間の凹部とを備えた凹凸形状の支持体上に第1繊維ウエブを載置し、前記凹部に沿って、前記第1繊維ウエブを、押し込み部材の押し込み部によって押し込んで賦形すると共に、前記突起に対応する箇所を開孔し、前記支持体と反対側に開孔面を有する凹凸開孔繊維ウエブを形成する、押し込み工程と、前記支持体から前記押込み部材を取り外した後、凹凸開孔繊維ウエブに第1の熱風を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸開孔不織布を得る工程と、第2繊維ウエブを供給して、前記凹凸開孔不織布の開孔面側に積層させる工程と、第2の熱風を吹き付けて前記凹凸不織布と前記第2繊維ウエブとの繊維同士を融着させ、かつ前記第2繊維ウエブ中の繊維同士を融着する熱融着工程と、を有する吸収性物品用不織布の製造方法を提供する。
本発明の吸収性物品用不織布は、凹凸構造の底部に配される開孔部に対する視認性を高めることができる。本発明の吸収性物品用不織布の製造方法によれば、上記の本発明の吸収性物品用不織布を好適に製造することができる。
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態を模式的に示す断面図である。 (A)は本実施形態の吸収性物品用不織布の一例を吸収体上に載置した積層体を模式的に示す断面図であり、(B)は(A)の積層体を吸収性物品用不織布側から撮像した図面代用写真である。 (A)は従来例の吸収性物品用不織布を吸収体上に載置した積層体を模式的に示す断面図であり、(B)は(A)の積層体を吸収性物品用不織布側から撮像した図面代用写真である。 (A)は別の従来例の吸収性物品用不織布を吸収体上に載置した積層体を模式的に示す断面図であり、(B)は(A)の積層体を吸収性物品用不織布側から撮像した図面代用写真である。 本実施形態の吸収性物品用不織布の具体例を一方の面側から模式的に示す平面図である。 図5に示す吸収性物品用不織布のR1-R1線断面図である。 図5に示す吸収性物品用不織布のR2-R2線断面図である。 図5に示す吸収性物品用不織布のR3-R3線断面図である。 本発明に係る吸収性物品用不織布の製造方法の好ましい一実施形態を模式的に示す説明図であり、(A)は押し込み工程を示し、(B)は第1の熱風により凹凸開孔不織布を得る工程を示し、(C)は第2繊維ウエブを凹凸開孔不織布に積層する工程を示し、(D)は第2の熱風により凹凸開孔不織布と第2繊維ウエブとを一体化し、第2繊維ウエブを不織布化する工程を示している。 支持体の平面図である。 押し込み部材の平面図である。 支持体と押し込み部材とを組み合わせた状態を示す平面図である。 (A)は図9に示す本実施形態の吸収性物品用不織布の製造方法により得られる不織布の厚み方向断面の一例を示す図面代用写真であり、(B)は凹凸開孔不織布に対して不織布を積層し一体化する従来例の製造方法により得られる吸収性物品用不織布の厚み方向断面の一例を示す図面代用写真である。 図13(A)に示す断面を部分拡大して示す図面代用写真である。 図13(B)に示す断面を部分拡大して示す図面代用写真である。
本発明に係る吸収性物品用不織布の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら、以下に説明する。なお、本明細書において、吸収性物品用不織布を単に不織布ということがある。
本実施形態の不織布10は、繊維同士の交差部に繊維融着部を有する、いわゆるサーマルボンド不織布である。例えば、エアスルー法によって前記繊維融着部を形成したエアスルー不織布が挙げられる。そのため、不織布10は構成繊維に熱可塑性繊維を含む。すなわち、不織布10を構成する後述の第1繊維層M1及び第2繊維層M2は構成繊維に熱可塑性繊維を含み、前記繊維融着部を形成した不織布である。第1繊維層M1と第2繊維層M2とは互いの繊維同士の交差部における繊維融着部によって一体化されている。
このような本実施形態の不織布10は、図1に示すように、厚み方向に積層された第1繊維層M1と第2繊維層M2とを有する。不織布10は一方の面側10Tと他方の面側10Bとの表裏面を有し、一方の面側10Tに第1繊維層M1が配され、他方の面側10Bに第2繊維層M2が配される。不織布10において、例えば一方の面側10Tを使用面とすることができる。例えば、不織布10を吸収性物品の表面シートとして用いる場合、一方の面側10Tを肌面側とすることができる。この場合、第1繊維層M1は上層、第2繊維層M2は下層ともいう。なお、上記の一方の面側10Tと他方の面側10Bとは、不織布10全体の表裏面を意味すると同時に、第1繊維層M1及び第2繊維層M2のそれぞれの表裏面も意味する。また、不織布10の厚み方向Zは、第1繊維層M1及び第2繊維層M2のそれぞれの厚み方向Zも意味する。
第1繊維層M1は、一方の面側10Tに突出する複数の凸部1と、隣り合う凸部1、1間に設けられた底部2とを有する。これにより、第1繊維層M1は厚み方向Zに凹凸構造を有する。凸部1は、第1繊維層M1の厚み方向Zに立設された立体的な繊維層であり、底部2よりも一方の面側10Tの高い位置にある。複数の凸部1のそれぞれは、頂部1Aと、頂部1Aを支持する壁部1Bとを備える。
頂部1Aの一方の面側10Tの外形は、平坦面であってもよく、曲面であってもよい。凹凸の起伏の深さを認識しやすくし、底部2における後述の開孔部3の周囲の陰影をより明確にする観点から、頂部1Aの一方の面側10Tは平坦面であることが好ましい。
壁部1Bの他方の面側10Bの端部(付け根部1Dともいう)が第2繊維層M2に当接している。壁部1Bと第2繊維層M2との当接領域4において、壁部1Bの付け根部1Dは、第2繊維層M2に食い込んで一体化(固定)されている。この一体化は、接合強度を高める観点、第1繊維層M1の凹凸形状を保持する観点から、壁部1Bの付け根部1Dの構成繊維と第2繊維層M2の構成繊維との交差部における繊維融着部によって、壁部1Bの付け根部1Dと第2繊維層M2とが一体化されていることが好ましい。
壁部1Bの繊維は、不織布10(第2繊維層M2)の他方の面側10Bの平面に対して縦配向していることが好ましい。この繊維の縦配向は、壁部1Bの、頂部1A及び第2繊維層M2に対する厚み方向の支持力を高め、荷重下でも不織布10の凸部1の厚みを残しやすくする。これにより、第1繊維層M1及び第2繊維層M2を含む不織布10は、厚みが残りやすく、繊維層の繊維構造による弾力性と相俟って、優れたクッション性を備える。すなわち、不織布10は肌当たりに優れた柔らかさを持つ。また、不織布10を吸収性物品における吸収体よりも肌面側の部材、例えば表面シートとした場合に、体液の液透過の作用が荷重下においてもより持続されやすくし、吸収体から肌面側への液戻り(ウエットバック)が抑制される。このような作用する壁部1Bの立体形状は、前述の繊維融着部によって第2繊維層M2と高い強度で一体化されることで良好に保持することができる。また、この一体化が繊維同士の交差部における繊維融着部による接合状態を利用するものであるため、従来のホットメルト型等の接着剤で接合する場合のように壁部1Bの下部を崩して接着面を確保する必要がない。これにより、壁部1Bの高さを十分なものとして維持することができる。
壁部1Bの繊維の縦配向とは、第1繊維層M1の厚み方向Zに沿う繊維が多いことを意味し、後述の測定方法によって得られる縦配向率が60%以上であることを意味する。上記の作用をより高める観点から、61%以上が好ましく、62%以上がより好ましい。また、前記縦配向率は、その上限には特に制限は無いが、繊維同士の交差部を作って融着点を形成し、繊維同士で柱状になって、力に耐える構造を作る観点から、90%以下が好ましく、85%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。
(壁部1Bにおける繊維の縦配向率の測定方法)
図1に示すように、壁部1Bに対し、下記の手順で測定を行う。
すなわち、第1繊維層M1の凸部1及び第2繊維層M2を含む、不織布10の厚み方向の断面において画定された壁部1Bの繊維層断面を走査電子顕微鏡(SEM)で35倍に拡大して観察する。観察画像に基準線として一辺が500μmの正方形の線を付す。正方形の各辺(基準線)は、不織布10の断面における厚み方向及び平面方向それぞれと直交する辺とする。正方形の各辺からなる基準線に繊維が通過する延べ本数をそれぞれ数える。不織布10の平面方向に直交する正方形の基準線を通る繊維を「横繊維本数」、不織布10の厚み方向に直交する正方形の基準線を通る繊維を「縦繊維本数」と定義する。縦配向率として、(縦繊維本数)/(横繊維本数+縦繊維本数)×100=縦配向率(%)として算出する。それらを各10点測定し、平均したものを縦配向率の値とする。
なお、上記の不織布10の断面における平面方向は、図1に示す、第2繊維層M2の他方の面側10Bの表面に接する直線Lに相当する。厚み方向は、直線Lに直交する方向Zに相当する。
上記の、第1繊維層M1の凸部1及び底部2を含む、不織布10の厚み方向Zの断面において、壁部1Bの繊維層は、次の方法により区画することができる。
すなわち、第1繊維層M1の頂部1A、壁部1B及び第2繊維層M2を含む厚み方向の断面を有する不織布を、第2繊維層M2(他方の面側10B)を下にして、マイクロスコープVHX6000(商品名、株式会社キーエンス製)の台座に載せる。次いで、前記不織布に頂部1A側(一方の面側10T)に平板(例えばフラットアクリルプレート)を載せて4.9mN/cmの荷重をかける。この状態で前記厚み方向Zの断面を、前記マイクロスコープにより20倍で観察し、第1繊維層M1のうち平板に接している部分の繊維層を頂部1Aとする。頂部1Aの端部と第2繊維層M2の一方の面側10Tの面とを繋いだ部分を壁部1Bとする。
なお、頂部1Aと壁部1Bとの境界の特定にあたっては、壁部1Bの無い部分での頂部1Aの厚みを頂部1Aの端部の厚みとし、その厚みを除く部分を壁部1Bとする。
第1繊維層M1の底部2は、隣り合う凸部1、1間に設けられており、より具体的には、凸部1、1の間で他方の面側10Bに窪んだ凹部(凸部間凹部2U)の底及び壁部1Bの他方の面側10Bの端部(付け根部1D)を含む領域を指す。この底部2に、厚み方向Zに貫通する開孔部3が配されている。なお、図1に示す例において、底部2は付け根部1D以外の全体が開孔部3となっているが、その場合、壁部1Bの付け根部1Dが底部2となる。ここで言う開孔部3における貫通は、第1繊維層M1に着目したときに、第1繊維層M1の構成繊維が配されない部分が厚み方向Zに第1繊維層M1の両面を貫いていることを意味する。
開孔部3は、繊維間に形成される微細な孔径とは異なり、第1繊維層M1を加工して形成した孔であり、繊維間に形成される微細な孔径よりも遥かに大きい孔面積を有している。図1においては底部2の付け根部1D以外の全体が開孔部3となっているものとして示しているが、開孔部3の大きさは底部2の幅等に応じて適宜選択することができる。例えば、第1繊維層M1において、底部2の付け根部1D以外の全体を開孔部3とはせずに、開孔部3の周辺に付け根部1Dから延びる繊維層が存在するようにしてもよい。少なくとも1.0mm以上の孔面積を有することが好ましい。開孔部3の大きさは、前述のマイクロスコープを用いて測定することができる。具体的には、マイクロスコープにて開孔部3の面積を10箇所測定し、それらの平均値を各開孔部の孔面積とする。
開孔部3の面積は、液透過性の作用を高める観点から、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2.0mm以上が更に好ましい。また、開孔部3の面積は、液戻りを抑制する観点から、50mm以下が好ましく、40mm以下がより好ましく、35mm以下が更に好ましい。
開孔部3の平面形状は、液透過性を高める観点から種々のものとすることができ、例えば、円形、楕円形、矩形などが挙げられる。
第2繊維層M2は、第1繊維層M1の底部がある側に配置されており、第1繊維層M1との対向面側に、第1繊維層M1の開孔部3から壁部1Bで区画された領域に進入する隆起部5を有する。すなわち、隆起部5は、上記の当接領域4にある壁部1Bの付け根部1Dよりも一方の面側10Tであって、第1繊維層M1の凸部1、1間の壁部1Bで挟まれた空間にある。一方、隆起部5に隣接する当接領域4にある第2繊維層M2は、壁部1Bの食い込みによって窪み部6となっている。
隆起部5は、第1繊維層M1を厚み方向Zに貫通する開孔部3の位置で第1繊維層M1に進入していることから、第1繊維層M1の側から視認可能である。そのため、不織布10を第1繊維層M1の側(一方の面側10T)から見たとき、第1繊維層M1の凸部1と第2繊維層M2の隆起部5とが隣接しているようにして視認される。このとき、凸部1を構成する壁部1Bの付け根部1Dと該付け根部1Dへと延在する隆起部5の裾部7とによって形成される谷間の存在によって、第1繊維層M1の底部2にある開孔部3周辺の陰影が強調される。この陰影は、壁部1Bの繊維が縦配向している場合、隆起部5が壁部1Bと異なる繊維配向を有する繊維層からなって、両部間で繊維配向度が非連続的に変化する区画線が形成されることにより更に強調される。このように隆起部5が第1繊維層M1の側から視認可能となることで、不織布10を表面シートとして備えた吸収性物品の消費者は、不織布に明瞭な開孔部が形成されていることが目視により理解できる。その結果、消費者は、液吸収性に優れている吸収性物品であることを想起でき安心して当該物品を使用できる。
なお、図1に示す例においては底部2の付け根部1D以外の全体が開孔部3となっており、隆起部5の裾部7が壁部1Bの付け根部1Dに直接接続するものとして示している。ただし、この態様に限定されるものでなく、第1繊維層M1の凸部間凹部2Uにおいて開孔部3の周辺に繊維層が存在してもよい。この場合は、第2繊維層M2の隆起部5の裾部7は、凸部間凹部2Uにおける開孔部3周辺の繊維層を介して壁部1Bの付け根部1Dへと延在し、前記谷間が形成され、前記区画線が形成される。
不織布10においては、上記の陰影の強調により、第1繊維層M1の側(一方の面側10T)から見たときの開孔部3に対する視認性が高められる。
特に、不織布10を吸収性物品の表面シートとして吸収体の肌面側に載置した場合、吸収体の白地に対して不織布10の開孔部3周辺の陰影がより強調されて、開孔部3に対する視認性の顕著な向上で吸収物品の高吸収力が明白になる。
このことは、例えば図2~4に示す、不織布を表面シートとして吸収体に載置したものを不織布側(一方の面側10T)からの開孔部の状態を比較することからも分かる。図2~4は、表面シートとして用いる不織布のみを異ならせ、撮像位置及び角度、並びに照明の位置及び角度を同一にして撮像した結果を示す。図2において表面シートとして用いる不織布は、本実施形態の不織布10の一例の不織布10Sである。図3において表面シートとして用いる不織布は、第1繊維層M1であって開孔部3を有さないもののみからなる従来例の不織布C1である。図4において表面シートとして用いる不織布は、開孔部3を有する第1繊維層M1のみからなる従来例の不織布C2である。
図2の本実施形態の一例の不織布10Sでは、第1繊維層M1の側(一方の面側10T)から見たときの開孔部3の周囲の陰影が、図3及び図4に示すものに比べて明らかに強く強調されており、開孔部3に対する視認性が格段に上がっている。
この視認性により、不織布10を表面シートとして組み込んだ吸収性物品において、表面シートの開孔部3を通じた液透過性、すなわち吸収性物品の吸収性の良さが消費者に分かりやすくなる。
また、不織布10において、第1繊維層M1に進入する第2繊維層M2の隆起部5があることで、開孔部3を介して、第1繊維層M1から第2繊維層M2への液の移行性がより円滑となる。これにより、不織布10を表面シートとして組み込んだ吸収性物品において、該表面シートの液透過性が更に優れたものとなり、液戻りも更に抑制され、肌に液が残り難くなる。
壁部1Bの付け根部1Dと隆起部5との間の陰影を強調させる作用をより良好なものとする観点から、第2繊維層M2の第1繊維層M1との対向面側は、平面方向に延在する連続繊維層となっていることが好ましい。このように、第2繊維層M2の第1繊維層M1との対向面側が平面方向に延在する連続繊維層となることで、前述の陰影部分が前記連続繊維層の中における異質な部分としてより目立ちやすくなる。また、第1繊維層M1の壁部1Bの繊維が縦配向している場合に、第1繊維層M1と第2繊維層M2とで繊維配向が非連続的に変化する区画線が形成され、陰影が強調される。
また同様の観点から、隆起部5の盛り上がり部分から下った裾部7が、第1繊維層M1における壁部1Bと第2繊維層M2との当接領域4に接続されていることが好ましい。このように裾部7が当接領域4に接続されることにより、壁部1Bの付け根部1Dと裾部7とによって谷間が形成され、第1繊維層M1の底部2にある開孔部3周辺の陰影がより強調される。
上記の陰影の強調をより明確にする観点から、第1繊維層M1における壁部1Bと第2繊維層M2との当接領域4において、第2繊維層M2の繊維が平面方向に配向し、隆起部5の裾部7の表面の繊維が、壁部1Bの繊維とは異なる繊維配向を有していることが好ましい。このように裾部7の表面の繊維が、壁部1Bの繊維とは異なる繊維配向を有することにより、裾部7の表面の繊維配向と壁部1Bの繊維配向とが非連続に変化する区画線が形成され陰影が強調される。
なお、隆起部5の裾部7の表面の繊維とは、当接領域4にある壁部1Bの付け根部1Dから立ち上がり始める部分の繊維を意味する。例えば、付け根部1Dから裾部7に向かって平面方向2mmの範囲にある隆起部5の表面繊維である。
具体的には、裾部7の表面の繊維配向は、縦配向率45%未満である。縦配向率が45%未満でのあることは、繊維が平面方向に配向していることを意味しており、壁部1Bの繊維とは異なる縦配向率となることから、上記の陰影を明確にすることができる。ここで、裾部7の表面の繊維が、壁部1Bの繊維とは異なる繊維配向を有するとは、両者の縦配向率の差が、15%以上であることを意味する。上記の作用をより高める観点から、20%以上が好ましく、30%以上がより好ましい。
(裾部7の表面の繊維の縦配向率の測定方法)
図1に示すように、裾部7に対し、下記の手順で測定を行う。
すなわち、第1繊維層M1の凸部1及び第2繊維層M2を含む、不織布10の厚み方向の断面において画定された裾部7を含む繊維層断面を走査電子顕微鏡(SEM)で35倍に拡大して観察する。観察画像に基準線として一辺が500μmの正方形の線を付す。このとき、裾部7の繊維が当該正方形内全域に含まれるように線を付す。正方形の各辺(基準線)は、不織布10の断面における厚み方向及び平面方向それぞれと直交する辺とする。正方形の各辺からなる基準線に繊維が通過する延べ本数をそれぞれ数える。不織布10の平面方向に直交する正方形の基準線を通る繊維を「横繊維本数」、不織布10の厚み方向に直交する正方形の基準線を通る繊維を「縦繊維本数」と定義する。縦配向率として、(縦繊維本数)/(横繊維本数+縦繊維本数)×100=縦配向率(%)として算出する。それらを各10点測定し、平均したものを縦配向率の値とする。
第1繊維層M1の厚みH1に対する隆起部5の厚みH2の比(H2/H1)は、上記の陰影をより強調させる観点から、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましく、0.15以上が更に好ましい。
第1繊維層M1の厚みH1に対する隆起部5の厚みH2の比(H2/H1)は、開孔部3を通じた液透過性を保持する観点から、0.9以下が好ましく、0.8以下がより好ましく、0.7以下が更に好ましい。
なお、第1繊維層M1の厚みH1は、頂部1Aの一方の面側10Tの表面から、当接領域4における、壁部1Bの付け根部1Dの第2繊維層M2との境界までの高さをいう。これは、4.9mN/cmの荷重をかけた状態で、前述の壁部1Bの繊維層の区画方法と同様にして行うことができる。
不織布10の目付は、不織布の地合いを良好にし、開孔部の陰影を高める観点から、20g/m以上が好ましく、30g/m以上がより好ましく、40g/m以上が更に好ましい。また、不織布10の目付は、着用者の快適な使用感を妨げないようにする観点から、100g/m以下が好ましく、90g/m以下がより好ましく、85g/m以下が更に好ましい。
不織布10の4.9mN/cm(0.05gf/cm)荷重下における厚みは、開孔部の陰影をより強調する観点から、0.8mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.2mm以上が更に好ましい。この厚みは、4.9mN/cm荷重下においてレーザー変位計等を用いて測定することができる。上記の4.9mN/cm荷重とは、不織布表面の毛羽立ちを想定した荷重である。不織布10の4.9mN/cm荷重下における厚みが上記の範囲にあることにより、液戻り防止性能を高めて着用者の肌が濡れにくくなる。
また、不織布10の4.9mN/cm荷重下における厚みは、着用者の快適な使用感を妨げないようにする観点から、10mm以下が好ましく、7mm以下がより好ましく、5mm以下が更に好ましい。
第2繊維層M2の繊維の繊維径は、第1繊維層M1の繊維の繊維径よりも大きいことが好ましい。これにより、第1繊維層M1よりも太い繊維が第1繊維層M1の開孔部3から隆起部5として露出し、開孔部3からの液透過性を高めることができる。
この観点から、第1繊維層M1の繊維の繊維径(D1)に対する第2繊維層M2の繊維の繊維径(D2)の比(D2/D1)は、1.2以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上が更に好ましい。また、前記比(D2/D1)は、隆起部5の地合いを良好にし、開孔部の陰影を高める観点から、10.0以下が好ましく、9.0以下がより好ましく、8.0以下が更に好ましい。
更に上記の比(D2/D1)を満たす範囲において、第2繊維層M2の繊維の繊維径(D2)は、開孔部3からの液透過性を高める観点から、15μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、25μm以上が更に好ましい。また、第2繊維層M2の繊維の繊維径(D2)は、隆起部5の地合いを良好にし、開孔部の陰影を高める観点から、80μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましく、60μm以下が更に好ましい。
上記の比(D2/D1)を満たす範囲において、第1繊維層M1の繊維の繊度(D1)は、地合いを良好にする観点から、8μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、12μm以上が更に好ましい。また、第1繊維層M1の繊維の繊維径(D1)は、柔らかさを保持する観点から、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、20μm以下が更に好ましい。
上記の繊維径は、各繊維層にける平均繊繊維径を意味する。
(各繊維層における平均繊維径の測定方法)
繊維径は、繊維層の断面を観察して、以下の手法により測定することができる。
測定対象の部位(例えば、第1繊維層M1)を、コールドスプレー又は液体窒素などを用いて、無荷重状態で凍結して構造を固定し、その状態でカッター刃を用いて厚み方向に切断することで、測定部位の横断面を露出させる。走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JCM-5100)を使用して横断面を拡大観察し、繊維断面が計測できる倍率(300倍)に調節する。その状態で撮影した観察写真を5枚撮影することで、断面観察写真を得る。次いで、1写真あたり30本の繊維の繊維径を測定して、その算術平均値を本発明の平均繊維径とする。繊維が非真円形である場合には、横断面における周縁上の2点を結び、且つ断面の最大差し渡し長さの線分を長軸と定め、その長軸に直交する最大長さを有する線分を短軸と定め、そして、長軸及び短軸の各長さを画像解析ソフトウェア等で解析して算出することで、各繊維の長軸及び短軸の各長さを測定し、繊維一本での長軸長さと短軸長さとの算術平均値を各繊維の繊維径とし、該繊維径の30本の算術平均値を、本発明における繊維の平均繊維径とする。
測定対象の不織布が吸収性物品等の衛生品に組み込まれている場合は、該衛生品にコールドスプレーを吹きかけ、ホットメルト接着剤を固化させてから、測定対象の不織布を丁寧に剥がす。この手段は本明細書の他の測定においても共通である。
次に、本実施形態の不織布10において、前述の凹凸構造のより好ましい態様について説明する。
第1繊維層M1が有する壁部1Bは、不織布10(第2繊維層M2)の他方の面側10Bの平面に沿う方向に対して垂直に延在する形状を有することが好ましい。壁部1Bが垂直な壁面を有することで、壁部1Bの付け根部1Dでの隆起部5との間の谷間がより狭く陰影がより強くなる。また、垂直な壁部1Bからその陰影が浮き上がるようにして認識され得る。これにより、開孔部3の視認性が更に向上する。
加えて、垂直な壁部1Bは頂部1Aと第2繊維層M2とを垂直に連結し、前述の陰影を更に高める。また、繊維の縦配向による前述の作用を強化する。すなわち、頂部1Aの柔らかい繊維層が、壁部1Bの弾力の繊維層で支持された状態で残りやすい。この頂部1Aを介して凸部1の繊維層の厚みが感じられ、より柔らかい触感が得られやすい。より詳細には、この柔らかい触感は、触れる程度の軽い押圧下で優しい安心の厚みとして感じられ、更なる押圧下で凸部1が変形しながらもヘタり難く、弾力のある柔らかい厚みとして感じられる。このような優れたクッション性により、前述の凹凸構造による肌触りが更に良好となる。
壁部1Bの「垂直」は、図1に示す不織布10(第2繊維層M2)の他方の面側10Bの平面に対する角度θが厳密に90°である場合だけでなく、60°以上120°以下であることを意味する。この範囲にあることで、壁部1Bは、不織布10の厚み方向において実質的に90°と認められる角度で延出する形状を有する。角度θは、不織布10の他方の面側10Bの平面と壁部1Bの延長線との交差角度を意味する。具体的には、図1に示すように、凸部1を含む厚み方向の断面において、壁部1Bの繊維層の幅の中心線Mと、不織布10(第2繊維層M2)の他方の面側10Bの表面に接する直線Lとがなす角度のうちの内角の角度を意味する。この角度θは、前述のマイクロスコープによって得られる断面の顕微鏡写真を観察して求めることができる。
図1に示す例では、壁部1Bは、頂部1Aと第2繊維層M2との間において直線状に延在しており、壁部1Bの全体が第2繊維層M2に対して垂直に立設されている。しかし、これに限定されるものではなく、壁部1Bが頂部1Aと第2繊維層M2との間において湾曲状や波状に延在する部分を含む構成としてもよい。この場合には、頂部1Aと壁部1Bとの境界点と、第2繊維層M2と壁部1Bとの境界点とを結ぶ線を上記中心線Mとして、上記角度θを特定するものとする。
また、複数ある壁部1Bの全てが、第2繊維層M2に対して垂直に延在することが好ましいが、壁部1Bの一部に、第2繊維層M2の他方の面側10Bの平面に対して垂直に延在しないものが含まれてもよい。後者の場合、垂直となる壁部1Bの数は、不織布10における前述の陰影を更に強調する観点、前述の繊維の縦配向の作用を更に効果的にする観点から、複数の凸部1全体にある壁部1Bの内の60%以上であることが好ましい。
加えて、第1繊維層M1において、凸部1の他方の面側10Bに中空領域1Cがあることが好ましい。中空領域1Cとは、実質的に不織布10の繊維で満たされていない空間である。具体的には、後述する方法により求められる繊維密度が10本/mm未満であることを意味する。中空領域1Cにおける繊維密度は小さい程よい。
更に、第1繊維層M1の中空領域1Cにも第2繊維層M2の隆起部5Aが進入していることが、液透過性の向上の観点から好ましい。
(繊維密度の測定方法)
繊維密度は、不織布10の断面を観察して、以下の手法により測定することができる。不織布10は、測定対象の部位(例えば、壁部1B間)を通るように厚み方向に切断する。走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JCM-6000Plus(商品名))を使用して切断面を拡大観察し、一定面積の切断面内の切断されている繊維の断面を数える。拡大観察は、繊維断面が30本から60本程度計測できる倍率(150倍以上500倍以下)に調節する。次に、1mm当たりの繊維の断面数に換算し、これを繊維密度(本/mm)とする。3カ所の測定結果を平均して、そのサンプルの繊維密度とする。
中空領域1Cが凸部1の他方の面側10Bにあることで、凸部1の柔らかい触感が更に向上し、前述のクッション性がより高められ、不織布10の肌触りが更に良好なものとなる。また、不織布10を吸収性物品の表面シートとする場合に、中空領域1Cの介在により、吸収体からの液戻り経路が絶たれ、液戻り防止性が高まる。加えて、中空領域1Cは、排泄量が過大になった場合の一次貯留空間ともなり、表面シートの肌当接面側での液残り量を低減することができる。
次に、図1に示す不織布10の具体例(不織布20)について、図5~図8を参照して説明する。不織布20は、不織布10について示した前述の構成を備える。
図5~図8に示す不織布20は、一方の面側20Tからの平面視において、前述の第1繊維層M1の凸部1として、一方向Yに延出し、互いに、一方向Yと交差する方向Xに離間して配列されている複数の畝部11を有する。畝部11の他方の面側20Bは中空領域11Cとされている。
一方向Y及び一方Y向と交差する方向Xは、不織布20の一方の面側20Tの面において、目的に応じて適宜設定することができる。例えば、一方向Y及び一方向Yと交差する方向Xは互いに直交する方向であることが好ましい。不織布20を吸収性物品における表面シート等の構成部材とする場合に、一方向Yを吸収性物品の長手方向とし、一方向Yと交差する方向Xは吸収性物品の幅方向とすることが好ましい。
複数の畝部11は互いに、延出方向に沿って同等の高さを有している。高さが「同等」とは、マイクロスコープVHX900(商品名、株式会社キーエンス製)を用いて測定した高さが、測定平均値に対して0.8倍以上1.2倍以下の範囲内であることを意味する。
複数の畝部11のそれぞれは、頂部11Aと、頂部11Aを支持する壁部11Bとを備える。頂部11Aは、吸収性物品においては着用者の肌に当接する繊維層であり、壁部11Bは頂部11Aと第2繊維層M2とを厚み方向に繋ぐ繊維層である。すなわち、不織布20を吸収性物品に適用する場合、一方の面側20Tは肌当接面側となり、他方の面側20Bは非肌当接面側となる。壁部11Bの繊維は前述のとおり縦配向していることが好ましい。また、壁部の形状は第2繊維層M2に対して垂直に延在し、頂部11Aと、開孔部3の配された底部12とを垂直に連結していることが好ましい。
この壁部11Bの繊維の縦配向を示す縦配向率は、図6に示すように、畝部11の延出する方向と直交する断面(図5において、幅方向Xに沿うR1-R1線の位置における厚み方向断面)において、前述の方法(壁部1Bにおける繊維の縦配向率の測定方法)に基づいて測定することができる。
また、壁部11Bの「垂直」は、図6に示すように、畝部11の延出する方向と直交する断面(図5において、一方向Yと交差する方向Xに沿うR1-R1線の位置における厚み方向断面)において、壁部11Bの繊維層の幅の中心線Mと、不織布20(第2繊維層M2)の他方の面側20Bの表面に接する直線Lとがなす角度のうちの内角の角度を意味する。この角度θは、前述のマイクロスコープによって得られるR1-R1線断面の顕微鏡写真を観察して求めることができる。
不織布20は、第1繊維層M1における前述の凸部1として、前述の畝部11と共に、隣り合う畝部11、11を繋ぐ鞍部15を有する。鞍部15は、畝部11と同様に、第2繊維層M2から不織布20の一方の面側20Tに突出しており、不織布20の厚み方向に立設された立体的な繊維層である。より具体的には、鞍部15は、一方の面側20Tの頂部15Aと頂部15Aを支持する壁部15Bとを備える。壁部15Bの繊維は前述のとおり縦配向していることが好ましい。また、壁部15Bは、第2繊維層M2に対して垂直に延在している。前記「垂直」は、前述の畝部11において定義した「垂直」と同義である。
鞍部15における壁部15Bの縦配向を示す縦配向率及び壁部15Bの「垂直」は、図7に示すように、鞍部15の延出する方向と直交する断面(図5において、一方向Yに沿うR2-R2線の位置における厚み方向断面)について、壁部11Bについての前述の測定方法と同様にして測定できる。
上記構造により、鞍部15によって繋がれた畝部11同士が接近し難くされ、押圧等の外力で畝部11が一方向に倒れてしまうことが抑制される。すなわち、鞍部15が、畝部11を側面側から支持して、畝部11の形状保持性を高めている。これにより、荷重下での畝部11の厚みが更に残りやすい。例えば、不織布20を表面シートとして吸収性物品に組み込んだ場合に吸収性物品の着用時の着用者の体圧があっても、頂部11Aと他方の面側(非肌当接面側)20Bの吸収体側との距離が保持されやすく、一方の面側(肌当接面側)20Tへの液戻りが更に生じ難くされている。更に、鞍部15の存在によって、畝部11、11間において排泄液の堰き止め作用が働き、不織布20の一方の面側(肌当接面側)20Tにおいて液流れ防止性が高められる。
鞍部15は、不織布20の一方の面側20Tからの平面視において、畝部11の延出する一方向Yと交差する方向Xに延出している。鞍部15の延出する方向Xは、隣り合う畝部11を繋ぐ方向である限り種々の方向とすることができ、畝部11の延出する一方向Yと直交する方向であることが好ましい。例えば、畝部11の延出する一方向Yを吸性物品の長手方向とし、鞍部15の延出する、前記一方向と交差する方向Xを吸収性物品の幅方向とすることが好ましい。以下、一方向Y及び該一方向Yと直交する方向Xは、畝部11の延出方向Y及び鞍部15の延出方向Xともいう。
また、各鞍部15の、一方の面側20Tから見た平面形状は、図5に示すような矩形に限らず、種々のものとすることができる。例えば、鞍部15の、一方の面側20Tから見た平面形状は、畝部11に向かうにつれて幅が広がるようにされてもよい。
鞍部15は、不織布20の一方の面側20Tの平面視において、畝部11、11の間の、畝部11と平行に延在する複数の帯領域16に配されている。各帯領域16において、並走する畝部11の延出方向Yに沿って、複数の鞍部15が間隔をあけて配されている。鞍部15が間隔をあけた部分に前述の底部12の開孔部3がある。すなわち、各帯領域16において、鞍部15と開孔部3とが交互に配置されている。これにより、開孔部3は、畝部11の壁部11Bと鞍部15の壁部15Bによって囲まれ、区画されている。より具体的には、厚み方向に立設された立体的な繊維層である複数の畝部11及び複数の鞍部15に囲まれた領域が箱型又は筒型の凹部とされ、その底部12に開孔部3が配されている。
図5~図8に示す例では、不織布20の一方の面側20Tからの平面視において、畝部11及び鞍部15が格子状に配置され、底部12の開孔部3が格子の中に点在して升目状に配置されている。畝部11及び鞍部15に囲まれた開孔部3から、壁部11B及び壁部15Bで区画された格子状の凹部空間に第2繊維層M2の隆起部5が進入している。このように第2繊維層M2の隆起部5が壁部11B及び壁部15Bによって格子状に包囲されていることで、前述の開孔部3の周囲の陰影がより強調されることとなり好ましい。すなわち、隆起部5を囲む四方の壁部11B及び壁部15Bに第2繊維層M2との当接領域4があり、壁部11B及び壁部15Bの付け根部1Dと隆起部5の裾部7との間の谷間及びそれによる陰影が四方に形成されて、隆起部5及び開孔部3の輪郭がより明確に視認され得る。
鞍部15は、畝部11と同様の立体的な繊維構造を有するものの、図7及び図8に示すように、畝部11よりも底部12からの高さが低い部分を有することが好ましい。これにより、不織布20の一方の面側20Tでの肌との接触面積を低減して、肌触りの良さを保持し、通気性を高めて肌との間で蒸れを更に抑えることができる。
畝部11の厚み方向の高さH3と鞍部15の厚み方向の高さH4の差(H3-H4)は、上記作用をより良好にする観点から、0.5mm以上7mm以下が好ましい。なお、畝部11の厚み方向の高さH3は、不織布20(第2繊維層M2)の他方の面側20Bの表面に接する平面から畝部11の頂部11Aの一方の面側20Tまでの厚み方向の距離である。鞍部15の厚み方向の高さH4は、不織布20(第2繊維層M2)の他方の面側20Bの表面に接する平面から鞍部15の頂部15Aの最も低い位置の一方の面側20Tまでの厚み方向の距離である。
(畝部11の厚み方向の高さH3と鞍部15の厚み方向の高さH4の差の測定方法)
不織布20について、図7に示すように、鞍部15の最も高さの低い位置における、鞍部15が配列する帯領域16の延出方向に沿った厚み方向断面(図5において、R2-R2線の位置における厚み方向断面)を作製し、水平な台に第2繊維層M2の他方の面側20Bの表面が当接するよう設置する。水平な台から畝部11の頂部11Aの一方の面側20Tまでの高さH3と、鞍部15の頂部15Aの一方の面側20Tまでの高さH4を測定する。これらの測定値から、高さの差(H3-H4)を算出する。水平な台からの高さの測定には、いずれも前述のマイクロスコープを用いることができる。
また、鞍部15は、不織布20を吸収性物品の表面シートとした場合における不織布20の他方の面側20Bへの排液を更に促進させる観点から、図7示すように中空領域15Cを有することがより好ましい。この中空領域15Cの定義及び測定方法は、畝部11における中空領域11Cのものと同様である。鞍部15の中空領域15Cは、畝部11の中空領域11Cと連通していることが好ましい。これにより、不織布20の他方の面側20Bでの排泄液の拡散を促進して、一方の面側20Tでの液滞留を更に抑制する。その結果、不織布20での液残り量が更に低減されやすく、液の肌付着量の更なる低減を可能にする。
次に、不織布20の製造方法の好ましい実施形態について、図9~図12を参照しながら説明する。以下に示す製造方法は、不織布10の製造方法にも適用され得る。
本実施形態の製造方法は、図9に示す通り、次の4つの工程を有する(以下、それぞれの工程を、工程(I)、工程(II)、工程(III)、工程(IV)ということがある。)。
(I)複数の突起121と突起121、121間の凹部125とを備えた凹凸形状の支持体120上に第1繊維ウエブ100を載置し、凹部125に沿って、第1繊維ウエブ100を、押し込み部材130の押し込み部131によって押し込んで賦形すると共に、突起121に対応する箇所を開孔し、支持体120と反対側に開孔面を有する凹凸開孔繊維ウエブ101を形成する、押し込み工程。
(II)前記支持体から前記押込み部材を取り外した後、凹凸開孔繊維ウエブ101に第1の熱風W1を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸開孔不織布102を得る工程。
(III)第2繊維ウエブ103を供給して、凹凸開孔不織布102の開孔面側に積層させる工程。
(IV)第2の熱風W2を吹き付けて凹凸開孔不織布102と第2繊維ウエブ103との繊維同士を融着させ、かつ第2繊維ウエブ103中の繊維同士を融着する熱融着工程。
上記の第1繊維ウエブ100は不織布20における第1繊維層M1の前駆体であり、熱可塑性繊維を含む。第2繊維ウエブ103は不織布20における第2繊維層M2の前駆体であり、熱可塑性繊維を含む。
上記の第1繊維ウエブ100及び第2繊維ウエブ103の「繊維ウエブ」とは、熱可塑性繊維を含む構成繊維が融着固定されずに緩やかに交絡し、それ自体ではシートとしての保形性を有さない繊維集合体のことである。すなわち、不織布化される前の繊維集合体である。そのため、繊維ウエブにおける繊維間の移動性は高く、前記押し込み工程における繊維ウエブの変形性が高い。このような第1繊維ウエブ100及び第2繊維ウエブ103はそれぞれ、所定の厚さとなるようカード機(図示せず)から供給される。
工程(I)において、図9(A)に示す通り、支持体120上の第1繊維ウエブ100に対して押し込み部材130を用いて機械的な圧力で直接的に押し込む。これにより、不織布20における第1繊維層M1となる凹凸開孔繊維ウエブ101を形成する。このような賦形は、風などの、機械的でない圧力で押し込んだ場合に比べ、繊維が強配向し、不織布平面に対して垂直な配向を得ることができる。また、第1繊維ウエブ100に対して賦形する凹凸高低差を大きくするのに、さほど押し込む力を強くする必要がなく、第1繊維ウエブ100を柔らかく賦形することができる。また、繊維の乱れを抑えて賦形性を高めることができる。
支持体120は、例えば図9に示すようなドラム状のものであり、ドラム周面にて、例えば図9(A)に示すような突起121を有する。支持体120のドラム周面では、例えば図10に示すように、複数の突起121が一方向(第一方向D1)とそれに直交する方向(第二方向D2)に間隔を空けて配置されている。複数の突起121が第一方向D1に配列されてなる突起部列121Aが複数、第二方向D2に互いに離間して配列されている。突起121は、先端に尖塔部122を有する。この尖塔部122により、第1繊維層M1の底部12における開孔部3を形成する。
突起121の尖塔部122の側から見た平面形状は、図10に示すような矩形に限らず、種々取り得る。例えば、円形、楕円形、ひし形などであってもよい。
凹部125には、突起部列121A、121A間で第一方向D1に延在する第一凹部125A、突起部列121Aにおいて突起121、121間にある第二凹部125Cを有する。第二凹部125Cは、隣接する第一凹部125Aに接続し、第一凹部125Aを介して間欠的に第二方向D2に延在している。
支持体120において、突起121は、不織布20における第1繊維層M1の底部12の開孔部3が形成される位置に対応して複数、配置されている。突起部列121Aにおける突起121、121間の第二凹部125Cは、不織布20における第1繊維層M1の鞍部15が賦形される位置にある。すなわち、突起部列121Aは、不織布20の第1繊維層M1における畝部11、11間の帯領域16となる位置にある。第一凹部125Aは、不織布20の第1繊維層M1における畝部11となる位置にある。
各凹部125の底部は熱風が吹き抜ける構造となっており、例えば複数の孔が配されている(図示せず)。
押し込み部材130は、例えば図9に示すようなロール状のものであり、ロール周面にて、例えば図9(A)に示すような押し込み部131を有する。押し込み部材130のロール周面では、例えば図11に示すように、第一方向D1に連続する押し込み部131が複数、第二方向D2に間隔をあけて配置されている。押し込み部131、131間は、第一方向D1に連続する凹部132とされている。
押し込み部材130の押し込み部131は、支持体120の第一凹部125Aに対応する。押し込み部材130の凹部132は、支持体120の突起部列121Aに対応する。
押し込み部材130の凹部132の底部は熱風が吹き抜ける構造となっており、例えば複数の孔が配されている(図示せず)。
押し込み部材130の押し込み部131の高さは、支持体120の突起121同士の間に十分に挿入されるようにするために、1mm以上の長さを有することが好ましい。
支持体120及び押し込み部材130における前述の第一方向D1及び第二方向D2は、製造工程における機械流れ方向(Machine Direction、MD)及び機械流れ方向に直交する幅方向(Cross Drection、CD)であることが好ましい。製造工程における機械流れ方向及び幅方向は、不織布20における一方向Y及び一方向Yと交差する方向Xに対応することが好ましいく、不織布20を含む吸収性物品における長手方向及び幅方向に対応することが好ましい。ただし、第一方向D1及び第二方向D2は、これらに限定されない。
工程(I)において、支持体120の突起121を押し込み部材130の凹部132に挿入する。支持体120の第一凹部125Aに押し込み部材130の押し込み部131を挿入する(図9(A)及び図12)。この支持体120(図10)と押し込み部材130(図11)との間の押し込み合いにより、第1繊維層M1が有する凹凸形状を好適に形成することができる。
支持体120の第一凹部125Aの位置で、押し込み部材130の押し込み部131にて第1繊維ウエブ100を押し込んで賦形する。この部分が、不織布20の第1繊維層M1における畝部11になる。このとき、支持体120の突起121と押し込み部材130の押し込み部131との間で、第1繊維ウエブ100の繊維が厚み方向に沿う垂直立設された形状に賦形される。賦形された繊維は、融着していない移動性の高いものであるため、厚み方向に配向する。この部分が、不織布20の第1繊維層M1における畝部11の壁部11Bとなる。
一方、支持体120の突起121の位置で第1繊維ウエブ100の繊維が押し込み部材130の凹部132の底部へと押し上げられて開孔される。この部分が、不織布20の第1繊維層M1における底部12の開孔部3となる。
支持体120の突起部列121Aにおける突起121、121間の第二凹部125Cには、押し込み部材130の凹部132が対応するため、押し込み部131が入り込まない。しかし、突起部列121Aの第二凹部125Cにある第1繊維ウエブ100の繊維に対して、その両脇において、押し込み部材130の押し込み部131、131の押し込み力が作用する。この作用により、第二凹部125Cにある第1繊維ウエブ100の繊維は、両脇の押し込み部131、131によって第二方向D2に伸ばされ、厚み方向に押し込まれて、厚み方向に賦形されると共に繊維の配向が変わる。この部分が、不織布20の第1繊維層M1における鞍部15になる。鞍部15は頂部15Aと壁部15Bを有するものとされ、壁部15Bは、畝部11の壁部11Bと同様のものとなる。
なお、支持体120の突起121の高さ及び押し込み部材130の押し込み部131の高さは、製造する不織布の厚み等によって適宜決定される。例えば、2mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上が更に好ましく、また、15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、9mm以下が更に好ましい。具体的には、2mm以上15mm以下が好ましく、3mm以上10mm以下がより好ましく、5mm以上9mm以下が更に好ましい。
次いで、工程(II)は、支持体120から押込み部材130を取り外した後、凹凸開孔繊維ウエブ101に第1の熱風W1を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸開孔不織布102を得る(図9(B))。この凹凸開孔不織布102が、不織布20の第1繊維層M1となる。例えば、支持体120に挿入された押し込み部材130を取り外した後、支持体120上に凹凸開孔繊維ウエブ101を保持したまま回転して、支持体120と押し込み部材130との噛み合い箇所を通過後、図9(B)において凹凸開孔繊維ウエブ101に対する第1の熱風W1の吹き付けが、熱風吹き付け部140の位置において行われる。支持体120は、ドラム内部において、熱風吹き付け部140と対向する位置に熱風吸引部141を有することが好ましい。
第1の熱風W1の温度は、凹凸開孔繊維ウエブ101を構成する熱可塑性繊維を溶融して、繊維同士の交差部に繊維融着部を形成できる温度に設定される。この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、凹凸開孔繊維ウエブ101を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0℃以上70℃以下高いことが好ましく、5℃以上50℃以下高いことがより好ましい。
第1の熱風W1の風速は、効果的に融着させる観点から、1m/s以上が好ましく、2m/s以上がより好ましい。また、第1の熱風W1の風速は、装置規模をコンパクトにできる観点から、100m/s以下が好ましく、80m/s以下がより好ましい。
次いで、工程(III)は、第2繊維ウエブ103を供給して、凹凸開孔不織布102の開孔面側に積層させる(図9(C))。例えば、第1の熱風W1を吹き付けて形成した凹凸開孔不織布102を支持体120のドラム周面から離間させて、突起121によって開孔部3が形成された側を上にしてベルトコンベアーで下流へと搬送し、その開孔面側に第2繊維ウエブ103を合流させて積層する。
次いで、工程(IV)は、融着炉170内にて、第2の熱風W2を吹き付けて凹凸開孔不織布102と第2繊維ウエブ103との繊維同士を融着させ、かつ第2繊維ウエブ103中の繊維同士を融着する(図9(D))。これにより、凹凸開孔不織布102と第2繊維ウエブ103とを一体化すると同時に、第2繊維ウエブ103を不織布化する。この第2繊維ウエブ103を不織布化したものが、不織布20の第2繊維層M2となる。
このとき、図9(D)に示すように、凹凸開孔不織布102側を下にしてネット180上に載置して、第2繊維ウエブ103の側から第2の熱風W2を吹き付けることで、第2繊維ウエブ103が押し込まれる。押し込まれた第2繊維ウエブ103が凹凸開孔不織布102の開孔部3から壁部11B及び壁部15Bで区画された領域に進入し、隆起部5が形成される。同時に、凹凸開孔不織布102における壁部11B及び壁部15Bは、第2繊維ウエブ103との当接領域において第2繊維ウエブ103と、繊維同士の交差部における繊維融着部を形成して一体化される。また、壁部11B及び壁部15Bが第2繊維ウエブ103に食い込む。この食い込みは、第2の熱風W2によるものであるため、壁部11B及び壁部15Bの形状を保持した状態でなされる。しかも、第2の熱風W2の吹き付け処理のため、壁部11B及び壁部15Bの形状(高さ)が保持されやすく、保持された状態で壁部11B及び壁部15Bと第2繊維ウエブ103とが密着一体化される。このようにして、凹凸開孔不織布102(第1繊維層M1)の全面(壁部11B、壁部15B及び開孔部3)に第2繊維層M2(第2繊維ウエブ103の不織布化したもの)が密着し、一体化して、前述の不織布20が得られる。
例えば図13(A)の断面(図6に相当する位置の断面)に示すように、第1繊維層M1と第2繊維層M2とで厚み方向に波打つ形状が同期し、全面で密着したものとして形成することができる。全面密着であっても、壁部1Bの立体形状が十分保持された状態となる。同時に、図14に示すように、前記の密着状態において、第2繊維層M2の隆起部5が第1繊維層M1の開孔部3から壁部11Bで区画された領域に進入する。
これに対し、上記とは異なる従来の製造方法、例えば予め不織布化した、第1繊維層M1と第2繊維層M2とを積層し熱風処理する製造方法では、図13(A)のものと同じ条件の第2の熱風W2による処理を行っていても、図13(B)の断面(図6に相当する位置の断面)及び図15に示すように、開孔部3での第2繊維層M2の進入は生じない。そればかりか、その部分で両層が離間していて隙間が生じており、開孔部3周囲での陰影は強調されない。また、これとは別の従来例の製造方法、例えば予め不織布化した、第1繊維層M1と第2繊維層M2とをホットメルト型等の接着剤で一体化する製造方法では、壁部11Bの下部を崩して接着面を確保する必要があり、壁部11Bの形状が保持され難い。
したがって、前述の工程(I)、工程(II)、工程(III)及び工程(IV)を含む本実施形態の不織布の製造方法により、本発明の不織布を好適に製造することができる。
第2の熱風W2の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、凹凸開孔不織布102及び第2繊維ウエブ103を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0℃以上70℃以下高いことが好ましく、5℃以上50℃以下高いことがより好ましい。
第2の熱風W2の風速は、第2繊維ウエブ103中の繊維同士を融着させる観点、及び凹凸開孔不織布102と第2繊維ウエブ103とを十分な強度で固定させる観点から、0.3m/s以上が好ましく、0.4m/s以上がより好ましい。また、第2の熱風W2の風速は、不織布20の柔らかさをより高める観点から、50m/s以下が好ましく、30m/s以下がより好ましい。
なお、上記の製造方法では、押し込み部材130は、図11に示すような、第一方向D1に連続する押し込み部131を備えるものに限定されない。例えば、押し込み部131を格子状にして、格子状の押し込み部131の間を枡状の凹部132としてもよい。この場合、賦形される鞍部15の高さがより高くなり、凹凸がより明確になる。
本実施形態の不織布の製造方法において、第1の熱風W1を吹き付けた後に、冷却工程があることが好ましい。例えば図9に示すように、第1の熱風W1を吹き付けて得た凹凸開孔不織布102が支持体120のドラム外周に沿わされている位置において、冷却ノズルを有する冷却部160と、支持体120のドラム内部の冷却吸引部161とを対向配置させることが好ましい。これにより、支持体120を一定温度以下に抑えることができ、得られた不織布を、形状を保持したまま剥がすことができる。その結果、製造される不織布20において、第1繊維層M1の壁部11B及び壁部15Bの形状を良好に保持して、良好なクッション性及び開孔部3の視認性をより優れたものとすることができる。
本発明の不織布を構成する熱可塑性繊維としては、不織布の素材として通常用いられるものを特に制限なく採用できる。例えば、単一の樹脂成分からなる繊維や、複数の樹脂成分からなる複合繊維などであってもよい。複合繊維としては、例えば芯鞘構造、サイドバイサイド構造などがある。
熱可塑性繊維として低融点成分及び高融点成分を含む複合繊維(例えば鞘が低融点成分、芯が高融点成分である芯鞘構造の複合繊維)を用いる場合、製造工程において繊維ウエブに吹き付ける熱風の温度は、低融点成分の融点以上で、かつ高融点成分の融点未満であることが好ましい。より好ましくは、低融点成分の融点以上高融点成分の融点より10℃低い温度であり、さらに好ましくは、低融点成分の融点より5℃以上高く高融点成分の融点より20℃以上低い温度である。また弾力性の観点から、芯鞘構造の複合繊維の中でも、高融点成分である芯が多いほど弾力性が高い。そのため断面面積比で芯成分が大きいほうが好ましい。鞘が低融点成分、芯が高融点成分である芯鞘構造の複合繊維の具体例としては、鞘がポリエチレン樹脂(以下、PEともいう)、芯がポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PETともいう)である芯鞘構造の複合繊維が挙げられる。
また、芯鞘構造の複合繊維において、芯の樹脂成分よりも鞘の樹脂成分の方が、ガラス転移点が低い場合(以下、低ガラス転移点樹脂成分という。例えば、芯の樹脂成分がPETで鞘の樹脂成分がPE)、低ガラス転移点樹脂成分の質量比を小さくすることで、不織布の厚みの回復性をより高められる。
本発明の不織布は各種用途に用いることができる。例えば、各種の吸収性物品の構成部材として用いることができる。前記各種の吸収性物品には、成人用や乳幼児用のおむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、尿取りパッド等の身体から排出される液の吸収に用いられる物品を広く包含する。
本発明の不織布を有する吸収性物品は、典型的には、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備している。前記吸収性物品において、本発明の不織布は、着用者の肌に当接する表面シートとして好適に使用することができる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の不織布及び不織布の製造方法を開示する。
<1>
厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、
前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、
前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、
前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、吸収性物品用不織布。
<2>
前記隆起部は、前記第1繊維層の側から視認可能である、前記<1>に記載の吸収性物品用不織布。
<3>
前記第2繊維層の前記第1繊維層との対向面側は、平面方向に延在する連続繊維層となっている、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品用不織布。
<4>
前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記壁部の繊維と前記第2繊維層の繊維との交差部における繊維融着部を有する、前記<1>~<3>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<5>
前記隆起部の裾部が、前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域に接続されている、前記<1>~<4>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<6>
前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記第2繊維層の繊維が平面方向に配向し、前記隆起部の裾部の表面の繊維が、前記壁部の繊維とは異なる繊維配向を有する、前記<1>~<5>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<7>
前記頂部の表面が平坦面である、前記<1>~<6>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<8>
前記開孔部の面積は、1.0mm以上50mm以下であり、好ましくは1.5mm以上、より好ましくは2.0mm以上、また、好ましくは40mm以下であり、より好ましくは35mm以下である、前記<1>~<7>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<9>
前記凸部を構成する前記壁部の付け根部と該付け根部へと延在する前記隆起部の裾部とによってなる谷間を有する、前記<1>~<8>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<10>
前記裾部が、前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域に接続されている、前記<9>に記載の吸収性物品用不織布。
<11>
前記壁部の付け根部と前記第2繊維層との当接領域において、前記付け根部が、前記第2繊維層に食い込んで一体化されている、前記<9>又は<10>に記載の吸収性物品用不織布。
<12>
前記第1繊維層の厚みH1に対する前記隆起部の厚みH2の比(H2/H1)は、0.05以上0.9以下であり、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、また、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下である、前記<1>~<11>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<13>
前記第1繊維層の繊維の繊維径(D1)に対する前記第2繊維層M2の繊維の繊維径(D2)の比(D2/D1)は、1.2以上10.0以下であり、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上、また、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.0以下である、前記<1>~<12>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<14>
前記第1繊維層において、前記凸部の裏面側に中空領域1Cがある、前記<1>~<13>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<15>
目付が20g/m以上100g/m以下である、前記<1>~<14>いずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<16>
4.9mN/cm荷重下における厚みが0.8mm以上10mm以下である、前記<1>~<15>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<17>
前記壁部の繊維が縦配向している、前記<1>~<16>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<18>
前記壁部の繊維は、縦配向率が60%以上である、前記<17>に記載の吸収性物品用不織布。
<19>
前記裾部の表面の繊維は、縦配向率が45%未満である、前記<5>~<18>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<20>
前記裾部の表面の繊維と前記壁部の繊維との縦配向率の差が、15%以上である、前記<19>に記載の吸収性物品用不織布。
<21>
一方の面側からの平面視において、前記第1繊維層の前記凸部として、一方向Yに延出し、互いに、該一方向Yと交差する方向Xに離間して配列されている複数の畝部と共に、隣り合う前記畝部を繋ぐ鞍部を有する、前記<1>~<20>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布。
<22>
前記鞍部は、一方の面側の頂部と該頂部を支持する壁部とを備える、前記<21>に記載の吸収性物品用不織布。
<23>
前記<1>~<22>のいずれか1に記載の吸収性物品用不織布を有する吸収性物品。
<24>
複数の突起と該突起間の凹部とを備えた凹凸形状の支持体上に第1繊維ウエブを載置し、前記凹部に沿って、前記第1繊維ウエブを、押し込み部材の押し込み部によって押し込んで賦形すると共に、前記突起に対応する箇所を開孔し、前記支持体と反対側に開孔面を有する凹凸開孔繊維ウエブを形成する、押し込み工程と、
前記支持体から前記押込み部材を取り外した後、凹凸開孔繊維ウエブに第1の熱風を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸開孔不織布を得る工程と、
第2繊維ウエブを供給して、前記凹凸開孔不織布の開孔面側に積層させる工程と、
第2の熱風を吹き付けて前記凹凸不織布と前記第2繊維ウエブとの繊維同士を融着させ、かつ前記第2繊維ウエブ中の繊維同士を融着する熱融着工程と、を有する吸収性物品用不織布の製造方法。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。なお、本実施例において「部」および「%」は、特に断らない限りいずれも質量基準である。「←」は、左側の欄と同じ値を有することを意味する。
[実施例1]
図9に示す製造方法に基づいて下記の工程を実施し、図5~図8に示す不織布を作製し、これを実施例1の不織布試料とした。
繊度1.3dtexの芯鞘型(ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリエチレン(PE)=5:5)の熱可塑性繊維を用いて第1繊維ウエブ100を作製した。熱可塑性繊維は、親水化処理が施されている。第1繊維ウエブ100を支持体120上に配置し、第1繊維ウエブ100上から押し込み部材130を支持体120に押し込んで賦形処理を行った。第1の熱風W1を吹き付けて融着処理を行い、凹凸開孔不織布102(第1繊維層M1)を作製した。第1の熱風W1は、温度160℃、風速20m/秒とした。作製した凹凸開孔不織布102は目付30g/mであった。
次に、上記凹凸開孔不織布102の開孔面側に、繊度7.8dtexの芯鞘型の熱可塑性繊維を用いて作製した第2繊維ウエブ103を積層し、第2の熱風W2を吹き付けて融着処理をすることで積層不織布を作製し、これを実施例1の不織布試料とした。第2の熱風W2は、温度160℃、風速2.0m/秒とした。
作製した実施例1の不織布試料は、目付70g/mであった。実施例1の不織布試料において、第1繊維層M1の壁部11B及び壁部15Bの繊維が縦配向していた。第2繊維層M2は、開孔部3から壁部11B及び15Bで区画された領域に進入する隆起部5を備えていた。
[比較例1]
支持体において、突起121が穿孔部122を有さない平面状の先端を有するものとした以外は、実施例1と同様にして積層不織布を作製し、これを比較例1の不織布試料とした。
比較例1の不織布試料は、第1繊維層M1に開孔部3を有さず、第2繊維層M2の第1繊維層M1への進入する隆起部5を有さないものであった。
[比較例2]
第2繊維ウエブ103を積層せずに、凹凸開孔不織布102(第1繊維層M1)のみからなるものとした以外は、実施例1と同様にして比較例2の不織布試料を作製した。
実施例及び比較例の不織布試料について、構造を調べた。具体的には、目付、厚み、壁部11及び壁部15の角度(壁部11及び壁部15の延在方向と不織布試料の他の面側10Bの平面とのなす角度)、壁部11、壁部15及び第2繊維層の縦配向率を以下の方法により測定した。
<目付>
23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で24時間以上保存した不織布について、面積及び質量を測定して求めた。
<厚み>
不織布に4.9mN/cm(0.05gf/cm)の荷重を加えた状態で、厚み測定器により測定した。厚み測定器としては、オムロン株式会社製のレーザー変位計を用いた。10点について測定し、それらの平均値を算出して厚みとした。
<壁部11及び壁部15の角度>
前述の方法(壁部1Bにおける繊維の縦配向率の測定方法)に準じて壁部11及び壁部15の繊維層断面を作製して顕微鏡写真を撮像し、壁部11及び壁部15の延在方向と不織布試料の他の面側10Bの平面とのなす角度θを求めた。
<壁部11、壁部15および第2繊維層の縦配向率>
前述の方法(壁部1Bにおける繊維の縦配向率の測定方法)に基づいて、壁部11、壁部15および第2繊維層の縦配向率を求めた。
さらに、実施例1、比較例1及び2の不織布試料について、開孔部の明瞭性(開孔部に対する視認性)、液体の吸収時間、液流れ距離及び液戻り量を測定した。それらの測定方法を、以下に示す。
<開孔部の明瞭性>
市販のベビー用おむつ(商品名「メリーズさらさらエアスルーSサイズ」、花王株式会社、2020年製)から表面シートを取り除いたものを吸収性コアとし、実施例及び比較例の各不織布試料から100×250mmに切出した不織布を積層した。前記不織布は、第2繊維層面側が前記吸収性コア側に向くようにして積層し、積層された不織布の周囲を固定して、評価用のおむつを作製した。開孔部の明瞭性の評価は、不織布の研究開発に従事している研究員3人(20代~30代)で、不織布(表面シート)に明瞭な開孔部が形成されているか5段階での官能評価をおこない、平均値をとりまとめた。評価用のおむつを静置し、不織布を上面から目視で観察することで官能評価を行った。ここで、平均値3.5点以上、好ましくは4.0点以上により、隆起部5が第1繊維層M1の側から視認可能であると判断する。
(官能評価基準)
5:表面シート全体において、凹部に明瞭な開孔部が形成されている印象を受ける
4:表面シート全体において、凹部に明瞭な開孔部と不明瞭な開孔部とが混在している印象を受ける
3:表面シート全体において、不明瞭な開孔部が形成されている印象を受ける
2:表面シートの凹部の一部に不明瞭な開孔部が形成されているのみであり、多くに開孔部が形成されてない印象を受ける
1:表面シートの凹部に開孔部が全く形成されてない印象を受ける
<液体の吸収時間>
前記<開孔部の明瞭性>と同様にして評価用のおむつを作製した。不織布に13.6g/cmの圧力となる荷重を均等にかけ、不織布のほぼ中央に設置した筒(断面積1017mm)を介して人工尿(組成:尿素1.940質量%、塩化ナトリウム0.795質量%、硫酸マグネシウム0.110質量%、塩化カルシウム0.062質量%、硫酸カリウム0.197質量%、赤色2号(染料)0.010質量%、水(96.886質量%)を注入した。人工尿は、10分ごとに30gずつ3回注入し、全量が吸収されるまでの時間(秒)を測定した。筒内部に人工尿が確認されなくなったときを、「全量が吸収された」とした。以上の操作を3回行い、3回の平均値を液体の吸収時間(秒)とし、液体の吸収時間が短いほど、液体が内部に浸透しやすい。すなわち、液体の引き込み性が優れている。
<液流れ距離>
実施例及び比較例の各不織布試料から10cm×20cmに切り出して評価用試料とし、45度傾斜している載置部の上に市販のティッシュペーパーを介して固定した。評価用試料の上方10mmの高さから2gの人工尿を20秒かけて注入して、人工尿の流れを観察した。垂線上の注入点から評価用試料内に人工尿が引き込まれる場所までの距離を測定して、液流れ距離とした。以上の操作を3回行い、3回の平均値を液流れ距離(mm)とし、液流れ距離が短いほど、液体が内部に浸透しやすい。すなわち、液体の引き込み性が優れている。
<液戻り量>
前記<開孔部の明瞭性>と同様にして評価用のおむつを作製した。この吸収性物品の長手方向において腹側端縁部から165mm、幅方向において中央部に当たる位置に着色した人工尿30gを10秒間かけて注入した。注入開始から10分後に、再度30gを注入した。2回目の注入開始から10分後に再度30gを注入し、計90gの人工尿を注入した。試験雰囲気の温度は室温(20±5℃)、人工尿の温度は室温(20±5℃)のものを使用した。
注入完了から10分後に、アドバンテック社製のろ紙No.4A(100mm×100mm,質量測定W1)を10枚重ねたものを、注入点を中心として不織布上に置いた。厚さ5mm、100mm×100mmのアクリル板を介して、3.5kPaの圧力を掛け、2分後にろ紙の質量を測定し(W2)、下記式(I)のようにして、液戻り量を算出した。
液戻り量(mg)=加圧後のろ紙の質量(W2)-最初のろ紙の質量(W1)
以上の操作を3回行い、3回の平均値を液戻り量(mg)とし、液戻り量が少ないほど、液戻りが起こり難く高評価となる。
Figure 2024046545000002
表1に示す通り、実施例の不織布試料は、比較例1及び2の不織布試料に比して「開孔部の明瞭性」の評価値が3倍以上高かく、凹凸構造の底部に配された開孔部に対する視認性が高められていた。
これに加えて、実施例の不織布試料は、比較例1及び2の不織布試料に比して「液体の吸収時間>が短縮され、<液流れ距離>が短く抑えられ、「液戻り量」が小さく抑えられていたことから、液吸収性が高められていた。
以上のことから、実施例の不織布試料は、比較例1及び2の不織布試料に比して、使用者に液吸収性の高さを訴求する開孔部の視認性が高く、実際の液吸収性に優れていることが分かった。
M1 第1繊維層
M2 第2繊維層
1 凸部
1A 頂部
1B 壁部
1C 中空領域
1D 付け根部
2 底部
3 開孔部
5 隆起部
10、20 不織布
10T、20T 一方の面側
10B、20B 他方の面側

Claims (11)

  1. 厚み方向に積層された第1繊維層と第2繊維層とを有し、繊維同士の交差部における繊維融着部を含む不織布であって、
    前記第1繊維層は、複数の凸部と、隣り合う凸部間に設けられた底部とを備えた凹凸構造を有し、前記複数の凸部それぞれは、頂部と、該頂部を支持する壁部とを備え、前記底部には、厚み方向に貫通する開孔部が配されており、
    前記第1繊維層の前記底部がある側に前記第2繊維層を有しており、
    前記第2繊維層は、前記第1繊維層との対向面側に、前記第1繊維層の前記開孔部から前記壁部で区画された領域に進入する隆起部を有する、吸収性物品用不織布。
  2. 前記隆起部は、前記第1繊維層の側から視認可能である、請求項1記載の吸収性物品用不織布。
  3. 前記第2繊維層の前記第1繊維層との対向面側は、平面方向に延在する連続繊維層となっている、請求項1又は2記載の吸収性物品用不織布。
  4. 前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記壁部の繊維と前記第2繊維層の繊維との交差部における繊維融着部を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
  5. 前記隆起部の裾部が、前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域に接続されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
  6. 前記第1繊維層における前記壁部と前記第2繊維層との当接領域において、前記第2繊維層の繊維が平面方向に配向し、前記隆起部の裾部の表面の繊維が、前記壁部の繊維とは異なる繊維配向を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
  7. 目付が20g/m以上100g/m以下である、請求項1~6いずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
  8. 4.9mN/cm荷重下における厚みが0.8mm以上10mm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
  9. 前記壁部の繊維が縦配向している、請求項1~8のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の吸収性物品用不織布を有する吸収性物品。
  11. 複数の突起と該突起間の凹部とを備えた凹凸形状の支持体上に第1繊維ウエブを載置し、前記凹部に沿って、前記第1繊維ウエブを、押し込み部材の押し込み部によって押し込んで賦形すると共に、前記突起に対応する箇所を開孔し、前記支持体と反対側に開孔面を有する凹凸開孔繊維ウエブを形成する、押し込み工程と、
    前記支持体から前記押込み部材を取り外した後、凹凸開孔繊維ウエブに第1の熱風を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸開孔不織布を得る工程と、
    第2繊維ウエブを供給して、前記凹凸開孔不織布の開孔面側に積層させる工程と、
    第2の熱風を吹き付けて前記凹凸不織布と前記第2繊維ウエブとの繊維同士を融着させ、かつ前記第2繊維ウエブ中の繊維同士を融着する熱融着工程と、を有する吸収性物品用不織布の製造方法。
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