JP2024046352A - 包装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】片手で安定して持ち運ぶことができる包装箱を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係る包装箱は、底面部と、前記底面部から立設された2対の側面部と、前記2対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、少なくとも1対の前記側面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される提げ手取付け孔を含み、前記提げ手取付け孔の平面視形状は、前記天面部側に向かって凸となる形状であり、前記提げ手の前記先端部は、前記提げ手の短手方向両端において、前記提げ手の短手方向の長さの二等分線に対して対称に形成され、前記短手方向内側に括れた括れ部を含み、前記括れ部は、前記提げ手取付け孔と係合する。【選択図】図1
Description
本発明は、包装箱に関する。
従来、製品等を梱包するための包装箱として、底面部と、底面部から立設された2対の側面部と、2対の側面部の上端に連接された天面部とを備え、1対の側面部に把手穴を形成するための切目線が設けられた、段ボール等からなる包装箱が知られている。
例えば、特許文献1には、1対の側壁に、運搬穴を形成するべく互いに横方向に離間した2点を同2点の下方領域を経由しつつ接続する第1切込み線と、第1切込み線の1対の側線の上端どうしを横向きに連結するように延びた折曲げ線とが設けられた包装箱が開示されている。第1切込み線で囲まれた第1領域に押し込み力を加えると、第1領域が折曲げ線を介して包装箱の内部に折り曲げられて、折曲げ線の箇所が下向きに突出したハンドル部が、第1運搬穴と同時に形成される。
しかしながら、特許文献1に記載の従来の包装箱では、使用者は、一対の側壁に形成された運搬穴に両手を入れて運搬する必要があるため、両手がふさがり、他の物を同時に持つことや他の動作ができず、利便性に欠ける点がある。
上記の点に鑑みて、本発明の一形態は、片手で安定して持ち運ぶことができる包装箱を提供することを目的とする。
本発明の第一の形態は、底面部と、前記底面部から立設された2対の側面部と、前記2対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、少なくとも1対の前記側面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される提げ手取付け孔を含み、前記提げ手取付け孔の平面視形状は、前記天面部側に向かって凸となる形状であり、前記提げ手の前記先端部は、前記提げ手の短手方向両端において、前記提げ手の短手方向の長さの二等分線に対して対称に形成され、前記短手方向内側に括れた括れ部を含み、前記括れ部は、前記提げ手取付け孔と係合する。
上記第一の形態によれば、提げ手取付け孔の平面視形状が、天面部側に向かって凸となる形状であるため、提げ手の括れ部は、提げ手取付け孔の天面部側の上縁部と当接して係合する。提げ手の括れ部が提げ手取付け孔と係合することにより、提げ手が箱本体に取り付けられている。この構成により、箱本体に重量の大きい物品が収容された場合においても、提げ手の括れ部と提げ手取付け孔が物品の荷重を受けて強固に係合するため、提げ手が提げ手取付け孔から離脱することを抑制する。よって、使用者は、提げ手を把持することにより、包装箱を片手で安定して持ち運ぶことができる。
本発明の第二の形態は、前記先端部は、前記括れ部よりも前記長手方向の端縁側において、前記短手方向に沿って形成された折り目で前記天面部側に折り返された折曲片を含む。
上記第二の形態によれば、提げ手の先端部が、天面部側に折り返された折曲片を含むことにより、提げ手の括れ部が提げ手取付け孔の天面部側の上縁部と当接して係合すると共に、折曲片が側面部の内面に係止されるため、提げ手が提げ手取付け孔から離脱することをより抑制する。よって、使用者は、提げ手を把持することにより、包装箱を片手でより安定して持ち運ぶことができる。
本発明の第三の形態は、前記提げ手取付け孔の短手方向の長さは、前記提げ手の厚さの2倍~3倍である。
上記第三の形態によれば、提げ手取付け孔の短手方向の長さが、提げ手の厚さの2倍以上であることにより、箱本体に提げ手を取り付ける際、提げ手の先端部を折り目で折り返して折曲片を形成した状態で、先端部を提げ手取付け孔に挿入することができる。これにより、折曲片が側面部の内面に係止されるため、提げ手の括れ部が提げ手取付け孔から離脱することをより抑制する。また、提げ手取付け孔の短手方向の長さが、提げ手の厚さの3倍以下であることにより、提げ手の括れ部が提げ手取付け孔から離脱することをさらに抑制する。よって、使用者は、提げ手を把持することにより、包装箱を片手でさらに安定して持ち運ぶことができる。
本発明の第四の形態は、前記折曲片は、前記側面部の内面に固定されている。
上記第四の形態によれば、折曲片が側面部の内面に固定されていることにより、提げ手の括れ部が提げ手取付け孔と係合すると共に、折曲片が側面部の内面に対して面で当接し固定されるため、提げ手が提げ手取付け孔から離脱することをさらに抑制する。よって、使用者は、提げ手を把持することにより、包装箱を片手で一層安定して持ち運ぶことができる。
本発明の第五の形態は、前記提げ手の流れ方向(MD方向)の曲げこわさは、3.0mN・m~8.0mN・mである。
上記第五の形態によれば、提げ手の流れ方向の曲げこわさが3.0mN・m以上であることにより、提げ手は、変形しにくく、短手方向の断面形状が矩形の状態でより維持されるため、提げ手の括れ部は、提げ手取付け孔の天面部側の上縁部とより強固に当接する。よって、提げ手の括れ部は、提げ手取付け孔とより強固に係合することができる。また、提げ手の流れ方向の曲げこわさが8.0mN・m以下であることにより、箱本体に提げ手を取り付ける際、提げ手の先端部を提げ手取付け孔の平面視形状に合わせて、短手方向の断面形状が天面部側に向かって凸となる形状になるよう湾曲させることができ、湾曲させた状態で先端部を提げ手取付け孔に容易に挿入することができる。以上により、箱本体に提げ手を容易且つより強固に取り付けることができ、使用者は、提げ手を把持することにより、包装箱を片手でより一層安定して持ち運ぶことができる。
本発明の第六の形態は、前記括れ部の頂部と、前記提げ手の長手方向における端縁との距離は、20mm~50mmである。
上記第六の形態によれば、提げ手の先端部に十分な面積の折曲片を形成することができるため、提げ手の括れ部が提げ手取付け孔と係合すると共に、折曲片が側面部の内面に、より大きい面積にて係止され、提げ手が提げ手取付け孔から離脱することをさらに抑制する。
本発明の第七の形態は、前記提げ手取付け孔の長手方向の長さの二等分線は、前記側面部の対角線の交点を含み、前記提げ手取付け孔と前記側面部の前記天面部側の稜線との最短距離と、前記側面部の高さの比は、1:10~1:25である。
上記第七の形態によれば、使用者は、提げ手を把持することにより、包装箱が斜めに傾くことを抑制し包装箱を片手でさらに安定して持ち運ぶことができる。また、提げ手取付け孔に挿入された提げ手の先端部が、箱本体の内部において、天面部と収容された物品との間の空間に位置するため、物品と干渉することを抑制することができ、物品を傷つけずに持ち運ぶことができる。
本発明の一形態によれば、片手で安定して持ち運ぶことができる包装箱を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。図1は、一実施形態による包装箱100の斜視図であり、図2は、箱本体1の展開図であり、図3は、提げ手7の平面図である。
図1及び図2に示すように、包装箱100は、底面部2と、底面部2から立設された2対の側面部3と、2対の側面部3の上端に連接された天面部5とを有する箱本体1と、箱本体1に取り付けられた帯状の提げ手7とを備える。2対の側面部3のうち1対の側面部は、1対の対向する長側面部31、31であり、2対の側面部のうち他の1対の側面部は、1対の対向する短側面部32、32であってよい。長側面部31とは、天面部5の長辺を含む側面部3を意味し、短側面部32とは、天面部5の短辺を含む側面部3を意味する。図1及び図2に示す例では、箱本体1の形状は、直方体であるが、これに限らず、立方体であってもよい。箱本体1の形状が立方体である場合、いずれの側面部3も短側面部32となる。
箱本体1は、例えば、所定の形状に打ち抜いた段ボールシートを折り曲げて形成することができる。図2に示すように、底面部2は、4つの底面部2a、2b、2c、2dを含んでいてよく、4つの底面部2a、2b、2c、2d同士を接着又は接合し、糊代部11を図2の紙面下部に位置する側面部3(短側面部32)と接着又は接合することにより、天面部5が開放された箱本体1が得られる。天面部5は、4つの天面部5a、5b、5c、5dを含んでいてよく、箱本体1に物品を収容し天面部5を閉じる場合は、天面部5b、5dを箱本体1の内側に折り曲げ、その後、天面部5a、5cを箱本体1の内側に折り曲げ、天面部5a、5cの当接部をテープ等で封止する。箱本体1から物品を取り出す場合は、天面部5の封止を解除して、取り出すことができる。
箱本体1を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、紙製の段ボールシート、樹脂製の段ボールシート、紙製の板材(厚紙)、プラスチック等の樹脂製の板材等が挙げられる。
包装箱100において、少なくとも1対の側面部3は、提げ手7の長手方向両端の先端部71が挿入される提げ手取付け孔6を含む。提げ手取付け孔6の平面視形状は、天面部5側に向かって凸となる形状である。ここで、天面部5側に向かって凸となる形状とは、天面部5側に向かって凸となる曲線状、直線状、U字状、半円弧状、又は円弧の一部を含む。提げ手取付け孔6は、天面部5側に向かって凸となる上縁部61と、上縁部61より底面部2側に位置し、天面部5側に向かって凸となる下縁部62と、上縁部61及び下縁部62を接続する側縁部63とを有していてよい。側縁部63は、直線状であってもよく、曲線状であってもよい。また、提げ手取付け孔6は、側縁部63を有していなくてもよく、この場合、提げ手取付け孔6の平面視形状は、三日月状であってもよい。
提げ手7の長手方向D1両端の先端部71は、図3に示すように、提げ手7の短手方向D2(長手方向D1に直交する方向)両端において、提げ手7の短手方向D2の長さの二等分線70に対して対称に形成され、短手方向D2内側に括れた括れ部72、72を含む。括れ部72は、換言すると切欠き部である。提げ手取付け孔6の平面視形状が、天面部5側向かって凸となる形状であることにより、提げ手7の括れ部72は、提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61と当接して係合する。具体的には、提げ手取付け孔6の上縁部61が底面部2側に向かって斜めに傾斜し、提げ手7の括れ部72の頂部721より天面部5側の周縁部が天面部5側に向かって斜めに傾斜しているため、提げ手7の括れ部72は、提げ手取付け孔6の上縁部61と係合する。提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6と係合することにより、提げ手7が箱本体1に取り付けられている。
この構成により、箱本体1に重量の比較的大きい物品が収容された場合においても、提げ手7の括れ部72と提げ手取付け孔6が物品の荷重を受けて強固に係合するため、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することを抑制する。よって、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手で安定して持ち運ぶことができる。また、1対の側面部に形成された運搬穴に両手を入れて運搬する包装箱では、運搬穴により手指を痛める場合があるが、本実施形態の包装箱100は、提げ手7を把持するため手指を痛めず持ち運ぶことができる。
1対の長側面部31、31は、提げ手取付け孔6を含んでいてもよいが、1対の短側面部32、32が、提げ手取付け孔6を含んでいることが好ましい。1対の短側面部32、32が、提げ手取付け孔6を含むことにより、提げ手7を把持した際、包装箱100が斜めに傾くことを抑制し、包装箱100を片手でより安定して持ち運ぶことができる。2対の側面部3、即ち1対の長側面部31、31及び1対の短側面部32、32が、提げ手取付け孔6を含んでいてもよい。2対の側面部3が、提げ手取付け孔6を含むことにより、2つの提げ手7を交差させて箱本体1に取り付けることができる。これにより、提げ手7を把持した際、包装箱100が斜めに傾くことをより抑制し、包装箱100を片手でさらに安定して持ち運ぶことができる。
次に、提げ手7について詳細に説明する。図4は、提げ手の取り付け方を説明する図であり、図5は、折曲片が側面部に固定された状態を示す包装箱の部分断面図である。
提げ手7の先端部71は、図3に示すように、括れ部72よりも長手方向D1の端縁側において、短手方向D2に沿って形成された折り目73を有していてよい。この場合、提げ手7を箱本体1に取り付ける際、図4に示すように、提げ手7を折り目73で谷折り(図3において紙面手前側に向かって折り)にした後、折り返した折曲片74が提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61に対向するようにして、提げ手7の先端部71を提げ手取付け孔6に挿入する。このように箱本体1に提げ手7が取り付けられた場合、図5に示すように、提げ手7の折曲片74は、折り目73で天面部5側に折り返され、箱本体1の側面部3の内面S1に少なくとも一部が当接して係止する。即ち、提げ手7の先端部71は、折り目73で天面部5側に折り返された折曲片74を含む。
提げ手7の先端部71が、天面部5側に折り返された折曲片74を含むことにより、提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61と当接して係合すると共に、折曲片74が側面部3の内面S1に係止されるため、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することをより抑制する。よって、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手でより安定して持ち運ぶことができる。
折曲片74は、側面部3の内面S1に、例えば接着剤等で固定されていることが好ましい。折曲片74が側面部3の内面S1に固定されていることにより、提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6と係合すると共に、折曲片74が側面部3の内面S1に対して面で当接し固定されるため、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することをさらに抑制する。よって、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手でさらに安定して持ち運ぶことができる。なお、折曲片74が、側面部3の内面S1に固定されていない場合は、提げ手7は箱本体1に着脱可能とすることができる。
提げ手7の先端部71は、括れ部72よりも長手方向D1の端縁側において、短手方向D2に沿って形成された折り目73を有していなくてもよい。この場合、提げ手7を箱本体1に取り付ける際、提げ手7の先端部71を折り曲げずに提げ手取付け孔6に挿入する。このように箱本体1に提げ手7が取り付けられた場合、先端部71は、箱本体1の内側において底面部2側に向いた状態で、側面部3の内面S1に対して当接又は離隔している。提げ手7の先端部71が、折り目73を有していない場合においても、提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61と当接して係合するため、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することを抑制する。よって、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手で安定して持ち運ぶことができる。
提げ手7の流れ方向(MD方向)の曲げこわさは、3.0mN・m~8.0mN・mであることが好ましく、5.0mN・m~7.0mN・mであることがより好ましい。曲げこわさは、ISO 2493「紙及び板紙-曲げ抵抗試験方法」に準じて測定することができる。提げ手7の流れ方向の曲げこわさが3.0mN・m以上であることにより、提げ手7は、変形しにくく、短手方向D2の断面形状が矩形の状態でより維持されるため、提げ手7の括れ部72は、提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61とより強固に当接する。よって、提げ手7の括れ部72は、提げ手取付け孔6とより強固に係合することができる。また、提げ手7の流れ方向の曲げこわさが8.0mN・m以下であることにより、箱本体1に提げ手7を取り付ける際、提げ手7の先端部71を提げ手取付け孔6の平面視形状に合わせて、短手方向D2の断面形状が天面部5側に向かって凸となる形状になるよう湾曲させることができ、湾曲させた状態で先端部71を提げ手取付け孔6に容易に挿入することができる。以上により、箱本体1に提げ手7を容易且つより強固に取り付けることができ、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手でより一層安定して持ち運ぶことができる。
提げ手7の寸法は、特に限定はなく、箱本体1の寸法により選択することができ、例えば、長手方向D1の長さは、200mm~500mmとすることができ、短手方向D2の長さは20mm~40mmとすることができる。
図3に示す、括れ部72の頂部721と、提げ手7の長手方向D1における端縁との距離L3は、20mm~50mmであることが好ましく、30mm~40mmであることがより好ましい。括れ部72の頂部721と、提げ手7の長手方向D1における端縁との距離L3が、20mm~50mmであることにより、提げ手7の先端部71に十分な面積の折曲片74を形成することができるため、提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6と係合すると共に、折曲片74が側面部3の内面S1に、より大きい面積にて係止され、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することをさらに抑制する。よって、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手でより一層安定して持ち運ぶことができる。
括れ部72の長手方向D1における長さL4は、箱本体1の側面部3の厚さに応じて選択することができ、側面部3の厚さの1倍~3倍であることが好ましく、1.5倍~2倍であることがより好ましい。括れ部72の長手方向D1における長さL4が、側面部3の厚さの1倍~3倍であることにより、提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6とより強固に係合することができ、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することをより抑制する。
提げ手7を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、厚紙、プラスチック、紙ラミネート製品等が挙げられる。
次に、提げ手取付け孔6について詳細に説明する。提げ手取付け孔6の短手方向の長さは、提げ手7の厚さの2倍~3倍であることが好ましい。ここで、提げ手取付け孔6の短手方向の長さとは、提げ手取付け孔6における上縁部61と下縁部62の間の長さを意味する。提げ手取付け孔6の短手方向の長さが、提げ手取付け孔6の長手方向において一定ではなく異なる場合は、その最小値を意味する。提げ手取付け孔6の短手方向の長さが、提げ手7の厚さの2倍以上であることにより、箱本体1に提げ手7を取り付ける際、提げ手7の先端部71を折り目73で折り返して折曲片74を形成した状態で、先端部71を提げ手取付け孔6に挿入することができる。これにより、折曲片74が側面部3の内面S1に係止されるため、提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6から離脱することをより抑制する。また、提げ手取付け孔6の短手方向の長さが、提げ手7の厚さの3倍以下であることにより、提げ手7の括れ部72が提げ手取付け孔6から離脱することをさらに抑制する。よって、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手でさらに安定して持ち運ぶことができる。
提げ手取付け孔6の上縁部61及び下縁部62の曲率は、図1及び図2に示す曲率よりも大きくてもよい。上縁部61及び下縁部62の曲率が大きい程、提げ手7の括れ部72は、提げ手取付け孔6とより強固に係合し、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することをより抑制する。
提げ手取付け孔6の長手方向の長さの二等分線60は、図1及び図2に示すように、側面部3の対角線10の交点Mを含み、提げ手取付け孔6と側面部3の天面部5側の稜線との最短距離L1と、側面部3の高さL2の比は、1:10~1:25であることが好ましい。ここで、提げ手取付け孔6の長手方向の長さとは、提げ手取付け孔6の長手方向(図2の紙面上下方向)の両端の最短距離を意味する。この構成により、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100が斜めに傾くことを抑制し包装箱100を片手でより安定して持ち運ぶことができる。また、多くの場合、包装箱には、収容する物品の損傷を抑制する観点から、物品が天面から所定の距離、離隔して収容され、天面と物品との間に空間が形成されるところ、本実施形態の包装箱100では、提げ手取付け孔6に挿入された提げ手7の先端部71が、箱本体1の内部において、天面部5と物品との間の空間に位置するため、箱本体1に収容された物品と干渉することを抑制することができ、物品の損傷を抑制しつつ持ち運ぶことができる。
次に、提げ手7の変形例について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、提げ手の第1変形例を示す平面図であり、図7は、提げ手の第2変形例を示す平面図である。括れ部72の平面視形状は、図3に示す例ではV字状であるが、これに限らず、図6に示す第1変形例の提げ手7のように曲線状又はU字状であってもよい。図6に示す第1変形例の提げ手7において、括れ部72の頂部721と、提げ手7の長手方向D1における端縁との距離L3、及び括れ部72の長手方向D1における長さL4については、図3に示す提げ手7と同様である。
提げ手7は、図3に示す例では、1対の括れ部72、72を有するが、これに限らず、図7に示す第2変形例の提げ手7のように、長手方向D1に間隔を空けて設けられた2対の括れ部72a、72a、72b、72bを有していてもよい。ここで、1対の括れ部72a、72aを第1括れ部とし、第1括れ部よりも長手方向D1の端縁側に位置する他の1対の括れ部72b、72bを第2括れ部と称する。第2変形例の提げ手7の先端部71は、第1括れ部72a、72aと、第2括れ部72b、72bとの間において、短手方向D2に沿って形成された第1折り目73aを有し、第2括れ部72b、72bよりも長手方向D1の端縁側において、短手方向D2に沿って形成された第2折り目73bを有する。
第2変形例の提げ手7を第1折り目73aで谷折りにして箱本体1に取り付けた場合、第1折り目73aから長手方向D1の端縁側までを含む第1折曲片74aが、第1折り目73aで天面部5側に折り返され、箱本体1の側面部3の内面S1に当接して係止する。即ち、提げ手7の先端部71は、第1折り目73aで天面部5側に折り返された第1折曲片74aを含む。また、第1括れ部72aは、提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61と当接して係合する。
第2変形例の提げ手7を第2折り目73bで谷折りにして箱本体1に取り付けた場合、第2折り目73bから長手方向D1の端縁側までを含む第2折曲片74bが、第2折り目73bで天面部5側に折り返され、箱本体1の側面部3の内面S1に当接して係止する。即ち、提げ手7の先端部71は、第2折り目73bで天面部5側に折り返された第2折曲片74bを含む。また、第2括れ部72bは、提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61と当接して係合する。
なお、第2変形例の提げ手7の先端部71は、第1折り目73a及び第2折り目73bを有していなくてもよい。第2変形例の提げ手7の先端部71が、第1折り目73a及び第2折り目73bを有していない場合においても、提げ手7の第1括れ部72a又は、第2括れ部72bが提げ手取付け孔6の天面部5側の上縁部61と当接して係合するため、提げ手7が提げ手取付け孔6から離脱することを抑制する。よって、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手で安定して持ち運ぶことができる。
以上により、第2変形例の提げ手7は、箱本体1の寸法等に応じて、箱本体1の外側における長さを変えることができ、使用者は、提げ手7を把持することにより、包装箱100を片手でより安定して持ち運ぶことができる。なお、提げ手7は、3対以上の括れ部72を有していてもよい。
第2変形例の提げ手7において、第1括れ部72aの頂部721aと、長手方向D1における端縁との距離L31、及び、第2括れ部72bの頂部721bと、長手方向D1における端縁との距離L32については、図3に示す提げ手7における距離L3と同様である。また、第1括れ部72a及び第2括れ部72bの長手方向D1における長さL4についても、図3に示す提げ手7と同様である。
第1変形例又は第2変形例の提げ手7を箱本体1に取り付けた構成においても、図3に示す提げ手7を箱本体1に取り付けた構成と同様の効果を奏することができる。
本実施形態の包装箱100は、紙製品、食品、衣類等の種々の物品の包装箱に利用でき、中でも、ベビー用あるいは介護用の紙おむつ、生理用ナプキン、衛生用不織布マスク、ティッシュペーパー、スナック菓子、薄手の衣類などの比較的嵩張る製品を複数個梱包する場合に適している。
(本発明の態様)
本発明は、以下の態様を含む。
<態様1>
底面部と、前記底面部から立設された2対の側面部と、前記2対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、
少なくとも1対の前記側面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される提げ手取付け孔を含み、
前記提げ手取付け孔の平面視形状は、前記天面部側に向かって凸となる形状であり、
前記提げ手の前記先端部は、前記提げ手の短手方向両端において、前記提げ手の短手方向の長さの二等分線に対して対称に形成され、前記短手方向内側に括れた括れ部を含み、
前記括れ部は、前記提げ手取付け孔と係合する包装箱である。
<態様2>
前記先端部は、前記括れ部よりも前記長手方向の端縁側において、前記短手方向に沿って形成された折り目で前記天面部側に折り返された折曲片を含む態様1に記載の包装箱である。
<態様3>
前記提げ手取付け孔の短手方向の長さは、前記提げ手の厚さの2倍~3倍である態様2に記載の包装箱である。
<態様4>
前記折曲片は、前記側面部の内面に固定されている態様2又は3に記載の包装箱である。
<態様5>
前記提げ手の流れ方向の曲げこわさは、3.0mN・m~8.0mN・mである態様1から4のいずれか一つに記載の包装箱である。
<態様6>
前記括れ部の頂部と、前記提げ手の長手方向における端縁との距離は、20mm~50mmである態様1から5のいずれか一つに記載の包装箱である。
<態様7>
前記提げ手取付け孔の長手方向の長さの二等分線は、前記側面部の対角線の交点を含み、前記提げ手取付け孔と前記側面部の前記天面部側の稜線との最短距離と、前記側面部の高さの比は、1:10~1:25である態様1から6のいずれか一つに記載の包装箱である。
本発明は、以下の態様を含む。
<態様1>
底面部と、前記底面部から立設された2対の側面部と、前記2対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、
少なくとも1対の前記側面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される提げ手取付け孔を含み、
前記提げ手取付け孔の平面視形状は、前記天面部側に向かって凸となる形状であり、
前記提げ手の前記先端部は、前記提げ手の短手方向両端において、前記提げ手の短手方向の長さの二等分線に対して対称に形成され、前記短手方向内側に括れた括れ部を含み、
前記括れ部は、前記提げ手取付け孔と係合する包装箱である。
<態様2>
前記先端部は、前記括れ部よりも前記長手方向の端縁側において、前記短手方向に沿って形成された折り目で前記天面部側に折り返された折曲片を含む態様1に記載の包装箱である。
<態様3>
前記提げ手取付け孔の短手方向の長さは、前記提げ手の厚さの2倍~3倍である態様2に記載の包装箱である。
<態様4>
前記折曲片は、前記側面部の内面に固定されている態様2又は3に記載の包装箱である。
<態様5>
前記提げ手の流れ方向の曲げこわさは、3.0mN・m~8.0mN・mである態様1から4のいずれか一つに記載の包装箱である。
<態様6>
前記括れ部の頂部と、前記提げ手の長手方向における端縁との距離は、20mm~50mmである態様1から5のいずれか一つに記載の包装箱である。
<態様7>
前記提げ手取付け孔の長手方向の長さの二等分線は、前記側面部の対角線の交点を含み、前記提げ手取付け孔と前記側面部の前記天面部側の稜線との最短距離と、前記側面部の高さの比は、1:10~1:25である態様1から6のいずれか一つに記載の包装箱である。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 箱本体
2、2a、2b、2c、2d 底面部
3 側面部
31 長側面部
32 短側面部
5、5a、5b、5c、5d 天面部
6 提げ手取付け孔
60 二等分線
61 上縁部
62 下縁部
63 側縁部
7 提げ手
70 二等分線
71 先端部
72、72a、72b 括れ部
721、721a、721b 頂部
73、73a、73b 折り目
74、74a、74b 折曲片
10 対角線
11 糊代部
100 包装箱
M 交点
S1 内面
2、2a、2b、2c、2d 底面部
3 側面部
31 長側面部
32 短側面部
5、5a、5b、5c、5d 天面部
6 提げ手取付け孔
60 二等分線
61 上縁部
62 下縁部
63 側縁部
7 提げ手
70 二等分線
71 先端部
72、72a、72b 括れ部
721、721a、721b 頂部
73、73a、73b 折り目
74、74a、74b 折曲片
10 対角線
11 糊代部
100 包装箱
M 交点
S1 内面
Claims (7)
- 底面部と、前記底面部から立設された2対の側面部と、前記2対の側面部の上端に連接された天面部とを有する箱本体と、前記箱本体に取り付けられた帯状の提げ手とを備え、
少なくとも1対の前記側面部は、前記提げ手の長手方向両端の先端部が挿入される提げ手取付け孔を含み、
前記提げ手取付け孔の平面視形状は、前記天面部側に向かって凸となる形状であり、
前記提げ手の前記先端部は、前記提げ手の短手方向両端において、前記提げ手の短手方向の長さの二等分線に対して対称に形成され、前記短手方向内側に括れた括れ部を含み、
前記括れ部は、前記提げ手取付け孔と係合する包装箱。 - 前記先端部は、前記括れ部よりも前記長手方向の端縁側において、前記短手方向に沿って形成された折り目で前記天面部側に折り返された折曲片を含む請求項1に記載の包装箱。
- 前記提げ手取付け孔の短手方向の長さは、前記提げ手の厚さの2倍~3倍である請求項2に記載の包装箱。
- 前記折曲片は、前記側面部の内面に固定されている請求項3に記載の包装箱。
- 前記提げ手の流れ方向の曲げこわさは、3.0mN・m~8.0mN・mである請求項4に記載の包装箱。
- 前記括れ部の頂部と、前記提げ手の長手方向における端縁との距離は、20mm~50mmである請求項5に記載の包装箱。
- 前記提げ手取付け孔の長手方向の長さの二等分線は、前記側面部の対角線の交点を含み、前記提げ手取付け孔と前記側面部の前記天面部側の稜線との最短距離と、前記側面部の高さの比は、1:10~1:25である請求項1から6のいずれか一項に記載の包装箱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022151678A JP2024046352A (ja) | 2022-09-22 | 2022-09-22 | 包装箱 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022151678A JP2024046352A (ja) | 2022-09-22 | 2022-09-22 | 包装箱 |
Publications (1)
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JP2022151678A Pending JP2024046352A (ja) | 2022-09-22 | 2022-09-22 | 包装箱 |
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2022
- 2022-09-22 JP JP2022151678A patent/JP2024046352A/ja active Pending
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