JP3190695U - 包装箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】フラップ等の強度低下を抑えて、胴部が偏平に折り畳まれた状態を確実に維持することができる包装箱を提供する。【解決手段】筒状の胴部19の長方形の開口が長辺フラップ7,8と短辺フラップ9,10とで閉塞される包装箱1において、長辺フラップ7,8の先端部に、起こし自在の折起し片17を設ける。一方の長辺フラップ8の折起し片17を折り起こすことにより、折起し片17の端縁と他方の長辺フラップ7の端縁とが互いに摩擦係合して胴部19の折り畳み状態が維持される。【選択図】図4
Description
本考案は、包装箱に関する。
従来、段ボール板紙等で形成された直方体形状の包装箱は、被包装物を取り出した後にリサイクル或いは廃棄するために、偏平に折り畳むことが行われる。具体的には、包装箱の上下のフラップを開いて四角筒状の胴部の一方の対角線上に対向する両角部を鋭角に折り曲げることにより、胴部の側壁を重ねるようにして偏平に畳み込む。
しかし、包装箱が段ボール板紙等の曲げこわさの比較的大きい材料で形成されている場合には、復元力が作用して胴部の側壁を重ねた状態から浮き上がりやすく、偏平に折り畳んだ状態が維持されないことがある。このため、使用後に偏平に畳んだ複数の包装箱を積み重ねた状態で保管や移動を行うときに、安定した積み重ね状態が得られず、取り扱いが煩わしいという不都合がある。
そこで、従来、胴部の上縁に連接されているフラップを用いて胴部を偏平に畳んだ状態を維持するようにした包装箱が知られている(下記特許文献1参照)。
この包装箱は、平面視長方形状の胴部の上縁のうち、短辺となる一対の上縁に内フラップが連設され、長辺となる一対の上縁に外フラップが連設されている。一方の外フラップには、その先端から基端に向かって切込みを設けることにより係止片が形成されている。そして、胴部を偏平に畳んだとき、他方の外フラップの側端部を切込みに差し込み、係止片を他方の外フラップの側端部とこの外フラップに隣合う内フラップとの間の隙間で互い違いに係止させ、胴部を折り畳んだ状態を維持させるようになっている。
しかし、前記係止片を形成するための切込みは、一方の外フラップの先端から基端に亘って設けられているため、他方の外フラップの側端部を切込んでも、その係止力は極めて小さい。そして、畳んだときに鋭角に折り曲げられた胴部の角部の復元力が大きく、胴部の側壁が重なった状態から浮き上がると、両外フラップが胴部が浮き上がる方向に抵抗なく折れ曲がり、それに伴って外フラップ同士の係合が解除されてしまうことがある。
また、外フラップにその先端から基端にかけて切込みを形成すると外フラップの強度が低下するおそれもある。
上記の点に鑑み、本考案は、フラップ等の強度低下を抑えて、胴部が偏平に折り畳まれた状態を確実に維持することができる包装箱を提供することを目的とする。
本考案は、4つの角部を介して連なる4つの側板により形成されて長方形に開口する筒状の胴部と、該胴部の開口端縁のうち長辺となる端縁を有する第1側板に折目線を介して連設されて該第1側板に対し直角となるように胴部内側方向に折り曲げる一対の長辺フラップと、前記胴部の開口端縁のうち短辺となる端縁を有する第2側板に折目線を介して連設されて該第2側板に対し直角となるように胴部内側方向に折り曲げる一対の短辺フラップとを備える包装箱であって、両長辺フラップ及び両短辺フラップを開いて前記胴部の対向する一対の角部を共に鋭角に曲げることにより該胴部を偏平に畳んだとき、両長辺フラップの側端部同士が重合するものにおいて、前記長辺フラップの先端部に形成した一対の切れ目により、長辺フラップの折り曲げ方向と同一方向に折り起こし自在とされた折起し片を設け、一方の長辺フラップの前記折起し片を折り起こすことにより、該折起し片の端縁と他方の長辺フラップの短辺フラップ側の端縁とが互いに摩擦係合して胴部の折り畳み状態が維持されることを特徴とする。
本考案によれば、長辺フラップの先端部に折起し片を設け、胴部が偏平に畳まれて両長辺フラップの一部同士が重合したとき、一方の長辺フラップの折起し片を折り起こすことで、折起し片の端縁を他方の長辺フラップの端縁に摩擦係合するので、胴部を偏平に折り畳んだ状態を確実に維持させることができる。
そして、この折起し片を形成する一対の切れ目は、比較的小さな領域である長辺フラップの先端部に設けられているので、長辺フラップの強度は殆ど低下しない。
また、本考案においては、前記短辺フラップの先端角部に、該短辺フラップの先端縁から側端縁に至る折目線を介して折り曲げ自在の摘み片を設け、前記短辺フラップは、その先端角部の前記摘み片以外の位置で前記長辺フラップの外面に接着されることが好ましい。
これによれば、短辺フラップが長辺フラップに接着されて胴部を閉塞していても、胴部を偏平に折り畳むときに、摘み片を摘んで短辺フラップを長辺フラップから剥離させることができ、胴部の折り畳み作業が容易となる。
そして、本考案は、前記第2側板は、破断することにより胴部の一部を開口させる破断開口部を備え、該破断開口部は、前記第2側板の一側縁側の一部を破断する第1破断可能部と、該第1破断可能部の一部に接して前記第2側板の他側縁側の一部を破断する第2破断可能部とによって構成される包装箱に工程に採用することができる。
本考案の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の包装箱1は、図1に示すように、外観が直方体状に形成され、内部に図示しない複数の被包装物(例えば、PETボトル入り飲料等)が収納されている。
包装箱1は、所謂ラップアラウンドケースであり、図2に示すように、大略矩形状に打抜いて形成された段ボール板紙2により組立てられる。
段ボール板紙2は、底板3と、底板3の前側縁に折目線aを介して連設された前側板4と、底板3の後側縁に折目線bを介して連設された後側板5と、前側板4の先端縁に折目線cを介して連設された天板6とを備えている。
前側板4と後側板5とは同一形状に形成されている。底板3と天板6とは同一形状に形成されている。そして、底板3及び天板6の大きさは、前側板4及び後側板5よりも小さい形状となっている。
前側板4及び後側板5は本考案の第1側板に相当し、底板3及び天板6は本考案の第2側板に相当する。
前側板4と後側板5との夫々の左右側縁には、折目線d,eを介して一対ずつ内フラップ7,8が連設されており、底板3と天板6との夫々の左右側縁には、折目線f,gを介して一対ずつ外フラップ9,10が連設されている。
内フラップ7,8は本考案の長辺フラップに相当し、外フラップ9,10は本考案の短辺フラップに相当する。
天板6には、被包装物を取り出す際に開封される破断開口部11が形成されている。破断開口部11は、第1破断可能部12と第2破断可能部13とによって構成される。
第1破断可能部12は、3つの破断可能線h1,h2,h3により天板6から遊離可能に形成されている。第1破断可能部12を形成する3つの破断可能線h1,h2,h3のうち、折目線cに沿った方向に延びる1つの破断可能線h3は、波形状に形成されている。
第2破断可能部13は、第1破断可能部12を形成する波形状の破断可能線h3を共通とし、折目線gの夫々の延長線に一致する2つの破断可能線h4,h5と、両破断可能線h4,h5から波形状の破断可能線h3に連なる2つの破断可能線h6,h7とにより天板6から分離可能に形成されている。
外フラップ9,10の先端角部には、折目線iを介して三角形状の摘み片14が形成されている。更に、天板6に連設されている外フラップ10には、把持孔15(図3参照)を形成するために外フラップ10の中央部分を遊離させる切れ目jが設けられている。
また、内フラップ7,8には、把持孔15(図3参照)に対応して切欠き形成された凹部16が設けられている。更に、内フラップ7,8には、その先端部に形成された一対の切れ目k,mにより、内フラップ7,8から折り起こし自在となる折起し片17が設けられている。
折起し片17を形成する一対の切れ目k,mのうち、一方の切れ目kは、内フラップ7,8の先端縁に対して直交する方向に延びているが、他方の切れ目mは、内フラップ7,8の先端縁に向うに従い、切れ目kから離反するように傾斜して延びている。
また、後側板5の先端縁には、天板6に接着される接着片18が折目線nを介して連設されている。
以上の構成による図2示の段ボール板紙2から図1示の包装箱1を形成するときには、図2示の段ボール板紙2の状態で、その底板3上に図示しない複数の被包装物が整列して載置され、先ず、前側板4及び後側板5が夫々折目線a,bを介して起立される。
次いで、両側板4,5の両側の各内フラップ7,8が夫々折目線d,eを介して底板3の両側縁に沿って折り曲げられる。そして、底板3の両側に連設された外フラップ9が折目線fを介して起立されると共に、各内フラップ7,8の外面に接着剤を介して接着される。このとき、外フラップ9の先端角部には接着剤を塗布せず、摘み片14が摘み可能な状態としておく。
続いて、天板6が折目線cを介して水平に折り曲げられる。次いで、接着片18が天板6の内面に接着剤を介して接着される。そして、天板6の両側に連設された外フラップ10が折目線gを介して下方に折り曲げられると共に、各内フラップ7,8の外面に接着剤を介して接着される。
これにより、底板3、前側板4、後側板5及び天板6による四角筒状の胴部19(図1参照)の内部に被包装物が収容され、胴部19の左右が内フラップ7,8と外フラップ9,10とで閉塞されて、包装箱1が形成される。
次に、包装箱1の開梱作業を説明する。図1を参照して、先ず、第1破断可能部12を包装箱1の内側に向かって押圧して破断可能線h1,h2,h3を破断し、天板6から遊離させる。これにより、破断可能線h3に接する第2破断可能部13の破断端縁が露出する。
次いで、第2破断可能部13を上方に引き上げ、破断可能線h6,h7から破断可能線h4,h5に沿って破断する。これにより、図3に示すように、第2破断可能部13が天板6から遊離して胴部19の上部が開放され、被包装物の取出しが行なえる状態に開梱される。
次に、被包装物を取出した後の包装箱1の解体折り畳み作業を説明する。図3に示す状態から、先ず、外フラップ9,10の先端角部の摘み片14を摘んで、外フラップ9,10を内フラップ7,8の外面から外方に引き剥がす。外フラップ9,10に摘み片14を設けたことにより、内フラップ7,8から外フラップ9,10を分離させる作業が容易となる。
次いで、外フラップ9,10を開き、四角筒状の胴部19の一方の対角線上に対向する両角部を鋭角に折り曲げることにより、図4に示すように、包装箱1は、偏平に折り畳まれる。このとき、本実施形態の包装箱1は、開梱された状態で第2破断可能部13が天板6から分離して容易にシート状にすることができるので、扁平に折り畳む作業が極めて円滑に行える。
その後、図4及び図5に示すように、内フラップ7に重合状態にある内フラップ8の折起し片17を折り起こす。このとき、折起し片17の折り起こし方向は、胴部19を閉塞する際の内フラップ8の折り曲げ方向と同一方向とする。
こうすることにより、図5に示すように、折起し片17の端縁17aが内フラップ7の側端縁7aに摩擦係合し、図4に示すように、包装箱1の偏平に折り畳まれた状態が強固に維持される。
1…包装箱、3…底板(第2側板)、4…前側板(第1側板)、5…後側板(第1側板)、6…天板(第2側板)、7,8…内フラップ(長辺フラップ)、9,10…外フラップ(短辺フラップ)、11…破断開口部、12…第1破断可能部、13…第2破断可能部、14…摘み片、k,m…切れ目、17…折起し片、19…胴部。
Claims (3)
- 4つの角部を介して連なる4つの側板により形成されて長方形に開口する筒状の胴部と、該胴部の開口端縁のうち長辺となる端縁を有する第1側板に折目線を介して連設されて該第1側板に対し直角となるように胴部内側方向に折り曲げる一対の長辺フラップと、前記胴部の開口端縁のうち短辺となる端縁を有する第2側板に折目線を介して連設されて該第2側板に対し直角となるように胴部内側方向に折り曲げる一対の短辺フラップとを備える包装箱であって、
両長辺フラップ及び両短辺フラップを開いて前記胴部の対向する一対の角部を共に鋭角に曲げることにより該胴部を偏平に畳んだとき、両長辺フラップの一部同士が重合するものにおいて、
前記長辺フラップの先端部に形成した一対の切れ目により、長辺フラップの折り曲げ方向と同一方向に折り起こし自在とされた折起し片を設け、
一方の長辺フラップの前記折起し片を折り起こすことにより、該折起し片の端縁と他方の長辺フラップの短辺フラップ側の端縁とが互いに摩擦係合して胴部の折り畳み状態が維持されることを特徴とする包装箱。 - 前記短辺フラップの先端角部に、該短辺フラップの先端縁から側端縁に至る折目線を介して折り曲げ自在の摘み片を設け、前記短辺フラップは、その先端角部の前記摘み片以外の位置で前記長辺フラップの外面に接着されることを特徴とする請求項1記載の包装箱。
- 前記第2側板は、破断することにより胴部の一部を開口させる破断開口部を備え、
該破断開口部は、前記第2側板の一側縁側の一部を破断する第1破断可能部と、該第1破断可能部の一部に接して前記第2側板の他側縁側の一部を破断する第2破断可能部とによって構成されることを特徴とする請求項1又は2記載の包装箱。
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