JP2024043721A - 積層体、包装体、及びヒートシール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】プライマー層を設けることなくポリエステル基材とポリスチレン容器の双方への優れた密着性を有し、ヒートシール強度に優れる積層体の提供。【解決手段】ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層をその表面に有する基材と、前記基材の前記ポリエステル層上に直接設けられたヒートシール層と、を有し、前記ヒートシール層が、(メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有する積層体である。前記ヒートシール層が、ポリオレフィン樹脂を更に含有する態様が好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、包装体、及びヒートシール組成物に関する。
ヨーグルト等の包装容器には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等を有する蓋材とポリスチレン等からなる容器とが、ヒートシール剤により熱接着される包装形態が利用されている。
蓋材として、PETフィルムとポリスチレン容器の両方に十分な密着性を出すために、PETフィルム上にプライマー層を設け、その上にヒートシール層を設けるという2層構成の蓋材が主流である。
これまでに、PETフィルムからなる基材上に、アンカーコート層、ヒートシール層、内容物の付着を防止する付着防止層をこの順に積層して成る蓋材が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-131658号公報
従来技術の蓋材のように、PETフィルム上に、プライマー層とヒートシール層の2層を設けることは手間及びコストがかかることから、プライマー層を設けることなく、ヒートシール層を1層化させることが望まれている。
しかしながら、PETフィルムとポリスチレン容器の両方に密着が良好な樹脂などの材料が無いことから、単層化(プライマーレス)で十分なヒートシール強度を実現することは難しいとされてきた。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、プライマー層を設けることなくポリエステル基材とポリスチレン容器の双方への優れた密着性を有し、ヒートシール強度に優れる積層体を提供することを目的とする。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層をその表面に有する基材と、
前記基材の前記ポリエステル層上に直接設けられたヒートシール層と、を有し、
前記ヒートシール層が、(メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする積層体である。
<2> 前記ヒートシール層が、ポリオレフィン樹脂を更に含有する前記<1>に記載の積層体である。
<3> 前記ポリエステル層が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである前記<1>又は<2>に記載の積層体である。
<4> 蒸着層を更に有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の積層体である。
<5> 前記ヒートシール層が、無機微粒子を更に含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の積層体である。
<6> 蓋材と、凹部を有する容器と、を有する包装体における蓋材である前記<1>から<5>のいずれかに記載の積層体である。
<7> 蓋材としての前記<6>に記載の積層体と、凹部を有する容器と、を有し、
前記蓋材が、前記容器の開口部に熱接着可能であることを特徴とする包装体である。
<8> 前記容器の材質が、ポリスチレン樹脂である前記<7>に記載の包装体である。
<9> ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層をその表面に有する基材の、前記ポリエステル層上に直接塗布されるヒートシール組成物であって、
(メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有することを特徴とするヒートシール組成物である。
<10> 無機微粒子を更に含有する前記<9>に記載のヒートシール組成物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、プライマー層を設けることなくポリエステル基材とポリスチレン容器の双方への優れた密着性を有し、ヒートシール強度に優れる積層体を提供することができる。
図1は、本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の積層体の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の積層体の他の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の包装体の一例を示す概略断面図である。
(包装体)
まず、本発明の包装体について説明する。
本発明の包装体は、蓋材と、凹部を有する容器(底材)と、を有し、前記蓋材が、後述する本発明の積層体である。前記蓋材が、前記容器の開口部に熱接着可能である。
前記容器の材質が、ポリスチレン樹脂であることが好ましい。
前記包装体は、凹部を有する容器(底材)と、蓋材と、を有し、前記凹部の中に被収容物(内容物とも言う)を収容した後、蓋材をかけて、脱気するか不活性ガス等で置換すると共に、容器と蓋材との当接部分をヒートシールした包装形態などが挙げられる。
前記包装体における、前記凹部の形状、及び前記蓋材と前記容器とのシール幅乃至面積としては、包装する被収容物の形状や形態によって様々であり一義的に規定できないが、特に制限はなく目的とする適用形態に応じて適宜選択することができる。
前記包装体の用途としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、飲食品包装用であることが好ましい。
前記飲食品としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヨーグルト、プリン、ゼリー、レトルト食品、インスタント食品、総菜等の食品;発酵乳酸菌飲料、水、茶、コーヒー清涼飲料水、牛乳、豆乳、スープ等の飲料全般などが挙げられる。
(積層体)
本発明の積層体は、ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層をその表面に有する基材と、前記基材の前記ポリエステル層上に直接設けられたヒートシール層と、を有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
前記ヒートシール層は、(メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有し、ポリオレフィン樹脂、及び無機微粒子の少なくともいずれかを更に含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記積層体は、前記包装体の蓋材として好適に使用できる。
前記積層体は、前記基材におけるヒートシール層が設けられた面とは反対の面側に、その他の層を更に有してもよく、その他の層として蒸着層を有することが好ましい。
前記積層体の一態様としては、例えば、図1に示すように、ポリエステル層をその表面に有する基材1と、ポリエステル層上に直接設けられたヒートシール層2と、を少なくとも有し、基材1/ヒートシール層2の順で積層された積層体10である。
前記積層体の他の態様としては、図2に示すように、ポリエステル層をその表面に有する基材1と、ポリエステル層上に直接設けられたヒートシール層2と、基材1におけるヒートシール層2が設けられた面とは反対の面側に、蒸着層3と、を少なくとも有し、蒸着層3/基材1/ヒートシール層2の順で積層される積層体である。
ヒートシール層2が包装体の内側であり、前記容器とのヒートシール面を形成する。前記積層体の前記ヒートシール層により前記包装体の前記容器の開口部との熱接着が可能である。
また、前記積層体の他の態様としては、図3に示すように、基材1のヒートシール層2が設けられた面とは反対側に、蒸着層3と、蒸着層3上にその他の層4を有し、その他の層4/蒸着層3/基材1/ヒートシール層2の順で積層される積層体であってもよい。
その他の層4は、単層であってもよく、複数の層であってもよい。
前記積層体は、本発明の包装体用の蓋材として好適に使用することができる。
図4は、本発明の包装体の一例を示す概略断面図である。包装体100は、蓋材20と、凹部を有する容器30と、を有する包装体であり、内容物40(例えば、ヨーグルトなど)を凹部に収容することができる。蓋材20が、容器30の開口部に熱接着可能である。
ここで、蓋材20は、本発明の積層体(例えば、図1~3に示す積層体10)であり、積層体10のヒートシール層2が、容器30の開口部に熱接着可能であり、ヒートシールされる。
<基材>
前記基材は、ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層を、前記基材の少なくとも1つの表面に有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材が、前記ポリエステル層からなる態様であってもよく、前記ポリエステル層と、前記ポリエステル層上に蒸着層やその他の層と、有する態様であってもよい。
<<ポリエステル層>>
前記ポリエステル層は、ポリエステル樹脂を主成分として含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有してもよいが、ポリエステル樹脂からなることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂の含有量としては、前記ポリエステル層の総量に対し、50質量%以上であり、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
前記ポリエステル層は、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
-ポリエステル樹脂-
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
前記基材としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、A-PET(非晶性ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等を原料とするフィルムなどが挙げられる。前記基材は、後述する蒸着層を有するものであってもよい。
前記基材の平均厚みとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、10μm~30μmが好ましく、12μm~25μmがより好ましい。
<ヒートシール層>
前記ヒートシール層は、(メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有し、ポリオレフィン樹脂、及び無機微粒子の少なくともいずれかを含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
-(メタ)アクリレート-スチレン共重合体-
前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合は、(メタ)アクリレートとスチレンとが共重合した共重合体である。前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合は、(メタ)アクリレートとスチレンと更に必要に応じてその他のモノマーとが共重合した共重合体であってもよい。
前記(メタ)アクリレートとしては、特に限定なく、目的に応じて公知の(メタ)アクリル酸エステルを適宜選択でき、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、アルコキシアルキルエステルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリレートとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸nプロピル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸nオクチル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-メトキシエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nプロピル、メタクリル酸nブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nへキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸nラウリル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-エトキシエチル等のメタクリル酸エステル;などが挙げられる。
これらは1種又は2種以上組合せて使用することができる。これらの中でも、メタクリル酸nブチル、タクリル酸メチルが好ましい。
前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合は、他のモノマーがさらに共重合されていてもよいが、他のモノマーに由来する構成単位の含有量としては、共重合体全体の30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合におけるスチレン由来成分の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%~80質量%が好ましく、10質量%~50質量%がより好ましい。
前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合における(メタ)アクリレート由来成分の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%~95質量%が好ましく、50質量%~90質量%がより好ましい。
前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合の重量平均分子量としては、特に制限はないが、耐ブロッキング性、ヒートシール性の観点から、5万以上が好ましく、5万~8万がより好ましい。
前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合のガラス転移温度としては、耐ブロッキング性、及びヒートシール性の観点から、20℃~105℃が好ましく、40℃~70℃がより好ましい。
前記ヒートシール層における前記(メタ)アクリレート-スチレン共重合の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%~80質量%が好ましく、30質量%~70質量%がより好ましい。
-ポリエステル樹脂-
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
前記ヒートシール層における前記ポリエステル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5質量%~80質量%が好ましく、10質量%~50質量%がより好ましい。
-ポリオレフィン樹脂-
前記ポリオレフィン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じてαオレフィンを主成分とする樹脂を適宜選択することができる。
前記αオレフィンとしては、特に限定なく、目的に応じて公知のαオレフィンを適宜選択することができるが、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、4-メチル-1-ペンテン、ブタジエンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、エチレン又はプロピレンを主体とするものが好ましい。
前記ヒートシール層における前記ポリオレフィン樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%~50質量%が好ましく、3質量%~30質量%がより好ましい。
-無機微粒子-
前記無機微粒子としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、シリカが好ましい。これらの中でも、所望の粒子径が得られ易い点で、合成非晶質シリカが好ましい。
前記シリカの形状としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単粒子からなる球状シリカであってもよく、複数の1次粒子から2次粒子や3次粒子を形成する不定形シリカであってもよい。これらの中でも、ヒートシール層のブロッキング性を向上できる点で、球状シリカが好ましく、ヒートシール強度を向上できる点で、不定形シリカが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
球状シリカとしては、例えば、株式会社アドマテックス製のアドマファインSO-C4、SO-C5、SO-E4;デンカ株式会社製のUFP-30、SFP-30M;株式会社日本触媒製のシーホスターKEシリーズ;富士シリシア化学株式会社製のSYLOSPHEREシリーズなどが挙げられる。
球状シリカの平均粒径としては、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1.0μm以上が更に好ましい。
不定形シリカとしては、例えば、EVONIK社製のAEROSILTM 200、R972;旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のHDK H15、H18;株式会社トクヤマ製のMT-10、DM-20Sなどが挙げられる。
不定形シリカの平均粒径としては、50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、20nm以下が更に好ましい。
前記無機微粒子の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記ヒートシール層の樹脂100質量部に対して、0.1質量%~10質量%が好ましく、0.1質量%~3質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.1質量%~10質量%であると、ブロッキング性の向上、及びヒートシール強度の向上の点でも良好である。
前記ヒートシール層は、例えば、前記樹脂などを溶媒に分散又は溶解したヒートシール組成物を、前記基材のポリエステル層上に直接塗工し、乾燥させることにより形成することができる。前記ヒートシール層を設ける領域としては、前記基材のポリエステル層上であればよく、前記ポリエステル層上の全面又は部分的に前記ヒートシール層を塗工することができる。
前記ヒートシール組成物としては、後述する本発明のヒートシール組成物を好適に用いることができる。
前記ヒートシール組成物の塗工方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロールコーター、グラビアコーター、フレキソコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、トランスファロールコーター、キスコーター、カーテンコーター、キャストコーター、スプレイコーター、ダイコーター、オフセット印刷機、スクリーン印刷機等を使用できる。また塗工後オーブン等で乾燥工程を設けてもよい。
乾燥方法としては、特に制限はなく、目的に応じて熱風、電熱、赤外線、電子線等の従来公知の手段を適宜選択することができる。乾燥における加熱温度としては、50℃~250℃が好ましく、加熱時間としては、0.1秒間~30秒間が好ましい。
前記ヒートシール組成物の塗布量としては、特に制限はなく、目的とするシール強度や基材に応じて適宜選択することができるが、1.0g/m~10.0g/mが好ましい。
前記ヒートシール層の平均厚みとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、1μm~10μmが好ましく、4μm~8μmがより好ましい。
<その他の層>
前記積層体は、蒸着層、バリア層、印刷層などのその他の層を更に有していてもよい。前記その他の層は、前記基材におけるヒートシール層が設けられた面とは反対の面側に、設けられる。
前記積層体は、ガスバリア性を付与できる点で、蒸着層を有することが好ましい。
前記積層体は、例えば、被収容物が飲食品である場合に、水蒸気及び/又は酸素から保護し、高い保存安定性を担保できる点で、バリア層を有することが好ましい。
また、前記その他の層は、包装用フィルムの印刷を設けることができる印刷層であってもよい。
前記積層体は、前記基材における前記ヒートシール層が設けられた面とは反対の面側に、前記その他の層を更に有し、その他の層/基材/ヒートシール層の順で積層された積層体であってもよい。
また、図3に示すように、基材1が、その表面にポリエステル層を有し、ポリエステル層上に蒸着された蒸着層3を有し、蒸着層3上にその他の層4を有し、積層体10が、その他の層4/蒸着層3/基材1/ヒートシール層2の順で積層される積層体であってもよい。
前記その他の層は、単層であってもよく、複数の層であってもよい。複数の前記その他の層は、互いに同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。
前記その他の層は、基材/ヒートシール層、乃至蒸着層/基材/ヒートシール層の順で積層された積層体の基材上に接着して、その他の層/基材/ヒートシール層、乃至蒸着層/基材/ヒートシール層その他の層/の順で積層されるラミネートフィルムを形成してもよい。
<<蒸着層>>
前記蒸着層は、金属及び金属酸化物の少なくともいずれかの蒸着層である。
前記金属としては、例えば、ケイ素、アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、シリカとアルミナの二元蒸着のように2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ガスバリア性の観点から、アルミニウムが好ましい。
前記蒸着層は、単層であってもよく、複数の層であってもよい。複数の前記蒸着層は、互いに同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。
前記蒸着層は、上述の各層上に、従来公知の方法により設けることができるが、ポリエステル層からなる基材上に直接設けられることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート層からなる基材上に直接設けられることがより好ましい。
前記蒸着層の形成方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法(PVD法));プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法(CVD法))などが挙げられる。
前記蒸着層の平均厚みとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、1nm~200nmが好ましい。無機蒸着層がアルミニウム蒸着層である場合、その平均厚みは1nm~100nmがより好ましく、15nm~60nmがより好ましく、10nm~40nmがより好ましい。無機蒸着層がシリカまたはアルミナ蒸着層である場合、その平均厚みは1nm~100nmが好ましく、10nm~50nmがより好ましく、20nm~30nmがより好ましい。
前記その他の層をラミネートする際の接着方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーションなどが挙げられる。
前記その他の層としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、共押出用であれば、例えば、プロピレン樹脂などのオレフィン樹脂などが挙げられ、ラミネートフィルム用であれば、無延伸ポリエステル(CPET)、無延伸ナイロン(CNY)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、無延伸ポリエチレン(CPE)、無延伸ポリスチレン(CPS)、発泡ポリスチレン(EPS)、二軸延伸ポリエステル(OPET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコートした共押出二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロン、アルミニウム箔などが挙げられる。
前記その他の層を有する場合、前記その他の層の平均厚みとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、50μm~500μmが好ましく、200μm~450μmがより好ましい。
<<バリア層>>
前記バリア層は、水蒸気、及び酸素の少なくともいずれかをバリアする水蒸気及び/又は酸素バリア層である。
前記バリア層の形成方法としては、バリア性を有するフィルムを積層する方法、バリア性コーティング剤を塗工して塗膜層を作製する方法などが挙げられる。
これらの中でも、バリア性コーティング剤を塗工した塗膜層を作製する方法が、簡便である点で、好ましい。
前記バリア性コーティング剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリサッカライド、アクリル酸若しくはメタクリル酸ベースのポリマー、でんぷん若しくはでんぷん派生物、セルロースナノファイバ(CNF)、ナノ結晶セルロース(NCC)、キトサン、又は他のセルロース派生物、ヘミセルロース、ポリビニリデンクロライド(PVDC)等のポリマーを含有するコーティング剤;前記コーティング剤の少なくともいずれかと、無機物と、を併用したコーティング剤などが挙げられる。
前記無機物としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミニウムフレーク、ガラスフレークや、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物等)、カオリナイト-蛇紋族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライト等、アンチゴライト、クリソタイル等)、パイロフィライト-タルク族(パイロフィライト、タルク、ケロライ等)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイト等)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライト等)、雲母又はマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母等の雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライト等)、緑泥石族(クッケアイト、スドーアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト等)、ハイドロタルサイト、板状硫酸バリウム、ベーマイト、ポリリン酸アルミニウム等の板状無機化合物などが挙げられる。
前記バリア性コーティング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のバリア性コーティング剤を使用することができる。公知のバリア性コーティング剤としては、例えば、サンケミカル株式会社製の「Sunbar」シリーズ等や、特許5617831に記載されたポリエステル系のバリアコーティング剤などが挙げられる。
<<印刷層>>
前記印刷層としては、被印刷体である本発明の積層体に、美粧性、被収容物に関する様々な情報、及び機能性を付与するために、インキ等により所望の図柄を形成する層である。
前記印刷層は、バインダー樹脂と着色剤とを含有し、インキを印刷してなる。
前記印刷層は、単層であってもよいし、複数の印刷層があってもよい。印刷層が複数ある場合は、各印刷層に使用するインキは同一のものであってもよいし、同一の組成で着色剤のみが違うものであってもよいし、異なる組成であってもよい。
-インキ-
前記インキは、グラビア印刷インキやフレキソ印刷インキとして使用されるリキッド印刷インキであることが好ましい。前記リキッド印刷インキは、有機溶剤を主溶媒とする有機溶剤型リキッド印刷インキと、水を主溶媒とする水性リキッド印刷インキとに大別されるが、本発明においてはどちらを使用しても構わない。また、いわゆる表刷りインキと、ラミネートが前提の裏刷りインキとがあるが、本発明においてはどちらを使用しても構わない。
ここでは主流である有機溶剤型のリキッド印刷インキについて説明する。
前記リキッド印刷インキに使用するバインダー樹脂としては、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)やセルロースアセテートブチロネート(CAB)等セルロース系樹脂等の繊維素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などが挙げられる。
また、前記バインダー樹脂に硬化剤を併用してもよい。硬化剤としては有機溶剤系のグラビア印刷インキで汎用の硬化剤を使用すればよいが、最もよく使用されるのはイソシアネート系の硬化剤である。
前記イソシアネート化合物の含有量としては、硬化効率の観点からリキッド印刷インキ固形分に対し0.3質量%~10.0質量%が好ましく、1.0質量%~7.0質量%がより好ましい。
前記バインダー樹脂の含有量としては、リキッド印刷インキに対して0.15質量%~50質量%が好ましく、1質量%~40質量%がより好ましい。
-溶媒-
前記リキッド印刷インキに使用する溶媒としては、特に制限はないが、例えば、水、トルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-着色剤-
前記リキッド印刷インキは着色剤を含み、美粧性等を付与する目的でデザイン印刷等に用いる着色剤を含むリキッド印刷インキとして使用することができる。
前記着色剤としては、一般のインキ、塗料、及び記録剤等に使用されている無機顔料、有機顔料及び染料を挙げることができ、顔料が好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系等の顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料などが挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。
前記無機顔料としては、白色無機顔料、白色以外の無機顔料に大別できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記白色無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏などが挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンは、白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカ及び/又はアルミナ処理を施されているものが好ましい。
前記白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられる。アルミニウムは粉末又はペースト状であるが、取扱い性及び安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィング又はノンリーフィングを使用するかは輝度感及び濃度の点から適宜選択される。
前記顔料の含有量としては、リキッド印刷インキの濃度及び着色力を確保するのに充分な量、すなわちリキッド印刷インキ総質量に対して1質量%~60質量%が好ましく、リキッド印刷インキ中の固形分重量比では10質量%~90質量%が好ましい。
有機溶剤型リキッド印刷インキでは更に必要に応じて、ワックス、キレート系架橋剤、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等も含むこともできる。
-バイオマスリキッド印刷インキ-
前記リキッド印刷インキにおいて、持続的に発展すべき循環型社会の構築(サステナビリティ)を考慮し、植物由来原料を使用したリキッド印刷インキを使用することが好ましい。
前記植物由来原料としては、例えば、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、硝化綿等の繊維素系樹脂;大豆油由来、パーム油由来、米糠油由来等の天然油に由来するダイマー酸あるいは重合脂肪酸を使用したポリアミド樹脂;コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、グルタル酸、リンゴ酸等のポリカルボン酸;エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンチレングリコール、1,10-ドデカンジオール、ダイマージオール、イソソルビド等のポリオール;1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、ダイマージイソシアネート等のポリイソシアネート;これらの植物由来原料のポリカルボン酸、ポリオール、ポリイソシアネート等から合成したバイオマスポリウレタンや、ロジン樹脂などが挙げられる。
バイオマスリキッド印刷インキとしては市販品を利用することもできる。市販品としては、一般社団法人日本有機資源協会に記載のインキ等が使用できる。
-UVカットインキ-
前記リキッド印刷インキとしては、紫外線遮蔽効果を有するUVカットインキを使用することも好ましい。UVカットインキとしては、酸化亜鉛等を含有する紫外線遮蔽効果の高いインキであれば特に限定されず市販のUVカットインキを使用することができる。
<容器>
前記容器(底材)としては、特に制限はなく目的に応じて、凹部と、開口部とを有する公知の容器を適宜選択することができるが、樹脂を成形した容器が好ましい。
前記樹脂の材質としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、ポリスチレン樹脂が好ましい。
前記凹部を有する容器の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の方法を選択することができ、例えば、特定形状(例えば、被収容物に即した形状)を有する金型を用いて、シート状のフィルムから、被収容物を収容可能な凹部を有する容器を成型する方法などが挙げられる。
前記包装体における、前記凹部の形状、及び前記蓋材と前記容器とのシール幅乃至面積としては、被収容物の形状や形態によって様々であり一義的に規定できないが、特に制限はなく目的とする適用形態に応じて適宜選択することができる。前記容器が、その開口部にフランジ部を有することが好ましく、この場合、開口部のフランジ部にヒートシール層を当接させて容器と積層体とをヒートシールすることができる。
前記包装体は、蓋材と、凹部を有する容器とを有し、前記蓋材及び前記容器のヒートシールにより、前記凹部に被収容物を収容して密封することができる。
前記蓋材及び前記容器をヒートシールする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の方法を選択することができ、例えば、前記容器の凹部の中に被収容物を収容した後、前記蓋材をかけて、脱気するか不活性ガス等で置換すると共に、前記蓋材と前記容器の開口部との当接部分をヒートシールする方法が挙げられる。
前記ヒートシールは、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のヒートシール包装機を用いて行うことができる。前記ヒートシールにおける成型加熱温度、成型時間、及び成形圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シールヘッド温度100℃~250℃、シール時間0.1秒間~5秒間、シール圧1kgf/cm~5kgf/cmのシール条件などが挙げられる。
(ヒートシール組成物)
本発明のヒートシール組成物は、ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層上に直接塗布されるヒートシール組成物であって、(メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有し、ポリオレフィン樹脂、及び無機微粒子の少なくともいずれか更に含有することが好ましく、更に必要に応じて溶剤、添加物などのその他の成分を含有する。
本発明のヒートシール組成物における(メタ)アクリレート-スチレン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及び無機微粒子としては、上記した本発明の積層体において説明した事項を適宜選択することができる。
前記ヒートシール組成物における(メタ)アクリレート-スチレン共重合体、ポリエステル樹脂、及び必要に応じてポリオレフィン樹脂を含む樹脂の含有量(又は固形分濃度)としては、20質量%~70質量%が好ましい。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系有機溶剤;水混和性有機溶剤などが挙げられる。
前記水混和性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系有機溶剤;エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系有機溶剤;などが挙げられる。
これらの中でも、アルコール系有機溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤や、これらの混合物が好ましい。
近年、作業環境の観点から、トルエン、キシレンといった芳香族系溶剤やケトン系溶剤を用いないことがより好ましい。
前記添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワックス、フィラー、粘度調整剤、防腐剤、抗菌剤、防錆剤、酸化防止剤、架橋剤、硬化剤、硬化触媒、光安定剤、紫外線吸収剤、光触媒性化合物、染料、無機顔料、有機顔料、体質顔料、可塑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
これらの中でも、ブロッキング性を防止するために、ワックス等のブロッキング防止剤を含有することが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
<蓋材用の積層体の作製>
アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂と、ポリオレフィン樹脂との混合物(固形分:40質量%、質量比:60:30:10)に球状シリカ(多孔性微粉末シリカ、平均粒子径:10μm)、及び不定形シリカ(フュームドシリカ、平均粒子径:16nm)を樹脂固形分に対し、それぞれ2.0質量%、及び1.0質量%混合し、メチルエチルケトン(MEK)、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20質量%となるように調整後、基材としてのPETフィルム(厚み:25μm)上にバーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてヒートシール層を形成し、実施例1の積層体を作製した。
<包装体の作製>
容器(底材)として、厚み1mmのポリスチレン樹脂シートを成形素材とする真空圧空成形により、容量120mLの凹部を有する容器を用いた。
次いで、前記容器の凹部に被収容物としてのヨーグルト、100mLを収容した後、積層体1のヒートシール層が容器の開口部に接するように、シール幅2mm、シールヘッド温度200℃、シール時間0.2秒、シール圧3kgf/cmのシール条件によって熱溶着し、実施例1の包装体を得た。
<評価>
作製した積層体について、以下のように評価した。
<<基材とヒートシール層との密着性>>
作製した積層体をヒートシール層が上側になるようにして平らな台に置き、ヒートシール層が設けられた面に24mm幅セロファンテープ(ニチバン株式会社製)を貼り、セロファンテープが塗膜に完全に接着するように、布等でセロファンテープの上から擦りつけた。次いで、貼り付けたセロファンテープより2mm程大きい枠を、セロファンテープの外側の塗膜に強く押し当てながら、塗膜に貼り付けたセロファンテープを上方に、勢い良く剥がし、塗膜のアルミ箔への密着度合を目視判定し、下記の評価基準に基づき5段階評価を行った。
[評価基準]
5:セロファンテープ接着部分のヒートシール層の基材からの剥離は見られない。
4:セロファンテープ接着部分のヒートシール層の10%未満が基材から剥離した
3:セロファンテープ接着部分のヒートシール層の10%以上30%未満が基材から剥離した
2:セロファンテープ接着部分のヒートシール層の30%以上50%未満が基材から剥離した。
1:セロファンテープ接着部分のヒートシール層の50%以上が基材から剥離した。
<<ヒートシール性>>
積層体をポリスチレン(PS)シート(厚み:400μm)と200℃、シール圧3kgf/cmでヒートシールしたテストピースについて、小型卓上試験機(EZ test、株式会社島津製作所製)を用い、剥離速度100mm/分、剥離方向180度剥離、剥離幅15mmにおける剥離強度(ヒートシールの接着力)の測定を行った。下記の評価基準に基づき5段階評価を行った。
[評価基準]
5:剥離強度が7(N/15mm)以上
4:剥離強度が5(N/15mm)以上6(N/15mm)未満
3:剥離強度が3(N/15mm)以上5(N/15mm)未満
2:剥離強度が1(N/15mm)以上3(N/15mm)未満
1:剥離強度が1(N/15mm)未満
<<ブロッキング性>>
作製した積層体のヒートシール層が形成された面と、基材(ヒートシール層を未塗工のPETフィルム)の一面とを、40℃の雰囲気下、0.5MPa(5.0kgf/cm)の圧力で24時間重ね合わせた後、手で剥離した。手で剥離したときの感触により、剥離したときのブロッキングの状態を評価した。テストは各々3回行い、下記の評価基準に基づき3段階評価を行った。
[評価基準]
◎:全くブロッキングしていない。
〇:ややブロッキングしている。
×:強力にブロッキングしている。
(実施例2)
アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂と、ポリオレフィン樹脂との混合物(固形分:40質量%、質量比:60:30:10)に球状シリカ(多孔性微粉末シリカ、平均粒子径:10μm)を樹脂固形分に対し、1.0質量%混合し、MEK、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20質量%となるように調整後、基材としてのPETフィルム上にバーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてヒートシール層を形成し、実施例2の積層体を作製した。実施例1と同様にして、評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例3)
アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂と、ポリオレフィン樹脂との混合物(固形分:40質量%、質量比:60:30:10)に不定形シリカ(フュームドシリカ、平均粒子径:16nm)を樹脂固形分に対し、1.0質量%混合し、MEK、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20質量%となるように調整後、基材としてのPETフィルム上にバーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてヒートシール層を形成し、実施例3の積層体を作製した。
(実施例4)
アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂と、ポリオレフィン樹脂との混合物(固形分:40質量%、質量比:60:30:10)にMEK、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20質量%となるように調整後、基材としてのPETフィルム上にバーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてヒートシール層を形成し、実施例4の積層体を作製した。
(比較例1)
アクリレート及びポリオレフィン樹脂の共重合体(固形分:45質量%、質量比:40:60)に球状シリカ(多孔性微粉末シリカ、平均粒子径:10μm)及び不定形シリカ(フュームドシリカ、平均粒子径:16nm)を樹脂固形分に対し、それぞれ2.0質量%、及び1.0質量%混合し、MEK、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20質量%となるように調整し、基材としてのPETフィルム上にバーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてヒートシール層を形成し、比較例2の積層体を作製した。
(比較例2)
プライマー(ポリエステル樹脂系プライマー、DIC株式会社製、固形分:31質量%)をMEK、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20質量%となるように調整し、基材としてのPETフィルム上にバーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてプライマー層を形成した。
プライマー層の上にヒートシール剤(アクリル/塩酢ビ樹脂系ヒートシール剤、DIC株式会社製、固形分:30質量%)をMEK、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20%となるように調整し、バーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてヒートシール層を形成し、比較例1の積層体を作製した。
(比較例3)
ヒートシール剤(アクリル/塩酢ビ樹脂系ヒートシール剤、DIC株式会社製、固形分:30質量%)をMEK、及び酢酸エチルの混合溶剤(質量比:50:50)で固形分20質量%となるように調整し、基材としてのPETフィルム上にバーコーターで塗工し(塗布量4g/m)、80℃/20秒にて乾燥させてヒートシール層を形成し、比較例3の積層体を作製した。
下記表1に、実施例1~4、及び比較例1~3における積層体の層構成、及びヒートシール層の組成を示す。
Figure 2024043721000002
1 基材
2 ヒートシール層
3 蒸着層
4 その他の層
10 積層体
20 蓋材
30 容器
40 被収容物(内容物)
100 包装体

Claims (10)

  1. ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層をその表面に有する基材と、
    前記基材の前記ポリエステル層上に直接設けられたヒートシール層と、を有し、
    前記ヒートシール層が、(メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする積層体。
  2. 前記ヒートシール層が、ポリオレフィン樹脂を更に含有する請求項1に記載の積層体。
  3. 前記ポリエステル層が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 蒸着層を更に有する請求項1又は2に記載の積層体。
  5. 前記ヒートシール層が、無機微粒子を更に含有する請求項1又は2に記載の積層体。
  6. 蓋材と、凹部を有する容器と、を有する包装体における蓋材である請求項1又は2に記載の積層体。
  7. 蓋材としての請求項6に記載の積層体と、凹部を有する容器と、を有し、
    前記蓋材が、前記容器の開口部に熱接着可能であることを特徴とする包装体。
  8. 前記容器の材質が、ポリスチレン樹脂である請求項7に記載の包装体。
  9. ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル層をその表面に有する基材の、前記ポリエステル層上に直接塗布されるヒートシール組成物であって、
    (メタ)アクリレート-スチレン共重合体と、ポリエステル樹脂とを含有することを特徴とするヒートシール組成物。
  10. 無機微粒子を更に含有する請求項9に記載のヒートシール組成物。
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