JP2024043331A - 光学検査プログラム、光学検査システム、光学検査システムのための処理装置、及び、光学検査方法 - Google Patents

光学検査プログラム、光学検査システム、光学検査システムのための処理装置、及び、光学検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 BRDF取得時に画像に含まれる波長選択部26の像(波長選択部パターン)を除去する、光学検査プログラムを提供すること。【解決手段】 実施形態によれば、光学検査プログラムは、入射した光を少なくとも2つの異なる波長スペクトルにする波長選択部を通して撮像した物体表面の撮像画像に対し、撮像画像に含まれる波長選択部の像を除去して波長選択部除去画像を生成することをプロセッサに実行させる。【選択図】 図3

Description

本発明の実施形態は、光学検査プログラム、光学検査システム、光学検査システムのための処理装置、及び、光学検査方法に関する。
様々な産業において、物体の非接触での表面検査が重要となっている。従来方法では、光線を分光して物体に照明し、撮像素子でそれぞれ分光された画像を取得し、各光線方向を推定して物体表面の情報を取得する手法がある。
米国特許第5,675,407号明細書
W. L. Hows, "Rainbow schlieren and its application," Applied Optics, vol. 23, No. 14, 1984. Hiroshi Ohno & Takahiro Kamikawa, "One-shot BRDF imaging system to obtain surface properties," Optical Review volume 28, pages 655-661 (2021).
本発明が解決しようとする課題は、BRDF取得時に画像に含まれる波長選択部の像を除去する、光学検査プログラム、光学検査システム、光学検査システムのための処理装置、及び、光学検査方法を提供することである。
実施形態によれば、光学検査プログラムは、入射した光を少なくとも2つの異なる波長スペクトルにする波長選択部を通して撮像した物体表面の撮像画像に対し、撮像画像に含まれる波長選択部の像を除去して波長選択部除去画像を生成することをプロセッサに実行させる。
第1実施形態に係る光学検査システムを示す概略図。 光学検査システムの処理装置の概略的なブロック図。 図1に示す光学検査システムの処理装置で行う処理の概略的なフローチャート。 第2実施形態に係る光学検査システムを示す概略図。 図4に示す光学検査システムの処理装置で行う処理の概略的なフローチャート。 図4に示す光学検査システムの光学装置で取得した取得画像、取得画像から分離した青チャンネルの画像及び赤チャンネルの画像。 図6に示す赤チャンネルの画像を2次元フーリエ変換によってフーリエ空間(周波数空間)に変換したときの周波数空間画像、及び、マスク処理を示す像。 マスク処理後の周波数空間画像に対する逆フーリエ変換による実空間における波長選択部除去画像。 第3実施形態に係る光学検査システムの処理装置で行う処理の概略的なフローチャート。 青チャンネル強度を縦軸Iとし、横軸をkx0*xとしたときの青チャンネルのグラフ。 赤チャンネル強度を縦軸Iとし、横軸をkx0*xとしたときの赤チャンネルのグラフ。 波長選択部が映り込んだ画像をフーリエ変換して得た空間周波数画像を示す図。 第4実施形態に係る光学検査システムを示す概略図。
以下に、各実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
以下、本実施形態に係る光学検査システム10について、図1から図3を参照して説明する。
本明細書において、光は電磁波の一種であり、X線、紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波なども含まれるとする。つまり、マクスウェル方程式で記述できる電磁波ならばなんでもよい。本実施形態において、光は可視光であるとし、例えば波長は400nmから750nmの領域にあるとする。
図1には、本実施形態に係る光学検査システム10の模式的な断面図を示す。
本実施形態に係る光学検査システム10は、光学装置12と、処理装置14とを有する。
光学装置12は、撮像部24、および波長選択部(多波長開口)26を有する。
撮像部24は、物体Sの表面が照明される部位に向けられる。撮像部24は、結像光学素子42とイメージセンサー(カラーイメージセンサー)44とを有する。結像光学素子42は、例えば結像レンズである。結像光学素子42は、焦点距離をfとする。図1において、結像レンズは模式的に一つのレンズで代表して描いているが、複数のレンズから構成される組レンズであってもよい。あるいは、結像光学素子42は、凹面ミラーや凸面ミラー、あるいはそれらの組み合わせでもよい。つまり、結像光学素子42は、物体Sの一点、つまり物点から発した光線群を共役な、イメージセンサー44上の像点に集める機能を有する光学素子であればなんでもよい。結像光学素子42によって物体Sの表面の物点から発した光線群が像点に集められる(集光される)ことを結像という。あるいは、物点が像点(物点の共役点)に移されるともいう。このように、物点と像点は結像光学素子42を介し、共役の関係として対応づけられる。十分に遠い物点から発せられた光線群が結像光学素子42によって移される共役点の集合面を、結像光学素子42の焦点面と呼ぶ。また、焦点面に垂直な線であり、結像光学素子42の中心を通るものを光軸Lとする。光軸Lと焦点面が交わる点を焦点と呼ぶ。
なお、光軸Lに沿う方向をz軸とし、z軸に直交するx軸、x軸及びz軸に直交するy軸を取る、xyz直交座標系を規定する。ここでは、波長選択部26に対してxyz座標系を規定し、第1の波長選択領域52及び第3の波長選択領域54の境界上を原点Oとする。z軸は波長選択部26に交差する。x軸は、複数の波長選択領域52,54が交差する。y軸は、複数の波長選択領域52,54,56に沿う。ただし、その限りではなく、y軸は、複数の波長選択領域52、54,56以外の波長選択領域が交差してもよい。つまり、波長選択部26は、x軸に少なくとも2つ以上の波長選択領域が交差すればよい。
イメージセンサー44は、光を電気信号に変換する画素を少なくとも2つ以上並べたものならば何でもよい。例えば、画素をエリア状に並べたエリアセンサーでもよく、画素をライン状に並べたラインセンサーでもよい。
イメージセンサー44の画素は、少なくとも2つの異なる色チャンネルを有し、少なくとも2つの異なる波長を区別できるとする。つまり、第1の波長と第2の波長を区別できるとする。例えば、第1の波長は450nmの青光とし、第2の波長は650nmの赤光とする。ただし、これに限らず、各波長は何でもよい。ここで、第1の波長に感度を持つ色チャンネルを青チャンネルとし、第2の波長に感度を持つ色チャンネルを赤チャンネルとする。本実施形態に係るイメージセンサー44は、また各画素でR、G、Bの3チャンネルの色チャンネルを備えるものでよい。このため、本実施形態では、各画素は、さらに、波長550nmの緑G光をそれぞれ独立な色チャンネルで受光できるとすることが好適である。
本実施形態の波長選択部26は、y軸に平行なストライプ形状である。波長選択部26は、物体Sの表面と、撮像部24との間に設けられる。
波長選択部26は、少なくとも2つ以上の波長選択領域52,54を有する。それらのうち2つの波長選択領域を、第1の波長選択領域52と第2の波長選択領域54とする。
第1の波長選択領域52、第2の波長選択領域54は、本実施形態では、それぞれ、例えばy軸に沿って延びている。そして、第1の波長選択領域52、第2の波長選択領域54は、x軸に交差する。
第1の波長選択領域52は第1の波長を含む波長スペクトルを有する光線を通過させる。したがって、本実施形態において、第1の波長選択領域52は第1の波長の光線を透過させるとする。ここで、光線を通過させるとは、透過あるいは反射によって光線を物点から像点に向かわせることを意味する。一方、第1の波長選択領域52は、第2の波長の光線を実質的に遮蔽する。ここで遮蔽とは、光線を通過させないことを意味する。つまり、光線を物点から像点に向かわせないことを意味する。
第2の波長選択領域54は第2の波長の光線を含む波長スペクトルを通過させる。したがって、本実施形態において、第2の波長選択領域54は第2の波長の光線を透過させるとする。一方、第2の波長選択領域54は、第1の波長の光線を実質的に遮蔽する。
波長選択部26は、少なくとも2つ以上の波長選択領域52,54を備えるため、パターンを持つ。これを波長選択部パターンと呼ぶ。あるいは、単に波長選択部26と呼ぶこともある。波長選択部26を通して物体Sの表面を撮像部24で撮像すると、波長選択部パターン(あるいは波長選択部26)が投影されて画像に映り込むことになる。
処理装置14は、例えば、プロセッサ61(制御部)と、ROM(記憶部)62と、RAM63と、補助記憶デバイス64(記憶部)と、通信インタフェース65(通信部)と、入力部66とを備える。
プロセッサ61は、処理装置14の処理に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当し、処理装置14全体を統合的に制御する。プロセッサ61は、ROM62又は補助記憶デバイス64などの記憶部に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、処理装置14の各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ61は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、DSP(digital signal processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を含む。あるいは、プロセッサ61は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。処理装置14に設けられるプロセッサ61は、1つであってもよく、複数であってもよい。
ROM62は、プロセッサ61を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM62は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM62は、上記のプログラムを記憶する。また、ROM62は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
RAM63は、プロセッサ61を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM63は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM63は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
補助記憶デバイス64は、プロセッサ61を中枢とするコンピュータの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス64は、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)(登録商標)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス64は、上記のプログラムを記憶する場合もある。また、補助記憶デバイス64は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ61での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
ROM62又は補助記憶デバイス64に記憶されるプログラムは、処理装置14を制御するためのプログラムを含む。例えば、光学検査プログラムは、ROM62又は補助記憶デバイス64に記憶されることが好適である。
通信インタフェース65は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。処理装置14は、通信インタフェース65を介してイメージセンサー44で取得した、画像データを取得する。
処理装置14は、例えば波長選択部26の配置や種類の選択を入力するためのキーボード等の入力部66を備えることが好適である。入力部66は、通信インタフェース65を介して無線で各種の情報をプロセッサ61に対して入力可能としてもよい。
処理装置14は、ROM62及び/又は補助記憶デバイス64等に記憶されるプログラム等をプロセッサ61に実行させることにより、各種の機能を発揮させる処理を実行する。なお、処理装置14の制御プログラムは、処理装置14のROM62及び/又は補助記憶デバイス64に記憶されておらず、適宜のサーバー上やクラウド上に置かれていることも好適である。この場合、制御プログラムは、通信インタフェース65を介して例えば光学検査システム10が有するプロセッサ61と通信しながら実行される。すなわち、本実施形態に係る処理装置14は、光学検査システム10が有していてもよく、光学検査システムから離れた、各種の検査場のシステムのサーバーやクラウド上にあってもよい。このため、ROM62又は補助記憶デバイス64に記憶されるのではなく、サーバー又はクラウド上に光学検査プログラムがあり、通信インタフェース65を介して例えば光学検査システム10が有するプロセッサ61と通信しながらプログラムが実行されることも好適である。したがって、プロセッサ61(処理装置14)は、後述する光学検査プログラム(光学検査アルゴリズム)を実行し得る。
プロセッサ61(処理装置14)は、イメージセンサー44での画像データの取得タイミング、イメージセンサー44からの画像データの取得等を制御する。
上記で述べた光学検査システム10の基本動作について説明する。
図3には、本実施形態の光学検査システム10の処理装置14(プロセッサ61)が実行する光学検査アルゴリズム(光学検査プログラム)のフローチャートを示す。
本実施形態の光学検査アルゴリズムのフローは、まず、波長選択部パターンを投影した画像を取得する(ST1)。
本実施形態において、処理装置14は、イメージセンサー44を制御し、波長選択部26を通過した、物体Sの表面からの光を画像として取得する。
物体Sの表面における点(ここでは物点と呼ぶ)からの反射光の方向分布はBRDF(Bidirectional Reflectance Distribution Function)と呼ばれる分布関数で表すことができる。BRDFは、一般的に、表面性状・形状によって変化する。例えば、表面が粗いと反射光は様々な方向に広がるため、BRDFは広い分布となる。つまり、広い角度にわたって反射光が存在することになる。一方、表面が鏡面になると、反射光はほぼ正反射成分のみとなり、BRDFは狭い分布となる。このように、BRDFは物体表面の表面性状・形状を反映する。ここで表面性状・形状とは、表面粗さでもよく、ミクロンサイズの微小な凹凸でもよく、表面の傾きでもよく、ひずみなどでもよい。つまり、表面の高さ分布に関するものならばなんでもよい。表面性状・形状が、微細な構造で構成されるとき、その典型的な構造スケールはナノスケールでもよく、ミクロンスケールでもよく、ミリスケールでもよく、どのようなスケールでもよい。
したがって、イメージセンサー44で取得する取得画像には、物体Sの表面の物点O1,O2の像が含まれる。また、このときの撮像画像には、撮像部24と物体Sの表面との間に配置される波長選択部26の像が含まれる。したがって、撮像画像には、物体Sの表面の物点O1,O2の像に、波長選択領域52,54の色が付されている。その像においては、波長選択領域52,54の境界が例えば視認される。
本実施形態によれば、物点O1,O2におけるBRDFに応じて、撮像部24のイメージセンサー44の画素で取得される光の波長スペクトルが変化する。例えば、図2に示すように、第1の物点O1における物体Sの表面が平坦の場合、BRDFは第1のBRDFのように狭い分布となる。そして、第1の物点O1で反射された光は波長選択部26の第1の波長選択領域52を通過する。つまり、第2の波長選択領域54を通過しない。
一方、第2の物点O2における物体Sの表面に微小欠陥が存在する場合、BRDFは第2のBRDFのように第1のBRDFよりも広い分布となる。そして、第2の物点O2で反射された光は第1の波長選択領域52および第2の波長選択領域54の両方を通過する。あるいは、波長選択部26のいずれの波長選択領域52,54も通過せず、撮像部24から逸れる光も存在する。撮像部24から逸れる光が多くなると、第2の物点O2に対応する像点における光の強度は小さくなる。これらにより、第1の物点O1と第2の物点O2のそれぞれの像点において、到達する光の波長スペクトルが異なる。波長スペクトルが異なると、イメージセンサーの画素で取得される色が異なることになる。これにより、色によってBRDFの違いを識別できるという効果がある。また、BRDFの違いが識別できると、物点O1,O2における微小欠陥の有無が判別できるという効果がある。一般的に、物体Sの表面の性状・形状が異なると、BRDFも異なることが知られている。そのため、BRDFの違いが識別できると、物体Sの表面の性状・形状を識別できるという効果がある。
BRDFの違いによって、画素の色が異なるということは、任意の色チャンネルの画像を見たときに、BRDFの違いによって画素値が変化するということでもある。つまり、任意の色チャンネルの画像は、BRDFの違いを反映して明暗が生じることになる。これにより、各色チャンネルの画像の明暗を識別することにより、BRDFの違いを識別できるという効果がある。BRDFの違いが識別できれば、物体Sの表面の性状・形状が識別できるという効果がある。
BRDFの違いによって、通過する波長選択領域52,54が異なるということは、少なくとも2つの色チャンネルの画像を見たときに、BRDFの違いによって、対応する像点I1,I2の各色チャンネルの画素値が相関を持って変化するということになる。例えば、第1の物点O1の第1のBRDFが結像された画素において、青チャンネルの画素値が大きくなり、赤チャンネルの画素値はほぼ0となる。それに対し、第2の物点O2の第2のBRDFが結像された画素において、青チャンネルの画素値は減少し、赤チャンネルの画素値はこれに相関を持って増加する。つまり、物点の性状によって、各色チャンネルの画素値が相関を持って変化することになる。このような相関により、BRDFの違いが識別できるという効果がある。BRDFの違いが識別できれば、物体Sの表面の性状・形状が識別できるという効果がある。
しかし、画像に映り込んだ波長選択部26のパターンによる色変化は、BRDFによる色変化と区別できない場合がある。つまり、任意の色チャンネルの画像において、波長選択部パターンは画素値を変化させる。それによって、各色チャンネルの明暗が生じる。あるいは、波長選択部パターンによって、少なくとも2つの色チャンネルの画像が相関を持って変化する。
次に、波長選択部パターンを除去した画像(波長選択部除去画像)を生成する(ST2)。
取得画像から波長選択部パターンを除去するためには、例えば、BRDFが一様な物体Sの表面をあらかじめ用意し、波長選択部26を通して撮像部24で撮影すればよい。そして、その画像を基準画像として例えばROM62及び又は補助記憶デバイス64に保存しておき、各色チャンネルにおいて、取得画像から基準画像を差し引けばよい。基準画像として、基準となる物体Sの表面は何でもよく、鏡面で単色な物体Sの表面でもよく、マットで単色な物体Sの表面でもよい。これにより、波長選択部パターンを取得画像から除去することが可能である。
最後に、その画像(波長選択部パターンを取得画像から除去した画像)を用いて各物点O1,O2のBRDFの違いを識別する(ST3)。すなわち、波長選択部除去画像に基づいて物体Sの表面の情報を取得する。
波長選択除去画像は、波長選択部パターンによる色変化が除去されている。一方、物体Sの表面の各物点O1,O2のBRDFによる色変化の情報は残されることになる。つまり、処理装置14は、色変化の情報を識別することによって、各物点O1,O2のBRDFを識別できることになる。
波長選択部パターンを取得画像から除去することにより、波長選択部パターンによるものと誤認識することなく、処理装置14は、各色チャンネルの変化によってBRDFの違いを識別することができる。そして、BRDFの違いが識別できれば、物体Sの表面の性状・形状が識別できるという効果がある。
このように、本実施形態によれば、BRDF取得時に画像に含まれる波長選択部26の像(波長選択部パターン)を除去する、光学検査プログラム、光学検査システム10、光学検査システム10のための処理装置14、及び、光学検査方法を提供することができる。
また、本実施形態によれば、波長選択部パターンを取得画像から除去する処理を行うことにより、波長選択部パターンによるものと誤認識することなく、各色チャンネルの変化によってBRDFの識別が可能となるという効果がある。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る光学検査システム10について、図4から図8を用いて説明する。本実施形態は第1実施形態に係る光学検査システム10の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図4には、本実施形態に係る光学検査システム10の光学装置12の模式的なxz平面での断面図を示す。ここでの光学装置12の撮像部24の結像光学素子42の光軸Lをz軸とする。また、それに直交する軸をx軸およびy軸とする。
本実施形態の光学検査システム10の光学装置12の基本的な構成は第1実施形態の光学検査システム10の光学装置12と基本的には同じである。
本実施形態の光学装置12は、第1実施形態で説明した光学装置12にさらに、照明部22及びビームスプリッター28を有する。
照明部22は、図示しないが、光源、開口、照明用レンズ等から構成される。光源は光を放射するものならば何でもよい。ここでは、光源は例えば白色光を発するLEDとする。光源は処理装置14により発光のON/OFFが制御される。開口はスリットが設けられた遮光板とする。照明用レンズの焦点面に光源を配置する。このような構成において、LEDから放射された光は、開口で一部遮蔽され、一部通過する。そして、図4で示される本断面図において、照明部22から射出される光は実質的に平行光になる。ただし、平行光は数度程度の小さな発散角を有していてもよい。また、本断面以外の断面にこの光を投影したとき、必ずしも平行光でなくてもよく、発散光でよい。
照明部22からの平行光は、ビームスプリッター28を介して物体Sの表面へと照射される。ビームスプリッター28は偏光スプリッターでもよく、無偏光ビームスプリッターでもよい。偏光スプリッターを用いた場合、物体Sの表面で散乱された光は偏光が回転して透過し、撮像部24へと入射する。つまり、このとき、散乱光のみを抽出できるという効果がある。
本実施形態では、波長選択部26は、3つの波長選択領域52,54,56を有する。それらの3つの波長選択領域を、第1の波長選択領域52、第2の波長選択領域54、第3の波長選択領域56とする。
第1の波長選択領域52は第1の波長を含む波長スペクトルを有する光線を通過させる。一方、第1の波長選択領域52は、第2の波長、第3の波長の光線を実質的に遮蔽する。ただし、第2の波長、第3の波長を完全に遮蔽する必要はなく、例えばそれらの光の強度をそれぞれ半分以下にすればよい。
第2の波長選択領域54は第2の波長の光線を含む波長スペクトルを通過させる。一方、第2の波長選択領域54は、第1の波長、第3の波長の光線を実質的に遮蔽する。ただし、第1の波長、第3の波長を完全に遮蔽する必要はなく、例えばそれらの光の強度をそれぞれ半分以下にすればよい。
第3の波長選択領域56は、第3の波長の光線を含む波長スペクトルを通過させる。一方、第3の波長選択領域56は、第1の波長の光線と第2の波長の光線を実質的に遮蔽する。ただし、第1の波長、第2の波長を完全に遮蔽する必要はなく、例えばそれらの光の強度をそれぞれ半分以下にすればよい。
本実施形態では、例えば、第1の波長を450nmの青光とし、第2の波長を650nmの赤光とし、第3の波長を550nmの緑光とする。ただし、これに限らず、各波長は何でもよい。
イメージセンサー44はエリアセンサーでもよく、ラインセンサーでもよい。本実施形態では、イメージセンサー44はエリアセンサーとし、各画素は赤Rと青Bと緑Gの3つの色チャンネルを備えるとする。つまり、イメージセンサー44は、波長450nmの青光と、波長650nmの赤光と、波長550nmの緑光をそれぞれ独立な色チャンネルで実質的に受光できるとする。ただし、各色チャンネルが完全に独立である必要はなく、それぞれの色チャンネルにおいて対応波長以外の波長に対してわずかな感度を有していてもよい。
なお、本実施形態におけるxyz座標系において、第2の波長選択領域54が原点Oに配置される。第1の波長選択領域52が第2の波長選択領域54に対して-x軸方向に隣接して配置される。第3の波長選択領域56が第2の波長選択領域54に対して+x軸方向に隣接して配置される。第1の波長選択領域52、第2の波長選択領域54、第3の波長選択領域56は、y軸に沿って延びているものとする。
本実施形態の光学検査システム10の処理装置14において、第1実施形態で説明した処理装置14により実行される光学検査アルゴリズム(プログラム)が動作する。光線は、本断面に投影したものを模式的に示す。
本実施形態の光学検査システム10の動作について説明する。
図4で示される断面において、処理装置14は、照明部22の光源を発光させ、照明部22から平行光を物体Sの表面に照射する。この場合、物体Sの表面が鏡面であれば、平行光が反射される。このとき、第1のBRDFは平行光であるため、非常に狭い配光分布となる。つまり、照明が平行光でなく拡散光である場合と比較し、狭い配光分布とすることができる。一方、第2のBRDFは、物体Sの表面の微小欠陥によって広い配光分布となる。これは、照明が平行光であっても拡散光であっても同じである。以上により、照明部22から平行光が照射されることにより、第1のBRDFと第2のBRDFとの配光分布の広がりの程度に大きな差をつけることができる。これにより、波長選択部26を光が通過した際、両者の波長スペクトルに大きな差をつけることができるという効果がある。つまり、BRDFの識別感度を高め、検査精度を向上させることができるという効果がある。
第1のBRDFで表せる光は、第1の波長選択領域52、第2の波長選択領域54、又は、第1の波長選択領域52及び第2の波長選択領域54を通過する。本実施形態では、第1の物点O1において、第1のBRDFで表せる光は、第1の波長選択領域52及び第2の波長選択領域54を通過するものとする。一方、第2のBRDFで表せる光は、例えば、第1の波長選択領域52、第2の波長選択領域54、及び、第3の波長選択領域56を通過する。
このため、第1のBRDFで表せる光と第2のBRDFで表せる光との両者の波長スペクトルは異なる。また、これらは、3つの色チャンネルを持つ画素により識別できる。一方、もし波長選択部26に第3の波長選択領域56が存在しなかった場合、第1のBRDFと第2のBRDFを区別することが困難となる。これは、2つの隣接する波長選択領域52,54の境界近傍を、第1のBRDFで表せる光が通過する可能性があるからである。
以上より、波長選択部26が3つ以上の波長選択領域52,54,56を備えることによって初めて、そのような問題を解決できるという効果がある。つまり、2つの隣接する波長選択領域52,54の境界近傍を光が通過したとしても、波長選択部26が3つ以上の波長選択領域52,54,56を備えていれば、異なるBRDFを誤って同一と認識することなく、識別できるという効果がある。
図5には、本実施形態の光学検査システム10の処理装置14(プロセッサ61)が実行する光学検査アルゴリズム(光学検査プログラム)のフローチャートを示す。
第1実施形態で説明したように、本実施形態の光学検査アルゴリズムのフローは、まず、波長選択部パターンを投影した画像を取得する(ST1)。イメージセンサー44で取得する取得画像には、物体Sの表面の物点O1,O2の像が含まれる。また、このときの撮像画像には、撮像部24と物体Sの表面との間に配置される波長選択部26の像が含まれる。撮像画像には、物体Sの表面の物点O1,O2の像に、波長選択領域52,54の色として、波長選択部パターンが付されている。
例として白色のプラスチック板上の微小欠陥を含む領域の像を、図4に示す光学装置12を用いて波長選択部26を通して撮像部24で撮像した。実際に撮像した取得画像の例を、図6の左図に示す。図6に示す画像では、図6中のy軸付近を境界として、上側は赤色が強く、下側は青色が強い画素値の像として得られた。
次に、波長選択部パターンを除去した画像(波長選択部除去画像)を生成する(ST2)。
本実施形態において、波長選択部パターンを除去した画像を生成する際、取得画像をフーリエ変換し、フーリエ空間にて波長選択部パターンを除去する。つまり、フーリエ空間において、波長選択部パターンに対応する空間周波数成分を除去する。
このように、フーリエ空間において、波長選択部パターンに対応する空間周波数成分を除去することにより、取得画像の明るさ(平均画素値の大きさ)に依存することなく、確実かつ高精度に除去することができる。一方、基準画像をあらかじめ取得して取得画像から除去する方法を適用する場合、基準画像と取得画像の明るさを揃える必要がある。このとき、画像取得時の照明の明るさを適切に設定する必要もある。
図6の右図に示すように、処理装置14は、取得画像から青チャンネルの画像と赤チャンネルの画像を分離した。以下では、赤チャンネルの画像について述べる。青チャンネルの画像についても同様である。
赤チャンネルの画像は、x方向とy方向の2つの直交軸を有する。赤チャンネルの画像に写りこんだ波長選択部26は、本画像において、画素値が大きく一定の長方形である。これを領域Aとし、その領域の幅はx方向に対してDとする。
赤チャンネルの画像を2次元フーリエ変換によってフーリエ空間(周波数空間)に変換する。フーリエ変換後の画像は、図7のようになった。これを周波数空間画像(周波数空間における赤チャンネルの撮像画像)とする。周波数空間画像は、kとkの2つの直交軸を有する。波長選択部26の映り込み画像、つまり領域Aに対応する主成分は、本画像の中心部から半径k内に存在する。ここでkは、領域Aの領域幅Dを用いて、
=2π/D (1)
と表せる。そこで、処理装置14は、半径k内の領域の周波数空間画像を0とする。あるいは、周囲の強度(周波数空間画像の画素値の大きさ)に比べて十分に小さい値に一定に設定する。つまり、処理装置14は、半径k内の領域部をマスク処理し、周波数空間における、波長選択部除去画像を生成する。
なお、取得画像の中で、波長選択部26の像は、輝度値の変化が緩やかな部分の成分(低周波成分)として得られ、取得画像の中で、物体Sの表面のキズ等は、輝度地の変化が急峻な成分(高周波成分)として得られる。このような周波数空間における画像は、一般に、中心付近が低周波成分となり、中心から離れるにしたがって高周波成分となる。
このため、周波数空間画像の中心部から半径kの領域をマスク処理することで、低周波成分をカットし、すなわち、ハイパスフィルターと同様に機能させる(ST21)。
そして、処理装置14は、マスク処理後の周波数空間画像(周波数空間における波長選択部除去画像)に対して逆フーリエ変換を行って実空間に戻す。このため、処理装置14は、実空間における波長選択部除去画像(図8参照)を生成する(ST2)。図8に示すように、実空間における波長選択部除去画像は、図6に示すイメージセンサー44で取得した取得画像の波長選択部26の像を除去することができる。図8を見れば明らかなように、画像に映り込んだ波長選択部26が除去され、微小欠陥が画像に鮮明化されることがわかる。
本実施形態では、処理装置14は、赤チャンネルの画像に対して処理を行って実空間における波長選択部除去画像を求めたが、他の色チャンネル、つまりここでは青チャンネルの画像に対しても同様に処理を行い、同様な実空間における波長選択部除去画像を得ることができる。
したがって、処理装置14が赤チャンネルの画像と青チャンネルの画像に対して上記で述べた処理を行うことにより、両者とも画像に映り込んだ波長選択部26が除去され、微小欠陥を鮮明化することができる。これらの画像を、足し合わせて平均化したり、掛け合わせて相関画像にしたりする四則演算等を行うことで、一枚の画像よりも微小欠陥をより鮮明化することができる。これにより、物体Sの表面に対して高精度な検査が可能になるという効果がある。
なお、第1実施形態で説明したように、最後に、その画像(波長選択部パターンを取得画像から除去した画像)を用いて各物点O1,O2のBRDFの違いを識別することができる(ST3)。
本実施形態に係る光学装置12は、波長選択部26の外縁を支持する支持部72と、支持部72を光軸Lの軸まわりに回転することが可能な第1の調整部74とを有する。
第1の調整部74は、例えばサーボモータ等が用いられ、処理装置14で無線又は有線により制御され、支持部72の配置、すなわち、波長選択部26の光軸Lの軸回り(原点Oの軸回り)の配置が制御されることが好適である。このように、第1の調整部74は、撮像部24に対して波長選択部26を例えば光軸Lの軸回りに所望の角度に回転させることが可能である。BRDFが特別な異方性を有する場合、処理装置14は、第1の調整部74により波長選択部26を光軸Lの軸回りに回転させながら物体Sの表面をイメージセンサー44で撮像することで、精度のよいBRDF分布を取得することができる。
このような、支持部72及び第1の調整部74は、第1実施形態で説明した光学検査システム10の光学装置12の波長選択部26にも用いることができる。
本実施形態によれば、BRDF取得時に画像に含まれる波長選択部26の像(波長選択部パターン)を除去する、光学検査プログラム、光学検査システム10、光学検査システム10のための処理装置14、及び、光学検査方法を提供することができる。
(変形例)
画像に映り込んだ波長選択部26が、検査対象となる微小欠陥の代表サイズよりも十分に大きいことがある。この場合、イメージセンサー44による取得画像に投影された波長選択部26を除去することは、撮像画像に空間ハイパスフィルターをかけることによっても実現できる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係る光学検査システム10のアルゴリズムおよびそれを用いた検査装置について、図9から図12を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態に係る光学検査システム10の変形例である。
図9には、本実施形態の光学検査システム10の処理装置14(プロセッサ61)が実行する光学検査アルゴリズム(光学検査プログラム)のフローチャートを示す。
本実施形態において、波長選択部パターンをsin波とする(ST11)。ただし、波長選択部パターンは図4に示すようにx方向に変化し、y方向に一様であるとする。また、sin波の空間周波数をkx0とする。ここで、波長選択部パターンがsin波であるとは、例えば、青光が波長選択部26を通過したときの通過強度(波長選択領域が透過型の場合は青色に対応する波長スペクトルの全体的な透過強度(透過率))がx方向に対してsin波状に変化することを意味する。また、同時に、赤光が通過したときの通過強度(波長選択領域が透過型の場合は赤色に対応する波長スペクトルの全体的な透過強度(透過率))がx方向に対してsin波状に変化することを意味する。ただし、青光に対するsin波と赤光に対するsin波の位相(ピーク位置)や通過強度は異なっていてもよい。ここでは、位相を90°ずらして重ね合わせる。これにより、赤色が強く透過する領域は青色の透過が弱く、青色が強く透過する領域は赤色の透過が弱いことになる。
物体Sの表面を、波長選択部パターンを通して撮像すると、イメージセンサー44による取得画像では、波長選択部パターンが映り込む(ST1)。図10に示すように、青チャンネル強度をIとし、図11に示すように、赤チャンネル強度をIとし、それぞれのグラフの縦軸とした。また、図10及び図11に示す各グラフの横軸をkx0*xとした。ここで、kx0は、sin波の空間周波数である。
波長選択部26が映り込んだ画像をフーリエ変換し、空間周波数画像を算出する。すると、波長選択部26は、図12のように、k軸上の2つの点として表せる。つまり、k軸上の+kx0と、-kx0の2つの点となる。
軸上の+kx0と、-kx0の2つの点をマスク処理することにより、画像に映り込んだ波長選択部26を除去することができる(ST21)。より具体的には、k軸上の+kx0と、-kx0の2つの点の領域の周波数空間画像を0とする。あるいは、周囲の強度(周波数空間画像の画素値の大きさ)に比べて十分に小さい値に一定に設定する。
ここで、波長選択部26をsin波にしたことにより、マスク処理する領域を2つの点とすることができ、小さくすることができる。これにより、微小欠陥に関する情報をなるべく落とさずに、画像に映り込んだ波長選択部26を除去することが可能になるという効果がある。
そして、波長選択部パターンを除去した画像(波長選択部除去画像)を生成する。処理装置14は、マスク処理後の周波数空間画像(周波数空間における波長選択部除去画像)に対して逆フーリエ変換を行って実空間に戻す。このため、処理装置14は、実空間における波長選択部除去画像を生成する(ST2)。
このように、波長選択部26の波長選択部パターンを最適化することにより、物体Sの表面の情報の詳細を保ったまま、画像に映り込んだ波長選択部26を除去することができるという効果がある。
なお、第1実施形態で説明したように、最後に、その画像(波長選択部パターンを取得画像から除去した画像)を用いて各物点O1,O2のBRDFの違いを識別することができる(ST3)。
本実施形態によれば、BRDF取得時に画像に含まれる波長選択部26の像(波長選択部パターン)を除去する、光学検査プログラム、光学検査システム10、光学検査システム10のための処理装置14、及び、光学検査方法を提供することができる。
本実施形態では、波長選択部26をsin波とした。しかし、必ずしもsin波である必要はなく、波長選択部26が周期的なパターンを有するものであれば、その周期に対応する空間周波数が周波数空間において主成分となる。そのため、マスク処理する領域を2つの点の近傍領域とすることができる。これにより、微小欠陥に関する情報をなるべく落とさずに、画像に映り込んだ波長選択部26を除去することが可能になるという効果がある。
(第4実施形態)(ラインセンサー型)
以下、本実施形態に係る光学検査システム10について、図13を参照して説明する。本実施形態は第1実施形態、第2実施形態、及び、第3実施形態に係る光学検査システム10の変形例であって、第2実施形態、及び、第3実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図13に本実施形態に係る光学検査システム10の光学装置12の斜視図を示す。図13における第1の断面S1に本実施形態を投影した光学装置12は、基本的に第2実施形態で説明した光学装置12(図4参照)と同じである。
まず、本実施形態では、ビームスプリッターを用いずに光学系を構成した。つまり、必要な光学素子を減らすことができるという効果がある。
イメージセンサー44はラインセンサーとした。ただし、エリアセンサーとしてもよい。
結像光学素子42の光軸を含み、かつ、ラインセンサー44の長手方向に直交する断面を第1の断面S1とする。第1の断面S1において、照明部22からの光を本断面に投影したとき平行光とする。一方、第1の断面S1に直交する断面を第2の断面S2とする。第2の断面S2において、照明部22からの光を本断面に投影したときは平行光ではなくてもよく、拡散光でよい。ここでは、拡散光とする。
波長選択部26は複数(例えば3つ)の波長選択領域52,54,56を備える。各波長選択領域52,54,56はx軸に交差し、y軸に沿って長いストライプ形状であるとする。第1の断面S1において、3つの波長選択領域52,54,56が配置されている。つまり、本断面S1において、波長選択部26の波長選択領域52,54,56は、x軸に沿って変化する。一方、本断面S1に直交する第2の断面S2に平行な断面において、波長選択部26の波長選択領域は変化しない。
照明部22は物体Sの表面上を照射し、照射野Fを形成する。照明部22の照射野Fは、物体Sの表面にライン状あるいは矩形状に形成される。照射野F内の第1の物点は結像光学素子42によってラインセンサー44上の第1の像点に結像される。第1の物点において、BRDFは第1のBRDFとなる。第1の光線は第1のBRDFに含まれる。
第1の断面S1に光線を投影したとき、第1のBRDFの分布の広がりは、波長選択部26の波長選択領域52,54,56を通過した光の波長スペクトルで識別できる。光がラインセンサー44における像点I1に到達すると、ラインセンサー44は、その波長スペクトルに応じた色として識別される。これにより、BRDFを色で識別することができるという効果がある。BRDFが取得できると、物体Sの表面の微小欠陥の有無が識別できるという効果がある。
本実施形態はイメージセンサー44としてラインセンサーを用いる。イメージセンサー(ラインセンサー)44は所定方向に所定速度等で搬送中の物体Sの表面の画像を高精度に取得できるという特徴がある。そのため、本実施形態に係る光学検査システム10を用いることにより、搬送中の物体Sの表面を高精度に検査したり、物体Sの表面の三次元形状情報を取得できたりするという効果がある。
また、本実施形態において、ラインセンサー44と照明部22の長手方向を平行に長くすることにより、幅広い物体Sの表面の画像を取得できるという効果がある。例えば、ラインセンサーや照明部の長手方向の寸法は数100mmから数1000mmにすることができる。
本実施形態は、波長選択部26を撮像部24の前面に配置する構成であるため、どのような撮像部(つまりカメラ)24に対しても本光学系を組むことができる。つまり、撮像部(カメラ)24の選択幅が広いという利点がある。
また、波長選択部26は支持部72によって支持されるとし、この支持部72は波長選択部26を第1の調整部74によって回転させることが可能であるとする。このとき、支持部72の回転に応じた波長選択部26の回転に応じて物体Sの表面の撮像を行うことで精度のよいBRDF分布を取得することができるという利点がある。
本実施形態によれば、BRDF取得時に画像に含まれる波長選択部26の像(波長選択部パターン)を除去する、光学検査プログラム、光学検査システム10、光学検査システム10のための処理装置14、及び、光学検査方法を提供することができる。
上述した第1実施形態から第4実施形態では、各波長選択領域52,54(,56)がy軸方向に延びる例について説明した。例えば、波長選択部26の各波長選択領域52,54(,56)が円環状に形成されることも好適である。この場合、得られた画像に第1実施形態で説明した処理を行うことにより、又は、第2実施形態及び第3実施形態で説明したフーリエ変換処理、適宜のマスク処理、及び逆フーリエ変換処理を行うことにより、波長選択部26により付される色を除去し、キズ等を残すことができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態によれば、BRDF取得時に画像に含まれる波長選択部26の像(波長選択部パターン)を除去する、光学検査プログラム、光学検査システム10、光学検査システム10のための処理装置14、及び、光学検査方法を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…光学検査システム、12…光学装置、14…処理装置、22…照明部、24…撮像部、26…波長選択部、28…ビームスプリッター、42…結像光学素子、44…イメージセンサー、52…第1の波長選択領域、54…第2の波長選択領域、56…第3の波長選択領域、61…プロセッサ、72…支持部、74…第1の調整部。

Claims (14)

  1. 入射した光を少なくとも2つの異なる波長スペクトルにする波長選択部を通して撮像した物体表面の撮像画像に対し、前記撮像画像に含まれる前記波長選択部の像を除去して波長選択部除去画像を生成すること、
    をプロセッサに実行させる、光学検査プログラム。
  2. 前記撮像画像に含まれる前記波長選択部の像を除去することは、
    フーリエ変換によって、周波数空間における前記撮像画像を生成すること、
    前記周波数空間における前記撮像画像において、前記波長選択部に対応する周波数成分の値を一定かつ小さくして、前記周波数空間における前記波長選択部除去画像を生成すること、
    前記周波数空間における前記波長選択部除去画像に対して逆フーリエ変換を行って実空間における前記波長選択部除去画像を生成すること、
    を含む、請求項1に記載の光学検査プログラム。
  3. 前記撮像画像に含まれる前記波長選択部を除去することは、前記撮像画像に空間ハイパスフィルターをかけることを含む、請求項1に記載の光学検査プログラム。
  4. 前記波長選択部は周期的なパターンを有する、請求項1に記載の光学検査プログラム。
  5. 前記撮像画像に含まれる前記波長選択部を除去することは、
    フーリエ変換によって、周波数空間における前記撮像画像を生成すること、
    前記周波数空間における前記撮像画像の2つの点あるいはその近傍において、前記波長選択部に対応する周波数成分の値を一定かつ小さくして、前記周波数空間における前記波長選択部除去画像を生成すること、
    前記周波数空間における前記波長選択部除去画像に対して逆フーリエ変換を行って実空間における前記波長選択部除去画像を生成すること、
    を含む、請求項4に記載の光学検査プログラム。
  6. 前記波長選択部除去画像に基づいて前記物体表面の情報を取得すること、
    を前記プロセッサに実行させる、請求項1に記載の光学検査プログラム。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光学検査プログラムを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記プログラムを前記記憶部から読み出して実行するプロセッサと
    を有する、光学検査システムのための処理装置。
  8. 入射した光を少なくとも2つの異なる波長スペクトルにする波長選択部を通して撮像した物体表面の撮像画像に対し、前記撮像画像に含まれる前記波長選択部の像を除去して波長選択部除去画像を生成する、プロセッサを備える、光学検査システムのための処理装置。
  9. 前記波長選択部除去画像に基づいて前記物体表面の情報を取得すること、
    を前記プロセッサに実行させる、請求項8に記載の光学検査システムのための処理装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の処理装置と、
    前記撮像画像を取得する撮像部と
    を備える、光学検査システム。
  11. 前記撮像部の光軸を含む断面において、平行光を照射する照明部を備える、
    請求項10に記載の光学検査システム。
  12. 入射した光を少なくとも2つの異なる波長スペクトルにする波長選択部を通して撮像した物体表面の撮像画像に対し、前記撮像画像に含まれる前記波長選択部の像を除去して波長選択部除去画像を生成すること、
    を含む、光学検査方法。
  13. 前記波長選択部除去画像に基づいて前記物体表面の情報を取得すること、
    を前記プロセッサに実行させる、請求項12に記載の光学検査方法。
  14. 前記撮像画像に含まれる前記波長選択部の像を除去することは、
    フーリエ変換によって、周波数空間における前記撮像画像を生成すること、
    前記周波数空間における前記撮像画像において、前記波長選択部に対応する周波数成分の値を一定かつ小さくして、前記周波数空間における前記波長選択部除去画像を生成すること、
    前記周波数空間における前記波長選択部除去画像に対して逆フーリエ変換を行って実空間における前記波長選択部除去画像を生成すること、
    を含む、請求項13に記載の光学検査方法。

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