JP2024043159A - 印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】カートリッジの交換時に、ユーザーが印刷媒体のカッターユニットに接触する、もしくは、カートリッジとカッターユニットとが接触することを防止した印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置（１）は、印刷部（４）とカッターユニット（６０）とを備えている。印刷部（４）は、カートリッジ（１４２）が装着される装着部（１４０）を有し、シート（Ｐ）に画像を印刷する。印刷部（４）は、その走査方向の所定の交換位置（Ｘ）に移動可能である。カッターユニット（６０）は、印刷部（４）によって画像が印刷されたシート（Ｐ）に対して加工部材である刃（６１）を当接しながら移動することで、シート（Ｐ）を加工する加工部を有する。カッターユニット（６０）は、印刷部（４）に対するカートリッジ（１４２）の着脱時には、交換位置（Ｘ）に対して走査方向にずれた待機位置（Ｙ１またはＹ２）に位置する。【選択図】図１

Description

本発明は印刷装置に関する。

従来、液体吐出ヘッドから液体を吐出することでシートに印刷を行う印刷装置において、印刷媒体を切断するための切断部を備えた印刷装置がある。例えば、特許文献１には、記録ヘッドからロール紙にインクを吐出して印刷した後、ロール紙を切断する切断機構を備えた画像記録装置について開示されている。

特開２００６－１３７０７０公報

本開示は、記録に用いられるインクを収容したカートリッジの交換時に、ユーザーが印刷媒体の加工ユニットに接触する、もしくは、カートリッジと加工ユニットとが接触することを防止した印刷装置を提供することにある。

上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る印刷装置は、画像の印刷に用いられるカートリッジが装着される装着部を有し、印刷媒体に画像を印刷する印刷部であって、その走査方向の所定の交換位置に移動可能である印刷部と、前記印刷部によって画像が印刷された印刷媒体に対して、加工部材が当接しながら移動することで印刷媒体を加工する加工部を有する加工ユニットであって、その少なくとも一部が、前記印刷部に対する前記カートリッジの着脱時には、前記交換位置に対して前記走査方向にずれた待機位置に位置する加工ユニットと、を備えている。

カートリッジを交換するときの印刷部の位置である交換位置と加工ユニットの少なくとも一部の待機位置とが、走査方向にずれている。これにより、カートリッジの交換時に、ユーザーが加工ユニットに接触する、もしくは、カートリッジと加工ユニットとが接触することを防止することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置は、前記印刷部および前記加工ユニットを収容する筐体であって、前記カートリッジを挿抜するための開口または凹部が形成された筐体をさらに備え、前記印刷部が前記交換位置にある場合に、前記開口または前記凹部は、その走査方向の位置が、前記印刷部の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されていてもよい。

交換位置の走査方向の位置は、筐体に形成された開口または凹部の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する。したがって、開口または凹部を介して、カートリッジを筐体に対して挿抜することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置は、前記加工ユニットを遮蔽する遮蔽部をさらに備え、前記遮蔽部は、前記加工ユニットの少なくとも一部を前記筐体の外部から遮蔽してもよい。

加工ユニットの少なくとも一部を筐体の外部から遮蔽する遮蔽部を印刷装置が備える。したがって、カートリッジを交換する場合に、加工ユニットの少なくとも一部が筐体の外部から遮蔽された状態となる。これにより、カートリッジの交換時に、ユーザーが加工ユニットに接触する、もしくは、カートリッジと加工ユニットとが接触することを防止することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置において、前記開口または前記凹部は、前記搬送方向において前記装着部より下流の位置、または、前記上下方向において前記装着部より上方の位置に設けられていてもよい。

開口または凹部が装着部より下流の位置に設けられていることにより、カートリッジを筐体の前面から挿抜することができる。開口または凹部が装着部より上方の位置に設けられていることにより、カートリッジを筐体の上面から挿抜することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置は、ユーザーによる指示入力を受け付ける受付部と、制御部と、をさらに備え、前記制御部は、前記受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、前記印刷部を前記交換位置に移動させてもよい。

制御部は、ユーザーによるカートリッジ交換の指示入力に基づいて、印刷部を交換位置に移動させる。これにより、カートリッジの交換時に、ユーザーが加工ユニットに接触する、もしくは、カートリッジと加工ユニットとが接触することを防止することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置において、前記加工ユニットは、前記印刷媒体の搬送方向である前後方向および前記走査方向に交差する方向である上下方向に沿った方向から見たときに、少なくとも一部が前記印刷部に重なってもよい。

加工ユニットは、上下方向に沿った方向から見たときに、少なくとも一部が印刷部に重なっている。これにより、筐体内における印刷部および加工ユニットの設置スペースを前後方向に削減することができ、印刷装置を小型化することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置は、前記加工ユニットの全体が、前記上下方向に沿った方向から見たときに、前記印刷部に重なってもよい。

加工ユニットは、上下方向に沿った方向から見たときに、その全体が印刷部に重なっている。これにより、筐体内における印刷部および加工ユニットの設置スペースを前後方向に削減することができ、印刷装置を小型化することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置において、前記加工ユニットは、前記印刷部および前記加工ユニットを収容する筐体に固定された第１刃と、前記走査方向に可動であり、第２刃を備えた可動部とを備え、前記第１刃は、前記上下方向に沿った方向から見たときに、前記印刷部に重なってもよい。

加工ユニットの筐体に固定された第１刃は、上下方向に沿った方向から見たときに、印刷部に重なっている。これにより、筐体内における印刷部および加工ユニットの設置スペースを前後方向に削減することができ、印刷装置を小型化することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置において、前記加工ユニットは、前記走査方向に可動であり、刃を備えた可動部と、当該可動部を走査させるためのレールとを備え、前記レールは、前記上下方向に沿った方向から見たときに、前記印刷部に重なってもよい。

加工ユニットの可動部を走査させるためのレールは、上下方向に沿った方向から見たときに、印刷部に重なっている。これにより、筐体内における印刷部および加工ユニットの設置スペースを前後方向に削減することができ、印刷装置を小型化することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置は、印刷媒体が搬送される搬送路をさらに備え、前記待機位置は、前記走査方向において前記印刷媒体が前記搬送路を通過する領域の外にあってもよい。

待機位置は、走査方向において搬送路を通過する領域の外にある。これにより、カートリッジの交換時に、ユーザーが加工ユニットに接触する、もしくは、カートリッジと加工ユニットとが接触することを防止することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置において、前記制御部は、前記受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、前記加工ユニットの少なくとも一部を前記待機位置に移動させてもよい。

制御部は、受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、加工ユニットの少なくとも一部を待機位置に移動させる。これにより、カートリッジの交換時に、加工ユニットの少なくとも一部は待機位置に位置する。したがって、カートリッジの交換時に、ユーザーが加工ユニットに接触する、もしくは、カートリッジと加工ユニットとが接触することを防止することができる。

本開示の一態様に係る印刷装置において、前記制御部は、前記受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、前記加工ユニットの少なくとも一部を前記待機位置に移動させた後、前記印刷部を前記交換位置に移動させてもよい。

制御部は、受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、加工ユニットの少なくとも一部を待機位置に移動させた後、印刷部を交換位置に移動させる。これにより、加工ユニットの少なくとも一部が待機位置に移動する前にカートリッジが交換されることを防ぐことができる。したがって、カートリッジの交換時に、ユーザーが加工ユニットに接触する、もしくは、カートリッジと加工ユニットとが接触することを防止することができる。

本発明の一態様によれば、記録に用いられるインクを収容したカートリッジの交換時に、ユーザーが印刷媒体のカッターユニットに接触する、もしくは、カートリッジとカッターユニットとが接触することを防止した印刷装置を提供することができる。

実施形態１に係る印刷装置の概略斜視図である。 実施形態１に係る印刷装置の内部構造を模式的に示す側面視における断面図である。 実施形態１に係る印刷装置の上面視における断面図である。 実施形態１に係る印刷装置におけるカートリッジの交換位置とカッターユニットの待機位置との位置関係を示す模式図である。 実施形態１に係る印刷装置において、制御装置による処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態１に係る印刷装置におけるカートリッジの交換位置の配置の一例を示す模式図である。 実施形態１に係る印刷装置におけるカートリッジの交換位置の配置の他の例を示す模式図である。 実施形態１に係る印刷装置におけるカートリッジの交換位置の配置の他の例を示す模式図である。 実施形態１に係る印刷装置におけるキャリッジとカッターユニットとの位置関係の一例を示す模式図である。 実施形態１に係る印刷装置におけるキャリッジとカッターユニットとの位置関係の他の例を示す模式図である。 実施形態１に係る印刷装置におけるキャリッジとカッターユニットとの位置関係の他の例を示す模式図である。 実施形態１に係る印刷装置におけるカッターユニットの遮蔽部の一例を示す模式図である。 実施形態２に係る印刷装置の概略斜視図である。 実施形態２に係る印刷装置の内部構造を模式的に示す側面視における断面図である。 実施形態２に係る印刷装置におけるカートリッジの交換位置の一例を示す模式図である。 実施形態２に係る印刷装置におけるカートリッジの交換位置の他の例を示す模式図である。 実施形態２に係る印刷装置におけるカートリッジの交換位置の他の例を示す模式図である。

〔実施形態１〕
以下、本開示の実施形態１について、詳細に説明する。

（印刷装置１）
（構成概要）
以下、印刷装置１の構成概要について、図１～図３を用いて説明する。図１は、印刷装置１の概略斜視図である。図２は、印刷装置１の内部構成の模式的に示す側面視における断面図である。図３は、印刷装置１の上面視における断面図である。

図１に示す印刷装置１は、インクジェットプリンタの一例である。以下の説明では、図１に示すように、印刷装置１が使用可能に設置された状態を基準として、設置面側を下として上下方向を定義し、開口１２が形成されている側を前として前後方向を定義し、前方から印刷装置１を見て左側を左として左右方向を定義する。

なお、前後方向は、後述する搬送機構５（図２参照）による、印刷媒体の一例であるシートＰの搬送方向と称する場合がある。また、搬送方向における上流側を後ろ側、搬送方向における下流側を前側と称する場合がある。さらに、左右方向は後述するキャリッジ４０（図２参照）の移動方向である走査方向と称する場合がある。また、上下方向は、記録ヘッド４１のノズル面４２１（図２参照）と直交する方向と称する場合がある。さらに、上下方向は、上述した搬送方向および走査方向に交差する方向と称する場合がある。

図１に示すように、印刷装置１は、筐体１１によって、全体として略直方体形状を形成している。筐体１１の前壁１１ａには、開口１２が形成されている。給送トレイ１５および排出トレイ１６は、開口１２を通じて印刷装置１に対して着脱可能に設けられている。また、筐体１１の前壁１１ａには、操作パネル１３が設けられている。操作パネル１３は、各種操作ボタンおよび液晶表示部を有する。操作パネル１３を介して入力される指示入力は、制御装置１００へ出力される（図２参照）。

筐体１１は、後述する印刷部４およびカッターユニット６０（図２参照）を含む、画像の印刷に用いられる部材を収容する筐体である。筐体１１は、図１および図２に示すように、その天井部分を構成する開閉カバー１４を有している。開閉カバー１４は、後端部において左右方向に沿う回転軸（図示せず）に回動可能に支持されている。開閉カバー１４を開くことにより、筐体１１の上面の開口１１ｂ（図３参照）が露出し、印刷装置１の内部にアクセス可能となる。これにより、後述するカートリッジ１４２（図３参照）が露出され、カートリッジ１４２を筐体１１に対して挿抜することが可能となる。

なお、印刷装置１は、筐体１１と開閉カバー１４との間にスキャナ筐体（図示せず）を有していてもよい。スキャナ筐体内には、シートに記録された画像を読み取るスキャナ（図示せず）が搭載され得る。

（内部構成）
次に、印刷装置１の内部構成について、図２を用いて説明する。図２に示すように、印刷装置１は、給送部３と、印刷部４と、搬送機構５と、カッターユニット６０と、制御装置１００と、を備えている。

給送部３は、軸３０と、給送アーム３１と、給送ローラ３２と、を有している。給送部３は、給送ローラ３２の正回転によって、給送トレイ１５に収容されたシートＰを搬送路Ｒへ給送する。給送ローラ３２は、給送アーム３１の先端部に回転可能に支持されている。給送アーム３１は、印刷装置１のフレームに支持された軸３０に回動可能に支持されている。給送アーム３１は、自重またはバネ等による弾性力によって、給送トレイ１５へ向けて回動付勢されている。

搬送路Ｒは、給送トレイ１５の後端部から上方に延び、ガイド部材３３で区画される領域にて湾曲し、印刷部４の位置およびカッターユニット６０の位置を経由して、排出トレイ１６に至る経路である。なお、排出トレイ１６は、開口１２から筐体１１外へ引き出し可能に構成されている。また、排出トレイ１６は、筐体１１内に折りたたみ、あるいは、スライド収納が可能に構成されている。具体的には、図９に示すように、排出トレイ１６は、開口１２から筐体１１外へ引き出された状態、筐体１１内に折りたたまれていた部分が広げられた状態、あるいは、筐体１１内にスライド収納されていた部分が筐体１１外へスライドして延びている状態を示している。

給送ローラ３２は、制御装置１００により給送モータ（図示せず）が駆動されると、給送トレイ１５からシートＰを１枚ずつ取り出す。給送トレイ１５から取り出されたシートＰは、搬送路Ｒに沿って送り出され、印刷部４へと供給される。

印刷部４は、給送部３の上方に配置されている。印刷部４は、キャリッジ４０により構成されている。キャリッジ４０には、液体吐出ヘッドの一例である記録ヘッド４１が搭載されている。記録ヘッド４１は、複数のノズル４２を有している。キャリッジ４０の下方には、プラテン４３が位置している。キャリッジ４０は、左右方向に延びたガイドレール９Ａと、ガイドレール９Ｂとに支持されている（図３参照）。

キャリッジ４０は、キャリッジモータ（図示せず）の駆動力が伝達されて、左右への移動方向である走査方向、すなわち、搬送されるシートＰの幅方向に往復移動する。シートＰへの画像記録において、印刷装置１の制御装置１００は、シートＰが停止している状態でキャリッジ４０をシートＰの幅方向に移動させながら記録ヘッド４１のノズル４２からインクを吐出させ、１行分の画像をシートＰに記録させる記録処理と、搬送ローラ５１および搬送ローラ５２を駆動させてシートＰを所定の改行量だけ搬送する搬送処理とを繰り返す。

キャリッジ４０に搭載された記録ヘッド４１の下面には、複数のノズル４２が設けられている。複数のノズル４２は、前後方向に配列されることによりノズル列を形成しており、ノズル面４２１には、左右方向に並んだ４つのノズル列が形成されている。複数のノズル４２からは、右側に位置するノズル列を形成するものから順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。なお、ノズル列の配置順はこれに限られるものではなく、製品ごとに適宜変更されてもよい。なお、印刷装置１は、カラー印刷が可能な装置であるが、モノクロ印刷専用の装置であってもよい。

また、キャリッジ４０は、カートリッジ１４２が装着される装着部１４０を有している。装着部１４０に対して、カートリッジ１４２は着脱可能に装着される。印刷装置１は、記録ヘッド４１とカートリッジ１４２とがキャリッジ４０に搭載される、いわゆるオンキャリッジ型の印刷装置である。

装着部１４０は、装着されるカートリッジ１４２の全体が記録ヘッド４１よりも上方に位置するように構成されていてもよい。また、装着部１４０は、装着されるカートリッジ１４２の一部が記録ヘッド４１よりも上方に位置し、残りの部分が記録ヘッド４１よりも下方に位置するように構成されていてもよい。

記録ヘッド４１は、カートリッジ１４２に収容されたインクをノズル４２から吐出する。記録ヘッド４１は、ピエゾ素子等の振動素子を振動させることによって、ノズル４２からインク滴を吐出する。

ここで、カートリッジ１４２について、図３を用いて説明する。図３に示すように、左右方向に並ぶ４つのカートリッジ１４２は、装着部１４０に装着される。各カートリッジ１４２は、装着部１４０に対して着脱可能に装着される。カートリッジ１４２は、記録ヘッド４１に供給する液体を収容する液体タンクの一例である。カートリッジ１４２には、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが貯留されている。各カートリッジ１４２に貯留されたインクは、チューブ（図示せず）を介して記録ヘッド４１に供給される。なお、カートリッジ１４２は、液体貯留部を有するカートリッジ本体と記録ヘッド４１とが一体となっているカートリッジであってもよく、当該カートリッジ本体から記録ヘッド４１を別体で分離可能なカートリッジであってもよい。

プラテン４３は、記録ヘッド４１の下方に位置しており、左右方向におけるシートＰの全長にわたって延びている。プラテン４３は、記録処理時に、シートＰを下側から支持する。プラテン４３に支持されたシートＰに対して、キャリッジ４０が移動する過程において、記録ヘッド４１がインク滴を選択的に吐出することによって、シートＰに画像が記録される。

搬送機構５は、図２に示すように、前後方向において、キャリッジ４０およびプラテン４３を挟むように前後に配置された搬送ローラ５１と、搬送ローラ５２と、排出ローラ５４とを有する。搬送ローラ５１の上方には、搬送ローラ５１と対向する位置にピンチローラ５０が設けられている。搬送ローラ５１は、搬送モータ（図示せず）によって駆動される。ピンチローラ５０は、搬送ローラ５１の回転に伴って回転する。搬送ローラ５１およびピンチローラ５０が正回転することにより、シートＰは、搬送ローラ５１およびピンチローラ５０に挟持されて、搬送路Ｒに沿って印刷部４へと搬送される。

搬送ローラ５２は、キャリッジ４０およびプラテン４３を挟んで搬送ローラ５１よりも下流側に位置するように設けられている。搬送ローラ５２の上方には、搬送ローラ５２と対向する位置に拍車ローラ５３が設けられている。搬送ローラ５２は、搬送モータ（図示せず）によって駆動される。拍車ローラ５３は、搬送ローラ５２の回転に伴って回転する。搬送ローラ５２および拍車ローラ５３が正回転することにより、シートＰは、搬送ローラ５２および拍車ローラ５３に挟持されて、搬送路Ｒに沿ってカッターユニット６０へと搬送される。

排出ローラ５４は、カッターユニット６０よりも下流側に位置するように設けられている。排出ローラ５４の上方には、排出ローラ５４と対向する位置に拍車ローラ５５が設けられている。排出ローラ５４は、搬送モータ（図示せず）によって駆動される。拍車ローラ５５は、排出ローラ５４の回転に伴って回転する。排出ローラ５４および拍車ローラ５５が正回転することにより、シートＰは、排出ローラ５４および拍車ローラ５３に挟持されて、排出トレイ１６へ排出される。

カッターユニット６０は、図２に示すように、カッターキャリッジ６２に支持された上下１対の刃６１を有する加工部を備えている。カッターユニット６０は、シートＰに対して加工部材である刃６１を当接しながら移動することで、シートＰを加工する加工部を有する加工ユニットの一例である。カッターユニット６０は、シートＰを２つのシートに完全に分けて切断する。なお、本開示はこの場合に限定されるものではない。例えば、印刷装置１は、カッターユニット６０に代えて、シートＰに折り目を付ける加工を行う加工ユニットを備えてもよく、シートＰにミシン目を付ける加工を行う加工ユニットを備えてもよい。印刷装置１がこれらの加工ユニットを備える場合、加工ユニットは、シートＰに折り目を付けるための加工部、または、シートＰにミシン目を付けるための加工部を有する。

カッターユニット６０は、搬送ローラ５２と排出ローラ５４との間に設けられる。カッターユニット６０は、印刷部４よりも搬送方向の下流に設けられる。カッターユニット６０は、印刷部４により画像が印刷されて搬送機構５により搬送されるシートＰを切断する。カッターユニット６０は、図示しないカッターキャリッジモータの駆動力がカッターキャリッジ６２に伝達されることで、刃６１を左右方向に移動させ、シートＰを幅方向に切断する。

印刷装置１において、上下１対の刃６１は、いずれも円形状の丸刃である。上下１対の丸刃である刃６１は、左右方向に可動なカッターキャリッジ６２に支持されている。カッターキャリッジ６２は、左右方向に延びたレール６３に支持されており、レール６３に沿って移動することで刃６１を左右方向に移動させる（図３参照）。レール６３は、可動部である刃６１を走査させるためのものである。

なお、上下１対の刃６１は、その一方である第１刃が固定刃であり、他方の第２刃が丸刃であってもよい。この場合、固定刃は左右方向に延びており、筐体１１に固定されている。また、丸刃は左右方向に可動なキャリッジに支持されている。さらに、上下１対の刃６１は、搬送路Ｒの上側と下側に設けられた、左右方向に延びた固定刃であってもよい。この場合、上側の固定刃と下側の固定刃とが近づくようにこれらの固定刃を移動させることで、シートＰを幅方向に切断する。

制御装置１００は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、および、各種制御回路を含むＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）等を備える。なお、本実施形態では、制御装置１００は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、およびＡＳＩＣを備えたものとして説明するが、これに限るものではなく、制御装置１００はいかなるハードウェア構成で実現してもよい。制御装置１００は、印刷部４や搬送機構５の搬送モータ等の印刷装置１を構成する様々な装置と接続されている。また、制御装置１００は、操作パネル１３、および、外部機器であるＰＣ、スマートフォン等とも通信可能に接続されている。

制御装置１００は、図２に示すように、受付部１０１および制御部１０２を備えている。受付部１０１は、ユーザーによる指示入力を受け付ける。受付部１０１は、操作パネル１３を介してユーザーにより入力される指示入力を受け付ける。また、受付部１０１は、ＰＣ、スマートフォン等の外部機器からの指示入力を受け付けてもよい。

制御部１０２は、ＲＯＭに格納されたプログラムに従い、ＣＰＵおよびＡＳＩＣにより、記録ヘッド４１による画像の印刷動作、フラッシングと呼ばれるノズル４２からのインク滴の吐出動作等を制御する各種処理を実行する。制御部１０２は、受付部１０１においてユーザーによる指示入力を受け付けた場合に、指示入力に応じた処理を実行する。一例として、制御部１０２は、ＰＣ、スマートフォン等の外部機器から送信された印刷指令に基づいて、記録ヘッド４１や搬送モータ等を制御して、シートＰに画像を印刷する印刷処理を実行する。

以上の構成において、印刷装置１は、搬送機構５によってシートＰを搬送方向に搬送しつつ、印刷部４によってキャリッジ４０とともに記録ヘッド４１を走査方向に移動させながらインクを吐出させることにより、シートＰに画像を印刷する。

（カートリッジ１４２の交換）
印刷装置１は、キャリッジ４０における装着部１４０にカートリッジ１４２を装着することで、カートリッジ１４２内に収容され、画像の記録に用いられるインクが記録ヘッド４１へ供給される。装着部１４０に装着されたカートリッジ１４２は、収容されるインクが切れた場合等に装着部１４０から取り外して交換することができる。カートリッジ１４２の交換について、図３および図４を用いて説明する。図４は、カートリッジ１４２の交換位置とカッターユニット６０の待機位置との位置関係を示す模式図である。

カートリッジ１４２は、キャリッジ４０が左右方向の所定の交換位置Ｘにあるときに、装着部１４０に対して着脱可能である。キャリッジ４０は、左右方向の所定の交換位置Ｘに移動可能である。そして、キャリッジ４０に対するカートリッジ１４２の着脱時に、カッターユニット６０の少なくとも一部は、交換位置Ｘに対して走査方向にずれた待機位置Ｙ１またはＹ２に位置する。

交換位置Ｘは、上下方向の上側から見たときに、筐体１１の開口１１ｂに重なる。したがって、交換位置Ｘに移動したキャリッジ４０から取り外したカートリッジ１４２は、筐体１１の開口１１ｂを介して、筐体１１外へ取り出される。また、交換後のカートリッジ１４２は、開口１１ｂを介して筐体１１内に挿入され、交換位置Ｘにあるキャリッジ４０の装着部１４０に装着される。

交換位置Ｘは、待機位置Ｙ１またはＹ２に対して走査方向にずれており、前後方向および上下方向から見たときに、交換位置Ｘと待機位置Ｙ１またはＹ２とは重ならないように構成されている。なお、待機位置Ｙ１またはＹ２は、走査方向において搬送路Ｒを通過する領域の外にあってもよい。この場合、交換位置Ｘは、搬送路Ｒを通過する領域内であってもよいし、搬送路Ｒを通過する領域外において待機位置Ｙ１またはＹ２に対して走査方向にずれた位置であってもよい。

カートリッジ１４２は、キャリッジ４０が交換位置Ｘ以外に位置する場合には、装着部１４０から取り外しできないようにロックされていてもよい。そして、キャリッジ４０が交換位置Ｘに移動した場合に、当該ロックが解除されてカートリッジ１４２を取り外しできるようになっていてもよい。

また、キャリッジ４０は、ユーザーによる所定の指示入力に基づき、交換位置Ｘへ移動するようになっていてもよい。具体的には、受付部１０１により所定の指示入力を受け付けた場合に、制御部１０２は、キャリッジ４０を交換位置Ｘへ移動させる。

また、制御部１０２は、受付部１０１により所定の指示入力を受け付けた場合に、カッターユニット６０の少なくとも一部を待機位置Ｙ１またはＹ２に移動させてもよい。また、制御部１０２は、受付部１０１により所定の指示入力を受け付けた場合に、キャリッジ４０を交換位置Ｘへ移動させると共に、カッターユニット６０の少なくとも一部を待機位置Ｙ１またはＹ２に移動させてもよい。さらに、制御部１０２は、受付部１０１により所定の指示入力を受け付けた場合に、カッターユニット６０の少なくとも一部を待機位置Ｙ１またはＹ２に移動させた後、キャリッジ４０を交換位置Ｘに移動させてもよい。なお、カッターユニット６０は、シートＰに対する加工を実行するとき以外は、待機位置Ｙ１またはＹ２に位置していてもよい。

受付部１０１が受け付ける所定の指示入力は、例えば、カートリッジ１４２の交換指示を表す入力、キャリッジ４０の移動指示を表す入力、カッターユニット６０の移動指示を表す入力等である。

ここで、制御装置１００による処理の流れの一例について、図５を用いて説明する。図５は、実施形態１に係る印刷装置１において、制御装置１００による処理の一例を示すフローチャートである。図５に示すように、まず、受付部１０１が、カートリッジ１４２の交換指示を表す指示入力を受け付ける（ステップＳ１１）。次に、制御部１０２は、カッターユニット６０を待機位置Ｙ１またはＹ２に移動させる（ステップＳ１２）。そして、制御部１０２は、キャリッジ４０を交換位置Ｘへ移動させ（ステップＳ１３）、処理を終了する。なお、図５に示す制御装置１００による処理は、印刷処理を開始する前に実行されてもよいし、印刷処理を実行している途中にカートリッジ１４２のインク残量が少なくなったタイミングで実行されてもよい。インク残量が少ない旨の報知は、例えば、制御装置１００が液晶表示部などにインク残量が少ない旨を表示させることにより、ユーザーに報知される。

＜本実施形態の作用効果＞
上記の構成によれば、カートリッジ１４２を交換するときの、キャリッジ４０の位置である交換位置Ｘとカッターユニット６０の少なくとも一部の待機位置Ｙ１またはＹ２とが、走査方向にずれている。これにより、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

また、上記の構成によれば、制御部１０２は、ユーザーによるカートリッジ交換の指示入力に基づいて、キャリッジ４０を交換位置に移動させる。これにより、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

また、上記の構成によれば、カッターユニット６０の少なくとも一部の待機位置Ｙ１またはＹ２は、走査方向において搬送路Ｒを通過する領域の外にある。これにより、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

また、上記の構成によれば、制御部１０２は、受付部１０１により所定の指示入力を受け付けた場合に、カッターユニット６０の少なくとも一部を待機位置Ｙ１またはＹ２に移動させる。これにより、カートリッジ１４２の交換時に、カッターユニット６０の少なくとも一部は待機位置Ｙ１またはＹ２に位置する。したがって、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

また、上記の構成によれば、制御部１０２は、受付部１０１により所定の指示入力を受け付けた場合に、カッターユニット６０の少なくとも一部を待機位置Ｙ１またはＹ２に移動させた後、印刷部４を交換位置Ｘに移動させる。これにより、カッターユニット６０の少なくとも一部が待機位置Ｙ１またはＹ２に移動する前にカートリッジ１４２が交換されることを防ぐことができる。したがって、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

＜変形例１＞
筐体１１には、カバー１１０が設けられていてもよい。ここで、カバー１１０が筐体１１に設けられている場合における交換位置Ｘの配置について、図６を用いて説明する。図６は、カートリッジ１４２の交換位置Ｘの配置の一例を示す模式図である。

図６に示すように、筐体１１には、開口１１ｂの一部を覆うカバー１１０が設けられている。カバー１１０には、凹部１１１が形成されている。そして、キャリッジ４０が交換位置Ｘにある場合に、凹部１１１は、その走査方向の位置が、キャリッジ４０の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されている。換言すれば、交換位置Ｘに位置するキャリッジ４０と凹部１１１とは、前から見た場合、少なくとも一部が上下方向に重なる位置に配置されている。そして、凹部１１１は、上下方向において、キャリッジ４０の装着部１４０より上方の位置に設けられている。

このように、交換位置Ｘと凹部１１１とは、走査方向の位置が重なる。また、凹部１１１は、装着部１４０よりも上方に位置している。したがって、筐体１１の上面の開口１１ｂを介してカートリッジ１４２を取り出すことができ、カバー１１０がカートリッジ１４２の交換の邪魔にならない。また、交換位置Ｘは、待機位置Ｙ１またはＹ２に対して走査方向にずれている。したがって、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

＜変形例２＞
次に、交換位置Ｘの配置の他の例について、図７を用いて説明する。図７は、カートリッジ１４２の交換位置Ｘの配置の他の例を示す模式図である。

図７に示すように筐体１１には、開口１１ｂの一部を覆うカバー１１２が設けられている。カバー１１２は、カッターユニット６０の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽部の一例である。カバー１１２は、待機位置Ｙ１またはＹ２に位置するカッターユニット６０を筐体１１の外部から遮蔽する。

また、カバー１１２には、開口１１３が形成されている。キャリッジ４０が交換位置Ｘにある場合に、開口１１３は、その走査方向の位置が、キャリッジ４０の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されている。そして、開口１１３は、上下方向において、キャリッジ４０の装着部１４０より上方の位置に設けられている。

このように、交換位置Ｘと開口１１３とは、走査方向の位置が重なる。また、開口１１３は、装着部１４０よりも上方に位置している。したがって、筐体１１の上面からカートリッジ１４２を取り出すことができ、カバー１１２がカートリッジ１４２の交換の邪魔にならない。また、カートリッジ１４２の交換時に、カッターユニット６０の少なくとも一部が位置する待機位置Ｙ１またはＹ２は、カバー１１２により筐体１１の外部から遮蔽されている。したがって、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

＜変形例３＞
また、変形例２の開口１１３には、図８に示すように、さらに凹部１１４が形成されていてもよい。図８は、カートリッジ１４２の交換位置Ｘの配置の他の例を示す模式図である。図８に示すように、キャリッジ４０が交換位置Ｘにある場合に、開口１１３および凹部１１４は、その走査方向の位置が、キャリッジ４０の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されている。換言すれば、開口１１３の領域において交換位置Ｘに位置するキャリッジ４０と凹部１１４とは、前から見た場合、少なくとも一部が上下方向に重なる位置に配置されている。そして、開口１１３および凹部１１４は、上下方向において、キャリッジ４０の装着部１４０より上方の位置に設けられている。

また、カバー１１２の凹部１１４の近傍には、カートリッジ１４２の色の配列を表す表示部１１５が設けられていてもよい。表示部１１５は、一例として、カートリッジ１４２の左右方向の配列に対応した色を表すシールである。表示部１１５は、カートリッジ１４２の色を表すシールが、カートリッジ１４２の色の配列と同一の左右方向の配列でカバー１１２に貼り付けられている。表示部１１５には、一例として、右から順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンダの色を表すシールが貼り付けられている。

このように、交換位置Ｘと開口１１３および凹部１１４とは、走査方向の位置が重なる。また、開口１１３および凹部１１４は、装着部１４０よりも上方に位置している。したがって、筐体１１の上面からカートリッジ１４２を取り出すことができ、カバー１１２がカートリッジ１４２の交換の邪魔にならない。また、カートリッジ１４２の交換時に、カッターユニット６０の少なくとも一部が位置する待機位置Ｙ１またはＹ２は、カバー１１２により筐体１１の外部から遮蔽されている。したがって、カートリッジ１４２の交換時に、ユーザーがカッターユニット６０に接触する、もしくは、カートリッジ１４２とカッターユニット６０とが接触することを防止することができる。

＜変形例４＞
上述した実施形態では、キャリッジ４０とカッターユニット６０とは、前後方向にずれた位置に配置されていた。しかしながら、キャリッジ４０とカッターユニット６０との位置関係はこれに限るものではない。そこで、キャリッジ４０とカッターユニット６０との位置関係の変形例について、図９を用いて説明する。図９は、実施形態１に係る印刷装置におけるキャリッジ４１０とカッターユニット６０１との位置関係の一例を示す模式図である。

図９に示すように、カッターユニット６０１は、走査方向に可動である可動部を構成する刃６１１と、カッターキャリッジ６１２と、刃６１３と、カッター支持部６１４と、を有する。カッター支持部６１４は、筐体１１に固定されており、左右方向に延伸するように設けられている。刃６１３はカッター支持部６１４に固定されており、例えば、左右方向に延伸するように設けられる固定刃である。刃６１３はカッター支持部６１４に固定されている。

そして、カッターユニット６０１は、その全体が、上下方向に沿った方向から見たときに、キャリッジ４１０に重なっている。すなわち、カッターユニット６０１は、上下方向においてキャリッジ４１０の下方に配置されており、それらの前後方向の位置が重なっている。したがって、筐体１１内におけるキャリッジ４１０およびカッターユニット６０１の設置スペースを前後方向に削減することができ、印刷装置１を前後方向に小型化することができる。

また、キャリッジ４０とカッターユニット６０との位置関係の他の変形例について、図１０を用いて説明する。図１０は、実施形態１に係る印刷装置におけるキャリッジ４１１とカッターユニット６０２との位置関係の他の例を示す模式図である。カッターユニット６０２は、その少なくとも一部が、上下方向に沿った方向から見たときに、キャリッジ４１１に重なっていてもよい。一例として、カッターユニット６０２において、筐体１１に固定された第１刃である刃６１３は、上下方向に沿った方向から見たときに、キャリッジ４１１に重なる。図１０に示すように、刃６１３およびカッター支持部６１４はキャリッジ４１１の下方に配置されており、刃６１１およびカッターキャリッジ６１２はキャリッジ４１１の下方に配置されていない。

このように、カッターユニット６０２の一部がキャリッジ４１１の下方に配置されている構成においても、筐体１１内におけるキャリッジ４１１およびカッターユニット６０２の設置スペースを前後方向に削減することができ、印刷装置１を前後方向に小型化することができる。

さらに、キャリッジ４０とカッターユニット６０との位置関係の他の変形例について、図１１を用いて説明する。図１１は、実施形態１に係る印刷装置におけるキャリッジ４１２とカッターユニット６０３との位置関係の他の例を示す模式図である。図１１に示すように、カッターユニット６０３がレール６１７に支持されている構成において、レール６１７は、上下方向に沿った方向から見たとき、キャリッジ４１２に重なっていてもよい。カッターユニット６０３は、上下１対の刃６１５と、上下１対の刃６１５を支持するカッターキャリッジ６１６と、カッターキャリッジ６１６を走査させるためのレール６１７とを備えている。そして、レール６１７およびカッターキャリッジ６１６は、キャリッジ４１２の下方に配置されており、刃６１５は、キャリッジ４１２の下方に配置されていない。

このように、カッターユニット６０３の一部がキャリッジ４１２の下方に配置されている構成においても、筐体１１内におけるキャリッジ４１２およびカッターユニット６０３の設置スペースを前後方向に削減することができ、印刷装置１を前後方向に小型化することができる。

＜変形例５＞
遮蔽部の他の例について、図１２を用いて説明する。図１２は、実施形態１に係る印刷装置におけるカッターユニットの遮蔽部の一例を示す模式図である。図１２に示すように、ホルダ７０Ｄは、カッターユニット６０４を遮蔽する遮蔽部の一例であり、拍車ローラ５３および５５を保持する。ホルダ７０Ｄの下面には凹部７１Ｄが形成されており、凹部７１Ｄに囲まれる空間にカッターユニット６０４のカッターキャリッジが配置される。拍車ローラ５３および５５は、画像が印刷されたシートＰを搬送方向へガイドするガイド部材の一例である。

また、ホルダ７０Ｄは、カッターユニット６０４の少なくとも一部を筐体１１の外部から遮蔽する。例えば、ホルダ７０Ｄは、カッターユニット６０４の上方を覆っていてもよい。ホルダ７０Ｄは、拍車ローラ５３および５５を保持する機能と、カッターユニット６０４を筐体１１の外部から遮蔽する機能と、を兼ねている。

上記構成により、シートＰを搬送方向へガイドする拍車ローラ５３および５５を保持するホルダ７０Ｄによりカッターユニット６０４の少なくとも一部を遮蔽できるため、カッターユニット６０４を遮蔽する部材を新たに設ける必要がない。よって、印刷装置１の製造コストを削減できる。

〔実施形態２〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。

本実施形態の印刷装置２について、図１３～１６を用いて説明する。図１３は、実施形態２に係る印刷装置２の概略斜視図である。図１４は、実施形態２に係る印刷装置２の内部構造を模式的に示す側面視における断面図である。図１５は、実施形態２に係る印刷装置２におけるカートリッジ４６の交換位置Ｘ１の一例を示す模式図である。図１６は、実施形態２に係る印刷装置におけるカートリッジ４６の交換位置の他の例を示す模式図である。図１７は実施形態２に係る印刷装置におけるカートリッジ４６の交換位置の他の例を示す模式図である。

図１３に示す印刷装置２は、インクジェットプリンタの一例である。以下の説明では、図１３に示すように、印刷装置２が使用可能に設置された状態を基準として、設置面側を下として上下方向を定義し、開口２２が形成されている側を前として前後方向を定義し、前方から印刷装置２を見て左側を左として左右方向を定義する。

なお、前後方向は、搬送機構５（図１４参照）によって印刷媒体の一例であるシートＰの搬送方向と称する場合がある。また、搬送方向における上流側を後ろ側、搬送方向における下流側を前側と称する場合がある。さらに、左右方向は後述するキャリッジ２４０（図１４参照）の移動方向である走査方向と称する場合がある。また、上下方向は、記録ヘッド４１のノズル面４２１（図１４参照）と直交する方向と称する場合がある。さらに、上下方向は、上述した搬送方向および走査方向に交差する方向と称する場合がある。

図１３に示すように、印刷装置２は、筐体２１によって、全体として略直方体形状を形成している。筐体２１の前壁２１ａには、開口２２が形成されている。前壁２１ａには、カバー２４が設けられている。カバー２４は、開口２２を覆う第１位置と開口２２を開放する第２位置とに移動可能に設けられている。具体的には、カバー２４は、回転軸２４ａを介して前壁２１ａに対して回転可能に設けられている（図１４参照）。

上記第１位置は、図１４に示すカバー２４の位置であり、上記第２位置は、図１３に示すカバー２４の位置である。開口２２は、カバー２４が上記第２位置にある場合に、装着部４４におけるシートＰの搬送方向の下流側を筐体２１の外部に開放できる位置に形成されている。

給送トレイ２５（図１４参照）および排出トレイ２６は、開口２２を通じて印刷装置２に対して着脱可能に設けられている。給送トレイ２５は、複数枚のシートＰを収容し、上面が開放している。排出トレイ２６は、給送トレイ２５の上方に配置される。排出トレイ２６には、印刷部４２０（図１４参照）によって印刷されたシートＰが排出される。

筐体２１の前壁２１ａとキャリッジ２４０との間には、カートリッジ４６（図１４参照）の交換時に、カートリッジ４６の下面をガイドするガイド部２７が設けられている。ガイド部２７は、後述するキャリッジ２４０の交換位置Ｘ１（図１５参照）と、走査方向の位置が一致する位置に配置されている。ガイド部２７は、左右方向に延びたレールに走査可能に設けられており、カートリッジ４６の交換時に交換位置Ｘ１と走査方向の位置が一致する位置に移動するようになっていてもよい。

ガイド部２７の上面には、カートリッジ４６の下面に対応する幅の溝２７ａが形成されている。ガイド部２７の上面の溝２７ａに沿ってカートリッジ４６を挿入することで、キャリッジ２４０の装着部４４（図１４参照）に対して、カートリッジ４６を誘導することができる。なお、溝２７ａはガイド部２７の上面に１つのみ設けられていてもよいし、２つ以上設けられていてもよい。ガイド部２７の左右方向の幅は、キャリッジ２４０の装着部４４に装着されるカートリッジ４６の一部をガイドできる幅であればよいが、カートリッジ４６の全てを一度にガイドできる幅であってもよい。ガイド部２７の左右方向の幅がカートリッジ４６の一部をガイドできる幅である場合、交換するカートリッジ４６の位置に合わせてガイド部２７の左右方向の位置を移動させる。

図１４に示すように、印刷部４２０は、給送部３の上方に配置されている。印刷部４２０は、キャリッジ２４０により構成されている。キャリッジ２４０には、液体吐出ヘッドの一例である記録ヘッド４１が搭載されている。記録ヘッド４１は、複数のノズル４２を有している。キャリッジ２４０の下方には、プラテン４３が位置している。

キャリッジ２４０は、カートリッジ４６が装着される装着部４４を有している。キャリッジ２４０は前方部分４０４および後方部分４０５を有する。前方部分４０４はカートリッジ４６を保持する部分であり、後方部分４０５は前方部分４０４の後端から後方に延伸する部分である。

装着部４４は、前方部分４０４における前側に開口する部分に設けられている。装着部４４は、カートリッジ４６が装着部４４に装着されている場合にキャリッジ２４０の前方部分４０４におけるカートリッジ４６が装着される部分である。装着部４４には凹部４０１が形成されている。装着部４４にカートリッジ４６が装着される場合、凹部４０１には、カートリッジ４６の表面に設けられた凸部４６１が嵌合する。

印刷装置２は、支持フレーム８０および板金８３を備える。支持フレーム８０は、左右方向に延伸するように設けられ、キャリッジ２４０を移動可能に支持する。支持フレーム８０の下端部分８１は、キャリッジ２４０の前方部分４０４の後端面に形成された凹部４０２に嵌合する。支持フレーム８０の上端部分８２は、キャリッジ２４０の後方部分４０５の下端後方に形成された凹部４０３に嵌合する。キャリッジ２４０は、支持フレーム８０に沿って左右方向に往復移動する。板金８３は、ピンチローラ５０を保持するとともに、支持フレーム８０を支持する。

カッターユニット６２０は、走査方向に可動である可動部を構成する刃６２１と、カッターキャリッジ６２２と、刃６２３と、カッター支持部６２４と、を有する。カッター支持部６２４は、筐体２１に固定されており、左右方向に延伸するように設けられている。刃６２３はカッター支持部６２４に固定されており、例えば、左右方向に延伸するように設けられる固定刃である。刃６２３はカッター支持部６２４に固定されている。

印刷装置２は、遮蔽部７０を備える。遮蔽部７０は、筐体２１の内部に回転可能に設けられている。具体的には、遮蔽部７０は、回転軸７１に回転可能に設けられている。回転軸７１は、前後方向においてカッターユニット６２０と拍車ローラ５５との間に配置されている。回転軸７１は、遮蔽部７０及び第２当接部７２を回転させるためのものである。第２当接部７２は、回転軸７１に設けられ、遮蔽部７０の回転に伴って回転する。具体的には、第２当接部７２は、遮蔽部７０と第２当接部７２との相対位置を維持しながら回転する。第２当接部７２及び遮蔽部７０はともに同一平面に沿って配置されてもよい。

カバー２４が、図１３に示す第２位置にある場合、遮蔽部７０は、カッターユニット６２０の少なくとも一部を筐体２１の外部から遮蔽する。カバー２４が上記第２位置にある場合、遮蔽部７０はカッターユニット６２０の上方に配置され、第２当接部７２は第１当接部２４６の下方に配置される。

カートリッジ４６は、装着部４４に対して着脱可能である。そして、図１５に示すように、カートリッジ４６は、キャリッジ２４０が左右方向の所定の交換位置Ｘ１にあるときに、装着部４４に対して着脱可能である。キャリッジ２４０は、左右方向の所定の交換位置Ｘ１に移動可能である。そして、キャリッジ２４０に対するカートリッジ４６の着脱時に、カッターユニット６２０の一部である刃６２１およびカッターキャリッジ６２２は、交換位置Ｘ１に対して走査方向にずれた待機位置Ｙに位置する。

これにより、カートリッジ４６の交換時に、ユーザーが刃６２１およびカッターキャリッジ６２２に接触する、もしくは、カートリッジ４６と刃６２１およびカッターキャリッジ６２２とが接触することを防止することができる。

また、図１５に示すように、筐体２１には、その前面に設けられた開口２２の一部を覆うカバー２１０が設けられていてもよい。カバー２１０には、凹部２１１が形成されている。そして、キャリッジ２４０が交換位置Ｘ１にある場合に、凹部２１１は、その走査方向の位置が、キャリッジ２４０の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されている。換言すれば、交換位置Ｘ１に位置するキャリッジ２４０と凹部２１１とは、前から見た場合、少なくとも一部が上下方向に重なる位置に配置されている。そして、凹部２１１は、シートＰの搬送方向において、キャリッジ２４０の装着部４４より下流の位置に設けられている。

このように、交換位置Ｘ１と凹部２１１とは、走査方向の位置が重なる。また、凹部２１１は、装着部４４よりも前方に位置している。したがって、筐体２１の前面の開口２２を介してカートリッジ４６を取り出すことができ、カバー２１０がカートリッジ４６の交換の邪魔にならない。

また、図１６に示すように、筐体２１には、開口２２の一部を覆うカバー２１２が設けられていてもよい。カバー２１２は、カッターユニットの少なくとも一部を遮蔽する遮蔽部の一例である。カバー２１２は、待機位置Ｙに位置する刃６２１およびカッターキャリッジ６２２を筐体２１の外部から遮蔽する。

また、カバー２１２には、開口２１３が形成されていてもよい。キャリッジ２４０が交換位置Ｘ１にある場合に、開口２１３は、その走査方向の位置が、キャリッジ２４０の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されている。換言すれば、開口２１３の領域において交換位置Ｘ１に位置するキャリッジ２４０と凹部１１４とは、前から見た場合、少なくとも一部が上下方向に重なる位置に配置されている。そして、開口２１３は、シートＰの搬送方向において、キャリッジ２４０の装着部４４より下流の位置に設けられている。

このように、交換位置Ｘ１と開口２１３とは、走査方向の位置が重なる。また、開口２１３は、装着部４４よりも前方に位置している。したがって、筐体２１の前面からカートリッジ４６を取り出すことができ、カバー２１２がカートリッジ４６の交換の邪魔にならない。また、カートリッジ４６の交換時に、カッターユニット６０の一部である刃６２１およびカッターキャリッジ６２２が位置する待機位置は、カバー２１２により筐体２１の外部から遮蔽されている。したがって、カートリッジ４６の交換時に、ユーザーが刃６２１およびカッターキャリッジ６２２に接触する、もしくは、カートリッジ４６と刃６２１およびカッターキャリッジ６２２とが接触することを防止することができる。

また、開口２１３には、図１７に示すように、さらに凹部２１４が形成されていてもよい。キャリッジ２４０が交換位置Ｘ１にある場合に、開口２１３および凹部２１４は、その走査方向の位置が、キャリッジ２４０の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されている。そして、開口２１３および凹部２１４は、シートＰの搬送方向において、キャリッジ２４０の装着部４４より下流の位置に設けられている。

このように、交換位置Ｘ１と開口２１３および凹部２１４とは、走査方向の位置が重なる。また、開口２１３および凹部２１４は、装着部４４よりも前方に位置している。したがって、筐体２１の前面からカートリッジ４６を取り出すことができ、カバー２１２がカートリッジ４６の交換の邪魔にならない。また、カートリッジ４６の交換時に、刃６２１およびカッターキャリッジ６２２が位置する待機位置はカバー２１２により筐体２１の外部から遮蔽されている。したがって、カートリッジ４６の交換時に、ユーザーが刃６２１およびカッターキャリッジ６２２に接触する、もしくは、カートリッジ４６と刃６２１およびカッターキャリッジ６２２とが接触することを防止することができる。

本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

１、２ 印刷装置；４、４２０ 印刷部；１１、２１ 筐体；６０、６０１、６０２、６０３、６０４、６２０ カッターユニット；６１、６１１、６１３、６１５、６２１、６２３ 刃；６３、６１７ レール；１１０、１１２、２１０、２１２ カバー；４６、１４２ カートリッジ；１１１、１１４、２１１、２１４ 凹部；１１３、２１３ 開口；Ｐ シート；Ｒ 搬送路；Ｘ、Ｘ１ 交換位置；Ｙ、Ｙ１、Ｙ２ 待機位置

Claims (12)

1. 画像の印刷に用いられるカートリッジが装着される装着部を有し、印刷媒体に画像を印刷する印刷部であって、その走査方向の所定の交換位置に移動可能である印刷部と、
   前記印刷部によって画像が印刷された印刷媒体に対して、加工部材が当接しながら移動することで印刷媒体を加工する加工部を有する加工ユニットであって、その少なくとも一部が、前記印刷部に対する前記カートリッジの着脱時には、前記交換位置に対して前記走査方向にずれた待機位置に位置する加工ユニットと
   を備えたことを特徴とする印刷装置。
2. 前記印刷部および前記加工ユニットを収容する筐体であって、前記カートリッジを挿抜するための開口または凹部が形成された筐体をさらに備え、
   前記印刷部が前記交換位置にある場合に、前記開口または前記凹部は、その走査方向の位置が、前記印刷部の走査方向の位置と少なくとも一部が一致する位置に配置されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
3. 前記加工ユニットを遮蔽する遮蔽部をさらに備え、
   前記遮蔽部は、前記加工ユニットの少なくとも一部を前記筐体の外部から遮蔽する、
   ことを特徴とする請求項２に記載の印刷装置。
4. 前記開口または前記凹部は、前記印刷媒体の搬送方向において前記装着部より下流の位置、または、前記搬送方向および前記走査方向に交差する方向である上下方向において前記装着部より上方の位置に設けられている、
   ことを特徴とする請求項２に記載の印刷装置。
5. ユーザーによる指示入力を受け付ける受付部と、
   制御部と、
   をさらに備え、
   前記制御部は、
   前記受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、前記印刷部を前記交換位置に移動させる、
   ことを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
6. 前記加工ユニットは、前記印刷媒体の搬送方向である前後方向および前記走査方向に交差する方向である上下方向に沿った方向から見たときに、少なくとも一部が前記印刷部に重なる、
   ことを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
7. 前記加工ユニットの全体が、前記上下方向に沿った方向から見たときに、前記印刷部に重なる、
   ことを特徴とする請求項６に記載の印刷装置。
8. 前記加工ユニットは、前記印刷部および前記加工ユニットを収容する筐体に固定された第１刃と、前記走査方向に可動であり、第２刃を備えた可動部とを備え、
   前記第１刃は、前記上下方向に沿った方向から見たときに、前記印刷部に重なる、
   ことを特徴とする請求項６に記載の印刷装置。
9. 前記加工ユニットは、前記走査方向に可動であり、刃を備えた可動部と、当該可動部を走査させるためのレールとを備え、
   前記レールは、前記上下方向に沿った方向から見たときに、前記印刷部に重なる、
   ことを特徴とする請求項６に記載の印刷装置。
10. 印刷媒体が搬送される搬送路をさらに備え、
    前記待機位置は、前記走査方向において前記印刷媒体が前記搬送路を通過する領域の外にある、
    ことを特徴とする請求項１に記載の印刷装置。
11. 前記制御部は、前記受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、前記加工ユニットの少なくとも一部を前記待機位置に移動させる、
    ことを特徴とする請求項５に記載の印刷装置。
12. 前記制御部は、前記受付部により所定の指示入力を受け付けた場合に、前記加工ユニットの少なくとも一部を前記待機位置に移動させた後、前記印刷部を前記交換位置に移動させる、
    ことを特徴とする請求項１１に記載の印刷装置。

Images