JP2024042677A - コンタクトレンズ用溶液 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面親水性及び防汚性をソフトコンタクトレンズに付与するソフトコンタクトレンズ用溶液を提供することにある。【解決手段】式(a)で示す化合物Qを含む溶液が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。【選択図】なし

Description

本発明は、表面親水性(特に、耐久性のある表面親水性)及び防汚性(特に、耐久性のある防汚性)をコンタクトレンズに付与するコンタクトレンズ用溶液に関する。
コンタクトレンズは簡便に視力矯正を行える便利さから年々装用者が増加しており、現代では広く一般に使用される医療機器となっている。しかし、コンタクトレンズ装用者の中には装用中の不快感から使用を断念する場合も多く存在しており、コンタクトレンズの装用感の向上は、未だに大きな課題の一つとなっている。
この装用中の不快感は「ゴロゴロする」と表現されることが多く、これは装用中におけるコンタクトレンズの表面濡れ性の低下や汚れの付着が原因で生じることが知られている。さらに、汚れの付着、特に脂質汚れの付着はコンタクトレンズにくもりを生じさせて視界の良好さを著しく低下させる。よって、コンタクトレンズの装用中の快適性を高めるためには、コンタクトレンズの表面濡れ性の向上(親水性の向上)や防汚性の向上が重要である。
前記問題を解決するため、様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1では、プラズマ処理を施したコンタクトレンズ表面に親水性モノマーをグラフト重合させて表面の親水性や防汚性を付与する方法などが開示されている。特許文献2では、特定の分子量を有するヒアルロン酸を配合した液でコンタクトレンズを処理することで親水性や防汚性を付与する方法が開示されている。しかし、特許文献1では煩雑な工程を踏む必要があり、特許文献2では効果の耐久性について焦点を当てたものではなかった。
特許文献3では、HLBが12よりも小さい非イオン性ポリエーテル界面活性剤を配合した組成物によって脂質の洗浄及び堆積を防止する方法が開示されている。しかし、これは洗浄に重点を置いたものであり、脂質の堆積(脂質の付着)については検討されていない。
特開2018-022174 WO2013/031020 特表2007―513242
本発明の課題は、表面親水性及び防汚性をソフトコンタクトレンズに付与するソフトコンタクトレンズ用溶液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記式(a)で示す化合物Qを含む溶液が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
1.下記式(a)で示す化合物Qを含有するコンタクトレンズ用溶液。
[前記式(a)中、R及びRは、それぞれ炭素数4~15のアルキル基を示し、AはCOO又はOを示す。また、nは30~300を示す]
2.前記コンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズ用出荷液である前項1に記載のコンタクトレンズ用溶液。
3.前記R及びRはそれぞれ炭素数11のアルキル基であり、前記AはCOOであり、かつ前記nは50~200である、前項1又は2に記載のコンタクトレンズ用溶液。
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズ表面に対して簡便な処理で耐久性のある防汚性及び親水性を付与することができる。
<コンタクトレンズ用溶液>
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、下記式(a)で示す化合物Qを有効成分(主成分)として、含有するコンタクトレンズ用溶液である。
[前記式(a)中、R及びRは、それぞれ炭素数4~15のアルキル基を示し、AはCOO又はOを示す。また、nは30~300を示す]
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、濃度の範囲)を段階的に記載した場合、各下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは90以下」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90とを組み合わせて、「10以上90以下」とすることができる。また、例えば、「好ましくは10~100、より好ましくは20~90」という記載においても、同様に「10~90」とすることができる。
式(a)中、n(オキシエチレン基の平均付加モル数)は、nは30~300であり、好ましくは30~250であり、より好ましくは50~200であり、さらに好ましくは60~100である。nが30を下回ると、溶液にすることが難しく、また期待した効果が得られない。
また、nが300を超えると、ろ過による滅菌が困難になるおそれがある。
式(a)中、R及びRはそれぞれ炭素数4~15のアルキル基であり、好ましくは5~15であり、より好ましくは8~12である。炭素数が15を超えると、疎水性が高まることにより防汚性向上効果が損なわれる恐れがある。また、炭素数が3を下回ると、コンタクトレンズへの吸着が弱まる恐れがある。
式(a)中、Aはエステル(COO)又はエーテル(O)であり、好ましくはエステル(COO)である。
化合物Qとしては、例えば、ジラウリン酸ポリエチレングリコール(R及びRはそれぞれ炭素数11のアルキル基であり、AはCOOである)、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール(R及びRはそれぞれ炭素数15のアルキル基であり、AはCOOである)、ミリスチン酸ポリオキシエチレンミリスチルエーテル(Rは炭素数14のアルキル基であり、Rは炭素数13のアルキル基であり、AはOである)などが挙げられ、好ましくはジラウリン酸ポリエチレングリコールである。
本発明のコンタクトレンズ用溶液における化合物Qの配合量は特に規定されないが、0.0001w/v%~0.3w/v%の範囲で含有していることが好ましく、より好ましくは0.001w/v%~0.2w/v%で、更に好ましくは0.01w/v%~0.1w/v%である。
含有量が0.0001w/v%を下回ると十分な効果を得ることができない可能性があり、0.3w/v%を上回ると高粘度化や泡立ちの発生などによりコンタクトレンズ用溶液の製造時における取り扱いが困難となる可能性がある。
<添加剤>
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、必須の成分(有効成分)である化合物Q以外にも、必要に応じて通常のコンタクトレンズ用溶液の調製において使用されている添加剤等を含有してもよい。
添加剤の配合量は、特に限定されないが、0.01~5.0w/v%が好ましく、0.05~4.0w/v%がより好ましく、0.1~3.0w/v%がさらに好ましい。
添加剤としては、ビタミン類、増粘剤、アミノ酸類、糖類、清涼化剤、無機塩類、有機酸塩、酸化防止剤、安定化剤、防腐剤、キレート剤、緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸、グァーガム、セルロース、及びその誘導体等を挙げられる。
アミノ酸類としては、例えば、アスパラギン酸及びその塩、アミノエチルスルホン酸等が挙げられる。
糖類としては、例えば、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース等が挙げられる。
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル等が挙げられる。
無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
有機酸塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、酢酸トコフェロール、タウリン、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、グリシン等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジングルコン酸塩、ソルビン酸カリウム、塩酸ポリヘキサニド、パラベン、クロロブタノール等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、EDTA-2Na、トリヒドロキシメチルアミノメタン、ヘキサメタリン酸ソーダ等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等が挙げられる。さらに、リン酸緩衝液とは、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、及びこれらの水和物、また、塩酸、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる成分を含む緩衝液である。ホウ酸緩衝液とは、ホウ酸、ホウ砂、塩酸、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる成分を含む緩衝液である。
<コンタクトレンズ用溶液の製造方法>
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、必須成分である化合物Qと、必要に応じて水やその他の成分(添加剤)を混合して攪拌する、一般的なコンタクトレンズ用溶液の製造方法により製造することができる。製造する時に、添加したその他成分の溶解性に応じて加熱攪拌の工程を加えることができる。なお、得られたコンタクトレンズ用溶液は必要に応じて無菌ろ過等の操作を行ってもよい。
<コンタクトレンズ用溶液のpH>
本発明のコンタクトレンズ用溶液のpHは、コンタクトレンズ装着時装用感を向上させる観点から、好ましくは3~9、より好ましくは3~8、更に好ましくは4~8である。
なお、本明細書におけるコンタクトレンズ用溶液のpHは、第18改正日本薬局方 一般試験法 2.54 pH測定法に従って測定した値をいう。
<コンタクトレンズ用溶液の浸透圧及び浸透圧比>
本発明のコンタクトレンズ用溶液の浸透圧は、コンタクトレンズ装着時の装用感を向上させる観点から、好ましくは200~400mOsm、より好ましくは210~350mOsm、更に好ましくは220~340mOsmであり、浸透圧比は好ましくは0.7~1.4、より好ましくは0.8~1.3、更に好ましくは0.8~1.2である。
なお、本明細書におけるコンタクトレンズ用溶液の浸透圧は、第18改正日本薬局方 一般試験法 2.47 浸透圧測定法(オスモル濃度測定法)に従って測定した値をいい、浸透圧比は得られた浸透圧の値を0.9質量%生理食塩水の浸透圧の値(286mOsm)で除した値を指す。
<コンタクトレンズ用溶液の使用態様>
本発明のコンタクトレンズ用溶液の具体的な製品形態としては、例えば、コンタクトレンズ用出荷液、コンタクトレンズケア用品、コンタクトレンズ用消毒液、コンタクトレンズ用保存液、コンタクトレンズ用洗浄液、コンタクトレンズ用洗浄保存液、コンタクトレンズ用消毒洗浄保存液、及びコンタクトレンズ用装着液等が挙げられる。
コンタクトレンズ用出荷液として使用する場合は、コンタクトレンズを本発明のコンタクトレンズ用溶液に浸漬して密閉した後、加熱滅菌を行うことができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
[実施例1-1]
精製水約80gを量り、これにジラウリン酸ポリエチレングリコール(オキシエチレン基の平均付加モル数70)0.005g、塩化ナトリウム0.83g、リン酸二水素ナトリウム・二水和物0.053g、リン酸水素二ナトリウム・十二水和物0.599gを量りとり溶解させた。この後、これに全量100mLとなるように精製水を加えた。ろ過滅菌を行い、無菌の本発明のコンタクトレンズ用溶液(特に、コンタクトレンズ用出荷液)とした。得られたコンタクトレンズ用溶液について、後述するコンタクトレンズの親水性向上効果の評価及びコンタクトレンズの防汚性向上効果の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例1-2~実施例1-4及び比較例1-1~比較例1-4]
表1又は表2に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って調製し、無菌のコンタクトレンズ用溶液(特に、コンタクトレンズ用出荷液)とした。得られたコンタクトレンズ用溶液について、後述するコンタクトレンズの親水性向上効果の評価及びコンタクトレンズの防汚性向上効果の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例2-1~実施例2-4及び比較例2-1~比較例2-4]
表3及び表4に記載の処方例にて、本発明のコンタクトレンズ用溶液(特に、コンタクトレンズケア用品)を調製した。表3及び表4に示す種類及び量を使用したこと以外は実施例1-1と同様に、コンタクトレンズケア用品をそれぞれ調製した。これらのコンタクトレンズケア用品を用いて、後述するコンタクトレンズの親水性向上効果の評価及びコンタクトレンズの防汚性向上効果の評価を行った。結果を表3及び表4に示す。
<コンタクトレンズの親水性向上効果の検討>
実施例及び比較例において、コンタクトレンズの親水性評価は以下の手順に従って行った。なお、コンタクトレンズの親水性向上効果の検討には、Polymacon(非イオン性低含水素材)レンズを用いた。
(手順)
1)実施例又は比較例のコンタクトレンズ用溶液を用いた。
2)コンタクトレンズ1枚を15mL遠心チューブへと入れた。
3)2)の遠心チューブに生理食塩液10mLを加え、終夜振とうした。
4)生理食塩液を3)の遠心チューブから取り除き、1)のコンタクトレンズ用溶液10mLを該遠心チューブに加えた。
5)121℃、20分間の条件でオートクレーブ処理を4)の遠心チューブに行った。但し、実施例2-1~実施例2-4及び比較例2-1~比較例2-4ではこの操作は実施しなかった。
6)室温まで冷却後、コンタクトレンズを取り出し、レンズ表面の水膜が切れるまでの時間(BUT)をストップウォッチで計測した。BUTが10秒以上のものを「表面親水性に優れる」として表1に「〇」と、15秒以上のものを「表面親水性に特に優れる」として「◎」と、また10秒未満のものを「△」として表1~表4に記載した。
<コンタクトレンズの親水性向上効果の耐久性の評価>
(手順)
1)実施例又は比較例のコンタクトレンズ用溶液を用いた。
2)コンタクトレンズ1枚を15mL遠心チューブへと入れた。
3)2)の遠心チューブに生理食塩液10mLを加え、終夜振とうした。
4)生理食塩液を3)の遠心チューブから取り除き、1)のコンタクトレンズ用溶液10mLを該遠心チューブに加えた。
5)121℃、20分間の条件でオートクレーブ処理を4)の遠心チューブに行った。但し、実施例2-1~実施例2-4及び比較例2-1~比較例2-4ではこの操作は実施しなかった。
6)室温まで冷却後、コンタクトレンズを取り出し、さらに、該コンタクトレンズを2mLの生理食塩液に浸漬し、30分間振とう洗浄した。
7)残りの操作については<コンタクトレンズの親水性向上効果の検討>と同様に実施して、評価した。評価結果を表1~表4に示す。
<コンタクトレンズの防汚性向上効果の評価>
実施例及び比較例において、コンタクトレンズの防汚性評価は以下の手順に従って行った。なお、コンタクトレンズの防汚性向上効果の検討には、ACUVUEOASYS(登録商標)(Johnson and Johnson製)を用いた。
(手順)
人工眼脂の調製
1)以下に示す組成の混合脂質0.5gを、以下に示すリン酸・ホウ酸緩衝溶液100mLに混合した。
2)60℃でホモミキサーを用いて懸濁した。
3)1N塩酸でpH=7.0に調整した。
〇混合脂質の組成
オレイン酸 0.06g
リノレン酸 0.06g
パルミチン酸 0.06g
トリパルミチン酸 0.81g
セチルアルコール 0.20g
ミリスチン酸セチル 0.81g
コレステロール 0.08g
パルミチン酸コレステロール 0.08g
レシチン(卵由来) 2.83g
〇リン酸・ホウ酸緩衝液の組成
塩化ナトリウム 2.25g
リン酸二水素カリウム 1.25g
四ホウ酸ナトリウム・十水和物 5.65g
イオン交換水 全量を250mLとする
(評価)
1)実施例又は比較例のコンタクトレンズ用溶液を用いた。
2)コンタクトレンズ1枚を15mL遠心チューブへと入れた。
3)2)の遠心チューブに生理食塩液10mLを加え、終夜振とうした。
4)この後、生理食塩液を取り除き、1)のコンタクトレンズ用溶液10mLを3)の遠心チューブに加えた。
5)121℃、20分間の条件でオートクレーブ処理を行った。但し、実施例2-1~実施例2-4及び比較例2-1~比較例2-4ではこの操作は実施しなかった。
6)コンタクトレンズを室温まで冷却後、コンタクトレンズ1枚当たり4mLの人工眼脂に4時間浸漬した。
7)コンタクトレンズを取り出し、生理食塩液で軽くすすぎ、水気を取り除いた。
8)コンタクトレンズを抽出液(エタノール/ジエチルエーテル=1/1(v/v))3mLに浸漬した。
9)10分間超音波処理を行った。
10)抽出液中の脂質量をバニリン-リン酸法(参照;井薫、森山摩里、今安正樹、田中英成:コンタクトレンズに対する脂質付着性に関する研究、日コレ誌、37、58-61、1995)にて定量した。
得られた吸光度を検量線と照合することによりコンタクトレンズの脂質付着量を求めた。コンタクトレンズ用溶液として生理食塩液を用いて同様に試験を実施した際の脂質付着量を基準として、脂質付着抑制率を算出した。脂質付着抑制率が25%以上の場合、「付着抑制能がある」とし、脂質付着抑制率が50%以上の場合、「付着抑制能に特に優れる」とした。評価結果を表1~表4に示す。
<コンタクトレンズの防汚性向上効果の耐久性の評価>
(手順)
1)実施例又は比較例のコンタクトレンズ用溶液を用いた。
2)コンタクトレンズ1枚を15mL遠心チューブへと入れた。
3)2)の遠心チューブに生理食塩液10mLを加え、終夜振とうした。
4)この後、生理食塩液を取り除き、1)のコンタクトレンズ用溶液10mLを3)の遠心チューブに加えた。
5)121℃、20分間の条件でオートクレーブ処理を行った。但し、実施例2-1~実施例2-4及び比較例2-1~比較例2-4ではこの操作は実施しなかった。
6)コンタクトレンズを室温まで冷却後、コンタクトレンズを取り出し、さらに、該コンタクトレンズを2mLの生理食塩液に浸漬し、30分間振とう洗浄した
7)コンタクトレンズ1枚当たり4mLの人工眼脂に4時間浸漬した。
8)コンタクトレンズを取り出し、生理食塩液で軽くすすぎ、水気を取り除いた。
9)コンタクトレンズを抽出液(エタノール/ジエチルエーテル=1/1(v/v))3mLに浸漬した。
10)10分間超音波処理を行った。
11)抽出液中の脂質量をバニリン-リン酸法にて定量した。
得られた吸光度から、<コンタクトレンズの防汚性向上効果の評価>と同様に脂質付着抑制率を算出した。評価結果を表1~表4に示す。
<各評価の結果>
〇実施例1-1~1-4
コンタクトレンズの表面親水性は、特に優れているとの結果になった。さらに、耐久性のある表面親水性は、特に優れている又は優れているとの結果となった。
コンタクトレンズの防汚性は、付着抑制能に特に優れている又は優れているとの結果となった。さらに、耐久性のあるコンタクトレンズの防汚性は、同様に、付着抑制能に特に優れている又は優れているとの結果となった。
実施例1-1と実施例1-3の結果により、本発明のコンタクトレンズ用溶液の必須成分であるジラウリン酸ポリエチレングリコール(EO約70)はジラウリン酸ポリエチレングリコール(EO約150)よりも優れていることを確認した。
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズ用出荷液としても優れた効果が得られることを確認した。
〇実施例2-1~2-4
コンタクトレンズの表面親水性は、特に優れているとの結果になった。さらに、耐久性のある表面親水性は、特に優れている又は優れているとの結果となった。
コンタクトレンズの防汚性は、付着抑制能に特に優れているとの結果となった。さらに、耐久性のあるコンタクトレンズの防汚性は、同様に、付着抑制能に特に優れているとの結果となった。
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズケア用品としても優れた効果が得られることを確認した。
〇比較例1-1~1-4
比較例1-2に関し、不溶であったので、各評価をしていない。
比較例1-1、1-3及び1-4に関し、表面親水性、耐久性のある表面親水性、防汚性及び耐久性のある防汚性のいずれか1では効果を確認することができなかった。
〇比較例2-1~2-4
比較例2-2に関し、不溶であったので、各評価をしていない。
比較例2-1、2-3及び2-4に関し、耐久性のある表面親水性を有しておらず、かつ、防汚性及び耐久性のある防汚性を有していないことを確認した。
本発明のコンタクトレンズ用溶液は、コンタクトレンズ表面に対して簡便な処理で耐久性のある防汚性や親水性を付与することができ、コンタクトレンズ装用時に良好な装用感や視界を付与することができる。
コンタクトレンズに耐久性のある表面親水性及び防汚性を付与するコンタクトレンズ用溶液を提供することができる。

Claims (2)

  1. 下記式(a)で示す化合物Qを含有するコンタクトレンズ用溶液。
    [前記式(a)中、R及びRは、それぞれ炭素数4~15のアルキル基を示し、AはCOO又はOを示す。また、nは30~300を示す]
  2. 前記R及びRはそれぞれ炭素数11のアルキル基であり、前記AはCOOであり、かつ前記nは50~200である、請求項1に記載のコンタクトレンズ用溶液。
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