JP2024042520A - 蓄電デバイス、及び、蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

蓄電デバイス、及び、蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

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Tomonori Sato
陽三 内田
Yozo Uchida
強 江原
Tsuyoshi Ehara
詔一 土屋
Shoichi Tsuchiya
正孝 浅井
Masataka Asai
剛史 浅野
Takashi Asano
将大 内村
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Abstract

【課題】安価で気密性良好な蓄電デバイス、及び、安価で気密性良好な蓄電デバイスの製造方法を提供。【解決手段】電池1は、電極体10と、ラミネートフィルムからなり電極体を包囲する一対のケース部材21,22と、接続端部31と外部端子部32とこれらの間に位置する板状の被挟持部34を有するタブ電極端子30と、を備える。被挟持部は、第1側面粗化部33S1及び第2側面粗化部33S2を含み、熱可塑性絶縁性樹脂からなり、第1側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、ケース部材のタブ周囲部21ETP,21ETNに気密に熱溶着する第1側面樹脂体51S1,61S1、及び、第2側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、ケース部材のタブ周囲部21ETP,21ETNに気密に熱溶着する第2側面樹脂体51S2,61S2とをさらに備え、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体は、溶融樹脂MRを側方間隙STS1,STS2に注入し固化してなる。【選択図】図3

Description

本発明は、蓄電デバイス、及び、蓄電デバイスの製造方法に関する。
二次電池などの蓄電デバイスを製造するに当たり、ラミネートフィルムからなる一対のケース部材内に電極体を収容し、ケース部材の周囲部分同士をヒートシールすると共に、電極体の正極電位や負極電位をラミネートフィルム同士の接合部分からタブ電極端子により外部に取りだした、いわゆるラミネート型の蓄電デバイスが知られている。このようなラミネート型蓄電デバイスでは、ラミネートフィルムの内側面をなす熱融着性樹脂層と金属からなるタブ電極端子(金属端子)との接着性を高めるため、ラミネートフィルムとタブ電極端子との間に、マレイン酸変性などの変性処理により金属接着性とした金属接着性樹脂の層を表面に有する複層構造のタブ接着フィルムを介在させて、ラミネートフィルムとタブ接着フィルム及びタブフィルムとタブ電極端子とを気密に熱溶着することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
但し、タブ電極端子に金属接着性樹脂の層を気密に熱溶着しこれを維持するためには、タブ電極端子に熱溶着させる樹脂を金属接着性とするのみならず、リン酸クロム、クロム酸などを用いたクロメート処理層などの化成処理層をタブ電極端子表面に形成しておくことが求められる(例えば、特許文献2参照)ことが多い。
特開2022-95833号公報 特開2007-95654号公報
しかしながら、多量のタブ電極端子の表面に、前述のクロメート処理層などの化成処理層を形成する処理を安定に行うのは容易ではなく、コスト高になりやすい。加えて、ラミネートフィルムからなるケース部材を用いて、電極体を収容した蓄電デバイスでは、タブ電極板の側面部付近でのシールが十分でない場合が発生することがあった。特に、タブ電極板の厚みが厚い場合には、ケース部材のタブ周囲部とタブ電極板の両主面に金属接着性のタブフィルムをそれぞれ重ねた上でヒートシールを行っても、タブ電極板の側面部で気密性が十分でない場合が有った。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、安価で気密性良好な蓄電デバイス、及び、安価で気密性良好な蓄電デバイスの製造方法を提供するものである。
(1)上記課題を解決するための本発明の一態様は、集電部を有する電極体と、ラミネートフィルムからなり、前記電極体を包囲する一対の第1ケース部材及び第2ケース部材と、金属からなり、接続端部、外部端子部、及び、前記接続端部と外部端子部の間に位置する板状の被挟持部、を有し、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の収容部内で、前記接続端部が前記電極体の前記集電部に導通接続し、前記被挟持部が前記第1ケース部材と前記第2ケース部材の外周縁部同士の間に挟まれ、前記外部端子部が前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の外部に露出するタブ電極端子と、を備える蓄電デバイスであって、前記タブ電極端子の板状の前記被挟持部は、前記接続端部から前記外部端子部に向けて延出するタブ延出方向を囲むタブ周方向に全周に亘って帯状に粗化された環帯状粗化面の少なくとも一部を含み、前記第1ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第1タブ周囲部に対向し、タブ厚み方向に直交する第1被挟持主面と、前記第2ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第2タブ周囲部に対向し、前記第1被挟持主面に平行な第2被挟持主面と、前記第1被挟持主面と前記第2被挟持主面との間を結ぶ第1被挟持側面及び第2被挟持側面とを含み、前記第1被挟持主面、前記第2被挟持主面、前記第1被挟持側面、及び、前記第2被挟持側面の、前記タブ延出方向の少なくとも一部は、それぞれ、前記環帯状粗化面の一部をなす第1主面粗化部、第2主面粗化部、第1側面粗化部、及び、第2側面粗化部を含み、熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第1側面樹脂体と、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第2側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第2側面樹脂体と、をさらに備え前記第1側面樹脂体は、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂を、前記第1側面粗化部よりもタブ幅方向の外側に位置する、前記第1側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなり、前記第2側面樹脂体は、前記溶融樹脂を、前記第2側面粗化部よりも前記タブ幅方向の前記外側に位置する、前記第2側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなる蓄電デバイスである。
前述したように、化成処理層を形成するのはコスト高になりやすい。また、ラミネートフィルムからなるケース部材を用いて、電極体を収容した蓄電デバイスでは、タブ電極端子の被挟持部の2つの側面(第1被挟持側面及び第2被挟持側面)付近で気密性が十分でない場合があった。
これに対し、この蓄電デバイスでは、タブ電極端子の被挟持部のうち第1被挟持側面及び第2被挟持側面は第1側面粗化部及び第2側面粗化部を含んでいる。このため、タブ電極端子にクロメート処理層などの化成処理層を設けなくとも、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を、安定して第1側面粗化部及び第2側面粗化部に直接気密に熱溶着できる。これと共に、第1ケース部材の第1タブ周囲部及び第2ケース部材の第2タブ周囲部にも、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を気密に熱溶着できる。
このようにして、タブ電極端子の第1側面粗化部或いは第2側面粗化部よりもタブ幅方向の外側に位置する側方間隙に第1,第2側面樹脂体を設けているので、安価で、タブ電極端子の第1,第2被挟持側面付近でのシールを適切に保持した蓄電デバイスを得ることができる。
「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタなどが挙げられる。また電極体に電解液を含浸させて用いる蓄電デバイスのほか、固体電解質電池のように電解液を要しない蓄電デバイスを含まれる。
「電極体」としては、円柱型或いは扁平型の捲回型電極体、積層型電極体を挙げることができる。電極体の集電部は、捲回型電極体では、軸線方向の一方側に或いは一方側と他方側にそれぞれ設けられる。一方、積層型電極体では、積層方向に直交する方向のうち、適宜の方向に集電部を設けたものを採用できる。「蓄電デバイス」としては、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池や、リチウムイオンキャパシタ等のキャパシタなどが挙げられる。
「ケース部材」は、ラミネートフィルムからなる。第1ケース部材と第2ケース部材としては、両方に電極体を収容して包囲する収容凹部をそれぞれ設けたいわゆる両絞りタイプのケース部材も、一方のケース部材にのみ収容凹部を設け他方のケース部材は平板状としたいわゆる片絞りタイプのケース部材も含まれる。また、第1ケース部材と第2ケース部材には、各々独立したケース部材のほか、1枚或いは筒状のラミネートフィルムからなり、連結部を介して第1ケース部材と第2ケース部材とが相互に連結されており、連結部を折り曲げて対向させて用いる一対一体型のケース部材としてもよい。
また、ケース部材をなす「ラミネートフィルム」は、複数の樹脂フィルムを積層したフィルムである。ガスバリア性や耐湿性を向上させるべく、アルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を内層に配置した金属箔ラミネートフィルムを採用することもできる。中でも、コストや軽量性、変形容易性の観点から、アルミニウム箔を用いるのが好適である。
「タブ電極端子」は、接続する電極体の集電部の材質、電位等を考慮して選択すると良く、アルミニウム、銅、ニッケルメッキ銅などの金属からなり、接続端部と外部端子部とを有するほか、接続端部からタブ延出方向に延びて外部端子部に至る途中部分には、板状の被挟持部を有している。タブ電極端子は、矩形板状など、接続端部から外部端子部まで直線状に延びる,例えば直板状などの形態を採用し得るが、接続端部から外部端子部までに至る途中で屈曲していたり、幅寸法が変化していても良い。
「環帯状粗化面」は、熱可塑性絶縁性樹脂からなる樹脂フィルムや樹脂体などの樹脂材を直接気密に熱溶着できる粗化面である。例えば、粗化面の算術平均高さSaが0.1μm~30μmの粗化面を好適に採用できる。このような粗化面では、タブ電極端子の強度および導電性を損なわず、樹脂材が熱溶着する表面積を好適に増大させて良好に固着し気密性を保つことができる。粗化面の算術平均高さSaは、例えばレーザ顕微鏡による観察により測定することができる。レーザ顕微鏡としては、例えば、株式会社キーエンス製のVK-X1000を用いることができる。
また、「第1側面樹脂体」及び「第2側面樹脂体」をなす熱可塑性絶縁性樹脂は、溶融樹脂とすることができ、かつ、タブ電極端子の環帯状粗化面(その第1側面粗化部,第2側面粗化部)に直接気密に熱溶着可能な樹脂であれば良く、金属接着性を有していても、金属接着性を有しなくても良い。金属接着性を有する熱可塑性絶縁性樹脂としては、無水マレイン酸変性等の酸変性、樹脂に対する官能基導入などの変性処理を行って、金属接着性を付与した金属接着性ポリエチレン(PE)や金属接着性ポリプロピレン(PP)など金属接着性ポリオレフィンが挙げられる。一方、金属接着性を有しない熱可塑性絶縁性樹脂としては、熱可塑性かつ絶縁性で、酸変性や官能基導入などの変性処理を行っていない無変性の樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、無変性のポリエチレン(PE)や無変性のポリプロピレン(PP)など無変性のポリオレフィン、無変性のポリエチレンテレフタラート(PET)など無変性のポリエステル、無変性のポリスチレン、無変性のポリ塩化ビニル(PVC)などが挙げられる。
なお、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体をなす溶融樹脂とする熱可塑性絶縁性樹脂は、融点が120~200℃の樹脂とするのが好ましい。第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体をなす熱可塑性絶縁性樹脂の融点を120℃以上とすることで、蓄電デバイスの通常使用状態では、軟化せずに安定にタブ電極端子を保持しつつケース部材のタブ周囲部に保持されることができる。一方、熱可塑性絶縁性樹脂の融点を200℃以下とすることで、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体の形成のために溶融した樹脂を注入するにあたり、高温を必要とせず、容易に第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を形成することができる。
(2)(1)に記載の蓄電デバイスであって、前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体は、無変性の熱可塑性絶縁性樹脂からなる蓄電デバイスをすると良い。
この蓄電デバイスでは、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体をなす熱可塑性絶縁性樹脂を、無変性の熱可塑性絶縁性樹脂としている。このため、比較的高価な、マレイン酸変性などの変性を施した金属接着性を有する熱可塑性絶縁性樹脂を用いた場合に比して、安価な蓄電デバイスとすることができる。
(3)(1)又は(2)に記載の蓄電デバイスであって、前記第1主面粗化部と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着し、前記第2主面粗化部と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着してなる蓄電デバイスとすると良い。
この蓄電デバイスでは、タブ電極端子の被挟持部に第1主面粗化部や第2主面粗化部を有しているので、タブ電極端子に化成処理層を設けなくとも、第1主面粗化部に第1ケース部材の第1タブ周囲部を、及び、第2主面粗化部に第2ケース部材の第2タブ周囲部を、安定して直接気密に熱溶着でき、さらに形成容易且つ簡易な構成で安価な蓄電デバイスとなる。
或いは(1)又は(2)に記載の蓄電デバイスであって、前記第1被挟持主面と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とは、前記第1被挟持主面の前記第1主面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1タブ周囲部に気密に熱溶着する第1主面樹脂体を介して気密に熱溶着し、前記第2被挟持主面と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とは、前記第2被挟持主面の前記第2主面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第2主面樹脂体を介して気密に熱溶着してなり、前記第1主面樹脂体及び前記第2主面樹脂体は、それぞれ、前記第1側面樹脂体及び前記第2主面樹脂体とも気密に熱溶着してなる蓄電デバイスとすると良い。
この蓄電デバイスでは、タブ電極端子に化成処理層を設けなくとも、第1主面粗化部に第1主面樹脂体を、また、第2主面粗化部に第2タブ周囲部を、安定して直接気密に熱溶着できる。かくして、第1主面樹脂体及び第2主面樹脂体を有しながらも、形成容易で安価な蓄電デバイスとなる。
なお、第1主面樹脂体及び第2主面樹脂体に用いる樹脂は、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体に用いた樹脂と同じとしても異なる樹脂としても良い。
なお、この蓄電デバイスの製造に当たっては、第1主面樹脂体及び第2主面樹脂体とする樹脂フィルムや樹脂板を、タブ電極端子の第1,第2挟持主面(第1,第2主面粗化部)と第1,第2ケース部材の第1,第2タブ周囲部との間に介在させて熱圧着し、それぞれと熱溶着する手法が採用できる。また、予め、第1主面樹脂体及び第2主面樹脂体とする樹脂フィルムや樹脂板を第1,第2主面粗化部に直接気密に熱溶着しておき、タブ電極端子を電極体に接続した後、第1,第2ケース部材の第1,第2タブ周囲部を第1,第2主面樹脂体に気密に熱溶着する手法も採用できる。逆に、第1主面樹脂体及び第2主面樹脂体とする樹脂フィルムや樹脂板を、予め第1,第2ケース部材の第1,第2タブ周囲部に気密に熱溶着しておき、タブ電極端子を電極体に接続した後、第1,第2ケース部材の第1,第2タブ周囲部に形成した第1,第2主面樹脂体を、タブ電極端子の第1,第2主面粗化部に直接気密に熱溶着する手法も採用できる。
(5)(4)に記載の蓄電デバイスであって、前記第1主面樹脂体及び前記第2主面樹脂体は、無変性の熱可塑性絶縁性樹脂からなる蓄電デバイスとすると良い。
この蓄電デバイスでは、第1主面樹脂体及び第2主面樹脂体に、安価な無変性の熱可塑性絶縁性樹脂を用いるので、さらに安価な蓄電デバイスとなる。
(6)さらに(1)~(5)のいずれかに記載の蓄電デバイスであって、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、前記外周縁部のうち、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、直接、気密に熱溶着してなる直接溶着部をさらに備える蓄電デバイスとすると良い。
この蓄電デバイスでは、ラミネートフィルムからなる第1ケース部材及び第2ケース部材の互いに対向する周縁対向部同士を、直接、気密に熱溶着して直接溶着部としているので、容易且つ安価にケースを形成することができる。
(7)或いは(1)~(5)のいずれかに記載の蓄電デバイスであって、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、前記外周縁部のうち、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体と気密に一体化した樹脂介在体を介して気密に熱溶着してなる樹脂介在部をさらに備える蓄電デバイス。
この蓄電デバイスでは、第1ケース部材及び第2ケース部材の外周縁部のうち、タブ周囲部以外で互いに対向する周縁対向部同士を、直接熱溶着しないで、樹脂介在体を介して気密に熱溶着している。このため、周縁対向部同士を直接熱溶着する場合に比して、樹脂介在体を介して対向する周縁対向部同士の間を確実に気密に接続できる。加えて、樹脂介在体は、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体とも気密に一体化しているので、樹脂介在体と第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体との間も、確実に気密を保つことができる。
(8)他の解決手段は、集電部を有する電極体と、ラミネートフィルムからなり、前記電極体を包囲する一対の第1ケース部材及び第2ケース部材と、金属からなり、接続端部、外部端子部、及び、前記接続端部と外部端子部の間に位置する板状の被挟持部、を有し、前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の収容部内で、前記接続端部が前記電極体の前記集電部に導通接続し、前記被挟持部が前記第1ケース部材と前記第2ケース部材の外周縁部同士の間に挟まれ、前記外部端子部が前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の外部に露出するタブ電極端子と、を備える蓄電デバイスであって、前記タブ電極端子の板状の前記被挟持部は、前記接続端部から前記外部端子部に向けて延出するタブ延出方向を囲むタブ周方向に全周に亘って帯状に粗化された環帯状粗化面の少なくとも一部を含み、前記第1ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第1タブ周囲部に対向し、タブ厚み方向に直交する第1被挟持主面と、前記第2ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第2タブ周囲部に対向し、前記第1被挟持主面に平行な第2被挟持主面と、前記第1被挟持主面と前記第2被挟持主面との間を結ぶ第1被挟持側面及び第2被挟持側面とを含み、前記第1被挟持主面、前記第2被挟持主面、前記第1被挟持側面、及び、前記第2被挟持側面の、前記タブ延出方向の少なくとも一部は、それぞれ、前記環帯状粗化面の一部をなす第1主面粗化部、第2主面粗化部、第1側面粗化部、及び、第2側面粗化部を含み、熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第1側面樹脂体と、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第2側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第2側面樹脂体と、をさらに備え、前記第1側面樹脂体は、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂を、前記第1側面粗化部よりもタブ幅方向の外側に位置する、前記第1側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなり、前記第2側面樹脂体は、前記溶融樹脂を、前記第2側面粗化部よりも前記タブ幅方向の前記外側に位置する、前記第2側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなる蓄電デバイスの製造方法であって、前記電極体の前記集電部に、前記タブ電極端子の前記接続端部を接続する接続工程と、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部及び前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に対し、前記タブ電極端子の前記被挟持部が前記タブ電極端子のタブ厚み方向に重なり、前記タブ電極端子が前記第1タブ周囲部と前記第2タブ周囲部との間を通じて前記タブ延出方向に延びる姿勢に、前記電極体を前記収容部内に収容する収容工程と、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂を、前記第1側面粗化部よりもタブ幅方向の外側に位置する、前記第1側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化して、前記第1側面樹脂体を形成すると共に、前記溶融樹脂を、前記第2側面粗化部よりも前記タブ幅方向の前記外側に位置する、前記第2側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化して、前記第2側面樹脂体を形成する側面樹脂体形成工程と、を備える蓄電デバイスの製造方法である。
この蓄電デバイスの製造方法では、側面樹脂体形成工程において、熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂を側方間隙に注入し固化して、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を形成する。このため、タブ電極端子にクロメート処理層などの化成処理層を設けなくとも、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を、第1側面粗化部及び第2側面粗化部に安定して直接気密に熱溶着できる。かくして、第1側面粗化部と第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部との間を、及び、第2側面粗化部と第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部との間を、確実に気密に封止した安価な蓄電デバイスを製造できる。特に、溶融樹脂を注入して、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を形成するので、タブ電極端子の厚みが厚い場合にも、タブ電極端子の側面部分(第1側面粗化部,第2側面粗化部)におけるシールを確実に行うことができる。
(9)(8)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記第1主面粗化部と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着し、前記第2主面粗化部と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着してなり、前記収容工程の後、前記側面樹脂体形成工程の前に、前記第1主面粗化部と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とを、直接気密に熱溶着すると共に、前記第2主面粗化部と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とを、直接気密に熱溶着する主面熱溶着工程を備える蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
この製造方法では、タブ電極端子にクロメート処理層などの化成処理層を設けなくとも、第1ケース部材の第1タブ周囲部を第1主面粗化部に、また、第2ケース部材の第2タブ周囲部を第2主面粗化部に、安定して直接気密に接合でき、蓄電デバイスをさらに安価で容易に製造することができる。
(10)さらに(8)又は(9)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、前記外周縁部のうち、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、直接、気密に熱溶着してなる直接溶着部をさらに備え、前記収容工程の後、前記側面樹脂体形成工程の前に、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の、互いに対向する前記周縁対向部同士を、直接、気密に熱溶着して、前記直接溶着部を形成する直接溶着部形成工程をさらに備える蓄電デバイスの製造方法とすると良い。
この製造方法では、収容工程の後で側面樹脂体形成工程に先立つ直接溶着部形成工程で、周縁対向部同士を熱溶着して直接溶着部を形成する。これにより、側面樹脂体形成工程の前に、周縁対向部同士が直接溶着部となって互いに固定されるので、外周縁部のうち残るタブ周囲部も概ね固定される。このため、側面樹脂体形成工程における側方間隙への溶融樹脂注入の際に、タブ周囲部の位置ずれや変形が生じるのを抑制して、容易に溶融樹脂を注入することができる。
(11)或いは(8)又は(9)に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の前記外周縁部は、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体と気密に一体化した樹脂介在体を介して気密に熱溶着してなる樹脂介在部をさらに備え、前記側面樹脂体形成工程は、前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体の形成に並行してまたは相前後して、予め定めた大きさの対向部間隙をなして保持した前記周縁対向部同士の前記対向部間隙に、前記溶融樹脂を注入して、前記周縁対向部同士間に介在すると共に、前記周縁対向部にそれぞれ気密に熱溶着した前記樹脂介在体をも形成する側面樹脂体介在体形成工程である蓄電デバイスとすると良い。
この製造方法では、側面樹脂体介在体形成工程で、側方間隙のみならず、対向部間隙をなして保持した周縁対向部同士の対向部間隙にも、溶融樹脂を注入して、周縁対向部同士間に介在すると共に、周縁対向部にそれぞれ気密に熱溶着し、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体とも気密に一体化した樹脂介在体を形成する。このため、第1側面樹脂体、第2側面樹脂体及び樹脂介在体を有する蓄電デバイスを容易に形成できる。
なお、側面樹脂体介在体形成工程では、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体のほか、これと気密に一体化した樹脂介在体を形成するに当たって、第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を形成するのと樹脂介在体を形成するのを並行して同時期に行うほか、先に第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を形成し、その後に樹脂介在体を第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体と気密に一体化させつつ形成しても良い。これとは逆に、先に樹脂介在体を形成しその後に第1側面樹脂体及び第2側面樹脂体を樹脂介在体と気密に一体化させつつ形成しても良い。
また、側面樹脂体介在体形成工程は、周縁対向部同士の間隙の全域に亘って樹脂介在体を形成する場合のほか、ケース内に電解液を注液するなどの以降の工程を可能とするべく、周縁対向部同士の間隙のうち所定の一部には樹脂介在体を形成しない場合も含む。この場合には、電解液の注液が完了した後に、上述の所定の一部に樹脂を注入して封止する。
実施形態に係る電池の外観を示す斜視図である。 実施形態及び変形形態1に係る電池の縦断面図である。 実施形態に係る電池のうち、タブ電極端子の引き出し部分の構造を示し、図1におけるA-A’矢視及びB-B’矢視断面図である。 実施形態及び変形形態1,2に係り、粗化済みのタブ電極端子の斜視図である。 実施形態および変形形態1,2に係り、タブ電極端子の製造及び電池の製造手順を示すフローチャートである。 実施形態及び変形形態1,2に係り、タブ電極端子を接続した電極体の平面図である。 実施形態及び変形形態1,2に係り、電極体を第1ケース部材と第2ケース部材との間に収容する様子を示す説明図である。 変形形態1に係る電池のうち、タブ電極端子の引き出し部分の構造を示す断面図である。 変形形態2に係る電池のうち、タブ電極端子の引き出し部分の構造を示す断面図である。
以下、開示される技術の好適な実施形態等を適宜図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここに開示される技術は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態に係る電池(蓄電デバイス)1の外観を示す斜視図を、図2に本実施形態に係る電池(蓄電デバイス)1の電池幅方向BH及び電池厚み方向CHの縦断面図を示す。この電池1は、例えば、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両やドローン、各種機器に搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池である。
この電池1は、ケース20と、このケース20の収容部20S内に収容され包囲された電極体10と、電極体10の正極集電部12に接続されケース20の正極周囲部20Pを通じて外部に延出するタブ正極端子30と、負極集電部13に接続されケース20の負極周囲部20Nを通じて外部に延出するタブ負極端子40と、正極周囲部20Pとタブ正極端子30との間に及び負極周囲部20Nとタブ負極端子40との間に介在する第1側面樹脂体51S1,61S1及び第2側面樹脂体51S2,61S2と、を備えている。
このうちケース20は、ラミネートフィルムからなる第1ケース部材21及び第2ケース部材22(以下、これらを併せてケース部材21,22ともいう)の外周縁部21E,22Eを、互いに熱溶着してなる(図1~図3,図7参照)。具体的には、各々のケース部材21,22は、アルミニウム箔の内外にそれぞれ樹脂層を積層した金属箔ラミネートフィルムからなり、予め行ったプレス加工により、外周縁部21E,22Eに囲まれた平面方向の中央部分には、電極体10を収容する収容部20Sを構成する矩形凹状の収容凹部21S,22Sが設けられている。また、収容凹部21S,22Sの周囲を囲む外周縁部21E,22Eには、正極周囲部20Pを構成する正極タブ周囲部21ETP,22ETP、及び、負極周囲部20Nを構成する負極タブ周囲部21ETN,22ETNが、収容凹部21S,22Sから外側(図1,図2,図7において左右方向)に向けて延びる溝状に設けられている。この正極タブ周囲部21ETP,22ETPは、溝の底部をなす平坦な平坦部21ETPP,22ETPPのほか、溝の側部をなし正極幅方向WH1の外側WHO1の両端部分に位置して30~70度(本実施形態では概ね45度)の傾きで斜めに延びる斜面部21ETPS,22ETPSとを有する。また同様に、負極タブ周囲部21ETN,22ETNも、平坦部21ETNP,22ETNPと斜面部21ETNS,22ETNSとを有する。
ケース部材21,22をなす多層構造の金属箔ラミネートフィルムのうち、互いに対向させる対向層21IL,22ILは、互いに熱溶着可能な比較的低融点(融点が120~200℃、本実施形態では160℃)で絶縁性を有する金属接着性を有しない無変性のポリプロピレンで構成されている。このため、ケース部材21,22の外周縁部21E,22Eのうち、正極タブ周囲部21ETP,22ETP及び負極タブ周囲部21ETN,22ETN以外の、周縁対向部21EM,22EM同士は、それらの対向層21IL,22ILを溶融させて相互に熱溶着させることにより、直接に、気密に且つ容易に熱溶着でき、直接溶着部20DMをなしている。
但し、対向層21IL,22ILは,前述の金属接着性を有しないポリプロピレンからなるので、ケース部材21,22(具体的には、正極タブ周囲部21ETP,22ETP及び負極タブ周囲部21ETN,22ETN)を、対向層21IL,22ILを介して無加工(具体的には粗化面33等を形成していない)の金属板などに熱溶着のみで気密に接合することは難しい。
電極体10は、公知の電池における電極体を採用でき、特に限定されない。本実施形態では、電極体10(図2,図7参照)は、多数の矩形板状の正極板15と負極板16とがセパレータ17を介して交互に積層された電極体本体部11と、正極板15の正極箔リード部15Lが重なった正極集電部12と、負極板16の負極箔リード部16Lが重なった負極集電部13と有するいわゆる積層型の電極体である。電極体10を収容したケース20の収容部20S内には、電極体10に含浸させた電解液19を含む。なお、電極体10として、帯状の正極板と帯状の負極板とを帯状のセパレータを介して捲回した、いわゆる捲回型の電極体を用いても良く、更には扁平状捲回型の電極体を用いることもできる。また、電解液19に代えて固体電解質を用いる固体電解質型電極体を用いることもできる。
タブ正極端子30(図4参照)は、アルミニウムからなる矩形板状である。タブ正極端子30は、一方側(図4において右上側)に位置する正極接続端部31と、他方側(図4において左下側)に位置する正極外部端子部32とを有している。加えて、正極接続端部31から正極外部端子部32に向かう正極延出方向EH1(図4において左下方向)の途中において、正極延出方向EH1を囲む正極周方向RH1に全周に亘る環状に、具体的には正極周方向RH1に連なる4面に亘る環状に、かつ、帯状に粗化された粗化面(環帯状粗化面)33(図2,図7では太線で示す)を有している。この粗化面33は、図4において上方を向く第1主面粗化部33M1、下方を向く第2主面粗化部33M2、右方を向く第1側面粗化部33S1、及び、左方を向く第2側面粗化部33S2の4面を有している。
この粗化面33は、粗面化処理により凹凸を形成し表面粗度を未処理の他の部位(正極接続端部31,正極外部端子部32)よりも高めている。このため、粗化面33には、金属接着性を有しない無変性の熱可塑性絶縁性樹脂(本実施形態1では具体的には、無変性のポリプロピレン)からなるケース部材21,22の対向層21IL,22ILや、溶融樹脂MRを接触させて後述する第1側面樹脂体51S1或いは第2側面樹脂体51S2(以下、これらをまとめて側面樹脂体51S1,51S2ともいう。)をも直接気密に熱溶着できる。粗化面33の算術平均高さSaは、特に限定されるものではないが、0.1μm以上30μm以下とするのが好ましい。この範囲であれば、タブ正極端子30の強度や導電性を損なわず、熱溶着する表面積を好適に増大させて、強固かつ気密に対向層21IL,22ILや側面樹脂体51S1,51S2となる溶融樹脂MRを粗化面33に熱溶着することができる。なお、本実施形態では、具体的には、算術平均高さSa=1.0μm程度としている。
タブ正極端子30の正極接続端部31は、電極体10のうち、アルミニウム箔からなる多数の正極箔リード部15Lが重なる正極集電部12に超音波溶接によって接続されている。また、正極外部端子部32は、ケース20(ケース部材21,22)の外部(図1,図2において右側の外部)に露出している。また、環帯状の粗化面33のうち、図4において破線で示す正極延出方向EH1の一部は、環帯状の被挟持部34をなしている。この被挟持部34は、後述するように、ケース部材21,22の対向層21IL,22ILに挟まれると共に、側面樹脂体51S1,51S2をなす溶融樹脂MRを熱溶着させる領域である(図2,図3参照)。この被挟持部34は、図4において上方を向く第1被挟持主面34M1、下方を向く第2被挟持主面34M2、右方を向く第1被挟持側面34S1、及び、左方を向く第2被挟持側面34S2の4面を有している。
なお、本実施形態では、上述のように、帯状の粗化面33の幅方向(正極延出方向EH1に一致する)の一部のみを含む幅狭の帯状領域を被挟持部34とし、この被挟持部34を覆うように帯状の粗化面33より幅狭の帯状に対向層21IL,22ILを被着したり、側面樹脂体51S1,51S2を溶着する。しかし、帯状の粗化面33の幅方向全部を含む幅広の帯状領域を被挟持部34とし、この被挟持部34上に帯状の粗化面33より幅広の帯状に対向層21IL,22ILを被着したり側面樹脂体51S1,51S2を溶着しても良い。また、帯状の粗化面33の幅方向の一部を被挟持部34の一部が含むように帯状の被挟持部34を設定し、この被挟持部34上に帯状に対向層21IL,22ILを被着したり側面樹脂体51S1,51S2を溶着しても良い。後述するタブ負極端子40の被挟持部44に、対向層21IL,22ILを被着したり第1側面樹脂体61S1及び第2側面樹脂体61S2を溶着する場合も同様にすることができる。
そして、この側面樹脂体51S1等をなす樹脂は、後述するように、ケース20の正極周囲部20P(ケース部材21,22の正極タブ周囲部21ETP,22ETP)にも気密に熱溶着しているので、タブ正極端子30は、直接及び側面樹脂体51S1,51S2を介してケース20の正極周囲部20Pに気密に保持されている。
一方、タブ負極端子40(図4参照)は、ニッケルメッキ銅からなる矩形板状である。このタブ負極端子40は、上述のタブ正極端子30と同様、一方側(図4において右上側)に位置する負極接続端部41と、他方側(図4において左下側)に位置する負極外部端子部42とを有している。加えて、負極接続端部41から負極外部端子部42に向かう負極延出方向EH2(図4において左下方向)の途中において、負極延出方向EH2を囲む負極周方向RH2に全周に亘る環状に、具体的には負極周方向RH2に連なる4面に亘る環状に、かつ、帯状に粗化された粗化面(環帯状粗化面)43(図2,図7では太線で示す)を有している。この粗化面43も、図4において上方を向く第1主面粗化部43M1、下方を向く第2主面粗化部43M2、右方を向く第1側面粗化部43S1、及び、左方を向く第2側面粗化部43S2の4面を有している。
この粗化面43も、前述の粗化面33と同じく、粗面化処理により凹凸を形成し表面粗度を未処理の他の部位(負極接続端部41,負極外部端子部42)よりも高めている。このため、粗化面43には、金属接着性を有しない無変性のポリプロピレンからなるケース部材21,22の対向層21IL,22ILや、溶融樹脂MRを接触させて後述する第1側面樹脂体61S1或いは第2側面樹脂体61S2(以下、これらをまとめて側面樹脂体61S1,61S2ともいう。)をも直接気密に熱溶着できる。この粗化面43の算術平均高さSaも、特に限定されるものではないが、0.1μm以上30μm以下とするのが好ましい。この範囲であれば、タブ負極端子40の強度や導電性を損なわず、熱溶着する表面積を好適に増大させて、強固かつ気密に対向層21IL,22ILや側面樹脂体61S1,61S2となる溶融樹脂MRを粗化面43に熱溶着することができる。なお、本実施形態では、具体的には、算術平均高さSa=1.0μm程度としている。
タブ負極端子40の負極接続端部41は、電極体10のうち、銅箔からなる多数の負極箔リード部16Lが重なる負極集電部13に超音波溶接によって接続されている。また、負極外部端子部42は、ケース20(ケース部材21,22)の外部(図1,図2において左側の外部)に露出している。また、環帯状の粗化面43のうち、図4において破線で示す負極延出方向EH2の一部は、環帯状の被挟持部44をなしている。この被挟持部44は、は、ケース部材21,22の対向層21IL,22ILに挟まれると共に、側面樹脂体61S1,61S2をなす溶融樹脂MRを熱溶着させる領域である(図2,図3参照)。この被挟持部44は、図4において上方を向く第1被挟持主面44M1、下方を向く第2被挟持主面44M2、右方を向く第1被挟持側面44S1、及び、左方を向く第2被挟持側面44S2の4面を有している。
そして、この側面樹脂体61S1等をなす樹脂は、後述するように、ケース20の負極周囲部20N(ケース部材21,22の負極タブ周囲部21ETN,22ETN)にも気密に熱溶着しているので、タブ負極端子40は、直接及び側面樹脂体61S1,61S2を介してケース20の負極周囲部20Nに気密に保持されている。
なお、第1側面樹脂体51S1,61S1及び第2側面樹脂体51S2,61S2(以下、これらをまとめて第1側面樹脂体51S1等ともいう。)は、複層構造を有する前述のタブ接着フィルムとは異なり、単一の樹脂材からなり、熱溶着可能で絶縁性を有するが金属接着性を有しない無変性のポリプロピレンで構成されている。これら第1側面樹脂体51S1等に用いるポリプロピレンの融点は、120~160℃とすると良い。なお、前述のケース部材21,22をなすラミネートフィルムの対向層21IL,22ILに用いているポリプロピレンの融点と、第1側面樹脂体51S1等に用いるポリプロピレンの融点とは,概ね等しくすると良く、本実施形態では、融点160℃のポリプロピレンを用いている。
この第1側面樹脂体51S1等は、次述するように、タブ正極端子30及びタブ負極端子40の被挟持部34,44の第1被挟持側面34S1,44S1及び第2被挟持側面34S2,44S2と、ケース部材21,22の正極タブ周囲部21ETP,22ETPの斜面部21ETPS,22ETPS或いは負極タブ周囲部21ETN,22ETNの斜面部21ETNS,22ETNSとの間に溶融樹脂MRを注入して形成してなる。
以上から理解出来るように、タブ正極端子30の被挟持部34は、ケース部材21,22の外周縁部21E,22Eのうち正極タブ周囲部21ETP,22ETPによって保持される(図1~図3参照)。即ち、タブ正極端子30の被挟持部34の2つの主面をなす第1被挟持主面34M1及び第2被挟持主面34M2は、ケース部材21,22の正極タブ周囲部21ETP,22ETPの平坦部21ETPP,22ETPPにそれぞれ直接気密に熱溶着している。また、被挟持部34のうち2つの側面をなす第1被挟持側面34S1及び第2被挟持側面34S2、及び、ケース部材21,22の正極タブ周囲部21ETP,22ETPのうち斜面部21ETPS,22ETPSには、これらの間に介在する第1側面樹脂体51S1及び第2側面樹脂体51S2がそれぞれ気密に熱溶着している。なお、本実施形態では、被挟持部34の全体が粗化面33となっている(図4参照)ので、平坦部21ETPP,22ETPPにおいて、無変性のポリプロピレンからなる対向層21IL,22ILを、タブ正極端子30の第1被挟持主面34M1及び第2被挟持主面34M2に直接気密に熱溶着できる。また、被挟持側面34S1,34S2には側面樹脂体51S1,51S2がそれぞれ直接気密に熱溶着している。
同様に、タブ負極端子40の被挟持部44は、ケース部材21,22の外周縁部21E,22Eのうち負極タブ周囲部21ETN,22ETNによって保持される(図1~図3参照)。即ち、タブ負極端子40の被挟持部44の2つの被挟持主面44M1,44M2は、ケース部材21,22の負極タブ周囲部21ETN,22ETNの平坦部21ETNP,22ETNPにそれぞれ直接気密に熱溶着している。また、被挟持部44の2つの被挟持側面44S1,44S2、及び、ケース部材21,22の負極タブ周囲部21ETN,22ETNの斜面部21ETNS,22ETNSには、これらの間に介在する側面樹脂体61S1,61S2がそれぞれ気密に熱溶着している。なお、被挟持部44もその全体が粗化面43となっている(図4参照)ので、平坦部21ETNP,22ETNPにおいて、対向層21IL,22ILを、タブ負極端子40の被挟持主面44M1,44M2に直接気密に熱溶着できる。また、被挟持側面44S1,44S2には側面樹脂体51S1,51S2がそれぞれ直接気密に熱溶着している。
本実施形態の電池1では、第1被挟持側面34S1及び第2被挟持側面34S2に第1側面粗化部33S1及び第2側面粗化部33S2を含んでいる。このため、タブ正極端子30にクロメート処理層などを設けなくとも、側面樹脂体51S1,51S2を、安定して第1,第2側面粗化部33S1,43S2に直接気密に熱溶着できる。また、正極タブ周囲部21ETP,22ETPにも、側面樹脂体51S1,51S2を気密に熱溶着できる。
このように、タブ正極端子30の第1,第2側面粗化部33S1,33S2よりも正極幅方向WH1の外側WHO1に位置する側方間隙STS1,STS2に側面樹脂体51S1,51S2を設けているので、安価で、タブ正極端子30の第1,第2被挟持側面34S1,34S2付近でのシールを適切に保持した電池1を得ることができる。
同様に、タブ負極端子40にクロメート処理層などを設けなくとも、側面樹脂体61S1,61S2を、安定して第1,第2側面粗化部43S1,43S2に直接気密に熱溶着できる。そして、タブ負極端子40の第1,第2側面粗化部43S1,43S2よりも負極幅方向WH2の外側WHO2に位置する側方間隙STS1,STS2に側面樹脂体61S1,61S2を設けているので、安価で、タブ負極端子40の第1,第2被挟持側面44S1,44S2付近でもシールを適切に保持した電池1を得ることができる。
しかも、側面樹脂体51S1等は、安価な無変性のポリプロピレンからなるので、さらに安価な電池1となる。
なお、この電池1では、第1側面樹脂体51S1等をなすポリプロピレンの融点を120℃以上の160℃としているので、電池1の使用状態では、軟化せずに安定にタブ正極端子30及びタブ負極端子40の第1,第2被挟持側面34S1,34S2,44S1,44S2付近でのシールを適切に保持することができる。一方、ポリプロピレンの融点を160℃以下としているので、第1側面樹脂体51S1等を形成するべく溶融樹脂MRを注入するに当たり、高温を必要とせず、容易に第1側面樹脂体51S1等を形成することができる。
また、本実施形態の電池1では、図1~図3に示すように、第1主面粗化部33M1及び第2主面粗化部33M2を有している。このため、タブ正極端子30及びタブ負極端子40に化成処理層を設けなくとも、第1主面粗化部33M1,34M1と第1ケース部材21の平坦部21ETPP,21ETNPとは、安定して直接気密に熱溶着できる。また、第2主面粗化部33M2,43M2と第2ケース部材22の平坦部22ETPP,22ETNPとも、安定して直接気密に熱溶着できる。かくして、さらに形成容易且つ簡易な構成で安価な電池1となる。
またこの電池1では、従来と同様、ケース部材21,22の互いに対向する周縁対向部21EM,22EM同士を、直接、気密に熱溶着して直接溶着部20DMとしているので、容易且つ安価にケース20を形成することができる(図1,図3参照)。
次に、本実施形態の電池1の製造に用いる粗化済みのタブ正極端子30及びタブ負極端子40、及び、電池1の製造方法について、図4~図7を参照して説明する。先ず、未粗化タブ正極端子30BRを用意し、粗化工程S1において、正極延出方向EH1の途中部分の表面に、公知の粗化処理を施し、正極周方向RH1の全周に亘り、粗化面33を形成する(図4参照)。同様に、未粗化タブ負極端子40BRを用意し、粗化工程S1により、粗化面43を形成する。粗化面33,43の算術平均高さSaを、0.1~30μmの範囲内,具体的には0.1μmとした。粗化手法としては、レーザ照射、エッチング処理、メッキ処理(例、粗化ニッケルメッキ、粗化銅メッキ、粗化銀メッキ等)、フレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理、表面研磨等の公知の手法を採用できるが、本実施形態では、特開2022-28587号公報と同様のレーザ照射処理を行った(後述する変形形態1,2も同様)。
上述のタブ正極端子30及びタブ負極端子40(図4参照)のほか、公知の手法で製造した電極体10及び一対のケース部材21,22を用意する(図6、図7参照)。そして、接続工程S11で、タブ正極端子30の正極接続端部31を電極体10の正極集電部12に超音波溶接で接続する。同様に、タブ負極端子40の負極接続端部41を電極体10の負極集電部13に超音波溶接で接続する。
続く収容工程S12では、電極体10を一対のケース部材21,22内に収容する。具体的には、ケース部材21,22に設けておいた収容凹部21S,22Sの間に電極体10の電極体本体部11を位置させ、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EM同士を近接させる。これと共に、ケース部材21,22の各々の正極タブ周囲部21ETP,22ETPに対して、タブ正極端子30の粗化面33がタブ正極端子30の正極厚み方向TH1(図3,図7において上下方向)に重なり、タブ正極端子30が正極タブ周囲部21ETP,22ETP同士の間を通じて正極延出方向EH1(図7において右方)に延び、しかも、タブ正極端子30の粗化面33の主面粗化部33M1,33M2が正極タブ周囲部21ETP,22ETPの平坦部21ETPP,22ETPPに近接或いは当接する姿勢となるように、ケース部材21,22内に電極体10を収容する。加えて、ケース部材21,22の各々の負極タブ周囲部21ETN,22ETNに対して、タブ負極端子40の粗化面43がタブ負極端子40の負極厚み方向TH2(図3,図7において上下方向)に重なり、タブ負極端子40が負極タブ周囲部21ETN,22ETN同士の間を通じて負極延出方向EH2(図7において左方)に延び、しかも、タブ負極端子40の粗化面43の主面粗化部43M1,43M2が負極タブ周囲部21ETN,22ETNの平坦部21ETNP,22ETNPに近接或いは当接するから離間する姿勢となるように、ケース部材21,22内に電極体10を収容する。加えて、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EM同士を近接させる。
更に主面熱溶着工程S13では、正極タブ周囲部21ETP,22ETPの平坦部21ETPP,22ETPPを、それぞれ、タブ正極端子30の被挟持部34の第1被挟持主面34M1及び第2被挟持主面34M2に直接気密に熱溶着する(図1,図3,図7参照)。同様に、負極タブ周囲部21ETN,22ETNの平坦部21ETNP,22ETNPを、それぞれ、タブ負極端子40の被挟持部44の第1被挟持主面44M1及び第2被挟持主面44M2に直接気密に熱溶着する。
更に直接溶着部形成工程S14では、一対のケース部材21,22の外周縁部21E,22Eのうち、正極タブ周囲部21ETP,22ETP及び負極タブ周囲部21ETN,22ETN以外の部位である周縁対向部21EM,22EM同士を、公知のヒートシール手法により、直接気密に熱溶着して直接溶着部20DMを形成する(図1,図3参照)。これらにより、一対のケース部材21,22からなるケース20の収容部20S内に電極体10を収容する。
なお、本実施形態では、主面熱溶着工程S13及び直接溶着部形成工程S14を、この順序で行ったが、直接熱溶着工程の後に主面熱溶着工程を行ったり、これらを並行して行うことも出来る。
但し、正極タブ周囲部21ETP,22ETPの斜面部21ETPS,22ETPSと、タブ正極端子30の被挟持部34の第1被挟持側面34S1及び第2被挟持側面34S2とは、側方間隙STS1,STS2をなして離間した状態となる。また同様に、負極タブ周囲部21ETN,22ETNの斜面部21ETNS,22ETNSと、タブ負極端子40の被挟持部44の第1被挟持側面44S1及び第2被挟持側面44S2とも、側方間隙STS1,STS2をなして離間した状態となる。
その後、側面樹脂体形成工程S15に進み、上述の側方間隙STS1,STS2に、それぞれ、無変性のポリプロピレンを加熱し溶融させた溶融樹脂MRを注入し固化させて、前述の第1側面樹脂体51S1,61S1及び第2側面樹脂体51S2,61S2を気密に形成する。
本実施形態では、図示しない樹脂注入装置を用い、加熱して溶融樹脂MRを生成すると共に圧力を掛けて溶融樹脂MRを圧送し、吐出ノズルの先端から溶融樹脂MRを吐出させて、溶融樹脂MRを側方間隙STS1,STS2にそれぞれ注入する。
なお、本実施形態の直接溶着部形成工程S14では、後にケース20の収容部20S内に電解液19を注入するため、周縁対向部21EM,22EMの一部同士(図示しない)を熱溶着しないでおく。そして、側面樹脂体形成工程S15の後に、この未溶着の部位から電解液19を注入し、その後に、未溶着部位を熱溶着して封止するなど公知の工程を行い、電池1を製造する。
この電池1の製造方法では、側面樹脂体形成工程S15において、熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂MRを側方間隙STS1,STS2に注入し固化して、第1側面樹脂体51S1,61S1及び第2側面樹脂体51S2,61S2を形成する。このため、タブ正極端子30及びタブ負極端子40にクロメート処理層などの化成処理層を設けなくとも、側面樹脂体51S1等を、安定して側面粗化部33S1,43S1や側面粗化部33S2,43S2に直接気密に熱溶着できる。かくして、側面粗化部33S1,33S2と正極タブ周囲部21ETP,22ETPとの間、及び、側面粗化部43S1,43S2と負極タブ周囲部21ETN,22ETNとの間を、確実に気密に封止した安価な電池1を製造できる。次述する変形形態1の電池101(図8参照)でも同様である。
なお、溶融樹脂MRを注入して、第1側面樹脂体51S1,61S1及び第2側面樹脂体51S2,61S2を形成するので、タブ正極端子30及びタブ負極端子40の厚みが厚い(例えば10mm以上の)場合にも、これらの側面部分(第1側面粗化部33S1,43S1,第2側面粗化部33S2,43S2)におけるシールを確実に行うことができる。
しかも、この電池1の製造方法では、タブ正極端子30及びタブ負極端子40に化成処理層を設けなくとも、平坦部21ETPP,22ETPPを主面粗化部33M1,33M2に、安定して直接気密に接合できる。また、平坦部21ETNP,22ETNPを主面粗化部43M1,43M2に、安定して直接気密に接合できる。このため、電池1をさらに安価で容易に製造することができる。
加えて、この電池1の製造方法では、収容工程S12の後で側面樹脂体形成工程S15に先立つ直接溶着部形成工程S14で、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EM同士を熱溶着して直接溶着部20DMを形成する。これにより、側面樹脂体形成工程S15の前に、周縁対向部21EM,22EM同士が直接溶着部20DMとなって互いに固定されるので、外周縁部21E,22Eのうち残る正極タブ周囲部21ETP,22ETP及び負極タブ周囲部21ETN,22ETNも概ね固定される。このため、側面樹脂体形成工程S15における側方間隙STS1,STS2への溶融樹脂注入の際に、正極タブ周囲部21ETP,22ETP及び負極タブ周囲部21ETN,22ETNの位置ずれや変形が生じるのを抑制して、容易に溶融樹脂MRを注入することができる。
(変形形態1)
次に、変形形態1の電池101(図8参照)について説明する。なお、本変形形態1のでは、実施形態と同様な部分に同じ符号を付す。また、異なる部分を中心に説明し、実施形態と同様な部分については、説明を省略或いは簡略化する。実施形態の電池1(図1参照)では、前述したように、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EM同士を直接気密に熱溶着して直接溶着部20DMとした。
これに対し、本変形形態1の電池101は、電池1とほぼ同形状であるが、図8を参照すれば容易に理解できるように、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EM同士の間に、周縁対向部21EM,22EMに気密に熱溶着した一対のコ字状(U字状)の樹脂介在体170を有する一対の樹脂介在部120RMを設けた点で異なる。なお、一対の樹脂介在体170は、第1側面樹脂体151S1と及び第2側面樹脂体161S2との間、及び、第1側面樹脂体161S1と第2側面樹脂体151S2との間を架け渡すように形成されており、各側面樹脂体151S1等とも気密に一体化している。
本変形形態1の電池101でも、第1側面粗化部33S1,43S1及び第2側面粗化部33S2,43S2を設けているので、化成処理層を設けなくとも、側面樹脂体151S1等を、安定して側面粗化部33S1等に直接気密に熱溶着できる。かくして第1,第2被挟持側面34S1,34S2,44S1,44S2付近でのシールを適切に保持した安価な電池1を得ることができる。
しかも、側面樹脂体151S1等は、無変性のポリプロピレンからなるので、さらに安価な電池101となる。
加えて本変形形態1の電池101では、ケース部材21,22の外周縁部21E,22Eの周縁対向部21EM,22EM同士を、樹脂介在体170を介して気密に熱溶着している。このため、周縁対向部21EM,22EM同士を直接熱溶着した場合(実施形態)に比して、樹脂介在体170を介して確実に対向する周縁対向部21EM,22EM同士の間を確実に気密に接続できる。加えて、樹脂介在体170は、第1側面樹脂体33S1,43S1及び第2側面樹脂体33S2,43S2とも気密に一体化しているので、これらの間も、確実に気密を保つことができる。
なお、樹脂介在体170も側面樹脂体151S1等と同じ無変性のポリプロピレンからなるので、樹脂介在体170を有していても安価に電池101を製造できる。
本変形形態1の電池101の製造では、図5に破線で示すように、実施形態における主面熱溶着工程S13及び直接溶着部形成工程S14に代えて、側面樹脂体介在体形成工程S23を有している点で異なる。即ち、側方間隙STS1,STS2に溶融樹脂MRを注入し固化して各側面樹脂体151S1,151S2,161S1,161S2(以下、各側面樹脂体151S1等ともいう。)を形成する。これと並行して、或いはこれに相前後して、対向部間隙DMをなして保持した周縁対向部21EM,22EM同士の対向部間隙DMにも溶融樹脂MRを注入して、周縁対向部21EM,22EM同士間に介在すると共に、周縁対向部21EM,22EMにそれぞれ気密に熱溶着した一対の樹脂介在体170をも形成する。
なお、以下では、側面樹脂体介在体形成工程S23において、先に各側面樹脂体151S1等を形成した後、続いて樹脂介在体170を形成する手順を採用した場合を説明する。但し、側面樹脂体介在体形成工程S23において、先に樹脂介在体170を形成した後、続いて各側面樹脂体151S1等を形成する手順を採用しても良い。また、溶融樹脂MRを注入して第1側面樹脂体151S1を形成し、引き続き一方の樹脂介在体170を形成した後、第2側面樹脂体161S2を形成する。これと並行して、溶融樹脂MRを注入して第1側面樹脂体161S1を形成し、引き続き他方の樹脂介在体170を形成した後、第2側面樹脂体151S2を形成することも出来る。或いは、各側面樹脂体151S1等と樹脂介在体170とを並行して形成する手順を採用することもできる。
まず実施形態と同様にして、粗化工程S1で粗化されたタブ正極端子30及びタブ負極端子40を用意し、接続工程S11で、電極体10に接続する(図6参照)。その後、収容工程S22で、実施形態の収容工程S12と同様にして、電極体10を一対のケース部材21,22内に収容する(図7,図12参照)。但し、実施形態では、収容工程S12で、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EM同士を近接させた。これに対し、本変形形態1では、図8に示すように、樹脂介在体170を設けるべく、周縁対向部21EM,22EM同士を離間させ、対向部間隙DMを空けた状態にケース部材21,22を保持する。
なお、タブ正極端子30の被挟持部34の被挟持側面34S1,34S2とケース部材21,22の正極タブ周囲部21ETP,22ETPの斜面部21ETPS,22ETPSとの間に、及び、タブ負極端子40の被挟持部44の被挟持側面44S1,44S2とケース部材21,22の負極タブ周囲部21ETN,22ETNの斜面部21ETNS,22ETNSとの間に、側方間隙STS1,STS2が設けられる点は、実施形態と同様である。
なお、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EMを対向部間隙DMを空けた状態に保持する手法としては、図示しないが、例えば、吸引面が平坦な吸引板で、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EMを吸引し、対向部間隙DMを空けて周縁対向部21EM,22EMの正極厚み方向TH1(図7において上下方向)の位置を固定する手法が挙げられる。なお、周縁対向部21EM,22EMの保持と共に加温も行えるよう、吸引板の吸引面を加熱するヒータを吸引板に内蔵するか別途設けるとより好ましい。
その後、実施形態と同様、主面熱溶着工程S13では、正極タブ周囲部21ETP,22ETPの平坦部21ETPP,22ETPPを、それぞれ、タブ正極端子30の被挟持部34の第1被挟持主面34M1及び第2被挟持主面34M2に直接気密に熱溶着する(図8参照)。同様に、負極タブ周囲部21ETN,22ETNの平坦部21ETNP,22ETNPを、それぞれ、タブ負極端子40の被挟持部44の第1被挟持主面44M1及び第2被挟持主面44M2に直接気密に熱溶着する。
その後、図5に破線で示す側面樹脂体介在体形成工程S23では、先ず、実施形態1における側面樹脂体形成工程S15と同様に、図示しない樹脂注入装置の吐出ノズルを側方間隙STS1,STS2差し入れて、実施形態と同様の無変性のポリプロピレンを加熱溶融させた溶融樹脂MRを注入し固化させて、各側面樹脂体151S1等を形成する。
さらに側方間隙STS1,STS2への溶融樹脂MRの注入に引き続いて、同じ溶融樹脂MRを、図示しない樹脂注入装置の吐出ノズル等を用いて、ケース部材21,22の周縁対向部21EM,22EM同士の対向部間隙DMにも注入し充填して、各側面樹脂体151S1等とも気密に一体化すると共に、周縁対向部21EM,22EMにそれぞれ気密に熱溶着した一対の樹脂介在体170をそれぞれ形成する。
この電池101の製造方法でも、側面樹脂体介在体形成工程S23において、溶融樹脂MRを側方間隙STS1,STS2に注入し固化して、各側面樹脂体151S1等を形成する。このため、タブ正極端子30及びタブ負極端子40に化成処理層を設けなくとも、各側面樹脂体151S1等を、側面粗化部33S1,33S2及び側面粗化部43S1,43S2に直接気密に熱溶着できる。かくして、側面粗化部33S1,33S2と正極タブ周囲部21ETP,22ETPとの間、及び、側面粗化部43S1,43S2と負極タブ周囲部21ETN,22ETNとの間を、確実に気密に封止した安価な電池101を製造できる。
しかも、この電池101の製造方法でも、タブ正極端子30及びタブ負極端子40に化成処理層を設けなくとも、平坦部21ETPP,22ETPPを主面粗化部33M1,33M2に、安定して直接気密に接合できる。また、平坦部21ETNP,22ETNPを主面粗化部43M1,43M2に、安定して直接気密に接合できる。このため、電池1をさらに安価で容易に製造することができる。
加えてこの電池101の製造方法では、側面樹脂体介在体形成工程S23で、側方間隙STS1,STS2のみならず、周縁対向部21EM,22EM同士の対向部間隙DMにも、溶融樹脂MRを注入して、周縁対向部21EM,22EM同士間に介在すると共に、周縁対向部21EM,22EMにそれぞれ気密に熱溶着し、各側面樹脂体151S1等とも気密に一体化した樹脂介在体170を形成する。このため、各側面樹脂体151S1等及び樹脂介在体170を有する電池101を容易に形成できる。
(変形形態2)
次に、変形形態2の電池201(図9参照)について説明する。なお、本変形形態2のでも、実施形態と同様な部分に同じ符号を付す。また、異なる部分を中心に説明し、実施形態と同様な部分については、説明を省略或いは簡略化する。実施形態の電池1(図1.図3参照)では、前述したように、ケース部材21,22のタブ周囲部21ETP,22ETPのうち平坦部21ETPP,22ETPPを、タブ正極端子30の被挟持部34のうち被挟持主面34M1,34M2に直接気密に熱溶着した。
これに対し、本変形形態2の電池201は、電池1とほぼ同形状であるが、図9を参照すれば容易に理解できるように、第1主面樹脂体251P1,261P1及び第2主面樹脂体251P2,261P2を有する点で異なる。即ち、第1主面樹脂体251P1,261P1は、タブ正極端子30及びタブ負極端子40に化成処理層を設けなくとも、これらの第1被挟持主面34M1,44M1の第1主面粗化部33M1,43M1に直接気密に熱溶着すると共に、第1ケース部材21の平坦部21ETPP,21ETNPに気密に熱溶着できている。そしてこれにより、タブ正極端子30及びタブ負極端子40の第1被挟持主面34M1,44M1と第1ケース部材21の正極タブ周囲部21ETP、負極タブ周囲部21ETNとは、第1主面樹脂体251P1,261P1を介して気密に熱溶着している。
また、第2主面樹脂体251P2,261P2も、タブ正極端子30及びタブ負極端子40に化成処理層を設けなくとも、これらの第21被挟持主面34M2,44M2の第2主面粗化部33M2,43M2に直接気密に熱溶着すると共に、第2ケース部材22の正極タブ周囲部22ETP、負極タブ周囲部22ETNのうち平坦部22ETPP,22ETNPに気密に熱溶着できている。そしてこれにより、タブ正極端子30及びタブ負極端子40の第2被挟持主面34M2,44M2と第2ケース部材22の正極タブ周囲部22ETP、負極タブ周囲部22ETNとは、第2主面樹脂体251P2,261P2を介して気密に熱溶着している。
本変形形態2の電池201でも、第1側面粗化部33S1,43S1及び第2側面粗化部33S2,43S2を設けているので、化成処理層を設けなくとも、側面樹脂体251S1等を、安定して側面粗化部33S1等に直接気密に熱溶着できる。かくして、第1,第2被挟持側面34S1,34S2,44S1,44S2付近でのシールを適切に保持した安価な電池201を得ることができる。
しかも、側面樹脂体251S1等は、無変性のポリプロピレンからなるので、さらに安価な電池201となる。
加えてこの電池201では、主面粗化部33M1,43M1,33M2,43M2を有しているので、主面樹脂体251P1,251P2,261N1,261N2を有しながらも、化成処理層を設けなくとも足り、安価な電池201となる。
なお、主面樹脂体251P1,251P2,261P1,261P2に用いる樹脂は、側面樹脂体251S1,251S2,261S1,261S2に用いた樹脂と同じとしても異なる樹脂としても良い。
但し、本変形形態2では、実施形態の側面樹脂体51S1等と同じ無変性のポリプロピレンを用いた。このため、さらに安価な電池201となる。
本変形形態2の電池201の製造(図5参照)にあたっては、主面熱溶着工程S13に先だつ収容工程S12において、ケース部材21,22の平坦部21ETPP,22ETPPと、タブ正極端子30の被挟持主面34M1,34M2との間に、平板状の主面樹脂体251P1,251P2をそれぞれ配置しておく。また負極側についても、ケース部材21,22の平坦部21ETNP,22ETNPと、タブ負極端子40の被挟持主面44M1,44M2との間に、平板状の主面樹脂体261P1,261P2をそれぞれ配置しておく。
その後は、主面熱溶着工程S13において、主面樹脂体251P1,251P2を、ケース部材21,22の平坦部21ETPP,22ETPPに、また、タブ正極端子30の被挟持主面34M1,34M2に熱溶着する。負極側についても同様に、主面樹脂体261P1,261P2を、ケース部材21,22の平坦部21ETNP,22ETNPに、また、タブ負極端子40の被挟持主面44M1,44M2に熱溶着する。
続く直接溶着部形成工程S14では、実施形態と同様、一対のケース部材21,22の外周縁部21E,22Eのうち周縁対向部21EM,22EM同士を、公知のヒートシール手法により、直接気密に熱溶着して直接溶着部20DMを形成する(図9参照)。
その後、側面樹脂体形成工程S15に進み、実施形態と同様、側方間隙STS1,STS2に、それぞれ、無変性のポリプロピレンを加熱し溶融させた溶融樹脂MRを注入し固化させて、前述の第1側面樹脂体251S1,261S1及び第2側面樹脂体251S2,261S2を気密に形成する。なお、第1側面樹脂体251S1,261S1及び第2側面樹脂体251S2,261S2は、主面樹脂体251P1,261P1,251P2,261P2とも、気密に熱溶着させる。
この電池201の製造方法でも、側面樹脂体形成工程S15において、溶融樹脂MRを側方間隙STS1,STS2に注入し固化して、各側面樹脂体251S1等を形成する。このため、側面粗化部33S1,33S2と正極タブ周囲部21ETP,22ETPとの間、及び、側面粗化部43S1,43S2と負極タブ周囲部21ETN,22ETNとの間を、確実に気密に封止できる。
以上において、本発明を実施形態,変形形態1,2に即して説明したが、ここに開示されるラミネート型の蓄電デバイスの一例を示すものであり、ここに開示される技術を限定することを意図したものではない。即ち、本発明は実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態等の電池1,101,201では、タブ正極端子30の正極延出方向EH1とタブ負極端子40の負極延出方向EH2とを、左右逆方向(図1,図2等参照)とした例を示した。しかし、これに限定されず、例えば、正極延出方向EH1と負極延出方向EH2とが同方向となるように、タブ正極端子30とタブ負極端子40とを並べて配置することもできる。また、正極延出方向EH1と負極延出方向EH2とが90度の角度をなすように、タブ正極端子30とタブ負極端子40とを配置することもできる。
また、変形形態2の電池201では、金属接着性を有しない無変性のポリプロピレンからなる主面樹脂体251P1,261P1,251P2,261P2を、各主面粗化部33M1等に直接気密に熱溶着させた例を示した。
しかし、各主面樹脂体251P1等には、金属接着性の熱可塑性絶縁性樹脂を用いた樹脂体を、例えば、金属接着性ポリプロピレンからなる樹脂板や金属接着性ポリプロピレンを表面層に有する複層構造のタブフィルムを用いることもできる。これらの場合にも、タブ正極端子30及びタブ負極端子40にそれぞれ主面粗化部33M1,33M2,43M1,43M2を設けることにより、タブ正極端子30及びタブ負極端子40に化成処理層を設けなくとも、各主面樹脂体251P1を各主面粗化部33M1等に、安定して直接気密に熱溶着させることができる。
また変形形態2の電池201では、実施形態の電池1と同様、ケース部材21,22の互いに対向する周縁対向部21EM,22EM同士を、直接、気密に熱溶着して直接溶着部20DMとした。
しかし、変形形態1の電池101(図8参照)と同様、ケース部材21,22の外周縁部21E,22Eの周縁対向部21EM,22EM同士を、側面樹脂体251S1等とも気密に一体化した樹脂介在体170を介して気密に熱溶着した樹脂介在部120RMを設けるようにしても良い。
1,101,201 電池(蓄電デバイス)
10 電極体
12 正極集電部(集電部)
13 負極集電部(集電部)
20DM 直接溶着部
120RM 樹脂介在部
21 第1ケース部材
22 第2ケース部材
21IL,22IL 対向層
21E,22E 外周縁部
21ETP 正極タブ周囲部(第1タブ周囲部)
22ETP 正極タブ周囲部(第2タブ周囲部)
21ETN 負極タブ周囲部(第1タブ周囲部)
22ETN 負極タブ周囲部(第2タブ周囲部)
21EM,22EM 周縁対向部(タブ周囲部以外の部位)
30 タブ正極端子(タブ電極端子)
30BR 未粗化タブ正極端子
31 正極接続端部(接続端部)
32 正極外部端子部(外部端子部)
40 タブ負極端子(包囲体付きタブ電極端子)
40BR 未粗化タブ負極端子
41 負極接続端部(接続端部)
42 負極外部端子部(外部端子部)
33,43 粗化面(環帯状粗化面)
33M1,43M1 第1主面粗化部
33M2,43M2 第2主面粗化部
33S1,43S1 第1側面粗化部
33S2,43S2 第2側面粗化部
34,44 被挟持部
34M1,44M1 第1被挟持主面
34M2,44M2 第2被挟持主面
34S1,44S1 第1被挟持側面
34S2,44S2 第2被挟持側面
EH1 正極延出方向(タブ延出方向)
RH1 正極周方向(タブ周方向)
TH1 正極厚み方向(タブ厚み方向)
WH1 正極幅方向(タブ幅方向)
WHO1 (正極幅方向のうち)外側
EH2 負極延出方向(タブ延出方向)
RH2 負極周方向(タブ周方向)
TH2 負極厚み方向(タブ厚み方向)
WH2 負極幅方向(タブ幅方向)
WHO2 (負極幅方向のうち)外側(タブ幅方向)
MR 溶融樹脂
STS1,STS2 側方間隙
DM 対向部間隙
51S1,61S1,151S1,161S1,251S1,261S1 第1側面樹脂体
51S2,61S2,151S2,161S2,251S2,261S2 第2側面樹脂体
251P1,261P1 第1主面樹脂体
251P2,261P2 第2主面樹脂体
SL1,SL2 沿面距離
170 樹脂介在体
S2 主面樹脂体形成工程
S12,S22 収容工程
S13 主面熱溶着工程
S14 直接溶着部形成工程
S15 側面樹脂体形成工程
MR 溶融樹脂
S23 側面樹脂体介在体形成工程(側面樹脂体形成工程)

Claims (11)

  1. 集電部を有する電極体と、
    ラミネートフィルムからなり、前記電極体を包囲する一対の第1ケース部材及び第2ケース部材と、
    金属からなり、接続端部、外部端子部、及び、前記接続端部と外部端子部の間に位置する板状の被挟持部、を有し、
    前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の収容部内で、前記接続端部が前記電極体の前記集電部に導通接続し、前記被挟持部が前記第1ケース部材と前記第2ケース部材の外周縁部同士の間に挟まれ、前記外部端子部が前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の外部に露出するタブ電極端子と、を備える
    蓄電デバイスであって、
    前記タブ電極端子の板状の前記被挟持部は、
    前記接続端部から前記外部端子部に向けて延出するタブ延出方向を囲むタブ周方向に全周に亘って帯状に粗化された環帯状粗化面の少なくとも一部を含み、
    前記第1ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第1タブ周囲部に対向し、タブ厚み方向に直交する第1被挟持主面と、
    前記第2ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第2タブ周囲部に対向し、前記第1被挟持主面に平行な第2被挟持主面と、
    前記第1被挟持主面と前記第2被挟持主面との間を結ぶ第1被挟持側面及び第2被挟持側面とを含み、
    前記第1被挟持主面、前記第2被挟持主面、前記第1被挟持側面、及び、前記第2被挟持側面の、前記タブ延出方向の少なくとも一部は、それぞれ、前記環帯状粗化面の一部をなす第1主面粗化部、第2主面粗化部、第1側面粗化部、及び、第2側面粗化部を含み、
    熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第1側面樹脂体と、
    前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第2側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第2側面樹脂体と、をさらに備え、
    前記第1側面樹脂体は、
    前記熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂を、前記第1側面粗化部よりもタブ幅方向の外側に位置する、前記第1側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなり、
    前記第2側面樹脂体は、
    前記溶融樹脂を、前記第2側面粗化部よりも前記タブ幅方向の前記外側に位置する、前記第2側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなる
    蓄電デバイス。
  2. 請求項1に記載の蓄電デバイスであって、
    前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体は、無変性の熱可塑性絶縁性樹脂からなる
    蓄電デバイス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイスであって、
    前記第1主面粗化部と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着し、
    前記第2主面粗化部と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着してなる
    蓄電デバイス。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイスであって、
    前記第1被挟持主面と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とは、
    前記第1被挟持主面の前記第1主面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、
    前記第1タブ周囲部に気密に熱溶着する
    第1主面樹脂体を介して気密に熱溶着し、
    前記第2被挟持主面と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とは、
    前記第2被挟持主面の前記第2主面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、
    前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する
    第2主面樹脂体を介して気密に熱溶着してなり、
    前記第1主面樹脂体及び前記第2主面樹脂体は、
    それぞれ、前記第1側面樹脂体及び前記第2主面樹脂体とも気密に熱溶着してなる
    蓄電デバイス。
  5. 請求項4に記載の蓄電デバイスであって、
    前記第1主面樹脂体及び前記第2主面樹脂体は、
    無変性の熱可塑性絶縁性樹脂からなる
    蓄電デバイス。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイスであって、
    前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、
    前記外周縁部のうち、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、直接、気密に熱溶着してなる直接溶着部をさらに備える
    蓄電デバイス。
  7. 請求項1又は請求項2に記載の蓄電デバイスであって、
    前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、
    前記外周縁部のうち、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体と気密に一体化した樹脂介在体を介して気密に熱溶着してなる樹脂介在部をさらに備える
    蓄電デバイス。
  8. 集電部を有する電極体と、
    ラミネートフィルムからなり、前記電極体を包囲する一対の第1ケース部材及び第2ケース部材と、
    金属からなり、接続端部、外部端子部、及び、前記接続端部と外部端子部の間に位置する板状の被挟持部、を有し、
    前記第1ケース部材と前記第2ケース部材との間の収容部内で、前記接続端部が前記電極体の前記集電部に導通接続し、前記被挟持部が前記第1ケース部材と前記第2ケース部材の外周縁部同士の間に挟まれ、前記外部端子部が前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の外部に露出するタブ電極端子と、を備える
    蓄電デバイスであって、
    前記タブ電極端子の板状の前記被挟持部は、
    前記接続端部から前記外部端子部に向けて延出するタブ延出方向を囲むタブ周方向に全周に亘って帯状に粗化された環帯状粗化面の少なくとも一部を含み、
    前記第1ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第1タブ周囲部に対向し、タブ厚み方向に直交する第1被挟持主面と、
    前記第2ケース部材の外周縁部のうち、前記タブ電極端子の周囲に位置する第2タブ周囲部に対向し、前記第1被挟持主面に平行な第2被挟持主面と、
    前記第1被挟持主面と前記第2被挟持主面との間を結ぶ第1被挟持側面及び第2被挟持側面とを含み、
    前記第1被挟持主面、前記第2被挟持主面、前記第1被挟持側面、及び、前記第2被挟持側面の、前記タブ延出方向の少なくとも一部は、それぞれ、前記環帯状粗化面の一部をなす第1主面粗化部、第2主面粗化部、第1側面粗化部、及び、第2側面粗化部を含み、
    熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第1側面樹脂体と、
    前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第2側面粗化部に直接気密に熱溶着すると共に、前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部、及び、前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に気密に熱溶着する第2側面樹脂体と、をさらに備え、
    前記第1側面樹脂体は、
    前記熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂を、前記第1側面粗化部よりもタブ幅方向の外側に位置する、前記第1側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなり、
    前記第2側面樹脂体は、
    前記溶融樹脂を、前記第2側面粗化部よりも前記タブ幅方向の前記外側に位置する、前記第2側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化してなる
    蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記電極体の前記集電部に、前記タブ電極端子の前記接続端部を接続する接続工程と、
    前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部及び前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部に対し、前記タブ電極端子の前記被挟持部が前記タブ電極端子のタブ厚み方向に重なり、前記タブ電極端子が前記第1タブ周囲部と前記第2タブ周囲部との間を通じて前記タブ延出方向に延びる姿勢に、前記電極体を前記収容部内に収容する収容工程と、
    前記熱可塑性絶縁性樹脂からなる溶融樹脂を、前記第1側面粗化部よりもタブ幅方向の外側に位置する、前記第1側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化して、前記第1側面樹脂体を形成すると共に、
    前記溶融樹脂を、前記第2側面粗化部よりも前記タブ幅方向の前記外側に位置する、前記第2側面粗化部と前記第1タブ周囲部及び前記第2タブ周囲部との間の側方間隙に注入し固化して、前記第2側面樹脂体を形成する
    側面樹脂体形成工程と、を備える
    蓄電デバイスの製造方法。
  9. 請求項8に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記第1主面粗化部と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着し、
    前記第2主面粗化部と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とは、直接気密に熱溶着してなり、
    前記収容工程の後、前記側面樹脂体形成工程の前に、
    前記第1主面粗化部と前記第1ケース部材の前記第1タブ周囲部とを、直接気密に熱溶着すると共に、
    前記第2主面粗化部と前記第2ケース部材の前記第2タブ周囲部とを、直接気密に熱溶着する
    主面熱溶着工程を備える
    蓄電デバイスの製造方法。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、
    前記外周縁部のうち、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、直接、気密に熱溶着してなる直接溶着部をさらに備え、
    前記収容工程の後、前記側面樹脂体形成工程の前に、
    前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材の、互いに対向する前記周縁対向部同士を、直接、気密に熱溶着して、前記直接溶着部を形成する
    直接溶着部形成工程をさらに備える
    蓄電デバイスの製造方法。
  11. 請求項8又は請求項9に記載の蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、
    前記外周縁部のうち、前記第1タブ周囲部及び第2タブ周囲部以外で、互いに対向する周縁対向部同士を、前記熱可塑性絶縁性樹脂からなり、前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体と気密に一体化した樹脂介在体を介して気密に熱溶着してなる樹脂介在部をさらに備え、
    前記側面樹脂体形成工程は、
    前記第1側面樹脂体及び前記第2側面樹脂体の形成に並行してまたは相前後して、
    予め定めた大きさの対向部間隙をなして保持した前記周縁対向部同士の前記対向部間隙に、前記溶融樹脂を注入して、前記周縁対向部同士間に介在すると共に、前記周縁対向部にそれぞれ気密に熱溶着した前記樹脂介在体をも形成する
    側面樹脂体介在体形成工程である
    蓄電デバイス。
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