JP2024041867A - 遺伝子編集線維芽細胞の治療的使用 - Google Patents

遺伝子編集線維芽細胞の治療的使用 Download PDF

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Abstract

【課題】治療目的のために利用されるべき、免疫原性を低下させた細胞を提供する。および様々な医学的状態のための改善された細胞療法を提供する。【解決手段】本開示は、細胞が単独で、他の免疫細胞と関連して、又はその両方で、免疫応答を低下させるように、1つ以上のタイプの改変を有する改変された線維芽細胞の方法及び組成物に関する。いくつかの実施形態において、1つ以上の標的が細胞の表面上で修飾される。特定の実施形態において、細胞移植治療において使用される改変された細胞は、免疫原性が低下するように改変される。【選択図】なし

Description

本出願は、2018年12月16日に出願された米国仮特許出願第62/780,28
9号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の実施形態は、少なくとも分子生物学、細胞生物学、細胞治療、組換え技術、及
び医学の分野を包含する。
細胞療法、特に同種移植の移植は、「ユニバーサルドナー」アプローチの利用を可能に
する。同種移植細胞の可能性は、治療活性に最適化された細胞の利用を可能にする。例え
ば、自家骨髄療法の場合、血管新生又は栄養活性を有する細胞分画は年齢とともに減少し
、糖尿病又は末梢動脈疾患などの患者の併存疾患によってさらに悪化する。同種又は異種
細胞を利用する可能性は、効率のために最適化された細胞産物の投与を可能にする。
同種及び異種細胞産物には、レシピエント個体の免疫系による拒絶という欠点がある。
拒絶反応には2つのタイプがあることが知られている。直接的な拒絶反応は、レシピエン
トT細胞受容体とドナーMHC II分子との結合によって刺激され、古典的にはCD4
+ T細胞によって媒介されるものである。間接的な拒絶反応は、レシピエントの抗原提
示細胞がドナー細胞を飲み込み、MHC I上に提示することで起こり、CD8+ T細
胞を刺激する。同種細胞の拒絶反応において、抗原提示の直接経路と間接経路の両方が免
疫介在性破壊に関与することが知られている。現在、細胞拒絶を阻害する手段には、シク
ロスポリンなどのカルシニューリン阻害剤、又はラパマイシン及びエベロリムスなどのm
TORの阻害剤の使用が含まれる。
様々な同種細胞を用いた細胞治療試験が実施されている一方で、様々な試験で継続的な
免疫抑制の使用が必要であった。胎児由来幹細胞、膵島、又は胚由来組織のいずれであっ
ても、継続的な免疫抑制の使用が利用されている。残念ながら、継続的な免疫抑制により
、感染症、新生物、及び臓器不全、特にカルシニューリン阻害剤を含むレジメンの場合は
腎不全の個体のリスクを増大しやすくなる。
したがって、治療目的のために利用されるべき細胞の免疫原性を低下させることが当技
術分野で必要とされている。さらに、当技術分野において、様々な医学的状態のための改
善された細胞療法が必要とされている。
哺乳動物の免疫系は、体内の望ましくない標的に対する特異的応答を引き起こす能力を
通して、現代医学の多くの飛躍をもたらしている。しかし、例えば移植、アレルギー及び
自己免疫疾患との関連において、免疫応答が望ましくない別の状態が存在する。当技術分
野における欠点に対処するために、本発明者らは、細胞治療において改変した細胞の使用
するための単純かつ有効な方法を開発した。細胞療法の欠点は、同種異系細胞を治療的な
方法で利用する場合、特に間葉系幹細胞を使用する場合に、拒絶反応が起こる可能性があ
ることである。例えば、間葉系幹細胞はより少ない量のHLA Iを発現し、未分化状態
でHLA IIが非常に低いか欠如していることが知られているが、組織への分化はHL
A分子のアップレギュレーションを引き起こすことが知られており、これは潜在的に、組
織が細胞治療を拒絶することにつながる可能性がある。したがって、当技術分野では、拒
絶反応に関連する抗原の発現を伴わずに生成される細胞集団の開発が必要とされている。
線維芽細胞を用いた治療は、(i)供給源からの抽出の容易さ;(ii)増殖に関与する
試薬のコストが低いこと;及び(iii)培養の開始時により多数の細胞を採取できるこ
と、を含む、複数の利点がある。
したがって、本開示は、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ド
メインを含む、1つ以上のタンパク質をより少なく発現するように改変された(engi
neered)細胞(例えば、細胞の集団)を提供し、ここで、細胞中のタンパク質の発
現及び/又は機能は、低下又は排除されている。いくつかの実施形態において、タンパク
質は、免疫応答の調節に関与する。
本開示の実施形態は、結果的に、線維芽細胞がそれに応じて改変されなかった場合の免
疫反応と比較して、レシピエント個体において有害な免疫反応を誘発する傾向が少なくな
るように改変された、改変された線維芽細胞に関する方法及び組成物に関する。
1つの実施形態は、所定の線維芽細胞内の1つ以上のポリヌクレオチド配列によってコ
ードされる1つ以上のポリペプチド配列の発現の低下を含む、改変された線維芽細胞の使
用に関する。より具体的には、排他的ではないが、本開示は対応してそのように改変され
ていない線維芽細胞と比較して、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル
伝達ドメインを含む1つ以上のタンパク質をより少なく発現するように線維芽細胞を改変
することに関する。特定の実施形態では、発現が低下するポリペプチド配列は、1つ以上
の免疫原性タンパク質、例えば、1つ以上のヒト白血球抗原(HLA)、1つ以上の共刺
激分子、1つ以上の接着分子、HLA発現の増加に関連する1つ以上のポリペプチド、及
び/又は線維症の開始及び継続的な進行に関連する1つ以上のポリペプチドを含む。
本開示の特定の態様では、改変された線維芽細胞は、病的な免疫応答に関連する1以上
の免疫原性タンパク質を発現する。特定の修飾にかかわらず、改変された細胞を製造及び
使用する方法が、本明細書に包含される。
特定の実施形態では、改変された線維芽細胞は、改変されていない線維芽細胞と比較し
て、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、HLA-DQ、HLA-DR
、HLA-B27、又はそれらの組み合わせを含む、1つ以上のHLAタンパク質の発現
が低下している。
ある態様において、改変された線維芽細胞は、改変されていない線維芽細胞と比較して
、cluster of differetiation(CD)-40(CD-40)
、CD-80、CD86、インターロイキン12(IL-12)、又はそれらの組み合わ
せなどの1つ以上の共刺激分子の発現が低下している。
特定の態様において、改変された線維芽細胞は、改変されていない線維芽細胞と比較し
て、リンパ球機能関連抗原(LFA-1)、インターロイキン接着分子1(ICAM-1
)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD1
1b、Vαβ3インテグリン、又はそれらの組み合わせを含む、1つ以上の接着分子の発
現が低下している。
ある態様において、改変された線維芽細胞は、改変されていない線維芽細胞と比較して
、インターフェロンγ受容体、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING);クラス
II 主要組織適合性複合体 トランスアクチベーター(CIIT);又はそれらの組合
せなどの、HLA発現の増加に関連する1つ以上のタンパク質の発現が低下している。
ある態様において、改変された線維芽細胞は、改変されていない線維芽細胞と比較して
、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容体I型、II型、III型、SMADファミリ
ーのメンバー、例えばSMAD1、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMAD5、
SMAD6、SMAD7、SMAD8、SMAD9、又はそれらの組み合わせなどの、線
維症に関連する1つ以上のポリペプチドの発現量が低下している。
本開示の特定の態様において、改変された線維芽細胞は、病的な免疫応答に関連する1
つ以上の免疫原性成分を発現する。具体的な実施形態では、免疫原性成分は、HLA-A
、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-B2
7、(CD)-40(CD-40)、CD-80、CD86、インターロイキン12(I
L-12)、リンパ球機能関連抗原(LFA-1)、インターロイキン接着分子1(IC
AM-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接着分子(EpCAM)
、CD11b、Vαβ3インテグリン、HLA発現量の増加に関連するタンパク質(例え
ば、インターフェロンγ受容体、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)、CI
IT)、線維症に関連するタンパク質(例えば、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容
体I型、II型、III型などの線維症に関連するタンパク質)、SMADファミリーの
メンバー(例えばSMAD1、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMAD5、SM
AD6、SMAD7、SMAD8、SMAD9、又はその組み合わせ)である。
本開示の実施形態は、拒絶関連抗原の発現を除去又は低減するための線維芽細胞の遺伝
子操作を含み、その後、細胞は、拒絶反応又は線維症などの望ましくない特徴に関連する
遺伝子産物を産生する能力を欠く。
ある態様において、線維芽細胞は、血小板、好中球、マクロファージ、好酸球、T細胞
、NK細胞、樹状細胞、マスト細胞、及び/又は病的な免疫応答を誘発し得るB細胞のよ
うな、免疫細胞による相互作用又は識別のための能力が、改変されている又は低下してい
る。
本開示の特定の実施形態において、改変された線維芽細胞は、例えば、真核細胞におい
て作動可能な組換え発現ベクターを介して、1つ以上の免疫原性成分における発現が部分
的又は完全に低下しており、そして免疫原性成分の発現は、例えば、構成的プロモーター
又は誘導性プロモーター又は組織特異的プロモーターによって調節され得る。特定の実施
形態では、ベクターは、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴
ウイルス、又は単純ヘルペスウイルスなどのウイルスベクターであり、又は、ベクターは
、裸のDNA、トランスポゾン、プラスミドDNA、又はミニサークルDNAなどの非ウ
イルスベクターである。トランスフェクションのための薬剤は、少なくとも以下を含む:
例として、Fasリガンド、TGF-β、IL-4、IL-10、HLA-G、インドー
ルアミン2,3デオキシゲナーゼ(IDO)、ガレクチンファミリーメンバー、ガレクチ
ン3、アルギナーゼ、及び/又はIL-20。
特定の実施形態において、改変された線維芽細胞は、当該線維芽細胞中の1つ以上の内
因性遺伝子がヒトの手によって改変された、遺伝子編集された線維芽細胞と呼ばれる。特
定のケースでは、改変された線維芽細胞中の1以上の内因性遺伝子が、当該遺伝子自体の
修飾及び/又は別の遺伝子の発現を調節する別の遺伝子の修飾を含めて、1以上の内因性
遺伝子の発現が低下するように修飾されている。遺伝子は、対応する遺伝子産物の内因性
活性に影響する1つ以上の変異を含む、1つ以上の突然変異を組み込むように改変されて
もよい。
いくつかの実施形態では、遺伝子編集された線維芽細胞は不死化される。不死化は、ヒ
トテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を含む1つ以上の特定の遺伝子の導入によって
達成され得る。不死化のプロセスは、当技術分野で公知であり、ウイルスベクターに基づ
くものを含む、標的細胞に遺伝子を導入するための種々のベクターの利用を含み得る。核
酸を含むベクターは、核酸がプロモーター、エンハンサーなどの1つ以上の発現制御エレ
メントに作動可能に連結される場合に発現され得る。
特定の実施形態では、本開示は、線維芽細胞の免疫応答を低下させるための、例えば、
拒絶反応が生じることなく線維芽細胞の少なくとも同種移植を含む移植を可能にするため
の、1つ以上の薬剤の使用に関する。少なくともいくつかの場合において、薬剤は、線維
芽細胞における1つ以上の免疫原性分子の発現を低下させることができる。
本開示の特定の実施形態において、1つ以上の免疫原性成分は、ユニバーサルドナー線
維芽細胞において発現され、そして免疫原性成分の発現は、例えば、構成的プロモーター
又は誘導性プロモーター又は組織特異的プロモーターによって制御される。特定の実施形
態において、ベクターは、例えば、ウイルスベクター(例えば、レトロウイルス、レンチ
ウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス又は単純ヘルペスウイルスなど)である
、又は、ベクターは、例えば、非ウイルスベクター(例えば、裸のDNA又はプラスミド
DNA又はミニサークルDNAなど)である。
一実施形態において、線維芽細胞において、以下の免疫原性成分(例えば、ヒト白血球
抗原(HLA)-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、HLA-DQ、HLA-
DR、HLA-B27、cluster of differentiation 40
(CD-40)、CD80、CD86、CD11b、インターロイキン12(IL-12
)、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、インターロイキン接着分子1(ICAM-
1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、Vα
β3インテグリン、インターフェロンγ受容体、インターフェロン遺伝子刺激因子(ST
ING)、CIIT、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容体I型、II型、III型
、SMADファミリーのメンバー(例えば、SMAD1、SMAD2、SMAD3、SM
AD4、SMAD5、SMAD6、SMAD7、SMAD8、SMAD9、又はこれらの
組み合わせ))の発現を防ぐ様式で線維芽細胞の免疫原性遺伝子をコードするDNAを操
作する目的で、CRISPR系の1つ以上のエレメントの発現を駆動するように、CRI
SPRシステムの1つ以上のエレメントに作動可能に連結された、1つ以上の調節エレメ
ントの使用が開示される。一実施形態では、単一のベクターに組み合わされるCRISP
Rシステムエレメントは、1つのエレメントが第2のエレメントに対して、5′又は3′
に位置するなど、任意の適切な向きに配置されてもよい。1つのエレメントのコード配列
は、第2の要素のコード配列の同じ又は反対の鎖上に位置し得、そして同じ又は反対の方
向に配向され得る。いくつかの実施形態において、単一のプロモーターが、CRISPR
酵素と、ガイド配列、tracrメイト配列、及び1つ以上のイントロン配列内に埋め込
まれたtracr配列のうちの1つ以上とをコードする転写物の発現を駆動する。いくつ
かの実施形態において、CRISPR酵素、ガイド配列、tracrメイト配列、及びt
racr配列は、同じプロモーターに作動可能に連結され、そして同じプロモーターから
発現される。
ある態様において、個体には、線維芽細胞療法に加えて別の療法が提供される。例えば
、個体が線維芽細胞治療を受ける前、間、及び/又は後に、1つ以上の抗生物質を投与さ
れ得る。例示的な術後療法は、必要に応じてステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NS
AID)及び/又は単純な痛み止め(鎮痛剤)を含む。
本開示は、細胞治療のための線維芽細胞の集団の使用を可能にする方法に関する。本開
示の特定の実施形態は、1つ以上の表面発現抗原、共刺激タンパク質、及び/又は免疫応
答において役割を有するシグナル伝達タンパク質の発現の低下に関する。他の実施形態で
は、前述のタンパク質は、線維芽細胞の活性化に関与する。
本開示の実施形態は、本明細書に記載の特定のタイプの線維芽細胞の免疫応答の重症度
を低下させる方法を提供する。線維芽細胞は、皮膚、心臓、血管、骨髄、骨格筋、肝臓、
膵臓、脳、包皮、網(omentum)、脂肪組織、胎盤、臍帯などの種々の組織又は器
官に由来し得、これらは生検(適宜)又は剖検によって得ることができる。いくつかの態
様では、細胞は、胎児、新生児、成人起源、又はそれらの組み合わせに由来し得る線維芽
細胞を含む。いくつかの態様において、線維芽細胞は、ヒト、霊長類、ブタ、ウシ、ネズ
ミ、イヌ、及び/又はネコなどの哺乳動物に由来する。
いくつかの実施形態では、細胞培養物中の線維芽細胞の増殖を刺激する目的で、線維芽
細胞を細胞培養物中で増殖させる。線維芽細胞の増殖の状況において、線維芽細胞の集団
は、組成物が細胞集団の免疫原性を低下させることができるように、1つ以上の特定の培
地及び/又は1つ以上の薬剤からなる1つ以上の組成物に供される。本開示の特定の実施
形態では、方法は、細胞が任意のタイプの線維芽細胞であり、線維芽細胞が免疫原性を低
下させ、治療能力において利用され得るように修飾されている細胞集団を対象とする。
いくつかの実施形態において、線維芽細胞は、線維芽細胞の増殖を刺激し得る1つ以上
の抗原が細胞培養物に添加された、細胞培養物中で増殖される。線維芽細胞の増殖の状況
において、前記培地中に1つ以上の特定の組成物が存在しない結果、線維芽細胞の集団は
、1つ以上の特定の培地及び/又は1つ以上の薬剤を含む1つ以上の組成物であって、細
胞の集団の免疫原性を低下させ得る組成物にさらされなくてもよい。
本発明の実施者が細胞の臨床投与を行うための、様々な品質管理手段が当技術分野で知
られている。細胞の適格性確認のための基準の例には、フローサイトメトリー、生存率、
エンドトキシン含有量などを用いたマーカーの同定、並びに、微生物及びマイコプラズマ
汚染の評価が含まれる。
本開示の一実施形態では、本開示に包含される方法で調製された有効量の改変された線維芽細胞は、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、癒着性関節包炎、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、抗TBM腎炎、関節線維症、心房線維症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索性・神経性ニューロパチー、バロ(Balo)病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性ライム病、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、Churg-Strauss症候群、瘢痕性類天疱瘡、肝硬変、コガンス(Cogans)症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、クローン病、嚢胞性線維症、インターロイキン-1受容体拮抗薬の欠損、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、子宮内膜症、心内膜筋線維症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎、家族性地中海熱、線維筋痛症 線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病(GVHD)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポ蛋白、封入体筋炎、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ケロイド、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病、ループス(SLE)、ライム病、縦隔線維症、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、骨髄線維症、筋炎、ナルコレプシー、新生児発症多系統炎症性疾患、腎性全身性線維症、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、眼球瘢痕性天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、Parsonnage-Turner症候群、溶連菌関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳炎、悪性貧血、ペイロニー病、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開術後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性広汎性線維化病変、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼球炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、1型糖尿病、I型自己免疫性多内分泌腺症候群、II型自己免疫性多内分泌腺症候群、III型自己免疫性多内分泌腺症候群、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚症、白斑、及び/又は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)などの炎症性疾患若しくは自己免疫疾患を有する、又は、それら炎症性疾患若しくは自己免疫疾患になることが知られている若しくはそれらに関連する進行中の医学的状態のリスクがある、個体に投与される。
本開示の実施形態は、1つ以上のポリペプチド配列の減少を含む線維芽細胞の医薬組成
物に関し、ここで、ポリペプチドは、線維芽細胞上又は線維芽細胞中に存在する発現タン
パク質として、免疫応答において役割を果たす。特定の場合において、しかし排他的では
ないが、タンパク質は細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ドメイ
ン、又はそれらの組み合わせを含む。
本開示の特定の実施形態は、線維芽細胞治療において使用される、本明細書中に開示さ
れる線維芽細胞を製造する方法に向けられ、ここで、当該治療は、免疫調節治療である。
本開示の実施形態は、a)ヒト白血球抗原(HLA);b)共刺激分子(例えば、cl
uster of differentiation 40(CD-40)、CD80、
CD86、インターロイキン12(IL-12)、又はそれらの組み合わせ);c)接着
分子;d)ヒト白血球抗原の発現の増加に関連するポリペプチド;e)線維症に関連する
ポリペプチド;及びf)それらの組み合わせからなる群より選択される免疫原性成分をコ
ードする少なくとも1つのポリヌクレオチド配列の発現の低下を含む、改変された線維芽
細胞(又はその複数)を含む。HLAは、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA
-DP、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-B27、又はそれらの組み合わせであっ
てよい。少なくともいくつかの場合において、接着分子は、リンパ球機能関連抗原1(L
FA-1)、インターロイキン接着分子1(ICAM-1)、血小板内皮細胞接着分子(
PECAM)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、CD11b、Vαβ3インテグリン、
又はそれらの組み合わせを含む。HLAの発現の増加に関連するポリペプチドは、例えば
、インターフェロンγ受容体、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)、CII
T、又はそれらの組み合わせを含み得る。線維症に関連するポリペプチドの例は、例えば
、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容体、SMADファミリーのメンバー、又はそれ
らの組み合わせであり得る。ポリペプチドの発現の低下は、例えば、CRISPR/Ca
s9、アデノウイルス、レンチウイルス、及び/又はアデノ随伴ウイルス、並びに/又は
それらの組み合わせを含む、任意の適切な手段によって媒介され得る。本開示の特定の実
施形態では、いずれかの細胞がヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を発現する。
改変されたいずれの線維芽細胞も、任意の種類の哺乳類組織に由来することができる。哺
乳動物組織の例としては、胎盤、臍帯、包皮、皮膚、網、脂肪組織、及び/又は骨髄が挙
げられる。哺乳動物組織は、ヒト、霊長類、ブタ、ウシ、ネズミ、イヌ、及び/又はネコ
に由来し得る。
特定の実施形態では、個体(哺乳動物を含む)において、少なくとも線維芽細胞治療を含む治療に対する免疫応答を低下させる方法であって、本開示に含まれる任意の線維芽細胞の有効量を提供するステップを包む、方法が存在する。線維芽細胞療法は、例えば、免疫調節治療を含み得る。治療を受ける個体は、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、癒着性関節包炎、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、抗TBM腎炎、関節線維症、心房線維症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索性・神経性ニューロパチー、バロ(Balo)病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性ライム病、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、Churg-Strauss症候群、瘢痕性類天疱瘡、肝硬変、コガンス(Cogans)症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、クローン病、嚢胞性線維症、インターロイキン-1受容体拮抗薬の欠損、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、子宮内膜症、心内膜筋線維症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎、家族性地中海熱、線維筋痛症 線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病(GVHD)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポ蛋白、封入体筋炎、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ケロイド、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病、ループス(SLE)、ライム病、縦隔線維症、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、骨髄線維症、筋炎、ナルコレプシー、新生児発症多系統炎症性疾患、腎性全身性線維症、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、眼球瘢痕性天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、Parsonnage-Turner症候群、溶連菌関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳炎、悪性貧血、ペイロニー病、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開術後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性広汎性線維化病変、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼球炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、1型糖尿病、I型自己免疫性多内分泌腺症候群、II型自己免疫性多内分泌腺症候群、III型自己免疫性多内分泌腺症候群、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚症、白斑、及び/又は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)であるか、それらのリスクを有している者を含む。任意の哺乳動物は、ヒト、霊長類、ブタ、ウシ、ネズミ、イヌ、及び/又はネコを含む、本明細書に包含される任意の細胞のレシピエントであり得る。
本開示の実施形態は、本明細書に包含されるような細胞集団の免疫原性を低下させる方
法を含み、ここで、集団は、ポリヌクレオチド配列によってコードされる1つ以上のポリ
ペプチドの発現の低下を含む。細胞集団は、胎盤、臍帯、包皮、皮膚、網、脂肪組織、及
び/又は骨髄に由来する組織などの1つ以上のタイプの哺乳動物組織に由来し得る。哺乳
動物組織は、ヒト、霊長類、ブタ、ウシ、ネズミ、イヌ、及び/又はネコから得ることが
できる。
任意の線維芽細胞は、Roswell Park Memorial Institu
te(RPMI-1640)、Dublecco’s Modified Essent
ial Media(DMEM)、Eagle’s Modified Essenti
al Media(EMEM)、Optimem、Iscove’s Media、又は
それらの組み合わせを含むものなどの培地中で培養され得る。
細胞において、1つ以上のポリペプチドの発現の低下は、免疫原性成分である1つ以上
のポリペプチドを含み得る。免疫原性成分の例には、少なくともヒト白血球抗原(HLA
)-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、HLA-DQ、HLA-DR、HLA
-B27、cluster of differentiation 40(CD-40
)、CD80、CD86、CD11b、インターロイキン12(IL-12)、リンパ球
機能関連抗原1(LFA-1)、インターロイキン接着分子1(ICAM-1)、血小板
内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、Vαβ3インテグ
リン、インターフェロンγ受容体、インターフェロン遺伝子の刺激因子(STING)、
CIIT、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容体、SMADファミリーのメンバー及
び/又はそれらの組み合わせが含まれる。ポリペプチド発現は、CRISPR/Cas9
、アデノウイルス、レンチウイルス、及び/又はアデノ随伴ウイルス、及び/又はそれら
の組み合わせによって低下され得る。
特定の実施形態では、治療有効量の本開示の細胞を含む、個体における自己免疫又は炎症状態を処置する方法が存在する。細胞は、例えば、不死化線維芽細胞であってもよい。細胞は、hTERTを発現していてもよい。個体は、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、癒着性関節包炎、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、抗TBM腎炎、関節線維症、心房線維症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索性・神経性ニューロパチー、バロ(Balo)病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性ライム病、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、Churg-Strauss症候群、瘢痕性類天疱瘡、肝硬変、コガンス(Cogans)症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、クローン病、嚢胞性線維症、インターロイキン-1受容体拮抗薬の欠損、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、子宮内膜症、心内膜筋線維症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎、家族性地中海熱、線維筋痛症 線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病(GVHD)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポ蛋白、封入体筋炎、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ケロイド、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病、ループス(SLE)、ライム病、縦隔線維症、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、骨髄線維症、筋炎、ナルコレプシー、新生児発症多系統炎症性疾患、腎性全身性線維症、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、眼球瘢痕性天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、Parsonnage-Turner症候群、溶連菌関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳炎、悪性貧血、ペイロニー病、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開術後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性広汎性線維化病変、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼球炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、1型糖尿病、I型自己免疫性多内分泌腺症候群、II型自己免疫性多内分泌腺症候群、III型自己免疫性多内分泌腺症候群、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚症、白斑、及び/又は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)を有するか、それらのリスクを有する者であり得る。
本開示の実施形態は、本明細書に包含される細胞のいずれかを含む、細胞の医薬調製物
を含む。
他の実施形態は、本明細書に包含される任意の細胞を産生する方法を含む。このような
方法は、病的な免疫応答に関与する免疫原性成分であるポリペプチドの発現を低下させる
ステップを含み得る。いくつかの場合において、この方法は、治療有効量の細胞を、ある
医学的状態となるリスクのある、又は該医学的状態を有する個体に送達するステップをさ
らに包含する。
上記は以下の詳細な説明がより良く理解され得るように、本開示の特徴及び技術的利点
をかなり広く概説した。本明細書の特許請求の範囲の主題を形成する追加の特徴及び利点
を以下に説明する。開示された概念及び特定の実施形態は本設計の同じ目的を実行するた
めに他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることが、当業者に
よって理解されるべきである。また、そのような同等の構成は、添付の特許請求の範囲に
記載される精神及び範囲から逸脱しないことが当業者によって理解されるべきである。本
明細書に開示される設計の特徴であると考えられる新規な特徴はさらなる目的及び利点と
ともに、動作の構成及び方法の両方に関して、添付の図面と関連して考慮される場合、以
下の説明からより良く理解される。しかしながら、各図は、例示及び説明の目的のためだ
けに提供され、本開示の限定の定義として意図されないことが明確に理解されるべきであ
る。
図1。
本明細書で使用される場合、「a」又は「an」は1つ又は複数を意味することができ
、本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という語と併せて使用
される場合、「a」又は「an」という語は1つ又は複数を意味することができ、本明細
書で使用される場合、「別の」は少なくとも2つ又は複数を意味することができ、特定の
実施形態では、開示の態様が例えば、本発明の1つ又は複数の配列から「本質的になる」
又は「からなる」場合がある。いくつかの実施形態は、本発明の1つ以上の要素、方法ス
テップ、及び/又は方法から構成されてもよく、又は本質的にそれらから構成されてもよ
い。本明細書中に記載されるいずれの方法又は組成物も、本明細書中に記載される任意の
他の方法又は組成物に関して使用され得ることが意図される。本出願の範囲は、本明細書
に記載されたプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップの特定の実
施形態に限定されることを意図していない。
[I.定義]
本明細書中で使用される用語「改変された(engineered)」、「修飾された
(modified)」又は「遺伝子改変された(genetically modif
ied)」は、ヒトの手によって、細胞に内在する少なくとも1つの遺伝子又は他の遺伝
子要素の発現及び/又は活性に関して変更された線維芽細胞をいう。特定の実施形態にお
いて、改変された線維芽細胞は、生物学的細胞を改善及び/又は置換するために使用され
る細胞、材料、及び/又は生化学的因子の組み合わせの一部である。
用語「免疫原性(immunogenic)」、「免疫原性成分(immunogen
ic component)」、「免疫調節(immunomodulation)」又
は「免疫調節の(immunomodulatory)」は、1つ以上の免疫機能を修飾
及び/又は調節し得る任意のプロセス又は遺伝子産物をいう。
本明細書で使用される「個体」という用語は、医療施設に収容されてもされなくてもよ
く、医療施設の外来患者として治療されてもよいヒト又は動物を指す。個体は、インター
ネットを介して1つ以上の医療組成物を受けていてもよい。個体がヒト又は非ヒト動物の
任意の年齢を含むことができ、したがって、成人及び少年(すなわち、子供)及び幼児の
両方を含む。したがって、「個体」という用語は医療治療の必要性を意味するものではな
く、したがって、個体は、臨床又は基礎科学研究を支援するために、自発的又は非自発的
に実験に参加することができる。「対象」又は「個体」という用語は、哺乳動物、例えば
、ヒト、実験動物(例えば、霊長類、ラット、マウス、ウサギ)、家畜(例えば、ウシ、
ヒツジ、ヤギ、ブタ、七面鳥、及びニワトリ)、家庭用ペット(例えば、イヌ、ネコ、げ
っ歯類)、ウマ、及びトランスジェニック非ヒト動物を含む、方法又は材料の対象となる
任意の生物又は動物対象を表す。
本明細書中で使用される用語「薬学的に」又は「薬理学的に許容される」は動物又はヒ
トに投与された場合に、有害な、アレルギー性の、又は他の不都合な反応を生じない分子
実体及び組成物をいう。
治療された被験者に対する治療されていない被験者における任意の症状の発現について
の用語「低下(reduce)」、「抑制(inhibit)」、「減少(dimini
sh)」、「低減(suppress)」、「予防(prevent)」及び文法的等価
物(「低下(lower)」、「小さい(small)」などを含む)という用語は、治
療された被験者における症状の量及び/又は大きさが、治療されていない被験者と比較し
て、任意の医学的に訓練された職員によって臨床的に関連すると認識される任意の量だけ
低いことを意味する。一実施形態では、治療された対象における症状の量及び/又は大き
さは、未治療の対象における症状の量及び/又は大きさよりも、少なくとも10%低い、
少なくとも25%低い、少なくとも50%低い、少なくとも75%低い、及び/又は少な
くとも90%低い。
「治療薬」とは、血管新生及び/又は創傷の治癒を調節する際に「治療効果」を有する
ことを意味し、治療剤の量は、ある量の治療剤が血管新生の調節を必要とする対象(例え
ば、動物モデル又はヒト患者)に投与された場合に血管新生活性の有意な調節(すなわち
、増加又は低下)を引き起こすのに十分な量である場合、その量は「血管新生調節量」で
あると言われる。
「線維症」という用語は、臓器又は組織における過剰な線維性結合組織の形成を意味す
る。線維化は、正常な生理において、結合組織の沈着物として作用するために起こる。病
理学において、線維症は、瘢痕化、罹患組織の肥厚、及び組織又は器官の正常な機能の妨
害を生じ得る、細胞外物質及びタンパク質の過剰な沈着状態を記述するために使用され得
る。
本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」は「有効量」、「治療上有効な量」
及び/又は「効果的な用量」と同義であり、開業医が、それを必要とする個体において必
要とする、生物学的、美容的又は臨床的応答を誘発する化合物の量をいう。一例として、
有効量は、細胞群の免疫原性を低下させるのに十分な量である。
本明細書中で使用される場合、用語「移植」は、生きた組織又は細胞を採取し、そして
それを身体の別の部分又は別の身体に移植するプロセスをいう。
「治療」(「treatment」、「treat」又は「treating」)は、
疾患又は状態の影響を軽減する方法を意味する。治療はまた、単なる症状ではなく、疾患
又は状態そのものを減少させる方法を指すことができる。治療は、治療前のレベルからの
任意の低下であり得、疾患、状態、又は疾患若しくは状態の症状の完全なアブレーション
であり得るが、これに限定されない。したがって、開示された方法では、「治療」は、疾
患の少なくとも1つの症状の重症度の低下を含む、確立された疾患の重症度又は疾患の進
行の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は
100%の低下を指すことができる。例えば、細胞の免疫原性を減少させるための開示さ
れた方法は、同じ被験者又は対照被験者において、治療前レベルと比較した場合に、細胞
の免疫原性の検出可能な減少が存在する場合、治療であると考えられる。したがって、減
少は、ネイティブ又は対照レベルと比較して、10、20、30、40、50、60、7
0、80、90、100%、又はその間の任意の量の減少であり得る。「治療」は、必ず
しも疾患又は状態の治癒を指すものではなく、疾患又は状態の見通しの改善を指すことが
理解され、本明細書で企図される。特定の実施形態では、治療が少なくとも1つの症状の
重症度又は程度の低下を指し、代替的に又は追加的に、少なくとも1つの症状の発症の遅
延を指すことができる。
「投与される」又は「投与する」という用語は、本明細書中で使用される場合、組成物
が患者に対して意図される効果を有するように、組成物を個体に提供する任意の方法をい
う。例えば、投与の1つの方法は、カテーテル、アプリケーターガン、シリンジなどの医
療デバイスを使用する間接機構によるものであるが、これらに限定されない。第2の例示
的な投与方法は、例えば、局所組織投与、経口摂取、経皮パッチ、局所投与、吸入、坐薬
などの直接機構による。
用語「送達する」又は「送達される」は、本明細書中で使用される場合、組成物が患者
に対して意図された効果を有するように、組成物を個体に提供する任意の方法をいう。例
えば、投与の1つの方法は、カテーテル、アプリケーターガン、シリンジなどの医療デバ
イスを使用する間接機構によるものであるが、これらに限定されない。第2の例示的な投
与方法は、例えば、局所組織投与、経口摂取、経皮パッチ、局所投与、吸入、坐薬などの
直接機構による。
本明細書中で使用される、用語「同種刺激性」及び「同種反応性」は、同種の抗原、即
ちalloantigens、又は異種HLAハプロタイプを発現する細胞に応答して免
疫系が刺激及び反応することを意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「自己免疫」は、ある生物の、自らの健康な細胞及
び組織に対する生物の免疫応答の系をいう。
本明細書中で使用される場合、「自己」とは、同一個体の身体に由来するか、又はそれ
から移入される組織又は細胞をいう(すなわち、自己献血;自己骨髄移植)。
本明細書中で使用される場合、用語「自家移植」は、個体における身体のある部分から
別の部分への、同一の個体(すなわち、ドナー及びレシピエントは同一の個体である)に
おける器官、組織、及び/又は細胞の移植をいい、このような「自家」手順によって移植
される組織は、自己移植片(autograft)又は自家移植片(autotrans
plant)と呼ばれる。
本明細書中で使用される場合、「同種異系」は、同じ種の1つ以上の個体由来であるが
、自然環境下において、免疫学的に不適合であるか、又は免疫学的に不適合である可能性
がある、別の身体由来の組織又は細胞をいう。
「細胞培養」又は「培養」又は「培養された」は、休止しているか、老化しているか、
又は(活発に)分裂しているかどうかにかかわらず、生存細胞を含有する人工インビトロ
系を指す。細胞培養において、細胞は、適切な温度、典型的には37℃の温度で、典型的
には酸素及びCOを含む大気中で生育され、維持される。培養条件は各細胞型によって
大きく異なり、特定の細胞型について条件が変動すると、異なる表現型が発現する可能性
がある。
[II.一般的な実施形態]
本開示及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義され
る設計の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び変更を本明細書で
行うことができることを理解されたい。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載された
プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定され
ることを意図していない。当業者であれば、本開示から容易に理解するように、本明細書
で説明される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果
を達成する、現在存在するか又は後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成物、
手段、方法、又はステップを、本開示に従って利用することができる。したがって、添付
の特許請求の範囲はその範囲内に、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方
法、又はステップを含むことが意図される。
(A.ex vivo培養細胞の遺伝子改変)
いくつかの実施形態において、細胞集団の免疫原性を減少させて、当該集団がレシピエ
ント個体において有効であることを可能にする方法が存在する。具体的な実施形態では、
集団が、例えば、ヒト白血球抗原(HLA)-A、HLA-B、HLA-C、HLA-D
P、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-B27、cluster of diffe
rentiation 40(CD-40)、CD80、CD86、CD11b、インタ
ーロイキン12(IL-12)、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、インターロイ
キン接着分子1(ICAM-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接
着分子(EpCAM)、Vαβ3インテグリン、インターフェロンγ受容体、インターフ
ェロン遺伝子刺激因子(STING)、CIIT、形質転換増殖因子β(TGF-β)受
容体のクラスター、SMADファミリーのメンバー及び/又はその組み合わせなどの1つ
以上の免疫原性成分の発現を低下させるように、遺伝子改変に供される。本開示の特定の
実施形態において、改変された線維芽細胞は、例えば、真核細胞において作動可能な組換
え発現ベクターを介して、1つ以上の免疫原性成分における発現の部分的又は完全な低下
を有し、そして免疫原性成分の発現は、構成的プロモーター又は誘導性プロモーター又は
組織特異的プロモーター又は条件的プロモーター(例えば、低酸素誘導性)によって調節
され得る。特定の実施形態では、ベクターは、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノ
ウイルス、アデノ随伴ウイルス若しくは単純ヘルペスウイルスなどのウイルスベクター、
又は、ベクターは、裸のDNA若しくはプラスミドDNA若しくはミニサークルDNAな
どの非ウイルスベクターである。トランスフェクション用の薬剤は、少なくとも以下を含
む:例として、Fasリガンド、TGF-β、IL-4、IL-10、HLA-G、イン
ドールアミン2,3デオキシゲナーゼ(IDO)、ガレクチンファミリーメンバー、ガレ
クチン3、アルギナーゼ、及び/又はIL-20。
いくつかの実施形態では、細胞集団は不死化される。不死化は、ヒトテロメラーゼ逆転
写酵素(hTERT)を含む1つ以上の特定の遺伝子の導入によって達成され得る。不死
化のプロセスは当該分野で公知であり、そして標的細胞に遺伝子を導入するための種々の
ベクターの利用を含み得、前記ベクターは、例えば、レトロウイルス(分裂細胞だけでな
く非分裂細胞にも感染するレンチウイルス)、フォーミーウイルス(米国特許第5,62
4,820号、第5,693,508号、第5,665,577号、第6,013,51
6号及び第5,674,703号;WO92/05266号及び第WO92/14829
号)、アデノウイルス(米国特許第5,700,470号、第5,731,172号及び
第5,928,944号)、アデノ随伴ウイルス(AAV)(米国特許第5,604,0
90号)、単純ヘルペスウイルスベクター(米国特許第5,501,979号)、サイト
メガロウイルス(CMV)ベースのベクター(米国特許第5,561,063)、レオウ
イルス、ロタウイルスゲノム、シミアンウイルス40(SV40)又はパピローマウイル
ス(Cone et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6349 (1984); EUKARYOTIC VIRAL VEC
TORS, Cold Spring Harbor Laboratory, Gluzman ed., 1982; Sarver et al., Mol. Cell
. Biol. 1:486 (1981); U.S. Pat. No. 5,719,054)などのウイルスベクターに基づくベ
クターが含まれる。アデノウイルスは、緩慢に複製する細胞及び/又は最終分化した細胞
に効率的に感染し、緩慢に複製する及び/又は最終分化した細胞を標的とするために使用
することができる。シミアンウイルス40(SV40)及びウシパピローマウイルス(B
PV)は、染色体外エレメントとして複製する能力を有する(Eukaryotic Viral Vectors
, Cold Spring Harbor Laboratory, Gluzman ed., 1982; Sarver et al., Mol. Cell. Bi
ol. 1:486 (1981))。発現に有用なさらなるウイルスベクターとしては、レオウイルス、
パルボウイルス、ノーウォークウイルス、コロナウイルス、パラミクソ及びラブドウイル
ス、トガウイルス(例えば、シンドビスウイルス及びセムリキ森林ウイルス)及び水疱性
口内炎ウイルス(VSV)を含み、多能性幹細胞又はその子孫(例えば、分化細胞)にお
けるポリヌクレオチド又は導入遺伝子の導入及び発現に向かわせる。核酸を含むベクター
は、核酸が発現制御エレメントに作動可能に連結される場合に発現され得る。
一実施形態では、CRISPR系の1つ以上のエレメントに作動可能に連結された制御
エレメントの使用であって、
線維芽細胞がヒト白血球抗原(HLA)-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DP
、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-B27、cluster of differ
entiation 40(CD-40)、CD80、CD86、CD11b、インター
ロイキン12(IL-12)、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、インターロイキ
ン接着分子1(ICAM-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接着
分子(EpCAM)、Vαβ3インテグリン、インターフェロンγ受容体、インターフェ
ロン遺伝子刺激因子(STING)、CIIT、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容
体、SMADファミリーのメンバー、及び/又はそれらの組み合わせ、の発現を防ぐ様式
で線維芽細胞における遺伝子をコードするDNAを操作することを目的として、前記CR
ISPRシステムの1つ以上のエレメントの発現を駆動するための、使用が開示される。
CRISPRは、SPIDR(SPacer Interspersed Direc
t Repeats)としても知られ、一般的に特定の細菌種に固有のDNA座のファミ
リーを構成する。CRISPR遺伝子座は、大腸菌で認識される散在性短配列反復(sh
ort sequence repeats、SSR)の区別されたクラスを含む。SS
Rの発見は、他のグループが結核菌などの他の細菌でもそれらを同定しているという点で
、大腸菌に特異的なものではなかった。CRISPR遺伝子座が他のSSRと異なるのは
、short regular spaced repeats(SRSR)と呼ばれる
リピートの構造にある。SRSRのリピートは、実質的に一定の長さを有する固有の介在
配列によって規則的に離間されたクラスター状に存在する短い要素である。当該反復配列
は、菌株間で高度に保存されているが、散在したリピートの数とスペーサー領域の配列は
、典型的には菌株間で異なる。当該実施形態において、内在性のCRISPRシステムは
免疫原性成分を欠失させるために利用され、CRISPR複合体(これは標的配列にハイ
ブリダイズされるガイド配列と、1つ以上のCasタンパク質とが複合化したもの)を形
成して、標的配列中又はその近くの一方又は両方の鎖の切断を引き起こす。tracr配
列は、野生型tracr配列の全部又は一部を含んでもよいし、又は、それらからなって
もよく、また、例えば、tracr配列の少なくとも一部に沿って、ガイド配列に作動可
能に連結されたtracr mate配列の全部又は一部にハイブリダイズすることによ
って、CRISPR複合体の一部を形成してもよい。いくつかの実施形態において、tr
acr配列は、CRISPR複合体の形成にハイブリダイズし、関与するために、tra
cr mate配列に対して十分な相補性を有する。細胞内で遺伝子編集を誘導する場合
、Cas酵素、tracr mate配列に結合されたガイド配列、及びtracr配列
は、それぞれ別々のベクター上の別々の調節エレメントに作動可能に連結され得る。有用
なベクターには当技術分野で周知のウイルス構築物が含まれ、ある特定の実施形態では、
レンチウイルス構築物が利用される。1つの実施形態において、同じ又は異なる調節エレ
メントから発現される2つ以上のエレメントが単一のベクターにおいて組み合わされても
よく、1つ以上の追加のベクターが、第1のベクターに含まれないCRISPR系の任意
の成分を提供する。
一実施形態では、ベクターが制限エンドヌクレアーゼ認識配列などの1つ以上の挿入部
位を含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の挿入部位が、1つ以上のベクターの
1つ以上の配列エレメントの上流及び/又は下流に位置する。いくつかの実施形態では、
ベクターは、tracr mate配列の上流、及び任意選択で、tracr mate
配列に作動可能に連結された調節エレメントの下流に挿入部位を含み、その結果、その後
の前記挿入部位へのガイド配列の挿入及び発現時に、前記ガイド配列が、真核細胞中の標
的配列へのCRISPR複合体の配列特異的結合を誘導する。いくつかの実施形態におい
て、ベクターは2つ以上の挿入部位を含み、各挿入部位は、各部位におけるガイド配列の
挿入を可能にするように、2つのtracr mate配列の間に配置される。このよう
な配置において、2つ以上のガイド配列は、単一のガイド配列の2つ以上のコピー、2つ
以上の異なるガイド配列、又はそれらの組み合わせを含み得る。複数の異なるガイド配列
が使用される場合、単一の発現構築物を使用して、細胞内の複数の異なる対応する標的配
列にCRISPR活性を標的化してもよい。
組換え技術を用いる場合には、1つ又は複数のタイプの細胞を操作して、目的の遺伝子
産物をコードする発現ベクターを保持させる。組換え発現ベクターは、1つ以上のDNA
分子又は構築物として導入され得、ここで、ベクターを含む宿主細胞の選択を可能にする
少なくとも1つのマーカーが存在し得る。ベクターは従来の方法で調製することができ、
ここで、前記遺伝子及び調節領域は適宜分離し、ライゲーションし、適切なクローニング
宿主中でクローニングし、配列決定又は他の便利な手段によって分析することができる。
特に、PCRを用いて、機能単位の全部又は一部を含む個々の断片を単離することができ
、場合によっては、「プライマー修復」、ライゲーション、インビトロ突然変異誘発など
を適宜用いて、1つ以上の突然変異を導入することができる。一旦ベクターが完成して適
切な配列を有することが実証されれば、次いで、任意の簡便な手段によって宿主細胞に導
入され得る。この構築物は、細胞への感染若しくは形質導入のために、レンチウイルス、
アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)のよ
うな非複製性の欠陥ウイルスゲノム、又は、レトロウイルスベクターを含む他のウイルス
ゲノムに組み込まれ、パッケージされ得る。ベクターは、必要に応じて、トランスフェク
ションのためのウイルス配列を含んでもよい。あるいは、当該構築物は、融合、エレクト
ロポレーション、バイオリスティック、トランスフェクション、リポフェクションなどに
よって導入されてもよい。宿主細胞は、ベクターの導入前に培養物中で成長・増殖させ、
続いてベクターの導入及びベクターの組み込みのための適切な処理を行ってもよい。次い
で、細胞を増殖させ、構築物中に存在するマーカーによってスクリーニングする。うまく
使用することができる種々のマーカーとしては、hprt、ネオマイシン耐性、チミジン
キナーゼ、ハイグロマイシン耐性などが挙げられる。
本明細書中に記載される免疫原性成分をコードする遺伝子のいずれか、又はその活性部
分は、CMVプロモーター[Artuc et al., Exp. Dermatol. 1995, 4:317-21]のような
、細胞における発現を可能にする1つ以上のプロモーター配列を含む哺乳動物発現構築物
中にクローニングされ得る。適切な構築物の例としては、pcDNA3、pcDNA3.
1(+/-)、pGL3、PzeoSV2(+/-)、pDisplay、pEF/my
c/cyto、pCMV/myc/cyto(これらの各々はInvitrogen C
o(www.invitrogen.com)から商業的に入手可能である)、又はヒト包皮細胞におけるポ
リヌクレオチド発現制御が可能なpSH発現ベクター[Ventura and Villa, 1993, Bioch
em.Biophys.Commun.192: 867-9]が含まれるが、それらに限定されない。レトロウイルス
ベクター及びパッケージングシステムの例としては、Clontech、San Die
go、CA、USAによって販売されているものであり、複数のクローニング部位へのク
ローニングを可能にして、導入遺伝子がCMVプロモーターから転写される、Retro
-XベクターpLNCX及びpLXSNなどが挙げられる。Mo-MuLVに由来するベ
クターには、pBabeなども含まれ、ここで、転写遺伝子は5′LTRプロモーターか
ら転写されるであろう。プラスミドトランスフェクションが完了した後、組織培養プレー
トからの剥離を可能とする手段、例えば、トリプシン処理によって、線維芽細胞を収集し
、そして増殖のために6ウェル(Nunc、デンマーク)又は24ウェルプレート(Nu
nc)のいずれかに移す。トランスフェクションから約3日後に、細胞培地を、改変され
た線維芽細胞の増殖及び拡大を可能にする培地に交換する。一例として、Neuroba
sal-A(Invitrogen)、1%D-グルコース(Sigma Aldric
h)、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン(Invitrogen)、2
%レチノイン酸添加B27(Invitrogen)、0.2%EGF(Peprote
ch、USA)、0.08%FGF-2(Peprotech)、0.2%ヘパリン(S
igma Aldrich、USA)及びバルプロ酸(Sigma-Aldrich)を
含む、Neurobasal A(NBA)増殖培地である。その後、培地を週に3回交
換し、細胞を規則的に再播種し(例えば、最大週に2~8回、コロニーが発達し始めるに
つれてより定期的に行う)、広範なコロニー形成が達成されるまで、再プログラムされて
いない細胞を除去する。
ベクターは、少なくとも1つの薬剤(1つ以上の免疫原性ポリペプチド又はその機能的
フラグメントを含む)をコードする単一のDNA分子として導入されてもよいし、任意で
別のポリヌクレオチド(遺伝子など)、即ち1つ以上のポリヌクレオチド(遺伝子など)
を有する異なるDNA分子として導入されてもよい。ベクターは、各々が同じ又は異なる
マーカーを用いて、同時に又は連続的に導入され得る。例示的な例において、1つのベク
ターは、1つ以上の薬剤を含む。
細菌又は酵母の複製起点、選択可能及び/又は増幅可能なマーカー、原核生物又は真核
生物における発現のためのプロモーター/エンハンサーエレメントなどの有用なエレメン
トを含むベクターは、ベクターDNAのストックを調製するために、及びトランスフェク
ションを実施するために使用され得るが、これらは当該分野で周知であり、そして多くが
商業的に入手可能である。
特定の実施形態では、RNA又はタンパク質性配列は、同じ宿主細胞において、他の選
択されたRNA又はタンパク質性配列と共発現することが意図される。共発現は、宿主細
胞を2つ以上の別個の組換えベクターで共トランスフェクトすることによって達成され得
る。あるいは、単一の組換えベクターは、RNAについての複数の異なるコード領域を含
むように構築され得、次いで、これらが単一のベクターでトランスフェクトされた宿主細
胞において発現され得る。
いくつかの状況では、例えば目的が、治療を終了させることである場合、細胞が腫瘍性
になる場合、所望の細胞が存在した後に該細胞が存在しないことに関心がある場合、及び
/又は別のイベントの場合など、改変された線維芽細胞を死滅させることが望ましい場合
がある。この目的のために、自殺遺伝子のような制御された条件下で、遺伝子改変された
細胞を死滅させることができるある種の遺伝子産物の発現を提供することができる。自殺
遺伝子は、例えば、カスパーゼ9の改変型が小分子(例えば、AP1903)で二量体化
可能である、iCaspase9システム(例えば、Straathof et al., Blood 105:4247
-4254 (2005)参照)のように、当該分野で公知である。
(B.ex vivo培養細胞の細胞性免疫原性の低下)
本開示のいくつかの実施形態では、細胞集団の免疫原性の減少に関連する方法及び組成物
であって、ヒト白血球抗原(HLA)-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、H
LA-DQ、HLA-DR、HLA-B27、cluster of differen
tiation 40(CD-40)、CD80、CD86、CD11b、インターロイ
キン12(IL-12)、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、インターロイキン接
着分子1(ICAM-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接着分子
(EpCAM)、Vαβ3インテグリン、インターフェロンγ受容体、インターフェロン
遺伝子刺激因子(STING)、CIIT、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容体、
SMADファミリーのメンバー、及び/又はそれらの組み合わせを含むポリペプチドの発
現を低下させるように前記集団が遺伝子改変に供される、方法及び組成物が存在する。
一般的な実施形態において、細胞集団は、該細胞集団の免疫原性を低下させることがで
きるように、1つ以上の特定の培地及び/又は1つ以上の薬剤を含む1つ以上の組成物に
供される。本開示の特定の実施形態では、方法は、細胞が任意のタイプの線維芽細胞であ
り、線維芽細胞が免疫原性を低下させ、治療能力において利用され得るように改変された
細胞集団を対象とする。特定の実施形態では、線維芽細胞は、例えば、胎盤、臍帯、包皮
、皮膚、網(omentum)、脂肪組織、及び/又は骨髄、又はそれらの派生体を含む
任意の種類のものであり得る。特定の場合において、本開示の方法は、自己細胞を対象と
する。他の場合には、本開示の方法は同種異系細胞を対象とする。場合によっては、本開
示の方法は異種細胞を対象とする。
本開示の実施形態は、線維芽細胞の免疫原性を低下させるために培養条件を変更するこ
とによって、同種異系治療細胞として線維芽細胞(又は上記のような他のタイプの細胞)
を利用する手段を提供する。本開示の1つの実施形態において、線維芽細胞はより低い免
疫原性を有する供給源(例えば、胎盤線維芽細胞など)から抽出される。別の実施形態に
おいて、線維芽細胞は、ex vivoで培養され、そしてメカニズムにおいて限定され
ることなく、免疫原性を低下させることが本発明者らによって実証されている遺伝子改変
に供される。免疫原性の低下は、線維芽細胞が病的な免疫応答を誘発する能力を阻害する
ことによって例示され得る。
特定の実施形態において、本開示は実施される免疫原性の評価の方法(例えば、混合リ
ンパ球反応を調節する能力を定量すること)を提供する。混合リンパ球反応は、当技術分
野でよく知られている。典型的には、混合リンパ球反応は、同種異系リンパ球と一緒に線
維芽細胞(この場合、遺伝的に改変されている)を共培養することによって行われる。特
定の実施形態では、免疫原性の調節を示す混合リンパ球反応のパラメータは、T細胞増殖
、サイトカイン分泌、及び細胞傷害性を含む。T細胞増殖、サイトカイン分泌、及び細胞
傷害性を定量するための方法は、当該分野でよく知られている。特定の実施形態において
、免疫原性の調節は、TNF-α、インターフェロンγ、インターロイキン(IL)-1
、IL-2、IL-6、IL-7、IL-8、IL-12、IL-15、IL-17、I
L-33、又はそれらの組み合わせを含む、1つ以上のサイトカインの分泌を定量するこ
とによって決定され得る。
特定の実施形態において、本開示は、免疫原性が低下した細胞を、それを必要とする個
体に投与することに関する方法を提供する。免疫原性が低下した細胞の集団は、所望に応
じて投与され得る。望まれる応答、投与様式、細胞の寿命、及び/又は存在する細胞の数
に応じて、種々のプロトコルが使用され得る。
(C.炎症性疾患又は自己免疫疾患の治療)
傷害や特定の状態に反応した炎症は、体の正常で健康な反応である。しかし、病的な状
況では、免疫系が身体自身の細胞や組織を攻撃して異常な炎症を引き起こし、それが慢性
的な痛み、発赤、腫脹、こわばり、正常組織の損傷につながり、炎症関連疾患の発症へと
進行する可能性がある。
本開示の一実施形態では、本開示に包含される方法で調製された有効量の改変された線維芽細胞は、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、癒着性関節包炎、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、抗TBM腎炎、関節線維症、心房線維症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索性・神経性ニューロパチー、バロ(Balo)病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性ライム病、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、Churg-Strauss症候群、瘢痕性類天疱瘡、肝硬変、コガンス(Cogans)症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、クローン病、嚢胞性線維症、インターロイキン-1受容体拮抗薬の欠損、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、子宮内膜症、心内膜筋線維症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎、家族性地中海熱、線維筋痛症 線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病(GVHD)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポ蛋白、封入体筋炎、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ケロイド、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病、ループス(SLE)、ライム病、縦隔線維症、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、骨髄線維症、筋炎、ナルコレプシー、新生児発症多系統炎症性疾患、腎性全身性線維症、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、眼球瘢痕性天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、Parsonnage-Turner症候群、溶連菌関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳炎、悪性貧血、ペイロニー病、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開術後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性広汎性線維化病変、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼球炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、1型糖尿病、I型自己免疫性多内分泌腺症候群、II型自己免疫性多内分泌腺症候群、III型自己免疫性多内分泌腺症候群、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚症、白斑、及び/又は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)などの炎症性疾患若しくは自己免疫疾患を有する、又は、それら炎症性疾患若しくは自己免疫疾患になることが知られている若しくはそれらに関連する進行中の医学的状態のリスクがある、個体に投与される。
いくつかの態様において、ヒト白血球抗原(HLA)-A、HLA-B、HLA-C、
HLA-DP、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-B27、cluster of
differentiation 40(CD-40)、CD86、CD11b、インタ
ーロイキン12(IL-12)、リンパ球機能関連抗原分子1(LFA-1)、インター
ロイキン接着分子1(ICAM-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細
胞接着分子(EpCAM)、Vαβ3インテグリン、インターフェロンγ受容体、インタ
ーフェロン遺伝子刺激因子(STING)、CIIT、形質転換増殖因子β(TGF-β
)受容体、SMADファミリーのメンバー、及び/又はそれらの組み合わせ、の発現の低
下のように、免疫原性タンパク質の発現が低下している線維芽細胞集団の有効量を個体に
提供することによって、炎症関連又は自己免疫疾患を治療する方法がある。
他の実施形態では、線維芽細胞治療は、例えば、胎盤、臍帯、包皮、皮膚、網、脂肪組
織、及び/又は骨髄、又はそれらの派生体を含む、哺乳動物体の複数の領域に由来する任
意の種類の線維芽細胞を含む。特定の態様において、本開示の方法は、自己細胞を対象と
する。他の場合には、本開示の方法は、同種異系細胞に向けられる。いくつかの態様では
、本開示の方法は異種細胞に向けられる。
上記のいずれかの組織に由来する細胞の増殖は、細胞治療の製造を意図して建設され、
GMPクリーンルーム分類を満たすクリーンルーム設備において行われてもよい。クラス
10,000の清潔な生産スイートに位置する滅菌されたクラスII生物学的安全キャビ
ネットにおいて、細胞を制御された条件下で解凍し、そして、BSEを有していない乳牛
由来の20%ウシ胎仔血清(Atlas)を補充した10 mLの完全DMEM-低グル
コース培地(cDMEM)(GibcoBRL、Grand Island, NY)を
含む15mLコニカルチューブ中で洗浄した。ウシ胎仔血清アルブミンは、エンドトキシ
ンレベルが100EU/mL以下(日常的には10EU/mL)でヘモグロビンレベルが
30mg/dL以下(日常的には25mg/dL以下)であることが特定された。使用し
た血清ロットは隔離され、1ロットをすべての実験に使用した。続いて、細胞を45ml
のcDMEMを含むT-225フラスコに入れ、完全に加湿した大気中、37℃、5%C
で24時間培養する。これは、MSCが接着することを可能にした。非接着細胞を、
cDMEMを用いてフラスコを穏やかにすすぐことによって洗い落とした。これにより、
開始T-225フラスコ当たり約600万個の細胞が得られた。次に、第1のフラスコの
細胞を4つのフラスコに分けた。細胞を4日間増殖させ、その後、フラスコ当たり約60
0万個の細胞が存在した(合計2400万個の細胞)。このスキームを繰り返したが、細
胞は10継代を超えて増殖せず、その後、配送のために600万細胞のアリコートを密封
バイアルに入れてバンクした。生成、拡大、及び製品製造のすべてのプロセスは現行の適
性製造工程(Good Manufacturing Process)及び適切な管理
に準拠した条件及び試験、並びに1998年にFDAによって発行されたGuidance for I
ndustry: Guidance for Human Somatic Cell Therapy and Gene Therapy、2008 Guidance
for FDA Reviewers and Sponsors Content and Review of Chemistry, Manufacturing,
and Control (CMC) Information for Human Somatic Cell Therapy Investigational New
Drug Applications (INDs)、並びにマスター細胞バンクについての1993 FDA points-to-
consider documentに記載されている細胞製品の製造方法が全て順守されている。ドナー
細胞は、無菌条件で採取され、受託製造施設に輸送され、汚染がないかどうかについて評
価され、そして増殖される。増殖した細胞は、約600万細胞/バイアルの凍結バイアル
中に保存し、ドナーあたり約100バイアルを用いる。増殖の各段階において、汚染又は
異常な細胞増殖がないことを確実にするために、品質管理手順を実施した。
いくつかの態様において、改変された線維芽細胞は、炎症関連疾患又は自己免疫疾患と
診断された個体、又は発症するリスクがある個体を治療する。いくつかの場合では、個体
は、炎症関連疾患又は自己免疫疾患を有する個体を診断する(又はそのリスクを決定する
)ために、1つ以上の抗体、タンパク質、炎症マーカー、及び/又はそれらの組合せの存
在及び/又はレベル(又は不存在)を判定するための、血液検査などの検査を受けること
になる。所与の個体における炎症のレベルを判定するためのさらなる体液試験は、空腹時
インスリンレベル、ヘモグロビンA1C、C反応性タンパク質、血清フェリチン、赤血球
幅、又はそれらの組み合わせを試験することを含み得る。所与の個体における炎症の程度
を決定するために、臓器機能評価もまた分析され得る。このような臓器機能検査のための
リードアウトとしては肝機能検査、ブロムスルファレイン検査、血清ビリルビン検査、肝
酵素検査、血中アンモニア検査、基礎代謝率、タンパク質結合ヨウ素検査、甲状腺ヨウ素
クリアランス検査、放射性ヨウ素排泄検査、甲状腺スキャン、トリヨードサイロニンレベ
ル検査、T3抑制検査、血清チロキシン検査、膵酵素検査、リパーゼ検査、及び/又はそ
れらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
免疫調節治療を必要とする個体は、本明細書中に記載されるように、有効量の改変され
た線維芽細胞を提供され得る。線維芽細胞は、同じタイプの改変されていない線維芽細胞
と比較して、減少する1つ以上の免疫原性タンパク質の発現を低下させるように改変され
得る。発現の低下は、部分的であってもよく、又は発現が検出できない程度であってもよ
い。場合によっては、免疫調節治療を必要とする個体をもたらす医学的状態のタイプによ
って、どの1つ又は複数の遺伝子の発現がダウンレギュレートされるかを決めることがあ
り、これは当業者により経験的に決定することができる。
(D.本開示のキット)
本明細書中に記載されるか、又はそれに類似する、任意の細胞性及び/又は非細胞性組
成物が、キット中に含まれ得る。非限定的な例では、細胞治療を準備するための方法にお
いて使用するための1つ以上の試薬が、キットに含まれ得る。そのような試薬は、細胞、
1つ以上の増殖因子、ベクター、1つ以上の共刺激因子、培地、酵素、緩衝液、ヌクレオ
チド、塩、プライマーなどを含み得る。キットの構成要素は、適切な容器手段で提供され
る。特定の実施形態において、キットは、本明細書の他の箇所に記載されるように、1つ
以上の免疫原性タンパク質をコードする線維芽細胞及び/又はプライマー及び/又は核酸
を含む。
キットのいくつかの成分は、水性媒体又は凍結乾燥形態のいずれかで包装され得る。キ
ットの容器手段は一般に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリ
ンジ又は他の容器を含み、その中に、構成要素が配置され得、そして好ましくは、適切に
分注される。キット中に2つ以上の成分が存在する場合、キットにも、一般に、第2、第
3、又は他の追加の容器が含まれ、その中に追加の成分が別々に配置され得る。しかし、
成分のさまざまな組み合わせが1つのバイアル中に含まれてもよい。また、本発明のキッ
トは、典型的には商業的販売のために、構成要素を閉じ込めた状態で収容するための手段
を含む。このような容器は、所望のバイアルが保持される射出成形又はブロー成形プラス
チック容器を含み得る。
キットの構成要素が1つ以上の液体溶液で提供される場合、液体溶液は水溶液であり、
滅菌水溶液が特に有用である。場合によっては、容器手段はそれ自体が、シリンジ、ピペ
ット、及び/又は他のそのような器具であってもよく、又は所望の反応のための多数の区
画を有する基板であってもよい。
キットのいくつかの構成要素は、乾燥粉末として提供されてもよい。試薬及び/又は成
分が乾燥粉末として提供される場合には、当該粉末を適切な溶媒を添加することによって
再構成することができる。また、溶媒は、別の容器手段の中に同じく提供され得ることが
想定されている。また、キットは、滅菌された許容可能な緩衝液及び/又は他の希釈剤を
収容するための第2の容器手段を含み得る。
特定の実施形態において、試薬及び材料は、所望の配列を増幅するためのプライマー、
ヌクレオチド、適切な緩衝液又は緩衝試薬、塩などを含み、いくつかの場合において、試
薬は、特定の所望の細胞の単離のための装置又は試薬を含む。
特定の実施形態では、個体から1つ以上のサンプルを抽出するのに適した1つ以上の器
具がキット中に存在する。器具は、シリンジ、細い針、メスなどであってもよい。
以下の実施例は、本発明の実施形態を実証するために含まれる。以下の実施例に開示さ
れる技術は本発明の実施において良好に機能することが本発明者によって発見された技術
を表し、したがって、本発明の実施のための形態を構成すると考えることができることを
当業者は理解されたい。しかしながら、当業者であれば、本発明の開示を考慮して、開示
されかつ同様の結果を得られる特定の実施例において、本発明の精神及び範囲から逸脱す
ることなく、多くの変更が可能であることは理解すべきである。
[実施例1 免疫調節のための細胞移植療法]
本実施例は、それを必要とする個体のための細胞治療の免疫調節のための方法に関する
任意の年齢の個体は、自己免疫又は炎症状態と関連し得る疾患の1つ以上の徴候(例えば、発熱、胃不快感、出血、疲労など)を呈し得、そして診断及び治療を求めることがある。医師による個体の評価に際して、個体は、特に制限するものではないが、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、癒着性関節包炎、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、抗TBM腎炎、関節線維症、心房線維症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索性・神経性ニューロパチー、バロ(Balo)病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性ライム病、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、Churg-Strauss症候群、瘢痕性類天疱瘡、肝硬変、コガンス(Cogans)症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、クローン病、嚢胞性線維症、インターロイキン-1受容体拮抗薬の欠損、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、子宮内膜症、心内膜筋線維症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎、家族性地中海熱、線維筋痛症 線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病(GVHD)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポ蛋白、封入体筋炎、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ケロイド、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病、ループス(SLE)、ライム病、縦隔線維症、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、骨髄線維症、筋炎、ナルコレプシー、新生児発症多系統炎症性疾患、腎性全身性線維症、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、眼球瘢痕性天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、Parsonnage-Turner症候群、溶連菌関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳炎、悪性貧血、ペイロニー病、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開術後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性広汎性線維化病変、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼球炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、1型糖尿病、I型自己免疫性多内分泌腺症候群、II型自己免疫性多内分泌腺症候群、III型自己免疫性多内分泌腺症候群、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚症、白斑、及び/又は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)などの炎症性疾患若しくは自己免疫疾患の1つ以上の兆候(例えば、関節の痛みや腫れ、疲労感、肌荒れ、腹痛や消化器系の問題、発熱の繰り返し、腺の腫れなど)が見られたり、その既往歴(例えば遺伝的素因)があると判断されることがある。
炎症性疾患又は自己免疫疾患を有する個体を診断するために、医師は、個体の体液(血
液、尿など)を含む一連の検査とともに、患者の身体検査を求めることができる。自己免
疫疾患を診断するために、個体は、抗体、タンパク質、炎症マーカー、及び/又はそれら
の組み合わせの存在、レベル、又は不存在を判定するするための血液試験を受け得る。所
与の個体における炎症のレベルを判定するためのさらなる体液試験には、空腹時インスリ
ンレベル、ヘモグロビンA1C、C反応性タンパク質、血清フェリチン、赤血球幅、又は
それらの組み合わせを試験することが含まれ得る。所与の個体は、また、炎症の程度を判
定するための臓器機能評価を分析され得る。このような臓器機能検査のためのリードアウ
トとしては、肝機能検査、ブロムスルファレイン検査、血清ビリルビン検査、肝酵素検査
、血中アンモニア検査、基礎代謝率、タンパク質結合ヨウ素検査、甲状腺ヨウ素クリアラ
ンス検査、放射性ヨウ素排泄検査、甲状腺スキャン、トリヨードサイロニンレベル検査、
T3抑制検査、血清チロキシン検査、膵酵素検査、リパーゼ検査、及び/又はそれらの組
み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
炎症関連疾患又は自己免疫疾患による診断された後、個体は、非ステロイド性抗炎症薬
(アスピリン、イブプロフェン、又はナプロキセンなどのNSAIDS)、コルチコステ
ロイド、ヒドロキシクロロキン、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDS)、生物学的薬
物、及び/又はそれらの組合せなどの、非限定的な免疫調節性投薬を摂取することが必要
とされ得る。個体は、診断された疾患の進行を経時的に調査するために、医師による定期
的なモニタリングを必要とすることがある。医師は個体を適切にモニターし、治療するた
めに、数分間、数時間、数日間、数週間、数ヶ月、及び/又は数年にわたって、個体に身
体検査及び/又は前述の試験(例えば、体液に関する)を受けることを要求し得る。
炎症関連疾患又は自己免疫疾患の治療又は予防の必要性の判定に続いて、治療有効量の
改変された線維芽細胞が個体に提供される。場合によっては複数回に分けて、改変された
線維芽細胞が固体に提供され、一連の用量は同量であってもなくてもよい。1つ又は複数
の症状が改善したかどうかを決定するために、個体は経時的にモニターされ得る。
[実施例2 線維芽細胞の遺伝子のノックアウト]
包皮線維芽細胞をATCCから購入し、10%ウシ胎仔血清を含むOptimem(登
録商標)培地中で増殖させた。HLA遺伝子を切り出すために、CRISPR/Cas9
ゲノム編集システム;pLentiCRISPR V2プラスミド(Addgene p
lasmid No.52961)を用いて、β2ミクログロブリン(B2M)とクラス
II MHCトランスアクチベーター(CIITA)を遺伝子編集ノックアウトした。ヒ
トB2Mの開始コドンに隣接するガイド配列の2つの例(シングルガイドRNA1(sg
RNA1)、5′-GAAAATGTTTCCTGACTCAG-3′(配列番号1);
及びsgRNA2、5′-CCCCGGACGATATTGAACAA-3′;(配列番
号2))、ヒトCIITAの開始コドンに隣接する3つのガイド配列(sgRNA1、5
′-TCCTACACAATGCGTTGCC-3′(配列番号3);sgRNA2、5
′-TGGCACACTGTGAGCTGCCT-3′(配列番号4);及びsgRNA
2、5′-GCCCCTAGAAGGTGGCTACC-3′;(配列番号5))を、M
IT(http://crispr.mit.edu/)から自由に入手可能なプログラムを用いて設計し、それ
ぞれのガイド配列について2つのオリゴを合成した(Invitrogen Life
Technologies)。pLentiCRISPR V2をBsmBIで消化し、
アニーリングしたオリゴヌクレオチドをベクターにクローニングし;次いで、pLent
iCRISPR(クローニングしたsgRNAを含む)を、パッケージングプラスミドp
CMV‐VSV‐G、pRSV‐Rev、及びpMDLg/pRRE(それぞれ、Add
gene plasmid 8454、12253、及び60488)を用いて、293
FT細胞株(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号R70
0‐07)に共トランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後にウイルスを
含む上清を回収し、1500×g、4℃で10分間遠心分離して細胞残渣を沈殿させ;次
いで、上清を0.45μmの低タンパク質結合膜(ミリポア)を通して濾過し、直ちに線
維芽細胞を形質導入に使用した。形質導入後、線維芽細胞を、ピューロマイシン(5μg
/mL)選択を用いて4日間、マトリゲルコートディッシュ上で増殖させ、そして個々の
ピューロマイシン耐性単一細胞由来コロニーを回収し、そして培養物中で増殖させた。B
2M及びCIITAノックアウトは、サンガーシーケンシング及びウェスタンブロット分
析によって検証した。
遺伝子編集によりHLAを欠損した線維芽細胞は、未刺激又はインターフェロンγで刺
激した後のいずれにおいても、同種T細胞を刺激する能力を欠いていた。インターフェロ
ンγ刺激は、100国際単位インターフェロンγ/mlで24時間培養することによって
達成した。線維芽細胞は、同種末梢血単核細胞と1:10、1:5、1:1の比でインキ
ュベートした。増殖は、チミジン取り込みによって評価した。図1に見られるように、遺
伝子編集した線維芽細胞は、同種細胞の増殖を刺激しなかった。このことは、HLAの遺
伝子編集に続く線維芽細胞において、免疫原性が欠如していることを示している。

Claims (32)

  1. a)ヒト白血球抗原(HLA);
    b)共刺激分子;
    c)接着分子;
    d)ヒト白血球抗原の発現の増加に関連するポリペプチド;
    e)線維症に関連するポリペプチド;及び
    f)それらの組み合わせ
    からなる群より選択される、免疫原性成分
    をコードするポリヌクレオチド配列の発現が低下していることを含む、改変された線維
    芽細胞。
  2. 前記HLAが、HLA-A、HLA-B、HLA-C、HLA-DP、HLA-DQ、
    HLA-DR、HLA-B27、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の改変
    された線維芽細胞。
  3. 前記共刺激分子が、cluster of differentiation 40(
    CD-40)、CD80、CD86、インターロイキン12(IL-12)、又はそれら
    の組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の改変された線維芽細胞。
  4. 前記接着分子が、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、インターロイキン接着分子
    1(ICAM-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮細胞接着分子(Ep
    CAM)、CD11b、Vαβ3インテグリン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項
    1~3のいずれか一項に記載の改変された線維芽細胞。
  5. 前記HLAの発現の増加に関連するポリペプチドが、インターフェロンγ受容体、イン
    ターフェロン遺伝子刺激因子(STING)、CIIT、又はそれらの組み合わせを含む
    、請求項1~4のいずれか一項に記載の改変された線維芽細胞。
  6. 前記線維症に関連するポリペプチドが、形質転換増殖因子β(TGF-β)受容体、S
    MADファミリーのメンバー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか
    一項に記載の改変された線維芽細胞。
  7. ポリペプチドの発現の低下が、CRISPR/Cas9、アデノウイルス、レンチウイ
    ルス、及び/又はアデノ随伴ウイルス、及び/又はそれらの組み合わせによって媒介され
    る、請求項1~6のいずれか一項に記載の改変された線維芽細胞。
  8. ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を発現する、請求項1~7のいずれか一項
    記載の改変された線維芽細胞。
  9. 哺乳動物組織に由来する、請求項1~8のいずれか一項に記載の改変された線維芽細胞
  10. 前記哺乳動物組織が、胎盤、臍帯、包皮、皮膚、網(omentum)、脂肪組織、及
    び/又は骨髄に由来する、請求項9に記載の改変された線維芽細胞。
  11. 前記哺乳動物組織が、ヒト、霊長類、ブタ、ウシ、ネズミ、イヌ、及び/又はネコに由
    来する、請求項9~10のいずれか一項に記載の改変された線維芽細胞。
  12. 有効量の請求項1~11のいずれか一項に記載の線維芽細胞を個体に提供するステップ
    を含む、個体における線維芽細胞治療に対する免疫応答を低下させる方法。
  13. 前記線維芽細胞治療が免疫調節治療である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記個体が、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、癒着性関節包炎、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、抗TBM腎炎、関節線維症、心房線維症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索性・神経性ニューロパチー、バロ(Balo)病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性ライム病、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、Churg-Strauss症候群、瘢痕性類天疱瘡、肝硬変、コガンス(Cogans)症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、クローン病、嚢胞性線維症、インターロイキン-1受容体拮抗薬の欠損、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、子宮内膜症、心内膜筋線維症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎、家族性地中海熱、線維筋痛症 線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病(GVHD)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポ蛋白、封入体筋炎、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ケロイド、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病、ループス(SLE)、ライム病、縦隔線維症、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、骨髄線維症、筋炎、ナルコレプシー、新生児発症多系統炎症性疾患、腎性全身性線維症、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、眼球瘢痕性天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、Parsonnage-Turner症候群、溶連菌関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳炎、悪性貧血、ペイロニー病、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開術後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性広汎性線維化病変、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼球炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、1型糖尿病、I型自己免疫性多内分泌腺症候群、II型自己免疫性多内分泌腺症候群、III型自己免疫性多内分泌腺症候群、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚症、白斑、及び/又は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)を有する、又はそれらのリスクを有する、請求項12~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 個体が哺乳動物である、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記哺乳動物が、ヒト、霊長類、ブタ、ウシ、ネズミ、イヌ、又はネコである、請求項
    15に記載の方法。
  17. 請求項1~16のいずれか一項に記載の細胞集団の免疫原性を低下させる方法であって

    前記集団が、ポリヌクレオチド配列によってコードされる1つ以上のポリペプチドの発
    現を低下させることを含む、方法。
  18. 前記細胞集団が、哺乳動物組織に由来する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記哺乳動物組織が、胎盤、臍帯、包皮、皮膚、網(omentum)、脂肪組織、及
    び/又は骨髄に由来する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記哺乳動物組織が、ヒト、霊長類、ブタ、ウシ、ネズミ、イヌ、及び/又はネコから
    得られる、請求項18~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記線維芽細胞が培地で培養される、請求項17~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記培地が、Roswell Park Memorial Institute(R
    PMI-1640)、Dublecco’s Modified Essential
    Media(DMEM)、Eagle’s Modified Essential M
    edia(EMEM)、Optimem、Iscove’s Media、又はそれらの
    組み合わせを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記1つ以上のポリペプチドが免疫原性成分である、請求項17~22のいずれか一項
    に記載の方法。
  24. 前記免疫原性成分が、ヒト白血球抗原(HLA)-A、HLA-B、HLA-C、HL
    A-DP、HLA-DQ、HLA-DR、HLA-B27、cluster of di
    fferentiation 40(CD-40)、CD80、CD86、CD11b、
    インターロイキン12(IL-12)、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、インタ
    ーロイキン接着分子1(ICAM-1)、血小板内皮細胞接着分子(PECAM)、上皮
    細胞接着分子(EpCAM)、Vαβ3インテグリン、インターフェロンγ受容体、イン
    ターフェロン遺伝子刺激因子(STING)、CIIT、形質転換増殖因子β(TGF-
    β)受容体、SMADファミリーのメンバー及び/又はそれらの組み合わせを含む、請求
    項23記載の方法。
  25. ポリペプチド発現が、CRISPR/Cas9、アデノウイルス、レンチウイルス、及
    び/又はアデノ随伴ウイルス、及び/又はそれらの組み合わせによって低減される、請求
    項24に記載の方法。
  26. 治療有効量の、請求項1~25のいずれか一項に記載の細胞を前記個体に提供するステ
    ップを含む、個体における自己免疫又は炎症状態を治療する方法。
  27. 前記細胞が不死化線維芽細胞である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記細胞がhTERTを発現している、請求項26又は27に記載の方法。
  29. 前記個体が、急性散在性脳脊髄炎、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、癒着性関節包炎、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、抗TBM腎炎、関節線維症、心房線維症、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全症、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性好中球減少症、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性蕁麻疹、軸索性・神経性ニューロパチー、バロ(Balo)病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性ライム病、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、Churg-Strauss症候群、瘢痕性類天疱瘡、肝硬変、コガンス(Cogans)症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、クローン病、嚢胞性線維症、インターロイキン-1受容体拮抗薬の欠損、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、デュピュイトラン拘縮、子宮内膜症、心内膜筋線維症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、実験的アレルギー性脳脊髄炎、家族性地中海熱、線維筋痛症 線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、移植片対宿主病(GVHD)、多発性血管炎を伴う肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、肝炎、妊娠性ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポ蛋白、封入体筋炎、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性糖尿病(I型糖尿病)、若年性筋炎、川崎病、ケロイド、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病、ループス(SLE)、ライム病、縦隔線維症、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーベルマン病、多発性硬化症(MS)、重症筋無力症、骨髄線維症、筋炎、ナルコレプシー、新生児発症多系統炎症性疾患、腎性全身性線維症、視神経脊髄炎(デビック病)、好中球減少症、非アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、眼球瘢痕性天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、Parsonnage-Turner症候群、溶連菌関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲脳炎、悪性貧血、ペイロニー病、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ性多発性筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開術後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、進行性広汎性線維化病変、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、レストレスレッグス症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感神経性眼球炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、高安動脈炎、側頭動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群、1型糖尿病、I型自己免疫性多内分泌腺症候群、II型自己免疫性多内分泌腺症候群、III型自己免疫性多内分泌腺症候群、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病、ブドウ膜炎、血管炎、小水疱性皮膚症、白斑、及び/又は多発血管炎性肉芽腫症(GPA)を有する、又はそれらのリスクを有する、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 薬学的に許容される担体中に、請求項1~11のいずれか一項に記載の細胞を含有する
    、細胞の医薬調製物。
  31. 1つ以上の線維芽細胞において、病的な免疫応答に関与する免疫原性成分であるポリペ
    プチドの発現を低下させるステップを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の細胞
    の製造方法。
  32. 治療有効量の細胞を、医学的状態のリスクを有する又は医学的状態を有する個体に送達
    するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
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