JP2024041584A - 電力変換装置および駆動装置 - Google Patents

電力変換装置および駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】3相全てに交流電流センサを設置することなく、任意のモータ動作条件において交流電流センサの故障を精度よく検知可能な電力変換装置および駆動装置を実現する。【解決手段】電力変換装置10における交流電流センサ診断部108は、電圧指令値をいずれかの出力相を基準とした二相の直交座標系の値に変換した二相電圧指令値に基づいて交流電流センサ150の異常を判定する第1診断部1081と、交流電流センサ150の検出値を二相の直交座標系の値に変換した二相電流検出値に基づいて交流電流センサ150の異常を判定する第2診断部1082とを有する。交流電流センサ診断部108は、電力変換装置10の動作条件に応じて、第1診断部1081による異常の判定と、第2診断部1082による異常の判定とを切り替える。【選択図】図2

Description

本発明は電力変換装置および駆動装置に関する。
従来、直流電力を交流電力に変換して交流モータに供給し、交流モータを駆動させる電力変換装置(インバータ)において、電力変換装置から交流モータに出力される交流電流を検出するための交流電流センサが内部に設けられている。この交流電流センサが故障すると、電力変換装置の出力電流を正しく制御できなくなり、モータ出力トルクが過大となるおそれがある。そのため、交流電流センサの故障を診断することが必要となる。
交流電流センサの故障診断に関して、例えば特許文献1,2の技術が知られている。特許文献1には、三相交流電流値の総和を用いて交流電流センサの故障を診断するモータ制御装置の発明が記載されている。特許文献2には、d軸電圧の指令値と予測値の偏差およびq軸電圧の指令値と予測値の偏差を用いて、各種センサや検出回路の故障を検知するモータ制御装置の発明が記載されている。
特開2009-131043号公報 特開2017-127121号公報
三相交流電力をモータに供給する電力変換装置では、少なくとも2相分の交流電流を交流電流センサで検知すればよく、残り1相分の交流電流は3相交流電流の総和がゼロであることから計算できる。そのため、電力変換装置の制御を行うためには、交流電流センサを2相にのみ設置すればよい。しかしながら、特許文献1の診断方法を用いるためには、3相全てに交流電流センサを設置する必要があるため、2相にのみ交流電流センサを設置する場合と比較して、電力変換装置の製造コストが高くなるという課題がある。
一方、特許文献2の診断方式は、交流電流センサが2相にのみ設置された構成にも適用できるが、電圧の指令値と予測値の偏差が生じにくいモータ動作条件下においては、交流電流センサの故障を精度よく検知できないという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて、3相全てに交流電流センサを設置することなく、任意のモータ動作条件において交流電流センサの故障を精度よく検知可能な電力変換装置および駆動装置を実現することを主な目的とする。
本発明による電力変換装置は、直流電力を三相交流電力に変換して出力するものであって、前記三相交流電力による三相交流電流のうち2相の電流値を検出する交流電流センサと、目標トルクに基づいて目標電流を計算する目標電流計算部と、前記目標電流と前記交流電流センサの検出値に基づいて電圧指令値を計算する電圧指令計算部と、前記交流電流センサの検出値に基づいて前記交流電流センサの異常を判定する交流電流センサ診断部と、を備え、前記交流電流センサ診断部は、前記電圧指令値をいずれかの出力相を基準とした二相の直交座標系の値に変換した二相電圧指令値に基づいて前記異常を判定する第1診断部と、前記交流電流センサの検出値を前記二相の直交座標系の値に変換した二相電流検出値に基づいて前記異常を判定する第2診断部と、を有し、前記交流電流センサ診断部は、前記電力変換装置の動作条件に応じて、前記第1診断部による前記異常の判定と、前記第2診断部による前記異常の判定とを切り替える。
本発明による駆動装置は、電力変換装置と、前記電力変換装置から出力される三相交流電流により駆動される交流モータと、を備え、前記交流モータの駆動力を用いて車両を走行駆動させる。
本発明によれば、3相全てに交流電流センサを設置することなく、任意のモータ動作条件において交流電流センサの故障を精度よく検知可能な電力変換装置および駆動装置を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る駆動装置を搭載した車両を示す図である。 本発明の一実施形態に係る電力変換装置および駆動装置の構成例を示す図である。 電力変換回路およびモータの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施形態における第1診断部と第2診断部の判定切り替え処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における第1診断部の異常診断処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における第2診断部の異常診断処理の例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態における交流電流センサ故障時の二相電圧指令値および二相電流検出値の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態における第1診断部の異常診断処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における第2診断部の異常診断処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における第1診断部と第2診断部の判定切り替え処理の例を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態における第1診断部と第2診断部の判定切り替え処理の例を示すフローチャートである。
本発明の実施形態について以下に説明する。以下の各実施形態では、直流電力を三相交流電力に変換してモータへ出力する電力変換装置において、モータに流れる三相交流電流のうち2相のみに交流電流センサが設置されており、いずれかの交流電流センサが故障した際にその故障を精度良く検知できるようにした例を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る駆動装置を搭載した車両を示す図である。車両200に搭載された駆動装置1は、車両200の車軸201に接続され、内部に電力変換装置、モータおよび減速器を有する。そして、運転者のアクセルペダルへの操作に応じて、電力変換装置とモータを制御して駆動力を発生させ、その駆動力を減速器を介して車軸201へと伝えることにより、車軸201の両端に設置された駆動輪202を回転させ、車両200を走行させる。減速器はモータの駆動力を増幅し、車軸201へと伝える役割を持つ。
なお、図1では車両200の前輪を駆動輪202として、前輪の車軸201に駆動装置1を接続しているが、後輪を駆動輪として、後輪の車軸に駆動装置1を接続してもよい。また、前後輪の車軸に駆動装置1をそれぞれ接続してもよいし、車軸ではなく左右の車輪にそれぞれ独立した駆動装置1を接続してもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係る電力変換装置および駆動装置の構成例を示す図である。駆動装置1は、図1の車両200にそれぞれ搭載された直流電源2、電子制御装置3および故障通知装置4と接続されており、電力変換装置10およびモータ20を有する。
直流電源2は、駆動装置1内の電力変換装置10に直流電力を供給する。直流電源2から供給される直流電力が電力変換装置10によって三相交流電力に変換され、電力変換装置10からモータ20に出力されることで、モータ20が駆動される。このモータ20の駆動力が前述のように減速器(不図示)を介して車両200の車軸201へ伝えられることで、車両200が走行する。直流電源2は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池を用いて構成される。
電子制御装置3は、運転者の運転操作等に応じて、駆動装置1に対して目標トルクなどの情報を送信する。電子制御装置3から送信された目標トルクの情報は、駆動装置1において電力変換装置10内の制御回路100に入力される。
故障通知装置4は、駆動装置1からの故障通知信号を受け付け、車両200の搭乗者に対して故障の発生を通知する。故障の通知方法としては、例えば、ランプを点灯させる、警告音を発生させる、音声で通知するなどの方法が挙げられる。
モータ20は、内部に3相分の巻き線を有する三相交流電動機であり、例えば永久磁石を用いた同期モータや、永久磁石を用いない誘導モータなどが該当する。モータ20には、モータ20内のロータ回転角度、すなわちモータ20の電気角度を測定するための角度センサ(図示せず)が搭載されている。この角度センサは、測定した電気角度を角度センサ値として電力変換装置10に出力する。モータ20の角度センサは、例えばレゾルバ等を用いて構成される。
電力変換装置10は、直流電源2から得られる直流電力を三相交流電力に変換してモータ20へ出力し、モータ20を駆動する。また、電力変換装置10は、モータ20により発電された交流電力を直流電力に変換し、直流電源2を充電する機能も有してもよい。電力変換装置10は、制御回路100、ドライバ回路120、電力変換回路130、電圧センサ140および交流電流センサ150を有する。さらに、直流電源2から供給される直流電力を遮断するための遮断器(不図示)と、この遮断器を駆動するための遮断器駆動回路(不図示)とを、電力変換装置10が有してもよい。
電力変換回路130は、ドライバ回路120からの駆動信号を受けて内部のパワー半導体を駆動し、モータ20に流れる電流を制御する。電力変換回路130の内部構成を、図3を使って以下に説明する。
図3は、電力変換回路130およびモータ20の構成例を示す図である。電力変換回路130は、内部に6つのパワー半導体131と、平滑コンデンサ132を有する。
各パワー半導体131は、ドライバ回路120から入力される駆動信号に応じてオン/オフを切り替える。各パワー半導体131は直流電源2とモータ20にそれぞれ接続されており、駆動信号に応じたオン/オフの切替動作により、直流電源2とモータ20の間で直流電力と交流電力の変換を行う。このパワー半導体131には、例えばパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などが用いられる。以下の実施形態では、パワー半導体131としてIGBTを用いた例で説明するが、パワーMOSFET等の他の半導体素子を用いた場合でも同様である。
電力変換回路130において、6つのパワー半導体131は、相ごとに上下2つずつに分けて配置される。これら各相のパワー半導体131のペアからの出力が、モータ20の各相の巻き線に接続される。
また、本実施形態では、図3の上側3つのパワー半導体131をまとめて上アーム、下側3つのパワー半導体131をまとめて下アームと呼ぶ。すなわち、電力変換回路130は、上アームと下アームの直列回路が3組設けられており、これらの直列回路がそれぞれ、U相に対応するレグ130U、V相に対応するレグ130V、W相に対応するレグ130Wとして、モータ20の各相の巻き線に接続される。
平滑コンデンサ132は、各パワー半導体131のオン/オフによって生じる電流変動を平滑化し、直流電源2から電力変換回路130へ供給される直流電流のリップルを抑制するためのコンデンサである。この平滑コンデンサ132には、例えば電解コンデンサやフィルムコンデンサが使用される。
なお、本実施形態において、モータ20の各相の巻き線が接続されるモータ中性点21は浮遊状態であるが、電力変換装置10のグラウンド(図示せず)と接続してもよい。また、モータ中性点21をグラウンドと接続する際の方法には、直接接地方式、抵抗接地方式、補償リアクトル接地方式、消弧リアクトル接地方式などがあり、任意の方法を用いることができる。
図2の説明に戻る。電圧センサ140は、直流電源2の出力電圧を測定するセンサであり、直流電源2と電力変換回路130の間に接続されている。電圧センサ140は、測定した電圧値を電圧センサ値として制御回路100に出力する。
交流電流センサ150は、電力変換回路130からモータ20へ出力される三相交流電流のうち2相分の交流電流を測定するセンサであり、電力変換回路130とモータ20の間に接続されている。交流電流センサ150は、測定した2相の電流値を交流電流センサ値として制御回路100に出力する。
なお、図2の例では交流電流センサ150をU相およびV相に設けているが、交流電流センサ150を設置する相はこの2相に限定する必要はない。また、本実施形態では、電力変換回路130からモータ20の方向に流れる電流をプラスの電流として取り扱い、モータ20から電力変換回路130の方向に流れる電流をマイナスの電流として取り扱うこととする。
ドライバ回路120は、制御回路100が出力するPWM(Pulse Width Modulation)信号を受けて、電力変換回路130の各パワー半導体131のオン/オフを切り替えるための駆動信号を生成し、電力変換回路130へ出力する。
制御回路100は、電子制御装置3と通信を行い、電子制御装置3からモータ20の目標トルクを受け取る。制御回路100は、この目標トルクに基づいて、電力変換装置10からモータ20へ出力される各相の電流を所定の値に制御するようにPWM信号を制御し、ドライバ回路120へ出力する。このPWM信号に応じてドライバ回路120が出力する駆動信号によって電力変換回路130が駆動されることで、制御回路100はドライバ回路120を介して電力変換回路130を駆動させることができる。
また、制御回路100は、電力変換装置10の内部に故障が発生したか否かの診断を行い、故障が発生したと判断した場合は、故障通知装置4に対して故障通知信号を出力する。これにより、故障通知装置4から車両200の搭乗者に対して前述のような故障通知が行われ、搭乗者に故障の発生を通知することができる。
制御回路100は、モータ速度計算部101、1相電流計算部102、目標電流計算部103、電圧指令計算部104、PWM信号生成部105、電圧指令2相変換部106、電流2相変換部107、交流電流センサ診断部108の各機能ブロックを有する。制御回路100は、内部にCPU、RAM、ROM、通信回路等(いずれも図示せず)を有しており、ROMに格納された所定のプログラムをCPUにおいて実行することで、上記の各機能ブロックで表される機能を実現することができる。なお、制御回路100のROMは、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュROMなど、電気的に書き換え可能なものであってもよい。
モータ速度計算部101は、モータ20内の角度センサから出力される角度センサ値を取得し、その角度センサ値の時間変化からモータ20の回転速度を計算する。そして、計算したモータ20の回転速度を、モータ速度値として目標電流計算部103に出力する。
1相電流計算部102は、交流電流センサ150から出力される2相の交流電流センサ値を取得し、U相電流+V相電流+W相電流=0の関係より、測定していない残り1相の交流電流値を計算する。そして、計算した1相分の交流電流値を、電圧指令計算部104と電流2相変換部107に出力する。
目標電流計算部103は、電子制御装置3から送信される目標トルクと、電圧センサ140から出力される電圧センサ値と、モータ速度計算部101から出力されるモータ速度値とを用いて、モータ20が目標トルクと同じトルクを出力するためにモータ20に流すべき電流値を計算する。そして、計算した電流値を目標電流として電圧指令計算部104に出力する。この目標電流は、例えばd軸目標電流値とq軸目標電流値のように、2相の直交座標系の値で表される。
電圧指令計算部104は、目標電流計算部103から出力される目標電流と、交流電流センサ150から出力される2相の交流電流センサ値とに基づいて、モータ20に対して出力すべき3相の電圧指令値を計算する。このとき電圧指令計算部104は、モータ20内の角度センサから出力される角度センサ値を用いて、2相の交流電流センサ値と、1相電流計算部102から出力される残り1相分の交流電流値とが、目標電流にそれぞれ追従するようにフィードバック制御を行うことにより、3相の電圧指令値を計算する。また、計算した3相の電圧指令値に基づき、各相のデューティ値を計算する。そして、計算したデューティ値をPWM信号生成部105に出力し、3相の電圧指令値を電圧指令2相変換部106に出力する。
PWM信号生成部105は、電圧指令計算部104から出力される各相のデューティ値を用いて、電力変換回路130の各パワー半導体131に対するPWM信号を生成し、ドライバ回路120に出力する。PWM信号生成部105は、内部にタイマ(図示せず)を有しており、このタイマにより、一定時間ごとに連続変化するタイマ値を生成する。そして、生成したタイマ値と各相のデューティ値とに基づき、PWM信号を生成することができる。
なお、PWM信号生成部105は、交流電流センサ診断部108から出力される故障通知情報に応じて、ドライバ回路120に出力する信号を切り替える。具体的には、交流電流センサ150が異常であることを示す故障通知情報が交流電流センサ診断部108から出力されていない場合、PWM信号生成部105は、上記のように各相のデューティ値に基づくPWM信号を生成し、ドライバ回路120に出力する。一方、交流電流センサ150が異常であることを示す故障通知情報が交流電流センサ診断部108から出力されている場合、PWM信号生成部105は、各相のデューティ値に関わらず、モータ20を非駆動状態とするPWM信号を生成し、ドライバ回路120に出力する。モータ20の非駆動状態とは、例えば、電力変換回路130が有する6個のパワー半導体131をすべてオフにする状態、6個のパワー半導体131のうち上アームをすべてオンにし下アームをすべてオフにする状態、6個のパワー半導体131のうち上アームをすべてオフにし下アームをすべてオンにする状態などが挙げられる。
電圧指令2相変換部106は、電圧指令計算部104から出力される3相の電圧指令値に対して2相変換を行うことにより、これら3相の電圧指令値をいずれかの相を基準とした2相の直交座標系の値で表した二相電圧指令値を計算する。このとき行われる2相変換の方法としては、例えばαβ変換やdq変換などが挙げられる。そして、計算した二相電圧指令値を交流電流センサ診断部108に出力する。
なお、電圧指令計算部104において、3相の交流電流値をd軸電流値およびq軸電流値に変換し、これとd軸目標電流値およびq軸目標電流値との差分をそれぞれ計算することで得られる二相電流指令値から二相電圧指令値を求めて3相の電圧指令値に変換することにより電圧指令値の計算を行っている場合は、この二相電圧指令値を電圧指令計算部104から交流電流センサ診断部108に出力することで、電圧指令2相変換部106を省略してもよい。
電流2相変換部107は、交流電流センサ150から出力される2相の交流電流センサ値および1相電流計算部102から出力される残り1相の交流電流値に対して2相変換を行うことにより、これら3相の交流電流値をいずれかの相を基準とした2相の直交座標系の値で表した二相電流検出値を計算する。このとき行われる2相変換の方法としては、電圧指令2相変換部106と同様に、例えばαβ変換やdq変換などが挙げられる。そして、計算した二相電流検出値を交流電流センサ診断部108に出力する。
なお、電圧指令計算部104において、前述のように3相の交流電流値をd軸電流値およびq軸電流値に変換し、これとd軸目標電流値およびq軸目標電流値との差分をそれぞれ計算することで得られる二相電流指令値から二相電圧指令値を求めて3相の電圧指令値に変換することにより電圧指令値の計算を行っている場合は、このd軸電流値およびq軸電流値を電圧指令計算部104から交流電流センサ診断部108に出力することで、電流2相変換部107を省略してもよい。
交流電流センサ診断部108は、交流電流センサ150から出力される交流電流センサ値に基づいて、交流電流センサ150の異常を判定する。この異常判定において、交流電流センサ診断部108は、電圧指令2相変換部106から出力される二相電圧指令値と、交流電流センサ値に基づいて電流2相変換部107から出力される二相電流検出値とを用いて、交流電流センサ150の故障判定を実施し、その判定結果に応じた故障通知情報を出力する。交流電流センサ診断部108から出力される故障通知情報には、例えば、交流電流センサ150が正常な場合は「故障無し」の情報が含まれ、交流電流センサ150の故障を検知した場合は「交流電流センサ故障」の情報が含まれる。
交流電流センサ診断部108は、電圧指令2相変換部106から出力される二相電圧指令値に基づく異常判定を行う第1診断部1081と、電流2相変換部107から出力される二相電流検出値に基づく異常判定を行う第2診断部1082とを有する。そして、交流電流センサ診断部108は、電力変換装置10の動作条件に応じて、第1診断部1081による異常判定と、第2診断部1082による異常判定とを切り替える。この点について、以下に詳しく説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態における第1診断部1081と第2診断部1082の判定切り替え処理の例を示すフローチャートである。本実施形態において、交流電流センサ診断部108は、図4のフローチャートに示す判定切り替え処理を実施することで、第1診断部1081による異常判定と、第2診断部1082による異常判定とを、電力変換装置10の動作条件に応じて切り替える。
ステップS10において、交流電流センサ診断部108は、モータ20に流れる三相交流電流の基本周波数が所定値以上であるかどうかを判定する。ここでは、例えばモータ速度計算部101から出力されるモータ速度値に基づいて、三相交流電流の基本周波数を計算し、その計算結果を所定値と比較することで、ステップS10の判定を行うことができる。
ステップS10の判定により、三相交流電流の基本周波数が所定値以上と判定された場合はステップS20へ進み、第2診断部1082による異常判定を行う。この場合、第2診断部1082により、後述の図6のフローチャートに示す処理を実行することで、交流電流センサ150が異常であるか否かを判定する。ステップS20で第2診断部1082による異常判定を実施したら、図4のフローチャートに示す処理を終了する。
一方、ステップS10の判定により、三相交流電流の基本周波数が所定値より小さいと判定された場合はステップS30へ進み、第1診断部1081による異常判定を行う。この場合、第1診断部1081により、後述の図5のフローチャートに示す処理を実行することで、交流電流センサ150が異常であるか否かを判定する。ステップS30で第1診断部1081による異常判定を実施したら、図4のフローチャートに示す処理を終了する。
図5は、本発明の第1の実施形態における第1診断部1081の異常診断処理の例を示すフローチャートである。
ステップS110において、第1診断部1081は、電圧指令2相変換部106から出力される二相電圧指令値の大きさの変動量を検知し、この変動量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、例えば二相電圧指令値としてd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を電圧指令2相変換部106から取得し、これらの値をdq平面上のベクトルで表したときの当該ベクトルの大きさの時間変化を観測して、その最大値と最小値から二相電圧指令値の変動量を求める。こうして求められた二相電圧指令値の変動量を所定の閾値と比較することで、ステップS110の判定を行うことができる。
ステップS110の判定により、二相電圧指令値の大きさの変動量が閾値以上と判定された場合はステップS120へ進み、交流電流センサ150が故障していると判断する。一方、二相電圧指令値の大きさの変動量が閾値未満と判定された場合はステップS130へ進み、交流電流センサ150が正常であると判断する。ステップS120またはS130の処理を実施したら、第1診断部1081は、その判断結果に応じた故障通知情報を出力し、図5のフローチャートに示す処理を終了する。
図6は、本発明の第1の実施形態における第2診断部1082の異常診断処理の例を示すフローチャートである。
ステップS210において、第2診断部1082は、電流2相変換部107から出力される二相電流検出値の大きさの変動量を検知し、この変動量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、例えば二相電流検出値としてd軸電流値およびq軸電流値を電流2相変換部107から取得し、これらの値をdq平面上のベクトルで表したときの当該ベクトルの大きさの時間変化を観測して、その最大値と最小値から二相電流検出値の変動量を求める。こうして求められた二相電流検出値の変動量を所定の閾値と比較することで、ステップS210の判定を行うことができる。
ステップS210の判定により、二相電流検出値の大きさの変動量が閾値以上と判定された場合はステップS220へ進み、交流電流センサ150が故障していると判断する。一方、二相電流検出値の大きさの変動量が閾値未満と判定された場合はステップS230へ進み、交流電流センサ150が正常であると判断する。ステップS220またはS230の処理を実施したら、第2診断部1082は、その判断結果に応じた故障通知情報を出力し、図6のフローチャートに示す処理を終了する。
次に、交流電流センサ150が故障したときの二相電圧指令値と二相電流検出値の変動について、図7に示す具体例を参照して以下に説明する。図7は、本発明の一実施形態における交流電流センサ故障時の二相電圧指令値および二相電流検出値の一例を示す図である。
上段の図7(a)は、三相交流電流の基本周波数が所定値よりも低い場合の二相電圧指令値および二相電流検出値の例を示している。図7(a)において、左側の図は二相電圧指令値の時間変化を表し、右側の図は二相電流検出値の時間変化を表している。この場合、交流電流センサ150において故障が発生すると、二相電圧指令値と二相電流検出値がそれぞれ大きく変動する。そのため、第1診断部1081により、二相電圧指令値の大きさの変動量から交流電流センサ150が故障しているか否かを判断できることが分かる。
下段の図7(b)は、三相交流電流の基本周波数が所定値よりも高い場合の二相電圧指令値および二相電流検出値の例を示している。図7(b)において、左側の図は二相電圧指令値の時間変化を表し、右側の図は二相電流検出値の時間変化を表している。この場合、交流電流センサ150において故障が発生すると、二相電流検出値が大きく変動する一方で、二相電圧指令値はあまり変動しない。そのため、第1診断部1081では交流電流センサ150が故障しているか否かを判断できず、第2診断部1082により、二相電流検出値の大きさの変動量から交流電流センサ150が故障しているか否かを判断できることが分かる。
上記のような三相交流電流の基本周波数による二相電圧指令値および二相電流検出値の変動の差は、電圧指令計算部104が行う電流フィードバック制御の影響によるものである。この点について、以下に詳しく説明する。
電圧指令計算部104では通常、電流フィードバック制御としてPI制御を用いた電圧指令値の計算を行う。この場合、目標電流と実際の電流との差分がP制御項となり、目標電流と実際の電流の差分を時間ごとに蓄積したものがI制御項となる。そのため、電流の変化が遅い、つまり交流電流の基本周波数が低いときに交流電流センサ150が故障した場合に、目標電流と実際電流の差分が蓄積しやすい状態では、I制御項が強く働くことで、電圧指令計算部104は、交流電流センサ150の故障による誤差分を加えた目標電流と実際の電流とのずれをより強く補正しようとする。その結果、二相電圧指令値の大きさが大きく変動する一方で、二相電流検出値の大きさの変動量は比較的小さくなる。反対に、電流の変化が速い、つまり交流電流の基本周波数が高い場合には、I制御項による補正が強く働かない。そのため、二相電圧指令値の大きさはあまり変動せず、二相電流検出値が大きく変動する。
上記のように、交流電流の基本周波数が低い場合は、二相電圧指令値が大きく変動するため、第2診断部1082が行う二相電流検出値に基づく異常判定よりも、第1診断部1081が行う二相電圧指令値に基づく異常判定の方が、正確な判定結果を得ることができる。反対に、交流電流の基本周波数が高い場合は、第1診断部1081が行う二相電圧指令値に基づく異常判定よりも、第2診断部1082が行う二相電流検出値に基づく異常判定の方が、正確な判定結果を得ることができる。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)電力変換装置10は、直流電力を三相交流電力に変換して出力する。電力変換装置10は、三相交流電力による三相交流電流のうち2相の電流値を検出する交流電流センサ150と、目標トルクに基づいて目標電流を計算する目標電流計算部103と、目標電流と交流電流センサ150の検出値に基づいて電圧指令値を計算する電圧指令計算部104と、交流電流センサ150の検出値に基づいて交流電流センサ150の異常を判定する交流電流センサ診断部108とを備える。交流電流センサ診断部108は、電圧指令値をいずれかの出力相を基準とした二相の直交座標系の値に変換した二相電圧指令値に基づいて交流電流センサ150の異常を判定する第1診断部1081と、交流電流センサ150の検出値を二相の直交座標系の値に変換した二相電流検出値に基づいて交流電流センサ150の異常を判定する第2診断部1082とを有する。交流電流センサ診断部108は、電力変換装置10の動作条件に応じて、第1診断部1081による異常の判定と、第2診断部1082による異常の判定とを切り替える。このようにしたので、3相全てに交流電流センサ150を設置することなく、任意のモータ動作条件において交流電流センサ150の故障を精度よく検知可能な電力変換装置10を実現できる。
(2)交流電流センサ診断部108は、三相交流電流の基本周波数が所定値より小さい場合(ステップS10:No)は、第1診断部1081により交流電流センサ150の異常の判定を行い(ステップS30)、三相交流電流の基本周波数が所定値以上の場合(ステップS10:Yes)は、第2診断部1082により交流電流センサ150の異常の判定を行う(ステップS20)。このようにしたので、PI制御を用いた電圧指令値の計算を行う際に、交流電流の基本周波数に関わらず、交流電流センサ150の異常を正確に検知することができる。
(3)第1診断部1081は、二相電圧指令値の大きさの変動量が所定の閾値以上である場合に(ステップS110:Yes)交流電流センサ150の異常と判定する(ステップS120)。このようにしたので、第1診断部1081において、交流電流センサ150が故障した場合にこれを確実に検知できる。
(4)第2診断部1082は、二相電流検出値の大きさの変動量が所定の閾値以上である場合に(ステップS210:Yes)交流電流センサ150の異常と判定する(ステップS220)。このようにしたので、第2診断部1082において、交流電流センサ150が故障した場合にこれを確実に検知できる。
(5)駆動装置1は、電力変換装置10と、電力変換装置10から出力される三相交流電流により駆動される交流モータ20とを備え、交流モータ20の駆動力を用いて車両200を走行駆動させる。このようにしたので、電力変換装置10において、3相全てに交流電流センサ150を設置することなく、任意のモータ動作条件において交流電流センサ150の故障を精度よく検知可能な駆動装置1を実現できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、より短時間で交流電流センサ150の故障を判定できる電力変換装置の例を説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分については、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施形態では、交流電流センサ診断部108における第1診断部1081および第2診断部1082の診断方法が第1の実施形態とは異なる。本実施形態において、第1診断部1081は、二相電圧指令値の目標値を計算し、この目標値に基づいて交流電流センサ150の異常判定を行う機能を有する。また、第2診断部1082は、二相電流検出値の目標値を計算し、この目標値に基づいて交流電流センサ150の異常判定を行う機能を有する。
図8は、本発明の第2の実施形態における第1診断部1081の異常診断処理の例を示すフローチャートである。
ステップS110Aにおいて、第1診断部1081は、電圧指令2相変換部106から出力される二相電圧指令値に対する目標値を取得し、この目標値と、実際に電圧指令2相変換部106から出力されている現在の二相電圧指令値との差分を求めて、その差分値が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、例えば目標電流計算部103から出力される目標電流を取得し、この目標電流の値に基づいて二相電圧指令値に対する目標値を計算することで、交流電流センサ150が正常である場合の二相電圧指令値に相当する目標値を取得し、ステップS110Aの判定を行うことができる。
ステップS110Aの判定により、二相電圧指令値の目標値と実際値との差分が閾値以上と判定された場合はステップS120へ進み、交流電流センサ150が故障していると判断する。一方、二相電圧指令値の目標値と実際値との差分が閾値未満と判定された場合はステップS130へ進み、交流電流センサ150が正常であると判断する。ステップS120またはS130の処理を実施したら、第1診断部1081は、その判断結果に応じた故障通知情報を出力し、図8のフローチャートに示す処理を終了する。
図9は、本発明の第2の実施形態における第2診断部1082の異常診断処理の例を示すフローチャートである。
ステップS210Aにおいて、第2診断部1082は、電流2相変換部107から出力される二相電流検出値に対する目標値を取得し、この目標値と、実際に電流2相変換部107から出力されている現在の二相電流検出値との差分を求めて、その差分値が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、例えば目標電流計算部103から出力される目標電流を取得し、この目標電流の値を二相電流検出値に対する目標値とすることで、交流電流センサ150が正常である場合の二相電流検出値に相当する目標値を取得し、ステップS210Aの判定を行うことができる。
ステップS210Aの判定により、二相電流検出値の目標値と実際値との差分が閾値以上と判定された場合はステップS220へ進み、交流電流センサ150が故障していると判断する。一方、二相電流検出値の目標値と実際値との差分が閾値未満と判定された場合はステップS230へ進み、交流電流センサ150が正常であると判断する。ステップS220またはS230の処理を実施したら、第2診断部1082は、その判断結果に応じた故障通知情報を出力し、図9のフローチャートに示す処理を終了する。
前述の第1の実施形態では、第1診断部1081は、電圧指令2相変換部106から出力される二相電圧指令値の大きさの変動量を用いて、交流電流センサ150が故障しているか否かを判断していた。また、第2診断部1082は、電流2相変換部107から出力される二相電流検出値の大きさの変動量を用いて、交流電流センサ150が故障しているか否かを判断していた。これらの判定方法では、それぞれの情報において変動の有無を確認するまでに時間がかかるため、故障判定までに要する時間が長いという課題があった。一方、本実施形態では、二相電圧指令値や二相電流検出値の目標値と実際値とを比較しており、交流電流センサ150の故障に伴ってこれらの値にずれが発生すると、そのずれをすぐに判定可能である。そのため、第1の実施形態と比べて短時間で故障判定を行うことができる。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、第1診断部1081は、二相電圧指令に対する目標値を取得し(ステップS110A)、その目標値と実際の二相電圧指令値との差分が所定の閾値以上である場合に(ステップS110A:Yes)交流電流センサ150の異常と判定する(ステップS120)。また、第2診断部1082は、二相電流検出値に対する目標値を取得し(ステップS210A)、その目標値と実際の二相電流検出値との差分が所定の閾値以上である場合に(ステップS210A:Yes)交流電流センサ150の異常と判定する(ステップS220)。このようにしたので、第1診断部1081と第2診断部1082のそれぞれにおいて、より短時間で交流電流センサ150の故障判定を行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態とは異なる動作条件により、第1診断部1081と第2診断部1082の判定切り替え処理を行う電力変換装置の例を説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分については、特に必要のない限り説明を省略する。
図10は、本発明の第3の実施形態における第1診断部1081と第2診断部1082の判定切り替え処理の例を示すフローチャートである。
ステップS10Aにおいて、交流電流センサ診断部108は、モータ20に対する目標電流の大きさが所定値以上であるかどうかを判定する。ここでは、例えば目標電流計算部103から出力される目標電流を取得し、この目標電流の値を用いて、ステップS10Aの判定を行うことができる。
ステップS10Aの判定により、目標電流の大きさが所定値以上と判定された場合はステップS20へ進み、第2診断部1082による異常判定を行う。一方、目標電流の大きさが所定値より小さいと判定された場合はステップS30へ進み、第1診断部1081による異常判定を行う。ステップS20,S30のいずれかで第1診断部1081または第2診断部1082による異常判定を実施したら、図10のフローチャートに示す処理を終了する。
第1の実施形態で述べたように、電流フィードバック制御による電流補正の力が強ければ、第1診断部1081のほうが交流電流センサ150の故障判定がしやすく、反対に電流フィードバック制御による電流補正の力が弱ければ、第2診断部1082のほうが交流電流センサ150の故障判定がしやすい状態となる。電圧指令計算部104における電流フィードバック制御のP制御項およびI制御項は、目標電流と実際の電流の差分が大きいほど、これらの制御による補正がともに強く働く。ここで、交流電流センサ150の故障によって実際の電流が目標電流から一定量ずれた場合、目標電流が小さければ、実際の電流と目標電流の差分が大きくなり、電圧指令計算部104による制御の補正が強くなるため、交流電流センサ150の故障による影響が相対的に大きくなる。反対に、目標電流が大きければ、実際の電流と目標電流の差分が小さくなり、電圧指令計算部104による制御の補正が弱くなるため、故障による影響は相対的に小さくなる。
以上説明したように、目標電流が小さければ、電圧指令計算部104による制御の補正が強いため、第1診断部1081が行う二相電圧指令値に基づく異常判定の方が、正確な判定結果を得やすくなる。反対に、目標電流が大きければ、電圧指令計算部104による制御の補正が弱いため、第2診断部1082が行う二相電流検出値に基づく異常判定の方が、正確な判定結果を得やすくなる。したがって、本実施形態のように、交流電流の基本周波数の代わりに目標電流によって故障判定方法を切り替えても、交流電流センサ150の故障を精度良く判定することができる。
以上説明した本発明の第3の実施形態によれば、交流電流センサ診断部108は、目標電流が所定値より小さい場合(ステップS10A:No)は、第1診断部1081により交流電流センサ150の異常の判定を行い(ステップS30)、目標電流が所定値以上の場合(ステップS10A:Yes)は、第2診断部1082により交流電流センサ150の異常の判定を行う(ステップS20)。このようにしたので、第1の実施形態と同様に、PI制御を用いた電圧指令値の計算を行う際に、交流電流の基本周波数に関わらず、交流電流センサ150の異常を正確に検知することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態では、第1、第3の実施形態とは異なる動作条件により、第1診断部1081と第2診断部1082の判定切り替え処理を行う電力変換装置の例を説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分については、特に必要のない限り説明を省略する。
図11は、本発明の第4の実施形態における第1診断部1081と第2診断部1082の判定切り替え処理の例を示すフローチャートである。
ステップS10Bにおいて、交流電流センサ診断部108は、モータ20に対する目標トルクの大きさが所定値以上であるかどうかを判定する。ここでは、例えば電子制御装置3から送信される目標トルクの情報を取得し、この目標トルクの情報を用いて、ステップS10Bの判定を行うことができる。
ステップS10Bの判定により、目標トルクの大きさが所定値以上と判定された場合はステップS20へ進み、第2診断部1082による異常判定を行う。一方、目標トルクの大きさが所定値より小さいと判定された場合はステップS30へ進み、第1診断部1081による異常判定を行う。ステップS20,S30のいずれかで第1診断部1081または第2診断部1082による異常判定を実施したら、図11のフローチャートに示す処理を終了する。
第3の実施形態で述べたように、交流電流センサ150の故障によって実際の電流が目標電流から一定量ずれた場合、目標電流が小さいときは、第1診断部1081が行う二相電圧指令値に基づく異常判定の方が、正確な判定結果を得やすく、反対に目標電流が大きいときは、第2診断部1082が行う二相電流検出値に基づく異常判定の方が、正確な判定結果を得やすい。ここで、目標トルクが大きいと目標電流も大きくなる傾向があるため、本実施形態のように、目標電流の代わりに目標トルクを用いて故障判定方法を切り替えても、交流電流センサ150の故障を精度良く判定することができる。
以上説明した本発明の第4の実施形態によれば、交流電流センサ診断部108は、目標トルクが所定値より小さい場合(ステップS10B:No)は、第1診断部1081により交流電流センサ150の異常の判定を行い(ステップS30)、目標トルクが所定値以上の場合(ステップS10B:Yes)は、第2診断部1082により交流電流センサ150の異常の判定を行う(ステップS20)。このようにしたので、第1の実施形態と同様に、PI制御を用いた電圧指令値の計算を行う際に、交流電流の基本周波数に関わらず、交流電流センサ150の異常を正確に検知することができる。
なお、以上説明した第1~第4の各実施形態では、交流電流センサ150の故障判定方法の切り替えを行うための交流電流の基本周波数や目標電流、目標トルクの所定値をそれぞれ1つしか用いていないが、この所定値を複数用いてもよい。例えば、第1所定値と第2所定値(第1所定値<第2所定値)を用いる場合、交流電流の基本周波数や目標電流、目標トルクの値が第1所定値未満ならば、第1診断部1081の異常判定のみ、第1所定値以上で第2所定値未満ならば、第1診断部1081と第2診断部1082の異常判定を併用、第2所定値以上ならば第2診断部1082の異常判定のみといったように、第1診断部1081と第2診断部1082を併用する範囲を設けてもよい。
また、以上説明した各実施形態では、特に交流電流センサ150を2相にのみ設置した構成を対象としているが、交流電流センサ150を3相に設置した構成においても、本発明による交流電流センサ150の診断方法を適用可能である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1:駆動装置、2:直流電源、3:電子制御装置、4:故障通知装置、10:、電力変換装置、20:モータ、100:制御回路、101:モータ速度計算部、102:1相電流計算部、103:目標電流計算部、104:電圧指令計算部、105:PWM信号生成部、106:電圧指令2相変換部、107:電流2相変換部、108:交流電流センサ診断部、120:ドライバ回路、130:電力変換回路、140:電圧センサ、150:交流電流センサ、1081:第1診断部、1082:第2診断部

Claims (9)

  1. 直流電力を三相交流電力に変換して出力する電力変換装置であって、
    前記三相交流電力による三相交流電流のうち2相の電流値を検出する交流電流センサと、
    目標トルクに基づいて目標電流を計算する目標電流計算部と、
    前記目標電流と前記交流電流センサの検出値に基づいて電圧指令値を計算する電圧指令計算部と、
    前記交流電流センサの検出値に基づいて前記交流電流センサの異常を判定する交流電流センサ診断部と、を備え、
    前記交流電流センサ診断部は、前記電圧指令値をいずれかの出力相を基準とした二相の直交座標系の値に変換した二相電圧指令値に基づいて前記異常を判定する第1診断部と、前記交流電流センサの検出値を前記二相の直交座標系の値に変換した二相電流検出値に基づいて前記異常を判定する第2診断部と、を有し、
    前記交流電流センサ診断部は、前記電力変換装置の動作条件に応じて、前記第1診断部による前記異常の判定と、前記第2診断部による前記異常の判定とを切り替える、電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記交流電流センサ診断部は、前記三相交流電流の基本周波数が所定値より小さい場合は前記第1診断部により前記異常の判定を行い、前記三相交流電流の基本周波数が前記所定値以上の場合は前記第2診断部により前記異常の判定を行う、電力変換装置。
  3. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記交流電流センサ診断部は、前記目標電流が所定値より小さい場合は前記第1診断部により前記異常の判定を行い、前記目標電流が前記所定値より大きい場合は前記第2診断部により前記異常の判定を行う、電力変換装置。
  4. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記交流電流センサ診断部は、前記目標トルクが所定値より小さい場合は前記第1診断部により前記異常の判定を行い、前記目標トルクが前記所定値より大きい場合は前記第2診断部により前記異常の判定を行う、電力変換装置。
  5. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記第1診断部は、前記二相電圧指令値の大きさの変動量が所定の閾値以上である場合に前記交流電流センサの異常と判定する、電力変換装置。
  6. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記第1診断部は、前記二相電圧指令に対する目標値を取得し、前記目標値と実際の前記二相電圧指令値との差分が所定の閾値以上である場合に前記交流電流センサの異常と判定する、電力変換装置。
  7. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記第2診断部は、前記二相電流検出値の大きさの変動量が所定の閾値以上である場合に前記交流電流センサの異常と判定する、電力変換装置。
  8. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記第2診断部は、前記二相電流検出値に対する目標値を取得し、前記目標値と実際の前記二相電流検出値との差分が所定の閾値以上である場合に前記交流電流センサの異常と判定する、電力変換装置。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
    前記電力変換装置から出力される三相交流電流により駆動される交流モータと、を備え、
    前記交流モータの駆動力を用いて車両を走行駆動させる駆動装置。
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