JP2024040710A - 飲料用風味改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な飲料の風味を改善することができる飲料用風味改善剤を提供すること。【解決手段】植物由来蛋白質脂質複合体を有効成分とする飲料用風味改善剤である。蛋白質脂質複合体を構成する蛋白質が、大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、そら豆蛋白質、緑豆蛋白質、ひよこ豆蛋白質及びレンズ豆蛋白質からなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。蛋白質脂質複合体を構成する脂質が、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上であることも好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は様々な飲料に対して風味改善効果のある、飲料用風味改善剤に関する。
食品にはさまざまな分類が存在するが、物性の面では、飲料は保存のためには容器を必要とする点で特徴的である。
また、飲料は風味成分の感じ方でも、咀嚼・嚥下を必要とする固型の食品と異なる。すなわち、風味成分は、いったん水や唾液に溶解させて味を感じさせる物質であるので、固型の食品であれば、咀嚼により唾液に溶解してから風味を感じるため、風味成分ごとに味の感じ方の遅速があったとしても、咀嚼中に徐々に風味成分が口中に広がるため味の感じ方が平準化され、まとまった風味になるのに対し、飲料では風味成分は最初から水に溶解しているため、口に入れた瞬間に飲料中の全ての風味成分の味をストレートに感じてしまい、そのため風味の持続性がないという問題があった。
また、近年、消費者の嗜好が多様化するとともに、これまでになかったような新しいジャンルの飲料が市場へ次々と投入されている。
例えば、新規の飲料素材を用いた飲料はもちろんであるが、逆に本来必須成分であるべき原料素材を使用せずに同様の風味であることをコンセプトとした、アルコール飲料の風味を有するノンアルコール飲料、牛乳や乳飲料に代わる豆乳やアーモンドミルクなどの植物ミルク、糖分や脂肪分をカットした低カロリー飲料も広く受け入れられている。また、風味を味わうという本来の目的以外に健康・保健の目的で摂取する、青汁、アサイジュースや食酢飲料などの様々な健康飲料や栄養ドリンクも大きな市場を形成している。また更に、従来と異なる場面での摂取を想定した、スポーツ飲料、ゼリー飲料、喫飲を従来とまったく異なる温度域とした飲料なども、従来にない飲料を求めていた消費者に対して大きなインパクトを与え、広く受け入れられてきている。
このような新しいジャンルの飲料では使用する飲料素材の風味が強すぎたり、おいしくないものであったり、本来の風味が感じられなくなったり、また風味にコクや厚みが感じられなかったり、さらには異味や雑味を呈する場合もあるなど、従来の飲料と異なり、口当たりや風味のバランスが崩れてしまう問題があった。
ここで、上記のような飲料の風味の改善方法として、これまでに様々な検討が行われてきた。
例えば、高甘味度甘味料を使用する方法(例えば、特許文献1及び2参照)、アミノ酸・ペプチド類を使用する方法(例えば、特許文献3参照)、有機酸類を使用する方法(例えば、特許文献4参照)、7-ヒドロキシ-3,3’,4’,5,6-ペンタメトキシフラボンを使用する方法(例えば、特許文献5参照)、特定の糖類を使用する方法(例えば、特許文献6及び7参照)、では大麦麦芽抽出液等を高温処理することで生じた化合物群を使用する方法(例えば、特許文献8参照)等が挙げられる。
しかし、これらの方法では特定の飲料にしか効果がない問題があった。
また、風味の持続性の点では改善効果がないという問題や、コクや厚みの点での改善効果が弱いという問題、さらには、異味や雑味のマスキングの点でも様々な飲料への適用が困難である問題もあった。
このように、様々な飲料に対して、風味持続性の改善、さらにはコクや厚みの付与、マスキングといった風味改善効果のある方法は十分に確立していないのが現状であった。
一方、蛋白と脂質の複合体はその高い乳化性を利用して様々な飲食品の品質改良剤として使用する試みがあり(例えば、特許文献9参照)、その中では飲料についても挙げられているが、のど越しの良さの改良という物性面の改良のみであり、風味の改善については知られていなかった。
特開2002-101844号公報 特開2009-5675号公報 特開平1-225448号公報 特開平9-107935号公報 国際公開第2009/57633号 特開2011-206030号公報 特開2012-60930号公報 国際公開第2009/78359号 特開2021-122276号公報
従って、本発明の目的は、様々な飲料に対して、風味の改善効果のある、飲料用風味改善剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、植物蛋白質と脂質の複合体が上記課題を解決可能なことを知見した。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、植物由来蛋白質脂質複合体を有効成分とする、飲料用風味改善剤を提供するものである。
本発明の飲料用風味改善剤は、様々な飲料に対して、風味持続性の改善、さらにはコクや厚みの付与、マスキングといった風味改善効果を付与することができる。
以下、本発明の飲料用風味改善剤について好ましい実施形態に基づき詳述する。
まず、本発明の飲料用風味改善剤の有効成分である植物由来蛋白質脂質複合体について説明する。
本発明の飲料用風味改善剤は有効成分として植物由来蛋白質脂質複合体を含有する。
本発明において蛋白質脂質複合体とは、蛋白質と脂質とを含有し、且つ蛋白質と脂質との間に働く強い親和力により形成される高次構造を持つものを意味する。単に蛋白質と脂質とを含有するものは本発明の蛋白質脂質複合体には包含されない。
まず、本発明の飲料用風味改善剤に含まれる蛋白質脂質複合体(以下、単に「複合体」ということがある。)の構成成分である蛋白質及び脂質について述べる。
上記複合体を構成する蛋白質としては、植物由来であれば特に限定されず、任意の蛋白質を使用することが可能である。蛋白質の具体例としては、例えば、グリアジン、グルテニン、プロラミン及びグルテリン等の小麦蛋白質;大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、そら豆蛋白質、緑豆蛋白質、ひよこ豆蛋白質及びレンズ豆蛋白質等の豆類蛋白質、並びに米蛋白質等のその他穀類蛋白質が挙げられる。これらの蛋白質は、目的に応じて、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
なかでも本発明では、風味改善効果が高い点、乳化安定性が高いことから様々な飲料に適用可能である点、さらには風味が良好である点で豆類蛋白質が好ましい。豆類蛋白質としては、少量の添加で高い風味改善効果が得られる飲料用風味改善剤とすることができる点、脂質との複合体生成能が高い点、水溶性が高い点で製造が容易であることに加え、飲料用風味改善剤としての効果がとりわけ高いことから、大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、そら豆蛋白質、緑豆蛋白質、ひよこ豆蛋白質及びレンズ豆蛋白質からなる群から選択される1種又は2種以上を使用すること好ましく、特にそら豆蛋白質及び/又は緑豆蛋白質を使用することが更に好ましい。
上記複合体を構成する脂質としては、特に限定されず、任意の脂質を使用することが可能である。脂質の具体例としては、例えば、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。本発明の効果が一層顕著になることから、脂質として、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上を使用することが好ましく、リン脂質を使用することが風味の面からも機能の面からも特に好ましい。すなわち、本発明に用いる脂質は、一部又は全部がリン脂質であることが特に好ましい。上記脂質におけるリン脂質の含有量は、リン脂質とリン脂質以外の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70~100:0の範囲が好ましく、60:40~100:0の範囲がより好ましく、80:20~100:0の範囲が最も好ましい。本発明においては、目的に応じて、上記脂質の1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
なお、リン脂質をレシチンの形で使用する場合は、リン脂質と、レシチンに含有されるその他の脂質との質量比率が、前者:後者で、30:70~100:0の範囲にある任意のレシチンを使用することができ、好ましくは60:40~100:0のレシチンを、より好ましくは80:20~100:0のレシチンを使用するとよい。
本発明においては、上記リン脂質の由来は特に限定されるものではなく、大豆由来リン脂質、ヒマワリ由来リン脂質、紅花由来リン脂質及び菜種由来リン脂質等の植物由来の植物性リン脂質、卵黄由来リン脂質、魚卵由来リン脂質及び乳由来リン脂質等の動物由来の動物性リン脂質、並びに微生物由来の微生物性リン脂質を使用することができる。また、これらの抽出物、精製物あるいは酵素処理品等を使用することも可能である。具体的なリン脂質としてはホスファチジン酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン等が挙げられ、これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明では、乳アレルゲンや卵アレルゲンを含まない食品とすることが可能な点、菜食主義者(ベジタリアン)や完全菜食主義者(ビーガン)であっても食することができる飲料とすることが可能な点で、大豆由来、ヒマワリ由来、紅花由来、菜種由来などの植物由来の植物性リン脂質又は微生物由来の微生物性リン脂質を使用することが好ましく、少量の添加で飲料に対して高い風味改善効果が得られる飲料用風味改善剤とすることができる点、更には脂質との複合体生成能が高い点から、大豆由来リン脂質及び/又はヒマワリ由来リン脂質を使用することが特に好ましい。
本発明に含まれる複合体における、蛋白質と脂質との質量比は、蛋白質100質量部に対し脂質が10~250質量部であることが好ましく、20~130質量部であることがより好ましく、80~130質量部であることが更に好ましく、100~130質量部であることが最も好ましい。蛋白質100質量部に対する脂質の質量比を上述の範囲とすることで、風味改善効果が一層高まり、且つ飲料の風味が損なわれることがないため好ましい。また、複合体を製造する際に蛋白質と脂質とを含有する水溶液の粘度が高くならないので、該水溶液がゲル状になりにくくなり、その結果複合体の製造が容易となるため好ましい。
上記蛋白質脂質複合体は、例えば、蛋白質や蛋白質を含有する食品素材、及び脂質や脂質を含有する食品素材を水に添加し、更に必要により後述するその他の成分を水に添加して蛋白質と脂質とを含有する水溶液を調製し、調製した水溶液を均質化することによって得ることができる。この場合、得られる水溶液は蛋白質脂質複合体を含有するものとなる。この際、蛋白質及び/又は蛋白質を含有する食品素材の使用量、並びに脂質及び/又は脂質を含有する食品素材の使用量を、得られる蛋白質脂質複合体における蛋白質と脂質との比が上述の範囲となるように適切に設定することが好ましい。なお、上記蛋白質として、蛋白質を含有する食品素材を使用した場合、また、脂質として、脂質を含有する食品素材を使用した場合、複合体における脂質の含有量及び蛋白質の含有量は、それぞれの食品素材に含まれる純蛋白質含有量及び純脂質含有量を用いて算出するものとする。
上記の蛋白質と脂質とを含有する水溶液中における蛋白質の含有量は、好ましくは1~25質量%、より好ましくは5~25質量%、更に好ましくは5~20質量%であり、脂質の含有量は、好ましくは1~25質量%、より好ましくは5~25質量%、更に好ましくは5~20質量%である。上記の蛋白質と脂質とを含有する水溶液中の蛋白質及び脂質の含有量を上記の範囲とすることで、混合・撹拌によりダマを解消・分散させることができ、且つ十分に均質化を行うことができ、効率よく蛋白質脂質複合体を製造できるため好ましい。
上述したとおり、蛋白質脂質複合体の製造時に、水溶液中に蛋白質及び脂質以外のその他の成分を含有させることができるが、蛋白質及び脂質を高効率で複合化させる観点から、その他の成分は極力含有させないことが好ましいが、加熱殺菌時の安定性を高めることができる観点から、後述するその他の成分の中でも金属イオン封鎖剤、無機塩のうちの1種または2種以上が含有させることが好ましく、特に無機塩の中でも異風味を生じない点で食塩を使用することが好ましい。なお、食塩を使用する場合の水溶液中における食塩の好ましい含有量は0.1~3%であり、より好ましくは0.3~1質量%である。
水溶液中の水以外のその他の成分の含有量は、蛋白質及び脂質を高効率で複合化させる観点から、15質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
蛋白質脂質複合体を製造する際、蛋白質と脂質とを含有する水溶液を均質化する前又は均質化した後に加熱殺菌することが好ましい。均質化の後に加熱殺菌する場合は、加熱殺菌の後に再度均質化することができる。
なお、上記均質化に用いる装置としては、ケトル型チーズ乳化釜、ステファンミキサーのような高速せん断乳化釜、コミットロールやマスコロイダーのような高速せん断ミキサー、スタティックミキサー、インラインミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、ディスパーミル等が挙げられる。この均質化処理は、2段式ホモジナイザーを用いて、例えば、1段目3~100MPa、2段目0~5MPaの均質化圧力にて行えばよい。
上記加熱殺菌の方法としては、インジェクション式、インフュージョン式、マイクロ波等の直接加熱方式、及び、バッチ式、プレート式、チューブラー式、掻き取り式等の間接加熱方式があり、UHT、HTST、LTLT等の60~160℃の加熱処理を行えばよい。
均質化・加熱殺菌を行った後、複合体を含有する水溶液を冷却することが好ましい。冷却方法としては、例えば、チューブラー式、掻取式等の熱交換機によって冷却する方法が挙げられる。また、別の方法として、適当な容器に充填した後に、水浴、氷浴、冷蔵庫、冷凍庫等で冷却する方法も挙げられる。
なお、上記冷却の際に、温度変化が2.0℃/h未満、好ましくは0.1~1.5℃/hの冷却速度で緩慢冷凍することにより凍結変性させることにより、より高い風味改善効果が得られる飲料用風味改善剤とすることができる。
また、上記操作の後、必要に応じて濃縮操作を行うことができる。
本発明の飲料用風味改善剤に含まれる蛋白質脂質複合体は、粉体、顆粒、錠剤等の固形状や、液状、ペースト等の流動状のいずれの形態であってもよいが、その他の成分との混合性が高い点、そのまま風味改善剤とした際の飲料への混合性が良好である点で、粉体、液状及びペースト状のいずれかの形態であることが好ましい。
粉体とする場合は、凍結乾燥して粉末化してもよく、また、スプレードライして粉末化してもよい。
また液剤、ペースト等の流動状の形態とする場合は、上記複合体を含む水溶液をそのまま用いることができる。
本発明の飲料用風味改善剤は、複合体を含有する水溶液を乾燥して粉末化したものや、複合体を含有する水溶液をそのまま使用することもできる。また複合体と下記のその他の成分とを混合して、常法により粉体、顆粒、錠剤等の固形状や、液剤、ペースト等の流動状の形態に製剤化することもできる。また、複合体を油脂に分散させた形態とすることもできる。
本発明の飲料用風味改善剤が粉体、顆粒、錠剤等の固形状の形態である場合、本発明の飲料用風味改善剤における上記蛋白質脂質複合体の含有量は、少量の添加で効果を得るという目的のため、蛋白質脂質複合体の固形分として5~100質量%であることが好ましく、より好ましくは10~100質量%であり、更に好ましくは50~100質量%であり、更により好ましくは70~100質量%であり、最も好ましくは80~100質量%である。
また、本発明の飲料用風味改善剤が液剤、ペースト等の流動状の形態である場合、本発明の飲料用風味改善剤における上記蛋白質脂質複合体の含有量は、少量の添加で効果を得るという目的、粘度が高すぎず使用しやすいこと、及び保存中の沈殿の生成を避けるため、蛋白質脂質複合体の固形分として1~30質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましい。
本発明の飲料用風味改善剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、必要に応じ、上記蛋白質脂質複合体以外のその他の成分を含有するものとすることができる。
該その他の成分としては、水、アルコール類、油脂、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料、糖アルコール、澱粉類、乳や乳製品、卵製品、穀類、食塩、塩化カリウムなどの無機塩、有機酸塩、酵素、ジグリセライド、香辛料、香辛料抽出物、ハーブ、直鎖デキストリン・分枝デキストン・環状デキストン等のデキストリン類、その他各種食品素材、微粒二酸化ケイ素・炭酸マグネシウム・リン酸二ナトリウム・酸化マグネシウム等の固結防止剤、ビタミン類、光沢剤、着香料、苦味料、調味料等の風味成分、着色料、保存料、酸化防止剤、pH調整剤、有機酸、重炭安等のアルカリ剤、強化剤等が挙げられる。
上記油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油、バター、バターオイル等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記ゲル化剤や安定剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天、グルコマンナン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、カシアガムが挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、卵黄油、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化剤が挙げられる。本発明では、上記の乳化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の飲料用風味改善剤の形態としては、特に制限されず、上記の、固形状、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状のいずれの形態であってもよいが、飲料への混合しやすさの点で、粉末状又は液状であることが好ましい。
また、本発明の飲料用風味改善剤が油分と水分を含有する場合、その乳化型は水中油型であっても油中水型であってもよく、さらには2重乳化型であってもよいが、本発明の有効成分である蛋白質脂質複合体が水溶性であるため、効果が素早く得られ、且つ、高い飲料の風味改善効果を得ることが可能である点で水中油型の乳化形態であることが好ましい。
本発明の飲料用風味改善剤は、さまざまな飲料に広く適用でき、例えば、ブラックコーヒー・ミルクコーヒー・ラクトコーヒー・コーヒー牛乳・カフェオレなどのコーヒー飲料、ココア飲料、チョコレート飲料、紅茶・ティーオレ・フレーバーティー・スパイスティー・果汁入り紅茶などの紅茶飲料、緑茶・煎茶・番茶・玄米茶・ほうじ茶・抹茶・ハト麦茶・麦茶・ウーロン茶・ルイボスティー・ジャスミン茶・鉄観音茶・プアール茶・ウーロンミックスティー・はぶ茶・くこ茶・うこん茶・はこ茶・薬草茶・昆布茶・しそ茶・椎茸茶・桜茶・あまちゃづる茶・ギムネマ茶・桑の葉茶・杜仲茶・ドクダミ茶・高麗人参茶・柿の葉茶・パーラ茶・羅布麻茶・バナバ茶・クマ笹茶・たんぽぽ茶・減肥茶・柚子茶・日向夏茶・マテ茶・グアバ茶などの茶飲料、あめ湯、しょうが湯、くず湯、ニッキ水、レモン湯、100%果汁飲料・果汁入り飲料・果肉飲料などの果実飲料、トマトジュース・野菜ジュース・トマト及び/または果汁入り野菜ジュース・青汁などの野菜飲料、コーラ・サイダー・クリームソーダ・ラムネ・ルートビア・ジンジャーエール・果汁炭酸・乳酸炭酸・トニックウォーター・ノンアルコールビールなどの炭酸飲料、ミネラルウォーター・炭酸入りミネラルウォーター・炭酸水などの飲料水、スポーツドリンク、栄養ドリンク、健康飲料、ビネガードリンク、食酢飲料、ノンアルコール清酒、ノンアルコール酎ハイ、ノンアルコールカクテル、牛乳、豆乳・果汁豆乳・麦芽豆乳・乳酸発酵豆乳・麦芽飲料・アーモンドミルク・ココナッツミルク・オーツミルクなどの植物ミルク、乳酸飲料、乳酸菌飲料、ミルクセーキ、チーズドリンク、乳清飲料、香料入り乳飲料、清酒(日本酒)・合成清酒・焼酎(甲類・乙類)・酎ハイ・ハイボール・みりん・ビール・醸造酒・蒸留酒・発泡酒・第3のビール・果実酒・甘味果実酒・ウイスキー・ワイン・ブランデー・スピリッツ・リキュールなどのアルコール飲料などが挙げられる。
なかでも、本発明の飲料用風味改善剤は、独特の豆臭さが問題となっている植物ミルク類に対する風味改善効果が高いことから、上記飲料の中でも植物ミルクそのもの、さらには植物ミルクを含有する飲料に対して使用することが好ましい。
なお、植物ミルクとは、種実類又は穀類若しくは豆類の抽出液、搾汁、摩砕液又は粉砕液であり、牛乳の代替品として最近注目を集めているものである。植物ミルクは通常25℃で液状である。抽出液の場合、溶媒は水であり、種実類、豆類や穀類に加水し、混合後に裏ごししたり、摩砕若しくは粉砕した後に固液分離するなどして得られる。また摩砕液及び粉砕液は、種実類、豆類や穀類に対し、摩砕若しくは粉砕並びに加水を行うことで得ることができ、この場合は摩砕若しくは粉砕と、加水とは、どちらが先であってもよい。
なお、上記植物ミルクは、該植物ミルクの濃縮液や、酵素処理や微生物発酵処理、加熱処理、酸処理などの加工液を含むものである。
種実類としては、ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ココナッツ、ゴマ、クルミ等が挙げられる。また、穀類若しくは豆類としては、大豆、小豆、米、大麦、小麦、ハト麦、ライ麦、オーツ麦、ヒヨコ豆、エンドウ豆、緑豆、そら豆、レンズ豆が挙げられる。
また、植物ミルクを含有する飲料の具体例としては植物ミルクを使用したコーヒー飲料、紅茶飲料、ココア飲料、チョコレート飲料などが挙げられる。
本発明の飲料用風味改善剤による風味の改善としては、風味持続性の改善、コク・厚みの付与、豆乳などの異味や雑味のある飲料に使用した場合のマスキングなどが挙げられる。
本発明の飲料用風味改善剤の添加方法としては、最終的に飲料中に本発明の有効成分である、蛋白質脂質複合体が添加されていれば特に限定されず、各種添加方法をとることができる。例えば、飲料の原料に直接添加して混合することも、また飲料の配合水の全て又は一部に分散または溶解させることもできる。飲料製造の最終段階として添加・混合する方法でもよい。さらには市販飲料に添加して混合する方法によってもよい。
飲料に対する本発明の飲料用風味改善剤の添加量は、特に限定されず、食品の種類や形態、形状等に応じて適宜決定されるが、飲料中100ml中に、蛋白質脂質複合体の固形分として好ましくは0.0002~0.6g、より好ましくは0.001~0.3g、更に好ましくは0.002~0.3gである。蛋白質脂質複合体の含有量を上述の範囲とすることで、本発明の効果が確実に奏され、且つ飲料は異味が感じられないものとなる。
次に、本発明の飲料の風味改善方法について述べる。
本発明の飲料の風味改善方法は、植物由来蛋白質脂質複合体を飲料に添加することを特徴とするものである。蛋白質脂質複合体の製造方法や蛋白質脂質複合体の添加方法や添加量については、上述のとおりである。
最後に、本発明の飲料について述べる。
本発明の飲料は、上記本発明の飲料用風味改善剤を含有する飲料である。上記本発明の飲料用風味改善剤の添加方法や添加量については、上述の通りである。
<飲料用風味改善剤の製造>
〔実施例1〕
そら豆蛋白質(「オルプロテインFP-AC」:オルガノフードテック株式会社製)(蛋白質含有量84.0質量%、脂質含有量5.0質量%、水分含量6質量%)6.3質量部を、60℃に加温した水87.7質量部に加え、スリーワンモーターを使用して撹拌して十分に分散させた。ここに粉末状大豆レシチン(脂質含有量99質量%、リン脂質含有量90質量%)を6質量部添加し、よく撹拌して十分に分散・乳化させ、予備乳化液を得た。この予備乳化液をバルブ式ホモジナイザー(アルファラバル社製:ホモジナイザー)を用いて、30MPaの圧力で均質化した後、VTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機)で139℃・4秒間殺菌した後、5℃まで冷却した。これを凍結乾燥し、水分含量が3質量%である、蛋白質脂質複合体を含有する粉末状の飲料用風味改善剤Aを得た。得られた飲料用風味改善剤A中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Aの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔実施例2〕
粉末状大豆レシチンに代えて、粉末状ヒマワリレシチン(脂質含有量100質量%、リン脂質含有量90質量%を使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、蛋白質脂質複合体を含有する粉末状の飲料用風味改善剤Bを得た。得られた飲料用風味改善剤B中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Bの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔実施例3〕
そら豆蛋白質6.3質量部に代えて、緑豆蛋白質(「オルプロテインMP-AC」:オルガノフードテック株式会社製)(蛋白質含有量75.0質量%、脂質含有量6.0質量%、水分含量7質量%)7質量部を使用し、水87.7質量部を87質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、蛋白質脂質複合体を含有する粉末状の飲料用風味改善剤Cを得た。得られた飲料用風味改善剤C中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Cの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔実施例4〕
そら豆蛋白質6.3質量部に代えて、緑豆蛋白質(「オルプロテインMP-AC」:オルガノフードテック株式会社製)(蛋白質含有量75.0質量%、脂質含有量6.0質量%、水分含量7質量%)7質量部を使用し、水87.7質量部に代えて、食塩0.5質量部を水86.5質量部に溶解した食塩水を使用した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、蛋白質脂質複合体を含有する粉末状の飲料用風味改善剤Dを得た。得られた飲料用風味改善剤D中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Dの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔実施例5〕
そら豆蛋白質6.3質量部に代えて、大豆蛋白質(「ProFam(登録商標)974」:ADM社製)(蛋白質含有量85.0質量%、脂質含有量3.0質量%、水分含量6質量%)6質量部を使用し、水87.7質量部を88質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、蛋白質脂質複合体を含有する粉末状の飲料用風味改善剤Eを得た。得られた飲料用風味改善剤E中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Eの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔実施例6〕
そら豆蛋白質6.3質量部に代えて、エンドウ豆蛋白質(「NUTRALYS(登録商標)S85F」:ロケット社製)(蛋白質含有量85.0質量%、脂質含有量7.0質量%、水分含量4質量%)6質量部を使用し、水87.7質量部を88質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、蛋白質脂質複合体を含有する粉末状の飲料用風味改善剤Fを得た。得られた飲料用風味改善剤F中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Fの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔比較例1〕
粉末状大豆レシチン(脂質含有量100質量%、リン脂質含有量90質量%)を添加せず、且つ水87.7質量部を93.7質量部に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、粉末状の飲料用風味改善剤Gを得た。得られた飲料用風味改善剤G中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Gの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
〔比較例2〕
粉末状大豆レシチン(脂質含有量100質量%、リン脂質含有量90質量%)を添加せず、且つ水87質量部を93質量部に変更した以外は実施例2と同様の配合及び製法で、水分含量が3質量%である、粉末状の飲料用風味改善剤Hを得た。得られた飲料用風味改善剤H中の複合体の含有量、飲料用風味改善剤Hの固形分中における複合体の含有量、及び、複合体における蛋白質と脂質との質量比について表1に記載した。
<飲料の製造1>飲料用風味改善剤の添加量による比較
[実施例7]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Aを0.001g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳飲料A1を得た。
上記豆乳飲料A1は飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、やや豆臭さは感じられるものの、全体として調和のとれた風味となっており、その調和された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例8]
飲料用風味改善剤Aの添加量を0.001gから0.01gに変更した以外は実施例7と同様にして、本発明の飲料である豆乳飲料A2を得た。
上記豆乳飲料A2は飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調和された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例9]
飲料用風味改善剤Aの添加量を0.001gから0.1gに変更した以外は実施例7と同様にして、本発明の飲料である豆乳飲料A3を得た。
上記豆乳飲料A3は飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調和された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例10]
飲料用風味改善剤Aの添加量を0.001gから0.3gに変更した以外は実施例7と同様にして、本発明の飲料である豆乳飲料A4を得た。
上記豆乳飲料A4は飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっていた。なお、口中での風味の感じ方はトップがやや弱く感じられるものの、調和された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例11]
飲料用風味改善剤Aの添加量を0.001gから0.5gに変更した以外は実施例7と同様にして、本発明の飲料である豆乳飲料A5を得た。
上記豆乳飲料A5は飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっていた。なお、口中での風味の感じ方はトップが弱く感じられるものの、調和された風味が口中で長く持続するものであった。
[比較例3]
飲料用風味改善剤A0.001gから飲料用風味改善剤G0.005gに変更し、さらに別途粉末状大豆レシチン0.005gを添加した以外は実施例7と同様にして、比較例の飲料である豆乳飲料A6を得た。
上記豆乳飲料A6は飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、風味(コクや厚み、豆臭さ)の改善がほとんど感じられず、また、風味の感じ方にばらつき感があり、風味持続性も低く、口当たりの悪いものであった。
<飲料の製造2>飲料用風味改善剤の種類による比較
[実施例12]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Aを0.025g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳飲料Aを得た。
上記豆乳飲料Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例13]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.025g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳飲料Bを得た。
上記豆乳飲料Bは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。なお、豆乳飲料Aと比較すると、風味のコクや厚みは若干弱いものの、全体の風味バランスと風味の持続性は若干優れていた。
[実施例14]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Cを0.025g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳飲料Cを得た。
上記豆乳飲料Cは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例15]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Dを0.025g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳飲料Dを得た。
上記豆乳飲料Dは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。なお、豆乳飲料Cと比較すると、風味のコクや厚み、風味の持続性は若干優れていた。
[実施例16]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Eを0.025g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳飲料Eを得た。
上記豆乳飲料Eは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例17]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Fを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳飲料Fを得た。
上記豆乳飲料Fは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。なお、豆乳飲料Eと比較すると、風味のコクや厚み、風味の持続性は若干弱いものであった。
[比較例4]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Gを0.025g添加した後均一に混合し、比較例の飲料である豆乳飲料Gを得た。
上記豆乳飲料Gは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、豆臭さはやや抑制されているものの、風味(コクや厚み)の改善がほとんど感じられず、また、風味持続性も低いものであった。
[比較例5]
市販されている豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Hを0.025g添加した後均一に混合し、比較例の飲料である豆乳飲料Hを得た。
上記豆乳飲料Hは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、豆臭さはやや抑制されているものの、風味(コクや厚み)の改善がほとんど感じられず、また、風味の感じ方にばらつき感があり、風味持続性も低く、口当たりの悪いものであった。
<飲料の製造3>各種飲料での比較
[実施例18]
市販されているアーモンドミルク(アーモンド効果 砂糖不使用:江崎グリコ製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるアーモンドミルクAを得た。
上記アーモンドミルクAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例19]
市販されているオーツミルク(たっぷり食物繊維オーツミルク 砂糖不使用:アルプロ製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるオーツミルクAを得た。
上記オーツミルクAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例20]
市販されている低脂肪乳(明治いしい低脂肪乳:明治製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である低脂肪乳Aを得た。
上記低脂肪乳Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例21]
レギュラーコーヒー(モカブレンド)を使用してドリップ法にてコーヒー液を得た。このコーヒー液50g、牛乳47g、グラニュー糖3gを混合しミルクコーヒーを得た。このミルクコーヒー100mlに対し、上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるミルクコーヒーAを得た。
上記ミルクコーヒーAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
〔実施例22〕
640mlの熱湯に市販の紅茶のティーバッグ(アッサム)4個を2分間浸漬し、さらにこれに牛乳71mlを添加、混合し、ミルクティーを得た。このミルクティー100mlに対し0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるミルクティーAを得た。
上記ミルクティーAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例23]
レギュラーコーヒー(モカブレンド)を使用してドリップ法にてコーヒー液を得た。このコーヒー液80gと市販の豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)20gを混合し豆乳コーヒーを得た。この豆乳コーヒー100mlに対し、上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳コーヒーAを得た。
上記豆乳コーヒーAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
〔実施例24〕
640mlの熱湯に市販の紅茶のティーバッグ(アッサム)4個を2分間浸漬し、さらにこれに市販の豆乳飲料(おいしい無調整豆乳:キッコーマン製)71mlを添加、混合し、豆乳ティーを得た。この豆乳ティー100mlに対し、上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である豆乳ティーAを得た。
上記豆乳ティーAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、豆臭さが抑制されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例25]
市販されているビールテイスト飲料(ノンアルコールビール)(ゼロイチ:キリンビール株式会社製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるビールテイスト飲料Aを得た。
上記ビールテイスト飲料Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例26]
市販されている発泡性リキュール(第3のビール)(金麦:サントリー株式会社製)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.003g添加した後均一に混合し、上記飲料用風味改善剤Bを0.01g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である発泡性リキュールAを得た。
上記発泡性リキュールAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例27]
レモン果汁4ml、水30mlを攪拌混合し、さらに炭酸水66mlと上記飲料用風味改善剤Bを0.02g添加した後均一に混合し、本発明である炭酸飲料Aを得た。
上記炭酸飲料Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、酸味と苦味が低減されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例28]
市販されている硬水の炭酸水(マグネシウム分含有)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.02g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である炭酸水Aを得た。
上記炭酸水Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、苦味が低減されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例29]
市販されているミックスフルーツジュース(メロン果汁、キウイ果汁、レモン果汁、甘味料含有)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.04g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるミックスフルーツジュースAを得た。
上記ミックスフルーツジュースAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例30]
オレンジ果汁100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.02g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるオレンジジュースAを得た。
上記オレンジジュースAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例31]
市販されている果汁混合野菜ジュース(野菜エキス、果汁含有)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.02g添加した後均一に混合し、0.02g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である果汁混合野菜ジュースAを得た。
上記果汁混合野菜ジュースAは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、苦味が低減されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例32]
市販されている健康飲料(機能性成分含有お茶系飲料)(コラーゲン、生茶葉抽出物含有)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.02g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である健康飲料Aを得た。
上記健康飲料Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例33]
市販されているウコン茶(ウコン抽出物、マグネシウム分含有)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.1g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるウコン茶Aを得た。
上記ウコン茶Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例34]
発酵乳15g、果糖ブドウ糖液糖13g、ペクチン0.5g、クエン酸0.08g、香料0.15g、上記飲料用風味改善剤Bを0.04gを水に溶解して100mlにフィルアップし、本発明の飲料である発酵乳飲料Aを得た。
上記発酵乳飲料Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、酸味が低減されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例35]
市販されているゼリー飲料(ビタミン類、デキストリン含有)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.02g添加した後均一に混合し、本発明の飲料であるゼリー飲料Aを得た。
上記ゼリー飲料Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。風味にまとまりがあり、味のばらつき感が抑えられた、非常に口当たりの良いものであった。
[実施例36]
市販されている青汁(ケール抽出物、澱粉分解物含有)100mlに対し上記飲料用風味改善剤Bを0.2g添加した後均一に混合し、本発明の飲料である青汁Aを得た。
上記青汁Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味でありながら、酸味とエグ味が低減されており、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。
[実施例37]
魚由来のコラーゲンペプチドの5質量%溶液100mlに上記飲料用風味改善剤B 0.05gを溶解し、本発明の飲料であるコラーゲン飲料Aを得た。
上記コラーゲン飲料Aは飲料用風味改善剤未添加の場合に比べて、コクと厚みのある風味であり、全体として調和のとれた風味となっており、その調味された風味が口中で長く持続するものであった。

Claims (7)

  1. 植物由来蛋白質脂質複合体を有効成分とする、飲料用風味改善剤。
  2. 上記蛋白質脂質複合体を構成する蛋白質が、
    小麦蛋白質、豆類蛋白質及び米蛋白質からなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1記載の飲料用風味改善剤。
  3. 上記蛋白質脂質複合体を構成する脂質が、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、リン脂質、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2記載の飲料用風味改善剤。
  4. 植物由来蛋白質脂質複合体を飲料に添加することを特徴とする、飲料の風味改善方法。
  5. 上記飲料が、植物ミルクを含有する、請求項4記載の飲料の風味改善方法。
  6. 請求項1記載の飲料用風味改善剤を含有する飲料。
  7. 植物ミルクを含有する、請求項6記載の飲料。
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