JP2024040422A - 経口投与用錠剤型吸着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】結合剤としての添加剤により吸着剤としての活性炭を服用しやすい錠剤型に成形する場合においても、活性炭の毒性物質の吸着性能の低下を抑制することができ、患者の服用負担の軽減を図ることができる経口投与用錠剤型吸着剤を提供する。【解決手段】吸着剤としての粒状ないし球状の活性炭と、結合剤としての添加剤とを含む経口投与用の錠剤型吸着剤であって、添加剤がカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースの少なくとも1種類を含み、錠剤型吸着剤100重量%に対して1.0重量%以下添加されてなる。【選択図】なし

Description

本発明は、錠剤型の経口投与用吸着剤に関し、特に、毒性物質の吸着性能に優れた活性炭を吸着剤とする経口投与用錠剤型吸着剤に関する。
腎疾患又は肝疾患の患者は、血液中に毒性物質が蓄積し、その結果として尿毒症や意識障害等の脳症を引き起こす。これらの患者数は年々増加する傾向にある。患者の治療には、毒性物質を体外へ除去する血液透析型の人工腎臓等が使用される。しかしながら、このような人工腎臓は、安全管理上から取り扱いに専門技術者を必要とし、また血液の体外への取り出しに際し、患者の肉体的、精神的、及び経済的負担を要することが問題視されており、必ずしも満足すべきものではない。
人工臓器に代わる方法として、経口で摂取し体内で毒性物質を吸着し、体外に排出する経口投与用吸着剤が開発されている(特許文献1、特許文献2等参照)。そして、石油系炭化水素(ピッチ)等を原料物質とし、比較的粒径が均一となるように調整し、炭化、賦活させた抗ネフローゼ症候群剤が報告されている(例えば、特許文献3参照)。また、活性炭自体の粒径を比較的均一化するとともに、当該活性炭における細孔容積等の分布について調整を試みた経口投与用吸着剤が報告されている(特許文献4参照)。このように、薬用活性炭は、比較的粒径を均一にすることに伴い、腸内の流動性の悪さを改善し、またこれと同時に細孔を調整することにより当該活性炭の吸着性能の向上を図った。そこで、多くの軽度の慢性腎不全患者に服用されている。
薬用活性炭には、尿毒症の原因物質やその前駆物質に対する迅速かつ効率的な吸着が要求される。しかしながら、既存の薬用活性炭では、形状を球形のまま粒径を小さくすることは難しい。また、従来の薬用活性炭における細孔の調整は良好とはいえず、吸着性能は必ずしも十分ではないので、一日当たりの服用量を多くしなければならない。特に、慢性腎不全患者は水分の摂取量を制限されているため、少量の水分により嚥下することは患者にとって大変な苦痛となっていた。
そして、薬用活性炭を錠剤型とし、服用しやすい錠剤型の経口投与用組成物が提案されている(例えば、特許文献5参照。)。薬用活性炭は服用量が多いため服用体積は大きくなり、また、活性炭は水に溶解しないため、細粒型であれば口腔内の不快感が残り、決して服用しやすいとはいえない。また、カプセル型とするとデッドボリュームができるため服用体積がさらに大きくなり嚥下しにくいきらいがある。
前掲の錠剤型の経口投与用組成物は、患者の服用負担の軽減を目的とするものの、結合剤が活性炭表面の細孔を閉塞して吸着性能が低下するきらいがあり、吸着性能の低下から服用量を増加させなければならないおそれがある。このため、結果的には服用負担はあまり変わらないか、逆に負担が大きくなってしまう可能性がある。
特許第3835698号公報 特開2008-303193号公報 特開平6-135841号公報 特開2002―308785号公報 特許第5701971号
そこで、本発明は、前掲の状況に鑑み提案されたものであり、結合剤としての添加剤により吸着剤としての活性炭を服用しやすい錠剤型に成形する場合においても、活性炭の毒性物質の吸着性能の低下を抑制することができ、患者の服用負担の軽減を図ることができる経口投与用錠剤型吸着剤を提供する。
すなわち、第1の発明は、吸着剤としての粒状ないし球状の活性炭と、結合剤としての添加剤とを含む経口投与用の錠剤型吸着剤であって、前記添加剤がカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースの少なくとも1種類を含み、前記錠剤型吸着剤100重量%に対して1.0重量%以下添加されてなることを特徴とする経口投与用錠剤型吸着剤。
第2の発明は、第1の発明において、前記活性炭の平均粒子径が20~1000μmである経口投与用錠剤型吸着剤に係る。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記錠剤型吸着剤の硬度が10N以上である経口投与用錠剤型吸着剤に係る。
第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかにおいて、前記活性炭の下記の(i)式に規定するミクロ孔容積の和(Vmic)に対するメソ孔容積の和(Vmet)の容積比(V)が5.0以下である経口投与用錠剤型吸着剤に係る。
Figure 2024040422000001
第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかにおいて、前記活性炭がフェノール樹脂の樹脂炭化物である経口投与用錠剤型吸着剤に係る。
第1の発明に経口投与用錠剤型吸着剤によると、吸着剤としての粒状ないし球状の活性炭と、結合剤としての添加剤とを含む経口投与用の錠剤型吸着剤であって、前記添加剤がカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースの少なくとも1種類を含み、前記錠剤型吸着剤100重量%に対して1.0重量%以下添加されてなるため、結合剤としての添加剤により吸着剤としての活性炭を服用しやすい錠剤型に成形する場合においても、活性炭の毒性物質の吸着性能の低下を抑制することができ、患者の服用負担の軽減を図ることができる。
第2の発明に係る経口投与用錠剤型吸着剤によると、第1の発明において、前記活性炭の平均粒子径が20~1000μmであることから、活性炭吸着剤の表面積を確保することができる。
第3の発明に係る経口投与用錠剤型吸着剤によると、第1又は第2の発明において、前記錠剤型吸着剤の硬度が10N以上であることから、運搬時や包装時における錠剤の破損や摩耗を抑制し、剤形を維持することができる。
第4の発明に係る経口投与用錠剤型吸着剤によると、第1ないし第3の発明のいずれかにおいて、前記活性炭の下記の(i)式に規定するミクロ孔容積の和(Vmic)に対するメソ孔容積の和(Vmet)の容積比(V)が5.0以下であることから、活性炭の毒性物質の吸着性能の低下をさらに抑制することができ、患者の服用負担の軽減を図ることができる。
第5の発明に係る経口投与用錠剤型吸着剤によると、第1ないし第4の発明のいずれかにおいて、前記活性炭がフェノール樹脂の樹脂炭化物であることから、錠剤型に成形した際の毒性物質の吸着性能の低下を抑制することが可能な活性炭とすることができる。
本発明の経口投与用錠剤型吸着剤は、活性炭を吸着剤とし、活性炭を結合剤としての添加剤により錠剤型に成形されてなる。成形された錠剤型吸着剤の硬度は、おおよそ10Nよりも高いことが望ましく、10Nよりも硬度が低くなると運搬時や包装時における錠剤の破損や摩耗が生じやすく、剤形を維持できないおそれがある。
また、活性炭はフェノール樹脂の樹脂炭化物とするのがよい。活性炭の原料をフェノール樹脂とすることによって、賦活を高めて比表面積を大きくしながらも、ミクロ孔容積の和に対するメソ孔容積の和の割合(容積比)を高めることができ、毒性物質の吸着性能を向上させやすいためである。フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型やレゾール型のほか両者の複合フェノール樹脂等の公知のものが挙げられる。フェノール樹脂は、平均粒子径が20~1000μmの範囲の粒状ないし球状の活性炭となる範囲とすることが好ましい。活性炭の平均粒子径が20μmより小さくなると、錠剤としたときに活性炭が緻密になりすぎて崩壊性が悪くなるおそれがある。活性炭の平均粒子径が1000μmを超える場合は、結合剤としての添加剤によって活性炭同士が接触し結合する表面積が大きくなるため、結合力が弱くなり錠剤の硬度が低くなってしまうおそれがある。
フェノール樹脂の他にも、セルロースを活性炭の原料と使用することができる。セルロースを使用する場合には、マクロ孔の多い活性炭とすることにより、添加剤を用いて錠剤型としたときに活性炭由来の吸着性能の低下を抑制することができると考えられる。
本発明においては、後述の実施例により示される通り、フェノール樹脂由来の活性炭であって、充填密度が0.3~0.5g/mlであることが好ましく、上記の(i)式により求められるミクロ孔容積の和(Vmic)に対するメソ孔容積の和(Vmet)の容積比(V)が5.0以下とすることにより、添加剤を用いて錠剤型としたときに活性炭由来の吸着性能の低下を抑制することができる。
フェノール樹脂は、円筒状レトルト電気炉等の焼成炉内に収容され、炉内を窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気下とし、300~1000℃、好ましくは450~700℃において1~20時間かけて炭化され樹脂炭化物となる(「炭化工程」)。
炭化工程の後、樹脂炭化物は公知の加熱炉等に収容され、750~1000℃、好ましくは800~1000℃、さらには、850~950℃において水蒸気賦活される(「賦活工程」)。賦活時間は生産規模、設備等によるものの、0.5~50時間である。あるいは、二酸化炭素等のガス賦活も用いられる。賦活時間は、目的の活性炭の物性により適宜調整される。賦活後の活性炭は、希塩酸によって洗浄される。希塩酸洗浄後の活性炭は、例えば、JIS K 1474(2014)に準拠したpHの測定によりpH5~7になるまで水洗される。
希塩酸の洗浄後、必要により活性炭吸着剤は、酸素及び窒素の混合気体中において加熱処理、水洗浄され、灰分等の不純物が取り除かれる。加熱処理により残留する塩酸分等は取り除かれる。そして、各処理を経ることにより活性炭吸着剤の表面酸化物量は調整される。酸洗浄後、賦活済みの樹脂炭化物に対する加熱処理を通じて、活性炭吸着剤の表面酸化物量は増加する。当該処理時の酸素濃度は0.1~21体積%である。また、加熱温度は150~1000℃、好ましくは400~800℃であり、15分~2時間である。
賦活処理後、又は賦活処理に続く加熱処理後の樹脂炭化物(活性炭吸着剤)は、篩別により平均粒子径20~1000μm、より好ましくは150~350μmの粒状物ないし球状物の活性炭に選別されるのがよい。粒子径の調整及び分別により、活性炭吸着剤の吸着速度の一定化と吸着能力の安定化が図られる。粒子径の範囲特に限定されるものではないが、前記の範囲とすると、活性炭吸着剤の表面積を確保することができる。また、粒子径が揃えられると、消化管内での吸着性能は安定することができる。しかも、粒子の硬さを維持して経口投与後(服用後)の消化管内でさらに粉化することも抑制される。ゆえに、経口投与用吸着剤の活性炭の形状は好ましくは球状物である。ただし、製造に起因する真球度のばらつき等も許容されるため、粒状物も含められる。
フェノール樹脂は分子中に芳香環構造を有しているため、炭化収率は高まる。さらに賦活により表面積の大きな活性炭が生じる。賦活後の活性炭は、従来の木質やヤシ殻、石油ピッチ等の活性炭と比較しても、細孔径は小さく充填密度は高い。そのため、尿毒症の原因物質やその前駆物質に代表されるインドキシル硫酸、アミノイソ酪酸、トリプトファン等の窒素を含有する比較的小さい分子量(分子量が数十ないし数百の範囲)のイオン性有機化合物の吸着に適する。また、フェノール樹脂は従来の活性炭原料の木質等と比較して窒素、リン、ナトリウム、マグネシウム等の灰分が少なく単位質量当たりの炭素の比率は高い。このため、不純物の少ない活性炭を得ることができる。
前述の活性炭には、後記する実施例に掲げる肝機能障害や腎機能障害の原因物質を極力速やかに吸着すること、また比較的少ない服用量で十分な吸着性能を発揮することが求められる。具備すべき性質の調和範囲を見いだすべく、活性炭は、水銀細孔容積値やBET比表面積等の指標で規定される。そして、後記する実施例の傾向等から明らかな通り、各指標のうち、BET比表面積の値が一定以上かつミクロ孔容積の和に対するメソ孔容積の和の容積比が一定以下であると、錠剤型としたときに吸着性能の低下が抑制されることがわかった。
充填密度は0.3~0.5g/mlと規定される。本発明において活性炭を錠剤型吸着剤に成形する結合剤としての添加剤は、錠剤型吸着剤100重量%に対して1.0重量%以下と非常に少量である。少量の添加剤で選択吸着性に優れた錠剤型吸着剤とするためには、活性炭の充填密度が低い方が都合が良いからである。ただし、充填密度が0.3g/ml未満の場合、服用量が増加し経口投与時に嚥下しづらくなる。充填密度が0.5g/mlを超える場合、所望の選択吸着性のバランスを欠いたり、添加剤による活性炭の吸着性能の低下が大きくなるおそれがある。
また、ミクロ孔容積の和に対するメソ孔容積の和の容積比(V)は、前述した通り、5.0以下に規定される。該容積比が5.0より小さくなると、メソ孔が一定程度発達した活性炭であるということができる。メソ孔が発達していると、添加剤を用いて錠剤型としたときに、比較的大きな分子である添加剤が一部のメソ孔を閉塞したとしても、他のメソ孔から毒性物質をミクロ孔へ導入することが可能となることから、毒性物質の吸着性能の低下を抑制することができると考えられるためである。充填密度が0.3~0.5g/mlであるとともに、ミクロ孔容積の和に対するメソ孔容積の和の容積比(V)が5.0以下である場合、毒性物質の吸着性能の低下がさらに抑制される。さらには、BET比表面積は、1200m/g以上とするのがよい。1200m/g以上とすると、毒性物質の吸着性能が高くなるため、経口投与用吸着剤として好適である。
また、先に述べたように、活性炭は細孔の孔径によっても規定される。活性炭のような吸着剤の場合、ミクロ孔、メソ孔、マクロ孔のいずれの細孔も存在している。その中で、いずれの範囲の細孔をより多く発達させるかにより、活性炭の吸着対象、性能は変化する。本発明において所望される活性炭は、尿毒症の原因物質やその前駆物質に代表されるインドキシル硫酸、アミノイソ酪酸、トリプトファン等の窒素を含有する低分子量のイオン性有機化合物の吸着を想定する。そして、本発明の経口投与用錠剤型吸着剤の活性炭は、前記の吸着対象の分子を従前の活性炭吸着剤よりも効果的に吸着することである。
マクロ孔及びメソ孔側の割合が相対的に高められることにより、吸着対象は活性炭内部へ容易に侵入できる。また、比較的大きな分子である添加剤がメソ孔に吸着されたとしても、ミクロ孔への毒性物質の到達が阻害されにくい。そして、吸着対象はマクロ孔及びメソ孔に接続したミクロ孔に補足され、吸着は速く進む。通常、摂食から排泄までのうち、食物が消化により分解されて小腸内を流動する時間はおよそ6~10時間と考えられる。つまり、小腸内を流動する間に経口投与用錠剤型吸着剤(の活性炭)が目的の吸着対象である窒素を含有する低分子を吸着する必要がある。そこで、腸管内における効率良い吸着を勘案すると、短時間の吸着が望ましいといえる。これらのことから、活性炭のマクロ孔側の細孔を多く発達させることには意味がある。
これらの指標に加えて、平均細孔直径も挙げられる。そこで、平均細孔直径は1.5~2.5nmの範囲とするのがよい。活性炭吸着剤の平均細孔直径が当該範囲内に調整されることにより、分子量数十ないし数百の比較的低分子のイオン性有機化合物の吸着はさらに良好となる。同時に、活性炭は分子量数千ないし数万の酵素、多糖類等の生体に必要な高分子化合物の吸着を抑制できる。活性炭の平均細孔直径が2.5nmを越える場合、酵素、多糖類等の高分子を吸着する細孔が多く存在してしまうため好ましくない。また、活性炭の平均細孔直径が1.5nm未満であると、細孔容積自体が減少し、吸着力を低下させるおそれがある。
前述の活性炭は、経口投与を目的とした薬剤として用いられるのであって、腎疾患又は肝疾患の治療剤又は予防剤となる。活性炭の表面に発達した細孔内に疾患、慢性症状の原因物質が吸着、保持され、体外へ排出されることにより、症状悪化は抑制され、病態改善につながる。さらに、先天的あるいは後天的に代謝異常又はそのおそれのある場合、予め活性炭を内服することにより、疾患、慢性症状の原因物質の体内濃度は下げられる。そこで、症状悪化を防ぐ予防としての服用も考えられる。
腎疾患として、例えば、慢性腎不全、急性腎不全、慢性腎盂腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎炎、急性腎炎症候群、急性進行型腎炎症候群、慢性腎炎症候群、ネフローゼ症候群、腎硬化症、間質性腎炎、細尿管症、リポイドネフローゼ、糖尿病性腎症、腎血管性高血圧、高血圧症候群、あるいは前記の原疾患に伴う続発性腎疾患、さらに、透析前の軽度腎不全を挙げることができる。肝疾患として、例えば、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、肝線維症、肝硬変、肝癌、自己免疫性肝炎、薬剤アレルギー性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、振戦(しんせん)、脳症、代謝異常、機能異常を挙げることができる。
活性炭を経口投与用吸着剤として使用する際の投与量は、年齢、性別、体格又は病状等に影響されるため一律の規定は難しい。しかし、一般にヒトを対象とする場合、活性炭の重量換算で1日当り1~20g、2~4回の服用が想定される。体積にすると2~6cmを一度に服用する必要があり、患者にとっては苦痛が大きい。そこで、錠剤型にすることにより、少しでも服用しやすくし患者の負担の軽減を図ることとした。
活性炭は、その性質上、従来の製法によっては打錠成形が不可能であるため、水等の溶媒を介した結合剤の結着力により錠剤型へと成形を行う。結合剤としての添加剤を用いて錠剤型へ成形すると、添加剤が活性炭表面の細孔を覆うことにより、細孔が閉塞して活性炭の吸着性能を低下させるきらいがある。そして、錠剤型への成形に起因して活性炭の吸着性能が低下すると、服用量がかえって増加してしまうおそれがあり、患者の服用負担が増えてしまう。つまり、錠剤型の成形に際し、活性炭の吸着性能の低下を抑制する必要がある。
そこで、前述の通り結合剤としての添加剤の添加量を1.0重量%とし、ごく少量の添加剤により活性炭を錠剤型に成形する。そして、少量の添加剤によっても成形可能とするために、活性炭の充填密度を0.3~0.5g/mlとし、活性炭を錠剤型へ成形が可能となるとともに活性炭の吸着性能の低下を抑制することができる。さらに、活性炭のミクロ孔容積の和に対するメソ孔容積の和の容積比(V)を一定以下とすることにより、錠剤型に成形した場合における活性炭の吸着性能の低下を抑制する。
結合剤としての添加剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースの少なくとも1種類であって、これら添加剤によれば少量の添加量であっても活性炭を錠剤型に成形することが可能となるため、細粒型の吸着剤と比較して服用量ないし服用体積の増加を抑制することができる。添加剤は上記の1種類を用いてもよいし、両者を混合したり、他の添加剤を混合することもできる。また、錠剤の崩壊性を補填する目的で、崩壊剤を併用することもできる。
[活性炭の調製]
試作例の経口投与用錠剤型吸着剤の作成に際し、下記の活性炭1~5を使用した。試作例に対応するフェノール樹脂由来の活性炭1~5を、原料のフェノール樹脂を炭化し、賦活して調製した。
<活性炭1>
1lのセパラブルフラスコ内に90%フェノール160.0重量部に、37%ホルムアルデヒド111.8重量部、酸性触媒としてのシュウ酸0.7重量部、乳化剤としてのアラビアゴム2.5重量部、水168.8重量部を加えて95℃以上に加熱して適宜重合させた。次に、90%フェノール147.0重量部、ホルムアルデヒド143.1重量部、塩基性触媒としてのヘキサメチレンテトラミン19.3重量部とトリエチレンテトラミン8.3重量部、水41.4重量部を同セパラブルフラスコ内に投入し、60℃を維持しながら1時間加熱して反応を進めた。その後、95℃以上に加熱し4時間還流してフェノール樹脂を得た。該フェノール樹脂100gを円筒状レトルト電気炉に入れて窒素を封入した後、100℃/1時間で昇温し、900℃になるまで加熱した。その後、炉内に水蒸気を注入して900℃で2時間維持して賦活化し、活性炭1を得た。
<活性炭2>
1lのセパラブルフラスコ内に90%フェノール98.0重量部に、37%ホルムアルデヒド53.2重量部、酸触媒としてのシュウ酸0.4重量部、乳化剤としてのアラビアゴム1.6重量部、水147.9重量部を加えて95℃以上に加熱して適宜重合させた。次に、90%フェノール189.0重量部、37%ホルムアルデヒド220.3重量部、塩基性触媒としてのヘキサメチレンテトラミン18.1重量部とトリエチレンテトラミン7.7重量部、水38.7重量部を同セパラブルフラスコ内に投入し、60℃を維持しながら1時間加熱して反応を進めた。その後、95℃以上に加熱し4時間還流してフェノール樹脂を得た。該フェノール樹脂を用いた以外は活性炭1と同様とし、活性炭2を得た。
<活性炭3>
1lのセパラブルフラスコ内に90%フェノール163.0重量部に、37%ホルムアルデヒド88.6重量部、酸性触媒としてのシュウ酸0.7重量部、乳化剤としてのアラビアゴム2.2重量部、水152.6重量部を加えて95℃以上に加熱して適宜重合させた。次に、90%フェノール126.6重量部、37%ホルムアルデヒド177.1重量部、塩基性触媒としてのヘキサメチレンテトラミン18.2重量部とトリエチレンテトラミン7.8重量部、水44.0重量部を同セパラブルフラスコ内に投入し、60℃を維持しながら1時間加熱して反応を進めた。その後、95℃以上に加熱し4時間還流してフェノール樹脂を得た。該フェノール樹脂を用いた以外は活性炭1と同様とし、活性炭3を得た。
<活性炭4>
フェノール樹脂(リグナイト株式会社製、「LPS-1046」)500gを円筒状レトルト電気炉に投入して窒素を封入した後、100℃/1時間で昇温し、600℃を1時間維持して炉内のフェノール樹脂を炭化した。その後、炭化物を900℃に加熱し炉内に水蒸気を注入して900℃で5時間維持して賦活化して活性炭Aを得た。さらに、該活性炭A80gを円筒状レトルト電気炉に投入して窒素を封入した後、100℃/1時間で昇温し、900℃になるまで加熱した。その後、炉内に水蒸気を注入して900℃で0.5時間維持してさらに賦活化し、活性炭4を得た。
<活性炭5>
活性炭4の調製過程において作成した活性炭Aを使用し、該活性炭A80gを円筒状レトルト電気炉に投入して窒素を封入した後、100℃/1時間で昇温し、900℃になるまで加熱した。その後、炉内に水蒸気を注入して900℃で1時間維持してさらに賦活化し、活性炭5を得た。
[活性炭の測定]
〔BET比表面積〕
比表面積(m/g)は、自動比表面積/細孔分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、「BELSORP-miniII」)を使用して77Kにおける窒素吸着等温線を測定し、BET法により求めた(BET比表面積)。
〔充填密度〕
充填密度(g/ml)は、JIS K 1474(2014)に準拠して測定した。
〔平均粒子径〕
平均粒子径(μm)は、レーザー光散乱式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、「SALD3000S」)を使用して測定し、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%における粒径とした。
〔ミクロ孔容積〕
本明細書において、ミクロ孔は3nm未満の細孔直径を有する細孔とし、ミクロ孔容積の和(Vmic)(ml/g)は、細孔直径3nm未満の細孔容積値をミクロ孔容積の和(ml/g)として求めた。自動比表面積/細孔分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、「BELSORP-miniII」)を用いて、77Kにおける窒素吸着等温線を測定した。得られた吸着等温線から、付属の解析ソフトを用い、Saito-Foleyの件三色により細孔直径3nm未満の範囲を対象として算出した。計算に使用した各種パラメータは以下のとおりである。
吸着質分子の直径:0.3000nm
吸着剤原子の直径:0.3400nm
吸着状態にある吸着質の単位表面積当たりの分子数:8.5200E+18molecules/m
吸着剤の単位表面積当たりの原子数:1.3100E+19molecules/m
吸着質分子の磁化率:3.2500E-29cm
吸着剤分子の磁化率:1.3000E-29cm
吸着質分子の分極率:1.6300E-24cm
吸着剤分子の分極率:2.5000E-24cm
〔メソ孔容積〕
本明細書において、メソ孔は3~50nmの細孔直径を有する細孔とし、メソ孔容積の和(Vmet)(ml/g)は、「オートポア9500」(株式会社島津製作所製)を使用し、接触角130°、表面張力484ダイン/cm(4.84mN/m)に設定し、細孔直径3~50nmの水銀圧入法による細孔容積値をメソ孔容積の和(ml/g)として求めた。
〔容積比〕
容積比(V)は、ミクロ孔容積の和(Vmic)(ml/g)をメソ孔容積の和(Vmet)(ml/g)で除した値であって、上記(i)式から算出した。
〔マクロ孔容積〕
本明細書において、マクロ孔は50~15000nmの細孔直径を有する細孔とし、マクロ孔容積の和(ml/g)は、「オートポア9500」(株式会社島津製作所製)を使用し、接触角130°、表面張力484ダイン/cm(4.84mN/m)に設定し、細孔直径50~15000nmの水銀圧入法による細孔容積値をマクロ孔容積の和(ml/g)として求めた。
活性炭1~5の物性は表1の通りである。表1の上から順に、BET比表面積(m/g)、充填密度(g/ml)、平均粒子径(μm)、ミクロ孔容積の和(Vmic)(ml/g)、メソ孔容積の和(Vmet)(ml/g)、容積比(V)、マクロ孔容積の和(ml/g)である。
Figure 2024040422000002
[使用添加剤]
発明者は、各試作例の経口投与用錠剤型吸着剤を得るため、下記の添加剤を用いた。
・カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na):(株式会社ダイセル製)
・ヒドロキシエチルセルロース(HEC):(住友精化株式会社製)
・プルラン(PUL):(株式会社林原製)
・ヒドロキシプロピルセルロース(HPC):(日本曹達株式会社製)
<試作例1>
活性炭1を0.3018gと添加剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.6%)0.0019gと水0.3177gとを混和して練合物とし、直径13mm、深さ6mmの金型(成形型)に充填して成形した。金型を乾燥機内に静置したのち、機内温度100℃で1時間以上加熱乾燥し、金型から取り出して試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例2>
活性炭1を0.3003gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.9%)0.0028gと水0.3827gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例2の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例3>
活性炭1を0.2987gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(1.5%)0.0045gと水0.3532gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例3の経口投与用錠剤とした。
<試作例4>
活性炭1を0.2976gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(2.0%)0.0060gと水0.3694gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例4の経口投与用錠剤とした。
<試作例5>
活性炭2を0.3436gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.6%)0.0021gと水0.3293gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例5の経口投与用錠剤とした。
<試作例6>
活性炭2を0.3446gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.9%)0.0032gと水0.3617gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例6の経口投与用錠剤とした。
<試作例7>
活性炭2を0.3408gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(1.5%)0.051gと水0.3438gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例7の経口投与用錠剤とした。
<試作例8>
活性炭2を0.3405gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(2.0%)0.0069gと水0.3310gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例8の経口投与用錠剤とした。
<試作例9>
活性炭3を0.3759gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.6%)0.0023gと水0.3317gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例9の経口投与用錠剤とした。
<試作例10>
活性炭3を0.3566gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.9%)0.0034gと水0.3566gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例10の経口投与用錠剤とした。
<試作例11>
活性炭3を0.3713gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(1.5%)0.0057gと水0.3432gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例11の経口投与用錠剤とした。
<試作例12>
活性炭3を0.3712gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(2.0%)0.0076gと水0.3941gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例12の経口投与用錠剤とした。
<試作例13>
活性炭4を0.5686gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.6%)0.0034gと水0.3953gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例13の経口投与用錠剤とした。
<試作例14>
活性炭4を0.5717gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.9%)0.0052gと水0.3518gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例14の経口投与用錠剤とした。
<試作例15>
活性炭4を0.5629gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(1.5%)0.0086gと水0.4135gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例15の経口投与用錠剤とした。
<試作例16>
活性炭4を0.5600gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(2.0%)0.0115gと水0.4316gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例16の経口投与用錠剤とした。
<試作例17>
活性炭5を0.5213gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.6%)0.0031gと水0.3546gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例17の経口投与用錠剤とした。
<試作例18>
活性炭5を0.5255gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(0.9%)0.0047gと水0.4021gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例18の経口投与用錠剤とした。
<試作例19>
活性炭5を0.5156gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(1.5%)0.0079gと水0.4666gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例19の経口投与用錠剤とした。
<試作例20>
活性炭5を0.5132gとし、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)(2.0%)0.0105gと水0.4269gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例20の経口投与用錠剤とした。
<試作例21>
活性炭1を0.3019gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.6%)0.0018gと水0.2708gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例21の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例22>
活性炭1を0.3009gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.9%)0.0027gと水0.2862gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例22の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例23>
活性炭1を0.2982gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(1.5%)0.0045gと水0.2777gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例23の経口投与用錠剤とした。
<試作例24>
活性炭1を0.2970gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(2.0%)0.0060gと水0.3180gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例24の経口投与用錠剤とした。
<試作例25>
活性炭2を0.3438gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.6%)0.0021gと水0.3295gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例25の経口投与用錠剤とした。
<試作例26>
活性炭2を0.3425gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.9%)0.0032gと水0.2979gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例26の経口投与用錠剤とした。
<試作例27>
活性炭2を0.3415gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(1.5%)0.0052gと水0.2941gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例27の経口投与用錠剤とした。
<試作例28>
活性炭2を0.3398gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(2.0%)0.0070gと水0.3163gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例28の経口投与用錠剤とした。
<試作例29>
活性炭3を0.3763gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.6%)0.0024gと水0.2992gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例29の経口投与用錠剤とした。
<試作例30>
活性炭3を0.3739gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.9%)0.0034gと水0.2702gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例30の経口投与用錠剤とした。
<試作例31>
活性炭3を0.3703gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(1.5%)0.0058gと水0.3268gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例31の経口投与用錠剤とした。
<試作例32>
活性炭3を0.3698gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(2.0%)0.0076gと水0.3202gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例32の経口投与用錠剤とした。
<試作例33>
活性炭4を0.5683gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.6%)0.0034gと水0.03090gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例33の経口投与用錠剤とした。
<試作例34>
活性炭4を0.5718gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.9%)0.0052gと水0.3218gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例34の経口投与用錠剤とした。
<試作例35>
活性炭4を0.5629gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(1.5%)0.0087gと水0.3733gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例35の経口投与用錠剤とした。
<試作例36>
活性炭4を0.5615gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(2.0%)0.0115gと水0.4142gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例36の経口投与用錠剤とした。
<試作例37>
活性炭5を0.5212gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.6%)0.0032gと水0.4607gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例37の経口投与用錠剤とした。
<試作例38>
活性炭5を0.5267gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(0.9%)0.0048gと水0.3348gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例38の経口投与用錠剤とした。
<試作例39>
活性炭5を0.5154gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(1.5%)0.0078gと水0.4147gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例39の経口投与用錠剤とした。
<試作例40>
活性炭5を0.5128gとし、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)(2.0%)0.0105gと水0.4258gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例40の経口投与用錠剤とした。
<試作例41>
活性炭1を0.3002gとし、プルラン(PUL)(0.6%)0.0019gと水0.3341gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例41の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例42>
活性炭1を0.2999gとし、プルラン(PUL)(0.9%)0.0027gと水0.3251gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例42の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例43>
活性炭2を0.3441gとし、プルラン(PUL)(0.6%)0.0021gと水0.3694gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例43の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例44>
活性炭2を0.3420gとし、プルラン(PUL)(0.9%)0.0032gと水0.3657gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例44の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例45>
活性炭3を0.3764gとし、プルラン(PUL)(0.6%)0.0024gと水0.3500gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例45の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例46>
活性炭3を0.3748gとし、プルラン(PUL)(0.9%)0.0034gと水0.3770gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例46の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例47>
活性炭4を0.5687gとし、プルラン(PUL)(0.6%)0.0034gと水0.3993gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例47の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例48>
活性炭4を0.5730gとし、プルラン(PUL)(0.9%)0.0052gと水0.4362gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例48の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例49>
活性炭5を0.5219gとし、プルラン(PUL)(0.6%)0.0032gと水0.3991gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例49の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例50>
活性炭5を0.5224gとし、プルラン(PUL)(0.9%)0.0048gと水0.4042gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例50の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例51>
活性炭1を0.3018gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.6%)0.0018gと水0.2880gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例51の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例52>
活性炭1を0.3008gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.9%)0.0027gと水0.2811gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例52の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例53>
活性炭2を0.3443gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.6%)0.0021gと水0.3282gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例53の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例54>
活性炭2を0.3440gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.9%)0.0031gと水0.3055gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例54の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例55>
活性炭3を0.3744gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.6%)0.0023gと水0.3561gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例55の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例56>
活性炭3を0.3754gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.9%)0.0035gと水0.2491gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例56の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例57>
活性炭4を0.5687gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.6%)0.0035gと水0.3141gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例57の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例58>
活性炭4を0.5732gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.9%)0.0052gと水0.2952gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例58の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例59>
活性炭5を0.5217gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.6%)0.0032gと水0.4189gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例59の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
<試作例60>
活性炭5を0.5248gとし、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)(0.9%)0.0047gと水0.3689gとした以外は試作例1の経口投与用錠剤型吸着剤と同様とし、試作例60の経口投与用錠剤型吸着剤とした。
[経口投与用錠剤型吸着剤の測定]
〔成形性〕
成形性として、各試作例が錠剤型に成形可能であったものを「〇」、錠剤型に成形できなかったり、金型から取り出す過程で欠損や割れ等の不具合が生じたものを「×」とした。
〔硬度〕
硬度(N)は、デジタル硬度計(アズワン株式会社製、「KHT-40N」)を用い、経口投与用錠剤型吸着剤が破壊された時点での破壊強度を硬度として測定した。
各試作例の物性は表2~16の通りである。上記錠剤型成形の可否、硬度(N)とともに、組成として、使用した活性炭の種類、添加剤の種類、添加剤の濃度(%)、固液比(ml/g)を示した。なお、固液比は、試作によした水の容積を活性炭及び添加剤の合計重量で除した値である。添加剤にカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)を使用した試作例1~20の結果を表2~6、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を使用した試作例21~40の結果を表7~11、プルラン(PUL)を使用した試作例41~50の結果を表12~14、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を使用した試作例51~60の結果を表14~16に示す。
Figure 2024040422000003
Figure 2024040422000004
Figure 2024040422000005
Figure 2024040422000006
Figure 2024040422000007
Figure 2024040422000008
Figure 2024040422000009
Figure 2024040422000010
Figure 2024040422000011
Figure 2024040422000012
Figure 2024040422000013
Figure 2024040422000014
Figure 2024040422000015
Figure 2024040422000016
Figure 2024040422000017
[吸着性能評価]
発明者は、尿毒症等の原因となり得る窒素を含有する化合物の吸着率を測定する吸着試験を行った。そこで、含窒素低分子化合物から毒性物質として「インドール」、「インドール酢酸」、「インドキシル硫酸」及び「トリプトファン」の4種類の物質を選択し、活性炭1~5及び各試作例の経口投与用錠剤型吸着剤について、当該4種の分子の吸着率(%)を測定した。
該4種類の物質の吸着率については、pH7.4のリン酸緩衝液に前記の物質をそれぞれ溶解して0.1g/lの濃度の標準溶液を調製した。
インドールの標準溶液50mlに、予め静置乾燥機内120℃で15分以上加熱乾燥させた粒状の活性炭1~5をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
インドール酢酸の標準溶液50mlに、予め静置乾燥機内120℃で15分以上加熱乾燥させた粒状の活性炭1~5をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
インドキシル硫酸の標準溶液50mlに、予め静置乾燥機内120℃で15分以上加熱乾燥させた粒状の活性炭1~5をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
トリプトファンの標準溶液50mlに、予め静置乾燥機内120℃で15分以上加熱乾燥させた活性炭1~5をそれぞれ0.01g添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。
その後、濾過して得た濾液について、分光光度計(株式会社島津製作所、「UVmini-1240」)を用い、吸光光度法により279nmの吸光度を測定した。各被吸着物質の吸着率(%)は(ii)式より求めた。
Figure 2024040422000018
活性炭1~5の各物質の吸着率を表17に示した。
Figure 2024040422000019
そして、経口投与用錠剤型吸着剤の吸着率をそれぞれ使用した各活性炭の吸着率で除して吸着性能の低下の程度を吸着比として算出した。添加剤にカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)を使用した試作例1~20の結果を表18~22、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)を使用した試作例21~40の結果を表23~27、プルラン(PUL)を使用した試作例41~50の結果を表28~30、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を使用した試作例51~60の結果を表30~32に示す。
各試作例の経口投与用錠剤型吸着剤の吸着率については、経口投与用錠剤型吸着剤をスパーテルを用いて適度に解砕した後、静置乾燥機内120℃で15分以上加熱乾燥させた。その後、添加剤を除いた実質活性炭総量で0.01gの解砕した経口投与用錠剤型吸着剤を該4種の物質の標準溶液50mlに添加し、37℃の温度で3時間接触振とうした。その後、濾過して得た濾液について、分光光度計(株式会社島津製作所、「UVmini-1240」)を用い、吸光光度法により279nmの吸光度を測定した。各被吸着物質の吸着率(%)は上記(ii)式より求めた。
Figure 2024040422000020
Figure 2024040422000021
Figure 2024040422000022
Figure 2024040422000023
Figure 2024040422000024
Figure 2024040422000025
Figure 2024040422000026
Figure 2024040422000027
Figure 2024040422000028
Figure 2024040422000029
Figure 2024040422000030
Figure 2024040422000031
Figure 2024040422000032
Figure 2024040422000033
Figure 2024040422000034
[結果・考察]
表2~16に示されるように、添加剤である結合剤の添加量を錠剤型吸着剤100重量%に対し、0.6重量%とした場合にあっては、プルランとヒドロキシプロピルセルロースを用いた試作例41,43,45,51,53,55,57,59において錠剤型に成形することができなかった。添加剤の濃度が低いため、結合剤の結合力が十分に発揮されなかったと考えられる。結合剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースを使用した試作例1~40にあっては、いずれも良好に錠剤型に成形することが可能であったため、低い濃度における結合力の高い結合剤として、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースが好適であることが示された。
また、結合剤は濃度を高めた方が当然に錠剤型吸着剤の硬度が高くなる傾向があったものの、結合剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースを使用し、添加量が1.0重量%よりも低い0.9重量%の試作例2,6,10,14,18、22,26,30,34,38にあっては、いずれも硬度が10Nよりも高くなり、取り回しの良く錠剤型吸着剤としてより好適となることが示された。また、該結合剤の添加量が0.6重量部である試作例1,5,13,17,25,29,37にあっても硬度は10N以上となり、試作例9及び21についてはおおよそ硬度が10Nであり、少量の添加量であっても十分な成形性が確保されることが理解された。
特に、カルボキシメチルセルロースナトリウムを結合剤として使用した試作例において、1.5重量%と2.0重量%の濃度で添加した場合には、硬度が1.5重量%の添加量の試作例の方が高いことがあり、結合剤の添加量を一定量以上としても変化がないことが理解された。
次に、表18~22に示される結合剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウムを用いた試作例1~20に示されるように、充填密度の低い活性炭である活性炭1~3を使用した試作例1~12と充填密度の高い活性炭である活性炭4,5を使用した試作例13~20とを比較すると、特に活性炭4,5を使用した試作例13~20のインドール酢酸とインドキシル硫酸の吸着率及び吸着比が著しく劣る結果となった。充填密度が高い活性炭は炭部分が多く細孔が少ないことから、ごく少量であっても添加剤による細孔の閉塞が吸着率に与える影響が大きく、活性炭原料の吸着性能から錠剤型に成形した時の吸着性能の低下が大きくなったと考えられる。このことから、錠剤型吸着剤に用いる活性炭は充填密度の低いもの、特には充填密度が0.3~0.5g/mlとするのがよい。
さらには、活性炭に形成された細孔のバランスも毒性物質の吸着性能及び錠剤型に成形した場合の吸着性能の低下の抑制に寄与することが理解された。容積比(V)が小さいということは、ミクロ孔とメソ孔がそれぞれバランスよく発達していることを示し、マクロ孔が十分に存在するとともに、メソ孔が一定以上存在することによって、吸着対象である各毒性物質がマクロ孔からメソ孔を介してスムーズにミクロ孔へと到達して吸着されることが可能となる。さらには、結合剤により一定程度の細孔が閉塞されると考えられるため、通常の活性炭よりもメソ孔が多く発達している活性炭を用いる方が、錠剤型に成形した時の吸着性能の低下を抑制することができると考えられる。このことから、ミクロ孔容積の和に対するメソ孔容積の和の容積比(V)を5.0以下の活性炭を用いるのがよい。
加えて、表23~27に示される結合剤としてヒドロキシエチルセルロースを用いた試作例21~40に示されるように、充填密度及び容積比に加え、比表面積が1400m/g以上とすると、インドール酢酸の吸着性能の低下をより抑制することができることが分かった。
結合剤の種類について、表18~32に示され、前述した通り、プルラン及びヒドロキシプロピルセルロースは少ない添加量による錠剤型への成形にはあまり適さないことと、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースを使用した試作例と、プルラン又はヒドロキシプロピルセルロースを使用した試作例とを比較して、活性炭原料の吸着性能から錠剤型に成形した時の吸着性能の低下が大きくなった。このため、少ない添加量でも活性炭を錠剤型に成形することが可能であり、さらに活性炭の吸着性能の低下を抑制することができる結合剤としての添加剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースが好適であることが示された。
表18~20,23~25に示される通り、結合剤としての添加剤の配合量が1重量%以下とすると、活性炭原料の吸着性能から錠剤型に成形した時の吸着性能の低下が抑えられることが示された。結合剤により活性炭の細孔が閉塞されることによる吸着性能の低下は、結合剤の添加量を減らすことにより抑制されるのは容易に理解される。しかしながら、表1~32に示される活性炭の物性や各試作例の錠剤型吸着剤の測定結果を鑑みれば、結合剤の添加量のみによらず、原料となる活性炭の物性や結合剤の種類も吸着性能の低下の抑制に寄与することがわかった。
[まとめ]
以上、各試作例で示されたように、充填密度が低い活性炭を元炭とし、添加剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースをごく少量添加して錠剤型に成形された錠剤型吸着剤は、元炭の毒性物質の吸着性能の低下が抑制されることが可能であることが分かった。また、ミクロ孔容積の和に対するメソ孔容積の和の容積比を小さくすることにより、添加剤がマクロ孔又はメソ孔に吸着されたとしても毒性物質のミクロ孔への到達が阻害されにくくなり、経口投与用錠剤型吸着剤の吸着性能の低下の抑制に寄与することが理解された。添加剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースを使用することにより、ごく少量であっても一定の硬度を有し、錠剤型吸着剤に好適であることが示された。
本発明の経口投与用錠剤型吸着剤は、毒性物質の吸着性能の高い吸着剤としての活性炭の吸着性能の低下を抑制することができることから、服用しやすくなるとともに服用量や体積の増加を抑え、患者の服用負担の軽減を図ることができる。また、服用が容易になることから、経口投与により消化器官に達し、尿毒症、腎機能、肝機能障害等の原因となる窒素を含有する化合物を迅速に吸着でき、治療剤又は予防剤として有望である。

Claims (5)

  1. 吸着剤としての粒状ないし球状の活性炭と、結合剤としての添加剤とを含む経口投与用の錠剤型吸着剤であって、
    前記添加剤がカルボキシメチルセルロースナトリウム又はヒドロキシエチルセルロースの少なくとも1種類を含み、前記錠剤型吸着剤100重量%に対して1.0重量%以下添加されてなる
    ことを特徴とする経口投与用錠剤型吸着剤。
  2. 前記活性炭の平均粒子径が20~1000μmである請求項1に記載の経口投与用錠剤型吸着剤。
  3. 前記錠剤型吸着剤の硬度が10N以上である請求項1又は2に記載の経口投与用錠剤型吸着剤。
  4. 前記活性炭の下記の(i)式に規定するミクロ孔容積(Vmic)に対するメソ孔容積(Vmet)の容積比(V)が5.0以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の経口投与用錠剤型吸着剤。
    Figure 2024040422000035
  5. 前記活性炭がフェノール樹脂の樹脂炭化物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の経口投与用錠剤型吸着剤。
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