JP2024039531A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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祐一郎 河村
Yuichiro Kawamura
裕基 中野
Hironori Nakano
亮 永田
Akira Nagata
和樹 西村
Kazuki Nishimura
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Abstract

【課題】高効率かつ高色純度で発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。【解決手段】陽極3及び陰極4の間に配置された発光層5は、ホスト材料と、増感材料と、蛍光発光性材料と、を含有し、ホスト材料は、一つの分子中に所定の部分構造を含む第一の化合物であり、増感材料は、燐光発光性金属錯体及び遅延蛍光性化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、蛍光発光性材料は、BとN原子の結合を取り囲む環構造を持つ第三の化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、ホスト材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(H1)と、増感材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(G2)とが数式(数1)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子1。T77K(H1)>T77K(G2)…(数1)【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
一重項励起子からの発光を用いる蛍光型の有機EL素子は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されつつあるが、内部量子効率25%が限界といわれている。そのため、有機EL素子の性能を向上するための検討が行われている。有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
例えば、特許文献1には、遅延蛍光のメカニズムの一つであるTTF(Triplet-Triplet Fusion)機構を利用した有機EL素子が開示されている。TTF機構は、2つの三重項励起子の衝突によって一重項励起子が生成する現象を利用する。
国際公開第2010/134350号
特許文献1に記載のTTF機構による遅延蛍光を利用すると、蛍光型発光においても理論的に内部量子効率を40%まで高めることができると考えられている。しかしながら、ディスプレイ等の電子機器の性能を向上させるために、有機EL素子の性能の更なる向上が要望されている。
本発明の目的は、高効率かつ高色純度で発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
本発明の一態様によれば、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光層と、を含み、前記発光層は、ホスト材料と、増感材料と、蛍光発光性材料と、を含有し、前記ホスト材料は、一つの分子中に下記一般式(101)~(118)で表される部分構造からなる群から選択される1つ以上の部分構造を含む第一の化合物であり、前記増感材料は、燐光発光性金属錯体及び遅延蛍光性化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、前記蛍光発光性材料は、下記一般式(31)又は(32)で表される第三の化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、前記ホスト材料、前記増感材料及び前記蛍光発光性材料は、互いに異なる化合物であり、前記ホスト材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(H1)と、前記増感材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(G2)とが下記数式(数1)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
77K(H1)>T77K(G2) …(数1)
Figure 2024039531000002
Figure 2024039531000003
(前記一般式(101)において、
11~A16は、それぞれ独立に、窒素原子、CR11、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
ただし、A11~A16のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
11が複数存在する場合、複数のR11は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR11のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(102)において、
~Aは、それぞれ独立に、窒素原子、CR12、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
12は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又は隣接するR12同士の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
12が複数存在する場合、複数のR12は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR12のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
10は、NR13、C(R14)(R15)、Si(R16)(R17)、酸素原子、硫黄原子、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する窒素原子、R18及び前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合する炭素原子、又はR19及び前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合するケイ素原子であり、
ただし、A~Aにおける炭素原子、X10における窒素原子、X10における炭素原子及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
14及びR15からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
16及びR17からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(103)において、
115及びR116からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(101)~(104)において、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR11、R12、R14、R15、R16、R17、R115及びR116、並びにR13、R18、R19及びR117は、それぞれ独立に、
水素原子
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
-P(=O)(R910)(R911)で表される基、
-P(=O)(OR912)(OR913)で表される基、
-Ge(R914)(R915)(R916)で表される基、
-B(R917)(R918)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記一般式(103)~(118)において、
*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所であり、
前記第一の化合物が前記一般式(101)~(104)で表される部分構造をそれぞれ複数有する場合、
複数の前記一般式(101)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
複数の前記一般式(102)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
複数の前記一般式(103)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
複数の前記一般式(104)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なる。)
(前記第一の化合物中、R901~R918は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
908が複数存在する場合、複数のR908は、互いに同一であるか又は異なり、
909が複数存在する場合、複数のR909は、互いに同一であるか又は異なり、
910が複数存在する場合、複数のR910は、互いに同一であるか又は異なり、
911が複数存在する場合、複数のR911は、互いに同一であるか又は異なり、
912が複数存在する場合、複数のR912は、互いに同一であるか又は異なり、
913が複数存在する場合、複数のR913は、互いに同一であるか又は異なり、
914が複数存在する場合、複数のR914は、互いに同一であるか又は異なり、
915が複数存在する場合、複数のR915は、互いに同一であるか又は異なり、
916が複数存在する場合、複数のR916は、互いに同一であるか又は異なり、
917が複数存在する場合、複数のR917は、互いに同一であるか又は異なり、
918が複数存在する場合、複数のR918は、互いに同一であるか又は異なる。)
Figure 2024039531000004
[(前記一般式(31)において、
環及びD環は、
互いに単結合で結合するか、
互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
互いに単結合で結合せず、かつ互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合しない前記C環及び前記D環、並びにA環及びB環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環であり、
又はRの置換基は、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しない。)
(前記一般式(32)において、
環、B環及びC環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環であり、
環は、少なくとも1つの置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の非芳香族環と縮合していてもよい、置換もしくは無置換の環形成原子数5~7の単環であり、
環及びD環は、互いに、単結合又は二重結合を共有して縮合し、
環及びD環は、
互いに単結合で結合するか、
互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
又はRの置換基は、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しない。)
(前記一般式(31)又は(32)において、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しないR並びに前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しないRは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~20のアルケニル基、
-CR39=Nで表されるイミニル基、又は
置換もしくは無置換の炭素数2~20のアルキニル基であり、
及びYは、それぞれ独立に、単結合、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)であり、
が単結合である場合、前記B環及び前記C環は、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は結合せず、
が単結合である場合、前記B環及び前記C環は、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は結合せず、
34及びR35は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
37及びR38は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(31)中のR33、R34、R35、R37及びR38は、それぞれ独立に、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環及び前記B環と結合せず、
前記一般式(32)中のR33、R34、R35、R37及びR38は、それぞれ独立に、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環及び前記B環と結合せず、
39、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR33、R34、R35、R35及びR38は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
33が複数存在する場合、複数のR33は、互いに同一であるか、又は異なり、
34が複数存在する場合、複数のR34は、互いに同一であるか、又は異なり、
35が複数存在する場合、複数のR35は、互いに同一であるか、又は異なり、
37が複数存在する場合、複数のR37は、互いに同一であるか、又は異なり、
38が複数存在する場合、複数のR38は、互いに同一であるか、又は異なる。)]
本発明の一態様によれば、本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、高効率かつ高色純度で発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 過渡PLを測定する装置の概略図である。 過渡PLの減衰曲線の一例を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の発光層におけるホスト材料、増感材料(遅延蛍光性化合物)及び蛍光発光性材料のエネルギー準位、並びにエネルギー移動の関係を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の発光層におけるホスト材料、増感材料(燐光発光性金属錯体)及び蛍光発光性材料のエネルギー準位、並びにエネルギー移動の関係を示す図である。
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9-ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’-スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX~YYのZZ基」という表現における「炭素数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX~YYのZZ基」という表現における「原子数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、無置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「無置換のZZ基」である場合を表し、置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「置換のZZ基」である場合を表す。
本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換」とは、ZZ基における水素原子が置換基と置き換わっていないことを意味する。「無置換のZZ基」における水素原子は、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子である。
また、本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「置換」とは、ZZ基における1つ以上の水素原子が、置換基と置き換わっていることを意味する。「AA基で置換されたBB基」という場合における「置換」も同様に、BB基における1つ以上の水素原子が、AA基と置き換わっていることを意味する。
「本明細書に記載の置換基」
以下、本明細書に記載の置換基について説明する。
本明細書に記載の「無置換のアリール基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルケニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルキニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のシクロアルキル基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、3~50であり、好ましくは3~20、より好ましくは3~6である。
本明細書に記載の「無置換のアリーレン基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の2価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキレン基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアリール基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」の具体例(具体例群G1)としては、以下の無置換のアリール基(具体例群G1A)及び置換のアリール基(具体例群G1B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「無置換のアリール基」である場合を指し、置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「置換のアリール基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アリール基」という場合は、「無置換のアリール基」と「置換のアリール基」の両方を含む。
「置換のアリール基」は、「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアリール基」としては、例えば、下記具体例群G1Aの「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの置換のアリール基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアリール基」の例、及び「置換のアリール基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアリール基」には、下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」におけるアリール基自体の炭素原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアリール基(具体例群G1A):
フェニル基、
p-ビフェニル基、
m-ビフェニル基、
o-ビフェニル基、
p-ターフェニル-4-イル基、
p-ターフェニル-3-イル基、
p-ターフェニル-2-イル基、
m-ターフェニル-4-イル基、
m-ターフェニル-3-イル基、
m-ターフェニル-2-イル基、
o-ターフェニル-4-イル基、
o-ターフェニル-3-イル基、
o-ターフェニル-2-イル基、
1-ナフチル基、
2-ナフチル基、
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオレニル基、
9,9’-スピロビフルオレニル基、
ベンゾフルオレニル基、
ジベンゾフルオレニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、
ペリレニル基、及び
下記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価のアリール基。
・置換のアリール基(具体例群G1B):
o-トリル基、
m-トリル基、
p-トリル基、
パラ-キシリル基、
メタ-キシリル基、
オルト-キシリル基、
パラ-イソプロピルフェニル基、
メタ-イソプロピルフェニル基、
オルト-イソプロピルフェニル基、
パラ-t-ブチルフェニル基、
メタ-t-ブチルフェニル基、
オルト-t-ブチルフェニル基、
3,4,5-トリメチルフェニル基、
9,9-ジメチルフルオレニル基、
9,9-ジフェニルフルオレニル基、
9,9-ビス(4-メチルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-イソプロピルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル基、
シアノフェニル基、
トリフェニルシリルフェニル基、
トリメチルシリルフェニル基、
フェニルナフチル基、
ナフチルフェニル基、及び
前記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から誘導される1価の基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基。
・「置換もしくは無置換の複素環基」
本明細書に記載の「複素環基」は、環形成原子にヘテロ原子を少なくとも1つ含む環状の基である。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、及びホウ素原子が挙げられる。
本明細書に記載の「複素環基」は、単環の基であるか、又は縮合環の基である。
本明細書に記載の「複素環基」は、芳香族複素環基であるか、又は非芳香族複素環基である。
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」の具体例(具体例群G2)としては、以下の無置換の複素環基(具体例群G2A)、及び置換の複素環基(具体例群G2B)等が挙げられる。(ここで、無置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「無置換の複素環基」である場合を指し、置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「置換の複素環基」である場合を指す。)本明細書において、単に「複素環基」という場合は、「無置換の複素環基」と「置換の複素環基」の両方を含む。
「置換の複素環基」は、「無置換の複素環基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換の複素環基」の具体例は、下記具体例群G2Aの「無置換の複素環基」の水素原子が置き換わった基、及び下記具体例群G2Bの置換の複素環基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換の複素環基」の例や「置換の複素環基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換の複素環基」には、具体例群G2Bの「置換の複素環基」における複素環基自体の環形成原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G2Bの「置換の複素環基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
具体例群G2Aは、例えば、以下の窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1)、酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2)、硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4)を含む。
具体例群G2Bは、例えば、以下の窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1)、酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2)、硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4)を含む。
・窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1):
ピロリル基、
イミダゾリル基、
ピラゾリル基、
トリアゾリル基、
テトラゾリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ピリジル基、
ピリダジニル基、
ピリミジニル基、
ピラジニル基、
トリアジニル基、
インドリル基、
イソインドリル基、
インドリジニル基、
キノリジニル基、
キノリル基、
イソキノリル基、
シンノリル基、
フタラジニル基、
キナゾリニル基、
キノキサリニル基、
ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、
フェナントロリニル基、
フェナントリジニル基、
アクリジニル基、
フェナジニル基、
カルバゾリル基、
ベンゾカルバゾリル基、
モルホリノ基、
フェノキサジニル基、
フェノチアジニル基、
アザカルバゾリル基、及びジアザカルバゾリル基。
・酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2):
フリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
キサンテニル基、
ベンゾフラニル基、
イソベンゾフラニル基、
ジベンゾフラニル基、
ナフトベンゾフラニル基、
ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾイソキサゾリル基、
フェノキサジニル基、
モルホリノ基、
ジナフトフラニル基、
アザジベンゾフラニル基、
ジアザジベンゾフラニル基、
アザナフトベンゾフラニル基、及び
ジアザナフトベンゾフラニル基。
・硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3):
チエニル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基)、
イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基)、
ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基)、
ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基)、
ベンゾチアゾリル基、
ベンゾイソチアゾリル基、
フェノチアジニル基、
ジナフトチオフェニル基(ジナフトチエニル基)、
アザジベンゾチオフェニル基(アザジベンゾチエニル基)、
ジアザジベンゾチオフェニル基(ジアザジベンゾチエニル基)、
アザナフトベンゾチオフェニル基(アザナフトベンゾチエニル基)、及び
ジアザナフトベンゾチオフェニル基(ジアザナフトベンゾチエニル基)。
・下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4):
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、NH、又はCHである。ただし、X及びYのうち少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又はNHである。
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYの少なくともいずれかがNH、又はCHである場合、前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基には、これらNH、又はCHから1つの水素原子を除いて得られる1価の基が含まれる。
・窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1):
(9-フェニル)カルバゾリル基、
(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、
(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、
(9-ナフチル)カルバゾリル基、
ジフェニルカルバゾール-9-イル基、
フェニルカルバゾール-9-イル基、
メチルベンゾイミダゾリル基、
エチルベンゾイミダゾリル基、
フェニルトリアジニル基、
ビフェニリルトリアジニル基、
ジフェニルトリアジニル基、
フェニルキナゾリニル基、及び
ビフェニリルキナゾリニル基。
・酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2):
フェニルジベンゾフラニル基、
メチルジベンゾフラニル基、
t-ブチルジベンゾフラニル基、及び
スピロ[9H-キサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3):
フェニルジベンゾチオフェニル基、
メチルジベンゾチオフェニル基、
t-ブチルジベンゾチオフェニル基、及び
スピロ[9H-チオキサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4):
前記「1価の複素環基の1つ以上の水素原子」とは、該1価の複素環基の環形成炭素原子に結合している水素原子、X及びYの少なくともいずれかがNHである場合の窒素原子に結合している水素原子、及びX及びYの一方がCHである場合のメチレン基の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子を意味する。
・「置換もしくは無置換のアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」の具体例(具体例群G3)としては、以下の無置換のアルキル基(具体例群G3A)及び置換のアルキル基(具体例群G3B)が挙げられる。(ここで、無置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「無置換のアルキル基」である場合を指し、置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「置換のアルキル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキル基」という場合は、「無置換のアルキル基」と「置換のアルキル基」の両方を含む。
「置換のアルキル基」は、「無置換のアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキル基」(具体例群G3A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のアルキル基(具体例群G3B)の例等が挙げられる。本明細書において、「無置換のアルキル基」におけるアルキル基は、鎖状のアルキル基を意味する。そのため、「無置換のアルキル基」は、直鎖である「無置換のアルキル基」、及び分岐状である「無置換のアルキル基」が含まれる。尚、ここに列挙した「無置換のアルキル基」の例や「置換のアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルキル基」には、具体例群G3Bの「置換のアルキル基」におけるアルキル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G3Bの「置換のアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルキル基(具体例群G3A):
メチル基、
エチル基、
n-プロピル基、
イソプロピル基、
n-ブチル基、
イソブチル基、
s-ブチル基、及び
t-ブチル基。
・置換のアルキル基(具体例群G3B):
ヘプタフルオロプロピル基(異性体を含む)、
ペンタフルオロエチル基、
2,2,2-トリフルオロエチル基、及び
トリフルオロメチル基。
・「置換もしくは無置換のアルケニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルケニル基」の具体例(具体例群G4)としては、以下の無置換のアルケニル基(具体例群G4A)、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルケニル基とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「無置換のアルケニル基」である場合を指し、「置換のアルケニル基」とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「置換のアルケニル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アルケニル基」という場合は、「無置換のアルケニル基」と「置換のアルケニル基」の両方を含む。
「置換のアルケニル基」は、「無置換のアルケニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルケニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルケニル基」(具体例群G4A)が置換基を有する基、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアルケニル基」の例や「置換のアルケニル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルケニル基」には、具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」におけるアルケニル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルケニル基(具体例群G4A):
ビニル基、
アリル基、
1-ブテニル基、
2-ブテニル基、及び
3-ブテニル基。
・置換のアルケニル基(具体例群G4B):
1,3-ブタンジエニル基、
1-メチルビニル基、
1-メチルアリル基、
1,1-ジメチルアリル基、
2-メチルアリル基、及び
1,2-ジメチルアリル基。
・「置換もしくは無置換のアルキニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキニル基」の具体例(具体例群G5)としては、以下の無置換のアルキニル基(具体例群G5A)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルキニル基とは、「置換もしくは無置換のアルキニル基」が「無置換のアルキニル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキニル基」という場合は、「無置換のアルキニル基」と「置換のアルキニル基」の両方を含む。
「置換のアルキニル基」は、「無置換のアルキニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキニル基」(具体例群G5A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基等が挙げられる。
・無置換のアルキニル基(具体例群G5A):
エチニル基。
・「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」の具体例(具体例群G6)としては、以下の無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A)、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)等が挙げられる。(ここで、無置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「無置換のシクロアルキル基」である場合を指し、置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「置換のシクロアルキル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「シクロアルキル基」という場合は、「無置換のシクロアルキル基」と「置換のシクロアルキル基」の両方を含む。
「置換のシクロアルキル基」は、「無置換のシクロアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のシクロアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のシクロアルキル基」(具体例群G6A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のシクロアルキル基」の例や「置換のシクロアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のシクロアルキル基」には、具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基自体の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A):
シクロプロピル基、
シクロブチル基、
シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基、
2-アダマンチル基、
1-ノルボルニル基、及び
2-ノルボルニル基。
・置換のシクロアルキル基(具体例群G6B):
4-メチルシクロヘキシル基。
・「-Si(R901)(R902)(R903)で表される基」
本明細書に記載の-Si(R901)(R902)(R903)で表される基の具体例(具体例群G7)としては、
-Si(G1)(G1)(G1)、
-Si(G1)(G2)(G2)、
-Si(G1)(G1)(G2)、
-Si(G2)(G2)(G2)、
-Si(G3)(G3)(G3)、及び
-Si(G6)(G6)(G6)
が挙げられる。ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-Si(G1)(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G1)(G2)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G2)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G6)(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「-O-(R904)で表される基」
本明細書に記載の-O-(R904)で表される基の具体例(具体例群G8)としては、
-O(G1)、
-O(G2)、
-O(G3)、及び
-O(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-S-(R905)で表される基」
本明細書に記載の-S-(R905)で表される基の具体例(具体例群G9)としては、
-S(G1)、
-S(G2)、
-S(G3)、及び
-S(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-N(R906)(R907)で表される基」
本明細書に記載の-N(R906)(R907)で表される基の具体例(具体例群G10)としては、
-N(G1)(G1)、
-N(G2)(G2)、
-N(G1)(G2)、
-N(G3)(G3)、及び
-N(G6)(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-N(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「ハロゲン原子」
本明細書に記載の「ハロゲン原子」の具体例(具体例群G11)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がフッ素原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子で置き換わった基(パーフルオロ基)も含む。「無置換のフルオロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のフルオロアルキル基」は、「フルオロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のフルオロアルキル基」には、「置換のフルオロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のフルオロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のフルオロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換わった基の例等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のハロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のハロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がハロゲン原子で置き換わった基も含む。「無置換のハロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のハロアルキル基」は、「ハロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のハロアルキル基」には、「置換のハロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のハロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のハロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わった基の例等が挙げられる。ハロアルキル基をハロゲン化アルキル基と称する場合がある。
・「置換もしくは無置換のアルコキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルコキシ基」の具体例としては、-O(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルコキシ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」の具体例としては、-S(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルキルチオ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」の具体例としては、-O(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールオキシ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールチオ基」の具体例としては、-S(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールチオ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基」
本明細書に記載の「トリアルキルシリル基」の具体例としては、-Si(G3)(G3)(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。「トリアルキルシリル基」の各アルキル基の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアラルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、-(G3)-(G1)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」であり、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。従って、「アラルキル基」は、「アルキル基」の水素原子が置換基としての「アリール基」と置き換わった基であり、「置換のアルキル基」の一態様である。「無置換のアラルキル基」は、「無置換のアリール基」が置換した「無置換のアルキル基」であり、「無置換のアラルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、7~50であり、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~18である。
「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルイソプロピル基、2-フェニルイソプロピル基、フェニル-t-ブチル基、α-ナフチルメチル基、1-α-ナフチルエチル基、2-α-ナフチルエチル基、1-α-ナフチルイソプロピル基、2-α-ナフチルイソプロピル基、β-ナフチルメチル基、1-β-ナフチルエチル基、2-β-ナフチルエチル基、1-β-ナフチルイソプロピル基、及び2-β-ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリール基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはフェニル基、p-ビフェニル基、m-ビフェニル基、o-ビフェニル基、p-ターフェニル-4-イル基、p-ターフェニル-3-イル基、p-ターフェニル-2-イル基、m-ターフェニル-4-イル基、m-ターフェニル-3-イル基、m-ターフェニル-2-イル基、o-ターフェニル-4-イル基、o-ターフェニル-3-イル基、o-ターフェニル-2-イル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、及び9,9-ジフェニルフルオレニル基等である。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基(1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、又は9-カルバゾリル基)、ベンゾカルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、ジアザジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ジアザジベンゾチオフェニル基、(9-フェニル)カルバゾリル基((9-フェニル)カルバゾール-1-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-2-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-3-イル基、又は(9-フェニル)カルバゾール-4-イル基)、(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、ジフェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルトリアジニル基、ビフェニリルトリアジニル基、ジフェニルトリアジニル基、フェニルジベンゾフラニル基、及びフェニルジベンゾチオフェニル基等である。
本明細書において、カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
本明細書において、(9-フェニル)カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-Cz1)~(TEMP-Cz9)中、*は、結合位置を表す。
本明細書において、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-34)~(TEMP-41)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアルキル基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びt-ブチル基等である。
・「置換もしくは無置換のアリーレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリーレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアリーレン基」の具体例(具体例群G12)としては、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換の2価の複素環基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の2価の複素環基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換の2価の複素環基」の具体例(具体例群G13)としては、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のアルキレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアルキレン基」の具体例(具体例群G14)としては、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリーレン基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-42)~(TEMP-68)のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、*は、結合位置を表す。
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
式Q及びQ10は、単結合を介して互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、*は、結合位置を表す。
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の2価の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-69)~(TEMP-102)のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-69)~(TEMP-82)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-83)~(TEMP-102)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
以上が、「本明細書に記載の置換基」についての説明である。
・「結合して環を形成する場合」
本明細書において、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず」という場合は、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合しない」場合と、を意味する。
本明細書における、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(以下、これらの場合をまとめて「結合して環を形成する場合」と称する場合がある。)について、以下、説明する。母骨格がアントラセン環である下記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物の場合を例として説明する。
例えば、R921~R930のうちの「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、環を形成する」場合において、1組となる隣接する2つからなる組とは、R921とR922との組、R922とR923との組、R923とR924との組、R924とR930との組、R930とR925との組、R925とR926との組、R926とR927との組、R927とR928との組、R928とR929との組、並びにR929とR921との組である。
上記「1組以上」とは、上記隣接する2つ以上からなる組の2組以上が同時に環を形成してもよいことを意味する。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、同時にR925とR926とが互いに結合して環Qを形成した場合は、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-104)で表される。
「隣接する2つ以上からなる組」が環を形成する場合とは、前述の例のように隣接する「2つ」からなる組が結合する場合だけではなく、隣接する「3つ以上」からなる組が結合する場合も含む。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、かつ、R922とR923とが互いに結合して環Qを形成し、互いに隣接する3つ(R921、R922及びR923)からなる組が互いに結合して環を形成して、アントラセン母骨格に縮合する場合を意味し、この場合、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-105)で表される。下記一般式(TEMP-105)において、環Q及び環Qは、R922を共有する。
形成される「単環」、又は「縮合環」は、形成された環のみの構造として、飽和の環であっても不飽和の環であってもよい。「隣接する2つからなる組の1組」が「単環」、又は「縮合環」を形成する場合であっても、当該「単環」、又は「縮合環」は、飽和の環、又は不飽和の環を形成することができる。例えば、前記一般式(TEMP-104)において形成された環Q及び環Qは、それぞれ、「単環」又は「縮合環」である。また、前記一般式(TEMP-105)において形成された環Q、及び環Qは、「縮合環」である。前記一般式(TEMP-105)の環Qと環Qとは、環Qと環Qとが縮合することによって縮合環となっている。前記一般式(TMEP-104)の環Qがベンゼン環であれば、環Qは、単環である。前記一般式(TMEP-104)の環Qがナフタレン環であれば、環Qは、縮合環である。
「不飽和の環」とは、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環を意味する。「飽和の環」とは、脂肪族炭化水素環、又は非芳香族複素環を意味する。
芳香族炭化水素環の具体例としては、具体例群G1において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
芳香族複素環の具体例としては、具体例群G2において具体例として挙げられた芳香族複素環基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
脂肪族炭化水素環の具体例としては、具体例群G6において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
「環を形成する」とは、母骨格の複数の原子のみ、あるいは母骨格の複数の原子とさらに1以上の任意の元素で環を形成することを意味する。例えば、前記一般式(TEMP-104)に示す、R921とR922とが互いに結合して形成された環Qは、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体例としては、R921とR922とで環Qを形成する場合において、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922とが結合するアントラセン骨格の炭素原子と、4つの炭素原子とで単環の不飽和の環を形成する場合、R921とR922とで形成する環は、ベンゼン環である。
ここで、「任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素である。任意の元素において(例えば、炭素元素、又は窒素元素の場合)、環を形成しない結合は、水素原子等で終端されてもよいし、後述する「任意の置換基」で置換されてもよい。炭素元素以外の任意の元素を含む場合、形成される環は複素環である。
単環または縮合環を構成する「1以上の任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは2個以上15個以下であり、より好ましくは3個以上12個以下であり、さらに好ましくは3個以上5個以下である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」、及び「縮合環」のうち、好ましくは「単環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「飽和の環」、及び「不飽和の環」のうち、好ましくは「不飽和の環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」は、好ましくはベンゼン環である。
本明細書に別途記載のない限り、「不飽和の環」は、好ましくはベンゼン環である。
「隣接する2つ以上からなる組の1組以上」が、「互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、又は「互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、母骨格の複数の原子と、1個以上15個以下の炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とからなる置換もしくは無置換の「不飽和の環」を形成する。
上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
上記の「飽和の環」、又は「不飽和の環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
以上が、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(「結合して環を形成する場合」)についての説明である。
・「置換もしくは無置換の」という場合の置換基
本明細書における一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基(本明細書において、「任意の置換基」と呼ぶことがある。)は、例えば、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)、
-O-(R904)、
-S-(R905)、
-N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、及び
無置換の環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基等であり、
ここで、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~50のアルキル基、
環形成炭素数6~50のアリール基、及び
環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基である。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~18のアルキル基、
環形成炭素数6~18のアリール基、及び
環形成原子数5~18の複素環基
からなる群から選択される基である。
上記任意の置換基の各基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基の具体例である。
本明細書において別途記載のない限り、隣接する任意の置換基同士で、「飽和の環」、又は「不飽和の環」を形成してもよく、好ましくは、置換もしくは無置換の飽和の5員環、置換もしくは無置換の飽和の6員環、置換もしくは無置換の不飽和の5員環、又は置換もしくは無置換の不飽和の6員環を形成し、より好ましくは、ベンゼン環を形成する。
本明細書において別途記載のない限り、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様である。
本明細書において、「AA~BB」を用いて表される数値範囲は、「AA~BB」の前に記載される数値AAを下限値とし、「AA~BB」の後に記載される数値BBを上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「A≧B」で表される数式は、Aの値とBの値とが等しいか、又はAの値がBの値よりも大きいことを意味する。
本明細書において、「A≦B」で表される数式は、Aの値とBの値とが等しいか、又はAの値がBの値よりも小さいことを意味する。
〔第一実施形態〕
<有機エレクトロルミネッセンス素子>
本実施形態に係る有機EL素子について説明する。
本実施形態に係る有機EL素子は、陽極及び陰極の両電極間に有機層を備える。この有機層は、有機化合物で構成される層を少なくとも一つ含む。あるいは、この有機層は、有機化合物で構成される複数の層が積層されてなる。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。
本実施形態に係る有機EL素子は、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光層と、を含み、前記発光層は、ホスト材料と、増感材料と、蛍光発光性材料と、を含有し、前記ホスト材料は、一つの分子中に下記一般式(101)~(118)で表される部分構造からなる群から選択される1つ以上の部分構造を含む第一の化合物であり、前記増感材料は、燐光発光性金属錯体及び遅延蛍光性化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、前記蛍光発光性材料は、下記一般式(31)又は(32)で表される第三の化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、前記ホスト材料、前記増感材料及び前記蛍光発光性材料は、互いに異なる化合物であり、前記ホスト材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(H1)と、前記増感材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(G2)とが下記数式(数1)の関係を満たす。
77K(H1)>T77K(G2) …(数1)
本実施形態によれば、高効率かつ高色純度で発光する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
本実施形態に係る有機EL素子は、発光層が所定のホスト材料と、増感材料と、蛍光発光性材料と、を含有する。発光層においては、正孔と電子との再結合が、蛍光発光性材料ではなく、ホスト材料又は増感材料の分子上で起こり易くなり、増感材料においては、増感材料が遅延蛍光性化合物である場合は、最低励起三重項状態が最低励起一重項状態に逆項間交差し、増感材料が燐光発光性金属錯体である場合は、最低励起一重項状態が最低励起三重項状態に項間交差すると考えられる。このように、増感材料において最低励起一重項状態又は最低励起三重項状態へのエネルギー状態の遷移が効率的に起こった後、増感材料から蛍光発光性材料へのエネルギー移動が生じ、蛍光発光性材料の最低励起一重項状態からの蛍光発光が生じると考えられる。本実施形態では、蛍光発光性材料として用いる一般式(31)又は(32)で表される第三の化合物は、その発光スペクトル半値幅が狭いため、増感材料からエネルギーを受け取った蛍光発光性材料は、高効率かつ高色純度で発光すると考えられる。
(有機層)
本実施形態の有機EL素子において、有機層は、例えば、一つの発光層で構成されていてもよいし、有機EL素子に採用され得る層を含んでいてもよい。有機EL素子に採用され得る層としては、特に限定されないが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子障壁層、正孔障壁層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
本実施形態の有機EL素子において、陽極と発光層との間に正孔輸送層が配置されていてもよい。
本実施形態の有機EL素子において、陰極と発光層との間に電子輸送層が配置されていてもよい。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8及び電子注入層9が、この順番で積層されて構成される。本発明は、図1に示す有機EL素子の構成に限定されない。
(発光層)
一実施形態において、ホスト材料と、増感材料と、蛍光発光性材料とが単一の層中に含有されている。例えば、ホスト材料と、増感材料と、蛍光発光性材料とは、有機EL素子が1つの発光層を有している場合は、当該単一の発光層に含有され、複数の発光層を有している場合は、複数の発光層のうちのいずれかの単一の発光層中に含有されている。
一実施形態において、発光層が増感材料として遅延蛍光性化合物を含有する場合、発光層は、燐光発光性金属錯体を含有しない。
[ホスト材料]
本実施形態において、ホスト材料は、一つの分子中に下記一般式(101)~(118)で表される部分構造からなる群から選択される1つ以上の部分構造を含む第一の化合物である。
Figure 2024039531000026
Figure 2024039531000027
(前記一般式(101)において、
11~A16は、それぞれ独立に、窒素原子、CR11、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
ただし、A11~A16のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
11が複数存在する場合、複数のR11は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR11のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(102)において、
~Aは、それぞれ独立に、窒素原子、CR12、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
12は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又は隣接するR12同士の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
12が複数存在する場合、複数のR12は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR12のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
10は、NR13、C(R14)(R15)、Si(R16)(R17)、酸素原子、硫黄原子、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する窒素原子、R18及び前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合する炭素原子、又はR19及び前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合するケイ素原子であり、
ただし、A~Aにおける炭素原子、X10における窒素原子、X10における炭素原子及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
14及びR15からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
16及びR17からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(103)において、
115及びR116からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(101)~(104)において、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR11、R12、R14、R15、R16、R17、R115及びR116、並びにR13、R18、R19及びR117は、それぞれ独立に、
水素原子
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
-P(=O)(R910)(R911)で表される基、
-P(=O)(OR912)(OR913)で表される基、
-Ge(R914)(R915)(R916)で表される基、
-B(R917)(R918)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記一般式(103)~(118)において、
*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所であり、
前記第一の化合物が前記一般式(101)~(104)で表される部分構造をそれぞれ複数有する場合、
複数の前記一般式(101)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
複数の前記一般式(102)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
複数の前記一般式(103)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
複数の前記一般式(104)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なる。)
(前記第一の化合物中、R901~R918は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
908が複数存在する場合、複数のR908は、互いに同一であるか又は異なり、
909が複数存在する場合、複数のR909は、互いに同一であるか又は異なり、
910が複数存在する場合、複数のR910は、互いに同一であるか又は異なり、
911が複数存在する場合、複数のR911は、互いに同一であるか又は異なり、
912が複数存在する場合、複数のR912は、互いに同一であるか又は異なり、
913が複数存在する場合、複数のR913は、互いに同一であるか又は異なり、
914が複数存在する場合、複数のR914は、互いに同一であるか又は異なり、
915が複数存在する場合、複数のR915は、互いに同一であるか又は異なり、
916が複数存在する場合、複数のR916は、互いに同一であるか又は異なり、
917が複数存在する場合、複数のR917は、互いに同一であるか又は異なり、
918が複数存在する場合、複数のR918は、互いに同一であるか又は異なる。)
前記一般式(102)において、X10が「第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する窒素原子」である場合、前記一般式(102)は、下記一般式(102-1)で表される。
前記一般式(102)において、X10が「R18及び第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合する炭素原子」である場合、前記一般式(102)は、下記一般式(102-2)で表される。
前記一般式(102)において、X10が「R19及び第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合するケイ素原子」である場合、前記一般式(102)は、下記一般式(102-3)で表される。
一般式(102-1)~(102-3)中、A~Aは、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるA~Aと同義であり、R18及びR19は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、*は、第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所である。
Figure 2024039531000028
一実施形態において、ホスト材料は、前記一般式(101)で表される部分構造を少なくとも1つ有する。
一実施形態において、前記一般式(101)で表される部分構造は、下記一般式(A11)~(A19)で表される部分構造からなる群から選択される少なくとも1つである。
Figure 2024039531000029
Figure 2024039531000030
(前記一般式(A11)~(A16)において、A12~A16は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR11であり、R11は、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所であり、
前記一般式(A17)及び(A18)において、A11~A22は、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR11であるか、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R11は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、A11~A22のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
前記一般式(A19)において、A11~A18は、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR11であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R11は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、X11及びX12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、かつA11~A18における炭素原子、X11及びX12における窒素原子、X11及びX12における炭素原子、並びにX11及びX12におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
前記一般式(A11)~(A19)において、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所である。)
一実施形態において、ホスト材料は、前記一般式(102)で表される部分構造を少なくとも1つ有する。
一実施形態において、前記一般式(102)で表される部分構造は、下記一般式(B11)~(B24)で表される部分構造からなる群から選択される少なくとも1つである。
Figure 2024039531000031
(前記一般式(B11)~(B16)において、Ax~Axは、それぞれ独立に、窒素原子またはCR12であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X10は、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所であり、
前記一般式(B17)において、Ax、Ax及びAy~Ayは、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR12であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X10は、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、ただし、Ax、Ax及びAy~Ayにおける炭素原子、X10における窒素原子、X10における炭素原子及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
前記一般式(B18)において、Ay~Ayは、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR12であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X10は、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、Ay~Ayにおける炭素原子、X10における窒素原子、X10における炭素原子及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
前記一般式(B11)~(B18)において、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所である。)
Figure 2024039531000032
(前記一般式(B19)~(B24)において、Ay~Ay及びAy~Ay12は、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR12であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X及びX10は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、
Ay~Ay及びAy~Ay12における炭素原子、X及びX10における窒素原子、X及びX10における炭素原子、並びにX及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する。)
本実施形態の第一の化合物において、R11、12及びR115~R117は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、無置換の環形成原子数5~30の複素環基、無置換の炭素数1~30のアルキル基、無置換の炭素数1~30のハロゲン化アルキル基、無置換の炭素数3~30のアルキルシリル基、無置換の環形成炭素数6~60のアリールシリル基、無置換の環形成炭素数6~60のアリールホスホリル基、無置換の炭素数1~30のアルコキシ基、無置換の環形成炭素数6~30のアリールオキシ基、アミノ基、無置換の炭素数2~30のアルキルアミノ基、無置換の環形成炭素数6~60のアリールアミノ基、チオール基、無置換の炭素数1~30のアルキルチオ基、又は無置換の環形成炭素数6~30のアリールチオ基であることが好ましい。
本実施形態の第一の化合物において、R11、12及びR115~R117は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、無置換の環形成炭素数6~14のアリール基、無置換の環形成原子数5~14の複素環基、無置換の炭素数1~6のアルキル基、無置換の炭素数1~6のハロゲン化アルキル基、無置換の炭素数3~6のアルキルシリル基、無置換の環形成炭素数6~60のアリールシリル基、無置換の環形成炭素数6~60のアリールホスホリル基、無置換の炭素数1~6のアルコキシ基、無置換の環形成炭素数6~14のアリールオキシ基、アミノ基、無置換の炭素数2~12のアルキルアミノ基、無置換の環形成炭素数6~60のアリールアミノ基、チオール基、無置換の炭素数1~6のアルキルチオ基、又は無置換の環形成炭素数6~14のアリールチオ基であることがより好ましい。
本実施形態の第一の化合物において、R11、12及びR115~R117は、水素原子であることがさらに好ましい。
本実施形態の第一の化合物において、X10におけるR13~R19、及びXにおけるR13~R19(X10におけるR13~R19と同義)は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、無置換の環形成原子数5~30の複素環基、無置換の炭素数1~30のアルキル基、又は無置換の炭素数1~30のハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
本実施形態の第一の化合物において、X10におけるR13~R19、及びXにおけるR13~R19は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の環形成炭素数6~14のアリール基、無置換の環形成原子数5~14の複素環基、無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は無置換の炭素数1~6のハロゲン化アルキル基であることがより好ましい。
本実施形態の第一の化合物において、X10におけるR13~R19、及びXにおけるR13~R19は、それぞれ独立に、無置換の環形成炭素数6~14のアリール基、又は無置換の炭素数1~6のアルキル基であることがさらに好ましい。
前記一般式(101)~(118)のいずれかで表される部分構造としては、例えば、下記一般式(A101)~(A121)及び(B101)~(B125)で表される部分構造が挙げられる。
第一の化合物は、一つの分子中に下記一般式(A101)~(A121)及び(B101)~(B125)で表される部分構造のうち少なくともいずれかを含むことも好ましい。
Figure 2024039531000033
前記一般式(A101)~(A107)において、R101~R106は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、R101~R106のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合である。
前記一般式(A101)~(A107)において、隣接するR101及びR102の組、R102及びR103の組、R103及びR104の組、R104及びR105の組、R105及びR106の組、並びにR106及びR101の組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000034
前記一般式(A108)~(A109)において、R110は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、R110のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であり、複数のR110は、互いに同一又は異なり、複数のR110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000035
前記一般式(A110)~(A114)において、R110及びR112~R114は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、X110は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、ただし、R110及びR112~R114のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であるか、X110における窒素原子、炭素原子及びケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、複数のR110は、互いに同一又は異なる。
前記一般式(A110)~(A114)において、複数のR110のうちの隣接する2つ以上からなる組、R112及びR113の組、並びにX110におけるR14及びR15の組(X10におけるR15及びR15の組と同義)、X110におけるR16及びR17の組(X10におけるR16及びR17の組と同義)の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000036
前記一般式(A115)~(A119)において、R110及びR112~R114は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、ただし、R110及びR112~R114のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であり、複数のR110は、互いに同一又は異なる。
前記一般式(A115)~(A119)において、複数のR110のうちの隣接する2つ以上からなる組、並びにR112及びR113の組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000037
前記一般式(A120)~(A121)において、R110は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、ただし、R110のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であり、複数のR110は、互いに同一又は異なる。
前記一般式(A120)~(A121)において、複数のR110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000038
前記一般式(B101)~(B109)において、R114及びR121~R131は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、ただし、R114及びR121~R131のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合である。
前記一般式(B101)~(B102)において、R122及びR123の組、R123及びR114の組、並びにR114及びR121の組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
前記一般式(B105)~(B106)において、R124及びR125の組、R125及びR126の組、R126及びR127の組、R127及びR128の組、並びにR128及びR129の組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
前記一般式(B107)において、R124及びR125の組、R125及びR126の組、R126及びR127の組、R127及びR128の組、R128及びR129の組、R129及びR114の組、並びにR114及びR124の組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
前記一般式(B108)~(B109)において、R124及びR125の組、R125及びR126の組、R130及びR131の組、並びにR131及びR129の組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000039
前記一般式(B110)~(B117)において、R110及びR132~R135は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、ただし、R110及びR132~R135のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であり、複数のR110は、互いに同一又は異なる。
前記一般式(B110)~(B117)において、複数のR110のうちの隣接する2つ以上からなる組、並びにR132及びR133の組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000040
前記一般式(B118)~(B123)において、R110は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、Xa及びXbは、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、ただし、R110のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であるか、Xa及びXbにおける窒素原子、炭素原子及びケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、複数のR110は、互いに同一又は異なる。
前記一般式(B118)~(B123)において、複数のR110のうちの隣接する2つ以上からなる組、XaにおけるR14及びR15の組及びXbにおけるR14及びR15の組(X10におけるR14及びR15の組と同義)、並びにXaにおけるR16及びR17の組及びXbにおけるR16及びR17の組(X10におけるR16及びR17の組と同義)の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
Figure 2024039531000041
前記一般式(B124)~(B125)において、R110は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、Xa、Xb及びXcは、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、ただし、R110のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であるか、Xa、Xb及びXcにおける窒素原子、炭素原子及びケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、複数のR110は、互いに同一又は異なる。
前記一般式(B124)~(B125)において、複数のR110のうちの隣接する2つ以上からなる組、Xa、Xb及びXcにおけるR14及びR15の組(X10におけるR14及びR15の組と同義)、並びにXa、Xb及びXcにおけるR16及びR17の組(X10におけR16及びR17の組と同義)の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。
前記一般式(A101)~(A121)及び(B101)~(B125)において、R110、R101~R106、R112~R114、R121~R131及びR132~R135は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、無置換の環形成原子数5~30の複素環基、無置換の炭素数1~30のアルキル基、又は無置換の炭素数1~30のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、
水素原子、無置換の環形成炭素数6~14のアリール基、無置換の環形成原子数5~14の複素環基、無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は無置換の炭素数1~6のハロゲン化アルキル基であることがより好ましく、
無置換の環形成炭素数6~14のアリール基、又は無置換の炭素数1~6のアルキル基であることがさらに好ましい。
前記一般式(A101)~(A121)及び(B101)~(B125)において、Xa、Xb、Xc及びX110におけるR13~R19(X10におけるR13~R19と同義)は、それぞれ独立に、水素原子、無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、無置換の環形成原子数5~30の複素環基、無置換の炭素数1~30のアルキル基、又は無置換の炭素数1~30のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、
水素原子、無置換の環形成炭素数6~14のアリール基、無置換の環形成原子数5~14の複素環基、無置換の炭素数1~6のアルキル基、又は無置換の炭素数1~6のハロゲン化アルキル基であることがより好ましく、
無置換の環形成炭素数6~14のアリール基、又は無置換の炭素数1~6のアルキル基であることがさらに好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、(I)シアノ基、アミノ基、置換もしくは無置換の炭素数2~30のアルキルアミノ基、及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリールアミノ基のいずれかの基を少なくとも1つ有するか、又は(II)置換もしくは無置換のベンゼン、置換もしくは無置換のナフタレン、置換もしくは無置換のインドール、置換もしくは無置換のカルバゾール、置換もしくは無置換のジベンゾフラン、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、置換もしくは無置換のフルオレン、置換もしくは無置換のシラフルオレン、置換もしくは無置換のトリアジン、置換もしくは無置換のピリミジン、置換もしくは無置換のピリジン、置換もしくは無置換のピリダジン、置換もしくは無置換のピラジン、置換もしくは無置換のイミダゾール、置換もしくは無置換のベンゾイミダゾール、置換もしくは無置換のフェナントレン、及び置換もしくは無置換のトリフェニレンのいずれかから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有することが好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、(III)シアノ基を少なくとも1つ有するか、又は(IV)置換もしくは無置換のカルバゾール、置換もしくは無置換のジベンゾフラン、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、置換もしくは無置換のフルオレン、置換もしくは無置換のシラフルオレン、置換もしくは無置換のトリアジン、置換もしくは無置換のピリミジン、置換もしくは無置換のピリジン、及び置換もしくは無置換のトリフェニレンのいずれかから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有することがより好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、置換もしくは無置換のカルバゾール、置換もしくは無置換のジベンゾフラン、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、置換もしくは無置換のトリアジン、及び置換もしくは無置換のピリミジンのいずれかから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有することがさらに好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、置換もしくは無置換のカルバゾールから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有することが好ましい。
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(15)で表される部分構造を少なくとも1つ有することが好ましい。
Figure 2024039531000042
(前記一般式(15)において、R150~R158の内、少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であり、
単結合ではないR150~R158は、それぞれ独立に、
水素原子
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
-P(=O)(R910)(R911)で表される基、
-Ge(R912)(R913)(R914)で表される基、
-B(R915)(R916)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(15)において、R150は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1~30のアルキル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1~30のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の炭素数1~30のアルキル基であることがより好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基であることがさらに好ましい。
(一般式(161)又は(162)で表される第一の化合物)
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(161)又は下記一般式(162)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000043
(前記一般式(161)において、Ar161は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環であり、
m1は、1、2、3、4、5又は6であり、
161は、電子供与基であり、R161は、それぞれ、Ar161を構成する元素に結合し、
m1が2以上の場合、複数のR161は、互いに同一又は異なり、
ただし、Ar161は、電子受容性の芳香族炭化水素環及び複素環ではなく、Ar161が置換基を有する場合における当該置換基は、電子受容基ではなく、
前記一般式(162)において、Ar162は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環であり、
n1は、1、2、3、4、5又は6であり、
162は、電子受容基であり、R162は、それぞれ、Ar162を構成する元素に結合し、
n1が2以上の場合、複数のR162は互いに同一又は異なり、
ただし、Ar162は、電子供与性の芳香族炭化水素環及び複素環ではなく、Ar162が置換基を有する場合における当該置換基は、電子供与基ではない。)
前記一般式(161)及び(162)において、Ar161及びAr162は、それぞれ独立に、下記一般式(A61)、(A62)及び(A63)で表される化合物のいずれかから誘導される一価以上の残基であることが好ましい。
Figure 2024039531000044
(前記一般式(A61)~(A63)において、Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、Rは、水素原子又は置換基である。)
前記一般式(A3)において、Rが置換基である場合、当該置換基としては、例えば、前記一般式(101)におけるR11と同様の基が挙げられる。
本実施形態において、前記一般式(161)におけるR161は、それぞれ独立に、下記一般式(DN1)~(DN6)及び(DN8)~(DN10)で表される化合物のいずれかから誘導される一価以上の残基であるか、又は下記一般式(DN7)で表される基であることが好ましい。
Figure 2024039531000045
(前記一般式(DN7)において、*は、それぞれ、Ar161を構成する元素との結合部位を表す。)
本実施形態において、前記一般式(162)におけるR162は、それぞれ独立に、下記一般式(AC4)~(AC18)及び(AC22)~(AC23)で表される化合物のいずれかから誘導される一価以上の残基であるか、又は下記一般式(AC1)~(AC3)、(AC19)~(AC21)及び(AC24)で表される基のいずれかであることが好ましい。
Figure 2024039531000046
Figure 2024039531000047
(前記一般式(AC1)において、nは、1、2又は3であり、
前記一般式(AC22)~(AC23)において、X~Xは、それぞれ独立に、CR163であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、ただし、X~Xにおける炭素原子のうち少なくとも1つ以上は、Ar162を構成する元素と結合し、
前記一般式(AC24)において、X~Xは、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR163であるか、又はAr162を構成する元素と結合する炭素原子であり、
前記一般式(AC22)~(AC24)において、R163が複数存在する場合、複数のR163は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR163のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR163は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、
前記一般式(AC1)~(AC3)、(AC19)~(AC21)及び(AC24)において、*は、それぞれ、Ar162を構成する元素との結合部位を表す。)
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(13)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000048
(前記一般式(13)において、
13は、酸素原子、硫黄原子又はN-Rbで表わされる基であり、
~Z12は、それぞれ独立に、窒素原子又はC-Rcで表わされる基であり、
Ar14及びAr15は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
14及びL15は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Rb及びRcは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
-P(=O)(R910)(R911)で表される基、
-Ge(R912)(R913)(R914)で表される基、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Rcが複数存在する場合、複数のRcは、互いに同一であるか又は異なる。)
前記一般式(13)で表される化合物において、-L14-Ar14で表される基と-L15-Ar15で表される基とが同一の置換基である場合、ZとZ12、ZとZ11、ZとZ10、ZとZ、ZとZ、及びZとZの全てが、それぞれ互いに同じ基とはならないことも好ましい。この場合、前記一般式(13)において、X13を含む5員環の右側に縮合している構造と、X13を含む5員環の左側に縮合している構造とが異なり、前記一般式(13)で表される化合物は、非対称構造を有する化合物である。
前記一般式(13)で表される化合物において、-L14-Ar14で表される基と-L15-Ar15で表される基とが互いに異なる基であることが好ましい。この場合も、前述と同様、前記一般式(13)で表される化合物は、非対称構造を有する化合物である。
本実施形態において、前記第一の化合物は、下記一般式(12)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000049
(前記一般式(12)において、
Ar11及びAr12は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
11及びL12は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
13は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6以下の単環炭化水素基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数6以下の単環複素環基であり、
mは、0、1、2、又は3であり、複数のL13は、互いに同一であるか又は異なり、
~X及びY~Yは、それぞれ独立に、N又はCRaであり、
ただし、X~Xの内の1つと、Y~Yの内の1つが、L13を介して結合する炭素原子であるか、又は直接結合する炭素原子であり、
Raは、それぞれ独立に、
水素原子
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Raが複数存在する場合、複数のRaは、互いに同一であるか又は異なり、
前記一般式(12)で表される化合物は、下記(i)及び(ii)の一方もしくは両方を満たす。
(i)Ar11及びAr12の少なくとも1つが、シアノ基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、又はシアノ基で置換された環形成原子数5~50の複素環基である。
(ii)X~X及びY~Yの少なくとも1つが、CRaであり、X~X及びY~YにおけるRaの少なくとも1つが、シアノ基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、又はシアノ基で置換された環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(12)で表される化合物において、シアノ基で置換された環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素基、シアノ基で置換された環形成原子数5~50の複素環基は、さらに、シアノ基以外の置換基を有していてもよい。
前記一般式(12)で表される化合物において、mは、0、1又は2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。前記一般式(12)で表される化合物において、mが0である場合、X~Xの1つと、Y~Yの1つとが、単結合を介して直接結合する。
前記一般式(12)で表される化合物において、XとYとの組、XとYとの組、並びにXとYとの組からなる群から選択されるいずれかの組が、L13を介して結合する炭素原子であるか、又は直接結合する炭素原子であることが好ましい。
とYとの組が、L13を介して結合する炭素原子であるか、又は直接結合する炭素原子である場合、前記一般式(12)で表される化合物は、下記一般式(121)で表される。
Figure 2024039531000050
(前記一般式(121)において、Ar11、Ar12、L11、L12、L13、m、X~X、X~X、Y~Y及びY~Yは、それぞれ、前記一般式(12)におけるAr11、Ar12、L11、L12、L13、m、X~X、X~X、Y~Y及びY~Yと同義であり、前記一般式(121)で表される化合物は、前記(i)及び前記(ii)の少なくともいずれかの条件を満たす。)
前記一般式(12)で表される化合物において、-Ar11-L11で表される基と、-Ar12-L12で表される基とが、互いに異なることが好ましい。
13としての環形成炭素数6以下の単環炭化水素基は、例えば、フェニレン基、シクロペンテニレン基、シクロペンタジエニレン基、シクロヘキシレン基及びシクロペンチレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基であることが好ましく、フェニレン基であることがより好ましい。
13としての環形成原子数6以下の単環複素環基は、例えば、ピロリレン基、ピラジニレン基、ピリジニレン基、フリレン基及びチオフェニレン基からなる群から選択される少なくとも1つの基であることが好ましい。
一実施形態において、発光層は、互いに分子構造が異なる2種以上の第一の化合物を含有していてもよい。異なる電荷輸送性の化合物を混合することで、発光層内での電荷バランスが向上し、発光効率の向上が期待される。さらに2種以上の第一の化合物(ホスト材料)がエキサイプレックスを形成することにより、励起エネルギーが低下し、1種のホスト材料を発光層中に含有する場合よりも低電圧駆動が可能になる。
(第一の化合物の製造方法)
第一の化合物は、公知の方法により製造できる。また、第一の化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第一の化合物の具体例)
本実施形態の第一の化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら化合物の具体例に限定されない。
Figure 2024039531000051
Figure 2024039531000052
Figure 2024039531000053
Figure 2024039531000054
Figure 2024039531000055
Figure 2024039531000056
Figure 2024039531000057
Figure 2024039531000058
Figure 2024039531000059
Figure 2024039531000060
Figure 2024039531000061
Figure 2024039531000062
Figure 2024039531000063
Figure 2024039531000064
Figure 2024039531000065
Figure 2024039531000066
Figure 2024039531000067
Figure 2024039531000068
Figure 2024039531000069
Figure 2024039531000070
Figure 2024039531000071
Figure 2024039531000072
Figure 2024039531000073
Figure 2024039531000074
Figure 2024039531000075
Figure 2024039531000076
Figure 2024039531000077
Figure 2024039531000078
Figure 2024039531000079
Figure 2024039531000080
Figure 2024039531000081
Figure 2024039531000082
Figure 2024039531000083
Figure 2024039531000084
Figure 2024039531000085
Figure 2024039531000086
Figure 2024039531000087
Figure 2024039531000088
Figure 2024039531000089
Figure 2024039531000090
Figure 2024039531000091
Figure 2024039531000092
Figure 2024039531000093
Figure 2024039531000094
Figure 2024039531000095
Figure 2024039531000096
Figure 2024039531000097
Figure 2024039531000098
Figure 2024039531000099
Figure 2024039531000100
Figure 2024039531000101
Figure 2024039531000102
Figure 2024039531000103
Figure 2024039531000104
Figure 2024039531000105
Figure 2024039531000106
Figure 2024039531000107
Figure 2024039531000108
Figure 2024039531000109
Figure 2024039531000110
Figure 2024039531000111
Figure 2024039531000112
Figure 2024039531000113
Figure 2024039531000114
Figure 2024039531000115
Figure 2024039531000116
Figure 2024039531000117
Figure 2024039531000118
Figure 2024039531000119
Figure 2024039531000120
Figure 2024039531000121
Figure 2024039531000122
Figure 2024039531000123
Figure 2024039531000124
Figure 2024039531000125
Figure 2024039531000126
Figure 2024039531000127
Figure 2024039531000128
Figure 2024039531000129
Figure 2024039531000130
Figure 2024039531000131
Figure 2024039531000132
Figure 2024039531000133
Figure 2024039531000134
[増感材料]
本実施形態において、増感材料は、燐光発光性金属錯体及び遅延蛍光性化合物からなる群から選択される1以上の化合物である。本明細書において、増感材料として用いられる化合物を第二の化合物と称する場合がある。
(燐光発光性金属錯体)
本実施形態において、燐光発光性金属錯体は、重金属原子を含むことが好ましい。
本実施形態において、燐光発光性金属錯体は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Au)、金(Au)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)及びツリウム(Tm)からなる群から選択される1種以上の金属原子を含むことが好ましい。
本実施形態において、燐光発光性金属錯体は、下記一般式(21)で表される化合物であることが好ましい。
M(Ln1(Ln2 …(21)
Figure 2024039531000135
(前記一般式(21)、(211)、(212)、(213)において、
Mは、第1遷移金属、第2遷移金属及び第3遷移金属からなる群から選択される遷移金属であり、
は、前記一般式(211)で表される配位子、前記一般式(212)で表される配位子及び前記一般式(213)で表される配位子からなる群から選択される少なくとも1種の配位子であり、
n1は、1、2又は3であり、
は、一座配位子、二座配位子及び三座配位子からなる群から選択される少なくとも1種の配位子であり、
n2は、0、1、2、3又は4であり、
CY環、CY環、CY環及びCY環は、それぞれ独立して、環形成炭素数5~30の炭素環基及び環形成炭素数1~30のヘテロ環基からなる群から選択され、
~Yは、それぞれ独立に、
単結合、
二重結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基、
*a-O-*b、
*a-S-*b、
*a-C(=O)-*b、
*a-S(=O)-*b、
*a-C(R)(R)-*b、
*a-C(R)=C(R)-*b、
*a-C(R)=*b、
*a-Si(R)(R)-*b、
*a-B(R)-*b、
*a-N(R)-*b、及び
*a-P(R)-*bからなる群から選択され、
a1、a2及びa3は、それぞれ独立に、1、2又は3であり、
a4は、0、1、2又は3であり、a4が0である場合、CY環及びCY環は、互いに連結されておらず、
、T、T及びTは、それぞれ独立に、
化学結合、
*a-O-*b、
*a-S-*b、
*a-B(R)-*b、
*a-N(R)-*b、
*a-P(R)-*b、
*a-C(R)(R)-*b、
*a-Si(R)(R)-*b、
*a-Ge(R)(R)-*b、
*a-C(=O)-*b及び
*a-C(=S)-*bからなる群から選択され、
*a及び*bは、それぞれ独立に、隣接原子との結合位置であり、
*1、*2、*3及び*4は、Mとの結合位置であり、
~Rは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
アミジノ基、
ヒドラジノ基、
ヒドラゾノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、
置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、
置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、
置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、
-Si(R251)(R252)(R253)で表される基、
-O-(R254)で表される基、
-S-(R255)で表される基、
-N(R256)(R257)で表される基、
-C(=O)R258で表される基、
-C(=O)(OR259)で表される基、
-S(=O)(OR260)で表される基、
-O-P(=O)(OR261)(OR262)で表される基、
-C(R263)(R264)(R265)で表される基、
-B(R266)(R267)で表される基、
-P(R268)(R269)で表される基、
-S(=O)(R270)で表される基、
-S(=O)(R271)で表される基、
-P(=O)(R272)(R273)で表される基、及び
-P(=S)(R274)(R275)で表される基のうちから選択され、
~Rのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
~R、及びY~Yのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
b1、b2、b3及びb4は、それぞれ独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、
251~R275は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
-O-(R276)で表される基、
-N(R277)(R278)で表される基、
シアノ基、
ニトロ基、
アミジノ基、
ヒドラジノ基、
ヒドラゾノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、
置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、
置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、
置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、
ビフェニリル基、及びターフェニリル基からなる群から選択され、
276~R278は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
本明細書において、環形成炭素数5~30の炭素環基とは、環形成原子として炭素のみを含む炭素数5~30の単環基または多環基を意味する。環形成炭素数5~30の炭素環基は、芳香族炭素環基または非芳香族炭素環基であってもよい。環形成炭素数5~30の炭素環基は、ベンゼンのような環、フェニル基のような一価基、またはフェニレン基のような二価基であってもよい。または、環形成炭素数5~30の炭素環基に連結された置換基の個数により、環形成炭素数5~30の炭素環基は、三価基または四価基であるというように、多様な変形が可能である。
本明細書において、環形成炭素数1~30のヘテロ環基とは、環形成炭素数5~30の炭素環基と同一構造を有するが、環形成原子として、炭素(炭素数は、1~30であってもよい)以外に、N(炭素原子)、O(酸素原子)、Si(ケイ素原子)、P(リン原子)及びS(硫黄原子)のうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む基を意味する。
本明細書において、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含む環形成原子数3~50の一価単環基を意味し、その具体例には、1,2,3,4-オキサトリアゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキレン基は、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
本明細書において、環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基は、環形成炭素数3~50の一価単環基であり、環内に、少なくとも1つの二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例には、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などが含まれる。本明細書において、環形成炭素数3~50のシクロアルケニレン基は、環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
本明細書において、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基は、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含む環形成原子数3~50の一価単環基であり、環内に、少なくとも1つの二重結合を有する。環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基の具体例には、4,5-ジヒドロ-1,2,3,4-オキサトリアゾリル基、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などが含まれる。本明細書において、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニレン基は、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
一実施形態によれば、前記一般式(21)で表される化合物中、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基は、環形成炭素数が3~10であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基は、環形成原子数が3~10であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基は、環形成炭素数が3~10であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基は、環形成原子数が3~10であることが好ましい。
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、炭素数8~60を有する)を意味する。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合されており、環形成原子として炭素以外に、N、O、Si、P及びSのうちから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、炭素数1~60を有する)を意味する。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
本明細書において、「ビフェニリル基」は、「フェニル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ビフェニリル基」は、置換基が「環形成炭素数6~50のアリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
本明細書において、「ターフェニリル基」は、「ビフェニリル基で置換されたフェニル基」を意味する。「ターフェニリル基」は、置換基が「環形成炭素数6~50のアリール基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基」である「置換されたフェニル基」に属する。
前記一般式(21)で表される化合物において、T、T、T及びTとしての化学結合は、単結合であることが好ましい。
前記一般式(21)で表される化合物において、Mは、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Au)、金(Au)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)及びツリウム(Tm)からなる群から選択される1種以上の金属原子であることが好ましく、白金(Pt)又はイリジウム(Ir)であることがより好ましい。
一実施形態によれば、前記一般式(21)で表される化合物において、CY環~CY環は、それぞれ独立に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、シクロペンタジエン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、カルベン(carbene)、チオフェン、フラン、セレノフェン、インドール、ベンゾボロ-ル、ベンゾホスホール、インデン、ベンゾシロール、ベンゾゲルモール、ベンゾチオフェン、ベンゾセレノフェン、ベンゾフラン、カルバゾール、ジベンゾボロ-ル、ジベンゾホスホール、フルオレン、ジベンゾシロール、ジベンゾゲルモール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾセレノフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン5-オキシド、9H-フルオレン-9-オン、ジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド、アザインドール、アザベンゾボロール、アザベンゾホスホール、アザインデン、アザベンゾシロール、アザベンゾゲルモール、アザベンゾチオフェン、アザベンゾセレノフェン、アザベンゾフラン、アザカルバゾール、アザジベンゾボロール、アザジベンゾホスホール、アザフルオレン、アザジベンゾシロール、アザジベンゾゲルモール、アザジベンゾチオフェン、アザジベンゾセレノフェン、アザジベンゾフラン、アザジベンゾチオフェン5-オキシド、アザ-9H-フルオレン-9-オン、アザジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、フェナントロリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン及び5,6,7,8-テトラヒドロキノリンからなる群から選択されてもよい。
一実施形態によれば、一般式(211)中のCY環及びCY環のうち少なくとも一つ、一般式(212)中のCY環~CY環のうち少なくとも一つ、及び一般式(213)中のCY環~CY環のうち少なくとも一つがカルベンであってもよい。
一実施形態によれば、一般式(211)~(213)中のY~Yは、それぞれ独立に、単結合、二重結合、*a-O-*b、*a-S-*b、*a-C(R)(R)-*b及び*a-N(R)-*bからなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
一実施形態によれば、一般式(211)中、R及びRのうち少なくとも一つ、一般式(212)中、R~Rのうち少なくとも一つ、及び一般式(213)中、R~Rのうち少なくとも一つは、電子供与基(electron donating group)であってもよい。
例えば、電子供与基は、iso-プロピル基、tert-ブチル基、及び下記一般式(10-1)~(10-61)からなる群から選択された置換基であってもよい。
Figure 2024039531000136
Figure 2024039531000137
前記一般式(10-1)~(10-61)において、*は、隣接原子との結合位置である。
本明細書において、重水素原子は、化学式中でDと表記し、軽水素原子は、Hと表記するか又は記載を省略する。本明細書において、化学式中で、メチル基をMeと表記し、フェニル基をPhと表記し、イソプロピル基をi-Prと表記し、t-ブチル基をt-Buと表記する場合がある。
一実施形態によれば、前記一般式(211)中のR及びRのうち少なくとも一つが水素ではない置換基であり、且つ/又は、Yが*a-N(R)-*bであり、Rが、置換された環形成炭素数6~50のアリール基であってもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(212)中のR~Rのうち少なくとも一つが水素ではない置換基であり、且つ/又は、Y及びYのうち少なくとも一つが、*a-N(R)-*bであり、Rが、置換された環形成炭素数6~50のアリール基であってもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(213)中のR~Rのうち少なくとも一つが水素ではない置換基であり、且つ/又は、Y~Yのうち少なくとも一つが、*a-N(R)-*bであり、Rが、置換された環形成炭素数6~50のアリール基であってもよい。
本実施形態において、前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(214)及び(215)で表される化合物からなる群から選択される化合物であることが好ましい。
Figure 2024039531000138
Figure 2024039531000139
(前記一般式(214)及び(215)において、M、L、n1、n2、CY環~CY環、Y~Y、a1~a3、T~T、R~R、及びb~bは、それぞれ、前述と同義である。)
一実施形態によれば、一般式(214)中のCY環及びCY環のうち少なくとも一つ、及び一般式(215)中のCY環~CY環のうち少なくとも一つは、カルベンであってもよい。
例えば、一般式(215)中のCY環及びCY環のうちいずれか一つがカルベンであってもよい。
本実施形態において、前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(215A)及び(215B)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000140
Figure 2024039531000141
(前記一般式(215A)及び(215B)において、
は、Ptであり、
は、第1遷移金属、第2遷移金属及び第3遷移金属のうちから選択され、
CY12環、CY13環、CY14環、CY22環、CY23環及びCY24環は、それぞれ独立に、環形成炭素数5~30の炭素環基及び環形成炭素数1~30のヘテロ環基からなる群から選択され、
11、A12、A21及びA22は、それぞれ独立に、N(窒素原子)又はP(リン原子)であり、
11、X12、X13、X21、X22及びX23は、それぞれ独立に、N(窒素原子)又はC(炭素原子)であり、
11~Y13は、それぞれ独立に、単結合、二重結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基、*a-O-*b、*a-S-*b、*a-C(=O)-*b、*a-S(=O)-*b、*a-C(R15)(R16)-*b、*a-C(R15)=C(R16)-*b、*a-C(R15)=*b、*a-Si(R15)(R16)-*b、*a-B(R15)-*b、*a-N(R15)-*b、及び*a-P(R15)-*bからなる群から選択され、
21~Y23は、それぞれ独立に、単結合、二重結合、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基、*a-O-*b、*a-S-*b、*a-C(=O)-*b、*a-S(=O)-*b、*a-C(R25)(R26)-*b、*a-C(R25)=C(R26)-*b、*a-C(R25)=*b、*a-Si(R25)(R26)-*b、*a-B(R25)-*b、*a-N(R25)-*b、及び*a-P(R25)-*bからなる群から選択され、
a11、a12及びa13は、それぞれ独立に、1、2又は3であり、
a21、a22及びa23は、それぞれ独立に、1、2又は3であり、
11、T12、T13及びT14は、それぞれ独立に、化学結合、*a-O-*b、*a-S-*b、*a-B(R17)-*b、*a-N(R17)-*b、*a-P(R17)-*b、*a-C(R17)(R18)-*b、*a-Si(R17)(R18)-*b、*a-Ge(R17)(R18)-*b、*a-C(=O)-*b、及び*a-C(=S)-*bのうちから選択され、
21、T12、T23及びT24は、互いに独立して、化学結合、*a-O-*b、*a-S-*b、*a-B(R27)-*b、*a-N(R27)-*b、*a-P(R27)-*b、*a-C(R27)(R28)-*b、*a-Si(R27)(R28)-*b、*a-Ge(R27)(R28)-*b、*a-C(=O)-*b、及び*a-C(=S)-*bのうちから選択され、
*a及び*bは、それぞれ独立に、隣接原子との結合位置であり、
11a、R11b、R11c、R12~R18、R21a、R21b、R21c、及びR22~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-Si(R251)(R252)(R253)で表される基、-O-(R254)で表される基、-S-(R255)で表される基、-N(R256)(R257)で表される基、-C(=O)R258で表される基、-C(=O)(OR259)で表される基、-S(=O)(OR260)で表される基、-O-P(=O)(OR261)(OR262)で表される基、-C(R263)(R264)(R265)で表される基、-B(R266)(R267)で表される基、-P(R268)(R269)で表される基、-S(=O)(R270)で表される基、-S(=O)(R271)で表される基、-P(=O)(R272)(R273)で表される基、及び-P(=S)(R274)(R275)で表される基のうちから選択され、
11a、R11b、R11c、及びR12~R18のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
21a、R21b、R21c、及びR22~R28のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
b12、b13、b14、b22、b23、及びb24は、それぞれ独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、
251~R275は、前記一般式(21)、(211)、(212)、(213)におけるR251~R275と同義である。)
一実施形態によれば、R251~R275は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基からなる群から選択されてもよい。
251~R275が、それぞれ、複数存在する場合、複数のR251、複数のR252、複数のR253、複数のR254、複数のR255、複数のR256、複数のR257、複数のR258、複数のR259、複数のR260、複数のR261、複数のR262、複数のR263、複数のR264、複数のR265、複数のR266、複数のR267、複数のR268、複数のR269、複数のR270、複数のR271、複数のR272、複数のR273、複数のR274、並びに複数のR275は、それぞれ、互いに同一であるか又は異なる。
一実施形態によれば、前記一般式(215A)におけるR11b及びR11cの組、並びに前記一般式(215B)におけるR21b及びR21cの組の1組以上が、互いに結合して、少なくとも1つのRで置換されているか、もしくは非置換である、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミジン環、又はピラジン環を形成することができ、Rは、前記一般式(215A)におけるR11aと同義であり、複数のRが存在する場合、複数のRは、互いに同一であるか又は異なる。
一実施形態によれば、前記一般式(215A)におけるR11a、R11b、R11c及びR14のうち少なくとも一つは、電子供与基であってもよい。
例えば、前記一般式(215A)におけるR11a及びR14のうち少なくとも一つは、電子供与基であってもよい。一実施形態によれば、一般式(215A)におけるR11a及びR14のうち少なくとも一つは、iso-プロピル基、tert-ブチル基、及び前記一般式(10-1)~(10-61)で表される基からなる群から選択された電子供与基であってもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(215B)におけるR22及びR23のうち少なくとも一つは、水素ではない置換基であり、且つ/又は、Y23が*a-N(R25)-*bであり、R25が、置換された環形成炭素数6~50のアリール基であってもよい。
例えば、R22及びR23のうち少なくとも一つは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-O-(R254)で表される基、及び-S-(R255)で表される基のうちから選択され、且つ/又は、Y23が*a-N(R25)-*bであり、R25が、置換された環形成炭素数6~50のアリール基であってもよい。
例えば、R22及びR23のうち少なくとも一つは、少なくとも1つの重水素で置換された、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、環形成炭素数6~50のアリール基、環形成原子数5~50の複素環基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-O-(R254)で表される基、及び-S-(R255)で表される基のうちから選択され、且つ/又は、Y23が*a-N(R25)-*bであり、R25が少なくとも1つの重水素で置換された環形成炭素数6~50のアリール基であってもよい。
他の例として、R22及びR23のうち少なくとも一つは、iso-プロピル基、tert-ブチル基、及び前記一般式(10-1)~(10-61)で表される基からなる群から選択された電子供与基であり、且つ/又は、Y23が*a-N(R25)-*bであり、R25がiso-プロピル基、tert-ブチル基、及び前記一般式(10-1)~(10-61)で表される基からなる群から選択された電子供与基であってもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(215A)中のR11a、R11b、R11c、及びR14のうち少なくとも一つは、電子供与基であり、前記一般式(215B)中のR22及びR23のうち少なくとも一つは、水素ではない置換基であり、且つ/又は、Y23が*a-N(R25)-*bであり、R25が、置換された環形成炭素数6~50のアリール基であってもよい。
本実施形態において、前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(215C)及び(215D)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000142
Figure 2024039531000143
(前記一般式(215C)及び(215D)において、
11は、C(R12a)またはNであり、
12は、C(R12b)またはNであり、
13は、C(R12c)またはNであり、
14は、C(R13a)またはNであり、
15は、C(R13b)またはNであり、
16は、C(R13c)またはNであり、
17は、C(R14a)またはNであり、
18は、C(R14b)またはNであり、
19は、C(R14c)またはNであり、
20は、C(R14d)またはNであり、
31は、C(R15a)またはNであり、
32は、C(R15b)またはNであり、
33は、C(R15c)またはNであり、
34は、C(R15d)またはNであり、
12a、R12b、及びR12cは、それぞれ独立に、前記一般式(215A)におけるR12と同義であり、
13a、R13b、及びR13cは、それぞれ独立に、前記一般式(215A)におけるR13と同義であり、
14a、R14b、R14c、及びR14dは、それぞれ独立に、前記一般式(215A)におけるR14と同義であり、
15a、R15b、R15c、及びR15dは、それぞれ独立に、前記一般式(215A)におけるR15と同義であり、
、A11、A12、X11~X13、Y11~Y13、a11~a13、T11~T14、及びR11a~R11cは、それぞれ、前記一般式(215A)におけるM、A11、A12、X11~X13、Y11~Y13、a11~a13、T11~T14、及びR11a~R11cと同義である。)
一実施形態によれば、前記一般式(215C)及び(215D)中のZ18がC(R14b)であり、R11a~R11c、及びR14bのうち少なくとも一つは、電子供与基であってもよい。例えば、前記一般式(215C)及び(215D)中のZ18がC(R14b)であり、R11a及びR14bのうち少なくとも一つは、電子供与基であってもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(215C)及び(215D)中のZ18がC(R14b)であり、R11a及びR14bのうち少なくとも一つは、iso-プロピル基、tert-ブチル基、及び前記一般式(10-1)~(10-61)で表される基からなる群から選択された電子供与基であってもよい。
本実施形態において、前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(215E)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000144
(前記一般式(215E)において、
21は、C(R22a)またはNであり、Z22は、C(R22b)またはNであり、Z23は、C(R22c)またはNであり、Z24は、C(R23a)またはNであり、Z25は、C(R23b)またはNであり、Z27は、C(R24a)またはNであり、Z28は、C(R24b)またはNであり、Z29は、C(R24c)またはNであり、Z30は、C(R24d)またはNであり、Z41は、C(R25a)またはNであり、Z42は、C(R25b)またはNであり、Z43は、C(R25c)またはNであり、Z44は、C(R25d)またはNであり、
22a、R22b及びR22cは、それぞれ独立に、前記一般式(215B)におけるR22と同義であり、
23a、R23b及びR23cは、それぞれ独立に、前記一般式(215B)におけるR23と同義であり、
24a、R24b、R24c及びR24dは、それぞれ独立に、前記一般式(215B)におけるR24と同義であり、
25a、R25b、R25c及びR25dは、それぞれ独立に、前記一般式(215B)におけるR25と同義であり、
、A21、A22、X21~X23、Y21、Y22、a21、a22、T21~T24、及びR21a~R21cは、それぞれ、前記一般式(215B)におけるM、A21、A22、X21~X23、Y21、Y22、a21、a22、T21~T24、及びR21a~R21cと同義である。)
一実施形態によれば、前記一般式(215E)において、Mは、Ptであってもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(215E)において、Z22がC(R22b)であり、Z42がC(R25b)であり、R22b及びR25bのうち少なくとも一つが水素ではない置換基であってもよい。例えば、R22b及びR25bのうち少なくとも一つは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-O-(R254)で表される基、及び-S-(R255)で表される基のうちから選択されてもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(215E)において、Z22がC(R22b)であり、Z42がC(R25b)であり、R22b及びR25bのうち少なくとも一つは、少なくとも1つの重水素で置換された、炭素数1~50のアルキル基、炭素数2~50のアルケニル基、炭素数2~50のアルキニル基、環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、環形成炭素数6~50のアリール基、環形成原子数5~50の複素環基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-O-(R254)で表される基、及び-S-(R255)で表される基のうちから選択されてもよい。
一実施形態によれば、前記一般式(215E)において、Z22がC(R22b)であり、Z42がC(R25b)であり、R22b及びR25bのうち少なくとも一つは、iso-プロピル基、tert-ブチル基、及び前記一般式(10-1)~(10-61)で表される基からなる群から選択された電子供与基であってもよい。
前記一般式(21)で表される化合物において、T11、T12、T13、T14、T21、T12、T23及びT24としての化学結合は、単結合であることが好ましい。
(燐光発光性金属錯体の具体例)
本実施形態の燐光発光性金属錯体の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら化合物の具体例に限定されない。
Figure 2024039531000145
Figure 2024039531000146
Figure 2024039531000147
Figure 2024039531000148
Figure 2024039531000149
Figure 2024039531000150
Figure 2024039531000151
(遅延蛍光性化合物)
本実施形態において、遅延蛍光性化合物は、燐光発光性金属錯体ではない。本実施形態において、遅延蛍光性化合物は、金属錯体ではないことが好ましい。
本実施形態において、遅延蛍光性化合物は、下記一般式(H1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2024039531000152
(前記一般式(H1)において、
は、下記一般式(a-1)、(a-2)、(a-3)、(a-4)、(a-5)、(a-6)、(a-7)及び(a-8)からなる群から選択される少なくとも1つの部分構造を有する基であり、
は、下記一般式(221)、(222)又は(223)で表される基であり、
は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
mは、1、2、3、4又は5であり、複数のAは、互いに同一であるか又は異なり、
nは、1、2、3、4又は5であり、複数のDは、互いに同一であるか又は異なる。)
Figure 2024039531000153
(前記一般式(a-1)~(a-8)において、*は、それぞれ独立に、前記遅延蛍光性化合物の分子中の他の原子との結合位置を示す。)
Figure 2024039531000154
Figure 2024039531000155
Figure 2024039531000156
(前記一般式(221)におけるR21~R28のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(222)におけるR221~R228のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(223)におけるR231~R238のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(221)における置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR21~R28、前記一般式(222)における置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR221~R228、並びに前記一般式(223)における置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR231~R238は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
-P(=O)(R931)(R932)で表される基、
-Ge(R933)(R934)(R935)で表される基、
-B(R936)(R937)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記一般式(222)及び前記一般式(223)において、
環A、環B及び環Cは、それぞれ独立に、下記一般式(224)及び一般式(225)で表される環構造からなる群から選択されるいずれかの環構造であり、
環A、環B及び環Cは、隣接する環と任意の位置で縮合し、
p、px及びpyは、それぞれ独立に、1、2、3又は4であり、
pが2、3又は4の場合、複数の環Aは、互いに同一であるか又は異なり、
pxが2、3又は4の場合、複数の環Bは、互いに同一であるか又は異なり、
pyが2、3又は4の場合、複数の環Cは、互いに同一であるか又は異なり、
前記一般式(221)~(223)中の*は、Lとの結合位置を示す。)
Figure 2024039531000157
(前記一般式(224)において、
rは、0、2又は4であり、
複数のR29からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(225)において、Xは、硫黄原子、酸素原子又はC(R291)(R292)であり、
291及びR292からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR29、R291及びR292は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
-P(=O)(R931)(R932)で表される基、
-Ge(R933)(R934)(R935)で表される基、
-B(R936)(R937)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
複数のR29は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のR291は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のR292は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のXは、互いに同一であるか又は異なる。)
(前記遅延蛍光性化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R908、R909、R931、R932、R933、R934、R935、R936及びR937は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
908が複数存在する場合、複数のR908は、互いに同一であるか又は異なり、
909が複数存在する場合、複数のR909は、互いに同一であるか又は異なり、
931が複数存在する場合、複数のR931は、互いに同一であるか又は異なり、
932が複数存在する場合、複数のR932は、互いに同一であるか又は異なり、
933が複数存在する場合、複数のR933は、互いに同一であるか又は異なり、
934が複数存在する場合、複数のR934は、互いに同一であるか又は異なり、
935が複数存在する場合、複数のR935は、互いに同一であるか又は異なり、
936が複数存在する場合、複数のR936は、互いに同一であるか又は異なり、
937が複数存在する場合、複数のR937は、互いに同一であるか又は異なる。)
本実施形態において、遅延蛍光性化合物は、下記一般式(H10)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2024039531000158
(前記一般式(H10)において、
CNは、シアノ基であり、
は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30の芳香族炭化水素環であり、
11及びD12は、それぞれ独立に、前記一般式(221)、(222)又は(223)で表される基であり、
mは、1、2、3、4又は5であり、
nxは、0、1、2、3、4又は5であり、
nyは、0、1、2、3、4又は5であり、
nx+nyは、1、2、3、4又は5であり、
11及びD12は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のD11は、互いに同一であるか又は異なり、
複数のD12は、互いに同一であるか又は異なる。)
本実施形態において、遅延蛍光性化合物は、下記一般式(H100)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2024039531000159
(前記一般式(H100)において、L、D11、D12、m、nx及びnyは、それぞれ、前記一般式(H10)におけるL、D11、D12、m、nx及びnyと同義であり、
Rは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
シアノ基、
ニトロ基、
-P(=O)(R931)(R932)で表される基、
-Ge(R933)(R934)(R935)で表される基、
-B(R936)(R937)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
但し、少なくとも1つのRは、置換基であり、少なくとも1つの置換基としてのRは、前記一般式(H100)で表される化合物のLに対して炭素-炭素結合により結合し、
kは、1以上の整数であり、
複数のRは、互いに同一であるか又は異なる。)
本実施形態において、遅延蛍光性化合物は、下記一般式(H101)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2024039531000160
(前記一般式(H101)において、
11及びD12は、それぞれ、前記一般式(H10)におけるD11及びD12と同義であり、
Rは、それぞれ独立に、前記一般式(H100)におけるRと同義であり、
mは、1、2、3又は4であり、
nxは、0、1、2、3又は4であり、
nyは、0、1、2、3又は4であり、
kは、1、2、3又は4であり、
nx+nyは、1、2、3又は4であり、
m+nx+ny+k=6である。)
本実施形態において、遅延蛍光性化合物は、下記一般式(H110)、(H120)又は(H130)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2024039531000161
(前記一般式(H110)、(H120)及び(H130)において、
11及びD12は、それぞれ、前記一般式(H10)におけるD11及びD12と同義であり、
Rは、それぞれ独立に、前記一般式(H100)におけるRと同義であり、
nxは、0、1、2又は3であり、
nyは、0、1、2又は3であり、
kは、1、2又は3であり、
nx+nyは、1、2又は3であり、
nx+ny+k=4である。)
本実施形態において、遅延蛍光性化合物における前記一般式(222)で表される基は、下記一般式(22A)、(22B)、(22C)、(22D)、(22E)及び(22F)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。
Figure 2024039531000162
Figure 2024039531000163
Figure 2024039531000164
Figure 2024039531000165
Figure 2024039531000166
Figure 2024039531000167
(前記一般式(22A)、(22B)、(22C)、(22D)、(22E)及び(22F)において、
221~R228は、それぞれ、前記一般式(222)におけるR221~R228と同義であり、
229及びR230は、それぞれ独立に、前記一般式(224)におけるR29と同義であり、
は、前記一般式(225)におけるXと同義であり、
前記一般式(22A)、(22B)、(22C)、(22D)、(22E)及び(22F)中の*は、結合位置を示す。)
本実施形態に係る有機EL素子において、遅延蛍光性化合物が一般式(H101)で表される化合物である場合、一般式(22A)、(22B)、(22C)、(22D)、(22E)及び(22F)中の*は、一般式(H101)において明示的に示されているベンゼン環そのものに結合する。
本実施形態の遅延蛍光性化合物において、Xは、硫黄原子又は酸素原子であることも好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物において、Xが、C(R291)(R292)である場合、R291及びR292は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることがより好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物において、R21~R28のうちの隣接する2つ以上からなる組は、いずれも互いに結合しないことも好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物において、R221~R228のうちの隣接する2つ以上からなる組は、いずれも互いに結合しないことも好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物において、R231~R238のうちの隣接する2つ以上からなる組は、いずれも互いに結合しないことも好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であることが好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることが好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるR21~R28、R221~R228、R231~R238、並びにR29は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であることが好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるR21~R28、R221~R228、R231~R238、並びにR29は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることが好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であり、
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるR21~R28、R221~R228、R231~R238、並びにR29は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基であることが好ましい。
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるRは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であり、
本実施形態の遅延蛍光性化合物におけるR21~R28、R221~R228、R231~R238、並びにR29は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~6のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
無置換の炭素数1~25のアルキル基、
無置換の炭素数2~25のアルケニル基、
無置換の炭素数2~25のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~25のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R908で表される基、
-COOR909で表される基、
-P(=O)(R931)(R932)で表される基、
-Ge(R933)(R934)(R935)で表される基、
-B(R936)(R937)で表される基、
-S(=O)938で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~25のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~25の複素環基であり、
901~R909、並びにR931~R938は、それぞれ独立に、
水素原子、
無置換の炭素数1~25のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~25のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~25の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、ハロゲン原子、無置換の炭素数1~25のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~25のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~25の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~10のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~12のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~12の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る化合物において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることも好ましい。
本明細書において、-O-(R904)で表される基は、R904が水素原子の場合、ヒドロキシ基である。
本明細書において、-S-(R905)で表される基は、R905が水素原子の場合、チオール基である。
本明細書において、-P(=O)(R931)(R932)で表される基は、R931及びR932が置換基の場合、置換ホスフィンオキシド基である。
本明細書において、-Ge(R933)(R934)(R935)で表される基は、R933、R934及びR935が置換基の場合、置換ゲルマニウム基である。
本明細書において、-B(R936)(R937)で表される基は、R936及びR937が置換基の場合、置換ボリル基である。
(熱活性化遅延蛍光性)
本明細書において、熱活性化遅延蛍光性を遅延蛍光性と称する場合がある。
遅延蛍光については、「有機半導体のデバイス物性」(安達千波矢編、講談社発行)の261~268ページで解説されている。その文献の中で、蛍光発光材料の励起一重項状態と励起三重項状態のエネルギー差ΔE13を小さくすることができれば、通常は遷移確率が低い励起三重項状態から励起一重項状態への逆エネルギー移動が高効率で生じ、熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated delayed Fluorescence,TADF)が発現すると説明されている。さらに、当該文献中の図10.38で、遅延蛍光の発生メカニズムが説明されている。TADF機構(メカニズム)は、一重項準位と三重項準位とのエネルギー差(ΔST)の小さな材料を用いた場合に、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が熱的に生じる現象を利用するメカニズムである。熱活性化遅延蛍光性(TADF性)を示す化合物(以下、TADF性化合物とも称する)としては、例えば、分子内に、ドナー部位とアクセプター部位とが結合した化合物が知られている。
一般に、遅延蛍光の発光は過渡PL(Photo Luminescence)測定により確認できる。
過渡PL測定から得た減衰曲線に基づいて遅延蛍光の挙動を解析することもできる。過渡PL測定とは、試料にパルスレーザーを照射して励起させ、照射を止めた後のPL発光の減衰挙動(過渡特性)を測定する手法である。TADF性化合物におけるPL発光は、最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光成分と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光成分に分類される。最初のPL励起で生成する一重項励起子の寿命は、ナノ秒オーダーであり、非常に短い。そのため、当該一重項励起子からの発光は、パルスレーザーを照射後、速やかに減衰する。
一方、遅延蛍光は、寿命の長い三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光のため、ゆるやかに減衰する。このように最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光とでは、時間的に大きな差がある。そのため、遅延蛍光由来の発光強度を求めることができる。
図2には、過渡PLを測定するための例示的装置の概略図が示されている。図2を用いた過渡PLの測定方法、及び遅延蛍光の挙動解析の一例を説明する。
図2の過渡PL測定装置100は、所定波長の光を照射可能なパルスレーザー部101と、測定試料を収容する試料室102と、測定試料から放射された光を分光する分光器103と、2次元像を結像するためのストリークカメラ104と、2次元像を取り込んで解析するパーソナルコンピュータ105とを備える。なお、過渡PLの測定は、図2に記載の装置に限定されない。
試料室102に収容される試料は、マトリックス材料に対し、ドーピング材料が12質量%の濃度でドープされた薄膜を石英基板に成膜することで得られる。
試料室102に収容された薄膜試料に対し、パルスレーザー部101からパルスレーザーを照射してドーピング材料を励起させる。励起光の照射方向に対して90度の方向へ発光を取り出し、取り出した光を分光器103で分光し、ストリークカメラ104内で2次元像を結像する。その結果、縦軸が時間に対応し、横軸が波長に対応し、輝点が発光強度に対応する2次元画像を得ることができる。この2次元画像を所定の時間軸で切り出すと、縦軸が発光強度であり、横軸が波長である発光スペクトルを得ることができる。また、当該2次元画像を波長軸で切り出すと、縦軸が発光強度の対数であり、横軸が時間である減衰曲線(過渡PL)を得ることができる。
例えば、マトリックス材料として、下記化合物HX1を用い、ドーピング材料として下記化合物DX1を用いて上述のようにして薄膜試料Aを作製し、過渡PL測定を行った。
Figure 2024039531000168
ここでは、前述の薄膜試料A、及び薄膜試料Bを用いて減衰曲線を解析した。薄膜試料Bは、マトリックス材料として下記化合物HX2を用い、ドーピング材料として前記化合物DX1を用いて、上述のようにして薄膜試料を作製した。
図3には、薄膜試料A及び薄膜試料Bについて測定した過渡PLから得た減衰曲線が示されている。
Figure 2024039531000169
上記したように過渡PL測定によって、縦軸を発光強度とし、横軸を時間とする発光減衰曲線を得ることができる。この発光減衰曲線に基づいて、光励起により生成した一重項励起状態から発光する蛍光と、三重項励起状態を経由し、逆エネルギー移動により生成する一重項励起状態から発光する遅延蛍光との、蛍光強度比を見積もることができる。遅延蛍光性の材料では、素早く減衰する蛍光の強度に対し、緩やかに減衰する遅延蛍光の強度の割合が、ある程度大きい。
具体的には、遅延蛍光性の材料からの発光としては、Prompt発光(即時発光)と、Delay発光(遅延発光)とが存在する。Prompt発光(即時発光)とは、当該遅延蛍光性の材料が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察される発光である。Delay発光(遅延発光)とは、当該パルス光による励起後、即座には観察されず、その後観察される発光である。
Prompt発光とDelay発光の量とその比は、“Nature 492,234-238,2012”(参考文献1)に記載された方法と同様の方法により求めることができる。なお、Prompt発光とDelay発光の量の算出に使用される装置は、前記参考文献1に記載の装置、または図2に記載の装置に限定されない。
また、本実施形態に係る遅延蛍光性化合物の遅延蛍光性の測定には、次に示す方法により作製した試料を用いる。例えば、本実施形態に係る遅延蛍光性化合物をトルエンに溶解し、自己吸収の寄与を取り除くため励起波長において吸光度が0.05以下の希薄溶液を調製する。また酸素による消光を防ぐため、試料溶液を凍結脱気した後にアルゴン雰囲気下で蓋付きのセルに封入することで、アルゴンで飽和された酸素フリーの試料溶液とする。
上記試料溶液の蛍光スペクトルを分光蛍光光度計FP-8600(日本分光社製)で測定し、また同条件で9,10-ジフェニルアントラセンのエタノール溶液の蛍光スペクトルを測定する。両スペクトルの蛍光面積強度を用いて、Morris et al. J.Phys.Chem.80(1976)969中の(1)式により全蛍光量子収率を算出する。
本実施形態においては、測定対象化合物のPrompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることが好ましい。
本明細書における遅延蛍光性化合物以外の化合物のPrompt発光とDelay発光の量とその比の測定も、本実施形態に係る遅延蛍光性化合物のPrompt発光とDelay発光の量とその比の測定と同様である。
(ΔST)
本実施形態では、最低励起一重項エネルギーSと、77[K]におけるエネルギーギャップT77Kとの差(S-T77K)をΔSTとして定義する。
本実施形態において、遅延蛍光性化合物の最低励起一重項エネルギーS(GT2)と、遅延蛍光性化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(GT2)との差ΔST(GT2)は、好ましくは0.5eV未満、より好ましくは0.3eV未満、さらに好ましくは0.2eV未満、よりさらに好ましくは0.1eV未満、さらになお好ましくは、0.01eV未満である。すなわち、ΔST(GT2)は、下記数式(数2)、(数2A)、(数2B)、(数2C)又は(数2D)のを満たすことが好ましい。
ΔST(GT2)=S(GT2)-T77K(GT2)<0.5eV …(数2)
ΔST(GT2)=S(GT2)-T77K(GT2)<0.3eV …(数2A)
ΔST(GT2)=S(GT2)-T77K(GT2)<0.2eV …(数2B)
ΔST(GT2)=S(GT2)-T77K(GT2)<0.1eV …(数2C)
ΔST(GT2)=S(GT2)-T77K(GT2)<0.01eV …(数2D)
(三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係)
ここで、三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係について説明する。本実施形態では、77[K]におけるエネルギーギャップは、通常定義される三重項エネルギーとは異なる点がある。
三重項エネルギーの測定は、次のようにして行われる。まず、測定対象となる化合物を適切な溶媒中に溶解した溶液を石英ガラス管内に封入した試料を作製する。この試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から三重項エネルギーを算出する。
ここで、本実施形態に係る化合物の内、熱活性化遅延蛍光性の化合物は、ΔSTが小さい化合物であることが好ましい。ΔSTが小さいと、低温(77[K])状態でも、項間交差、及び逆項間交差が起こりやすく、励起一重項状態と励起三重項状態とが混在する。その結果、上記と同様にして測定されるスペクトルは、励起一重項状態、及び励起三重項状態の両者からの発光を含んでおり、いずれの状態から発光したのかについて峻別することは困難であるが、基本的には三重項エネルギーの値が支配的と考えられる。
そのため、本実施形態では、通常の三重項エネルギーTと測定手法は同じであるが、その厳密な意味において異なることを区別するため、次のようにして測定される値をエネルギーギャップT77Kと称する。測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解して溶液を得て、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とする。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を77[K]におけるエネルギーギャップT77Kとする。
換算式(F1):T77K[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いることができる。なお、測定装置はこの限りではなく、冷却装置、及び低温用容器と、励起光源と、受光装置とを組み合わせることにより、測定してもよい。
(最低励起一重項エネルギーS
溶液を用いた最低励起一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して最低励起一重項エネルギーを算出する。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
(遅延蛍光性化合物の製造方法)
遅延蛍光性化合物は、公知の方法により製造できる。また、遅延蛍光性化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(遅延蛍光性化合物の具体例)
遅延蛍光性化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。ただし、本発明は、これら具体例に限定されない。
Figure 2024039531000170
Figure 2024039531000171
Figure 2024039531000172
Figure 2024039531000173
Figure 2024039531000174
Figure 2024039531000175
[蛍光発光性材料]
本実施形態において、蛍光発光性材料は、熱活性化遅延蛍光性を示さない化合物であることが好ましい。本実施形態において、蛍光発光性材料は、燐光発光性の金属錯体ではない。本実施形態において、蛍光発光性材料は、金属錯体ではないことが好ましい。
本実施形態において、蛍光発光性材料は、下記一般式(31)又は(32)で表される第三の化合物からなる群から選択される1以上の化合物である。蛍光発光性材料としての第三の化合物は、下記一般式(31)で表される化合物でもよく、下記一般式(32)で表される化合物でもよい。
Figure 2024039531000176
[(前記一般式(31)において、
環及びD環は、
互いに単結合で結合するか、
互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
互いに単結合で結合せず、かつ互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合しない前記C環及び前記D環、並びにA環及びB環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環であり、
又はRの置換基は、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しない。)
(前記一般式(32)において、
環、B環及びC環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環であり、
環は、少なくとも1つの置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の非芳香族環と縮合していてもよい、置換もしくは無置換の環形成原子数5~7の単環であり、
環及びD環は、互いに、単結合又は二重結合を共有して縮合し、
環及びD環は、
互いに単結合で結合するか、
互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
又はRの置換基は、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しない。)
(前記一般式(31)又は(32)において、
前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しないR並びに前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しないRは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~20のアルケニル基、
-CR39=Nで表されるイミニル基、又は
置換もしくは無置換の炭素数2~20のアルキニル基であり、
及びYは、それぞれ独立に、単結合、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)であり、
が単結合である場合、前記B環及び前記C環は、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は結合せず、
が単結合である場合、前記B環及び前記C環は、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は結合せず、
34及びR35は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
37及びR38は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(31)中のR33、R34、R35、R37及びR38は、それぞれ独立に、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環及び前記B環と結合せず、
前記一般式(32)中のR33、R34、R35、R37及びR38は、それぞれ独立に、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
前記A環及び前記B環と結合せず、
39、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR33、R34、R35、R35及びR38は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
33が複数存在する場合、複数のR33は、互いに同一であるか、又は異なり、
34が複数存在する場合、複数のR34は、互いに同一であるか、又は異なり、
35が複数存在する場合、複数のR35は、互いに同一であるか、又は異なり、
37が複数存在する場合、複数のR37は、互いに同一であるか、又は異なり、
38が複数存在する場合、複数のR38は、互いに同一であるか、又は異なる。)]
本実施形態において、前記一般式(31)で表される化合物は、下記一般式(35)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000177
(前記一般式(35)において、
~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R12~R15のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR16~R19のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
~R11のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
及びRの組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
11及びR12の組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR~R19は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
シアノ基、
N(R22
OR20
SR20
B(R21
SiR242526、又は
ハロゲン原子であり、
2つのR22からなる組、及び2つのR21からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
20は、隣接するR~R19の少なくともいずれかと互いに結合して、置換しくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
21は、それぞれ独立に、隣接するR~R19の少なくともいずれかと互いに結合して、置換しくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
22は、それぞれ独立に、隣接するR~R19の少なくともいずれかと互いに結合して、置換しくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR20~R22は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
2つの隣接するR24及びR25の組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
26、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR24及びR25は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基である。)
本実施形態において、前記一般式(31)で表される化合物は、下記一般式(351)、(352)及び(353)で表される化合物からなる群から選択されるいずれかの化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000178
(前記一般式(351)及び(352)において、
~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R及びRの組、R~R11のうち隣接する2つ以上からなる組、R12~R15のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR16~R19のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR~R及びR~R19は、それぞれ独立に、前記一般式(35)におけるR~R及びR~R19と同義である。)
Figure 2024039531000179
(前記一般式(353)において、
~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R~R10のうち隣接する2つ以上からなる組、R13~R15のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR16~R19のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR~R10及びR13~R19は、それぞれ独立に、前記一般式(35)におけるR~R10及びR13~R19と同義である。)
(一般式(31)で表される化合物の製造方法)
前記一般式(31)で表される化合物は、公知の方法により製造できる。また、前記一般式(31)で表される化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(一般式(31)で表される化合物の具体例)
前記一般式(31)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2024039531000194
本実施形態において、前記一般式(32)で表される化合物は、下記一般式(322)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000195
[(前記一般式(322)において、
環、B環、C環、R及びYは、それぞれ、前記一般式(32)におけるA環、B環、C環、R及びYと同義であり、
は、CR321又は窒素原子であり、
は、CR322又は窒素原子であり、
321及びR322は、互いに同一であるか又は異なり、
321及びR322からなる組が、互いに結合して、置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の非芳香族環を形成するか、又は互いに結合せず、
環及びR321は、互いに単結合で結合するか、互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
322は、C環と結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の非芳香族基を形成せず、かつA環及びC環に結合しないR321及びR322は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
-Si(R381)(R382)(R383)で表される基、
-O-(R384)で表される基、
-S-(R385)で表される基、
-N(R386)(R387)で表される基、
-B(R388)(R389)で表される基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基である。)
(前記第三の化合物中、
381及びR382からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
386及びR387からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
388及びR389からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
384~R389からなる群から選択される少なくともいずれかが、隣接する置換基と互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
383、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR381、R382、R384、R385、R386及びR387は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR388及びR389は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
-O-(R384)で表される基、又は
-N(R386)(R387)で表される基であり、
381が複数存在する場合、複数のR381は、互いに同一であるか、又は異なり、
382が複数存在する場合、複数のR382は、互いに同一であるか、又は異なり、
383が複数存在する場合、複数のR383は、互いに同一であるか、又は異なり、
384が複数存在する場合、複数のR384は、互いに同一であるか、又は異なり、
385が複数存在する場合、複数のR385は、互いに同一であるか、又は異なり、
386が複数存在する場合、複数のR386は、互いに同一であるか、又は異なり、
387が複数存在する場合、複数のR387は、互いに同一であるか、又は異なり、
388が複数存在する場合、複数のR388は、互いに同一であるか、又は異なり、
389が複数存在する場合、複数のR389は、互いに同一であるか、又は異なる。)]
本実施形態において、前記一般式(32)で表される化合物は、下記一般式(323)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000196
(前記一般式(323)において、
環及びRは、それぞれ、前記一般式(32)におけるA環及びRと同義であり、
及びZは、それぞれ、前記一般式(322)におけるX及びZと同義であり、
331とZにおけるR321とからなる組、R336とRとからなる組、R336とRの置換基とからなる組、R331~R333のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR334~R336のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR331~R336は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
-Si(R381)(R382)(R383)で表される基、
-O-(R384)で表される基、
-S-(R385)で表される基、
-N(R386)(R387)で表される基、
-B(R388)(R389)で表される基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基であり、
384~R389から選択される少なくともいずれかが、隣接するR331~R336から選択される少なくともいずれかと互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。)
本実施形態において、前記一般式(32)で表される化合物は、下記一般式(324)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000197
(前記一般式(324)において、
は、前記一般式(32)におけるRと同義であり、
331~R336は、それぞれ、前記一般式(323)におけるR331~R336と同義であり、
及びZは、それぞれ、前記一般式(322)におけるX及びZと同義であり、
がCR321である場合、R321及びR345は、互いに単結合で結合するか、互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
342とRとからなる組、R342とRの置換基とからなる組、並びにR342~R345のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR342~R345は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
-Si(R381)(R382)(R383)で表される基、
-O-(R384)で表される基、
-S-(R385)で表される基、
-N(R386)(R387)で表される基、
-B(R388)(R389)で表される基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基である。)
本実施形態において、R342~R345のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成することも好ましい。
本実施形態において、R342~R345のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環として、下記一般式(326)で表される環を形成することも好ましい。
Figure 2024039531000198
(前記一般式(326)において、
は、O、S、NR346、又はC(R347)(R348)であり、
346は、
置換もしくは無置換の炭素数1~8のアルキル基(好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~4のアルキル基)、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数6~10のアリール基(好ましくは、置換もしくは無置換のフェニル基)であり、
347及びR348は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~8のアルキル基(好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~4のアルキル基、より好ましくは、メチル基)、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数6~18のアリール基(好ましくは、置換もしくは無置換の環形成原子数6~10のアリール基、より好ましくは、置換もしくは無置換のフェニル基)であり、
322~R325は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基(好ましくは、置換もしくは無置換の環形成原子数6~30のアリール基、より好ましくは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基)、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基(好ましくは、置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環基、より好ましくは、置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基)、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
-O-(R384)で表される基、
-S-(R385)で表される基、
-N(R386)(R387)で表される基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基であり、
*は、結合位置を示す。)
本実施形態において、前記一般式(324)で表される化合物のR343及びR344からなる組が、互いに結合して、前記一般式(326)で表される環を形成することも好ましく、この場合の化合物の一例が、下記一般式(327)で表される。
Figure 2024039531000199
(前記一般式(327)において、
は、前記一般式(32)におけるRと同義であり、
331~R336は、それぞれ、前記一般式(323)におけるR331~R336と同義であり、
及びZは、それぞれ、前記一般式(322)におけるX及びZと同義であり、
342及びR345は、それぞれ、前記一般式(324)におけるR342及びR345と同義であり、
及びR322~R325、それぞれ、前記一般式(326)におけるW及びR322~R325と同義である。)
本実施形態において、R342~R345のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合しないことも好ましい。
本実施形態において、前記一般式(32)で表される化合物中のRは、下記一般式(325)で表される基であることも好ましい。
Figure 2024039531000200
(前記一般式(325)において、
337とB環とからなる組、R337とB環の置換基とからなる組、R341とA環とからなる組、R341とA環の置換基とからなる組、R336とR337とからなる組、R341とR342とからなる組、並びにR337~R341のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR337~R341は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
-Si(R381)(R382)(R383)で表される基、
-O-(R384)で表される基、
-S-(R385)で表される基、
-N(R386)(R387)で表される基、
-B(R388)(R389)で表される基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基であり、
*は、結合位置を示す。)
本実施形態において、前記一般式(324)で表される化合物のRが前記一般式(325)で表される基である場合、前記一般式(32)で表される化合物は、下記一般式(329)で表される。
Figure 2024039531000201
(前記一般式(329)において、
331~R336は、それぞれ、前記一般式(323)におけるR331~R336と同義であり、
及びZは、それぞれ、前記一般式(322)におけるX及びZと同義であり、
342~R345は、それぞれ、前記一般式(324)におけるR342~R345と同義であり、
337~R341は、前記一般式(325)におけるとR337~R341同義である。)
本実施形態において、前記一般式(32)で表される化合物は、下記一般式(330)又は(331)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024039531000202
(前記一般式(330)及び(331)において、
331~R336は、それぞれ、前記一般式(323)におけるR331~R336と同義であり、
及びZは、それぞれ、前記一般式(322)におけるX及びZと同義であり、
342~R345は、それぞれ、前記一般式(324)におけるR342~R345と同義であり、
337~R341は、それぞれ、前記一般式(325)におけるとR337~R341同義である。)
本実施形態において、前記一般式(32)で表される化合物中のXにおけるR321及びZにおけるR322の少なくとも1つは、水素原子ではないことが好ましく、R321及びR322の両方が水素原子ではないことが好ましい。
本実施形態において、R321及びR322からなる組が、互いに結合して、置換もしくは無置換の環形成原子数5~60(好ましくは、環形成原子数5~30、より好ましくは、環形成原子数5~18)の非芳香族環を形成してもよい。
本実施形態において、R321及びR322からなる組は、互いに結合しなくてもよい。
本実施形態において、前記一般式(32)で表される化合物中のXにおけるR321及びZにおけるR322は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、又は置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基であることがより好ましく、下記一般式(328)で表される基であることがさらに好ましい。
Figure 2024039531000203
(前記一般式(328)において、
350~R354のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR350~R354は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
-Si(R381)(R382)(R383)で表される基、
-O-(R384)で表される基、
-S-(R385)で表される基、
-N(R386)(R387)で表される基、
-B(R388)(R389)で表される基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基であり、
*は、結合位置を示す。)
(一般式(32)で表される化合物の製造方法)
前記一般式(32)で表される化合物は、公知の方法により製造できる。また、前記一般式(32)で表される化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(一般式(32)で表される化合物の具体例)
前記一般式(32)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2024039531000204
Figure 2024039531000205
Figure 2024039531000206
Figure 2024039531000207
Figure 2024039531000208
Figure 2024039531000209
Figure 2024039531000210
Figure 2024039531000211
Figure 2024039531000212
Figure 2024039531000213
Figure 2024039531000214
Figure 2024039531000215
Figure 2024039531000216
Figure 2024039531000217
Figure 2024039531000218
Figure 2024039531000219
Figure 2024039531000220
Figure 2024039531000221
Figure 2024039531000222
Figure 2024039531000223
Figure 2024039531000224
Figure 2024039531000225
Figure 2024039531000226
Figure 2024039531000227
Figure 2024039531000228
Figure 2024039531000229
Figure 2024039531000230
Figure 2024039531000231
Figure 2024039531000232
一実施形態においては、前記各一般式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~50のアルキル基、無置換の炭素数2~50のアルケニル基、無置換の炭素数2~50のアルキニル基、無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、-Si(R901a)(R902a)(R903a)、-O-(R904a)、-S-(R905a)、-N(R906a)(R907a)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901a~R907aは、それぞれ独立に、水素原子、無置換の炭素数1~50のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901aが2以上存在する場合、2以上のR901aは、互いに同一であるか、又は異なり、R902aが2以上存在する場合、2以上のR902aは、互いに同一であるか、又は異なり、R903aが2以上存在する場合、2以上のR903aは、互いに同一であるか、又は異なり、R904aが2以上存在する場合、2以上のR904aは、互いに同一であるか、又は異なり、R905aが2以上存在する場合、2以上のR905aは、互いに同一であるか、又は異なり、R906aが2以上存在する場合、2以上のR906aは、互いに同一であるか、又は異なり、R907aが2以上存在する場合、2以上のR907aは、互いに同一であるか、又は異なる。
一実施形態においては、前記各一般式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~50のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、前記各一般式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、無置換の炭素数1~18のアルキル基、無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。
(最大ピーク波長)
本実施形態において、蛍光発光性材料としての第三の化合物の最大ピーク波長は、480nm以下であることが好ましく、475nm以下であることがより好ましい。
本実施形態において、蛍光発光性材料としての第三の化合物の最大ピーク波長は、430nm以上であることが好ましく、440nm以上であることがより好ましい。
本明細書において、蛍光発光の最大ピーク波長を、蛍光発光最大ピーク波長と称する場合がある。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、青色の発光を示すことが好ましい。本明細書において、青色の発光とは、蛍光スペクトルの最大ピーク波長が430nm以上、480nm以下の範囲内である発光をいう。
(発光スペクトル半値幅)
本実施形態において、蛍光発光性材料としての第三の化合物の発光スペクトル半値幅FWHMは、40nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。
本実施形態において、蛍光発光性材料としての第三の化合物の発光スペクトル半値幅FWHMは、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
FWHMは、半値全幅(full width at half maximum)の略称である。
本明細書において、蛍光発光最大ピーク波長とは、測定対象となる化合物が、10-6モル/リットル以上、10-5モル/リットル以下の濃度で溶解しているトルエン溶液について、測定した蛍光スペクトルにおける発光強度が最大となる蛍光スペクトルの最大ピーク波長をいう。発光スペクトル半値幅FWHMは、蛍光スペクトルの最大ピークにおける半値全幅である。蛍光スペクトルを測定する装置として、蛍光スペクトル測定装置を用いることができる。例えば、日本分光株式会社製の蛍光スペクトル測定装置(装置名:FP-8300)を用いることができる。なお、蛍光スペクトル測定装置は、ここで例示した装置に限定されない。
(ストークスシフト)
本実施形態において、蛍光発光性材料としての第三の化合物のストークスシフトは、25nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
本実施形態において、蛍光発光性材料としての第三の化合物のストークスシフトは、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
第三の化合物のストークスシフトが20nm以下であることにより、励起エネルギーを低減することができる。
第三の化合物のストークスシフトが10nm以上であることにより、自己吸収を抑制し効率の損失を低減することができる。
ストークスシフトは、次に記載する方法で測定できる。測定対象となる化合物を2.0×10-5mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製する。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で紫外-可視領域の連続光を照射し、吸収スペクトル(縦軸:吸光度、横軸:波長)を測定する。吸収スペクトル測定には、分光光度計を用いることができ、例えば、日立ハイテクサイエンス社の分光光度計U-3900/3900H形を用いることができる。また、測定対象となる化合物を4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製する。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で励起光を照射し、蛍光スペクトル(縦軸:蛍光強度、横軸:波長)を測定する。蛍光スペクトル測定には、分光光度計を用いることができ、例えば、日立ハイテクサイエンス社の分光蛍光光度計F-7000形を用いることができる。これらの吸収スペクトルと蛍光スペクトルから、吸収極大波長と蛍光極大波長の差を算出し、ストークスシフト(SS)を求める。ストークスシフトSSの単位は、nmである。
(発光層におけるホスト材料、増感材料、及び蛍光発光性材料の関係)
一実施形態において、増感材料は、前記遅延蛍光性化合物である。一実施形態において、発光層は、増感材料として遅延蛍光性化合物を含有し、燐光発光性金属錯体を含有していなくてもよい。
図4は、発光層におけるホスト材料(第一の化合物)、増感材料としての遅延蛍光性化合物(第二の化合物)、及び蛍光発光性材料(第三の化合物)のエネルギー準位の関係の一例を示す図である。図4において、S0は、基底状態を表す。S1(M1)は、ホスト材料の最低励起一重項状態を表し、T1(M1)は、ホスト材料の最低励起三重項状態を表す。S1(M2)は、遅延蛍光性化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M2)は、遅延蛍光性化合物の最低励起三重項状態を表す。S1(M3)は、蛍光発光性材料の最低励起一重項状態を表し、T1(M3)は、蛍光発光性材料の最低励起三重項状態を表す。図4中のS1(M2)からS1(M3)へ向かう破線の矢印は、遅延蛍光性化合物の最低励起一重項状態から蛍光発光性材料の最低励起一重項状態へのフェルスター型エネルギー移動を表す。
図4に示すように、遅延蛍光性化合物としてΔST(M2)の小さな化合物を用いると、最低励起三重項状態T1(M2)は、熱エネルギーにより、最低励起一重項状態S1(M2)に逆項間交差が可能である。そして、遅延蛍光性化合物の最低励起一重項状態S1(M2)から蛍光発光性材料へのフェルスター型エネルギー移動が生じ、最低励起一重項状態S1(M3)が生成する。この結果、蛍光発光性材料の最低励起一重項状態S1(M3)からの蛍光発光を観測することができる。このTADFメカニズムによる遅延蛍光を利用することによっても、理論的に内部量子効率を100%まで高めることができると考えられている。
一実施形態において、遅延蛍光性化合物の最低励起一重項エネルギーS(GT2)と、蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーS(D)とが下記数式(数4)の関係を満たすことも好ましい。
(GT2)>S(D) …(数4)
一実施形態において、ホスト材料の最低励起一重項エネルギーS(H1)と、遅延蛍光性化合物の最低励起一重項エネルギーS(GT2)とが下記数式(数4A)の関係を満たすことも好ましい。
(H1)>S(GT2) …(数4A)
一実施形態において、ホスト材料、遅延蛍光性化合物及び蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーSが下記数式(数4B)の関係を満たすことも好ましい。
(H1)>S(GT2)>S(D) …(数4B)
本実施形態において、増感材料が遅延蛍光性化合物である場合の前記数式(数1)は、下記数式(数6)で表される。
77K(H1)>T77K(GT2) …(数6)
一実施形態において、遅延蛍光性化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(GT2)と、蛍光発光性材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(D)とが下記数式(数6A)の関係を満たすことも好ましい。
77K(GT2)>T77K(D) …(数6A)
一実施形態において、ホスト材料、遅延蛍光性化合物及び蛍光発光性材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77Kが下記数式(数6B)の関係を満たすことも好ましい。
77K(H1)>T77K(GT2)>T77K(D) …(数6B)
一実施形態において、増感材料は、燐光発光性金属錯体である。一実施形態において、発光層は、増感材料として燐光発光性金属錯体を含有し、遅延蛍光性化合物を含有していなくてもよい。
図5は、発光層におけるホスト材料(第一の化合物)、増感材料としての燐光発光性金属錯体(第二の化合物)、及び蛍光発光性材料(第三の化合物)のエネルギー準位の関係の一例を示す図である。図5において、S0は、基底状態を表す。S1(M1)は、ホスト材料の最低励起一重項状態を表し、T1(M1)は、ホスト材料の最低励起三重項状態を表す。S1(M2)は、燐光発光性金属錯体の最低励起一重項状態を表し、T1(M2)は、燐光発光性金属錯体の最低励起三重項状態を表す。S1(M3)は、蛍光発光性材料の最低励起一重項状態を表し、T1(M3)は、蛍光発光性材料の最低励起三重項状態を表す。図5中のT1(M2)からS1(M3)へ向かう破線の矢印は、燐光発光性金属錯体の最低励起三重項状態から蛍光発光性材料の最低励起一重項状態への双極子型エネルギー移動を表す。
図5に示すように、増感材料としての燐光発光性金属錯体を用いると、燐光発光性金属錯体の最低励起一重項状態S1(M2)は、スピン-軌道相互作用及び重原子効果により、最低励起三重項状態T1(M2)に項間交差が可能である。そして、燐光発光性金属錯体の最低励起三重項状態T1(M2)から蛍光発光性材料への双極子型エネルギー移動が生じ、最低励起一重項状態S1(M3)が生成する。この結果、蛍光発光性材料の最低励起一重項状態S1(M3)からの蛍光発光を観測することができる。このメカニズムを利用することによっても、理論的に内部量子効率を100%まで高めることができると考えられている。
一実施形態において、燐光発光性金属錯体の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(GP2)と、蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーS(D)とが下記数式(数3)の関係を満たすことも好ましい。
77K(GP2)>S(D) …(数3)
本実施形態において、増感材料が燐光発光性金属錯体である場合の前記数式(数1)は、下記数式(数3A)で表される。
77K(H1)>T77K(GP2) …(数3A)
一実施形態において、ホスト材料及び燐光発光性金属錯体の77[K]におけるエネルギーギャップT77Kと、蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーS(D)とが下記数式(数3B)の関係を満たすことも好ましい。
77K(H1)>T77K(GP2)>S(D) …(数3B)
蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーS(D)と、蛍光発光性材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(D)とは、通常、下記数式(数6B)の関係を満たす。
(D)>T77K(D) …(数3C)
一実施形態において、ホスト材料の最低励起一重項エネルギーS(H1)と、燐光発光性金属錯体の最低励起一重項エネルギーS(GP2)とが下記数式(数5)の関係を満たすことも好ましい。
(H1)>S(GP2) …(数5)
一実施形態において、燐光発光性金属錯体の最低励起一重項エネルギーS(GP2)と、蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーS(D)とが下記数式(数5A)の関係を満たすことも好ましい。
(GP2)>S(D) …(数5A)
一実施形態において、ホスト材料、燐光発光性金属錯体及び蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーSが下記数式(数5B)の関係を満たすことも好ましい。
(H1)>S(GP2)>S(D) …(数5B)
本実施形態の有機EL素子を発光させたときに、発光層において、主に蛍光発光性の化合物が発光していることが好ましい。
有機EL素子から発光する光の最大ピーク波長の測定は、以下のようにして行う。
電流密度が10mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ社製)で計測する。
得られた分光放射輝度スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を測定し、これを最大ピーク波長(単位:nm)とする。
(発光層における化合物の含有率)
発光層に含まれているホスト材料(第一の化合物)、増感材料(第二の化合物)、及び蛍光発光性材料(第三の化合物)の含有率は、例えば、以下の範囲であることが好ましい。
発光層中のホスト材料(第一の化合物)の含有率は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
発光層中のホスト材料(第一の化合物)の含有率は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
増感材料(第二の化合物)が遅延蛍光性化合物である場合、発光層中の遅延蛍光性化合物の含有率は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
発光層中の遅延蛍光性化合物の含有率は、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
増感材料(第二の化合物)が燐光発光性金属錯体である場合、発光層中の燐光発光性金属錯体の含有率は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
発光層中の燐光発光性金属錯体の含有率は、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
発光層中の蛍光発光性材料(第三の化合物)の含有率は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。
発光層中の蛍光発光性材料(第三の化合物)の含有率は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
発光層におけるホスト材料(第一の化合物)、増感材料(第二の化合物)、及び蛍光発光性材料(第三の化合物)の合計含有率の上限は、100質量%である。なお、本実施形態は、発光層に、ホスト材料、増感材料、及び蛍光発光性材料以外の材料が含まれることを除外しない。本実施形態において、発光層は、ホスト材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
(発光層の膜厚)
本実施形態の有機EL素子における発光層の膜厚は、好ましくは5nm以上、50nm以下、より好ましくは7nm以上、50nm以下、さらに好ましくは10nm以上、50nm以下である。5nm以上であると、発光層形成及び色度の調整が容易になりやすく、50nm以下であると、駆動電圧の上昇が抑制されやすい。
有機EL素子の構成についてさらに説明する。
(基板)
基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、及びプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、
合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム-酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
陽極上に形成されるEL層のうち、陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることができる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
有機EL素子がボトムエミッション型である場合、陽極は、発光層からの光を透過する光透過性もしくは半透過性を有する金属材料で形成されることが好ましい。本明細書において、光透過性もしくは半透過性とは、発光層から発光される光を50%以上(好ましくは80%以上)透過する性質を意味する。光透過性もしくは半透過性を有する金属材料は、前記陽極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
有機EL素子がトップエミッション型である場合、陽極は反射層を有する反射性電極である。反射層は、光反射性を有する金属材料で形成されることが好ましい。本明細書において、光反射性とは、発光層から発光される光を50%以上(好ましくは80%以上)反射する性質を意味する。光反射性を有する金属材料は、前記陽極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
陽極は反射層のみで構成されていてもよいが、反射層と、導電層(好ましくは透明導電層)とを有する多層構造であってもよい。陽極が反射層及び導電層を有する場合、反射層と正孔輸送帯域との間に当該導電層が配置されることが好ましい。導電層は、前記陽極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
(陰極)
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
なお、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
有機EL素子がボトムエミッション型である場合、陰極は、反射性電極である。反射性電極は、光反射性を有する金属材料で形成されることが好ましい。光反射性を有する金属材料は、前記陰極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
有機EL素子がトップエミッション型である場合、陰極は、発光層からの光を透過する光透過性もしくは半透過性を有する金属材料で形成されることが好ましい。光透過性もしくは半透過性を有する金属材料は、前記陰極の項で列挙した材料から適宜選択して使用することができる。
本実施形態に係る有機EL素子は、ボトムエミッション型の有機EL素子でもよい。また、本実施形態に係る有機EL素子は、トップエミッション型の有機EL素子でもよい。
有機EL素子がボトムエミッション型である場合、陽極が光透過性を有する光透過性電極であり、陰極が光反射性を有する光反射性電極であることが好ましい。
有機EL素子がトップエミッション型である場合、陽極が光反射性を有する光反射性電極であり、陰極が光透過性を有する光透過性電極であることが好ましい。
(キャッピング層)
有機EL素子がトップエミッション型である場合、有機EL素子は、通常、陰極の上部にキャッピング層を備える。
キャッピング層は、例えば、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、窒化ケイ素、及びシリコン化合物(酸化ケイ素等)からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物を含有していてもよい。
また、キャッピング層は、例えば、芳香族アミン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、フルオレン誘導体、又はジベンゾフラン誘導体からなる群から選択される少なくともいずれかの化合物を含有していてもよい。
また、これらの物質を含む層を積層させた積層体も、キャッピング層として用いることができる。
(正孔注入層)
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、低分子の有機化合物である4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’-ビス(N-{4-[N’-(3-メチルフェニル)-N’-フェニルアミノ]フェニル}-N-フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’-ビス[N-(9,9-ジメチルフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層には、CBP、CzPA、PCzPAのようなカルバゾール誘導体や、t-BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層であっても、上記物質からなる層が二層以上積層された層であってもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(ptert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-(4-エチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:p-EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層であっても、上記物質からなる層が二層以上積層された層であってもよい。
また、電子輸送層には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)などを用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(層形成方法)
前述のいずれかの実施形態に係る有機EL素子の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。
(膜厚)
本実施形態に係る有機EL素子の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した場合を除いて限定されない。一般に、膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、膜厚が厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常、有機EL素子の各有機層の膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子は、表示装置及び発光装置等の電子機器に使用できる。
〔第二実施形態〕
(電子機器)
本実施形態に係る電子機器は、上述の実施形態のいずれかの有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。発光装置は、表示装置に用いることもでき、例えば、表示装置のバックライトとして用いることもできる。
本実施形態に係る電子機器としての表示装置は、赤色画素、緑色画素及び青色画素としての有機EL素子を搭載した有機EL表示装置であることが好ましい。この有機EL表示装置において、赤色画素は、第一実施形態に係る有機EL素子であることが好ましい。
〔実施形態の変更〕
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良などは、本発明に含まれる。
例えば、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
また、例えば、発光層の陽極側、及び陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子、及び励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層及び正孔輸送層等)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されない。
<化合物>
実施例1~10及び比較例1に係る有機EL素子の製造に用いたホスト材料(一般式(101)~(118)で表される部分構造からなる群から選択される1つ以上の部分構造を含む第一の化合物)の構造を以下に示す。
Figure 2024039531000233
実施例1、3~10及び比較例1に係る有機EL素子の製造に用いた、増感材料(一般式(21)で表される第二の化合物(燐光発光性金属錯体))の構造を以下に示す。
Figure 2024039531000234
実施例2に係る有機EL素子の製造に用いた、増感材料(一般式(H1)で表される第二の化合物(遅延蛍光性化合物)の構造を以下に示す。
Figure 2024039531000235
実施例1~10に係る有機EL素子の製造に用いた、一般式(31)又は(32)で表される蛍光発光性材料(第三の化合物)の構造を以下に示す。
Figure 2024039531000236
比較例1に係る有機EL素子の製造に用いた比較化合物の構造を以下に示す。
Figure 2024039531000237
実施例1~10及び比較例1に係る有機EL素子の製造に用いた、他の化合物の構造を以下に示す。
Figure 2024039531000238
<有機EL素子の作製(1)>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄を行った後、UVオゾン洗浄を1分間行った。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付き前記ガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HT-aと化合物HAとを共蒸着し、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。正孔注入層における化合物HT-aの割合を97質量%とし、化合物HAの割合を3質量%とした。
次に、正孔注入層の上に、化合物HT-aを蒸着し、膜厚80nmの第1正孔輸送層を形成した。
次に、第1正孔輸送層の上に、化合物HT-bを蒸着し、膜厚5nmの第2正孔輸送層を形成した。
次に、第2正孔輸送層の上に、化合物EBL-aを蒸着し、膜厚5nmの第3正孔輸送層(電子障壁層ともいう。)を形成した。
次に、第3正孔輸送層の上に、ホスト材料(第一の化合物)としての化合物Host-aと、増感材料(燐光発光性金属錯体(第二の化合物))としての化合物STZ-aと、蛍光発光性材料(第三の化合物)としての化合物BD-Aと、を共蒸着し、膜厚30nmの発光層を形成した。発光層における化合物Host-aの割合を74質量%とし、化合物STZ-aの割合を25質量%とし、化合物BD-Aの割合を1質量%とした。
次に、発光層の上に、化合物ET-aを蒸着し、膜厚10nmの正孔障壁層を形成した。
次に、正孔障壁層の上に、化合物ET-bを共蒸着し、膜厚20nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層の上に、LiFを蒸着し、膜厚1nmの電子注入層を形成した。
そして、電子注入層の上に、金属アルミニウム(Al)を蒸着し、膜厚50nmの金属Al陰極を形成した。
以上のようにして、実施例1に係る有機EL素子を作製した。実施例1に係る有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HT-a:HA(10,97%:3%)/HT-a(80)/HT-b(5)/EBL-a(5)/Host-a:STZ-a:BD-A(30,74%:25%:1%)/ET-a(10)/ET-b(20)/LiF(1)/Al(50)
なお、上記素子構成中、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。同じく、上記素子構成中、括弧内において、パーセント表示された数字(97%:3%)は、正孔注入層における化合物HT-a及び化合物HAの割合(質量%)を示し、パーセント表示された数字(74%:25%:1%)は、発光層における化合物HOST-a、化合物STZ-a及び化合物BD-Aの割合(質量%)を示す。以下、同様の表記とする。
(実施例2)
実施例2の有機EL素子は、実施例1の発光層に用いた増感材料としての第二の化合物STZ-a(燐光発光性金属錯体)を表1に記載の化合物STZ-b(遅延蛍光性化合物)に変更した以外、実施例1と同様にして作製した。
(実施例3~8)
実施例3~8の有機EL素子は、それぞれ、実施例1の発光層に用いたホスト材料としての化合物Host-aを表1に記載の化合物に変更した以外、実施例1と同様にして作製した。
(実施例9)
実施例9の有機EL素子は、実施例1の発光層に用いたホスト材料としての化合物Host-aを、表1に記載のように、化合物Host-h及びHost-iの2種の第一の化合物に変更し、発光層における化合物Host-hの割合を37質量%とし、化合物Host-iの割合を37質量%とし、化合物STZ-aの割合を25質量%とし、化合物BD-Aの割合を1質量%とした以外、実施例1と同様にして作製した。
(実施例10)
実施例10の有機EL素子は、実施例1の発光層に用いた蛍光発光性材料(第三の化合物)としての化合物BD-Aを表1に記載の化合物BD-Bに変更した以外、実施例1と同様にして作製した。
(比較例1)
比較例1の有機EL素子は、実施例1の発光層に用いた蛍光発光性材料(第三の化合物)としての化合物BD-Aを表1に記載の化合物Ref-BD-Xに変更した以外、実施例1と同様にして作製した。
<有機EL素子の評価>
作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。また、各実施例の発光層で使用した化合物の最低励起一重項エネルギーS及びエネルギーギャップT77Kも表1に示す。
(外部量子効率EQE)
作製した有機EL素子に電流密度が10.00mA/cmとなるように電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。各例のEQEの測定値、並びに下記数式(数1X)に基づいて、「EQE(相対値)」(単位:%)を算出した。
EQE(相対値)=(各例のEQE/比較例1のEQE)×100…(数1X)
(CIE1931色度)
有機EL素子の電流密度が10.00mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時のCIE1931色度座標(x、y)を分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測した。
Figure 2024039531000239
表1に示されるように、実施例1~10の有機EL素子は、発光層にホスト材料、増感材料、及び蛍光発光性材料として一般式(31)又は(32)で表される第三の化合物を含有しており、比較例1の有機EL素子に比べて、高効率かつ高色純度で発光した。
<化合物の評価>
化合物について以下の評価を行った。
(最低励起一重項エネルギーS
測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定した。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して最低励起一重項エネルギーを算出した。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)を用いた。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
(77[K]におけるエネルギーギャップT77K
測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解して溶液を得て、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とした。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を77[K]におけるエネルギーギャップT77Kとした。
換算式(F1):T77K[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いた。
(ΔST)
測定した最低励起一重項エネルギーS及びエネルギーギャップT77Kの値に基づき、ΔST=S-T77Kを算出した。化合物STZ-bのΔSTは、0.01eV未満であった。
(化合物の遅延蛍光性)
遅延蛍光性は図2に示す装置を利用して過渡PLを測定することにより確認した。前記化合物STZ-bをトルエンに溶解し、自己吸収の寄与を取り除くため励起波長において吸光度が0.05以下の希薄溶液を調製した。また酸素による消光を防ぐため、試料溶液を凍結脱気した後にアルゴン雰囲気下で蓋付きのセルに封入することで、アルゴンで飽和された酸素フリーの試料溶液とした。
上記試料溶液の蛍光スペクトルを分光蛍光光度計FP-8600(日本分光社製)で測定し、また同条件で9,10-ジフェニルアントラセンのエタノール溶液の蛍光スペクトルを測定した。両スペクトルの蛍光面積強度を用いて、Morris et al. J.Phys.Chem.80(1976)969中の(1)式により全蛍光量子収率を算出した。
化合物STZ-bが吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察されるPrompt発光(即時発光)と、当該励起後、即座には観察されず、その後観察されるDelay発光(遅延発光)とが存在する。本実施例における遅延蛍光発光とは、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上を意味する。具体的には、Prompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることを意味する。
Prompt発光とDelay発光の量とその比は、“Nature 492, 234-238, 2012”(参考文献1)に記載された方法と同様の方法により求めることができる。なお、Prompt発光とDelay発光の量の算出に使用される装置は、前記参考文献1に記載の装置、または図2に記載の装置に限定されない。
化合物STZ-bについて、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上であることが確認された。具体的には、化合物STZ-bについて、X/Xの値が0.05以上であった。
(蛍光発光最大ピーク波長λFL及び発光スペクトル半値幅FWHM)
測定対象の化合物をトルエンに溶解させ、5.0×10-6mol/Lの溶液を調製した。得られた溶液を石英セル(光路長1.0cm)に入れ、蛍光スペクトル測定装置「分光蛍光光度計FP-8300」(日本分光株式会社製)を用いて、400nmで励起した場合の蛍光発光最大ピーク波長λFL(単位:nm)及び発光スペクトル半値幅FWHM(単位:nm)を測定した。
(ストークスシフト)
測定対象となる化合物を2.0×10-5mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製した。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で紫外-可視領域の連続光を照射し、吸収スペクトル(縦軸:吸光度、横軸:波長)を測定した。吸収スペクトル測定には、日立ハイテクサイエンス社の分光光度計U-3900/3900H形を用いた。また、測定対象となる化合物を4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製した。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で励起光を照射し、蛍光スペクトル(縦軸:蛍光強度、横軸:波長)を測定した。蛍光スペクトル測定には、日立ハイテクサイエンス社の分光蛍光光度計F-7000形を用いた。
これらの吸収スペクトルと蛍光スペクトルから、吸収極大波長と蛍光極大波長の差を算出し、ストークスシフト(SS)を求めた。ストークスシフトSSの単位は、nmとした。
化合物BD-Aの最大ピーク波長λFLは、448nmであり、発光スペクトル半値幅FWHMは、19nmであり、ストークスシフトが11nmであった。
化合物BD-Bの最大ピーク波長λFLは、459nmであり、発光スペクトル半値幅FWHMは、22nmであり、ストークスシフトが14nmであった。
化合物Ref-BD-Xの最大ピーク波長λFLは、455nmであり、発光スペクトル半値幅FWHMは、35nmであり、ストークスシフトが29nmであった。
1…有機エレクトロルミネッセンス素子、10…有機層、2…基板、3…陽極、4…陰極、5…発光層、6…正孔注入層、7…正孔輸送層、8…電子輸送層、9…電子注入層。

Claims (31)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極及び前記陰極の間に配置された発光層と、を含み、
    前記発光層は、ホスト材料と、増感材料と、蛍光発光性材料と、を含有し、
    前記ホスト材料は、一つの分子中に下記一般式(101)~(118)で表される部分構造からなる群から選択される1つ以上の部分構造を含む第一の化合物であり、
    前記増感材料は、燐光発光性金属錯体及び遅延蛍光性化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、
    前記蛍光発光性材料は、下記一般式(31)又は(32)で表される第三の化合物からなる群から選択される1以上の化合物であり、
    前記ホスト材料、前記増感材料及び前記蛍光発光性材料は、互いに異なる化合物であり、
    前記ホスト材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(H1)と、前記増感材料の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(G2)とが下記数式(数1)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子。
    77K(H1)>T77K(G2) …(数1)
    Figure 2024039531000240

    Figure 2024039531000241

    (前記一般式(101)において、
    11~A16は、それぞれ独立に、窒素原子、CR11、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
    ただし、A11~A16のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
    11が複数存在する場合、複数のR11は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR11のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(102)において、
    ~Aは、それぞれ独立に、窒素原子、CR12、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
    12は、それぞれ独立に、水素原子もしくは置換基であるか、又は隣接するR12同士の組のいずれか1つ以上の組が互いに結合して環を形成し、
    12が複数存在する場合、複数のR12は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR12のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    10は、NR13、C(R14)(R15)、Si(R16)(R17)、酸素原子、硫黄原子、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する窒素原子、R18及び前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合する炭素原子、又はR19及び前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造に対してそれぞれ結合するケイ素原子であり、
    ただし、A~Aにおける炭素原子、X10における窒素原子、X10における炭素原子及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
    14及びR15からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    16及びR17からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(103)において、
    115及びR116からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(101)~(104)において、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR11、R12、R14、R15、R16、R17、R115及びR116、並びにR13、R18、R19及びR117は、それぞれ独立に、
    水素原子
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    -C(=O)R908で表される基、
    -COOR909で表される基、
    -P(=O)(R910)(R911)で表される基、
    -P(=O)(OR912)(OR913)で表される基、
    -Ge(R914)(R915)(R916)で表される基、
    -B(R917)(R918)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    前記一般式(103)~(118)において、
    *は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所であり、
    前記第一の化合物が前記一般式(101)~(104)で表される部分構造をそれぞれ複数有する場合、
    複数の前記一般式(101)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数の前記一般式(102)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数の前記一般式(103)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数の前記一般式(104)で表される部分構造は、互いに同一であるか又は異なる。)
    (前記第一の化合物中、R901~R918は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
    902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
    903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
    904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
    905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
    906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
    907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
    908が複数存在する場合、複数のR908は、互いに同一であるか又は異なり、
    909が複数存在する場合、複数のR909は、互いに同一であるか又は異なり、
    910が複数存在する場合、複数のR910は、互いに同一であるか又は異なり、
    911が複数存在する場合、複数のR911は、互いに同一であるか又は異なり、
    912が複数存在する場合、複数のR912は、互いに同一であるか又は異なり、
    913が複数存在する場合、複数のR913は、互いに同一であるか又は異なり、
    914が複数存在する場合、複数のR914は、互いに同一であるか又は異なり、
    915が複数存在する場合、複数のR915は、互いに同一であるか又は異なり、
    916が複数存在する場合、複数のR916は、互いに同一であるか又は異なり、
    917が複数存在する場合、複数のR917は、互いに同一であるか又は異なり、
    918が複数存在する場合、複数のR918は、互いに同一であるか又は異なる。)
    Figure 2024039531000242

    [(前記一般式(31)において、
    環及びD環は、
    互いに単結合で結合するか、
    互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
    互いに単結合で結合せず、かつ互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合しない前記C環及び前記D環、並びにA環及びB環は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60の芳香族炭化水素環、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環であり、
    又はRの置換基は、
    前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しない。)
    (前記一般式(32)において、
    環、B環及びC環は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60の芳香族炭化水素環、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環であり、
    環は、少なくとも1つの置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の非芳香族環と縮合していてもよい、置換もしくは無置換の環形成原子数5~7の単環であり、
    環及びD環は、互いに、単結合又は二重結合を共有して縮合し、
    環及びD環は、
    互いに単結合で結合するか、
    互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
    又はRの置換基は、
    前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しない。)
    (前記一般式(31)又は(32)において、
    前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しないR並びに前記A環、前記A環の置換基、前記B環及び前記B環の置換基と結合しないRは、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~20のアルケニル基、
    -CR39=Nで表されるイミニル基、又は
    置換もしくは無置換の炭素数2~20のアルキニル基であり、
    及びYは、それぞれ独立に、単結合、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)であり、
    が単結合である場合、前記B環及び前記C環は、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は結合せず、
    が単結合である場合、前記B環及び前記C環は、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は結合せず、
    34及びR35は、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    37及びR38は、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(31)中のR33、R34、R35、R37及びR38は、それぞれ独立に、
    前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    前記A環及び前記B環と結合せず、
    前記一般式(32)中のR33、R34、R35、R37及びR38は、それぞれ独立に、
    前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    前記A環及び前記B環の少なくともいずれかと結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    前記A環及び前記B環と結合せず、
    39、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR33、R34、R35、R35及びR38は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
    33が複数存在する場合、複数のR33は、互いに同一であるか、又は異なり、
    34が複数存在する場合、複数のR34は、互いに同一であるか、又は異なり、
    35が複数存在する場合、複数のR35は、互いに同一であるか、又は異なり、
    37が複数存在する場合、複数のR37は、互いに同一であるか、又は異なり、
    38が複数存在する場合、複数のR38は、互いに同一であるか、又は異なる。)]
  2. 前記一般式(31)で表される化合物は、下記一般式(35)で表される化合物である、
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000243

    (前記一般式(35)において、
    ~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R12~R15のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR16~R19のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    ~R11のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    及びRの組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    11及びR12の組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR~R19は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
    シアノ基、
    N(R22
    OR20
    SR20
    B(R21
    SiR242526、又は
    ハロゲン原子であり、
    2つのR22からなる組、及び2つのR21からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    20は、隣接するR~R19の少なくともいずれかと互いに結合して、置換しくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    21は、それぞれ独立に、隣接するR~R19の少なくともいずれかと互いに結合して、置換しくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    22は、それぞれ独立に、隣接するR~R19の少なくともいずれかと互いに結合して、置換しくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR20~R22は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
    2つの隣接するR24及びR25の組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    26、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR24及びR25は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基である。)
  3. 前記一般式(31)で表される化合物は、下記一般式(351)、(352)及び(353)で表される化合物からなる群から選択されるいずれかの化合物である、
    請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000244
    (前記一般式(351)及び(352)において、
    ~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R及びRの組、R~R11のうち隣接する2つ以上からなる組、R12~R15のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR16~R19のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR~R及びR~R19は、それぞれ独立に、前記一般式(35)におけるR~R及びR~R19と同義である。)
    Figure 2024039531000245

    (前記一般式(353)において、
    ~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R~Rのうち隣接する2つ以上からなる組、R~R10のうち隣接する2つ以上からなる組、R13~R15のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR16~R19のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR~R10及びR13~R19は、それぞれ独立に、前記一般式(35)におけるR~R10及びR13~R19と同義である。)
  4. 前記一般式(32)で表される化合物は、下記一般式(322)で表される化合物である、
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000246

    [(前記一般式(322)において、
    環、B環、C環、R及びYは、それぞれ、前記一般式(32)におけるA環、B環、C環、R及びYと同義であり、
    は、CR321又は窒素原子であり、
    は、CR322又は窒素原子であり、
    321及びR322は、互いに同一であるか又は異なり、
    321及びR322からなる組が、互いに結合して、置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の非芳香族環を形成するか、又は互いに結合せず、
    環及びR321は、互いに単結合で結合するか、互いに、O、S、NR33、Si(R34)(R35)、又はC(R37)(R38)を介して結合するか、又は互いに結合せず、
    322は、C環と結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の非芳香族基を形成せず、かつA環及びC環に結合しないR321及びR322は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
    -Si(R381)(R382)(R383)で表される基、
    -O-(R384)で表される基、
    -S-(R385)で表される基、
    -N(R386)(R387)で表される基、
    -B(R388)(R389)で表される基、
    ハロゲン原子、又は
    シアノ基である。)
    (前記第三の化合物中、
    381及びR382からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    386及びR387からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    388及びR389からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    384~R389からなる群から選択される少なくともいずれかが、隣接する置換基と互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    383、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR381、R382、R384、R385、R386及びR387は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR388及びR389は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
    -O-(R384)で表される基、又は
    -N(R386)(R387)で表される基であり、
    381が複数存在する場合、複数のR381は、互いに同一であるか、又は異なり、
    382が複数存在する場合、複数のR382は、互いに同一であるか、又は異なり、
    383が複数存在する場合、複数のR383は、互いに同一であるか、又は異なり、
    384が複数存在する場合、複数のR384は、互いに同一であるか、又は異なり、
    385が複数存在する場合、複数のR385は、互いに同一であるか、又は異なり、
    386が複数存在する場合、複数のR386は、互いに同一であるか、又は異なり、
    387が複数存在する場合、複数のR387は、互いに同一であるか、又は異なり、
    388が複数存在する場合、複数のR388は、互いに同一であるか、又は異なり、
    389が複数存在する場合、複数のR389は、互いに同一であるか、又は異なる。)]
  5. 前記一般式(32)で表される化合物は、下記一般式(323)で表される化合物である、
    請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000247

    (前記一般式(323)において、
    環及びRは、それぞれ、前記一般式(32)におけるA環及びRと同義であり、
    及びZは、それぞれ、前記一般式(322)におけるX及びZと同義であり、
    331とZにおけるR321とからなる組、R336とRとからなる組、R336とRの置換基とからなる組、R331~R333のうち隣接する2つ以上からなる組、並びにR334~R336のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR331~R336は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~60の複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~20のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~20のシクロアルキル基、
    -Si(R381)(R382)(R383)で表される基、
    -O-(R384)で表される基、
    -S-(R385)で表される基、
    -N(R386)(R387)で表される基、
    -B(R388)(R389)で表される基、
    ハロゲン原子、又は
    シアノ基であり、
    384~R389から選択される少なくともいずれかが、隣接するR331~R336から選択される少なくともいずれかと互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合しない。)
  6. 前記ホスト材料は、前記一般式(101)で表される部分構造を少なくとも1つ有し、
    前記一般式(101)で表される部分構造は、下記一般式(A11)~(A19)で表される部分構造からなる群から選択される少なくとも1つである、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000248

    Figure 2024039531000249

    (前記一般式(A11)~(A16)において、A12~A16は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR11であり、R11は、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所であり、
    前記一般式(A17)及び(A18)において、A11~A22は、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR11であるか、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R11は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、A11~A22のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、
    前記一般式(A19)において、A11~A18は、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR11であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R11は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR11と同義であり、X11及びX12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、かつA11~A18における炭素原子、X11及びX12における窒素原子、X11及びX12における炭素原子、並びにX11及びX12におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
    前記一般式(A11)~(A19)において、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所である。)
  7. 前記ホスト材料は、前記一般式(102)で表される部分構造を少なくとも1つ有し、
    前記一般式(102)で表される部分構造は、下記一般式(B11)~(B24)で表される部分構造からなる群から選択される少なくとも1つである、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000250

    (前記一般式(B11)~(B16)において、Ax~Axは、それぞれ独立に、窒素原子またはCR12であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X10は、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所であり、
    前記一般式(B17)において、Ax、Ax及びAy~Ayは、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR12であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X10は、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、ただし、Ax、Ax及びAy~Ayにおける炭素原子、X10における窒素原子、X10における炭素原子及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
    前記一般式(B18)において、Ay~Ayは、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR12であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X10は、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、Ay~Ayにおける炭素原子、X10における窒素原子、X10における炭素原子及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合し、
    前記一般式(B11)~(B18)において、*は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所である。)
    Figure 2024039531000251

    (前記一般式(B19)~(B24)において、Ay~Ay及びAy~Ay12は、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR12であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、R12は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、X及びX10は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるX10と同義であり、
    Ay~Ay及びAy~Ay12における炭素原子、X及びX10における窒素原子、X及びX10における炭素原子、並びにX及びX10におけるケイ素原子のうち少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する。)
  8. 前記第一の化合物は、
    シアノ基、
    アミノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~30のアルキルアミノ基、及び
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~60のアリールアミノ基のいずれかの基を少なくとも1つ有するか、又は
    置換もしくは無置換のベンゼン、
    置換もしくは無置換のナフタレン、
    置換もしくは無置換のインドール、
    置換もしくは無置換のカルバゾール、
    置換もしくは無置換のジベンゾフラン、
    置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、
    置換もしくは無置換のフルオレン、
    置換もしくは無置換のシラフルオレン、
    置換もしくは無置換のトリアジン、
    置換もしくは無置換のピリミジン、
    置換もしくは無置換のピリジン、
    置換もしくは無置換のピリダジン、
    置換もしくは無置換のピラジン、
    置換もしくは無置換のイミダゾール、
    置換もしくは無置換のベンゾイミダゾール、
    置換もしくは無置換のフェナントレン、及び
    置換もしくは無置換のトリフェニレン
    のいずれかから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有する、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第一の化合物は、
    シアノ基を少なくとも1つ有するか、又は
    置換もしくは無置換のカルバゾール、
    置換もしくは無置換のジベンゾフラン、
    置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、
    置換もしくは無置換のフルオレン、
    置換もしくは無置換のシラフルオレン、
    置換もしくは無置換のトリアジン、
    置換もしくは無置換のピリミジン、
    置換もしくは無置換のピリジン、及び
    置換もしくは無置換のトリフェニレンのいずれかから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有する、
    請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記第一の化合物は、
    置換もしくは無置換のカルバゾール、
    置換もしくは無置換のジベンゾフラン、
    置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、
    置換もしくは無置換のトリアジン、及び
    置換もしくは無置換のピリミジンのいずれかから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有する、
    請求項8又は請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記第一の化合物は、置換もしくは無置換のカルバゾールから誘導される一価以上の残基を少なくとも1つ有する、
    請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記第一の化合物は、下記一般式(15)で表される部分構造を少なくとも1つ有する、
    請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000252

    (前記一般式(15)において、R150~R158の内、少なくとも1つ以上は、前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する単結合であり、
    単結合ではないR150~R158は、それぞれ独立に、
    水素原子
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    -C(=O)R908で表される基、
    -COOR909で表される基、
    -P(=O)(R910)(R911)で表される基、
    -Ge(R912)(R913)(R914)で表される基、
    -B(R915)(R916)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
  13. 前記第一の化合物は、下記一般式(161)又は下記一般式(162)で表される化合物である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000253

    (前記一般式(161)において、Ar161は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30の芳香族炭化水素環、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環であり、
    m1は、1、2、3、4、5又は6であり、
    161は、電子供与基であり、R161は、それぞれ、Ar161を構成する元素に結合し、
    m1が2以上の場合、複数のR161は、互いに同一又は異なり、
    ただし、Ar161は、電子受容性の芳香族炭化水素環及び複素環ではなく、Ar161が置換基を有する場合における当該置換基は、電子受容基ではなく、
    前記一般式(162)において、Ar162は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30の芳香族炭化水素環、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環であり、
    n1は、1、2、3、4、5又は6であり、
    162は、電子受容基であり、R162は、それぞれ、Ar162を構成する元素に結合し、
    n1が2以上の場合、複数のR162は互いに同一又は異なり、
    ただし、Ar162は、電子供与性の芳香族炭化水素環及び複素環ではなく、Ar162が置換基を有する場合における当該置換基は、電子供与基ではない。)
  14. 前記一般式(161)におけるR161は、それぞれ独立に、下記一般式(DN1)~(DN6)及び(DN8)~(DN10)で表される化合物のいずれかから誘導される一価以上の残基であるか、又は下記一般式(DN7)で表される基であり、
    前記一般式(162)におけるR162は、それぞれ独立に、下記一般式(AC4)~(AC18)及び(AC22)~(AC23)で表される化合物のいずれかから誘導される一価以上の残基であるか、又は下記一般式(AC1)~(AC3)、(AC19)~(AC21)及び(AC24)で表される基のいずれかである、
    請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000254

    (前記一般式(DN7)において、*は、それぞれ、Ar161を構成する元素との結合部位を表す。)
    Figure 2024039531000255

    Figure 2024039531000256

    (前記一般式(AC1)において、nは、1、2又は3であり、
    前記一般式(AC22)~(AC23)において、X~Xは、それぞれ独立に、CR163であるか、又は前記第一の化合物の分子中における他の原子又は他の構造と結合する炭素原子であり、ただし、X~Xにおける炭素原子のうち少なくとも1つ以上は、Ar162を構成する元素と結合し、
    前記一般式(AC24)において、X~Xは、それぞれ独立に、窒素原子もしくはCR163であるか、又はAr162を構成する元素と結合する炭素原子であり、
    前記一般式(AC22)~(AC24)において、R163が複数存在する場合、複数のR163は、互いに同一であるか又は異なり、複数のR163のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR163は、それぞれ独立に、前記一般式(102)におけるR12と同義であり、
    前記一般式(AC1)~(AC3)、(AC19)~(AC21)及び(AC24)において、*は、それぞれ、Ar162を構成する元素との結合部位を表す。)
  15. 前記第一の化合物は、下記一般式(12)で表される化合物である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000257

    (前記一般式(12)において、
    Ar11及びAr12は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    11及びL12は、それぞれ独立に、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
    13は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6以下の単環炭化水素基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数6以下の単環複素環基であり、
    mは、0、1、2、又は3であり、複数のL13は、互いに同一であるか又は異なり、
    ~X及びY~Yは、それぞれ独立に、N又はCRaであり、
    ただし、X~Xの内の1つと、Y~Yの内の1つが、L13を介して結合する炭素原子であるか、又は直接結合する炭素原子であり、
    Raは、それぞれ独立に、
    水素原子
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    ハロゲン原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    Raが複数存在する場合、複数のRaは、互いに同一であるか又は異なり、
    前記一般式(12)で表される化合物は、下記(i)及び(ii)の一方もしくは両方を満たす。
    (i)Ar11及びAr12の少なくとも1つが、シアノ基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、又はシアノ基で置換された環形成原子数5~50の複素環基である。
    (ii)X~X及びY~Yの少なくとも1つが、CRaであり、X~X及びY~YにおけるRaの少なくとも1つが、シアノ基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、又はシアノ基で置換された環形成原子数5~50の複素環基である。)
  16. 前記第一の化合物は、下記一般式(13)で表される化合物である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000258
    (前記一般式(13)において、
    13は、酸素原子、硫黄原子又はN-Rbで表わされる基であり、
    ~Z12は、それぞれ独立に、窒素原子又はC-Rcで表わされる基であり、
    Ar14及びAr15は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    14及びL15は、それぞれ独立に、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
    Rb及びRcは、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -C(=O)R908で表される基、
    -COOR909で表される基、
    -P(=O)(R910)(R911)で表される基、
    -Ge(R912)(R913)(R914)で表される基、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    Rcが複数存在する場合、複数のRcは、互いに同一であるか又は異なる。)
  17. 前記燐光発光性金属錯体は、重金属原子を含む、
    請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記燐光発光性金属錯体は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、銀(Au)、金(Au)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)及びツリウム(Tm)からなる群から選択される1種以上の金属原子を含む、
    請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記燐光発光性金属錯体は、下記一般式(21)で表される化合物である、
    請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    M(Ln1(Ln2 …(21)
    Figure 2024039531000259

    (前記一般式(21)、(211)、(212)、(213)において、
    Mは、第1遷移金属、第2遷移金属及び第3遷移金属からなる群から選択される遷移金属であり、
    は、前記一般式(211)で表される配位子、前記一般式(212)で表される配位子及び前記一般式(213)で表される配位子からなる群から選択される少なくとも1種の配位子であり、
    n1は、1、2又は3であり、
    は、一座配位子、二座配位子及び三座配位子からなる群から選択される少なくとも1種の配位子であり、
    n2は、0、1、2、3又は4であり、
    CY環、CY環、CY環及びCY環は、それぞれ独立して、環形成炭素数5~30の炭素環基及び環形成炭素数1~30のヘテロ環基からなる群から選択され、
    ~Yは、それぞれ独立に、
    単結合、
    二重結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基、
    *a-O-*b、
    *a-S-*b、
    *a-C(=O)-*b、
    *a-S(=O)-*b、
    *a-C(R)(R)-*b、
    *a-C(R)=C(R)-*b、
    *a-C(R)=*b、
    *a-Si(R)(R)-*b、
    *a-B(R)-*b、
    *a-N(R)-*b、及び
    *a-P(R)-*bからなる群から選択され、
    a1、a2及びa3は、それぞれ独立に、1、2又は3であり、
    a4は、0、1、2又は3であり、a4が0である場合、CY環及びCY環は、互いに連結されておらず、
    、T、T及びTは、それぞれ独立に、
    化学結合、
    *a-O-*b、
    *a-S-*b、
    *a-B(R)-*b、
    *a-N(R)-*b、
    *a-P(R)-*b、
    *a-C(R)(R)-*b、
    *a-Si(R)(R)-*b、
    *a-Ge(R)(R)-*b、
    *a-C(=O)-*b及び
    *a-C(=S)-*bからなる群から選択され、
    *a及び*bは、それぞれ独立に、隣接原子との結合位置であり、
    *1、*2、*3及び*4は、Mとの結合位置であり、
    ~Rは、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    アミジノ基、
    ヒドラジノ基、
    ヒドラゾノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、
    置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、
    置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、
    -Si(R251)(R252)(R253)で表される基、
    -O-(R254)で表される基、
    -S-(R255)で表される基、
    -N(R256)(R257)で表される基、
    -C(=O)R258で表される基、
    -C(=O)(OR259)で表される基、
    -S(=O)(OR260)で表される基、
    -O-P(=O)(OR261)(OR262)で表される基、
    -C(R263)(R264)(R265)で表される基、
    -B(R266)(R267)で表される基、
    -P(R268)(R269)で表される基、
    -S(=O)(R270)で表される基、
    -S(=O)(R271)で表される基、
    -P(=O)(R272)(R273)で表される基、及び
    -P(=S)(R274)(R275)で表される基のうちから選択され、
    ~Rのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    ~R、及びY~Yのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    b1、b2、b3及びb4は、それぞれ独立に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、
    251~R275は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    -O-(R276)で表される基、
    -N(R277)(R278)で表される基、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    アミジノ基、
    ヒドラジノ基、
    ヒドラゾノ基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルケニル基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数3~50のヘテロシクロアルケニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基で置換された環形成炭素数6~50のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、
    置換もしくは無置換の一価非芳香族縮合多環基、
    置換もしくは無置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、
    ビフェニリル基、及びターフェニリル基からなる群から選択され、
    276~R278は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
  20. 前記遅延蛍光性化合物の最低励起一重項エネルギーS(GT2)と、前記遅延蛍光性化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(GT2)との差ΔST(GT2)は、下記数式(数2)を満たす、
    請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    ΔST(GT2)=S(GT2)-T77K(GT2)<0.5eV …(数2)
  21. 前記遅延蛍光性化合物は、下記一般式(H1)で表される化合物である、
    請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000260

    (前記一般式(H1)において、
    は、下記一般式(a-1)、(a-2)、(a-3)、(a-4)、(a-5)、(a-6)、(a-7)及び(a-8)からなる群から選択される少なくとも1つの部分構造を有する基であり、
    は、下記一般式(221)、(222)又は(223)で表される基であり、
    は、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール環、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
    mは、1、2、3、4又は5であり、複数のAは、互いに同一であるか又は異なり、
    nは、1、2、3、4又は5であり、複数のDは、互いに同一であるか又は異なる。)
    Figure 2024039531000261

    (前記一般式(a-1)~(a-8)において、*は、それぞれ独立に、前記遅延蛍光性化合物の分子中の他の原子との結合位置を示す。)
    Figure 2024039531000262

    Figure 2024039531000263

    Figure 2024039531000264
    (前記一般式(221)におけるR21~R28のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(222)におけるR221~R228のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(223)におけるR231~R238のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(221)における置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR21~R28、前記一般式(222)における置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR221~R228、並びに前記一般式(223)における置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR231~R238は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R908で表される基、
    -COOR909で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    -P(=O)(R931)(R932)で表される基、
    -Ge(R933)(R934)(R935)で表される基、
    -B(R936)(R937)で表される基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    前記一般式(222)及び前記一般式(223)において、
    環A、環B及び環Cは、それぞれ独立に、下記一般式(224)及び一般式(225)で表される環構造からなる群から選択されるいずれかの環構造であり、
    環A、環B及び環Cは、隣接する環と任意の位置で縮合し、
    p、px及びpyは、それぞれ独立に、1、2、3又は4であり、
    pが2、3又は4の場合、複数の環Aは、互いに同一であるか又は異なり、
    pxが2、3又は4の場合、複数の環Bは、互いに同一であるか又は異なり、
    pyが2、3又は4の場合、複数の環Cは、互いに同一であるか又は異なり、
    前記一般式(221)~(223)中の*は、Lとの結合位置を示す。)
    Figure 2024039531000265

    (前記一般式(224)において、
    rは、0、2又は4であり、
    複数のR29からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    前記一般式(225)において、Xは、硫黄原子、酸素原子又はC(R291)(R292)であり、
    291及びR292からなる組が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
    互いに結合せず、
    置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR29、R291及びR292は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R908で表される基、
    -COOR909で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    -P(=O)(R931)(R932)で表される基、
    -Ge(R933)(R934)(R935)で表される基、
    -B(R936)(R937)で表される基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    複数のR29は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のR291は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のR292は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のXは、互いに同一であるか又は異なる。)
    (前記遅延蛍光性化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R908、R909、R931、R932、R933、R934、R935、R936及びR937は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
    902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
    903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
    904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
    905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
    906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
    907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
    908が複数存在する場合、複数のR908は、互いに同一であるか又は異なり、
    909が複数存在する場合、複数のR909は、互いに同一であるか又は異なり、
    931が複数存在する場合、複数のR931は、互いに同一であるか又は異なり、
    932が複数存在する場合、複数のR932は、互いに同一であるか又は異なり、
    933が複数存在する場合、複数のR933は、互いに同一であるか又は異なり、
    934が複数存在する場合、複数のR934は、互いに同一であるか又は異なり、
    935が複数存在する場合、複数のR935は、互いに同一であるか又は異なり、
    936が複数存在する場合、複数のR936は、互いに同一であるか又は異なり、
    937が複数存在する場合、複数のR937は、互いに同一であるか又は異なる。)
  22. 前記遅延蛍光性化合物は、下記一般式(H10)で表される化合物である、
    請求項21に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2024039531000266

    (前記一般式(H10)において、
    CNは、シアノ基であり、
    は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30の芳香族炭化水素環であり、
    11及びD12は、それぞれ独立に、前記一般式(221)、(222)又は(223)で表される基であり、
    mは、1、2、3、4又は5であり、
    nxは、0、1、2、3、4又は5であり、
    nyは、0、1、2、3、4又は5であり、
    nx+nyは、1、2、3、4又は5であり、
    11及びD12は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のD11は、互いに同一であるか又は異なり、
    複数のD12は、互いに同一であるか又は異なる。)
  23. 前記増感材料は、前記燐光発光性金属錯体である、
    請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  24. 前記燐光発光性金属錯体の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(GP2)と、前記蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーS(D)とが下記数式(数3)の関係を満たす、
    請求項23に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    77K(GP2)>S(D) …(数3)
  25. 前記増感材料は、前記遅延蛍光性化合物である、
    請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  26. 前記遅延蛍光性化合物の最低励起一重項エネルギーS(GT2)と、前記蛍光発光性材料の最低励起一重項エネルギーS(D)とが下記数式(数4)の関係を満たす、
    請求項25に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (GT2)>S(D) …(数4)
  27. 前記発光層は、互いに分子構造が異なる2種以上の前記第一の化合物を含有する、
    請求項1から請求項26のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  28. 前記ホスト材料と、前記増感材料と、前記蛍光発光性材料とが単一の層中に含有されている、
    請求項1から請求項27のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  29. 前記陽極と前記発光層との間に正孔輸送層が配置されている、
    請求項1から請求項28のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  30. 前記陰極と前記発光層との間に電子輸送層が配置されている、
    請求項1から請求項29のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  31. 請求項1から請求項30のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器。
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