JP2024039437A - 本体フレーム及びこれを備えた魚釣用両軸リール - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の連結部材の製法、形状、加工条件を揃えることで、フレーム本体への組付け後の左右フレーム間の距離、平行度及び同軸度といった精度を一部品分の工程の管理のみにより確保し、金型や製法の大部分を共通化することで、個々に特殊な形状とする場合と比して製造コストを大幅に低減され、また、連結部材毎に色や質に差が生まれにくく、安定した外観を低コストで実現できる魚釣用両軸リールを提供する。【解決手段】魚釣用両軸リール1は、釣糸を巻回するスプール2と、スプールが内部に配置される左右フレーム3a、3bと、左右フレームを連結するための3つ以上の連結部材5と、有するフレーム本体10と、を備え、連結部材のそれぞれの、左右フレームと接触する接触面の形状が同一である。【選択図】図1
Description
本発明は、本体フレーム及び魚釣用両軸リールに関する。
従来より、スプールの両端部を支持する左右のフレーム部を別体で構成したリールとして様々なものが知られている。左右のフレーム部を独立して製作できるので、ダイキャスト等の成形により左右のフレーム部を一体的に形成するものと比較して、簡便に、しかも、楽に製造できるという良好な面を有するものとなっている。
このようなリールとして、例えば、特許文献1では、スプール(8)を支承する左右のフレーム部(1),(2)を別体で構成すると共に、この左右のフレーム(1),(2)の対向する面同士を連結する連結体(3)を、その外面を前記フレーム部(1),(2)の外面の形状と一致、若しくは、略一致する形状に成形して成る両軸受リールが開示されている。
しかしながら、このような両軸リールでは、左右のフレーム部を独立して形成することができるものの、左右のフレーム部を連結する部材を複数個必要とする構造となっており、該フレーム部や連結する部材の各形状を固定位置に応じた特殊な形状が必要となり、製法や加工条件が大きく異なることから、全てを精度よく製作すること自体に多大なる加工コストが掛かると共に、製法等の相違により外観の質や色にも影響があり、こうした管理にも追加のコストを要するという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の連結部材の製法、形状、加工条件を揃えることで、フレーム本体への組付け後の左右フレーム間の距離、平行度及び同軸度といった精度を一部品分の工程の管理のみにより確保し、金型や製法の大部分を共通化することで、個々に特殊な形状とする場合と比して製造コストを大幅に低減され、また、連結部材毎に色や質に差が生まれにくく、安定した外観を低コストで実現できる本体フレーム及びこれを備えた魚釣用両軸リールを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
本発明の一実施形態に係る魚釣用両軸リールは、釣糸を巻回するスプールと、
該スプールが内部に配置される左右フレームと、該左右フレームを連結するための3つ以上の連結部材と、有するフレーム本体と、を備え、前記連結部材のそれぞれの、前記左右フレームと接触する接触面の形状が同一である。
該スプールが内部に配置される左右フレームと、該左右フレームを連結するための3つ以上の連結部材と、有するフレーム本体と、を備え、前記連結部材のそれぞれの、前記左右フレームと接触する接触面の形状が同一である。
本発明の一実施形態に係る魚釣用両軸リールにおいて、前記左右フレームと該連結部材との接触領域の外部への露出を防止するため、前記連結部は、前記左右フレームの前記接触面を覆う縁部を備える。
本発明の一実施形態に係る本体フレームは、釣糸を巻回するスプールが内部に配置される左右フレームと、該左右フレームを連結するための3つ以上の連結部材と、有する魚釣用両軸リールに用いられるフレーム本体であって、前記連結部材のそれぞれの、前記左右フレームと接触する接触面の形状が同一である。
上記実施形態によれば、複数の連結部材の製法、形状、加工条件を揃えることで、フレーム本体への組付け後の左右フレーム間の距離、平行度及び同軸度といった精度を一部品分の工程の管理のみにより確保可能となり、金型や製法の大部分を共通化することができるため、個々に特殊な形状とする場合と比して製造コストを大幅に低減され、また、連結部材の対部分の外観は共通型の素材面となるため、連結部材毎に色や質に差が生まれにくく、安定した外観を低コストで実現できる本体フレーム及びこれを備えた魚釣用両軸リールを提供することが可能となる。
以下、本発明に係る魚釣用両軸リールの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用両軸リール1の基本構成について説明する。図示のように、魚釣用両軸リール1は、スプール2に釣糸を巻き取り、スプール2から釣糸が放出可能な状態と不能な状態とを切り替え、釣糸に設定値以上の張力をかけるとスプール2が空転する(ドラグ機能)ようにし、また、閾値張力を設定し、キャスト(投擲)時のバックラッシュを防止するための制動力を調整することができる。
同図1に示すように、魚釣用両軸リール1は、左右に離間して配置される左右フレーム3a,3bと、左右フレーム3a,3bを覆う側板4a,4bと、左右フレーム3a,3b間を連結する複数の連結部材(図示の例では、4つの連結部材)5と、を有するリール本体(フレーム本体又は本体フレーム構造)10を備えている。
なお、左右フレーム3a,3bの外側には、セットプレート(図示しない)が隣接して配置され、その外側に後述するビス(ネジ)等を介して側板4a,4bが取付けられている。ここで、本明細書において、リール本体(フレーム本体)10という場合、上述の左右フレーム3a,3bと複数の連結部材5を含む態様、上述の左右フレーム3a,3bと複数の連結部材5と側板4a,4bを含む態様、上述の左右フレーム3a,3bと複数の連結部材5と側板4a,4bとセットプレート(図示しない)を含む態様のいずれの態様も含まれるものとする。左右フレーム3a,3b間には、スプール2が設けられる。右側のフレーム3bと右側の側板4bとには、ハンドル軸8が回転自在に支持されており、その端部に操作部9(ハンドル9)が取着されている。
左右フレーム3a,3bは、リール本体(フレーム本体)10の骨格をなす部分であり、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材で形成されているがこれらに限られない。また、左右フレーム3a,3bの前部側には、前フレーム(図示しない)が設けられる。前フレーム(図示しない)は、筒状であり、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材で形成されているがこれらに限定されるものではない。
また、スプール軸のセットプレート(図示しない)から突出する端部には、ピニオン(図示しない)がスプール軸と係合または非係合位置に移動可能(軸方向に移動可能)に配されており、クラッチ機構(図示しない)を介して軸方向に移動され、駆動力の伝達の継脱がなされる。ピニオン(図示しない)には、ハンドル軸8に取り付けられた駆動歯車12が噛合しており、クラッチON状態でハンドル軸8に取り付けられたハンドル9を回転操作することによって、回転駆動力が駆動歯車12及びピニオンを介して伝達され、スプール2が回転駆動される。
次に、図1、2、3を参照して、魚釣用両軸リール1の左右フレーム3a,3bの構造について更に説明する。左右フレーム3a,3b(右フレーム3b)は、スプール2が挿脱可能となるように開口部(図示しない)が形成されており、右フレーム3bは、全体として円形で輪帯形状を成している(この場合、反対側の左フレーム3aも同一形状としても構わない)。
左右フレーム3a,3bを連結する複数の連結部材5(図示の例では4つの連結部材5)は、その端面(左右フレーム3a,3bとの接触面)の寸法が、例えば、輪帯形状を成す右フレーム3bの輪帯幅に合わせて選択されている。このようにして、連結部材5を左右フレーム3a,3bに連結した際、接触部(接触部分)の支持面積が大きくなってフレーム構造が強化される。
連結部材5を左右フレーム3a,3bとの連結は、例えば、以下のような構成により行われる。左右フレーム3a,3bには、連結部材5の端部を嵌合可能な凹部13が設けられ、当該凹部13に連結部材5の端部を嵌合することにより連結する。また、連結部材5と左右フレーム3a,3bとの位置合わせをより正確に行うため、連結部材5の端面(左右フレーム3a,3bとの接触面)5aに位置決め部材(位置決めピン)14を設け、左右フレーム3a,3bに該位置決め部材14を収容可能な孔15を設けることができる。
そして、連結部材5には、その端面5aに雌ネジ部16が形成されており、この部分に、左右フレーム3a,3bに外側板5a,5b及びセットプレート(図示しない)を装着するビス(ネジ)の雄ネジ部17が螺合されるようにして、連結部材5と左右フレーム3a,3bとが連結される。なお、この連結部材5の左右フレーム3a,3bへの取り付けは、上記のような螺合であってもよいし、カシメを用いてもよい。
また、連結部材5と左右フレーム3a,3bとは一体成形される構成ではないため、高強度及び外観の良好な材料の選択が可能となる。具体的には、連結部材5及び左右フレーム3a,3bの材料は、対象魚、釣法による設計仕様、形態の大小、価格等によって、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅合金、チタン合金等が選択され、これらの物性に応じ、アルマイト処理やメッキ(Ni,Cr)処理を行ったり、あるいは、窒化物(TiN等)、炭化物(SiC等)、酸化物(Al2 O3 等)等のセラミック材料をコーティングしたりして、表面処理を適宜行うことが可能となる。このように、材料の選択の余地が広がるため、十分な強度もったリール本体(フレーム本体)10を安価に製作可能となる。
図2ないし5、及び再度図1を参照して、本発明の一実施形態に係る本体フレーム及びこれを備える魚釣用両軸リールについて更に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る本体フレームの斜視図を示す。図3は、本発明の一実施形態に係る本体フレームの構成部材の分解斜視図を示す。図4は、本発明の一実施形態に係る本体フレームの断面図を示す。図5は、本発明の一実施形態に係る本体フレームの連結部材を示す図である。
図示のように、本発明の一実施形態に係る本体フレーム10は、釣糸を巻回するスプール(図示しない)が内部に配置される左右フレーム3a,3bと、該左右フレーム3a,3bを連結するための3つ以上の連結部材5(図示の例では、4つの連結部材5)と、有する魚釣用両軸リール1に用いられるフレーム本体10であって、当該連結部材5のそれぞれの、前記左右フレームと接触する端面(接触面)5aの形状が同一に形成される(3つ以上の連結部材5は、同一の形状の端面(接触面)5aを備えるように構成される)。ここで、「形状が同一」とは、接触面を形成する外側輪郭の幾何形状とその所寸法が同一であることを言うものとする。ここで、「形状が同一」とは、上記の他、製造上の寸法公差等の範囲の誤差を伴う場合をも含むものとする(本明細書を通じて同様とする)。
このようにして、複数の連結部材の製法、形状、加工条件を揃えることで、フレーム本体への組付け後の左右フレーム間の距離、平行度及び同軸度といった精度を一部品分の工程の管理のみにより確保可能となり、金型や製法の大部分を共通化することができるため、個々に特殊な形状とする場合と比して製造コストを大幅に低減され、また、連結部材の対部分の外観は共通型の素材面となるため、連結部材毎に色や質に差が生まれにくく、安定した外観を低コストで実現できる本体フレームを提供することが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る魚釣用両軸リール1は、釣糸を巻回するスプール2と、該スプール2が内部に配置される左右フレーム3a,3bと該左右フレーム3a,3bを連結するための3つ以上の連結部材5と有するフレーム本体10と、を備え、当該連結部材5のそれぞれの、当該左右フレーム3a,3bと接触する接触面の形状が同一である(3つ以上の連結部材5は、同一の形状の端面(接触面)5aを備えるように構成される)。ここで、既述の通り、「形状が同一」とは、接触面を形成する外側輪郭の幾何形状とその所寸法が同一であることを言うものとする。
このようにして、複数の連結部材の製法、形状、加工条件を揃えることで、フレーム本体への組付け後の左右フレーム間の距離、平行度及び同軸度といった精度を一部品分の工程の管理のみにより確保可能となり、金型や製法の大部分を共通化することができるため、個々に特殊な形状とする場合と比して製造コストを大幅に低減され、また、連結部材の対部分の外観は共通型の素材面となるため、連結部材毎に色や質に差が生まれにくく、安定した外観を低コストで実現できる魚釣用両軸リールを提供することが可能となる。
また、本発明の一実施形態に係る魚釣用両軸リール1において、当該左右フレーム3a,3bと当該連結部材5との接触領域の外部への露出を防止するため、当該連結部5は、当該左右フレーム3a,3bの端面(接触面)5aを覆う縁部17を備える。なお、縁部17は、前述の連結部材5の端部を接続可能な凹部13の開口側端部領域を画定するものとして形成されている。このようにして、連結部材の接合部分の機械加工後のエッジの露出を防止し、ユーザーがリールを持った際にもエッジに触れずに済むため、けがの防止が可能となる。
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
1 魚釣用両軸リール(魚釣用両軸リール)
2 スプール
3a,3b 左右フレーム
4a,4b 側板
5 連結部材
5a 端面(接触面)
8 ハンドル軸
10 リール本体(フレーム本体)
12 駆動歯車
13 凹部
14 位置決め部材(位置決めピン)
15 孔
16 雌ネジ部
17 縁部
18 外面
2 スプール
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12 駆動歯車
13 凹部
14 位置決め部材(位置決めピン)
15 孔
16 雌ネジ部
17 縁部
18 外面
また、本発明の一実施形態に係る魚釣用両軸リール1において、当該左右フレーム3a,3bと当該連結部材5との接触領域の外部への露出を防止するため、当該連結部材5は、当該左右フレーム3a,3bの端面(接触面)5aを覆う縁部17を備える。なお、縁部17は、前述の連結部材5の端部を接続可能な凹部13の開口側端部領域を画定するものとして形成されている。このようにして、連結部材の接合部分の機械加工後のエッジの露出を防止し、ユーザーがリールを持った際にもエッジに触れずに済むため、けがの防止が可能となる。
Claims (3)
- 釣糸を巻回するスプールと、
該スプールが内部に配置される左右フレームと、該左右フレームを連結するための3つ以上の連結部材と、有するフレーム本体と、
を備える魚釣用両軸リールであって、
前記連結部材のそれぞれの、前記左右フレームと接触する接触面の形状が同一であることを特徴とする魚釣用両軸リール。 - 前記左右フレームと該連結部材との接触領域の外部への露出を防止するため、前記連結部は、前記左右フレームの前記接触面を覆う縁部を備える、請求項1に記載の魚釣用両軸リール。
- 釣糸を巻回するスプールが内部に配置される左右フレームと、該左右フレームを連結するための3つ以上の連結部材と、有する魚釣用両軸リールに用いられるフレーム本体であって、
前記連結部材のそれぞれの、前記左右フレームと接触する接触面の形状が同一であることを特徴とするフレーム本体。
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