JP2024039252A - 多層パイプ - Google Patents

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芳昭 山林
Yoshiaki Yamabayashi
毅 久家
Tsuyoshi Kuge
浩一 上野
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Abstract

【課題】耐候性が十分に高められたガスバリア性多層パイプを提供する。【解決手段】内層及び外層と、該内層及び外層の間に設けられたガスバリア性の中間層とを有し、これらの層間が接着層で接合されてなる5層以上の多層パイプであって、該内層及び外層は、架橋ポリエチレン又はポリエチレンを含み、該外層は、更に耐候性材料と黒色着色剤を含み、該中間層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、及びブテンジオール-ビニルアルコール共重合体から選ばれる1種又は2種以上を含み、該接着層は、オレフィン系接着性樹脂を含むことを特徴とする多層パイプ。【選択図】図1

Description

本発明は多層パイプに係り、詳しくは、耐候性が改善されたガスバリア性多層パイプに関する。
旧来、液体やガスの輸送には金属管が広く用いられてきたが、金属管は固く曲げにくいため加工や施工が困難である。さらには、負圧や外力により管が潰れたり、地震などの災害により壊れたりすることがある。
これに対して、樹脂管は、加工や施工が容易であり、負圧や外力により一時的に管が潰れた場合でも、内圧によるクリープ現象が生じることで、管が膨らみ使用することができ、また、地震などの災害においても、管が伸びて形を変えることができるため壊れにくいという利点がある。
このような樹脂パイプのうち、例えば水素ガスや酸素ガスなどのガスの輸送に用いるものはガスバリア性に優れていることが必要とされる。
樹脂パイプのガスバリア性を高める技術として、外層と内層の間に、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)よりなるガスバリア性の中間層を介在させた多層パイプが提案されている(特許文献1,2)。
特開2006-289964号公報 特開2020-121444号公報
従来のガスバリア性多層パイプは、例えば、床下温水暖房用の配管設備等に用いられ、屋外などで直接日光の当たる環境下での耐候性についての十分な検討がなされていなかった。
しかしながら、多層パイプの用途において、一般的には数十年単位の耐久性が要求されていることから、耐候性は重要な特性である。
本発明は、耐候性が十分に高められたガスバリア性多層パイプを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、多層パイプを構成する外層に、耐候性材料と黒色着色剤とを含有させることで、耐候性を大きく向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 内層及び外層と、該内層及び外層の間に設けられたガスバリア性の中間層とを有し、これらの層間が接着層で接合されてなる5層以上の多層パイプであって、
該内層及び外層は、架橋ポリエチレン又はポリエチレンを含み、
該外層は、更に耐候性材料と黒色着色剤を含み、
該中間層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、及びブテンジオール-ビニルアルコール共重合体から選ばれる1種又は2種以上を含み、
該接着層は、オレフィン系接着性樹脂を含むことを特徴とする多層パイプ。
[2] 前記耐候性材料が、ヒンダードアミン系光安定剤、フェノール系酸化防止剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、及びベンゾエート系紫外線吸収剤から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする[1]に記載の多層パイプ。
[3] 前記多層パイプに含まれる各層は、隣接する層と色相が異なり、隣接する層とのY*x*y*色差において、下記式(1)で表されるΔYが20を超え、下記式(2)~(4)で表されるΔxyが0.1を超え、隣接する層が吸収する光とは異なる波長の光を吸収することを特徴とする[1]又は[2]に記載の多層パイプ。
ΔY=Yn-Ym(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
式(1)
Δx=xn-xm(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
式(2)
Δy=yn-ym(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
式(3)
Δxy=|Δx|+|Δy| 式(4)
本発明によれば、耐候性に著しく優れたガスバリア性多層パイプが提供される。
本発明の多層パイプの実施の形態の一例を示す横断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態によって何ら限定されるものではない。
本発明の多層パイプは、内層及び外層と、該内層及び外層の間に設けられたガスバリア性の中間層とを有し、これらの層間が接着層で接合されてなる5層以上の多層パイプであって、該内層及び外層は、架橋ポリエチレン又はポリエチレンを含み、該外層は、更に耐候性材料と黒色着色剤を含み、該中間層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVOH)、及びブテンジオール-ビニルアルコール共重合体(BVOH)から選ばれる1種又は2種以上を含み、該接着層は、オレフィン系接着性樹脂を含むことを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態の一例を示す横断面図である。
本発明の多層パイプは、図1に示すように、内側から内層1、接着層4A、中間層2、接着層4B及び外層3の少なくとも5層が積層された多層パイプ10である。
以下においては、図1に示すような5層積層構造の多層パイプを例示して本発明の多層パイプを説明するが、本発明の多層パイプは、何ら図1のような5層積層構造のものに限定されず、図示した層以外の層を有する6層又は7層以上の積層構造の多層パイプであってもよい。
[内層]
本発明の多層パイプの内層は、架橋ポリエチレン又はポリエチレン(以下、これらを「(架橋)ポリエチレン」と総称する。)を含む。
内層を構成する(架橋)ポリエチレンには特に制限はなく、従来のガスバリア性多層パイプの内層に用いられる(架橋)ポリエチレンをいずれも好適に採用することができる。
架橋ポリエチレンとしては、シラン架橋ポリエチレン、放射線架橋ポリエチレン、化学架橋ポリエチレン等が挙げられるが、シラン架橋ポリエチレンが特に好ましい。シラン架橋ポリエチレンは、蒸気槽またはパイプ内部に温水を通水させて架橋することができ、生産性に優れる。これに対して、放射線架橋ポリエチレンでは放射線を照射するための高額な設備が必要であり、また、化学架橋ポリエチレンでも、架橋のために加熱・加圧槽が必要で設備が高額となる。シラン架橋ポリエチレンは多層パイプをすべて成形し終わった後、温水を通すなどして架橋を行うことができ架橋工程に融通性がある。
架橋ポリエチレンとしては架橋前のポリエチレンの密度が0.930~0.950g/cmのものが好ましい。密度が0.930g/cm未満であるとクリープ試験の耐圧力が低くなる。一方、密度が0.950g/cmを超えると押出成形性に劣り多層パイプの外観が低下する。
また、内層を構成するポリエチレンとしては、エチレンと炭素数が4以上8以下のα-オレフィンとの共重合体である低密度ポリエチレン(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。
内層は、これらの(架橋)ポリエチレンの1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
内層は、その総量の5質量%以下の範囲でポリマー加工助剤等の(架橋)ポリエチレン以外の樹脂の1種又は2種以上や各種の添加剤を含んでいてもよい。
内層の厚さには特に制限はないが、使用用途での耐圧性、耐久性の観点から400μm以上、特に600μm以上であることが好ましく、施工性、コストの観点から、2000μm以下、特に1600μm以下であることが好ましい。
[中間層]
本発明の多層パイプの中間層は、EVOH、PVOH、及びBVOHから選ばれる1種又は2種以上を含む。
EVOHにおけるエチレン単位含有率は、25モル%以上が好ましく、32モル%以上がより好ましく、また47モル%以下が好ましく、44モル%以下がより好ましい。また、EVOHのケン化度は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
EVOHとして、エチレン単位含有率及びケン化度が上記範囲のグレードのものを選択することにより、ガスバリア性及び機械的強度などを良好なものとすることができる。
EVOHとしては市販品を用いることができ、例えば、三菱ケミカル社製のソアノール(登録商標)やクラレ社製のエバール(登録商標)などが挙げられる。
PVOHは、通常、酢酸ビニルの重合体をケン化することで得ることができ、そのケン化度は80%以上、特に90%以上、とりわけ95%以上であることが好ましく、98%以上であることが最も好ましい。
PVOHの平均重合度は、通常200~3500であり、ガスバリア性、機械的強度等の点で、300~2000であることが好ましく、500~1500であることがより好ましい。
PVOHについても市販品を用いることができ、例えば、三菱ケミカル社製「ゴーセノール」、クラレ社製「エクセバール」等が挙げられる。
BVOHのケン化度は95%以上、特に98%以上であることが好ましい。
BVOHについても市販品を用いることができ、例えば、三菱ケミカル社製「ニチゴーGポリマー」等が挙げられる。
これらのEVOH、PVOH、BVOHは1種のみを用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
中間層は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のEVOH、PVOH及びBVOH以外の樹脂や各種の添加剤を含んでいてもよいが、EVOH、PVOH及びBVOHの1種又は2種以上を用いることによるガスバリア性や機械的強度等の観点から、中間層の総量の90質量%以上、特に95~100質量%はEVOH、PVOH、及びBVOHから選ばれる1種又は2種以上よりなることが好ましい。
中間層の厚さには特に制限はないが、ガスバリア性の観点から20μm以上、特に60μm以上であることが好ましく、施工性、コストの観点から、200μm以下、特に180μmであることが好ましい。
[外層]
外層は、(架橋)ポリエチレンと耐候性材料と黒色着色剤とを含む。
外層を構成する(架橋)ポリエチレンとしては、内層を構成する(架橋)ポリエチレンと同様のものが挙げられるが、外層を構成する(架橋)ポリエチレンと内層を構成する(架橋)ポリエチレンは同一である必要はなく、異なるものであってもよい。
外層についても、内層と同様に、(架橋)ポリエチレンの1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
また、外層は、その総量の30質量%以下の範囲で、ポリマー加工助剤、増量剤等の(架橋)ポリエチレン以外の樹脂の1種又は2種以上や耐候性材料と黒色着色剤以外の各種の添加剤を含んでいてもよい。
外層に含まれる耐候性材料としては、ヒンダードアミン系光安定剤、フェノール系酸化防止剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
これらの耐候性材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
外層における耐候性材料の含有量は、優れた耐候性を得る観点から、外層を構成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上、特に1質量部以上であることが好ましく、強度等の製品物性の観点から5質量部以下、特に4質量部以下であることが好ましい。
外層に含まれる黒色着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、アニリンブラック、シアニンブラック、ペリレンブラック、酸化鉄系黒色顔料、ニグロシン系黒色染料等が挙げられる。これらの黒色着色剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、耐候性の改善効果に優れるカーボンブラック、チタンブラックが好ましく、カーボンブラックがより好ましい。
外層における黒色着色剤の含有量は、高い遮光性で優れた耐候性を得る観点から、外層を構成する樹脂100質量部に対して0.5質量部以上、特に1質量部以上であることが好ましく、製造時の成形性の観点から5質量部以下、特に3.5質量部以下であることが好ましい。
本発明においては、外層が耐候性材料と黒色着色剤を共に含有することで、黒色着色剤が紫外線を吸収し樹脂の分子結合の開裂を抑制し、耐候性材料が紫外線により発生するラジカルと反応することで無害化し、分子開裂を抑制する効果を有し、これらの優れた相乗効果で、著しく優れた耐候性を得ることができる。
これに対して、耐候性材料のみを用い、黒色着色剤を用いなかった場合には、紫外線の吸収効果が少なくなり高価な耐候性材料を増やす必要があり、一方、黒色着色剤のみを用い、耐候性材料を用いなかった場合には、ラジカルによる劣化を抑制する効果がなくなり、いずれも両者を併用した場合のような顕著かつ効果的な耐候性の向上効果を得ることはできない。
外層の厚さには特に制限はないが、耐候性の観点から100μm以上、特に200μm以上であることが好ましく、施工性、コストの観点から1000μm以下、特に600μm以下であることが好ましい。
[接着層]
本発明の多層パイプの接着層は、オレフィン系接着性樹脂を含む。オレフィン系接着性樹脂は、外層及び内層を構成する(架橋)ポリエチレンに対しても、中間層を構成するEVOH、PVOH、及びBVOHから選ばれる1種又は2種以上の材料に対しても接着性が高く、多層パイプの接着層構成樹脂として好適である。
接着層は、オレフィン系接着性樹脂以外の樹脂や各種添加剤を含むものであってもよいが、外層又は内層と中間層との接着強度を十分に得る観点から、接着層の総量の95質量%以上、特に98~100質量%はオレフィン系接着性樹脂であることが好ましい。
オレフィン系接着性樹脂としては、市販品を用いることができる。オレフィン系接着性樹脂の市販品としては、例えば、三菱ケミカル社製のモディック(登録商標)や三井化学社製のアドマー(登録商標)などが挙げられる。
接着層の厚さには特に制限はないが、薄過ぎても厚過ぎても接着性が低下する傾向があることから、10μm以上、特に20μm以上で、200μm以下、特に150μm以下であることが好ましい。
なお、内層1と中間層2との間の接着層4Aと、中間層2と外層3との間の接着層4Bとは、同一の樹脂組成であるものに限定されず、異なる樹脂組成であってもよい。
また、厚さについても、接着層4Aと接着層4Bとは同じ厚さであっても異なる厚さであってもよい。
[色差ΔE]
本発明の多層パイプは、多層パイプを構成する各層が、隣接する層と色相が異なり、隣接する層とのY*x*y*色差において、下記式(1)で表されるΔYが20を超え、下記式(2)~(4)で表されるΔxyが0.1を超え、隣接する層が吸収する光とは異なる波長の光を吸収することにより、多層パイプに当たった光を十分に吸収し、多層パイプ内部にまで到達することを防止することで、優れた耐候性を得ることができ、好ましい。
ΔY=Yn-Ym(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
式(1)
Δx=xn-xm(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
式(2)
Δy=yn-ym(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
式(3)
Δxy=|Δx|+|Δy| 式(4)
なお、ここでΔY、Δxyは、後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
前述の通り、外層3は黒色着色剤を含むことで、黒色を呈することから、外層3に隣接する接着層4Bは、例えば、赤色、黄色、橙色を呈することが好ましい。
また、この接着層4Bに隣接する中間層2は、例えば、白色、青色、緑色を呈することが好ましい。
この中間層2に隣接する接着層4Aは、例えば、赤色、黄色、橙色を呈することが好ましく、接着層4Aに隣接する内層1は、例えば、白色、色、黄色を呈することが好ましい。
なお、隣接する層同士の間のΔEは、12より大きければよく、その上限については特に制限はないが、通常200以下である。
本発明においては、隣接する層同士の間のΔEを大きくするために、接着層や中間層、内層について顔料、染料等の着色材を適量配合してもよい。
[多層パイプの製造方法]
本発明の多層パイプは、例えば、(架橋)ポリエチレンからなる単層パイプの外周面上にオレフィン系接着性樹脂とEVOH、PVOH、及びBVOHから選ばれる1種又は2種以上を共押出コーティングし、更にその上にオレフィン系接着性樹脂と(架橋)ポリエチレンを共押出成形することにより製造することができる。
また、本発明の多層パイプは、各層の成形材料の種類に対応する数(層の数)の押出機を用いて、押出機内で溶融された層成形材料の流れを重ねあわせた層状態で同時押出成形する、いわゆる共押出成形により製造することもできる。
また、ドライラミネーション等の多層成形方法も採用することができる。
なお、内層及び/又は外層にシラン架橋ポリエチレンを用いる場合は、成形後、常法に従って、水雰囲気中に曝して架橋反応を進行させる。
上記の方法にて得られた多層パイプを二次加工することにより、各種成形体を得ることもできる。二次加工法としては、特に限定するものではなく公知の二次加工法を適宜用いることができる。例えば、多層パイプを80~160℃に加熱した後、所望の形に変形させた状態で、1分~2時間固定することにより加工する方法等が挙げられる。
本発明の多層パイプは、ガスバリア性の中間層を有するガスバリア性多層パイプであって、外層に耐候性材料と黒色着色剤を含むことから、著しく優れた耐候性を有し、屋外で使用されるガスバリア性多層パイプとしても長期間使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[使用材料]
以下の実施例及び比較例において、多層パイプの製造に用いた材料は以下の通りである。
外層用樹脂:架橋ポリエチレン(LDPE)(密度:0.930g/cm
中間層用樹脂:EVOH(高バリア性グレード)(密度:1.21g/cm
内層用樹脂:架橋ポリエチレン(LDPE)(密度:0.930g/cm
接着層用樹脂:オレフィン系接着性樹脂(PEベース樹脂)(密度:0.920g/cm
耐候性材料:ヒンダードアミン系光安定剤入りマスターバッチ(ヒンダードアミン配合LDPE)(ヒンダードアミン含有率:3質量%)
黒色着色剤:カーボンブラック入りマスターバッチ(カーボンブラック配合LDPE)(カーボンブラック含有率:40質量%)
[実施例1]
外層用ポリエチレン100質量部に、耐候性材料のヒンダードアミン系光安定剤入りマスターバッチ4質量部と、黒色着色剤のカーボンブラック入りマスターバッチ3.5質量部を混練してポリエチレン組成物を得た。このポリエチレン組成物を外層用材料として用い、内側から、内層用架橋ポリエチレン/オレフィン系接着性樹脂/EVOH/オレフィン系接着性樹脂/外層用ポリエチレン組成物の構成で5層共押出成形を行って、本発明の多層パイプを得た。
各層の厚さは、以下の通りである。
内層:850μm
接着層:60μm
中間層:100μm
接着層:40μm
外層:340μm
得られた多層パイプについて、以下の耐候性の評価を行い、結果を表1に示した。
<耐候性の評価>
多層パイプを24か月間屋外の太陽光照射下に放置した後、東洋精機製試料打抜器にてダンベル試験片を作製し島津製作所製引張試験機AGS-Jにて、引張試験を実施し、下記基準で評価した。
○:引張試験時のダンベル片の伸び率が50%以上であり、耐候性に優れる。
×:引張試験時のダンベル片の伸び率が50%未満であり、耐候性に著しく劣る。
また、多層パイプを構成する各層の色相を、目視による評価と以下のY*x*y*色差評価で調べたところ、下記表1の通りであった。
なお、色相の評価は、多層パイプの各層まで研磨し、各層を露出させた状態の評価サンプルに対して行った。
(Y*x*y*色差評価)
隣接する2層についてY*x*y*色差の評価を行った。具体的には、XYZ表色系(Yxy表色系)で表される標準表色系に従い、コニカミノルタ製色彩色差計CS-100を用いて、隣接する2層についてY*x*y*色差値を測定した。このとき、光源はC/D65で、背面を白色とし、反射法にて測定を行った。測定回数は3回行い、平均値を採用した。その後、ΔY*(第1の層のY*値-第1の層と隣接する層のY*値の絶対値)、Δx*(第1の層のx*値-第1の層と隣接する層のx*値の絶対値)、Δy*(第1の層のy*値-第1の層と隣接する層のy*値の絶対値)をそれぞれ求め、色差ΔY及びΔxyを評価した。
なお、色差Δxyについては、下記式より求めた。
Δxy=|Δx|+|Δy|
[比較例1]
白色の架橋ポリエチレン単層管の外部、中間部、内部について、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2024039252000002
表1より、本発明の多層パイプは、耐候性に優れたガスバリア性多層パイプであることが分かる。
これに対し、白色の架橋ポリエチレン単層管の比較例1は、耐候性が劣る。
1 内層
2 中間層
3 外層
4A,4B 接着層
10 多層パイプ

Claims (3)

  1. 内層及び外層と、該内層及び外層の間に設けられたガスバリア性の中間層とを有し、これらの層間が接着層で接合されてなる5層以上の多層パイプであって、
    該内層及び外層は、架橋ポリエチレン又はポリエチレンを含み、
    該外層は、更に耐候性材料と黒色着色剤を含み、
    該中間層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、及びブテンジオール-ビニルアルコール共重合体から選ばれる1種又は2種以上を含み、
    該接着層は、オレフィン系接着性樹脂を含むことを特徴とする多層パイプ。
  2. 前記耐候性材料が、ヒンダードアミン系光安定剤、フェノール系酸化防止剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、及びベンゾエート系紫外線吸収剤から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の多層パイプ。
  3. 前記多層パイプに含まれる各層は、隣接する層と色相が異なり、隣接する層とのY*x*y*色差において、下記式(1)で表されるΔYが20を超え、下記式(2)~(4)で表されるΔxyが0.1を超え、隣接する層が吸収する光とは異なる波長の光を吸収することを特徴とする請求項1又は2に記載の多層パイプ。
    ΔY=Yn-Ym(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
    式(1)
    Δx=xn-xm(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
    式(2)
    Δy=yn-ym(n:多層パイプのいずれかの層、m:nに対して隣接する層)
    式(3)
    Δxy=|Δx|+|Δy| 式(4)
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