JP2024039006A - 流路部材及び流路部材製造用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】保水性及び/又は冷却効率に優れた流路部材と、当該流路部材を製造するために用いられる流路部材製造用基板と、ガスケットの密着性が高く、流体の漏洩を防止可能な流路部材を提供する。【解決手段】流路部材は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部とを備え、前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に粗面が形成されており、前記粗面の算術平均表面粗さRaが、0.1μm~0.5μmの範囲である。【選択図】図1

Description

本開示は、流路部材及び流路部材製造用基板に関する。
電気自動車、家庭用の小型発電システム等において固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell,PEFC)が用いられている。固体高分子型燃料電池は、膜電極複合体(Membrane-Electrode Assembly,MEA)及びセパレータを有する燃料電池セルを複数個積層したスタック構造を有する。膜電極複合体は、一般に、固体高分子電解質膜の両面に触媒層及びガス拡散層(Gass Diffusion Layer,GDL)をこの順で積層した構成を有する。セパレータは、ガス拡散層に接面して設けられており、反応ガス(アノード側セパレータにおいては水素等の燃料ガス、カソード側セパレータにおいては空気(又は酸素)等の酸化剤ガス)をガス拡散層に供給するとともに、集電を行うためのものであり、凹凸形状のガス流路を有する。セパレータの微細な凹凸形状は、一般に、微細凹凸成形金型を用いた金属薄板のプレス加工により形成される(特許文献1参照)。セパレータには、反応ガスの流路であるガス流路の他、冷媒流路や、反応ガスや冷媒等の流体を供給するための供給マニホールド孔、当該流体を排出するための排出マニホールド孔が形成されていることから、ガス流路、冷媒流路、供給マニホールド孔及び排出マニホールド孔の周囲には、流体の漏洩を防止するためのガスケットが設けられる。
特開2008-282728号公報 特開2018-73491号公報
固体高分子型燃料電池における発電効率は、固体高分子電解質膜における水分量に影響を受ける。固体高分子電解質膜が乾燥しているとイオン導電性が低下し、発電効率が損なわれてしまう。一方で、固体高分子型燃料電池における生成水が排出されないと、セパレータ流路を介して反応ガスの供給が滞り、発電効率が損なわれてしまう。そのため、生成水をセパレータの流路を介して十分に排出可能であり、かつ固体高分子電解質膜の乾燥に備えて保水可能なセパレータの提案が求められている。
固体高分子型燃料電池において、アノード側では、水素を水素イオン及び電子にする反応が行われる。水素イオンは固体高分子電解質膜中をカソード側に移動し、カソード側では酸素と水素イオン及び電子から水を生成する反応が行われる。ジュール熱や、カソードでの水生成反応による反応熱により、燃料電池が一定の温度範囲を超えて作動することを抑制するために、セパレータに冷媒(通常は冷却水)が流れる冷媒流路を形成し、当該冷媒により燃料電池を冷却している。固体高分子型燃料電池において、冷媒による冷却効率をより向上させることが求められている。
上記ガスケットのセパレータに対する密着性が低いと、反応ガスや冷媒等の流体が漏洩してしまうという問題が生じる。特に、固体高分子型燃料電池において、その運転中には運転及び停止が頻繁に繰り返されることがあり、化学反応により生じる熱によってガスケットの収縮膨張が頻繁に起こり得るため、ガスケットの密着性を効果的に向上させ得る技術に対する要望が高まっている。
上記課題に鑑み、本開示は、保水性及び/又は冷却効率に優れた流路部材、並びに当該流路部材を製造するために用いられる流路部材製造用基板を提供することを目的とする。また、本開示は、ガスケットの密着性が高く、流体の漏洩を防止可能な流路部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の一実施形態として、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部とを備え、前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に粗面が形成されており、前記粗面の算術平均表面粗さRaが、0.1μm~0.5μmの範囲である流路部材が提供される。
本開示の一実施形態として、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部とを備え、前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に、前記金属基材の厚さ方向に貫通する貫通孔部が形成されており、前記金属基材の前記第1面側における前記貫通孔部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/2以上である流路部材が提供される。
本開示の一実施形態として、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部とを備え、前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に微細凹部が形成されており、前記微細凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4未満である流路部材が提供される。
本開示の一実施形態として、基板を屈曲させることで形成され、所定の方向に延在する凹部及び凸部が交互に並列してなる流路部材であって、前記凹部及び前記凸部の角部のうちの少なくとも一部に溝部が形成されており、前記溝部の形状は、前記溝部の開口幅よりも前記溝部内における最大幅が大きい形状である流路部材が提供される。
本開示の一実施形態として、交互に並列し、所定の方向に延在する凹部及び凸部を有する流路部材を製造するために用いられる基板であって、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、前記第1面及び/又は前記第2面に形成された溝部とを備え、前記溝部は、前記流路部材の前記凹部及び前記凸部の角部のうちの少なくとも一部に対応する位置に形成されている流路部材製造用基板が提供される。
本開示によれば、保水性及び/又は冷却効率に優れた流路部材、並びに当該流路部材を製造するために用いられる流路部材製造用基板、ガスケットの密着性が高く、流体の漏洩を防止可能な流路部材を提供することができる。
図1は、本開示の実施の形態に係る流路部材であって、燃料電池セルのアノード側に設けられる流路部材の概略構成を示す平面図である。 図2は、本開示の実施の形態に係る流路部材であって、燃料電池セルのカソード側に設けられる流路部材の概略構成を示す平面図である。 図3は、本開示の実施の形態に係る流路部材の概略構成を示す、図1におけるA-A線部分拡大切断端面図である。 図4Aは、本開示の実施の形態における粗面の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Bは、本開示の実施の形態における凹部の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Cは、本開示の実施の形態における貫通孔部の一態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Dは、本開示の実施の形態における貫通孔部の他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Eは、本開示の実施の形態における微細凹部の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Fは、本開示の実施の形態における粗面及び凹部の組合せの概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Gは、本開示の実施の形態における粗面及び貫通孔部の組合せの一態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Hは、本開示の実施の形態における粗面及び貫通孔部の組合せの他の態様の概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図4Iは、本開示の実施の形態における粗面及び微細凹部の組合せの概略構成を示す部分拡大切断端面図である。 図5Aは、本開示の実施の形態に係る流路部材の製造方法の一工程を説明するための部分拡大切断端面図である。 図5Bは、本開示の実施の形態に係る流路部材の製造方法の一工程であって、図5Aに続く工程を説明するための部分拡大切断端面図である。 図5Cは、本開示の実施の形態に係る流路部材の製造方法の一工程であって、図5Bに続く工程を説明するための部分拡大切断端面図である。 図5Dは、本開示の実施の形態に係る流路部材の製造方法の一工程であって、図5Cに続く工程を説明するための平面図である。 図5Eは、本開示の実施の形態に係る流路部材の製造方法の一工程であって、図5Dに続く工程を説明するための部分拡大切断端面図である。 図6は、本開示の実施の形態における燃料電池セルの概略構成を示す切断端面図である。 図7は、本開示の実施の形態における燃料電池セルの膜電極複合体、ガスケット及び流路部材の積層状態を説明するための分解斜視図である。 図8は、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の第1態様の概略構成を示す部分切断端面図である。 図9は、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の第2態様の概略構成を示す部分切断端面図である。 図10は、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の第3態様の概略構成を示す部分切断端面図である。 図11は、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の第4態様の概略構成を示す部分切断端面図である。 図12は、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の第5態様の概略構成を示す部分切断端面図である。 図13は、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の他の態様の概略構成を示す斜視図である。 図14Aは、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の製造方法の一工程を示す切断端面図である。 図14Bは、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の製造方法の一工程であって、図14Aに示す工程に続く工程を示す切断端面図である。 図14Cは、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の製造方法の一工程であって、図14Bに示す工程に続く工程を示す切断端面図である。 図14Dは、本開示の実施の形態に係る燃料電池用流路部材製造用基板の製造方法の一工程であって、図14Cに示す工程に続く工程を示す切断端面図である。 図15は、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材であって、図8に示す燃料電池用流路部材製造用基板から製造された燃料電池用流路部材の概略構成を示す部分切断端面図である。 図16は、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材であって、図9に示す燃料電池用流路部材製造用基板から製造された燃料電池用流路部材の概略構成を示す部分切断端面図である。 図17は、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材であって、図10に示す燃料電池用流路部材製造用基板から製造された燃料電池用流路部材の概略構成を示す部分切断端面図である。 図18は、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材であって、図11に示す燃料電池用流路部材製造用基板から製造された燃料電池用流路部材の概略構成を示す部分切断端面図である。 図19は、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材であって、図12に示す燃料電池用流路部材製造用基板から製造された燃料電池用流路部材の概略構成を示す部分切断端面図である。 図20は、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材であって、図13に示す燃料電池用流路部材製造用基板から製造された燃料電池用流路部材の概略構成を示す斜視図である。 図21Aは、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材の溝部の概略構成を示す部分切断端面図である。 図21Bは、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材の溝部の概略構成を示す部分切断端面図である。 図22Aは、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材の製造方法の一工程を示す切断端面図である。 図22Bは、本開示の実施の形態における燃料電池用流路部材の製造方法の一工程であって、図22Aに示す工程に続く工程を示す切断端面図である。 図23は、本開示の実施の形態における燃料電池セルの概略構成を示す断面図である。
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
当該図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりして示している場合がある。本明細書等において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
本実施形態における態様1は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部とを備え、前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に粗面が形成されており、前記粗面の算術平均表面粗さRaが、0.1μm~0.5μmの範囲である流路部材である。
本実施形態における態様2は、上記態様1において、前記領域に形成されている凹部を有し、前記凹部の表面の少なくとも一部に前記粗面が形成されている流路部材である。
本実施形態における態様3は、上記態様2において、前記凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4~1/2の範囲である流路部材である。
本実施形態における態様4は、上記態様1~3のいずれかにおいて、前記領域に形成されている、前記金属基材の厚さ方向に貫通する貫通孔部を含み、前記貫通孔部の側面部の少なくとも一部に前記粗面が形成されている流路部材である。
本実施形態における態様5は、上記態様1~4のいずれかにおいて、前記領域に形成されている微細凹部を有し、前記微細凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4未満であり、前記微細凹部の表面の少なくとも一部に前記粗面が形成されている流路部材である。
本実施形態における態様6は、上記態様1~5のいずれかにおいて、前記金属基材には、前記流路部に流体を供給する供給マニホールド孔及び前記流路部から流体を排出する排出マニホールド孔が形成されており、前記領域は、前記流路部の外縁と、前記供給マニホールド孔及び前記排出マニホールド孔のそれぞれの外縁とを取り囲む領域である流路部材である。
本実施形態における態様7は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部とを備え、前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に、前記金属基材の厚さ方向に貫通する貫通孔部が形成されており、前記金属基材の前記第1面側における前記貫通孔部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/2以上である流路部材である。
本実施形態における態様8は、上記態様7において、前記金属基材の前記第1面側における前記貫通孔部の開口部の開口寸法は、前記金属基材の厚さ以上である流路部材である。
本実施形態における態様9は、上記態様7又は態様8において、前記貫通孔部の側面部の少なくとも一部に粗面が形成されている流路部材である。
本実施形態における態様10は、上記態様7~9のいずれかにおいて、前記領域に形成されている凹部を有し、前記凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4~1/2の範囲である流路部材である。
本実施形態における態様11は、上記態様7~10のいずれかにおいて、前記領域に形成されている微細凹部を有し、前記微細凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4未満である流路部材である。
本実施形態における態様12は、上記態様7~11のいずれかにおいて、前記金属基材には、前記流路部に流体を供給する供給マニホールド孔及び前記流路部から流体を排出する排出マニホールド孔が形成されており、前記領域は、前記流路部の外縁と、前記供給マニホールド孔及び前記排出マニホールド孔のそれぞれの外縁とを取り囲む領域である流路部材である。
本実施形態における態様13は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部とを備え、前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に微細凹部が形成されており、前記微細凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4未満である流路部材である。
本実施形態における態様14は、上記態様13において、前記微細凹部の表面の少なくとも一部に粗面が形成されている流路部材である。
本実施形態における態様15は、上記態様13又は態様14において、前記領域に形成されている、前記金属基材の厚さ方向に貫通する貫通孔部を有する流路部材である。
本実施形態における態様16は、上記態様13~15のいずれかにおいて、前記領域に形成されている凹部を有し、前記凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4~1/2の範囲である流路部材である。
本実施形態における態様17は、上記態様13~16のいずれかにおいて、前記金属基材には、前記流路部に流体を供給する供給マニホールド孔及び前記流路部から流体を排出する排出マニホールド孔が形成されており、前記領域は、前記流路部の外縁と、前記供給マニホールド孔及び前記排出マニホールド孔のそれぞれの外縁とを取り囲む領域である流路部材である。
本実施形態における態様18は、基板を屈曲させることで形成され、所定の方向に延在する凹部及び凸部が交互に並列してなる流路部材であって、前記凹部及び前記凸部の角部のうちの少なくとも一部に溝部が形成されており、前記溝部の形状は、前記溝部の開口幅よりも前記溝部内における最大幅が大きい形状である流路部材である。
本実施形態における態様19は、上記態様18において、前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記角部の内側の少なくとも一部に形成されている流路部材である。
本実施形態における態様20は、上記態様18又は19において、前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記角部の外側の少なくとも一部に形成されている流路部材である。
本実施形態における態様21は、上記態様18~20のいずれかにおいて、前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記角部の内側の少なくとも一部と前記角部の外側の少なくとも一部とに形成されている流路部材である。
本実施形態における態様22は、上記態様18~21のいずれかにおいて、前記凹部及び前記凸部は、それぞれ、第1平面と前記第1平面の反対側に位置する第2平面とを含み、前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記第1平面及び前記第2平面のうちの少なくとも一部に形成されている流路部材である。
本実施形態における態様23は、上記態様18~22のいずれかにおいて、前記溝部は、前記流路部材の一方側及び他方側に形成されており、前記一方側に形成されている前記溝部と、前記他方側に形成されている前記溝部とは、互いに向かい合う位置に形成されている流路部材である。
本実施形態における態様24は、交互に並列し、所定の方向に延在する凹部及び凸部を有する流路部材を製造するために用いられる基板であって、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、前記第1面及び/又は前記第2面に形成された溝部とを備え、前記溝部は、前記流路部材の前記凹部及び前記凸部の角部のうちの少なくとも一部に対応する位置に形成されている流路部材製造用基板である。
本実施形態に係る流路部材1は、第1面2A及び第1面2Aの反対側に位置する第2面2Bを有する金属基材2と、金属基材2の第1面2Aの面内における第1方向D1に延在する流路部3とを備える。
金属基材2を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、オーステナイト系ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属材料等であればよい。これらの材料により構成される金属基材2の表面(全面)に金層、銀層、ニッケル合金層、カーボン層、白金等の貴金属層、導電材料を含有する樹脂層等の電気めっき層、蒸着層、電着層等(図示省略)が膜厚5nm~30nm程度で設けられていてもよい。上記層が設けられていることで、本実施形態に係る流路部材1の耐食性を向上させることができるとともに、当該流路部材1を有する燃料電池セル10(図6参照)のガス拡散層15,16との接触抵抗をより低減することができる。
金属基材2の厚さT(図3参照)は、本実施形態に係る流路部材1を有する燃料電池セル10(図6参照)の厚さに対する要求や仕様等に応じて適宜設定されればよいが、例えば、0.05mm~1.00mm程度であればよい。
金属基材2の第1面2Aに設けられている流路部3は、第1方向D1に延在し、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って並列する複数の溝部31を有する。金属基材2の第1面2A側からの平面視における流路部3(溝部31)のピッチPは、特に限定されるものではないが、例えば、0.2mm~3.0mm程度であればよい。なお、流路部3(溝部31)のピッチPは、金属基材2の第1面2A側からの平面視において、一の溝部31の第2方向D2(幅方向)における中心とそれに隣接する他の溝部31の第2方向D2(幅方向)における中心との間の長さであって、第2方向D2(幅方向)に平行な長さを意味する。
金属基材2には、流路部3に流体を供給するための供給マニホールド孔4と、流路部3から流体を排出するための排出マニホールド孔5とが形成されている。供給マニホールド孔4は、第1方向D1における金属基材2の一端部に形成され、排出マニホールド孔5は、第1方向D1における金属基材2の他端部に形成されている。
供給マニホールド孔4は、燃料ガス供給マニホールド孔41、酸化剤ガス供給マニホールド孔42及び冷媒供給マニホールド孔43を含む。排出マニホールド孔5は、燃料ガス排出マニホールド孔51、酸化剤ガス排出マニホールド孔52及び冷媒排出マニホールド孔53を含む。本実施形態においては、供給マニホールド孔4は、酸化剤供給マニホールド孔42、燃料ガス供給マニホールド孔41、冷媒供給マニホールド孔43の順に第2方向D2に沿って並列し、排出マニホールド孔5は、冷媒排出マニホールド孔53、燃料ガス排出マニホールド孔51、酸化剤ガス排出マニホールド孔52の順に第2方向D2に沿って並列しているが、各マニホールド孔41~43,51~53の並列順は、この態様に限定されるものではない。
図1に示す流路部材1は、燃料電池セル10(図6参照)においてアノード側に設けられる。当該燃料電池セル10において、流路部材1の燃料ガス供給マニホールド孔41を通じて当該流路部材1の第1面2Aに設けられている流路部3に燃料ガスが供給され、燃料ガス排出マニホールド孔51を通じて余剰の燃料ガスが排出される。また、当該流路部材1の冷媒供給マニホールド孔43を通じて第2面2B側に冷媒が供給され、冷媒排出マニホールド孔53を通じて当該冷媒が排出される。
図2に示す流路部材1は、燃料電池セル10(図6参照)においてカソード側に設けられる。当該燃料電池セル10において、流路部材1の酸化剤ガス供給マニホールド孔42を通じて当該流路部材1の第1面2Aに設けられている流路部3に酸化剤ガスが供給され、酸化剤ガス排出マニホールド孔52を通じて余剰の酸化剤ガスが排出される。また、当該流路部材1の冷媒供給マニホールド孔43を通じて第2面2B側に冷媒が供給され、冷媒排出マニホールド孔53を通じて当該冷媒が排出される。
流路部材1の第1面2Aの所定の領域6には、第1面2Aが粗化された粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等が形成されている。図1に示す流路部材1において、粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等は、第1面2Aに設けられている複数の流路部3の全体と燃料ガス供給マニホールド孔41及び燃料ガス排出マニホールド孔51との外縁を一体的に取り囲む第1領域6Aと、酸化剤ガス供給マニホールド孔42、冷媒供給マニホールド孔43、酸化剤ガス排出マニホールド孔52及び冷媒排出マニホールド孔53のそれぞれの外縁を取り囲む第2領域6Bとに形成されている。第1領域6A及び第2領域6Bは、燃料電池セル10においてガスケット19(図6及び図7参照)に当接する領域である。
上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)には、例えば、粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等のうちの一種が形成されていてもよいし、二種以上が形成されていてもよい。例えば、凹部62の表面の少なくとも一部に粗面61が形成されていてもよいし(図4F参照)、微細凹部64の表面の少なくとも一部や、貫通孔部63の側面部631の少なくとも一部に粗面61が形成されていてもよい(図4G~4I参照)。また、上記領域6には、凹部62と貫通孔部63とが形成されていてもよい。
上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に粗面61が形成されていることで、ガスケット19(図6及び図7参照)との間にアンカー効果を生じさせることができるため、ガスケット19との密着性及び接着性を向上させることができる。また、当該アンカー効果により、燃料電池の運転及び停止の繰り返しに伴いガスケット19の収縮膨張が頻繁に起こったとしても、流路部3を介してガス拡散層15,16に供給される燃料ガス、酸化剤ガスや、冷媒等の流体が燃料電池セル10(図6参照)から漏洩するのを効果的に防止することができる。
上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に凹部62が形成されていることで、アンカー効果によるガスケット19との密着性及び接着性の向上効果に加え、ガスケット19を厚くすることができ、耐振動性を向上させることができる。また、燃料電池セル10(図6参照)の組付作業時におけるガスケット19の位置ずれ等が生じるのを抑制することもできる。さらに、上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に凹部62が形成された被加工基板20に、ファインブランキング加工により供給マニホールド孔4や排出マニホールド孔5を形成する場合において、板押えの突起を第2領域6Bの凹部62に嵌め込んでファインブランキング加工を行うことができる。さらにまた、上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に凹部62が形成されていることで、流路部材1の軽量化を図ることができる。
上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に貫通孔部63が形成されていることで、ガスケット19を厚くすることができ、耐振動性を向上させることができる。また、燃料電池セル10(図6参照)の組付作業時におけるガスケット19の位置ずれ等が生じるのを抑制することもできる。さらに、上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に貫通孔部63が形成された被加工基板20に、ファインブランキング加工により供給マニホールド孔4や排出マニホールド孔5を形成する場合において、板押えの突起を第2領域6Bの貫通孔部63に嵌め込んでファインブランキング加工を行うことができる。さらにまた、上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に貫通孔部63が形成されていることで、流路部材1の軽量化を図ることができる。また、貫通孔部63を、燃料電池セル10の組付作業時における位置合わせに利用することができる。
上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に微細凹部64が形成されていることで、アンカー効果によるガスケット19との密着性及び接着性の向上効果に加え、ガスケット19を厚くすることができ、耐振動性を向上させることができる。また、上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に微細凹部64が形成されていることで、流路部材1の軽量化を図ることができる。
上記領域6(第1領域6A及び第2領域6B)に粗面61(図4A等を参照)が形成されている場合、当該粗面61の算術平均粗さRaは0.1μm~0.5μmの範囲であり、好適には0.2μm~0.35μmの範囲である。当該粗面部61の算術平均粗さRaが上記範囲内であれば、ガスケット19(図6及び図7参照)との密着性及び接着性を向上させることができ、流体の漏洩を効果的に防止することができる。また、当該粗面部61の算術平均粗さRaが0.5μmを超えると、粗面部61とガスケット19との間に微細な空隙が形成されてしまい、ガスケット19との密着性及び接着性を低下させるおそれがある。
上記領域6に凹部62(図4B参照)が形成されている場合、凹部62の開口部621の開口寸法W621及び凹部62の最大深さD62は、金属基材2の厚さTの1/4~1/2の範囲であればよい。凹部62の開口部621の開口寸法W621及び凹部62の最大深さD62が上記範囲内であれば、アンカー効果によるガスケット19との密着性及び接着性を効果的に向上させることができ、かつ流路部材1の強度を一定の範囲で保持することできる。
上記領域6に貫通孔部63(図4C及び図4D参照)が形成されている場合、当該貫通孔部63の側面部631は、金属基材2の厚さ方向に沿った断面視において、貫通孔部63の幅方向中心から外側に向かう方向に凸の湾曲形状を有していてもよいし(図4C参照)、貫通孔部63の幅方向中心に向かって突出する突出部632を有していてもよい(図4D参照)。なお、「貫通孔部63の幅方向中心から外側に向かう方向に凸の湾曲形状」とは、側面部631の第1面2A側端部(貫通孔部63の開口縁部)と第2面2B側端部(貫通孔部63の開口縁部)とを結ぶ直線を仮定したときに、側面部631の全体が当該直線よりも外側(貫通孔部63の幅方向中心から見て外側)に位置することを意味する。側面部631が上記形状を有することで、貫通孔部63とガスケット19(図6及び図7参照)との密着性及び接着性を向上させ、流体の漏洩を効果的に防止することができる。図4Cに示す貫通孔部63において、金属基材2の第1面2A側における貫通孔部63の開口部63Aの開口寸法W63Aは金属基材2の厚さT以上であればよい。また、図4Dに示す貫通孔部63において、金属基材2の第1面2A側における貫通孔部63の開口部63Aの開口寸法W63Aは金属基材2の厚さTの1/2以上であればよい。なお、図4C及び図4Dに示す貫通孔部63の開口部63Aの開口寸法W63Aの上限値は、金属基材2の厚さTに応じて適宜設定され得る。
金属基材2の厚さ方向に沿った断面視において、第1面2A上における貫通孔部63の側面部631間の長さ(開口部63Aの開口寸法W63A)を第1長さLとし、貫通孔部63の側面部631間の最大長さを第2長さLとし、第2面2B上における貫通孔部63の側面部631間の長さ(第2面2B側における貫通孔部63の開口部63Bの開口寸法W63B)を第3長さLとする。第1長さL、第2長さL及び第3長さLの関係は、第2長さLが第1長さL及び第3長さLよりも長い関係であってもよいし(図4C参照)、第2長さLが第1長さL及び第3長さLと同一であり、側面部631間に第2長さLよりも短い部分を有する関係であってもよい(図4D参照)。図4C及び図4Dに示す場合において、第1長さLは、第3長さLと実質的に同一であってもよいし、第3長さLよりも長くてもよいし、第3長さLよりも短くてもよい。第1長さL、第2長さL及び第3長さLは、金属基材2の厚さ方向に沿った断面視において第1面2A及び第2面2Bと平行な方向における長さである。第2長さLが第1長さL及び第3長さLよりも長い場合(図4C参照)、第2長さLは、第1長さL及び第3長さLよりも0.01mm~0.10mm程度長ければよい。また、第1長さLが第3長さLよりも長い又は短い場合、第1長さLと第3長さLとの差分は0.1mm~1.0mm程度であればよい。なお、第1長さL、第2長さL及び第3長さLは、例えば、0.05mm~1.05mmの範囲内であればよい。
上記領域6に微細凹部64(図4E参照)が形成されている場合、微細凹部64の開口部641の開口寸法W641及び微細凹部64の最大深さD64は、金属基材2の厚さTの0.00mmよりも大きく1/4未満であればよい。微細凹部64の開口部641の開口寸法W641及び微細凹部64の最大深さD64が上記範囲内であれば、アンカー効果によるガスケット19との密着性及び接着性を効果的に向上させることができ、かつ流路部材1の強度を一定の範囲で保持することできる。
上述した構成を有する流路部材1の製造方法について説明する。
まず、オーステナイト系ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属材料等により構成される、第1面20A及びその反対側に位置する第2面20Bを有する被加工基板20を準備する(図5A参照)。被加工基板20は、供給マニホールド孔4及び排出マニホールド孔5がすでに形成されたものであってもよいし、それらが形成されていないものであってもよい。後者の被加工基板20の場合、後述するように流路部3が形成された後に供給マニホールド孔4及び排出マニホールド孔5が形成されればよい。
そして、当該被加工基板20の第1面20Aに形成される流路部3に対応する位置に開口30Aを有するレジストパターン30を形成する(図5B参照)。レジストパターン30の開口30Aの寸法は、流路部材1の流路部3の寸法に応じて適宜設定され得るものである。本実施形態においてはレジストパターン30をマスクとしたウェットエッチング(ハーフエッチング)により流路部3を形成するため、開口30Aの寸法は、流路部3の寸法よりも小さく設定され得る。
次に、レジストパターン30をマスクとして被加工基板20にウェットエッチング処理を施すことで、被加工基板20の第1面20Aに流路部3を形成し、その後レジストパターン30を除去する(図5C参照)。ウェットエッチング処理の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、被加工基板20の第1面20Aにエッチング液を吹き付けるスプレーエッチング法、被加工基板20をエッチング液に浸漬させるディッピング法等が挙げられる。
流路部3が形成された被加工基板20に供給マニホールド孔4及び排出マニホールド孔5が形成されている場合、流路部3、燃料ガス供給マニホールド孔41及び燃料ガス排出マニホールド孔51の外縁を一体的に取り囲む第1形成予定領域60Aと、酸化剤ガス供給マニホール孔ド42、冷媒供給マニホールド孔43、酸化剤ガス排出マニホールド孔52及び冷媒排出マニホールド孔53のそれぞれの外縁を取り囲む第2形成予定領域60Bとを露出させる開口を有するマスクパターン40を形成する(図5D参照)。第1形成予定領域60A及び第2形成予定領域60Bは、粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等が形成される予定の領域であって、流路部材1(図1等を参照)の第1領域6A及び第2領域6Bに相当する領域である。そして、当該マスクパターン40を介して被加工基板20にウェットエッチング処理を施すことで、第1形成予定領域60A及び第2形成予定領域60Bに粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等を形成し、これにより流路部材1を製造することができる(図5E参照)。
一方で、流路部3が形成された被加工基板20に供給マニホールド孔4及び排出マニホールド孔5が形成されていない場合、流路部3、並びに燃料ガス供給マニホールド孔41及び燃料ガス排出マニホールド孔51のそれぞれが形成される予定の領域の外縁を一体的に取り囲む第1形成予定領域60Aと、酸化剤ガス供給マニホールド孔42、冷媒供給マニホールド孔43、酸化剤ガス排出マニホールド孔52及び冷媒排出マニホールド孔53のそれぞれが形成される予定の領域の外縁を取り囲む第2形成予定領域60Bとを露出させる開口を有するマスクパターン40を形成する。第1形成予定領域60A及び第2形成予定領域60Bは、粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等が形成される予定の領域であって、流路部材1(図1等を参照)の第1領域6A及び第2領域6Bに相当する領域である。そして、当該マスクパターン40を介して被加工基板20にウェットエッチング処理を施すことで、第1形成予定領域60A及び第2形成予定領域60Bに粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等を形成する。その後、供給マニホールド孔4及び排出マニホールド孔5に対応する開口を有するパターンをマスクとしたウェットエッチング処理を行うことで、供給マニホールド孔4及び排出マニホールド孔5を形成し、これにより流路部材1を製造することができる(図1参照)。
粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等を形成するためのウェットエッチング処理においては、それらの構造の種類に応じたエッチング条件(エッチング液の種類、エッチング液の温度、エッチング時間等)を設定すればよい。
続いて、本実施形態に係る流路部材1を用いた燃料電池セル10について説明する。
本実施形態における燃料電池セル10は、膜電極複合体11と、膜電極複合体11の両面に接面して設けられた流路部材1とを備える(図6参照)。燃料電池は、複数個の燃料電池セル10が積層されたスタック構造を有する。
膜電極複合体11は、固体高分子電解質膜12と、固体高分子電解質膜12の両面に順に積層された触媒層13,14及びガス拡散層15,16とを有する。固体高分子電解質膜12の一方面に積層された触媒層13及びガス拡散層15が燃料極(水素極)17を構成し、他方面に積層された触媒層14及びガス拡散層16が空気極(酸素極)18を構成する。
固体高分子電解質膜12は、例えば、基材上に水素イオン伝導性高分子電解質を含有する溶液を塗工し、乾燥することにより形成される。水素イオン伝導性高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC-H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子社製の「Flemion」(登録商標)、旭化成社製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。水素イオン伝導性高分子電解質含有溶液中に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質の濃度は、通常5~60質量%程度、好ましくは20~40質量%程度である。なお、固体高分子電解質膜12の膜厚は通常20~250μm程度、好ましくは20~80μm程度である。また、上記の水素イオン伝導性高分子電解質膜以外には、アニオン導電性固高分子電解質膜や液状物質含浸膜も用いることができる。アニオン伝導性電解質膜としては炭化水素系樹脂又はフッ素系樹脂等が挙げられる。炭化水素系樹脂の具体例としては、旭化成社製のAciplex(登録商標)A201,211,221や、トクヤマ社製のネオセプタ(登録商標)AM-1,AHA等が挙げられる。フッ素系樹脂の具体例としては、東ソー社製のトスフレックス(登録商標)IE-SF34等が挙げられる。また、液状物質含浸膜としては、例えばポリベンゾイミダゾール(PBI)が挙げられる。
触媒層13,14は、公知の白金含有の触媒層(カソード触媒層13及びアノード触媒層14)である。触媒層13,14は、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を含有する。触媒粒子としては、例えば、白金、白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と白金との合金等が挙げられる。なお、通常は、カソード触媒層13に含まれる触媒粒子は白金であり、アノード触媒層14に含まれる触媒粒子は上記金属と白金との合金である。また、水素イオン伝導性高分子電解質としては、上述した固体高分子電解質膜12に使用されるものと同じ材料を使用することができる。
ガス拡散層15,16としては、公知であり、燃料極17、空気極18を構成する各種のガス拡散層を使用でき、燃料ガス及び酸化剤ガスを効率よく触媒層13,14に供給するため、多孔質の導電性基材からなっている。多孔質の導電性基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。
流路部材1は、金属基材2の第1面2Aの領域6(第1領域6A及び第2領域6B)の粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等にガスケット19を重ねるように設けられ、ガスケット19が設けられた金属基材2の第1面2Aとガス拡散層15,16とを向かい合わせるようにして設けられている。燃料極17のガス拡散層15に向かい合う流路部材1の流路部3を介して、当該ガス拡散層15に燃料ガス(水素)が供給され、空気極18のガス拡散層16に向かい合う流路部材1の流路部3を介して、当該ガス拡散層16に酸化剤ガス(空気又は酸素)が供給される。
本実施形態における燃料電池セル10においては、流路部材1の金属基材2の第1面2Aに粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等が形成され、当該粗面61(図4A参照)、凹部62(図4B参照)、貫通孔部63(図4C及び図4D参照)、微細凹部64(図4E参照)等に重なるようにガスケット19が設けられていることで、金属基材2に対するガスケット19の接着性及び密着性を向上させることができる。そのため、燃料電池の運転中に運転及び停止が頻繁に繰り返され、化学反応により生じる熱によってガスケット19の収縮膨張が頻繁に起こったとしても、流路部3を介してガス拡散層15,16に供給される燃料ガス、酸化剤ガスや、冷媒等の流体が燃料電池セル10から漏洩するのを効果的に防止することができる。
本実施形態に係る流路部材製造用基板100は、当該流路部材製造用基板100を屈曲させることで形成され、第1方向D1に沿って交互に並列した複数の凹部201及び凸部202を有する燃料電池用流路部材200(図15~20参照)を製造するために用いられる。後述するように、燃料電池用流路部材200の複数の凹部201及び凸部202は、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延在する。
流路部材製造用基板100は、第1面101A及び当該第1面101Aの反対側に位置する第2面101Bを有する基材101と、基材101の第1面101A及び/又は第2面101Bに形成された溝部102とを備える(図8~13参照)。流路部材製造用基板100の第1面101A側が、当該流路部材製造用基板100から製造される燃料電池用流路部材200(図15~20参照)の一方側200Aに相当し、流路部材製造用基板100の第2面101B側が、当該燃料電池用流路部材200の他方側200Bに相当する。
基材101を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、オーステナイト系ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属材料等であればよい。これらの材料により構成される基材101の表面(全面)に金層、銀層、ニッケル合金層、カーボン層、白金等の貴金属層、導電材料を含有する樹脂層等の電気めっき層、蒸着層、電着層等(図示省略)が膜厚5nm~30nm程度で設けられていてもよい。上記層が設けられていることで、本実施形態に係る流路部材製造用基板100から製造される燃料電池用流路部材200(図15~20参照)の耐食性を向上させることができるとともに、当該燃料電池用流路部材200を有する燃料電池セル400(図23参照)のガス拡散層405,406との接触抵抗をより低減することができる。
基材101の厚さT101は、本実施形態に係る流路部材製造用基板100から製造される燃料電池用流路部材200(図15~20参照)を有する燃料電池セル400(図23参照)の厚さに対する要求や仕様等に応じて適宜設定されればよいが、例えば、0.05mm~3.00mm程度であればよい。
溝部102は、後述する燃料電池用流路部材200の凹部201及び凸部202の角部のうちの少なくとも一部に対応する位置に形成されている。基材101に溝部102が形成されていることで、流路部材製造用基板100から製造される燃料電池用流路部材200の軽量化を図ることができる。
燃料電池用流路部材200の凹部201の角部は、流路部材製造用基板100の基材101の第1面101A側に対応して位置する内側211と、基材101の第2面101B側に対応して位置する外側212とを含む(図15~20参照)。燃料電池用流路部材200の凸部202の角部は、基材101の第1面101A側に対応して位置する外側222と、基材101の第2面101B側に対応して位置する内側221とを含む(図15~20参照)。凹部201の角部の内側211は、凹部201の第1平面213と第1側壁面204とにより形成される角部であり、流路部材製造用基板100の断面視において第1平面213と第1側壁面204とのなす角度が180°未満となる側である。凹部201の角部の外側212は、凹部201の第2平面214と第2側壁面205とにより形成される角部であり、流路部材製造用基板100の断面視において第2平面214と第2側壁面205とのなす角度が180°よりも大きくなる側である。凸部202の角部の内側221は、凸部202の第2平面224と第2側壁面205とにより形成される角部であり、流路部材製造用基板100の断面視において第2平面224と第2側壁面205とのなす角度が180°未満となる側である。凸部202の角部の外側222は、凸部202の第1平面223と第1側壁面204とにより形成される角部であり、流路部材製造用基板100の断面視において第1平面223と第1側壁面204とのなす角度が180°よりも大きくなる側である。本実施形態に係る流路部材製造用基板100において、溝部102は、凹部201の角部の外側212及び内側211、並びに凸部202の角部の外側222及び内側221の少なくともいずれかに対応する位置に形成されていればよい。また、溝部102は、燃料電池用流路部材200の凹部201及び凸部202のそれぞれの第1平面213,223及び第2平面214,224に対応する位置に形成されていてもよいし、第1側壁面204及び第2側壁面205に対応する位置に形成されていてもよい。
例えば、図8に示す第1態様の流路部材製造用基板100においては、基材2の第1面101Aに溝部102が形成され、当該溝部102は、燃料電池用流路部材200の凹部201の角部の内側211に対応する位置に形成されている。後述するように、流路部材製造用基板100の各溝部102は、当該流路部材製造用基板100をプレス加工して製造される燃料電池用流路部材200において、凹部201の角部の内側211に形成される溝部203となる(図15参照)。なお、図15に示す燃料電池用流路部材200は、図8に示す流路部材製造用基板100のプレス加工により製造されるものであって、図8に示す流路部材製造用基板100の溝部102の数と図15に示す燃料電池用流路部材200の溝部203の数とが異なるが、これは各図に示された流路部材製造用基板100と燃料電池用流路部材200との縮尺の寸法比等の違いによるものであるのは言うまでもない。
図9に示す第2態様の流路部材製造用基板100においては、基材101の第2面101Bに溝部102が形成され、当該溝部102は、燃料電池用流路部材200の凸部202の角部の内側221に対応する位置と、凹部201の第2平面214に対応する位置とに形成されている。後述するように、流路部材製造用基板100の各溝部102は、当該流路部材製造用基板100をプレス加工して製造される燃料電池用流路部材200において、凸部202の角部の内側221と、凹部201の第2平面214とに形成される溝部203となる(図16参照)。なお、図16に示す燃料電池用流路部材200は、図9に示す流路部材製造用基板100のプレス加工により製造されるものであって、図9に示す流路部材製造用基板100の溝部102の数と図16に示す燃料電池用流路部材200の溝部203の数とが異なるが、これは各図に示された流路部材製造用基板100と燃料電池用流路部材200との縮尺の寸法比等の違いによるものであるのは言うまでもない。
図10に示す第3態様の流路部材製造用基板100においては、基材101の第1面101A及び第2面101Bに溝部102が形成され、第1面101Aの溝部102は、燃料電池用流路部材200の凹部201の角部の内側211に対応する位置に形成され、第2面101Bの溝部102は、燃料電池用流路部材200の凸部202の角部の内側221に対応する位置に形成されている。第1面101Aの溝部102と第2面101Bの溝部102とは、互いに向かい合わない位置に形成されている。後述するように、流路部材製造用基板100の各溝部102は、当該流路部材製造用基板100をプレス加工して製造される燃料電池用流路部材200において、凹部201の角部の内側211と、凸部202の角部の内側221とに形成される溝部203となる(図17参照)。なお、図17に示す燃料電池用流路部材200は、図10に示す流路部材製造用基板100のプレス加工により製造されるものであって、図10に示す流路部材製造用基板100の溝部102の数と図17に示す燃料電池用流路部材200の溝部203の数とが異なるが、これは各図に示された流路部材製造用基板100と燃料電池用流路部材200との縮尺の寸法比等の違いによるものであるのは言うまでもない。
図11に示す第4態様の流路部材製造用基板100においては、基材101の第1面101A及び第2面101Bに溝部102が形成され、第1面101Aの溝部102は、燃料電池用流路部材200の凹部201の角部の内側211及び凸部202の角部の外側222に対応する位置に形成され、第2面101Bの溝部102は、燃料電池用流路部材200の凹部201の角部の外側212及び第2平面214、並びに凸部202の角部の内側221に対応する位置に形成されている。第1面101Aの溝部102のうちの凹部201の角部の内側211に対応する位置に形成されている溝部102と第2面101Bの溝部102のうちの凹部201の角部の外側212に対応する位置に形成されている溝部102とは、互いに向かい合う位置に形成されており、第1面101Aの溝部102のうちの凸部202の角部の外側222に対応する位置に形成されている溝部102と凸部202の角部の内側221に対応する位置に形成されている溝部102とは、互いに向かい合う位置に形成されている。後述するように、流路部材製造用基板100の各溝部102は、当該流路部材製造用基板100をプレス加工して製造される燃料電池用流路部材200において、凹部201の角部の内側211、角部の外側212及び第2平面214と、凸部202の角部の外側222及び角部の内側221とに形成される溝部203となる(図18参照)。なお、本実施形態において「互いに向かい合う位置に形成されている」とは、第2面101Bの溝部102を第1面101A側に投影したときに、流路部材製造用基板100の平面視において、第1面101Aの溝部102と、第1面101Aに投影された第2面101Bの溝部102とが少なくとも部分的に重なっていればよいという趣旨である。また、図18に示す燃料電池用流路部材200は、図11に示す流路部材製造用基板100のプレス加工により製造されるものであって、図11に示す流路部材製造用基板100の溝部102の数と図18に示す燃料電池用流路部材200の溝部203の数とが異なるが、これは各図に示された流路部材製造用基板100と燃料電池用流路部材200との縮尺の寸法比等の違いによるものであるのは言うまでもない。
図12に示す流路部材製造用基板100においては、基材101の第1面101A及び第2面101Bに溝部102が形成され、第1面101Aの溝部102は、燃料電池用流路部材200の凹部201の角部の内側211及び第1平面213、凸部202の角部の外側222及び第1平面223、並びに第1側壁面204に対応する位置に形成され、第2面101Bの溝部102は、燃料電池用流路部材200の凹部201の角部の外側212及び第2平面214、凸部202の角部の内側221及び第2平面224、並びに第2側壁面205に対応する位置に形成されている。第1面101Aの溝部102と第2面101Bの溝部102とは、互いに向かい合う位置に形成されている。後述するように、流路部材製造用基板100の各溝部102は、当該流路部材製造用基板100をプレス加工して製造される燃料電池用流路部材200における凹部201の角部の内側211、角部の外側212、第1平面213及び第2平面214と、凸部202の角部の外側222、角部の内側221、第1平面223及び第2平面224と、第1側壁面204及び第2側壁面205に形成される溝部203となる(図19参照)。なお、本実施形態において「互いに向かい合う位置に形成されている」とは、第2面101Bの溝部102を第1面101A側に投影したときに、流路部材製造用基板100の平面視において、第1面101Aの溝部102と、第1面101Aに投影された第2面101Bの溝部102とが少なくとも部分的に重なっていればよいという趣旨である。また、図19に示す燃料電池用流路部材200は、図12に示す流路部材製造用基板100のプレス加工により製造されるものであって、図12に示す流路部材製造用基板100の溝部102の数と図19に示す燃料電池用流路部材200の溝部203の数とが異なるが、これは各図に示された流路部材製造用基板100と燃料電池用流路部材200との縮尺の寸法比等の違いによるものであるのは言うまでもない。
溝部102の開口幅W102(第1面101A及び/又は第2面101B上における溝部102の開口の第1方向D1に平行な長さ)は、特に限定されるものではないが、基材101の厚さT101、燃料電池用流路部材200の凹部201及び凸部202の幅、凹部201と凸部202との高低差等に応じて適宜設定され得る。また、溝部102の深さ(最大深さ)も特に限定されるものではなく、例えば、基材101の厚さT101の1/2程度であればよい。なお、第1面101Aの溝部102の開口幅W102と第2面101Bの溝部102の開口幅W102とは、互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。第1面101Aの溝部102の開口幅W102と第2面101Bの溝部102の開口幅W102とが異なる場合であって、互いに向かい合う位置に形成されている場合において、第2面101Bの溝部102を第1面101A側に投影したときに、流路部材製造用基板100の平面視において、第1面101Aの溝部102が、第1面101Aに投影された第2面101Bの溝部102に物理的に包含されていてもよいし、第1面101Aに投影された第2面101Bの溝部102が、第1面101Aの溝部102に物理的に包含されていてもよい。また、図8~12に示す流路部材製造用基板100における溝部102の形状(断面視形状)は、開口幅W102が最大幅となる略半円形状であるが、開口幅3よりも溝部102内における最大幅が大きい形状であってもよい。当該溝部102がこのような形状を有することで、燃料電池セル400(図23参照)における保水性をさらに向上させることが可能であり、冷媒の接触面積を相対的に増大させ得ることで冷媒による冷却効率を向上させることが可能な燃料電池用流路部材200を製造することができる。
上記構成を有する流路部材製造用基板100によれば、基材101の第1面101A及び/又は第2面101Bに溝部102が形成されていることで、軽量化が図られ、かつ保水性及び/又は冷却効率を向上させ得る燃料電池用流路部材200を製造することができる。また、本実施形態に係る流路部材製造用基板100のプレス加工により燃料電池用流路部材200が製造されるが、一般に、金属薄板のプレス加工(曲げ加工)により角部(凸角部)に「曲げコブ」が生じることがある。この曲げコブが生じると、燃料電池用流路部材200の凸部202の第1平面223がガス拡散層405,406に接触し難くなり、接触抵抗が増大するおそれがある。この点、燃料電池用流路部材200の凹部201の角部の外側212や凸部202の角部の外側222に対応する位置に溝部102が形成されていることで、流路部材製造用基板100のプレス加工により製造される燃料電池用流路部材200において、当該角部の外側212,222に曲げコブが生じるのを抑制することができる。さらに、図8~11に示す流路部材製造用基板100においては、それから製造される燃料電池用流路部材200の凹部201及び/又は凸部202の角部に溝部203が確実に形成されるために、プレス加工時における流路部材製造用基板100のアライメント(位置合わせ)に高い精度を必要とするが、図12に示す流路部材製造用基板100においては、プレス加工時における流路部材製造用基板100のアライメント(位置合わせ)精度が相対的に低くてもよい。
なお、上述した本実施形態に係る流路部材製造用基板100において、溝部102は、プレス加工により製造される燃料電池用流路部材200の凹部201及び/又は凸部202の角部に対応して、第2方向D2に延在して設けられているが、この態様に限定されるものではない。例えば、溝部102は、凹部201及び/又は凸部202の角部に対応する位置に、溝部102が延在する方向(第2方向D2)において部分的に切断されるようにして設けられていてもよい(図13,図20参照)。
上記構成を有する流路部材製造用基板100を製造する方法を説明する。なお、下記の説明においては、第1態様の流路部材製造用基板100(図8参照)の製造方法を例に挙げて説明するが、図9~13に示す他の態様の流路部材製造用基板100も同様の工程により製造され得る。
まず、オーステナイト系ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属材料等により構成される被加工基板101’を準備し(図14A参照)、当該被加工基板101’に形成される溝部102に対応する位置に開口104Aを有するレジストパターン104Bを、当該被加工基板101’の第1面101A’及び第2面101B’に形成する(図14B参照)。レジストパターン104Bの開口104Aの寸法は、流路部材製造用基板100の溝部102の寸法に応じて適宜設定され得るものである。本実施形態においてはレジストパターン104Bをマスクとしたウェットエッチング(ハーフエッチング)により溝部102を形成するため、開口104Aの寸法は、溝部102の寸法よりも小さく設定され得る。
次に、レジストパターン104Bをマスクとして被加工基板101’にウェットエッチング処理を施すことで、被加工基板101’の第1面101A’に溝部102を形成する(図14C参照)。ウェットエッチング処理の方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、被加工基板101’の第1面101A’にエッチング液を吹き付けるスプレーエッチング法、被加工基板101’をエッチング液に浸漬させるディッピング法等が挙げられる。このようにして溝部102を形成した被加工基板101’からレジストパターン104Bを除去することで、本実施形態に係る流路部材製造用基板100を製造することができる(図14D参照)。
なお、上述したように、本実施形態においては、被加工基板101’に対するウェットエッチング処理により溝部102を形成しているが、この方法に限定されるものではない。例えば、被加工基板101’に対するプレス加工により、例えばV溝のような溝部102を形成してもよい。
本実施形態における燃料電池用流路部材200について説明する。
本実施形態における燃料電池用流路部材200は、本実施形態に係る流路部材製造用基板100をプレス加工に付することで製造されるものであって、交互に並列する複数の凹部201及び凸部202を有する(図15~20参照)。本実施形態において、凹部201は、燃料電池用流路部材200の一方側200Aを上方に位置させ、他方側200Bを下方に位置させた状態において下方に凹んでいる部分であり、凸部202は、その状態において上方に突出している部分である。複数の凹部201及び凸部202は、第1方向D1に沿って交互に並列し、第1方向D1に直交する第2方向D2に沿って延在する。本実施形態における燃料電池用流路部材200の一方側200A(図15~19における燃料電池用流路部材200の上方側)は、燃料電池セル400においてガス拡散層405,406側に向かう、好適には接触する側であり、他方側200B(図15~19における燃料電池用流路部材200の下方側)は、燃料電池セル400において冷媒に接触する側である。凹部201は、ガス拡散層405,406に供給される反応ガスの流路として機能する。
凹部201及び凸部202のピッチP201,P202は、特に限定されるものではなく、例えば、0.2mm~3.0mm程度であればよい。凹部201のピッチP201を相対的に大きくすると、ガス拡散層405,406への反応ガスの供給量を相対的に増やすことができる。一方、凸部202のピッチP202を相対的に大きくすると、燃料電池用流路部材200とガス拡散層405,406との接触面積を相対的に大きくすることができ、接触抵抗の低減効果を奏することができる。なお、凹部201及び凸部202のピッチP201,P202は、燃料電池用流路部材200の平面視において、一の凹部201及び凸部202の第1方向D1(幅方向)における中心とそれに隣接する他の凹部201及び凸部202の第1方向D1(幅方向)における中心との間の長さであって、第1方向D1(幅方向)に平行な長さを意味する。凹部201及び凸部202の高さT200は、特に限定されるものではなく、例えば、0.05mm~1.00mm程度であればよい。なお、凹部201及び凸部202の高さT200は、凹部201の第2平面214と凸部202の第1平面223との間の長さであって、第3方向D3(第1方向D1及び第2方向D2に直交する方向)に平行な長さを意味する。
凹部201及び凸部202は、内側211,221及び外側212,222を含む角部と、第1平面213,223と、第1平面213,223の反対側に位置する第2平面214,224と、溝部203と、第1側壁面204と、第2側壁面205とを有する。凹部201の角部の内側211は、流路部材製造用基板100の基材101の第1面101A側に対応して位置し、角部の外側212は、流路部材製造用基板100の基材101の第2面101B側に対応して位置する。凸部202の角部の内側221は、流路部材製造用基板100の基材101の第2面101B側に対応して位置し、角部の外側222は、流路部材製造用基板100の基材101の第1面101A側に対応して位置する。第1平面213,223及び第1側壁面204は、流路部材製造用基板100の基材101の第1面101A側に対応して位置し、第2平面214,224及び第2側壁面205は、流路部材製造用基板100の基材101の第2面101B側に対応して位置する。
本実施形態における燃料電池用流路部材200は、凹部201及び凸部202を含む角部のうちの少なくとも一部に形成された溝部203を有する。なお、溝部203は、当該角部に加え、第1平面213,223、第2平面214,224、第1側壁面204及び第2側壁面205の少なくとも一部に形成されていてもよい。
例えば、図15に示すように、図8に示す流路部材製造用基板100から製造された燃料電池用流路部材200は、凹部201の角部の内側211に位置する溝部203を有する。また、図16に示すように、図9に示す流路部材製造用基板100から製造された燃料電池用流路部材200は、凸部202の角部の内側221と、凹部201の第2平面214とに位置する溝部203を有する。さらに、図17に示すように、図10に示す流路部材製造用基板100から製造された燃料電池用流路部材200は、凹部201の角部の内側211と、凸部202の角部の内側221とに位置する溝部203を有する。
図18に示すように、図11に示す流路部材製造用基板100から製造された燃料電池用流路部材200は、凹部201の角部の内側211、角部の外側212及び第2平面214と、凸部202の角部の外側222及び角部の内側221とに位置する溝部203を有する。この燃料電池用流路部材200の一方側200Aの溝部203と他方側200Bの溝部203の一部とは、互いに向かい合う位置に形成されていてもよい。例えば、凹部201の角部の内側211に位置する溝部203と、凹部201の角部の外側212に位置する溝部203とは、互いに向かい合う位置に形成されている。また、凸部202の角部の内側221に位置する溝部203と、凸部202の角部の外側222に位置する溝部203とは、互いに向かい合う位置に形成されている。なお、本実施形態において「互いに向かい合う位置に形成されている」とは、他方側200Bの溝部203を一方側200Aに投影したときに、一方側200Aの溝部203と、一方側200Aに投影された他方側200Bの溝部203とが少なくとも部分的に重なっていればよいという趣旨である。
図19に示すように、図12に示す流路部材製造用基板100から製造された燃料電池用流路部材200は、凹部201の角部の内側211、角部の外側212、第1平面213及び第2平面214と、凸部202の角部の外側222、角部の内側221、第1平面223及び第2平面224と、第1側壁面204及び第2側壁面205とに位置する溝部203を有する。この燃料電池用流路部材200の一方側200Aの溝部203の一部と他方側200Bの溝部203の一部とは、互いに向かい合う位置に形成されていてもよい。例えば、凹部201の角部の内側211に位置する溝部203と、凹部201の角部の外側212に位置する溝部203とは、互いに向かい合う位置に形成されている。また、凸部202の角部の内側221に位置する溝部203と、凸部202の角部の外側222に位置する溝部203とは、互いに向かい合う位置に形成されている。さらに、凹部201の第1平面213及び第2平面214のそれぞれに形成されている溝部203の一部や、凸部202の第1平面223及び第2平面224のそれぞれに形成されている溝部203の一部は、互いに向かい合う位置に形成されている。さらにまた、第1側壁面204及び第2側壁面205のそれぞれに形成されている溝部203の一部は、互いに向かい合う位置に形成されている。なお、本実施形態において「互いに向かい合う位置に形成されている」とは、他方側200Bの溝部203を一方側200Aに投影したときに、一方側200Aの溝部203と、一方側200Aに投影された他方側200Bの溝部203とが少なくとも部分的に重なっていればよいという趣旨である。
本実施形態における燃料電池用流路部材200は、流路部材製造用基板100をプレス加工に付することで製造されるため、角部の内側211,221に位置する溝部203の開口幅W203は、流路部材製造用基板100における溝部102の開口幅W102よりも短くなる(図21A及び図21B参照)。一方、角部の外側212,222に位置する溝部203の開口幅W203は、流路部材製造用基板100における溝部102の開口幅W102よりも長くなる(図21B参照)。角部の内側211,221に位置する溝部203の開口幅W203が流路部材製造用基板100における溝部102の開口幅W102よりも短いことで、燃料電池用流路部材200を用いた燃料電池セル400(図23参照)において凹部201を流れる流体(例えば、空気、水素、冷媒等)の流量を増大させることができるとともに、燃料電池用流路部材200と流体との接触面積を大きくすることができるため、燃料電池セル400において保水性や冷却効率を向上させることができる。また、角部の外側212,222に位置する溝部203の開口幅W203が流路部材製造用基板100における溝部102の開口幅W102よりも長いことで、流路部材製造用基板100から燃料電池用流路部材200を製造する際のプレス加工時において角部の外側212,222に曲げコブが生じるのを抑制可能な範囲を広域化することができる。なお、第1平面213,223、第2平面214,224、第1側壁面204及び第2側壁面205に位置する溝部203の開口幅W203は、流路部材製造用基板100における溝部102の開口幅W102と同一である。燃料電池用流路部材200の溝部203の形状は、開口幅W203よりも溝部203内における最大幅Wmaxが大きい形状であってもよい(図21A参照)。当該溝部203がこのような形状を有することで、燃料電池用流路部材200を用いた燃料電池セル400において保水性をさらに向上させることができる。
上述したように、本実施形態における燃料電池用流路部材200が溝部203を有することで、燃料電池用流路部材200の軽量化を図ることができる。また、燃料電池用流路部材200が、流路部材製造用基板100の基材101の第1面101Aに形成された溝部102に対応する溝部203、すなわち燃料電池セル400のガス拡散層405,406側に位置する溝部203を有することで(図15、図17~19参照)、燃料電池セル400における生成水が当該溝部203に保持されるため、保水性を向上させることができる。さらに、燃料電池用流路部材200が、流路部材製造用基板100の基材101の第2面101Bに形成された溝部102に対応する溝部203、すなわち燃料電池セル400における冷媒が接する側に位置する溝部203を有することで(図16~19参照)、燃料電池用流路部材200に対する冷媒の接触面積を相対的に増大させることができるため、冷媒による冷却効率を向上させることができる。さらにまた、燃料電池用流路部材200が、凹部201の角部の外側212や凸部202の角部の外側222に位置する溝部203を有することで(図18及び図19参照)、曲げ加工(プレス加工)時のコブやバリの発生を低減することができるため、燃料電池用流路部材200と他の部材(例えば、ガス拡散層405,406)との接触抵抗を低減することができる。また、燃料電池用流路部材200が、第1平面213,223及び第1側壁面204に位置する溝部203を有することで(図19参照)、燃料電池用流路部材200の凹部201を流れる流体(例えば、ガス拡散層405,406に供給される反応ガスや燃料電池セル400における生成水等)に乱流を引き起こしやすくなるため、当該流体の循環を促進することができる。
上述した構成を有する燃料電池用流路部材200は、本実施形態に係る流路部材製造用基板100と、燃料電池用流路部材200を製造するための金型300(上金型301及び下金型302)とを準備し(図22A参照)、上金型301及び下金型302の間に流路部材製造用基板100を挿入し、上下からプレスすることにより製造される(図22B参照)。
続いて、本実施形態における燃料電池用流路部材200を用いた燃料電池セル400について説明する。
本実施形態における燃料電池セル400は、膜電極複合体401と、膜電極複合体401の両面に接面して設けられた燃料電池用流路部材200とを備える(図23参照)。燃料電池は、複数個の燃料電池セル400が積層されたスタック構造を有する。本実施形態において、燃料電池用流路部材200は、その一方側200Aを膜電極複合体401に向かわせるようにして、好適には接面させるようにして設けられている。
膜電極複合体401は、固体高分子電解質膜402と、固体高分子電解質膜402の両面に順に積層された触媒層403,404及びガス拡散層405,406とを有する。固体高分子電解質膜402の一方面に積層された触媒層403及びガス拡散層405が燃料極(水素極)407を構成し、他方面に積層された触媒層404及びガス拡散層406が空気極(酸素極)408を構成する。
固体高分子電解質膜402は、例えば、基材上に水素イオン伝導性高分子電解質を含有する溶液を塗工し、乾燥することにより形成される。水素イオン伝導性高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC-H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子社製の「Flemion」(登録商標)、旭化成社製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。水素イオン伝導性高分子電解質含有溶液中に含まれる水素イオン伝導性高分子電解質の濃度は、通常5~60質量%程度、好ましくは20~40質量%程度である。なお、固体高分子電解質膜22の膜厚は通常20~250μm程度、好ましくは20~80μm程度である。また、上記の水素イオン伝導性高分子電解質膜以外には、アニオン導電性固高分子電解質膜や液状物質含浸膜も用いることができる。アニオン伝導性電解質膜としては炭化水素系樹脂又はフッ素系樹脂等が挙げられる。炭化水素系樹脂の具体例としては、旭化成社製のAciplex(登録商標)A201,211,221や、トクヤマ社製のネオセプタ(登録商標)AM-1,AHA等が挙げられる。フッ素系樹脂の具体例としては、東ソー社製のトスフレックス(登録商標)IE-SF34等が挙げられる。また、液状物質含浸膜としては、例えばポリベンゾイミダゾール(PBI)が挙げられる。
触媒層403,404は、公知の白金含有の触媒層(カソード触媒層403及びアノード触媒層404)である。触媒層403,404は、触媒粒子を担持させた炭素粒子及び水素イオン伝導性高分子電解質を含有する。触媒粒子としては、例えば、白金、白金化合物等が挙げられる。白金化合物としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄等からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と白金との合金等が挙げられる。なお、通常は、カソード触媒層403に含まれる触媒粒子は白金であり、アノード触媒層404に含まれる触媒粒子は上記金属と白金との合金である。また、水素イオン伝導性高分子電解質としては、上述した固体高分子電解質膜402に使用されるものと同じ材料を使用することができる。
ガス拡散層405,406としては、公知であり、燃料極407、空気極408を構成する各種のガス拡散層を使用でき、燃料ガス及び酸化剤ガスを効率よく触媒層403,404に供給するため、多孔質の導電性基材からなっている。多孔質の導電性基材としては、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等が挙げられる。
燃料電池用流路部材200は、凸部202の第1平面223をガス拡散層405,406に向かわせるように、好適には当接させるようにして設けられている。燃料極407のガス拡散層405に当接する燃料電池用流路部材200の凹部201を介して、当該ガス拡散層405に燃料ガス(水素)が供給され、空気極408のガス拡散層406に当接する燃料電池用流路部材200の凹部201を介して、当該ガス拡散層406に酸化剤ガス(空気又は酸素)が供給される。
上述した構成を有する燃料電池セル400において、燃料電池用流路部材200がガス拡散層405,406側に位置する溝部203を有する場合(図15、図17~19参照)、燃料電池セル400における生成水が当該溝部203に保持されるため、保水性を向上させることができる。さらに、燃料電池用流路部材200が冷媒の接する側(冷却側)に位置する溝部203を有する場合(図16~19参照)、燃料電池用流路部材200に対する冷媒の接触面積を相対的に増大させることができるため、冷媒による冷却効率を向上させることができる。さらにまた、燃料電池用流路部材200が凹部201の角部の外側212や凸部202の角部の外側222に位置する溝部203を有する場合(図18及び図19参照)、曲げ加工(プレス加工)時のコブやバリの発生が低減されているため、燃料電池用流路部材200とガス拡散層405,406等の他の部材との接触抵抗が低減される。また、燃料電池用流路部材200が第1平面213,223及び第1側壁面204に位置する溝部203を有する場合(図19参照)、燃料電池用流路部材200の凹部201を流れる流体(例えば、ガス拡散層405,406に供給される反応ガスや燃料電池セル400における生成水等)に乱流を引き起こしやすくなるため、当該流体の循環を促進することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…流路部材
2…金属基材
2A…第1面
2B…第2面
3…流路部
4…供給マニホールド孔
41…燃料ガス供給マニホールド孔
42…酸化剤ガス供給マニホールド孔
43…冷媒供給マニホールド孔
5…排出マニホールド孔
51…燃料ガス排出マニホールド孔
52…酸化剤ガス排出マニホールド孔
53…冷媒排出マニホールド孔
6…領域
6A…第1領域
6B…第2領域
61…粗面
62…凹部
63…貫通孔部
64…微細凹部
10…燃料電池セル
100…流路部材製造用基板
101…基材
101A…第1面
101B…第2面
102…溝部
200…燃料電池用流路部材
400…燃料電池セル

Claims (24)

  1. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、
    前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部と
    を備え、
    前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に粗面が形成されており、
    前記粗面の算術平均表面粗さRaが、0.1μm~0.5μmの範囲である
    流路部材。
  2. 前記領域に形成されている凹部を有し、
    前記凹部の表面の少なくとも一部に前記粗面が形成されている、請求項1に記載の流路部材。
  3. 前記凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4~1/2の範囲である、請求項2に記載の流路部材。
  4. 前記領域に形成されている、前記金属基材の厚さ方向に貫通する貫通孔部を含み、
    前記貫通孔部の側面部の少なくとも一部に前記粗面が形成されている、請求項1又は2に記載の流路部材。
  5. 前記領域に形成されている微細凹部を有し、
    前記微細凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4未満であり、
    前記微細凹部の表面の少なくとも一部に前記粗面が形成されている、請求項1又は2に記載の流路部材。
  6. 前記金属基材には、前記流路部に流体を供給する供給マニホールド孔及び前記流路部から流体を排出する排出マニホールド孔が形成されており、
    前記領域は、前記流路部の外縁と、前記供給マニホールド孔及び前記排出マニホールド孔のそれぞれの外縁とを取り囲む領域である、
    請求項1又は2に記載の流路部材。
  7. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、
    前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部と
    を備え、
    前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に、前記金属基材の厚さ方向に貫通する貫通孔部が形成されており、
    前記金属基材の前記第1面側における前記貫通孔部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/2以上である、流路部材。
  8. 前記金属基材の前記第1面側における前記貫通孔部の開口部の開口寸法は、前記金属基材の厚さ以上である、請求項7に記載の流路部材。
  9. 前記貫通孔部の側面部の少なくとも一部に粗面が形成されている、請求項7又は8に記載の流路部材。
  10. 前記領域に形成されている凹部を有し、
    前記凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4~1/2の範囲である、請求項7又は8に記載の流路部材。
  11. 前記領域に形成されている微細凹部を有し、
    前記微細凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4未満である、請求項7又は8に記載の流路部材。
  12. 前記金属基材には、前記流路部に流体を供給する供給マニホールド孔及び前記流路部から流体を排出する排出マニホールド孔が形成されており、
    前記領域は、前記流路部の外縁と、前記供給マニホールド孔及び前記排出マニホールド孔のそれぞれの外縁とを取り囲む領域である、
    請求項7又は8に記載の流路部材。
  13. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する金属基材と、
    前記金属基材の前記第1面の面内における第1方向に延在する流路部と
    を備え、
    前記金属基材の前記第1面には、少なくとも前記流路部の外縁を取り囲む領域に微細凹部が形成されており、
    前記微細凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4未満である、流路部材。
  14. 前記微細凹部の表面の少なくとも一部に粗面が形成されている、請求項13に記載の流路部材。
  15. 前記領域に形成されている、前記金属基材の厚さ方向に貫通する貫通孔部を有する、請求項13又は14に記載の流路部材。
  16. 前記領域に形成されている凹部を有し、
    前記凹部の開口部の開口寸法が、前記金属基材の厚さの1/4~1/2の範囲である、請求項13又は14に記載の流路部材。
  17. 前記金属基材には、前記流路部に流体を供給する供給マニホールド孔及び前記流路部から流体を排出する排出マニホールド孔が形成されており、
    前記領域は、前記流路部の外縁と、前記供給マニホールド孔及び前記排出マニホールド孔のそれぞれの外縁とを取り囲む領域である、
    請求項13又は14に記載の流路部材。
  18. 基板を屈曲させることで形成され、所定の方向に延在する凹部及び凸部が交互に並列してなる流路部材であって、
    前記凹部及び前記凸部の角部のうちの少なくとも一部に溝部が形成されており、
    前記溝部の形状は、前記溝部の開口幅よりも前記溝部内における最大幅が大きい形状である、流路部材。
  19. 前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記角部の内側の少なくとも一部に形成されている、請求項18に記載の流路部材。
  20. 前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記角部の外側の少なくとも一部に形成されている、請求項18に記載の流路部材。
  21. 前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記角部の内側の少なくとも一部と前記角部の外側の少なくとも一部とに形成されている、請求項18に記載の流路部材。
  22. 前記凹部及び前記凸部は、それぞれ、第1平面と前記第1平面の反対側に位置する第2平面とを含み、
    前記溝部は、前記凹部及び前記凸部の前記第1平面及び前記第2平面のうちの少なくとも一部に形成されている、請求項18~21のいずれかに記載の流路部材。
  23. 前記溝部は、前記流路部材の一方側及び他方側に形成されており、
    前記一方側に形成されている前記溝部と、前記他方側に形成されている前記溝部とは、互いに向かい合う位置に形成されている、請求項18~21のいずれかに記載の流路部材。
  24. 交互に並列し、所定の方向に延在する凹部及び凸部を有する流路部材を製造するために用いられる基板であって、
    第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有する基材と、
    前記第1面及び/又は前記第2面に形成された溝部と
    を備え、
    前記溝部は、前記流路部材の前記凹部及び前記凸部の角部のうちの少なくとも一部に対応する位置に形成されている、流路部材製造用基板。
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