JP2005302709A - 高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池に供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜の乾燥の進行、及び、フラッディングの発生を十分に抑制することができ、アノード及びカソード並びに高分子電解質膜の劣化を抑制することができ、電池性能の低下を容易かつ確実に低減し得る高分子電解質型燃料電池の提供。
【解決手段】高分子電解質膜、高分子電解質膜を挟むアノード及びカソード、アノードに燃料ガスを供給・排出する第1のガス流路及び前記カソードに酸化剤ガスを供給・排出する第2のガス流路を有する一対のセパレータを具備する高分子電解質型燃料電池において、アノード及びカソードの互いに対向する位置にそれぞれ切欠部を設け、上記位置において高分子電解質膜が一対のセパレータで挟み、上記切欠部において高分子電解質膜をガス透過性の補強部材で支持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子電解質型燃料電池に関し、特に膜電極接合体とセパレータとの構造を改善することによって耐久性を向上させた高分子電解質型燃料電池に関する。
陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質膜を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて、電力と熱とを同時に発生させる。
ここで、図11は、従来の高分子電解質型燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図12は、図11に示す単電池210に含まれる膜電極接合体(MEA)の基本構成の一例を示す概略断面図である。
図12に示すように、従来の高分子電解質型燃料電池のMEA200においては、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜201の両面に、電極触媒(例えば白金金属)を担持した炭素粉末と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物を含んで構成された触媒層202a及び触媒層202bが形成されている。
触媒層202a及び202bの外側には、それぞれガス拡散層203a及び203bが配置されており、触媒層202aとガス拡散層203aとがアノード(ガス拡散電極)204aを構成し、触媒層202bとガス拡散層203bとがカソード(ガス拡散電極)204bを構成している。
そして、アノード204aの触媒層202aでは、式(1):H2→2H++2e- で示される反応によってプロトンを生じ、カソード204bの触媒層202bでは、酸素とアノード204aから移動してきたプロトンとが、式(2):1/2O2+2H++2e-→H2Oで示される反応によって水を生成する。
図11に示すように、図12に示すMEA200を用いた単電池210においては、アノード204a及びカソード204bに供給される燃料ガス及び酸化剤ガスの外部へのリーク防止や、前記2種類のガスの混合防止のため、アノード204a及びカソード204bの周囲に、高分子電解質膜201を挟持するようにしてガスケット206a及びガスケット206bが配置されている。
なお、ガスケット206a及び206bは、アノード204a及びカソード204b並びに高分子電解質膜201と一体化してあらかじめ組み立てられ、これらを一体化して得られた構造体をMEAと呼ぶこともある。
また、図11に示すように、単電池210は、隣接する複数の単電池を機械的に固定しかつ電気的に接続するための、導電性を有する板状のセパレータ205a及びセパレータ205bを有する。そして、セパレータ205a及びセパレータ205bがそれぞれアノード204a及びカソード204bに接触する側の主面の部分には、それぞれアノード204a又はカソード204bに反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)を供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路207a及びガス流路207bが形成されている。
ガス流路207a及びガス流路207bは、セパレータ205a及びセパレータ205bと別に設けることもできるが、図11に示すように、溝を設けてガス流路207a及び207bを構成するのが一般的である。
更に、発電が行われるとMEA200は発熱するため、MEA200の温度を許容される動作温度に維持するために、冷却水等の冷却流体を流通させて余剰熱を取り除くことが行われる。一般的には、セパレータ205a及びセパレータ205bの少なくとも一方において、ガス流路207a及びガス流路207bが形成された面の反対側の面に、冷却水流路208a及び冷却水流路208bを設け、ここに冷却水などの冷却流体を流通させている。
そして、冷却水流路208a及び冷却水流路208bとしては、複数の直線状の溝と、隣接する直線状の溝の端を上流側から下流側へ連結するターン状の溝(カーブした形状の溝)と、からなるサーペンタイン型の冷却水流路が用いられることが多く、各溝は等間隔で形成されているのが一般的である。また、冷却水流路208a及び208bは、略平行な複数の直線状の溝によって構成されることもあるが、この場合も各溝は等間隔に形成されているのが一般的である。
ここで、高分子電解質膜201は、末端のスルホン酸基部分によって水素イオン交換能を発揮するが、当該水素イオン交換能の発揮のためにはある程度の水分を保持している必要があるため、燃料電池に供給される燃料ガス及び酸化剤ガスのうちの少なくとも一方を加湿する必要がある。ところが、加湿するガス中の水分が多くなるほどガス流路207a及びガス流路207bが閉塞されるフラッディング現象によって電池性能が低下してしまうという問題があった。
これに対し、例えば、特許文献1においては、特に燃料ガス出口近傍における水詰まりを抑制し、安定して作動する固体高分子型燃料電池を提供すること、特に、酸化剤ガスの流れ方向における温度勾配を小さくして燃料電池のセル性能及び寿命特性の向上を図ることを意図し、非電極領域を設けることが提案されている(例えば、特許文献1の図1参照)。
特許文献1に記載の固体高分子型燃料電池を図13を用いて概略的に説明すると、燃料ガスと酸化剤ガスとを単電池210の面内で対向させて流し、酸化剤ガスの加湿の程度を低くして供給するガス流路構造とした単電池210において、水の閉塞が起こり易いアノード204a側からカソード204b側に水の移動促進、並びにアノード204a出口部での水の閉塞回避と酸化剤ガスの加湿を意図し、図13に示すように、高分子電解質膜201がセパレータ205a及びセパレータ205bと対向する面において、アノード204a及びカソード204bを備えない非電極領域209a及び非電極領域209bを設けることが提案されている。
特開2000-277128号公報
しかしながら、特に燃料電池を用いたコージェネレーションシステムなどにおいて、システム起動時や負荷変動時などに燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動すると、まずアノード204a又はカソード204bに過加湿部分(相対湿度が100%を超えてガスと凝縮水が混在する状態の部分)や低加湿部分(相対湿度が100%未満となる部分)が形成される。この場合、その低加湿部分を有するアノード204a又はカソード204bが劣化したり、高分子電解質膜201が劣化したりし、最終的には燃料電池の性能が低下してしまう傾向にあるという問題があった。
このような問題に対し、例えば、先に述べた特許文献1に記載の技術を用い、例えば酸化剤ガスの加湿量が低下した場合に、酸化剤ガス入口側で高分子電解質膜1の非電極領域209a及び非電極領域209bを介して燃料ガスの側から酸化剤ガスの側に水分が補給されることを期待できる可能性もあると考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術の場合、酸化剤ガスの加湿の程度を低くして供給する運転条件(加湿条件)のため、上述のアノード204a又はカソード204bの劣化、高分子電解質膜201の劣化を十分に防止することがきわめて困難である。また、特許文献1に記載の技術の場合、露点を電池温度以上とする運転条件としても、燃料ガスと酸化剤ガスとを単電池210の面内で対向させて流す構成のため、単電池210の入口付近において反応ガスは過飽和状態となり、水分が凝縮してミストが単電池210のガス流路内に供給されることになり、ミストに起因するフラッディング現象が発生し易くなるという問題が生じる。また、この場合、燃料ガスと酸化剤ガスとを単電池210の面内で対向させて流す構成のため、燃料ガス及び酸化剤ガスの何れかが重力方向に逆らって供給される構成となる。そのため燃料ガス及び酸化剤ガスの何れかに含まれるミストを重力方向に逆らって燃料電池に供給するための余剰のエネルギーが必要となり、ガス流路207a及びガス流路207bにおける圧力損失が増大してしまうという問題を生じる。更にこの場合、フラッディングが起こり易くなって、電池性能(例えば電池電圧)が不安定に変動したり低下したりして要求される定格特性を維持することが困難となる(信頼性も低下する)。
更に、上記特許文献1に記載の燃料電池の非電極領域209a及び非電極領域209bにおいては、通常20〜200μmの膜厚を有する薄い高分子電解質膜201がむき出しにされかつ支持されていないため、高分子電解質膜201の損傷や劣化が生じたり、高分子電解質膜201の両側を流れる燃料ガスと酸化剤ガスとが反応せずに混じり合うクロスリークを生じたりしてしまい、燃料電池の性能を低下させてしまうという問題がある。
これに加え、上記特許文献1においては、燃料ガスと酸化剤ガスとを互いに対向させて流す対向流を採用していることから、高分子電解質膜201にかかるストレスが増大して損傷したり、クロスリークを生じたりする可能性が高いという問題もあった。
そこで、本発明は、燃料電池に供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜の乾燥の進行、及び、フラッディングの発生を十分に抑制することができ、アノード及びカソード並びに高分子電解質膜の劣化を抑制することができ、電池性能の低下を容易かつ確実に低減し得る高分子電解質型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、燃料電池の電池効率を十分に高く保ちつつ耐久性も十分に保つためには、燃料電池に供給される燃料ガス及び酸化剤ガスを十分に加湿する先に述べた過加湿の条件での作動が有効であるとの観点から、上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、過加湿の条件でもガス流路中の水分(特に液体)を容易に排出可能であり、かつ、両電極の触媒層及び高分子電解質膜中の水分量を十分に保持してこれらの乾燥の進行を十分に防止可能な以下の構成とすることが上述の目的を達成する上で極めて有効であることを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、上記課題を解決すべく、
触媒層を含むアノード及び触媒層を含むカソードと、アノードとカソードとの間に配置されており、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、を含む膜電極接合体と、
膜電極接合体を挟持するように配置されており、アノードの側の主面にアノードに燃料ガスを供給・排出するための燃料ガス入口及び燃料ガス出口を有する第1のガス流路が形成され、かつ、カソードの側の主面にカソードに酸化剤ガスを供給・排出するための酸化剤ガス入口及び酸化剤ガス出口を有する第2のガス流路の形成された一対の導電性を有するセパレータと、
を少なくとも具備する単電池を含んでおり、
単電池が、一対のセパレータのアノード側及びカソード側のうちのいずれか一方の主面の法線方向が重力方向と交わるように配置されており、
一対のセパレータにおいて、燃料ガス入口と酸化剤ガス入口とが近傍の位置に形成されており、第1のガス流路は、該第1のガス流路中を燃料ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れるように形成されており、かつ、第2のガス流路は、該第2のガス流路中を酸化剤ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れるように形成されており、
膜電極接合体の高分子電解質膜のアノード側の主面には、触媒層の形成されていない第1の切欠部が形成されており、膜電極接合体の高分子電解質膜のカソード側の主面には、触媒層の形成されていない第2の切欠部が形成されており、かつ、第1の切欠部及び第2の切欠部は、高分子電解質膜のアノード側及びカソード側のうちのいずれか一方の主面の略法線方向からみた場合に、互いの少なくとも一部が重なり合うような位置に形成されており、
高分子電解質膜の第1の切欠部には、ガス透過性を有する第1の補強部材が配置されており、
高分子電解質膜の第2の切欠部には、ガス透過性を有する第2の補強部材が配置されており、
第1の切欠部及び第2の切欠部において、高分子電解質膜が第1の補強部材及び第2の補強部材により挟持されようにして支持されていること、
を特徴とする高分子電解質型燃料電池を提供する。
上記のような構成により、本発明の高分子電解質型燃料電池は、燃料電池に供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、燃料ガスの水分と酸化剤ガスの水分とが高分子電解質膜を介してその濃度勾配をドライビングフォース(駆動源)として互いに行き来きさせることができる。そのため、加湿状態を良好な状態(触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜中の良好なイオン伝導が確保できる状態)に保つとともに、この加湿状態のバランス、即ち供給される反応ガスの加湿バランスを保持することができる。更には、酸化剤ガスの入口及び還元剤ガスの入口の位置関係と、酸化剤ガスの流れ方向と還元剤ガスの流れ方向との関係を上記のようにすること(特許文献1に記載の酸化剤ガスの流れ方向と還元剤ガスの流れ方向との関係とは逆の関係にすること)により、触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜の乾燥の進行、及び、フラッディングの発生を十分に回避することができる。その結果、アノード及びカソード並びに高分子電解質膜の損傷及び劣化を十分に抑制してクロスリークを抑制し、電池性能の低下を容易かつ確実に低減し得る高分子電解質型燃料電池を提供することができる。
本発明の高分子電解質型燃料電池によれば、燃料電池に供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜の乾燥の進行、及び、フラッディングの発生を十分に抑制することができ、アノード及びカソード並びに高分子電解質膜の劣化を抑制することができ、電池性能の低下を容易かつ確実に低減することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態の高分子電解質型燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。また、図2は、図1に示す単電池11に含まれる膜電極接合体(MEA)の基本構成の一例を示す概略断面図である。更に、図3は、図2に示すMEA10の概略斜視図である。また、図4は、本実施形態の燃料電池に備えられるセパレータ5aの第1のガス流路7a側の要部拡大正面図である。更に、図5は、本実施形態の燃料電池に備えられるセパレータ5bの第2のガス流路7b側の要部拡大正面図である。
図2に示すように、本実施形態の高分子電解質型燃料電池のMEA10においては、陽イオン(水素イオン)を選択的に輸送する高分子電解質膜1の両面に、電極触媒(例えば白金金属)を担持した導電性炭素粒子で構成された触媒体と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物で構成された触媒層(第1の触媒層及び第2の触媒層)2a及び2bが形成されている。
ここで、高分子電解質膜1としては、従来公知のものを用いることができ、例えば−CF2−で構成された主鎖及びスルホン酸基(−SO3H)を末端の官能基として含む側鎖とを有するパーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜を用いることができる。例えば、Nafion(米国Du Pont社製)、Flemion(旭硝子(株)製)及びAciplex(旭化成(株)製)等の商品名で販売されている高分子電解質膜を使用することができる。
なお、高分子電解質膜1の膜厚は、一般的に20〜200μmである。
また、触媒層2a及び触媒層2bは、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質とによって形成される。この触媒層2a及び2bの形成には、貴金属からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、上記高分子電解質と、分散媒と、を少なくとも含む触媒層形成用インクを用いる。
高分子電解質としては、陽イオン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、及びスルホンイミド基を有するものなどが好ましく挙げられる。水素イオン伝導性の観点から、スルホン酸基を有するものが特に好ましい。
スルホン酸基を有する高分子電解質としては、イオン交換容量が0.5〜1.5meq/g乾燥樹脂であるものことが好ましい。高分子電解質のイオン交換容量が0.5meq/g乾燥樹脂以上であると、得られた触媒層の抵抗値が発電時に上昇するおそれがないため好ましく、イオン交換容量が1.5meq/g乾燥樹脂以下であると、得られた触媒層の含水率が増大せず、膨潤しにくくなり、細孔が閉塞するおそれがないため好ましい。イオン交換容量は0.8〜1.2meq/g乾燥樹脂が特に好ましい。
高分子電解質としては、CF2=CF−(OCF2CFX)m−Op−(CF2)n−SO3Hで表されるパーフルオロビニル化合物(mは0〜3の整数を示し、nは1〜12の整数を示し、pは0又は1を示し、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基を示す。)に基づく重合単位と、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることが好ましい。
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、下記式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、tは1〜3の整数を示す。
CF2=CFO(CF2q−SO3H ・・・(1)
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2r−SO3H ・・・(2)
CF2=CF(OCF2CF(CF3))tO(CF22−SO3H ・・・(3)
また、高分子電解質膜1の構成材料として、上述した高分子電解質を用いてもよい。
本発明において使用される電極触媒は、導電性炭素粒子(粉末)に担持されて用いられ、金属粒子からなる。当該金属粒子としては、特に限定されず種々の金属を使用することができる。例えば、白金、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛及びスズよりなる群から選択される1種以上のものが好ましい。
なかでも、貴金属や白金及び白金との合金が好ましく、白金とルテニウムの合金が、アノードにおいては触媒の活性が安定することから特に好ましい。
導電性炭素粒子は比表面積が50〜1500m2/gであることが好ましい。比表面積50m2/g以上であると、電極触媒の担持率を上げることが比較的容易であり、得られた触媒層の出力特性が低下するおそれがないことから好ましく、比表面積が1500m2/g以下であると、細孔が微細すぎずに高分子電解質による被覆が容易となり、得られた触媒層の出力特性が低下するおそれがないことから好ましい。比表面積は200〜900m2/gが特に好ましい。
更に、電極触媒の粒子は平均粒径1〜30nmであることがより好ましい。平均粒径1nm以上の電極触媒は工業的に調製が容易であるため好ましく、また、30nm以下であると、電極触媒質量あたりの活性が低くならず、燃料電池のコストアップを抑制することができ好ましい。
本発明において、触媒層形成用インクを調製するために用いる分散媒としては、高分子電解質を溶解又は分散可能(高分子電解質が一部溶解した分散状態も含む)であるアルコールを含む液体を用いることが好ましい。
分散媒は、水、メタノール、プロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール及びtert―ブチルアルコールのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。これらの水及びアルコールは単独でも使用してもよく、2種以上混合してもよい。アルコールは、分子内にOH基を1つ有する直鎖のものが特に好ましく、エタノールが特に好ましい。このアルコールには、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル結合を有するものも含まれる。
また、触媒層形成用インクは、固形分濃度0.1〜20質量%であることが好ましい。固形分濃度が0.1質量%以上であると、触媒層形成用インクの噴霧又は塗布により触媒層を作製するにあたり、何回も繰り返し噴霧又は塗布しなくても所定の厚さの触媒層を得ることができ生産効率が低下しない。また、固形分濃度が20質量%以下であると、混合液の粘度が高くなり過ぎず、得られる触媒層が不均一となるおそれがない。
なかでも、固形分濃度で1〜10質量%であることが特に好ましい。
本発明において、触媒層形成用インクは、従来公知の方法に基づいて調製することができる。具体的には、ホモジナイザ、ホモミキサ等の撹拌機を使用したり、高速回転ジェット流方式を使用するなどの高速回転を使用する方法、高圧乳化装置などの高圧をかけて狭い部分から分散液を押出すことで分散液にせん断力を付与する方法などが挙げられる。
本発明の触媒層形成用インクを用いて触媒層を形成する際には、従来公知の方法を用いればよい。即ち、高分子電解質膜1又はガス拡散層3a及び3b上に直接触媒層2a及び2bを形成してもよく、他の支持体シート上に触媒層2a及び2bを形成し、これらを高分子電解質膜1又はガス拡散層3a及び3b上に転写してもよい。
次に、触媒層2a及び2bの外側には、それぞれガス拡散層(第1のガス拡散層及び第2のガス拡散層)3a及び3bが配置されており、触媒層2aとガス拡散層3aとがアノード(ガス拡散電極)4aを構成し、触媒層2bとガス拡散層3bとがカソード(ガス拡散電極)4bを構成している。
ガス拡散層3a及び3bは、ガス透過性及び導電性を有するカーボンペーパやカーボンフェルト等の従来公知の多孔質基材を用いて構成することができ、当該多孔質基材には従来公知の方法によって撥水処理を施してもよい。また、当該多孔質基材の面のうち、触媒層2a又は2b側の面には従来公知の撥水性導電層を設けてもよい。
MEA10は、上記のような高分子電解質膜1、触媒層2a及び2b、並びにガス拡散層3a及び3bを用い、後述の実施例で示すように第1の切欠部及び第2の切欠部を設けるとともに第1の補強部材及び第2の補強部材を設置する以外は、従来公知の方法(例えばホットプレス等)によって作製することができる。
図1に示すように、図2に示すMEA10を用いた単電池11は、アノード4a及びカソード4bに供給される燃料ガス及び酸化剤ガスの外部へのリーク防止や、前記2種類のガスの混合防止のため、アノード4a及びカソード4bの周囲に、高分子電解質膜1を挟持するようにしてガスケット6a及びガスケット6bが配置された構成を有している。
また、単電池11は、隣接する単電池を機械的に固定しかつ電気的に接続するための、一対の導電性を有する板状のセパレータ5a及びセパレータ5bを有する。セパレータ5a及びセパレータ5bは、MEA10を挟持するように配置されている。
セパレータ5aがアノード4aに接触する側の主面の部分には、アノード4aに燃料ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るための溝で構成されたガス流路7aが形成されている。また、セパレータ5bがカソード4bに接触する側の主面の部分には、カソード4bに酸化剤ガスを供給し、生成ガスや余剰ガスを運び去るための溝で構成されたガス流路7bが形成されている。
更に、図1、図4及び図5に示すように、本実施形態の高分子電解質燃料電池の場合、単電池11が、(I)一対のセパレータ5a及びセパレータ5bのアノード4a側及びカソード4b側のうちのいずれか一方の主面の法線方向(D2又はD3)が重力方向D1と交わるように配置されている。特に、本実施形態の高分子電解質燃料電池の場合、単電池11が、(V)上記法線方向(D2又はD3)が重力方向D1と略垂直に交わるように配置されている。
また、図1、図4及び図5に示すように、本実施形態の高分子電解質燃料電池の場合、(II)一対のセパレータ5a及びセパレータ5bにおいて、燃料ガス入口孔(燃料ガス入口)22と酸化剤ガス入口孔(酸化剤ガス入口)25とが近傍の位置に形成されている。更に、(III)第1のガス流路7aは、該第1のガス流路7a中を燃料ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れるように形成されている。また、(IV)第2のガス流路7bは、該第2のガス流路7b中を酸化剤ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れるように形成されている。
ここで、本発明において、「燃料ガス」には水素ガスなどの還元剤のほかに加湿用の水蒸気などの水分、窒素及び希ガスなどの電極反応に関与しない反応性の低いガス成分が含まれていてもよい。「酸化剤ガス」には酸素ガスなどの酸化剤のほかに加湿用の水蒸気などの水分、窒素及び希ガスなどの電極反応に関与しない反応性の低いガス成分が含まれていてもよい。
また、「燃料ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れる」状態とは、燃料ガスを微視的に見た場合に、燃料ガスを構成するガスの分子が熱運動などにより重力に逆らう方向に移動する場合があっても、燃料ガスを巨視的に見た場合(燃料ガス全体として見た場合)に重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れる状態をいう。
更に、「酸化剤ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れる」状態とは、酸化剤ガスを微視的に見た場合に、酸化剤ガスを構成するガスの分子が熱運動などにより重力に逆らう方向に移動する場合があっても、酸化剤ガスを巨視的に見た場合(酸化剤ガス全体として見た場合)に重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れる状態をいう。
上記(I)〜(IV)の構成を採用することにより、高分子電解質型燃料電池の電池性能や耐久性を高く維持するために反応ガスの加湿露点を高くして過飽和状態(ガスと凝縮水が混在する状態)のガスが燃料電池に供給され、さらに反応によって生成水が発生し、ガス流路中の水分量が多くなったとしても、図4に示される第1のガス流路7a、図5に示される第2のガス流路7bではそれぞれ反応ガス(反応ガス中の凝縮水)が重力に逆らわずに重力に従ってスムーズに燃料ガス出口孔24(燃料ガス出口)及び酸化剤ガス出口孔26(酸化剤ガス出口)まで導かれる。そのために、ガス流路の途中でのフラッディングの発生を十分に回避することができる。更に、上記(V)の構成を採用することにより、重力をドライビングフォースとする燃料ガス出口孔24及び酸化剤ガス出口孔26への凝縮水の移動をよりスムーズにすることができるため、上記の効果をより確実に得ることができる。またこの(V)の構成を採用する場合には、本発明の高分子電解質型燃料電池を地面などの設置面に配置し易くなる。更にこの効果は、図4及び図5に示すように、(I)〜(V)の構成に加えて、(VI)燃料ガス出口孔24と酸化剤ガス出口孔26とが近傍の位置に形成されている構成を採用することにより、重力をドライビングフォースとする燃料ガス出口孔24及び酸化剤ガス出口孔26への凝縮水の移動を更によりスムーズにすることができるため、更により確実に得ることができる。
図4及び図5に示すように、この(I)〜(VI)の構成{ただし、(V)は必須ではなく好ましい構成}を採用することにより、第1のガス流路7aにおける燃料ガスの重力方向D1に従う概略的な流れの方向D4(重力方向D1に略平行であって、燃料ガスが位置エネルギーの高い側にある燃料ガス入口孔22から位置エネルギーの低い側にある燃料ガス出口孔24に向けて概略的に流れる方向)と、第2のガス流路7bにおける酸化剤ガスの重力方向D1に従う概略的な流れの方向D5(重力方向D1に略平行であって、酸化剤ガスが位置エネルギーの高い側にある酸化剤ガス入口孔25から位置エネルギーの低い側にある燃料ガス出口孔26に向けて概略的に流れる方向)とが略平行となる。このような(I)〜(VI)の構成{ただし、(V)は必須ではなく好ましい構成}の条件を満たす第1のガス流路7a(アノードのガス流路)と第2のガス流路7b(カソードのガス流路)とを、本発明では「並行流」の構成を有する第1のガス流路7a(アノードのガス流路)と第2のガス流路7b(カソードのガス流路)という。
さらに、上記(I)〜(IV)の構成、好ましくは(I)〜(V)の構成、更に好ましくは(I)〜(VI)の構成を採用することにより、アノードとカソードとの電極間での反応ガス間の差圧がアノード及びカソードのどの領域においても最小とすることができる。そのため、MEA10に与える力学的(機械的)ストレスを十分に低減することができる。また、仮にMEA10にピンホールができたとしても上述の反応ガス間の差圧が小さくなるためクロスリーク量を十分に抑えることができる。
更に、発電が行われるとMEA10は発熱することから、MEA10の温度を許容される動作温度に維持するために、セパレータ5a及びセパレータ5bは、ガス流路7a及び7bが形成された面の反対側の面に、溝で構成された冷却水流路8a及び8bが設けられた構成を有しており、ここに冷却水等の冷却流体を流通させる。
ここで、本実施形態の高分子電解質型燃料電池は、図1に示すように、MEA10の高分子電解質膜1のアノード4a側の主面には、アノード4aの形成されていない(触媒層2aの形成されていない)第1の切欠部9aが形成されている。また、MEA10の高分子電解質膜1のカソード4b側の主面には、カソード4bの形成されていない(触媒層2bの形成されていない)第2の切欠部9bが形成されている。
更に、第1の切欠部9a及び第2の切欠部9bは、高分子電解質膜1のアノード4a側及びカソード4b側のうちのいずれか一方の主面の略法線方向からみた場合に、互いの少なくとも一部が重なり合うような位置に形成されている。
そして、高分子電解質膜1の第1の切欠部9aには、ガス透過性を有する第1の補強部材12aが配置されている。また、高分子電解質膜1の第2の切欠部9bには、ガス透過性を有する第2の補強部材12bが配置されている。更に、第1の切欠部9a及び第2の切欠部9bにおいて、高分子電解質膜1が第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bにより挟持されようにして支持されている。
より詳しくは、図1〜3に示すように、本実施形態の高分子電解質型燃料電池のアノード4a及びカソード4bは、図1〜図3における左側部分において第1の切欠部9a及び第2の切欠部9bを有し、それぞれガス拡散層3a及びガス拡散層3bの一部が延びて第1の切欠部9a及び第2の切欠部9bにおいて第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bを形成している。
したがって、本実施形態の単電池11は、セパレータ5a及び5bによってMEA10を挟持すると、アノード4a側のセパレータ5aにおいては、図4に示す破線で囲まれたハッチング部分Yaにアノード4aが位置し、カソード4b側のセパレータ5bにおいては図8に示す破線で囲まれたハッチング部分Ybにカソード4bが位置するように構成されている。
そして、図4及び5における部分Sa及びSb(即ち、第1のガス流路7a及び第2のガス流路7bの上流部分)には、それぞれ第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bが位置し、高分子電解質膜1がこれら第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bに支持されてセパレータ5a及び5bに挟持されている。
このように高分子電解質1の第1の切欠部9a及び第2の切欠部9bはむき出しにされるのではなく第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bに支持されてセパレータ5a及び5bに挟持されているため、先に述べた特許文献1における問題の発生を十分に抑制することができる。
第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bの厚みは、例えば触媒層2a及び2bほど薄くなくてもよいが、高分子電解質膜1の損傷を抑制することができるように、MEA10をセパレータ5a及び5bで挟持した際に高分子電解質膜1を支持しつつも完全には圧力がかからないように設計された構成を有している。
また、本実施形態においては、ガス拡散層3a及びガス拡散層3bの一部で第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bを構成しているため、ガス拡散層3a及びガス拡散層3bを構成する先に述べた多孔質基材(例えばカーボンペーパやカーボンフェルト)が本来的に有する表面の凹凸状部分を利用して(即ち、当該凹凸状部分の厚みを考慮して)、第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bの厚みを調整することができる。
例えば、ガス拡散層3a及び3bを構成する多孔質基材がその表面に顕著な凹凸状部分を有する場合は、アノード4a及びカソード4b内におけるガス拡散層3a及び3bの部分の厚みと、第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bを構成するガス拡散層3a及び3bの部分(延長部分)の厚みとを、ほぼ同一とすることもできる。
以上の構成により、本実施形態の高分子電解質型燃料電池は、燃料電池に供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、燃料ガスの水分と酸化剤ガスの水分とが高分子電解質膜1を介してその濃度勾配をドライビングフォース(駆動源)として互いに行き来きさせることができる。そのため、アノード4a側とカソード4b側における加湿状態を良好な状態(触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜中の良好なイオン伝導が確保できる状態)に保つとともに、この加湿状態のバランス、即ち供給される反応ガスの加湿バランスを保持することができる。更には、先に述べた(I)〜(IV)の構成{好ましくは(I)〜(V)の構成、更に好ましくは(I)〜(VI)の構成}により、触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜の乾燥の進行、及び、フラッディングの発生を十分に回避することができる。その結果、アノード4a及びカソード4b並びに高分子電解質膜1の損傷及び劣化を十分に抑制し、単電池(高分子電解質型燃料電池)11の電池性能の低下を容易かつ確実に低減することができる。
ここで、図4及び5において、第1の補強部材12aが位置する第1の切欠部の部分Saの面積及び第2の補強部材12bが位置する第2の切欠部の部分Sbの面積について説明する。
本実施形態においては、図4に示すセパレータ5aの第1のガス流路7aの全面積を、図4において破線で示される部分(即ち、Saで表される部分とYaで表される部分の合計)で表されると仮定した場合に、第1のガス流路7aの総面積に対する第1の切欠部(本実施形態においては第1の補強部材12a)の面積の割合Raが、5〜50%であるのが好ましい。
同様に、図5に示すセパレータ5bの第2のガス流路7bの全面積を、図5において破線で示される部分(即ち、Sbで表される部分とYbで表される部分の合計)で表されると仮定した場合に、第2のガス流路7bの総面積に対する第2の切欠部(本実施形態においては第2の補強部材12b)の面積の割合Rbが、5〜50%であるのが好ましい。
上記の範囲にすることによって、燃料ガスの水分と酸化剤ガスの水分の交換能を充分に発揮することができる。加湿バランスを確保しフラッディングを回避するためには最大50%で充分であり、50%以下であると余剰なSa及びSb部分を生み出すことにならず好ましい。
また、本実施形態においては、アノード4a及びカソード4bが、互いに対向する位置に切欠部(第1の切欠部9a及び第2の切欠部9b)を有するため、上記Ra及びRbの値は略一致しているのが好ましい。
上記のように、本実施形態の単電池11は、第1のガス流路7a及び第2のガス流路7bの上流部分において、高分子電解質膜1に露出する部分(即ち、第1の切欠部及び第2の切欠部)を形成するとともに、当該露出部分にガス透過性を有する第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bを介在させ、高分子電解質膜1を第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bで支持した構成を有している。
これにより、供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bの部分において燃料ガスの水分と酸化剤ガスの水分とが平衡状態になり、アノード4a側とカソード4b側の加湿状態をできる限り一定に保つことができる。そして、アノード4a及びカソード4bの加湿状態を略均一にすることができ、高分子電解質膜1の損傷及び劣化並びに電池性能の低下を抑制することができる。
なお、図4は、アノード4aに燃料ガスを供給・排出するための第1のガス流路7aを有するセパレータ5aの概略平面図である。このセパレータ5aには、燃料ガス入口孔22、燃料ガス出口孔24、及びこれらを繋ぐ第1のガス流路7aが設けられている。
ガス流路7aの形状としては、特に制限はないが、本実施形態においては、複数の直線状の溝と、隣接する直線状の溝の端を上流側から下流側へ連結するターン状の溝と、からなるサーペンタイン型のガス流路で構成されている。また。各溝は等間隔で形成された構成を有している。
また、図5は、カソード4bに酸化剤ガスを供給・排出するための第2のガス流路7bを有するセパレータ5bの概略平面図である。このセパレータ5bには、酸化剤ガス入口孔25、酸化剤ガス出口孔26、及びこれらを繋ぐ第2のガス流路7bが設けられている。
第2のガス流路7bの形状としても、特に制限はないが、本実施形態においては、複数の直線状の溝と、隣接する直線状の溝の端を上流側から下流側へ連結するターン状の溝と、からなるサーペンタイン形のガス流路で構成されている。また。各溝は等間隔で形成された構成を有している。
また、先に述べたように、発電が行われるとMEA10が発熱することから、MEA10の温度を許容される動作温度に維持するために、セパレータ5a及びセパレータ5bは、ガス流路7a及び7bが形成された面の反対側の面に冷却水流路8a及び8bが設けられた構成を有しており、冷却水流路8a及び8bに冷却水等の冷却流体を流通させる構成を有している。
したがって、セパレータ5a及び5bは、冷却水入口孔21及び冷却水出口孔23を有しており、図4に示すセパレータ5aの背面及び図5に示すセパレータ5bの背面には、それぞれ冷却水入口孔21と冷却水出口孔23とを繋ぐ溝で構成された冷却水流路8a及び8bが設けられた構成を有している。
冷却水流路8a及び8bの形状としては、特に制限はないが、本実施形態においては、例えば複数の直線状の溝と、隣接する直線状の溝の端を上流側から下流側へ連結するターン状の溝と、からなるサーペンタイン型の冷却水流路を用いればよい。各溝は等間隔で形成すればよい。
したがって、例えば図4に示すセパレータ5aの背面は、図5に示すセパレータ5bの表面と同じ構造を有していてもよく、逆に、図5に示すセパレータ5bの背面は、図4に示すセパレータ5aの表面と同じ構造を有していてもよい。かかる設計は本発明の効果を損なわない範囲で常法にしたがって行うことができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の高分子電解質型燃料電池の第二実施形態について説明する。この第二実施形態の高分子電解質型燃料電池は、図1に示した第一実施形態の高分子電解質型燃料電池に搭載される単電池11におけるMEA10を異なる構成に代えたものであり、MEA以外の構成は第一実施形態の高分子電解質型燃料電池と同様である。
以下、第二実施形態の単電池11に備えられるMEA30(本発明のMEAの第二実施形態)について説明する。
図6は、本実施形態の単電池11に搭載されるMEA30の概略斜視図である。図6に示すように、本実施形態のMEA30においては、アノード34a及び34bは、ぞれぞれ図6における中央部分(即ち、図7及び8に示す第1のガス流路7a及び第2のガス流路7bの中流部分)において第1の切欠部及び第2の切欠部を有する。
そして、それぞれガス拡散層33a及び33bの一部が延びて、当該第1の切欠部及び第2の切欠部において第1の補強部材42a及び第2の補強部材42bを形成している。
ここで、図7は本実施形態においてアノード4aに燃料ガスを供給・排出するための第1のガス流路7aを有するセパレータ5aの概略平面図であり、図8はカソード4bに酸化剤ガスを供給・排出するための第2のガス流路7bを有するセパレータ5bの概略平面図であり、それぞれ上記第一実施形態における図4及び5に対応している。
本実施形態の単電池11においてセパレータ5a及び5bによってMEA30を挟持すると、アノード34a側のセパレータ5aにおいては、図7に示す破線で囲まれた2つのハッチング部分Zaにアノード34aが位置し、カソード34b側のセパレータ5bにおいては、図8に示す破線で囲まれた2つのハッチング部分Zbにカソード34bが位置する。
そして、図7及び8における部分Sa及びSb(即ち、第1のガス流路7a及び第2のガス流路7bの中流部分)には、それぞれ第1の補強部材42a及び第2の補強部材42bが位置し、高分子電解質膜1がこれら第1の補強部材42a及び第2の補強部材42bに支持されてセパレータ5a及び5bに挟持されている。
上記のように、本実施形態の単電池11は、第1のガス流路7a及び第2のガス流路7bの中流部分において、高分子電解質膜1に露出する部分(即ち、第1の切欠部及び第2の切欠部)を形成するとともに、当該露出部分にガス透過性を有する第1の補強部材42a及び第2の補強部材42bを介在させて高分子電解質膜1をセパレータ5a及び5bで支持された構成を有している。
以上の構成により、本実施形態の高分子電解質型燃料電池は、燃料電池に供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、燃料ガスの水分と酸化剤ガスの水分とが高分子電解質膜31を介してその濃度勾配をドライビングフォース(駆動源)として互いに行き来きさせることができる。そのため、アノード34a側とカソード34b側における加湿状態を良好な状態(触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜中の良好なイオン伝導が確保できる状態)に保つとともに、この加湿状態のバランス、即ち供給される反応ガスの加湿バランスを保持することができる。更には、上記第一実施形態と同様に、先に述べた(I)〜(IV)の構成{好ましくは(I)〜(V)の構成、更に好ましくは(I)〜(VI)の構成}により、触媒層中の高分子電解質及び高分子電解質膜の乾燥の進行、及び、フラッディングの発生を十分に回避することができる。その結果、アノード34a及びカソード34b並びに高分子電解質膜31の損傷及び劣化を十分に抑制し、単電池(高分子電解質型燃料電池)11の電池性能の低下を容易かつ確実に低減することができる。
また、供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、第1の補強部材42a及び第2の補強部材42bの部分において燃料ガスの水分と酸化剤ガスの水分とが平衡状態になり、アノード34a側とカソード34b側の加湿状態をできる限り一定に保つことができる。
そして、アノード34a及びカソード34bの加湿状態を略均一にすることができ、高分子電解質膜1の損傷及び劣化並びに電池性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態において第1の補強部材42a及び第2の補強部材42bを高分子電解質膜1の中央(中流部分)に設けると、上流部分で生成される水やガスの消費によるアノード34aとカソード42bの水分バランスを均一化させることができるとともに、カソード34b側が生成水によって過加湿状態になった場合には、アノード34a側に水を移動させてフラッディングをより確実に防止することができる。
そして、アノード34aとカソード34bの加湿状態を略均一にすることができ、これによって高分子電解質膜1の損傷及び劣化並びに電池性能の低下を十分に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の各実施形態においては、アノード及びカソードの上流部分に第1の切欠部及び第2の切欠部を設け、第1の切欠部及び第2の切欠部の部分において、ガス拡散層及びを延長して第1の補強部材及び第2の補強部材を形成する構成について説明したが、第1の補強部材及び第2の補強部材としては、例えば金属製のメッシュ、樹脂製のメッシュ等のガス透過性を有する補強部材を用いることもできる。
また、本発明の高分子電解質型燃料電池は、上記補強部材が、上記切欠部において高分子電解質膜とセパレータとの間に介在することによって、上記高分子電解質膜を支持している構成を有していればよく、補強部材の寸法や形状については、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設計することができる。
例えば、上記補強部材は上記切欠部の全体を埋めていてもよいが、上記切欠部の一部に設けられていてもよい。この場合、第1の補強部材及び第2の補強部材は、それぞれ少なくとも1点(好ましくは複数点)において高分子電解質膜1を支持していればよい。更にこの場合、第1の補強部材及び第2の補強部材は、セパレータの内面(主面)からのびる柱状の部材(セパレータと同じ構成材料からなる部材であって、セパレータに一体化されている部材)であってもよい。この柱状の部材の場合にはセパレータと同じ構成材料からなるため柱状の部材自体にはガス透過性はないが、切欠部とセパレータとの間に形成される空間のうちの柱状の部材が存在する部分以外の空間(柱状の部材が複数存在する場合には、各柱状の部材間の空間も含む)がガス透過可能な空間となる。
更に、上述の各実施形態においては、第1のガス流路7a及び第2のガス流路7b並びに冷却水流路8a及び8bの形状はサーペンタイン形である場合について説明したが、本発明の効果を損なわない範囲であれば種々の形状を採用することができる。
第1のガス流路7a及び第2のガス流路7b並びに冷却水流路8a及び8bを構成する各溝の間隔等についても、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設計することができる。例えば、上記溝は等間隔で形成することができる。
更にまた、上述の各実施形態においては、高分子電解質型燃料電池として単電池について説明したが、単電池を複数個(例えば10〜200個)積層して積層体を構成し、当該積層体を集電板及び絶縁板を介して一対のエンドプレートで挟み、上記積層体、集電板、絶縁板及びエンドプレートを締結用のボルト及びナットで固定して使用することもできる。
また、上述の各実施形態においては、アノード側のセパレータとカソード側のセパレータの両方に冷却水流路を設けたが、いずれか一方のセパレータに冷却水流路を設けてもよく、更に上述のように積層体として使用する場合には、冷却水流路を有しないアノード側セパレータ及びカソード側セパレータを含む単電池を使用することもできる。
また、例えば、各単電池間に冷却水流路を設けず、例えば単電池2個毎に冷却水流路を設けてもよい。そのような場合、一方の面に燃料ガス用のガス流路を有し、他方の面に酸化剤ガス用のガス流路を有する、アノード側セパレータ板とカソード側セパレータ板とを兼ねる単一のセパレータを使用することも可能である。
更に、上述の各実施形態において、ガス拡散電極は、ガス拡散層と触媒層との間に別の層を配置する構成(例えば、撥水性及び電子伝導性を有しておりガス拡散層と触媒層との密着性を向上させるための別の層を配置する構成)を有していてもよい。
また、上述の各実施形態においては、ガス拡散層を有する構成のガス拡散電極を備える高分子電解質型燃料電池について説明したが、本発明の高分子電解質型燃料電池に搭載されるガス拡散電極はこれに限定されるものではなく、本発明の効果を得られる場合には、ガス拡散電極を備えない構成のガス拡散電極(例えば、触媒層からなるガス拡散電極)であってもよい。
以下に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
《実施例1》
本実施例においては、本発明の第一実施形態の高分子電解質型燃料電池、即ち図1に示す構造を有する高分子電解質型燃料電池(単電池)を作製した。
まず、導電性炭素粒子であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD1)と混合し、乾燥重量としてPTFEを20質量%含む撥水処理用インクを調製した。
上記撥水処理用インクを、ガス拡散層を構成する多孔質基材であるカーボンペーパ(東レ(株)製のTGPH060H)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、ガス拡散層(約200μm)を形成した。
ついで、導電性炭素粒子であるケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製のKetjen Black EC、粒径30nm)上に白金金属粒子を担持させて得られた触媒体(Pt:50質量%)66質量部を、水素イオン伝導性を有する結着剤であるパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(米国Aldrich社製の5質量%Nafion分散液)33質量部(高分子乾燥質量)と混合し、得られた混合物を成形して触媒層(厚み10〜20μm)を形成した。
上記のガス拡散層と触媒層とを用い、図1〜3に示す構成を有するMEA10を作製した。なお、上記のガス拡散層は、図1に示す第1の切欠部9a及び第2の切欠部9bにおいて第1の補強部材12a及び第2の補強部材12bを構成するような形状に切断した。
上記のようにして作製したガス拡散層及び触媒層を用い、高分子電解質膜1(米国Du Pont社製のNafion112膜)の両面に、触媒層2a及びガス拡散層3aからなるアノード4a、触媒層2b及びガス拡散層3bからなるカソード4b、並びにガス拡散層3aの一部で構成された第1の補強部材12a及びガス拡散層3bの一部で構成された第2の補強部材12bを接合し、MEA10を作製した。
上記のようにして作製したMEA10の高分子電解質膜1の外周部に、図4及び5に示すセパレータ5a及び5bにおいて破線で示す部分に位置するように、ゴム製の板状ガスケットを接合し、後述するセパレータ5a及び5bの燃料ガス入口孔22、燃料ガス出口孔24、酸化剤ガス入口孔25、酸化剤ガス出口孔26、冷却水入口孔21及び冷却水出口孔23に対応する孔を形成した。
セパレータ5a及び5bは、20cm×32cm×1.3mmの外寸を有しかつ深さ0.5mmの溝で構成されたガス流路7a及び7bを有するフェノール樹脂を含浸させた黒鉛板に、燃料ガス入口孔22、燃料ガス出口孔24、酸化剤ガス入口孔25、酸化剤ガス出口孔26、冷却水入口孔21及び冷却水出口孔23を形成して得られた、図4及び5に示す構成を有するセパレータを用いた。また、セパレータ5a及び5bの背面には、ガス流路7a及び7bと同様の形状を有する冷却水流路を設けた。
そして、MEA10をセパレータ5a及び5bで挟持して固定し、本発明の第一実施形態の高分子電解質型燃料電池(燃料電池1)を作製した。
《実施例2》
本実施例においては、図6に示す構造を有するMEA30を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の第二実施形態の高分子電解質型燃料電池(単電池)を作製した。
実施例1と同様にして作製したガス拡散層を、図6に示す第1の補強部材42a及び第2の補強部材42bを含むガス拡散層33aの形状を有するように切断した。このようにして作製したガス拡散層と、上記触媒層とを用い、高分子電解質膜1(米国Du Pont社製のNafion112膜)の両面に、触媒層32a及びガス拡散層33aからなるアノード34a、触媒層32b及びガス拡散層33bからなるカソード34b、並びにガス拡散層33aの一部で構成された第1の補強部材42a及びガス拡散層33bの一部で構成された第2の補強部材42bを接合し、MEA30を作製した。
そして、MEA30をセパレータ5a及び5bで挟持して固定し、本発明の第二実施形態の高分子電解質型燃料電池(燃料電池2)を作製した。
《比較例》
第1の切欠部9a及び第2の切欠部9bを設けず、第1のガス流路7a及び第2のガス流路7bの全面をそれぞれ覆うアノード及びカソードを設けた以外は、実施例1と同様にして高分子電解質型燃料電池(燃料電池3)を作製した。
[評価試験1]
上記のようにして作製した燃料電池1〜3を用い、運転試験を行った。
燃料ガス入口孔22から第1のガス流路28に燃料ガスとして水素ガスを加湿して供給した。この際、水素ガスの露点が70℃になるように加湿した。また、酸化剤ガス入口孔25から第2のガス流路29には酸化剤ガスとして空気を加湿して供給した。空気は、露点が40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃又は90℃になるように加湿した。なお、燃料電池全体の温度は70℃とし、燃料利用率70%、酸素利用率40%と一定にした。
以上のような条件で燃料電池1及び3の電池電圧(V)を測定し、結果を図9においてそれぞれp及びqで示した。縦軸は電池電圧(V)を示し、横軸は酸化剤ガスの露点(℃)を示す。
図9に示すように、ガス流路の上流部分に切欠部を設けた本発明の燃料電池1においては、燃料ガスと酸化剤ガスの加湿の程度が異なっていたとしても、水分バランスの効果により、電池性能の差が抑制されていることがわかる。
[評価試験2]
また、ガス流路の中流部分に切欠部を設けた本発明の燃料電池2と、切欠部のない比較用の燃料電池3とを、空気の露点を85℃とした以外は上記と同じ条件にて連続して運転した。この結果を図10に示した。
燃料電池2は安定した電池性能を発揮したが、燃料電池3ではフラッディングが生じて電圧が不安定となった。これは、燃料電池3においては、カソード側にフラッディングが発生して電池性能が不安定になっているのに対し、燃料電池2では、アノード側に水が移動することによってフラッディングが抑制されているためである。
以上のように、本発明によれば、供給される燃料ガスや酸化剤ガスの加湿状態が変動したとしても、アノード側とカソード側における加湿状態のバランス、即ち供給される反応ガスの加湿バランスを保持することができるとともにフラッディングを回避することができ、アノード及びカソード並びに高分子電解質膜の劣化を十分に抑制してクロスリークを抑制し、電池性能の低下を容易かつ確実に抑制し得る高分子電解質型燃料電池を提供することができる。したがって、本発明の高分子電解質型燃料電池は、自動車用の燃料電池やコージェネレーションシステム用の燃料電池として好適である。
本発明の第一実施形態の高分子電解質型燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 図1に示す単電池11に含まれる膜電極接合体(MEA)の基本構成の一例を示す概略断面図である。 図2に示すMEA10の概略斜視図である。 第一実施形態の燃料電池に備えられるセパレータ5aの第1のガス流路8a側の要部拡大正面図である。 第一実施形態の燃料電池に備えられるセパレータ5bの第2のガス流路8b側の要部拡大正面図である。 第二実施形態の燃料電池に搭載されるMEA30の概略斜視図である。 第二実施形態の燃料電池に備えられるセパレータ5aの第1のガス流路8a側の要部拡大正面図である。 第二実施形態の燃料電池に備えられるセパレータ5bの第2のガス流路8b側の要部拡大正面図である。 本発明の実施例の燃料電池1及び比較例の燃料電池3の電池電圧(V)を示すグラフである。 本発明の実施例の燃料電池2及び比較例の燃料電池3の電池電圧(V)を示す図である。 従来の高分子電解質型燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。 図11に示す単電池210に含まれる膜電極接合体(MEA)の基本構成の一例を示す概略断面図である。 従来の高分子電解質型燃料電池に搭載される単電池の基本構成の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・高分子電解質膜、2a,2b・・・触媒層、3a,3b・・・ガス拡散層、4a・・・アノード、4b・・・カソード、5a・・・アノード側のセパレータ、5b・・・カソード側のセパレータ、6a,6b・・・ガスケット、7a・・・第1のガス流路、7b・・・第2のガス流路、8a,8b・・・冷却水流路、9a・・・第1の切欠部、9b・・・第2の切欠部、10・・・MEA、11・・・単電池、12a・・・第1の補強部材、12b・・・第2の補強部材、21・・・冷却水入口孔、22・・・燃料ガス入口孔、23・・・冷却水出口孔、24・・・燃料ガス出口孔、25・・・酸化剤ガス入口孔、26・・・酸化剤ガス出口孔、D1・・・重力方向

Claims (6)

  1. 触媒層を含むアノード及び触媒層を含むカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されており、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜と、を含む膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟持するように配置されており、前記アノードの側の主面に前記アノードに燃料ガスを供給・排出するための燃料ガス入口及び燃料ガス出口を有する第1のガス流路が形成され、かつ、前記カソードの側の主面に前記カソードに酸化剤ガスを供給・排出するための酸化剤ガス入口及び酸化剤ガス出口を有する第2のガス流路の形成された一対の導電性を有するセパレータと、
    を少なくとも具備する単電池を含んでおり、
    前記単電池が、前記一対のセパレータの前記アノード側及び前記カソード側のうちのいずれか一方の前記主面の法線方向が重力方向と交わるように配置されており、
    前記一対のセパレータにおいて、前記燃料ガス入口と前記酸化剤ガス入口とが近傍の位置に形成されており、前記第1のガス流路は、該第1のガス流路中を前記燃料ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れるように形成されており、かつ、前記第2のガス流路は、該第2のガス流路中を前記酸化剤ガスが全体として重力に逆らう方向に流れずに重力に従う方向に流れるように形成されており、
    前記膜電極接合体の前記高分子電解質膜の前記アノード側の主面には、前記触媒層の形成されていない第1の切欠部が形成されており、前記膜電極接合体の前記高分子電解質膜の前記カソード側の主面には、前記触媒層の形成されていない第2の切欠部が形成されており、かつ、前記第1の切欠部及び前記第2の切欠部は、前記高分子電解質膜の前記アノード側及び前記カソード側のうちのいずれか一方の前記主面の略法線方向からみた場合に、互いの少なくとも一部が重なり合うような位置に形成されており、
    前記高分子電解質膜の前記第1の切欠部には、ガス透過性を有する第1の補強部材が配置されており、
    前記高分子電解質膜の前記第2の切欠部には、ガス透過性を有する第2の補強部材が配置されており、
    前記第1の切欠部及び前記第2の切欠部において、前記高分子電解質膜が前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材により挟持されようにして支持されていること、
    を特徴とする高分子電解質型燃料電池。
  2. 前記単電池が、前記一対のセパレータの前記アノード側及び前記カソード側のうちのいずれか一方の前記主面の法線方向が重力方向と略垂直に交わるように配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  3. 前記位置が、前記第1の流路及び前記第2の流路の上流部分であり、
    前記第1のガス流路と前記第2のガス流路とが並行するように設置されていること、を特徴とする請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  4. 前記位置が、前記第1の流路及び前記第2の流路の中流部分であり、
    前記第1のガス流路と前記第2のガス流路とが並行するように設置されていること、を特徴とする請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  5. 前記アノード及び前記カソードがそれぞれ前記触媒層の外側に配置されるガス拡散層を有しており、
    前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材が前記ガス拡散層の一部で構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
  6. 前記第1のガス流路及び前記第2のガス流路それぞれの総面積に対する前記第1の切欠部及び前記第2の切欠部の面積の割合が5〜50%であること、を特徴とする請求項1に記載の高分子電解質型燃料電池。
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