JP2024038747A - パレット検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パレットの前面側のスペースが狭くても、パレットの前面を検知することができるパレット検知装置を提供する。【解決手段】パレット検知装置20は、車体2における運転席12を形成するフレーム13の上部の左右両側に立設された左右1対の柱部26を有する取付部材23と、柱部26に取り付けられ、リーチ式フォークリフト1の横方向にパレット21の前面21aを撮像するカメラと、柱部26に取り付けられ、パレット21の前面21aに向けてリーチ式フォークリフト1の横方向にレーザを照射し、レーザの反射光を受光することにより、パレット21の前面21aまでの距離を検出するレーザセンサと、カメラの画像データとレーザセンサの検出データとに基づいて、パレット21の前面21aを検知する検知処理部とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、パレット検知装置に関する。
例えば特許文献1には、対象物検出部のセンサ部によってリーチ式フォークリフトの前方に位置するパレットを認識し、荷取り位置までリーチ式フォークリフトの自動運転を行う技術が記載されている。
ところで、フォークによりパレットを保持する際、パレットの前面側のスペースが広い場合には、上記従来技術のようにリーチ式フォークリフトの前方に位置するパレットの前面をセンサ部により検知し、リーチ式フォークリフトを荷取り位置であるパレットの手前まで前進走行させることができる。しかし、パレットの前面側のスペースが狭い場合には、パレットの前面を検知することができない可能性がある。
本発明の目的は、パレットの前面側のスペースが狭くても、パレットの前面を検知することができるパレット検知装置を提供することである。
(1)本発明の一態様は、車体の前後方向に移動可能なマストに昇降可能に取り付けられた左右1対のフォークを有するリーチ式フォークリフトに搭載され、リーチ式フォークリフトの側方に存在するパレットを検知するパレット検知装置であって、車体における運転席を形成するフレームの上部の左右両側に立設された左右1対の柱部を有する取付部材と、柱部に取り付けられ、リーチ式フォークリフトの横方向にパレットの前面を撮像するカメラと、柱部に取り付けられ、パレットの前面に向けてリーチ式フォークリフトの横方向にレーザを照射し、レーザの反射光を受光することにより、パレットの前面までの距離を検出するレーザセンサと、カメラの画像データとレーザセンサの検出データとに基づいて、パレットの前面を検知する検知部とを備える。
このようなパレット検知装置においては、カメラの画像データとレーザセンサの検出データとに基づいて、パレットの前面が検知される。ここで、リーチ式フォークリフトの前後方向がパレットの前後方向と交差するようにリーチ式フォークリフトがパレットに対して位置した状態で、カメラによってリーチ式フォークリフトの横方向にパレットの前面が撮像されると共に、レーザセンサによってパレットの前面に向けてリーチ式フォークリフトの横方向にレーザが照射される。従って、パレットの前面側のスペースが狭くても、パレットの前面を検知することができる。また、車体における運転席を形成するフレームの上部の左右両側に取付部材の柱部を立設し、その柱部にカメラ及びレーザセンサを取り付けることにより、カメラ及びレーザセンサをリーチ式フォークリフトに容易に搭載することができる。
(2)上記の(1)において、取付部材は、車体の左右方向に延在し、左右1対の柱部同士を連結する補強部を更に有してもよい。このような構成では、各柱部の剛性が高くなるため、カメラ及びレーザセンサの取り付けに必要な強度が確保される。従って、カメラ及びレーザセンサをリーチ式フォークリフトに安定して搭載することができる。
(3)上記の(1)または(2)において、左右1対の柱部間には、透明部材が配置されていてもよい。このような構成では、オペレータがリーチ式フォークリフトの手動運転を行う際に、透明部材がオペレータの保護に寄与することになる。また、例えばリーチ式フォークリフトの走行や荷役等に必要な情報を透明部材に表示させることができる。
(4)上記の(1)~(3)の何れかにおいて、柱部は、フレームの上部における運転席よりも前側でかつマストよりも左右方向の外側の部分に立設されていてもよい。このような構成では、オペレータがリーチ式フォークリフトの手動運転を行う際に、オペレータの操作及び前方視野に与える影響を軽減することができる。
(5)上記の(1)~(4)の何れかにおいて、カメラ及びレーザセンサは、柱部に取付ブラケットを介して上下方向に並んで配置されるように取り付けられており、取付ブラケットは、カメラが載置される第1載置部と、第1載置部に対して段状に配置され、レーザセンサが載置される第2載置部とを有し、柱部には、カメラの前面を露出させる第1露出部と、レーザセンサの前面を露出させる第2露出部とが設けられていてもよい。このような構成では、カメラ及びレーザセンサが取付ブラケットを介して柱部に取り付けられるため、カメラ及びレーザセンサをリーチ式フォークリフトに更に容易にかつ安定して搭載することができる。また、カメラの前面を露出させる第1露出部とレーザセンサの前面を露出させる第2露出部とを柱部に設けることにより、カメラの前面及びレーザセンサの前面を保護することができる。
本発明によれば、パレットの前面側のスペースが狭くても、パレットの前面を検知することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパレット検知装置が搭載されたリーチ式フォークリフトを示す側面図である。図2は、図1に示されたリーチ式フォークリフトの背面図である。
図1及び図2において、リーチ式フォークリフト1は、車体2と、この車体2の下部から車体2の前方に延在する左右1対のリーチレッグ3と、これらのリーチレッグ3間に配置され、リーチレッグ3に沿って車体2の前後方向に移動可能なマスト4と、このマスト4にリフトブラケット5を介して昇降可能に取り付けられ、パレット21を保持する左右1対のフォーク6とを備えている。
マスト4は、リーチシリンダ(図示せず)によって車体2の前後方向に移動する。従って、フォーク6は、リーチシリンダによって車体2の前後方向に移動(進退)する。また、フォーク6は、リフトシリンダ7によって昇降する。
各リーチレッグ3の先端部(前端部)には、前輪8が配設されている。車体2の左側後部には、駆動輪である後輪9が配設されている。後輪9は、走行モータ10によって回転駆動される。車体2の右側後部には、キャスタ輪11が配設されている。
車体2には、オペレータが運転操作を行うための運転席12を形成するフレーム13が設けられている。フレーム13は、フロントパネル13aと、リアパネル13bと、左右1対のサイドパネル13cとから構成されている。リアパネル13bの右側部分には、オペレータが運転席12に乗車するための乗車口14が設けられている。フレーム13内の左側領域には、走行モータ10等が収容されている。
運転席12には、操作パネル15が配置されている。操作パネル15には、特に図示はしないが、リーチ式フォークリフト1の走行動作及び旋回動作を行うための操作レバー及びハンドルと、フォーク6の進退動作及び昇降動作を行うための操作レバーとが設けられている。
運転席12の上方には、ヘッドガード16が配置されている。ヘッドガード16は、フレーム13に取り付けられたピラー部17,18の上端部に連結されている。ピラー部17は、フレーム13の左側に配置されたサイドパネル13cの中央部付近の上端部に取り付けられている。ピラー部18は、フレーム13の右側に配置されたサイドパネル13cの後部の上端部に取り付けられている。
また、リーチ式フォークリフト1は、本実施形態のパレット検知装置20を具備している。パレット検知装置20は、リーチ式フォークリフト1の側方に存在するパレット21(図8参照)を検知する装置である。
パレット21は、荷物(図示せず)を載せるための荷役台である。パレット21は、例えば平パレットである。パレット21は、平面視で四角形状を呈している。パレット21には、リーチ式フォークリフト1の各フォーク6が差し込まれる1対のフォーク穴22が設けられている。
パレット検知装置20は、図3~図5にも示されるように、フレーム13に固定された取付部材23と、この取付部材23に取り付けられたカメラ24及びレーザセンサ25とを備えている。
取付部材23は、フレーム13の上部の左右両側に立設された左右1対の柱部26と、車体2の左右方向(車幅方向)に延在し、左右1対の柱部26の先端(上端)同士を連結する補強部27とを有している。各柱部26及び補強部27は、例えば鉄またはアルミニウム等からなる1枚の金属板を折り曲げることで、一体的に形成されている。なお、各柱部26及び補強部27は、3枚の金属板をボルト締結または溶接してもよい。
柱部26は、フレーム13の上部における運転席12よりも前側に立設されている。具体的には、柱部26は、ピラー部17よりも前側に配置されている。また、柱部26は、フレーム13の上部におけるマスト4よりも車幅方向の外側に立設されている(図2参照)。具体的には、柱部26は、フレーム13のサイドパネル13cの上端部にボルト締結により固定されている。
カメラ24は、パレット21の前面21aを撮像して画像データを取得する。パレット21の前面21aは、リーチ式フォークリフト1と向き合う面である(図8参照)。カメラ24は、リーチ式フォークリフト1の横方向にパレット21の前面21aを撮像する。カメラ24としては、例えば単眼カメラ等が使用される。カメラ24の前面24aは、撮像を行う撮像面を形成している。
レーザセンサ25は、パレット21の前面21aに向けてリーチ式フォークリフト1の横方向にレーザを照射し、レーザの反射光を受光することにより、パレット21の前面21aまでの距離を検出して点群データ(検出データ)を取得する。点群は、レーザの反射点の集まりである。レーザセンサ25としては、例えば2Dまたは3DのLIDAR(light detectionand ranging)やレーザレンジファインダ等が使用される。レーザセンサ25の前面25aは、レーザを照射すると共にレーザの反射光を受光する照射・受光面を形成している。
カメラ24及びレーザセンサ25は、図5に示されるように、取付部材23の柱部26よりも車幅方向の内側に配置されている。カメラ24及びレーザセンサ25は、柱部26に取付ブラケット30を介して取り付けられている。カメラ24及びレーザセンサ25は、上下方向に並んで配置されるように柱部26に取り付けられている。カメラ24は、柱部26の上部に取り付けられている。レーザセンサ25は、柱部26におけるカメラ24の下側に取り付けられている。
取付ブラケット30は、カメラ24が載置される載置部31(第1載置部)と、レーザセンサ25が載置される載置部32(第2載置部)と、載置部31,32同士を連結する連結部33と、載置部31,32及び連結部33を柱部26に固定する2つの固定部34とを有している。載置部31,32、連結部33及び固定部34は、例えば取付部材23と同じ金属板で構成されている。
載置部32は、載置部31に対して段状に配置されている。載置部32は、載置部31の下側に配置されている。載置部31,32と連結部33とは、例えばボルト締結されている。載置部31,32と固定部34とは、例えばボルト締結されている。固定部34と柱部26とは、例えばボルト締結されている。
カメラ24は、前面24aがリーチ式フォークリフト1の真横を向くように載置部31に載置されている。従って、カメラ24は、リーチ式フォークリフト1の真横にパレット21の前面21aを撮像する。
レーザセンサ25は、前面25aがリーチ式フォークリフト1の真横を向くように載置部32に載置されている。従って、レーザセンサ25は、パレット21の前面21aに向けてリーチ式フォークリフト1の真横にレーザを照射する。
柱部26におけるカメラ24が配置される高さ位置には、カメラ24の前面24aを露出させる円形状の露出部35(第1露出部)が設けられている。露出部35は、柱部26に円形の開口26aが加工されて、その開口26aに円形の透明板36が嵌め込まれた構造を呈している。透明板36は、例えば透明樹脂等からなっている。透明板36によってカメラ24の前面24aが保護される。
また、柱部26におけるレーザセンサ25が配置される高さ位置には、レーザセンサ25の前面25aを露出させる四角形状の露出部37(第2露出部)が設けられている。露出部37は、柱部26における露出部35の下側に配置されている。露出部37は、柱部26に四角形の開口26bが加工されて、その開口26bに四角形の透明板38が嵌め込まれた構造を呈している。透明板38は、透明板36と同様の透明材料で形成されている。透明板38によってレーザセンサ25の前面25aが保護される。
なお、カメラ24及びレーザセンサ25は、例えばトラック60の荷台60a上に置かれたパレット21(図8参照)を精度良く検知することが可能な高さ位置に配置されている。
また、露出部35において、開口26aには透明板36が嵌め込まれていなくてもよい。露出部37において、開口26bには透明板38が嵌め込まれていなくてもよい。また、露出部35の形状としては、特に円形状でなくてもよく、カメラ24の前面24aを露出させることができる形状であればよい。露出部37の形状としては、特に四角形状でなくてもよく、レーザセンサ25の前面25aを露出させることができる形状であればよい。
また、各柱部26には、カメラ24、レーザセンサ25及び取付ブラケット30を覆う断面U字状の樹脂カバー40が取り付けられている。樹脂カバー40は、フレーム13の上端から補強部27まで延在している。これにより、カメラ24及びレーザセンサ25が剥き出し状態にならないため、カメラ24及びレーザセンサ25を保護することができる。
左右1対の柱部26間には、透明部材41が配置されている。透明部材41としては、例えばアクリル板等が使用される。透明部材41は、各樹脂カバー40、補強部27及び操作パネル15に接している。
図6は、本発明の一実施形態に係るパレット検知装置を備えた走行制御装置の構成を示すブロック図である。図6において、走行制御装置50は、リーチ式フォークリフト1がパレット21の前面21a側に位置した状態(図8参照)から、リーチ式フォークリフト1をパレット21に関する目標位置に向けて自動的に走行させるように制御する装置である。
走行制御装置50は、リーチ式フォークリフト1に搭載されている。走行制御装置50は、上記のカメラ24と、上記のレーザセンサ25と、コントローラ51と、上記の走行モータ10とを備えている。
コントローラ51は、CPU、RAM、ROM及び入出力インターフェース等により構成されている。コントローラ51は、検知位置判定部52と、停止制御部53と、検知処理部54と、位置姿勢算出部55と、経路生成部56と、走行制御部57とを有している。
検知位置判定部52は、リーチ式フォークリフト1がパレット21の前後方向と垂直に交差する方向に走行しているときに、カメラ24の画像データに基づいて、リーチ式フォークリフト1が検知位置に到達したかどうかを判定する。検知位置は、カメラ24及びレーザセンサ25を用いてパレット21の前面21aを検知することが可能な位置である。具体的には、検知位置は、カメラ24及びレーザセンサ25がパレット21の前面21aと向き合う位置である(図8(a)参照)。
停止制御部53は、検知位置判定部52によりリーチ式フォークリフト1が検知位置に到達したと判定されたときに、リーチ式フォークリフト1の走行を停止させるように走行モータ10を制御する。
検知処理部54は、カメラ24の画像データとレーザセンサ25の点群データとに基づいて、リーチ式フォークリフト1の前後方向がパレット21の前後方向と垂直に交差するようにリーチ式フォークリフト1がパレット21に対して位置した状態で、リーチ式フォークリフト1の横方向に対してパレット21の前面21aを検知する処理を行う。リーチ式フォークリフト1の横方向は、水平面内においてリーチ式フォークリフト1の前後方向に対して交差する方向である。
検知処理部54は、カメラ24の画像データとレーザセンサ25の点群データ(検出データ)とに基づいて、パレット21の前面21aを検知する検知部である。検知処理部54は、パレット検知装置20の一部を構成している。
図7は、検知処理部54により実行されるパレット検知処理の手順を示すフローチャートである。図7において、検知処理部54は、まずレーザセンサ25の点群データを取得する(手順S101)。
また、検知処理部54は、カメラ24の画像データを取得する(手順S102)。そして、検知処理部54は、手順S102で取得された画像データに基づいて、パレット21を認識する(手順S103)。このとき、検知処理部54は、例えばディープラーニング(深層学習)を利用した画像処理技術によってパレット21を認識する。
そして、検知処理部54は、手順S101で取得された点群データのうち手順S103で認識されたパレット21に対応する点群データを抽出する(手順S104)。これにより、パレット21の前面21aが検知される。続いて、検知処理部54は、手順S104で抽出された点群データに対してフィルタリング処理を施す(手順S105)。
図6に戻り、位置姿勢算出部55は、検知処理部54により検知されたパレット21の前面21aに基づいて、リーチ式フォークリフト1に対するパレット21の位置及び姿勢を算出する。
リーチ式フォークリフト1に対するパレット21の位置は、例えばリーチ式フォークリフト1に対するパレット21の前面21aの中心の3次元位置座標である。リーチ式フォークリフト1に対するパレット21の姿勢は、例えばリーチ式フォークリフト1に対するパレット21のヨー角、ピッチ角及びロール角である。
経路生成部56は、位置姿勢算出部55により算出されたリーチ式フォークリフト1に対するパレット21の位置及び姿勢に基づいて、パレット21に関する目標位置までの走行経路を生成する。目標位置は、リーチ式フォークリフト1のフォーク6を前進させてパレット21のフォーク穴22に差し込むことが可能な位置である。
経路生成部56は、リーチ式フォークリフト1が目標位置に向かって旋回するような走行経路を生成する。具体的には、経路生成部56は、リーチ式フォークリフト1が所定距離だけ真っ直ぐに後進してから目標位置に向かって前進して旋回するような走行経路Rを生成する(図8(b)参照)。所定距離は、リーチ式フォークリフト1の旋回動作が可能となるような距離である。このとき、例えばクロソイド曲線等を利用して、走行経路Rが生成される。
走行制御部57は、経路生成部56により生成された走行経路に従ってリーチ式フォークリフト1を走行させるように走行モータ10を制御する。
以上において、図8に示されるように、トラック60の荷台60a上にパレット21が載置されている。パレット21は、前面21a側がトラック60の右側に向くように配置されている。そのような状態で、リーチ式フォークリフト1のフォーク6によりパレット21を保持する、いわゆる荷取りを行う場合、リーチ式フォークリフト1は、トラック60の右側において自動的にトラック60の前後方向に沿って真っ直ぐ後進してくる。
そして、図8(a)に示されるように、リーチ式フォークリフト1が検知位置に達すると、リーチ式フォークリフト1が一旦停止する。その状態で、カメラ24によりパレット21の前面21aが撮像されて画像データが取得されると共に、レーザセンサ25によりパレット21の前面21aにレーザが照射されて点群データが取得される。カメラ24の撮像範囲及びレーザセンサ25のレーザ照射範囲は、パレット21の前面21aの検知範囲Sに相当する。なお、図8では、カメラ24及びレーザセンサ25が便宜上省略されている。
そして、画像データ及び点群データに基づいてパレット21の前面21aが検知され、リーチ式フォークリフト1に対するパレット21の位置及び姿勢が算出される。そして、図8(b)に示されるように、リーチ式フォークリフト1が所定距離だけ真っ直ぐに後進してから目標位置に向かって前進して左旋回するような走行経路Rが生成される。
そして、リーチ式フォークリフト1は、図8(c)に示されるように、走行経路Rに沿って検知位置から目標位置まで走行する。具体的には、リーチ式フォークリフト1は、検知位置から所定距離だけ真っ直ぐに後進した後、前進して左旋回することで、目標位置に到達する。
その後、リフトシリンダ7によりフォーク6をパレット21の高さ位置まで上昇させる。そして、リーチシリンダ(図示せず)によりフォーク6を前進させてパレット21のフォーク穴22に差し込んだ状態で、リフトシリンダ7によりフォーク6を上昇させることで、パレット21がフォーク6に保持される。そして、リーチシリンダ(図示せず)によりフォーク6を後退させた後、リーチ式フォークリフト1がパレット21を指定場所まで運搬する。
ところで、図9(a)に示されるように、トラック60の右側のスペースが広い場所では、トラック60の横方向にリーチ式フォークリフト1のアプローチ距離を長くすることができる。このため、カメラ24及びレーザセンサ25の向きがリーチ式フォークリフト1の前方である場合でも、カメラ24及びレーザセンサ25によりパレット21の前面21aを検知し、リーチ式フォークリフト1をパレット21に対して前進させてアプローチすることが可能である。なお、図9でも、カメラ24及びレーザセンサ25が便宜上省略されている。
しかし、図9(b)に示されるように、トラック60の右側に他のトラック、壁、棚及び荷物等の物体61が配置されている場合には、トラック60の右側のスペースが狭くなるため、トラック60の横方向にリーチ式フォークリフト1のアプローチ距離を長くすることはできない。このため、カメラ24及びレーザセンサ25の向きがリーチ式フォークリフト1の前方である場合には、トラック60と物体61との間の距離によっては、カメラ24及びレーザセンサ25によりパレット21の前面21aを検知することができない。従って、リーチ式フォークリフト1を目標位置であるパレット21の手前まで前進走行させることができない。
そのような課題に対し、本実施形態では、カメラ24の画像データとレーザセンサ25の点群データとに基づいて、パレット21の前面21aが検知される。ここで、リーチ式フォークリフト1の前後方向がパレット21の前後方向と交差するようにリーチ式フォークリフト1がパレット21に対して位置した状態で、カメラ24によってリーチ式フォークリフト1の横方向にパレット21の前面21aが撮像されると共に、レーザセンサ25によってパレット21の前面21aに向けてリーチ式フォークリフト1の横方向にレーザが照射される。従って、パレット21の前面21a側のスペースが狭くても、パレット21の前面21aを検知することができる。そして、リーチ式フォークリフト1が目標位置に向かって旋回するような走行経路Rを生成することにより、パレット21の前面21a側のスペースが狭くても、リーチ式フォークリフト1をパレット21に関する目標位置まで走行させることができる。以上により、パレット21の前後方向に沿ったリーチ式フォークリフト1のアプローチ距離が短くても、リーチ式フォークリフト1により荷取りを行うことが可能となる。
また、リーチ式フォークリフト1の車体2における運転席12を形成するフレーム13の上部の左右両側に取付部材23の柱部26を立設し、その柱部26にカメラ24及びレーザセンサ25を取り付けることにより、カメラ24及びレーザセンサ25をリーチ式フォークリフト1に容易に搭載することができる。
また、本実施形態では、左右1対の柱部26同士を連結する補強部27を備えることにより、各柱部26の剛性が高くなるため、カメラ24及びレーザセンサ25の取り付けに必要な強度が確保される。従って、カメラ24及びレーザセンサ25をリーチ式フォークリフト1に安定して搭載することができる。
また、本実施形態では、左右1対の柱部26間に透明部材41が配置されている。このため、オペレータがリーチ式フォークリフト1の手動運転を行う際に、透明部材41がオペレータの保護に寄与することになる。また、例えばリーチ式フォークリフト1の走行や荷役等に必要な情報を透明部材41に表示させることができる。
また、本実施形態では、柱部26は、フレーム13の上部における運転席12よりも前側でかつマスト4よりも左右方向の外側の部分に立設されている。このため、オペレータがリーチ式フォークリフト1の手動運転を行う際に、オペレータの操作及び前方視野に与える影響を軽減することができる。
また、本実施形態では、カメラ24及びレーザセンサ25が取付ブラケット30を介して柱部26に取り付けられるため、カメラ24及びレーザセンサ25をリーチ式フォークリフト1に更に容易にかつ安定して搭載することができる。また、カメラ24の前面24aを露出させる露出部35とレーザセンサ25の前面25aを露出させる露出部37とを柱部26に設けることにより、カメラ24の前面24a及びレーザセンサ25の前面25aを保護することができる。
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、リーチ式フォークリフト1の真横に対してパレット21の前面21aが検知されているが、特にそのような形態には限られない。例えば、カメラ24によりリーチ式フォークリフト1の真横から斜め前方にパレット21の前面21aを撮像すると共に、レーザセンサ25によりパレット21の前面21aに向けてリーチ式フォークリフト1の真横から斜め前方にレーザを照射することで、リーチ式フォークリフト1の真横から斜め前方に対してパレット21の前面21aを検知してもよい。この場合には、リーチ式フォークリフト1が検知位置から目標位置に向かって前進して旋回するような走行経路Rを生成することにより、リーチ式フォークリフト1を後進させる必要がない。
また、上記実施形態では、リーチ式フォークリフト1の前後方向がパレット21の前後方向と垂直に交差するようにリーチ式フォークリフト1がパレット21に対して位置した状態で、カメラ24及びレーザセンサ25によりリーチ式フォークリフト1の横方向に対してパレット21の前面21aが検知されているが、特にそのような形態には限られない。リーチ式フォークリフト1の前後方向がパレット21の前後方向と斜めに交差するようにリーチ式フォークリフト1がパレット21に対して位置した状態で、カメラ24及びレーザセンサ25によりリーチ式フォークリフト1の横方向に対してパレット21の前面21aを検知してもよい。
また、上記実施形態では、リーチ式フォークリフト1が後進してきて検知位置で一旦停止し、その状態でカメラ24及びレーザセンサ25によりパレット21の前面21aが検知されているが、特にそのような形態には限られない。リーチ式フォークリフト1が前進して検知位置で一旦停止し、その状態でカメラ24及びレーザセンサ25によりパレット21の前面21aを検知してもよい。また、リーチ式フォークリフト1が微速または低速で後進または前進したまま、カメラ24及びレーザセンサ25によりパレット21の前面21aを検知してもよい。
また、上記実施形態では、カメラ24及びレーザセンサ25を柱部26に取り付けるための取付ブラケット30は、カメラ24が載置される載置部31と、レーザセンサ25が載置される載置部32とを有しているが、取付ブラケット30の構造としては、特にその形態に限られず、種々変形可能である。
また、上記実施形態では、カメラ24が上側に配置され、レーザセンサ25が下側に配置されているが、カメラ24及びレーザセンサ25の配置位置としては、上下逆であってもよい。
また、上記実施形態では、カメラ24及びレーザセンサ25は、車体2の上下方向に並んで配置されるように柱部26に取り付けられているが、特にそのような形態には限られない。カメラ24及びレーザセンサ25は、車体2の前後方向に並んで配置されるように柱部26に取り付けられていてもよい。
また、上記実施形態では、左右1対の柱部26同士が補強部27により連結されているが、そのような補強部27は特に無くてもよい。この場合には、取付部材23の構造を簡素化することができる。
また、上記実施形態では、各柱部26に樹脂カバー40が取り付けられ、各柱部26間に透明部材41が配置されているが、そのような樹脂カバー40及び透明部材41も特に無くてもよい。
また、上記実施形態では、リーチ式フォークリフト1により荷取りを行う際に、パレット21の前面21aが検知され、その検知結果に基づいて、フォーク6をパレット21のフォーク穴22に差し込むことが可能な目標位置までリーチ式フォークリフト1が自動走行しているが、特にそのような形態には限られない。例えば、フォーク6に保持されたパレット21を指定箇所に置く、いわゆる荷置きを行う際に、既設のパレット21の前面21aを検知し、その検知結果に基づいて、既設のパレット21に隣接する目標位置までリーチ式フォークリフト1を自動走行させてもよい。
また、上記実施形態では、トラック60の荷台60aにパレット21が置かれているが、パレット21が置かれている場所は、特にトラック60には限られず、車両以外の荷台、棚または床面等であってもよい。
また、上記実施形態のリーチ式フォークリフト1では、左側のピラー部17が右側のピラー部18よりも前側に配置されているが、本発明は、左側のピラー部17及び右側のピラー部18が車体2の前後方向の同じ位置に配置されたリーチ式フォークリフトにも適用可能である。
1…リーチ式フォークリフト、2…車体、4…マスト、6…フォーク、12…運転席、13…フレーム、20…パレット検知装置、21…パレット、21a…前面、23…取付部材、24…カメラ、24a…前面、25…レーザセンサ、25a…前面、26…柱部、27…補強部、30…取付ブラケット、31…載置部(第1載置部)、32…載置部(第2載置部)、35…露出部(第1露出部)、37…露出部(第2露出部)、41…透明部材、54…検知処理部(検知部)。
Claims (5)
- 車体の前後方向に移動可能なマストに昇降可能に取り付けられた左右1対のフォークを有するリーチ式フォークリフトに搭載され、前記リーチ式フォークリフトの側方に存在するパレットを検知するパレット検知装置であって、
前記車体における運転席を形成するフレームの上部の左右両側に立設された左右1対の柱部を有する取付部材と、
前記柱部に取り付けられ、前記リーチ式フォークリフトの横方向に前記パレットの前面を撮像するカメラと、
前記柱部に取り付けられ、前記パレットの前面に向けて前記リーチ式フォークリフトの横方向にレーザを照射し、前記レーザの反射光を受光することにより、前記パレットの前面までの距離を検出するレーザセンサと、
前記カメラの画像データと前記レーザセンサの検出データとに基づいて、前記パレットの前面を検知する検知部とを備えるパレット検知装置。 - 前記取付部材は、前記車体の左右方向に延在し、前記左右1対の柱部同士を連結する補強部を更に有する請求項1記載のパレット検知装置。
- 前記左右1対の柱部間には、透明部材が配置されている請求項1記載のパレット検知装置。
- 前記柱部は、前記フレームの上部における前記運転席よりも前側でかつ前記マストよりも左右方向の外側の部分に立設されている請求項1記載のパレット検知装置。
- 前記カメラ及び前記レーザセンサは、前記柱部に取付ブラケットを介して上下方向に並んで配置されるように取り付けられており、
前記取付ブラケットは、前記カメラが載置される第1載置部と、前記第1載置部に対して段状に配置され、前記レーザセンサが載置される第2載置部とを有し、
前記柱部には、前記カメラの前面を露出させる第1露出部と、前記レーザセンサの前面を露出させる第2露出部とが設けられている請求項1記載のパレット検知装置。
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JP (1) | JP2024038747A (ja) |
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2022
- 2022-09-08 JP JP2022142999A patent/JP2024038747A/ja active Pending
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