JP2024036760A - 記録装置および補正値取得方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体のサイズとの関係でテストパターンの記録に用いることができない無効ノズルが在る場合に、無効ノズルのための補正値を得ることができなかった。【解決手段】媒体へ液体を吐出可能な複数のノズルが並ぶ記録チップと、ノズルによる液体吐出を制御する制御部と、を備え、前記液体吐出によりノズル毎の吐出特性の補正値を取得するためのテストパターンを前記媒体へ記録可能な記録装置であって、前記制御部は、前記テストパターンを記録する際に、前記媒体に対向する位置に存在する前記ノズルである有効ノズルと、前記媒体に対向しない位置に存在する前記ノズルである無効ノズルとが同一の前記記録チップに含まれる場合に、前記有効ノズルの前記液体吐出により前記媒体へ記録した前記テストパターンから取得した前記有効ノズルの前記補正値に基づいて、前記有効ノズルと同一の前記記録チップに含まれる前記無効ノズルの前記補正値を生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、記録装置および補正値取得方法に関する。
インクジェット方式を採用する記録装置は、インクなどの液体を吐出可能な複数のノズルが並ぶ記録チップにより構成される記録ヘッドを有する。各ノズルには、液体の吐出特性にばらつきがある。そのため、ノズル毎の吐出特性のばらつきを平滑化するための補正値やパラメーターを、テストパターンの記録結果の読取値に基づいて取得し、記録データにノズル毎の補正値を適用することで、濃度ムラが抑制された記録結果を得る技術が知られている(例えば特許文献1参照。)。
特開2015‐9501号公報
記録ヘッドが有する複数のノズルの夫々について補正値を得るには、記録ヘッドの全ノズルで記録可能なサイズの媒体を用いて、記録ヘッドの全ノズルから液体を吐出させてテストパターンを記録する必要がある。しかしながら、ユーザーが、前記サイズの媒体を有していなかったり、前記サイズの媒体を有していてもそのような媒体をテストパターンの記録に使用したくなかったりすることがある。テストパターンの記録に際して、使用される媒体のサイズとの関係で媒体へ液体を吐出できない位置のノズルに関しては、適切な補正値を取得することができないことが従来の課題であった。
媒体へ液体を吐出可能な複数のノズルが並ぶ記録チップと、前記ノズルによる液体吐出を制御する制御部と、を備え、前記液体吐出により、前記ノズル毎の吐出特性の補正値を取得するためのテストパターンを前記媒体へ記録可能な記録装置であって、前記制御部は、前記テストパターンを記録する際に、前記媒体に対向する位置に存在する前記ノズルである有効ノズルと、前記媒体に対向しない位置に存在する前記ノズルである無効ノズルとが同一の前記記録チップに含まれる場合に、前記有効ノズルの前記液体吐出により前記媒体へ記録した前記テストパターンから取得した前記有効ノズルの前記補正値に基づいて、前記有効ノズルと同一の前記記録チップに含まれる前記無効ノズルの前記補正値を生成する。
媒体へ液体を吐出可能なノズルが並ぶ記録チップにおける前記ノズル毎の吐出特性の補正値を取得する補正値取得方法であって、前記記録チップが実行する液体吐出により、前記補正値を取得するためのテストパターンを前記媒体へ記録するテストパターン記録工程と、前記テストパターン記録工程により前記テストパターンが記録される際に、前記媒体に対向する位置に存在する前記ノズルである有効ノズルと、前記媒体に対向しない位置に存在する前記ノズルである無効ノズルとが同一の前記記録チップに含まれる場合に、前記有効ノズルの前記液体吐出により前記媒体へ記録された前記テストパターンから取得した前記有効ノズルの前記補正値に基づいて、前記有効ノズルと同一の前記記録チップに含まれる前記無効ノズルの前記補正値を生成する補正値生成工程と、を備える。
装置構成を簡易的に示すブロック図。 記録ヘッドと媒体との関係性を上方からの視点で簡易的に示す図。 TP記録および補正値生成にかかる処理を示すフローチャート。 ステップS170“Nо”から進んだ先の処理を示すフローチャート。 図5Aは媒体幅が最大記録幅より大きい媒体へTPが記録された状態を示す図、図5Bは媒体幅が最大記録幅より小さく記録チップ幅より大きい媒体へTPが記録された状態を示す図、図5Cは媒体幅が記録チップ幅より小さい媒体へTPが記録された状態を示す図。 第1実施例を説明するための図。 第3実施例を説明するための図。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。各図は例示であるため、比率や形状や濃淡が正確でなかったり、互いに整合していなかったり、一部が省略されていたりする場合がある。
1.装置構成の概略説明:
図1は、本実施形態にかかる記録装置10の構成を簡易的に示している。記録装置10により補正値取得方法が実行される。
記録装置10は、制御部11、表示部13、操作受付部14、記憶部15、通信IF16、搬送部17、記録ヘッド18等を備える。IFはインターフェイスの略である。制御部11は、プロセッサーとしてのCPU11a、ROM11b、RAM11c等を有する一つ又は複数のICや、その他の不揮発性メモリー等を含んで構成される。
制御部11では、プロセッサーつまりCPU11aが、ROM11bや、その他のメモリー等に保存されたプログラム12に従った演算処理を、RAM11c等をワークエリアとして用いて実行することにより、TP記録制御部12a、補正値生成部12b等の各種機能を実現する。TPはテストパターンの略である。プロセッサーは、一つのCPUに限られることなく、複数のCPUや、ASIC等のハードウェア回路により処理を行う構成としてもよいし、CPUとハードウェア回路とが協働して処理を行う構成としてもよい。
表示部13は、視覚情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部13は、ディスプレイと、ディスプレイを駆動するための駆動回路と、を含む構成であってもよい。
操作受付部14は、ユーザーによる操作や入力を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタンや、タッチパネルや、マウスや、キーボード等によって実現される。表示部13および操作受付部14を含めて操作パネルと呼んでもよい。タッチパネルとしての操作受付部14は、表示部13の一機能として実現される。
記憶部15は、例えば、ハードディスクドライブや、ソリッドステートドライブや、その他のメモリーによる記憶手段である。制御部11が有するメモリーの一部を記憶部15と捉えてもよい。記憶部15を、制御部11の一部と捉えてもよい。
通信IF16は、記録装置10が公知の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線又は無線で外部装置と通信を実行するための一つまたは複数のIFの総称である。通信IF16は通信部に該当する。外部装置は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)、サーバー、スマートフォン、タブレット型端末等の通信装置である。図1の例では、記録装置10は、外部装置の一種である読取装置1と通信IF16を介して接続している。読取装置1は、記録後の媒体30を読み取るための手段であり、スキャナーであったり、測色器であったりする。記録装置10が通信可能に接続する外部装置の台数は限られない。
搬送部17は、制御部11による制御下で媒体30を所定の搬送経路に沿って搬送する手段である。搬送部17は、例えば、回転して媒体30を搬送するローラーや、回転の動力源としてのモーター等を備える。搬送部17は、ベルトやパレットやドラムに媒体30を搭載して媒体30を搬送する機構であってもよい。媒体30は、代表的には用紙であるが、液体による記録の対象となるものであればよく、生地やフィルム等、様々な素材を採用可能である。
記録ヘッド18は、制御部11による制御下でインクジェット方式により媒体30への記録を実行する手段である。記録ヘッド18は、媒体30へ液体を吐出可能な複数のノズル20を有する。ノズル20が吐出する液滴をドットと呼ぶ。後述するように、記録ヘッド18は、複数の記録チップ19により構成されている。
記録装置10は、図1に示す構成が一体的にまとめられた1台のプリンターにより実現される。
あるいは、記録装置10は、通信可能に接続した複数台の装置により実現されるシステムであってもよい。記録装置10は、例えば、主に制御部11や操作パネルの役割を担う情報処理装置と、搬送部17や記録ヘッド18を有して記録を行うプリンターとを含んで構成される。この場合、情報処理装置を、記録制御装置や画像処理装置として捉えることができる。
図2は、記録ヘッド18と媒体30との関係性を、上方からの視点により簡易的に示している。図2に示す白丸の1つ1つが、個々のノズル20である。方向D1は記録ヘッド18の長手方向、方向D2は搬送部17による媒体30の搬送方向である。方向D1を、媒体30の幅方向とも言う。幅方向D1における媒体30の長さを「媒体幅」と言う。幅方向D1と搬送方向D2とは交差している。ここで言う交差は、直交あるいはほぼ直交である。搬送部17は、媒体30を搬送方向D2の上流から下流へ搬送する。記録ヘッド18は、媒体30の搬送経路の所定位置に固定されている。搬送部17は、基本的には、幅方向D1における媒体30の中央が、幅方向D1における記録ヘッド18の中央と一致あるいはほぼ一致するように媒体30を位置決めした状態で、媒体30を搬送方向D2に沿って搬送する。以下では、搬送方向D2の上流、下流を、単に、上流、下流と呼ぶ。
記録ヘッド18は、複数の記録チップ19が幅方向D1に沿って並ぶことにより構成されている。図2の例では、スペースの都合上、記録チップ19の数を3つとしているが、言うまでもなく記録ヘッド18を構成する記録チップ19の数は3つに限定されない。複数の記録チップ19それぞれの構成や寸法はどれも同じと解してよい。複数の記録チップ19を識別するために、図2に示すように符号19a,19b、19cを用いることがある。
記録ヘッド18は、複数種類のインクを吐出する。インクとしては、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)といった各色のインクが想定される。記録ヘッド18は、白インクやその他の色のインクや、反応液やコート液といった各種液体を吐出可能であってもよい。図2の例では、1つの記録チップ19は、ノズル列21C,21M,21Y,21Kを含んでいる。同じ種類の液体を吐出するノズル20が所定のノズル並び方向D3に沿って一定或いはほぼ一定の間隔で並んだノズル20の集合を、ノズル列あるいはノズル群と呼ぶ。
ノズル列21Cは、Cインクを吐出する複数のノズル20が並ぶノズル列である。同様に、ノズル列21Mは、Mインクを吐出する複数のノズル20が並ぶノズル列であり、ノズル列21Yは、Yインクを吐出する複数のノズル20が並ぶノズル列であり、ノズル列21Kは、Kインクを吐出する複数のノズル20が並ぶノズル列である。図2の例では、記録チップ19内において、ノズル列21C,21M,21Y,21Kは、搬送方向D2に沿って並んでおり、幅方向D1において位置が同一である。また、図2の例では、ノズル並び方向D3は幅方向D1と平行であるが、ノズル並び方向D3は幅方向D1に対して斜めに傾いていてもよい。いずれにしても、ノズル並び方向D3は搬送方向D2に交差しており、複数のノズル20は、幅方向D1においても一定或いはほぼ一定の間隔で並んでいると言える。
このような記録ヘッド18によれば、複数の記録チップ19全体により、1つの記録チップ19の幅方向D1の長さよりも長いノズル列が、液体の種類毎に形成されていると言える。以下では、幅方向D1において、最も端の記録チップ19aが位置する側を一方側と呼び、記録チップ19aとは逆の最も端の記録チップ19cが位置する側を、他方側と呼ぶ。また、幅方向D1における、記録チップ19aの最も一方側のノズル20と、記録チップ19cの最も他方側のノズル20との距離を、記録ヘッド18の「最大記録幅」と呼ぶ。単純に、幅方向D1における記録ヘッド18の長さを最大記録幅と解してもよい。幅方向D1における、1つの記録チップ19の長さを「記録チップ幅」と呼ぶ。最大記録幅や記録チップ幅は、記録ヘッド18の構造上、決まった値である。図2の例では、媒体30の媒体幅は記録ヘッド18の最大記録幅よりも大きいため、媒体30は、記録ヘッド18の全てのノズル20による液体吐出を受けることが可能である。
制御部11は、画像を表現する記録データに基づいて、記録ヘッド18による吐出を制御して媒体30へインクを吐出させる。知られているように、記録ヘッド18では、ノズル20毎に駆動素子が設けられており、記録データに応じて各ノズル20の駆動素子への駆動信号の印加が制御されることにより、各ノズル20がドットを吐出したりドットを吐出しなかったりして、記録データが表現する画像が媒体30に記録される。記録データは、画素毎かつインク色毎にドットの吐出または非吐出を規定したデータである。ドットの吐出をドットオンとも呼び、ドットの非吐出をドットオフとも呼ぶ。制御部11は、搬送部17および記録ヘッド18を制御して、記録ヘッド18の下を通過する媒体30へインクを吐出させて、媒体30へ画像を記録する。
図2では特に表現していないが、記録チップ19同士の繋ぎ部分では、記録チップ19の端部同士が幅方向D1において重複していてもよい。記録チップ19同士の端部が重なった範囲を、重複部等と呼ぶ。記録ヘッド18によれば、1つのラスターラインの1色のインクは、1つのノズル20で記録可能である。ラスターラインは、搬送方向D2に長さ成分を有するライン状の画像であり、記録データの状態においては、搬送方向D2に沿って並ぶ画素の列である。重複部に該当するノズル20で記録される位置のラスターラインは、1色を異なる記録チップ19に属する2つのノズル20の分担により記録可能である。重複部に該当するノズル20を用いたラスターラインの記録方法については公知であるため、特に説明はしない。
2.TP記録および補正値生成:
図3および図4は、制御部11がプログラム12に従って実行するTP記録および補正値生成の処理を、フローチャートにより示している。当該フローチャートの説明により補正値取得方法が開示される。制御部11は、ノズル20毎の吐出特性の補正値を取得するために、TPを媒体30へ記録する。ノズル20毎の吐出特性とは、例えばドットの体積や形状、ドットの飛行曲がりの有無や程度といった、記録結果の濃度に影響を及ぼす様々な特性の総称であり、吐出特性はノズル20毎に微妙にばらついている。
ステップS100では、制御部11は、媒体情報を取得する。媒体情報は、少なくとも媒体30のサイズを含む情報である。ユーザーは、TPを記録するために搬送部17にセットした媒体30の媒体情報を、操作受付部14を操作して入力する。制御部11は、ユーザーから入力された媒体情報を取得する。媒体情報は、ユーザーが操作する外部装置から、通信IF16を通じて制御部11が取得してもよい。あるいは、搬送部17に備えられた不図示のセンサーにより媒体30のサイズが媒体情報として検知され、制御部11は、この検知された媒体情報をセンサーから取得してもよい。
ステップS110では、制御部11は、ステップS100で取得した媒体情報が示す媒体幅が記録ヘッド18の最大記録幅よりも大きいか否かを判定し、媒体幅>最大記録幅であれば“Yes”の判定からステップS120へ進む。一方、媒体幅<最大記録幅であれば“Nо”の判定からステップS170へ進む。なお、稀なケースであるが媒体幅=最大記録幅である場合は、制御部11は、ステップS110において“Yes”と判定するとしてもよいし、“Nо”と判定するとしてもよい。
ステップS120では、制御部11のTP記録制御部12aは、最大記録幅用のTPを記録するための記録データである最大記録幅用TP記録データを生成する。なお、最大記録幅用TP記録データを生成すると言いっても、実際には、最大記録幅用TP記録データが予め生成されて記憶部15等に保存されていてもよい。つまり、TP記録制御部12aは、記憶部15等に保存されている最大記録幅用TP記録データを取得してもよい。
ステップS130では、TP記録制御部12aは、最大記録幅用TP記録データに基づいて記録ヘッド18を制御して、媒体30へ最大記録幅用TPを記録させる。本実施形態では、TPの記録に際して、媒体30に向き合う、つまり対向する位置に存在するノズル20を「有効ノズル」と呼び、媒体30に対向しない位置に存在するノズル20を「無効ノズル」と呼ぶ。媒体幅>最大記録幅であれば、媒体30は、全てのノズル20の下を通過するため、ステップS120~S150の処理においては、記録ヘッド18の全てのノズル20が有効ノズルである。つまり、媒体幅に依り、無効ノズルが有ったり無かったりする。
図5Aは、ステップS130の結果として、最大記録幅用TP40が媒体30へ記録された状態を、図2と同様の視点で示している。図5Aに示す媒体30は、媒体幅が最大記録幅よりも大きい媒体30aである。図5Aでは、記録ヘッド18を図2よりも簡略化しており、記録チップ19a,19b,19cのそれぞれを単なる矩形で表している。また、記録チップ19a,19b,19cを、それらの位置を搬送方向D2においてずらさずに表している。図5Aによれば、媒体30aにおける記録ヘッド18よりも下流の位置には、最大記録幅用TP40が記録されている。
最大記録幅用TP40は、いずれか1色のインク、例えばCインクで記録されたTPであるとする。最大記録幅用TP40は、インク量が異なる複数のパターン領域31,32,33が搬送方向D2に並んだ画像である。インク量は、媒体30の単位領域あたりのインクの被覆率と捉えることができ、記録率やデューティーと言い換えてもよい。インク量は、画素毎にドットオンまたはドットオフの2値情報を有する記録データに変換される前の画像データにおいては、例えば256階調で表現される画素毎の階調値と捉えることができるし、記録データにおいては、画素数に対するドットオン画素の比率と捉えることもできる。パターン領域31,32,33のそれぞれは、領域内のインク量は一定であり、図5Aから解るように、パターン領域31のインク量が最も少なく、パターン領域33のインク量が最も多い。言うまでもなく、最大記録幅用TP40を形成するパターン領域の数は3つに限定されない。
最大記録幅用TP40を構成するパターン領域31,32,33それぞれの幅方向D1における長さは、最大記録幅に相当する。つまり、最大記録幅用TP40は、記録ヘッド18が有するCインクを吐出するための全ノズル20を用いて記録されている。最大記録幅用TP記録データは、このような最大記録幅用TP40を記録ヘッド18に記録させるための記録データである。図5Aにおいて、破線で囲った線状の領域は、1つのラスターラインRLを指している。1つのラスターラインRLは、1つのノズル20で記録することが可能である。
ステップS140では、制御部11の補正値生成部12bは、TPの読取結果としてのTP読取データを取得する。つまり、ステップS130で媒体30aに記録された最大記録幅用TP40が読取装置1により読み取られ、その読取結果としてのTP読取データが、読取装置1から制御部11へ転送される。
ステップS150では、補正値生成部12bは、ステップS140で取得したTP読取データに基づいて、TPの記録に用いたノズル20毎の補正値を生成する。ステップS150の処理は公知であるため簡単に説明する。補正値生成部12bは、TP読取データのラスターラインRL毎かつパターン領域毎の濃度を、パターン領域毎の濃度の基準値と比較し、その比較結果に応じた補正値をラスターラインRL毎、つまりラスターラインRLの記録に用いたノズル20毎の補正値とすればよい。ここで言う濃度とは、例えば輝度であり、濃度が高いことは輝度が低いことに該当し、濃度が低いことは輝度が高いことに該当する。パターン領域毎の濃度の基準値とは、パターン領域毎の濃度の一種の理想値であり、例えば、パターン領域毎の濃度の平均値や中央値を採用したり、予め保存された値を採用したりして、どのように決定してもよい。
従って、補正値生成部12bは、TP読取データから得られた濃度が基準値よりも高いノズル20については、濃度と基準値との差に応じて、濃度を下げるための補正値を生成する。一方、補正値生成部12bは、TP読取データから得られた濃度が基準値よりも低いノズル20については、濃度と基準値との差に応じて、濃度を上げるための補正値を生成する。ステップS150の結果、有効ノズル毎、ここでは記録ヘッド18が有するCインクを吐出するための全ノズル20に対して、それぞれの補正値が生成される。ノズル20の補正値は、記録データにおける当該ノズル20で記録するラスターラインRLに適用するデータであり、例えば256階調で表現される画素毎のインク量に対して適用される。言うまでもなく、1つのノズル20の補正値は、インク量の256階調それぞれに対する各補正値であってもよい。あるいは、補正値は、画素毎に2値情報を有する記録データ自体に適用されてドットオン数を増減させるデータであってもよい。
同じ説明になるため省略するが、制御部11は、当然に、Cインク以外のMYKといった各インクのそれぞれを用いてTPを記録し、それらの読取データに基づいて各インクのノズル20のための補正値を生成する。
ステップS160では、補正値生成部12bは、生成した補正値を記憶部15等の所定の記憶場所に保存し、図示のフローチャートを終了する。
以降、制御部11は、ユーザーが記録対象として任意に選択した画像データを記録データに変換して記録データに基づいて記録ヘッド18に画像を記録させる際に、補正値を適用した補正を行う。これにより、ノズル20毎の吐出特性のばらつきに起因する記録結果の濃度ムラが抑制される。
ステップS170では、制御部11は、媒体幅が記録チップ幅よりも大きいか否かを判定し、媒体幅>記録チップ幅であれば“Yes”の判定からステップS180へ進む。一方、媒体幅≦記録チップ幅であれば“Nо”の判定からステップS230へ進む。ステップS230以降の処理については図4を参照して説明する。
ステップS180では、TP記録制御部12aは、有効ノズル用のTPを記録するための記録データである有効ノズル用TP記録データを生成する。有効ノズル用TP記録データは、最大記録幅用TP記録データを基にして生成すればよい。有効ノズル用TP記録データは、最大記録幅用TP記録データのうち有効ノズルに対応する範囲の記録データである。最大記録幅のうちどれだけの範囲が有効ノズルの範囲となるかは、媒体幅から判断することできる。
ステップS190では、TP記録制御部12aは、有効ノズル用TP記録データに基づいて記録ヘッド18を制御して、有効ノズルにより媒体30へ有効ノズル用TPを記録させる。無効ノズルは、有効ノズル用TPの記録に用いられない。
図5Bは、ステップS190の結果として、有効ノズル用TP41が媒体30へ記録された状態を示している。図5Bや後述の図5Cの見方は、図5Aの見方と同じであるため、図5Aと共通の説明は省略する。図5Bに示す媒体30は、媒体幅が最大記録幅よりも小さく且つ記録チップ幅よりも大きい媒体30bである。図5Bから解るように、ステップS180~S220の処理においては、記録ヘッド18のうち、中央の記録チップ19bは、その全てのノズル20が有効ノズルであり、一方側の記録チップ19aや他方側の記録チップ19cは、有効ノズルと無効ノズルとを含んだ状態である。図5Bでは、記録チップ19a,19cそれぞれに関して、有効ノズルの範囲を有効ノズル範囲Aとして示し、無効ノズルの範囲を無効ノズル範囲Bとして示している。
なお、媒体30の縁にインクを吐出しない所定の余白を設ける場合は、制御部11は、媒体30に対向するノズル20であっても当該余白に対向するノズル20については、無効ノズルとして扱えばよい。図5Bによれば、媒体30bにおける記録ヘッド18よりも下流の位置に、有効ノズル用TP41が記録されている。有効ノズル用TP41や、後述の有効ノズル用TP42は、幅方向D1における有効ノズルの範囲に応じて、最大記録幅用TP40と比べると幅方向D1において短くなったTPである。
ステップS200では、補正値生成部12bは、TPの読取結果としてのTP読取データを取得する。つまり、ステップS190で媒体30bに記録された有効ノズル用TP41が読取装置1により読み取られ、その読取結果としてのTP読取データが、読取装置1から制御部11へ転送される。
ステップS210では、補正値生成部12bは、ステップS200で取得したTP読取データに基づいて、TPの記録に用いたノズル20毎、つまり有効ノズル毎の補正値を生成する。ステップS200は、補正値を生成する対象のノズル20の範囲が異なる以外はステップS150と同じ処理である。
ステップS220では、補正値生成部12bは、ステップS210で取得した有効ノズルの補正値に基づいて、有効ノズルと同一の記録チップ19に含まれる無効ノズルの補正値を生成する。有効ノズルと、有効ノズルの補正値に基づいて補正値を生成する対象の無効ノズルとの関係を、同一の記録チップ19内に限定する理由は、同一記録チップ19内であれば、吐出特性の傾向が比較的近いと考えられるからである。つまり、無効ノズルの補正値を、同じ記録チップ19の有効ノズルを用いて記録したTPの結果から生成した有効ノズルの補正値に基づいて生成することで、無効ノズルの補正値の精度を確保することができる。
図5Bを参照すると、記録チップ19bの全ノズル20、記録チップ19aの有効ノズル範囲Aの各ノズル20および記録チップ19cの有効ノズル範囲Aの各ノズル20については、ステップS210により既に補正値が生成されている。従って、ステップS220では、補正値生成部12bは、記録チップ19aの有効ノズル範囲Aの各ノズル20の補正値に基づいて、記録チップ19aの無効ノズル範囲Bの各ノズル20について補正値を生成する。同様に、補正値生成部12bは、記録チップ19cの有効ノズル範囲Aの各ノズル20の補正値に基づいて、記録チップ19cの無効ノズル範囲Bの各ノズル20について補正値を生成する。このように、TPの記録に用いなかった無効ノズルについても補正値を生成したら、補正値生成部12bは、ステップS160を実行した上でフローチャートを終了する。
ステップS220における、有効ノズルの補正値に基づく無効ノズルの補正値の生成方法について、幾つかの実施例を以下に説明する。いずれの実施例を採用してもよい。
第1実施例:
補正値生成部12bは、記録チップ19における有効ノズルが並ぶ範囲と無効ノズルが並ぶ範囲との境界を挟んで一の無効ノズルと対称な位置に在る一の有効ノズルの補正値を、一の当該無効ノズルの補正値とする。
図6は、第1実施例を説明するための図であり、記録ヘッド18の主に記録チップ19aおよび記録チップ19cと、補正値とを示している。図6内の左側には、ステップS220の実行前の状態を示し、図6内の右側には、ステップS220の実行後の状態を示している。図6では、図5Bと同様に、媒体30bの媒体幅に応じて決まる有効ノズル範囲Aおよび無効ノズル範囲Bを、記録チップ19aおよび記録チップ19cの夫々に記載している。また、有効ノズル範囲Aと無効ノズル範囲Bとの境界を破線で解り易く示している。
記録チップ19aの有効ノズル範囲Aに対応して幅方向D1に沿って記載した「-2」、「-3」…等の数値は、記録チップ19aの有効ノズル範囲Aの各ノズル20に対してステップS210で生成した補正値の例である。同様に、記録チップ19cの有効ノズル範囲Aに対応して幅方向D1に沿って記載した各数値は、記録チップ19cの有効ノズル範囲Aの各ノズル20に対してステップS210で生成した補正値の例である。マイナスの補正値は、インク量を減らす補正値であり、プラスの補正値はインク量を増やす補正値であり、補正値=0は無補正を意味する。また、図6に示す補正値は、例えば、階調値=128のインク量に対して適用するノズル20毎の補正値であるとする。
このような状況において、補正値生成部12bは、図6内の右側に示すように、記録チップ19aの有効ノズル範囲Aの各ノズル20の補正値を、記録チップ19aの有効ノズル範囲Aと無効ノズル範囲Bとの境界を挟んで対称位置に在る各無効ノズルの補正値としてコピーする。同様に、補正値生成部12bは、記録チップ19cの有効ノズル範囲Aの各ノズル20の補正値を、記録チップ19cの有効ノズル範囲Aと無効ノズル範囲Bとの境界を挟んで対称位置に在る各無効ノズルの補正値としてコピーする。
第2実施例:
補正値生成部12bは、有効ノズルの補正値の平均値を無効ノズルの補正値としてもよい。つまり、補正値生成部12bは、記録チップ19aの有効ノズル範囲Aのノズル20の補正値の平均値を、記録チップ19aの無効ノズル範囲Bの各ノズル20の補正値とする。同様に、補正値生成部12bは、記録チップ19cの有効ノズル範囲Aのノズル20の補正値の平均値を、記録チップ19cの無効ノズル範囲Bの各ノズル20の補正値とする。この場合、補正値生成部12bは、インク量の256階調毎の補正値別に平均値を算出すればよい。
第3実施例:
補正値生成部12bは、有効ノズルの補正値に基づく補完処理により無効ノズルの補正値を算出するとしてもよい。
図7は、第3実施例を説明するための図であり、1つの記録チップ19のノズル番号と補正インク量との関係性をグラフにより示している。ここでは、1つの記録チップ19は、図5Bに示す記録チップ19aであるとする。横軸のノズル番号は、1つの記録チップ19が幅方向D1に沿って有するN個のノズル20に対して順に1つずつ付した番号である。ここでは、記録チップ19aが有する最も他方側のノズル20、つまり記録チップ19b側のノズル20がノズル番号#1、記録チップ19aが有する最も一方側、つまり記録チップ19bから最も遠いノズル20がノズル番号#Nであるとする。
また、記録チップ19aのノズル番号#1~#nの各ノズル20が有効ノズル範囲Aに該当し、記録チップ19aのノズル番号#n+1~#Nの各ノズル20が無効ノズル範囲Bに該当する。ノズル番号は、幅方向D1における記録チップ19内のノズル位置と解してよい。
縦軸の補正インク量は、補正値を適用した場合のインク量を意味する。図7では、記録チップ19aのノズル番号#1~#nに対応する補正インク量であって、階調値=128のインク量にノズル番号#1~#n毎の補正値を適用した場合の補正インク量を、実線で示している。つまり、破線で示す階調値=128のレベルと、実線で示す補正インク量との差が、記録チップ19aのノズル番号#1~#nの各ノズル20に対してステップS210で生成された補正値である。補正インク量>128であればプラスの補正値が適用されることを意味し、補正インク量<128であればマイナスの補正値が適用されることを意味する。
補正値生成部12bは、ステップS220では、このようなノズル番号#1~#n毎の補正インク量の近似直線Fを、例えば最小二乗法で算出する。図7において2点鎖線で示す近似直線Fは、ノズル番号すなわち記録チップ19aのノズル20毎に補正インク量を与える一次関数と言える。そこで、補正値生成部12bは、ノズル番号#n+1~#Nのそれぞれのノズル20毎の補正インク量を近似直線から算出して、階調値=128との差を求めることで、ノズル番号#n+1~#Nのそれぞれのノズル20、つまり無効ノズル毎の補正値を求めることができる。このように、有効ノズルの補正値に基づいて得られる近似直線から無効ノズル毎の補正値を求める処理が、第3実施例の補完処理である。むろん、補正値生成部12bは、記録チップ19cに関しても同様に、有効ノズルの補正値に基づいて得られる近似直線から無効ノズル毎の補正値を求める。
図4の説明に移る。
ステップS230では、TP記録制御部12aは、有効ノズル用のTPを記録するための記録データである有効ノズル用TP記録データを生成する。ステップS170で“Nо”と判定された場合、記録ヘッド18における有効ノズル範囲は、記録チップ19bの全てあるいは一部である。ステップS230は、有効ノズル範囲が異なる以外は、ステップS180と同じ処理である。媒体幅が記録チップ幅と等しいことは稀であるため、ここでは、記録ヘッド18における有効ノズル範囲が記録チップ19bの一部である場面を説明する。
ステップS240では、TP記録制御部12aは、ステップS230で生成した有効ノズル用TP記録データに基づいて記録ヘッド18を制御して、有効ノズルにより媒体30へ有効ノズル用TPを記録させる。
図5Cは、ステップS240の結果として、有効ノズル用TP42が媒体30へ記録された状態を示している。図5Cに示す媒体30は、媒体幅が記録チップ幅よりも小さい媒体30cである。図5Cによれば、記録ヘッド18のうち、一方側の記録チップ19aおよび他方側の記録チップ19cは、それらの全てのノズル20が無効ノズルである。記録チップ19bは、媒体幅にほぼ相当する中央部の各ノズル20が有効ノズルであり、それ以外の各ノズル20は無効ノズルである。図5Cでは、記録チップ19bに関して、有効ノズル範囲Aおよび無効ノズル範囲Bを示している。図5Cによれば、媒体30cにおける記録ヘッド18よりも下流の位置に、有効ノズル用TP42が記録されている。
ステップS250では、補正値生成部12bは、TPの読取結果としてのTP読取データを取得する。つまり、ステップS240で媒体30cに記録された有効ノズル用TP42が読取装置1により読み取られ、その読取結果としてのTP読取データが、読取装置1から制御部11へ転送される。
ステップS260では、補正値生成部12bは、ステップS250で取得したTP読取データに基づいて、TPの記録に用いたノズル20毎、つまり有効ノズル毎の補正値を生成する。ステップS260は、補正値を生成する対象のノズル20の範囲が異なる以外はステップS150,210と同じ処理である。
ステップS270では、補正値生成部12bは、ステップS260で取得した有効ノズルの補正値に基づいて、有効ノズルと同一の記録チップ19に含まれる無効ノズルの補正値を生成する。図5Cを参照すると、記録チップ19bの有効ノズル範囲Aの各ノズル20については、ステップS260により既に補正値が生成されている。従って、ステップS270では、補正値生成部12bは、記録チップ19bの有効ノズル範囲Aの各ノズル20の補正値に基づいて、記録チップ19bの無効ノズル範囲Bの各ノズル20について補正値を生成する。ステップS270の詳細については、上述した第1~第3実施例のいずれかを採用すればよい。
ステップS280では、制御部11は、記録ヘッド18を構成する全ての記録チップ19について補正値の生成を終えたか否かを判定し、終えていれば“Yes”の判定からステップS160へ進む。一方、補正値の生成対象としていない記録チップ19が残っている場合は、“Nо”の判定からステップS290を経て、ステップS230へ進む。
上述したように記録チップ19bの各ノズル20に対してステップS230~S270により補正値を生成し終えた時点では、記録チップ19a,19cの各ノズル20に対しては補正値を生成できていない。そこで、ステップS290では、補正値を生成できていない記録チップ19が有効ノズル用TPを記録できるように、搬送部17における媒体30のセット位置の変更が行われる。具体的には、ユーザーが、記録チップ幅よりも媒体幅が小さい媒体30cを、これまで補正値の生成対象とされていない1つの記録チップ19下を通過する位置へセットし直す。制御部11は、このような媒体30のセット位置の変更をユーザーに促すための画像やメッセージを、表示部13に表示させてもよい。
あるいは、記録装置10が記録ヘッド18を幅方向D1と平行な方向に移動させることが可能な機種であれば、制御部11は、ステップS290において、記録ヘッド18を、記録チップ19aまたは記録チップ19cが媒体30cと相対可能となる位置まで移動させるとしてもよい。つまり、幅方向D1において、媒体30cの位置を変える替わりに記録ヘッド18の位置を変えることで実質的に媒体30cのセット位置の変更を実現してもよい。
ステップS290から進んだ先のステップS230~S270では、1つの記録チップ19を対象としたノズル20毎の補正値の生成が行われる。このように、ステップS170で“Nо”と判定した後は、例えば、記録チップ19b、記録チップ19a、記録チップ19cといった順番で、1つずつ記録チップ19が各ノズル20の補正値生成の対象となる。
3.まとめ:
このように本実施形態によれば、記録装置10は、媒体30へ液体を吐出可能な複数のノズル20が並ぶ記録チップ19と、ノズル20による液体吐出を制御する制御部11と、を備え、液体吐出により、ノズル20毎の吐出特性の補正値を取得するためのTPを媒体30へ記録可能である。制御部11は、TPを記録する際に、媒体30に対向する位置に存在するノズル20である有効ノズルと、媒体30に対向しない位置に存在するノズル20である無効ノズルとが同一の記録チップ19に含まれる場合に、有効ノズルの液体吐出により媒体30へ記録したTPから取得した有効ノズルの補正値に基づいて、有効ノズルと同一の記録チップ19に含まれる無効ノズルの補正値を生成する。
前記構成によれば、TPを記録する際に、用いる媒体30のサイズに起因して、同一の記録チップ19に有効ノズルと無効ノズルとが含まれる場合に、無効ノズルについても補正値を生成することが可能となる。従って、ユーザーは、媒体30aのような無効ノズルを発生させない媒体幅を有する媒体30を用意しなくても、各ノズル20についての補正値を得ることができる。また、無効ノズルの補正値について、同じ記録チップ19の有効ノズルに関してTPの記録結果から生成した補正値に基づき生成するため、適切な精度の補正値を得ることが可能となる。
なお、これまでは媒体30へTPを記録できなかった無効ノズルに関しては、予め定めたダミー値を、補正値として対応付ける処理が便宜的に行われてきた。しかしながら、ノズル20による液体の吐出特性は、記録チップ19間で大きく異なるといった事情があるため、このようなダミー値は、無効ノズルの補正値として精度が高いとは言えない。本実施形態によれば、ダミー値より精度が高い、記録チップ19毎に適切な補正値を無効ノズルに対して生成することができる。
本実施形態によれば、制御部11は、記録チップ19における有効ノズルが並ぶ範囲と無効ノズルが並ぶ範囲との境界を挟んで一の無効ノズルと対称な位置に在る一の有効ノズルの補正値を、一の当該無効ノズルの補正値とする、としてもよい。
前記構成によれば、簡単な処理で、ある程度の精度を保った補正値を無効ノズルに対して生成することができる。
本実施形態によれば、制御部11は、有効ノズルの補正値の平均値を無効ノズルの補正値とする、としてもよい。
前記構成によれば、簡単な処理で、ある程度の精度を保った補正値を無効ノズルに対して生成することができる。
本実施形態によれば、制御部11は、有効ノズルの補正値に基づく補完処理により無効ノズルの補正値を算出する、としてもよい。
前記構成によれば、有効ノズルの補正値に基づく補完処理を行うことで、無効ノズルに関してより精度が高い補正値を生成することができる。
本実施形態は、記録装置10やシステムといった物だけでなく、それらが実行する方法や、方法をプロセッサーに実行させるプログラム12といった各種カテゴリーの発明を開示する。例えば、媒体30へ液体を吐出可能なノズル20が並ぶ記録チップ19におけるノズル20毎の吐出特性の補正値を取得する補正値取得方法は、記録チップ19が実行する液体吐出により、補正値を取得するためのTPを媒体30へ記録するTP記録工程と、TP記録工程によりTPが記録される際に、媒体30に対向する位置に存在するノズル20である有効ノズルと、媒体30に対向しない位置に存在するノズル20である無効ノズルとが同一の記録チップ19に含まれる場合に、有効ノズルの液体吐出により媒体30へ記録されたTPから取得した有効ノズルの補正値に基づいて、有効ノズルと同一の記録チップ19に含まれる無効ノズルの補正値を生成する補正値生成工程と、を備える。図3,4によれば、ステップS130,S190,S240がTP記録工程に該当し、ステップS210,S220,S260,S270が補正値生成工程に該当する。
4.変形例:
本実施形態に含まれる変形例について説明する。
上述したように、記録ヘッド18を構成する記録チップ19の数は3つでなくてもよい。例えば、記録ヘッド18が、幅方向D1に並ぶ5つの記録チップ19で構成される場合を想定する。5つの記録チップ19を便宜上、幅方向D1の一方側から他方側に向かって順に、第1記録チップ、第2記録チップ、第3記録チップ、第4記録チップ、第5記録チップと呼ぶ。制御部11がステップS170で“Yes”と判定した場合、媒体幅次第で更に、第1記録チップと第5記録チップとのそれぞれに有効ノズル範囲と無効ノズル範囲とが生じる場合と、第2記録チップと第4記録チップとのそれぞれに有効ノズル範囲と無効ノズル範囲とが生じる場合とに分かれる。第2記録チップと第4記録チップとのそれぞれに有効ノズル範囲と無効ノズル範囲とが生じる場合は、第1記録チップおよび第5記録チップは全て無効ノズルである。
制御部11は、最も一方側の第1記録チップと最も他方側の第5記録チップとのそれぞれに有効ノズル範囲と無効ノズル範囲とが生じる場合は、これまでの説明と同様に、第1記録チップ、第5記録チップのそれぞれについて、有効ノズルにより記録したTPから取得した有効ノズルの補正値に基づいて、無効ノズルの補正値を生成すればよい。
一方で、制御部11は、第2記録チップと第4記録チップとのそれぞれに有効ノズル範囲と無効ノズル範囲とが生じる場合は、先ず、第2記録チップ、第4記録チップのそれぞれについて、有効ノズルにより記録したTPから取得した有効ノズルの補正値に基づいて無効ノズルの補正値を生成する。さらに、制御部11は、ユーザーによる媒体30のセット位置変更等を経て、第1記録チップ、第5記録チップそれぞれにTPを記録させ、各TPの記録結果から第1記録チップ、第5記録チップそれぞれについての補正値を生成すればよい。
また、記録ヘッド18は、1つの記録チップ19で構成されていてもよい。つまり、最大記録幅=記録チップ幅であってもよい。このような構成の場合、制御部11は、ステップS110の“Nо”の後は、ステップS170の判定は不要であり、直にステップS180へ進めばよい。
さらに、制御部11は、TPを記録する際に、記録チップ19における無効ノズルの比率が有効ノズルの比率以下である場合に、有効ノズルの補正値に基づいて、有効ノズルと同一の記録チップ19に含まれる無効ノズルの補正値を生成するとしてもよい。つまり、制御部11は、有効ノズルと無効ノズルとが含まれるある記録チップ19を対象として各ノズル20の補正値を生成する場合に、当該記録チップ19内で有効ノズル数≧無効ノズル数であれば、ステップS210やステップS260の後に、ステップS220やステップS270を実行する。一方、有効ノズルと無効ノズルとが含まれる記録チップ19を対象として各ノズル20の補正値を生成する場合に、当該記録チップ19内で有効ノズル数<無効ノズル数であれば、制御部11は、ステップS220やステップS270を実行する替わりに、当該記録チップ19内の無効ノズルに対して上述のダミー値を補正値として対応付ける。
このように、記録チップ19における有効ノズルの比率が半分以上である場合に、同一記録チップ19内の有効ノズルの補正値に基づいて無効ノズルの補正値を生成することで、無効ノズルの補正値の信頼性を確保する。記録チップ19における有効ノズルの比率が半分にも満たない場合は、同一記録チップ19内の有効ノズルの補正値に基づいて無効ノズルの補正値を生成しても無効ノズルの補正値の信頼性を確保できないため、その場合はダミー値を用いて補正値生成の処理を極力簡易化する。
10…記録装置、11…制御部、12…プログラム、12a…TP記録制御部、12b…補正値生成部、13…表示部、14…操作受付部、15…記憶部、16…通信IF、17…搬送部、18…記録ヘッド、19,19a,19b,19c…記録チップ、20…ノズル、21C,21M,21Y,21K…ノズル列、30,30a,30b,30c…媒体、31,32,33…パターン領域、40…最大記録幅用TP、41,42…有効ノズル用TP

Claims (6)

  1. 媒体へ液体を吐出可能な複数のノズルが並ぶ記録チップと、
    前記ノズルによる液体吐出を制御する制御部と、を備え、
    前記液体吐出により、前記ノズル毎の吐出特性の補正値を取得するためのテストパターンを前記媒体へ記録可能な記録装置であって、
    前記制御部は、
    前記テストパターンを記録する際に、前記媒体に対向する位置に存在する前記ノズルである有効ノズルと、前記媒体に対向しない位置に存在する前記ノズルである無効ノズルとが同一の前記記録チップに含まれる場合に、
    前記有効ノズルの前記液体吐出により前記媒体へ記録した前記テストパターンから取得した前記有効ノズルの前記補正値に基づいて、前記有効ノズルと同一の前記記録チップに含まれる前記無効ノズルの前記補正値を生成する、ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御部は、
    前記テストパターンを記録する際に、前記記録チップにおける前記無効ノズルの比率が前記有効ノズルの比率以下である場合に、
    前記有効ノズルの前記補正値に基づいて、前記有効ノズルと同一の前記記録チップに含まれる前記無効ノズルの前記補正値を生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御部は、前記記録チップにおける前記有効ノズルが並ぶ範囲と前記無効ノズルが並ぶ範囲との境界を挟んで一の前記無効ノズルと対称な位置に在る一の前記有効ノズルの前記補正値を、一の当該無効ノズルの前記補正値とする、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記制御部は、前記有効ノズルの前記補正値の平均値を前記無効ノズルの前記補正値とする、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
  5. 前記制御部は、前記有効ノズルの前記補正値に基づく補完処理により前記無効ノズルの前記補正値を算出する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録装置。
  6. 媒体へ液体を吐出可能なノズルが並ぶ記録チップにおける前記ノズル毎の吐出特性の補正値を取得する補正値取得方法であって、
    前記記録チップが実行する液体吐出により、前記補正値を取得するためのテストパターンを前記媒体へ記録するテストパターン記録工程と、
    前記テストパターン記録工程により前記テストパターンが記録される際に、前記媒体に対向する位置に存在する前記ノズルである有効ノズルと、前記媒体に対向しない位置に存在する前記ノズルである無効ノズルとが同一の前記記録チップに含まれる場合に、前記有効ノズルの前記液体吐出により前記媒体へ記録された前記テストパターンから取得した前記有効ノズルの前記補正値に基づいて、前記有効ノズルと同一の前記記録チップに含まれる前記無効ノズルの前記補正値を生成する補正値生成工程と、を備えることを特徴とする補正値取得方法。
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