JP2024036215A - コイル部品及びその製造方法、コイル中間材、送電装置、受電装置、並びに電力伝送システム - Google Patents

コイル部品及びその製造方法、コイル中間材、送電装置、受電装置、並びに電力伝送システム Download PDF

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将人 岡部
Masahito Okabe
茜 荒川
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Abstract

【課題】平面コイルと一体化されるシート材からの平面コイルの浮き上がりを抑制できるコイル部品を提供する。【解決手段】一実施の形態に係るコイル部品10は、渦巻形状を有し、渦巻形状の第1中心軸線C1上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面11Aおよび第2の面11Bを含む第1平面コイル11と、第1平面コイル11の第2の面11Bと対面するように第1平面コイル11と重なり、第1平面コイル11を保持する第1保持部材20と、を備える。そして、第1保持部材20は、第1平面コイル11の第2の面11Bと接し、且つ第2の面11Bに沿って延び広がる接触面20Sを含むベース部20Bと、接触面20Sから突出する第1リブ部21と、を含む。そして、第1リブ部21は、第1平面コイル11に形成された通し孔を通過し、且つ第1平面コイル11の径方向で通し孔11hの内周面と接触又は近接する第1隆起部分21Aを含む。【選択図】図6

Description

本開示は、コイル部品及びその製造方法、コイル中間材、送電装置、受電装置、並びに電力伝送システムに関する。
非接触で電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムが普及しつつある。
電力を非接触で伝送する場合、コイルを含む共振回路に高周波の電流が流される。この場合、コイルにおいて表皮効果が生じ得る。表皮効果は、交流抵抗を増大させ、発熱による電力消費量の増加を招く。そのため、表皮効果は、伝送効率を低下させる原因になる。
コイルとしてリッツ線を用いた場合、表皮効果が抑制される。ただし、リッツ線は、多数のエナメル線を撚り合わせて形成されるため、製造コストが高く且つ製造に手間がかかり、コイルのサイズが大きくなる程、製造の手間が大きくなる。一方で、渦巻形状且つ板状で、導線断面が矩形状の平面コイルを採用する技術も知られている(特許文献1参照)。このような平面コイルによれば、コイルのサイズによらず製造効率の向上が図れる。そのため、このような平面コイルは、コイルのサイズが大きくなり得る例えば電気自動車用の大電力のワイヤレス電力伝送システムに適している。
電気自動車用のワイヤレス電力伝送システムでは、送電装置が駐車場などの路面に設置され、受電装置が電気自動車に設置される。例えば電気自動車の用途で上記平面コイルを用いた場合には、送電装置及び受電装置のいずれにおいても特に高さ寸法を抑制できる。そのため、上記平面コイルは、スペースの制約が厳しく課される例えば車両分野において有益に機能する。
特表2015-518271号公報
上述したような平面コイルは、例えば樹脂を含むシート材と重なる状態でシート材と一体化されてもよい。これにより、例えば組み立て時において平面コイルを取り扱いやすくなる。
平面コイルとシート材とを一体化する場合、平面コイルは、片面を露出させる状態でシート材に埋め込まれてもよい。この際、例えばシート材を加熱しつつ平面コイルをシートに押し当てることで、平面コイルがシート材に埋め込まれてもよい。しかしながら、この場合、平面コイルがシート材から離れる方向に浮きやすくなることがある。このような浮きは、例えば異種の材質であることにより界面での強固な密着性が確保し難い点や、平面コイルとシート材との熱膨張率の差などに起因して生じ得る。
上述のように平面コイルがシート材から浮いてしまうと、例えば他の部品に組み込まれる場合に、適正な組み込みができなくなる。
本開示の課題は、平面コイルと一体化されるシート材からの平面コイルの浮き上がりを抑制できるコイル部品及びその製造方法、コイル中間材、送電装置、受電装置、並びに電力伝送システムを提供することである。
本開示の実施の形態は、以下[1]~[26]に関連する。
[1] 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
前記平面コイルには、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成され、
前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出して前記通し孔を通過し、且つ前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で前記通し孔の内周面と接触又は近接するリブ部と、を含む、コイル部品。
[2] 前記第1保持部材は、複数の前記リブ部を含み、
複数の前記リブ部は、前記径方向に間隔を空けて並ぶように設けられる、[1]に記載のコイル部品。
[3] 前記リブ部は、前記通し孔と前記径方向で接触又は近接しつつ前記平面コイルを前記軸方向に越える隆起部分と、前記隆起部分から前記径方向に延び、前記第1の面と対面するオーバーハング部分と、を含む、[1]又は[2]に記載のコイル部品。
[4] 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出し、且つ前記第1の面と前記第2の面との間に位置する前記平面コイルの側面に前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で接触又は近接するリブ部と、を含み、
前記リブ部は、前記径方向で前記平面コイルの前記側面に接触又は近接しつつ前記平面コイルを前記軸方向に越える隆起部分と、前記隆起部分から前記径方向に延び、前記第1の面と対面するオーバーハング部分と、を含む、コイル部品。
[5] 前記隆起部分は、渦巻形状の前記平面コイルに沿って渦巻形状で延びる、[4]に記載のコイル部品。
[6] 前記隆起部分は、前記径方向で前記中心軸線側を向く前記側面のうちの内周側面に接触又は近接する内側隆起部分と、前記側面において前記内周側面の反対側に位置する外周側面に接触又は近接する外側隆起部分と、を含み、
前記内側隆起部分と前記外側隆起部分とは、前記径方向に離れた状態で、それぞれ前記接触面から突出する、[4]又は[5]に記載のコイル部品。
[7] 前記リブ部は、複数の前記オーバーハング部分を含み、
複数の前記オーバーハング部分は、前記平面コイルが渦巻形状に延びる方向で間隔を空けて設けられる、[4]乃至[6]のいずれかに記載のコイル部品。
[8] 複数の前記オーバーハング部分は、前記径方向に又は前記径方向に平行な方向に間隔を空けて並ぶように設けられる、[7]に記載のコイル部品。
[9] 前記オーバーハング部分は、前記第1の面を部分的に覆う、[4]乃至[8]のいずれかに記載のコイル部品。
[10] 前記オーバーハング部分は、前記第1の面の面積の25%以下の範囲を覆う、[9]に記載のコイル部品。
[11] 前記第1保持部材は、非磁性且つ絶縁性である、[1]乃至[10]のいずれかに記載のコイル部品。
[12] 前記平面コイルを前記第1保持部材と挟み込みようにして前記平面コイル及び前記第1保持部材と一体化される、磁性を有する第2保持部材をさらに備える、[1]乃至[11]のいずれかに記載のコイル部品。
[13] 前記平面コイルは、前記径方向に配列される複数のターン部を含み、
前記第1保持部材は、前記接触面における隣り合う前記ターン部の間に位置する部分に溝を形成され、
前記第2保持部材は、前記溝の内部に充填されている、[12]に記載のコイル部品。
[14] 前記平面コイルの前記第1の面と対面するように配置される第1磁気シールド部材をさらに備え、
前記第1磁気シールド部材は、磁性を有する複数の磁性板を含み、
複数の前記磁性板は、前記径方向に間隔を空けて並ぶように設けられる複数の前記オーバーハング部分を挟み込むように配置される2つの前記磁性板を含む、[8]に記載のコイル部品。
[15] 前記第2の面と前記接触面とを接合する熱可塑性樹脂を含む接着層をさらに備える、[1]乃至[14]のいずれかに記載のコイル部品。
[16] 前記第2の面と表面粗さは、前記第1の面の表面粗さよりも大きい、[1]乃至[15]のいずれかに記載のコイル部品。
[17] 凹部が形成された金型を準備する工程と、
渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルを準備する工程と、
前記第1面が前記金型の前記凹部が形成された面に対面し、前記平面コイルが部分的に前記凹部を覆う状態で、前記平面コイルを前記金型に載せる工程と、
前記第2の面を覆うように成形材料を設け、前記成形材料から前記凹部に充填させる部分と、前記第2の面を覆う部分とを形成し、前記凹部を充填する部分と前記第2の面の覆う部分とが繋がる状態で前記成形材料を硬化させる工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
[18] 前記平面コイルには、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成され、
前記平面コイルは、前記通し孔が前記凹部に重なる状態で前記金型に載せられ、前記成形材料が、前記通し孔から前記凹部に充填される、[17]に記載のコイル部品の製造方法。
[19] 前記平面コイルは、前記凹部を部分的に覆う状態で前記金型に載せられ、
前記成形材料は、前記凹部における前記平面コイルによって覆われていない部分から前記凹部に充填される、[17]又は[18]に記載のコイル部品の製造方法。
[20] 前記金型には、前記凹部の内部に位置するように形成されるサポート部が設けられ、
前記平面コイルにおける前記凹部を覆う部分が前記サポート部に重なるように、前記平面コイルが前記金型に載せられる、[19]に記載のコイル部品の製造方法。
[21] 金型を準備する工程と、
渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含み、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成された平面コイルを準備する工程と、
前記平面コイルを前記金型に載せる工程と、
前記第2の面を覆うように成形材料を設け、前記成形材料から前記通し孔に充填させる部分と、前記の前記第2の面を覆う部分とを形成し、前記通し孔を充填する部分と前記第2の面の覆う部分とが繋がる状態で前記成形材料を硬化させる工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
[22] 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
前記平面コイルには、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成され、
前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出して前記通し孔を通過し、且つ前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で前記通し孔の内周面と接触又は近接するリブ部と、を含む、コイル中間材。
[23] 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出し、且つ前記第1の面と前記第2の面との間に位置する前記平面コイルの側面に前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で接触又は近接するリブ部と、を含み、
前記リブ部は、前記径方向で前記平面コイルの前記側面に接触又は近接しつつ前記平面コイルを前記軸方向に越える隆起部分と、前記隆起部分から前記径方向に延び、前記第1面と対面するオーバーハング部分と、を含む、コイル中間材。
[24] [1]乃至[16]のいずれかに記載のコイル部品を備える、送電装置。
[25] [1]乃至[16]のいずれかに記載のコイル部品を備える、受電装置。
[26] 送電装置と、受電装置とを備え、
前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、[1]乃至[16]のいずれかに記載のコイル部品を備える、電力伝送システム。
本開示によれば、平面コイルと一体化されるシート材からの平面コイルの浮き上がりを抑制できる。
一実施の形態に係るコイル部品が適用されるワイヤレス電力伝送システムを概略的に示す図である。 一実施の形態に係るコイル部品の平面図である。 図2に示すコイル部品の分解斜視図である。 図2に示すコイル部品の断面図である。 図2に示すコイル部品を構成する第1平面コイル及び第1保持部材の平面図である。 図5のVI-VI線に沿う断面図である。 図6に示す断面を俯瞰した斜視図である。 図5のVIII-VIII線に沿う断面図である。 図5のIX-IX線に沿う断面図である。 図2に示すコイル部品を製造するための金型の斜視図である。 図10のXI-XI線に沿う断面図である。 図10のXII-XII線に沿う断面図である。 図10のXIII-XIII線に沿う断面図である。 図2に示すコイル部品の製造方法の一例を説明する図である。 図2に示すコイル部品の製造方法の一例を説明する図である。 図2に示すコイル部品の製造方法の一例を説明する図である。 第2の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。 図17に示すコイル部品を製造するための金型の断面図である。 図17に示すコイル部品の製造方法の一例を説明する図である。 図18に示す金型の変形例を示す断面図である。 第3の実施の形態に係るコイル部品の平面図である。 図21のXV-XV線に沿う断面図である。 図21のXX-XX線に沿う断面図である。 他の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。 さらに他の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。
以下、図面を参照しながら各実施の形態について説明する。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」などの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば「シート」は、フィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
<<第1の実施の形態>>
図1は、第1の実施の形態に係るコイル部品10が適用されるワイヤレス電力伝送システムSを概略的に示す。まず、ワイヤレス電力伝送システムS(以下、電力伝送システムSと略す。)について図1を参照しつつ説明する。なお、電力伝送システムSに第1の実施の形態とは異なる実施の形態に係るコイル部品が適用され得ることは言うまでもない。
<ワイヤレス電力伝送システム>
電力伝送システムSは、送電装置1と、受電装置2とを備える。送電装置1は、コイル部品10と、高周波電流供給部1Aとを含む。送電装置1におけるコイル部品10は、送電コイルとして機能する。高周波電流供給部1Aは、送電コイルとしてのコイル部品10に高周波電流を供給する。
受電装置2は、コイル部品10と、変換部2Aとを含む。受電装置2におけるコイル部品10は、受電コイルとして機能する。変換部2Aは、コイル部品10で生じる高周波電流を整形する。変換部2Aは、高周波電流を直流電流に変換する整流回路などを有する。変換部2Aは、例えば複数のダイオードを含む全波整流回路と、平滑化コンデンサーと、を備えて構成されてもよい。
本実施の形態では、送電装置1及び受電装置2のそれぞれがコイル部品10を含む。ただし、送電装置1及び受電装置2のうちの一方のみにコイル部品10が用いられ、他方には異なる形式のコイル部品が用いられてもよい。
送電装置1から受電装置2にワイヤレス(非接触)で電力を伝送する際には、送電装置1が、高周波電流供給部1Aから送電コイルとしてのコイル部品10に所定の周波数の高周波電流を供給する。この際、コイル部品10には、電磁誘導により磁界が生じる。そして、この磁界の影響で、受電装置2では、受電コイルとしてのコイル部品10に高周波電流が生じる。すなわち、受電装置2は送電装置1から磁界を受信して又は磁界の影響を受けて、電磁誘導により高周波電流を通流させる。変換部2Aは、この高周波電流を直流電流に変換し、変換した直流電流を例えば図示しないバッテリに供給する。
図1に示す電力伝送システムSは、電力伝送方式として、磁界共鳴方式を採用している。ただし、本実施の形態に係るコイル部品10は、電磁誘導方式の電力伝送システムで用いられてもよい。また、電力伝送システムSは、電気自動車にワイヤレスで電力を伝送するシステムとして構成される。この場合、送電装置1は、道路、駐車場などに設置される。受電装置2は、電気自動車に設置される。
ただし、電力伝送システムSの用途は、電気自動車への電力伝送に限られるものではない。例えば、電力伝送システムSは、ドローンなどの飛行体、ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。また、電力伝送システムSは、海中における潜水艇や、探査ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。また、コイル部品10の用途は、ワイヤレス電力伝送システムに限られない。例えば、コイル部品10は、トランス、DC-DCコンバータ、アンテナなどに用いられてもよい。
<コイル部品>
以下、コイル部品10について説明する。図2は、コイル部品10の平面図である。図3は、コイル部品10の分解斜視図である。図4は、コイル部品10の断面図である。
図2乃至図4に示すように、コイル部品10は、第1平面コイル11と、第2平面コイル12と、第1保持部材20と、第2保持部材30と、第1磁気シールド部材40と、第2磁気シールド部材50と、第1接続端子61と、第2接続端子62と、を備えている。
図3に示すように、コイル部品10では、第1保持部材20に対して、第1平面コイル11、第2平面コイル12、第2保持部材30、第1磁気シールド部材40及び第2磁気シールド部材50がこの順で重なる。図2では、説明の便宜上、第2保持部材30、第1磁気シールド部材40及び第2磁気シールド部材50の図示が省略されているが、実際は、実線で示された第2平面コイル12に、第2保持部材30、第1磁気シールド部材40及び第2磁気シールド部材50が重なる。なお、図2では、説明の便宜上、第1平面コイル11が破線で示されている。
また、上述したように第2保持部材30は第2平面コイル12に重なり、図3では、第2保持部材30が概略的に第2平面コイル12と第1磁気シールド部材40との間に配置されるように示されている。ただし、実際は、図4に示すように、第2保持部材30はその一部を第2平面コイル12と第1磁気シールド部材40との間に介在させつつ、他の一部を第1平面コイル11と第2平面コイル12との間にも介在させる。このような第2保持部材30の形状の詳細は、後述する。また、図2及び図3では、第1接続端子61及び第2接続端子62が二点鎖線にて簡略的に示されている。以下、コイル部品10の各部について詳述する。
(第1平面コイル及び第2平面コイル)
第1平面コイル11は渦巻形状であり、導電材料から形成される。本実施の形態では、第1平面コイル11が銅を含む。具体的には、第1平面コイル11は銅から形成される。ただし、第1平面コイル11は、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等で形成されてもよい。
図3に示すように、第1平面コイル11は板状であり、図4に示すように、第1平面コイル11が渦巻形状に周回する方向(言い換えると渦巻形状で延びる方向)に直交する方向での第1平面コイル11の断面形状は、矩形状である。
図2及び図3に示す符号C1は、第1平面コイル11の渦巻形状の中心を通る第1平面コイル11の第1中心軸線を示している。以下、第1平面コイル11の軸方向と言う場合、その方向は、第1中心軸線C1上を延びる方向又は第1中心軸線C1に平行な方向を意味する。また、第1中心軸線C1に直交する方向を第1平面コイル11の径方向と言う。第1平面コイル11は、軸方向で互いに反対となる第1の面11Aおよび第2の面11Bを含む。第1平面コイル11は、第1の面11Aに対して第2平面コイル12などを重ねられ、第2の面11Bで第1保持部材20と対面する。
図3に示すように、第1平面コイル11は、複数のターン部11nにより渦巻形状をなす導電体11Eを有する。第1平面コイル11の複数のターン部11nは、渦巻形状の第1中心軸線C1に直交する方向(径方向)に配列される。詳しくは、当該複数のターン部11nは、渦巻形状の第1中心軸線C1から径方向の外方に向かって第1中心軸線C1から次第に離れるように接続される。そして、これにより渦巻形状が形成される。
ターン部11nは、基本的には線状の導体部分が環状をなさずに第1中心軸線C1の周りを360度周回する形状である。いわゆる平面コイルである場合には、ターン部11nの両端部は、径方向にずれる。複数のターン部11nでは、或るターン部11nの径方向の外方の端部に他のターン部11nの径方向の内方の端部が接続し、他のターン部11nが第1中心軸線C1から離れるように延びていく。
以下では、複数のターン部11nのうちの第1中心軸線C1に最も近いものを、ターン部111と称す場合がある。また、ターン部111に接続するターン部を、ターン部112と称す場合がある。本実施の形態では、複数のターン部11nが、5個のターン部111~115で構成される。以下において複数のターン部11nのそれぞれに共通となる事項を説明する際には、基本的に、ターン部11nと称す。
本実施の形態では、ターン部11nが矩形状をなすように周回する。ただし、ターン部11nは、円形をなすように周回する形状でもよい。なお、本明細書及び本開示で言う渦巻形状とは、螺旋状に巻いた平面曲線の形を意味する。ここで言う平面曲線には、図示のような折れ線状に曲がりつつ繰り返し周回する平面パターンも含む。また、言い換えると、渦巻形状は、第1平面コイル11の第1中心軸線C1の周りを、次第に外側に位置するように周回する形状である。
第1中心軸線C1に最も近いターン部111の径方向の内方の端部(第1中心軸線C1に近い端部)は、第2平面コイル12と電気的に接続される。一方で、複数のターン部11nのうちの第1中心軸線C1から最も離れるターン部115の径方向の外方の端部(第1中心軸線C1から離れる方の端部)は、第1接続端子61と接続している。
ここで、第1平面コイル11(ターン部11n)の径方向の内方とは、当該径方向において第1中心軸線C1に近づく方向を意味する。また、第1平面コイル11(ターン部11n)の径方向の外方とは、当該径方向において第1中心軸線C1から離れる方向を意味する。また、第1中心軸線C1は、本実施の形態では次のようにして定められる。まず、最内周のターン部111の径方向の内方の端部から最内周のターン部111と相似の形状の線状の仮想ターン部を径方向の内方に渦巻形状をなすように順次描画していく。そして、直径1cm内に収まる仮想ターン部が描画できるまで描画を継続する。そして、直径1cm内に収まる仮想ターン部の径方向の内方の領域を、渦巻形状の周方向及び径方向に直交する方向に通過する線が、第1中心軸線C1として定められる。
本実施の形態における第1平面コイル11は、一例として銅板から渦巻形状に打ち抜かれて形成される。ただし、第1平面コイル11は、銅箔を渦巻形状にエッチングすることでも形成され得る。
第1平面コイル11の厚さ(導電体11Eの厚さ)は、例えば0.1mm以上1.0mm以下でもよい。また、第1平面コイル11の半径(第1中心軸線C1から径方向で最も離れた部分までの距離)は80mm以上でもよく、80mm以上450mm以下でもよい。また、断面形状が矩形となる第1平面コイル11(導電体11E)のアスペクト比は、第1平面コイル11(導電体11E)の径方向幅(径方向での幅)を第1平面コイル11(導電体11E)の厚さで割ることにより定められる。第1平面コイル11(導電体11E)のアスペクト比は、40以下でもよいし、2以上12以下でもよいし、3以上10以下でもよい。
磁界共鳴方式で電気自動車に電力を伝送する場合、10KHzから200KHz、特に75KHz以上100KHz以下、さらに79KHzから90KHzの高周波電流の周波数帯で、1Kw以上、望ましくは5Kw以上の電力を伝送可能とすることが望ましい。この場合、銅で形成される第1平面コイル11の厚さは、0.2mm以上であることが好ましい。この観点で、第1平面コイル11の厚さの下限値が、0.2mmに設定されてもよい。また、電気自動車に電力を伝送する場合、サイズが過剰に大きいことは望まれず、サイズを制限されることがある。この観点で、第1平面コイル11及び後述の第2平面コイル12も、詳しくは第1平面コイル11の導電体11E及び第2平面コイル12の導電体12Eは、一辺が800mmの正方形に収まるサイズで形成されることが好ましい。
また、第1平面コイル11の線幅(導電体11Eの線幅)、すなわち各ターン部11nの径方向幅(径方向での幅)は、特に限られない。ただし、例えば79KHzから90KHzの高周波電流の周波数帯で、1Kw以上、望ましくは5Kw以上の電力を伝送可能とすることを考慮すると、ターン部11nの径方向幅は、2mm以上20mm以下でもよく、2mm以上16mm以下、2mm以上12mm以下、2mm以上8mm以下でもよい。また、第1平面コイル11のターン数は、4以上12以下でもよいが、特に限られない。
つづいて、第2平面コイル12も渦巻形状であり、本実施の形態では、第2平面コイル12も銅を含む。詳しくは、第2平面コイル12は銅から形成される。なお、第2平面コイル12の材質は特に限られず、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等でもよい。また、第2平面コイル12も板状であり、図4に示すように、第2平面コイル12が渦巻形状に周回する方向に直交する方向での第2平面コイル12の断面形状は、矩形状である。
図2及び図3に示す符号C2は、第2平面コイル12の渦巻形状の中心を通る第2平面コイル12の第2中心軸線を示している。以下、第2平面コイル12の軸方向と言う場合、その方向は、第2中心軸線C2上を延びる方向又は第2中心軸線C2に平行な方向を意味する。また、第2中心軸線C2に直交する方向を第2平面コイル12の径方向と言う。第2平面コイル12は、軸方向で互いに反対となる第1の面12Aおよび第2の面12Bを含む。第2平面コイル12は、第1の面12Aに対して、第2保持部材30、第1磁気シールド部材40及び第2磁気シールド部材50を重ねられ、第2の面12Bで第1平面コイル11(第1の面11A)と対面する。
本実施の形態では、第2平面コイル12が第1平面コイル11と同軸になるように配置されている。つまり、第1平面コイル11の第1中心軸線C1と第2平面コイル12の第2中心軸線C2とが一致する、言い換えると、同一直線上に位置する。ただし、第1平面コイル11と第2平面コイル12は、第1平面コイル11の第1中心軸線C1と第2平面コイル12の第2中心軸線C2とが互いに平行になるように重なってもよい。すなわち、第1平面コイル11と第2平面コイル12は同軸でなくてもよい。
第2平面コイル12も、複数のターン部12nにより渦巻形状をなす導電体12Eを有する。第2平面コイル12の複数のターン部12nは、渦巻形状の第2中心軸線C2に直交する方向に配列される。
複数のターン部12nの接続態様や、位置に応じた呼称(ターン部121など)は、第1平面コイル11のターン部11nと同様である。本実施の形態では、第1平面コイル11のターン数と第2平面コイル12のターン数とが同じであり、複数のターン部12nは、5個のターン部121~125で構成される。また、ターン部12nは、ターン部11nと同様に矩形状をなすように周回する。なお、ターン部12nは、円形をなすように周回する形状でもよい。また、第1平面コイル11のターン数と第2平面コイル12のターン数とは異なってもよい。また、例えばターン部12nが矩形状となり、ターン部11nが円形状となる態様でもよい。
また、上述したように第1中心軸線C1に最も近いターン部111の径方向の内方の端部は、第2平面コイル12と電気的に接続される。詳しくは、ターン部111の径方向の内方の端部は、第2平面コイル12におけるターン部121の内方の端部に接続される。ここで、第1平面コイル11と第2平面コイル12とが接続された際、第1平面コイル11が第2平面コイル12に接続されない端部(ターン部115の径方向の外方の端部)から第2平面コイル12に接続される端部まで周回する方向は、第2平面コイル12が第1平面コイル11に接続される端部から第1平面コイル11に接続されない端部(ターン部125の径方向の外方の端部)まで周回する方向と同じになる。
そして、複数のターン部12nのうちの第2中心軸線C2から最も離れるターン部125の径方向の外方の端部は、第2接続端子62と接続している。なお、第2平面コイル12(ターン部12n)の径方向の内方及び外方が意味する方向は、上述した第1平面コイル11の径方向の内方及び外方の場合と同様に定められる。また、第2中心軸線C2の位置の決め方も、第1中心軸線C1の場合と同様に定められる。また、本実施の形態における第2平面コイル12も、一例として銅板から渦巻形状に打ち抜かれて形成される。ただし、第2平面コイル12は、銅箔を渦巻形状にエッチングすることでも形成され得る。
本実施の形態では、第2平面コイル12の厚さ(導電体12Eの厚さ)は、例えば0.1mm以上1.0mm以下でもよい。また、第2平面コイル12の半径(第2中心軸線C2から径方向で最も離れた部分までの距離)は、第1平面コイル11の場合と同様に、80mm以上でもよく、80mm以上450mm以下でもよい。また、断面形状が矩形となる第2平面コイル12(導電体12E)のアスペクト比は、第1平面コイル11の場合と同様に、40以下でもよいし、2以上12以下でもよいし、3以上10以下でもよい。また、第2平面コイル12の線幅(導電体12Eの線幅)、すなわち各ターン部12nの径方向幅(径方向での幅)は、2mm以上20mm以下でもよく、2mm以上16mm以下、2mm以上12mm以下、2mm以上8mm以下でもよい。また、第2平面コイル12のターン数は、4以上12以下でもよいが、特に限られない。
また、第1平面コイル11と第2平面コイル12は隙間を空けて重なっている。この隙間は、0.5mm以上1.5mm以下でもよい。隙間の寸法は特に限られるものではないが、隙間が小さすぎると、電流を供給した際に第1平面コイル11及び第2平面コイル12で生じる渦電流損失が大きくなる傾向がある。また、隙間が大きくなり過ぎると、コイル部品10の薄型化が損なわれる。第1平面コイル11と第2平面コイル12とが離れる状態は、上述したように第2保持部材30が介在することにより維持されるが、これについては後述する。
(第1保持部材)
第1保持部材20は、第1平面コイル11の第2の面11Bと対面するように第1平面コイル11と重なり、第1平面コイル11を保持する。コイル部品10では、例えば電力を電送する場合、第1平面コイル11及び第2平面コイル12で生じる磁界を第1保持部材20に通す。したがって、第1保持部材20は、磁界を妨げないようにするため及び渦電流が発生しないようにするために、非導電性(絶縁性)且つ非磁性であることが好ましい。
非導電性(絶縁性)且つ非磁性が好ましい点を考慮し、第1保持部材20の材料は、例えば、樹脂であり、繊維強化プラスチックでもよい。より具体的には、第1保持部材20の材料は、ガラス繊維強化ポリアミドでもよい。ただし、第1保持部材20の材料は特に限られるものではない。例えば、ガラス繊維が含まれなくもよい。また、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂又は熱硬化樹脂が用いられてもよい。なお、絶縁性とは、体積抵抗率が、1010Ω・m以上であることを意味する。非磁性とは、磁性を示さないことを意味する。
第1保持部材20は、第1平面コイル11と一体化されることにより、第1平面コイル11を保持する。本実施の形態では、第1平面コイル11と、第1保持部材20、厳密にはその成形材料とを熱プレスすることにより、第1平面コイル11と、第1保持部材20とが一体化される。このような一体化は、例えば金属である第1平面コイル11の表面の凹凸に第1保持部材20が噛み込むによりなされる。
ここで、第1平面コイル11と第1保持部材20は異種の材質であるため、強固な密着性が得られない場合が生じ得る。そこで、本実施の形態における第1保持部材20は、第1平面コイル11の第2の面11Bと接し、且つ第2の面11Bに沿って延び広がる接触面20Sを含むベース部20Bと、接触面20Sから突出する第1リブ部21及び第2リブ部22と、を含む。そして、第1リブ部21及び第2リブ部22によって、第1平面コイル11と第1保持部材20との一体化状態の安定性を向上させることが可能となっている。
図5は、第1平面コイル11及び第1保持部材20の平面図である。図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図であり、図7は、図6に示す断面を俯瞰した斜視図である。図6及び図7は、第1リブ部21の断面を示している。図8は、図6のVIII-VIII線に沿う断面図であり、図9は、図6のIX-IX線に沿う断面図である。図8及び図9は、第2リブ部22の断面を示している。
図5乃至図7に示すように、第1平面コイル11には、第1の面11Aから第2の面11Bに貫通する通し孔11hが形成されている。図6及び図7に示すように、第1リブ部21は、第1平面コイル11に形成された通し孔11hを通過し、第1平面コイル11の径方向で通し孔11hの内周面と接触又は近接するように形成されている。
詳しくは、本実施の形態における第1リブ部21は、第1平面コイル11の径方向で通し孔11hと接触又は近接しつつ第1平面コイル11を軸方向に越える第1隆起部分21Aと、第1隆起部分21Aから前記径方向に延び、第1平面コイル11の第1の面11Aと対面する、詳しくは接触する第1オーバーハング部分21Bと、を含む。
第1リブ部21が形成される場合、第1平面コイル11が第1保持部材20から離れようとするとき、通し孔11hの内周面が第1隆起部分21Aに接触して、第1平面コイル11の移動が規制され得る。また、第1の面11Aが第1オーバーハング部分21Bに接触することにより、第1平面コイル11の移動がより効果的に規制され得る。
なお、第1リブ部21が、詳しくは第1隆起部分21Aが上記径方向で通し孔11hの内周面と近接する状態とは、第1隆起部分21Aと通し孔11hとの上記径方向での距離が1mm以下である状態、好ましくは0.5mm以下、0.2mm以下である状態で、第1隆起部分21Aが通し孔11hを通過する状態を意味する。
本実施の形態では、図5を参照し、第1平面コイル11に複数の通し孔11hが形成され、複数の通し孔11hには、第1平面コイル11の径方向に並ぶ各ターン部11nに形成されて当該径方向に並ぶ複数の通し孔11hの群が含まれる。そして、第1リブ部21は各通し孔11hを通過するように形成される。すなわち、第1保持部材20は複数の第1リブ部21を含み、複数の第1リブ部21には、第1平面コイル11の径方向に間隔を空けて並ぶように設けられる複数の第1リブ部21の群が含まれる。
より詳しくは、第1平面コイル11における各ターン部11nは角が丸み帯びるように形成された矩形状であり、各ターン部11nの丸みを帯びた四隅の角部それぞれに通し孔11hが形成される。そして、第1リブ部21は、第1平面コイル11の2つの対角線上のそれぞれにおいて第1平面コイル11の径方向に間隔を空けて並ぶように形成されている。なお、第1リブ部21の形成位置や数は特に限られるものでなく、本実施の形態の態様とは異なる態様で形成されてもよい。例えば、複数の第1リブ部21は、第1平面コイル11の径方向に平行な方向に間隔を空けて並ぶように形成されてもよい。
また、図6には第2平面コイル12の一部が二点鎖線で示されている。図6に示すように第2平面コイル12は、第1リブ部21に接する状態で設けられる。上述したように、第1平面コイル11と第2平面コイル12は隙間を空けて重なっている。ここで、第1リブ部21は、第1平面コイル11と第2平面コイル12との隙間を維持するためのスペーサとして機能している。第1平面コイル11と第2平面コイル12は隙間を空けて重なっており、この隙間は、0.5mm以上1.5mm以下でもよい。この場合、第1オーバーハング部分21Bの厚さは、0.5mm以上1.5mm以下となる。なお、第1リブ部21においては、第1オーバーハング部分21Bが無くてよい。
つづいて、第2リブ部22について説明する。図8及び図9に示すように、第2リブ部22は、第1保持部材20のベース部20Bにおける接触面20Sから突出し、第1平面コイル11の径方向で第1平面コイル11の側面に接触又は近接する部分である。詳しくは、第2リブ部22は、第1平面コイル11の径方向で第1平面コイル11の側面に接触又は近接しつつ第1平面コイル11を軸方向に越える第2隆起部分22Aと、第2隆起部分22Aから前記径方向に延び、第1の面11Aと対面する、詳しく接触する第2オーバーハング部分22B(図9参照)と、を含む。なお、第1平面コイル11の側面とは、第1の面11Aと第2の面11Bとの間に位置する面のことである。
第2リブ部22が形成される場合、第1平面コイル11が第1保持部材20から離れようとするとき、第1平面コイル11の側面が第2隆起部分22Aに接触して、第1平面コイル11の移動が規制され得る。また、第1の面11Aが第2オーバーハング部分22Bに接触することにより、第1平面コイル11の移動がより効果的に規制され得る。
本実施の形態における第2隆起部分22Aは、渦巻形状の第1平面コイル11に沿って渦巻形状で延びる。本実施の形態では、第2隆起部分22Aが第1平面コイル11の径方向の内方の端部から外方の端部まで連続的に途切れることなく延びるが、第2隆起部分22Aは、第1平面コイル11が渦巻形状に延びる方向で間欠的に形成されてもよい。
また、図8及び図9に示すように、第1平面コイル11の側面には、第1平面コイル11の径方向で第1中心軸線C1側を向く側面のうちの内周側面13と、内周側面13の反対側に位置する外周側面14と、が含まれる。これに対して、第2リブ部22における第2隆起部分Aは、内周側面13に接触又は近接する内側隆起部分22A1と、外周側面14に接触又は近接する外側隆起部分22A2と、を含む。
内側隆起部分22A1と外側隆起部分22A2とは、第1平面コイル11の径方向に離れた状態で、それぞれ接触面20Sから突出する。より詳しくは、第1保持部材20は、接触面20Sにおける隣り合うターン部11nの間に位置する部分に溝24を形成される。溝24は、渦巻形状の第1平面コイル11に沿って渦巻形状で延びている。そして、第1平面コイル11の径方向に隣り合う内側隆起部分22A1と外側隆起部分22A2は、その間にターン部11nを介在させる状態で上記径方向に離れるか、又は、溝24を介在させる状態で上記径方向に離れている。溝24は、その底部が接触面20Sよりも深くなるように形成されている。
なお、第2リブ部22が、詳しくは第2隆起部分22Aが第1平面コイル11の径方向で第1平面コイル11の側面と近接する状態とは、第2隆起部分22Aと前記側面との上記径方向での距離が1mm以下である状態、好ましくは0.5mm以下、0.2mm以下である状態で、第2隆起部分22Aが前記側面と隣り合う状態を意味する。
また、第2リブ部22は、図9に示すように第2隆起部分22Aから第1平面コイル11の径方向に延びる複数の第2オーバーハング部分22Bを含む。図5に示すように、複数の第2オーバーハング部分22Bは、第1平面コイル11が渦巻形状に延びる方向で間隔を空けて設けられる。より詳しくは、複数の第2オーバーハング部分22Bには、第1平面コイル11の径方向に平行な方向であって第1中心軸線C1を通らない方向に、間隔を空けて並ぶように設けられる複数の第2オーバーハング部分22Bの群が含まれる。当該群は、図5の例において8つ存在する。
つまり、本実施の形態における第2オーバーハング部分22Bは、第1平面コイル11の第1の面11Aを部分的に覆う。後述するが、第2保持部材30は磁性を有し、部分的に第1平面コイル11に接する状態で形成される。ここで、本件発明者は、第2保持部材30が第1平面コイル11に接触する部分が大きい程、コイル性能が向上することを知見している。そして、本件発明者は、良好なコイル性能の確保と、第1平面コイル11と第1保持部材20との良好な密着性の確保との両立の観点から、第2オーバーハング部分22Bが第1の面11Aを覆う範囲は、第1の面11Aの面積の25%以下であることが望ましいことを見出した。第2オーバーハング部分22Bが第1の面11Aの面積の25%以下の範囲を覆う場合のコイル部品10のQ値は、第2オーバーハング部分22Bが設けられない場合のQ値に対して5%程度しか減少しないことを本件発明者はシミュレーションを通して見出している。なお、密着性を考慮する場合、第2オーバーハング部分22Bが第1の面11Aを覆う範囲は、第1の面11Aの面積の5%以上でもよい。
本実施の形態では、第1平面コイル11の径方向に平行な方向に間隔を空けて並ぶ複数の第2オーバーハング部分22Bの群が、第1リブ部21を避けて設けられる。詳しくは、本実施の形態では、第1平面コイル11の径方向に平行な方向に間隔を空けて並ぶ複数の第2オーバーハング部分22Bの群の2組が、周方向で隣り合う、第1平面コイル11の径方向に間隔を空けて並ぶ複数の第1リブ部21の群の間に位置している。ただし、第2オーバーハング部分22Bの形成位置や数は特に限られるものでなく、本実施の形態の態様とは異なる態様で、第2オーバーハング部分22Bが形成されてもよい。
また、図9に示すように第2オーバーハング部分22Bは、ターン部11nを横断するように形成されている。すなわち、第2オーバーハング部分22Bは、その間にターン部11nを間に介在させて隣り合う内側隆起部分22A1と外側隆起部分22A2とに跨がっている。ただし、第2オーバーハング部分22Bは、径方向の断面で見るときに、ターン部11nを部分的に開放させるように形成されてもよい。また、第2オーバーハング部分22Bは、第1平面コイル11と第2平面コイル12との隙間を維持するためのスペーサとしても機能し得る。この場合、第2オーバーハング部分22Bの厚さは、0.5mm以上1.5mm以下でもよい。
(第2保持部材)
図4に戻り、本実施の形態における第2保持部材30は、第1平面コイル11及び第2平面コイル12を第1保持部材20と挟み込むようにして、第1平面コイル11、第2平面コイル12及び第1保持部材20と一体化されている。上述したように、第2保持部材30はその一部を第2平面コイル12と第1磁気シールド部材40との間に介在させつつ、他の一部を第1平面コイル11と第2平面コイル12との間にも介在させる。
詳しくは、第2保持部材30は、第1磁気シールド部材40から第1保持部材20に向かう方向に積み重なるように位置する第1層部31、第2層部32、第3層部33、第4層部34、及び第5層部35を含む。これら第1層部31、第2層部32、第3層部33、第4層部34、及び第5層部35は、実際は、つなぎ目無く一体的に形成されている。
第1平面コイル11及び第2平面コイル12の軸方向で見た場合に、第1層部31、第2層部32、第3層部33及び第4層部34は、第1平面コイル11及び第2平面コイル12の全体を包含する大きさに形成されている。
第1層部31は、第2平面コイル12と第1磁気シールド部材40との間に介在するシート状の部分である。第1層部31は、第2平面コイル12の第1の面12Aと接し、第1の面12Aを全体的に覆っている。第2層部32は、第1層部31に重なり、第2平面コイル12の側面を覆う部分である。言い換えると、第2層部32は、第2平面コイル12の側面の全体を径方向の内方及び外方から覆う部分である。なお、第2平面コイル12の側面は、第1の面12Aと第2の面12Bとの間に位置する面である。
第3層部33は、第1平面コイル11と第2平面コイル12との間に介在する部分である。すなわち、第3層部33は、第1平面コイル11と第2平面コイル12との間の隙間を充填する部分である。また、第4層部34は、第1平面コイル11の側面を覆う部分である。言い換えると、第4層部34は、第1平面コイル11の側面の全体を径方向の内方及び外方から覆う部分であって、正確には第2リブ部22を介して覆う。そして、第4層部34における第3層部33と接続する面の反対面は、第1平面コイル11の第2の面11Bと面一になっている。そして、第5層部35は、第1平面コイル11の第2の面11Bと面一になる第4層部34の面から突出している。
第5層部35は、第1保持部材20における溝24に充填されている。したがって、第5層部35は、渦巻形状の第1平面コイル11に沿って渦巻形状で延びている。
第2保持部材30は全体として磁性を有し、すなわち、第1層部31、第2層部32、第3層部33、第4層部34、及び第5層部35のそれぞれは磁性を有する。第2保持部材30は、磁性により渦電流損失や漏れ磁束を抑制したり、結合係数を高くしたりすることにより、コイル性能の向上を図る。第2保持部材30の比透磁率は、2.0以上であることが好ましく、2.0以上10.0以下でもよい。第2保持部材30の比透磁率は、5.0以上であることがより好ましく、5.0以上10.0以下でもよい。第2保持部材30の比透磁率は特に限られないが、大き過ぎると第2保持部材30の柔軟性や強度が不所望に損なわれる場合がある。したがって、第2保持部材30の比透磁率は200以下でもよい。
また、第2保持部材30は第5層部35を備えることにより、コイル性能を効果的に向上できる。第5層部35の高さは特に限られるものではないが、例えば0.5mm以上でもよく、1.0mm以上でもよい。第5層部35の高さは高い程、渦電流損失の抑制効果が高くなり且つ結合係数が高くなる傾向がある。一方で、第5層部35は、高くなる程、根元を起点として破損しやすくなる傾向がある。そこで、第5層部35の高さは、例えば10mm以下にしてもよい。なお、第5層部35は設けられなくてもよい。
本実施の形態における第2保持部材30は、一例として、樹脂と、磁性体で構成される複数又は無数の磁性体粒子と、を含む。磁性体粒子は、保持材料としての樹脂に保持される。
磁性体粒子は、フェライト特に軟磁性材料のフェライト、ナノ結晶磁性体、ケイ素鋼、電磁軟鉄、及びアモルファス金属のうちのいずれか又は二種以上から形成されてもよい。保持材料としての樹脂は、ガラス繊維強化ポリアミドでもよい。すなわち、当該樹脂は、熱可塑性樹脂(熱可塑性材料)としてのポリアミドと、ガラス繊維とを含む材料から形成されてもよい。ただし、第2保持部材30の成形材料は特に限られるものではない。
(第1磁気シールド部材)
第1磁気シールド部材40は、磁気の透過及び/又は漏れ磁界の抑制のために設けられる。第1磁気シールド部材40は、第1平面コイル11、第2平面コイル12、第1保持部材20及び第2保持部材30とは別体のシート状の部材である。第1磁気シールド部材40が、第1平面コイル11、第2平面コイル12、第1保持部材20及び第2保持部材30と別体であるとは、第1磁気シールド部材40が、これら第1平面コイル11、第2平面コイル12、第1保持部材20及び第2保持部材30に一体化されていないことを意味する。ただし、第1磁気シールド部材40と第2保持部材30とが接着層などを介して接合されてもよい。第1磁気シールド部材40は、平面視で第1平面コイル11、第2平面コイル12及び第2保持部材30を包含する大きさに形成されている。第1磁気シールド部材40は第1平面コイル11、第2平面コイル12及び第2保持部材30と重なり、このうちの第2保持部材30と直接的に接する。
本実施の形態における第1磁気シールド部材40は磁性を有し、磁性体を含む又は磁性体でなる。コイル部品10では、第1平面コイル11及び第2平面コイル12に電流が供給された際に磁界が生じる。このようなコイル部品10で生じる磁界は、第1平面コイル11及び第2平面コイル12の各中心軸線C1,C2に対して全方向に広がるように生じる。この際、第1磁気シールド部材40は磁性を有することで、広がろうとする磁束線を各中心軸線C1,C2側に配向できる。また、コイル部品10は車両に設置され得るが、この際、コイル部品10で生じる磁界が他の車両部品側に流れると、車両部品に悪影響が生じる場合がある。このような場合に、第1磁気シールド部材40電流の発生に寄与しない漏れ磁界を抑制できる。
第1磁気シールド部材40は好ましくは軟磁性体又はナノ結晶磁性体を含む。より具体的には、第1磁気シールド部材40はフェライトを含む、好ましくはソフトフェライトを含む。本実施の形態では、第1磁気シールド部材40が、磁性板に対応する板状のフェライト板を含む。より詳しくは、第1磁気シールド部材40は、複数のプレート状のフェライト板をシート状に配列して構成されている。
第1磁気シールド部材40の比透磁率は、500以上でもよく、1000以上でもよい。第1磁気シールド部材40の比透磁率は、500以上3000以下でもよいし、1000以上3000以下でもよい。なお、本明細書における比透磁率は、周波数85KHzで、環境温度23度で測定した際の値である。
(第2磁気シールド部材)
第2磁気シールド部材50は、第1磁気シールド部材40を覆うように設けられている。本実施の形態では、第2磁気シールド部材50が第1磁気シールド部材40に接するが、これに代えて、第2磁気シールド部材50はスペーサを介して第1磁気シールド部材40に接してもよい。第2磁気シールド部材50は、金属材料で形成され、導電性を有する。具体的には、本実施の形態における第2磁気シールド部材50はアルミニウムで形成されている。この場合、第1平面コイル11及び第2平面コイル12から第2磁気シールド部材50を通って磁気が漏れることが抑制される。なお、第2磁気シールド部材50は、アルミニウム合金、銅、ステンレス鋼などで形成されてもよい。
(接続端子)
図2及び図3に示すように、第1接続端子61は、第1平面コイル11におけるターン部115の径方向の外方の端部に接続されている。第2接続端子62は、第2平面コイル12におけるターン部125の径方向の外方の端部に接続されている。第1接続端子61及び第2接続端子62は、例えば高周波電流供給部1A又は変換部2Aとの接続の際に用いられ得る。第1接続端子61とターン部115との接続及び第2接続端子62とターン部125との接続は、超音波接合で行われてもよい。ただし、その接続手法は限られず、例えば導電性接着剤による接続が採用されてもよい。
<コイル部品10の製造方法>
次に、コイル部品10の製造方法の一例について説明する。図10は、コイル部品10を製造するための金型200の斜視図である。図11は、図10のXI-XI線に沿う断面図である。図12は、図10のXII-XII線に沿う断面図である。図13は、図10のXIII-XIII線に沿う断面図である。
金型200は、第1平面コイル11と第1保持部材20の成形材料とをこの順に載せられた後、他の金型210(図14参照)との間で第1平面コイル11及び第1保持部材20の成形材料を熱プレスする。これにより、第1平面コイル11と第1保持部材20との一体物であるコイル中間材10M(図3参照)が形成される。
金型200は、第1平面コイル11を載せる平坦な設置面200Sを有する板状の本体部分201を備える。本体部分201には、設置面200Sから突出し、渦巻形状で延びる凸部202が形成される。図4を参照し、凸部202は、第1保持部材20の溝24を形成する部分である。そして、渦巻形状の凸部202に沿って延びる接触面20Sにおける渦巻形状の領域に、第1平面コイル11が設置される。
また、図10に示すように、接触面20Sにおける第1平面コイル11が設置される領域には複数の位置決め突起203が形成される。第1平面コイル11は位置決め突起203を通すための孔を有する。位置決め突起203は、第1平面コイル11の孔に通されることで、第1平面コイル11を所望の位置に位置決めする。また、図10乃至図13を参照し、金型200には、第1リブ部21における第1オーバーハング部分21Bを形成するための複数の第1凹部204と、第2リブ部22における第2オーバーハング部分22Bを形成するための第2凹部205と、が形成されている。
以上のような金型200を用いてコイル中間材10Mを製造する際、まず、図14に示すように、本体部分201の接触面20Sにおける渦巻形状の領域に第1平面コイル11が設置される。第1平面コイル11は、第1の面11Aが設置面200Sに対面する状態で金型200に設置される。この際、複数の位置決め突起203は、第1平面コイル11の孔に通されることで、第1平面コイル11を位置決めする。また、図14及び図15に示すように、凸部202における径方向に隣り合う部分は、第1平面コイル11の側面に対して隙間を設ける状態で、第1平面コイル11を受け入れる。すなわち、凸部202における径方向に隣り合う部分の間の距離は、これらの間に配置されるターン部11nの幅よりも大きくなっている。そして、第1平面コイル11の上に成形材料220が設置される。そして、金型200は、他の金型210との間で第1平面コイル11及び成形材料220を熱プレスする。
熱プレスによって成形材料は、軟化し溶融状態になる。これにより、ベース部20B、第1リブ部21及び第2リブ部22を有して、第1平面コイル11と一体化される第1保持部材20が形成される。
詳しくは、図14及び図15に示すように凸部202における径方向に隣り合う部分とターン部11nの間の隙間に、成形材料220の一部が充填されることで、第2リブ部22における第2隆起部分22Aが形成される。さらに、図15の矢印αに示すように第2凹部205に成形材料220の一部が充填される。そして、第2凹部205内で成形材料220が硬化されることにより、第2リブ部22における第2オーバーハング部分22Bが形成される。すなわち、第1平面コイル11は、第2凹部205を部分的に覆う状態で金型200に載せられ、成形材料220は、第2凹部205における第2平面コイル12によって覆われていない部分から第2凹部205に充填される。これにより、第2オーバーハング部分22Bが形成される。
また、図16に示すように第1平面コイル11は、各ターン部11nに形成された通し孔11hが第2凹部205に重なる状態で金型200に載せられる。これにより、矢印βに示すように、溶解した成形材料220の一部が通し孔11hを通って第2凹部205に充填される。そして、通し孔11h内及び第2凹部205内で成形材料220が硬化されることにより、第1リブ部21が形成される。そして、成形材料220のうちの第1平面コイル11の第2の面11B上に残った部分が硬化されることにより、第1保持部材20のベース部20Bが形成される。
以上のようにして第1平面コイル11と第1保持部材20とが一体化されたコイル中間材10Mが形成される。この後、第2平面コイル12及び第2保持部材30をコイル中間材10Mに一体化させるなどの工程が行われ、コイル部品10が製造される。なお、本実施の形態では熱プレスにより成形材料220を金型200,210の間で溶融させて第1平面コイル11と第1保持部材20とが一体化されたコイル中間材10Mが形成される。ただし、このような製造方法は一例である。例えば、金型200,210との間に成形材料を射出することにより、コイル中間材10Mが形成されてもよい。
<コイル部品の用途>
本実施の形態に係るコイル部品10は、上述したワイヤレス電力伝送システムSの送電装置1における送電コイルとして用いることができ、受電装置2における受電コイルとして用いることができる。
送電コイルとしてコイル部品10を用いる場合、第1接続端子61及び第2接続端子62が図1で示したような高周波電流供給部1A又は交流電源に接続される。高周波電流がコイル部品10に供給されると、電流を、第1接続端子61から第1平面コイル11及び第2平面コイル12に流した後、第2接続端子62から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。また、電流を、第2接続端子62から第2平面コイル12及び第1平面コイル11に流した後、第1接続端子61から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。これにより、平面コイルの中心軸線に沿う磁力線を含む磁界を発生させることができる。
一方で、受電コイルとしてコイル部品10を用いる場合、第1平面コイル11及び第2平面コイル12の内側を通過するように磁力線を含む磁界を受ける又は発生させることで、第1平面コイル11及び第2平面コイル12に高周波電流を発生させることができる。そして、この高周波電流を、第1接続端子61又は第2接続端子62から外部の装置に供給できる。
また、コイル部品10は、トランス、アンテナなどでも用いることができる。例えばトランスにおける一次側コイルとしてコイル部品10が機能する場合には、第1接続端子61及び第2接続端子62が交流電源に接続される。そして、高周波電流を供給されることで、平面コイルの中央側から鉄心に磁束を供給できる。
以上に説明した本実施の形態にかかるコイル部品10は、渦巻形状を有し、渦巻形状の第1中心軸線C1上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面11Aおよび第2の面11Bを含む第1平面コイル11と、第1平面コイル11の第2の面11Bと対面するように第1平面コイル11と重なり、第1平面コイル11を保持する第1保持部材20と、を備える。そして、第1保持部材20は、第1リブ部21と、第2リブ部22とを含む。第1保持部材20は、第1平面コイル11の第2の面11Bと接し、且つ第2の面11Bに沿って延び広がる接触面20Sを含むベース部20Bを有し、第1リブ部21及び第2リブ部22は接触面20Sから突出する。
そして、第1リブ部21は、ベース部20Bの接触面20Sから突出して第1平面コイル11に形成された通し孔11hを通過し、且つ第1平面コイル11の径方向で通し孔11hの内周面と接触又は近接する第1隆起部分21Aを含む。また、第2リブ部22は、第1平面コイル11の径方向で第1平面コイル11の側面に接触又は近接しつつ第1平面コイル11を軸方向に越える第2隆起部分22Aと、第2隆起部分22Aから径方向に延び、第1平面コイル11の第1の面11Aと対面する第2オーバーハング部分22Bと、を含む。
このような本実施の形態にかかるコイル部品10によれば、第1平面コイル11が第1保持部材20から離れようとするとき、第1平面コイル11の通し孔11hの内周面が第1隆起部分21Aに接触して、第1平面コイル11の移動が規制され得る。また、第1リブ部21は、第1隆起部分21Aから径方向に延び、第1平面コイル11の第1の面11Aと対面する第1オーバーハング部分21Bをさらに含む。これにより、第1平面コイル11が第1保持部材20から離れようとするときに、第1の面11Aが第1オーバーハング部分21Bに接触することにより、第1平面コイル11の移動がより効果的に規制され得る。
また、第1平面コイル11が第1保持部材20から離れようとするとき、第1平面コイル11の側面が第2隆起部分22Aに接触して、第1平面コイル11の移動が規制され得る。さらに、第1の面11Aが第2オーバーハング部分22Bに接触することにより、第1平面コイル11の移動がより効果的に規制され得る。
したがって、第1平面コイル11と一体化されるシート材としての第1保持部材20からの第1平面コイル11の浮き上がりを抑制できる。
<<第2の実施の形態>>
次に、第2の実施の形態に係るコイル部品10’について説明する。図17は、第2の実施の形態に係るコイル部品10’の部分的な断面図である。図18は、コイル部品10’を製造するための金型200’の断面図である。図19は、コイル部品10’の製造方法の一例を説明する図である。なお、以下に説明する実施の形態における構成部分のうちの第1の実施の形態と同一又は対応するものには同一の符号を付ける。構成が同じである場合には、その詳細な説明は省略する。
図17には、コイル部品10’の第1保持部材20に設けられた第2リブ部22が示されている。本実施の形態では、第2リブ部22における第2オーバーハング部分22Bが、径方向の断面で見るときに、ターン部11nを部分的に開放させるように形成されている。詳しくは、第2オーバーハング部分22Bは、その間にターン部11nを間に介在させて隣り合う内側隆起部分22A1及び外側隆起部分22A2のうちの内側隆起部分22A1から延びる第1部分22B1と、外側隆起部分22A2から延びる第2部分22B2と、を含む。
図18は、図12に示し断面に対応する金型200’の断面を示している。金型200’では、第2凹部205が、第2オーバーハング部分22Bの第1部分22B1を形成する内周側凹部205Aと、第2オーバーハング部分22Bの第2部分22B2を形成する外周側凹部205Bと、に分離されている。内周側凹部205Aと外周側凹部205Bとの間には、第1平面コイル11が設置される接触面20Sの一部が位置している。
第1平面コイル11と第1保持部材20とを一体化させる場合には、図19に示すように、接触面20Sに第1平面コイル11が設置される。この際、第1平面コイル11は、ターン部11nの内周縁が内周側凹部205Aと重なり、ターン部11nの外周縁が外周側凹部205Bと重なるように設置される。ここで、内周側凹部205A及び外周側凹部205Bは、第1平面コイル11によって部分的に覆われ、一部を外部に開放させる。これにより、成形材料が開放部から内周側凹部205Aと外周側凹部205Bに充填され、第1部分22B1及び第2部分22B2を含む第2オーバーハング部分22Bを備える第2リブ部22が形成される。
図20は、金型200’の変形例を示す断面図である。図20では、内周側凹部205A及び外周側凹部205Bの内部に位置するように形成されたサポート部206が設けられている。サポート部206は、詳しくは内周側凹部205A及び外周側凹部205Bの底面から突出し、接触面20Sと面一となる面を含む。変形例においては、ターン部11nの内周縁が内周側凹部205Aと重なり、ターン部11nの外周縁が外周側凹部205Bと重なるように第1平面コイル11が金型に載せられた際に、ターン部11nの外周縁の近傍の部分及び内周縁の近傍の部分がサポート部206に対面する。すなわち、第1平面コイル11における内周側凹部205A及び外周側凹部205Bを覆う部分がサポート部206に重なるように、第1平面コイル11が金型に載せられる。これにより、成形材料が内周側凹部205A及び外周側凹部205Bに向けて流動する際に、ターン部11nが圧力により変形することが抑制される。これにより、成形材料の通路が狭くなって流動が阻害されることや、第1平面コイル11の変形が抑制されることで、適正なコイル部品10’を安定的に得ることが可能となる。
<<第3の実施の形態>>
次に、第3の実施の形態に係るコイル部品10’’について説明する。図21は、第3の実施の形態に係るコイル部品10’’の平面図である。図22は、図21のXV-XV線に沿う断面図である。図23は、図21のXX-XX線に沿う断面図である。
図21に示すように、本実施の形態における第1磁気シールド部材40が、磁性板に対応する板状の複数のフェライト板41を含む。より詳しくは、第1磁気シールド部材40は、4つのフェライト板41をシート状に配列して構成されている。なお、フェライト板41は、説明の便宜上、二点鎖線で示されている。各フェライト板41は矩形状であり、敷き詰められるように配列されることで、矩形状の第1磁気シールド部材40を構成する。
また、本実施の形態では、図22及び図23に示すように第2平面コイル12が設けられず、第1平面コイル11を覆うように第2保持部材30が設けられる。そして、第2保持部材30に第1磁気シールド部材40が重ねられる。なお、第2保持部材30を設けずに、第1磁気シールド部材40が第1平面コイル11に接するように設けられてもよい。
また、第1保持部材20における第2リブ部22の第2オーバーハング部分22Bの形成位置が第1の実施の形態と異なる。すなわち、図21に示すように、複数の第2オーバーハング部分22Bは、第1平面コイル11の径方向に間隔を空けて並ぶように設けられている。つまり、複数の第2オーバーハング部分22Bが並ぶ方向は、第1平面コイル11の第1中心軸線C1を通る。そして、図23に示すように、第2リブ部22における第2オーバーハング部分22Bが第2保持部材30によって覆われず、第2保持部材30から突出する。第2保持部材30から突出する第2オーバーハング部分22Bの寸法(厚さ)は、1.5mm以上5mm以下でもよい。
図示の例では、第2磁気シールド部材50と対面する第2オーバーハング部分22Bの面と、第1磁気シールド部材40の面とが面一になっている。この場合、第2磁気シールド部材50が、第2オーバーハング部分22Bと第1磁気シールド部材40とに接する状態で設置されるため、設置状態が安定する。
そして、複数のフェライト板41は、第2保持部材30から突出する第2オーバーハング部分22Bを避けるように第2保持部材30に重ねられる。詳しくは、図21に示すように、2つのフェライト板41が、第1平面コイル11の径方向に間隔を空けて並ぶように設けられる複数の第2オーバーハング部分22Bを挟み込むように配置されている。本実施の形態では、2つのフェライト板41が、複数の第2オーバーハング部分22Bに接する。図示の例では、第1平面コイル11の径方向に間隔を空けて並ぶ第2オーバーハング部分22Bの群が、第1中心軸線C1の一方側と他方側とに位置する。そして、第1平面コイル11の径方向に間隔を空けて並ぶように設けられる複数の第2オーバーハング部分22Bを挟み込む2つのフェライト板41のペアが、第1中心軸線C1の一方側と他方側と位置する。また、複数の第2オーバーハング部分22Bを挟み込まずに隣り合う2つのフェライト板41は互いに接する。
以上に説明した実施の形態では、隣り合うフェライト板41の間に隙間を設けることが望まれる場合に、第2オーバーハング部分22Bを利用してフェライト板41を所望の状態に配置できる。
<<その他の実施の形態>>
図24は、他の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。図24に示すコイル部品は、第1平面コイル11の第2の面11Bと第1保持部材20の接触面20Sとを接合する熱可塑性樹脂を含む接着層26をさらに備える。接着層26が含む熱可塑性樹脂は、例えばポリエチレンでもよく、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどでもよいが、特に限られない。
接着層26は、例えばヒートシールフィルムで形成されてもよい。この場合、加熱によって溶融したヒートシートフィルムが冷却により硬化されることで、接着層26が形成される。この場合、第1平面コイル11にヒートシートフィルムを貼り合わせ、ヒートシールフィルム上に、第1保持部材20を形成する成形材料が載せられ、熱プレスされることにより、ヒートシールフィルムが加熱される。このような熱プレスでは、ヒートシールフィルムが140℃~160℃の間で溶融することが望ましい。この観点で、上記熱可塑性樹脂は、一般に融点が120℃程度となるポリエチレンでもよい。
以上のような図24に示す実施の形態によれば、第1平面コイル11と第1保持部材20との密着性を向上できる。
図25は、さらに他の実施の形態に係るコイル部品の断面図である。図25に示すコイル部品では、第1平面コイル11における第2の面11Bの表面粗さが、第1の面11Aの表面粗さよりも大きい。これにより、第1平面コイル11と第1保持部材20との密着性を向上できる。なお、第1の面11Aの表面粗さは、第2の面11Bの表面粗さと同程度でよい。ここで言う表面粗さは、JIS B0601(2013)で定義される算術平均粗さである。第1の面11Aは、エッチングなどの粗化処理により所望の表面粗さに調節されてもよい。
以上、本開示の各実施の形態を説明したが、上述の実施の形態には種々の変更を加えてもよい。このような変形例も、本開示の技術的範囲に含まれ得る。
S…電力伝送システム
1…送電装置
1A…高周波電流供給部
2…受電装置
2A…変換部
10, 10’,10’’…コイル部品
10M…コイル中間材
11…第1平面コイル
11A…第1の面
11B…第2の面
11n…ターン部
11E…導電体
11h…通し孔
12…第2平面コイル
12A…第1の面
12B…第2の面
12n…ターン部
12E…導電体
13…内周側面
14…外周側面
20…第1保持部材
20B…ベース部
20S…接触面
21…第1リブ部
21A…第1隆起部分
21B…第1オーバーハング部分
22…第2リブ部
22A…第2隆起部分
22A1…内側隆起部分
22A2…外側隆起部分
22B…第2オーバーハング部分
22B1…第1部分
22B2…第2部分
24…溝
26…接着層
30…第2保持部材
31…第1層部
32…第2層部
33…第3層部
34…第4層部
35…第5層部
40…第1磁気シールド部材
50…第2磁気シールド部材
61…第1接続端子
62…第2接続端子
200…金型
200S…設置面
201…本体部分
202…凸部
203…位置決め突起
204…第1凹部
205…第2凹部
205A…内周側凹部
205B…外周側凹部
210…他の金型
220…成形材料
C1…第1中心軸線
C2…第2中心軸線

Claims (26)

  1. 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
    前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
    前記平面コイルには、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成され、
    前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出して前記通し孔を通過し、且つ前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で前記通し孔の内周面と接触又は近接するリブ部と、を含む、コイル部品。
  2. 前記第1保持部材は、複数の前記リブ部を含み、
    複数の前記リブ部は、前記径方向に間隔を空けて並ぶように設けられる、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記リブ部は、前記通し孔と前記径方向で接触又は近接しつつ前記平面コイルを前記軸方向に越える隆起部分と、前記隆起部分から前記径方向に延び、前記第1の面と対面するオーバーハング部分と、を含む、請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
    前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
    前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出し、且つ前記第1の面と前記第2の面との間に位置する前記平面コイルの側面に前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で接触又は近接するリブ部と、を含み、
    前記リブ部は、前記径方向で前記平面コイルの前記側面に接触又は近接しつつ前記平面コイルを前記軸方向に越える隆起部分と、前記隆起部分から前記径方向に延び、前記第1の面と対面するオーバーハング部分と、を含む、コイル部品。
  5. 前記隆起部分は、渦巻形状の前記平面コイルに沿って渦巻形状で延びる、請求項4に記載のコイル部品。
  6. 前記隆起部分は、前記径方向で前記中心軸線側を向く前記側面のうちの内周側面に接触又は近接する内側隆起部分と、前記側面において前記内周側面の反対側に位置する外周側面に接触又は近接する外側隆起部分と、を含み、
    前記内側隆起部分と前記外側隆起部分とは、前記径方向に離れた状態で、それぞれ前記接触面から突出する、請求項4に記載のコイル部品。
  7. 前記リブ部は、複数の前記オーバーハング部分を含み、
    複数の前記オーバーハング部分は、前記平面コイルが渦巻形状に延びる方向で間隔を空けて設けられる、請求項4に記載のコイル部品。
  8. 複数の前記オーバーハング部分は、前記径方向に又は前記径方向に平行な方向に間隔を空けて並ぶように設けられる、請求項7に記載のコイル部品。
  9. 前記オーバーハング部分は、前記第1の面を部分的に覆う、請求項4乃至8のいずれかに記載のコイル部品。
  10. 前記オーバーハング部分は、前記第1の面の面積の25%以下の範囲を覆う、請求項9に記載のコイル部品。
  11. 前記第1保持部材は、非磁性且つ絶縁性である、請求項1又は4に記載のコイル部品。
  12. 前記平面コイルを前記第1保持部材と挟み込みようにして前記平面コイル及び前記第1保持部材と一体化される、磁性を有する第2保持部材をさらに備える、請求項1又は4に記載のコイル部品。
  13. 前記平面コイルは、前記径方向に配列される複数のターン部を含み、
    前記第1保持部材は、前記接触面における隣り合う前記ターン部の間に位置する部分に溝を形成され、
    前記第2保持部材は、前記溝の内部に充填されている、請求項12に記載のコイル部品。
  14. 前記平面コイルの前記第1の面と対面するように配置される第1磁気シールド部材をさらに備え、
    前記第1磁気シールド部材は、磁性を有する複数の磁性板を含み、
    複数の前記磁性板は、前記径方向に間隔を空けて並ぶように設けられる複数の前記オーバーハング部分を挟み込むように配置される2つの前記磁性板を含む、請求項8に記載のコイル部品。
  15. 前記第2の面と前記接触面とを接合する熱可塑性樹脂を含む接着層をさらに備える、請求項1又は4に記載のコイル部品。
  16. 前記第2の面と表面粗さは、前記第1の面の表面粗さよりも大きい、請求項1又は4に記載のコイル部品。
  17. 凹部が形成された金型を準備する工程と、
    渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルを準備する工程と、
    前記第1面が前記金型の前記凹部が形成された面に対面し、前記平面コイルが部分的に前記凹部を覆う状態で、前記平面コイルを前記金型に載せる工程と、
    前記第2の面を覆うように成形材料を設け、前記成形材料から前記凹部に充填させる部分と、前記第2の面を覆う部分とを形成し、前記凹部を充填する部分と前記第2の面の覆う部分とが繋がる状態で前記成形材料を硬化させる工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
  18. 前記平面コイルには、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成され、
    前記平面コイルは、前記通し孔が前記凹部に重なる状態で前記金型に載せられ、前記成形材料が、前記通し孔から前記凹部に充填される、請求項17に記載のコイル部品の製造方法。
  19. 前記平面コイルは、前記凹部を部分的に覆う状態で前記金型に載せられ、
    前記成形材料は、前記凹部における前記平面コイルによって覆われていない部分から前記凹部に充填される、請求項17に記載のコイル部品の製造方法。
  20. 前記金型には、前記凹部の内部に位置するように形成されるサポート部が設けられ、
    前記平面コイルにおける前記凹部を覆う部分が前記サポート部に重なるように、前記平面コイルが前記金型に載せられる、請求項19に記載のコイル部品の製造方法。
  21. 金型を準備する工程と、
    渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含み、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成された平面コイルを準備する工程と、
    前記平面コイルを前記金型に載せる工程と、
    前記第2の面を覆うように成形材料を設け、前記成形材料から前記通し孔に充填させる部分と、前記の前記第2の面を覆う部分とを形成し、前記通し孔を充填する部分と前記第2の面の覆う部分とが繋がる状態で前記成形材料を硬化させる工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
  22. 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
    前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
    前記平面コイルには、前記第1の面から前記第2の面に貫通する通し孔が形成され、
    前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出して前記通し孔を通過し、且つ前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で前記通し孔の内周面と接触又は近接するリブ部と、を含む、コイル中間材。
  23. 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1の面および第2の面を含む平面コイルと、
    前記第2の面と対面するように前記平面コイルと重なり、前記平面コイルを保持する第1保持部材と、を備え、
    前記第1保持部材は、前記第2の面と接し、且つ前記第2の面に沿って延び広がる接触面を含むベース部と、前記接触面から突出し、且つ前記第1の面と前記第2の面との間に位置する前記平面コイルの側面に前記中心軸線に直交する前記平面コイルの径方向で接触又は近接するリブ部と、を含み、
    前記リブ部は、前記径方向で前記平面コイルの前記側面に接触又は近接しつつ前記平面コイルを前記軸方向に越える隆起部分と、前記隆起部分から前記径方向に延び、前記第1面と対面するオーバーハング部分と、を含む、コイル中間材。
  24. 請求項1又は4に記載のコイル部品を備える、送電装置。
  25. 請求項1又は4に記載のコイル部品を備える、受電装置。
  26. 送電装置と、受電装置とを備え、
    前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、請求項1又は4に記載のコイル部品を備える、電力伝送システム。
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