JP2024076772A - コイル部品及びその製造方法、送電装置、受電装置、電力伝送システム、並びに移動体 - Google Patents

コイル部品及びその製造方法、送電装置、受電装置、電力伝送システム、並びに移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】他のコイル部品と磁気結合したときのQ値や、結合係数を向上させるコイル部品、送電装置、受電装置及び電力伝送システムを提供する。【解決手段】コイル部品10は、平面コイル11、第1被覆層15及び磁気シールド部材30を備える。平面コイル11は、渦巻形状を有し、渦巻形状の中心軸線C上を延びる軸方向で互いに反対となる第1面11a及び第2面11bを含む。第1被覆層15は、磁性体を含み、平面コイル11の第1面11aを覆う。磁気シールド部材30は、第1被覆層15によって覆われた平面コイル11の第1面11aに対向する。第1被覆層15は、磁気シールド部材30の側を向く第3面15a及び壁構造体50の側を向く第4面15bを有する。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離は、0.3mm以上である。平面コイル11の第2面11bは、磁性体を含む層によって覆われていない。【選択図】図4

Description

本開示は、コイル部品及びその製造方法、送電装置、受電装置、電力伝送システム、並びに移動体に関する。
非接触で電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムが普及しつつある。
電力を非接触で伝送する場合、コイルを含む共振回路に高周波の電流が流される。このような共振回路に用いられるコイル部品として、渦巻形状且つ板状の平面コイルを用いたコイル部品が知られている(特許文献1参照)。
平面コイルは、一般に樹脂などのシート上に設けられる。この場合、平面コイルの取り扱いが容易になる。
特開2021-27112号公報
コイル部品の性能を向上させることが求められている。具体的には、コイル部品を他のコイル部品と磁気結合したときのQ値や、結合係数を向上させることが求められている。
本開示の実施形態は、平面コイルを含むコイル部品の性能を向上させることを目的とする。
本開示の一実施の形態は、以下の[1]~[22]に関連する。
[1]
渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1面および第2面を含む平面コイルと、
磁性体を含み、前記平面コイルの前記第1面を覆う第1被覆層と、
前記第1被覆層によって覆われた前記平面コイルの前記第1面に対向する磁気シールド部材と、を備え、
前記第1被覆層は、前記磁気シールド部材の側を向く第3面を有し、
前記平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.3mm以上であり、
前記平面コイルの前記第2面は、磁性体を含む層によって覆われていない、コイル部品。
[2]
前記平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.5mm以上である、[1]に記載のコイル部品。
[3]
前記平面コイルの前記第2面を覆う第2被覆層を更に備え、
前記第2被覆層は、磁性体を含まない、[1]又は[2]に記載のコイル部品。
[4]
前記平面コイルは板状である、[1]~[3]のいずれかに記載のコイル部品。
[5]
渦巻形状を有し、それぞれ、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1面および第2面を含む第1平面コイル及び第2平面コイルであって、前記第1平面コイルの前記第2面と前記第2平面コイルの前記第1面とが対向するように配置された第1平面コイル及び第2平面コイルと、
磁性体を含み、前記第1平面コイルの前記第1面を覆う第1被覆層と、
磁性体を含まず、前記第1平面コイルの前記第2面及び前記第2平面コイルの前記第1面を覆う第2被覆層と、
前記第1被覆層によって覆われた前記第1平面コイルの前記第1面に対向する磁気シールド部材と、を備え、
前記第1被覆層は、前記磁気シールド部材の側を向く第3面を有し、
前記第1平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.3mm以上である、コイル部品。
[6]
前記第1平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.5mm以上である、[5]に記載のコイル部品。
[7]
前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルは板状である、[5]又は[6]に記載のコイル部品。
[8]
前記第1被覆層は樹脂を含む、[1]~[7]のいずれかに記載のコイル部品。
[9]
前記第1被覆層はガラス繊維を含む、[1]~[8]のいずれかに記載のコイル部品。
[10]
前記第2被覆層は樹脂を含む、[3]、[5]~[7]のいずれかに記載のコイル部品。
[11]
前記第2被覆層はガラス繊維を含む、[3]、[5]~[7]、[10]のいずれかに記載のコイル部品。
[12]
[1]~[4]のいずれかに記載のコイル部品を製造するコイル部品の製造方法であって、
前記平面コイルを準備するコイル準備工程と、
前記第1被覆層を形成するための第1被覆層形成材料を準備する第1被覆層形成材料準備工程と、
前記第1被覆層形成材料で前記平面コイルの前記第1面を覆って前記第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、
前記磁気シールド部材を、前記第1被覆層によって覆われた前記平面コイルの前記第1面に対向して配置する磁気シールド部材配置工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
[13]
第2被覆層を形成するための第2被覆層形成材料を準備する第2被覆層形成材料準備工程と、
前記第2被覆層形成材料で前記平面コイルの前記第2面を覆って前記第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、を更に備えた、[12]に記載のコイル部品の製造方法。
[14]
前記第1被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第1被覆層形成材料と前記平面コイルの前記第1面とを密着させる工程を含む、[12]又は[13]に記載のコイル部品の製造方法。
[15]
前記第2被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第2被覆層形成材料と前記平面コイルの前記第2面とを密着させる工程を含む、[13]に記載のコイル部品の製造方法。
[16]
[5]~[7]のいずれかに記載のコイル部品を製造するコイル部品の製造方法であって、
前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルを準備するコイル準備工程と、
前記第1被覆層を形成するための第1被覆層形成材料を準備する第1被覆層形成材料準備工程と、
前記第2被覆層を形成するための第2被覆層形成材料を準備する第2被覆層形成材料準備工程と、
前記第1被覆層形成材料で前記第1平面コイルの前記第1面を覆って前記第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、
前記第1平面コイルの前記第2面と前記第2平面コイルの前記第1面との間に前記第2被覆層形成材料を配置することによって、前記第2被覆層形成材料で前記第1平面コイルの前記第2面及び前記第2平面コイルの前記第1面を覆って前記第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、
前記磁気シールド部材を、前記第1被覆層によって覆われた前記第1平面コイルの前記第1面に対向して配置する磁気シールド部材配置工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
[17]
前記第1被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第1被覆層形成材料と前記第1平面コイルの前記第1面とを密着させる工程を含む、[16]に記載のコイル部品の製造方法。
[18]
前記第2被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第2被覆層形成材料と前記第2平面コイルの前記第2面とを密着させる工程を含む、[16]又は[17]に記載のコイル部品の製造方法。
[19]
[1]~[11]のいずれかに記載のコイル部品を備える、送電装置。
[20]
[1]~[11]のいずれかに記載のコイル部品を備える、受電装置。
[21]
送電装置と、受電装置とを備え、
前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、[1]~[11]のいずれかに記載のコイル部品を備える、電力伝送システム。
[22]
[20]に記載の受電装置を備えた、移動体。
本開示の一実施の形態によれば、平面コイルを含むコイル部品の性能を向上させることができる。
第1実施形態に係るコイル部品が適用されるワイヤレス電力伝送システムを概略的に示す図である。 第1実施形態に係るコイル部品の斜視図である。 第1実施形態に係るコイル部品の分解斜視図である。 図3に示すコイル部品の断面図である。 第1実施形態に係るコイル部品の製造方法を説明する図である。 第1実施形態に係るコイル部品の製造方法を説明する図である。 第1実施形態に係るコイル部品の製造方法を説明する図である。 第1実施形態に係るコイル部品の製造方法を説明する図である。 図4に対応する図であって、第1実施形態に係るコイル部品の変形例を示す断面図である。 図4に対応する図であって、第1実施形態に係るコイル部品の他の変形例を示す断面図である。 図4に対応する図であって、第2実施形態に係るコイル部品を示す断面図である。 図8に示すコイル部品のコイル積層体の分解斜視図である。 図8に対応する図であって、第2実施形態に係るコイル部品の変形例を示す断面図である。 図8に対応する図であって、第2実施形態に係るコイル部品の他の変形例を示す断面図である。 図4に対応する図であって、比較例に係るコイル部品を示す断面図である。 図4に対応する図であって、他の比較例に係るコイル部品を示す断面図である。 図4に対応する図であって、更に他の比較例に係るコイル部品を示す断面図である。 実施例1-1~1-6及び比較例1-1~1-5のコイル部品の性能を示す表である。 図8に対応する図であって、比較例に係るコイル部品を示す断面図である。 図8に対応する図であって、他の比較例に係るコイル部品を示す断面図である。 実施例2-1~2-3及び比較例2-1~2-4のコイル部品の性能を示す表である。
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」などの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば「シート」は、フィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るコイル部品10が適用されるワイヤレス電力伝送システムSを概略的に示す。まず、ワイヤレス電力伝送システムS(以下、電力伝送システムSと略す。)について図1を参照しつつ説明する。なお、電力伝送システムSに本実施形態に係るコイル部品10とは異なるコイル部品が適用され得ることは、言うまでもない。
<ワイヤレス電力伝送システム>
電力伝送システムSは、送電装置1と、受電装置2とを備える。送電装置1は、コイル部品10と、高周波電流供給部1Aとを含む。送電装置1におけるコイル部品10は、送電コイル部品として機能する。高周波電流供給部1Aは、送電コイル部品としてのコイル部品10に高周波電流を供給する。
受電装置2は、コイル部品10と、変換部2Aとを含む。受電装置2におけるコイル部品10は、受電コイル部品として機能する。変換部2Aは、コイル部品10で生じる高周波電流を整形する。変換部2Aは、高周波電流を直流電流に変換する整流回路などを有する。変換部2Aは、例えば複数のダイオードを含む全波整流回路と、平滑化コンデンサーと、を備えてもよい。
本実施形態では、送電装置1及び受電装置2のそれぞれがコイル部品10を含む。ただし、送電装置1及び受電装置2のうちの一方のみにコイル部品10が用いられ、他方には異なる形式のコイル部品が用いられてもよい。
送電装置1から受電装置2にワイヤレス(非接触)で電力を伝送する際には、送電装置1が、高周波電流供給部1Aから送電コイル部品としてのコイル部品10に所定の周波数の高周波電流を供給する。この際、コイル部品10には、電磁誘導により磁界が生じる。そして、この磁界の影響で、受電装置2では、受電コイル部品としてのコイル部品10に高周波電流が生じる。すなわち、受電装置2は送電装置1から磁界を受信して又は磁界の影響を受けて、電磁誘導により高周波電流を通流させる。変換部2Aは、この高周波電流を直流電流に変換し、変換した直流電流を例えば図示しないバッテリに供給する。
図1に示す電力伝送システムSは、電力伝送方式として、磁界共鳴方式を採用している。ただし、本実施形態に係るコイル部品10は、電磁誘導方式の電力伝送システムで用いられてもよい。また、電力伝送システムSは、電気自動車にワイヤレスで電力を伝送するシステムとして構成される。この場合、送電装置1は、道路、駐車場などに設置される。受電装置2は、電気自動車に設置される。
ただし、電力伝送システムSの用途は、電気自動車への電力伝送に限られるものではない。例えば、電力伝送システムSは、ドローンなどの飛行体、ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。また、電力伝送システムSは、海中における潜水艇や、探査ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。このように、電力伝送システムSは、電気自動車、飛行体、ロボット、潜水艇等、様々な移動体への電力伝送に用いられ得る。また、コイル部品10の用途は、ワイヤレス電力伝送システムに限られない。例えば、コイル部品10は、トランス、DC-DCコンバータ、アンテナなどに用いられてもよい。
<コイル部品>
以下、コイル部品10について説明する。図2は、コイル部品10の斜視図である。図3は、コイル部品10の分解斜視図である。図4は、図2のIV-IV線に沿うコイル部品10の断面図である。
図2乃至図4に示すように、コイル部品10は、平面コイル11と、第1被覆層15と、第2被覆層16と、支持部材20と、第1磁気シールド部材30と、第2磁気シールド部材40と、壁構造体50と、第1接続端子61と、第2接続端子62と、を備えている。
平面コイル11は、第1被覆層15と第2被覆層16との間に位置し、第1被覆層15と第2被覆層16とにより覆われている。平面コイル11、第1被覆層15及び第2被覆層16は、一体的に接合されたコイル積層体10Uを形成する。コイル積層体10Uは、第1被覆層15を支持部材20の底板部22に対面させた状態で、支持部材20上に配置される。支持部材20上には、壁構造体50、第2被覆層16、平面コイル11、第1被覆層15、支持部材20、第1磁気シールド部材30及び第2磁気シールド部材40がこの順に配置されている。
(平面コイル)
平面コイル11は、図3に示すように渦巻形状である。平面コイル11は、導電材料から形成される。平面コイル11は、導電体11Eである。本実施形態では、平面コイル11は銅を含む。具体的には、平面コイル11は銅から形成される。ただし、平面コイル11は、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等で形成されてもよい。
平面コイル11は、図3に示すように、板状である。平面コイル11は、図4に示すように、平面コイル11が渦巻形状に周回する方向、言い換えると渦巻形状で延びる方向に直交する方向での平面コイル11の断面形状は、矩形状である。
図2乃至図4に示す符号Cは、平面コイル11の渦巻形状の中心を通る平面コイル11の中心軸線を示している。以下、「軸方向」とは、中心軸線C上を延びる方向又は中心軸線Cと平行な方向を意味する。また、「径方向」とは、中心軸線C上の任意の点を中心として中心軸線Cと直交する平面上に描かれた円の半径方向を意味する。ここで、平面コイル11(導電体11E)は、軸方向で互いに反対となる第1面11a及び第2面11bを含む。また、平面コイル11(導電体11E)は、第1面11a及び第2面11bを接続する側面11cを有する。
図2及び図3に示すように、平面コイル11(導電体11E)では、渦巻形状を構成する径方向に並ぶ複数の巻回部分(ターン部)が矩形状をなすように巻き回される。言い換えると、平面コイル11(導電体11E)は、渦巻形状を構成する径方向に並ぶ複数の巻回部分が矩形状をなすように周回する。ただし、平面コイル11(導電体11E)は各巻回部分が円形をなすように巻き回されてもよい。なお、本明細書及び本開示で言う渦巻形状とは、螺旋状に巻いた平面曲線の形を意味する。ここで言う平面曲線には、図示のような折れ線状に曲がりつつ繰り返し周回する平面パターンも含む。また、言い換えると、渦巻形状とは、旋回するにつれて中心から遠ざかる(あるいは旋回するにつれて中心に近づく)平面曲線の形を意味する。
本実施形態における平面コイル11は、一例として銅板から渦巻形状に打ち抜かれて形成される。ただし、平面コイル11は、銅箔を渦巻形状にエッチングすることでも形成され得る。
平面コイル11の厚さ(導電体11Eの厚さ)は、平面コイル11の軸方向に沿って測定される。平面コイル11の厚さ(導電体11Eの厚さ)は、例えば0.1mm以上1.0mm以下でもよい。また、平面コイル11の半径(中心軸線Cから径方向で最も離れた部分までの距離)は80mm以上でもよく、80mm以上450mm以下でもよい。また、断面形状が矩形となる平面コイル11(導電体11E)のアスペクト比は、平面コイル11(導電体11E)の線幅(径方向での幅)を平面コイル11(導電体11E)の厚さで割ることにより定められる。平面コイル11(導電体11E)のアスペクト比は、2以上12以下でもよいし、3以上10以下でもよい。
磁界共鳴方式で電気自動車に電力を伝送する場合、10kHzから200kHz、特に75kHz以上100kHz以下、さらに79kHzから90kHzの高周波電流の周波数帯で、1kW以上、望ましくは5kW以上の電力を伝送可能とすることが望ましい。この場合、銅で形成される平面コイル11の厚さは、0.2mm以上であることが好ましい。この観点で、平面コイル11の厚さの下限値が、0.2mmに設定されてもよい。また、電気自動車に電力を伝送する場合、サイズが過剰に大きいことは望まれず、サイズを制限されることがある。この観点で、平面コイル11(導電体11E)は、一辺が800mmの正方形に収まるサイズで形成されることが好ましい。
導電体11Eの厚さの測定は、コイル部品10を軸方向に切断して導電体11Eを露出させた断面において、導電体11Eの各部を定規などで測定することにより行ってもよいし、断面画像の解析で行ってもよい。また、コイル部品10から平面コイル11を取り出して、導電体11Eの厚さを、定規、ノギス等で測定してもよい。
また、平面コイル11(導電体11E)の線幅は、特に限られない。ただし、例えば79kHzから90kHzの高周波電流の周波数帯で、1kW以上、望ましくは5kW以上の電力を伝送可能とすることを考慮すると、平面コイル11(導電体11E)の線幅は、2mm以上20mm以下でもよく、2mm以上16mm以下、2mm以上12mm以下、2mm以上8mm以下でもよい。また、平面コイル11のターン数は、4以上12以下でもよいが、特に限られない。
(第1被覆層及び第2被覆層)
第1被覆層15は平面コイル11の第1面11aを覆っている。第1被覆層15は、第1面11aに密着している。第2被覆層16は平面コイル11の第2面11bを覆っている。第2被覆層16は平面コイル11の第2面11bに密着している。図4に示す例では、平面コイル11の第1面11aを含む一部は、第1被覆層15に埋設されている。このため、第1被覆層15は、平面コイル11の側面11cの一部を覆っている。また、平面コイル11の第2面11bを含む他の一部は、第2被覆層16に埋設されている。このため、第2被覆層16は、平面コイル11の側面11cの他の一部を覆っている。
第1被覆層15は、軸方向で互いに反対となる第3面15a及び第4面15bを含む。第3面15aは、第1磁気シールド部材30の側を向く。第4面15bは、壁構造体50の側を向く。図示された例では、第4面15bは、第2被覆層16の側を向き、その一部が第2被覆層16の一部に接している。
第2被覆層16は、軸方向で互いに反対となる第5面16a及び第6面16bを含む。第5面16aは、第1被覆層15の側を向く。第5面16aは、壁構造体50の側を向く。
なお、第1被覆層15及び第2被覆層16の厚さ並びに上記距離Lは、軸方向に沿って測定される。第1被覆層15及び第2被覆層16の厚さとは、それぞれ、第1被覆層15及び第2被覆層16の最大厚さを意味する。ここで、図示された例では、平面コイル11は、第1被覆層15及び第2被覆層16に埋設されている。この場合、第1被覆層15及び第2被覆層16の平面コイル11が埋設された箇所での厚さは、第1被覆層15及び第2被覆層16の他の部分の厚さよりも小さい。したがって、第1被覆層15の厚さは、第3面15aと第4面15bとの距離が最も大きい箇所で測定される。同様に、第2被覆層16の厚さは、第5面16aと第6面16bとの距離が最も大きい箇所で測定される。
第1被覆層15及び第2被覆層16の厚さ並びに上記距離Lの測定は、コイル部品10を軸方向に切断して層15,16及び平面コイル11露出させた断面において、層15,16及び平面コイル11の各部を定規などで測定することにより行ってもよいし、断面画像の解析で行ってもよい。また、第1被覆層15の厚さ及び第2被覆層16の厚さは、コイル部品10から層15,16や平面コイル11を取り出して、それぞれを、定規、ノギス等で測定してもよい。
また、第1被覆層15及び第2被覆層16の線膨張係数は、同じであることが好ましい。線膨張係数は、JIS K7197に準拠して測定できる。また、線膨張係数が同じであるか否かは、測定した数値を10-6を使用して表記し、有効数字二桁で判断する。線膨張係数が同じであるとは、完全一致だけでなく、同程度の概念を含む。第1被覆層15及び第2被覆層16の線膨張係数が同じであることにより、コイル積層体10Uの製造工程又は製造後において、第1被覆層15及び第2被覆層16が熱膨張した際、及び、その後に熱収縮した際に、コイル積層体10Uの反り及び剥がれの問題が生じることを抑制することができる。
第1被覆層15は、磁性を有する。コイル積層体10Uが磁性を有する層を含むことにより、コイル部品10の性能を向上させることができる。具体的には、磁性を有する第1被覆層15によって、コイル部品10の渦電流損失や漏れ磁束を抑制したり、結合係数を高くしたりすることができる。
第1被覆層15は、磁性体を含む。第1被覆層15は、好ましくは軟磁性体又はナノ結晶磁性体を含む。より具体的には、第1被覆層15の磁性体は、フェライト特に軟磁性材料のフェライト、ナノ結晶磁性体、ケイ素鋼、電磁軟鉄、及びアモルファス金属のうちのいずれか又は二種以上から形成されてもよい。本実施形態における第1被覆層15は、磁性体と樹脂とを含む。第1被覆層15は、磁性体で構成される複数又は無数の磁性体粒子と、磁性体粒子を保持する樹脂とを含んでよい。本実施形態では、第1被覆層15に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であってよい。第1被覆層15の取り扱い性を向上させるため、第1被覆層15はガラス繊維を含んでいてもよい。第1被覆層15は、例えば、ガラス繊維強化ポリアミド、すなわち、熱可塑性樹脂(熱可塑性材料)としてのポリアミドとガラス繊維とを含んでもよい。
第1被覆層15の比透磁率は、10以上でもよく、5以上でもよい。第1被覆層15の比透磁率は大きさに特に制限はない。第1被覆層15の比透磁率は、製造等に支障をきたさない限り、大きい方が好ましい。なお、本明細書における比透磁率は、周波数85kHzで、環境温度23度で測定した際の値である。
第2被覆層16は、非磁性であり、且つ絶縁性を有する。本実施形態における第2被覆層16は樹脂を含む。本実施形態では、第2被覆層16に含まれる樹脂も、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であってよい。第2被覆層16の樹脂は、第1被覆層15の樹脂と同じであってよい。第2被覆層16の取り扱い性を向上させるため、第2被覆層16も、ガラス繊維を含んでいてもよい。第2被覆層16は、例えば、ガラス繊維強化ポリアミド、すなわち、熱可塑性樹脂(熱可塑性材料)としてのポリアミドとガラス繊維とを含んでもよい。第2被覆層16は、磁性体を含まない。平面コイル11を被覆する被覆層15,16のうち第1被覆層15のみが磁性体を含むことにより、磁性体によるコイル部品10の重量の増大を抑制することができる。
第1被覆層15の厚さ及び第2被覆層16の厚さは特に限られない。しかしながら、本件発明者が得た知見によれば、平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上となるように決定されることが好ましい。これにより、コイル部品10の性能を、効果的に向上させることができる。
本実施形態では、第1被覆層15を形成するための材料(第1被覆層形成部材)及び第2被覆層16を形成するための材料(第2被覆層形成部材)とで平面コイル11を挟み込んで加熱及び加圧することで、平面コイル11、第1被覆層15及び第2被覆層16が一体的に接合される。この際、第1被覆層15の材料及び第2被覆層16の材料が熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であると、第1被覆層15の厚さ及び第2被覆層16の厚さを比較的小さく抑えつつ、厚さを均一に形成しやすくなる。
上述のように加熱及び加圧された場合、第1被覆層15は平面コイル11に溶着し、第2被覆層16は平面コイル11に溶着する。すなわち、第1被覆層15及び第2被覆層16と平面コイル11とは、アンカー効果で接合されている。第1被覆層15の材料及び第2被覆層16の材料は、加熱により平面コイル11の表面の凹所に入り込み、その後、硬化する。これにより、第1被覆層15は平面コイル11に溶着し、第2被覆層16は平面コイル11に溶着する。なお、第1被覆層15及び第2被覆層16は平面コイル11に溶着されなくてもよいが、コイル部品10が車両に設置される際には、強い振動を受ける。そのため、車両に設置される場合には、溶着状態が確保された方が良い。
なお、本実施形態では第1被覆層15及び第2被覆層16は、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含んでよい。第1被覆層15及び第2被覆層16は、エポキシ等の熱硬化性樹脂を含んでもよい。
また、図4に示すように第1被覆層15と第2被覆層16とは、平面コイル11と重ならない部分、正確には導電体11Eと重ならない部分で接続している。導電体11Eには、渦巻形状を構成する径方向に並ぶ複数の巻回部分の間に径方向隙間Gが形成される。第1被覆層15は、径方向隙間Gに進入する第1側進入部15Tを有し、第2被覆層16は、径方向隙間Gに進入する第2側進入部16Tを有する。そして、第1側進入部15Tと第2側進入部16Tは、径方向隙間Gで互いに接続されている。
上述したように第1被覆層15を形成するための材料及び第2被覆層16を形成するための材料とで平面コイル11を挟み込んで加熱及び加圧する際、第1被覆層15の材料の一部が径方向隙間Gに進入し、その後、硬化することで第1側進入部15Tになる。また、加熱及び加圧する際、第2被覆層16の材料の一部が径方向隙間Gに進入し、その後、硬化することで第2側進入部16Tになる。本実施形態では第1被覆層15と第2被覆層16とが同じ材料を含むため、第1側進入部15Tと第2側進入部16Tとが強固に一体化して接続する。そのため、平面コイル11が第1被覆層15及び第2被覆層16に強固に密着した状態で保持される。上述したようにコイル部品10が車両に設置される際には、強い振動を受ける。この場合において、例えば性能維持、損傷回避、異音抑制などの点で有利になる。
図示された例では、コイル積層体10Uは、第1被覆層15、平面コイル11及び第2被覆層16を、この順で積層してなる。コイル積層体10Uは、軸方向で互いに反対となる第7面10Ua及び第8面10Ubを含む。第7面10Uaは、第1磁気シールド部材30の側を向く。第8面10Ubは、壁構造体50の側を向く。図示された例では、第7面10Uaは、第1被覆層15の第3面15aによって形成されている。また、図示された例では、第8面10Ubは、第2被覆層16の第6面16bによって形成されている。
(支持部材)
支持部材20は、軸方向でコイル積層体10Uと重なる。この状態で、支持部材20はコイル積層体10Uを支持する。本実施形態における支持部材20は、コイル積層体10Uと対面する底板部22と、底板部22の周縁に設けられる側板部23とを有する。側板部23は底板部22から立ち上がる。側板部23の底板部22側とは反対側の端部は開放している。すなわち、支持部材20は、一端が開放したケース形状である。また、底板部22は平面視で矩形であるが、円形などの他の形状でもよい。
図4に示すように、底板部22は、内面22Aと、その反対側の外面22Bとを有する。内面22Aから外面22Bまでの距離である底板部22の厚さは、例えば2mm以上5mm以下でもよい。コイル部品10が車両に設置される際には、底板部22が地面側に向けられる。この場合、飛石や水の浸入を抑制すべく、底板部22の厚さが小さすぎるのは望ましくない。ただし、以上に説明したような寸法設定は特に限られない。
側板部23は、コイル積層体10U、第1磁気シールド部材30及び第2磁気シールド部材40を内側に受け入れる。これにより、コイル積層体10U、第1磁気シールド部材30及び第2磁気シールド部材40を支持部材20に組み込むことが、容易である。また、コイル部品10の取り扱いが容易になる。支持部材20は、コイル積層体10Uと例えば粘着シートなどにより接合されてもよい。また、支持部材20は、コイル積層体10Uに溶着されてもよい。支持部材20は、ガラス繊維を含む樹脂により形成されてよい。例えば、支持部材20は、ガラス繊維強化ポリアミド、すなわち熱可塑性樹脂(熱可塑性材料)としてのポリアミドとガラス繊維とを含む材料から形成されてよい。ただし、支持部材20の材料はこれに限られない。支持部材20は、例えば熱硬化性樹脂、アクリル、ガラス板等から形成されてもよい。
(第1磁気シールド部材)
第1磁気シールド部材30は、磁気の透過及び/又は漏れ磁界の抑制のために設けられる。第1磁気シールド部材30は、コイル積層体10Uとは別体のシート状の部材である。ただし、第1磁気シールド部材30とコイル積層体10Uとが接着層などを介して接合されてもよい。第1磁気シールド部材30は、平面視で平面コイル11を包含する大きさに形成されている。第1磁気シールド部材30は、軸方向に見て、第1被覆層15、平面コイル11及び第2被覆層16と重なり、このうちの第1被覆層15に対面する。
本実施形態における第1磁気シールド部材30は磁性を有し、磁性体を含む又は磁性体でなる。コイル部品10では、平面コイル11に電流が供給された際に磁界が生じる。このようなコイル部品10で生じる磁界は、平面コイル11の中心軸線Cに対して全方向に広がるように生じる。この際、第1磁気シールド部材30は磁性を有することで、広がろうとする磁束線を中心軸線C側に配向できる。また、コイル部品10は車両に設置され得るが、この際、コイル部品10で生じる磁界が他の車両部品側に流れると、車両部品に悪影響が生じる場合がある。このような場合に、第1磁気シールド部材30は、電流の発生に寄与しない漏れ磁界を抑制できる。
第1磁気シールド部材30は好ましくは軟磁性体又はナノ結晶磁性体を含む。より具体的には、第1磁気シールド部材30はフェライトを含む、好ましくはソフトフェライトを含む。
第1磁気シールド部材30の比透磁率は、500以上でもよく、1000以上でもよい。第1磁気シールド部材30の比透磁率は、500以上3000以下でもよいし、1000以上3000以下でもよい。なお、上述したように、本明細書における比透磁率は、周波数85kHzで、環境温度23度で測定した際の値である。
(第2磁気シールド部材)
第2磁気シールド部材40は、軸方向に見て、第1磁気シールド部材30と重なる。本実施形態では、第2磁気シールド部材40が第1磁気シールド部材30に接するが、これに代えて、第2磁気シールド部材40はスペーサを介して第1磁気シールド部材30に接してもよい。第2磁気シールド部材40は、金属材料で形成され、導電性を有する。具体的には、本実施形態における第2磁気シールド部材40はアルミニウムで形成されている。この場合、平面コイル11から第2磁気シールド部材40を通って磁気が漏れることが抑制される。なお、第2磁気シールド部材40は、アルミニウム合金、銅、ステンレス鋼などで形成されてもよい。コイル部品10が自動車に取り付けられる場合、第2磁気シールド部材40は自動車の車体(ボディ)を構成する金属板であってよい。
(壁構造体)
壁構造体50は、図3及び図4から理解されるように、軸方向に見て、渦巻形状である平面コイル11の径方向隙間Gと重なる。図示された例では、壁構造体50は、平面コイル11の渦巻形状に対応した渦巻形状に形成されている。
図示された例では、壁構造体50は、支持部材20の底板部22に形成された溝20g内に配置されている。溝20gは、底板部22の内面22Aに形成されている。壁構造体50が溝20g内に配置されていることにより、コイル部品10の軸方向に沿った寸法を小さくすることができる。また、図示された例では、壁構造体50は、コイル積層体10Uの第8面10Ubに接している。
壁構造体50は磁性を有する。壁構造体50は、磁性により渦電流損失や漏れ磁束を抑制したり、結合係数を高くしたりすることにより、コイル部品10の性能を向上させることができる。壁構造体50の比透磁率は、2.0以上であることが好ましく、2.0以上10.0以下でもよい。壁構造体50の比透磁率は、5.0以上であることがより好ましく、5.0以上10.0以下でもよい。壁構造体50の比透磁率は特に限られないが、大き過ぎると壁構造体50の柔軟性や強度が不所望に損なわれる場合がある。したがって、壁構造体50の比透磁率は200以下でもよい。
壁構造体50の高さ(平面コイル11の軸方向に沿った寸法)は特に限られるものではないが、例えば0.5mm以上でもよく、1.0mm以上でもよい。壁構造体50の高さが大きい程、渦電流損失の抑制効果が高くなり且つ結合係数を高くなる傾向がある。一方で、壁構造体50は、高くなる程、破損しやすくなる傾向がある。そこで、壁構造体50高さは、例えば10mm以下にしてもよい。
本実施形態における壁構造体50は、一例として、樹脂と、磁性体で構成される複数又は無数の磁性体粒子と、を含む。磁性体粒子は、上記樹脂に保持される。
磁性体粒子は、フェライト特に軟磁性材料のフェライト、ナノ結晶磁性体、ケイ素鋼、電磁軟鉄、及びアモルファス金属のうちのいずれか又は二種以上から形成されてもよい。保持材料としての樹脂は、ガラス繊維強化ポリアミドでもよい。すなわち、当該樹脂は、熱可塑性樹脂(熱可塑性材料)としてのポリアミドと、ガラス繊維とを含む材料から形成されてもよい。ただし、壁構造体50の成形材料は特に限られるものではない。
(接続端子)
図2及び図3に示すように、第1接続端子61は平面コイル11の内周側端部11Xに接続されている。第2接続端子62は平面コイル11の外周側端部11Yに接続されている。第1接続端子61及び第2接続端子62は、例えば交流電流供給部1A又は変換部2Aとの接続の際に用いられ得る。
第1接続端子61は、第2磁気シールド部材40、第1磁気シールド部材30及び第1被覆層15を通過して内周側端部11Xに接続されている。第2接続端子62も、第2磁気シールド部材40、第1磁気シールド部材30及び第1被覆層15を通過して外周側端部11Yに接続されている。第1接続端子61と内周側端部11Xとの接続及び第2接続端子62と外周側端部11Yとの接続は、超音波接合で行われる。ただし、その接続手法は限られず、例えば導電性接着剤による接続が採用されてもよい。
また、図3に示すように、第1被覆層15には第1接続端子61を通すための第1孔15H1と、第2接続端子62を通すための第2孔15H2とが設けられる。第1磁気シールド部材30には第1接続端子61を通すための第1孔31H1と、第2接続端子62を通すための第2孔31H2とが設けられる。第2磁気シールド部材40には第1接続端子61を通すため第1孔41H1と、第2接続端子62を通すための第2孔41H2とが設けられる。これら各孔は、コイル積層体10U、第1磁気シールド部材30及び第2磁気シールド部材40を支持部材20に組み込む前に設けられる。なお、第2被覆層16側から接続端子が接続される場合には、第2被覆層16に接続端子を通すための孔が設けられてもよい。なお、ここで説明した接続端子を通すための孔の概念には、切欠きも含まれる。
(コイル部品の製造方法)
次に、コイル部品10の製造方法の一例について図5A~図5D及び図3を参照しつつ説明する。図5A~図5Dは、コイル部品10の製造方法を説明する図であり、それぞれ互いに異なる工程を示す。
本例では、まず、図5Aに示すように、平面コイル11が準備される(コイル準備工程)。また、第1被覆層15を形成するための材料である第1被覆層形成部材15Sが準備される(第1被覆層形成材料準備工程)。また、第2被覆層16を形成するための材料である第2被覆層形成部材16Sが準備される(第2被覆層形成材料準備工程)。第1被覆層形成部材15Sは、磁性体と樹脂を含み、例えばエポキシガラスを含む。第2被覆層形成部材16Sは、樹脂を含み、例えばエポキシガラスを含む。第2被覆層形成部材16Sは、磁性体を含まない。第1被覆層形成部材15S及び第2被覆層形成部材16Sは、シート状の部材である。また、第1被覆層形成部材15Sには第1接続端子61を通すための第1孔15H1と、第2接続端子62を通すための第2孔15H2とが設けられている。
次いで、図5Bに示すように、平面コイル11が、第1被覆層形成部材15Sと第2被覆層形成部材16Sとの間に配置される。詳しくは、平面コイル11の第1面11a及び第2面11bが、それぞれ、第1被覆層形成部材15S及び第2被覆層形成部材16Sに対面するように、配置される。
そして、図5Cに示すように、第1被覆層形成部材15Sと第2被覆層形成部材16Sとで平面コイル11を挟み込み、この状態で熱プレス(すなわち加熱及び加圧)が行われる。これにより、平面コイル11の第1面11aが、軟化した第1被覆層形成部材15Sによって覆われる。また、平面コイル11の第2面11bが、軟化した第2被覆層形成部材16Sによって覆われる。その後、第1被覆層形成部材15Sが硬化することで第1被覆層15が形成される(第1被覆層形成工程)。また、第2被覆層形成部材16Sが硬化することで第2被覆層16が形成される(第2被覆層形成工程)。これにより、コイル積層体10Uが作製される。
また、本実施形態では、熱プレスによって、第1被覆層形成部材15Sの一部が平面コイル11における導電体11Eの径方向隙間Gに進入し、その後、硬化することで第1側進入部15Tになる。また、第2被覆層形成部材16Sの形成材料の一部が径方向隙間Gに進入し、その後、硬化することで第2側進入部16Tになる。そして、第1側進入部15Tと第2側進入部16Tとが接続される。すなわち、熱プレスによって、第1被覆層形成部材15Sと第2被覆層形成部材16Sとを、導電体11Eと重ならない部分で接続させる。
また、第1被覆層形成部材15S及び第2被覆層形成部材16Sは、加熱により平面コイル11の表面の凹所に入り込み、その後、硬化する。これにより、第1被覆層15及び第2被覆層16は、平面コイル11に溶着する。
また、図5Dに示すように、支持部材20を準備する(支持部材準備工程)。図5Dは、支持部材20の斜視図である。図示された例では、支持部材20の底板部22には、壁構造体50の渦巻形状に対応した形状の溝20gが形成されている。
次に、壁構造体50を作製する(壁構造体形成工程)。図示された例では、支持部材20の溝20gに、上述した壁構造体50の材料を充填し、硬化させる。これにより、壁構造体50が形成される。
その後、図3に示すように、支持部材20の底板部22及び壁構造体50上に、コイル積層体10U、第1磁気シールド部材30及び第2磁気シールド部材40が配置される。第1磁気シールド部材30は、第1被覆層15によって覆われた平面コイル11の第1面11aに対向して配置される。第2磁気シールド部材40は、積層体10Uとの間に第1磁気シールド部材30を挟むように配置される(磁気シールド部材配置工程)。その後、コイル11に第1接続端子61と第2接続端子62が接続され、コイル部品10が完成する。
<コイル部品の用途>
本実施形態に係るコイル部品10は、上述したワイヤレス電力伝送システムSの送電装置1における送電コイルとして用いることができ、受電装置2における受電コイルとして用いることができる。
送電コイルとしてコイル部品10を用いる場合、第1接続端子61及び第2接続端子62が図1で示したような高周波電流供給部1A又は交流電源に接続される。高周波電流がコイル部品10に供給されると、電流を、第1接続端子61から平面コイル11に流した後、第2接続端子62から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。また、電流を、第2接続端子62から平面コイル11に流した後、第1接続端子61から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。これにより、平面コイル11の中心軸線Cに沿う磁力線を含む磁界を発生させることができる。
一方で、受電コイルとしてコイル部品10を用いる場合、平面コイル11の内側を通過するように磁力線を含む磁界を受ける又は発生させることで、平面コイル11に高周波電流を発生させることができる。そして、この高周波電流を、第1接続端子61又は第2接続端子62から外部の装置に供給できる。
また、コイル部品10は、トランス、アンテナなどでも用いることができる。例えばトランスにおける一次側コイルとしてコイル部品10が機能する場合には、第1接続端子61及び第2接続端子62が交流電源に接続される。そして、高周波電流を供給されることで、平面コイル11の中央側から鉄心に磁束を供給できる。
<第1実施形態の変形例>
なお、上述した第1実施形態に対して、様々な変更を加えることが可能である。例えば、なお、コイル部品10は、支持部材20、第1磁気シールド部材30、第2磁気シールド部材40及び/又は壁構造体50を含まなくてもよい。この場合、コイル部品10は、コイル積層体10Uで構成されてよい。
また、図6に示すように、コイル積層体10Uは第2被覆層16を含まなくてもよい。この場合、平面コイル11の第2面11bと第1被覆層15の第4面15bの一部とによって、コイル積層体10Uの第8面10Ubが形成されてよい。図6に示す例では、平面コイル11の第2面11bは、第1被覆層15によって覆われていない。平面コイル11の第2面11bは、磁性体を含む層によって覆われていない。図6に示す例では、コイル積層体10Uの第8面10Ubは、平面コイル11の第2面11bと、第1被覆層15の第4面15bの一部とによって、形成されている。
あるいは、図7に示すように、コイル積層体10Uは、第1被覆層15の第1面15aを覆う第3被覆層17を含んでいてもよい。図示された例では、コイル積層体10Uの第7面10Uaは、第3被覆層17によって形成されている。第3被覆層17は、非磁性であり、且つ絶縁性を有する。本変形例における第3被覆層17は樹脂を含む。本変形例では、第3被覆層17に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂である。第3被覆層17の樹脂は、第2被覆層16の樹脂と同じであってよい。第3被覆層17の取り扱い性を向上させるため、第3被覆層17はガラス繊維を含んでいてもよい。第3被覆層17は、例えば、ガラス繊維強化ポリアミド、すなわち、熱可塑性樹脂(熱可塑性材料)としてのポリアミドとガラス繊維とを含んでもよい。第3被覆層17は、磁性体を含まない。第3被覆層17は、第2被覆層16と同じ材料で形成されてよい。平面コイル11を被覆する被覆層15,16,17のうち、第1被覆層15のみが磁性体を含むことにより、磁性体によるコイル部品10の重量の増大を抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、図8及び図9を参照して、第2実施形態に係るコイル部品10’について説明する。図8は、コイル部品10’の軸方向に沿った断面図である。また、図9はコイル積層体10U’の分解斜視図である。本実施形態における構成部分のうちの第1実施形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
図8及び図9に示すコイル部品10’は、渦巻形状の第1平面コイル11と、渦巻形状の第2平面コイル12と、第1被覆層15と、第2被覆層16と、支持部材20と、第1磁気シールド部材30と、第2磁気シールド部材40と、壁構造体50と、第1接続端子61と、第2接続端子62と、を備える。
第1平面コイル11の構成は第1実施形態で説明した平面コイル11と同様である。また、第2平面コイル12の構成も、第1実施形態で説明した平面コイル11と同様である。すなわち、第2平面コイル12は、線状の第2導電体12Eを含む。この第2導電体12Eが渦巻形状で、渦巻き状に延びる。また、第2平面コイル12は板状である。
第2平面コイル12は、その軸方向で互いに反対となる第1面12a及び第2面12bを含む。第1面12aは、第1平面コイル11の側を向く。また、第2平面コイル12(第2導電体12E)は、第1面12a及び第2面12bを接続する側面12cを有する。
第1平面コイル11の厚さと第2平面コイル12の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第1平面コイル11の厚さが0.5mmであるのに対し、第2平面コイルの厚さが0.25mmであってもよい。
図示された例では、第1平面コイル11及び第2平面コイル12の平面形状は、互いに一致している。第1平面コイル11及び第2平面コイル12は、同軸に配置されている。また、第1平面コイル11及び第2平面コイル12は、第1平面コイル11の軸方向に見て、第1平面コイル11及び第2平面コイル12の渦巻形状の対応する各部が互いに重なり合うように配置されている。言い換えると、第1平面コイル11及び第2平面コイル12は、第1平面コイル11の軸方向に見て、第1平面コイル11及び第2平面コイル12の径方向隙間Gの対応する各部が互いに重なり合うように、配置されている。
図示された例では、第1平面コイル11の内周側端部11Xと第2平面コイル12の内周側端部12Xとが、電気的に接続されている。この場合、第1平面コイル11の外周側端部11Y及び第2平面コイル12の外周側端部12Yに、第1接続端子61及び第2接続端子62が接続される。もちろん、第1平面コイル11の外周側端部11Yと第2平面コイル12の外周側端部12Yとが、電気的に接続されていてもよい。この場合、第1平面コイル11の内周側端部11X及び第2平面コイル12の内周側端部12Xに、第1接続端子61及び第2接続端子62が接続されてよい。
図9に示すように、第1被覆層15には第1接続端子61を通すための第1孔15H1が設けられる。第2接続端子62は、第2平面コイル12の第2面12bの側から接続されてよい。第2被覆層16には、第1平面コイル11の内周側端部11Xと第2平面コイル12の内周側端部12Xとを接続する端子を通すための第1孔16H1が設けられる。これら各孔は、コイル積層体10Uを作製する前に設けられる。
第1被覆層15は第1平面コイル11の第1面11aを覆っている。第1被覆層15は、第1面11aに密着している。第2被覆層16は第1平面コイル11の第2面11bを覆っている。第2被覆層16は第1平面コイル11の第2面11bに密着している。図示された例では、第1平面コイル11の第1面11aを含む一部は、第1被覆層15に埋設されている。このため、第1被覆層15は、第1平面コイル11の側面11cの一部を覆っている。また、第1平面コイル11の第2面11bを含む他の一部は、第2被覆層16に埋設されている。このため、第2被覆層16は、第1平面コイル11の側面11cの他の一部を覆っている。
また、第2被覆層16は第2平面コイル12の第1面12aを覆っている。第2被覆層16は第2平面コイル12の第2面12bに密着している。図示された例では、第2平面コイル12は、第2被覆層16に埋設されている。このため、第2被覆層16は、第2平面コイル12の側面12cを覆っている。また、第2平面コイル12の第2面12bは、第2被覆層16によって覆われていない。図示された例では、コイル積層体10U’の第7面10U’aは、第1被覆層15の第3面により形成されている。また、コイル積層体10U’の第8面10U’bは、第2平面コイル12の第2面12bと、第2被覆層16の第6面16bの一部とによって、形成されている。
本実施形態では、第1被覆層15を形成するための材料(第1被覆層形成部材)と、第1平面コイル11と、第2被覆層16を形成するための材料(第2被覆層形成部材)と、第2平面コイル12とをこの順で積層して加熱及び加圧することで、第1被覆層15、第1平面コイル11、第2被覆層16及び第2平面コイル12が一体的に接合される。
そして、上述のように加熱及び加圧された場合、第1被覆層15は第1平面コイル11に溶着し、第2被覆層16は第1平面コイル11に溶着する。また、第2被覆層16は第2平面コイル12に溶着する。
また、本実施形態では、図8に示すように第1被覆層15と第2被覆層16とが、第1平面コイル11と重ならない部分で接続している。すなわち、第1被覆層15は、第1平面コイル11の径方向隙間Gに進入する第1側進入部15Tを有し、第2被覆層16は、同径方向隙間Gに進入する第2側進入部16Tを有する。そして、第1側進入部15Tと第2側進入部16Tは互いに接続されている。
図示された例においても、平面コイル11,12を被覆する被覆層15,16のうち、第1被覆層15のみが磁性体を含むことにより、磁性体によるコイル部品10’の重量の増大を抑制することができる。
<コイル部品の用途>
本実施形態に係るコイル部品10’も、上述したワイヤレス電力伝送システムSの送電装置1における送電コイルとして用いることができ、受電装置2における受電コイルとして用いることができる。
送電コイルとしてコイル部品10’を用いる場合、第1接続端子61及び第2接続端子62が図1で示したような高周波電流供給部1A又は交流電源に接続される。高周波電流がコイル部品10’に供給されると、電流を、第1接続端子61から第1平面コイル11及び第2平面コイル12に流した後、第2接続端子62から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。また、電流を、第2接続端子62から第2平面コイル12及び第1平面コイル11に流した後、第1接続端子61から高周波電流供給部1A又は交流電源に流すことができる。これにより、平面コイルの中心軸線に沿う磁力線を含む磁界を発生させることができる。
一方で、受電コイルとしてコイル部品10’を用いる場合、第1平面コイル11及び第2平面コイル12の内側を通過するように磁力線を含む磁界を受ける又は発生させることで、第1平面コイル11及び第2平面コイル12に高周波電流を発生させることができる。そして、この高周波電流を、第1接続端子61又は第2接続端子62から外部の装置に供給できる。
また、コイル部品10’は、トランス、アンテナなどでも用いることができる。例えばトランスにおける一次側コイルとしてコイル部品10’が機能する場合には、第1接続端子61及び第2接続端子62が交流電源に接続される。そして、高周波電流を供給されることで、平面コイルの中央側から鉄心に磁束を供給できる。
<第2実施形態の変形例>
なお、上述した第2実施形態に対して、様々な変更を加えることが可能である。例えば、なお、コイル部品10’は、支持部材20、第1磁気シールド部材30、第2磁気シールド部材40及び/又は壁構造体50を含まなくてもよい。この場合、コイル部品10’は、コイル積層体10U’で構成されてよい。
また、図10に示すように、第2平面コイル12の第2面12bは、第2被覆層16によって覆われていてもよい。図10に示す例では、コイル積層体10U’の第8面10U’bは、第2被覆層16の第6面16bによって形成されている。
また、図11に示すように、コイル積層体10U’は、第2被覆層16の第6面16bを覆う第4被覆層18を含んでいてもよい。第4被覆層18は、磁性を有する。第4被覆層18は、磁性体を含んでよい。この場合、第4被覆層18は、好ましくは軟磁性体又はナノ結晶磁性体を含む。より具体的には、第4被覆層18の磁性体は、フェライト特に軟磁性材料のフェライト、ナノ結晶磁性体、ケイ素鋼、電磁軟鉄、及びアモルファス金属のうちのいずれか又は二種以上から形成されてもよい。本変形例における第4被覆層18は、磁性体と樹脂とを含む。第4被覆層18は、磁性体で構成される複数又は無数の磁性体粒子と、磁性体粒子を保持する樹脂とを含んでよい。本変形例では、第4被覆層18に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であってよい。第4被覆層18の取り扱い性を向上させるため、第4被覆層18はガラス繊維を含んでいてもよい。第4被覆層18は、例えば、ガラス繊維強化ポリアミド、すなわち、熱可塑性樹脂(熱可塑性材料)としてのポリアミドとガラス繊維とを含んでもよい。第4被覆層18は、第1被覆層15と同じ材料で形成されてよい。
第4被覆層18の比透磁率は、10以上でもよく、5以上でもよい。第4被覆層18の比透磁率は大きさに特に制限はない。第4被覆層18の比透磁率は、製造等に支障をきたさない限り、大きい方が好ましい。
図示された例では、第2平面コイル12は、第4被覆層18に埋設されている。第2平面コイル12の第1面12aは、第2被覆層16に接している。第2被覆層16と第4被覆層18とは、第2平面コイル12と重ならない部分で接続している。また、コイル積層体10U’の第8面10U’bは、第2平面コイル12の第2面12bと第4被覆層18とによって形成されている。
図10及び図11に示された例においても、平面コイル11,12を被覆する被覆層15,16又は15,16,18のうち、被覆層15又は15,18のみが磁性体を含むことにより、磁性体によるコイル部品10’の重量の増大を抑制することができる。
<コイル部品の性能評価シミュレーション>
以下、実施例1-1~1-4、比較例1-1~1-5、実施例2-1~2-3及び比較例2-1~2-4にかかるコイル部品10,10’の性能評価のために行ったシミュレーションについて説明する。ここでは、後述する結合Q値、結合係数、及び、Q値比により、コイル部品の性能を評価する。シミュレーションは、ムラタソフトウェア株式会社製の解析ミュレーションソフト「Femtet(登録商標)」で行った。
<実施例1-1~1-4及び比較例1-1~1-5>
まずは、コイル積層体が単一の平面コイルを含む場合について説明する。
実施例1-1~1-4及び比較例1-1~1-5のシミュレーションにおける共通の条件は、以下の通りである。
・平面コイル11は、図1乃至図5Aに示す平面コイル11と同様に形成される。
・平面コイル11は、銅で形成される。
・平面コイル11の線幅は6mmであり、厚さは0.5mmである。
・コイル積層体10Uが第1被覆層15を含む場合、第1被複層15は、磁性体粒子を混合した2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。磁性体粒子は、ニッケル亜鉛系磁性材料(Ni-Zn系ソフトフェライト)で形成される。第1被複層15の比透磁率は、10である。
・コイル積層体10Uが第2被覆層16を含む場合、第2被覆層16は、2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。
・コイル積層体10Uが第3被覆層17を含む場合、第3被覆層17は、2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。
・壁構造体50は、磁性体粒子を混合した2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。磁性体粒子は、ニッケル亜鉛系磁性材料(Ni-Zn系ソフトフェライト)で形成される。
・壁構造体50の比透磁率は、10である。
・第1磁気シールド部材30は、フェライト板で形成される。
・第1磁気シールド部材30とコイル積層体10Uとの間の距離は、1.0mmである。
・第2磁気シールド部材40は、アルミニウムで形成される。
・第1磁気シールド部材30と第2磁気シールド部材40との間の距離は、1.0mmである。
・送電コイル部品10及び受電コイル部品10は、送電コイル部品10の壁構造体50と受電コイル部品10の壁構造体50とが向かい合うように配置されるものとする。
・送電コイル部品10及び受電コイル部品10は、そのコイル11の中心軸線Cが一致するように配置されるものとする。
・送電コイル部品10のコイル11と受電コイル部品10のコイル11との距離を、100mmとする。
・送電コイル部品10のコイル11に供給する高周波電流は、40Aであり、周波数は、85KHzである。
<実施例1-1>
実施例1-1のコイル部品10は、図6に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。 コイル積層体10Uは、第1被覆層15を含む。
平面コイル11は、第1被覆層15に埋設されている。第1面11aは第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。一方、第2面11bは、第1被覆層15で覆われていない。第2面11bは、磁性体を含む層で覆われていない。
第1被覆層15の厚さは0.85mmであり、平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.35mmである。
コイル積層体10Uの第7面10Uaは、第1被覆層15の第3面15aにより形成される。コイル積層体10Uの第8面10Ubは、平面コイル11の第2面11bと第1被覆層15の第4面15bの一部とにより形成される。
(評価)
次にこのようにして作製された実施例1-1のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(以下、「結合Q値」とも呼ぶ)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(以下、「単体Q値」とも呼ぶ)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(以下、「Q値比」とも呼ぶ)を算出する。
実施例1-1のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、177、0.251、及び、0.96である。
<実施例1-2>
実施例1-2のコイル部品10は、図4に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
平面コイル11は、第1被覆層15と第2被覆層16とに挟まれている。平面コイル11の第1面11aを含む一部は第1被覆層15に埋設されており、第2面11bを含む他の一部は第2被覆層16に埋設されている。第1面11aは第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。第2面11bは第2被覆層16で覆われ、第2被覆層16に密着している。
第1被覆層15の厚さは0.60mmであり、第2被覆層16の厚さは0.50mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.35mmである。
コイル積層体10Uの第7面10Uaは、第1被覆層15の第3面15aにより形成される。コイル積層体10Uの第8面10Ubは、第2被覆層16の第6面16bにより形成される。
その他の構成は、実施例1-1のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された実施例1-2のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
実施例1-2のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、126、0.248、及び、0.90である。
<実施例1-3>
実施例1-3のコイル部品10は、図4に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1被覆層15の厚さは0.85mmであり、第2被覆層16の厚さは0.5mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは0.60mmである。その他の構成は、実施例1-2のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された実施例1-3のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
実施例1-3のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、131、0.248、及び、0.90である。
<実施例1-4>
実施例1-4のコイル部品10は、図4に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1被覆層15の厚さは1.25mmであり、第2被覆層16の厚さは0.5mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは1.00mmである。その他の構成は、実施例1-2のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された実施例1-4のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
実施例1-4のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、141、0.251、及び、0.95である。
<比較例1-1>
比較例1-1のコイル部品10は、図12に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
コイル積層体10Uは、磁性体を含む層である第1被覆層15を含んでいない。
平面コイル11は、第2被覆層16に埋設されており、第1面11aは第2被覆層16で覆われ、第2被覆層16に密着している。一方、第2面11bは、第2被覆層16で覆われていない。第2面11bは、磁性体を含む層で覆われていない。
第2被覆層16の厚さは1.00mmである。平面コイル11の第1面11aと第2被覆層16の第6面16aとの距離L2は、0.25mmである。
コイル積層体10Uの第7面10Uaは、第2被覆層16の第5面16aにより形成される。コイル積層体10Uの第8面10Ubは、平面コイル11の第2面11bと、第2被覆層16の第6面16bの一部とにより形成される。
その他の構成は、実施例1-1のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例1-1のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例1-1のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、55、0.241、及び、0.66である。
<比較例1-2>
比較例1-2のコイル部品10は、図13に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
コイル積層体10Uは、第1被覆層15を含んでいる。
平面コイル11は、第1被覆層15と第2被覆層16とに挟まれている。平面コイル11の第1面11aを含む一部は第2被覆層16に埋設されており、第2面11bを含む他の一部は第1被覆層15に埋設されている。第1面11aは第2被覆層16で覆われ、第2被覆層16に密着している。第2面12bは第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。
第1被覆層15の厚さは0.60mmであり、第2被覆層16の厚さは0.50mmである。平面コイル11の第1面11aと第2被覆層16の第6面16aとの距離L2は、0.25mmである。
コイル積層体10Uの第7面10Uaは、第2被覆層16の第5面16aにより形成される。コイル積層体10Uの第8面10Ubは、第1被覆層15の第4面15bにより形成される。
その他の構成は、実施例1-2のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例1-2のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例1-2のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、102、0.234、及び、0.82である。
<比較例1-3>
比較例1-3のコイル部品10は、図14に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
コイル積層体10Uは、第3被覆層17を含む。
平面コイル11は、第1被覆層15に埋設されている。第1面11a及び第2面11bは、共に、第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。第1被覆層15の厚さは0.60mmであり、平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.05mmである。
また、第2被覆層16が、第1被覆層15の第4面15b上に積層されている。第2被覆層16の厚さは0.25mmである。
また、第3被覆層17が、第1被覆層15の第3面15a上に積層されている。第3被覆層17の厚さは0.25mmである。
コイル積層体10Uの第7面10Uaは、第3被覆層17により形成される。コイル積層体10Uの第8面10Ubは、第2被覆層16の第6面16bにより形成される。
その他の構成は、実施例1-5のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例1-3のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例1-3のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、73、0.243、及び、0.63である。
<比較例1-4>
比較例1-4のコイル部品10は、図4に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1被覆層15の厚さは0.45mmであり、第2被覆層16の厚さは0.50mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは0.20mmである。その他の構成は、実施例1-2のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例1-4のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例1-4のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、102、0.246、及び、0.77であった。
<比較例1-5>
比較例1-5のコイル部品10は、図4に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1被覆層15の厚さは0.35mmであり、第2被覆層16の厚さは0.50mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは0.10mmである。その他の構成は、実施例1-2のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例1-5のコイル部品10を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合した状態で、送電コイル部品10のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10が受電コイル部品10と電磁結合していない状態での送電コイル部品10のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例1-5のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、81、0.244、及び、0.66であった。
図15に、実施例1-1~1-4及び比較例1-1~1-5のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比を示す。
実施例1-1~1-4及び比較例1―4~1-5と比較例1-1を比較することにより理解されるように、平面コイル11の第1面11aが磁性体入りの第1被覆層15で覆われている場合、平面コイル11の第1面11aが磁性体入りの第1被覆層15で覆われていない場合と比較して、結合Q値や結合係数、Q値比が高い傾向にある。また、実施例1-1~1-4と比較例1―4~1-5とを比較することにより理解されるように、距離Lが大きい方が、結合Q値や結合係数、Q値比が高い。また、実施例1-1~1-4と比較例1-3とを比較することにより理解されるように、平面コイル11の第2面11bが磁性体入りの第1被覆層15で覆われていない場合、平面コイル11の第2面11bが磁性体入りの第1被覆層15で覆われている場合と比較して、結合Q値や結合係数、Q値比が高い。
<実施例2-1~2-3及び比較例2-1~2-4>
次に、コイル積層体が2つの平面コイル11,12を含む場合について説明する。
実施例2-1~2-3及び比較例2-1~2-4のシミュレーションにおける共通の条件は、以下の通りである。
・第1平面コイル11及び第2平面コイル12は、いずれも、図1乃至図5Aに示す平面コイル11と同様に形成される。
・第1平面コイル11及び第2平面コイル12は、いずれも、銅で形成される。
・第1平面コイル11及び第2平面コイル12の線幅は、いずれも6mmである。
・第1平面コイル11の厚さは0.5mmであり、第2平面コイル12の厚さは0.25mmである。
・第1平面コイル11の第2面11bと第2平面コイル12の第1面12aとの距離は、0.5mmである。
・コイル積層体10U’が第1被覆層15を含む場合、第1被複層15は、磁性体粒子を混合した2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。磁性体粒子は、ニッケル亜鉛系磁性材料(Ni-Zn系ソフトフェライト)で形成される。第1被複層15の比透磁率は、10である。
・コイル積層体10U’が第2被覆層16を含む場合、第2被覆層16は、2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。
・コイル積層体10U’が第4被覆層18を含む場合、第4被覆層18は、磁性体粒子を混合した2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。磁性体粒子は、ニッケル亜鉛系磁性材料(Ni-Zn系ソフトフェライト)で形成される。第4被覆層18の比透磁率は、10である。
・壁構造体50は、磁性体粒子を混合した2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させて形成される。磁性体粒子は、ニッケル亜鉛系磁性材料(Ni-Zn系ソフトフェライト)で形成される。
・壁構造体50の比透磁率は、10である。
・第1磁気シールド部材30は、フェライト板で形成される。
・第1磁気シールド部材30とコイル積層体10U’との間の距離は、1.0mmである。
・第2磁気シールド部材40は、アルミニウムで形成される。
・第1磁気シールド部材30と第2磁気シールド部材40との間の距離は、1.0mmである。
・送電コイル部品10’及び受電コイル部品10’は、送電コイル部品10’の壁構造体50と受電コイル部品10’の壁構造体50とが向かい合うように配置されるものとする。
・送電コイル部品10’及び受電コイル部品10’は、そのコイル11の中心軸線Cが一致するように配置されるものとする。
・送電コイル部品10’のコイル11と受電コイル部品10’のコイル11との距離を、100mmとする。
・送電コイル部品10’のコイル11に供給する高周波電流は、40Aであり、周波数は、85KHzである。
<実施例2-1>
実施例2-1のコイル部品10’は、図8に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1平面コイル11は、第1被覆層15と第2被覆層16とに挟まれている。第1平面コイル11の第1面11aを含む一部は第1被覆層15に埋設されており、第2面11bを含む他の一部は第2被覆層16に埋設されている。第1平面コイル11の第1面11aは第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。第1平面コイル11の第2面11bは第2被覆層16で覆われ、第2被覆層16に密着している。
第1被覆層15の厚さは0.75mmである。第1平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.5mmである。
第2平面コイル12は、第2被覆層16に埋設されている。第2平面コイル12の第1面12aは第2被覆層16で覆われ、第2被覆層16に密着している。第2平面コイル12の第2面12bは、磁性体を含む層で覆われていない。第2被覆層16の厚さは0.50mmである。
コイル積層体10U’の第7面10U’aは、第1被覆層15の第3面15aにより形成される。コイル積層体10U’の第8面10U’bは、第2平面コイルの第2面12bと、第2被覆層16の第6面16bの一部とにより形成される。
その他の構成は、実施例1-2のコイル部品10と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された実施例2-1のコイル部品10’を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合した状態で、送電コイル部品10’のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10’の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合していない状態での送電コイル部品10’のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
実施例2-1のコイル部品10’の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、193.9、0.297、及び、0.97である。
<実施例2-2>
実施例2-2のコイル部品10’は、図8に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1被覆層15の厚さは1.25mmであり、第2被覆層16の厚さは1.0mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは1.00mmである。その他の構成は、実施例2-1のコイル部品10’と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された実施例2-2のコイル部品10’を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合した状態で、送電コイル部品10’のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10’の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合していない状態での送電コイル部品10’のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
実施例2-2のコイル部品10’の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、211.5、0.305、及び、1.01である。
<実施例2-3>
実施例2-3のコイル部品10’は、図11に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
コイル積層体10U’は、第4被覆層18を含んでいる。第4被覆層18は、第1被覆層15と同じ材料で形成される。
第1平面コイル11は、第1被覆層15と第2被覆層16とに挟まれている。第1平面コイル11は第1被覆層15に埋設されている。第1平面コイル11の第1面11aは第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。第2面11bは第1被覆層15で覆われていない。
第2被覆層16は、第1平面コイル11と第2平面コイル12の間に配置されている。第1平面コイル11の第2面11bは、第2被覆層16で覆われ、第2被覆層16の第5面16aに密着している。また、第2平面コイルの第1面12aは、第2被覆層16で覆われ、第2被覆層16の第6面16bに密着している。
第4被覆層18は、第2被覆層16の第6面16b上に形成されている。第2平面コイル12は、第4被覆層18に埋設されている。第2平面コイル12の第1面12a及び第2面12bは、どちらも、第4被覆層18で覆われていない。
第1被覆層15の厚さは1.00mmであり、第1平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.50mmである。
コイル積層体10U’の第7面10U’aは、第1被覆層15の第3面15aにより形成される。コイル積層体10U’の第8面10U’bは、第2平面コイル12の第2面12bと、第4被覆層18とにより形成される。
その他の構成は、実施例2-1のコイル部品10’と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された実施例2-3のコイル部品10’を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合した状態で、送電コイル部品10’のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10’の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合していない状態での送電コイル部品10’のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
実施例2-3のコイル部品10’の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、224.4、0.315、及び、1.02である。
<比較例2-1>
比較例2-1のコイル部品10’は、図16に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1平面コイル11は、第2被覆層16に埋設されている。第1平面コイル11の第1面11a及び第2面11bは、どちらも第2被覆層16で覆われ、第1被覆層16に密着している。
第1被覆層15は、第2被覆層16の第6面16b上に形成されている。
第2平面コイル12は、第1被覆層15に埋設されている。第2平面コイル12の第1面12aは第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。第2面12bは第1被覆層15で覆われていない。
コイル積層体10U’の第7面10U’aは、第2被覆層16の第5面16aによって形成されている。コイル積層体10U’の第8面10U’bは、第2平面コイル12の第2面12bと、第1被覆層15の第4面15bの一部とによって形成されている。
その他の構成は、実施例2-1のコイル部品10’と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例2-1のコイル部品10’を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合した状態で、送電コイル部品10’のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10’の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合していない状態での送電コイル部品10’のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例2-1のコイル部品10’の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、89.2、0.288、及び、0.73であった。
<比較例2-2>
比較例2-2のコイル部品10’は、図17に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
コイル積層体10U’は、第4被覆層18を含んでいる。第4被覆層18は、第1被覆層15と同じ材料で形成されている。第4被覆層18は、第1被覆層15と第2被覆層16との間に形成されている。
第1平面コイル11は、第1被覆層15に埋設されている。第1平面コイル11の第1面11a及び第2面11bは、どちらも第1被覆層15で覆われ、第1被覆層15に密着している。
第2被覆層16は、第1被覆層15の第4面15b上に形成されている。第4被覆層18は、第2被覆層16の第6面16b上に形成されている。言い換えると、第2被覆層16は、第1被覆層15と第4被覆層18とによって挟まれている。
第2平面コイル12は、第4被覆層18に埋設されている。第2平面コイル12の第1面12aは第4被覆層18で覆われ、第4被覆層18に密着している。第2面12bは第4被覆層18で覆われていない。
第1被覆層15の厚さは1.10mmであり、第1平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.50mmである。
コイル積層体10U’の第7面10U’aは、第1被覆層15の第3面15aによって形成される。コイル積層体10U’の第8面10U’bは、第2平面コイル12の第2面12bと、第4被覆層18とによって形成される。
その他の構成は、実施例2-1のコイル部品10’と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例2-2のコイル部品10’を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合した状態で、送電コイル部品10’のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10’の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合していない状態での送電コイル部品10’のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例2-2のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、194.0、0.315、及び、0.86である。
<比較例2-3>
比較例2-3のコイル部品10’ は、図8に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1被覆層15の厚さは0.5mmであり、第2被覆層16の厚さは1.0mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは0.25mmである。その他の構成は、実施例2-1のコイル部品10’と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例2-3のコイル部品10’を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合した状態で、送電コイル部品10’のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10’の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合していない状態での送電コイル部品10’のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例2-3のコイル部品10の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、167.3、0.296、及び、0.88である。
<比較例2-4>
比較例2-4のコイル部品10’は、図8に示すコイル部品と同様に構成される。より具体的には、以下のように構成される。
第1被覆層15の厚さは0.35mmであり、第2被覆層16の厚さは1.0mmである。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは0.10mmである。その他の構成は、実施例2-1のコイル部品10’と同様である。
(評価)
次にこのようにして作製された比較例2-4のコイル部品10’を送電コイル部品及び受電コイル部品として、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合した状態で、送電コイル部品10’のQ値(結合Q値)、及び、送電コイル部品10’の結合係数を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。また、送電コイル部品10’が受電コイル部品10’と電磁結合していない状態での送電コイル部品10’のQ値(単体Q値)を、解析ミュレーションソフトを用いて算出する。更に、結合Q値を単体Q値で除した値(Q値比)を算出する。
比較例2-4のコイル部品10’の結合Q値、結合係数、及び、Q値比は、それぞれ、138.1、0.294、及び、0.81である。
図18に、実施例2-1~2-3及び比較例2-1~2-4のコイル部品10’の結合Q値、結合係数、及び、Q値比を示す。
実施例2-1~2-3と比較例2-1を比較することにより理解されるように、第1平面コイル11の第1面11aが磁性体入りの第1被覆層15で覆われている場合、第1平面コイル11の第1面11aが磁性体入りの第1被覆層15で覆われていない場合と比較して、結合Q値や結合係数、Q値比が高い傾向にある。また、実施例2-1~2-3と比較例2-2とを比較することにより理解されるように、第1平面コイル11の第2面11b及び第2平面コイル12の第1面12bが非磁性の第2被覆層16で覆われている場合、第1平面コイル11の第2面11b及び第2平面コイル12の第1面12bが磁性を有する第1被覆層15または第4被覆層18で覆われている場合と比較して、結合Q値や結合係数、Q値比が高い傾向にある。また、実施例2-1~2-2と比較例2-3~2-4とを比較することにより理解されるように、距離Lが大きい方が、結合Q値や結合係数、Q値比が高い。
以上に説明してきた第1実施形態及びその変形例によるコイル部品10は、平面コイル11と第1被覆層15と磁気シールド部材30とを備えている。平面コイル11は、渦巻形状を有し、渦巻形状の中心軸線C上を延びる軸方向で互いに反対となる第1面11aおよび第2面11bを含む。第1被覆層15は、磁性体を含み、平面コイル11の第1面11aを覆う。磁気シールド部材30は、第1被覆層15によって覆われた平面コイル11の第1面11aに対向する。第1被覆層15は、磁気シールド部材30の側を向く第3面15aを有する。平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.3mm以上である。平面コイル11の第2面11bは、磁性体を含む層によって覆われていない。このようなコイル部品10によれば、コイル部品10の性能を効果的に向上させることができる。
第1実施形態及びその変形例によるコイル部品10において、平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.5mm以上である。これにより、コイル部品10の性能を更に効果的に向上させることができる。
第1実施形態及びその変形例によるコイル部品10の製造方法は、コイル準備工程と、第1被覆層形成材料準備工程と、第1被覆層形成工程と、磁気シールド部材配置工程と、を備える。コイル準備工程において、平面コイル11を準備する。第1被覆層形成材料準備工程において、第1被覆層15を形成するための第1被覆層形成材料を準備する。第1被覆層形成工程において、第1被覆層形成材料で平面コイル11の第1面11aを覆って第1被覆層15を形成する。磁気シールド部材配置工程において、磁気シールド部材30を、第1被覆層15によって覆われた平面コイル11の第1面11aに対向して配置する。これにより、コイル部品10の性能を効果的に向上させることができる。
また、第2実施形態及びその変形例によるコイル部品10’は、第1平面コイル11及び第2平面コイル12と、第1被覆層15と、第2被覆層16と、磁気シールド部材30と、を備えている。第1平面コイル11及び第2平面コイル12は、渦巻形状を有し、それぞれ、渦巻形状の中心軸線C上を延びる軸方向で互いに反対となる第1面11a,12aおよび第2面11b,12bを含む。第1平面コイル11及び第2平面コイル12は、第1平面コイル11の第2面11bと第2平面コイル12の第1面12aとが対向するように配置される。第1被覆層15は、磁性体を含み、第1平面コイル11の第1面11aを覆う。第2被覆層16は、磁性体を含まず、第1平面コイル11の第2面11b及び第2平面コイル12の第1面12aを覆う。磁気シールド部材30は、第1被覆層15によって覆われた第1平面コイル11の第1面11aに対向する。第1被覆層15は、磁気シールド部材30の側を向く第3面15aを有する。第1平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離は、0.3mm以上である。このようなコイル部品10’によれば、被覆層15,16の一部のみに磁性体が含まれている。これにより、コイル部品10’の性能を効果的に向上させつつ、コイル部品10’の重量の増大を抑制することができる。
第2実施形態及びその変形例によるコイル部品10’において、第1平面コイル11の第1面11aと第1被覆層15の第3面15aとの距離Lは、0.5mm以上である。これにより、コイル部品10’の性能を更に効果的に向上させることができる。
第2実施形態及びその変形例によるコイル部品10’の製造方法は、コイル準備工程と、第1被覆層形成材料準備工程と、第2被覆層形成材料準備工程と、第1被覆層形成工程と、第2被覆層形成工程と、磁気シールド部材配置工程と、を備える。コイル準備工程において、第1平面コイル11及び第2平面コイル12を準備する。第1被覆層形成材料準備工程において、第1被覆層15を形成するための第1被覆層形成材料を準備する。第2被覆層形成材料準備工程において、第2被覆層16を形成するための第2被覆層形成材料を準備する。第1被覆層形成工程において、第1被覆層形成材料で第1平面コイル11の第1面11aを覆って第1被覆層15を形成する。第2被覆層形成工程において、第1平面コイル11の第2面11bと第2平面コイル12の第1面12aとの間に第2被覆層形成材料が配置されることによって、第2被覆層形成材料で第1平面コイル11の第2面11b及び第2平面コイル12の第1面11aを覆って第2被覆層16を形成する。磁気シールド部材配置工程において、磁気シールド部材30を、第1被覆層15によって覆われた第1平面コイル11の第1面11aに対向して配置する。これにより、コイル部品10’’の性能を効果的に向上させつつ、コイル部品10’の重量の増大を抑制することができる。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
S…電力伝送システム
1…送電装置
1A…高周波電流供給部
2…受電装置
2A…変換部
10、10’…コイル部品
10U、10U’…コイル積層体
10Ua、10U’a…第7面
10Ub、10U’b…第8面
11…平面コイル、第1平面コイル
11a…第1面
11b…第2面
11E…導電体
12…第2平面コイル
12a…第1面
12b…第2面
12E…導電体
15…第1被覆層
15a…第3面
15b…第4面
16…第2被覆層
16a…第5面
16b…第6面
17…第3被覆層
18…第4被覆層
20…支持部材
30…第1磁気シールド部材
40…第2磁気シールド部材
61…第1接続端子
62…第2接続端子
C…中心軸線

Claims (22)

  1. 渦巻形状を有し、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1面および第2面を含む平面コイルと、
    磁性体を含み、前記平面コイルの前記第1面を覆う第1被覆層と、
    前記第1被覆層によって覆われた前記平面コイルの前記第1面に対向する磁気シールド部材と、を備え、
    前記第1被覆層は、前記磁気シールド部材の側を向く第3面を有し、
    前記平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.3mm以上であり、
    前記平面コイルの前記第2面は、磁性体を含む層によって覆われていない、コイル部品。
  2. 前記平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.5mm以上である、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記平面コイルの前記第2面を覆う第2被覆層を更に備え、
    前記第2被覆層は、磁性体を含まない、請求項1に記載のコイル部品。
  4. 前記平面コイルは板状である、請求項1に記載のコイル部品。
  5. 渦巻形状を有し、それぞれ、前記渦巻形状の中心軸線上を延びる軸方向で互いに反対となる第1面および第2面を含む第1平面コイル及び第2平面コイルであって、前記第1平面コイルの前記第2面と前記第2平面コイルの前記第1面とが対向するように配置された第1平面コイル及び第2平面コイルと、
    磁性体を含み、前記第1平面コイルの前記第1面を覆う第1被覆層と、
    磁性体を含まず、前記第1平面コイルの前記第2面及び前記第2平面コイルの前記第1面を覆う第2被覆層と、
    前記第1被覆層によって覆われた前記第1平面コイルの前記第1面に対向する磁気シールド部材と、を備え、
    前記第1被覆層は、前記磁気シールド部材の側を向く第3面を有し、
    前記第1平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.3mm以上である、コイル部品。
  6. 前記第1平面コイルの前記第1面と前記第1被覆層の前記第3面との距離は、0.5mm以上である、請求項5に記載のコイル部品。
  7. 前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルは板状である、請求項5に記載のコイル部品。
  8. 前記第1被覆層は樹脂を含む、請求項1又は5に記載のコイル部品。
  9. 前記第1被覆層はガラス繊維を含む、請求項1又は5に記載のコイル部品。
  10. 前記第2被覆層は樹脂を含む、請求項3又は5に記載のコイル部品。
  11. 前記第2被覆層はガラス繊維を含む、請求項3又は5に記載のコイル部品。
  12. 請求項1に記載のコイル部品を製造するコイル部品の製造方法であって、
    前記平面コイルを準備するコイル準備工程と、
    前記第1被覆層を形成するための第1被覆層形成材料を準備する第1被覆層形成材料準備工程と、
    前記第1被覆層形成材料で前記平面コイルの前記第1面を覆って前記第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、
    前記磁気シールド部材を、前記第1被覆層によって覆われた前記平面コイルの前記第1面に対向して配置する磁気シールド部材配置工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
  13. 第2被覆層を形成するための第2被覆層形成材料を準備する第2被覆層形成材料準備工程と、
    前記第2被覆層形成材料で前記平面コイルの前記第2面を覆って前記第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、を更に備えた、請求項12に記載のコイル部品の製造方法。
  14. 前記第1被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第1被覆層形成材料と前記平面コイルの前記第1面とを密着させる工程を含む、請求項12に記載のコイル部品の製造方法。
  15. 前記第2被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第2被覆層形成材料と前記平面コイルの前記第2面とを密着させる工程を含む、請求項13に記載のコイル部品の製造方法。
  16. 請求項5に記載のコイル部品を製造するコイル部品の製造方法であって、
    前記第1平面コイル及び前記第2平面コイルを準備するコイル準備工程と、
    前記第1被覆層を形成するための第1被覆層形成材料を準備する第1被覆層形成材料準備工程と、
    前記第2被覆層を形成するための第2被覆層形成材料を準備する第2被覆層形成材料準備工程と、
    前記第1被覆層形成材料で前記第1平面コイルの前記第1面を覆って前記第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、
    前記第1平面コイルの前記第2面と前記第2平面コイルの前記第1面との間に前記第2被覆層形成材料を配置することによって、前記第2被覆層形成材料で前記第1平面コイルの前記第2面及び前記第2平面コイルの前記第1面を覆って前記第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、
    前記磁気シールド部材を、前記第1被覆層によって覆われた前記第1平面コイルの前記第1面に対向して配置する磁気シールド部材配置工程と、を備える、コイル部品の製造方法。
  17. 前記第1被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第1被覆層形成材料と前記第1平面コイルの前記第1面とを密着させる工程を含む、請求項16に記載のコイル部品の製造方法。
  18. 前記第2被覆層形成工程は、熱プレスによって、前記第2被覆層形成材料と前記第2平面コイルの前記第2面とを密着させる工程を含む、請求項16に記載のコイル部品の製造方法。
  19. 請求項1又は5に記載のコイル部品を備える、送電装置。
  20. 請求項1又は5に記載のコイル部品を備える、受電装置。
  21. 送電装置と、受電装置とを備え、
    前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、請求項1又は5に記載のコイル部品を備える、電力伝送システム。
  22. 請求項20に記載の受電装置を備えた、移動体。
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