JP2010123729A - 非接触型電力伝送装置 - Google Patents

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Toshiaki Oka
利昭 岡
Naoki Wakao
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Abstract


【課題】 小型で、低背化が可能で、電力伝送効率の良い非接触型電力伝送装置を提供すること。
【解決手段】 非接触型電力伝送装置は、1次コイル1aと2次コイル2aのそれぞれ対向するコイルがある方向とは反対側にフェライトコアからなる1次側軟磁性体3a、2次側軟磁性体4aを配置すると共に、前記1次側軟磁性体3aは、その中心部には1次コイル1aと2次コイル2aの中芯部を共に貫くように突起部を形成した、いわゆるきのこ型形状とし、一方、2次側軟磁性体4aは、その中心部に1次側軟磁性体3aの突起部を受ける開口部を設けた、いわゆるドーナツ形状とし、1次側軟磁性体3aの突起部を2次側軟磁性体4aの開口部に挿配した構造とする。従って、磁気回路上は、1次側軟磁性体3aの突起部の側面と、2次側軟磁性体4aのドーナツ形状の内径側面との距離が磁気空隙13aとなるように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2つのコイル(以下、1次コイル、2次コイルと呼ぶ)間に生じる電磁誘導作用により、空間を介して電力を伝送する非接触型電力伝送装置に関する。
非接触型電力伝送装置では、1次コイルと2次コイルとの磁気的結合は出力容量や効率に大きく影響する重要な特性項目であり、この磁気的結合を向上させるため、各種の構成のものが実用化されている。
図6は、従来の非接触型電力伝送装置を説明する断面模式図である。
図6(a)は、1次コイル1cと2次コイル2cの対向面積を広くし、1次側筺体5c、2次側筐体6cの対向面が共に平坦であり、更に軟磁性体を配さない構造(従来構造1)である。
図6(b)は、1次コイル1dと2次コイル2dを、同心円状に、かつ1次コイル1dを2次コイル2dの内側に配置するように対向させ、更に1次コイル1dの中芯部と外周部、及びそれらを連結するように配した軟磁性体(以下、「1次側軟磁性体」と呼ぶ)3dと、2次コイル2dの対向面とは反対面側に配した軟磁性体(以下、「2次側軟磁性体」と呼ぶ)4dとで、両コイルの全外周を覆うように配し、更に、1次側筺体5dと2次側筺体6dの対向面に互いに嵌合する凸部7dと凹部8dをそれぞれ形成した構造(従来構造2)である。
図6(c)は、1次コイル1eと2次コイル2eを対向して配置し、更に両コイルの中芯部を共に貫通するように1次側軟磁性体3eを挿配し、更に、1次側筺体5eと2次側筺体6eの対向面に互いに嵌合する凸部7eと凹部8eをそれぞれ形成した構造(従来構造3)である。なお、上記の1次側軟磁性体3d、3e、2次側軟磁性体4dは、斜線で示している。このような非接触型電力伝送装置は、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。
特開平8−322252号公報 特開平7−322534号公報
しかしながら、図6(a)に示した従来の非接触型電力伝送装置では、筺体の対向面が平坦であるため、筺体、すなわちコイルの位置ズレが生じ易くなると共に、軟磁性体を配していないので磁気的結合が低くなり、電力伝送効率が著しく低下してしまうという問題があった。
一方、図6(b)に示した従来の非接触型電力伝送装置では、1次コイル1dと2次コイル2dの全外周を覆うように軟磁性体が配置されているので、各コイル間の磁気的結合が大幅に向上すると共に、各筺体の互いに嵌合する凹凸部によって筺体、すなわちコイルの位置ズレが生じ難くなり電力伝送効率が改善されるが、各コイルが同心円上に配置されているため、低背化できないという問題があった。
他方、図6(c)に示した従来の非接触型電力伝送装置では、1次側軟磁性体3eによって、1次コイル1eと2次コイル2eとの磁気的結合が向上すると共に、各筺体の互いに嵌合する凹凸部によって筺体、すなわちコイルの位置ズレが生じ難くなるため、図6(a)の場合に比べると電力伝送効率が改善されるが、筐体内部の実装基板上に配置された、銅、アルミニウム等の金属材からなる配線パターン部や遮蔽シールド部等へ磁束が漏れ、漏れ磁束による渦電流損失が発生することで、電力伝送効率の向上が抑制されるという欠点があった。
本発明は、上記の技術的課題を解決し、小型化、低背化が可能で、電力伝送効率の良い非接触型電力伝送装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、平面状の1次コイルと2次コイルを、面と垂直な方向に対向させ、前記対向する面側とは反対面側の各コイルの近傍に、両コイルを挟み、覆うようにそれぞれ1次側軟磁性体と2次側軟磁性体をそれぞれ配置すると共に、前記1次側軟磁性体と2次側軟磁性体のいずれか一方の中心部には1次コイルと2次コイルの少なくとも一方の空芯部を貫通するように突起部を設けることで、1次コイルと2次コイルとの磁気的結合を高め、効率よく電力を伝送させることができる。また、各コイルがそれぞれ内蔵された筺体の対向面には互いに嵌合する凹凸部を形成し、更に前記凹凸部の勘合部の表面に互いに嵌合する凹凸部を設けることで、各コイルの位置決めと、筺体同士の脱離防止を確実に行うことが可能となり、安定した電力伝送を行うことができる。
本発明によれば、空隙を介して対向させた、平面状の2つのコイル間における電磁誘導作用を利用する非接触型電力伝送装置であって、前記2つのコイルが対向する面側と反対面側の前記2つのコイルの各近傍に、前記2つのコイルの面積より大きい軟磁性体をそれぞれ配置すると共に、前記軟磁性体の何れか一方の中心部には、前記2つのコイルの少なくとも一方の中芯部を貫くように突起部を形成したことを特徴とする非接触型電力伝送装置が得られる。
本発明によれば、対向する前記2つのコイルの各々が別々の筺体に実装、内蔵され、前記筺体には、互いに嵌合する凹部と凸部をそれぞれ有し、かつ前記凹部と凸部の各表面に更に互いに嵌合する凹部と凸部を形成したことを特徴とする非接触型電力伝送装置が得られる。
本発明の構成により、平面状の1次コイルと2次コイルを、面と垂直な方向に対向させ、その対向側と反対側の各コイル面に近接し、かつ各コイルの面積よりも大きい軟磁性体で両コイルを上下から挟み込むようにそれぞれ配する構造とすることで、低背化が可能となり、また、磁束の殆どはコイル近傍の軟磁性体を通るので、軟磁性体の外側に配する実装基板上に配置された、銅、アルミニウム等の金属材からなる配線パターン部や遮蔽シールド部等への磁束の漏れが低減され、これにより渦電流損失を抑えることができるため、効率良く電力伝送を行うことができる。
更に、1次コイルに近接して配置された1次側軟磁性体の中心部に形成した突起部が、前記1次コイルと前記2次コイルの少なくとも一方の空芯部を貫くように配する構造とすることで、コイル間の磁気的結合を高め、効率良く2次コイルに電力を伝送することが可能である。同時に、1次側軟磁性体の突起部を2次コイルの中芯部を完全に貫通するように挿配する構成とすることで、各コイルの配置位置が固定され、位置ずれが防止でき、位置ズレによる電力伝送効率の低下も防ぐことができる。以上の理由から、伝送効率の良い非接触型電力伝送装置を実現できる。
本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の非接触型電力伝送装置を示す断面模式図である。非接触型電力伝送装置は、1次コイル1aと2次コイル2aのそれぞれ対向するコイルがある方向とは反対側にフェライトコアからなる1次側軟磁性体3a、2次側軟磁性体4aを配置すると共に、1次側軟磁性体3aは、その中心部には1次コイル1aと2次コイル2aの中芯部を共に貫くように突起部を形成した、いわゆるきのこ型形状とし、一方、2次側軟磁性体4aは、その中心部に1次側軟磁性体3aの突起部を受ける開口部を設けた、いわゆるドーナツ形状とし、1次側軟磁性体3aの突起部を前記2次側軟磁性体4aの開口部に挿配した構造としている。従って、磁気回路上は、1次側軟磁性体3aの突起部の側面と、2次側軟磁性体4aのドーナツ形状の内径側面との距離が磁気空隙13aとなるように構成されている。なお、1次側軟磁性体3aと2次側軟磁性体4aは、斜線で示している。
更に、1次コイル1aと前記1次側軟磁性体3aが実装、内蔵された1次側筺体5aの対向面には凸部7aを形成し、一方、2次コイル2aと2次側軟磁性体4aが実装、内蔵された2次側筺体6aの対向面には凹部8aを形成し、凸部7aと凹部8aを嵌合させた構造としている。なお、凸部7aと凹部8aを嵌合させた時、位置ズレを抑えるため、クリアランスをできるだけ小さくするのがより好ましい。
図2は、本発明の非接触型電力伝送装置を示す断面模式図である。非接触型電力伝送装置は、1次コイル1bと2次コイル2bのそれぞれ対向するコイルがある方向とは反対側にフェライトコアからなる1次側軟磁性体3b、2次側軟磁性体4bを配置すると共に、1次側軟磁性体3bは、その中心部には1次コイル1bと2次コイル2bの中芯部を貫くように突起部を形成した、いわゆるきのこ型形状とし、一方、2次側軟磁性体4bは、円盤形状としている。図2に示した突起部の長さは、図1に示した突起部よりも短くなっており、1次コイル1bを完全に貫通しているが、2次コイル2bは完全に貫通していない状態を示している。従って、磁気回路上は、1次側軟磁性体3bの突起部の上端面と、2次側軟磁性体4bの円盤形状の表面との距離が磁気空隙13bとなるように構成されている。なお、1次側軟磁性体3bと2次側軟磁性体4bは、斜線で示している。
更に、1次コイル1bと1次側軟磁性体3bが実装、内蔵された1次側筺体5bの対向面には凸部7bを形成し、一方、2次コイル2bと2次側軟磁性体4bが実装、内蔵された2次側筺体6bの対向面には凹部8bを形成し、凸部7bと凹部8bを嵌合させた構造としている。また、図2に示した凸部7b、凹部8bは、図1に示した凸部7a、凹部8aよりも嵌合深さが浅い状態を示している。なお、凸部7bと凹部8bを嵌合させた時、位置ズレを抑えるため、クリアランスをできるだけ小さくするのがより好ましい。
図3は、本発明の非接触型電力伝送装置を示す断面模式図で、図1に示した1次側筺体5aの凸部7aと、2次側筺体6aの凹部8aが互いに嵌合し、かつ固定できるように、凸部7aと凹部8aの各々の嵌合面にツメを設けた場合を示す図で、図3(a)は、図1において互いに嵌合する1次側筺体5aの凸部7aと2次側筺体6aの凹部8aの各々の嵌合面の側面部にそれぞれツメ9aを形成した場合を、図3(b)は、図1において互いに嵌合する1次側筺体5aの凸部7aの上面部と、2次側筺体6aの凹部8aの底面部にそれぞれツメ9bを形成した場合をそれぞれ示す。なお、1次側軟磁性体3aと2次側軟磁性体4aは、斜線で示している。
図3(a)に示した非接触型電力伝送装置は、図1において互いに嵌合する1次側筐体5aの凸部7aと2次側筐体6aの凹部8aの各々の嵌合面の側面部に、更に嵌合する凹凸状のツメ9aを形成しており、そのことで1次側筺体5aと2次側筺体6aを固定すると共に、各々に内蔵する1次コイル1aと2次コイル2aの配置状態を固定し、位置ズレを防止することができるので、安定した電力伝送が可能となる。ツメ9aは、1次コイル1aと2次コイル2aとの配置状態を固定または分離できるものであればどんな嵌合手段でもよく、設置場所、形状、形態、方式は適宜設計するのが好ましい。
図3(b)に示した非接触型電力伝送装置は、図1において互いに嵌合する1次側筐体5aの凸部7aの上面部と、2次側筐体6aの凹部8aの底面部に、それぞれ嵌合する凹凸状のツメ9bを形成しており、そのことで1次側筺体5aと2次側筺体6aを固定すると共に、各々に内蔵する1次コイル1aと2次コイル2aの配置状態を固定し、位置ズレを防止することができるので、安定した電力伝送が可能となる。ツメ9bは、1次コイル1aと2次コイル2aとの配置状態を固定または分離できるものであればどんな嵌合手段でもよく、設置場所、形状、形態、方式は適宜設計するのが好ましい。
1次コイル1a、1b、1d、1e、及び2次コイル2a、2b、2d、2eは、導体に天然樹脂または合成樹脂塗料を焼き付けたエナメル被覆電線等などの一般的な絶縁電線であればどんなものでもよく、安価で汎用的なポリウレタン被覆銅線(UEW線)を用いるのが好ましい。なお、巻線後、空芯コイルとして固めるため、被覆銅線の最外層に融着層を有し、巻線後に熱や溶剤等で融着させて固めることのできる融着線を用いてもよい。また、断面形状は、一般的な円形断面のほか、方形や長円形の断面を持つ平角銅線等を用いてもよい。更に、コイルの線径、巻数、寸法・形状は、要求特性に応じ適宜設計・調整するのが好ましい。
1次側軟磁性体3a、3b、3d、3eは、Mn−ZnフェライトやNi−Znフェライト等の焼結フェライト板、センダスト等の金属磁性体粉末やアモルファス軟磁性体粉や箔等を圧力成型した圧粉磁性体板、センダスト等の軟磁性体粉を樹脂等で成型した樹脂成型板等を用いることができる。また、これらの材料を組み合わせて用いても良い。
また、外観形状は、平板とその中央部に突起部を有する、いわゆるきのこ型で、一体型としているが、別々の平板と突起部とを組み合わせたり、別々のドーナツ状平板と突起部とを組み合わせたものでもよく、突起部の断面形状は円形、方形等いずれでもよい。更に、きのこ型の傘部の端部は、1次コイルの外周端を包囲するように屈折させたいわゆる壷型形状としてもよい。但し、その場合は外形状が幾分大きくなるので漏れ磁束や電力伝送効率に大きな影響が現れない場合は、小型化を優先して平板とするのがよく、適宜選定するのが好ましい。
2次側軟磁性体4a、4b、4dは、Mn−ZnフェライトやNi−Znフェライト等の焼結フェライト板、センダスト等の金属磁性体粉末やアモルファス軟磁性体粉や箔等を圧力成型した圧粉磁性体板、センダスト等の軟磁性体粉を樹脂等で成型した樹脂成型板等を用いることができる。また、これらの材料を組み合わせて用いても良い。
また、外観形状は、平板、ドーナツ状平板のいずれでもよく、また外形、内形は円形、方形等いずれでもよい。
更に、平板またはドーナツ状平板の外周端部は、2次コイルの外周端を包囲するように屈折させた、いわゆる壷型形状としてもよい。但し、その場合は外形状が幾分大きくなるので漏れ磁束や電力伝送効率に大きな影響が現れない場合は、小型化を優先して平板とするのがよく、適宜選定するのが好ましい。
1次側筺体5a、5b、5c、5d、5e及び2次側筺体6a、6b、6c、6d、6eは、互いに嵌合される凹部と凸部を有し、そのことで1次コイルと2次コイルとを近接させ、磁気的結合を確保すると共に、対向する両コイルの配置位置を保持することができる。
凸部7a、7b、7d、7e及び凹部8a、8b、8d、8eは、互いに嵌合できる形状であればよく、円形、方形、楕円形のいずれでもよく、また、凹部においては貫通孔としてもよく、そのことで1次コイルと2次コイルとを近接させ、磁気的結合を確保すると共に、対向する両コイルの配置位置を保持することができる。
ツメ9a、9bは、1次側筺体の凸部と2次側筺体の凹部との表面に、互いに嵌合される凹凸状のものであり、1次側筺体と2次側筺体を嵌合させ、各々の筺体に内蔵している1次コイルと2次コイルの配置状態を固定、保持するもので、そのことで安定して電力を伝送することができる。
磁気空隙13a、13bは、極力短い方が磁気的結合を向上させ、効率よく電力伝送可能となるが、装置の寸法要求や特性要求に応じて適宜設計・調整するのが好ましい。
以下、実施例を用いて詳述する。
(実施例1)
以下の要領により、実施例1として、図1に示した本発明の非接触型電力伝送装置を作製した。
図1において、1次コイル1aとして、線径φ0.45mmのポリウレタン銅線(1−UEW)に融着層を付加した融着線を用い、巻き数10とし、外径φ15mm、内径φ5mm、厚さ0.5mmの空芯コイルを準備した。また、1次コイル1aに配置する1次側軟磁性体3aとして、材質がNi−Zn系フェライトで、外径φ15mm、厚さ0.5mmの円盤状の中心部に、外径φ3mm、高さ(厚さ)5mmの円柱状の突起部を形成したきのこ型形状とした。1次コイル1aは、その中芯部を円柱状の突起部に挿入し、1次側軟磁性体3aのきのこ状の傘部の内面側に配置、固定し、1次側筐体5a内に実装、内蔵した。
一方、2次コイル2aとして、線径φ0.45mmのポリウレタン銅線(1−UEW)に融着層を付加した融着線を用い、巻き数10とし、外径φ15mm、内径φ8mm、厚さ1mmの空芯コイルを準備した。また、2次コイル2aに配置する2次側軟磁性体4aとして、材質がNi−Zn系フェライトで、外径φ15mm、内径φ8mm、厚さ0.5mmの円筒板形状とした。2次コイル2aは、2次側軟磁性体4aに配置、固定し、2次側筐体6a内に実装、内蔵した。
1次側筐体5aと2次側筐体6aとして、凸部7aの突起部は、外径φ4mm、高さ3mmの円柱状とし、一方、凹部8aは内径φ3.5mm、深さ3mmの円柱溝とし、各々を嵌合し、固定した。
(実施例2)
以下の要領により、実施例2として、図2に示した本発明の非接触型電力伝送装置を作製した。
図2において、上記の実施例1と同一仕様の空芯コイルを用い、1次コイル1bに配置する1次側軟磁性体3bと、2次コイル2bに配置する2次側軟磁性体4bのみを変更したものを作製した。
1次コイル1bに配置する1次側軟磁性体3bとして、材質がNi−Zn系フェライトで、外径φ15mm、厚さ0.5mmの円盤状の中心部に、外径φ3mm、高さ(厚さ)3mmの円柱状の突起部を形成したきのこ型形状とした。1次コイル1bは、その中芯部を円柱状の突起部に挿入し、1次側軟磁性体3bのきのこ状の傘部の内面側に配置、固定し、1次側筐体5b内に実装、内蔵した。
一方、2次コイル2bに配置する2次側軟磁性体4bとして、材質がNi−Zn系フェライトで、外径φ15mm、厚さ0.5mmの円盤形状とした。2次コイル2aは、2次側軟磁性体4bに配置、固定し、2次側筐体6b内に実装、内蔵した。
1次側筐体5bと2次側筐体6bとして、凸部7bの突起部は、外径φ4mm、高さ2mmの円柱状とし、一方、凹部8bは内径φ3.5mm、深さ2mmの円柱溝とし、各々を嵌合し、固定した。
(比較例)
以下の要領により、比較例として、図6(c)に示した従来の非接触型電力伝送装置を作製した。
図6(c)において、上記の実施例1、実施例2と同一仕様の空芯コイルを用い、1次コイル1eの中芯部と、2次コイル2eの中芯部を共に貫通するように1次側軟磁性体3eを挿配したものを作製した。1次側軟磁性体3eとして、材質がNi−Zn系フェライトで、外径φ3mm、高さ(厚さ)5mmの円柱形状とした。
以上の要領で作製した、図1に示した本発明の実施例1による非接触型電力伝送装置と、図2に示した本発明の実施例2による非接触型電力伝送装置と、比較例として、図6(c)に示した従来の構成による非接触型電力伝送装置において、磁気的結合係数を、測定しその比較結果(n=3の平均値)を表1に示す。
Figure 2010123729
表1に示したように、非接触型電力伝送装置の磁気的結合係数は、本発明の実施例1では0.67、実施例2では0.65となり、比較例での0.42と比べ、共に約1.6倍改善しており、伝送効率が大幅に向上することがわかった。
更に、上記の実施例1、実施例2、比較例において、各々の1次コイル1a、1b、1eに高周波電流を流した際に発生する磁束分布のシミュレーションを行った。なお、本シミュレーションにおいては、装置の実形態を想定し、実装基板の影響も確認するため、図1、図2、図6(c)にそれぞれ示した実施例1、実施例2、比較例の各々の1次側筐体5a、5b、5e内には、金属からなる1次側基板10を1次側軟磁性体3a、3b、または1次コイル1eの外側に配置し、一方、各々の2次側筐体6a、6b、6e内には、金属からなる2次側基板11を2次側軟磁性体4a、4b、または2次コイル2eの外側に配置した。これらの構成図を、図4(a)、図4(b)、図4(c)にそれぞれ示す。
本シミュレーションによる磁束分布図を図5に示す。図5(a)は、図1に示した実施例1、図5(b)は、図2に示した実施例2、図5(c)は図6(c)に示した比較例での結果をそれぞれ示す。
図5(a)、図5(b)に示したように、本発明の実施例1、実施例2の非接触型電力伝送装置における、1次コイル1a、1bに高周波電流を流すことで発生する磁束は、その殆どが1次側軟磁性体3a、3bと、2次コイル2a、2bの外側に配した2次側軟磁性体4a、4bを通り、1次側筐体5a、5b内に設置した金属を含む1次側基板10へは侵入しにくく、すなわち漏れ磁束が小さくなっており、その結果、磁束の殆どが鎖交磁束として作用すると共に、渦電流損失が発生しにくくなり、効率よく電力を伝達できることがわかった。また、1次コイル1a、1bの中心を通る1次側軟磁性体3a、3bの突起部を、2次コイル2a、2bまで伸長することにより、1次コイル1a、1bで発生した磁束は効率よく2次コイル2a、2bにそれぞれ伝達(鎖交)される。更に、磁束は、2次コイル2a、2bの外側に配置された2次側軟磁性体4a、4bにより、2次側筐体6a、6b内に設置した金属を含む2次側基板11へは侵入しにくくなるため、漏れ磁束が小さくなり、効率良く電力を伝達できることがわかった。
(実施例3)
実施例1と同様の構成の非接触型電力伝送装置に、図3(a)に示したように1次側筐体5aの凸部7aの側面部と、2次側筐体6aの凹部8aの側面部にそれぞれ嵌合するツメ9aを設けることで、1次コイル1aと2次コイル2aの配置状態を固定することができ、安定した電力伝送が可能となった。
(実施例4)
実施例1と同様の構成の非接触型電力伝送装置に、図3(b)に示したように1次側筐体5aの凸部7aの上面部と、2次側筐体6aの凹部8aの底面部にそれぞれ嵌合するツメ9bを設けることで、1次コイル1aと2次コイル2aの配置状態を固定することができ、安定した電力伝送が可能となった。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明の非接触型電力伝送装置により、小型化かつ高効率の電力伝送を必要とする、小型、携帯電子機器用の非接触型電力伝送装置などに関する。
本発明の非接触型電力伝送装置を説明する断面摸式図。 本発明の非接触型電力伝送装置を説明する断面摸式図。 本発明の非接触型電力伝送装置を説明する断面摸式図。図3(a)は、図1の凹部と凸部にツメを形成した場合を示す図、図3(b)は、図1の凹部と凸部にツメを形成した場合を示す図。 本発明の実施例および比較例の構成断面図。図4(a)は、実施例の図1に実装基板を配した場合を示す図、図4(b)は、実施例の図2に実装基板を配した場合を示す図、図4(c)は、従来例の図6(c)に実装基板を配した場合を示す図。 本発明の実施例および比較例の磁束分布図、図5(a)は、図4(a)での磁束分布図、図5(b)は、図4(b)での磁束分布図、図5(c)は、図4(c)での磁束分布図。 従来の非接触型電力伝送装置を説明する断面摸式図。図6(a)は、従来構造1を示す図、図6(b)は、従来構造2を示す図、図6(c)は、従来構造3を示す図。
符号の説明
1a、1b、1d、1e 1次コイル
2a、2b、2d、2e 2次コイル
3a、3b、3d、3e 1次側軟磁性体
4a、4b、4d 2次側軟磁性体
5a、5b、5c、5d、5e 1次側筐体
6a、6b、6c、6d、6e 2次側筐体
7a、7b、7d、7e 凸部
8a、8b、8d、8e 凹部
9a、9b ツメ
10 1次側基板
11 2次側基板
13a、13b 磁気空隙

Claims (2)

  1. 空隙を介して対向させた、平面状の2つのコイル間における電磁誘導作用を利用する非接触型電力伝送装置であって、前記2つのコイルが対向する面側と反対面側の前記2つのコイルの各近傍に、前記2つのコイルの面積より大きい軟磁性体をそれぞれ配置すると共に、前記軟磁性体の何れか一方の中心部には、前記2つのコイルの少なくとも一方の中芯部を貫くように突起部を形成したことを特徴とする非接触型電力伝送装置。
  2. 対向する前記2つのコイルの各々が別々の筺体に実装、内蔵され、前記筺体には、互いに嵌合する凹部と凸部をそれぞれ有し、かつ前記凹部と凸部の各表面に更に互いに嵌合する凹部と凸部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の非接触型電力伝送装置。
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