JP2024036094A - 産業車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】荷物の運搬を効率良く行うことができる産業車両を提供する。【解決手段】産業車両1は、荷受位置と荷置位置との間で予め設定されたルートで荷物を運搬する産業車両であって、産業車両1の走行に用いられるバッテリ30と、荷物の重量を検知する検知部10と、産業車両1のルートにおける走行の可否を判断する判断部20と、を備え、判断部20は、荷物の重量と、荷受位置と荷置位置との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータを参照し、バッテリ30の残容量が運搬必要容量よりも大きい場合に上記ルートにおける走行が可能と判断する。【選択図】図2

Description

本開示は、産業車両に関する。
特許文献1には、蓄電装置に蓄電された電力を用いて走行する電動車に搭載されたナビゲーション装置が記載されている。このナビゲーション装置では、車両のバッテリの残存電力量情報とモード電費値とに基づいて、目的地点までの走行の可否が判断される。モード電費値は、車両の単位走行距離当たりの必要電力量を示す一意の値となっている。
特開2013-152149号公報
荷受位置と荷置位置との間で予め設定されたルートで荷物を運搬する産業車両に特許文献1に記載の技術を適用する場合、走行の可否を判断するにあたっては、荷物を目的位置まで運搬するのに必要な容量(以下、「必要容量」)が一意に定められる。一般に、運搬する荷物の重量を含めた産業車両の総重量が変化すると、必要容量は変化する。より具体的には、産業車両の総重量が大きいほど、必要容量は大きくなる。したがって、必要容量を一意に定める場合、産業車両が運搬する荷物のうち重量の大きい荷物に対応させて必要容量を高く設定することが考えられる。
しかしながら、必要容量を高く設定すると、該必要容量に対応する重量よりも小さい重量の荷物を運搬する際に、実際にはバッテリの残量が該荷物を運搬するのに十分な残量であったとしても、走行が不可能と判断されるおそれがある。したがって、必要容量を一意に定めた場合には、走行の可否の判断を適切に行うことができず、荷物の運搬を効率良く行えないおそれがある。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、荷物の運搬を効率良く行うことができる産業車両を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る産業車両は、荷受位置と荷置位置との間で予め設定されたルートで荷物を運搬する産業車両であって、産業車両の走行に用いられるバッテリと、荷物の重量を検知する検知部と、産業車両のルートにおける走行の可否を判断する判断部と、を備える。判断部は、荷物の重量と、荷受位置と荷置位置との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータを参照し、バッテリの残容量が運搬必要容量よりも大きい場合に上記ルートにおける走行が可能と判断する。
この産業車両では、運搬する荷物の重量と、荷受位置と荷置位置との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータが参照される。そして、この産業車両では、バッテリの残容量が運搬必要容量よりも大きい場合に、上記ルートにおける走行が可能であると判断される。運搬必要容量の推定にあたっては、運搬する荷物の重量に応じた容量が推定されるので、上記ルートにおける走行の可否の判断が適切に行われる。したがって、この産業車両は、バッテリの残容量が運搬必要容量以下に減少するまで上記ルートの走行を継続でき、荷物の運搬を効率良く行うことができる。
判断部は、バッテリの充電位置に移動するための充電必要容量を推定し、バッテリの残容量が運搬必要容量以下であり且つ充電必要容量よりも大きい場合に、充電位置への移動を指示してもよい。この場合、上記ルートにおける走行が不可能と判断された車両に対して充電位置への移動が指示されるので、バッテリの残容量が減少した場合であっても、速やかに車両を荷物の運搬に復帰させることが可能となる。
判断部は、バッテリの残容量が所定の閾値以下である場合に、上記ルートにおける走行の可否を判断してもよい。この場合、バッテリの残容量が十分である場合に走行の可否の判断が省略されるため、判断部における処理の負荷を軽減することができる。
判断部は、上記ルートにおける走行が可能でないと判断した場合に、その旨を報知する報知情報を生成してもよい。この場合、上記ルートにおける走行が可能でないことを産業車両の監視者等に報知することができる。該報知に応じて、走行が可能な他の産業車両を用いる等の処理を実施することで、荷物の運搬の継続性を高めることができる。
本開示によれば、荷物の運搬を効率良く行うことができる産業車両を提供することができる。
図1は、産業車両の走行の一例を示す概要図である。 図2は、産業車両の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、荷物の重量と運搬必要容量との関係を示すデータの一例を示す図である。 図4は、産業車両の動作の一例を示すフローチャートである。 図5は、産業車両の動作の別の例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係る産業車両の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1を参照して、産業車両1の走行の一例について説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る産業車両1の走行の一例を示す概要図である。産業車両1は、例えば物流倉庫等において、荷物を運搬するフォークリフトとして構成されている。一例では、産業車両1は、荷受位置P1で荷物を受け取り、荷物を保持した状態で荷置位置P2まで走行する。そして、荷置位置P2で荷置きを行い、荷物を保持していない状態で荷受位置P1まで走行し、再度荷物を受け取る。産業車両1は、この動作を繰り返し行う。すなわち、産業車両1は、荷受位置P1と荷置位置P2とを往復しながら、荷物の運搬を行う。さらに、産業車両1は、充電位置P3にて、産業車両1が備えるバッテリ30(図2参照)の充電を行う。バッテリ30は、例えば産業車両1の車体内部に配置されており、産業車両1は、バッテリ30を電源として走行する。
図1に示される例では、荷受位置P1と荷置位置P2との間には、ルートL1,L2が設定されている。ルートL1は荷受位置P1から荷置位置P2に向かう経路を示し、ルートL2は荷置位置P2から荷受位置P1に向かう経路を示す。産業車両1は、各ルートL1,L2を走行して、荷物の運搬を行う。産業車両1は、荷物を保持した状態でルートL1を走行し、荷物を保持していない状態でルートL2を走行する。本実施形態では、ルートL1とルートL2とは、荷受位置P1と荷置位置P2との間において、同一の経路として予め設定されている。ルートL1とルートL2とは、荷受位置P1と荷置位置P2との間において、異なる経路として予め設定されていてもよい。
さらに、荷受位置P1と充電位置P3との間にはルートL3が設定され、荷置位置P2と充電位置P3との間にはルートL4が設定されている。図1に示される例では、ルートL3は、荷受位置P1と充電位置P3との間における双方向の移動が行われる経路として予め設定されている。同様に、ルートL4も、荷置位置P2と充電位置P3との間における双方向の移動が行われる経路として予め設定されている。産業車両1は、各ルートL3,L4を走行して、荷受位置P1及び荷置位置P2から充電位置P3までの移動を行う。
産業車両1が運搬する荷物の重量は、荷物毎に異なる。したがって、運搬する荷物毎に該荷物を含む産業車両1の総重量が変化するので、各ルートL1,L2,L3,L4を走行するのに必要な必要容量も変化する。そのような荷物の重量の変化に鑑み、産業車両1は、荷物の重量に応じて、各ルートL1,L2,L3,L4を走行するのに必要な必要容量を推定し、バッテリ30の残容量と推定された必要容量とを比較することで、各ルートL1,L2,L3,L4における走行の可否を判断する。以下では、当該機能を実現するための機能構成の詳細を説明する。
図2は、産業車両1の構成の一例を示すブロック図である。上述した機能を実現するために、産業車両1は、検知部10、判断部20、記憶部40、及び走行制御部50を備えている。
検知部10は、産業車両1が運搬する荷物の重量を検知する部分である。検知部10は、産業車両1が荷物を受け取ったことを示す情報を受け取ると、荷物の重量を検知する。一例では、検知部10は、産業車両1が備える荷物を保持する部分に設置されたセンサを用いて、荷物の重量を検知する。検知部10は、荷物の重量の検知結果を示す情報を判断部20に出力する。
判断部20は、産業車両1の走行の可否を判断する部分である。判断部20は、産業車両1の走行の可否を判断するための機能要素として、算出部21、推定部22、比較部23、及び生成部24を有する。以下では、判断部20の機能要素について詳細に説明する。
算出部21は、バッテリ30の残容量を算出する部分である。算出部21は、バッテリ30の残容量を算出するにあたって、電流量を用いて残容量を算出してもよく、バッテリ30の寿命を推定することによって残容量を算出してもよい。本実施形態では、算出部21は、荷受位置P1におけるバッテリ30の残容量X1及び荷置位置P2におけるバッテリ30の残容量X2を算出する。残容量X2は、荷受位置P1から荷置位置P2まで荷物の運搬をした後に算出されるので、残容量X2は残容量X1よりも小さい値として算出される。一例では、算出部21は、荷物の運搬を繰り返し行うにあたって、荷受位置P1又は荷置位置P2に移動する度に、バッテリ30の残容量を算出する。算出部21は、算出したバッテリ30の残容量を比較部23に出力する。
推定部22は、走行に必要な必要容量を推定する部分である。一例では、推定部22は、荷受位置P1と荷置位置P2との間で荷物を運搬する際の必要容量である運搬必要容量の推定と、荷受位置P1又は荷置位置P2と充電位置P3との間を移動する際の必要容量である充電必要容量の推定とを行う。以下では、まず、運搬必要容量の推定について説明する。推定部22は、検知部10から荷物の重量の検知結果を示す情報を受け取ると、荷物の重量と荷受位置P1と荷置位置P2との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータDを参照して、運搬必要容量を推定する。
本実施形態では、推定部22は、ルートL1における運搬必要容量Y1及びルートL2における運搬必要容量Y2を推定する。上述したように、産業車両1は、荷物を保持した状態でルートL1を走行し、荷物を保持していない状態でルートL2を走行する。したがって、ルートL1とルートL2とでは、産業車両1が運搬する荷物の重量が異なっている。そのため、同一の経路として設定されているルートL1とルートL2とであっても、運搬必要容量Y1と運搬必要容量Y2とは異なる値として推定される。推定部22は、推定した運搬必要容量Y1,Y2を比較部23に出力する。
図3は、荷物の重量と運搬必要容量との関係を示すデータDの一例を示す図である。図3に示される例では、荷物の重量と運搬必要容量との関係が線形となっており、荷物の重量が増加するほど運搬必要容量が増加する関係となっている。本実施形態では、データDは、記憶部40に記憶されている。データDは、荷物の重量を変えながら、ルートL1,L2における運搬必要容量を実測することで生成され、記憶部40に予め記憶されている。
続いて、充電必要容量の推定について説明する。本実施形態では、推定部22は、ルートL3における充電必要容量Z1及びルートL4における充電必要容量Z2を推定する。各充電必要容量Z1,Z2は、荷物を保持していない状態でルートL3,L4を走行する際の必要容量として設定される。本実施形態では、各充電必要容量Z1,Z2は記憶部40に予め記憶されており、推定部22は記憶部40を参照することで各充電必要容量Z1,Z2を推定する。推定部22は、推定した充電必要容量Z1,Z2を比較部23に出力する。
比較部23は、残容量X1,X2と各種パラメータとを比較する部分である。本実施形態では、比較部23は、走行の可否の判断を行うか否かの比較と、走行の可否を判断するための比較とを行う。
以下では、まず、走行の可否の判断を行うか否かの比較について説明する。走行の可否の判断を行うか否かを判断するにあたって、比較部23は、残容量X1,X2と、所定の閾値とを比較する。比較部23は、残容量X1,X2が所定の閾値よりも大きい場合には、走行の可否を判断しない。本実施形態では、所定の閾値は、運搬必要容量Y1,Y2を推定するまでもなく、各ルートL1,L2における走行が可能であると判断される容量として設定される。例えば、所定の閾値は、バッテリ30の総容量の任意の割合で設定されてもよい。一例では、所定の閾値は、バッテリ30の総容量の10%で設定されてもよい。あるいは、所定の閾値は、運搬必要容量の最大値の2以上の定数倍で設定されてもよい。
残容量X1,X2が所定の閾値よりも大きい場合には、比較部23は、残容量X1,X2と各必要容量との比較を行うことなく、対応するルートにおける走行が可能であると判断する。この場合、比較部23は、対応するルートにおける走行が可能であることを示す情報を走行制御部50に出力する。残容量X1,X2が所定の閾値以下である場合には、比較部23は、後述する残容量X1,X2と各必要容量との比較をさらに行い、対応するルートにおける走行の可否を判断する。
次に、各ルートL1~L4における走行の可否の判断するための比較について説明する。
ルートL1における走行の可否の判断にあたって、比較部23は、算出部21から受け取った残容量X1と、推定部22から受け取った運搬必要容量Y1とを比較する。比較部23は、残容量X1と運搬必要容量Y1とを比較し、残容量X1が運搬必要容量Y1よりも大きい場合にルートL1における走行が可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL1における走行が可能であることを示す情報を走行制御部50に出力する。比較部23は、残容量X1と運搬必要容量Y1とを比較し、残容量X1が運搬必要容量Y1以下である場合にルートL1における走行が不可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL1における走行が不可能であることを示す情報を生成部24に出力する。
ルートL2における走行の可否の判断にあたって、比較部23は、算出部21から受け取った残容量X2と、推定部22から受け取った運搬必要容量Y2とを比較する。比較部23は、残容量X2と運搬必要容量Y2とを比較し、残容量X2が運搬必要容量Y2よりも大きい場合にルートL2における走行が可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL2における走行が可能であることを示す情報を走行制御部50に出力する。比較部23は、残容量X2と運搬必要容量Y2とを比較し、残容量X2が運搬必要容量Y2以下である場合にルートL2における走行が不可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL2における走行が不可能であることを示す情報を生成部24に出力する。
ルートL3における走行の可否の判断にあたって、比較部23は、算出部21から受け取った残容量X1と、推定部22から受け取った充電必要容量Z1とを比較する。比較部23は、残容量X1と充電必要容量Z1とを比較し、残容量X1が充電必要容量Z1よりも大きい場合にルートL3における走行が可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL3における走行が可能であることを示す情報を走行制御部50に出力する。比較部23は、残容量X1と充電必要容量Z1とを比較し、残容量X1が充電必要容量Z1以下である場合にルートL3における走行が不可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL3における走行が不可能であることを示す情報を生成部24に出力する。
ルートL4における走行の可否の判断にあたって、比較部23は、算出部21から受け取った残容量X2と、推定部22から受け取った充電必要容量Z2とを比較する。比較部23は、残容量X2と充電必要容量Z2とを比較し、残容量X2が充電必要容量Z2よりも大きい場合にルートL4における走行が可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL4における走行が可能であることを示す情報を走行制御部50に出力する。比較部23は、残容量X2と充電必要容量Z2とを比較し、残容量X1が充電必要容量Z2以下である場合にルートL4における走行が不可能と判断する。この場合、比較部23は、ルートL4における走行が不可能であることを示す情報を生成部24に出力する。
生成部24は、各ルートL1~L4における走行が可能でない旨を報知する報知情報を生成する部分である。生成部24は、比較部23から各ルートL1~L4における走行が不可能であることを示す情報を受け取ると、対応するルートに関する報知情報を生成する。本実施形態では、生成部24は、報知情報を生成し、生成した報知情報を産業車両1の管理者に報知する。
走行制御部50は、産業車両1の走行を制御する部分である。走行制御部50は、比較部23から、各ルートL1~L4のうちいずれかのルートにおける走行が可能であることを示す情報を受け取ると、対応するルートにおいて産業車両1を走行させる。例えばルートL1における走行が可能であることを示す情報を受け取った場合、走行制御部50は、荷受位置P1から荷置位置P2までをルートL1に沿うように産業車両1を走行させる。一例では、走行制御部50は、産業車両1が備えている不図示のモータ及び車輪等を制御して、産業車両1を走行させる。
図4及び図5を参照して、産業車両1の動作の一例について説明する。図4は、産業車両1の動作の一例を示すフローチャートである。図5は、産業車両1の動作の別の例を示すフローチャートである。
まず、図4を参照して、産業車両1が荷受位置P1から荷置位置P2まで移動する際の動作について、説明する。
ステップS11では、検知部10が荷物の重量を検出する。ステップS12では、算出部21が残容量X1を算出する。ここでは、算出部21は、荷受位置P1におけるバッテリ30の残容量として、残容量X1を算出する。ステップS13では、比較部23が残容量X1が所定の閾値よりも大きいか否かを比較する。ここでは、比較部23は、残容量X1と所定の閾値とを比較することで、ルートL1における走行の可否を判断するか否かを判断する。
残容量X1が所定の閾値よりも大きい場合(ステップS13においてYES)、比較部23は、バッテリ30がルートL1における走行を行うのに十二分な残容量を有しているとして、ルートL1における走行の可否を判断しない。この場合、処理はステップS16に進む。残容量X1が所定の閾値以下である場合(ステップS13においてNO)、比較部23は、バッテリ30がルートL1における走行を行うのに十二分な残容量を有していないとして、ルートL1における走行の可否を判断する。この場合、処理はステップS14に進む。
ステップS14では、推定部22が運搬必要容量Y1を推定する。ここでは、推定部22は、荷物の重量と荷受位置P1と荷置位置P2との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータDを参照して、運搬必要容量Y1を推定する。ステップS15では、比較部23が残容量X1と運搬必要容量Y1とを比較する。ここでは、比較部23は、残容量X1と運搬必要容量Y1とを比較することで、ルートL1における走行の可否を判断する。
残容量X1が運搬必要容量Y1よりも大きい場合(ステップS15においてYES)、比較部23は、ルートL1における走行が可能であると判断する。この場合、処理はステップS16に進む。残容量X1が運搬必要容量Y1以下である場合(ステップS15においてNO)、比較部23は、ルートL1における走行が不可能であると判断する。この場合、処理はステップS17に進む。
ステップS16では、走行制御部50が荷置位置P2への運搬を指示する。ここでは、走行制御部50は、産業車両1が備えているモータ及び車輪等を制御して、荷置位置P2までルートL1に沿うように産業車両1を走行させる。
ステップS17では、推定部22が充電必要容量Z1を推定する。ここでは、推定部22は、記憶部40を参照することで、充電必要容量Z1を推定する。ステップS18では、比較部23が残容量X1と充電必要容量Z1とを比較する。ここでは、比較部23は、残容量X1と充電必要容量Z1とを比較することで、ルートL3における走行の可否を判断する。
残容量X1が充電必要容量Z1よりも大きい場合(ステップS18においてYES)、比較部23は、ルートL3における走行が可能であると判断する。したがって、本実施形態では、残容量X1が運搬必要容量Y1以下であり且つ充電必要容量Z1よりも大きい場合、比較部23は、ルートL3における走行が可能と判断する。この場合、処理はステップS19に進む。残容量X1が充電必要容量Z1以下である場合(ステップS18においてNO)、比較部23は、ルートL3における走行が不可能であると判断する。したがって、本実施形態では、残容量X1が運搬必要容量Y1及び充電必要容量Z1以下である場合、比較部23は、ルートL3における走行が不可能と判断する。この場合、処理はステップS20に進む。
ステップS19では、走行制御部50が充電位置P3への移動を指示する。ここでは、走行制御部50は、産業車両1が備えているモータ及び車輪等を制御して、充電位置P3までルートL3に沿うように産業車両1を走行させる。
ステップS20では、生成部24が報知情報を生成する。ここでは、生成部24は、ルートL1及びルートL3における走行が可能でない旨を報知する報知情報を生成し、生成した報知情報を産業車両1の管理者に報知する。
次に、図5を参照して、産業車両1が荷置位置P2から荷受位置P1まで移動する際の動作について、説明する。
ステップS31では、算出部21が残容量X2を算出する。ここでは、算出部21は、荷置位置P2におけるバッテリ30の残容量として、残容量X2を算出する。ステップS13では、比較部23が残容量X2が所定の閾値よりも大きいか否かを比較する。ここでは、比較部23は、残容量X2と所定の閾値とを比較することで、ルートL2における走行の可否を判断するか否かを判断する。
残容量X2が所定の閾値よりも大きい場合(ステップS32においてYES)、比較部23は、バッテリ30がルートL2における走行を行うのに十二分な残容量を有しているとして、ルートL2における走行の可否を判断しない。この場合、処理はステップS35に進む。残容量X2が所定の閾値以下である場合(ステップS32においてNO)、比較部23は、バッテリ30がルートL2における走行を行うのに十分な残容量を有していないとして、ルートL2における走行の可否を判断する。この場合、処理はステップS33に進む。
ステップS33では、推定部22が、運搬必要容量Y2を推定する。ここでは、推定部22は、荷物の重量と荷受位置P1と荷置位置P2との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータDを参照して、運搬必要容量Y2を推定する。本実施形態では、ルートL2における走行において、産業車両1は荷物を保持していないので、荷物の重量を「0」として、データDを参照する。
ステップS34では、比較部23が残容量X2と運搬必要容量Y2とを比較する、ここでは、比較部23は、残容量X2と運搬必要容量Y2とを比較することで、ルートL2における走行の可否を判断する。
残容量X2が運搬必要容量Y2よりも大きい場合(ステップS34においてYES)、比較部23は、ルートL2における走行が可能であると判断する。この場合、処理はステップS35に進む。残容量X2が運搬必要容量Y2以下である場合(ステップS34においてNO)、比較部23は、ルートL2における走行が不可能であると判断する。この場合、処理はステップS36に進む。
ステップS35では、走行制御部50が荷受位置P1への移動を指示する。ここでは、走行制御部50は、産業車両1が備えているモータ及び車輪等を制御して、荷受位置P1までルートL2に沿うように産業車両1を走行させる。
ステップS36では、推定部22が充電必要容量Z2を推定する。ここでは、記憶部40を参照することで、充電必要容量Z2を推定する。ステップS37では、比較部23が、残容量X2と充電必要容量Z2とを比較する。ここでは、比較部23は、残容量X2と充電必要容量Z2とを比較することで、ルートL4における走行の可否を判断する。
残容量X2が充電必要容量Z2よりも大きい場合(ステップS37においてYES)、比較部23は、ルートL4における走行が可能であると判断する。したがって、本実施形態では、残容量X2が運搬必要容量Y2以下であり且つ充電必要容量Z2よりも大きい場合、比較部23は、ルートL4における走行が可能と判断する。この場合、処理はステップS38に進む。残容量X2が充電必要容量Z2以下である場合(ステップS37においてNO)、比較部23は、ルートL4における走行が不可能であると判断する。したがって、本実施形態では、残容量X2が運搬必要容量Y2及び充電必要容量Z2以下である場合、比較部23は、ルートL4における走行が不可能と判断する。この場合、処理はステップS39に進む。
ステップS38では、走行制御部50が充電位置P3への移動を指示する。ここでは、走行制御部50は、産業車両1が備えているモータ及び車輪等を制御して、充電位置P3までをルートL4に沿うように産業車両1を走行させる。
ステップS39では、生成部24が報知情報を生成する。ここでは、生成部24は、ルートL2及びルートL4における走行が可能でない旨を報知する報知情報を生成し、生成した報知情報を産業車両1の管理者に報知する。
以上説明したように、産業車両1では、運搬する荷物の重量と、荷受位置P1と荷置位置P2との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータDが参照される。そして、産業車両1では、バッテリ30の残容量X1が運搬必要容量Y1よりも大きい場合にルートL1における走行が可能であると判断され、残容量X2が運搬必要容量Y2よりも大きい場合にルートL2における走行が可能であると判断される。各運搬必要容量Y1,Y2の推定にあたっては、運搬する荷物の重量に応じた容量が推定されるので、ルートL1,L2における走行の可否の判断が適切に行われる。したがって、産業車両1は、バッテリ30の残容量X1,X2が対応する運搬必要容量Y1,Y2以下に減少するまでルートL1,L2の走行を継続でき、荷物の運搬を効率良く行うことができる。
産業車両1では、判断部20は、バッテリ30の充電位置P3に移動するための充電必要容量Z1,Z2を算出する。そして、判断部20は、バッテリ30の残容量X1が運搬必要容量Y1以下であり且つ充電必要容量Z1よりも大きい場合に荷受位置P1から充電位置P3への移動を指示し、バッテリ30の残容量X2が運搬必要容量Y2以下であり且つ充電必要容量Z2よりも大きい場合に荷置位置P2から充電位置P3への移動を指示する。この場合、上記ルートにおける走行が不可能と判断された産業車両1に対して充電位置P3への移動が指示されるので、バッテリ30の残容量が減少した場合であっても、速やかに車両を荷物の運搬に復帰させることが可能となる。
産業車両1では、判断部20は、バッテリ30の残容量X1,X2が所定の閾値以下である場合に、ルートL1,L2における走行の可否を判断する。この場合、バッテリ30の残容量が十分である場合に走行の可否の判断が省略されるため、判断部20における処理の負荷を軽減することができる。
産業車両1では、判断部20は、ルートL1~L4における走行が可能でないと判断した場合に、その旨を報知する報知情報を生成する。この場合、ルートL1~L4における走行が可能でないことを産業車両1の監視者等に報知することができる。該報知に応じて、走行が可能な他の産業車両を用いる等の処理を実施することで、荷物の運搬の継続性を高めることができる。
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上述した実施形態においては、図1に示されるように、充電位置P3が荷受位置P1寄りに配置されているが、充電位置P3の配置は上述した配置に限定されない。充電位置P3は、例えば荷置位置P2寄りに配置されていてもよく、荷受位置P1及び荷置位置P2から等距離にある位置に配置されていてもよい。
ルートL1,L2における走行の可否の判断にあたっては、残容量X1,X2と運搬必要容量Y1,Y2との関係は、上述した実施形態での関係に限定されない。例えば、比較部23は、残容量X1が運搬必要容量Y1以上である場合にルートL1における走行が可能と判断し、残容量X1は運搬必要容量Y1より小さい場合にルートL1における走行が不可能と判断してもよい。同様に、比較部23は、残容量X2が運搬必要容量Y2以上である場合にルートL2における走行が可能と判断し、残容量X1は運搬必要容量Y2より小さい場合にルートL2における走行が不可能と判断してもよい。この場合、推定された運搬必要容量に誤差等が生じた際に産業車両1が荷物の運搬中に停止することを防止することができ、荷物の運搬をより一層効率良く行うことができる。
ルートL3,L4における走行の可否の判断にあたっても、残容量X1,X2と充電必要容量Z1,Z2との関係は、上述した実施形態での関係に限定されない。例えば、比較部23は、残容量X1が充電必要容量Z1以上である場合にルートL3における走行が可能と判断し、残容量X1が充電必要容量Z1より小さい場合にルートL3における走行が不可能と判断してもよい。同様に、比較部23は、残容量X2が充電必要容量Z2以上である場合にルートL4における走行が可能と判断し、残容量X2が充電必要容量Z2より小さい場合にルートL4における走行が不可能と判断してもよい。この場合、推定された充電必要容量に誤差等が生じた際に産業車両1が充電位置P3への移動中に停止することを防止することができ、充電位置P3への移動をより一層効率良く行うことができる。
充電必要容量Z1,Z2は、荷物を保持している状態でルートL3,L4を走行する際の必要量として設定されてもよい。この場合、荷物の重量とルートL3における充電必要容量との関係を示すデータ、及び、荷物の重量とルートL4における充電必要容量との関係を示すデータが、例えば記憶部40に記憶されている。推定部22は、各データを参照して、ルートL3における充電必要容量及びルートL4における充電必要容量を推定する。一例では、各データは、荷物の重量を変えながら、ルートL3,L4における充電必要容量を実測することで生成され、記憶部40に予め記憶されている。
例えば、産業車両1は、必ずしも記憶部40を備えていなくてもよい。この場合、荷物の重量と荷受位置P1と荷置位置P2との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータD及び充電必要容量Z1,Z2は、産業車両1とは異なる外部サーバに記憶されていてもよい。この構成では、該外部サーバから所定の通信ネットワークを介してデータD及び充電必要容量Z1,Z2を受信することで、推定部22での運搬必要容量Y1,Y2及び充電必要容量Z1,Z2の推定を実施できる。
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本開示の要旨は、以下の[1]~[4]のとおりである。
[1]荷受位置と荷置位置との間で予め設定されたルートで荷物を運搬する産業車両であって、産業車両の走行に用いられるバッテリと、荷物の重量を検知する検知部と、産業車両の前記ルートにおける走行の可否を判断する判断部と、を備え、判断部は、前記荷物の重量と、前記荷受位置と前記荷置位置との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータを参照し、前記バッテリの残容量が前記運搬必要容量よりも大きい場合に前記ルートにおける走行が可能と判断する、産業車両。
[2]前記判断部は、前記バッテリの充電位置に移動するための充電必要容量を推定し、前記バッテリの残容量が前記運搬必要容量以下であり且つ前記充電必要容量よりも大きい場合に、前記充電位置への移動を指示する、[1]記載の産業車両。
[3]前記判断部は、前記バッテリの残容量が所定の閾値以下である場合に、前記荷物の運搬の可否を判断する、[1]又は[2]記載の産業車両。
[4]前記判断部は、前記荷物の運搬が可能でないと判断した場合に、その旨を報知する報知情報を生成する、[1]~[3]のいずれか記載の産業車両。
1…産業車両、10…検知部、20…判断部、30…バッテリ、D…データ、L1,L2,L3,L4…ルート、P1…荷受位置、P2…荷置位置、P3…充電位置、X1,X2…残容量、Y1,Y2…運搬必要容量、Z1,Z2…充電必要容量。

Claims (4)

  1. 荷受位置と荷置位置との間で予め設定されたルートで荷物を運搬する産業車両であって、
    前記産業車両の走行に用いられるバッテリと、
    前記荷物の重量を検知する検知部と、
    前記産業車両の前記ルートにおける走行の可否を判断する判断部と、を備え、
    前記判断部は、前記荷物の重量と、前記荷受位置と前記荷置位置との間で荷物を運搬する際の運搬必要容量との関係を示すデータを参照し、前記バッテリの残容量が前記運搬必要容量よりも大きい場合に前記ルートにおける走行が可能と判断する、産業車両。
  2. 前記判断部は、前記バッテリの充電位置に移動するための充電必要容量を推定し、前記バッテリの残容量が前記運搬必要容量以下であり且つ前記充電必要容量よりも大きい場合に、前記充電位置への移動を指示する、請求項1記載の産業車両。
  3. 前記判断部は、前記バッテリの残容量が所定の閾値以下である場合に、前記ルートにおける走行の可否を判断する、請求項1記載の産業車両。
  4. 前記判断部は、前記ルートにおける走行が可能でないと判断した場合に、その旨を報知する報知情報を生成する、請求項1~3のいずれか一項記載の産業車両。
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