JP2024035562A - 顕微鏡用保温装置 - Google Patents

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    • G02B21/24Base structure
    • G02B21/30Base structure with heating device

Abstract

【課題】顕微鏡のステージには開口部が有り、そこから検体を入れた培養容器の底部がステージの下側に向けて露出している。そのため、検体が室温の影響を受け易い。特に、倒立顕微鏡では、室温で冷やされた対物レンズにより熱がより奪われ易くなっている。【解決手段】カバー9は、ステージBの開口部b1と対物レンズCをその根元に位置するレボルバーD毎囲んでおり、ステージBの開口部b1はステージBに載置されたウエルプレート等の培養容器Eの底部e1で閉塞されるので、底部e1と共に閉鎖空間51を作り上げている。この閉鎖空間51は、温風送風機構19から送風された温風により全体が温められるが、温風は横方向から開口部b1と対物レンズCの下側のレボルバーDの周辺部に向けて吹き出される。従って、レボルバーDやそこに取り付けた対物レンズCが温ガスで包み込まれるように、開口部b1の下側空間が集中的に温められる。従って、培養容器Eの底部e1はもとより光学部品が温度ムラなくじんわりと温められる。【選択図】 図11

Description

本発明は、細胞等の検体を入れた培養容器を顕微鏡のステージに載置したときに検体を適正な保温状態に維持するのに適した顕微鏡用保温装置に関するものである。
細胞等の検体を培養容器内で培養しながら顕微鏡観察を可能とするためには、従来は、ステージより上側の空間に着目し、ステージ上に載置された培養容器を上側から所謂保温箱で囲い、その保温箱の内部の空間を温めるという考え方が主流であり、特許文献1、非特許文献1では、外の空気をヒータで加熱した後、ファンやダクトを使用してその箱内に温風として吹き込むことが提案されている。
実公平03-025598号公報 特開2003-107364号公報
Incubator NL Ti2 BLACK 2000,PECon GmbH - Specialist for Cell and Tissue Culture Systems on the Microscope[令和4年7月13日検索],インターネット <https://www.pecon.biz/products/product/?pid=5390|incubator_NL_Ti2_BLACK_2000> Objective Heater S,PeCon GmbH - Specialist for Cell and Tissue Culture Systems on the Microscope [令和4年7月13日検索],インターネット <https://www.pecon.biz/products/product/?pid=5354%7CObjective_Heater_S>
而して、ステージには開口部(透過窓)が有り、そこから検体を入れた培養容器の底部がステージの下側に向けて露出している。そのため、特許文献1、非特許文献1に記載のような保温の仕方では、培養容器の内底面に置かれている検体が室温の影響を受け易くなっており、室温が低い場合には培養容器側の保温が不十分になってしまう。
また、簡易タイプでは、保温箱の代わりに、特許文献2に記載のように、培養容器を収容した培養器を閉鎖系にすると共に、ヒータ機能を持たせて保温状態を確保したものがある。培養器毎ステージ上に設置するコンパクトなものになっており、用途に応じて保温箱タイプと使い分けられているが、このタイプでも、検体を入れた培養容器の底部がステージの下側に向けて露出している。そのため、上記と同様に、培養容器の内底面に置かれている検体が室温の影響を受け易くなっている。
特に、倒立顕微鏡では、高倍率で検体を観察する場合や油浸または水浸を用いる場合に、 対物レンズがステージの開口部で露出した培養容器の底部の下面に極端に接近したり、接触したりするため、室温が低い場合には、冷やされた対物レンズにより熱がより奪われ易くなる。
これに対して、非特許文献2では、対物レンズに外嵌式のレンズヒータを取り付けて対物レンズを直接温めることが提案されている。しかしながら、レンズヒータに接触した側から熱が直接に伝わるので、対物レンズに温度差ができ易く、室温が急激に下がると、その差が大きくなるため、温度の変化に繊細なレンズは破損するリスクがある。また、対物レンズのレンズ径に対応したものを外嵌するので、汎用性が乏しい。更に、観察の便宜を考慮して、通常はレボルバーに少なくとも高倍率・低倍率の2種類の対物レンズを装着しており、それぞれの対物レンズにレンズヒータを取り付けた状態でレボルバーを回転させると、レンズヒータのコードが絡まる恐れがある。加えて、補正環付き対物レンズの場合には、レンズヒータを取り付けると、補正環の操作がし難い。
顕微鏡観察における精度に対する要求は年々高まっており、本発明は、上記の課題をクリアして、細胞等の検体を入れた培養容器を顕微鏡のステージに載置したときに検体を適正な保温状態に維持するのに適した顕微鏡用保温装置を提供することをその目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、顕微鏡のステージの開口部からその下側に位置するレンズに連なる空間を囲んで、前記ステージに載置して前記開口部を閉塞した容器の底部と共に閉鎖空間を作り上げるカバーと、前記閉鎖空間の温度を検知する温度センサと、前記閉鎖空間に向けて温風を送風する循環式の温風送風機構を備え、 前記温度センサからのセンサ情報に基づいて前記温風送風機構から送風された温風により、前記閉鎖空間が温められることで、前記容器の底部を介して、容器内の検体が保温状態に維持されることを特徴とする顕微鏡用保温装置である。
好ましくは、ステージの板面方向を囲むプレート状被取付け部を有しており、前記被取付け部に対して、カバーと温風送風機構のケースが互いに横方向で連通しながら、下側から取付けられている。
より好ましくは、温風送風機構は、ケースの内部に、空気循環用のブロアと、前記ブロアの吸引側に設けられ、フィンの間を流通経路とする空気に対して放熱するフィン型ヒートシンクと、前記ブロアと前記ヒートシンクとの間に介装されたバッファ室を備えたもので構成されており、前記ブロアが送風手段だけでなく前記バッファ室に陰圧を付与する陰圧付与手段にもなっている。
より好ましくは、ブロアは被取付け部に対して防振連結されている。
更により好ましくは、ケース内で立設された防振材のブロックにより、ブロアと、バッファ室を画定すると共にヒートシンクを囲う隔壁部が上下方向で積み重なり一体化した状態で持ち上げ支持されている。
より好ましくは、一対のヒートシンクが加発熱体を挟んで背面合わせになって、空気の流通経路が蛇行している。
顕微鏡用保温装置は、被取付け部を底面部とし、ステージを含む顕微鏡の上部を囲む保温箱を更に備える構成にできる。
好ましくは、保温箱の底面部および側面部の内面にヒータパネルが接合されて、前記ヒータの上面が平らな載置面になっている。
好ましくは、保温箱の側面部および天面部は、発泡ポリエチレン樹脂シートをアルミ薄板でサンドしたアルミ複合材で形成されている。
本発明の顕微鏡用保温装置は、対物レンズに熱を奪され易い倒立顕微鏡に組付けるのに適している。その場合には、カバーがレボルバーまで含めて閉鎖空間を作り上げる。
本発明の顕微鏡用保温装置を顕微鏡に組み付けた状態で、培養容器を顕微鏡のステージに載置すれば、検体を適正な保温状態に維持できる。
本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用保温装置を顕微鏡に組付けた状態を示す斜視図である。 図1の顕微鏡用保温装置の顕微鏡のステージの下側部分の斜視図である。 図1の顕微鏡用保温装置の正面図である。 図1から保温箱を図示省略した斜視図ある。 図4の一部省略拡大斜視図である。 図5の温風送風機構の斜視図である。 図6の温風送風機構の分解斜視図である。 図6の温風送風機構の縦断面図である。 図1の顕微鏡用保温装置を用いて、培養容器を保温する状態を示す斜視図である。 図9の培養容器の下側空間において生じる温風のイメージ図である。 図10とは別の方向から示した、温風のイメージ図である。 図1の顕微鏡用保温装置を用いたときの温度分布の解析データである。 図2のヒータパネルの斜視図とアルミ複合材の断面図である 加湿用ボトルの使用例の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡用保温装置を顕微鏡に装着した状態を示す斜視図である。
本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡用保温装置1について、図面にしたがって説明する。
図1~図5に示すように、顕微鏡用保温装置1は、倒立顕微鏡Aに組付けるタイプになっており、プレート状被取付け部としてベースプレート3が板面を上下方向に向けた姿勢で一対のブラケット5、5に支持されながら組付けられている。ベースプレート3には、一対のブラケット5、5の間に大きな開口部7が設けられており、組付けた状態では、倒立顕微鏡AのステージBの板面方向がこの開口部7で囲まれている。開口部7の口縁の一部は当て付け部になっており、ガタが吸収されている。
ベースプレート3の板面は横長長方形になっており、顕微鏡取付用のブラケット5、5を挟んだ左右方向が長くなっている。
このベースプレート3の下面側にカバー9が取付けられている。このカバー9は扁平な有底の四角箱状になっており、側面部9aの上縁がベースプレート3に対して固定されている。このカバー9にも倒立顕微鏡Aを囲うように、その底面部9bの中央部分に開口部11が設けられている。開口部11の口縁は当て付け部になっており、倒立顕微鏡Aに対して対物レンズCの下側で当て付けられて倒立顕微鏡A側との隙間が閉じられている。この当て付け分はレボルバーDよりも下方の位置にあり、カバー9はステージBの開口部から対物レンズC更にはレボルバーDに連なる空間を下側から覆い被せるように配置されている。
カバー9の底面部9bは、左右方向が前後方向よりも長い長方形状になっているが、図5に示すように、左右方向一方の側面部9aの前面側の角部は矩形状に欠落して隅部になっている。この隅部では、側面部9aは左右方向内方側が全面開口しており、後面側は上半部が開口している。この開口した隅部13に角部が嵌り込むように小さなケース15が連設されている。ケース15は有底の四角箱状になっている。ケース15はカバー9と同様にベースプレート3に取付けられている。このケース15の側面部15aはカバー9側と対向した側は同じように開口しており、カバー9側との横方向で連通した連通口17になっている。ケース15は上方視で略正方形になっており、底面部15bはカバー9の底面部9bとほぼ同じ高さ位置にある。
温風送風機構19は、このケース15の内部に種々の部品を備えたもので構成されている。
図6~図8に示すように、略正方形の固定板21の四隅からそれぞれスペーサ柱23、23、23、23(正面側の1本は図示省略)が立ち上がっており、各スペーサ柱23の上端部はナット25になっている。
符号27はシリコン樹脂製の防振ゲルで形成された四角形の防振ブロックを示す。防振ブロック27は、固定板21の一辺縁側で対向するスペーサ柱23、23の間で、大きい板面を横方向に向けた立ち姿勢で配置されている。一対の防振ブロック27、27が対向配置されている。
この対向した防振ブロック27、27の上端面に取付板29が渡設されている。取付板29は対向する一対の辺縁側ではそれぞれほぼ直角に二段階にわたって折り曲げられて、一段下がった段差面29aが作られている。また、中央部には円形の開口部29bが設けられている。
各防振ブロック27は、この段差面29aの下面と固定板21の上面との間で配置されており、防振ブロック27の上面は段差面29aの下面に、下面は固定板21の上面にそれぞれ適宜な手段により圧着されている。
取付板29は防振ブロック27、27により梁状に渡設されており、開口部29bの下方の空間は開いているが、そこにバッファ枠体31と、ベース枠体33が下側から固定されている。バッファ枠体31とベース枠体33は共に有底の角形で、上下方向に直交する面の外面のサイズは同じでほぼ四角形になっている。
バッファ枠体31には、〇で囲った上面図に示すように、底面部31aの一方の辺隅部に沿って長円形の通気穴31bが設けられている。
また、ベース枠体33には、一つの側面部33aの下部の辺角部に沿って長円形の通気穴33bが設けられている。
ベース枠体33上にバッファ枠体31をそれぞれの外側面を揃えながら積み重ねられ、取付板29に対してネジ止め固定されており、バッファ枠体31とベース枠体33は一体化して吊下げられている。
この吊下げ状態では、下側にくるベース枠体33の下面と固定板21の上面との間には僅かであるが隙間34が残されている。また、バッファ枠体31側の通気穴31bと、ベース枠体33側の通気穴33bは同じ方向に寄っている。
ベース枠体33の上側開口は、バッファ枠体31の底面部31aで閉じられており、バッファ枠体31側とは通気穴31bを介して連通している。
バッファ枠体31の上側開口は、取付板29で閉じられており、取付板29の上方とは取付板29の開口部29bを介して連通している。
ベース枠体33の凹内面には、フィン型のヒートシンク35が収容されている。ヒートシンク35は支持プレート35aと、支持プレート35aの上面上に立設された多数の放熱フィン35b、35b、……で構成されている。各放熱フィン35bは角形平板状をなしており、板面が横方向を向いた状態で立ち上がっている。放熱フィン35b、35bb、……は規則正しく平面状に縦横配列されており、直交方向一方向では隣り合う板厚どうしが狭い間隔をあけて対向し、他方向では隣り合う板面どうしが広い間隔をあけて対向している。この広い間隔の間が空気流通経路37として利用されており、矢印に示すように、空気が流通する。
ヒートシンク35は2個収容されており、それぞれの支持プレート35a、35aが背中合わせになるように上下方向で積み重ねられている。
各ヒートシンク35は、ベース枠体33の凹内面に内嵌収容されるように角形になっており、空気流通経路37、37、……がベース枠体33側の通気穴33b側の側面部33aの板面と直交する向きで収容されている。従って、通気穴33bが下側のヒートシンク35の空気流通経路37、37、……と連通する。
上下の支持プレート35a、35aの間には、発熱体としてニクロム線39が這わされており、上下の支持プレート35a、35aは共にこのニクロム線39に熱的に接続されて下段、上段のヒートシンク35、35が放熱作用を起こす。
ニクロム線39を束ねたコードの配置スペースを確保するために、上側のヒートシンク35は、下側のヒートシンク35よりも長さ寸法が幾分か小さくなっており、コードを通す穴側に隙間41が形成されている。
取付板29の上面に空気循環用のブロア43が載せられている。このブロア43は吸引口側を取付板29に向けて設置されており、取付板29の開口部29bがブロア43の吸引口と連通している。
従って、バッファ枠体31の上側開口は、ブロア43の底面部で閉塞されて、バッファ室45が画定されている。
ブロア43の吐出口43aは、ベース枠体33の通気穴33b側を向いている。
ケース15の内部に、温風送風機構19の固定板21を下側にブロア43を上側にした姿勢で収められている。ベースプレート3には貫通穴が設けられており、その貫通穴とスペーサ柱23側のナット25を利用して、ベースプレート3に対してネジ止め固定されている。
固定板21の下面と、ケース15の内底面との間には僅かな隙間があり、温風送風機構19のバッファ枠体31、ベース枠体33側がベースプレート3に対して吊下げられた状態になっている。すなわち、防振ブロック27、27により、ブロア43と、バッファ枠体31やベース枠体33で構成された隔壁部が上下方向で積み重なり一体化した状態で持ち上げ支持されている。
温風送風機構19では、ブロア43がモータ駆動すると、バッファ室45が陰圧になり、図8の矢印に示すように、ベース枠体33の通気穴33bから空気が吸い込まれ、下段のヒートシンク35の空気流通経路37を流通して温められた後に、隙間41を介して上昇し、上段のヒートシンク35の空気流通経路37を通り、蛇行経路を辿りながらバッファ効果により均一且つ十分に温められた状態で、通気穴31bを通り抜けて、バッファ室45に流入する。その後に、ブロア43の吸引口に吸引され、吐出口43aから適当な風量の温風として吐出される。
上記のように、ブロア43は、送風手段だけでなくバッファ室45に陰圧を付与する陰圧付与手段にもなっている。
図2、図4、図5に示すように、符号47は熱電体タイプの温度センサを示す。この温度センサ47のコード47aはカバー9に設けられた通し部9cを介して挿入されている。この先端の検知部47b側はカバー9内でホルダ49により固定されており、検知部47bがカバー9内の空間に突き出た状態になっている。
コントローラ(図示省略)が、温風送風機構19をフィードバック制御しており、温度センサ47からのセンサ情報に基づいてニクロム線39の発熱量が増減し、ブロア43から吐出される温風の温度が変更される。
カバー9は、ステージBの開口部b1と対物レンズCをその根元に位置するレボルバーD毎囲んでおり、図9~図11に示すように、ステージBの開口部b1はステージBに載置されたウエルプレート等の培養容器Eの底部e1で閉塞されるので、底部e1と共に閉鎖空間51を作り上げている。
吐出口43aの向きは調整されており、図10、図11に示すように、温風は横方向から、対物レンズCの下側の特に室温の影響を受け易いレボルバーDの周辺部に向けて、矢印に示すように、吹き出される。その後、温風は閉鎖空間51を画定する仕切りや対物レンズCなどに当たりその方向を変えて乱流となりつつ、風速を緩める。そして、周囲の空気と混ざり合い、レボルバーDや対物レンズCの外面をなぜつつ、上昇して底部e1に向かう。従って、底部e1の直下では、無風の温気になっている。
このように、閉鎖空間51は、温風送風機構19の吐出口43aから送風された温風により全体が温められ、種々のサイズの対物レンズCが複数取り付けられていても補正環があっても影響良く、光学部品が温度ムラなくじんわりと温められる。培養容器Eも底部e1を介して熱を受け取って温められる。また、底部e1側では無風になっているので、液浸タイプの対物レンズも使用できる。
温風送風機構19は、上記した構成になっており、小型且つ軽量でステージBの近傍に設置することが可能になっている一方で、高い効率で十分に温められた空気を大風量で温風として吹き出せるので、室温の変化に影響されずに、上記した下側空間を適正な温度で安定して保温することが可能になっている。
図12は、温度分布の実験結果を示しており、室温が下がっても、目的とする37℃温度調節が実現できていることが確認されている。
ベースプレート3を底面部として利用して、図1、図3に示すように、ステージBより上側の空間も保温箱53が組付けられて閉鎖空間55になっている。
この保温箱53は四角形の箱状になっており、前面部が外扉53aと内扉53bになっている。
保温箱53の底面部となるベースプレート3と、側面部53cの内面には、PTCヒータ製のヒータパネル57が接合されている。図13に示すように、ヒータパネル57は保温箱53の内面側の形状に合わせて形付けられており、その素材になっているPTCヒータは自己温度制御タイプになっており、コントローラからの面倒な制御が必要無いので、装置全体の制御を単純化できる。
また、保温箱53の側面部53cと天面部53dはアルミ複合材59を利用して製作されている。
このアルミ複合材59は、発泡ポリエチレン樹脂シート59aをアルミ薄板59b、59bでウレタン系接着剤59cを介してサンドしたものになっており、ポリエチレンフィルム59dで表層が覆われている。従来の保温箱の筐体の素材であった硬質塩ビ材(比重:1.45、熱伝導率:0.16w/(m・K))より、アルミ複合材59(比重:0.81(45%減)、熱伝導率:0.118w/(m・K)(16%減))は、熱伝導率が低く、保温性が良い。また、アルミ複合材59の方が軽量で且つ、約1.5倍剛性が高い。
このアルミ複合材59とヒータパネル57との併用により、閉鎖空間55を殆ど無風状態で適正な保温環境に維持することができる。
本発明では、ステージBの下側に先ず着目して、上記したように、ヒータとして温風送風機構19を仕込んで、その下側をフィードバッグ制御しながら温めているが、ステージBの上側もこのように補助的に温めることで、培養容器E内の検体を適正な保温環境に維持することがより容易になっている。
この保温箱53では、ファンや送風用のダクトが入り込んでいないので、閉鎖空間55をすっきりとした広い空間にしながら、その空間全体をムラなく均一に温めることができる。
そのため、ステージの可動範囲の先方に余裕があり、熱量の大きいヒータパネル57の平らな上面を載置面として、その上に別の培養容器Eや加湿用ボトル61(図14)を直置きすることができる。培養環境では、保温だけでなく保湿も重要な要素になっているが、加湿用ボトル61を保温箱53内に置いておけば、ボトルの底部から十分な熱を常時安定的に受け取れるので、ボトル内の液体が勝手にガス化して通気穴61aから矢印に示すように空間に逃げていくので自動的に保湿も図れる。
一方、保温箱53をステージの可動範囲プラスアルファ程度のサイズにコンパクト化することもできる。このように、保温箱53の設計の自由度が高くなる。
また、倒立顕微鏡Aの周囲が熱カーテンで覆われた状態になっているので、保温箱53の外扉53aと内扉53bを開けて全面開放しても、温度変化は最小限に抑えられ、保温状態が安定的に維持される。
本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡用保温装置63では、図15に示すように、保温箱53が組付けられておらず、ステージBの上側空間は開放されている。
培養容器Eを特許文献2に記載のような培養器65にセットする。この培養器65には、発熱機能を有した透明なトッププレート65aを備えており、培養容器Eの内部を上側から温めるようになっている。また、ステージBに当接する部分にはアルミ製の加熱プレートが接合されており、当接部分も温められるようになっている。
但し、培養器65内の狭い空間を加温しているので、保温箱53のような容積的な効果が得られず、第1の実施の形態の保温箱53を利用したものを高精度タイプとすると、この第2の実施の形態のものは簡易タイプになっている。
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、防振連結は、ベースプレート3とブロア43との間に防振部材が介装されていれば確立されるので、例えば、ケース15に防振ブロック27を介してブロア43を連結させてよい。
また、第1の実施の形態では、ウエルプレート等の培養容器EをステージBに載置しているが、より精度の高い培養環境にしたい場合には、第2の実施の形態に示したような培養器65にセットした上でこの培養器65をステージBに載置することも可能である。
1…顕微鏡用保温装置(第1の実施の形態)
3…ベースプレート 5…ブラケット 7…開口部
9…カバー 9a…側面部 9b…底面部
9c…通し部 11…開口部 13…隅部
15…ケース 15a…側面部 15b…底面部
17…連通口 19…温風送風機構 21…固定板
23…スペーサ柱 25…ナット 27…防振ブロック
29…取付板 29a…段差面 29b…開口部
31…バッファ枠体 31a…底面部 31b…通気穴
33…ベース枠体 33a…側面部 33b…通気穴
34…隙間 35…ヒートシンク 35a…支持プレート
35b…放熱フィン 37…空気流通経路 39…ニクロム線
41…隙間 43…ブロア 43a…吐出口
45…バッファ室 47…温度センサ 47a…コード
47b…検知部 49…ホルダ 51…閉鎖空間
53…保温箱 53a…外扉 53b…内扉
53c…側面部 53d…天面部 55…閉鎖空間
57…ヒータパネル 59…アルミ複合材
59a…発泡ポリエチレン樹脂シート 59b…アルミ薄板
59c…ウレタン系接着剤 59d…ポリエチレンフィルム
61…加湿用ボトル 61a…通気穴
63…顕微鏡用保温装置(第2の実施の形態)
65…培養器 65a…トッププレート
A…倒立顕微鏡 B…ステージ b1…(ステージの)開口部
C…対物レンズ D…レボルバー
E…培養容器 e1…(容器の)底部

Claims (10)

  1. 顕微鏡のステージの開口部からその下側に位置するレンズに連なる空間を囲んで、前記ステージに載置して前記開口部を閉塞した容器の底部と共に閉鎖空間を作り上げるカバーと、
    前記閉鎖空間の温度を検知する温度センサと、
    前記閉鎖空間に向けて温風を送風する循環式の温風送風機構を備え、
    前記温度センサからのセンサ情報に基づいて前記温風送風機構から送風された温風により、前記閉鎖空間が温められることで、前記容器の底部を介して、容器内の検体が保温状態に維持されることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  2. 請求項1に記載した顕微鏡用保温装置において、
    ステージの板面方向を囲むプレート状被取付け部を有しており、
    前記被取付け部に対して、カバーと温風送風機構のケースが互いに横方向で連通しながら、下側から取付けられていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  3. 請求項2に記載した顕微鏡用保温装置において、
    温風送風機構は、ケースの内部に、空気循環用のブロアと、前記ブロアの吸引側に設けられ、フィンの間を流通経路とする空気に対して放熱するフィン型ヒートシンクと、前記ブロアと前記ヒートシンクとの間に介装されたバッファ室を備えたもので構成されており、前記ブロアが送風手段だけでなく前記バッファ室に陰圧を付与する陰圧付与手段にもなっていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  4. 請求項3に記載した顕微鏡用保温装置において、
    ブロアは被取付け部に対して防振連結されていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  5. 請求項4に記載した顕微鏡用保温装置において、
    ケース内で立設された防振材のブロックにより、ブロアと、バッファ室を画定すると共にヒートシンクを囲う隔壁部が上下方向で積み重なり一体化した状態で持ち上げ支持されていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  6. 請求項5に記載した顕微鏡用保温装置において、
    一対のヒートシンクが加発熱体を挟んで背面合わせになって、空気の流通経路が蛇行していることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  7. 請求項2から6のいずれかに記載した顕微鏡用保温装置において、
    被取付け部を底面部とし、ステージを含む顕微鏡の上部を囲む保温箱を更に備えることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  8. 請求項7に記載した顕微鏡用保温装置において、
    保温箱の底面部および側面部の内面にヒータパネルが接合されて、前記ヒータの上面が平らな載置面になっていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  9. 請求項8に記載した顕微鏡用保温装置において、
    保温箱の側面部および天面部は、発泡ポリエチレン樹脂シートをアルミ薄板でサンドしたアルミ複合材で形成されていることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
  10. 請求項7に記載した顕微鏡用保温装置において、
    倒立顕微鏡に組付け、カバーがレボルバーまで含めて閉鎖空間を作り上げることを特徴とする顕微鏡用保温装置。
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