JP2024035105A - 有機電子素子、及び化合物 - Google Patents

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信道 新井
Nobumichi Arai
宏和 新屋
Hirokazu Araya
恵理子 太田
Eriko Ota
壮史 岡田
Takeshi Okada
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Abstract

【課題】正孔の輸送能力を向上させることができる有機電子素子、及び該有機電子素子に用いられる正孔の輸送能力を向上させることができる化合物を提供する。【解決手段】第一の電極11、第二の電極16、および前記第一の電極と前記第二の電極の間に配置された有機層を含む有機電子素子であって、前記有機層は、下記式(1)で示される化合物を含有する、有機電子素子。JPEG2024035105000079.jpg53125【選択図】図1

Description

本発明は、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有するヘテロ芳香族環を有する化合物、および該化合物を含む有機電子素子に関する。
現在、有機物を用いた新しい高機能デバイスの創製が積極的に試みられており、特に光電変換素子、有機EL素子等の有機電子素子に関する研究開発が活発に行われ、デバイスの高性能化を目指した材料・デバイス設計が進められている。例えば、動画撮影用途に用いられる光電変換素子においては、受光層で生成したキャリア(電子および正孔)を電極に運ぶ速度が遅いと残像の原因になるという問題があった。有機EL素子においては、電極から発光層へキャリアを輸送する速度が遅いと、駆動電圧を上昇させるという問題があった。したがって、デバイスの高性能化のためには、素子内でのキャリアの高効率な移動が必要とされている。
ピラジン縮環された1,2,5-オキサジアゾール環を含む化合物について正孔輸送材料としての移動度を測定した結果が開示されている(非特許文献1参照)。
しかし、有機電子素子の分野においては一層の性能向上が求められており、そのためにさらなる改良を必要としている。
ACS Omega 2020,5,8200-8210.
本発明の目的は、正孔の輸送能力を向上させることができる有機電子素子、及び該有機電子素子に用いられる正孔の輸送能力を向上させることができる化合物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有するヘテロ芳香族環を有する特定の化合物が光電変換素子、有機EL素子等の有機電子素子において正孔輸送能力を向上させ得ることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を包含するものである。
[1]第一の電極、第二の電極、および前記第一の電極と前記第二の電極の間に配置された有機層を含む有機電子素子であって、
前記有機層は、下記式(1)で示される化合物を含有する、有機電子素子。
(式(1)中、
環Aは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数7~30のヘテロ芳香族環を表す;
環Bは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または核原子数5~30のヘテロ芳香族環を表す;
環Cは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または炭素原子数6~30の芳香族炭化水素環を表す;
Arは、
シアノ基、カルボニル基、
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、
トリフルオロメチル基、メチル基
炭素原子数2~10のフルオロアルキル基、炭素原子数2~10のアルキル基、
フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数6~18の芳香族炭化水素基、および、
フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数3~17の複素芳香族基の群より選ばれる基、またはこれらの群の中から選ばれる2つ以上の基を組み合わせた基を表す;
nは、0~8の整数を表す;
nが2以上の時、複数のArはそれぞれ異なっていてもよい。)
[2]第一の電極、第二の電極、および前記第一の電極と前記第二の電極の間に配置された有機層および受光層を含む有機電子素子であって、
前記有機層は、前記式(1)で示される化合物を含有する、[1]に記載の有機電子素子。
[3]前記受光層が、少なくとも二種の有機成分を含有する層である、[2]に記載の有機電子素子。
[4]第一の電極、第二の電極、および前記第一の電極と前記第二の電極の間に配置された有機層を含む有機電子素子であって、
前記有機層は、正孔輸送層、および前記式(1)で示される化合物を含有する正孔輸送促進層を含むか、または、正孔輸送材料と前記式(1)で示される化合物とを混合してなる層を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の有機電子素子。
[5]前記正孔輸送層と前記正孔輸送促進層とが、前記第一の電極と前記第二の電極の間に隣接して配置されている[4]に記載の有機電子素子。
[6]前記式(1)中、環Aが、下記式(A-1)~下記式(A-13)のいずれかで表される、[1]~[5]のいずれかに記載の有機電子素子。
Figure 2024035105000003

(式(A-1)~式(A-13)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
[7]環Aが、前記(A-2)、または前記(A-4)である、[6]に記載の有機電子素子。
[8]前記式(1)中、環Bが、下記式(B-1)~下記式(B-40)のいずれかで表される、[1]~[7]のいずれかに記載の有機電子素子。
Figure 2024035105000004

(式(B-1)~式(B-40)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
[9]前記式(1)中、環Cが、下記式(C-1)~下記式(C-50)のいずれかで表される、[1]~[8]のいずれかに記載の有機電子素子。
Figure 2024035105000007

(式(C-1)~式(C-50)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
[10]下記式(1)で表される化合物。
(式(1)中、
環Aは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数7~30のヘテロ芳香族環を表す;
環Bは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または核原子数5~30のヘテロ芳香族環を表す;
環Cは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または炭素原子数6~30の芳香族炭化水素環を表す;
Arは、
シアノ基、カルボニル基、
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、
トリフルオロメチル基、メチル基
炭素原子数2~10のフルオロアルキル基、炭素原子数2~10のアルキル基、
フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数6~18の芳香族炭化水素基、および、
フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数3~17の複素芳香族基の群より選ばれる基、またはこれらの群の中から選ばれる2つ以上の基を組み合わせた基を表す;
nは、0~8の整数を表す;
nが2以上の時、複数のArはそれぞれ異なっていてもよい。)
[11]前記式(1)中、環Aが、下記式(A-1)~下記式(A-13)のいずれかで表される、[10]に記載の化合物。
Figure 2024035105000012

(式(A-1)~式(A-13)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
[12]環Aが、前記(A-2)、または前記(A-4)である、[11]に記載の化合物。
[13]前記式(1)中、環Bが、下記式(B-1)~下記式(B-40)のいずれかで表される、[10]~[12]のいずれかに記載の化合物。
Figure 2024035105000013

(式(B-1)~式(B-40)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
[14]前記式(1)中、環Cが、下記式(C-1)~下記式(C-50)のいずれかで表される、[10]~[13]のいずれかに記載の化合物。
Figure 2024035105000016

(式(C-1)~式(C-50)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
[15]Arが、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ジトリフルオロメチルフェニル基、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、シアノフルオロフェニル基、シアノトリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、シアノピリジル基、ジシアノピリジル基、シアノフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、ジトリフルオロメチルピリジル基、ピラジル基、メチルピラジル基、ジメチルピラジル基、フルオロピラジル基、ジフルオロピラジル基、シアノピラジル基、ジシアノピラジル基、シアノフルオロピラジル基、トリフルオロメチルピラジル基、ジトリフルオロメチルピラジル基、ピリミジル基、メチルピリミジル基、ジメチルピリミジル基、フルオロピリミジル基、ジフルオロピリミジル基、シアノピリミジル基、ジシアノピリミジル基、シアノフルオロピリミジル基、トリフルオロメチルピリミジル基、ジトリフルオロメチルピリミジル基、トリアジル基、メチルトリアジル基、ジメチルトリアジル基、フルオロトリアジル基、ジフルオロトリアジル基、シアノトリアジル基、ジシアノトリアジル基、シアノフルオロトリアジル基、トリフルオロメチルトリアジル基、ジトリフルオロメチルトリアジル基、キノリル基、メチルキノリル基、ジメチルキノリル基、フルオロキノリル基、ジフルオロキノリル基、シアノキノリル基、ジシアノキノリル基、シアノフルオロキノリル基、トリフルオロメチルキノリル基、ジトリフルオロメチルキノリル基、イソキノリル基、メチルイソキノリル基、ジメチルイソキノリル基、フルオロイソキノリル基、ジフルオロイソキノリル基、シアノイソキノリル基、ジシアノイソキノリル基、シアノフルオロイソキノリル基、トリフルオロメチルイソキノリル基、ジトリフルオロメチルイソキノリル基、ナフチル基、フェナントリル基、またはアントリル基である、[10]~[14]のいずれかに記載の化合物。
[16]
前記式(1)で示される化合物が正孔輸送促進用材料である、[10]~[15]のいずれかに記載の化合物。
本発明により、正孔の輸送能力を向上させることができる有機電子素子、及び該有機電子素子に用いられる正孔の輸送能力を向上させることができる化合物を提供することができる。
本発明に係る光電変換素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る有機EL素子の積層構成の一例を示す概略断面図である。
(有機電子素子)
本発明の有機電子素子は、光電変換素子および有機電界発光素子(有機EL素子)を含む。光電変換素子は、光エネルギーを電気エネルギーや電気信号に変換する素子であり、撮像素子、光センサ、太陽電池等を含む。
本発明の有機電子素子は、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極の間に配置された有機層を含む。
有機層は、下記式(1)で示される化合物を含有する。
上記式(1)で示される化合物についての詳しい説明は、後述する。
有機層は、正孔輸送層、および上記式(1)で示される化合物を含有する正孔輸送促進層を含むか、または、正孔輸送材料と前記式(1)で示される化合物とを混合してなる層を含む態様であることが好ましい。
ここで、正孔輸送層は正孔を輸送する役割を有し、正孔輸送材料を含有する。正孔輸送促進層は、第一の電極と正孔輸送層の間に配置され、正孔輸送と電極の間の正孔のやりとりをスムーズにする役割を有し、正孔輸送促進材料を含有する。
本発明では、上記式(1)で示される化合物は、正孔輸送促進材料として用いられる。
本発明の有機電子素子の好ましい実施態様として、光電変換素子が挙げられる。光電変換素子は、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極の間に配置された有機層および受光層を含む。
以下、有機電子素子の素子構成について、光電変換素子を例に説明する。
<光電変換素子の構成>
本発明に係る光電変換素子は、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極の間に配置された有機層を含み、有機層は正孔輸送領域を含む。正孔輸送領域は、第一の電極と受光層との間の領域を指し、例えば正孔輸送層及び正孔輸送促進層を含む。
本発明では、正孔輸送促進層に含有される正孔輸送促進材料として、上記式(1)で示される化合物を用いることができる。
正孔輸送領域は、好ましくは第一の電極に隣接している。
光電変換素子は、他の層を含むことができる。他の層としては一般に光電変換素子に使用される層が挙げられる。例えば、受光層、電子輸送層、正孔阻止層、電子阻止層、バッファ層等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に係る光電変換素子は、例えば、第一の電極、正孔輸送促進層、正孔輸送層、および第二の電極がこの順で積層されているか、または第一の電極、正孔輸送層を形成する正孔輸送材料と上記式(1)で示される化合物とが混合されてなる層、および第二の電極がこの順で積層されている。
また、光電変換素子は、例えば、第一の電極、正孔輸送促進層、および正孔輸送層がこの順で隣接して積層されていてもよいし、第一の電極と正孔輸送促進層の間、または正孔輸送促進層と正孔輸送層の間にバッファ層等の他の層が介在していてもよい。
一形態において、本発明に係る光電変換素子は、第一の電極、正孔輸送促進層、正孔輸送層、受光層、および第二の電極がこの順で積層されている。別の形態において、本発明に係る光電変換素子は、第一の電極、正孔輸送促進層、正孔輸送層、受光層、電子輸送層、および第二の電極がこの順で積層されている。上記各層は隣接して積層されていてもよいし、上記任意の層と層の間に他の層が介在していてもよい。
光電変換素子は、第一の電極側および第二の電極側のいずれから光が入射してもよく、第一の電極および第二の電極のいずれが透明電極であってもよい。例えば、透明電極(第二の電極)、電子輸送層、受光層、正孔輸送層、正孔輸送促進層、および金属電極(第一の電極)の順に積層された構造であってよく、透明電極(第一の電極)、正孔輸送促進層、正孔輸送層、受光層、電子輸送層、及び金属電極(第二の電極)の順に積層された構造であってもよい。更に、第一の電極および第二の電極は共に透明電極であってもよい。
次に、有機電子素子が有機EL素子の場合についても説明する。
<有機EL素子の構成>
本発明に係る有機EL素子は、第一の電極、第二の電極、および第一の電極と第二の電極の間に配置された有機層を含み、有機層は正孔輸送領域を含む。正孔輸送領域は、第一の電極と発光層との間の領域を指し、例えば正孔輸送層及び正孔輸送促進層を含む。
本発明では、正孔輸送促進層に含有される正孔輸送促進材料として、上記式(1)で示される化合物を用いることができる。
正孔輸送領域は、好ましくは第一の電極に隣接している。
有機EL素子は、他の層を含むことができる。他の層としては一般に有機EL素子に使用される層が挙げられる。例えば、発光層、電子輸送層、正孔阻止層、電子阻止層、バッファ層等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に係る有機EL素子は、例えば、第一の電極、正孔輸送促進層、正孔輸送層、および第二の電極がこの順で積層されているか、または第一の電極、正孔輸送層を形成する正孔輸送材料と上記式(1)で示される化合物とが混合されてなる層、および第二の電極がこの順で積層されている。
また、有機EL素子は、例えば、第一の電極、正孔輸送促進層、および正孔輸送層がこの順で隣接して積層されていてもよいし、また、第一の電極と正孔輸送促進層の間、または正孔輸送促進層と正孔輸送層の間にバッファ層等の他の層が介在していてもよい。
一形態において、本発明に係る有機EL素子は、第一の電極、正孔輸送促進層、正孔輸送層、発光層、および第二の電極がこの順で積層されている。別の形態において、本発明に係る有機EL素子は、第一の電極、正孔輸送促進層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および第二の電極がこの順で積層されている。上記各層は隣接して積層されていてもよいし、上記任意の層と層の間に他の層が介在していてもよい。
有機EL素子は、第一の電極側および第二の電極側のいずれから光を取り出してもよく、第一の電極および第二の電極のいずれが透明電極であってもよい。例えば、透明電極(第二の電極)、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔輸送促進層、および金属電極(第一の電極)の順に積層された構造であってよく、透明電極(第一の電極)、正孔輸送促進層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び金属電極(第二の電極)の順に積層された構造であってもよい。更に、第一の電極および第二の電極は共に透明電極であってもよい。
次に、本発明の有機電子素子において、正孔輸送促進材料として有機層に含有される式(1)で示される化合物について説明する。
<式(1)で示される化合物>
本発明の有機電子素子における有機層は、下記式(1)で示される化合物を含有する。
式(1)中、
環Aは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数7~30のヘテロ芳香族環を表す;
環Bは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または核原子数5~30のヘテロ芳香族環を表す;
環Cは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または炭素原子数6~30の芳香族炭化水素環を表す;
Arは、
シアノ基、カルボニル基、
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、
トリフルオロメチル基、メチル基
炭素原子数2~10のフルオロアルキル基、炭素原子数2~10のアルキル基、
フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数6~18の芳香族炭化水素基、および、
フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数3~17の複素芳香族基の群より選ばれる基、またはこれらの群の中から選ばれる2つ以上の基を組み合わせた基を表す;
nは、0~8の整数を表す;
nが2以上の時、複数のArはそれぞれ異なっていてもよい。
本明細書において、環A~環C等で表される置換基において、「核原子数」を規定した場合、該「核原子数(環形成原子数)」とは、該置換基における骨格の原子数を示す。例えば、環Aの具体的な基として例示した下記(A-1)の置換基における核原子数は7である。
上記式(1)中、環Aは、下記式(A-1)~下記式(A-13)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 2024035105000022
式(A-1)~式(A-13)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。
環Aは、素子性能が優れる点で、上記(A-2)、または上記(A-4)であることが好ましく、上記(A-4)であることがより好ましい。
上記式(1)中、環Bは、下記式(B-1)~下記式(B-40)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 2024035105000023
式(B-1)~式(B-40)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。
環Bは、素子性能が優れる点で、上記(B-1)、上記(B-2)、上記(B-4)、上記(B-14)、上記(B-15)、上記(B-16)、または上記(B-21)が好ましく、上記(B-4)、上記(B-14)、または上記(B-21)がより好ましい。
上記式(1)中、環Cは、下記式(C-1)~下記式(C-50)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 2024035105000026
式(C-1)~式(C-50)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。
環Cは、素子性能が優れる点で、上記(C-1)、上記(C-2)、上記(C-3)、上記(C-4)、上記(C-14)、上記(C-15)、上記(C-16)、上記(C-21)、上記(C-41)、または上記(C-42)が好ましく、上記(C-4)、上記(C-14)、上記(C-16)、上記(C-21)、または上記(C-41)がより好ましい。
Arの具体例としては、特に限定するものではないが、例えば、
シアノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、アダマンチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、ノナフルオロブトキシ基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、シアノフルオロフェニル基、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、トリシアノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントレニル基、ピレニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、シアノナフチル基、ジシアノナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、ビストリフルオロメチルナフチル基、
メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、シアノピリジル基、ジシアノピリジル基、トリシアノピリジル基、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、トリフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、ビストリフルオロメチルピリジル基、シアノ-フルオロピリジル基、シアノ-トリフルオロメチルピリジル基、
メチルピラジル基、ジメチルピラジル基、シアノピラジル基、ジシアノピラジル基、トリシアノピラジル基、フルオロピラジル基、ジフルオロピラジル基、トリフルオロピラジル基、トリフルオロメチルピラジル基、ビストリフルオロメチルピラジル基、シアノ-フルオロピラジル基、シアノ-トリフルオロメチルピラジル基、
メチルピリミジル基、ジメチルピリミジル基、シアノピリミジル基、ジシアノピリミジル基、トリシアノピリミジル基、フルオロピリミジル基、ジフルオロピリミジル基、トリフルオロピリミジル基、トリフルオロメチルピリミジル基、ビストリフルオロメチルピリミジル基、シアノ-フルオロピリミジル基、シアノ-トリフルオロメチルピリミジル基、
メチルトリアジル基、ジメチルトリアジル基、シアノトリアジル基、ジシアノトリアジル基、トリシアノトリアジル基、フルオロトリアジル基、ジフルオロトリアジル基、トリフルオロトリアジル基、トリフルオロメチルトリアジル基、ビストリフルオロメチルトリアジル基、シアノ-フルオロトリアジル基、シアノ-トリフルオロメチルトリアジル基等が挙げられる。これら挙げられた基の群の中から選ばれる2つ以上の基を組み合わせた基であってもよい。
すなわち、アダマンチルフェニル基、ピリジルフェニル基、ジピリジルフェニル基、(シアノピリジル)フェニル基、(ジシアノピリジル)フェニル基、(フルオロピリジル)フェニル基、(ジフルオロピリジル)フェニル基、(トリフルオロメチルピリジル)フェニル基、(ビストリフルオロメチルピリジル)フェニル基、(アダマンチルピリジル)フェニル基、
アダマンチルピリジル基、フェニルピリジル基、ジフェニルピリジル基、(シアノフェニル)ピリジル基、(ジシアノフェニル)ピリジル基、(フルオロフェニル)ピリジル基、(ジフルオロフェニル)ピリジル基、(ペンタフルオロフェニル)ピリジル基、(トリフルオロメチルフェニル)ピリジル基、(ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジル基、(アダマンチルフェニル)ピリジル基、(ビフェニリルフェニル)ピリジル基、(ピリジルフェニル)ピリジル基、(ナフチルフェニル)ピリジル基、
ビス(トリフルオロメチルフェニル)トリアジル基、ビス(ビストリフルオロメチルフェニル)トリアジル基、ビス(ジフルオロピリジル)トリアジル基、ビス(シアノフェニル)トリアジル基、ビス(ペンタフルオロフェニル)トリアジル基、(ジフェニルトリアジル)フェニル基等であってもよい。
この中でシアノ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、フルオロ基、ブロモ基、ヨウド基、クロロ基、フェニル基、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ナフチル基、シアノナフチル基、フルオロナフチル基、ジフルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、ピリジル基、フェニルピリジル基、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、ビストリフルオロメチルピリジル基、が好ましく、
電子求引基であるシアノ基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、フルオロ基、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ピリジル基、フェニルピリジル基、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、ビストリフルオロメチルピリジル基が更に好ましい。
式(1)中、Arは、化合物のLUMO準位を調整することができ、素子性能が優れる点で、電子求引基を有していることが好ましい。
また、式(1)中のArは、アモルファス性の向上が期待できる点で、オルト構造を有する置換基やアルキル基またはフルオロアルキル基を含有する基であることが好ましい。
式(1)中、nは、蒸着性能が優れる点で、0~4が好ましく、0、1、または2がより好ましい。
式(1)で示される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、本発明の化合物はこれらに限定されない。
Figure 2024035105000030
Figure 2024035105000031
Figure 2024035105000032
Figure 2024035105000033
Figure 2024035105000034
Figure 2024035105000035
Figure 2024035105000036
Figure 2024035105000037
Figure 2024035105000038
Figure 2024035105000039
Figure 2024035105000040
Figure 2024035105000041
Figure 2024035105000042
Figure 2024035105000043
Figure 2024035105000044
Figure 2024035105000045
上記式(1)で示される化合物は、例えばScheme(1)、Scheme(2)、またはScheme(3)に示される方法で合成することができる。すなわち、2つ以上のカルボニル基を有する化合物(E1)、(E2)または(E3)と、1,2,5-オキサジアゾール環を有するジアミン化合物(F)を酸存在下で環形成する反応を用いることで、式(1)で示される化合物を合成することができる。
ここでの(E1)、(E2)または(E3)は、従来公知の手法(例えばLiebigs Annalen Der Chemie,1962,657,131-141.;Coloration Technology,2017,133,498-505.;J.Org.Chem,2010,75,6858-6868.;Tetrahedron,1969,25,3935-3945.;Tetrahedron,2010,66,8888-8892.等)を組み合わせることによって合成することができる。
(式中、環B、環C、及びArは前記に記載のものと同じ置換基を表す。nも前記に記載のものと同じものを表す。)
本反応で用いる事ができる酸としては、酢酸、ギ酸、塩酸、硝酸、硫酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸等が挙げられる。または、反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸エチル、DMF、DMSO、DME、ジオキサン、酢酸、ギ酸、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、ヘキサン、へプタン等が挙げられ、これら溶媒を任意に混合した溶媒であってもよい。
また、1,2,5-オキサジアゾール環の形成は、例えばScheme(4)の様な手法を用いることもできる。
Scheme(4)における反応条件は、従来公知の反応条件(例えばDyes and Pigments,191,2021,109339.等)を用いることができる。
<<式(1)で示される化合物の作用効果>>
式(1)で示される化合物は、1,2,5-オキサジアゾール環を有しており、この強いアクセプター骨格により、正孔輸送材料のHOMO軌道との強い相互作用が期待される。つまり、有機電子素子(例えば、光電変換素子)中の層(例えば、正孔輸送促進層)が式(1)で示される化合物を含有することにより、隣接する正孔輸送層のHOMO軌道との相互作用が高まり、正孔輸送層と正孔輸送促進層の間のキャリア授受が促進されることが期待される。このように、式(1)で示される化合物は、きわめて深いLUMO準位を有するため、正孔輸送層と電極の間の正孔のやり取りがスムーズになることが期待される。
また、式(1)で示される化合物は、1,2,5-オキサジアゾール環を有しているため、熱安定性や高い還元耐性等も期待できる。
本発明者らは、上述のように、式(1)で示される化合物に、正孔輸送層と電極の間の正孔のやり取りをスムーズにする正孔輸送促進材料として有効に使用し得ることを見出した。そして、実際に光電変換素子において、式(1)で示される化合物(正孔輸送促進材料)を正孔輸送材料と組み合わせた際にその正孔輸送能力が促進されることを確認した。すなわち、光電変換素子において、受光層内で発生したキャリアを電極側に取り出す際のエネルギー障壁を、本願の正孔輸送促進材料である式(1)で示される化合物によって低減し得ることを確認した。
<実施形態>
本発明の有機電子素子(例えば、光電変換素子)の積層構成として、例えば下記(i)または下記(ii)の構成が挙げられる。
(i):第一の電極/正孔輸送促進層/正孔輸送層/受光層/第二の電極
(ii):第一の電極/正孔輸送促進層/正孔輸送層/受光層/電子輸送層/第二の電極
尚、有機電子素子が例えば有機EL素子である場合には、上記(i)または上記(ii)の構成において、「受光層」を「発光層」に読み替えることができる。
以下、本発明に係る光電変換素子および有機EL素子を、上記(ii)の構成を例に挙げて、図1および図2を参照しながら更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る光電変換素子の積層構成の一例を示す概略断面図であり、図2は本発明に係る有機EL素子の一例を示す概略断面図である。
<<第1の実施形態>>
第1の実施形態による光電変換素子は、図1に示す積層構成を備えた有機撮像素子または光センサである。
光電変換素子1は、第一の電極11(第一の電極)、正孔輸送促進層12、正孔輸送層13、受光層14、電子輸送層15、および第二の電極16(第二の電極)をこの順で備える。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。
図1に示す光電変換素子1では、透明である第一の電極11の上方から、光が入射し、受光層14で受光する。なお、図1では便宜上受光層14の側面から光が入射するように示されている。また、光電変換素子1は、受光層14で光電変換により発生した電荷(正孔および電子)のうち、正孔を第一の電極11に移動させ、電子を第二の電極16に移動させるように、電圧が印加される。すなわち、第一の電極11を正孔捕集電極とし、第二の電極16を電子捕集電極としている。なお、図1では、第一の電極11の上面に設けられた基板が省略されている。ここでの基板としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板等が挙げられる。また、基板側から光が入射する構成の場合、基板は光の波長に対して透明である。以下では、上記各層について説明する。
[第一の電極11]
基板上には第一の電極11または第二の電極16が設けられている。
光が第一の電極11を通過して、受光層14に入射する構成の光電変換素子の場合、第一の電極は当該光を通すかまたは実質的に通す透明材料で形成される。ここで、「光を通す」とは平均透過率が80%以上であることいい、「実質的に通す」とは平均透過率が50%以上であるこという。すなわち、本明細書において、「透明」とは平均透過率が50%以上であることを意味する。
第一の電極11または第二の電極16に用いられる透明材料としては、特に限定されないが、例えば、インジウム-錫酸化物(ITO;Indium Tin Oxide)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO;Indium Zinc Oxide)、酸化錫、アルミニウム・ドープ型酸化錫、マグネシウム-インジウム酸化物、ニッケル-タングステン酸化物、その他の金属酸化物、窒化ガリウム等の金属窒化物、セレン化亜鉛等の金属セレン化物、および硫化亜鉛等の金属硫化物等が挙げられる。
なお、第二の電極16側のみから光が受光層14に入射する構成の光電変換素子の場合、第一の電極11の透過特性は重要ではない。したがって、この場合の第一の電極に用いられる材料の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金等が挙げられる。
[正孔輸送促進層12]
第一の電極11と後述する正孔輸送層13との間には、正孔輸送促進層12が設けられている。正孔輸送促進層12は、正孔輸送層13から第一の電極11への正孔輸送を促進させるために設けられる。正孔輸送促進層12は、前述の式(1)で示される化合物を含有する。また、式(1)で示される化合物以外の化合物を一緒に含有させることもできる。正孔輸送促進層12に含有させることができる化合物としては、例えば従来公知の正孔輸送材料が挙げられ、後述の正孔輸送層13に用いる化合物等が挙げられる。
[正孔輸送層13]
正孔輸送促進層12と受光層14との間には、正孔輸送層13が設けられている。
正孔輸送層13は、受光層14で発生した正孔を受光層14から第一の電極11へ輸送する役割と、受光層14で発生した電子が第一の電極11側へ移動するのをブロックする役割とを有する。また用途によっては第一の電極11からの電子注入をブロックする役割を有することもある。
正孔輸送層13は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。正孔輸送層13に含有させることができる正孔輸送材料は、公知の正孔輸送材料であってよい。公知の正孔輸送材料としては、芳香族第三級アミン化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、テトラセン化合物、ペンタセン化合物、フェナントレン化合物、ピレン化合物、ペリレン化合物、フルオレン化合物、カルバゾール化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピセン化合物、チオフェン化合物、ベンゾトリフラン化合物、ベンゾトリチオフェン化合物、ナフトジチオフェン化合物、ナフトチエノチオフェン化合物、ベンゾジフラン化合物、ベンゾジチオフェン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ナフトビスベンゾチオフェン化合物、クリセノジチオフェン化合物、ベンゾチエノベンゾチオフェン化合物、インドロカルバゾール化合物等が挙げられる。
これらの中でも、フルオレン化合物、ナフトジチオフェン化合物、ナフトチエノチオフェン化合物、ベンゾジフラン化合物、ベンゾチオフェン化合物、ナフトビスベンゾチオフェン化合物、クリセノジチオフェン化合物、ベンゾチエノベンゾチオフェン化合物、インドロカルバゾール化合物等が好ましく、特にフルオレン化合物、クリセノジチオフェン化合物、ベンゾチエノベンゾチオフェン化合物、インドロカルバゾール化合物が好ましい。
[受光層14]
正孔輸送層13と後述する電子輸送層15との間には、受光層14が設けられている。
受光層14の材料としては、光電変換機能を有する材料が挙げられる。
受光層14は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
中でも、光電変換効率を高める為には、受光層は、少なくとも二種の材料(有機成分)を含有する層からなることが好ましい。
一種の材料からなる単層構造である受光層14に用いられる材料としては、例えば、(i)クマリンおよびその誘導体、キナクリドンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体等が挙げられる。
二種の材料からなる単層構造である受光層14に用いられる材料としては、例えば、前述の(i)クマリンおよびその誘導体、キナクリドンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体と、(ii)フラーレンおよびその誘導体、その他アクセプター材料との組み合わせが挙げられる。これらの材料からなる受光層4の作製は、予め粉末を混合した状態で蒸着させて形成しても良いし、任意の割合で共蒸着することで形成しても良い。
三種の材料からなる単層構造である受光層14に用いられる材料としては、前述の(i)クマリンおよびその誘導体、キナクリドンおよびその誘導体、フタロシアニンおよびその誘導体、(ii)フラーレンおよびその誘導体、その他アクセプター材料、および(iii)正孔輸送材料との組み合わせが挙げられる。これらの材料からなる受光層14の作製は、予め粉末を混合した状態で蒸着させて形成しても良いし、任意の割合で共蒸着することで形成しても良い。
(i)クマリン誘導体の具体例としては、クマリン6、クマリン30が挙げられる。キナクリドン誘導体の具体例としては、N,N-ジメチルキナクリドンが挙げられる。フタロシアニン誘導体の具体例としては、ホウ素サブフタロシアニンクロリド、ホウ素サブナフタロシアニンクロリド(SubNC)が挙げられる。
(ii)フラーレンおよびその誘導体の具体例としては、[60]フラーレン、[70]フラーレン、[6,6]-フェニル-C61-酪酸メチル([60]PCBM)が挙げられる。
(iii)正孔輸送材料の好ましい化合物および具体例としては、前述の正孔輸送層13で用いるものと同じものが挙げられる。
また、光電変換機能を有する材料は受光層のみに含有されることに限定されるものではない。例えば、光電変換機能を有する材料は、受光層14に隣接した層(正孔輸送層13、または電子輸送層15)が含有していてもよい。
[電子輸送層15]
受光層14と後述する第二の電極16との間には、電子輸送層15が設けられている。
電子輸送層15は、受光層14で発生した電子を第二の電極16へ輸送する役割と、電子輸送先の第二の電極16から受光層14に正孔が移動するのをブロックする役割とを有する。また用途によっては第二の電極16からの正孔注入をブロックする役割を有することもある。
また、電子輸送層15に含有させることができる電子輸送材料は、公知の電子輸送材料であってよく、電子輸送材料としては、例えば、フラーレン、フラーレン誘導体、トリアジン誘導体、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、Bphen(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、BAlq(ビス(2-メチル-8-キノリノラート)-4-(フェニルフェノラート)アルミニウム)、4,6-ビス(3,5-ジ(ピリジン-4-イル)フェニル)-2-メチルピリミジン、N,N’-ジフェニル-1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、およびN,N’-ジ(4-ピリジル)-1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド等が挙げられる。
電子輸送層15は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
[第二の電極16]
電子輸送層15上には第二の電極16が設けられている。
第二の電極16の材料としては、例えば、インジウム-錫酸化物(ITO)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、金、白金、希土類金属、酸化モリブデン等が挙げられる。尚、前記第一の電極11と第二の電極16は同一であっても相異なっていてもよい。
[各層の形成方法]
以上説明した第一の電極11、第二の電極16を除く各層は、それぞれの層の材料(必要に応じて結着樹脂等の材料、溶剤と共に)を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法等の公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。
このようにして形成された各層の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm以上5μm以下の範囲である。
第一の電極11および第二の電極16は、電極材料を蒸着やスパッタリング等の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。蒸着やスパッタリングの際に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよく、蒸着やスパッタリング等によって薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーで所望の形状のパターンを形成してもよい。
第一の電極11および第二の電極16の膜厚は、1μm以下であることが好ましく、10nm以上200nm以下であることがより好ましい。
第一の電極11および第二の電極16は、必要に応じてそれぞれを構成する材料を入れ替えても良い(逆型構造とも呼ばれる)。このような構造の場合、光は第二の電極16を通過して、受光層14に入射する構成の光電変換素子となる。
本実施形態の光電変換素子を備えた撮像素子は、例えば、デジタルカメラやデジタルビデオカメラの撮像素子、および携帯電話等に内蔵された撮像素子に適用することができる。光センサは、例えば、テレビのリモコンやエアコンのスイッチ、自動ドアの開閉等に適用することができる。
<<第2の実施形態>>
本発明の第2の実施形態による光電変換素子は、図1に示す積層構成を備えた太陽電池である。太陽電池1は、第一の電極11と受光層14との間に正孔輸送促進層12および正孔輸送層13が設けられており、第二の電極16と受光層14との間には電子輸送層15が設けられている。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。
[第一の電極11]
第一の電極11は、例えば透明材料からなり、透明材料は第1の実施形態における透明材料を用いることができる。第一の電極11は任意の基材(例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム等の透明基板)上に形成されていてもよい。
[正孔輸送促進層12]
正孔輸送促進層12の材料は、第1の実施形態における正孔輸送促進層12の材料(式(1)で示される化合物)と同じである。正孔輸送促進層12の材料は、第1の実施形態における材料以外に従来公知の正孔輸送材料を含有してもよい。
[正孔輸送層13]
正孔輸送層13の材料は、第1の実施形態における正孔輸送層13の材料と同じである。正孔輸送層13の材料は、第1の実施形態における正孔輸送材料以外に、従来公知の正孔輸送材料を含有してもよい。
[受光層14]
受光層14の材料は、電子供与材料および電子受容材料を用いたものであればよく、電子供与材料と電子受容材料とが平面同士で結合された平面結合型でも、電子供与材料と電子受容材料とが混合して成膜されたバルクヘテロ結合型でもよい。
電子供与材料は特に限定されないが、有機半導体が好ましい。電子供与材料としては、例えば、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体等の高分子化合物およびそれらの共重合体、あるいはフタロシアニン誘導体およびその金属錯体、ポルフィリン誘導体およびその金属錯体、ペンタセン等のアセン誘導体、ジアミン誘導体等の低分子化合物等が挙げられる。電子供与材料は、本発明の効果を損なわない範囲において有機半導体とともに無機半導体を用いることもできる。
電子受容材料は特に限定されないが、有機半導体が好ましい。電子受容材料としては、例えば、フラーレン誘導体、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体等が挙げられる。
[電子輸送層15]
電子輸送層15の材料は、第1の実施形態における電子輸送材料を用いることができる。また、電子輸送材料としてフッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属ハロゲン化物、フッ化カルシウム等のアルカリ土類金属ハロゲン化合物、炭酸セシウム等の炭酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機系n型半導体を用いてもよい。
[第二の電極16]
第二の電極16は、例えば、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、鉛等の金属、またはこれらの合金が挙げられるが、これらに限定されない。
第一の電極11および第二の電極16は、必要に応じてそれぞれを構成する材料を入れ替えても良い(逆型構造とも呼ばれる)。このような構造の場合、光は第二の電極16を通過して、受光層14に入射する構成の光電変換素子となる。
[各層の形成方法]
各層の形成方法は特に限定されず、例えば基板上に、蒸着法、スピンコート法、キャスト法、パターン転写法等を用いて第一の電極11、正孔輸送促進層12、正孔輸送層13、受光層14、電子輸送層15、および第二の電極16を順次積層してもよいし、正孔輸送促進層12、正孔輸送層13、受光層14、および電子輸送層15を積層した後、この積層体に第一の電極11および第二の電極16をそれぞれ転写、蒸着、スパッタリング等によって形成してもよい。
<<第3の実施形態>>
本発明の第3の実施形態による有機電子素子は、図2に示す積層構成を備えた有機EL素子である。すなわち、有機EL素子2は、第一の電極21、正孔輸送促進層22、正孔輸送層23、発光層24、電子輸送層25、および第二の電極26がこの順で設けられている。ただし、これらの層のうちの一部の層が省略されていてもよく、また逆に他の層が追加されていてもよい。
[第一の電極21]
第一の電極21は、正孔を正孔輸送層から発光層へ注入する役割を有する。第一の電極21としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、金、銀、白金、銅等の透明電極、アルミ、モリブデン、クロム、ニッケル等の金属や合金、高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体等を用いることができるが、これらに限定されない。
有機電子素子は、第一の電極21および第二の電極26のいずれの側の面を発光させてもよいし、両面を発光させてもよい。光を取り出す側の電極は、ITO、IZO等の透明材料で形成される。なお、図2では便宜上発光層24の側面から光を放出するように示されている。
[正孔輸送促進層22]
第一の電極21と後述する正孔輸送層23との間には、正孔輸送促進層22が設けられている。正孔輸送促進層22は、第一の電極21から正孔輸送層23への正孔輸送を促進させるために設けられる。正孔輸送促進層22は正孔輸送促進材料として、前述の式(1)で示される化合物を含有する。正孔輸送促進層22は上記式(1)で示される化合物以外の化合物を一緒に含有させることもできる。正孔輸送促進層22に含有させることができる化合物としては、例えば従来公知の正孔輸送材料が挙げられる。
[正孔輸送層23]
正孔輸送促進層22と発光層24との間には、正孔輸送層23が設けられている。
正孔輸送層23は、第一の電極21から注入された正孔を発光層24へ輸送する役割を有する。
正孔輸送層23は、一種または二種以上の材料からなる単層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。正孔輸送層23に含有させることができる正孔輸送材料は、第1の実施形態における正孔輸送層13の材料と同じでよい。
[発光層24]
発光層24は、第一の電極21から注入された正孔と第二の電極26から注入された電子が再結合し、発光(燐光または蛍光)を生じさせる役割を有し、発光材料と必要に応じて発光ホスト材料を含む。発光材料および発光ホスト材料は、公知のものから適宜選択することができる。発光材料および発光ホスト材料としては、例えば、トリアジン誘導体(カルバゾール等が置換されたTADF材料を含む)、ピリミジン誘導体、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ルブレン誘導体、デカシクレン誘導体等の炭素縮合環系色素;ペリレンジイミド等のペリレン誘導体、ローダミンB等のキサンテン系色素、シアニン系色素、クマリン6やC545T等のクマリン系色素、Qd4やDEQ等のキナクリドン系色素、スクアリウム系色素、スチリル系色素、ピラゾロン誘導体、NileRed等のフェノキサゾン系色素、カルバゾール、トリアリールアミン、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、トリス[2-フェニル-4-(2-エチルシクロヘキシルオキシ)ピリジン]イリジウム(III)(Ir(ehppy)3)等のイリジウム錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体、Al、Zn、BeまたはTb、Eu、Dy等の希土類金属からなる中心金属、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等の配位子から構成される金属錯体等が挙げられるが、これらに限定されない。
[電子輸送層25]
電子輸送層25は、第二の電極と発光層との間に設けられ、第二の電極から注入された電子を発光層へ輸送する機能を有し、電子輸送材料を含む。電子輸送材料としては、例えば、トリアジン誘導体、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(Alq3)、ビス(2-メチル-8-キノリノレート)-4-(フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、1,4,4’-bis(2,2’-diphenylvinyl)-1,1’-bipheny(DPVBi)、(2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール)(PBD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、バソクプロイン(BCP)、シロール誘導体等が挙げられるが、これらに限定されない。
[第二の電極26]
第二の電極26は、電子を電子輸送層25から発光層24へ注入する役割を有する。第二の電極26としては、アルミニウム、マグネシウム-銀合金、アルミニウム-リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セシウム添加ITO等を用いることができるが、これらに限定されない。
[各層の形成方法]
有機EL素子2の各層の形成方法は、例えば、まず適当な透光性基板(図示せず)上に第一の電極21の材料からなる薄膜を蒸着、スパッタリング等の方法により形成する。第一の電極21上に正孔輸送促進層22および正孔輸送層23をこの順に成膜する。正孔輸送促進層22および正孔輸送層23の成膜は、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の方法により行うことができる。次に、正孔輸送層23の上に発光層24を設ける。発光層24の形成も所望の有機発光材料を用いて真空蒸着法、スパッタリング、スピンコート法、キャスト法等の方法により有機発光材料を薄膜化することにより形成することができる。次に、発光層24の上に電子輸送層25を形成する。電子輸送層25は、正孔輸送層、発光層と同様の方法により形成することができる。最後に電子輸送層25の上に第二の電極26を積層する。第二の電極26は所望の金属材料を蒸着法、スパッタリング等の方法により形成することができる。有機EL素子の各層の形成方法は上記方法に限定されない。例えば、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)、材料を溶媒に溶解した溶液を使用したディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法等の公知の方法を適宜採用することができる。
本発明の有機電子素子(光電変換素子、有機EL素子等)、および該素子を形成する各層の形成方法は、上述の実施形態に示した素子および方法に限定されない。例えば、第一の電極、受光層(または発光層)、電子輸送層、第二の電極の材料は公知の他の材料と適宜置き換えることができる。また、正孔輸送促進層および正孔輸送層は、式(1)で示される化合物と正孔輸送材料を混合して形成された層に置き換えることもできる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
[評価に用いた化合物]
[合成実施例1:化合物(D-1)の合成]
アルゴン気流下、テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン水和物(10g)および1,2-フェニレンジアミン(5.66g、52.3mmol)を、水233mL、エタノール350mL、および酢酸16mLの混合溶媒に懸濁させ、80℃で19時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、生じた個体をろ取し、水、トルエン、ヘキサン、および酢酸エチルによって洗浄し、黒色個体を13.1g得た。得られた黒色個体に硝酸100mLを加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液に水300mLを加え、生じた個体をろ取した。得られた個体を水およびメタノールで洗浄することにより、目的の(D-1a)を得た(12.0g、収率95%)。
次いで、アルゴン気流化、得られた(D-1a)(3.0g、12.5mmol)および3,4-ジアミノ-1,2,5-オキサジアゾール(3.0g、30.0mmol)を、THF125mL,エタノール125mL、濃塩酸4mLの混合溶媒に懸濁させ、65℃で10時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、生じた個体をろ取し、エタノールで洗浄した。得られた個体に硝酸15mLを加えて1時間撹拌した後、水80mLを加えた。生じた個体をろ取し、酢酸エチルで洗浄することにより、目的の(D-1)を得た(2.8g、収率60%)。
得られた化合物(D-1)の同定は、FD-MSおよびH-NMRにより行った。
質量分析(FD-MS):368
H-NMR(CDCl)δ(ppm):8.21(dd,J=6.8,3.4Hz,2H),8.69(dd,J=6.7,3.4Hz,2H).
[合成実施例2:化合物(D-12)の合成]
化合物(D-12)を、合成実施例1と同様な方法により合成した。
得られた化合物(D-12)の同定は、FD-MSおよびH-NMRにより行った。
質量分析(FD-MS):404
H-NMR(CDCl)δ(ppm):8.43(t,J=8.9Hz,2H).
[合成実施例3:化合物(D-23)の合成]
化合物(D-23)を、合成実施例1と同様な方法により合成した。
得られた化合物(D-23)の同定は、FD-MSおよびH-NMRにより行った。
質量分析(FD-MS):436
H-NMR(CDCl)δ(ppm):8.34(dd,J=9.0,2.0Hz,1H),8.82(brd,J=9.0Hz,1H),9.03(brs,1H).
[合成実施例4:化合物(D-3)の合成]
化合物(D-3)を、合成実施例1と同様な方法により合成した。
得られた化合物(D-3)の同定は、FD-MSおよびH-NMRにより行った。
質量分析(FD-MS):382
H-NMR(CDCl)δ(ppm):2.79(s,3H),8.02(dd,J=8.7,2.0Hz,1H),8.44(brs,1H),8.56(d,J=8.8Hz,1H).
[合成実施例5:化合物(D-5)の合成]
化合物(D-5)を、合成実施例1と同様な方法により合成した。
得られた化合物(D-5)の同定は、FD-MSおよびH-NMRにより行った。
質量分析(FD-MS):396
H-NMR(CDCl)δ(ppm):2.69(s,6H),8.41(s,2H).
[合成実施例6:化合物(D-17)の合成]
化合物(D-17)を、合成実施例1と同様な方法により合成した。
得られた化合物(D-17)の同定は、FD-MSおよびH-NMRにより行った。
質量分析(FD-MS):393
H-NMR(CDCl)δ(ppm):8.23(dd,J=8.7,1.8Hz,1H),8.79(dd,J=8.8,0.7Hz,1H),9.04(brs,1H).
[合成実施例7:化合物(D-97)の合成]
アルゴン気流下、ヘキサオキソシクロヘキサン(4.0g、23.8mmol)、および3,4-ジアミノ-1,2,5-オキサジアゾール(9.5g、95.2mmol)を、THF235mL、エタノール235mL、濃塩酸7mLの混合溶媒に懸濁させ、65℃で14時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、水500mLを加えた。生じた個体をろ取し、水およびヘキサンにより洗浄し、目的の(D-97)を得た(2.2g、26%)。
得られた化合物(D-97)の同定は、FD-MSにより行った。
質量分析(FD-MS):360
<ホールオンリーデバイスの作製1および評価1>
[素子実施例1]
第一の電極/正孔注入層/正孔輸送層/正孔輸送促進層/第二の電極からなる構造を有するホールオンリーデバイスを作製し、該デバイスの正孔輸送特性を評価した。
(第一の電極)
第一の電極をその表面に備えた基板として、ITO膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意し、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
上記表面処理が施された基板の2面のうち、ITO膜が形成されている側の面上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に上記ガラス基板を導入し、1.0×10-4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。
(正孔注入層の作製)
ITO膜にMoOを1nm製膜し、正孔注入層を作製した。
(正孔輸送層の作製)
正孔輸送材料として(HTL-1)を100nm成膜し、正孔輸送層を作製した。尚、(HTL-1)は特開2018-193371に記載の方法で合成した。
(正孔輸送促進層の作製)
昇華精製した化合物(D-1)を10nm成膜し、正孔輸送促進層を作製した。
(第二の電極の作製)
Auを80nm成膜し、2層構造の第二の電極を作製した。
(ホールオンリーデバイスの正孔輸送能力評価)
素子実施例1のホールオンリーデバイスの第一の電極と第二の電極にそれぞれプラスとマイナスの電界をかけ、10mA/cmの電流密度における電圧値を測定した。得られた結果を表1に示す。
[素子実施例2]
実施例1において正孔輸送促進層の作製に用いた化合物(D-1)の代わりに、合成実施例2で合成した化合物(D-12)を用いたこと以外は、素子実施例1と同様の方法によりホールオンリーデバイスを作製した。得られたホールオンリーデバイスの正孔輸送能力を素子実施例1と同様の方法により評価した。結果を表1に示す。
[素子比較例1]
実施例1において正孔輸送促進層の作製に用いた化合物(D-1)の代わりに、トリアジン誘導体(NPT)を用いたこと以外は、素子実施例1と同様の方法によりホールオンリーデバイスを作製した。得られたホールオンリーデバイスの正孔輸送能力を素子実施例1と同様の方法により評価した。結果を表1に示す。
[素子比較例2]
正孔輸送促進層を有さないこと以外は、素子実施例1と同様の方法によりホールオンリーデバイスを作製した。得られたホールオンリーデバイスの正孔輸送能力を素子実施例1と同様の方法により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2024035105000059
正孔輸送促進材料として化合物(D-1)や化合物(D-12)を用いた素子実施例1や素子実施例2の素子は、正孔輸送促進材料を用いなかった素子比較例2の素子や公知の材料NPTを用いた素子比較例1比べHOD電圧が低下した。
<光電変換素子の作製および評価>
[素子実施例3]
基板/第二の電極16/電子輸送層15/受光層14/正孔輸送層13/正孔輸送促進層12/第一の電極11からなる積層構成を有する光電変換素子1を作製し、該光電変換素子の暗電流及び外部量子効率を評価した。
(基板、第二の電極16の用意)
第二の電極をその表面に備えた基板として、2mm幅の酸化インジウム-スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
(真空蒸着の準備)
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に上記ガラス基板を導入し、7.0×10-5Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。
(電子輸送層15の作製)
昇華精製した化合物4,6-ビス(3,5-ジ(ピリジン-4-イル)フェニル)-2-メチルピリミジンを0.03nm/秒の速度で10nm成膜し、電子輸送層15を作製した。
(受光層14の作製)
N,N-ジメチルキナクリドン及びフラーレンC60を4:1(質量比)の割合で250nm成膜し、光電変換層14を作製した。成膜速度は0.13nm/秒であった。
(正孔輸送層13の作製)
正孔輸送材料として(HTL-1)を0.10nm/秒の速度で10nm成膜し、正孔輸送層13を作製した。
(正孔輸送促進層12の作製)
化合物(D-1)を0.20nm/秒の速度で10nm成膜し、正孔輸送促進層12を作製した。
(第一の電極11の作製)
最後に、基板上のITOストライプと直行するようにメタルマスクを配し、第一の電極11を成膜した。第一の電極は、Auを80nm成膜した。Auの成膜速度は0.1nm/秒であった。
以上により、面積4mmの図1に示す光電変換素子1を作製した。上記のようにして作製した光電変換素子に、第二の電極16側に電子が、第一の電極11側に正孔が輸送されるように、絶対値として2.5Vの電圧を印加したときの、暗所での電流(暗電流)及び外部量子効率を評価した。暗電流の測定は、ケースレー社製ソース・メジャー・ユニット2636Bを用いて評価した。外部量子効率の測定には太陽電池分光感度測定装置(相馬光学社製)を用いた。照射光の波長は560nmで、強度50μW/cmで測定を行った。結果を表2に示す。なお外部量子効率は、後述する素子比較例4における結果を基準値(100)とした相対値である。暗電流は数値が低いほど性能に優れ、外部量子効率は数値が高いほど性能に優れることを示す。
[素子比較例4]
正孔輸送促進層12の作製において、化合物(D-1)の代わりに、合成実施例2で合成した化合物(D-12)を用いたこと以外は、素子実施例3と同様の方法により、素子比較例4の光電変換素子を作製し、素子実施例3と同じ方法により暗電流及び外部量子効率を測定した。結果を表2に示す。
[素子比較例3]
正孔輸送促進層12の作製において、化合物(D-1)の代わりに、化合物(HAT-CN)を用いたこと以外は、素子実施例3と同様の方法により、素子比較例3の光電変換素子を作製し、素子実施例3と同じ方法により暗電流及び外部量子効率を測定した。結果を表2に示す。
[素子比較例4]
正孔輸送促進層12の作製において、化合物(D-1)の代わりに、化合物(NPT)を用いたこと以外は、素子実施例3と同様の方法により、素子比較例4の光電変換素子を作製し、素子実施例3と同じ方法により暗電流及び外部量子効率を測定した。結果を表2に示す。
[素子比較例5]
正孔輸送促進層12を設けなかったこと以外は、素子実施例3と同様の方法により、素子比較例5の光電変換素子を作製し、素子実施例3と同じ方法により暗電流及び外部量子効率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2024035105000060
表2に示すとおり、本発明の撮像素子用光電変換素子用材料を用いた素子実施例の素子では、素子比較例の素子と比べて暗電流が抑制され、且つ、高い外部量子効率が得られた。
本発明の有機電子素子は、上記式(1)で示される化合物を含むことにより、正孔の輸送能力を向上させることができ、光電変換素子に用いた場合にはより効率的に光電変換を行うことができる。また、本発明の有機電子素子は、上記式(1)で示される化合物を含むことにより、暗電流が抑制され、高い外部量子効率を有することができる。
1. 光電変換素子
11. 第一の電極
12. 正孔輸送促進層
13. 正孔輸送層
14. 受光層
15. 電子輸送層
16. 第二の電極
2. 有機EL素子
21. 第一の電極
22. 正孔輸送促進層
23. 正孔輸送層
24. 発光層
25. 電子輸送層
26. 第二の電極

Claims (16)

  1. 第一の電極、第二の電極、および前記第一の電極と前記第二の電極の間に配置された有機層を含む有機電子素子であって、
    前記有機層は、下記式(1)で示される化合物を含有する、有機電子素子。
    (式(1)中、
    環Aは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数7~30のヘテロ芳香族環を表す;
    環Bは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または核原子数5~30のヘテロ芳香族環を表す;
    環Cは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または炭素原子数6~30の芳香族炭化水素環を表す;
    Arは、
    シアノ基、カルボニル基、
    フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、
    トリフルオロメチル基、メチル基
    炭素原子数2~10のフルオロアルキル基、炭素原子数2~10のアルキル基、
    フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数6~18の芳香族炭化水素基、および、
    フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数3~17の複素芳香族基の群より選ばれる基、またはこれらの群の中から選ばれる2つ以上の基を組み合わせた基を表す;
    nは、0~8の整数を表す;
    nが2以上の時、複数のArはそれぞれ異なっていてもよい。)
  2. 第一の電極、第二の電極、および前記第一の電極と前記第二の電極の間に配置された有機層および受光層を含む有機電子素子であって、
    前記有機層は、前記式(1)で示される化合物を含有する、請求項1に記載の有機電子素子。
  3. 前記受光層が、少なくとも二種の有機成分を含有する層である、請求項2に記載の有機電子素子。
  4. 第一の電極、第二の電極、および前記第一の電極と前記第二の電極の間に配置された有機層を含む有機電子素子であって、
    前記有機層は、正孔輸送層、および前記式(1)で示される化合物を含有する正孔輸送促進層を含むか、または、正孔輸送材料と前記式(1)で示される化合物とを混合してなる層を含む、請求項1に記載の有機電子素子。
  5. 前記正孔輸送層と前記正孔輸送促進層とが、前記第一の電極と前記第二の電極の間に隣接して配置されている、請求項4に記載の有機電子素子。
  6. 前記式(1)中、環Aが、下記式(A-1)~下記式(A-13)のいずれかで表される、請求項1に記載の有機電子素子。
    Figure 2024035105000062

    (式(A-1)~式(A-13)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
  7. 環Aが、前記(A-2)、または前記(A-4)である、請求項6に記載の有機電子素子。
  8. 前記式(1)中、環Bが、下記式(B-1)~下記式(B-40)のいずれかで表される、請求項1に記載の有機電子素子。
    Figure 2024035105000063

    (式(B-1)~式(B-40)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
  9. 前記式(1)中、環Cが、下記式(C-1)~下記式(C-50)のいずれかで表される、請求項1に記載の有機電子素子。
    Figure 2024035105000066

    (式(C-1)~式(C-50)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
  10. 下記式(1)で表される化合物。
    (式(1)中、
    環Aは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数7~30のヘテロ芳香族環を表す;
    環Bは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または核原子数5~30のヘテロ芳香族環を表す;
    環Cは、1,2,5-オキサジアゾール環を部分構造として有する核原子数5~30のヘテロ芳香族環、核原子数5~30のヘテロ芳香族環、または炭素原子数6~30の芳香族炭化水素環を表す;
    Arは、
    シアノ基、カルボニル基、
    フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、
    トリフルオロメチル基、メチル基
    炭素原子数2~10のフルオロアルキル基、炭素原子数2~10のアルキル基、
    フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数6~18の芳香族炭化水素基、および、
    フルオロ基、フルオロアルキル基、若しくはシアノ基で置換されていてもよい炭素原子数3~17の複素芳香族基の群より選ばれる基、またはこれらの群の中から選ばれる2つ以上の基を組み合わせた基を表す;
    nは、0~8の整数を表す;
    nが2以上の時、複数のArはそれぞれ異なっていてもよい。)
  11. 前記式(1)中、環Aが、下記式(A-1)~下記式(A-13)のいずれかで表される、請求項10に記載の化合物。
    Figure 2024035105000071

    (式(A-1)~式(A-13)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
  12. 環Aが、前記(A-2)、または前記(A-4)である、請求項11に記載の化合物。
  13. 前記式(1)中、環Bが、下記式(B-1)~下記式(B-40)のいずれかで表される、請求項10に記載の化合物。
    Figure 2024035105000072

    (式(B-1)~式(B-40)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
  14. 前記式(1)中、環Cが、下記式(C-1)~下記式(C-50)のいずれかで表される、請求項10に記載の化合物。
    Figure 2024035105000075

    (式(C-1)~式(C-50)中、*は結合手を表し、Arおよびnは前記式(1)中のArおよびnと同じものを表す。)
  15. Arが、シアノ基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨウド基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ジトリフルオロメチルフェニル基、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、シアノフルオロフェニル基、シアノトリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、メチルピリジル基、ジメチルピリジル基、フルオロピリジル基、ジフルオロピリジル基、シアノピリジル基、ジシアノピリジル基、シアノフルオロピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、ジトリフルオロメチルピリジル基、ピラジル基、メチルピラジル基、ジメチルピラジル基、フルオロピラジル基、ジフルオロピラジル基、シアノピラジル基、ジシアノピラジル基、シアノフルオロピラジル基、トリフルオロメチルピラジル基、ジトリフルオロメチルピラジル基、ピリミジル基、メチルピリミジル基、ジメチルピリミジル基、フルオロピリミジル基、ジフルオロピリミジル基、シアノピリミジル基、ジシアノピリミジル基、シアノフルオロピリミジル基、トリフルオロメチルピリミジル基、ジトリフルオロメチルピリミジル基、トリアジル基、メチルトリアジル基、ジメチルトリアジル基、フルオロトリアジル基、ジフルオロトリアジル基、シアノトリアジル基、ジシアノトリアジル基、シアノフルオロトリアジル基、トリフルオロメチルトリアジル基、ジトリフルオロメチルトリアジル基、キノリル基、メチルキノリル基、ジメチルキノリル基、フルオロキノリル基、ジフルオロキノリル基、シアノキノリル基、ジシアノキノリル基、シアノフルオロキノリル基、トリフルオロメチルキノリル基、ジトリフルオロメチルキノリル基、イソキノリル基、メチルイソキノリル基、ジメチルイソキノリル基、フルオロイソキノリル基、ジフルオロイソキノリル基、シアノイソキノリル基、ジシアノイソキノリル基、シアノフルオロイソキノリル基、トリフルオロメチルイソキノリル基、ジトリフルオロメチルイソキノリル基、ナフチル基、フェナントリル基、またはアントリル基である、請求項10に記載の化合物。
  16. 前記式(1)で示される化合物が正孔輸送促進用材料である、請求項10に記載の化合物。

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