JP2024035098A - 乾燥機用の水分予測装置、および、乾燥機 - Google Patents

乾燥機用の水分予測装置、および、乾燥機 Download PDF

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Abstract

【課題】 乾燥機の水分制御を改善する。【解決手段】 乾燥機用の水分予測装置は、乾燥対象物の現在の水分分布を取得するように構成された分布取得部と、乾燥機によって所定時間、乾燥処理された後の水分分布である将来の水分分布を、現在の水分分布に基づいて予測するように構成された分布予測部と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、乾燥機における水分予測技術に関する。
穀物を循環させながら乾燥する循環式穀物乾燥機(以下、単に乾燥機と呼ぶ)が従来から知られている。その種の乾燥機では、処理後に得られる穀物の水分値のばらつきを小さくする(乾燥品質を向上させる)という要望が存在する。乾燥品質は、処理時間とトレードオフの関係にあるので、乾燥品質の向上と処理時間の低減とを、状況に応じて所望の程度でバランスさせることが望ましい。このようなことから、例えば、下記の特許文献1に記載の乾燥機が開発されている。この乾燥機は、穀物の初期水分値の平均値および標準偏差と、予測モデルと、に基づいて、乾燥処理終了後の穀物の標準偏差を予測し、その予測結果に基づいて、乾燥運転後の休止乾燥時間を設定する。これによって、処理対象の穀物の初期水分値に応じた適切な休止乾燥時間を設定することができ、その結果、休止乾燥時間が過剰に長く設定されることを抑制しつつ、乾燥品質を向上できる。
特許第6765742号公報
しかしながら、上記の乾燥機の水分制御は改善の余地を残している。例えば、上述の乾燥機は、乾燥運転については、穀物の初期水分値に応じた制御を何ら行っていないので、乾燥運転における水分制御を改善する余地がある。さらに、上述の乾燥機は、穀物の水分値の平均値および標準偏差のみに着目しているので、所望の乾燥品質が得られるとは限らない。具体的には、標準偏差が同じ値であっても、水分値の分布特性が同じとは限らないにもかかわらず、上述の乾燥機は、標準偏差の予測値が同じ値であれば、その値に応じた一律の制御を行うことになる。このため、水分値の分布特性に応じた適切な制御が行われないおそれがある。例えば、水分分布が正規分布に近い場合には、精度良く水分制御が行えるが、そうでない場合には、精度が悪化する。上述の問題は、循環式に限らず、種々の形式の乾燥機に共通する。また、上述の問題は、穀物用に限らず、種々の物体を処理対象とする乾燥機に共通する。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態によれば、乾燥機用の水分予測装置が提供される。この水分予測装置は、乾燥対象物の現在の水分分布を取得するように構成された分布取得部と、乾燥機によって所定時間、乾燥処理された後の水分分布である将来の水分分布を、現在の水分分布に基づいて予測するように構成された分布予測部と、を備えている。
この水分予測装置によれば、現在の水分分布に基づいて、将来の水分分布を予測できる。この将来の水分分布を利用して、乾燥機を改善することが可能である。例えば、この水分予測装置を備える乾燥機において、将来の水分分布の予測値に基づいて、乾燥対象物の水分値の分布特性に応じた水分制御を行うことができる。したがって、処理時間および/または乾燥品質を所望の程度に制御しやすい。換言すれば、水分分布が正規分布に近くない場合であっても、精度良く水分制御を行うことができる。「乾燥対象物の現在の水分分布」とは、乾燥処理前の乾燥対象物の水分分布であってもよいし、乾燥処理途中の乾燥対象物の水分分布であってもよい。
水分予測装置は、任意の形態で実現可能であり、例えば、乾燥機に搭載されたコントローラの形態であってもよいし、あるいは、情報処理装置(コンピュータ)の形態であってもよい。この場合、情報処理装置は、有線通信または無線通信によって、乾燥対象物の現在の水分分布を乾燥機から取得してもよい。あるいは、乾燥対象物の現在の水分分布が記憶された記憶媒体をユーザが情報処理装置に接続したときに、情報処理装置が乾燥対象物の現在の水分分布を当該記憶媒体から取得してもよい。乾燥機は、循環式乾燥機であってもよい。この場合、「乾燥処理」とは、循環式乾燥機における乾燥運転、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転のうちの一つ、または、少なくとも二つの任意の組み合わせを意味し、典型的には、乾燥運転である。
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、水分予測装置は、将来の水分分布を表示するためにデータを出力するように構成された出力部を備えている。この形態によれば、ユーザは、乾燥機の運転開始前、および/または、乾燥機の運転途中において、表示された将来の水分分布を確認して、乾燥機の適切な運転操作(例えば、運転モードの設定)を行うことができる。出力部によるデータの出力先は、特に限定されず、例えば、乾燥機のディスプレイ、水分予測装置に通信可能に接続された情報端末、クラウドなどであってもよい。また、データは、表示装置で表示するための形式であってもよいし、後で表示するために記憶装置に蓄積するための形式であってもよい。
本発明の第3の形態によれば、第2の形態において、将来の水分分布は、乾燥機による乾燥処理が終了する前の時点での水分分布である第1の水分分布と、乾燥機による乾燥処理が終了する時点での水分分布である第2の水分分布と、を含む。出力部は、現在の水分分布を表すヒストグラムおよび/または度数分布表、第1の水分分布を表すヒストグラムおよび/または度数分布表、ならびに、第2の水分分布を表すヒストグラムおよび/または度数分布表の少なくとも二つを同時または順次に表示可能に、データを出力するように構成される。この形態によれば、ユーザによる水分分布の確認の利便性が向上する。例えば、ユーザは、ヒストグラムおよび/または度数分布表によって、水分分布の特性を容易に把握できる。また、ユーザは、第1の水分分布(ここでは、乾燥運転開始前に予測された第1の水分分布)と、現在の水分分布(ここでは、乾燥運転開始後に取得された、第1の水分分布が表す水分分布と同時点の水分分布)と、を見比べることで、乾燥運転が予測通りに進行しているかを確認できる。第1の水分分布は、換言すれば、目標仕上水分に達する前の時点での水分分布である。第2の水分分布は、換言すれば、目標仕上水分に達した時点での水分分布である。
本発明の第4の形態によれば、第1ないし第3のいずれかの形態において、水分予測装置は、人工知能の学習によって生成された予測モデルであって、現在の水分分布を説明変数に含み、将来の水分分布が目的変数である予測モデルを記憶する記憶装置を備えている。分布予測部は、現在の水分分布を予測モデルに入力して、将来の水分分布を予測するように構成される。この形態によれば、将来の水分分布を精度良く予測できる。
本発明の第5の形態によれば、第4の形態において、予測モデルは、乾燥対象物の目標仕上水分値、環境情報、および、乾燥機の乾燥速度に関連する運転モードの少なくとも一つを説明変数に含むか、または、目標仕上水分値、環境情報、および、運転モードの少なくとも一つの特定の値もしくは範囲ごとにそれぞれ生成された複数の予測モデルを含む。分布予測部は、目標仕上水分値、環境情報、および、運転モードの少なくとも一つを予測モデルに入力して、または、複数の予測モデルのうちの、処理条件に対応する予測モデルを用いて、将来の水分分布を予測するように構成される。目標仕上水分値の設定、環境因子(典型的には、乾燥機の設置場所の温度および湿度の少なくとも一方)、および、乾燥機の乾燥速度に関連する運転モードは、乾燥処理に伴う乾燥対象物の水分推移や、乾燥処理途中および乾燥処理後の水分分布に影響を与えるので、この形態によれば、将来の水分分布をいっそう精度良く予測できる。
本発明の第6の形態によれば、第4または第5の形態において、水分予測装置は、乾燥機の過去の運転における乾燥対象物の水分の測定結果に基づいて予測モデルを生成するように構成された予測モデル生成部を備えている。この形態によれば、特定の乾燥機の過去の運転における乾燥対象物の水分の測定結果に基づいて予測モデルを生成できる。したがって、乾燥機の個体ごとの使用条件(乾燥対象物の特性、乾燥機の設置環境など)を反映した精度の高い予測モデルを容易に生成できる。
本発明の第7の形態によれば、第6の形態において、予測モデル生成部は、乾燥機の新たに行われた運転における乾燥対象物の水分の測定結果に基づいて再学習を行って、予測モデルを更新するように構成される。この形態によれば、乾燥機を使用していくにつれて、予測モデルの精度を向上できる。
本発明の第8の形態によれば、乾燥機が提供される。この乾燥機は、第1ないし第7のいずれかの形態の水分予測装置を備えている。この乾燥機によれば、第1ないし第7のいずれかの形態と同様の効果が得られる。
本発明の第9の形態によれば、第2の形態を含む第8の形態において、水分予測装置は、許容可能な乾燥処理の開始から終了までに要する時間に関するか、または、許容可能な水分値のばらつきの程度に関する条件の入力を受け付けるように構成された条件受付部を備えている。乾燥機は、乾燥速度が異なる複数の運転モードのいずれかで選択的に運転可能に構成される。分布予測部は、複数の運転モード、および/または、時間経過に伴い切り替えるための、複数の運転モードのうちの少なくとも二つの運転モードの組み合わせである少なくとも一つの組み合わせ運転モードにそれぞれ対応する複数の将来の水分分布を予測可能に構成される。出力部は、複数の将来の水分分布のうちの、条件受付部によって受け付けられた条件を満たす運転モードおよび/または組合せ運転モードに対応する将来の水分分布を出力するように構成される。この形態によれば、ユーザは、例えば、所望の条件(乾燥処理の開始から終了までに要する時間、または、水分値のばらつきの程度)を入力することで、その条件を満たす運転モードおよび/または組合せ運転モードに対応する将来の水分分布を乾燥機の運転開始前に確認できる。したがって、ユーザは、所望の条件を達成するように運転モードまたは組み合わせ運転モードを適正に設定できる。
本発明の第10の形態によれば、第2の形態を含む第8の形態において、乾燥機は、乾燥速度が異なる複数の運転モードのいずれかで選択的に運転可能に構成される。分布予測部は、複数の運転モード、および/または、時間経過に伴い切り替えるための、複数の運転モードのうちの少なくとも二つの運転モードの組み合わせである少なくとも一つの組み合わせ運転モードにそれぞれ対応する複数の将来の水分分布を予測可能に構成される。出力部は、複数の将来の水分分布を同時または順次、または、選択的に出力するように構成される。この形態によれば、ユーザは、例えば、複数の運転モード、および/または、少なくとも一つの組み合わせ運転モードにそれぞれ対応する複数の将来の水分分布を乾燥機の運転開始前に見比べることができる。したがって、ユーザは、最適な運転モードまたは組み合わせ運転モードを容易に設定できる。
本発明の第11の形態によれば、第8ないし第10のいずれかの形態において、乾燥機は、将来の水分分布に応じて運転支援情報を出力するように構成された運転支援部を備えている。この形態によれば、ユーザは、乾燥機の運転操作に関する知識に乏しくても、適切な運転操作を行うことができる。
本発明の第12の形態によれば、第8ないし第11のいずれかの形態において、乾燥機は、乾燥対象物を貯留する貯留室と、貯留室の下方に設けられ、乾燥対象物を乾燥するように構成された乾燥部と、乾燥部から乾燥対象物を送り出して乾燥対象物を貯留室に戻すように構成された循環装置と、乾燥機の動作を制御するように構成されたコントローラと、を備えている。コントローラは、将来の水分分布に基づいて、乾燥部および循環装置の少なくとも一方を制御するように構成される。この形態によれば、乾燥処理の終了後に望ましい水分分布が得られるように、乾燥部および循環装置の少なくとも一方を最適制御できる。
本発明の第13の形態によれば、第8ないし第12のいずれかの形態において、乾燥機は、乾燥対象物を貯留する貯留室と、貯留室の下方に設けられ、乾燥対象物を乾燥するように構成された乾燥部と、乾燥部から乾燥対象物を送り出して乾燥対象物を貯留室に戻すように構成された循環装置と、乾燥機の動作を制御するように構成されたコントローラと、を備えている。分布予測部は、少なくとも、乾燥機による乾燥処理が終了する前の時点での水分分布である第1の水分分布を予測するように構成される。コントローラは、少なくとも第1の水分分布と、第1の水分分布に対応する時間だけ乾燥処理されたタイミングで水分計によって測定された水分値に基づいて作成される水分分布である第3の水分分布と、の類似判定を行い、類似の程度が所定の程度以上である場合には、第1の水分分布に基づいて、乾燥部および循環装置の少なくとも一方を制御し、類似の程度が所定の程度未満である場合には、第3の水分分布に基づいて、乾燥部および循環装置の少なくとも一方を制御するように構成される。同じ時点の(つまり、所定時間、乾燥処理が行われた後の)水分分布に関して、予測値と実測値とが所定の程度以上に類似している場合には、予測値の信頼性が高いと言える。つまり、予測値に基づく方が、限定された数の乾燥対象物をサンプリングして得られる実測値に基づくよりも、乾燥部および循環装置の少なくとも一方を、より高い信頼性で制御できる(より正確に水分制御を行うことができる)。したがって、この形態によれば、予測値と実測値とが所定の程度以上に類似している場合に、より正確に水分制御を行うことができる。あるいは、サンプリングする乾燥対象物の数(一度のサンプリングタイミングでサンプリングする数、あるいは、サンプリング頻度)を増やして実測値の信頼性を高める必要がないので、サンプリングされる乾燥対象物の総数を減らすことができる。したがって、乾燥対象物の破壊が必要な方式の水分計(一般的な安価な水分計)を用いて乾燥対象物の水分を測定する場合に、サンプリングによる原料ロスを低減できる。
本発明の第14の形態によれば、第2の形態を含む第8ないし第13のいずれかの形態において、乾燥機は、出力部が出力したデータを表示するように構成されたディスプレイを備えている。この形態によれば、ユーザは、乾燥機の傍らで、将来の水分分布を確認するとともに乾燥機の運転操作(例えば、運転モードの設定)を行うことができる。したがって、ユーザの利便性が向上する。
本発明の第15の形態によれば、乾燥機用の運転パラメータ設定装置が提供される。この運転パラメータ設定装置は、乾燥対象物の現在の水分分布を取得するように構成された分布取得部と、現在の水分分布の特徴に基づいて、乾燥機の運転パラメータ、または、運転パラメータの候補を決定する決定部と、を備えている。この運転パラメータ設定装置によれば、乾燥対象物の水分分布の特徴に基づいて、乾燥機の運転パラメータを適切に設定できる。乾燥機が、乾燥速度が異なる複数の運転モードのいずれかで選択的に運転可能に構成される場合には、運転パラメータは、複数の運転モード、および/または、時間経過に伴い切り替えるための、複数の運転モードのうちの少なくとも二つの運転モードの組合せである少なくとも一つの組合せ運転モードのいずれで運転を行うかの情報を含んでいてもよい。
第16の形態によれば、第15の形態において、運転パラメータ設定装置は、運転パラメータの候補を出力する出力部と、運転パラメータの候補の採用の可否を受け付ける受付部と、を備えていてもよい。
第17の形態によれば、第11の形態、または、第11の形態を含む第12ないし第14のいずれかの形態において、分布予測部は、複数の運転モードのうちの所定の運転モードに対応する将来の水分分布を予測するように構成される。運転支援部は、所定の運転モードに対応する将来の水分分布に基づいて、乾燥機で設定すべき運転パラメータの提案に関する情報を運転支援情報として出力するように構成される。運転パラメータは、複数の運転モードおよび組合せ運転モードのいずれかと、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つと、の組合せを含む。この形態によれば、所定の運転モードを、予測精度の信頼性の高い運転モード(典型的には、最も高頻度で使用される運転モード)とすることによって、その信頼性を利用して、様々な運転パラメータの採用の可否をユーザに提案できる。
第18の形態によれば、第8ないし第14および第17のいずれかの形態において、乾燥機は、予測部による予測結果に関して予め定められた条件に基づいて運転パラメータを決定し、決定した運転パラメータに基づいて、乾燥処理を自動的に開始するように構成される。この構成によれば、ユーザは、予め定められた条件を予め設定しておけば、乾燥処理が自動的に開始されるので、ユーザの利便性が向上する。
第19の形態によれば、第8ないし第14、第17および第18のいずれかの形態において、乾燥機は、予測部によって予測された最新の乾燥処理終了後の水分分布と、予測部によって乾燥処理の開始時に予測された乾燥処理終了後の水分分布と、に基づいて、運転支援情報を出力するか、現在設定されている運転モードまたは組み合わせ運転モードを変更するように構成される。
本発明は、上述の形態に限らず、任意の形態で実施可能である。例えば、本発明は、乾燥対象物の水分予測方法、運転パラメータ設定方法、水分予測プログラム、運転パラメータ設定プログラム、または、これらのプログラムのいずれかをコンピュータで読み取り可能に記憶した記憶媒体などとして実現することもできる。
一実施形態による循環式穀物乾燥機の外観斜視図である。 循環式穀物乾燥機の概略内部構造を示す図である。 コントローラの機能ブロック図である。 運転モード決定処理の一例を示すフローチャートである。 運転モード決定処理で使用するGUIの一例を示す図である。 運転モード自動変更処理の一例を示すフローチャートである。 制御パラメータ設定処理の一例を示すフローチャートである。 制御パラメータ設定処理の一例を示すフローチャートである。 穀物の水分分布の種々の具体例を示す図表である。 他の実施形態によるコントローラの機能ブロック図である。
図1は、一実施形態による循環式穀物乾燥機10(以下、単に乾燥機10とも呼ぶ)の外観斜視図である。図2は、乾燥機10の概略内部構造を示す図である。図1に示すように、乾燥機10は、穀物を貯留する貯留室20と、貯留室20の下方に設けられ、穀物を乾燥するように構成された乾燥部30と、昇降装置60と、を備えている。図2に示すように、乾燥部30は、熱風室31と、穀物流下室32,33と、排風室34と、を備えている。熱風室31には、燃焼バーナ(図示せず)によって生成された熱風が通風される。穀物流下室32,33は、貯留室20と上下に連通しており、熱風室31の両脇において、下方に向けて細長くそれぞれ延在している。排風室34は、穀物流下室32,33の外側に位置している。熱風室31を流通する熱風は、吸引ファン(図示せず)の作用によって、穀物流下室32,33を形成するケーシングの細孔を介して、穀物流下室32,33を通り、排風室34に導かれる。このときの、熱風と穀物流下室32,33内の穀物との接触によって、穀物の表面が乾燥する。
図2に示すように、穀物流下室32,33の下端部には、乾燥部30から穀物を送り出すための供給装置の一例としてのロータリーバルブ40が配置されている。ロータリーバルブ40は、乾燥部30から下方へ穀物を送り出す。具体的には、ロータリーバルブ40は、円筒形状を有しており、その内部は、穀物を収容する収容室として機能する。その外周面には開口41が形成されており、それによって、周方向の一部分がC字状に開口している。ロータリーバルブ40は、モータ(図示せず)によって正転および逆転可能に構成されている。ロータリーバルブ40は、その初期位置では、図2に示すように開口41が下方を向くように方向付けられる。
ロータリーバルブ40が初期値から正転(図2において時計回り)すると、ロータリーバルブ40の開口41と穀物流下室33とが連通して、穀物流下室33内の穀物がロータリーバルブ40の内部に流れ込み、ロータリーバルブ40が穀物で充填される。ロータリーバルブ40がさらに回転して、初期位置に戻ると、ロータリーバルブ40の内部の穀物が開口41から落下して、下方へ(排風室34の底部へ)送り出される。
ロータリーバルブ40が初期値から逆転(図2において反時計回り)すると、ロータリーバルブ40の開口41と穀物流下室32とが連通して、穀物流下室32内の穀物がロータリーバルブ40の内部に流れ込み、ロータリーバルブ40が穀物で充填される。ロータリーバルブ40がさらに回転して、初期位置に戻ると、ロータリーバルブ40の内部の穀物が開口41から落下して、下方へ(排風室34の底部へ)送り出される。
図2に示すように、排風室34の底部には、下部スクリューコンベア50が配置されている。下部スクリューコンベア50は、ロータリーバルブ40によって送り出された穀物を昇降装置60まで水平方向に搬送する。昇降装置60は、バケットコンベアの形態であり、図1に示すように、鉛直方向に延在するように配置される。昇降装置60は、乾燥部30で乾燥処理された穀物を貯留室20に戻すために、当該穀物を上方に搬送する。昇降装置60によって乾燥機10の頂部付近まで搬送された穀物は、上部スクリューコンベヤ(図示省略)によって貯留室20に搬送される。表面が乾燥した状態で貯留室20に戻された穀物は、貯留室20内でのテンパリング作用によって、さらに乾燥する。
このような構成によって、張り込みホッパ21(図1参照)へ投入された穀物は、下部スクリューコンベア50、昇降装置60、貯留室20および乾燥部30を通って、ロータリーバルブ40に入る。ロータリーバルブ40が回転すると、穀物は、下部スクリューコンベア50へ戻り、その後、この経路で循環され、所定の水分値まで乾燥された後、排出口22から機外へ排出される。ロータリーバルブ40、下部スクリューコンベア50および昇降装置60は、乾燥部30から穀物を送り出して穀物を貯留室20に戻す循環装置として機能する。
図1に示すように、昇降装置60の基部には、サンプリングされた穀物の水分を測定するように構成された水分計70が取り付けられている。水分計70は、回転可能なサンプリングロール(図示せず)を備えている。サンプリングロールは、サンプルとして採取するための穀物を収容する収容室を備えている。収容室には、昇降装置60のバケットに掻き上げられた穀物の一部が、昇降装置60と水分計70とに形成された連通孔(図示せず)を介して侵入する。サンプリングロールを正転させると、収容室に貯留された穀物が水分計70の測定部に取り込まれる。サンプリングロールを逆転させると、収容室に貯留された穀物が昇降装置60内に排出される。本実施形態では、サンプリングタイミングになると、サンプリングロールは、逆転して、収容室を一旦、空にした後、初期位置に戻り、所定時間(穀物が収容室を満たすのに要する時間)待機した後、正転して、収容室に貯留された穀物を測定部に供給する。
本実施例では、水分計70は、穀物がホッパ21から張り込まれたときに、サンプリングされた穀物の初期水分(つまり、乾燥処理前の穀物の水分)を測定する。また、水分計70は、乾燥処理の開始後、所定のタイミングで(例えば、周期的に)、サンプリングされた穀物の水分(つまり、乾燥途中の穀物の水分)を測定する。本実施例では、水分計70は、60分ごとに穀物の水分を測定する。ただし、水分の測定周期は、任意に設定可能である。また、本実施形態では、水分計70は、1回の測定タイミングで、100粒の穀物の水分値を測定する。ただし、測定すべき穀物の数は任意に設定可能である。
本実施形態では、水分計70は、電気抵抗式であり、水分の測定には、穀物の破壊が必要となる。このため、水分測定に供された穀物の分だけ、原料ロスが生じることになる。ただし、水分計70の形式は、特に限定されるものではなく、穀物の破壊が必要な任意の形式でもよく、あるいは、穀物の破壊を必要としない形式でもよい。
図1に示すように、乾燥機10は、さらに、乾燥機10の動作全般を制御するコントローラ80を備えている。図3は、コントローラ80の機能ブロック図である。図3に示すように、コントローラ80は、CPU81とメモリ88とを備えている。コントローラ80の各機能は、メモリ88に記憶された所定のプログラムをCPU81が実行することによって実現される。ただし、コントローラ80の各機能は、CPU81に代えて、または、加えて、専用回路によって実現されてもよい。また、コントローラ80の機能は、複数のコントローラに分散配置されてもよい。さらに、コントローラ80の機能の一部は、有線または無線の形態でコントローラ80と通信可能に接続された外部機器(例えば、情報端末)によって実現されてもよいし、スタンドアローンの外部機器(例えば、コンピュータ)によって実現されてもよい。
CPU81は、メモリ88に記憶されたプログラムを実行することによって、分布取得部82、分布予測部83、出力部84、条件受付部85、運転支援部86、予測モデル生成部87としても機能する。これらの機能の詳細については後述する。また、メモリ88には、予測モデル89が記憶されている。予測モデル89の詳細についても後述する。
図1に示すように、乾燥機10は、さらに、ディスプレイ90を備えている。本実施形態では、ディスプレイ90は、タッチスクリーン式の操作パネル(換言すれば、ユーザインタフェース)としても機能する。
コントローラ80は、乾燥機10の乾燥処理を制御する。乾燥処理とは、少なくとも乾燥運転を含む。また、乾燥処理は、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つを含み得る。例えば、乾燥処理は、循環運転、撹拌運転、乾燥運転および休止運転を、この順に実施する処理であってもよい。
循環運転では、燃焼バーナを停止した状態で、ロータリーバルブ40が一方向のみ(正転または逆転)に回転されるとともに、下部スクリューコンベア50および昇降装置60が駆動される。循環運転では、吸引ファンの駆動による送風が行われてもよいし、行われなくてもよい。撹拌運転では、燃焼バーナを停止した状態で、ロータリーバルブ40の正転と逆転とが交互に行われるとともに、下部スクリューコンベア50および昇降装置60が駆動される。撹拌運転では、吸引ファンの駆動による送風が行われてもよいし、行われなくてもよい。乾燥運転では、燃焼バーナを点火した状態で、ロータリーバルブ40の正転と逆転とが交互に行われるとともに、下部スクリューコンベア50および昇降装置60が駆動される。低温仕上運転は、水分値が所定値以下になったとき(目標仕上水分値に所定の程度以上に近づいたとき)に、オプション的に採用され得る。低温仕上運転では、乾燥運転に比べて燃焼バーナの火力を弱めた状態で、ロータリーバルブ40の正転と逆転とが交互に行われるとともに、下部スクリューコンベア50および昇降装置60が駆動される。低温仕上運転によれば、穀物の温度を下げながら仕上乾燥が行われるので、ユーザは、後工程(籾摺作業)に早く移ることができる。休止運転では、燃焼バーナ、ロータリーバルブ40、下部スクリューコンベア50および昇降装置60が停止されるが、穀物は、乾燥機10内に留められる。
さらに、コントローラ80は、乾燥運転として、乾燥速度が異なる複数の運転モードのいずれかを選択的に実行可能に構成される。本実施形態では、そのような運転モードとして、乾燥速度が最も速い「はやいモード」と、乾燥速度が最も遅い「ゆっくりモード」と、乾燥速度が「はやいモード」と「ゆっくりモード」との間の「ふつうモード」と、が設定されている。これらの運転モードの各々には、穀物の水分の時間当たりの低減率が予め定められている。コントローラ80は、選択された運転モードに対応する低減率を達成するように、火力や風量に関する制御パラメータを随時、設定(変更)する。
上述した乾燥機10は、所定時間、乾燥処理された後の穀物の水分分布を予測する機能を有しており、そのような機能を利用して、種々の処理を行うことができる。以下、そのような処理について説明する。図4は、運転モード決定処理の一例を示すフローチャートである。この例での運転モード決定処理とは、乾燥処理の開始前に、上述の「はやいモード」、「ふつうモード」および「ゆっくりモード」のいずれで乾燥処理を行うかを決定する処理である。運転モード決定処理は、ディスプレイ90に表示されたGUIをユーザが操作することによって開始される。運転モード決定処理は、典型的には、ユーザがホッパ21から穀物の張り込みを行い、水分計70によって穀物の初期水分の測定が行われた後に実行される。ただし、運転モード決定処理は、例えば、ユーザの操作によって、循環運転または撹拌運転が行われた後に実行されてもよい。
図4に示すように、運転モード決定処理が開始されると、コントローラ80は、分布取得部82の処理として、水分計70によって測定された水分値に基づいて、穀物の現在の水分分布(ここでは、初期の水分分布)を取得し、そのヒストグラムをディスプレイ90に表示する(ステップS110)。
次いで、コントローラ80は、ユーザによる優先モードの入力を受け付ける(ステップS120)。本実施形態では、優先モードとして、時間優先モードと品質優先モードとが用意されている。時間優先モードとは、乾燥品質の向上よりも乾燥処理に要する時間の低減を優先するモードである。時間優先モードでは、ユーザは、許容可能な乾燥処理の開始から終了までに要する時間に関する条件(以下、時間条件とも呼ぶ)を付すことができる。品質優先モードとは、乾燥処理に要する時間の低減よりも乾燥品質の向上を優先するモードである。品質優先モードでは、ユーザは、許容可能な水分値のばらつきの程度に関する条件(以下、品質条件とも呼ぶ)を付すことができる。
次いで、コントローラ80は、ステップS120で受け付けた優先モードが、時間優先モードであるか、それとも、品質優先モードであるかを判断する(ステップS130)。ステップS130において、時間優先モードが受け付けられたと判断された場合、コントローラ80は、条件受付部85の処理として、ユーザが入力する時間条件(すなわち、許容可能な最大運転時間)および目標仕上水分値を受け付ける(ステップS140)。
次いで、コントローラ80は、分布予測部83の処理として、運転モードごとに(つまり、「はやいモード」、「ふつうモード」および「ゆっくりモード」の各々について)、乾燥処理終了後の水分分布を予測する(ステップS150)。この予測は、メモリ88に記憶された予測モデル89を用いて行われる。予測モデル89は、現在の水分分布と、乾燥処理の現在からの経過時間Tと、を説明変数に含み、将来の水分分布(より具体的には、乾燥処理が現在から時間Tだけ進行した後の水分分布)を目的変数とするモデルである。予測モデル89による予測精度を向上するために、初期水分を測定するときのみ、水分計70によるサンプリング数が増やされてもよい。
このような予測モデル89を使用して、乾燥処理終了後の水分分布は、以下のようにして決定される。まず、分布予測部83は、現在の水分分布と、経過時間Tと、を予測モデル89に入力して、時間Tだけ経過した後の水分分布を取得する。この処理は、経過時間Tを変更しつつ行われる。例えば、経過時間Tを1時間ずつ増やしながら、予測モデル89への入力と、予測モデル89からの出力と、が繰り返される。そして、分布予測部83は、こうして得られた複数の水分分布のうち、平均値が目標仕上水分値に達した水分分布を、乾燥処理終了後の水分分布として決定する。例えば、T=1,2,3,・・・11,12,13,14と変更しながら、時間Tだけ経過した後の水分分布を取得していき、T=13の時に初めて平均値が目標仕上水分値に達した場合は、分布予測部83は、T=13に対応する水分分布を、乾燥処理終了後の水分分布として決定する。
本実施形態では、予測モデル89は、人工知能の学習(例えば、機械学習、ディープラーニング)によって生成される。本実施形態では、予測モデル89は、乾燥機10の過去の運転における水分計70の測定結果に基づいて、コントローラ80の予測モデル生成部87の処理として生成される。つまり、予測モデル生成部87は、乾燥機10の運転が行われるたびに、経過時間T(ゼロを含む)と、経過時間Tの時点で水分計70によって測定された水分値の水分分布と、を学習データとしてメモリ88に蓄積して学習を行う。また、予測モデル生成部87は、乾燥機10の新たに行われた運転における水分計70の測定結果に基づいて再学習を行って、予測モデル89を更新する。このため、乾燥機10を使用していくにつれて、予測モデル89の精度を向上できる。予測モデル89の生成に必要な量の学習データが蓄積されるまでは、実験等によって予め生成された予測モデルが使用されてもよい。代替実施形態では、予測モデル89は、実験に基づいて定義された関数であってもよい。
本実施形態では、予測モデル生成部87は、運転モードごとに(つまり、「はやいモード」、「ふつうモード」および「ゆっくりモード」の各々について)予測モデル89を生成する。例えば、「はやいモード」によって乾燥運転が行われた場合には、そのときに得られた水分計70の測定結果は、「はやいモード」用の予測モデル89を生成するために使用される。そして、分布予測部83は、処理条件(運転モード)に対応する予測モデル89を用いて、水分分布を予測する。例えば、「はやいモード」を採用した場合の水分分布を予測するときには、「はやいモード」用の予測モデル89が使用される。このような構成によれば、予測モデル89の予測精度を向上できる。
代替実施形態では、予測モデル89は、運転モードを説明変数に含む。具体的には、予測モデル生成部87は、運転モードの種類と、水分分布と、が対応付けられた学習データに基づいて、予測モデル89を生成する。そして、分布予測部83は、現在の水分分布と、経過時間Tと、運転モードの種類と、を予測モデル89に入力して、時間Tだけ経過した後の水分分布の予測値を取得する。
さらなる代替実施形態では、予測モデル89は、穀物の目標仕上水分値を説明変数に含む。具体的には、予測モデル生成部87は、目標仕上水分値と水分分布とが対応付けられた学習データに基づいて、予測モデル89を生成する。そして、分布予測部83は、現在の水分分布と、経過時間Tと、目標仕上水分値と、を予測モデル89に入力して、時間Tだけ経過した後の水分分布の予測値を取得する。乾燥後の水分分布は、目標仕上水分値の影響を受けるので、この構成によれば、予測モデル89の予測精度を向上できる。さらなる代替実施形態では、予測モデル生成部87は、目標仕上水分値の値、または、予め定められた範囲ごとに予測モデル89を生成する。そして、分布予測部83は、処理条件(目標仕上水分値の値または範囲)に対応する予測モデル89を用いて、水分分布を予測する。
さらなる代替実施形態では、予測モデル89は、環境情報を説明変数に含む。具体的には、予測モデル生成部87は、環境情報と水分分布とが対応付けられた学習データに基づいて、予測モデル89を生成する。そして、分布予測部83は、現在の水分分布と、経過時間Tと、環境情報と、を予測モデル89に入力して、時間Tだけ経過した後の水分分布の予測値を取得する。そのような環境情報は、例えば、温度、湿度、気圧、風速、振動、赤外線量、紫外線量、光量、音量、天候情報(雨天、晴天など)などであってもよい。コントローラ80は、乾燥機10が備える各種センサから環境情報を取得してもよい。あるいは、コントローラ80は、インターネット上で提供される気象情報提供サービスから環境情報を取得してもよい。乾燥性能は、環境要因の影響を受けるので、この構成によれば、予測モデル89の予測精度を向上できる。さらなる代替実施形態では、予測モデル生成部87は、環境情報の値、または、予め定められた範囲ごとに予測モデル89を生成する。そして、分布予測部83は、処理条件(環境情報の値または範囲)に対応する予測モデル89を用いて、水分分布を予測する。なお、予測モデル89の説明変数は、上述の例に限らず、乾燥性能に影響を与える任意の要因を含むことができ、例えば、穀物の品種情報を含んでいてもよい。
次いで、コントローラ80は、出力部84の処理として、時間条件を満たす運転モードと、それに対応する水分分布(ステップS150で予測した水分分布のうちの、時間条件を満たす運転モードに対応する乾燥処理後の水分分布)と、をディスプレイ90に出力して表示する(ステップS160)。時間条件を満たす運転モードの数が複数である場合には、それらの運転モードごとに、乾燥処理後の水分分布が表示されてもよい。あるいは、時間条件を満たす複数の運転モードのうちの、乾燥速度が相対的に遅い運転モードと、それに対応する乾燥処理後の水分分布と、が表示されてもよい。
一方、ステップS130において、品質優先モードが受け付けられたと判断された場合、コントローラ80は、条件受付部85の処理として、ユーザが入力する品質条件(すなわち、許容可能な水分値のばらつきの程度)および目標仕上水分値を受け付ける(ステップS170)。品質条件は、例えば、水分値の標準偏差であってもよい。
次いで、コントローラ80は、分布予測部83の処理として、運転モードごとに、乾燥処理終了後の水分分布を予測する(ステップS180)。ステップS180の処理は、ステップS150の処理と同様に行われる。
次いで、コントローラ80は、出力部84の処理として、品質条件を満たす運転モードと、それに対応する水分分布(ステップS180で予測した水分分布のうちの、品質条件を満たす運転モードに対応する乾燥処理後の水分分布)と、をディスプレイ90に出力して表示する(ステップS190)。品質条件を満たす運転モードの数が複数である場合には、それらの運転モードごとに、乾燥処理後の水分分布が表示されてもよい。あるいは、品質条件を満たす複数の運転モードのうちの、乾燥速度が相対的に速い運転モードと、それに対応する乾燥処理後の水分分布と、が表示されてもよい。
図5は、ステップS160,S190における水分分布の表示に使用されるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)91の一例を示している。この例では、第1の領域92に、ステップS110で取得された初期の水分分布に対応する水分の平均値、および、標準偏差が「水分値」、「水分ばらつき」としてそれぞれ表示される。また、第1の領域92には、初期の水分分布がヒストグラムの形態で表示される。
さらに、第2の領域93には、「運転終了時間」、「水分値」、および、「水分ばらつき」が表示されるとともに、乾燥処理後の水分分布がヒストグラムの形態で表示される。「水分値」は、ステップS140またはS170で受け付けられた目標仕上水分値を表している。ステップS120において時間優先モードが選択された場合、「運転終了時間」は、ステップS140で受け付けられた運転時間(時間条件)を表しており、「水分ばらつき」は、乾燥処理後の水分の標準偏差の予測値を表している。ステップS120において品質優先モードが選択された場合、「水分ばらつき」は、ステップS170で受け付けられた水分値の標準偏差(品質条件)を表しており、「運転終了時間」は、予測値(目標仕上水分値に達するときの経過時間T)を表している。
ここで説明を図4に戻す。水分分布をディスプレイ90に表示すると、次いで、コントローラ80は、ユーザによる運転開始指示、または、優先モードの再選択の入力を待機する(ステップS200,S210)。具体的には、ユーザは、ステップS160またはステップS190でディスプレイ90に表示された情報(図5参照)を確認する。そして、ユーザは、他の優先モードについても予測結果を確認したい場合には、時間優先ボタン94または品質優先ボタン95(図5参照)を押すことによって、優先モードを再選択できる。一方、ユーザは、ディスプレイ90に表示された、乾燥処理後の水分分布、および、他の予測値(時間優先モードの場合は水分値の標準偏差であり、品質優先モードの場合は運転終了時間)を許容する場合には、運転開始ボタン96(図5参照)を押すことによって、運転開始指示を与えることができる。
そして、コントローラ80は、優先モードの再選択の入力を受け付けた場合には(ステップS200:NO、かつ、ステップS210:YES)、処理をステップS130に戻す。一方、コントローラ80は、運転開始指示の入力を受け付けた場合には(ステップS200:YES)、ステップS160またはステップS190で表示された運転モードを採用することを決定して、乾燥処理の運転を開始する(ステップS220)。こうして、運転モード決定処理は終了となる。
このような運転モード決定処理によれば、ユーザは、例えば、所望の条件(乾燥処理の開始から終了までに要する時間、または、水分値のばらつきの程度)を入力することで、その条件を満たす運転モードに対応する将来の水分分布を乾燥機10の運転開始前に確認できる。したがって、ユーザは、所望の条件を達成するように運転モードを適正に設定できる。
また、ユーザは、初期の水分分布、および、乾燥処理後の水分分布の特性をヒストグラムの形態で容易に確認できる。したがって、各運転モードで得られる乾燥品質を容易に把握でき、適切な運転モードを選択できる。この点について、図9を参照して具体的に説明する。乾燥品質としては、図9に示すパターンAのように、ピークが一つであり、正規分布に近い形状の水分分布が望ましく、幅が狭い(つまり、ばらつきが小さい)ほど、より望ましい。そのような水分分布は、平均値から大きく離れた水分値を有する穀粒が生じにくく、また、乾燥機10から排出した後の水分変化(平衡作用)が生じにくい。一方、パターンBのように複数のピークを有する形状の水分分布、パターンCのような櫛型の形状の水分分布、および、パターンFのように離散型の形状の水分分布では、排出後の水分変化が生じやすい。また、パターンD,Eのように一方側に偏った形状の水分分布では、排出後に、平均値に向かう方向とは異なる方向に水分変化が生じる恐れがある。上述の運転モード決定処理によれば、ユーザは、上述のような水分分布の形状の違いをヒストグラムによって容易に把握できるので、パターンAに近い形状の水分分布が得られるように、運転モードを適切に選択できる。
さらに、ユーザを補助するために、コントローラ80は、運転支援部86の処理として、水分分布の予測結果に応じて運転支援情報をディスプレイ90に表示してもよい。そのような運転支援情報は、例えば、各運転モードについて予測した水分分布の形状を評価して、高評価が得られた水分分布に対応する運転モードの採用を推奨する旨のメッセージであってもよい。このような構成によれば、ユーザは、乾燥機10の運転操作に関する知識に乏しくても、適切な運転操作を行うことができる。
この水分分布の評価では、例えば、ピークの数が一つの水分分布に高評価が与えられてもよい。この場合、ヒストグラムに対して平滑化処理を行い、平滑化されたヒストグラムに対してピークの数が判断されてもよい。平滑化処理は、例えば、ヒストグラムのビンを広げることによって行われてもよいし、あるいは、隣り合う二つのビンの度数のうち、大きい方または小さい方を間引くことによって行われてもよい。こうすれば、局所的な微細な特徴にとらわれず、ヒストグラムの全体形状を適正に評価できる。
あるいは、水分分布の評価は、理想的な水分分布を設定しておき、各運転モードについて予測した水分分布と、理想的な水分分布と、の類似度を判定することによって行われてもよい。この場合、類似度が大きい水分分布ほど、高評価が与えられる。そのような類似度の判定は、例えば、適合度のカイ2乗検定によって行われてもよい。
代替実施形態では、ステップS150,S180において、分布予測部83は、各運転モード(「はやいモード」、「ふつうモード」および「ゆっくりモード」)に代えて、または、加えて、少なくとも一つの組合せ運転モードにそれぞれ対応する少なくとも一つの乾燥処理の終了後の水分分布を予測してもよい。組合せ運転モードとは、時間経過に伴い切り替えるための少なくとも二つの運転モードの組合せを意味し、予め設定される。例えば、「ゆっくりモード」と「ふつうモード」とを組合せた組合せ運転モード、「ふつうモード」と「はやいモード」とを組合せた組合せ運転モードなどを設定可能である。各組合せ運転モードでは、例えば、「ゆっくりモード」で4時間経過後に「ふつうモード」に切り替えというように、運転モードの切り替えタイミングも併せて設定される。
この代替実施形態では、ステップS150,S180において、例えば、「ゆっくりモード」で4時間経過後に「ふつうモード」に切り替える組合せ運転モードに対応する、乾燥処理終了後の水分分布は、以下のようにして取得される。分布予測部83は、まず、「ゆっくりモード」に対応する予測モデル89に初期の水分分布と、経過時間T=4と、を入力して、4時間経過後の水分分布を取得する。そして、「ふつうモード」に対応する予測モデル89に、4時間経過後の水分分布と、経過時間Tと、を入力して、経過時間Tの水分分布を取得する。この処理は、経過時間Tを変更しつつ、行われる。例えば、経過時間Tを1時間ずつ増やしながら、予測モデル89への入力と、予測モデル89からの出力と、が繰り返される。そして、分布予測部83は、こうして得られた複数の水分分布のうち、平均値が目標仕上水分値に達した水分分布を、乾燥処理終了後の水分分布として決定する。
この代替実施形態では、ステップS160,S190において、全ての運転モードおよび/または組合せ運転モードのうちの、時間条件または品質条件を満たす運転モードおよび/または組合せ運転モードが、対応するヒストグラムと共に表示される。このような構成によれば、乾燥品質をより精細に制御可能な運転モードを設定することができる。
さらなる代替実施形態では、ステップS120で優先モードの入力を受け付けなくてもよい。この場合、分布予測部83は、全ての運転モードおよび/または組合せ運転モードについて、乾燥処理の終了後の水分分布をそれぞれ予測してもよい。そして、出力部84は、予測された各水分分布を同時または順次、または、選択的にディスプレイ90に表示してもよい。この構成によれば、ユーザは、運転モードおよび/または組合せ運転モードにそれぞれ対応する乾燥処理の終了後の水分分布を乾燥機10の運転開始前に見比べることができる。したがって、ユーザは、最適な運転モードを容易に設定できる。この代替実施形態でも、運転支援情報がディスプレイ90に表示されてもよい。
さらなる代替実施形態では、運転モードおよび/または組合せ運転モードに加えて、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つと、乾燥運転と、の組合せが予め設定され、当該組合せごとに、乾燥処理後の水分分布が予測されてもよい。この場合、組合せ運転モードと同様の手法で水分分布が予測されてもよく、予測モデル89は、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転、休止運転、乾燥運転ごとに用意されてもよい。
さらなる代替実施形態では、出力部84は、任意のタイミングで、任意の形態で各種の水分分布情報を出力してもよい。例えば、出力部84は、現在の(最新の)実測水分分布のヒストグラム、乾燥処理後の予測水分分布のヒストグラム、および、乾燥処理の途中の予測水分分布のヒストグラムの少なくとも二つを同時または順次に表示可能に、データを出力してもよい。この構成によれば、ユーザによる水分分布の確認の利便性が向上する。例えば、乾燥処理の途中において、現在の(最新の)実測水分分布のヒストグラムと、乾燥処理の開始前に予測した、現在の時点の水分分布ヒストグラムと、が表示されてもよい。ユーザは、両者を見比べることで、乾燥運転が予測通りに進行しているか否かを確認できる。また、ヒストグラムに代えて、または、加えて、分布度数表が出力されてもよい。また、ヒストグラムは、図9に示すような1次元の態様に限らず、水分分布の時間的推移を2次元的に表すヒートマップの形態であってもよい。
次に、図6を参照して、運転モード自動変更処理について説明する。運転モード自動変更処理とは、運転モード決定処理によって決定された運転モードで乾燥運転が開始された後、穀物の乾燥の進行状況に応じて運転モードを自動的に変更する処理である。この処理は、乾燥運転中にコントローラ80によって繰り返し実行される。図6に示すように、運転モード自動変更処理が開始されると、コントローラ80は、水分分布の予測タイミングまで待機する(ステップS310)。本実施形態では、予測タイミングは、水分計70によって水分測定が行われたタイミングである。
そして、予測タイミングになると(ステップS310:YES)、コントローラ80は、分布取得部82の処理として、水分計70で測定された水分値に基づく最新の水分分布を取得する(ステップS320)。次いで、コントローラ80は、分布予測部83の処理として、運転モードごとに、乾燥処理終了後の水分分布を予測し直す(ステップS330)。この処理は、ステップS320で取得された最新の水分分布を予測モデル89に入力する点を除き、ステップ150と同一の処理である。
次いで、コントローラ80は、運転モード決定処理において、いずれの優先モードが選択された状態で乾燥運転が開始されたかを判断する(ステップS340)。時間優先モードが選択された状態で乾燥運転が開始されたとステップS340で判断された場合、コントローラ80は、現状の運転モードよりも乾燥速度が遅い運転モードが存在し、かつ、当該乾燥速度が遅い運転モードに変更しても、時間条件(ステップS140参照)を満たすか否かを判断する(ステップS350)。この判断は、ステップS330で予測し直した水分分布に基づいて行われる。
乾燥速度が遅い運転モードに変更しても時間条件を満たす場合(ステップS350:YES)、コントローラ80は、乾燥速度が遅い運転モードに運転モードを変更し、運転モード自動変更処理を終了する(ステップS360)。この処理によれば、乾燥運転中の実際の水分分布の状況に応じて、時間条件を満たしつつ、乾燥品質をできるだけ向上させることができる。一方、現状の運転モードよりも乾燥速度が遅い運転モードが存在しない場合、または、当該乾燥速度が遅い運転モードに変更すると、時間条件を満たさない場合には(ステップS350:NO)、コントローラ80は、運転モードを変更することなく、運転モード自動変更処理を終了する。
一方、品質優先モードが選択された状態で乾燥処理が開始されたとステップS340で判断された場合、コントローラ80は、現状の運転モードよりも乾燥速度が速い運転モードが存在し、かつ、当該乾燥速度が速い運転モードに変更しても、品質条件(ステップS170参照)を満たすか否かを判断する(ステップ370)。この判断は、ステップS330で予測し直した水分分布に基づいて行われる。
乾燥速度が速い運転モードに変更しても品質条件を満たす場合(ステップS370:YES)、コントローラ80は、乾燥速度が速い運転モードに運転モードを変更し、運転モード自動変更処理を終了する(ステップS380)。この処理によれば、乾燥運転中の実際の水分分布の状況に応じて、品質条件を満たしつつ、乾燥運転時間をできるだけ短縮することができる。一方、現状の運転モードよりも乾燥速度が速い運転モードが存在しない場合、または、当該乾燥速度が速い運転モードに変更すると、品質条件を満たさない場合には(ステップS370:NO)、コントローラ80は、運転モードを変更することなく、運転モード自動変更処理を終了する。代替実施形態では、ステップS370,380は省略されてもよい。つまり、乾燥速度が速い運転モードに変更しても品質条件を満たす場合であっても、コントローラ80は、現状の運転モードを維持してもよい。この代替実施形態によれば、乾燥処理が終了した段階で品質条件をより確実に満たすことができる。つまり、水分分布が予想ほど良好に推移しない状況が現在以降に生じても、品質条件を満たしやすい。
このような運転モード自動変更処理の実行の可否は、ディスプレイ90に表示されるGUIを介してユーザによって予め設定されてもよい。代替実施形態では、ステップS360またはステップ380の実行前に、コントローラ80は、運転支援情報の一例として、運転モードの変更をユーザに薦めるための情報を出力してもよい。この処理は、運転支援部86の処理として実行される。運転支援情報の出力先は、例えば、ディスプレイ90であってもよいし、乾燥機10と通信可能な情報端末であってもよい。
運転モードを変更するための基準(上述の例では、ステップS350,S370)は、適宜、設定することができる。さらに、予測した水分分布に基づいて運転モードの変更の可否が判断される構成に代えて、ステップS320で取得した最新の水分分布に基づいて運転モードの変更の可否が判断されてもよい。この場合、上述したような水分分布の形状の評価結果が基準として使用されてもよい。例えば、乾燥処理の途中で、評価の高い水分分布の形状がすでに得られている場合には、乾燥速度が相対的に速い運転モードに運転モードが切り替えられてもよい。
例えば、運転モードを変更するための基準として、ステップS330で予測される最新の乾燥処理終了後の水分分布が、乾燥処理の開始時に予測された乾燥処理終了後の水分分布よりも望ましくない内容であるか否か(悪い評価内容であるか否か)が設定されてもよい。この場合、最新の乾燥処理終了後の水分分布が望ましくない内容であれば、コントローラ80は、現状の運転モードを、改善された水分分布が得られる運転モードに変更してもよいし、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つを導入する変更を行ってもよいし、そのような変更をユーザに薦めるための運転支援情報を出力してもよい。この構成によれば、例えば、乾燥処理の途中で天候が雨に変わり、外気の湿度が上がるなど、処理環境が悪化した場合であっても、乾燥品質が低下しないように、運転モードを変更できる。
図6の例では、予測した水分分布に基づいて乾燥部30を制御する構成を示したが、乾燥部30に代えて、または、加えて、循環装置が制御されてもよい。例えば、乾燥運転の途中で予測した水分分布に応じて、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つの導入の可否、継続時間などが決定されてもよい。
次に、図7および図8を参照して、制御パラメータ設定処理について説明する。制御パラメータ設定処理とは、穀物の水分分布に基づいて、乾燥処理の制御パラメータ(火力、風量等)を設定する処理である。この処理は、乾燥運転の開始を契機として実行される。制御パラメータ設定処理が開始されると、コントローラ80は、まず、分布取得部82の処理として、最新の水分分布を取得する(ステップS410)。
次いで、コントローラ80は、ステップS410で取得した水分に基づいて、分布予測部83の処理として、所定時間後の水分分布を予測する(ステップS420)。ここでの所定時間は、水分計70による水分測定の周期に等しい。本実施形態では、当該周期は1時間であるから、この所定時間も1時間である。ステップS420の処理は、ステップS150と同一の処理である。
次いで、コントローラ80は、ステップS420の予測が初回の予測であるか否か、つまり、初期の水分分布に基づいての予測であるか否かを判断する(ステップS430)。判断の結果、ステップS420の予測が初回の予測であれば(ステップS430:YES)、コントローラ80は、ステップS420で予測した水分分布の統計量(例えば、平均値および標準偏差)を算出し、この統計量に基づいて、制御パラメータを設定する(ステップS460)。
一方、ステップ420の予測が2回目以降の予測であれば(ステップS430:NO)、コントローラ80は、ステップS410で取得した最新の水分分布と、ステップS420で予測した水分分布と、の類似度を評価する(ステップS440)。この処理は、同時点での、実測された水分分布と、予測された水分分布と、の類似度を評価する処理である。つまり、ステップS440は、乾燥処理に伴い、水分分布が予測結果に対して所定の程度、予測通りに推移しているか否かを評価するものである。ステップS440の類似評価は、例えば、適合度のカイ2乗検定によって行われてもよい。
次いで、コントローラ80は、評価した類似度が閾値以上であるか否かを判断する(ステップS450)。判断の結果、類似度が閾値以上であれば(ステップS450:YES)、つまり、水分分布がある程度予測通り推移していれば、水分分布の予測結果は、限定された数のサンプリングによって実測された水分分布よりも信頼性が高い(乾燥処理している穀物全体の実際の値に近い)と考えられる。そこで、コントローラ80は、処理を上述のステップS460に進め、予測した水分分布の統計量に基づいて(つまり、より信頼性の高い統計量に基づいて)、制御パラメータを設定する。
次いで、コントローラ80は、次の水分測定のタイミングまで待機する(ステップS470)。そして、次の水分測定のタイミングで、水分計70による測定を行う(ステップS480)。次いで、コントローラ80は、ステップS480で測定した水分値(ここでは、平均値)が、目標仕上水分値に達しているか否かを判断する(ステップS490)。測定した水分値が目標仕上水分値に達していれば(ステップS490:YES)、コントローラ80は、制御パラメータ設定処理を終了する。これによって、乾燥運転も終了となる。
一方、測定した水分値が目標仕上水分値に達していなければ(ステップS490:NO)、コントローラ80は、処理をステップS420に戻す。これによって、コントローラ80は、予測モデル89に入力する水分分布は変更することなく、所定時間後(前回のステップS420での予測時点に対してさらに1時間後)の水分分布を予測し直すことになる。
一方、ステップS450の判断において、類似度が閾値未満であれば(ステップS450:NO)、つまり、水分分布が予測通り推移していなければ、水分分布の予測結果は信頼性が低いと考えられる。そこで、コントローラ80は、実測した水分分布(ステップS410で取得した水分分布)の統計量に基づいて(つまり、相対的に信頼性の高い統計量に基づいて)、制御パラメータを設定する(ステップS500)。
次いで、コントローラ80は、次の水分測定のタイミングまで待機する(ステップS510)。そして、次の水分測定のタイミングで、水分計70による測定を行う(ステップS520)。次いで、コントローラ80は、ステップS520で測定した水分値(ここでは、平均値)が、目標仕上水分値に達しているか否かを判断する(ステップS530)。測定した水分値が目標仕上水分値に達していれば(ステップS530:YES)、コントローラ80は、制御パラメータ設定処理を終了する。これによって、乾燥運転も終了となる。
一方、測定した水分値が目標仕上水分値に達していなければ(ステップS530:NO)、コントローラ80は、処理をステップS410に戻す。これによって、コントローラ80は、ステップS410において、予測モデル89に入力する水分分布を最新の水分分布に変更し、ステップS420において、所定時間後(前回のステップS420での予測時点に対してさらに1時間後)の水分分布を予測し直すことになる。このため、以降は、予測した水分分布に基づいた制御を行える可能性が高まる。
このような制御パラメータ設定処理に基づけば、同じ時点の(つまり、所定時間、乾燥処理が行われた後の)水分分布に関して、予測値と実測値とが所定の程度以上に類似している場合に、より信頼性が高い予測値に基づいて、より正確に水分制御を行うことができる。あるいは、予測値と実測値とが所定の程度以上に類似している場合に、サンプリングする穀物の数を増やして実測値の信頼性を高める必要がないので、サンプリングされる穀物の総数を減らすことができる。したがって、穀物の破壊が必要な方式の水分計(一般的な安価な水分計)を用いて穀物の水分を測定する場合に、サンプリングによる原料ロスを低減できる。
代替実施形態では、ステップS450の判断において、類似度が閾値未満であれば(ステップS450:NO)、コントローラ80は、類似度が閾値以上となるまで、制御パラメータの設定の基礎とする実測水分分布を取得するためのサンプリング数またはサンプリング頻度を増加させてもよい。この構成によれば、実測値に基づいて水分制御を行う場合であっても、信頼性を高めることができる。
図7および図8の例では、予測した水分分布または実測した水分分布に基づいて乾燥部30(乾燥部30の制御パラメータ)を制御する構成を示したが、乾燥部30に代えて、または、加えて、循環装置が制御されてもよい。例えば、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つの導入の可否、継続時間などが決定されてもよい。例えば、予測した水分分布と実測した水分分布との類似度が所定の程度以上に小さい場合には、張り込みムラが生じていると判断して、張り込みムラを緩和するために撹拌運転の導入が決定されてもよい。
本発明の他の実施形態について、図10を参照して以下に説明する。この他の実施形態による乾燥機は、コントローラの機能のみが上述の実施形態と異なっている。以下、他の実施形態について、上述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。他の実施形態による乾燥機は、コントローラ80に代えて、コントローラ680を備えている。コントローラ680は、運転パラメータ設定装置として機能し、より具体的には、CPU81によって分布取得部82、決定部682、出力部683および受付部684として機能する。
分布取得部82は、図3に示す分布取得部82と同様の機能を有している。決定部682は、分布取得部82によって取得された現在の水分分布の特徴に基づいて、乾燥機の運転パラメータの候補を決定する。運転パラメータの候補とは、例えば、上述の「はやいモード」、「ふつうモード」、「ゆっくりモード」および組合せ運転モードの少なくとも二つのうちのいずれで運転を行うかの情報である。
現在の水分分布の特徴には、水分分布の形状が含まれる。決定部682は、初期の水分分布の形状を評価し、その評価結果に基づいて、運転パラメータの候補を決定する。そのような評価では、上述した水分分布の評価手法と同様に、ピークの数が一つの水分分布に高評価が与えられてもよい。この場合、ヒストグラムに対して平滑化処理を行い、平滑化されたヒストグラムに対してピークの数が判断されてもよい。例えば、決定部682は、ピークの数が一つである場合に、「ふつうモード」または「ゆっくりモード」を、運転パラメータの候補として決定してもよい。また、決定部682は、ピークの数が複数である場合に、「ゆっくりモード」を運転パラメータの候補として決定してもよい。
あるいは、水分分布の評価は、理想的な水分分布を設定しておき、各運転モードについて予測した水分分布と、理想的な水分分布と、の類似度を判定することによって行われてもよい。この場合、類似度が大きい水分分布ほど、高評価が与えられる。例えば、決定部682は、高い評価が得られるほど、乾燥速度がより速い運転モードまたは組合せ運転モードを、運転パラメータの候補として決定してもよい。
現在の水分分布の特徴には、水分分布の形状に加えて、他の要素(例えば、水分値の平均値、標準偏差)が含まれてもよい。この場合、水分分布の形状と他の要素とを総合的に評価して、運転パラメータの候補が決定されてもよい。
出力部683は、決定部682によって決定された運転パラメータの候補をディスプレイ90に出力する。受付部684は、ユーザがディスプレイ90を介して入力する、運転パラメータの候補の採用の可否を受け付ける。コントローラ680は、運転パラメータの候補の採用を許容する指示を受け付けると、当該運転パラメータの候補で、乾燥機の運転を開始する。このコントローラ680によれば、乾燥対象物の水分分布の特徴に基づいて、乾燥機の運転パラメータを適切に設定できる。決定部682は、運転パラメータの候補を決定する代わりに、運転パラメータを決定してもよい。この場合、コントローラ680は、決定した運転パラメータで、乾燥機の運転を開始してもよい。
他の実施形態によれば、コントローラ80は、運転支援部86の処理として、「ふつうモード」によって乾燥運転が行われた場合の水分予測結果(乾燥処理終了後の水分分布についての予測結果)に基づいて、より詳細には、予測された水分分布の評価結果に基づいて、運転支援情報をディスプレイ90などに出力してもよい。この場合の運転支援情報は、乾燥機で設定すべき運転パラメータの提案に関する情報を含んでいてもよい。そして、コントローラ80は、提案されている運転パラメータの採用の可否に関するユーザの入力を受け付けてもよい。運転パラメータは、複数の運転モードおよび組合せ運転モードのいずれかと、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つと、の組合せを含んでいてもよい。
例えば、コントローラ80は、「ふつうモード」によって乾燥運転が行われた場合の水分分布予測結果が非常に良い(例えば、評価値が第1の閾値以上である)場合には、「はやいモード」による乾燥を行った後に低温仕上運転を行う運転パラメータを、対応する乾燥処理が終了するまでの所要時間の予測値(T1)とともに提示してもよい。さらに、コントローラ80は、「ふつうモード」によって乾燥運転が行われた場合の水分分布予測結果が良い(例えば、評価値が第1の閾値よりも低い第2の閾値以上である)場合には、「ふつうモード」による乾燥を行った後に低温仕上運転を行う運転パラメータを、対応する乾燥処理が終了するまでの所要時間の予測値(T2)とともに提示してもよい。さらに、コントローラ80は、「ふつうモード」によって乾燥運転が行われた場合の水分分布予測結果が悪い(例えば、評価値が第2の閾値未満である)場合には、「ゆっくりモード」による乾燥を行った後に低温仕上運転を行う運転パラメータを、対応する乾燥処理が終了するまでの所要時間の予測値(T3)とともに提示してもよい。低温仕上運転は、例えば、「はやいモード」、「ふつうモード」および「ゆっくりモード」のいずれかの運転モードで乾燥を行っている最中に、目標水分値付近(目標水分値+1%)に達した時点で導入される(上記三つの運転モードのいずれかから低温仕上運転に切り替えられる)。
水分分布予測結果の評価方法は、例えば、理想的な水分分布を設定しておき、水分分布予測結果と、理想的な水分分布と、の類似度を判定することによって行われてもよい。この場合、類似度が大きい水分分布ほど、高評価が与えられる。そのような類似度の判定は、例えば、適合度のカイ2乗検定によって行われてもよい。
上述の所要時間の予測値T1~T3は、「ふつうモード」のみによって乾燥処理が行われる場合の乾燥処理が終了するまでの所要時間の予測値(T0)に基づいて決定されてもよい。典型的には、予測値T1~T3は、予測値T0に任意の正の値の補正係数を乗じることによって算出される。補正係数は、実験的に予め決定されてもよいし、乾燥機10の運転実績(過去の運転において実際に要した時間)に基づいて決定されてもよい。例えば、予測値T1に関する補正係数は1.0、予測値T2に関する補正係数は1.1、予測値T2に関する補正係数は1.4であってもよい。
通常、「ふつうモード」は非常に高頻度で使用されるので、その運転実績も豊富に存在する。このため、そのような豊富な運転実績の学習によって生成される「ふつうモード」用の予測モデル89は、相対的に高い予測精度を有している。あるいは、各種運転モードの運転実績の学習によって生成される、各種運転モードに適用可能な予測モデル89は、「ふつうモード」に関しての高い予測精度を有している。上記の構成によれば、そのような「ふつうモード」に関しての予測精度の高さを利用して、様々な運転パラメータの採用の可否をユーザに提案できる。
特に、上述の例では、「ゆっくりモード」、「ふつうモード」および「はやいモード」のいずれかによる乾燥運転と、低温仕上運転と、を組み合わせた運転パラメータの候補がユーザに提示される。低温仕上運転によれば、乾燥処理の終了時に、穀物の温度が低い状態で穀物を乾燥機10から排出できる。したがって、排出後の穀物間での水分移行が低減され(仕上がり後の水分変化が低減され)るので、水分が高くなる側に変化することを抑制できる。したがって、外気の環境に影響を受けにくく、安定した品質の穀物を得ることができる。
代替実施形態では、「ふつうモード」以外に高頻度で使用される運転モードが存在する場合には、「ふつうモード」に代えて、その運転モードによって乾燥運転が行われた場合の水分予測結果に基づいて、運転支援情報をディスプレイ90などに出力してもよい。
他の実施形態によれば、コントローラ80は、分布予測部83による予測結果に関して予め定められた条件に基づいて運転パラメータを決定し、決定した運転パラメータに基づいて、乾燥処理を自動的に開始してもよい。決定される運転パラメータは、複数の運転モードおよび組合せ運転モードのいずれかであってもよいし、複数の運転モードおよび組合せ運転モードのいずれかと、循環運転、撹拌運転、低温仕上運転および休止運転の少なくとも一つと、の組合せであってもよい。予め定められた条件は、ユーザによって予め入力される。
予め定められた条件は、乾燥品質に関する条件を含んでいてもよい。この場合、コントローラ80は、予め定められた複数の運転パラメータの候補の各々について、乾燥品質に関する指標を算出する。予め定められた条件は、この指標に関する閾値とすることができる。乾燥品質に関する指標は、例えば、理想的な水分分布に対する類似度であってもよい。具体的には、例えば、理想的な水分分布を設定しておき、水分分布予測結果と、理想的な水分分布と、の類似度が算出されてもよい。この場合、類似度が大きい水分分布ほど、高評価が与えられる。そのような類似度の判定は、例えば、適合度のカイ2乗検定、T検定、KS検定などによって行われてもよい。
さらに、予め定められた条件は、乾燥品質に関する条件に代えて、または、加えて、乾燥処理が終了するまでの所要時間の予測値に関する条件を含んでいてもよい。この場合、コントローラ80は、予め定められた複数の運転パラメータの候補の各々について、乾燥処理が終了するまでの所要時間の予測値を算出する。予め定められた条件は、所要時間の予測値に関する閾値とすることができる。
このように乾燥品質に関する指標および/または所要時間の予測値を算出すると、コントローラ80は、予め定められた複数の運転パラメータの候補のうちから、予め定められた条件を満たす運転パラメータの候補を採用して、乾燥処理を自動的に開始する。特に、乾燥品質に関する指標および所要時間の予測値の両方を予め定められた条件として設定すると、乾燥時間が短く、かつ、乾燥ムラの小さい合理的な乾燥が実現できる。代替実施形態では、コントローラ80は、乾燥処理を開始する前に、予め定められた条件を満たす運転パラメータの候補と、それに対応する乾燥品質に関する指標および/または所要時間の予測値と、をディスプレイ90などに出力してもよい。そして、コントローラ80は、この運転パラメータの候補の採用の可否に関するユーザの入力を受け付けてもよい。
他の実施形態では、運転パラメータの候補に低温仕上運転が含まれる場合には、低温仕上運転における燃焼バーナの火力(熱風温度)および/またはロータリーバルブ40の駆動サイクル時間の設定が異なる複数のケースが、それぞれ個別に、運転パラメータの候補として設定されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、上記した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、任意の省略が可能である。
例えば、コントローラ80の機能(分布取得部82、分布予測部83、出力部84、条件受付部85、運転支援部86および予測モデル生成部87の機能)は、コンピュータの形態で実現されてもよい。コンピュータは、乾燥機10のコントローラ80に通信可能に接続されてもよいし、スタンドアローンであってもよい。前者の場合、コンピュータ(分布取得部82)は、水分計70の測定結果を通信によって取得してもよい。後者の場合、ユーザが、記憶媒体をコントローラ80に接続して、水分計70の測定結果を記憶媒体に記憶させ、その後、当該記憶媒体をコンピュータに接続した後に、コンピュータ(分布取得部82)は、水分計70の測定結果を記憶媒体から取得してもよい。コントローラ680の機能(分布取得部82、決定部682、出力部683および受付部684の機能)についても、コントローラ80の機能と同様に、コンピュータの形態で実現されてもよい。
また、上述したフローチャートは、一例に過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、フローチャートを構成する各処理は、処理順序の変更や、等価な処理への変更が可能である。
また、本発明は、穀物乾燥機に限らず、任意の乾燥対象物を乾燥するための乾燥機(または、そのような乾燥機用の水分測定装置もしくは運転パラメータ決定装置)として実現可能である。そのような乾燥対象物は、例えば、種子、木材、樹脂、衣類などであってもよい。また、本発明は、循環式乾燥機に限らず、乾燥対象物が、循環することなく貯留されるタイプの乾燥機(または、そのような乾燥機用の水分測定装置もしくは運転パラメータ決定装置)として実現されてもよい。この場合、非接触式(例えば、赤外線式)の水分計が用いられてもよく、水分計は、アクチュエータによって移動可能に(測定箇所を変更可能に)構成されてもよい。
10...循環式穀物乾燥機
20...貯留室
21...ホッパ
22...排出口
30...乾燥部
31...熱風室
32,33...穀物流下室
34...排風室
40...ロータリーバルブ
41...開口
50...下部スクリューコンベア
60...昇降装置
70...水分計
80...コントローラ
81...CPU
82...分布取得部
83...分布予測部
84...出力部
85...条件受付部
86...運転支援部
87...予測モデル生成部
88...メモリ
89...予測モデル
90...ディスプレイ
91...GUI
92...第1の領域
93...第2の領域
94...時間優先ボタン
95...品質優先ボタン
96...運転開始ボタン
680...コントローラ
682...決定部
683...出力部
684...受付部

Claims (8)

  1. 乾燥機用の水分予測装置であって、
    乾燥対象物の現在の水分分布を取得するように構成された分布取得部と、
    前記乾燥機によって所定時間、乾燥処理された後の水分分布である将来の水分分布を、前記現在の水分分布に基づいて予測するように構成された分布予測部と
    を備える水分予測装置。
  2. 請求項1に記載の水分予測装置であって、
    前記将来の水分分布を表示するためにデータを出力するように構成された出力部を備える
    水分予測装置。
  3. 請求項2に記載の水分予測装置であって、
    前記将来の水分分布は、前記乾燥機による乾燥処理が終了する前の時点での水分分布である第1の水分分布と、前記乾燥機による乾燥処理が終了する時点での水分分布である第2の水分分布と、を含み、
    前記出力部は、前記現在の水分分布を表すヒストグラムおよび/または度数分布表、前記第1の水分分布を表すヒストグラムおよび/または度数分布表、ならびに、前記第2の水分分布を表すヒストグラムおよび/または度数分布表の少なくとも二つを同時または順次に表示可能に、前記データを出力するように構成された
    水分予測装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の水分予測装置であって、
    人工知能の学習によって生成された予測モデルであって、前記現在の水分分布を説明変数に含み、前記将来の水分分布が目的変数である予測モデルを記憶する記憶装置を備え、
    前記分布予測部は、前記現在の水分分布を前記予測モデルに入力して、前記将来の水分分布を予測するように構成された
    水分予測装置。
  5. 請求項4に記載の水分予測装置であって、
    前記乾燥機の過去の運転における前記乾燥対象物の水分の測定結果に基づいて前記予測モデルを生成するように構成された予測モデル生成部を備える
    水分予測装置。
  6. 請求項5に記載の水分予測装置であって、
    前記予測モデル生成部は、前記乾燥機の新たに行われた運転における前記乾燥対象物の水分の測定結果に基づいて再学習を行って、前記予測モデルを更新するように構成された
    水分予測装置。
  7. 乾燥機であって、
    請求項2または請求項3に記載の水分予測装置を備え、
    前記水分予測装置は、許容可能な乾燥処理の開始から終了までに要する時間に関するか、または、許容可能な水分値のばらつきの程度に関する条件の入力を受け付けるように構成された条件受付部を備え、
    前記乾燥機は、乾燥速度が異なる複数の運転モードのいずれかで選択的に運転可能に構成され、
    前記分布予測部は、
    前記複数の運転モード、および/または、
    時間経過に伴い切り替えるための、前記複数の運転モードのうちの少なくとも二つの運転モードの組合せである少なくとも一つの組合せ運転モード
    にそれぞれ対応する複数の将来の水分分布を予測可能に構成され、
    前記出力部は、前記複数の将来の水分分布のうちの、前記条件受付部によって受け付けられた前記条件を満たす運転モードおよび/または組合せ運転モードに対応する将来の水分分布を出力するように構成された
    乾燥機。
  8. 乾燥機であって、
    請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の水分予測装置と、
    前記乾燥対象物を貯留する貯留室と、
    前記貯留室の下方に設けられ、前記乾燥対象物を乾燥するように構成された乾燥部と、
    前記乾燥部から前記乾燥対象物を送り出して前記乾燥対象物を前記貯留室に戻すように構成された循環装置と、
    前記乾燥機の動作を制御するように構成されたコントローラと
    を備え、
    前記コントローラは、前記将来の水分分布に基づいて、前記乾燥部および前記循環装置の少なくとも一方を制御するように構成された
    乾燥機。
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