JP2024034972A - 硬化性樹脂組成物、硬化物及び物品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、硬化物及び物品 Download PDF

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Shunsuke Yamada
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Abstract

【課題】本開示が解決する課題は、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物の硬化物及び物品を提供することである。【解決手段】本開示は、エポキシ系樹脂(A)と、非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)及び金属塩(b2)を必須原料として含む化合物(B)と、硬化剤(C)としてフェノール樹脂及び活性エステル樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上と、を含有し、前記ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする硬化性樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本開示は、硬化性樹脂組成物、硬化物及び物品に関する。
複数のチップをダイレクト実装するセラミック多層基板に替わり、プリント配線板に高精細な配線を形成可能なビルドアップ方式を用いたビルドアップ基板の製造技術が近年主流になっている。一般にビルドアップ方式は、エポキシ系樹脂等を含む硬化性組成物が硬化した絶縁層と銅配線等の導体層とをプリント配線板の両面に対して逐次積層する方法である。近年における、配線ピッチの縮小及び配線層数の増加の技術的潮流を受けて、ビルドアップ方式の絶縁層に使用される組成物には、銅等の金属配線との高い密着性又は低誘電性といった特性が求められるようになった。
例えば、エポキシ系樹脂を含む硬化性組成物の技術として、特許文献1が挙げられる。当該特許文献1には、エポキシ樹脂の硬化主剤としてイミダゾール化合物を用い、これに特定の他の化合物(ホウ酸若しくはそのエステル、又は亜リン酸)を併用することにより120℃以下、30分以下という低温速硬化の条件を維持したまま、40℃、18日以上という可使時間を得る技術が記載されている。
特開平02-103224号公報
しかし、特許文献1の技術では、可使時間、低温速硬化特性及び熱変形温度等を検討しているが、貯蔵安定性及び耐熱性の両立には改善の余地が大いに残る。そこで、本発明が解決しようとする課題は、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物の硬化物及び物品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、非共有電子対を持つ特定のヘテロ原子を分子内に有する化合物及び金属塩を含む化合物の存在下において、エポキシ系樹脂(A)と、硬化剤(C)としてのフェノール樹脂又は活性エステル樹脂と、を含有させる硬化性樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本開示は、エポキシ系樹脂(A)と、非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)及び金属塩(b2)を必須原料として含む化合物(B)と、硬化剤(C)としてフェノール樹脂及び活性エステル樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上と、を含有し、前記ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる1種以上である硬化性樹脂組成物、当該硬化性樹脂組成物から得られる硬化物及び物品に関するものである。
本開示によれば、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物、前記硬化性樹脂組成物の硬化物及び物品を提供する。
なお、本開示でいう「優れた潜在性」とは、低温域(0~100℃程度)では硬化反応が抑制され、高温域(100℃以上)で硬化反応が促進する特性のことを云う。
以下、本発明の実施の形態(「本実施形態」と称する。)について詳細に説明するが、本開示は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[定義]
本明細書における「反応原料」とは、化合又は分解といった化学反応により目的の化合物を得るために用いられ、目的の化合物の化学構造を部分的に構成する化合物をいい、溶媒、触媒といった、化学反応の助剤の役割を担う物質は除外される。
本明細書における「芳香族基」は、炭素原子数3~30の芳香族環を有する基であることが好ましく、炭素原子数4~26の芳香族環を有する基であることがより好ましい。そして、本明細書における「芳香族基」は、当該芳香族基中の芳香族環の水素原子が、置換基、例えば、炭素原子数1~12のアルキル基、炭素原子数1~12のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されてもよい。また、「芳香族基」は、複素芳香族を含み、「芳香族基」中の-CH-又は-CH=が互いに隣接しないよう、-O-、-S-又は-N=に置換されてもよい。
当該芳香族環の種類は、例えば、単環芳香族環、縮環芳香族環又は環集合芳香族環等が挙げられる。前記単環芳香族環としては、例えば、ベンゼン、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン等が挙げられる。前記縮環芳香族環としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、プテリジン、クマリン、インドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、アクリジン等が挙げられる。前記環集合芳香族環としては、例えば、ビフェニル、ビナフタレン、ビピリジン、ビチオフェン、フェニルピリジン、フェニルチオフェン、テルフェニル、ジフェニルチオフェン、クアテルフェニル等が挙げられる。また、当該芳香族基中の芳香族環の水素原子が、例えば、炭素原子数1~12のアルキル基、炭素原子数1~12のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されてもよい。
なお、一価の芳香族基とは、「芳香族基」中の水素原子を1つ除いた基をいい、二価の芳香族基とは、「芳香族基」中の水素原子を2つ除いた基をいい、三価~六価の芳香族基とは、「芳香族基」中の水素原子を3~6つ除いた基をいう。
本明細書における「アリール基」は、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントリル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられる。また、当該「アリール基」は、当該アリール基中の芳香族環の水素原子が、例えば、炭素原子数1~12のアルキル基、炭素原子数1~12のアルコキシ基、炭素原子数2~12のアルケニル基又はハロゲン原子に置換されてもよい。なお、「アリーレン基」は、前記「アリール基」から任意の水素原子を1つ除いた二価の基が挙げられる。
本明細書における「アラルキル基」としては、例えば、ベンジル基、ジフェニルメチル基、ビフェニル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。当該アラルキル基中の芳香族環の水素原子が、例えば、炭素原子数1~12のアルキル基、炭素原子数2~12のアルケニル基、炭素原子数1~12のアルコキシ基又はハロゲン原子に置換されてもよい。なお、「アラルキレン基」は、前記「アラルキル基」から任意の水素原子を1つ除いた二価の基が挙げられる。
本明細書における「アルキル基」は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、1,2-ジメチルプロピル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、(n-)ヘプチル基、(n-)オクチル基、(n-)ノニル基、(n-)デシル基、(n-)ウンデシル基、(n-)ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基又はシクロノニル基が挙げられる。
本明細書における「シクロアルキル基」は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基又はアダマンチル基等が挙げられる。
本明細書における「アルケニル基」は、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、アクリル基又はメタクリル基等が挙げられる。また、「アルケニレン基」は、前記「アルケニル基」から任意の水素原子を1つ除いた二価の基が挙げられる。
本明細書における「アルコキシ基」は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基又はノニルオキシ基等が挙げられる。
本明細書における「アリール基」は、フェニル基、1-ナフチル基又は2-ナフチル基等が挙げられる。
本明細書における「アリールオキシ基」は、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アンスリルオキシ基、フェナントリルオキシ基又はピレニルオキシ基等が挙げられる。
本明細書における「ハロゲン原子」は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等が挙げられる。
本明細書における「アルキレン基」は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよく、上記の「アルキル基」の例示の基から任意の位置の水素原子を1つ取り除いた基が挙げられる。例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1-メチルメチレン基、1,1-ジメチルメチレン基、1-メチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、イソプロピレン基、イソプロピリデン基、プロピリデン基、ブチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基等が挙げられる。
本明細書における「一価の有機基」とは、一価の炭化水素基(炭素原子数1~30の、アルキル基、アルケニル基、及びアリール基を含む)又は炭素原子数1~30のアルコキシ基が挙げられ、前記アリール基は、当該アリール基中の1又は2以上の水素原子がハロゲン原子、アミノ基、アルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基に置換されてもよい。また、本明細書における「アミノ基」は、-NHだけでなく、置換アミノ基を含み、例えば、-NR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。)で表される。
本明細書における「構造単位」とは、反応又は重合時に形成される化学構造の(繰り返し)単位をいい、換言すると、反応又は重合よりに形成される生成化合物において、当該反応又は重合に関与する化学結合の構造以外の部分構造をいい、いわゆる残基をいう。
[硬化性樹脂組成物]
本開示の硬化性樹脂組成物は、エポキシ系樹脂(A)(以下樹脂(A)とも称する。)と、非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)及び金属塩(b2)を必須原料として含む化合物(B)(以下化合物(B)とも称する。)と、硬化剤(C)としてフェノール樹脂及び活性エステル樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上と、を含有する。そして、前記化合物(B)中の前記ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上である。
これにより、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物が得られる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、エポキシ系樹脂(A)の含有量は、硬化性樹脂組成物全体に対して、10~80質量%であることが好ましく、10~60質量%であることがより好ましく、10~50質量%であることがさらに好ましく、10~30質量%であることがさらにより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、化合物(B)の含有量は、硬化性樹脂組成物全体に対して、0.01~10質量%であることが好ましく、0.02~8質量%であることがより好ましく、0.03~5質量%であることがさらに好ましく、0.05~3質量%であることがよりさらに好ましく、0.05~2質量%であることがさらにより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化剤(C)の含有量は、硬化性樹脂組成物全体に対して、5~50質量%であることが好ましく、5~40質量%であることがより好ましく、5~30質量%であることがさらに好ましく、5~20質量%であることがよりさらに好ましく、5~10質量%であることがさらにより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、フェノール樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物全体に対して、0~50質量%であることが好ましく、0~40質量%であることがより好ましく、0~30質量%であることがさらに好ましく、1~20質量%であることがよりさらに好ましく、1~10質量%であることがさらにより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、活性エステル樹脂の含有量は、硬化性樹脂組成物全体に対して、0~50質量%であることが好ましく、0~40質量%であることがより好ましく、1~40質量%であることがさらに好ましく、1~30質量%であることがよりさらに好ましく、1~20質量%であることがさらにより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化剤(C)中のフェノール樹脂の含有量は、硬化剤(C)全体に対して0~50質量%であることが好ましく、0~40質量%であることがより好ましく、0~30質量%であることがさらに好ましく、1~30質量%であることがよりさらに好ましく、10~30質量%であることがさらにより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化剤(C)中の活性エステル樹脂の含有量は、硬化剤(C)全体に対して0~90質量%であることが好ましく、10~90質量%であることがより好ましく、20~90質量%であることがさらに好ましく、40~90質量%であることがよりさらに好ましく、50~90質量%であることがさらにより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、硬化剤(C)としてフェノール樹脂及び活性エステル樹脂を併用して含む場合、硬化性樹脂組成物全体に対して、活性エステル樹脂の含有量は0~90質量%であり、かつフェノール樹脂の含有量は0~90質量%はであることが好ましく;活性エステル樹脂の含有量は20~90質量%であり、かつフェノール樹脂の含有量は10~50質量%であることがより好ましく;活性エステル樹脂の含有量は50~90質量%であり、かつフェノール樹脂の含有量は10~40質量%はであることがさらに好ましい。
硬化剤(C)としてフェノール樹脂及び活性エステル樹脂を併用して含むと、より優れた耐熱性及び潜在性を示す。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、フェノール樹脂を含有する場合、エポキシ系樹脂(A)の含有量とフェノール樹脂の含有量とのモル比率は、エポキシ系樹脂(A)のエポキシ基1モルに対して、前記フェノール樹脂中のフェノール性水酸基は、0.1~1.2モルであることが好ましく、0.1~0.8モルであることがより好ましく、0.1~0.5モルであることがさらに好ましく、0.1~0.3モルであることがさらにより好ましい。
エポキシ系樹脂(A)とフェノール樹脂との比率を上記範囲にすると、耐熱性及び誘電特性の観点で好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物において、活性エステル樹脂を含有する場合、エポキシ系樹脂(A)の含有量と活性エステル樹脂の含有量とのモル比率は、エポキシ基1モルに対して、前記活性エステル基当量は、0.1~2.0モルであることが好ましく、0.2~1.5モルであることがより好ましく、0.5~1,2モルであることがさらに好ましく、0.7~1.0モルであることがさらにより好ましい。
エポキシ系樹脂(A)と活性エステル樹脂との比率を上記範囲にすると、耐熱性及び潜在性の観点で好ましい。
本実施形態において、無機充填剤を硬化性樹脂組成物に配合する場合、エポキシ系樹脂(A)と、化合物(B)と、フェノール樹脂及び活性エステル樹脂と、無機充填剤との合計含有量が、硬化性樹脂組成物全体に対して50~100質量%占めることが好ましく、60~100質量%占めることがより好ましく、80~100質量%占めることがさらに好ましい。
本実施形態において、無機充填剤を硬化性樹脂組成物に配合しない場合、エポキシ系樹脂(A)と、化合物(B)と、フェノール樹脂及び活性エステル樹脂との合計含有量が、硬化性樹脂組成物全体に対して50~100質量%占めることが好ましく、60~100質量%占めることがより好ましく、80~100質量%占めることがさらに好ましい。
以下、本実施形態の硬化性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
「エポキシ系樹脂(A)」
本実施形態のエポキシ系樹脂(A)は、樹脂中に複数のエポキシ基を有している樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂(a1)及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
なお、「重合性不飽和基」としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、1-プロペニル基、スチリル基、スチリルメチル基、マレイミド基、ビニルエーテル基等が挙げられる。そして、本開示において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。さらに、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
本実施形態のエポキシ系樹脂(A)の好ましい形態としては、例えば、以下の(1)~(2)からなる群から選択される1種又は2種以上の樹脂が挙げられる。
(1)エポキシ樹脂(a1)、
(2)エポキシ樹脂(a1)及び不飽和一塩基酸を必須の反応原料とする酸基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(a2)
本実施形態のエポキシ樹脂(a1)は、上記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(a2)以外の複数のエポキシ基を有している樹脂であり、換言すると、重合性不飽和基を有していない、エポキシ基を2以上有する樹脂であり、例えば、ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルオキシナフタレン、脂肪族エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、オキサゾリドン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂(a1)は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族エポキシ樹脂は、例えば、各種の脂肪族ポリオール化合物のグリシジルエーテル化物が挙げられる。前記脂肪族ポリオール化合物は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチルプロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール化合物;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等の3官能以上の脂肪族ポリオール化合物等が挙げられる。中でも、硬化物における機械強度に一層優れる組成物となることから、前記脂肪族ジオール化合物のグリシジルエーテル化物が好ましい。
前記トリフェノールメタン型エポキシ樹脂は、例えば、下記一般式(a1)で表される構造部位を繰り返し構造単位として有するものが挙げられる。
Figure 2024034972000001
[上記式中、Ra1、Ra2はそれぞれ独立に水素原子又は構造式(a1)で表される構造部位と*印が付されたメチン基を介して連結する結合点の何れかである。na1は1以上の整数である。]
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールB型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記水添ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記フェノール又はナフトールアラルキル型エポキシ樹脂は、例えば、グリシジルオキシベンゼン又はグリシジルオキシナフタレン構造が、下記構造式(a-1)~(a-3)の何れかで表される構造部位にて結節された分子構造を有するものが挙げられる。
Figure 2024034972000002
(上記式中、Xは炭素原子数2~6のアルキレン基、エーテル結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、スルフィド基、スルホン基の何れかである。)
前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、例えば、N,N-ジグリシジルアニリン、4,4’-メチレンビス[N,N-ジグリシジルアニリン]、トリグリシジルアミノフェノール、N,N,N’,N’-テトラグリシジルキシリレンジアミン等が挙げられる。また、前記ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂の一例としては、例えば、下記構造式(a-4)~(a-6)の何れかで表されるビス(ヒドロキシナフタレン)型エポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2024034972000003
なお、本実施形態のエポキシ樹脂(a1)の製造方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、特開2021-031617号及び特許第4591801号などの記載を援用することができる。
上記不飽和一塩基酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α-シアノ桂皮酸、β-スチリルアクリル酸、β-フルフリルアクリル酸等が挙げられる。また、前記不飽和一塩基酸の酸ハロゲン化物、エステル化物も用いることができる。さらに、下記一般式(1)で表される化合物等も用いることができる。
Figure 2024034972000004
(上記一般式(1)中、X11は、炭素原子数1~10のアルキレン鎖、ポリオキシアルキレン鎖、(ポリ)エステル鎖、芳香族炭化水素鎖、又は(ポリ)カーボネート鎖を表し、構造中の水素原子がハロゲン原子又はアルコキシ基に置換されてもよく、Y11は、水素原子又はメチル基である。)
上記一般式(1)におけるポリオキシアルキレン鎖としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等が挙げられる。
上記一般式(1)における(ポリ)エステル鎖としては、例えば、下記一般式(2)で表される(ポリ)エステル鎖が挙げられる。
Figure 2024034972000005
(上記一般式(2)中、R21及びR22は、炭素原子数1~10のアルキレン基を表し、n21は1~5の整数を表す。)
上記一般式(2)における芳香族炭化水素鎖としては、例えば、フェニレン鎖、ナフチレン鎖、ビフェニレン鎖、フェニルナフチレン鎖又はビナフチレン鎖等が挙げられる。また、部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香環を有する炭化水素鎖も用いることができる。
上記一般式(2)における(ポリ)カーボネート鎖としては、例えば、下記一般式(3)で表される(ポリ)カーボネート鎖が挙げられる。
Figure 2024034972000006
(上記一般式(3)中、R31は、炭素原子数1~10のアルキレン基を表し、n31は1~5の整数を表す。)
一般式(3)で表される化合物の分子量は、100~500の範囲が好ましく、150~400の範囲がより好ましい。
不飽和一塩基酸は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
本実施形態のエポキシ樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。エポキシ樹脂(A)の製造においては、必要に応じて有機溶媒中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
特に、本実施形態において、重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂の製造方法は、エポキシ樹脂(a1)及び不飽和一塩基酸を必須の反応原料とするものであれば特に限定されることはない。例えば、反応原料の全てを一括で反応させる方法により前記重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂を製造してもよいし、あるいは反応原料を順次反応させる方法で製造してもよい。該反応は、例えば、エポキシ樹脂(a1)と不飽和一塩基酸とを塩基性触媒の存在下、100~150℃の温度範囲で反応させる方法等により行うことができる。
本実施形態において、エポキシ樹脂(a1)と不飽和一塩基酸との反応割合は、エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基1モルに対し、不飽和一塩基酸を0.9~1.1モルの範囲で用いることが好ましい。
上記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミド等のケトン溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶媒;カルビトール、セロソルブ、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶媒;プロピルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール等のエーテル系溶媒;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶媒;大豆油、亜麻仁油、菜種油、サフラワー油等の植物油脂;メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
また、上記有機溶媒としては、市販品を用いることもでき、当該市販品としては、例えば、ENEOS株式会社製「1号スピンドル油」、「3号ソルベント」、「4号ソルベント」、「5号ソルベント」、「6号ソルベント」、「ナフテゾールH」、「アルケン56NT」、「AFソルベント4号」、「AFソルベント5号」「AFソルベント6号」「AFソルベント7号」、三菱ケミカル株式会社製「ダイヤドール13」、「ダイヤレン168」;日産化学株式会社製「Fオキソコール」、「Fオキソコール180」;出光興産株式会社「スーパーゾルLA35」、「スーパーゾルLA38」;ExxonMobil Chemical社製「エクソールD80」、「エクソールD110」、「エクソールD120」、「エクソールD130」、「エクソールD160」、「エクソールD100K」、「エクソールD120K」、「エクソールD130K」、「エクソールD280」、「エクソールD300」、「エクソールD320」;等が挙げられる。
上記有機溶媒は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。また、本実施形態において、有機溶媒の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1~5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
上記塩基性触媒としては、例えば、N-メチルモルフォリン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ-n-ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、1,4-ジエチルイミダゾール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン化合物類;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の四級アンモニウム塩類;トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリメチル(2-ヒドロキシルプロピル)ホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ドデカノイルジスタノキサン等の有機錫化合物;オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス等の有機金属化合物;オクタン酸錫等の無機錫化合物;無機金属化合物などが挙げられる。また、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等を用いることもできる。
上記塩基性触媒は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。また、前記塩基性触媒の添加量は、反応原料の合計100質量部に対して0.001~5質量部の範囲が好ましい。
(化合物(B))
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、化合物(B)を含有する。そして前記化合物(B)は、非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)及び金属塩(b2)を必須原料として含み、かつ前記ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる1種以上である。
本実施形態の化合物(B)が、非共有電子対を有し、かつ窒素、酸素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる1種以上のヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)と、金属塩(b2)とを含むことにより、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(C)との硬化反応を制御することができるため、貯蔵安定性と塗膜物性とを両立した組成物を提供できる。
より詳細にいうと、前記化合物(b1)中のヘテロ原子が金属塩(b2)中の金属に相互作用(例えば、ヘテロ原子の非共有電子対を介した配位結合)が生じるため、特に低温域では、前記ヘテロ原子が金属塩(b2)に相互作用したコンプレックス(例えば、配位状態)を形成することにより化合物(B)が有する触媒活性能の発揮が抑制され、その結果エポキシ樹脂(A)と硬化剤(C)との反応の進行が抑制又は防止される。しかし、高温域になると、前記相互作用(例えば、配位結合)が喪失するため、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(C)との反応が急激に進行し、硬化物としての特性を発現しうる。
したがって、非共有電子対を有するヘテロ原子と、当該ヘテロ原子と相互作用しやすい金属塩(b2)との組み合わせが特徴の1つとなるが、窒素、酸素、硫黄及びリンはいずれも、多数の金属と相互作用(例えば、配位結合)しやすいため、本実施形態の化合物(B)は、前記ヘテロ原子が金属塩(b2)に相互作用したコンプレックスを容易に形成することができると考えられる。特に、窒素、酸素、硫黄及びリンはいずれも、dπ-pπ相互作用(π供与又はπ逆供与)するリガンドを形成しやすい原子であるため、金属塩(b2)中の金属の最外殻電子のd電子数が1以上有する原子を金属塩(b2)中の金属として使用することが好ましく、より好ましくはd電子数が3以上の原子である。金属塩(b2)中の金属の最外殻電子のd電子数が1以上であると、金属塩(b2)と化合物(b1)とがdπ-pπ相互作用により安定したコンプレックスを形成しうると考えられる。その結果、より優れた潜在性を示す硬化性樹脂組成物が得られる。
また低温域において、前記ヘテロ原子が金属塩(b2)に相互作用したコンプレックス(例えば、配位状態)を形成する観点から、前記金属塩(b2)が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス、アルミニウム及びネオジムからなる群より選ばれる1種以上の金属を含有すると、耐熱性及び潜在性の観点から、窒素、酸素、硫黄及びリンのいずれかのヘテロ原子とより安定な相互作用を形成すると考えられる。
本実施形態の化合物(B)は、金属塩(b2)と、非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)と、を必須原料とする化合物でありうる。そして、当該化合物(B)は、例えば、前記化合物(b1)及び前記金属塩(b2)が配位結合で錯形成している物資等が挙げられる。また、前記化合物(B)は、前記化合物(b1)及び前記金属塩(b2)の混合物であってもよく、さらに、化合物(B)は、前記錯形成している物資と前記混合物とが混在していてもよい。
本実施形態において、非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)(以下、単に化合物(b1)と称する。)としては、窒素、酸素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる1種以上の非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物である。
本実施形態の化合物(b1)は、1分子中に少なくとも1つの炭素-窒素不飽和結合又はヘテロ原子-ヘテロ原子結合を有する化合物であることが好ましい。前記ヘテロ原子-ヘテロ原子結合としては、-N=N-又は-N-P-であることがより好ましい。
本実施形態の化合物(b1)は、1分子中に1以上の炭素-窒素不飽和結合又は-N-P-結合を有することがより好ましい。化合物(b1)中のヘテロ原子と金属塩(b2)中の金属と相互作用により、より安定したコンプレックスを形成しやすい。
本実施形態の化合物(b1)は、炭素原子数2以上30以下の一価の有機基を1以上有することが好ましく、炭素原子数2以上30以下の一価の炭化水素基を有することがより好ましく、さらに好ましくは炭素原子数5以上20以下の一価の炭化水素基、よりさらに好ましくは炭素原子数5以上15以下の一価の炭化水素基を有する。
これにより、化合物(b1)中のヘテロ原子が金属塩(b2)中の金属と相互作用により形成したコンプレックスが安定化しやすい。
本明細書における「一価の炭化水素基」とは、アルキル基、アルケニル基又は芳香族基(好ましくは、アリール基又はアラルキル基)が挙げられる。
本実施形態の化合物(b1)は、炭素原子数2以上30以下の一価の有機基を1以上10以下有することが好ましく、炭素原子数2以上20以下の一価の炭化水素基を1以上10以下有することがより好ましく、炭素原子数2以上15以下の一価の炭化水素基を1以上5以下有することがさらに好ましい。
本実施形態の化合物(b1)において、炭素原子数2以上30以下の一価の炭化水素基を1以上10以下有する場合、当該一価の炭化水素基の合計炭素原子数は、3以上50以下が好ましく、3以上30以下がより好ましい。
これにより、化合物(b1)中のヘテロ原子が金属塩(b2)中の金属と相互作用により形成したコンプレックスが安定化しやすい。
本実施形態において、前記化合物(b1)が、1以上の炭素-窒素不飽和結合と炭素原子数2以上30以下の一価の炭化水素基とを1分子中に有する化合物であることが好ましい。
これにより、化合物(b1)中のヘテロ原子が金属塩(b2)中の金属と相互作用により形成したコンプレックスがより安定化しやすい。
本実施形態の化合物(b1)の分子量は、500以下であることが好ましく、400以下であることがより好ましく、300以下であることがさらに好ましく、60以上300以下であることがよりさらに好ましい。
化合物(b1)の分子量が500以下であると、化合物(b1)中のヘテロ原子が金属塩(b2)中の金属と相互作用により形成したコンプレックスが安定化しやすい。
本実施形態の化合物(b1)の分子量の下限は、60、62、63、65、67、69、71、72、74、76、77、79、81、82、83、85、86、88、89、91、93、95又は96が好ましい。一方、本実施形態の化合物(b1)の分子量の上限は、500、480、478、460、453、432、410、402、397、380、373、368又は357が好ましい。
本実施形態の化合物(b1)の分子量の好ましい範囲は、上記上限及び下限を任意に組み合わせすることができる。
本実施形態の化合物(b1)は、具体的には、一般式(4)で表されるアゾール化合物、一般式(5)で表されるトリエチレンアミン化合物、一般式(6)で表されるアザ芳香族化合物、一般式(7)で表されるアザ脂環式化合物及び一般式(8)で表されるアミノホスフィン化合物からなる群から選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
Figure 2024034972000007
(上記一般式(4)中、Rは、水素原子、シアノ基、-C(=S)-NH、-C(=S)-SH、フェニル基又は炭素原子数1~30のアルキル基を表し、前記アルキル基中の1以上の-CH-は-O-若しくは-C(=O)-に置換されてもよく、Rは、水素原子、シアノ基、-C(=S)-NH、-C(=S)-SH、フェニル基又は炭素原子数1~30のアルキル基を表し、前記アルキル基中の1以上の-CH-は-O-若しくは-C(=O)-に置換されてもよく、Rは、水素原子、アラルキル基、下記式(I)で表される基
Figure 2024034972000008
又は炭素原子数1~10のアルキル基を表し、前記アルキル基中の-CHはシアノ基に置換されてもよく、Rは、水素原子、ハロゲン原子、-SH、フェニル基又は炭素原子数1~30のアルキル基を表し、前記アルキル基中の1以上の-CH-は-O-若しくは-C(=O)-に置換されてもよい。)
Figure 2024034972000009
(上記一般式(5)中、R10~R15はそれぞれ独立して、水素原子、シアノ基、芳香族基(アラルキル基又はフェニル基)又は炭素原子数1~30のアルキル基を表し、前記アルキル基中の1以上の-CH-は-O-若しくは-C(=O)-に置換されてもよい。)
Figure 2024034972000010
(上記一般式(6)中、Xはそれぞれ独立して、CH又はNを表し、R16は、水素原子、アミノ基、シアノ基、炭素原子数1~30のアルキル基又はアルケニル基を表し、前記アルキル基中の1以上の-CH-は、-O-若しくは-C(=O)-に置換されてもよく、R17及びR18はそれぞれ独立して、水素原子、シアノ基、アミノ基又は炭素原子数1~30のアルキル基を表し、前記アルキル基中の1以上の-CH-は-O-若しくは-C(=O)-に置換されてもよい。)
Figure 2024034972000011
(上記一般式(7)中、R21、R22及びR23はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~30のアルキル基又はアルキレンアミノ基(-(CH-NR(zは、1以上10以下の整数を表し、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を表す。)を表し、前記アルキル基中の1以上の-CH-は-O-若しくは-C(=O)-に置換されてもよい。)
Figure 2024034972000012
(上記一般式(8)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立して、水素原子、アミノ基又は炭素原子数1~20の一価の炭化水素基を表し、かつR31、R32及びR33のうち少なくとも1以上がアミノ基を表し、前記アミノ基は、-NRi1i2である(当該式中、Ri1及びRi2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を表す。)。)
本実施形態の一般式(8)で表されるアミノホスフィン化合物は、以下の一般式(8.1)で表されるアミノホスフィン化合物であることがより好ましい。
Figure 2024034972000013
(上記一般式(8.1)中、R34~R39はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~5のアルキル基を表す。)
本実施形態の化合物(b1)は、化合物(b1)だけでなくその塩も含まれる。例えば、本実施形態の化合物(b1)は、一般式(5)で表されるアゾール化合物、一般式(6)で表されるトリエチレンアミン化合物、一般式(7)で表されるアザ芳香族化合物、一般式(8)で表されるアザ脂環式化合物及び一般式(9)で表されるアミノホスフィン化合物は、それぞれの化合物だけでなく、その塩も含まれる。より具体的には、一般式(5)で表されるアゾール化合物、一般式(6)で表されるトリエチレンアミン化合物、一般式(7)で表されるアザ芳香族化合物、一般式(8)で表されるアザ脂環式化合物及び一般式(9)で表されるアミノホスフィン化合物からなる群から選択される化合物と、そのナトリウム塩、そのカリウム塩、そのマグネシウム塩又はバリウム塩等が挙げられる。
本実施形態の好適な化合物(b1)は、アゾール環と当該アゾール環の1以上の水素原子が置換された置換基とを有し、かつ前記置換基の合計炭素原子数が2以上30以下であることが好ましく、3以上30以下であることがより好ましい。例えば、上記一般式(5)を例にとると、置換基の合計炭素原子数とは、一般式(5)中の置換基である「R、R、R及びR」に含まれる炭素原子の合計数が、3以上30以下であることが好ましいことをいう。
本実施形態の別の好適な化合物(b1)は、ヘテロ環式化合物と、前記ヘテロ環式化合物の1以上の水素原子が置換された置換基とを有し、かつ前記置換基の合計炭素原子数が2以上30以下であることが好ましい。
本実施形態の化合物(b1)の具体例としては、例えば、N-メチルモルフォリン、ピリジン、ピコリン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、DL-ピペコリン酸、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、4-ジメチルアミノアミン(DMAP)、ジシアンジアミド(DICY)、トリ-n-ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、1,2-プロパンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-[[(2-ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール、2,2’-[プロパン-1,2-ジイルビス(アザニリリデンメタニリリデン)]ジフェノール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、8-キノリノール、5-クロロ-8-キノリノール、2,2’-ビピリジル及びその誘導体、2,2’-[プロパン-1,2-ジイルビス(アザニリリデンメタニリリデン)]ジフェノール及びその誘導体、2,2’-メチレンビス〔6-(2h-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール〕等のアミン化合物;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の四級アンモニウム塩;トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物;テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリメチル(2-ヒドロキシルプロピル)ホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩;イミダゾール類;アミノホスフィン化合物;トリアジン環含有化合物;チオ乳酸、2-アミノチオフェノール、2,2’-ジチオジアニリン等の硫黄系化合物などが挙げられる。また、tert-ブチルイソシアニド、アダマンチルイソシアニド等も用いることもできる。上記化合物(b1)は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。また、これらの中でも、1分子中に少なくとも1つの炭素-窒素不飽和結合又はヘテロ原子-ヘテロ原子結合を有するものが好ましく、分子量が300以下のものがより好ましい。
前記イミダゾール類としては、1,4-ジエチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、1-ビニル-2-メチルイミダゾール、1-プロピル-2-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、1-シアノメチル-2-メチル-イミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール等の他、マスク化イミダゾール類が好ましい。
本実施形態において、金属塩(b2)の金属としては、例えば、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス又はアルミニウム等が挙げられる。これらの金属は単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。また、これらの中でも、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物が得られることから、マンガン、鉄、銅、亜鉛、ビスマス、ネオジムが好ましい。特に、窒素、酸素、硫黄及びリンはいずれも、dπ-pπ相互作用(π供与又はπ逆供与)するリガンドを形成しやすい原子であるため、金属塩(b2)の金属が、マンガン、鉄、銅、亜鉛、ビスマス又はネオジムであると、dπ-pπ相互作用により安定したコンプレックスを形成しうると考えられる。
本実施形態の金属塩(b2)としては、例えば、脂肪酸金属塩、芳香族カルボン酸金属塩、脂環式カルボン酸金属塩等が挙げられる。これらの金属塩は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。また、これらの中でも、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物が得られることから、脂肪酸金属塩が好ましい。
前記脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸としては、例えば、ダイマー酸、トリマー酸、アクリル酸、メタクリル酸、ギ酸、オクチル酸(2-エチルヘキサン酸)、ネオデカン酸、ナフテン酸、イソノナン酸、酪酸、ペンタン酸、桐油酸、樹脂酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸は単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。また、これらの中でも、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物が得られることから、炭素原子数8~15の脂肪酸が好ましい。
前記脂肪酸金属塩は、炭素原子数8~15の脂肪酸の金属塩であることが好ましく、炭素原子数8~12の脂肪酸の金属塩であることがより好ましい。前記脂肪酸金属塩は、市販品として販売されているものを使用することができるが、必要に応じて製造することもできる。例えば前記脂肪酸金属塩は、脂肪酸に金属の水和物、水酸化物、炭酸塩等を加えた後、加熱条件下で撹拌して反応させる方法にて製造することができる。反応温度は通常40℃~200℃であり、好ましくは50℃~150℃である。また、反応時間は通常0.5~10時間であり、好ましくは0.5~5時間である。脂肪酸と金属原子との仕込み量の割合は、金属原子1モルに対し脂肪酸が1.0~4.0モルの範囲であることが好ましく、1.5~3.5モルの範囲であることがより好ましい。脂肪酸金属塩を製造する別の方法としては、脂肪酸をナトリウム塩等、水に可溶な塩として水に溶解し、これに、水に可溶な金属塩を加え、複分解といわれるイオン交換反応を行い、水洗、脱水、ろ過する方法が挙げられる。
前記金属塩(b2)の使用量は、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物が得られることから、前記金属塩(b2)の金属のモル数を基準として、前記化合物(b1)1モルに対して、0.3~11モルの範囲が好ましく、0.5~8モルの範囲がより好ましく、0.5~5モルの範囲が特に好ましい。
前記化合物(B)の含有量は、優れた潜在性を有し、耐熱性に優れた硬化物を形成可能な硬化性樹脂組成物が得られることから、前記エポキシ系樹脂(A)の固形分100質量部に対して、固形分として10質量部以下であることが好ましく、0.05~5質量部の範囲がより好ましく、0.1~5質量部の範囲が特に好ましい。
(硬化剤(C))
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、硬化剤(C)としてフェノール樹脂及び活性エステル樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。前記硬化剤(C)は、化合物(B)の存在下において、本実施形態のエポキシ樹脂(A)と反応し得る特定の化合物であることが好ましい。なかでも、化合物(B)の存在下において、エポキシ樹脂(A)に対してフェノール樹脂及び/又は活性エステル樹脂を組み合わせることにより、硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性及び潜在性に優れ、かつ得られる硬化物が高い耐熱性を示す。
<フェノール樹脂>
本実施形態において、硬化剤(C)として作用するフェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェニロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール性水酸基含有化合物)、ナフタレン骨格含有フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール性水酸基含有化合物、例えば、「PHENOLITE LA-3018-50P(DIC株式会社製)」)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール性水酸基含有化合物)等の多価フェノール性水酸基含有樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物、ビフェニル、テトラメチルビフェニル等のビフェニル化合物;トリフェニロールメタン、テトラフェニロールエタン;ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型樹脂、これら各種のフェノール水酸基含有化合物にリン原子を導入したリン変性フェノール化合物などが挙げられる。
<活性エステル樹脂>
本実施形態において、硬化剤(C)として作用する活性エステル樹脂としては、1分子中に2以上のカルボニルオキシ結合を有する化合物または樹脂であることが好ましい。
上記活性エステル樹脂は、具体的には、多価カルボン酸とフェノール類とを反応させたエステル化合物(c1);多価フェノールのポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c2);ビスフェノールのポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c3);ビフェノールのポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c4):上記フェノール樹脂のポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c5);及び芳香族ポリエステル(c6)(例えば、多価芳香族フェノールと多価カルボン酸と1官能性フェノール若しくは1官能性カルボン酸とを反応させて得られる芳香族ポリエステル化合物)等が挙げられる。ここで、前記(c2)~(c5)におけるアルキルエステル又はアリールエステルを構成するアルキル基又はアリール基としては、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、t-ブチル等の炭素原子数1~4のアルキル基、或いは、フェニル基、ビフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、n-プロピルフェニル基、i-プロピルフェニル基、t-ブチルフェニル基等の炭素原子数1~4のアルキル基で核置換したフェニル基が挙げられる。これらのなかでも特に耐熱性の点から、アリール基であることが好ましい。
上記の多価カルボン酸とフェノール類とを反応させたエステル化合物(c1)に用いられる多価カルボン酸は、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸、フタル酸無水物、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸が挙げられ、また、フェノール類としてはフェノール、クレゾール、α-ナフトール、β-ナフトールが挙げられる。上記の多価フェノールのポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c2)は、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロシキナフタレン等の多価フェノールをアルキルエステル化剤又はアリールエステル化剤と反応させて得られるエステル化合物が挙げられる。
上記のビスフェノールのポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c3)は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類をアルキルエステル化剤又はアリールエステル化剤と反応させてフェノール性水酸基をエステル化した化合物が挙げられる。上記のビフェノールのポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c4)は、ビフェノール、テトラメチルビフェノール等のビフェノール類をアルキルエステル化剤又はアリールエステル化剤と反応させてフェノール性水酸基をエステル化した化合物が挙げられる。
上記したフェノール樹脂のポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c5)は、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、後述の式(R-1)の構造単位を有する脂環式フェノール樹脂と、アルキルエステル化剤又はアリールエステル化剤とを反応させてフェノール性水酸基をエステル化した樹脂が挙げられる。
上記ポリアリールエステル若しくはポリアルキルエステル(c1)~(c5)の製造に用いられるアルキルエステル化剤としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸等の飽和脂肪酸、並びに、これらの酸フッ化物、酸塩化物、酸臭化物、酸ヨウ化物等の酸ハロゲン化物、及び、これら飽和脂肪酸の2分子脱水縮合物である酸無水物が挙げられ、アリールエステル化剤としては、安息香酸、或いは、フェニル安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、n-プロピル安息香酸、i-プロピル安息香酸及びt-ブチル安息香酸等のアルキル安息香酸、並びにこれらの酸フッ化物、酸塩化物、酸臭化物、酸ヨウ化物等の酸ハロゲン化物、及び、これらアルキル安息香酸の2分子脱水縮合物である酸無水物が挙げられる。
上記芳香族ポリエステル(c6)としては、多価芳香族フェノールと多価カルボン酸と1官能性フェノール若しくは1官能性カルボン酸とを反応させて得られる化合物等が挙げられる。そして、芳香族ポリエステル(c6)としては、上記した多価フェノール、ビスフェノール又はビフェノールと、芳香族ジカルボン酸又はそのハライドとを反応させて得られるポリアリレート(c6-1)、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール類が結節された分子構造を有するフェノール樹脂、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物を反応させて得られる構造を有するポリアリレート(c6-2)が挙げられる。
本実施形態の好ましい活性エステル樹脂は、芳香族ポリエステル(c6)でありうる。具体的には、前記活性エステル樹脂は、フェノール性水酸基含有化合物と、芳香族カルボン酸又はその酸ハロゲン化物とを反応原料とするものであることがより好ましい。特に、反応性及び得られる硬化物の物性の観点から、フェノール性水酸基を一つ有する化合物と、フェノール性水酸基を2以上有する化合物と、芳香族ジカルボン酸又はその酸ハロゲン化物と、を反応原料とする活性エステル樹脂が好ましい。
本実施形態において、フェノール性水酸基を一つ有する化合物は、例えば、フェノール、ナフトール、アントラセノール、これらの芳香核上にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基等の置換基を一つ乃至複数有する化合物等が挙げられる。
本実施形態において、フェノール性水酸基を2つ以上有する化合物は、例えば、ポリヒドロキシベンゼン、ポリヒドロキシナフタレン、ポリヒドロキシアントラセン、これらの芳香核上にアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基等の置換基を一つ乃至複数有する化合物の他、各種のフェノール性水酸基含有化合物とホルムアルデヒドとを反応原料とするノボラック型フェノール樹脂や、下記一般式(9)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2024034972000014
[上記一般式(9)中、p61及びp62はそれぞれ独立して、1又は2であり、qは1~4の整数であり、Ar61及びAr62はそれぞれ独立して、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環を表し、かつこれらの芳香環上に炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の置換基を一つないし複数有する構造部位であり、R61は炭素原子数2~6のアルキレン基、又は下記一般式(R-1)~(R-5)の何れかで表される構造部位を表す。qが2~4の整数である場合、複数のR61は同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。]
Figure 2024034972000015
[上記一般式(R-1)~(R-5)中、h71は、0又は1を表し、R71、R76、R77、R711、R712、R713はそれぞれ独立して、一価の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基又はアラルキル基のいずれかを表し、k71~k77はそれぞれ独立して、0又は1~4の整数を表し、Y71は、炭素原子数1~4のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基のいずれかを表し、n71は1~4の整数を表し、R72~R75及びR78及びR79それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。]
前記芳香ジカルボン酸又はその酸ハロゲン化物は、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等のベンゼンジカルボン酸や、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、これらの酸ハロゲン化物、及びこれらの芳香核上に前記脂肪族炭化水素基やアルコキシ基、ハロゲン原子等が置換した化合物等が挙げられる。
<<活性エステル樹脂の好ましい形態>>
本実施形態の好ましい活性エステル樹脂としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。前記活性エステル樹脂は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物と、ヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物又はそのハライドとヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル樹脂が好ましく、カルボン酸化合物又はそのハライドと、フェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル樹脂がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等、又はそのハライドが挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、フェノールフタレイン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン-フェノール付加型樹脂等が挙げられる。
<添加剤>
本実施形態の硬化性樹脂組成物には、上記したエポキシ系樹脂(A)、化合物(B)及び硬化剤(C)に加えて、必要に応じて、その他樹脂、前記硬化剤(C)以外の硬化剤(D)、硬化促進剤等のその他の成分、難燃剤、無機質充填材やポリマー微粒子、シランカップリング剤、離型剤、乳化剤等の種々の配合剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、有機溶剤、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、保存安定化剤等の各種の添加剤を含有してもよい。これらの添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲で特に限定なく使用できる。例えば、本実施形態の硬化性樹脂組成物が前記添加剤を含有する場合、硬化性樹脂組成物全体に対して、前記添加剤を合計0.001~90量%含有することが好ましく、0.1~80質量%含有することがより好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、前記硬化剤(D)を配合することなく、加熱等により硬化物を得ることができるが、例えば、その他樹脂等を併せて配合する際には、硬化剤(D)や硬化促進剤などを配合して、使用することができる。
<<その他樹脂>>
前記その他樹脂としては、例えば、アルケニル基含有化合物、例えば、ビスマレイミド類、アリルエーテル系化合物、アリルアミン系化合物、トリアリルシアヌレート、アルケニルフェノール系化合物、ビニル基含有ポリオレフィン化合物等を添加することもできる。また、その他の熱硬化性樹脂、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シアネート樹脂等も目的に応じて適宜配合することも可能である。
<<硬化剤(D)>>
前記硬化剤としては、例えば、アミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ-ル系化合物、シアネートエステル化合物などが挙げられる。これらの硬化剤は、単独で使用しても、あるいは2種類以上併用してもよい。
<<硬化促進剤>>
前記硬化促進剤としては、種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール類、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、トリフェニルフォスフィン等のリン系化合物、又は、イミダゾール類が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で使用しても、あるいは2種類以上併用してもよい。
<<難燃剤>>
本開示の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、難燃性を発揮させるために、難燃剤を配合することができ、中でも、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合することが好ましい。前記非ハロゲン系難燃剤として、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、これらの難燃剤は、単独で使用しても、あるいは2種類以上併用してもよい。
<<充填剤>>
本開示の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、無機質充填剤を配合することができる。前記無機質充填剤として、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填剤の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、かつ、成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。また、前記硬化性樹脂組成物を以下に詳述する導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
<<紫外線吸収剤>>
本開示の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、紫外線吸収剤を配合することができる。前記紫外線吸収剤としては、例えば、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等のトリアジン誘導体、2-(2’-キサンテンカルボキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-o-ニトロベンジロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-キサンテンカルボキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン、2-o-ニトロベンジロキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上を併用してもよい。
<<重合禁止剤>>
本開示の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、重合禁止剤を配合することができる。前記重合禁止剤としては、例えば、p-メトキシフェノール、p-メトキシクレゾール、4-メトキシ-1-ナフトール、4,4’-ジアルコキシ-2,2’-ビ-1-ナフトール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、N’1,N’12-ビス(2-ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド、スチレン化フェノール、N-イソプロピル-N’-フェニルベンゼン-1,4-ジアミン、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のフェノール化合物、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等のキノン化合物、メラミン、p-フェニレンジアミン、4-アミノジフェニルアミン、N.N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-i-プロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1.3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、4,4’-ジクミル-ジフェニルアミン、4,4’-ジオクチル-ジフェニルアミン、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン)、スチレン化ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物、ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物等のアミン化合物、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート、2,2-ビス({[3-(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル=ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジトリデカン-1-イル=3,3’-スルファンジイルジプロパノアート等のチオエーテル化合物、N-ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルナフチルアミン、p-ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p-ニトロソジフェニルアミン、α-ニトロソ-β-ナフトール等、N、N-ジメチルp-ニトロソアニリン、p-ニトロソジフェニルアミン、p-ニトロンジメチルアミン、p-ニトロン-N、N-ジエチルアミン、N-ニトロソエタノールアミン、N-ニトロソジ-n-ブチルアミン、N-ニトロソ-N-n-ブチル-4-ブタノールアミン、N-ニトロソ-ジイソプロパノールアミン、N-ニトロソ-N-エチル-4-ブタノールアミン、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、N-ニトロソモルホリン、N-二トロソーN-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、N-ニトロソ-N-メチル-p-トルエンスルホンアミド、N-ニトロソ-N-エチルウレタン、N-ニトロソ-N-n-プロピルウレタン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、1-ニトロソ-2-ナフトール-3,6-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩等のニトロソ化合物、リン酸とオクタデカン-1-オールのエステル、トリフェニルホスファイト、3,9-ジオクタデカン-1-イル-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリスノニルフェニルホスフィト、亜リン酸-(1-メチルエチリデン)-ジ-4,1-フェニレンテトラ-C12-15-アルキルエステル、2-エチルヘキシル=ジフェニル=ホスフィット、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリイソデシル=ホスフィット、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のホスファイト化合物、ビス(ジメチルジチオカルバマト-κ(2)S,S’)亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛等の亜鉛化合物、ビス(N,N-ジブチルカルバモジチオアト-S,S’)ニッケル等のニッケル化合物、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-チオン、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-メチル-4,6-ビス[(オクタン-1-イルスルファニル)メチル]フェノール、ジラウリルチオジプロピオン酸エステル、3,3’-チオジプロピオン酸ジステアリル等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの重合禁止剤は単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、前記重合禁止剤で例示した化合物と同様のものを用いることができ、前記酸化防止剤は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
また、前記重合禁止剤、及び前記酸化防止剤の市販品としては、例えば、和光純薬工業株式会社製「Q-1300」、「Q-1301」、住友化学株式会社製「スミライザーBBM-S」、「スミライザーGA-80が」等が挙げられる。
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
<<顔料>>
上記顔料としては、公知慣用の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
前記無機顔料としては、例えば、白色顔料、アンチモンレッド、ベンガラ、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。これらの無機顔料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。前記白色顔料としては、例えば、酸化チタン,酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、硫化亜鉛等が挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、フタロシアニン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンツイミダゾロン顔料、アゾ顔料等が挙げられる。これらの有機顔料は、単独で用いても、あるいは2種以上を併用してもよい。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
本開示の硬化性樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、各配合成分を混合して製造する方法等が挙げられる。混合方法は特に限定されず、ペイントシェイカー、ディスパー、ロールミル、ビーズミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等を用いてもよい。
<硬化物>
本開示は、硬化性樹脂組成物を硬化反応させて得られることを特徴とする硬化物に関する。前記硬化性樹脂組成物は、エポキシ系樹脂(A)、化合物(B)、及び上述した硬化剤(C)並びに任意に添加される成分などの各成分を均一に混合することにより得られ、従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。前記硬化物としては、積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
前記硬化反応としては、熱硬化や紫外線硬化反応などが挙げられ、熱硬化が好ましい。中でも熱硬化反応としては、無触媒下でも容易に行われるが、さらに速く反応させたい場合には、有機過酸化物、アゾ化合物のような重合開始剤やホスフィン系化合物、第3級アミンの様な塩基性触媒の添加が効果的である。例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、トリフェニルフォスフィン、トリエチルアミン、イミダゾール類等が挙げられる。
<用途>
本開示の硬化性樹脂組成物により得られる硬化物が、耐熱性及び潜在性に優れることから、耐熱部材や電子部材に好適に使用可能である。特に、プリプレグ、回路基板、半導体封止材、半導体装置、ビルドアップフィルム、ビルドアップ基板、接着剤やレジスト材料などに好適に使用できる。また、繊維強化樹脂のマトリクス樹脂にも好適に使用でき、高耐熱性のプリプレグとして特に適している。また、前記硬化性樹脂組成物に含まれる樹脂は、各種溶剤への優れた溶解性を表すことから塗料化が可能である。こうして得られる耐熱部材や電子部材は、各種用途に好適に使用可能であり、例えば、産業用機械部品、一般機械部品、自動車・鉄道・車両等部品、宇宙・航空関連部品、電子・電気部品、建築材料、容器・包装部材、生活用品、スポーツ・レジャー用品、風力発電用筐体部材等が挙げられるが、これらに限定される物ではない。
本開示の物品は、前記硬化物からなる塗膜を有するものである。前記物品としては、例えば、携帯電話、家電製品、自動車内外装材、OA機器等のプラスチック成形品や、半導体デバイス、表示デバイス、撮像デバイスなどが挙げられる。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下に挙げた実施例に限定されるものではない。
(1)実施例及び比較例における評価方法
[耐熱性の評価方法]
各実施例・比較例の硬化性樹脂組成物を、基板にアプリケータで50μmに塗布し、160℃、3分間乾燥して得られた試験片(樹脂フィルム(硬化物に近い状態))について、示差走査熱量分析装置(METTOLER TOLEDO株式会社製「DSC3+」にて測定した。サンプル量4.0~6.0mg、アルミ製サンプルパンサイズφ5×2.5mmにて、室温から10℃/分の昇温条件で300℃まで昇温した。次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却し、さらに、再度10℃/分の昇温条件で昇温し、前記試験片のガラス転移点温度(Tg)(℃)を測定した。なお、ガラス転移点温度(Tg)としては、120℃以上であれば、実用上問題がなく、好ましくは、140℃以上である。
なお、ガラス転移点温度(Tg)は、DSCの2nd runでガラス転移した温度(℃)をガラス転移点温度(Tg)としている。
[潜在性の評価方法]
実施例及び比較例における潜在性の評価は、DSCの測定により行った。
示差走査熱量分析装置(METTOLER TOLEDO株式会社製「DSC3+」、上記耐熱性の評価方法と同様に、サンプル量4.0~6.0mg、アルミ製サンプルパンサイズφ5×2.5mm、昇温速度10℃/分、窒素流量40ml/分、温度範囲0~300℃)により発熱開始温度を測定した。なお、発熱開始温度は、コンピュータにより自動計算した「オンセット(Onset)温度」にて判断した。
(2)実施例及び比較例で使用した各成分
[実施例及び比較例で使用したエポキシ樹脂(A)及び硬化剤(C)]
エポキシ樹脂(A)として、「EPICLON 850-S(DIC株式会社製)」を使用した。
硬化剤(C)としてのフェノール樹脂は、「PHENOLITE LA-3018-50P(DIC株式会社製) 不揮発分を50質量%含有、なお、表中の含有量は不揮発分込みの秤量」を使用した。
硬化剤(C)としての活性エステル樹脂は、以下の方法に従って製造した。
(活性エステル樹脂の製造方法)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1-ナフトール72質量部、ジシクロペンタジエン付加型フェノール樹脂(JFEケミカル製「J-DPP-85」、軟化点86℃、水酸基当量:165g/当量)165質量部、イソフタル酸クロリド152質量部及びトルエン1000質量部を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。テトラブチルアンモニウムブロマイド0.5質量部を溶解させ、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液310質量部を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間撹拌を続けた。反応混合物を静置して分液し、水層を取り除いた。残った有機層に水330質量部を加えて約15分間撹拌混合した後、静置して分液し、水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した後、加熱減圧条件下で乾燥させて活性エステル樹脂330質量部を得た。当該活性エステル樹脂の官能基当量は223g/当量、JIS K7234に基づいて測定した軟化点は150℃であった。
[実施例及び比較例で使用した化合物(B)]
<金属塩(b2)の調製>
(合成例1:金属塩(1)の調製)
ネオデカン酸44.7質量部と水酸化ナトリウム9.3質量部とを80℃で反応し、硫酸マンガン20.0質量部を加え80℃で反応させた。副生する硫酸ナトリウムを水洗後、130℃で減圧脱水し、ベンジルアルコール37.5質量部を加えてネオデカン酸マンガン溶液〔金属塩(1)〕93.6質量部を得た。得られた金属塩(1)中のマンガン含有量は、6.84質量%であった。
(合成例2:金属塩(2)の調製)
ネオデカン酸217.1質量部と水酸化ナトリウム36.0質量部とを80℃で反応させ、更に硫酸銅100.0質量部を加え80℃で反応させた。副生する硫酸ナトリウムを水洗後、130℃で減圧脱水し石油系炭化水素76.2質量部を加えてネオデカン酸銅溶液〔金属塩(2)〕301.6質量部を得た。得られた金属塩(2)中の銅含有量は、8質量%であった。
(合成例3:金属塩(3)の調製)
ネオデカン酸224.8質量部と酸化ネオジム60.0質量部とを130℃で反応し、130℃で減圧脱水後、シクロヘキサン306.9質量部を加えてネオデカン酸ネオジム溶液〔金属塩(3)〕570.0質量部を得た。得られた金属塩(3)中のネオジム含有量は、8.8質量%であった。
(合成例4:金属塩(4)の調製)
2-エチルヘキサン酸330.6質量部と酸化ビスマス125.0質量部とを130℃で反応し、130℃で減圧脱水後、2-エチルヘキサン酸ビスマス〔金属塩(4)〕439.5質量部を得た。得られた金属塩(4)中のビスマス含有量は、25質量%であった。
(合成例5:金属塩(5)の調製)
2-エチルヘキサン酸277.0質量部と酸化亜鉛100.0質量部とを120℃で反応し、120℃で減圧脱水後、2-エチルヘキサン酸亜鉛〔金属塩(5)〕354.5質量部を得た。得られた金属塩(5)中の亜鉛含有量は、22質量%であった。
<化合物(B1)~(B8)の調製>
(合成例6:化合物(B1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例4で得た金属塩(4)418質量部と2-エチル-4-メチルイミダゾール55.1質量部とを添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B1)を得た。なお、金属塩(4)の金属1モルに対する2-エチル-4-メチルイミダゾールのモル数は、1.0であった。
(合成例7:化合物(B2)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例4で得た金属塩(4)418質量部と1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール117.2質量部とを添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B2)を得た。なお、金属塩(4)の金属1モルに対する1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールのモル数は、1.0であった。
(合成例8:化合物(B3)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例2で得た金属塩(2)396.9質量部と1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール117.2質量部とを添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B3)を得た。なお、金属塩(2)の金属1モルに対する1-ベンジル-2-フェニルイミダゾールのモル数は、1.0であった。
(合成例9:化合物(B4)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例3で得た金属塩(3)819.3質量部と2-フェニルイミダゾール72.1質量部とを添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B4)を得た。なお、金属塩(3)の金属1モルに対する2-フェニルイミダゾールのモル数は、1.0であった。
(合成例10:化合物(B5)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例1で得た金属塩(1)29.4質量部とベンジルアルコール29.1質量部とを添加して混合溶液(1)を調製した。そして、当該混合溶液(1)に対して、ピコリン酸9.0質量部と更にベンジルアルコール182.6質量部とを加え50℃で1時間反応し、ネオデカン酸マンガンとピコリン酸との錯体溶液250.1質量部を得た。次いで、2-フェニルイミダゾール10.51質量部を添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B5)を得た。なお、金属塩(1)の金属1モルに対するピコリン酸及び2-フェニルイミダゾールの合計モル数は、2.0であった。
(合成例11:化合物(B6)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例1で得た金属塩(1)29.4質量部とベンジルアルコール29.1質量部とを添加して混合溶液(2)を得た。そして、当該混合溶液(2)にピコリン酸9.0質量部と更にベンジルアルコール182.6質量部とを加え50℃で1時間反応し、ネオデカン酸マンガンとピコリン酸との錯体溶液250.1質量部を得た。次いで、2MZ-A(四国化成工業株式会社製)15.99質量部を添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B6)を得た。なお、金属塩(1)の金属1モルに対するピコリン酸及び2MZ-Aの合計モル数は、2.0であった。
(合成例12:化合物(B7)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例1で得た金属塩(1)80.26質量部と2-フェニルイミダゾール14.42質量部を添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B7)を得た。なお、金属塩(1)の金属1モルに対する2-フェニルイミダゾールのモル数は、1.0であった。
(合成例13:化合物(B8)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、合成例5で得た金属塩(5)148.6質量部とトリス(ジエチルアミノ)ホスフィン123.5質量部を添加し、70℃で1時間撹拌し、目的の化合物(B8)を得た。なお、金属塩(5)の金属1モルに対するトリス(ジエチルアミノ)ホスフィンのモル数は、1.0であった。
(3)実施例及び比較例
(実施例1~10)
エポキシ樹脂(A)、上記合成例6~13で得られた化合物(B1)~(B8)と、硬化剤(C)としてのフェノール樹脂及び/又は活性エステル樹脂とを、下記の表1に示す組成比で混合して、硬化性樹脂組成物(1)~(10)を調製した。そして、硬化性樹脂組成物(1)~(10)に対して、上述した[耐熱性の評価方法]及び[潜在性の評価方法]の欄に記載の方法を用い耐熱性及び潜在性の評価を行った。その結果を、下記の表1に示す。
(比較例1)
化合物(B1)~(B8)の代わりに1-メチルイミダゾールを使用した以外は、実施例1~10と同様に、下記の表1に示す組成比で混合して、硬化性樹脂組成物(R1)を調製して、耐熱性及び潜在性の評価を行った。その結果を、下記の表1に示す。
Figure 2024034972000016
上記の表1に示す実験結果から、実施例1~10の硬化性樹脂組成物は、比較例に比べて耐熱性及び潜在性が向上していることが確認できる。

Claims (10)

  1. エポキシ系樹脂(A)と、
    非共有電子対を持つヘテロ原子を分子内に有する化合物(b1)及び金属塩(b2)を必須原料として含む化合物(B)と、
    硬化剤(C)としてフェノール樹脂及び活性エステル樹脂からなる群から選択される1種又は2種以上と、を含有し、
    前記ヘテロ原子が、窒素、酸素、硫黄及びリンからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記化合物(b1)が、1以上の炭素-窒素不飽和結合と炭素原子数2以上30以下の一価の炭化水素基とを1分子中に有する化合物である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記金属塩(b2)が、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス、アルミニウム及びネオジムからなる群より選ばれる1種以上の金属を含有する金属塩である、請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記金属塩(b2)が、脂肪酸金属塩である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記化合物(b1)の分子量が、500以下である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記金属塩(b2)の金属のモル数を基準として、前記化合物(b1)が、0.3~11モルの範囲である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記化合物(B)の含有量が、前記エポキシ系樹脂(A)の固形分100質量部に対して、固形分として10質量部以下である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記化合物(C)の含有量が、前記エポキシ系樹脂(A)の固形分100質量部に対して、固形分として10質量部以下である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
  10. 請求項9記載の硬化物からなる塗膜を有することを特徴とする物品。
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