JP2024034437A - 歯科用印象材、及び連合印象材 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性に優れ、歯面への付着を防止する歯科用印象材を提供すること。【解決手段】歯科用印象材であって、アルギン酸塩、及び水を含む主材ペーストと、ゲル化反応剤、及び難水溶性液状化合物を含む硬化材ペーストと、を有し、前記アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度は、5mPa・s以上90mPa・s以下である、歯科用印象材。【選択図】なし

Description

本発明は、歯科用印象材、及び連合印象材に関する。
歯科において、補綴物を作製する際に、口腔内の印象を採得する方法として、連合印象法が用いられている。連合印象法は、流動性が高い第1の印象材を歯牙に適用した後、流動性が低い第2の印象材を適用して、第1の印象材と、第2の印象材を互いに接合して連合させ、精度が高い印象を採得する方法である。
従来、連合印象法として、寒天・アルジネート連合印象法が知られている(例えば、特許文献1参照)。寒天・アルジネート連合印象法では、連合印象材として、流動性が高い寒天印象材と、流動性が低いアルギン酸塩印象材が用いられる。
特公昭56-20019号公報
しかしながら、寒天印象材は、流動性が温度に依存するため、加熱溶解、保温、温度調整等の煩雑な操作が不可欠となり、操作性が低いという課題がある。
本発明の課題は、操作性に優れ、歯面への付着を防止する歯科用印象材を提供することである。
本発明の一態様は、歯科用印象材であって、アルギン酸塩、及び水を含む主材ペーストと、ゲル化反応剤、及び難水溶性液状化合物を含む硬化材ペーストと、を有し、前記アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度は、5mPa・s以上90mPa・s以下である、歯科用印象材である。
本発明の一態様によれば、操作性に優れ、歯面への付着を防止する歯科用印象材を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
<歯科用印象材>
本実施形態の歯科用印象材は、連合印象法に用いられる。例えば、本実施形態の歯科用印象材は、別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行うことができる。
本実施形態の歯科用印象材は、主材ペーストと硬化材ペーストを有する。本明細書において、主材ペーストは、ペースト状の基材である。硬化材ペーストは、主材ペーストに混合され、歯科用印象材を硬化させる材である。
[主材ペースト]
主材ペーストは、アルギン酸塩、及び水を含む。
アルギン酸塩は、少なくとも10%水溶液の20℃における粘度が5mPa・s以上90mPa・s以下のアルギン酸塩(以下、第1アルギン酸塩という)で構成されている。第1アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度は、好ましくは10mPa・s以上70mPa・s以下、より好ましくは20mPa・s以上50mPa・s以下である。
第1アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度が5mPa・s以上であると、主材ペーストの粘度が下がりすぎることがないため、歯科用印象材の操作性の低下を防ぐことができる。また、アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度が90mPa・s以下であると、主材ペーストと硬化材ペーストとの練和物の流動性が高くなるため、本実施形態の歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、印象の精度が向上する。
第1アルギン酸塩としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸アルカリ金属塩、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸トリエタノールアミン等のアルギン酸アンモニウム塩等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。中でも、入手容易性、取り扱い容易性、歯科用印象材の硬化体の物性等の点で、アルギン酸アルカリ金属塩が好ましく、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムがより好ましい。
第1アルギン酸塩の主材ペースト中の含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上10質量%以下である。
主材ペースト中の第1アルギン酸塩の含有量が1質量%以上であると、粘度の増加を抑えながら、主材ペースト中のアルギン酸塩の含有量を増加できるため、歯科用印象材の操作性を維持しながら、歯面への付着を防ぐことができる。一方、第1アルギン酸塩の含有量が20質量%以下であると、歯科用印象材の粘度が高くなりすぎないため、歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合の印象精度の低下を防ぐことができる。
第1アルギン酸塩の1%水溶液の20℃における粘度は、2mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mPa・s以下、更に好ましくは1mPa・s以下である。
第1アルギン酸塩の1%水溶液の20℃における粘度が2mPa・s以下であると、歯科用印象材に含まれるアルギン酸塩を増量しても、歯科用印象材の粘度の増加が確実に抑制されるため、印象精度の低下を防ぎつつ歯面への付着を抑制することができる。
なお、第1アルギン酸塩の1%水溶液の20℃における粘度の下限は、制限されないが、歯科用印象材の粘度が低くなりすぎることによる印象精度の低下を防ぐ観点から、0.1mPa・s以上であることが好ましい。
本実施形態では、上述の第1アルギン酸塩とは別のアルギン酸塩(以下、第2アルギン酸塩という)を含んでもよい。
第2アルギン酸塩は、10%水溶液の20℃における粘度が90mPa・sを超え且つ1000mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは95mPa・s以上700mPa・s以下、更に好ましくは100mPa・s以上500mPa・s以下である。
第2アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度が90mPa・sを超えると、歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、印象が破損しにくくなる。また、第2アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度が1000mPa・s以下であると、主材ペーストと硬化材ペーストの練和物の流動性が高くなるため、本実施形態の歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、印象の精度が向上する。
第2アルギン酸塩としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸アルカリ金属塩、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸トリエタノールアミン等のアルギン酸アンモニウム塩等が挙げられ、これらは二種以上を併用してもよい。中でも、入手容易性、取り扱い容易性、歯科用印象材の硬化体の物性等の点で、アルギン酸アルカリ金属塩が好ましく、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムがより好ましい。
第2アルギン酸塩の主材ペースト中の含有量は、1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上15質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上10質量%以下である。
主材ペースト中の第2アルギン酸塩の含有量が1質量%以上であると、本実施形態の歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、流動性が低くなりすぎないため印象精度が向上する一方、主材ペースト中の第2アルギン酸塩の含有量が20質量%以下であると、本実施形態の歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、流動性が高くなりすぎないため印象の精度が向上する。
第1アルギン酸塩に対する第2アルギン酸塩の含有量は、質量比で0.4以上2.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以上1.9以下、0.6以上1.8以下である。第1アルギン酸塩に対する第2アルギン酸塩の含有量が質量比で0.4以上2.0以下であると、主材ペーストと硬化材ペーストの練和物の流動性の低下を抑えながら、歯科用印象材の歯面への付着を抑制することができる。
主材ペースト中のアルギン酸塩全体(第1アルギン酸塩及び第2アルギン酸塩)の含有量は、6質量%以上20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは8質量%以上18質量%以下、更に好ましくは10質量%以上16質量%以下である。
主材ペースト中のアルギン酸塩全体の含有量が6質量%以上であると、歯科用印象材中のアルギン酸塩の含有量が多くなるため、歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に印象が破損しにくく、また歯科用印象材の硬化体が歯面に付着しにくい。一方、主材ペースト中のアルギン酸塩全体の含有量が20質量%以下であると、歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、歯科用印象材中のアルギン酸塩の含有量が多くなりすぎないため印象の精度が向上する。
水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水等を用いることができ、次亜塩素酸ナトリウム等により殺菌処理されている水を用いてもよい。
主材ペースト中の水の含有量は、70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、より好ましくは75質量%以上95質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以上90質量%以下である。
本実施形態の歯科用印象材中の水の含有量は、35質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。より好ましくは55質量%以上75質量%以下であり、更に好ましくは45質量%以上70質量%以下である。
主材ペーストは、硬化遅延剤等を更に含むことが好ましい。これにより、本実施形態の歯科用印象材の操作時間が長くなる。
硬化遅延剤としては、例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム等のリン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等の縮合リン酸塩等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
主材ペースト中の硬化遅延剤の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上3質量%以下である。
主材ペースト中の硬化遅延剤の含有量が0.01質量%以上であると、本実施形態の歯科用印象材の操作時間が長くなり、10質量%以下であると、本実施形態の歯科用印象材の初期硬化時間が短くなり、本実施形態の歯科用印象材の硬化体の強度が向上する。
主材ペーストは、充填剤、着色剤、防腐剤、消毒剤、香料、pH調整剤、界面活性剤等を更に含んでいてもよい。
主材ペーストの稠度は、30mm以上であることが好ましい。主材ペーストの稠度が30mm以上であると、主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物の流動性が高くなる。このため、本実施形態の歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、印象の精度が向上する。
[硬化材ペースト]
硬化材ペーストは、ゲル化反応剤と、難水溶性液状化合物を含む。
ゲル化反応剤としては、2価以上の金属の化合物を用いることができる。
2価以上の金属の化合物としては、例えば、2価以上の金属の塩、酸化物、水酸化物等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
2価以上の金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、鉄、チタン、ジルコニウム、スズ等が挙げられる。
2価以上の金属の塩としては、例えば、硫酸カルシウム二水和物(CaSO・2HO)、硫酸カルシウム半水和物(CaSO・1/2HO)、無水硫酸カルシウム(CaSO)等が挙げられる。
2価以上の金属の酸化物としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ等が挙げられる。
2価以上の金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化鉄等が挙げられる。
硬化材ペースト中のゲル化反応剤の含有量は、10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。硬化材ペースト中のゲル化反応剤の含有量が10質量%以上であると、本実施形態の歯科用印象材の硬化体の強度が向上し、60質量%以下であると、本実施形態の歯科用印象材の操作時間が長くなる。
難水溶性液状化合物としては、ゲル化反応剤をペースト化することが可能であれば、特に限定されないが、例えば、炭化水素化合物、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
本明細書において、難水溶性とは、20℃における水100gに対する溶解度が5g以下であることを意味する。
炭化水素化合物は、鎖式化合物及び環式化合物のいずれであってもよい。
炭化水素化合物としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、2,7-ジメチルオクタン、1-オクテン、シクロヘプタン、シクロノナン、ケロシン、流動パラフィン等が挙げられる。
脂肪族アルコールは、飽和脂肪族アルコール及び不飽和脂肪族アルコールのいずれであってもよい。
脂肪族アルコールとしては、例えば、1-ヘキサノール、1-オクタノール、シトロネロール、オレイルアルコール等が挙げられる。
芳香族アルコールとしては、例えば、ベンジルアルコール、m-クレゾール等が挙げられる。
脂肪酸は、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
脂肪酸としては、例えば、ヘキサン酸、オクタン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
脂肪酸エステルは、飽和脂肪酸エステル及び不飽和脂肪酸エステルのいずれであってもよい。
脂肪酸エステルとしては、例えば、オクタン酸エチル、フタル酸ブチル、オレイン酸グリセリド、オリーブ油、ごま油、肝油、鯨油等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルハイドロジェンシロキサン、ポリフェニルハイドロジェンシロキサン等が挙げられる。
硬化材ペースト中の難水溶性液状化合物の含有量は、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、15質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。硬化材ペースト中の難水溶性液状化合物の含有量が10質量%以上であると、本実施形態の歯科用印象材の操作性が向上し、50質量%以下であると、本実施形態の歯科用印象材の硬化体の強度が向上する。
硬化材ペーストは、ポリブテンを更に含むことが好ましい。これにより、本実施形態の歯科用印象材の硬化性が向上すると共に、本実施形態の歯科用印象材の操作時間が長くなる。
ポリブテンは、液状であることが好ましい。
ポリブテンは、イソブテンと1-ブテンを共重合することにより、合成することができる。
ポリブテンの数平均分子量は、300以上4000以下であることが好ましい。
硬化材ペースト中のポリブテンの含有量は、0.5質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。硬化材ペースト中のポリブテンの含有量が0.5質量%以上30質量%以下であると、本実施形態の歯科用印象材の操作性が向上する。
硬化材ペーストは、硬化遅延剤を更に含むことが好ましい。これにより、本実施形態の歯科用印象材の操作時間が長くなる。
硬化遅延剤としては、例えば、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム等のリン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等の縮合リン酸塩等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
硬化材ペースト中の硬化遅延剤の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。硬化材ペースト中の硬化遅延剤の含有量が0.01質量%以上であると、本実施形態の歯科用印象材の操作時間が長くなり、10質量%以下であると、本実施形態の歯科用印象材の初期硬化時間が短くなり、本実施形態の歯科用印象材の硬化体の強度が向上する。
硬化材ペーストは、充填剤、硬化調整剤、界面活性剤、着色剤、防腐剤、消毒剤、香料、pH調整剤等を更に含んでいてもよい。
充填剤を構成する材料としては、例えば、珪藻土、タルク、スメクタイト等の粘土鉱物、シリカ、アルミナ等の無機酸化物等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
硬化調整剤としては、例えば、フッ化チタンカリウム、ケイフッ化カリウム等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
硬化材ペーストの稠度は、30mm以上であることが好ましい。硬化材ペーストの稠度が30mm以上であると、主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物の流動性が高くなる。このため、本実施形態の歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、印象の精度が向上する。
主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物の稠度は、36mm以上であり、38mm以上であることが好ましい。主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物の稠度が36mm以上であると、主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物の流動性が高くなる。このため、本実施形態の歯科用印象材を別のアルギン酸塩印象材と組み合わせて連合印象を行った場合に、印象の精度が向上する。
主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物の稠度の上限は、特に限定されないが、通常、50mmである。
主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物の稠度の測定方法は、以下の通りである。主材ペーストと、硬化材ペーストを、23℃±2℃の条件下、手練和により均一になるまで練和した後、練和物0.5±0.2mlをガラス板に載せる。次に、主材ペーストと、硬化材ペーストの練和を開始してから30秒後に、ガラス板と合わせて500gになるように錘を載せる。次に、錘を載せてから5秒後に錘を撤去した後、広がった練和物の平行切線間の最大部と最小部の寸法を0.5mm単位で測定する。次に、広がった練和物の平行切線間の最大部と最小部の寸法の平均値を求め、ペーストの稠度とする。
[歯科用印象材の使用方法]
本実施形態の歯科用印象材は、主材ペーストと、硬化材ペーストを練和して使用する。
例えば、手動又は電動の押出装置を用いて、隔てられた包装容器に充填されている主材ペーストと、硬化材ペーストを押し出し、ノズルを通過することで練和された練和物を歯牙に適用する。
包装容器としては、例えば、樹脂又は金属の成形品、樹脂又は金属の袋等が挙げられる。
硬化材ペーストと主材ペーストを練和する際の硬化材ペーストに対する主材ペーストの質量比は、1以上5以下であることが好ましい。
発明者らは、鋭意研究の結果、歯科用印象材を構成する主材ペーストに含まれるアルギン酸塩印象材の含有量を増やすことで、歯科用印象材の歯面への付着を防止する効果が得られることを見出した。一方、主材ペースト中のアルギン酸塩印象材の含有量を増やすと、主材ペーストの粘度が高くなりすぎて、主材ペーストと硬化材ペーストの練和ができない。
これに対して、本実施形態では、上述のように、10%水溶液の20℃における粘度が5mPa・s以上90mPa・s以下のアルギン酸塩(第1アルギン酸塩)が主材ペーストに含まれることで、歯科用印象材に含まれるアルギン酸塩の量を増やしても、歯科用印象材の粘度の増加が抑制され、主材ペーストと硬化材ペーストの練和が可能になる。そのため、本実施形態の歯科用印象材は、操作性に優れ、別のアルギン酸塩印象材と組み合わせた連合印象を行うことで精度が高い印象を採得することが可能であり、歯面への付着を防止することができる。
また、本実施形態では、上述のように、第1アルギン酸塩の1%水溶液の20℃における粘度が2mPa・s以下であることで、歯科用印象材に含まれるアルギン酸塩を増量しても、歯科用印象材の粘度の増加を確実に抑制することができる。そのため、本実施形態の歯科用印象材は、操作性により優れ、別のアルギン酸塩印象材と組み合わせた連合印象を行うことで、より精度が高い印象を採得することが可能であり、歯面への付着を確実に防止することができる。
<連合印象材>
本実施形態の連合印象材は、本実施形態の歯科用印象材と、アルギン酸塩印象材を有する。すなわち、本実施形態の歯科用印象材は、連合印象用として適用可能である。
アルギン酸塩印象材としては、特に限定されないが、例えば、寒天・アルジネート連合印象法に用いられるアルギン酸塩印象材を用いることができる。
アルギン酸塩印象材は、粉末タイプであってもよいし、アルギン酸塩と、水を含む主材ペーストと、ゲル化反応剤と、難水溶性液状化合物を含む硬化材ペーストを有するペーストタイプであってもよい。
ここで、ペーストタイプのアルギン酸塩印象材は、主材ペーストに含まれるアルギン酸塩が10%水溶液の20℃における粘度が5mPa・s以上90mPa・s以下のアルギン酸塩である以外は、本実施形態の歯科用印象材と同様である。
本実施形態の連合印象材を用いると、歯牙の印象を採得することができる。
例えば、本実施形態の歯科用印象材を歯牙に適用した後、本実施形態の歯科用印象材が適用された歯牙にアルギン酸塩印象材を適用する。
本実施形態の連合印象材では、上述のように、本実施形態の歯科用印象材と別のアルギン酸塩印象材を有する(本実施形態の歯科用印象材を連合印象用として適用する)ことで、本実施形態の歯科用印象材と同様の効果が得られる。本明細書において、別のアルギン酸塩印象材とは、本実施形態の歯科用印象材とは異なるアルギン酸塩印象材を示す。
すなわち、本実施形態の連合印象材では、歯科用印象材を構成する主材ペーストに10%水溶液の20℃における粘度が5mPa・s以上90mPa・s以下のアルギン酸塩(第1アルギン酸塩)が含まれるため、歯科用印象材に含まれるアルギン酸塩の量を増やしても、歯科用印象材の粘度の増加が抑制され、主材ペーストと硬化材ペーストの練和が可能になる。そのため、本実施形態の連合印象材は、歯科用印象材の操作性に優れ、別のアルギン酸塩印象材との組み合わせによる連合印象で精度が高い印象を採得することが可能であり、歯面への付着を防止することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。なお、以下において、単位のない数値は、特に断りのない限り、質量基準(質量部又は質量%)である。
<硬化材ペーストの調製>
無水硫酸カルシウム(CaSO)45質量部、水酸化マグネシウム6質量部、酸化亜鉛2質量部、流動パラフィン23質量部、ポリブテン4質量部、リン酸三カリウム1.5質量部、シリカ12.5質量部、フッ化チタンカリウム3質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル3質量部を混合し、硬化材ペーストを得た。
<主材ペーストの調製>
表1に示す配合[質量部]で、アルギン酸のアルカリ金属塩、水、ピロリン酸ナトリウムを混合し、主材ペーストを得た。
なお、アルギン酸のアルカリ金属塩の詳細を以下に示す。
[第1アルギン酸塩]
・アルギン酸ナトリウム ULV-L3G(キミカ製):20℃、10%水溶液粘度20~50mPa・s、1%水溶液粘度0.6mPa・s)
・アルギン酸カリウム K-ULV-L3G(キミカ製):20℃、10%水溶液粘度20~50mPa・s、1%水溶液粘度0.5mPa・s)
[第2アルギン酸塩]
・アルギン酸カリウム K-1G(キミカ製):20℃、1%水溶液粘度100~200mPa・s)
・アルギン酸ナトリウム I-3G(キミカ製):20℃、1%水溶液粘度300~400mPa・s)
[付着性]
アクリル樹脂に埋没した牛歯断面を#600の耐水研磨紙で研磨した。23℃±2℃の条件下で硬化材ペーストと主材ペーストを質量比1:2で練和した歯科用印象材の練和物を調製し、研磨後の牛歯断面の表面に調製した歯科用印象材の練和物を1.5mL押し出し、アクリル板で圧接した試験体を作製した。この試験体を35℃の恒温水槽に静置し、歯科用印象材の練和物を硬化させた。試験体を取り出し、アクリル板ごと牛歯から剥がして表面を観察した。結果を、表1~3に示す。
[評価基準]
優:完全に付着しない
良:わずかに付着
不可:完全に付着
<硬化材ペーストとの練和性>
23℃±2℃の条件下で、硬化材ペーストと主材ペーストを質量比1:2でカートリッジに充填し、該カートリッジから歯科用印象材の練和物(練和されたペースト)を押し出し、練和されたペーストを目視にて観察した。結果を、表1~3に示す。
[評価基準]
優:むらなく練和されている
良:練和可能だがむらが残る
不可:練和が不可能
<稠度>
23℃±2℃の条件下、硬化材ペーストと、主材ペーストを、質量比1:2で練和した後、主材ペーストと、硬化材ペーストの練和物0.5±0.2mlをガラス板に載せた。次に、主材ペーストと、硬化材ペーストの練和を開始してから25秒後に、ガラス板と合わせて14.71±0.01Nの荷重になるように錘を載せた。次に、錘を載せてから5秒後に錘を撤去し、広がった練和物の平行切線間の最大部と最小部の寸法を単位測定し、その平均値を求めた。稠度の試験は、実施例1、2、8、9、及び比較例2、3についてのみ行った。結果を、表1、3に示す。
[評価基準]
優:稠度が38mm以上
良:稠度が36mm以上38mm未満
不可:稠度が36mm未満
Figure 2024034437000001
Figure 2024034437000002
Figure 2024034437000003
表1~3より、10%水溶液の20℃における粘度が5mPa・s以上90mPa・s以下のアルギン酸塩が主材ペーストに含まれる全ての試験体(実施例1~13)は、付着性、硬化材ペーストとの練和性が何れも良好であり、更に一部の試験体(実施例1、2、8、9)は稠度が良好であった。
一方、主材ペーストに10%水溶液の20℃における粘度が5mPa・s以上90mPa・s以下のアルギン酸塩が主材ペーストに含まれない試験体は、何れも付着性が不良であった(比較例1~4)。
以上に開示された実施形態は、例えば、以下の態様を含む。
(付記1)
歯科用印象材であって、
アルギン酸塩、及び水を含む主材ペーストと、
ゲル化反応剤、及び難水溶性液状化合物を含む硬化材ペーストと、を有し、
前記アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度は、5mPa・s以上90mPa・s以下である、歯科用印象材。
(付記2)
前記アルギン酸塩の1%水溶液の20℃における粘度は、2mPa・s以下である、付記1に記載の歯科用印象材。
(付記3)
連合印象用である、付記1又は2に記載の歯科用印象材。
(付記4)
付記1乃至3の何れか一項に記載の歯科用印象材と、
別のアルギン酸塩印象材と、を有する、連合印象材。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。

Claims (4)

  1. 歯科用印象材であって、
    アルギン酸塩、及び水を含む主材ペーストと、
    ゲル化反応剤、及び難水溶性液状化合物を含む硬化材ペーストと、を有し、
    前記アルギン酸塩の10%水溶液の20℃における粘度は、5mPa・s以上90mPa・s以下である、歯科用印象材。
  2. 前記アルギン酸塩の1%水溶液の20℃における粘度は、2mPa・s以下である、請求項1に記載の歯科用印象材。
  3. 連合印象用である、請求項1に記載の歯科用印象材。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の歯科用印象材と、
    別のアルギン酸塩印象材と、を有する、連合印象材。
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