JP2024034416A - シリコン基板の評価方法およびシリコン基板の製造工程の管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の化学酸化膜の構成を指標とする方法よりもスループット良く、簡便に、例えばデバイス製造工程などで熱酸化処理を行った場合の熱酸化膜の膜厚を推定できる方法を提供する。【解決手段】シリコン基板の評価方法であって、被評価基板の準備工程と、自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全除去する工程と、エッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する工程と、評価用酸化膜厚を測定する工程と、準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、評価用酸化膜厚に基づいて被評価基板の評価を行う工程を備えており、該評価工程において、(i)準備した被評価基板の熱酸化膜厚を推定評価する工程と、(ii)準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価する工程の1つ以上の工程を備えているシリコン基板の評価方法。【選択図】図1

Description

本発明はシリコン基板(シリコンウェーハ)の評価方法およびシリコン基板の製造工程の管理方法に関する。
半導体デバイス用の単結晶シリコンウェーハの製造工程において、その主表面は研磨工程において仕上げられる。さらに、シリコンウェーハ表面に研磨工程で付着した研磨剤と金属不純物を除去するために洗浄工程がある。この洗浄工程ではRCA洗浄と呼ばれる洗浄方法が用いられている。このRCA洗浄とはSC1(Standard Cleaning 1)洗浄、SC2(Standard Cleaning 2)洗浄、DHF(Diluted Hydrofluoric Acid)洗浄を、目的に応じて組み合わせて行う洗浄方法である。
このSC1洗浄とは、アンモニア水と過酸化水素水を任意の割合で混合したアルカリ性の洗浄液を用いた洗浄方法で、シリコンウェーハ表面のエッチングによって付着パーティクルをリフトオフさせ、さらにシリコンウェーハとパーティクルの静電気的な反発を利用して、シリコンウェーハへの再付着を抑えながらパーティクルを除去する洗浄方法である。また、SC2洗浄とは、塩酸と過酸化水素水を任意の割合で混合した洗浄液で、シリコンウェーハ表面の金属不純物を溶解除去する洗浄方法である。また、DHF洗浄とは、希フッ酸によってシリコンウェーハ表面の自然酸化膜を除去する洗浄方法である。さらに、強い酸化力を有するオゾン水洗浄も使用される場合があり、シリコンウェーハ表面に付着している有機物の除去やDHF洗浄後のシリコンウェーハ表面の自然酸化膜(化学酸化膜とも言う)形成を行っている。洗浄後のシリコンウェーハのパーティクルや表面粗さなどの表面品質は重要であり、目的に応じてこれらの洗浄を組み合わせて行われている。
半導体シリコンウェーハの表面にはMOS(Metal Oxide Semiconductor)キャパシタやトランジスタ等の半導体素子が形成される。これら半導体素子に形成されるゲート酸化膜等の絶縁膜は高い電界強度下で使用され、この絶縁膜としては形成が簡便なシリコン酸化膜が良く用いられる。
シリコン基板上の酸化膜の膜厚を評価する手法としてエリプソメーターが挙げられる(特許文献1)。エリプソメーターとは基板試料に偏光状態の光を入射させ、入射光と反射光の偏光状態の変化を測定することで、位相差(Δデルタ)及び振幅比(Ψプサイ)を求めるものである。シリコン基板上のシリコン酸化膜を例にすると、入射光は最表面のシリコン酸化膜及びシリコン酸化膜とシリコン基板との界面で反射することで偏光状態が変化する。なお、エリプソメーターには光源としてレーザーを用いる単波長タイプと多数の波長成分を含み白色光源を用いる分光タイプが存在し、短波長タイプはある特定の波長(例えば633nm)に対するデルタとプサイを測定する方法で、分光タイプは各波長に対するデルタとプサイを測定することができ、情報量の多い分光タイプを用いる方が精度よく膜厚を評価できることが知られている。
上述したようにエリプソメーターの測定により得られる情報は位相差及び振幅比であり直接膜厚を求めることは出来ない。膜厚を求めるには基板試料に応じたモデルを作成し、このモデルから理論的に求められるデルタ及びプサイと、エリプソメーターの測定で得られたデルタとプサイとの比較を行う。なお、モデルの作成には試料の物性に応じた条件を設定することで行われ、設定される条件の項目には基板及び膜の材質、各膜層の膜厚、基板及び膜の光学定数などがある。また、各項目の設定には試料に応じた既知のリファレンス、誘電率の波長依存性を示し且つ複数のパラメータを有する所要の分散式等が通常用いられる。
さらに上記比較に対して両者の相違する程度が最小となるように分散式のパラメータ及びモデルの各膜層の膜厚などを変更するプロセスを行う(フィッティングともいう)。両者の相違は通常、最小二乗法を用いた演算で求めており、フィッティングにより最小二乗法で得られた結果がある程度小さくなったと判断された場合、その時の分散式のパラメータの値から膜の屈折率及び消衰係数を求めるとともに、その時の膜厚を試料が有する膜の膜厚として特定することで、膜厚を求めることができる。なお、モデル作成やフィッティングなどはコンピュータを用いて所要のプログラムに基づき手動又は自動で行うことが一般的である。
特許文献2にはエリプソメーターで得られたシリコンウェーハ上の自然酸化膜の膜厚が表面粗さに依って変化することが記載されている。具体的には表面が粗いほど膜厚値も厚くなり、粗さと自然酸化膜の膜厚との相関関係から表面粗さを定量的に評価する方法が開示されている。
また、シリコン基板上の表面粗さ指標としては、パーティクルカウンターにより得られるHaze値が挙げられる。Hazeとはいわゆる曇りとして表現されるものであり、シリコン表面の粗さの指標として広く用いられており、このHazeレベルが高いとはウェーハの面が粗いことを示す。
ところで、絶縁性が高い緻密なシリコン酸化膜はシリコンウェーハを熱酸化することで作製されるが、パーティクル付着等の観点から出荷時のシリコンウェーハには洗浄で形成した自然酸化膜が存在するため、熱酸化は自然酸化膜が形成されたシリコンウェーハに対し処理されることが多い。この際、熱酸化膜厚さは熱酸化前の自然酸化膜の膜質(膜厚や構造)に影響されることが知られている。
また、近年では半導体集積回路の微細化、多層化に伴って、素子を構成する絶縁膜を含めた各種膜についてより一層の薄膜化が要求されている。この薄膜化により、極薄の絶縁膜即ちシリコン酸化膜を面内あるいは基板間で均一にかつ再現性良く形成する必要がある。しかし、熱酸化膜厚が薄膜化するほど、熱酸化後の膜厚に占める熱酸化前の自然酸化膜厚の割合が増加するため、より一層、熱酸化処理前の自然酸化膜の影響を受けやすくなる。
特許文献3には種々の条件で洗浄したシリコンウェーハと熱酸化後の酸化膜厚との関係について記載されている。具体的にはSC1洗浄液のNHOH濃度を高濃度にすると化学酸化膜中に含まれるOH基の量が多くなり熱酸化後の膜厚が厚くなること、化学酸化膜の構成と熱酸化後の膜厚との相関関係を用いることで熱酸化後の膜厚を制御する方法が開示されている。
このようにウェーハの洗浄条件に依存し、熱酸化後の膜厚は変化する。このような背景から、シリコンウェーハの製造工程において、製造されるシリコンウェーハの熱酸化膜をウェーハ間で均一化するには、出来る限り同じ条件で洗浄することが望ましい。洗浄プロセスはSC1洗浄、SC2洗浄、フッ酸洗浄、オゾン水洗浄の組み合わせとなることが多い。洗浄フローを同じにすることは勿論、薬液濃度、薬液温度、洗浄時間も同じにすることが望ましい。しかしながら、実際の洗浄工程では例えば薬液ライフ初期、中期、末期などで僅かに薬液濃度が変化する場合や、薬液温度を制御する温度センサーの劣化などで温度が僅かに変動することを完全に回避することは難しい。
このような僅かな条件変化であっても特にSC1洗浄はエッチング挙動が変化するため、熱酸化後の膜厚が変動してしまう。したがって、このような膜厚変動が起きていないか確認するには、例えば洗浄工程でウェーハを抜き取り、熱酸化膜を評価することが望ましい。
一般的には熱酸化後の膜厚を評価するには、実際に酸化炉を用いて熱酸化処理を行う必要があるが、手間や時間も掛かる上に、酸化炉の維持及び管理も大変である。そのため、特許文献3のように、洗浄後の化学酸化膜の構成から熱酸化処理を行わずに熱酸化後の膜厚を推定することは非常に有効な手法である。この場合、スループットが高く、再現性が高いほど特に製造工程管理には好適である。
また、熱酸化処理を行わずに、熱酸化膜を迅速に評価することができれば、熱酸化膜厚の制御のための洗浄条件を簡便に決定することもできる。また、例えば不良解析などで、洗浄履歴が未知のシリコンウェーハの熱酸化膜厚を推定する場合もある。このような場合にも自然酸化膜の情報から熱酸化膜厚を推定できれば、有用な解析情報にもなる。
特開2005-283502号公報 特開平06-163662号公報 特許第6791453号公報
上述のように、熱酸化処理を行わずに、スループット良く、シリコン基板上に形成される熱酸化膜厚を推定する方法が求められている。上述のように特許文献3には熱酸化処理を行わずに、熱酸化前の化学酸化膜の構成から熱酸化膜厚を推定する方法が開示されている。この手法は実際に熱酸化処理を行う必要がない点は優れているが、この化学酸化膜の構成を評価するための分析やその解析に時間が掛かることが課題であった。即ち、このような化学酸化膜の構成よりもさらにスループット良く、簡便に解析できる、熱酸化膜厚と相関がある指標が求められていた。
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、従来の化学酸化膜の構成を指標とする方法よりもスループット良く、簡便に、例えばデバイス製造工程などで熱酸化処理を行った場合の熱酸化膜の膜厚を推定できる方法を提供することにある。また、熱酸化膜の膜厚に影響を与える、シリコン基板の製造工程(特には洗浄処理)を高精度に管理できる方法、及び、洗浄履歴が未知のシリコン基板の洗浄履歴(特にはSC1洗浄の有無)を推定する方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成するために、熱酸化膜厚と相関がある熱酸化前のシリコン基板上の指標に関して鋭意検討した。特に熱酸化膜厚は洗浄条件に依存することから、熱酸化前のシリコン基板に施された洗浄履歴を反映した指標がないか着目した。さらにSC1洗浄ではエッチング作用が進むほど、形成される化学酸化膜の構成が変化する(例えばOH基量が増える)と同時に、シリコン基板の表面粗さも悪化することに着目した。このような化学酸化膜の構成変化や表面粗さの悪化はシリコン基板に施された洗浄履歴と解釈できるとも考えた。
ここで、この化学酸化膜の構成変化とシリコン基板の表面粗さには相関があると考えた。以上の考えから、SC1洗浄で形成されたシリコン基板の表面粗さの度合いはSC1の洗浄履歴でもあり、このような表面粗さを反映した指標があれば、この指標は間接的に化学酸化膜の構成を反映した指標でもあるため、熱酸化膜厚と相関関係が得られると考え、鋭意検討した。
その結果、熱酸化膜厚を推定したいシリコン基板に対し、エッチング作用のない条件で自然酸化膜を剥離した後、エッチング作用のない酸化条件で形成した評価用酸化膜の膜厚が、熱酸化膜厚と相関があること、この評価用酸化膜の膜厚を指標とすることで、熱酸化膜厚を推定できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、シリコン基板の評価方法であって、
前記シリコン基板を被評価基板として準備する基板準備工程と、
前記被評価基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する酸化膜除去工程と、
前記自然酸化膜を完全除去した後の前記被評価基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する評価用酸化膜形成工程と、
前記評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
前記準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、前記膜厚測定工程で測定した前記評価用酸化膜の膜厚に基づいて、前記被評価基板の評価を行う評価工程を備えており、
該評価工程において、
(i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚を推定評価する膜厚推定評価工程と、
(ii)前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価する洗浄履歴推定評価工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の評価方法を提供する。
このようなシリコン基板の評価方法であれば、熱酸化膜と相関がある評価用酸化膜の膜厚を指標とすることで、熱酸化膜厚を推定することができる。また、このような評価手法であれば、従来の化学酸化膜の構成を分析、解析するよりも、簡便にスループット良く、評価することができる。
また、通常の製造工程では、製造されたシリコン基板の洗浄履歴はデータとして保存されているが、所定期間経過した場合など、何らかの原因で洗浄履歴が保存されていない場合が想定される。このような場合に、本発明の評価方法を行うことで、洗浄履歴が未知のシリコン基板の洗浄履歴(特にSC1洗浄が施されているか)を推定することができる。
このとき、前記酸化膜除去工程において、フッ酸洗浄により前記自然酸化膜の完全除去を行うことができる。
本発明では熱酸化膜厚等を推定したいシリコン基板に施された洗浄履歴を評価用酸化膜の膜厚に反映することが重要である。フッ酸洗浄であればシリコン基板に対しエッチング作用がなく、自然酸化膜を完全に剥離できるため、好適である。
また、前記評価用酸化膜形成工程において、オゾン水または過酸化水素水により、前記評価用酸化膜を形成することができる。
前述同様に、余計なエッチング作用がないオゾン水または過酸化水素水で評価用酸化膜を形成することで、本来の目的であるシリコン基板の洗浄履歴を評価用酸化膜の膜厚に反映することができるため、好適である。
また、前記評価工程において前記膜厚推定評価工程を行うとき、
予め、基準となり、シリコン基板であり、同一の条件で洗浄された複数の予備基板を準備する予備-基板準備工程と、
前記準備した複数の予備基板のうちの一方の予備基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する予備-酸化膜除去工程と、
前記自然酸化膜を完全除去した後の前記予備基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する予備-評価用酸化膜形成工程と、
前記予備-評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する予備-膜厚測定工程と、
前記準備した複数の予備基板のうちの他方の予備基板に熱酸化処理を行って熱酸化膜を形成し、該予備基板の熱酸化膜の膜厚を測定する予備-熱酸化膜厚測定工程と、
前記予備基板の評価用酸化膜の膜厚と、前記予備基板の熱酸化膜の膜厚との相関関係を取得する相関関係取得工程と、を行っておき、
前記相関関係に基づいて、前記被評価基板の評価用酸化膜の膜厚から、前記被評価基板の熱酸化膜の膜厚を推定評価することができる。
このような予備試験によって予め相関関係を取得しておけば、被評価基板の熱酸化膜厚の値を容易に推定することができる。
また、前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、
前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価することができる。
このようにすれば熱酸化膜厚を簡便に評価できる上に、該推定評価した熱酸化膜厚を指標として、洗浄履歴の推定を簡便に行うことができる。
また、前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価するとき、SC1洗浄が行われているかを判定評価することができる。
このようにすれば評価用酸化膜や推定評価した熱酸化膜厚を指標として、洗浄履歴におけるSC1洗浄の有無の判定を簡便に行うことができる。
また本発明は、シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
前記シリコン基板を被評価基板として準備する基板準備工程と、
前記被評価基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する酸化膜除去工程と、
前記自然酸化膜を完全除去した後の前記被評価基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する評価用酸化膜形成工程と、
前記評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
前記準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、前記膜厚測定工程で測定した前記評価用酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
前記管理工程において、
前記評価用酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
(i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
(ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の製造工程の管理方法を提供する。
前述した本発明のシリコン基板の評価方法における評価用酸化膜を指標とする手法は、従来よりもスループット良く、簡便であるため、シリコン基板の製造工程の管理方法に用いることもできる。このような管理方法であれば、意図しない、予期できない僅かな洗浄条件の変動を起因とする熱酸化膜厚の変動をいち早く検知することができる。また、この結果を用いて製造工程(洗浄処理)にフィードバックを行い、条件修正(改善)することもできる。
なお、本発明の製造工程の管理方法においても、前記酸化膜除去工程において、フッ酸洗浄により前記自然酸化膜の完全除去を行うことができ、また、前記評価用酸化膜形成工程において、オゾン水または過酸化水素水により、前記評価用酸化膜を形成することができる。
シリコン基板に施された洗浄履歴を評価用酸化膜の膜厚に反映することが重要である。フッ酸洗浄であればシリコン基板に対しエッチング作用がなく、自然酸化膜を剥離できるため、好適である。
同様に、余計なエッチング作用がないオゾン水または過酸化水素水で評価用酸化膜を形成することで、本来の目的であるシリコン基板の洗浄履歴を評価用酸化膜の膜厚に反映することができるため、好適である。
また本発明は、シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
上記のシリコン基板の評価方法の前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
前記管理工程において、
前記推定評価した熱酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
(i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
(ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の製造工程の管理方法を提供する。
上述した製造工程の管理方法は評価用酸化膜を指標とするものであったが、評価用酸化膜厚に代えて、上記の評価方法で推定評価した熱酸化膜厚を指標として製造工程の管理をすることもできる。このような管理方法も熱酸化膜厚の変動をいち早く検知することができ、フィードバックや洗浄処理の条件修正が可能である。
本発明のシリコン基板の評価方法であれば、従来よりもスループット良く、簡便に熱酸化膜厚を評価できる。また、洗浄履歴(特にはSC1洗浄が行われたシリコン基板かどうか)を知ることができる。
また本発明のシリコン基板の製造工程の管理方法であれば、意図しない、予期しない僅かな熱酸化膜厚の変動を迅速に検知し、製造工程にフィードバックし、洗浄処理について改善することができる。
本発明のシリコン基板の評価方法(熱酸化膜厚の推定評価)の本試験の一例を示すフローチャートである。 フッ酸及びオゾン水洗浄、または、SC1洗浄を行った場合の洗浄前後のHaze値と洗浄後の増加量(差分)を示したグラフである。 追加でフッ酸洗浄及びオゾン水洗浄を行った後の評価用酸化膜の膜厚を示したグラフである。 SC1洗浄を3分実施した場合のエッチング量の薬液温度依存性を示したグラフである。 各サンプルの熱酸化膜厚に対するHaze及び自然酸化膜厚の影響を示したグラフである。 各サンプルの熱酸化膜厚に対するOH基量及びサブオキサイドの影響を示したグラフである。 各サンプルの熱酸化膜厚に対する本発明の評価用酸化膜厚の影響を示したグラフである。 本発明のシリコン基板の評価方法(熱酸化膜厚の推定評価)の予備試験の一例を示したフローチャートである。 本発明のシリコン基板の評価方法(洗浄履歴の推定評価:SC1洗浄の判定評価)の一例を示すフローチャートである。 本発明のシリコン基板の製造工程の管理方法の一例を示したフローチャートである。 実施例1の検証で求めた評価用酸化膜の膜厚と熱酸化膜厚との相関関係を示したグラフである ウェーハ表面粗さと酸化膜厚との関係を調査したフローチャートである。 粗化処理をCMP及びSC1洗浄で実施したシリコン基板の表面粗さ(Haze)と自然酸化膜厚との関係を示したグラフである。 粗化処理を枚葉洗浄で実施したシリコン基板の表面粗さ(Haze)と自然酸化膜厚との関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<本発明者らによる事前調査>
これまで述べたように、本発明は熱酸化膜厚と相関がある指標を見出すことで熱酸化膜厚を推定する評価方法である。ここでまず、一般的に、シリコンウェーハの洗浄にはSC1、SC2、フッ酸、オゾン水洗浄の組み合わせである。これらの洗浄の中で、特にSC1洗浄はエッチング作用を伴う洗浄方法であり、このエッチング作用はアンモニア濃度が高いほど、薬液温度が高いほど、洗浄時間が長いほど進行する。
そして、このようなエッチング作用により、シリコン基板上の化学酸化膜の構成が変化するし(例えばOH基量が増加する)、表面粗さも悪化する。また、この変化量や悪化量はエッチング作用が強いほど、顕著となる。例えばSC1洗浄において、薬液濃度と洗浄時間を固定し、薬液温度を70℃と40℃で変えると、70℃の方が40℃よりもエッチング作用が強いため、化学酸化膜の構成も大きく変化し、表面粗さも悪化するし、熱酸化膜厚も厚くなる。
したがって、化学酸化膜の構成とウェーハ表面粗さには一定の相関があると言える。そして、このウェーハ表面粗さはSC1洗浄のエッチング作用に起因するため、表面粗さが粗いほどエッチング作用が強いこと示す。即ち、シリコン基板に施されたSC1洗浄のエッチング作用で形成されたウェーハ表面粗さを反映した指標を見出すことができれば、この指標は化学酸化膜の構成を反映した指標となり、熱酸化膜厚と相関が得られることになる。
続いて、SC1洗浄のエッチング作用で形成されたウェーハ表面粗さを反映した指標に関して説明する。初めに、シリコンウェーハの製造工程で形成される様々なウェーハ表面粗さと酸化膜の膜厚との関係について述べる。図12はその調査フローチャートである。
用意したシリコン基板に対し、CMP加工条件、SC1洗浄条件を変え、粗さを形成する粗化処理を行った。次いで、バッチ洗浄機にてフッ酸洗浄により酸化膜を完全に剥離した後、オゾン水洗浄で酸化膜を形成した。どちらの水準(CMP水準、SC1水準)もフッ酸洗浄にて粗化処理の酸化膜が完全に剥離され、その後のオゾン水で形成された酸化膜(再形成した自然酸化膜)が形成されているため、同一手法で酸化膜が形成されていると解釈できる。その後、パーティクルカウンターによるHaze測定を行った後、分光エリプソメトリーにてその自然酸化膜の膜厚を評価した。
図13は各水準のHazeに対する自然酸化膜(上記の再形成したもの)を示した結果である。CMP水準(■)はHaze値が10ppmを超えても自然酸化膜の膜厚は同等であったが、SC1洗浄水準(●)はHazeが高くなると自然酸化膜が厚くなる傾向が得られた。同一手法で酸化膜を形成していることから、膜厚はCMP水準のように同等になると推定されたが、SC1洗浄水準はそうではなかった。
さらに図14には粗化処理工程をフッ酸とオゾン水洗浄を組み合わせた枚葉洗浄で行った結果も示した。粗化処理後のフッ酸洗浄及びオゾン水洗浄もバッチ方式ではなく枚葉方式で実施した。バッチ方式のオゾン水洗浄とは酸化膜形成方法が異なるため、上述のSC1水準及びCMP水準での膜厚と、この枚葉洗浄水準での膜厚との比較をすることは出来ないが、枚葉洗浄水準内におけるHazeの影響は議論することができる。その結果、枚葉洗浄水準はCMP水準と同じようにHazeが変化しても自然酸化膜厚は同等であった。
以上の結果をまとめると、CMPと、フッ酸とオゾン水洗浄を組み合わせた枚葉洗浄で形成される粗さは酸化膜の膜厚に影響を与えず、一方で、SC1洗浄で形成される粗さは酸化膜の膜厚を厚くすることが新たに分かった。
以上の結果から、SC1水準では、SC1エッチング作用が強いほど表面粗さも悪化し、その結果、表面粗さの影響により、酸化膜(上記の再形成した自然酸化膜)の膜厚も厚くなることが示された。言い換えれば、このような手法で評価した酸化膜(上記の再形成した自然酸化膜)の膜厚が厚ければ、シリコン基板にエッチング作用が強いSC1洗浄が施されていると判断することができる。
<本発明のシリコン基板の評価方法>
[シリコン基板の熱酸化膜厚の評価]
上記の事前調査の結果を踏まえて、本発明の評価方法を説明する。図1は本発明のシリコン基板の熱酸化膜厚の評価方法の一例である。実際の評価対象である被評価基板について評価するフローである(本試験のフロー)。なお、この本試験での被評価基板とは別に用意した予備基板を用いて相関関係(評価用酸化膜厚と熱酸化膜厚との関係)を取得する予備試験を行い、該相関関係を本試験での被評価基板の熱酸化膜厚の評価に利用することができるが、その予備試験のフローについては後述する。
以下、本試験でのフローについて詳述する。
(S1:基板準備工程)
初めにS1工程として熱酸化膜厚を推定するシリコン基板を被評価基板として用意する。
この際、シリコン基板の導電型や口径(直径)、形状に制限はない。ただし、表面粗さについては以下の点を考慮して用意すると好適である。具体的には算術平均高さSaが0.5nm以下のものとするのが好ましい。この理由は特許文献2と特許文献3を用いて説明する。
特許文献3にはSC1洗浄やオゾン水洗浄後の表面粗さRaについて記載されており、その値は0.06~0.12nm程度である。このようなRa値が近年使用されるシリコンウェーハのラフネス値である。
特許文献2にはウェーハ表面粗さがエリプソメーターで測定される自然酸化膜厚に影響することが開示されているが、この際の表面ラフネス値はAFMのRa値で0.22~2.05nmであり、上述した表面ラフネス値0.06~0.12nmと比較すると非常に高い。
また、一般的に自然酸化膜は約1nm程度と知られているが、特許文献2では、Ra値が0.22nmでは自然酸化膜厚は0.097nm、Ra値が1.23nmでは自然酸化膜厚は1.586nm、Ra値が2.05nmでは自然酸化膜厚は3.313nmと全て膜厚が約1nmから大きくかけ離れている。このように特許文献2の表面粗さや自然酸化膜の膜厚は、近年使用されるシリコンウェーハの面粗さや膜厚とは大きく異なる。この理由としては、特許文献2では通常のシリコンウェーハの洗浄液では使用されないフッ酸と硝酸の混合液を用いて意図的に面を荒らす処理をしているためと考えられる。即ち、特許文献2に開示されている相関関係を用いて、例えばRaが0.06~0.12nmの範囲の粗さと自然酸化膜厚さについて議論することは困難であり、例えばRa値で1nmを超えるような非常に荒れた場合に適用できると推定される。
このような考察から、本発明の評価を行うには、Saが0.5nm以下であるのが好ましい。Sa値が0.5nm以下であれば、粗さの影響を受けて、後述する評価用酸化膜の膜厚が1nmから大きく乖離するのを防ぐことができる。ただし、一般的に、CMP後のシリコンウェーハの表面のSa値は0.1nm以下、裏面(DSP面)のSa値は0.2~0.4nm程度であることから、少なくともDSP加工後や、CMP加工後のウェーハであれば、本発明の洗浄方法は好適である。実際、デバイス作製のために熱酸化処理を行うウェーハはDSP工程、CMP工程、洗浄工程を経たシリコンウェーハであることから、通常、熱酸化膜厚を評価したいシリコン基板の表面粗さSaは0.5nm以下であることが大半である。
(S2:酸化膜除去工程)
続いて、S2工程としてエッチング作用のない条件で被評価基板の自然酸化膜を剥離(完全除去)する。
一般的に洗浄工程後のシリコンウェーハにはパーティクル付着を低減させるため、SC1洗浄やO洗浄で形成された自然酸化膜が形成されている。しかし、これらの自然酸化膜の膜厚は洗浄条件に依っても異なるし、特許文献3に記載の通り、熱酸化膜厚はこの自然酸化膜の膜厚に依存しないため、熱酸化膜の指標にはなりえない。したがって、ここでは一度形成されていた自然酸化膜を完全に剥離し、次のS3工程で再度の自然酸化膜(評価用酸化膜)を形成させる必要がある。
ここでエッチング作用について説明する。エッチング作用は、例えばシリコンに対し、薬液やプラズマを作用させることで、シリコンを除去することを示す。洗浄工程においては、SC1洗浄がこのエッチング作用を示し、アンモニアから電離した水酸化物イオンがエッチング作用を引き起こす。一般的に、エッチングが進行すると、エッチング後の表面粗さは悪化することが知られている。上述のように、本発明ではシリコン基板に施された洗浄履歴を反映した膜厚を指標とするため、S2工程で余計なエッチング作用が被評価基板に加わると、本来反映したい洗浄履歴の他にS2工程起因の影響が加味されてしまうため、S2工程ではエッチング作用がない条件で酸化膜を剥離する必要がある。ただし、薬液やプラズマで酸化膜を剥離する以上、マクロやミクロな視点でシリコン基板表面に着目すると、完全にエッチング作用がなく、表面が全く粗くならないことは難しい。したがって、本発明のシリコン基板の評価方法(また、後述する本発明のシリコン基板の製造工程の管理方法)においては、「エッチング作用がない」とは本発明の評価方法(管理方法)に影響を及ぼすような表面粗さを創出するエッチング作用がないと定義される。
言い換えれば、無視できるような、非常に僅かなエッチング作用は許容される。
そのエッチング作用の例を図2に示す。図2はシリコン基板にフッ酸及びオゾン水洗浄を行ったものと、SC1洗浄を行ったものについての、洗浄前及び洗浄後のHazeと、洗浄前後の差分を示している。尚、SC1洗浄は40℃から70℃、洗浄時間3分で実施した。
全体を見ると、SC1洗浄を行った水準はSC1のエッチング作用が強くなる高温条件ほど、洗浄後にHazeが大きく悪化していることが分かる。対して、フッ酸及びオゾン水洗浄のみでは、僅かにHaze値が悪化しているが、SC1水準と比較すると非常に小さいことが分かる。したがって、フッ酸洗浄とオゾン水洗浄は僅かに面が粗くなるが、その程度が非常に小さく、本発明においてはエッチング作用がないといえる。
続いて、上記の図2の水準に関して、さらに追加でフッ酸及びオゾン水洗浄を行った後の自然酸化膜の膜厚を図3に示した。
前述したSC1洗浄のエッチング作用により形成されたウェーハ表面粗さの影響を受けて、自然酸化膜の膜厚は洗浄温度が高いほど厚くなる傾向となっている。ここでSC1洗浄無しの場合と比較すると、SC1洗浄の温度が40℃の場合までは膜厚が同等であったが、45℃以上の場合で膜厚が厚くなっていた。即ち、この場合は薬液温度が40℃まではエッチング作用が弱く、膜厚に影響するウェーハ表面粗さが創出されておらず、逆に45℃以上ではウェーハ表面粗さが創出され、自然酸化膜の膜厚が変動したと考えられる。
したがって、この場合は洗浄温度が40℃以下の水準であれば、僅かにエッチング作用が生じているものの、本発明の評価方法に影響を及ぼさないと考えられるが、そうではない。この理由はSC1洗浄のエッチング量にある。即ち、S2工程では前述したように被評価基板に形成されている自然酸化膜を完全に剥離する必要がある。そしてS3工程では評価用酸化膜を形成する必要がある。また、一般的に自然酸化膜の膜厚が約1nm以上であることから、S2工程でSC1洗浄を用いる場合、エッチング量を1nm以上にしなければ、自然酸化膜を完全に剥離することができない。
ここで、図4に、図3の水準と同じ洗浄条件で3minエッチングした際のエッチング量を示す。このグラフから、少なくとも洗浄温度を70℃以上にしないと1nmを超えるエッチング量を確保できないことが分かる。ただし、洗浄温度が70℃では図3のグラフに示すように膜厚が顕著に厚くなっており、前述したS2工程起因の影響を受けていると判断される。
尚、洗浄温度を40℃で洗浄時間を長くすることが容易に考えられるが、SC1洗浄で形成される粗さはエッチング量に起因するため、低エッチングレートで長時間エッチングしたとしても、本発明の評価方法に影響を及ぼすことを回避することは困難である。
S2工程での酸化膜除去の手法は「エッチング作用のない条件」ということを除いて特に限定されないものの、上記結果から、SC1洗浄では本発明の評価方法に影響を及ぼす表面粗さの創出の回避と自然酸化膜の完全な除去の両立は難しいと考えられることから、他の手法についても本発明者らは検討した。その結果、最も適した酸化膜の剥離方法はフッ酸洗浄である。尚、自然酸化膜が完全に剥離できれば、フッ酸洗浄の条件は特に限定されない。条件の一例としては、フッ酸濃度が0.3~5.0wt%、温度が10~30℃、洗浄時間が60~360秒である。
その他の酸化膜剥離方法としてはALE(Atomic Layer Etching)のようなドライエッチング手法が挙げられる。この手法において、SiOのみを選択的にエッチングし、Siはエッチングしない条件を適用することもできる。
(S3:評価用酸化膜形成工程)
次に、S3工程として被評価基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する。
ここでもS2工程と同様に、余計なエッチング作用が被評価基板に加わることを避ける必要がある。尚、ここでも「エッチング作用がない」とは本発明の評価方法(管理方法)に影響を及ぼすような表面粗さを創出するエッチング作用がないと定義される。オゾン水や過酸化水素水はどちらも洗浄前後のHaze悪化量が非常に僅かである。
したがって、エッチング作用がないオゾン水や過酸化水素水でウェーハ表面を酸化させることが好ましく、より酸化力の強いオゾン水の方が好ましい。オゾン水または過酸化水素水であれば簡便に酸化膜(再形成された自然酸化膜)を形成することができる。例えば、用いるオゾン水の濃度は3~25ppmの範囲で、温度は10~30℃、洗浄時間は60~360秒である。用いる過酸化水素水の濃度は0.2~5.0wt%、温度が30~90℃、洗浄時間は60~360秒である。このような方法で評価用酸化膜を形成することができる。尚、後述するS5工程でこの評価用酸化膜の膜厚を指標とするため、被評価基板が複数の場合、それら同士で酸化膜形成方法は同一手法とするのが特に好ましい。例えば、オゾン水で形成した評価用酸化膜の膜厚と過酸化水素水で形成した評価用酸化膜の膜厚を比較するよりも、同一手法で形成した膜厚同士を比較する方が、一層精度の高い評価が可能となる。また、オゾン水洗浄同士であっても濃度や洗浄時間が大きく異なる場合よりも、それらが同程度の条件の場合の方が高精度な評価となり好ましい。
また別の酸化手法としては、ALD(Atomic Layer Deposition)のようなドライ方式でプラズマ等を用いて酸化膜を形成することもできる。特にCVD方式であれば、シリコン基板へのエッチング作用はないため、有効である。
(S4:膜厚測定工程)
次に、S4工程として評価用酸化膜の膜厚を測定する。
この評価用酸化膜は例えば分光エリプソメーターで測定することができ、公知の方法を用いればよい。このS4工程でシリコン基板の洗浄履歴を反映した膜厚を取得することができる。この際、S3工程後からS4工程までの経過時間は出来る限り、揃えることが好ましい。これはS3工程で形成された評価用酸化膜の膜厚が経過時間とともに、大気中の水分や酸素により酸化され、僅かに酸化膜が厚くなるためである。この変動を抑えるため、例えばS3工程後から約1時間後、24時間後など予め設定した経過時間後に評価することでより高精度に評価できる。
(S5:評価工程[膜厚推定評価工程])
次にS5工程として、準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、S4工程で取得した評価用酸化膜厚に基づいて被評価基板の評価を行う。ここでは、評価用酸化膜厚から、準備した被評価基板に熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜厚を推定する。
なお、想定する上記熱酸化処理の条件は特に限定されない。例えば、酸素ガスによるドライ酸化や水蒸気を用いるウェット酸化などを用いることができる。デバイス作製工程での熱酸化条件等に応じて、形成される狙い膜厚は異なるため、適宜、最高到達温度や時間を調整することができる。
以下、より具体的に説明する。ここでは、洗浄条件や研磨条件を変えて作製したサンプル11水準を各水準で3枚ずつ用意した。なお11水準のうち、2水準はフッ酸とオゾン水で洗浄したものであり、それ以外の9水準はSC1洗浄したものである。
3枚のうち1枚はパーティクルカウンターでHazeを取得した後、分光エリプソで自然酸化膜厚を評価した。その後フッ酸とオゾン水洗浄で評価用酸化膜を形成し、その膜厚を分光エリプソで評価した。
もう一枚はそのまま熱酸化処理を行い、熱酸化膜を分光エリプソで評価した。
最後の1枚は特許文献3に倣い、ATR-FT-IRとXPSでOH基量とサブオキサイドの割合を評価した。
図5は各水準における熱酸化膜厚に対するHaze及び自然酸化膜の膜厚の影響を示したものである。どちらも相関係数R値は小さく、単にウェーハ表面粗さのHazeや自然酸化膜の膜厚と熱酸化膜厚に相関がないことが分かる。これはHazeにはSC1洗浄粗さ以外の、例えばCMP工程などの別の粗さ成分も加味されているためである。また単なる自然酸化膜の膜厚も指標となりえないことが分かる。
図6には化学酸化膜の構成として、OH基量とサブオキサイドの割合を指標とした場合を示した。R値は図5よりも高く、熱酸化膜と相関があることが分かる。したがって、特許文献3に記載の通り、化学酸化膜の構成から熱酸化膜厚の推定が可能であることが分かる。
図7には本発明の評価用酸化膜の膜厚を指標とした場合を示した。R値が0.9以上と非常に高く、評価用酸化膜厚と熱酸化膜厚には良好な相関が見られた。したがって、評価用酸化膜が厚いほど、熱酸化膜厚も厚くなると推定することができる。このように本発明の評価用酸化膜の膜厚は熱酸化膜の膜厚と非常に良好な相関が得られるため、高精度に熱酸化膜を推定することができる。なお、グラフ中の左側2つ(評価用酸化膜の厚さが薄い)がフッ酸とオゾン水で洗浄したものであり、右側9つがSC1洗浄したものである。
例えば、複数の被評価基板の各評価用酸化膜厚を比較することで、それらの被評価基板の各熱酸化膜厚の大小の比較評価などを行うことができる。
ここで予備試験を行うケースについて説明する。
本発明の評価方法では、予め、図7のような評価用酸化膜厚と熱酸化膜厚との相関を取得することで熱酸化膜厚をより具体的に推定することもできる。このような場合の代表的な予備試験におけるフローチャートを図8に示した。なお、予備試験は本試験の評価工程[膜厚推定評価工程]の前に行っておけばよい。
(S11:予備-基板準備工程)
初めにS11工程として、基準となり、シリコン基板であり、洗浄条件が同一である予備基板を複数枚(ここでは2枚とする)用意する。この2枚1組のセットに関して、例えばセットごとに異なる洗浄条件のものを複数セット用意する。セット数は、多いほど高精度な相関関係を得ることができて好ましいが、手間や時間を考慮して適宜決定することができる。上記の図7は11セット(11水準)であると言える。
(S12:予備-酸化膜除去工程、予備-評価用酸化膜形成工程、予備-膜厚測定工程、及び、予備-熱酸化膜厚測定工程)
次いでS12工程で、片方の予備基板には図1のS2-S4工程と同様の工程を行い、予備基板の評価用酸化膜の膜厚を測定する。
また、もう片方には熱酸化処理を行い、熱酸化膜厚を評価する。この熱酸化処理の条件は、前述した本試験で想定した熱酸化処理の条件と同様のものとすると良い。
(S13:相関関係取得工程)
次にS13工程として評価用酸化膜厚(予備基板の評価用酸化膜厚)と熱酸化膜厚(予備基板の熱酸化膜厚)との相関関係を取得する。
以上が予備試験のフローである。
上記予備試験を本試験の前に予め行っておき、その後、本試験のS1工程-S4工程を行うことができる。
そして、S5工程において、熱酸化膜厚が未知のシリコン基板(本試験の被評価基板)の評価用酸化膜厚から、S13の相関関係に基づいて、被評価基板の熱酸化膜厚の具体値を実に容易に推定することができる。
尚、具体的な相関関係の一例としては図7が挙げられる。ここで熱酸化膜厚が未知のシリコン基板(本試験の被評価基板)の評価用酸化膜の膜厚が1.265nmであった場合は、図7の相関式(相関関係)に代入することで熱酸化膜厚が5.147nmと推定することができる。
この手法はシリコン基板に施されると想定される熱処理条件が少ない場合には、実際の熱酸化膜厚を推定することができ非常に有用である。例えば、熱酸化条件がドライ方式1水準とウェット方式1水準の計2水準の場合は予め相関関係を取得しておくことで、容易に熱酸化膜厚を推定できる。シリコン基板に施される熱酸化処理が非常に多い場合には、熱酸化条件ごとに相関関係を取得するのが特に好ましい。
以上のような本発明の評価方法(熱酸化膜厚の評価)は従来の化学酸化膜の構成を分析、解析するよりも簡便かつスループット良く、熱酸化膜を推定でき、極めて有効な評価方法であると言える。
[シリコン基板の洗浄履歴の推定評価(SC1洗浄の判定評価)]
ところで、通常の製造工程では、製造されたシリコンウェーハの洗浄履歴はデータとして保存されているが、所定期間経過した場合など、何らかの原因で洗浄履歴が保存されていない場合が想定される。このような場合、評価用酸化膜厚を指標とする別の形態の本発明の評価方法を行うことで、洗浄履歴を推定可能である。この洗浄履歴の内容は特に限定されないが、ここではそのシリコンウェーハにSC1洗浄が施されているか判定する方法について説明する。図9にこのSC1洗浄の判定評価方法のフローを示す。
手順としては、まず図1のS1工程-S4工程と同様の工程を行い、被評価基板の評価用酸化膜厚を測定する。
(S5’:評価工程[SC1判定評価工程])
その後、S5’工程として、準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、評価用酸化膜厚に基づいて、準備した被評価基板の洗浄履歴において、SC1洗浄が行われているかを判定評価する。
SC1洗浄の有無の判定基準は特に限定されないが、例えば、洗浄処理の条件(SC1洗浄有りの条件と、SC1洗浄無しの条件)と評価用酸化膜厚(さらには、必要に応じて熱酸化膜厚)との相関関係を取得しておき、それに基づいて判断基準を決めておくことができる。例えば先に説明した図7を例に説明すると、図7のサンプルにおいて、前述したようにフッ酸とオゾン水で洗浄した水準が2つ存在し、それぞれ評価用酸化膜の膜厚は1.236nmと1.237nmとこの水準内では非常に薄い。それ以外の水準はSC1洗浄を行った水準であり、その中でSC1のエッチング量が最も少ない水準の評価用酸化膜の膜厚は1.257nmとなり、前出の1.236nmや1.237nmよりも膜厚が厚い。
したがって、洗浄履歴が未知のシリコンウェーハ(被評価基板)の評価用酸化膜の膜厚が少なくとも1.257nm以上であるならば、SC1洗浄が施されていると推定することができる。
尚、この洗浄履歴におけるSC1洗浄の有無の判定評価を、予め準備した相関関係から推定された熱酸化膜厚を指標として行っても良い。すなわち、膜厚推定評価工程を行って熱酸化膜厚を推定評価した上で、さらに、その熱酸化膜厚を用いてSC1洗浄の有無を判定評価することもできる。例えば図7では、左から2つ目のサンプル(フッ酸とオゾン水での洗浄)が熱酸化膜厚5.125nmであり、左から3つ目のサンプル(SC1洗浄)が熱酸化膜厚5.127nmであるところ、5.127nm以上をSC1洗浄有りと判定する判定基準とすることができる。なお、このような評価の場合も前述の通り、S3工程からS4工程間の経過時間は揃えることが好ましい。
ところで熱酸化膜厚を推定評価する必要性がない場合は、評価用酸化膜厚に基づく判定評価の方が工程数も少なくて済み、より一層簡便である。ただし、推定評価の熱酸化膜厚を指標とする場合も、被評価基板に実際に熱酸化膜を形成する必要がないため十分に簡便であると言える。
以上のような本発明の評価方法(SC1洗浄の判定評価)によって、洗浄履歴が不明なシリコン基板であっても、SC1洗浄が行われたかどうかを判定するのに役立てることができる。
本発明の評価方法においては、評価工程では、前述した評価用酸化膜厚を利用した膜厚推定評価工程と洗浄履歴推定評価工程のうち少なくとも一方を行えば良く、当然、必要に応じて両方を行っても良い。
<本発明のシリコン基板の製造工程の管理方法>
前述した本発明のシリコン基板の評価方法は、評価用酸化膜厚を指標として利用した手法であるが、これはシリコン基板の製造工程の管理にも用いることができる。
図10にはその代表的なフローチャートを示した。
(S21:基板準備工程)
S21工程として、例えば製造工程中(製造ライン中)のシリコンウェーハを抜き取り、被評価基板として用意する。具体的には、実際にデバイス作製時に用いるシリコンウェーハと同じ製造工程を経たシリコンウェーハが望ましい。一般的にはCMP加工及び洗浄後のシリコンウェーハが挙げられる。この際、洗浄槽では意図しない、予期しない僅かな洗浄条件の変化(薬液濃度変化や温度変化)が生じている可能性が捨てきれない。特にSC1洗浄を用いる場合はこのような変化に依って、エッチング作用も変化し、その結果、熱酸化処理が行われた場合に熱酸化膜厚を変動させる(洗浄条件の変化前の通常時に比べて熱酸化膜厚が変わる)ことに繋がるため特に注意が必要である。したがって、薬液を使用する場合には薬液ライフの初期、中期、末期で抜き取ることで、より高精度に熱酸化膜厚を管理することができる。
(S22:酸化膜除去工程~膜厚測定工程)
続いてS22工程では図1の本発明のシリコン基板の評価方法におけるS2工程-S4工程(必要に応じてS11工程-S13工程も行う)と同様の工程を行い、評価用酸化膜の膜厚を測定する。
(S23~S27:管理工程[膜厚管理工程][洗浄管理工程])
S23工程では、評価用酸化膜の膜厚を予め設定した所定の膜厚管理値(単に、管理値とも言う)と比較する。
ここで、管理値の算出としては、予め、製造のタイミングが異なるシリコンウェーハに対し、S21工程とS22工程を複数回行うことで、評価用酸化膜厚を取得しておいて、これらの評価用酸化膜厚から公知の方法で中心値と上方管理限界値と下方管理限界値を設定することができる。例えば、膜厚の値の平均値を中心値として、中心値の標準偏差σを算出して、中心値に対して+3σを上方管理限界値、-3σを下方管理限界値とすることができる。ただし、この管理値の算出方法は特に制限はない。上記のように評価用酸化膜厚を取得するために抜き出したシリコンウェーハと同じタイミングで製造されたシリコンウェーハが、製造ライン下流のデバイス作製工程等での熱酸化処理により形成された熱酸化膜の膜厚が許容範囲内に収まっているかどうかも考慮しつつ、上記の管理値を決定することができる。
そして、評価用酸化膜厚がS24工程で管理値内の場合には問題なしとして、S25工程のようにシリコンウェーハが次工程へ送られる。
一方、S24工程で管理値を超えている場合には、S26工程として、下流のデバイス工程などの熱酸化処理において熱酸化膜厚が変動しているとの判断を、シリコン基板の製造工程中にすることができる。また、S27工程として、洗浄履歴調査をして洗浄処理にフィードバックすることで、洗浄処理の処理条件を修正して改善することができる。異常をいち早く検知して、早急な対応が可能になる。
例えばSC1洗浄を用いた洗浄ラインにおいて、評価用酸化膜の膜厚が上方管理限界値を超えた場合は、通常時よりもSC1のエッチング作用が強くなっているため、熱酸化膜厚が厚くなることが容易に推定できる。この場合、薬液濃度、薬液温度、洗浄時間の履歴を調査することが有効である。また、例えば薬液ライフ末期に管理値を外れることが多い場合は、薬液濃度の僅かな変動が疑われる。薬液を新液に作り直すことも対策の一つである。
逆に評価用酸化膜の膜厚が下方管理限界値を下回った場合は、熱酸化膜が薄くなっていると判断される。この場合はSC1洗浄のエッチング作用が少ないことが予想され、同様に洗浄履歴調査や対策を講じることで熱酸化膜厚を安定させて、良好なシリコンウェーハの製造が可能となる。
本発明の管理方法においては、前述した評価用酸化膜を利用した膜厚管理工程と洗浄管理工程のうち少なくとも一方を行えば良い。図10ではそれらの両方を行った場合を例に挙げている。
ところで上記製造工程の管理方法は評価用酸化膜厚を指標として利用したものであるが、この他、熱酸化膜厚を指標として製造工程の管理を行うこともできる。すなわち、前述した本発明のシリコン基板の評価方法の膜厚推定評価工程を行って熱酸化膜厚を推定評価した上で、さらに、その推定評価した熱酸化膜厚を評価用酸化膜厚の代わりに用い、別途設定した所定の管理値(熱酸化膜厚の管理値)を基準にして、上記の膜厚管理工程や洗浄管理工程と同様の工程を行うことで、シリコン基板の製造工程の管理をすることもできる。
なお、熱酸化膜厚を推定評価する必要性がない場合は、評価用酸化膜厚に基づく管理方法の方が工程数も少なくて済み、より一層簡便である。ただし、推定評価の熱酸化膜厚を指標とする場合も、被評価基板に実際に熱酸化膜を形成する必要がないため十分に簡便であると言える。
以下、本発明を実施例に基づきさらに説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるものではない。
初めに熱酸化膜厚の推定方法を述べる。CMP加工条件や洗浄条件が異なる、熱酸化膜を推定したいシリコンウェーハの7水準(サンプルA~G)を複数枚用意した後、以下の評価を実施した。
各サンプルにおけるCMP加工条件と洗浄条件は具体的には以下の表1のように異ならせた。
(実施例1)
各水準1枚のシリコンウェーハに対し、フッ酸洗浄を行って自然酸化膜を完全除去し、オゾン水洗浄を行い、評価用酸化膜を形成した。フッ酸洗浄は濃度0.5wt%、温度25℃、洗浄時間3分、オゾン水洗浄は濃度20ppm、温度25℃、洗浄時間3minとした。次にJ.A.Woollam社製の分光エリプソメーターM-2000Vにて評価用酸化膜の膜厚を評価した。評価用酸化膜厚は表2に示す通りである。
Figure 2024034416000003
表2に示すように水準間で膜厚に差が見られた。膜厚は厚い順に、(厚い)G>B>E>F>C>A>D(薄い)となった。この評価用酸化膜の膜厚が厚いほど、熱酸化後の膜厚も厚くなるため、熱酸化後の膜厚は、(厚い)G>B>E>F>C>A>D(薄い)と推定し、熱酸化膜厚を評価することができた。また、サンプルを用意してから、熱酸化膜を推定するまでに要した時間は約1時間であった。
ここで、上記の評価が妥当であるか否かの検証を行った。各水準の別の1枚をドライ方式の熱酸化処理(最高到達温度900℃、時間60分)を行い、M-2000Vにて、熱酸化処理で形成された熱酸化膜厚を評価した。サンプル間の熱酸化膜厚は(厚い)G>B>E>F>C>A>D(薄い)となり、上記評価方法の結果と同じ結果であることが確認された。すなわち、上記評価方法が妥当であることを確認できた。
(実施例2)
次いで、実施例1での検証等で測定した評価用酸化膜の膜厚と熱酸化膜厚との相関関係を取得したところ、図11の相関関係となった。相関係数R値は非常に良好で、評価用酸化膜と熱酸化膜厚には良い相関があることが確認された。
この相関関係の取得を予備試験とし、次に本試験として、熱酸化膜厚を推定したいシリコンウェーハを2枚用意し、実施例1と同じようにして評価用酸化膜の膜厚の測定を行ったところ、その評価用酸化膜の膜厚は、それぞれ1.271nmと1.314nmと求まった。次に、図11の相関関係(相関式)に代入し、熱酸化膜厚を求めたところ、5.153nm、5.223nmと推定できた。
なお、上記の用意した2枚のシリコンウェーハの各々と同様のシリコンウェーハについて熱酸化処理(実施例1の検証時と同様の条件)を行ったところ、上記の推定評価した熱酸化膜厚とほぼ同様の値であり、上記評価方法が適切で優れていることが確認できた。
(比較例)
特許文献3の評価方法に沿って、各水準1枚のシリコンウェーハに対し、ATR-FT-IR測定を行い、化学酸化膜の構成としてOH基量を算出した。結果が表3に示す通りである。
Figure 2024034416000004
表3に示すようにOH基量に違いが見られた。ここでOH基量は(多い)B>G>E>F>D>A>C(少ない)となった。この結果から推定される熱酸化膜厚は(厚い)B>G>E>F>D>A>C(薄い)となった。しかしながら、実施例1で検証した熱酸化処理後の膜厚順とは完全には一致しなかった。したがって、検証結果と一致した実施例1、2の本発明の評価方法の方が、熱酸化膜の推定精度がより高いことが示された。
また、サンプルを用意してから、熱酸化膜厚の順序を推定するまでに要した時間は約6時間であった。
したがって、実施例1の方がスループット良く、熱酸化膜厚をより確実に推定できることも示された。
(実施例3)
シリコンウェーハの製造工程管理方法として、本発明の管理方法を実施した。初めに管理値の範囲を決めるため、洗浄工程後のシリコンウェーハを2枚抜き取り、実施例1と同様にして評価用酸化膜の膜厚を測定した。この測定を製造日を変えて5回実施した(なお、抜き取ったシリコンウェーハと同タイミングで製造したシリコンウェーハにおいては、製造ライン下流のデバイス作製工程で熱酸化処理した際に形成された熱酸化膜厚はいずれも許容範囲であった。)。これらの評価用酸化膜厚値の平均値を算出したところ、1.241nmと求まった。次に標準偏差σは0.005nmとなった。これらの結果から中心値を平均値である1.241nmとした。上方管理限界値は中心線+3σで1.256nm、下方管理限界値は中心線-3σで1.226nmと設定した。
続いて、製造工程中のシリコンウェーハ(被評価基板)を抜き取り、実施例1と同様に評価用酸化膜の膜厚を測定した。その結果、評価用酸化膜厚は1.238nmとなり、管理値の範囲を満たす膜厚であったため、製造工程に異常はないと判断し、製造を続けた。
なお、実際のところ、抜き取ったシリコンウェーハと同じ製造タイミングのシリコンウェーハに熱酸化処理を施したところ、熱酸化膜厚は許容範囲内であった。
さらに、上述とは異なるタイミングで同様の抜き取り評価を行ったところ、膜厚が1.259nmとなり、上方管理限界値を越える値となった。この結果から、熱酸化処理をする工程(デバイス作製時の熱酸化処理)で熱酸化膜厚の変動があった(通常形成される膜厚値よりも大きな膜厚となった)と判断し、製造履歴調査(洗浄履歴調査)を実施した。その結果、洗浄工程において薬液温度を制御する熱電対に不具合があり、設定温度よりも薬液温度が高くなっていたことが判明した。したがって、薬液温度が高温になりエッチングが進み過ぎたことで、評価用酸化膜の膜厚も厚くなったと推定された。
その後熱電対を交換することで、設定温度と同等の薬液温度を確認した後、シリコンウェーハを洗浄し、実施例1と同様に評価用酸化膜の膜厚を評価したところ、1.244nmとなり、管理値の範囲内であることを確認した。この確認後にシリコンウェーハの製造を再開した。
なお、実際のところ、抜き取ったシリコンウェーハと同じ製造タイミングのシリコンウェーハの熱酸化膜厚を確認したところ、許容範囲から外れていた。
以上のようなシリコンウェーハの製造工程管理方法であれば、僅かな熱酸化膜の変動を検知し、製造工程にフィードバックし、いち早く洗浄処理における条件の改善を行うことができる。
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1]: シリコン基板の評価方法であって、
前記シリコン基板を被評価基板として準備する基板準備工程と、
前記被評価基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する酸化膜除去工程と、
前記自然酸化膜を完全除去した後の前記被評価基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する評価用酸化膜形成工程と、
前記評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
前記準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、前記膜厚測定工程で測定した前記評価用酸化膜の膜厚に基づいて、前記被評価基板の評価を行う評価工程を備えており、
該評価工程において、
(i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚を推定評価する膜厚推定評価工程と、
(ii)前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価する洗浄履歴推定評価工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えているシリコン基板の評価方法。
[2]: 前記酸化膜除去工程において、フッ酸洗浄により前記自然酸化膜の完全除去を行う上記[1]のシリコン基板の評価方法。
[3]: 前記評価用酸化膜形成工程において、オゾン水または過酸化水素水により、前記評価用酸化膜を形成する上記[1]または上記[2]のシリコン基板の評価方法。
[4]: 前記評価工程において前記膜厚推定評価工程を行うとき、
予め、基準となり、シリコン基板であり、同一の条件で洗浄された複数の予備基板を準備する予備-基板準備工程と、
前記準備した複数の予備基板のうちの一方の予備基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する予備-酸化膜除去工程と、
前記自然酸化膜を完全除去した後の前記予備基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する予備-評価用酸化膜形成工程と、
前記予備-評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する予備-膜厚測定工程と、
前記準備した複数の予備基板のうちの他方の予備基板に熱酸化処理を行って熱酸化膜を形成し、該予備基板の熱酸化膜の膜厚を測定する予備-熱酸化膜厚測定工程と、
前記予備基板の評価用酸化膜の膜厚と、前記予備基板の熱酸化膜の膜厚との相関関係を取得する相関関係取得工程と、を行っておき、
前記相関関係に基づいて、前記被評価基板の評価用酸化膜の膜厚から、前記被評価基板の熱酸化膜の膜厚を推定評価する上記[1]から上記[3]のいずれかのシリコン基板の評価方法。
[5]: 前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、
前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価する上記[1]から上記[4]のいずれかのシリコン基板の評価方法。
[6]: 前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価するとき、SC1洗浄が行われているかを判定評価する上記[1]から上記[5]のいずれかのシリコン基板の評価方法。
[7]: シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
上記[1]から上記[6]のいずれかのシリコン基板の評価方法の前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
前記管理工程において、
前記推定評価した熱酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
(i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
(ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えているシリコン基板の製造工程の管理方法。
[8]: シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
前記シリコン基板を被評価基板として準備する基板準備工程と、
前記被評価基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する酸化膜除去工程と、
前記自然酸化膜を完全除去した後の前記被評価基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する評価用酸化膜形成工程と、
前記評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
前記準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、前記膜厚測定工程で測定した前記評価用酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
前記管理工程において、
前記評価用酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
(i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
(ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えているシリコン基板の製造工程の管理方法。
[9]: 前記酸化膜除去工程において、フッ酸洗浄により前記自然酸化膜の完全除去を行う上記[8]のシリコン基板の製造工程の管理方法。
[10]: 前記評価用酸化膜形成工程において、オゾン水または過酸化水素水により、前記評価用酸化膜を形成する上記[8]または上記[9]のシリコン基板の製造工程の管理方法。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (18)

  1. シリコン基板の評価方法であって、
    前記シリコン基板を被評価基板として準備する基板準備工程と、
    前記被評価基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する酸化膜除去工程と、
    前記自然酸化膜を完全除去した後の前記被評価基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する評価用酸化膜形成工程と、
    前記評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
    前記準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、前記膜厚測定工程で測定した前記評価用酸化膜の膜厚に基づいて、前記被評価基板の評価を行う評価工程を備えており、
    該評価工程において、
    (i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚を推定評価する膜厚推定評価工程と、
    (ii)前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価する洗浄履歴推定評価工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の評価方法。
  2. 前記酸化膜除去工程において、フッ酸洗浄により前記自然酸化膜の完全除去を行うことを特徴とする請求項1に記載のシリコン基板の評価方法。
  3. 前記評価用酸化膜形成工程において、オゾン水または過酸化水素水により、前記評価用酸化膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のシリコン基板の評価方法。
  4. 前記評価用酸化膜形成工程において、オゾン水または過酸化水素水により、前記評価用酸化膜を形成することを特徴とする請求項2に記載のシリコン基板の評価方法。
  5. 前記評価工程において前記膜厚推定評価工程を行うとき、
    予め、基準となり、シリコン基板であり、同一の条件で洗浄された複数の予備基板を準備する予備-基板準備工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの一方の予備基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する予備-酸化膜除去工程と、
    前記自然酸化膜を完全除去した後の前記予備基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する予備-評価用酸化膜形成工程と、
    前記予備-評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する予備-膜厚測定工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの他方の予備基板に熱酸化処理を行って熱酸化膜を形成し、該予備基板の熱酸化膜の膜厚を測定する予備-熱酸化膜厚測定工程と、
    前記予備基板の評価用酸化膜の膜厚と、前記予備基板の熱酸化膜の膜厚との相関関係を取得する相関関係取得工程と、を行っておき、
    前記相関関係に基づいて、前記被評価基板の評価用酸化膜の膜厚から、前記被評価基板の熱酸化膜の膜厚を推定評価することを特徴とする請求項1に記載のシリコン基板の評価方法。
  6. 前記評価工程において前記膜厚推定評価工程を行うとき、
    予め、基準となり、シリコン基板であり、同一の条件で洗浄された複数の予備基板を準備する予備-基板準備工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの一方の予備基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する予備-酸化膜除去工程と、
    前記自然酸化膜を完全除去した後の前記予備基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する予備-評価用酸化膜形成工程と、
    前記予備-評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する予備-膜厚測定工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの他方の予備基板に熱酸化処理を行って熱酸化膜を形成し、該予備基板の熱酸化膜の膜厚を測定する予備-熱酸化膜厚測定工程と、
    前記予備基板の評価用酸化膜の膜厚と、前記予備基板の熱酸化膜の膜厚との相関関係を取得する相関関係取得工程と、を行っておき、
    前記相関関係に基づいて、前記被評価基板の評価用酸化膜の膜厚から、前記被評価基板の熱酸化膜の膜厚を推定評価することを特徴とする請求項2に記載のシリコン基板の評価方法。
  7. 前記評価工程において前記膜厚推定評価工程を行うとき、
    予め、基準となり、シリコン基板であり、同一の条件で洗浄された複数の予備基板を準備する予備-基板準備工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの一方の予備基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する予備-酸化膜除去工程と、
    前記自然酸化膜を完全除去した後の前記予備基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する予備-評価用酸化膜形成工程と、
    前記予備-評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する予備-膜厚測定工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの他方の予備基板に熱酸化処理を行って熱酸化膜を形成し、該予備基板の熱酸化膜の膜厚を測定する予備-熱酸化膜厚測定工程と、
    前記予備基板の評価用酸化膜の膜厚と、前記予備基板の熱酸化膜の膜厚との相関関係を取得する相関関係取得工程と、を行っておき、
    前記相関関係に基づいて、前記被評価基板の評価用酸化膜の膜厚から、前記被評価基板の熱酸化膜の膜厚を推定評価することを特徴とする請求項3に記載のシリコン基板の評価方法。
  8. 前記評価工程において前記膜厚推定評価工程を行うとき、
    予め、基準となり、シリコン基板であり、同一の条件で洗浄された複数の予備基板を準備する予備-基板準備工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの一方の予備基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する予備-酸化膜除去工程と、
    前記自然酸化膜を完全除去した後の前記予備基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する予備-評価用酸化膜形成工程と、
    前記予備-評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する予備-膜厚測定工程と、
    前記準備した複数の予備基板のうちの他方の予備基板に熱酸化処理を行って熱酸化膜を形成し、該予備基板の熱酸化膜の膜厚を測定する予備-熱酸化膜厚測定工程と、
    前記予備基板の評価用酸化膜の膜厚と、前記予備基板の熱酸化膜の膜厚との相関関係を取得する相関関係取得工程と、を行っておき、
    前記相関関係に基づいて、前記被評価基板の評価用酸化膜の膜厚から、前記被評価基板の熱酸化膜の膜厚を推定評価することを特徴とする請求項4に記載のシリコン基板の評価方法。
  9. 前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、
    前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシリコン基板の評価方法。
  10. 前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価するとき、SC1洗浄が行われているかを判定評価することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシリコン基板の評価方法。
  11. 前記準備した被評価基板の洗浄履歴を推定評価するとき、SC1洗浄が行われているかを判定評価することを特徴とする請求項9に記載のシリコン基板の評価方法。
  12. シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシリコン基板の評価方法の前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
    前記管理工程において、
    前記推定評価した熱酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
    (i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
    (ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の製造工程の管理方法。
  13. シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
    請求項9に記載のシリコン基板の評価方法の前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
    前記管理工程において、
    前記推定評価した熱酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
    (i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
    (ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の製造工程の管理方法。
  14. シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
    請求項10に記載のシリコン基板の評価方法の前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
    前記管理工程において、
    前記推定評価した熱酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
    (i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
    (ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の製造工程の管理方法。
  15. シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
    請求項11に記載のシリコン基板の評価方法の前記評価工程の前記膜厚推定評価工程で推定評価した前記熱酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
    前記管理工程において、
    前記推定評価した熱酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
    (i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
    (ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の製造工程の管理方法。
  16. シリコン基板の製造工程の管理方法であって、
    前記シリコン基板を被評価基板として準備する基板準備工程と、
    前記被評価基板の自然酸化膜をエッチング作用のない条件で完全に除去する酸化膜除去工程と、
    前記自然酸化膜を完全除去した後の前記被評価基板にエッチング作用のない酸化条件で評価用酸化膜を形成する評価用酸化膜形成工程と、
    前記評価用酸化膜形成工程で形成した前記評価用酸化膜の膜厚を測定する膜厚測定工程と、
    前記準備した被評価基板に熱酸化処理を行うことなく、前記膜厚測定工程で測定した前記評価用酸化膜の膜厚に基づいて、前記製造工程の管理を行う管理工程を備えており、
    前記管理工程において、
    前記評価用酸化膜の膜厚が予め設定した所定の膜厚管理値を外れた場合に、
    (i)前記準備した被評価基板に前記熱酸化処理を行った場合に形成される熱酸化膜の膜厚が変動していると評価する膜厚管理工程と、
    (ii)前記被評価基板の洗浄履歴調査、及び、前記製造工程における洗浄処理の処理条件の修正を行う洗浄管理工程、のうちのいずれか1つ以上の工程を備えていることを特徴とするシリコン基板の製造工程の管理方法。
  17. 前記酸化膜除去工程において、フッ酸洗浄により前記自然酸化膜の完全除去を行うことを特徴とする請求項16に記載のシリコン基板の製造工程の管理方法。
  18. 前記評価用酸化膜形成工程において、オゾン水または過酸化水素水により、前記評価用酸化膜を形成することを特徴とする請求項16または請求項17に記載のシリコン基板の製造工程の管理方法。
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