JP2024033455A - 作業機械のワイパー - Google Patents
作業機械のワイパー Download PDFInfo
- Publication number
- JP2024033455A JP2024033455A JP2022137036A JP2022137036A JP2024033455A JP 2024033455 A JP2024033455 A JP 2024033455A JP 2022137036 A JP2022137036 A JP 2022137036A JP 2022137036 A JP2022137036 A JP 2022137036A JP 2024033455 A JP2024033455 A JP 2024033455A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wiper
- cab
- front window
- guard
- drive device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000001681 protective effect Effects 0.000 claims abstract description 51
- 238000003780 insertion Methods 0.000 claims description 12
- 230000037431 insertion Effects 0.000 claims description 12
- 238000009429 electrical wiring Methods 0.000 claims description 10
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 10
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 10
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 5
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 4
- 241000030361 Girellinae Species 0.000 description 3
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 2
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000002828 fuel tank Substances 0.000 description 1
- 239000010720 hydraulic oil Substances 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 238000000034 method Methods 0.000 description 1
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
Abstract
【課題】オペレータの作業視野を妨げることなく、キャブの前窓の払拭範囲を拡大する。【解決手段】キャブ3の前窓31を払拭するワイパー50が、ワイパーアーム52,52を揺動することによってワイパーブレード51を左右方向に往復動させるワイパー駆動装置60を有している。キャブ3に前窓31の前方を覆う保護ガード40が取り付けられていて、その保護ガード40を前窓31よりも下方に延出させることによって保護ガード40に下方延出部44が設けられている。その下方延出部44に、ワイパー駆動装置60が設置されている。【選択図】図4
Description
開示する技術は、解体作業などに用いられる作業機械に好適なワイパーに関する。
下部走行体の上に作業を行う機械本体が搭載されているタイプの作業機械では、縦長な箱形状をした運転室(いわゆるキャブ)を備えた機種が多い。作業時には、そのキャブに乗り込んだオペレータが、主に前窓を通じて作業状況を確認しながら作業機械を操作する。従って、キャブの前窓は、広い作業視野を確保するために、キャブの前面の広範囲を占めている場合が多い。
建設作業や解体作業の現場では、多量の粉塵が発生する。粉塵の拡散を抑制するために、作業中、現場に散水することも一般に行われている。従って、キャブの前窓は汚れ易く、このような現場での作業時には、絶えず前窓の汚れを取り除く必要がある。
そのため、通常、キャブの前窓にはワイパーが設置されている。例えば、特許文献1には、キャブの前窓を保護するガードを利用して、作業視野の邪魔にならないように、平行リンク式のワイパーを設置した建設機械が開示されている。
すなわち、その建設機械では、キャブの前面に、前窓を覆うように格子状のガードが取り付けられている。そのガードの上側の横枠と、前窓の上側の窓枠との間にワイパー用のモータを配置している。そうすることで、作業視野の邪魔にならないように工夫しながら、そのモータの駆動により、平行リンク方式でワイパーを左右に往復動させ、前窓の上部を拭き取るようにしている。
前窓が大きくても、ワイパーの払拭範囲が狭いと、汚れで作業視野が制限される場合がある。従って、ワイパーの払拭範囲は大きい方が好ましい。
それに対し、ワイパーブレードを揺動させて拭き取る一般的なスイング方式のワイパーの場合、その軸支部分を前窓の側方等に設置でき、設置場所を選ばないが、払拭範囲が偏るしその範囲も狭い。特に、縦方向に長いキャブの前窓には不利である。
その点、平行リンク方式のワイパーは、ワイパーブレードが上下方向に延びた状態で左右に往復動するので、縦方向に長いキャブの前窓に適している。
しかし、平行リンク方式のワイパーの場合、特許文献1に開示されているように、その軸支部分は、前窓の横幅方向の中間部位に設置するのが一般的であり、作業視野の邪魔になり易い。
更に、払拭面積を大きくするには、前窓に接するワイパーブレードを長くする必要がある。ワイパーブレードを支持して揺動するアームも長くなる。そして、そのワイパーブレードの全体を前窓にしっかりと押し付け、その状態で、左右に往復動させる必要がある。従って、アームを駆動するモータはそれに応じた出力が必要になるし、リンク機構もそれに応じた強度が必要になる。ワイパー駆動装置は大型化する傾向にある。
そのため、平行リンク方式のワイパーを採用し、そのワイパーの払拭範囲を拡大した場合、特許文献1のように配置しても、モータ等の大型化によって作業視野が妨げられるおそれがある。特に、近年では前窓の上側の窓枠が無いキャブも存在する。
すなわち、前窓を構成している前面ガラスの上端部と、キャブの上面に設けられる上面ガラスの前端部とを直に突き合わせてシーリング施工することにより、前窓の上側の窓枠が無いキャブが実用化されている。そのようなキャブでは、特許文献1の技術は採用できない。
開示する技術の目的は、オペレータの作業視野を妨げることなく、キャブの前窓の払拭範囲を拡大する。
開示する技術は、作業機械が備えるキャブの前窓を払拭するワイパーに関する。
前記ワイパーは、上下方向に延びた状態で前記前窓の外面に接するワイパーブレードと、前記ワイパーブレードを支持するワイパーアームと、駆動モータを含み、前記ワイパーアームを揺動することによって前記ワイパーブレードを左右方向に往復動させるワイパー駆動装置と、を有している。
前記キャブに前記前窓の前方を覆う保護ガードが取り付けられていて、前記保護ガードを前記前窓よりも下方に延出させることにより、当該保護ガードに下方延出部を設け、当該下方延出部に前記ワイパー駆動装置を設置したことを特徴とする。
すなわち、このワイパーによれば、平行リンク方式を採用すれば、縦長なキャブの前窓に好適であり、広範囲をバランスよく払拭できる。そして、ワイパー駆動装置がキャブの前面よりも下方に位置しているので、平行リンク方式を採用しても、ワイパー駆動装置がオペレータの前方の作業視野を妨げるおそれはない。
ワイパー駆動装置の大型化にも対応できる。キャブの改造は不要であり、保護ガードを下方に延出すればよいので、安価で容易に実現できる。従って、オペレータの作業視野を妨げることなく、キャブの前窓の払拭範囲を拡大でき、作業機械の操作性を向上できる。
前記保護ガードが、前記前窓の上部を覆う上部ガードと、前記前窓の下部を覆う下部ガードとを有しており、前記下部ガードに前記下方延出部が設けられている、としてもよい。
下部ガードをキャブに固定することで、ワイパー駆動装置を安定して支持できるとともに、上部ガードを開閉可能にすることで、人手による前窓の清掃が容易に行える。更に、ワイパーを後付けする場合にも容易に行える。
前記ワイパー駆動装置が前記下方延出部の後側に配置されている、としてもよい。
そうすれば、ワイパー駆動装置の前側は、下方延出部が覆うことで保護されるので、ワイパー駆動装置を障害物から効果的に保護できる。
前記作業機械が、下部走行体の上に旋回可能に搭載された上部旋回体を備える場合には、前記キャブは、乗降口の有る側面が前記上部旋回体の側方に臨むように、当該上部旋回体の横幅方向の一方に偏って配置されており、前記ワイパー駆動装置が、前記乗降口の無い側面の側に偏って配置されている、としてもよい。
この場合、上部旋回体が旋回する際、キャブの両側面のうち、乗降口の有る側は、上部旋回体の側方に臨んでいるので、特に衝突し易い。従って、ワイパー駆動装置をその反対側に偏って配置することで、旋回時の衝突でワイパー駆動装置が損傷するのを効果的に防止できる。
前記保護ガードは、格子状に構成された複数の縦リブと、前記ワイパー駆動装置の前方を覆う保護カバーと、を有し、前記下方延出部が、前記複数の縦リブを下方に延出し、前記保護カバーと一体化することによって構成されている、としてもよい。
そうすれば、下方延出部を強度に優れた構造にできる。保護カバーは、保護ガードを強化するだけでなく、ワイパー駆動装置の保護部材としても機能する。1つの保護カバーで2つの機能を発揮させることができるので、効率的である。
前記ワイパー駆動装置は、前記下方延出部に後付け可能な装置ブラケットを更に含み、前記駆動モータが、前記装置ブラケットに予め組み付けることによってユニット化されている、としてもよい。
そうすれば、事前に駆動モータを装置ブラケットに組み付けておくことができ、これらをまとめて任意のタイミングで後付けができる。それにより、組み付け作業が効率的になり、生産性が向上する。
前記前窓の側部に沿って延びる前記キャブの前側枠部に、付属ワイパーの使用時に用いられていた軸挿通孔が開口している場合には、前記軸挿通孔を通じて前記キャブの内部から引き出された電気配線が前記駆動モータに接続されている、としてもよい。
そうすれば、付属ワイパーの不使用により、不要になった構造を有効的かつ効果的に活用できる。電気配線を効率的に配索でき、しかも、保護ガードで電気配線を保護できる。
開示する技術によれば、オペレータの作業視野を妨げることなく、キャブの前窓の払拭範囲を拡大できる。従って、作業機械の操作性を向上できる。
以下、開示する技術をその好ましい実施形態に基づいて説明する。ただし、以下の説明は例示である。説明で用いる前後、左右、および上下の方向は、作業機械の標準的な姿勢におけるものであり、各図において矢印で示す。
<作業機械>
図1に、開示する技術を適用した解体機1(作業機械の一例)を示す。解体機1は、大略、下部走行体10と、その上に搭載された上部旋回体20とで構成されている。
図1に、開示する技術を適用した解体機1(作業機械の一例)を示す。解体機1は、大略、下部走行体10と、その上に搭載された上部旋回体20とで構成されている。
下部走行体10は、その左右の各々に、前後方向に自在に回転する一対のクローラ11,11を有している。各クローラ11の回転を操作することで、解体機1は前進、後退、旋回等自在に走行する。
上部旋回体20は、水平方向に拡がる基台21を有している。基台21は、その横幅方向(左右方向)における中央部分を前後方向に延びる底板部21aと、底板部21aの左右の各々に設けられたデッキ部21bとを有している。底板部21aが旋回ベアリング2を介して下部走行体10に旋回可能な状態で支持されている。
上部旋回体20は、キャブ3、アタッチメント4、機械室5などを有している。図示はしないが、右側のデッキ部21bに燃料タンク、作動油タンクなどが設置されている。底板部21aの前端部分には、一対の縦板で構成された軸支部が設けられている。その軸支部を介してアタッチメント4が上部旋回体20に起伏自在な状態で支持されている。
アタッチメント4は、ブーム4a、アーム4b、ニブラー4cなどで構成されている。ブーム4a、アーム4b、およびニブラー4cの各々には、油圧シリンダ4dが付設されている。これら油圧シリンダ4dを制御して伸縮動作させることにより、アタッチメント4は作動する。なお、ニブラー4cは一例であり、作業内容に応じて取り替え可能である。
機械室5は、基台21の後部に設置されている。機械室5は、パネル等で覆われていて、その内部には、エンジンや油圧ポンプ等、主に駆動系の装置が設置されている。図示しないが、基台21の後部には、アタッチメント4との前後のバランスを確保するために、高重量なカウンタウエイトも設置されている。
そして、基台21の左前隅部、詳細には左側のデッキ部21bの前部に、キャブ3が設置されている。この機種では、キャブ3を上部旋回体20の左側に偏って配置したことにより、キャブ3の左側面は上部旋回体20の側方に臨んでいる。
図2、図3に具体的に示すように、キャブ3は箱形の運転室である。図示はしないが、その内部には、オペレータが着座するシートやオペレータが操作する操作機器が設置されている。オペレータがキャブ3に乗り降りするために、キャブ3の左側面には、ドア30aで開閉される乗降口30が設けられている。
キャブ3の前面、左側面、右側面、および後面の各々には、オペレータの良好な作業視野を確保するために窓が設けられている。特に前窓31は大きい。キャブ3の前面の大部分が縦長な矩形の前窓31によって構成されている。その大きな前窓31を保護するために、このキャブ3には、前窓31の前方を覆う保護ガード40が取り付けられている。
(保護ガード40)
保護ガード40は、強固な金属部材からなり、上下方向に間隔を隔てて配置された左右方向に延びる複数の横リブ41と、左右方向に間隔を隔てて配置された上下方向に延びる複数の縦リブ42とを有している。これら複数の横リブ41と複数の縦リブ42とを組み合わせることにより、保護ガード40は、縦長な矩形の格子状に形成されている。
保護ガード40は、強固な金属部材からなり、上下方向に間隔を隔てて配置された左右方向に延びる複数の横リブ41と、左右方向に間隔を隔てて配置された上下方向に延びる複数の縦リブ42とを有している。これら複数の横リブ41と複数の縦リブ42とを組み合わせることにより、保護ガード40は、縦長な矩形の格子状に形成されている。
キャブ3の前面には、前窓31の左右の側部に沿って延びる一対の前側枠部32,32と、前窓31の上下の縁部に沿って延びる上枠部33および下枠部34とが設けられている。左右両端の縦リブ42は、左右の前側枠部32に沿うように配置されている。上端の横リブ41は、上枠部33に沿うように配置されている。
保護ガード40は、前窓31の上部を覆う上部ガード40Uと、前窓31の下部を覆う下部ガード40Lとを有している。上部ガード40Uは、下部ガード40Lよりも上下方向に長い。上部ガード40Uと下部ガード40Lとの境界部分は、前窓31を上下に二分する位置よりも下方に位置している。
図2、図3に示すように、上部ガード40Uは、右側部を支点に揺動して開閉できるように構成されている。上部ガード40Uの左側部の上下の各所には、上部ガード40Uを閉じた状態に保持する一対のガードロック43,43が設けられている。ガードロック43の各々にはレバー43aが設けられている(図4参照)。これらレバー43aを操作することで上部ガード40Uは開閉できる。
一方、下部ガード40Lはキャブ3に固定されている。下部ガード40Lは、図3に示すように、その上部に、キャブ3に固定された横リブ41(固定横リブ41a)を有している。固定横リブ41aは、上部ガード40Uを閉じた時に、上部ガード40Uの下端の横リブ41と上下に重なるように構成されている。
下部ガード40Lの各縦リブ42は、その固定横リブ41aから下方に延びている。これら縦リブ42を利用して、下部ガード40Lに下方延出部44が設けられているが、それについては後述する。
(ワイパー)
通常、キャブ3の前面には、前窓31を払拭するワイパーが設置されている。例えば、この解体機1の場合、その標準装備として、図3に仮想線で示すように、キャブ3に所定のワイパー(付属ワイパー100)が設置されていた。
通常、キャブ3の前面には、前窓31を払拭するワイパーが設置されている。例えば、この解体機1の場合、その標準装備として、図3に仮想線で示すように、キャブ3に所定のワイパー(付属ワイパー100)が設置されていた。
具体的には、キャブ3の右側に位置する前側枠部32の上下方向における中間部位に、軸挿通孔35が開口している。モータ等の付属ワイパー100の主体部分はキャブ3の内部に設置され、その軸挿通孔35を通じて、前側枠部32から所定の回動軸が突出していた。
その回動軸の突端部分に、図3に仮想線で示すように、付属ワイパー100のアームの基端部が固定されることにより、そのワイパーブレードが上下方向に延びた姿勢を維持した状態で、そのアームが所定の範囲を揺動するように構成されていた。
従って、付属ワイパー100の場合、前窓31を払拭できる範囲は前窓31の上部に限られる。しかも、その左側は、その右側よりも払拭範囲が狭くなり、左右方向で払拭範囲に偏りが生じていた。そのため、前窓31が汚れ易い現場では、前窓31の作業視野が狭くなるおそれがあった。
それに対し、このキャブ3では、下部ガード40Lの工夫とともに、その付属ワイパー100に代えて、新たなワイパー(改良ワイパー50、開示する技術のワイパーの一例)が設置されている。それにより、この解体機1では、前窓31の作業視野を妨げることなく、前窓31の広い範囲をバランスよく払拭できるようになっている。
(下部ガード40Lおよび改良ワイパー50の詳細)
図4に示すように、改良ワイパー50は、ワイパーブレード51、一対のワイパーアーム52,52、ワイパー駆動装置60などで構成されている。
図4に示すように、改良ワイパー50は、ワイパーブレード51、一対のワイパーアーム52,52、ワイパー駆動装置60などで構成されている。
図5に、下方延出部44の部分を前方から見た概略図を示す。図6に、図5の矢印線Y1-Y1における概略図を示す。図7に、図5の矢印線Y2-Y2における概略図を示す。図8に、図5の矢印線Y3-Y3における概略図を示す。
ワイパーブレード51は、付属ワイパー100のものよりもその全長が長く形成されているが、基本的な構造は、付属ワイパー100等、従来品と同じである。すなわち、ワイパーブレード51は、図3に示すように、細長いワイパーゴム51aや、ワイパーゴム51aを支持する多段状の支持部材51bなどを有している。ワイパーブレード51は、その中央に位置するクリップ部51cを支持して押し付けることにより、細長いワイパーゴム51aの全体が前窓31にバランスよく押し付けられるように構成されている。
ただし、このワイパーブレード51のクリップ部51cは、平行リンク方式に対応して、一対のワイパーアーム52,52を軸支できるように構成されている。それにより、ワイパーブレード51は、常に上下方向に延びた状態で、そのワイパーゴム51aの全体が前窓31の外面に圧接するようになっている。
ワイパーアーム52の各々は、細長い金属管からなる。一対のワイパーアーム52,52は、図5に示すように、主動アーム52aと従動アーム52bとで構成されている。主動アーム52aおよび従動アーム52bの各突端は、クリップ部51cに軸支されている。それにより、主動アーム52aおよび従動アーム52bは、互いに所定の間隔を隔てて平行した状態で、ワイパーブレード51を支持している。
主動アーム52aおよび従動アーム52bの各基端は、図4、図5に示すように、キャブ3の下方、かつ、前窓31の左右方向の略中央に位置するアーム軸61に回転可能な状態で軸支されている。それにより、図4に矢印線A1、A2で示すように、これら一対のワイパーアーム52が揺動することにより、ワイパーブレード51が左右方向に往復動するように構成されている。
ワイパー駆動装置60をキャブ3の下方に配置するために、下部ガード40Lに下方延出部44が設けられている。
すなわち、本来、保護ガード40は、キャブ3の前窓31を保護するものであるため、キャブ3の前面を覆うように構成すれば十分である。従って、キャブ3の前面の下方まで覆う必要性はない。それに対し、このキャブ3の場合、ワイパー駆動装置60を設置するために、保護ガード40に、前窓31よりも下方に位置する下方延出部44が設けられている。
具体的には、下部ガード40Lに設けられている各縦リブ42を、前窓31よりも下方に延出させ、それらの延出部分を保護カバー45と一体化することにより、下方延出部44が構成されている。具体的には、延出した各縦リブ42の下部が保護カバー45に溶接されている。
保護カバー45は、図7に示すように、デッキ部21bの前方に位置する前板45aと、前板45aの上縁から後方に屈曲した上板45bとを有し、左右方向から見た断面が逆L形状をした金属部材からなる。上板45bの左右両端には、図5、図7に示すように、L形状をした支持ブラケット46が固定(溶接)されている。
キャブ3の左右の前側枠部32の下端部には、ボス部36が設けられている。これらボス部36の各々に、支持ブラケット46を介して保護カバー45が固定されている。そして、各縦リブ42の下部は前板45aの前面に固定されている。従って、下部ガード40Lは構造的に強化され、その強度が向上している。
前板45aの右側には縦幅の大きい幅広部47が設けられ、前板45aの左側には縦幅の小さい幅狭部48が設けられている。図6に示すように、上板45bの左右方向の中間部位には、矩形の前切欠部49が形成されている。
(ワイパー駆動装置60)
ワイパー駆動装置60は、装置ブラケット70、駆動モータ80、リンク機構90などで構成されていて、下方延出部44の後側に配置されている。詳細には、乗降口30の無い右側面の側に偏って位置するように、幅広部47の後側に配置されている。そして、装置ブラケット70は、下方延出部44に容易に後付けできるように工夫されている。
ワイパー駆動装置60は、装置ブラケット70、駆動モータ80、リンク機構90などで構成されていて、下方延出部44の後側に配置されている。詳細には、乗降口30の無い右側面の側に偏って位置するように、幅広部47の後側に配置されている。そして、装置ブラケット70は、下方延出部44に容易に後付けできるように工夫されている。
図7に示すように、装置ブラケット70は、上板45bに対向する下板70aと、前板45aに対向する後板70bとを有する断面がL形状の金属部材からなり、ボルトB1,B2を締結することによって前板45aの幅広部47の後側に取り付けられている。後板70bの上縁には、下板70aと対向する方向に屈曲した上側フランジ部71が設けられ、下板70aの前縁には、後板70bと対向しない方向に屈曲した下側フランジ部72が設けられている。
上側フランジ部71の左右方向の両端部には、上向き締結孔73が設けられている。下側フランジ部72の左右方向の両端部には、ナットを固定した前向き締結部74が設けられている。前板45aの幅広部47における下側フランジ部72の左右の前向き締結部74に対応した位置には、一対の前向き締結孔75,75が設けられている。上板45bにおける上側フランジ部71の左右の上向き締結孔73に対応した位置には、一対の上向き締結部76,76が設けられている。
それにより、前板45aの裏面に下側フランジ部72が接し、上板45bの上面に上側フランジ部71が接した状態で、各前向き締結孔75に、その前方からボルトB1を差し込んで前向き締結部74に締結し、各上向き締結孔73に、その上方からボルトB2を差し込んで上向き締結部76に締結することにより、装置ブラケット70は保護カバー45に固定される。従って、装置ブラケット70は、上部ガード40Uを開けば、下方延出部44に容易に後付けできる。
図6に示すように、上側フランジ部71には、前切欠部49に対応した位置に矩形の後切欠部77が形成されている。従って、装置ブラケット70を保護カバー45に固定したときに、前切欠部49と後切欠部77とが前後に重なり、矩形のアーム開口62が形成されるようになっている。
後板70bにおける後切欠部77の下方部位には、後板70bを貫通した状態で、後板70bに回動自在に軸支された一対のアーム軸61,61が設けられている。主動アーム52aおよび従動アーム52bの各基端は、これらアーム軸61,61の前端部に固定されている。主動アーム52aおよび従動アーム52bは、装置ブラケット70に予め組み付けられており、装置ブラケット70を保護カバー45に固定することで、アーム開口62を通じて、上板45bおよび上側フランジ部71の上方に突出するように構成されている。
主動アーム52aおよび従動アーム52bとともに、駆動モータ80、リンク機構90などのワイパー駆動装置60を構成する部材は、装置ブラケット70に予め組み付けることにより、ユニット化されている(いわゆるアッシー)。従って、改良ワイパー50を保護ガード40に容易に組み付けることができ、生産性に優れる。
駆動モータ80は、モータ本体81、減速出力器82、モータブラケット83を有し、これらが一体に構成されている。モータ本体81は、モータブラケット83に対して横置きされており、モータ本体81とモータブラケット83との間に減速出力器82が介在している。モータブラケット83は、後板70bの右端部に前側から締結して組み付けられている。
図7に示すように、後板70bには軸孔78が形成されており、モータブラケット83の中心から後方に突出した駆動モータ80の出力軸84が、その軸孔78を通じて後板70bの後方に露出している。出力軸84は、前後方向に延びる軸Jを中心に回転する。駆動モータ80とワイパーアーム52(厳密には、駆動アーム93)との間に介在するリンク機構90は、後板70bの後側に配置されており、軸孔78から露出した出力軸84に連結されている。
リンク機構90は、入力側駆動アーム91、駆動リンク92、出力側駆動アーム93などの金属部材で構成されている。入力側駆動アーム91の一端は、駆動モータ80の出力軸84に回動不能な状態で連結されている。入力側駆動アーム91の他端は、駆動リンク92の一端に回動自在な状態で連結されている。
駆動リンク92の他端は、出力側駆動アーム93の一端に回動自在な状態で連結されている。そして、出力側駆動アーム93の他端は、主動アーム52aを軸支しているアーム軸61の後端部に回動不能な状態で連結されている。
それにより、駆動モータ80が駆動されると、入力側駆動アーム91が軸Jを中心に旋回し、それに伴って駆動リンク92および出力側駆動アーム93が揺動する。そして、それに伴ってアーム軸61が所定の角度範囲で正転および逆転を繰り返すので、主動アーム52aが所定の範囲を揺動し、それに連れ合って従動アーム52bも揺動する。
付属ワイパー100を取り外したことにより、キャブ3の右側に位置する前側枠部32には軸挿通孔35が残存している。軸挿通孔35は、キャブ3の内部に通じている。この改良ワイパー50では、駆動モータ80に接続する電気配線85を、この軸挿通孔35を利用して配索している。
具体的には、図3、図4に示すように、軸挿通孔35を通じてキャブ3の内部から電気配線85を引き出し、その電気配線85を駆動モータ80に接続している。
<開示する技術の適用による効果>
このように、この解体機1では、キャブ3の前窓31を保護する保護ガード40を利用して、前窓31を払拭するワイパーが改良されている。すなわち、保護ガード40をキャブ3の前面よりも下方に延出させることにより、保護ガード40に下方延出部44を設け、その下方延出部44にワイパー駆動装置60が設置されている。
このように、この解体機1では、キャブ3の前窓31を保護する保護ガード40を利用して、前窓31を払拭するワイパーが改良されている。すなわち、保護ガード40をキャブ3の前面よりも下方に延出させることにより、保護ガード40に下方延出部44を設け、その下方延出部44にワイパー駆動装置60が設置されている。
ワイパー駆動装置60がキャブ3の前面よりも下方に位置しているので、ワイパー駆動装置60がオペレータの前方の作業視野を妨げるおそれはない。キャブ3の改造は不要であり、保護ガード40を下方に延出すればよいので、安価で容易に実現できる。
そして、保護ガード40は、前窓31の上部を覆う上部ガード40Uと、前窓31の下部を覆う下部ガード40Lとを有しており、下部ガード40Lに下方延出部44が設けられている。
それにより、キャブ3に固定した下部ガード40Lでワイパー駆動装置60を安定して支持できるとともに、上部ガード40Uは開閉できるので、人手による前窓31の清掃が容易に行える。更に、改良ワイパー50をユニット化した装置ブラケット70の後付けも容易に行える。
そして、ワイパー駆動装置60は下方延出部44の後側に配置されている。
すなわち、ワイパー駆動装置60の前側は、下方延出部44が覆うことで保護され、ワイパー駆動装置60の後側は、基台21(デッキ部21b)に近接することで保護される。従って、ワイパー駆動装置60を障害物から効果的に保護できる。
そして、ワイパー駆動装置60は、乗降口30の無い右側面の側に偏って配置されている。キャブ3は上部旋回体20の左隅部に位置しているので、上部旋回体20が旋回する際には、キャブ3の左前隅部が特に衝突し易い。従って、ワイパー駆動装置60をその反対側に偏って配置することで、旋回時の衝突でワイパー駆動装置60が損傷するのを防止できる。
そして、下方延出部44は、複数の縦リブ42を下方に延出し、ワイパー駆動装置60の前方を覆う保護カバー45と一体化することによって構成されている。それにより、下方延出部44を強度に優れた構造にできる。保護カバー45は、保護ガード40を強化するだけでなく、ワイパー駆動装置60の保護部材としても機能する。1つの保護カバー45で2つの機能が得られるので、効率的である。
そして、ワイパー駆動装置60が下方延出部44に後付け可能な装置ブラケット70を更に含み、駆動モータ80およびリンク機構90は、装置ブラケット70に予め組み付けることによってユニット化されている。従って、改良ワイパー50は、事前に装置ブラケット70に組み付けることができ、任意のタイミングで後付けができる。それにより、効率的に組み付けることができ、生産性が向上する。
そして、付属ワイパー100の使用時に用いられていた軸挿通孔35を通じてキャブ3の内部から引き出された電気配線85が駆動モータ80に接続されている。付属ワイパー100の不使用により、不要になった構造を有効活用できる。電気配線85を効率的に配索でき、しかも、保護ガード40で電気配線85を保護できる。
なお、開示する技術は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。例えば、実施形態では解体機を用いて説明したが、作業機械は油圧ショベル等の建設機械であってもよい。
下方延出部44は、溶接等により、既存の保護ガード40に追加してもよい。そうすれば、既設の保護ガード40やキャブ3に対しても容易に適用できる。ワイパーは平行リンク方式でなくてもよい。
1 解体機(作業機械の一例)
3 キャブ
4 アタッチメント
5 機械室
10 下部走行体
20 上部旋回体
21 基台
21a 底板部
21b デッキ部
30 乗降口
30a ドア
31 前窓
32 前側枠部
35 軸挿通孔
40 保護ガード
40U 上部ガード
40L 下部ガード
41 横リブ
42 縦リブ
44 下方延出部
45 保護カバー
47 幅広部
48 幅狭部
50 改良ワイパー(ワイパーの一例)
51 ワイパーブレード
52 ワイパーアーム
52a 主動アーム
52b 従動アーム
60 ワイパー駆動装置
61 アーム軸
70 装置ブラケット
73 上向き締結孔
74 前向き締結部
75 前向き締結孔
76 上向き締結部
80 駆動モータ
85 電気配線
90 リンク機構
3 キャブ
4 アタッチメント
5 機械室
10 下部走行体
20 上部旋回体
21 基台
21a 底板部
21b デッキ部
30 乗降口
30a ドア
31 前窓
32 前側枠部
35 軸挿通孔
40 保護ガード
40U 上部ガード
40L 下部ガード
41 横リブ
42 縦リブ
44 下方延出部
45 保護カバー
47 幅広部
48 幅狭部
50 改良ワイパー(ワイパーの一例)
51 ワイパーブレード
52 ワイパーアーム
52a 主動アーム
52b 従動アーム
60 ワイパー駆動装置
61 アーム軸
70 装置ブラケット
73 上向き締結孔
74 前向き締結部
75 前向き締結孔
76 上向き締結部
80 駆動モータ
85 電気配線
90 リンク機構
Claims (7)
- 作業機械が備えるキャブの前窓を払拭するワイパーであって、
上下方向に延びた状態で前記前窓の外面に接するワイパーブレードと、
前記ワイパーブレードを支持するワイパーアームと、
駆動モータを含み、前記ワイパーアームを揺動することによって前記ワイパーブレードを左右方向に往復動させるワイパー駆動装置と、
を有し、
前記キャブに前記前窓の前方を覆う保護ガードが取り付けられていて、
前記保護ガードを前記前窓よりも下方に延出させることにより、当該保護ガードに下方延出部を設け、当該下方延出部に前記ワイパー駆動装置を設置したことを特徴とする、ワイパー。 - 請求項1に記載のワイパーにおいて、
前記保護ガードが、前記前窓の上部を覆う上部ガードと、前記前窓の下部を覆う下部ガードとを有しており、
前記下部ガードに前記下方延出部が設けられている、ワイパー。 - 請求項1に記載のワイパーにおいて、
前記ワイパー駆動装置が前記下方延出部の後側に配置されている、ワイパー。 - 請求項1に記載のワイパーにおいて、
前記作業機械は、下部走行体の上に旋回可能に搭載された上部旋回体を備え、
前記キャブは、乗降口の有る側面が前記上部旋回体の側方に臨むように、当該上部旋回体の横幅方向の一方に偏って配置されており、
前記ワイパー駆動装置が、前記乗降口の無い側面の側に偏って配置されている、ワイパー。 - 請求項1に記載のワイパーにおいて、
前記保護ガードは、
格子状に構成された複数の縦リブと、
前記ワイパー駆動装置の前方を覆う保護カバーと、
を有し、
前記下方延出部が、前記複数の縦リブを下方に延出し、前記保護カバーと一体化することによって構成されている、ワイパー。 - 請求項1に記載のワイパーにおいて、
前記ワイパー駆動装置は、前記下方延出部に後付け可能な装置ブラケットを更に含み、
前記駆動モータが、前記装置ブラケットに予め組み付けることによってユニット化されている、ワイパー。 - 請求項1に記載のワイパーにおいて、
前記前窓の側部に沿って延びる前記キャブの前側枠部に、付属ワイパーの使用時に用いられていた軸挿通孔が開口しており、
前記軸挿通孔を通じて前記キャブの内部から引き出された電気配線が前記駆動モータに接続されている、ワイパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022137036A JP2024033455A (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 作業機械のワイパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022137036A JP2024033455A (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 作業機械のワイパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024033455A true JP2024033455A (ja) | 2024-03-13 |
Family
ID=90193291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022137036A Pending JP2024033455A (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 作業機械のワイパー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024033455A (ja) |
-
2022
- 2022-08-30 JP JP2022137036A patent/JP2024033455A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8342789B2 (en) | Loader work machine | |
JP5009933B2 (ja) | ホイールローダ | |
US7744148B2 (en) | Rotatable cab with toe guard | |
US9469966B2 (en) | Guard-equipped cab for work vehicle and hydraulic excavator | |
JP3443371B2 (ja) | 建設機械の油圧配管構造 | |
US10583812B2 (en) | Cab of work vehicle and work vehicle | |
JP2024033455A (ja) | 作業機械のワイパー | |
US10583866B2 (en) | Work vehicle | |
JP6689775B2 (ja) | 建設機械のキャビン | |
JP6911897B2 (ja) | 建設機械のキャブ | |
JP4704853B2 (ja) | 建設機械 | |
JP4470853B2 (ja) | ワイパモータの取り付け構造 | |
JP6522424B2 (ja) | 作業車 | |
JP3668095B2 (ja) | 建設機械用キャブ | |
JP6994003B2 (ja) | 建設機械 | |
JP4614894B2 (ja) | 作業車のキャノピ | |
JP4783922B2 (ja) | バックホーのキャビン | |
JP4101849B2 (ja) | 旋回作業機 | |
JP4439125B2 (ja) | 建設機械の運転室 | |
JP2010059684A (ja) | ローダ作業機 | |
JPH0734486A (ja) | 建設機械の運転室 | |
JP5541987B2 (ja) | 作業車両 | |
JP2000096612A (ja) | 旋回作業機並びにこれに用いるキャビン | |
JP2024061114A (ja) | 作業用車両 | |
JPH1018351A (ja) | 建設機械のオペレータキャブ |