JP2024033267A - 電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】品質劣化を抑制できる電極の製造方法の提供。【解決手段】第1方向に長手方向を有する金属箔と、金属箔上に配置された塗工部および未塗工部とを有する前駆体シートを準備する工程、前駆体シートを第1方向に搬送しながら、塗工部を厚さ方向にプレスする工程、塗工部プレス工程の前または後に、前駆体シートを第1方向に搬送しながら未塗工部を厚さ方向にプレスする工程を有し、第1方向と直交する方向における塗工部の端部に配置され、未塗工部プレス工程において、軸体と、軸体を覆う弾性体とを有する一対の弾性ロールを用いて、未塗工部を厚さ方向に押し付ける圧縮力を付与しつつロールプレスし、一対の弾性ロールとして、弾性ロールAおよび弾性ロールBを用い、弾性ロールAにおける弾性体のヤング率Xは、弾性ロールBにおける弾性体のヤング率Yよりも低い、電極の製造方法とする。【選択図】図1

Description

本開示は、電極の製造方法に関する。
電極の製造方法として、長尺の金属箔上に電極合材を塗布したシートを圧延する方法が知られている。
例えば特許文献1には、電極活物質が塗布された塗工部と、電極活物質が塗布されていない未塗工部とを有する電池用電極のプレス方法が開示されている。また、特許文献2には、電極板の塗工部と未塗工部でロールプレス作業により生ずるしわの発生を抑える、しわ発生防止装置を備えたロールプレス機を用いたロールプレス方法が開示されている。
特許第5760366号公報 特開2019-102172号公報
上記のように、塗工部と未塗工部とを有するシートをプレスする際に、しわが発生しないよう、塗工部と未塗工部とを個別にプレスして伸び差を調整する場合がある。また、未塗工部をプレスする際に未塗工部が破断しないよう、弾性ロールを用いて未塗工部をロールプレスする場合がある。
本発明者らは、弾性ロールを用いて未塗工部をプレスする場合、弾性ロールが蛇行等により塗工部に乗り上げてしまうと、塗工部にスジが発生したり、塗工部が破断したりする恐れがあり、得られる電極の品質が劣化する恐れがあることを知見した。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、品質の劣化を抑制できる電極の製造方法を提供することを主目的とする。
[1]
第1方向に長手方向を有する金属箔と、上記金属箔上に配置された、塗工部および未塗工部と、を有する前駆体シートを準備する、準備工程と、上記前駆体シートを上記第1方向に搬送しながら、上記塗工部を、厚さ方向にプレスする、塗工部プレス工程と、上記塗工部プレス工程の前または後に、上記前駆体シートを上記第1方向に搬送しながら、上記未塗工部を、上記厚さ方向にプレスする、未塗工部プレス工程と、を有し、上記塗工部は、少なくとも活物質を含む電極材料を含有し、上記未塗工部は、上記電極材料を含有せず、かつ、上記第1方向と直交する方向における上記塗工部の端部に配置され、上記未塗工部プレス工程において、軸体と、上記軸体を覆う弾性体とを有する、一対の弾性ロールを用いて、上記未塗工部を上記厚さ方向に押し付ける圧縮力を付与しつつ、ロールプレスし、上記一対の弾性ロールとして、弾性ロールAおよび弾性ロールBを用い、上記弾性ロールAにおける上記弾性体のヤング率Xは、上記弾性ロールBにおける上記弾性体のヤング率Yよりも低い、電極の製造方法。
[2]
上記軸体の軸方向において、上記弾性ロールAの上記弾性体の長さは、上記弾性ロールBの上記弾性体の長さよりも短い、[1]に電極の製造方法。
[3]
上記厚さ方向から観察した場合に、上記弾性ロールAの上記弾性体は、上記軸体の軸方向において、第1端部と、上記第1端部より外側に配置された第2端部とを有し、上記厚さ方向から観察した場合に、上記第1端部の位置は、上記弾性ロールBの上記弾性体の位置と重複している、[1]または[2]に記載の電極の製造方法。
[4]
上記弾性ロールAは、上記厚さ方向から観察した場合に、上記未塗工部と重複する位置において、上記弾性体が上記前駆体シートと接触するように配置され、かつ、上記塗工部と重複する位置において、上記弾性ロールAが上記前駆体シートと接触しないように配置され、上記弾性ロールBは、上記厚さ方向から観察した場合に、上記未塗工部と重複する位置において、上記弾性体が上記前駆体シートと接触するように配置され、かつ、上記塗工部と重複する位置において、上記弾性体が上記前駆体シートと接触するように配置される、[1]から[3]のいずれかに記載の電極の製造方法。
本開示においては、品質の劣化を抑制できる電極の製造方法という効果を奏する。
本開示における電極の製造方法を例示するフロー図である。 本開示におけるメカニズムを説明する図である。 本開示における前駆体シートを例示する概略平面図である。 本開示における未塗工部プレス工程について説明する図である。 実験例1の結果を示す図である。 実験例2の結果を示す図である。
以下、本開示における電極の製造方法について、詳細に説明する。ここで、本明細書において、ある部材に対して他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方に、別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。
図1は、本開示における電極の製造方法の一例を示すフロー図である。図1においては、まず、第1方向に長手方向を有する金属箔と、上記金属箔上に配置された、塗工部および未塗工部と、を有する前駆体シートを準備する(準備工程)。上記塗工部は、少なくとも活物質を含む電極材料を含有する。また、上記未塗工部は、上記電極材料を含有せず、かつ、上記第1方向と直交する方向における上記塗工部の端部に配置されている。次いで、上記前駆体シートを上記第1方向に搬送しながら、上記塗工部を、厚さ方向にプレスする(塗工部プレス工程)。そして、上記前駆体シートを上記第1方向に搬送しながら、上記未塗工部を、上記厚さ方向にプレスする(未塗工部プレス工程)。なお、図1では未塗工部プレス工程を、塗工部プレス工程の後に行っているが、塗工部プレス工程の前に行ってもよい。また、未塗工部プレス工程では、所定の一対の弾性ロールを用いてロールプレスを行う。また、上記一対の弾性ロールとして、弾性ロールAおよび弾性ロールBを用い、上記弾性ロールAにおける上記弾性体のヤング率Xは、上記弾性ロールBにおける上記弾性体のヤング率Yよりも低い。ここで、本開示において「厚さ方向」とは、金属箔および塗工部の積層方向と同義である。
本開示によれば、弾性ロールAの弾性体のヤング率Xが、弾性ロールBの弾性体のヤング率Yよりも低いため、弾性ロールが蛇行等により塗工部に乗り上げた場合でも、破断等を抑制することができ、得られる電極の品質劣化を抑制することができる。
電極の製造方法として、金属箔(集電箔)上に電極合材が塗布された前駆体シートをプレスする方法が知られている。また、電極合材の有無により金属箔の塗工部と未塗工部においてはプレス後に伸び率の差が生じてしまい、電極にしわが生じる恐れがある。この点に関し、上述の特許文献1のように、塗工部と未塗工部とを個別にプレスしてしわの発生を抑制している。また、未塗工部(金属箔)のプレスにおいては、一対の弾性ロールを用いて、厚さ方向に押し付ける圧縮力を付与しつつ、ロールプレスする場合がある。このようなロールプレスを行うことで、未塗工部に対して、上記圧縮力とともに、弾性体の変形に起因する変形力を付与することができる。これにより、例えば未塗工部の破断を効果的に防止できる。
ここで、金属箔には、一般的に、金属箔の材料よりも硬い硬質組織が介在物として含まれている。硬質組織を含めることで、例えば金属箔の強度を高めることができる。金属箔を延伸させるための引張り力(水平方向の力)を加えると、硬質組織は変形しないものの、硬質組織よりも柔らかい周囲の金属箔が変形する。その結果、硬質組織の周囲にボイドが形成される。そして、複数のボイド同士が連結すると、破断が生じやすくなる。これに対して、本開示においては、一対の弾性ロールを用いて、厚さ方向に押し付ける圧縮力を付与しつつ、ロールプレスする。これにより、未塗工部に対して、上記圧縮力とともに、弾性体の変形に起因する変形力を付与することができる。その結果、硬質組織の周囲にボイドが発生することを抑制できると考えられる。上記圧縮力は、厚さ方向の力に該当し、上記変形力は、厚さ方向に直交する方向の力に該当する。すなわち、上記変形力は、引張り力と同様の方向に働き、引張り力と同様に金属箔を延伸させる力である。
本開示におけるメカニズムを、図2を用いて説明する。図2(a)は、電極シートおよび一対の弾性ロールを金属箔の幅方向から見た概略側面図である。図2(b)は、図2(a)を、金属箔の第1方向から見た概略正面図であり、図2(c)は、図2(b)の点線部分を拡大した図である。また、図2(d)は、弾性ロールが塗工部に乗り上げた場合を例示する概略正面図である。本開示においては、図2(a)および(b)に示すように、未塗工部3に対して、一対の弾性ロール20A、20Bを用いて、厚さ方向に押し付ける圧縮力を付与しつつ、ロールプレスする。その際、図2(c)に示すように、圧縮力により、弾性ロールAの形状が弾性ロールBに転写され、弾性ロールBにひずみが生じてしまう場合がある。また、ロールプレスの性質上、ひずみが完全に解消する前に再度、ひずみが生じた部分に圧縮力が加わるため、ロールプレスの間にひずみは残存する。言い換えると、弾性ロールBには永久ひずみが生じる。特に、このようなひずみは弾性ロールAが段付きロールで、弾性ロールBが円柱ロール(段なしロール)の場合により顕著となる。このようなひずみが生じた状態で、蛇行等により弾性ロールが塗工部に乗り上げてしまうと、図2(d)に示すように、弾性ロールAと弾性ロールBとの距離(クリアランス)に差が生じる場合がある。その場合、クリアランスが小さい部分においてせん断応力が集中して、塗工部にスジが発生したり、塗工部が破断したりする恐れがある。その結果、得られる電極の品質が劣化する恐れがある。特に、弾性ロールBのひずみ(凹み)が大きいほど、せん断応力の集中が顕著になる。
これに対して本開示においては、弾性ロールAにおける上記弾性体のヤング率Xは、上記弾性ロールBにおける上記弾性体のヤング率Yよりも低い。そのため、圧縮力による弾性ロールBへのひずみが小さくなる、または、ひずみが生じなくなる。その結果、弾性ロールが塗工部に乗り上げてしまった場合であっても、塗工部におけるスジの発生および電極シートの破断を抑制でき、得られる電極の品質劣化を抑制することができる。また、本開示においては、弾性ロールBに生じるひずみを抑制できるため、弾性ロール、特に弾性ロールBの耐久性を向上させることができる。
1.準備工程
本開示における準備工程は、第1方向に長手方向を有する金属箔と、上記金属箔上に配置された、塗工部および未塗工部と、を有する前駆体シートを準備する工程である。
図3は、準備工程で準備する前駆体シートを例示する概略平面図である。図3に示されるように、前駆体シート10は、第1方向Dに長手方向を有する金属箔1と、塗工部2と、未塗工部3と、を有している。
金属箔の材料としては、電池の集電体の材料として用いられる金属を挙げることができる。詳しくは「4.電極」に記載する。金属箔の厚さは、例えば1μm以上であり、10μm以上であってもよい。一方、金属箔の厚さは、例えば100μm以下である。
前駆体シートの塗工部は、少なくとも活物質を含む電極材料を含有する。また、塗工部は、金属箔上に配置されている。塗工部は、後述する塗工部プレス工程を経て電極層となる。
電極材料は、少なくとも活物質を含有する。また、電極材料は、必要に応じて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有してもよい。活物質、導電材およびバインダーについては、「4.電極」に記載する。
塗工部は、厚さ方向において、金属箔の第1面上のみに配置されていてもよく、第1面上と、第1面とは反対側の第2面上との両方に配置されていてもよい。
塗工部は、金属箔の第1方向に沿って配置されていることが好ましい。また、塗工部は、図3に示されるように、金属箔1の第1方向Dに沿って連続的に配置されていてもよい。一方、塗工部1は、金属箔1の第1方向Dに沿って間欠的に配置されていてもよい。
塗工部の厚さは特に限定されず、所望の電極サイズに応じて適宜調整することができる。塗工部の厚さは、例えば0.2mm以上であり、0.3mm以上であってもよく、0.5mm以上であってもよい。一方、塗工部の厚さは、例えば1.5mm以下であり、1.0mm以下であってもよく、0.6mm以下であってもよい。
塗工部の幅(金属箔の第1方向に直交する方向の長さ)は特に限定されず、所望の電極サイズに応じて適宜調整することができる。金属箔の幅に対する塗工部の幅の割合は、例えば30%以上であり、50%以上であってもよく、70%以上であってもよい。また、上記割合は、例えば90%以下であり、80%以下であってもよい。
未塗工部は、金属箔上に配置されている。また、未塗工部は、通常、塗工部が配置された金属箔の面と同一の面上に配置されている。未塗工部は、例えば、金属箔が露出した部分である。図3に示すように、本開示における未塗工部3は、金属箔1の第1方向Dと直交する方向における塗工部2の端部に配置されている。また、図示しないが、未塗工部においては塗工部との境界部分に樹脂を含む保護層が設けられていてもよい。
未塗工部の幅(金属箔の第1方向に直交する方向の長さ)は特に限定されず、所望の電極サイズに応じて適宜調整することができる。金属箔の幅に対する未塗工部の幅の割合は、例えば3%以上であり、5%以上であってもよい。一方、上記割合は、例えば20%以下であり、10%以下であってもよい。
前駆体シートは、例えば、金属箔に、分散媒を含有する電極材料を塗工して、乾燥することで準備することができる。分散媒としては、例えば、酪酸ブチル、ジブチルエーテル、ヘプタン等の有機溶媒が挙げられる。電極材料の塗工方法は特に限定されず、一般的な塗工方法が挙げられる。また、乾燥温度は、分散媒が揮発する温度であれば特に限定されない。
準備工程で準備される前駆体シートは、例えば、図3に示すような、平面視上、1列の塗工部2と、塗工部2の両端部に配置された2列の未塗工部3とを、ストライプ状に有する前駆体シート10であってもよい。また、図示しないが、前駆体シートは、平面視上、N列(Nは2以上の整数)の塗工部と、N列の塗工部それぞれの両端部に配置された未塗工部を有するシートであってもよい。この場合、未塗工部の列数は、N+1列である。
2.塗工部プレス工程
塗工部プレス工程は、上記前駆体シートを上記第1方向に搬送しながら、上記塗工部を、厚さ方向にプレスする工程である。塗工部プレス工程は、後述する未塗工部プレス工程の前に行ってもよく、後に行ってもよい。
塗工部プレス工程の方法および条件は、塗工部をプレスして延伸できれば特に限定されない。プレス方法としては、例えば、塗工部をロールプレスするロールプレス方法を挙げることができる。例えば、一対のプレスロールの間に前駆体シートを通過させつつ、プレスロールを前駆体シートの厚さ方向の両面に押しつけることで、塗工部をプレスすることができる。
塗工部プレス工程における圧縮力は特に限定されないが、後述する未塗工部プレス工程における圧縮力よりも大きいことが好ましい。前駆体シートの塗工部では、分散媒を含有する電極材料(スラリー)により濡れることでしわが生じることがあり、このしわを伸ばすために、大きな延伸力を必要となるからである。
3.未塗工部プレス工程
未塗工部プレス工程は、上記塗工部プレス工程の前または後に、上記前駆体シートを上記第1方向に搬送しながら、上記未塗工部を、上記厚さ方向にプレスする工程である。また、未塗工部プレス工程においては、軸体と、上記軸体を覆う弾性体とを有する、一対の弾性ロールを用いて、上記未塗工部を上記厚さ方向に押し付けながらロールプレスする。本開示においては、一対の弾性ロールとして、所定の弾性ロールAおよび所定の弾性ロールBを用いる。
未塗工部をプレスすることで、未塗工部を延伸して塗工部との伸び差を調整することができる。未塗工部の伸び量については、弾性体の変形に起因する変形力を変更することにより調整することができる。なお、本開示においては、弾性体の変形力(弾性率)が異なる一対の弾性ロールを用いる。よって、未塗工部の伸び量は、弾性体の変形力が小さい弾性ロールに依存するため、伸び量は弾性率の小さい弾性ロールAの弾性体を変更することで調整することができる。
ここで、未塗工部プレス工程について図を用いて説明する。図4(a)は、未塗工部プレス工程を金属箔の幅方向から見た概略側面図である。図4(b)は、図4(a)を前駆体シートの第1方向Dから見た概略正面図である。また、図4(c)および(d)は、前駆体シートおよび弾性ロールを厚さ方向から観察した図((図4(b)を紙面上下方向から観察した図)である。
図4(a)および(b)に示すように、未塗工部プレス工程においては、前駆体シート10を第1方向Dに搬送しながら、所定の一対の弾性ロール20Aおよび20Bの間に前駆体シート10を通過させつつ、弾性ロール20Aおよび20Bを前駆体シートの厚さ方向の両面に押しつける圧縮力を付与しつつ、未塗工部3(金属箔1)をロールプレスする。弾性ロール20は、通常、軸体21の周囲に弾性体22が配置されたロール形状を有する。また、図4(b)などに示すように、軸体の軸方向において、軸体は弾性ロールの外側に向けて弾性体から、通常突出している。
軸体の材料は特に限定されないが、弾性体よりもヤング率が大きい材料が好ましい。軸体の材料は、例えば金属が挙げられる。
ここで、本開示においては、弾性ロールAの弾性体のヤング率Xは、弾性ロールBの弾性体のヤング率Yよりも小さい。ヤング率Yに対するヤング率Xの割合(X/Y)は、例えば0.1以上であり、0.3以上であってもよく、0.5以上であってもよい。一方、ヤング率Yに対するヤング率Xの割合(X/Y)は、例えば0.9以下であり、0.8以下であってもよく、0.7以下であってもよく、0.6以下であってもよい。
また、ヤング率Xおよびヤング率Yは、それぞれ、例えば、11.1MPa以上、86.1MPa以下である。ヤング率が低すぎると、弾性体の変形量が大きくなりすぎ、未塗工部に過剰な変形力が付与されるおそれがある。その結果、破断を十分に抑制することができないおそれがある。一方、ヤング率が高すぎると、弾性体の変形量が小さくなりすぎ、未塗工部に十分な変形力を付与できないおそれがある。
弾性体の材料は、上記ヤング率Xおよびヤング率Yの関係を満たすものであれば特に限定はされないが、例えば、ゴム、ウレタン等の樹脂が挙げられる。
本開示においては、図4(b)に示すように軸体21の軸方向Lにおいて、弾性ロールA(20A)の弾性体22の長さLは、弾性ロールB(20B)の弾性体22の長さLよりも短いことが好ましい。Lに対するLの割合(L/L)は、例えば、0.1以上、0.5以下である。なお、図4(b)における弾性ロールAは、一つの軸体21に対して、2つの弾性体22を有している。Lは、1つの弾性体22当たりの長さである。また、本開示において、弾性ロールAの軸体の軸方向と、弾性ロールBの軸体の軸方向は、平行である。
また、弾性ロールの形状は、図4(b)に示すように、一対の弾性ロールの一方(弾性ロールA)が段付きロールであってもよく、他方の弾性ロール(弾性ロールB)が段なしロール(軸体の軸方向における全体が弾性体に覆われたロール:円柱ロール)であってもよい。例えば、弾性ロールBが円柱ロールである場合、前駆体シートに生じる撓みを抑制することができ、しわの発生を抑制することができる。一方、弾性ロールAおよび弾性ロールBの両方とも、段付きロールであってもよい。この場合であっても、弾性ロールAおよびBは、上記L/Lの関係を満たすことが好ましい。
また、未塗工部プレス工程においては、厚さ方向から観察した場合に、図4(b)および(c)に示すように、弾性ロールA(20A)の弾性体22は、軸体21の軸方向Lにおいて、第1端部E1と、第1端部より外側に配置された第2端部E2とを有し、上記厚さ方向から観察した場合に、第1端部E1の位置は、弾性ロールB(20B)の弾性体22の位置と重複していることが好ましい。
また、図4(b)および(c)に示すように、弾性ロールA(20A)は、厚さ方向から観察した場合に、未塗工部3と重複する位置において、弾性体22が前駆体シート10と接触するように配置され、かつ、塗工部2と重複する位置において、弾性ロールA(20A)が前駆体シート10と接触しないように配置されていることが好ましい。この場合、図4(b)および(c)に示すように、弾性ロールA(20A)は、未塗工部3と重複する位置に、弾性体22が配置された第1接触部C1を備え、かつ、塗工部2と重複する位置に、前駆体シート(図4(b)においては塗工部2)と接触しない非接触部N1を備える。なお、金属箔の片面のみに塗工部が配置されている場合、非接触部N1は、ロールプレスの際に、前駆体シートにおける金属箔と接触しない部分になる場合がある。また、非接触部N1は、典型的には、弾性体が配置されていない部分である。第1接触部C1における弾性体は、未塗工部プレス工程において、未塗工部3と接触する。一方、非接触部N1は、未塗工部プレス工程において、通常、前駆体シートと接触しない。また、図4(b)および(c)に示すように、弾性ロールA(20A)は、非接触部N1の両端部分に、それぞれ第1接触部C1を備えている。
また、図4(b)および(d)に示すように、弾性ロールB(20B)は、厚さ方向から観察した場合に、未塗工部3と重複する位置において、弾性体22が前駆体シート10と接触するように配置され、かつ、塗工部2と重複する位置において、弾性体22が前駆体シート10と接触するように配置されることが好ましい。この場合、図4(b)および(d)に示すように、弾性ロールB(20B)は、厚さ方向から観察した場合に、未塗工部3と重複する位置に、弾性体22が配置された第2接触部C2を備え、かつ、塗工部2と重複する位置に、前駆体シート(図4(b)においては塗工部2)と接触する第3接触部C3を備える。また、第2接触部C2における弾性体は、未塗工部プレス工程において、未塗工部3と接触する。一方、第3接触部C3は、未塗工部プレス工程において、塗工部と接触する。
また、弾性ロールAは、前駆体シートの上側から圧縮力を付与する弾性ロールであり、弾性ロールBは、前駆体シートの下側から圧縮力を付与する弾性ロールであることが好ましい。
4.電極
本開示の方法で製造される電極では、金属箔の少なくとも一方の面に電極層が形成されている。なお、電極層は、上記塗工部をプレスすることにより得られる層である。本開示の方法で製造される電極は、正極であってもよく、負極であってもよい。つまり、電極層は、正極層であってもよく、負極層であってもよい。
金属箔は、典型的には、集電箔(集電体)として機能する。つまり、金属箔は、正極集電体であってもよく、負極集電体であってもよい。金属箔が正極集電体である場合、金属箔の材料としては、例えば、Al、SUS、Niが挙げられる。金属箔が負極集電体である場合、金属箔の材料としては、例えば、Cu、SUS、Niが挙げられる。
電極層は、少なくとも活物質を含有する。電極層が正極層である場合、活物質は正極活物質である。正極活物質としては、典型的には、酸化物活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質が挙げられる。
電極層が負極層である場合、活物質は負極活物質である。負極活物質としては、例えば、カーボン活物質、酸化物活物質および金属活物質を挙げることができる。カーボン活物質としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボンおよびソフトカーボン等を挙げることができる。酸化物活物質としては、例えば、Nb、LiTi12およびSiOを挙げることができる。金属活物質としては、例えば、In、Al、SiおよびSnを挙げることができる。
また、電極層は、必要に応じて、導電材およびバインダーの少なくとも一つを含有していてもよい。
導電材としては、例えば、炭素材料、金属粒子、導電性ポリマーが挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)およびケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料;炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)およびカーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。また、バインダーとしては、例えば、ポリビニリデンフロライド(PVDF)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有バインダー、ブタジエンゴム等のゴム系バインダーおよびアクリル系バインダーが挙げられる。
本開示における電極の用途としては、例えばLiイオン電池が挙げられる。また、本開示における電池は、電解質層が液系電解質(電解液)を含有する液系電池であってもよい。また、本開示における電池の用途は、特に限定されないが、例えば、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、電気自動車(BEV)、ガソリン自動車、ディーゼル自動車等の車両の電源が挙げられる。特に、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車または電気自動車の駆動用電源に用いられることが好ましい。また、本開示における電池は、車両以外の移動体(例えば、鉄道、船舶、航空機)の電源として用いられてもよく、情報処理装置等の電気製品の電源として用いられてもよい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実験例1]
所定のヤング率を有するゴム(弾性体)を用意した。オートグラフ装置で、治具をゴムに押し付けて元の位置に戻すことを繰り返し、その際に生じる応力を測定した、結果を図5に示す
図5に示すように、1回目の加重でゴムに永久ひずみが生じ、2回目以降の加重では生じたひずみの影響により、ひずみの大きさ(深さ)分治具が移動するまで応力が生じないことが確認された。このように、弾性体を用いてロールプレスした場合、弾性体に永久ひずみが生じることが確認された。
[実験例2]
CAE解析により、弾性ロールにおいてヤング率に差を設けなかった場合と、ヤング率に差を設けた場合とにおける、電極シートに加わるせん断応力をシミュレートした。ヤング率に差を設けなかった結果を図6(a)に示し、ヤング率に差を設けた結果を図6(b)に示す。
図6(a)に示すように、ヤング率を等しくした場合、塗工部に加わるせん断応力の最大値は電極シート表面(下)で4.13であった。一方、図6(b)に示すように、上側のヤング率を低くした場合、塗工部に加わるせん断応力の最大値は電極シート表面(上)で3.65と低下しており、表面(下)におけるせん断応力も3.43と低下していた。このように、ヤング率が異なる弾性体を用いると、塗工部に加わるせん断応力が低下し、塗工部に乗り上げた際の破断およびスジの発生を抑制できることが確認された。
1 …金属箔
2 …塗工部
3 …未塗工部
10 …前駆体シート
21 …軸体
22 …弾性体
20 …弾性ロール
20A…弾性ロールA
20B…弾性ロールB

Claims (4)

  1. 第1方向に長手方向を有する金属箔と、前記金属箔上に配置された、塗工部および未塗工部と、を有する前駆体シートを準備する、準備工程と、
    前記前駆体シートを前記第1方向に搬送しながら、前記塗工部を、厚さ方向にプレスする、塗工部プレス工程と、
    前記塗工部プレス工程の前または後に、前記前駆体シートを前記第1方向に搬送しながら、前記未塗工部を、前記厚さ方向にプレスする、未塗工部プレス工程と、
    を有し、
    前記塗工部は、少なくとも活物質を含む電極材料を含有し、
    前記未塗工部は、前記電極材料を含有せず、かつ、前記第1方向と直交する方向における前記塗工部の端部に配置され、
    前記未塗工部プレス工程において、軸体と、前記軸体を覆う弾性体とを有する、一対の弾性ロールを用いて、前記未塗工部を前記厚さ方向に押し付ける圧縮力を付与しつつ、ロールプレスし、
    前記一対の弾性ロールとして、弾性ロールAおよび弾性ロールBを用い、
    前記弾性ロールAにおける前記弾性体のヤング率Xは、前記弾性ロールBにおける前記弾性体のヤング率Yよりも低い、電極の製造方法。
  2. 前記軸体の軸方向において、前記弾性ロールAの前記弾性体の長さは、前記弾性ロールBの前記弾性体の長さよりも短い、請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 前記厚さ方向から観察した場合に、前記弾性ロールAの前記弾性体は、前記軸体の軸方向において、第1端部と、前記第1端部より外側に配置された第2端部とを有し、
    前記厚さ方向から観察した場合に、前記第1端部の位置は、前記弾性ロールBの前記弾性体の位置と重複している、請求項1または請求項2に記載の電極の製造方法。
  4. 前記弾性ロールAは、前記厚さ方向から観察した場合に、前記未塗工部と重複する位置において、前記弾性体が前記前駆体シートと接触するように配置され、かつ、前記塗工部と重複する位置において、前記弾性ロールAが前記前駆体シートと接触しないように配置され、
    前記弾性ロールBは、前記厚さ方向から観察した場合に、前記未塗工部と重複する位置において、前記弾性体が前記前駆体シートと接触するように配置され、かつ、前記塗工部と重複する位置において、前記弾性体が前記前駆体シートと接触するように配置される、請求項1または請求項2に記載の電極の製造方法。
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