JP2024033255A - 混相器及びこの混相器を備える燃焼設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】搬送空気の量を抑制しつつ、搬送物質の滞留を抑制し得る混相器と、この混相器を用いた燃焼設備とを提供する。【解決手段】混相器73は、フラフ200と搬送気体とを混ぜ合わせる混相室73aと、搬送気体を気体流路75から混相室73aに吹き込む吹き込み78とを備える。この吹き込み78は、搬送気体を供給する気体流路75の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備える。燃焼設備は、フラフ200を燃焼させる火炉と、火炉にフラフ200を供給するフラフ搬送流路76と、フラフ搬送流路76に接続された混相器73と混相器73に搬送気体を供給する気体流路75とを備える。【選択図】図3
Description
本明細書は、搬送物質と搬送気体とを混ぜ合わせる混相器と、この混相器を備える燃焼設備とを開示する。
細かい粒状物質や低比重物質(以下、搬送物質ともいう)の搬送には、搬送気体による搬送が適している。この様な搬送気体による搬送では、まず、混相器で搬送物質と搬送空気とが混ぜ合わされる。搬送空気と混ぜ合わされた搬送物質は、搬送路を通して搬送される。しかしながら、この搬送では、搬送物質と搬送気体とを混ぜ合わせる混相器で搬送物質が滞留することがある。
例えば、細かい粒状物質である粉体を搬送空気と共に搬送する粉体供給装置がある。この粉体の滞留を抑制するため、粉体を貯留するバンカ内が加圧された粉体供給装置がある。この粉体供給装置では、加圧された空気と共に粉体を搬送ラインに送り出す。これにより、搬送ラインに混流される粉体の滞留が抑制される。この様な粉体供給装置が特許文献1に開示されている。
特許文献1の粉体供給装置の技術を応用すれば、混相器での滞留が抑制されうる。しかしながら、この混相器では、加圧されるため、搬送物質と混ぜ合わされる搬送空気の量が増大する。この混相器は、搬送空気の量を抑制する必要がある用途での使用に適さない。
例えば、燃焼設備では、安定運転の観点から、火炉内の燃焼空気量が制御されている。この燃焼設備では、燃料としての搬送物質と共に火炉に供給される搬送空気の量の増大は、安定運転を阻害する。この様な燃焼設備に用いられる混相器では、特に、搬送空気の量が抑制されることが望ましい。
本出願人の意図するところは、搬送空気の量を抑制しつつ、搬送物質の滞留を抑制し得る混相器と、この混相器を用いた燃焼設備との提供にある。
本明細書で開示する混相器は、
搬送気体と前記搬送気体で搬送される搬送物質とを混ぜ合わせる混相室と、
前記搬送気体を供給する気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと
を備える。
搬送気体と前記搬送気体で搬送される搬送物質とを混ぜ合わせる混相室と、
前記搬送気体を供給する気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと
を備える。
また、本明細書で開示する燃焼設備は、
搬送気体で搬送される燃料を燃焼させる火炉と、
前記火炉に前記燃料を供給する燃料搬送流路と、
前記燃料搬送流路に接続された混相器と
前記混相器に前記搬送気体を供給する気体流路と
を備え、
前記混相器が、
前記搬送気体と前記燃料とを混ぜ合わせる混相室と、
前記気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと、
前記燃料と前記搬送気体とを前記混相室から前記燃料搬送流路に送る搬出流路と
を備える。
搬送気体で搬送される燃料を燃焼させる火炉と、
前記火炉に前記燃料を供給する燃料搬送流路と、
前記燃料搬送流路に接続された混相器と
前記混相器に前記搬送気体を供給する気体流路と
を備え、
前記混相器が、
前記搬送気体と前記燃料とを混ぜ合わせる混相室と、
前記気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと、
前記燃料と前記搬送気体とを前記混相室から前記燃料搬送流路に送る搬出流路と
を備える。
この混相器では、吹き込みは、搬送気体を供給する気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備える。この吹き込みでの搬送気体の流速は、気体流路でのそれより速い。この混相器では、搬送気体の流速を速くして搬送気体が搬送物質に吹き付けられる。この混相器は、搬送空気の量を抑制しつつ、搬送物質の滞留を抑制し得る。この混相器を備える燃焼設備も、同様に、搬送気体の量を抑制しつつ、搬送物質としての燃料の滞留を抑制し得る。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
図1に示された燃焼設備1は、搬送物質としてのフラフ200と、固形燃料201とを含む燃焼体を燃焼させる火炉2を備える。この火炉2は、内部に流動床部20と流動床部20の上方のフリーボード部21とが形成されている。流動床部20は、硅砂などの流動媒体10によって形成された流動層22を有する。この火炉2はいわゆる流動床炉である。
この火炉2は、流動媒体10を流動させるために、流動層22の中に空気を噴出させる流動空気供給装置3を備える。この火炉2は、燃焼による生じる残留物を排出するホッパ4を更に備える。
この燃焼設備1は、燃焼ガスから熱を回収するボイラ5と、燃焼ガスを処理する燃焼ガス装置6と、フラフ200を火炉2に投入するフラフ供給装置7とを更に備える。なお、ここでは、火炉2を備える燃焼設備1を例に説明がされるが、燃焼設備1は流動床炉である火炉2を備えるものに限定されない。
ところで、この火炉2では、流動層22は、第一仕切壁23と第二仕切壁24とによって、中央の燃焼セル25と、燃焼セル25の外側に位置する循環セル26と、循環セル26の更に外側に位置する収熱セル27とに仕切られている。
第一仕切壁23の上端は流動層22よりも上方に位置している。第一仕切壁23は、燃焼セル25と循環セル26とを下方で連通させた状態で仕切っている。第二仕切壁24の上端は流動層22の上面に位置し、その下端は第一仕切壁23よりも下方に位置している。第二仕切壁24は、循環セル26と収熱セル27とを上方と下方で連通させた状態で仕切っている。この火炉2には、収熱セル27から熱を回収する熱交換器28が配置されている。
流動空気供給装置3は、流動層22に流動空気を噴出させる複数の空気供給ノズル30、燃焼セル空気供給装置31、循環セル空気供給装置32及び収熱セル空気供給装置33を備える。流動空気供給装置3は、燃焼セル空気供給装置31、循環セル空気供給装置32及び収熱セル空気供給装置33のそれぞれに空気を供給するファン34を更に備える。燃焼セル空気供給装置31は、空気の流速を調整する流量調節装置31aを備える。同様に、循環セル空気供給装置32は流量調節装置32aを備え、収熱セル空気供給装置33は流量調節装置33aを備える。燃焼セル空気供給装置31、循環セル空気供給装置32及び収熱セル空気供給装置33のそれぞれによって、燃焼セル空気35、循環セル空気36及び収熱セル空気37は、それぞれ適切な流速に調整される。この燃焼セル空気35が燃焼セル25に噴出され、循環セル空気36が循環セル26に噴出され、収熱セル空気37が収熱セル27に噴出される。
この流動空気供給装置3では、燃焼セル空気35の速度は循環セル空気36及び収熱セル空気37の速度よりも大きい。これにより、流動層22の燃焼セル25の空塔速度が、循環セル26及び収熱セル27の空塔速度よりも大きくなり、流動媒体10に密度差が生じる。この密度差によって、流動媒体10は流動させられる。より詳しくは、この流動媒体10は、燃焼セル25から循環セル26を介して収熱セル27へと流動させられ、更に、収熱セル27から燃焼セル25へと流動させられる。
ホッパ4は、火炉2の底部に設けられている。ホッパ4は、燃焼体の残留物、例えば、灰や金属片などを流動媒体10と共に排出する機能を備える。ホッパ4は、中央に排出口41を有する。ホッパ4の本体内面は、排出口41に向かって下向きに傾斜している。このホッパ4に、前述の空気供給ノズル30が開口している。
ボイラ5では、火炉2から排出される燃焼ガスによって、水蒸気が生成される。より詳しくは、ボイラ5は、火炉2の上方に位置するフリーボード部21と上部同士が連通する第一煙道50と、第一煙道50と下部同士が連通する第二煙道51とを有している。第二煙道51内には、熱交換器52及び53が配置されている。なお、第一煙道50内にも熱交換器が配置されてもよい。ボイラ5で生成された水蒸気は、例えば、図示されないタービンに送られて発電に利用される。
燃焼ガス装置6は、第一排ガスダクト61と、第一排ガスダクト61によりボイラ5に接続された集塵機62と、第二排ガスダクト63と、第二排ガスダクト63により集塵機62に接続された煙突65とを含む。この集塵機62は、例えばバグフィルタである。この燃焼ガス装置6では、第二排ガスダクト63に、誘引ファン64が設けられている。なお、燃焼設備1は、必ずしもボイラ5を含む必要はなく、火炉2が第一排ガスダクト61により集塵機62に接続されていてもよい。
この火炉2は、燃焼体投入路29を備えている。この火炉2では、この燃焼体投入路29の投入口29aから、火炉2の内部に、燃焼体の一部としての固形燃料201が投入される。この燃焼体投入路29は、固形燃料201が燃焼セル25に投入される向きに設けられている。
また、この火炉2では、フラフ供給装置7によって、燃焼体の他の一部としてのフラフ200が火炉2に投入される。フラフ供給装置7は、フラフ200を供給するホッパ71、仕切弁としてのロータリーバルブ72、混相器73、搬送ファン74、気体流路75、燃料搬送流路としてのフラフ搬送流路76を備える。このフラフ供給装置7は、更に、ロータリーバルブ77a、定量供給機77b及びフラフホッパ79を備える。
この火炉2では、フラフホッパ79がフラフ200を貯蔵する。定量供給機77b及びロータリーバルブ77aによって、単位時間当りに所定量のフラフ200が切り出され、ホッパ71に供給される。ホッパ71からフラフ200が、ロータリーバルブ72を介して、混相器73に投入される。このロータリーバルブ72によってホッパ71と混相器73とは圧力的に縁切りされている。これにより、フラフ200は混相器73に自由落下で投入される。混相器73では、搬送ファン74から気体流路75を通って送られる搬送空気とフラフ200とが混ぜ合わされる。この搬送空気と共にフラフ200がフラフ搬送流路76を通って火炉2に送られる。
フラフ搬送流路76の開口76aは火炉2の内部に開口する。この開口76aは、燃焼体投入路29の投入口29aよりも下方に位置して、流動層22の上面よりも上方に位置している。この開口76aは、火炉2の壁面に備えられている。このフラフ搬送流路76は、フラフ200が燃焼セル25に投入される向きに設けられている。
図2には、混相器73が示されている。この混相器73は、フラフ200を搬送空気に混ぜ合わせる混相室73aと、フラフ200を搬送空気と共に混相室73aからフラフ搬送流路76に送る搬出流路73bとを備える。この混相器73は、混相室73aに気体流路75を接続する吹き込みとしてのノズル78を更に備える。ノズル78は、搬送ファン74から搬送空気を送る気体流路75と混相室73aとの間に位置している。搬出流路73bは、混相室73aとフラフ搬送流路76との間に位置している。
図2の両矢印Daはノズル78の開口78aの口径を表している。両矢印Dbは、搬出流路73bの口径を表している。両矢印Dcは、気体流路75の口径を表している。ノズル78の口径Daは、気体流路75の口径Dcより小さい。この口径Dcは、搬出流路73bの口径Dbと同じであるが、異なってもよい。更に、この口径Dbは、フラフ搬送流路76の口径とも同じである。混相器73の下方に示された矢印は、搬送空気の流れの方向を示している。
言い換えると、この混相器73では、搬送空気の流れる方向において、ノズル78の開口78aの断面積は、気体流路75の断面積より小さい。気体流路75の断面積は搬出流路73bの断面積と同じである。搬出流路73bの断面積はフラフ搬送流路76の断面積と同じである。また、この混相器73では、搬送空気の流れる方向において、混相室73aの断面積は、気体流路75の断面積及び搬出流路73bの断面積より大きい。
図3には、この混相器73の使用状態が示されている。この混相器73では、ホッパ71の上流に位置する定量供給機77b及びロータリーバルブ77a(図1参照)によって、単位時間当りに所定量のフラフ200がホッパ71に切り出される。切り出されたフラフ200は、ロータリーバルブ72の圧力的縁切りによって、自由落下で混相室73aに投入される。搬送空気は、気体流路75からノズル78を通って、混相室73aに吹き込まれる。吹き込まれた搬送空気によって、フラフ200が搬出流路73bへ送られ、更に、フラフ搬送流路76に送られる。フラフ搬送流路76に送られたフラフ200は、搬送空気と共に、開口76a(図1参照)から火炉2に投入される。
この混相器73では、ノズル78の吹き出し口である開口78aの面積は、気体流路75の断面積より小さい。ノズル78から混相室73aに吹き込む搬送空気の流速は、気体流路75でのそれより速い。この混相器73は、搬送空気の量を増大させずに、搬送空気の流速を速くしている。この搬送空気によって、フラフ200の滞留が抑制される。
また、フラフ200は、フィルムやシート等が細かく裁断され形成されている。このフラフ200の薄いシート状であり、比重が小さい。このフラフ200は、互いに絡み易く、圧密な塊を形成し易い。このため、フラフ200は、搬出流路73bを閉塞し易い。この混相器73は、搬送空気の量を増大させずに、搬送空気の流速を速くしている。混相器73では、搬出流路73bでの閉塞が抑制される。この観点から、この混相器73は、フラフ200の搬送に特に適している。
この混相室73aの断面積は、気体流路75の断面積より大きい。従って、この混相室73aでは、搬送空気の流速が低下し易い。この混相器73では、気体流路75の断面積より小さい面積の開口78aから搬送空気が吹き込まれる。これにより、混相室73aに吹き込む搬送空気の流速が速くされている。この様に、混相室73aの断面積が気体流路75の断面積より大きい混相器73において、フラフ200の滞留を抑制することができる。
火炉2では、燃焼速度を制御する観点から、火炉2内の空気量を制御することが好ましい。特に、流動床炉である火炉2では、安定運転の観点から、空気量を制御する必要がある。前述の様に、混相器73は、搬送空気の量を抑制しつつ、フラフ200の滞留や閉塞を抑制し得る。この混相器73は、火炉2の安定運転に寄与し得る。
なお、ここでは、搬送気体の例として、搬送空気を例に説明がされたが、これに限られない。例えば、火炉2から排出される燃焼ガスや窒素等の不活性ガスを用いて、フラフ200が搬送されてもよい。燃焼ガスや窒素等の不活性ガスを用いる場合にも、この燃焼設備1は、燃焼ガスや窒素等の不活性ガスの流量を抑制しつつ、混相器73でのフラフ200の滞留を抑制し得る。
図4(A)及び図4(B)には、他の実施形態に係る混相器80が示されている。燃焼設備1に混相器80が用いられてもよい。ここでは、この混相器80に関して、混相器73と異なる構成について説明がされる。混相器73と同様の構成については、その説明が省略され、同様の符号を用いて説明がされる。図4(A)の混相器80の下方に示された矢印は、搬送空気の流れの方向を示している。
この混相器80は、ノズル78に代えて、吹き込みとしての供給流路80aを備える。
この供給流路80aは、気体流路75と混相室73aとの間に位置している。この供給流路80aには、その流路の一部を塞ぐ障壁としての2枚の板80bが設けられている。この2枚の板80bは、供給流路80aの軸方向及び周方向に位置を変えて設けられている。
この供給流路80aは、気体流路75と混相室73aとの間に位置している。この供給流路80aには、その流路の一部を塞ぐ障壁としての2枚の板80bが設けられている。この2枚の板80bは、供給流路80aの軸方向及び周方向に位置を変えて設けられている。
この2枚の板80bによって、供給流路80aの流路断面積は、気体流路75のそれより小さくされている。この混相器80は、供給流路80aにおける搬送空気の流速を気体流路75のそれより速くされている。これにより、混相室73aに吹き込む搬送空気の流速が速くされている。
更に、この混相器80では、2枚の板80bによって、気体流路75から混相室73aに送られる搬送空気の直進が妨げられている。この供給流路80aでは、搬送空気は、進行方向を変化させながら、混相室73aに吹き込む。搬送空気の流れを乱すことによって、混相器80はフラフ200を巻き込み易くされている。
この混相器80では、障壁として2枚の板80bを備えたが、この板80bの枚数は特に限定されない。板80bの数は、1枚でもよいし、3枚以上で複数であってもよい。また、2枚以上の複数の板80bの位置も、軸方向及び周方向のいずれかを変えればよい。また、この障壁の形状は、板状に限定されない。
図5(A)及び図5(B)には、更に他の実施形態に係る混相器81が示されている。燃焼設備1に混相器81が用いられてもよい。ここでは、この混相器81に関して、混相器73と異なる構成について説明がされる。混相器73と同様の構成については、その説明が省略され、同様の符号を用いて説明がされる。図5(A)の混相器81の下方に示された矢印は、搬送空気の流れの方向を示している。
この混相器81は、ノズル78に代えて、吹き込みとしての供給流路81aを備える。
この供給流路81aは、気体流路75と混相室73aとの間に位置している。この供給流路81aには、その流路の一部を塞ぐ障壁としての6枚の板81bが設けられている。この6枚の板81bは、供給流路80aの周方向に位置を変えて設けられている。この6枚の板81bは、供給流路80aの軸方向において同じ位置に設けられている。
この供給流路81aは、気体流路75と混相室73aとの間に位置している。この供給流路81aには、その流路の一部を塞ぐ障壁としての6枚の板81bが設けられている。この6枚の板81bは、供給流路80aの周方向に位置を変えて設けられている。この6枚の板81bは、供給流路80aの軸方向において同じ位置に設けられている。
この6枚の板81bによって、供給流路81aの流路断面積は、気体流路75のそれより小さくされている。この混相器81は、供給流路81aにおける搬送空気の流速を気体流路75のそれより速くされている。これにより、混相室73aに吹き込む搬送空気の流速が速くされている。また、混相器81では、6枚の板81bは、搬送空気の流れを乱す。これにより、搬送空気がフラフ200を巻き込み易くされている。
図6(A)及び図6(B)には、更に他の実施形態に係る混相器82が示されている。燃焼設備1に混相器82が用いられてもよい。ここでは、この混相器82に関して、混相器73と異なる構成について説明がされる。混相器73と同様の構成については、その説明が省略され、同様の符号を用いて説明がされる。図6(A)の混相器82の下方に示された矢印は、搬送空気の流れの方向を示している。
この混相器82は、ノズル78に代えて、吹き込みとしての供給流路82aを備える。
この供給流路82aは、気体流路75と混相室73aとの間に位置している。この供給流路82aには、その流路の一部を塞ぐ風向変更羽根82bが設けられている。この風向変更羽根82bは、搬送空気の流れに回転を発生させ螺旋状の流れである渦を発生させる、複数の羽根82cを備える。
この供給流路82aは、気体流路75と混相室73aとの間に位置している。この供給流路82aには、その流路の一部を塞ぐ風向変更羽根82bが設けられている。この風向変更羽根82bは、搬送空気の流れに回転を発生させ螺旋状の流れである渦を発生させる、複数の羽根82cを備える。
この風向変更羽根82bによって、供給流路82aの流路断面積は、気体流路75のそれより小さくされている。この混相器82は、供給流路82aにおける搬送空気の流速を気体流路75のそれより速くされている。これにより、混相室73aに吹き込む搬送空気の流速が速くされている。また、混相器82は、羽根82cによって、搬送空気に渦を発生させ、搬送空気の流れを乱す。これにより、搬送空気がフラフ200を巻き込み易くされている。
既に述べた様に、図2に示される混相器73は、混相室73aと、気体流路75の流路断面積より小さい開口面積の吹き出し口を備えるノズル78とを備える。このノズル78から混相室73aに吹き込む搬送空気の流速は、気体流路75でのそれより速い。この混相器73は、搬送空気の量を抑制しつつ、搬送空気の流速を速くしている。この搬送空気によって、フラフ200の滞留が抑制される。また、搬出流路73bでの閉塞が抑制される。
ここでは、ノズル78を備える混相器73を例にその効果が説明されたが、吹き込みは、これに限定されない。この吹き込みは、混相室73aにおける搬送空気の流速を気体流路75のそれより速くできればよい。この観点から、混相器73は、気体流路75の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、搬送空気を気体流路75から混相室73aに吹き込む、吹き込みを備えていればよい。
従って、吹き込みは、その流路の一部を塞ぐ障壁として板80bを備える供給流路80aであってもよい。また、この吹き込みは、その流路の一部を塞ぐ障壁として板81bを備える供給流路81aであってもよい。更に、この吹き込みは、その流路内に風向変更羽根82bを備えてもよい。更に、風向変更羽根82bは流路内に固定されたものに限定されず、回転してもよい。
また、図1に示される燃焼設備1は、フラフ200を燃焼させる火炉2と、火炉2にフラフ200を供給するフラフ搬送流路76と、フラフ搬送流路76に接続された混相器73と、混相器73に搬送気体を供給する気体流路75とを備える。この混相器73は、混相室73aと、気体流路75の流路断面積より小さい開口面積の吹き出し口を備えるノズル78と、フラフ200と搬送気体とを混相室73aからフラフ搬送流路76に送る搬出流路73bとを備える。
この燃焼設備1は、混相器73を備えることで、搬送空気の量を抑制しつつ、フラフ200の滞留や閉塞を抑制し得る。火炉2では、燃焼速度を制御する観点から、火炉2内の空気量を制御することが好ましい。特に、流動床炉である火炉2では、安定運転の観点から、空気量を制御する必要がある。この燃焼設備1は、搬送空気の量を抑制しつつ、フラフ200の滞留や閉塞を抑制し得る。この混相器73は、フラフ200の滞留や閉塞を抑制しつつ、火炉2の安定運転に寄与し得る。
この燃焼設備1は、ノズル78を備える混相器73を備えるものに限定されない。この燃焼設備1は、混相器73に代えて、混相器80、混相器81又は混相器82を備えてもよい。更に言えば、この燃焼設備1の備える混相器が、気体流路75の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、搬送気体を気体流路75から混相室73aに吹き込む、吹き込みを備えていればよい。
ここでは、搬送気体としての搬送空気で搬送される燃料の例として、フラフ200を例に説明がされたが、この燃料はフラフ200に限定されない。この燃料は、低比重燃料や粉体燃料の様に、搬送気体で搬送され燃焼させるものであればよい。更に、混相器は、搬送気体と燃料と混ぜ合わせるものに限定されない。混相器は、搬送気体と搬送気体で搬送される搬送物質と混ぜ合わせるものとして、広く適用できる。
[開示項目]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
[項目1]
搬送気体と前記搬送気体で搬送される搬送物質とを混ぜ合わせる混相室と、
前記搬送気体を供給する気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと
を備える、混相器。
搬送気体と前記搬送気体で搬送される搬送物質とを混ぜ合わせる混相室と、
前記搬送気体を供給する気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと
を備える、混相器。
[項目2]
前記吹き込みが、前記気体流路の流路断面積より小さい開口面積の吹き出し口を備えるノズルである、項目1に記載の混相器。
前記吹き込みが、前記気体流路の流路断面積より小さい開口面積の吹き出し口を備えるノズルである、項目1に記載の混相器。
[項目3]
前記吹き込みが、その流路の一部を塞ぐ障壁を備える、項目1に記載の混相器。
前記吹き込みが、その流路の一部を塞ぐ障壁を備える、項目1に記載の混相器。
[項目4]
前記吹き込みが、その流路内の前記搬送気体に渦を発生させる風向変更羽根を備える、項目1に記載の混相器。
前記吹き込みが、その流路内の前記搬送気体に渦を発生させる風向変更羽根を備える、項目1に記載の混相器。
[項目5]
搬送気体で搬送される燃料を燃焼させる火炉と、
前記火炉に前記燃料を供給する燃料搬送流路と、
前記燃料搬送流路に接続された混相器と
前記混相器に前記搬送気体を供給する気体流路と
を備え、
前記混相器が、
前記搬送気体と前記燃料とを混ぜ合わせる混相室と、
前記気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと、
前記燃料と前記搬送気体とを前記混相室から前記燃料搬送流路に送る搬出流路と
を備える、燃焼設備。
搬送気体で搬送される燃料を燃焼させる火炉と、
前記火炉に前記燃料を供給する燃料搬送流路と、
前記燃料搬送流路に接続された混相器と
前記混相器に前記搬送気体を供給する気体流路と
を備え、
前記混相器が、
前記搬送気体と前記燃料とを混ぜ合わせる混相室と、
前記気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと、
前記燃料と前記搬送気体とを前記混相室から前記燃料搬送流路に送る搬出流路と
を備える、燃焼設備。
1・・・燃焼設備
2・・・火炉
73、80、81、82・・・混相器
73a・・・混相室
73b・・・搬出流路
75・・・気体流路
76・・・フラフ搬送流路(燃料搬出流路)
78・・・ノズル(吹き込み)
78a・・・開口(吹き込み口)
80a、81a、82a・・・供給流路(吹き込み)
80b、81b・・・板(障壁)
82b・・・羽根
200・・・フラフ
2・・・火炉
73、80、81、82・・・混相器
73a・・・混相室
73b・・・搬出流路
75・・・気体流路
76・・・フラフ搬送流路(燃料搬出流路)
78・・・ノズル(吹き込み)
78a・・・開口(吹き込み口)
80a、81a、82a・・・供給流路(吹き込み)
80b、81b・・・板(障壁)
82b・・・羽根
200・・・フラフ
Claims (5)
- 搬送気体と前記搬送気体で搬送される搬送物質とを混ぜ合わせる混相室と、
前記搬送気体を供給する気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと
を備える、混相器。 - 前記吹き込みが、前記気体流路の流路断面積より小さい開口面積の吹き出し口を備えるノズルである、請求項1に記載の混相器。
- 前記吹き込みが、その流路の一部を塞ぐ障壁を備える、請求項1に記載の混相器。
- 前記吹き込みが、その流路内の前記搬送気体に渦を発生させる風向変更羽根を備える、請求項1に記載の混相器。
- 搬送気体で搬送される燃料を燃焼させる火炉と、
前記火炉に前記燃料を供給する燃料搬送流路と、
前記燃料搬送流路に接続された混相器と
前記混相器に前記搬送気体を供給する気体流路と
を備え、
前記混相器が、
前記搬送気体と前記燃料とを混ぜ合わせる混相室と、
前記気体流路の流路断面積より小さい流路断面積の流路を備え、前記搬送気体を前記気体流路から前記混相室に吹き込む、吹き込みと、
前記燃料と前記搬送気体とを前記混相室から前記燃料搬送流路に送る搬出流路と
を備える、燃焼設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022136747A JP2024033255A (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 混相器及びこの混相器を備える燃焼設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022136747A JP2024033255A (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 混相器及びこの混相器を備える燃焼設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024033255A true JP2024033255A (ja) | 2024-03-13 |
Family
ID=90194307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022136747A Pending JP2024033255A (ja) | 2022-08-30 | 2022-08-30 | 混相器及びこの混相器を備える燃焼設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024033255A (ja) |
-
2022
- 2022-08-30 JP JP2022136747A patent/JP2024033255A/ja active Pending
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