JP2024032673A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂とフィラーの間の相溶性及び分散性に優れ、微細ギャップの充填時の注入性及び作業性が向上したエポキシ樹脂組成物を提供する。また、前記エポキシ樹脂組成物を用いた半導体用充填材、例えば、アンダーフィルを提供する。【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤及び平均粒度(D50)が相異なる2種のフィラーを含み、フィラー分離長さ(filler segregation)が25μm以下である、エポキシ樹脂組成物とする。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体用充填材として使用可能なエポキシ樹脂組成物に関する。
半導体パッケージの高速伝送要求に従って、ワイヤボンディング(wire bonding)方式の限界が指摘されるとともにフリップチップボンディング(flip chip bonding)方式に転換されている。フリップチップボンディング方式で半導体を製造するとき、半導体チップと回路基板を電気的に連結するためにバンプを用いるが、アンダーフィルで孔隙を充填して温度や衝撃など外部のストレスからバンプとチップを保護する。それによって、半導体パッケージの優れた信頼性及び再作業性を確保するために、アンダーフィルの物性を向上させるための多様な研究が進行されている。一例として、大韓民国公開特許10-2010-0020355は、ビスフェノール系エポキシ樹脂、チオール系硬化剤及び硬化促進剤を含む半導体素子アンダーフィル用液状エポキシ樹脂組成物を開示している。
最近、高密度のフリップチップの実装に銅ピラー(pillar)バンプが適用された半導体パッケージの需要が増えているが、銅ピラーは、従来の半田バンプに比べてバンプのピッチを小さくすることができ、鉛の使用量を低減させて環境にやさしく、熱伝導性が高いため放熱特性に優れ、電気伝導度が高いため寄生抵抗を低減させ得るなどの長所がある。
アンダーフィルは、密封された部位の耐湿性、耐熱サイクル性の機械的強度と寸法安定性の確保のために多量のフィラー(filler)を含有している。無機フィラーは、アンダーフィルの耐熱サイクル性を向上させてエポキシ樹脂などの有機材料で製造された基板と半導体素子の熱膨脹係数差をコントロールする。特に、銅ピラーが適用されたフリップチップの場合、バンプとアンダーフィル内の間に電位差が発生し、電気泳動効果により銅ピラーの周辺部から無機フィラーが分離される現象が発生する。このようにフィラーが分離される場合、超音波顕微鏡で陰影差が発生して非破壊検査でボイド(void)検出が難しくなり、相分離により樹脂のみ単独で存在する領域が発生することによって熱膨脹係数、吸湿率、モジュラスなどの物性差が発生して信頼性が脆弱となる問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたものであって、エポキシ樹脂組成物内のフィラー分離長さ(filler segregation)を25μm以下に制御することによって、樹脂とフィラーの間の相溶性及び分散性に優れて微細ギャップの充填時に注入性及び作業性が向上したエポキシ樹脂組成物を提供する。また、本発明は、前記エポキシ樹脂組成物を用いた半導体用充填材、例えば、アンダーフィルを提供する。
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及び平均粒度(D50)が相異なる2種のフィラーを含み、フィラー分離長さ(filler segregation)が25μm以下であるエポキシ樹脂組成物を提供する。
本発明は、エポキシ樹脂組成物内のフィラー分離長さ(filler segregation)を25μm以下に制御することによって、樹脂とフィラーの間の相溶性及び分散性を向上させ得、その結果、これを適用した半導体パッケージの製品信頼性を向上させ得る。また、注入性及び充填性に優れた本発明によるエポキシ樹脂組成物を用いて基板とチップ間の微細ギャップの充填時にボイド発生を抑制させ得る。また、本発明によるエポキシ樹脂組成物は、低い熱膨脹係数(CTE:coefficient of thermal expansion)及び高いモジュラスを示すところ、半導体用充填材、例えば、アンダーフィルに適用するとき、優れた信頼性を有する半導体パッケージの製造が可能である。
従来エポキシ樹脂組成物をアンダーフィルとして用いた場合に発生するフィラー分離現象を示した図である。 フィラー分離長さを測定する方法を示した図である。 本発明のフィラー分離長さ測定方法によって製造された試験片の断面を観察した電子顕微鏡写真である。 エポキシ樹脂組成物の充填長さを測定する方法を示した図である。
以下、本発明について詳しく説明する。しかし、下記記述された内容によって本発明の範囲が限定されるものではなく、必要に応じて、各構成要素が多様に変形されるか選択的に混用され得る。したがって、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
本明細書で用いられた「粒子サイズ(D50)」は、当該技術分野で知られている通常の方法によって測定されたものであり、例えば、レーザー粒度分析機で測定することができる。「粘度」は、当該技術分野で知られている通常の方法によって測定されたものであり、例えば、常温(25℃)でbrookfield粘度計を用いて測定することができる。「重量平均分子量」は、当該技術分野で知られている通常の方法によって測定されたものであり、例えば、GPC(gel permeation chromatograph)方法で測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び平均粒度(D50)が相異なる2種のフィラーを含み、フィラー分離長さ(filler segregation)が25μm以下である。本発明は、樹脂とフィラーの分離長さを25μm以下に制御することによって、エポキシ樹脂組成物の硬化時に樹脂とフィラーの分離現象を抑制させて硬化物のクラック発生を抑制させ得、本発明のエポキシ樹脂組成物をアンダーフィルとして使用するとき、半導体パッケージの信頼性を向上させ得る。一方、本発明のエポキシ樹脂組成物は、当該エポキシ樹脂組成物の物性を阻害しない範囲内で必要に応じて付加機能を付与するために、触媒、分散剤、消泡剤、カップリング剤、着色剤などの当該技術分野において通常的に用いられる多様な添加剤を1種以上さらに含むことができる。
<エポキシ樹脂>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂を主な樹脂として含む。前記エポキシ樹脂としては、当該技術分野において通常的に用いられるエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、分子構造内に2個以上のエポキシ基を含むものを用いることができる。使用可能なエポキシ樹脂の非制限的な例としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、非縮合環型多環構造エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン変性エポキシなどがあり、これらのうち1種以上を含むことができる。一例として、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールF型エポキシ及びアミノフェノール型エポキシ樹脂を含むことができる。この場合、エポキシ樹脂組成物の粘度、モジュラス及びガラス転移温度が適切に制御され得る。
前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、粘度(25℃)が1,000~4,000mPa・sであり、エポキシ当量が120~300g/eqであり、重量平均分子量が250~400g/molであってもよい。
前記アミノフェノール型エポキシ樹脂としては、p-(2,3-エポキシプロポキシ)-N,N-ビス(2,3-エポキシプロピル)アニリン、m-(2,3-エポキシプロポキシ)-N,N-ビス(2,3-エポキシプロピル)アニリン、トリグリシジル4-(4-アミノフェノキシ)フェノール、トリグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル-p-アミノフェノールなどを用いることができるが、これらに制限されるものではない。
前記アミノフェノール型エポキシ樹脂は、粘度(25℃)が500~700mPa・sであり、エポキシ当量が80~110g/eqであり、重量平均分子量が200~400g/molであってもよい。
前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂と前記アミノフェノール型エポキシ樹脂は、0.3~5:1の重量比で混用され得る。
前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物の総重量を基準として、前記エポキシ樹脂10~40重量%、例えば、10~20重量%を含むことができる。一例として、前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物の総重量を基準として、前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂7~30重量%及び前記アミノフェノール型エポキシ樹脂3~10重量%を含むことができる。
<硬化剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤を含む。硬化剤は、前記エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物の硬化を進行させる役目をする。
前記硬化剤としては、エポキシ樹脂と硬化反応をするものであって、当該技術分野で公知の硬化剤を用いることができ、一例として、アミン系硬化剤を用いることができる。
前記硬化剤は、粘度(25℃)が150~180mPa・sであり、アミン当量が35~55g/eqであり、アミン価が610~650mgKOH/gであってもよい。
前記エポキシ樹脂と前記硬化剤の混合比は、1:0.8~1.2当量比であってもよい。エポキシ基に対する硬化剤の活性基の当量比が上述した範囲未満である場合、樹脂組成物の硬化速度が過度に遅くなり得、上述した範囲を超過する場合、硬化物の強度が減少し得る。また、上述した当量比範囲を脱する場合、未反応のエポキシ基又は硬化剤により高温熱分解が発生し得る。
前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物の総重量を基準として、前記硬化剤4~15重量%、例えば、4~10重量%を含むことができる。
<フィラー>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、フィラーを含み、前記フィラーは、平均粒度(D50)が相異なる第1無機フィラー及び第2無機フィラーを含むことができる。一例として、前記フィラーは、平均粒度(D50)が1~90nmである第1無機フィラー及び平均粒度(D50)が0.1~1μmである第2無機フィラーを含むことができる。
図1に示したように、銅ピラー(Cu pillar)とAg/Sn合金からなるバンプ(bump)の間には金属電位差が発生して、銅ピラーは(-)電荷を、バンプは(+)電荷を、それぞれ帯びることになる。したがって、従来のエポキシ樹脂組成物をアンダーフィルとして用いる場合、フィラーで用いられる(-)電荷を帯びるシリカが銅ピラーとの電気的反撥力により押され、銅ピラーの付近にはフィラーなしにアンダーフィル樹脂のみ満たされることになる。図1に示した上端部の黒色領域は、エポキシ樹脂からフィラーが分離されて樹脂のみで形成された領域を示したものである。それによって、硬化後、銅ピラー付近のフィラーがない領域とフィラーがある領域でCTE、モジュラス(modulus)などの物性差が発生し、このような物性差は半導体基板の潜在性信頼度に悪影響を及ぼすことがある。
本発明では、平均粒度(D50)が相異なる2種の無機フィラーを混用してエポキシ樹脂組成物内のナトリウムイオン(Na)含量を制御し、硬化後にフィラー分離長さを制御することによって、樹脂とフィラーの間の分離現象が抑制されると同時に信頼性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
前記第1無機フィラーは、平均粒度(D50)が1~90nm、例えば、10~50nmであるナノシリカを含むことができ、前記ナノシリカは、樹脂とフィラーの分離を抑制する役目をする。前記第1無機フィラーの平均粒度(D50)が上述した範囲未満である場合、比表面積が過多で粘度上昇を誘発して充填性が低下し得、上述した範囲を超過する場合、比表面積が小さいため樹脂とフィラーの間の分離現状の抑制効果が低下し得る。
前記ナノシリカは、ナトリウムシリケートから製造され得る。前記ナノシリカの周辺にナトリウムイオン(Na)が形成され、ナトリウムイオンにより電気泳動効果が緩和され、その結果、組成物内の樹脂とフィラーの間の分離が抑制され得る。
前記ナノシリカは、線分散用エポキシ樹脂に線分散された形態で用いられ得るが、この場合、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物内のフィラー混入時の相溶性及び分散性を向上させ得る。
前記ナノシリカが線分散されたエポキシ樹脂内のシリカの含量は、35~45重量%であり、前記ナノシリカが線分散されたエポキシ樹脂の粘度(25℃)が10,000~40,000mPa・sであり、エポキシ当量が255~295g/eqであってもよい。
前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物の総重量を基準として、前記第1無機フィラー2~10重量%を含むことができる。第1無機フィラーの含量が上述した範囲未満である場合、電気泳動緩和効果が不十分でフィラー樹脂間の相分離が発生することがあり、上述した範囲を超過する場合、粘度の上昇により充填性が低下し得る。
前記第1無機フィラーに含まれるナトリウムシリケートから製造されたナノシリカを含むことによって、エポキシ樹脂組成物内にナトリウムイオン(Na)が含まれ得る。エポキシ樹脂組成物内のナトリウムイオン(Na)は、10ppm以下、例えば、0.1~10ppm、他の例として、1~10ppm含まれ得る。ナトリウムイオン(Na)の含量が上述した範囲未満である場合、電気泳動緩和効果が不十分でフィラーと樹脂間の相分離が発生することがあり、上述した範囲を超過する場合、過度なイオンにより半導体パッケージ内の絶縁特性及び電気的特性が低下するか、信頼性が低下し得る。
前記第2無機フィラーは、平均粒度(D50)が0.1~1μmである溶融シリカを含むことができ、前記溶融シリカは、樹脂に優れた機械的物性を付与して流れ性を制御する。前記第2無機フィラーの平均粒度(D50)が上述した範囲未満である場合、フィラー比表面積の増加により粘度が過多に上昇して充填特性が低下し得、上述した範囲を超過する場合、バンプの間にフィラーが詰まって充填が不良となり得る。
前記溶融シリカとしてシラン系化合物で表面処理された溶融シリカ、例えば、エポキシシランは、フェニルアミノシラン、フェニルシラン及びアミノシランからなる群より選択される1種以上のシラン系化合物で表面処理された溶融シリカを用いることができる。一例として、エポキシシランで表面処理された溶融シリカを用いることができる。この場合、エポキシ樹脂との相溶性が向上して電気泳動によるフィラー分離現象を一層抑制し得る。
前記エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物の総重量を基準として、前記第2無機フィラー40~70重量%、例えば、50~70重量%を含むことができる。
<添加剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂組成物の物性を阻害しない範囲で、必要によって付加機能を付与するために、触媒、分散剤、消泡剤、カップリング剤、着色剤など当該技術分野において一般的に用いられる添加剤をさらに含むことができる。
触媒は、硬化速度を制御するものであって、当該技術分野において一般的に用いられる触媒を用いることができる。例えば、2,4-ジアミノ-[2’ウンデシルイミダゾルル-(1’)]-エチル-s-トリアジンなどを用いることができる。
分散剤は、樹脂組成物内のシリカをより安定的に分散させるものであって、当該技術分野において一般的に用いられる分散剤を用いることができる。例えば、高分子量共重合体のアルキルアンモニウム塩(Alkylammonium salt of a high molecular weight copolymer)などを用いることができる。
消泡剤は、気泡の除去のためのものであって、当該技術分野において一般的に用いられる消泡剤を用いることができる。
カップリング剤は、樹脂組成物の付着力を増進させるためのものであって、当該技術分野において一般的に用いられるカップリング剤を用いることができる。例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
着色剤は、樹脂組成物に色相を付与するためのものであって、当該技術分野において一般的に用いられる着色剤を用いることができる。例えば、カーボンブラックなどを用いることができる。
前記添加剤は、当該技術分野に公知されている含量範囲内で添加され得、一例として、エポキシ樹脂組成物の全体重量に対して、それぞれ0.01~10重量%含まれ得るが、これに限定されるものではない。
本発明によるエポキシ樹脂組成物は、硬化後、フィラー分離長さ(filler segregation)が25μm以下、例えば、0.01~25μmであってもよい。通常、基板上にチップを形成するとき、銅ピラーと半田を接合したときに両側の電位差により基板とチップの間のギャップ(gap)に充填されたアンダーフィルの加熱硬化中にフィラーと銅ピラーとの間に生ずる電位差、すなわち、電気泳動により組成物内のフィラーが泳動することによって、ギャップに充填された組成物内にフィラーが存在しない部分とフィラーが形成された部分が分離される現象、すなわち、樹脂とフィラーの分離現象が発生し得る。その結果、基板とチップの間のギャップを充填する組成物、すなわち、アンダーフィル内にフィラーが存在しない領域が形成されてシリコンチップと基板の線膨脹率差を吸収することができず、バンプにクラックが発生するなどの問題が発生するか、半導体パッケージの信頼性が低下する問題が発生し得る。
本発明では、樹脂とフィラーの分離長さを25μm以下に制御することによって、エポキシ樹脂組成物の硬化時に樹脂とフィラーの分離現象を抑制させて硬化物のクラック発生を抑制させ得、本発明のエポキシ樹脂組成物をアンダーフィルとして使用するとき、半導体パッケージの信頼性を向上させ得る。樹脂とフィラーの分離長さが上述した範囲を超過する場合、組成物内のフィラーが一方向に集中する現象が発生して製品信頼度が低下し、絶縁性、耐熱サイクル性、耐リフロー性などが低下し得る。
樹脂とフィラーの分離長さ、すなわち、フィラー分離長さは下記方法で測定した。図2に示したように、ライン(Line)/スペーサ(Spacer)長さが30μm/30μmである銅パターンが形成されたクーポンの両側端子に1Vの電圧を印加し、ライン/スペーサパターンを十分に覆うことができる量のエポキシ樹脂組成物を塗布し、常温で1時間放置した後、175℃に予熱されたプレート上で電圧が印加された状態で3時間の間1次硬化させた。その後、165℃で2時間の間2次硬化を進行して製造された試験片をモールディング材でモールディングした後、ライン/スペーサが位置した領域まで研磨して研磨された断面を電子顕微鏡で観察した。
図3は、本発明のフィラー分離長さ測定方法によって製造された試験片の断面を観察した電子顕微鏡写真である。図3で端子上に髪の毛の形態で黒く形成された部分が樹脂からフィラーが分離された部分であり、当該長さを測定して平均値を算出してフィラー分離長さとした。
本発明によるエポキシ樹脂組成物の充填長さは、8~20mmであってもよい。充填長さは、下記方法で測定した。図4に示したように、PCB基板に幅10mmの間隔で50μm両面テープを付着し、スライドガラスを付着して評価基材を製作した。100℃に予熱されたホットプレート上に製作された評価基材を置き、定量吐出機(Nordson EFD Ultimus)を利用して基板とスライドガラスの間の注入部に前記エポキシ樹脂組成物を50mg吐出した後、充填開始から120秒後にスライドガラスの下空間内に充填されたエポキシ樹脂組成物の長さを測定した。
エポキシ樹脂組成物の充填長さが上述した範囲未満である場合、充填速度が過度に遅いため生産性が低下し得、大きいサイズのチップに全体塗布することが難しくなり得る。充填長さが上述した範囲を超過する場合、充填速度が過度に速く充填不均衡によりチップ内部にボイド(void)が発生し得る。
以下、実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。しかし、下記実施例は、本発明の理解を助けるためのものに過ぎず、いかなる意味でも本発明の範囲が実施例によって限定されるものではない。
<実験例1-14>
下記表1、2の組成によって原料を均一に混合し、3ロールミリング設備を利用して分散混錬した後、遠心分離機を用いて脱泡して各実験例の樹脂組成物を製造した。各実験例の樹脂組成物のフィラー分離長さを下記方法で測定し、表1に記載した。
ライン(Line)/スペーサ(Spacer)長さが30μm/30μmである銅パターンが形成されたクーポンの両側端子に1Vの電圧を印加し、ライン/スペーサでパターンを十分に覆うことができる量のエポキシ樹脂組成物を塗布し、常温で1時間放置した後、175℃に予熱されたプレート上で電圧が印加された状態で3時間の間1次硬化させた。その後、165℃で2時間の間2次硬化を進行して製造された試験片をモールディング材でモールディングした後、ライン/スペーサが位置した領域まで研磨して研磨された断面を電子顕微鏡で観察した。端子上に髪の毛の形態で黒く形成された部分が陰極端子上にフィラーが分離された部分であり、当該長さを測定して平均値を算出した。
エポキシ樹脂1:ビスフェノールFエポキシ樹脂(粘度(25℃)1,100-1,500mPa・s、当量159g/eq、分子量318g/mol)
エポキシ樹脂2:アミノフェノール型エポキシ樹脂(p-(2,3-Epoxypropoxy)-N,N-bis(2,3-epoxypropyl)aniline、粘度(25℃)600mPa・s、当量97g/eq、分子量291g/mol)
ナノシリカ1:エポキシ樹脂に分散されたナノシリカ、ビスフェノールFエポキシ樹脂60重量%及びナノシリカ40重量%(粘度(25℃)10,000-40,000mPa・s、SiO含量37-43重量%、当量255-295g/eq、シリカ D50 20nm)
ナノシリカ2:エポキシ樹脂に分散されたナノシリカ、ビスフェノールFエポキシ樹脂60重量%及びナノシリカ40重量%(粘度(25℃)60,000mPa・s、SiO含量37-43重量%、当量295g/eq、シリカ D50 15nm)
ナノシリカ3:エポキシ樹脂に分散されたナノシリカ、脂環式エポキシ樹脂60重量%及びナノシリカ40重量%(粘度(25℃)4,000mPa・s、SiO含量37-43重量%、当量220g/eq、シリカ D50 30nm)
溶融シリカ1:エポキシシランで表面処理、D50 0.5μm、Cut size3.0μm
溶融シリカ2:エポキシシランで表面処理、D50 0.3μm、Cut size1.0μm
溶融シリカ3:エポキシシランで表面処理、D50 1.0μm、Cut size5.0μm
溶融シリカ4:表面未処理、D50 0.5μm、Cut size3.0μm
溶融シリカ5:フェニルアミノシランで表面処理、D50 0.5μm、Cut size3.0μm
溶融シリカ6:フェニルシランで表面処理、D50 0.5μm、Cut size3.0μm
溶融シリカ7:フェニルアミノシランで表面処理、D50 5.0μm、Cut size23.0μm
溶融シリカ8:フェニルアミノシランで表面処理、D50 2.58μm、Cut size6.0μm
ナノフュームドシリカ:DDS(Dimethyldichlorosilane)で表面処理、BET 90-130m/g、粒度16nm
硬化剤:ar,ar-Diethyl armethylbenzenediamine
触媒:2,4-diamino[2’undecylimidazolyl-(1’)]-ethyl-s-triazine
分散剤:1,2-Ethanediamine、polymer with aziridine、reaction product with 2-propenoic acid、2-ethylhexyl ester、salt with oxirane、methyl-、polymer with oxirane、monobutyl ether、phosphate(CAS No.398475-96-2)
カップリング剤:3-Glycidoxypropyltrimethoxysilane
着色剤:Carbon black
<物性評価>
各実験例で製造されたエポキシ樹脂組成物に対して下記方法で物性を評価し、その結果を下記表3、4に示した。
[粘度]
brookfield粘度計を用いて測定した。
[充填長さ]
PCB基板に幅10mmの間隔で50μmの両面テープを付着し、スライドガラスを付着して評価基材を製作した。100℃に予熱されたホットプレート上に製作された評価基材を置き、定量吐出機(Nordson EFD Ultimus)を利用して基板とスライドガラスの間の注入部に各エポキシ樹脂組成物を50mg吐出した後、充填開始から120秒後にスライドガラスの下の空間内に充填されたエポキシ樹脂組成物の長さを測定した。
[試験片の製造]
下記構造のフリップチップがボンディングされた回路基板にディスペンサー(Protec社のPhantasm S)を利用してプレート温度100℃状態で各実験例のエポキシ樹脂組成物を塗布した後、165℃で2時間硬化して試験片を製造した。各試験片を用いてフィラー沈降特性、ボイド(void)特性、マイクロデラミネーション(Micro Delamination)特性を評価した。
Chip size:10mm × 10mm
Bump height:55μm
Bump pitch:200μm
Bump type:Cu pillar、Sn/Ag bump
[フィラー沈降特性]
上記製作された試験片の断面部に対して、下記のようにEDS分析した。各樹脂組成物の総断面の垂直領域を5分割した後、チップと近接した最上端部領域のシリカ含量と基板に近接した最下端部領域のシリカ含量をそれぞれ測定し、上下端比(最上端部シリカ含量/最下端部シリカ含量)を計算した。
(評価基準)
〇:上下端比が0.9以上
×:上下端比が0.9未満
[ボイド(Void)特性]
前記製作された試験片の水平部をチップ面から樹脂組成物が露出するまでグラインディングした後、顕微鏡で硬化された組成物内の孔隙を観察した。
(評価基準)
〇:100μm未満の孔隙発生
×:100μm以上の孔隙発生
[Cu pillar周辺部のデラミネーション(delamination)特性]
前記製作された試験片の断面部に対して、全体pillarの周辺部をFE-SEMで観察し、pillar周辺部にmicro delamination(剥離)現象が発生するかを確認した。
(評価基準)
〇:剥離未発生
×:剥離発生
[収縮率(%)]
長さ60mm、幅12mm、厚さ3mmの規格で凹部が形成されたモールドに各樹脂組成物を充填し、180℃で2時間硬化させ、モールドから硬化物を除去した後に長さを測定して下記式で収縮率を計算した。
収縮率(%)=(初期長さ(60mm)-測定長さ)/初期長さ(60mm)
前記表3、4に示したように、本発明による実験例1-10のエポキシ樹脂組成物は、常温(25℃)で適切な粘度を有するので、基板とチップの間のギャップ充填時に充填性、すなわち、充填長さ、ボイド特性に優れ、収縮率が良好であるだけでなく、優れた分散性を有してフィラー沈降特性及びCu pillar周辺部のデラミネーション(delamination)特性に優れることを確認することができた。

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤及び平均粒度(D50)が相異なる2種のフィラーを含み、
    下記方法で測定されたフィラー分離長さ(filler segregation)が25μm以下である、エポキシ樹脂組成物:
    ライン(Line)/スペーサ(Spacer)長さが30μm/30μmである銅パターンが形成されたクーポンの両側端子に1Vの電圧を印加し、ライン/スペーサパターンを十分に覆うことができる量のエポキシ樹脂組成物を塗布し、常温で1時間放置した後、175℃に予熱されたプレート上で電圧が印加された状態で3時間の間1次硬化させ、165℃で2時間の間2次硬化を進行して製造された試験片をモールディング材でモールディングした後、ライン/スペーサが位置した領域まで研磨して研磨された断面を電子顕微鏡で観察して陰極端子上に分離された長さを測定する。
  2. 前記フィラーが平均粒度(D50)1~90nmの第1無機フィラー及び平均粒度(D50)0.1~1μmの第2無機フィラーを含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記第1無機フィラーがナノシリカを含み、前記第2無機フィラーがシラン系化合物で表面処理された溶融シリカを含む、請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記第1無機フィラーがナトリウムシリケートで製造されたナノシリカを含む、請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂組成物の総重量に対して、前記エポキシ樹脂10~40重量%、前記硬化剤4~15重量%、前記第1無機フィラー2~10重量%及び前記第2無機フィラー40~70重量%を含む、請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 組成物内にナトリウムイオン(Na)を10ppm以下で含む、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びアミノフェノール型エポキシ樹脂を含み、
    前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の粘度(25℃)が1,000~4,000mPa・sであり、エポキシ当量が120~300g/eqであり、重量平均分子量が250~400g/molであり、
    前記アミノフェノール型エポキシ樹脂の粘度(25℃)が500~700mPa・sであり、エポキシ当量が80~110g/eqであり、重量平均分子量が200~400g/molであり、
    前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂と前記アミノフェノール型エポキシ樹脂の混合比が0.3~5:1重量比である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 下記方法で測定された充填長さが8~20mmである、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物:
    PCB基板に幅10mmの間隔で50μmの両面テープを付着し、スライドガラスを付着して評価基材を製作し、100℃に予熱されたホットプレート上に製作された評価基材を置き、定量吐出機(Nordson EFD Ultimus)を利用して基板とスライドガラスの間の注入部に前記エポキシ樹脂組成物を50mg吐出した後、充填開始から120秒後にスライドガラスの下の空間内に充填されたエポキシ樹脂組成物の長さを測定する。
  9. 請求項1~請求項8のうちいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いたアンダーフィル。
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