JP2024031699A - 制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置 - Google Patents

制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2024031699A
JP2024031699A JP2022135424A JP2022135424A JP2024031699A JP 2024031699 A JP2024031699 A JP 2024031699A JP 2022135424 A JP2022135424 A JP 2022135424A JP 2022135424 A JP2022135424 A JP 2022135424A JP 2024031699 A JP2024031699 A JP 2024031699A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
value
temperature
steam
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022135424A
Other languages
English (en)
Inventor
忠幸 新井
拓朗 佐藤
裕司 白石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
Hitachi Zosen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Zosen Corp filed Critical Hitachi Zosen Corp
Priority to JP2022135424A priority Critical patent/JP2024031699A/ja
Priority to PCT/JP2023/023338 priority patent/WO2024042839A1/ja
Publication of JP2024031699A publication Critical patent/JP2024031699A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F22STEAM GENERATION
    • F22GSUPERHEATING OF STEAM
    • F22G5/00Controlling superheat temperature
    • F22G5/12Controlling superheat temperature by attemperating the superheated steam, e.g. by injected water sprays
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23GCREMATION FURNACES; CONSUMING WASTE PRODUCTS BY COMBUSTION
    • F23G5/00Incineration of waste; Incinerator constructions; Details, accessories or control therefor
    • F23G5/50Control or safety arrangements
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B11/00Automatic controllers
    • G05B11/01Automatic controllers electric
    • G05B11/36Automatic controllers electric with provision for obtaining particular characteristics, e.g. proportional, integral, differential
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B13/00Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion
    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
    • G05B13/04Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric involving the use of models or simulators

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Artificial Intelligence (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

【課題】プロセス値の影響を軽減して制御を行う。【解決手段】制御装置(3)は、制御量に影響を及ぼす焼却炉設備(100)における複数のプロセス値に基づいて制御時点での制御量の予測値を予測する予測部(31)と、制御量を制御するための制御対象に与える入力の大きさを示す入力値を前記予測値に基づいて算出し、制御量を入力値に基づいて制御する制御部(32)と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、焼却炉設備における制御量を制御する制御装置等に関する。
廃棄物処理設備では、廃棄物が焼却炉で焼却されたことにより発生する排ガスを用いてボイラで蒸気を発生させ、発生した蒸気に過熱器による過熱と減温器による減温とを施して蒸気タービン発電装置などに供給することが行われる。このような廃棄物処理設備において、安定した蒸気の供給を行うために、蒸気温度などの制御量を所定値に制御する。
例えば、特許文献1には、主蒸気温度のフィードバックのPID制御と併せて、ボイラ入熱量に基づくフィードフォワード制御を行うことが記載されている。
特開2007-187340号公報
しかしながら、蒸気温度などの制御量は、ボイラ、過熱器、焼却炉などにおける各種のプロセス値の影響を受ける。このため、特許文献1に記載されているように、ボイラ入熱量と、2つの過熱器の出口側の主蒸気温度とを用いてフィードフォワード制御するのみでは、プロセス値の影響を軽減することができず、不十分である。
本発明の一態様は、プロセス値の影響を軽減して制御を行うことを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御装置は、焼却炉と、前記焼却炉からの排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラにより発生した蒸気を過熱する過熱器と、前記過熱器により過熱された蒸気の温度を低下させる減温器とを備える焼却炉設備における制御量を制御する制御装置であって、前記制御量に影響を及ぼす前記焼却炉設備における複数のプロセス値に基づいて制御時点での前記制御量の予測値を予測する予測部と、前記制御量を制御するための前記制御対象に与える入力の大きさを示す入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記制御量を前記入力値に基づいて制御する制御部と、を備えている。
本発明の一態様によれば、プロセス値の影響を軽減して制御を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る焼却炉設備の構成を示す図である。 上記焼却炉設備における制御装置により制御量を制御する処理の手順を示すフローチャートである。 制御量の現在値と、上記制御装置の予測制御による1分後の制御量の予測値との比較を示すグラフである。 制御量の現在値と、上記制御装置の予測制御による2分後の制御量の予測値との比較を示すグラフである。 制御量の現在値と、上記制御装置の予測制御による3分後の制御量の予測値との比較を示すグラフである。
〔焼却炉設備〕
まず、本発明の各実施形態に共通する焼却炉設備について詳細に説明する。
〈焼却炉設備の概要〉
図1は、本発明の一実施形態に係る焼却炉設備100の構成を示す図である。
図1に示すように、焼却炉設備100は、焼却炉1と、蒸気発生装置2と、制御装置3とを備えている。
焼却炉1は、廃棄物を搬送しながら燃焼させるストーカ式の焼却炉である。焼却炉1は、その内部に形成される燃焼室において、廃棄物の燃焼と、廃棄物から発生した炭素および水素を主成分とした燃焼生成ガスの燃焼とが行われる。燃焼の結果として燃焼室から排出される排ガスは、排出経路1aにて所定の排ガス処理が施され、蒸気発生装置2に導かれる。
蒸気発生装置2は、排ガスを熱源とするボイラ21により蒸気を発生し、当該蒸気を過熱部23により過熱するとともに、過熱された蒸気の温度を減温部24により低下することで、適温の出口蒸気を生成する。出口蒸気は、発電、暖房などに利用される。
制御装置3は、焼却炉設備100における制御対象の制御量を制御する装置である。制御装置3は、制御量に影響を及ぼす焼却炉設備100における複数のプロセス値に基づいて制御時点での制御量の予測値を予測し、当該予測値に基づいて制御量を制御する。また、制御装置3は、制御量を目標値となるようにフィードバック制御する。制御装置3は、予測値に基づく予測値制御とフィードバック制御とを必要に応じて切り替えて行う。
において説明する。
〈焼却炉の詳細〉
焼却炉1は、ホッパ11と、給塵装置12と、火格子部13と、空気供給装置14と、空気予熱器15と、空気供給管16と、温度計17,18と、ダンパ19a~19cとを有している。
ホッパ11は、クレーンなどによって廃棄物が投入される投入口である。給塵装置12は、ホッパ11から投入された廃棄物を火格子部13に供給する。給塵装置12が廃棄物を供給する速度を制御することにより、廃棄物の焼却量を調整することができる。
火格子部13は、廃棄物を積載した状態で搬送し、廃棄物の乾燥および燃焼を行う。火格子部13は、乾燥火格子131(火格子)と、燃焼火格子132(火格子)と、後燃焼火格子133(火格子)とを有している。
乾燥火格子131は、給塵装置12から供給される廃棄物を乾燥させる火格子であり、最も高い位置に配置されている。燃焼火格子132は、燃焼火格子132の前段の乾燥火格子131より低い位置に設けられており、乾燥後の廃棄物を燃焼させる火格子である。後燃焼火格子133は、後燃焼火格子133の前段の燃焼火格子132より低い位置に設けられており、完全に燃焼していない廃棄物を完全に燃焼させる火格子である。乾燥火格子131、燃焼火格子132および後燃焼火格子133には、それぞれ乾燥および燃焼のための空気が下方より供給される。
空気供給装置14は、火格子部13に供給する燃焼用の空気を生成するための空気を空気予熱器15に供給する装置である。空気供給装置14は、ブロアなどにより構成される。
空気予熱器15は、空気供給装置14から供給される空気を加熱して排出する機器である。空気供給管16は、空気予熱器15から排出される加熱された空気を、乾燥火格子131、燃焼火格子132および後燃焼火格子133のそれぞれに供給するように分岐している。
温度計17は、空気供給管16を流れる空気の温度を計測する。温度計17は、空気供給管16の分岐部よりも上流側に配置されている。温度計18は、火格子部13の乾燥火格子131、燃焼火格子132および後燃焼火格子133のそれぞれの温度を計測する。温度計18は、図1において、代表して1箇所に配置されるように描かれているが、乾燥火格子131、燃焼火格子132および後燃焼火格子133のそれぞれの上方に個別に配置されている。乾燥火格子131、燃焼火格子132および後燃焼火格子133のそれぞれに供給される燃焼空気の温度は、温度計17,18の計測温度に基づいて制御装置3によって制御される。
ダンパ19aは、空気供給管16の乾燥火格子131に空気を供給する分岐部分に設けられており、乾燥火格子131に供給する空気の流量を調整する。ダンパ19bは、空気供給管16の燃焼火格子132に空気を供給する分岐部分に設けられており、燃焼火格子132に供給する空気の流量を調整する。ダンパ19cは、空気供給管16の後燃焼火格子133に空気を供給する分岐部分に設けられており、後燃焼火格子133に供給する空気の流量を調整する。
〈蒸気発生装置の詳細〉
蒸気発生装置2は、ボイラ21と、給水弁22と、過熱部23と、減温部24と、注水部25と、温度計測系26と、流量計測系27と、圧力計28と、酸素濃度計29とを有している。
ボイラ21は、焼却炉1からの排ガスを用いて蒸気を発生させる蒸気発生器である。ボイラ21は、内部に貯留した水が排ガスによって加熱されることで飽和水蒸気を発生する。給水弁22は、ボイラ21に供給する水の量を調整する弁である。
過熱部23は、ボイラ21によって発生した蒸気を排ガスの熱によって過熱する。過熱部23は、1次過熱器231(過熱器)と、2次過熱器232(過熱器)と、3次過熱器233(過熱器)とを有している。1次過熱器231は、ボイラ21からの蒸気を過熱する。2次過熱器232は、1次過熱器231を経た蒸気を加熱する。3次過熱器233は、2次過熱器232を経た蒸気を加熱する。
1次過熱器231、2次過熱器232および3次過熱器233には、図示しない排ガス供給管を介して焼却炉1からの排ガスが供給されている。3次過熱器233には、焼却炉1の排ガス出口に最も近い位置で排ガスが供給され、2次過熱器232には、3次過熱器233に次いで排ガス出口に近い位置で排ガスが供給され、1次過熱器231には、排ガス出口から最も遠い位置で排ガスが供給される。これにより、過熱部23に供給される排ガスの温度は、3次過熱器233で最も高く、2次過熱器232でそれに次いで高く、1次過熱器231で最も低い。
減温部24は、1次過熱器231および2次過熱器232によって過熱された蒸気の温度を低減する。減温部24は、1次減温器241と、2次減温器242とを有している。1次減温器241は、1次過熱器231によって過熱された蒸気の温度を注入される水によって低減する。2次減温器242は、2次過熱器232によって過熱された蒸気の温度を注入される水によって低減する。
注水部25は、減温部24の1次減温器241および2次減温器242にそれぞれ注水を行う。注水部25は、1次注水弁251(注水弁)と、2次注水弁252(注水弁)とを有している。1次注水弁251は、スプレー注水により1次減温器241への冷却水の注入量を調整する注水弁である。2次注水弁252は、スプレー注水により2次減温器242への冷却水の注入量を調整する注水弁である。1次注水弁251および2次注水弁252は、制御装置3によって開度が制御される制御弁である。
温度計測系26は、蒸気発生装置2における各所の温度を計測する。温度計測系26は、複数の温度計261~268を有している。温度計261は、給水弁22に供給される水の温度を計測する。温度計262は、ボイラ21の出口付近に供給される排ガスの温度を計測する。温度計263は、ボイラ21から排出される蒸気である主蒸気の温度を計測する。温度計264は、1次過熱器231の出口における蒸気の温度を計測する。温度計265は、1次減温器241の出口、すなわち2次過熱器232の入口における蒸気の温度を計測する。温度計266は、2次過熱器232の出口における蒸気の温度を計測する。温度計267は、2次減温器242の出口、すなわち3次過熱器233の入口における蒸気の温度を計測する。温度計268は、3次過熱器233の出口、すなわち蒸気発生装置2の出口における蒸気(出口蒸気)の温度を計測する。
流量計測系27は、蒸気発生装置2において流れる流体の流量を計測する。流量計測系27は、流量計271,272を有している。流量計271は、給水弁22に供給される水の流量を計測する。流量計272は、焼却炉1において排ガスを排出する排出部1b付近を流れる排ガスの流量を計測する。
圧力計28は、出口蒸気の圧力を計測する。酸素濃度計29は、排出部1b付近を流れる排ガスの酸素濃度を計測する。
〈制御装置の詳細〉
制御装置3は、予測部31と、制御部32と、切替部33とを有している。なお、以降に説明する例では、制御対象を2次注水弁252とし、制御量を3次過熱器233の出口蒸気の温度(出口蒸気)としている。また、切替部33は、第1制御部321および制御対象(2次注水弁252)の接続と、第2制御部322および制御対象の接続とを切り替えるスイッチのような切替器である。
予測部31は、焼却炉設備100において上述した制御対象の制御量に影響を及ぼす複数のプロセス値に基づいて制御時点での制御量の予測値を予測する。予測部31は、予測モデル作成装置4によって作成された予測モデルに基づいて上記の予測を行う。予測モデルとしては、例えば、制御量を目的変数として用いるとともに、複数のプロセス値を説明変数として用いた重回帰分析により作成されたモデルが用いられる。
予測部31は、以下の(1)~(4)のように構成されていてもよい。
(1)予測部31は、予測値として、制御量の現在から第1所定時間後までの変化量を予測する。
(2)予測部31は、制御量の現在から第1所定時間後の値と制御量の現在値との差を目的変数とし、プロセス値を説明変数とする予測モデルに基づいて制御量を予測する。この場合、第1所定時間は、制御の遅れ要素に基づく遅延時間である。
(3)説明変数は、プロセス値の現在値とプロセス値の現在から第2所定時間前の値との差である。
(4)目的変数は、前記蒸気温度の現在から前記第1所定時間後の値と前記蒸気温度の現在値との差である。この場合の制御量は、出口蒸気の温度である。
制御部32は、制御量を制御するために、第1制御部321と、第2制御部322と、切替制御部323とを有している。
第1制御部321は、制御量を制御するために制御対象に与える入力の大きさを示す入力値を予測値に基づいて算出し、制御量を入力値に基づいて制御する。具体的には、第1制御部321は、2次注水弁252の開度(%)を入力値として2次注水弁252の注水量を制御することにより、制御量としての3次過熱器233の出口蒸気温度を制御する。このため、予測部31、第1制御部321、切替部33および2次注水弁252は、予測値に基づいた制御量の制御を行う予測制御系統PCSを構成している。制御対象および制御量が異なれば、それに応じて予測制御系統PCSの構成も異なるのは勿論である。
第2制御部322は、制御量が目標値に一致するように制御量を制御するフィードバック制御を行う。具体的には、第2制御部322は、目標値に対する制御量(出口蒸気温度)の偏差が0になるように2次注水弁252の開度を制御する。このため、第2制御部322、切替部33、2次注水弁252および温度計268は、フィードバック制御により制御量を制御するフィードバック制御系統FBCSを構成している。制御対象および制御量が異なれば、それに応じてフィードバック制御系統FBCSの構成も異なるのは勿論である。
切替制御部323は、制御部32が第1制御部321による予測制御系統PCSを用いて制御を行っている場合、予測値に対する制御量の現在値の偏差が所定値を超えるときに、フィードバック制御系統FBCSに切り替えるように切替部33の切替動作を制御する。また、切替制御部323は、制御部32がフィードバック制御系統FBCSを用いて制御を行っている場合、上記の偏差を監視しており、当該偏差が上記の所定値以下となるときに、予測制御系統PCSに切り替えるように切替部33の切替動作を制御する。
〈予測モデル作成装置〉
予測モデル作成装置4は、制御装置3の予測部31が予測値を予測するための予測モデルを作成する装置であり、コンピュータによって構成されている。予測モデル作成装置4は、計測されたプロセス値を入力データとし、計測された制御量を出力データとして機械学習を行うことにより予測モデルを作成する。予測モデル作成装置4は、予測モデルを作成するために、重み決定部41を備えている。
重み決定部41は、入力データを用いて予測される予測値の出力データに対する偏差を最小にする予測モデルの重みを決定する。重みは、例えば、重回帰分析の回帰式を予測モデルとする場合、回帰式における回帰係数に相当する。また、重み決定部41は、重みとともに回帰式における切片も決定する。予測モデル作成装置4は、このような重み決定部41を備えることにより、予測精度の高い予測モデルを作成することができる。
重み決定部41は、他の機械学習の手法、例えばディープラーニングを用いて重みを決定してもよい。他の機械学習の手法としては、Extreme Learning Machine(ELM)、Support Vector Regression(SVR)などが適用可能である。
また、予測モデル作成装置4は時間設定部42を備えている。時間設定部42は、プロセス値のそれぞれについて予測モデルの精度が最も高くなるようにパラメータスタディによって第2所定時間を設定する。説明変数は、プロセス値の現在値とプロセス値の現在から第2所定時間前の値との差である。
予測モデル作成装置4が例えば以下のような重回帰分析の予測モデルを作成る場合、時間設定部42は、説明変数X1,X2,X3について同じ差分の幅、すなわち第2所定時間を以下の手順A~Dにしたがって決定する。ここで、「now」は現在値を表し、「before」は現在より前の値を表す。
Y=a0
+a1*(X1_now-X1_before)
+a2*(X2_now-X2_before)
+a3*(X3_now-X3_before)
(手順A)説明変数X1,X2,X3について同じ差分の幅で精度が良くなる差分の幅を決定する。
(ケースA1)
X1:1min,X2:1min,X3:1min
(ケースA2)
X1:2min,X2:2min,X3:2min
(ケースA3)
X1:3min,X2:3min,X3:3min
ここで、ケースA2が最良であるとする。
(手順B)説明変数X2,X3のそれぞれの差分の幅については、手順Aで決定した幅で固定して、説明変数X1の差分の幅を検討する。
(ケースB1)
X1:1min,X2:2min,X3:2min
(ケースB2)
X1:2min,X2:2min,X3:2min
(ケースB3)
X1:3min,X2:2min,X3:2min
ここで、ケースB1が最良であるとする。
(手順C)説明変数X1の差分の幅を手順Bで決定した幅で固定し、説明変数X3の差分の幅を手順Aで決定した幅で固定して、説明変数X2の差分の幅を検討する。
(ケースC1)
X1:1min、X2:1min、X3:2min
(ケースC2)
X1:1min、X2:2min、X3:2min
(ケースC3)
X1:1min、X2:3min、X3:2min
ここで、ケースC3が最良であるとする。
(手順D)説明変数X1の差分の幅を手順Bで決定した幅で固定し、説明変数X2の差分の幅を手順Cで決定した幅で固定して、説明変数X3の差分の幅を検討する。
(ケースD1)
X1:1min、X2:3min、X3:1min
(ケースD2)
X1:1min、X2:3min、X3:2min
(ケースD3)
X1:1min、X2:3min、X3:3min
ここで、ケースD2が最良であるとする。
以上より、ケースD2が最も高精度な予測となる。説明変数の数が増えた場合には、手順B~Dと同じ操作を繰り返す。
予測モデル作成装置4は時間設定部42を備えることにより、予測モデルを用いた予測部による予測の精度を向上させることができる。
〈制御動作の概要〉
制御装置3による制御量の動作の概要(制御方法)について説明する。図2は、制御装置3により制御量を制御する処理の手順を示すフローチャートである。
図2に示すように、制御装置3は、起動すると、切替部33が切替制御部323に制御されることよって第1制御部321への接続に切り替えることで、予測制御系統PCSをセットする(ステップS1)。
次いで、予測部31は、焼却炉設備100における各所からプロセス値を取得する(ステップS2)。予測部31は、予測モデル作成装置4によって作成された予測モデルを用いて、取得したプロセス値に基づいて予測値を予測する(ステップS3,予測工程)。
制御部32の第1制御部321は、予測部31によって予測された予測値に基づいて、制御対象に与える入力値を算出する(ステップS4,制御工程)。第1制御部321は、算出した入力値を制御対象に与えることによって、入力値に基づく制御量の制御を行う(ステップS5,制御工程)。
切替制御部323は、予測値に対する制御量の現在値の偏差(絶対値)を監視しており、当該偏差が所定値を超えたか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において、切替制御部323により当該偏差が所定値を超えたと判定されると(YES)、切替部33は、予測制御系統PCSからフィードバック制御系統FBCSに切り替える(ステップS7)。この切り替えにおいて、切替部33は、切替制御部323の制御により、制御対象との接続を第1制御部321から第2制御部322に切り替える。そして、第2制御部322は、フィードバック制御系統FBCSにより制御量を制御して(ステップS8)、処理をステップS6に戻す。
このように、予測制御系統PCSによる制御で制御量が過大に変化して上記の偏差が所定値を超えた場合に、フィードバック制御系統FBCSによる制御に切り替えることで、制御量を小さくすることができる。
ステップS6において、切替制御部323により上記の偏差が所定値を超えていないと判定されると(NO)、切替制御部323は、切替部33が第1制御部321に接続されているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9において、切替制御部323は、切替部33が第1制御部321に接続されていると判定されると(YES)、処理をステップS2に戻す。また、ステップS9において、切替制御部323は、切替部33が第1制御部321に接続されていないと判定されると(NO)、切替部33をフィードバック制御系統FBCSから予測制御系統PCSに切り替えて(ステップS10)、処理をステップS2に戻す。
プロセス値に対する制御量の変動が少なければ、フィードバック制御系統FBCSによる制御は有効に機能する。しかしながら、フィードバック制御では、目標値に対する制御量の現在値の偏差をなくすように制御が行われるので、制御が目標値の変化に即時に追従できずに遅れを生じると、偏差の解消が困難になり、ハンチングやオーバーシュートが発生しやすくなる。
これに対し、予測制御系統PCSによる予測値に基づく制御では、偏差の拡大を予測して、まだ小さい偏差の兆しがある程度の時点で予測値を用いて制御量を制御する。これにより、偏差を小さく制御することができる。
〈制御動作の詳細〉
制御装置3の制御動作について詳細に説明する。ここでは、蒸気発生装置2の出口蒸気すなわち3次過熱器233の出口蒸気の温度を制御量として制御する例について説明する。
予測モデル作成装置4によって作成された予測モデルは、重回帰分析の回帰式である。回帰式において、目的変数は3次過熱器233の出口蒸気の温度(以降、単に「出口蒸気温度」と称する)であり、プロセス値すなわち説明変数として、焼却炉1の排出部1bにおける排ガスの流量(流量計272の計測値)、排ガスの温度などが用いられる。
予測部31は、取得したプロセス値を説明変数として予測モデルとしての上記の回帰式に適用することにより、出口蒸気温度の予測値を算出して予測する。制御部32における第1制御部321は、当該予測値に基づいて2次注水弁252の開度を入力値として算出する。
第1制御部321は、簡易的には、例えば、ある値の出口蒸気温度を予測値として直接予測した場合、出口蒸気温度の現在値と予測値との差分を算出し、差分と開度とを対応付けたテーブルなどで、算出した差分に対応する開度の値を出力する。あるいは、第1制御部321は、制御量の現在値と予測値との偏差に基づいてPID制御を行うことにより、入力値を算出する。具体的には、出口蒸気温度の現在値と予測値との偏差に主にP(比例)制御を適用し、必要に応じてI(積分)制御やD(微分)制御を適用して、入力値を算出する。このように、PID制御に基づく入力値の算出は、上記の簡易的な入力値の算出と比べて、様々な外乱の影響を反映させやすい点で有利である。
第1制御部321は、上記のようにして算出した入力値を2次注水弁252に与える。これにより、2次注水弁252は、入力値として与えられた開度を増減するように弁を駆動する。この結果、変更された2次注水弁252の開度に応じて3次過熱器233への給水量が増減するので、それに応じて出口蒸気温度が変化する。
このように、予測値に基づく制御では、出口蒸気温度に影響を及ぼす複数のプロセス値に基づいて予測された予測値に基づいて制御が行われる。これにより、プロセス値の影響を軽減して出口蒸気温度の制御を行うことができる。
ここで、予測部31が上述した(1)~(4)のように構成される場合、それぞれ以下のような効果が得られる。
(1)予測部31が、予測値として、制御量の現在から第1所定時間後までの変化量を予測することにより、制御量の現在値に予測した変化量を加算することにより、制御量の現在から第1所定時間後の予測値を求めることができる。これにより、現在値を基準とした第1所定時間後の変化量を予測する。したがって、第1所定時間を短く設定することで、制御の精度をより高めることができる。
ここで、第1所定時間をそれぞれ1分、2分、3分に設定することにより、出口蒸気温度の現在値と予測値とを比較した結果について説明する。図3は、出口蒸気温度(制御量)の現在値と1分後の出口蒸気温度の予測値との比較を示すグラフである。図4は、出口蒸気温度の現在値と2分後の出口蒸気温度の予測値との比較を示すグラフである。図5は、出口蒸気温度の現在値と、3分後の出口蒸気温度の予測値との比較を示すグラフである。
図3から図5に示すように、1分後、2分後、3分後のそれぞれの予測値(破線)は、出口蒸気温度の現在値(実線)に対して左側にわずかにオフセットしている。このように、予測値に基づいて出口蒸気温度を制御することに問題なく利用できることがわかる。その結果、現在値と予測値との偏差が、従来のフィードバック制御による現在値と目標値との偏差と比べて改善されていることが確認された。
また、1分後の予測値では、最も小さい現在値と予測値の偏差が得られ、2分後の予測値では、2番目に小さい偏差が得られ、3分後の予測値では、最も大きい偏差が得られた。これにより、現在値に近い未来の予測値ほど予測精度が高くなると言える。
(2)予測部31が、制御量の現在から第1所定時間後の値と制御量の現在値との差を目的変数とし、プロセス値を説明変数とする予測モデルに基づいて制御量を予測することにより、遅延時間が考慮された目的変数を用いた予測モデルにより予測値が得られる。遅延時間としては、計測器による計測の遅れなどの遅延要素を総合すると1分から1分半程度の時間差が生じる。このような時間差を考慮すれば、第1所定時間は2分程度に設定することが好ましい。このように、遅延時間が制御に反映されることにより、制御量をより精度高く制御することができる。
(3)説明変数が、プロセス値の現在値とプロセス値の現在から第2所定時間前の値との差であることにより、焼却炉設備の規模、特性などに応じて、上記の差をとる時間幅を設定する。例えば、このような時間幅を、各説明変数について、焼却炉設備において最も精度が高く制御できる時間幅に設定する。これにより、各焼却炉設備に適した、より精度の高い制御を行うことができる。
(4)目的変数が、出口蒸気温度の現在から第1所定時間後の値と出口蒸気温度の現在値との差であることにより、遅延時間が考慮された目的変数を用いて重回帰分析により予測値が得られる。これにより、出口蒸気温度をより精度高く制御することができる。
また、第1制御部321は、予測部31が上記の(3)のように構成される場合、2次注水弁252に与える入力値を予測値に基づいて算出し、当該入力値に基づいて2次注水弁252の開度を制御する。第1制御部321は、出口蒸気温度の現在から第1所定時間後の値と出口蒸気温度の現在値との差に応じた開度の制御を細かい複数の段階で行うステップ制御により行う。第1制御部321は、例えば、上記の差が+3℃であれば、開度を3%増大するように制御する。
従来、このような制御は、フィードバック制御において行われていたが、本実施形態では、予測値に基づく制御に適用される。これにより、第1所定時間で設定される近い未来における出口蒸気温度を予測値に基づいて補正することにより、出口蒸気温度の制御の精度を高めることができる。したがって、出口蒸気温度の制御の安定性を向上することができる。
制御量として出口蒸気温度を制御する例としては、2次注水弁252の開度を制御する以外に、焼却炉1の焼却量、蒸気と低温熱源との熱交換量、ボイラ21の蒸気を通す配管の温度などであってもよい。焼却炉1の焼却量は、上述したように、給塵装置12が廃棄物を供給する速度を制御することにより、廃棄物の焼却量を調整することができる。また、蒸気と低温熱源との熱交換量は、ボイラ21の蒸気と空気、水などの低温熱源との熱交換を、蒸気を通す配管などにおいて行う熱交換器の熱交換量である。また、蒸気を通す配管の温度は、例えばペルチェ素子(温度調整器)によって冷却する一方、例えばヒータ(温度調整器)によって加熱することができる。したがって、これらの温度調整器の設定温度を制御すればよい。
なお、本実施形態では、上述したように、制御量として出口蒸気温度を制御する例を記載したが、本実施形態により制御される制御量はこれに限らず、例えば、蒸気量や排ガス値(NOx値)であってもよい。蒸気量を目的変数として制御する場合、説明変数としては、蒸気量(PV,MV)、排ガス流量、排ガス温度、焼却炉1内の温度、ボイラ21への給水量などが挙げられる。また、排ガス値を目的変数として制御する場合、説明変数としては、NOx(PV,MV)、焼却炉1内の温度、排ガスの酸素濃度などが挙げられる。
また、第1制御部321は、予測部31が上記の(3)のように構成される場合、上述した出口蒸気温度の予測値に基づいて、火格子部13に供給される燃焼空気の温度(以降、燃焼空気温度と称する)を制御してもよい。具体的には、制御量は出口蒸気温度であり、第1制御部321は、予測部31によって予測される出口蒸気温度の予測値に基づいて、焼却炉1内の空気予熱器15に与える入力値を算出し、当該入力値に基づいて空気予熱器15の温度を制御する。
このように、出口蒸気温度の予測値の変動を燃焼空気温度の変動に結び付けて燃焼空気温度を制御することにより、焼却炉1内の燃焼温度や排ガス流量を安定させることができる。その結果として、出口蒸気温度を安定させることができる。
なお、第1制御部321は、温度計18によって計測される火格子部13の温度、特に乾燥火格子131の温度が250℃以上である場合、燃焼空気の温度が20℃の一定値となるように制御してもよい。これにより、火格子部13の損傷を低減することができる。
なお、本実施形態における蒸気発生装置2は、1次過熱器231、2次過熱器232および3次過熱器233を有する3段の過熱構成であるが、2段の過熱構成であっても、本発明を適用できる。
〔SDGsへの貢献〕
上述の実施形態の構成によれば、焼却炉設備100の効率的な運営が可能になる。したがって、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう(インフラ、システム整備等)」の達成に貢献できる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置3および予測モデル作成装置4(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。このプロセッサおよび記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記実施形態で説明した各機能が実現される。
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
また、上記実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1に係る制御装置は、焼却炉と、前記焼却炉からの排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラにより発生した蒸気を過熱する過熱器と、前段の前記過熱器により過熱された蒸気の温度を低下させる減温器とを備える焼却炉設備における制御量を制御する制御装置であって、前記制御量に影響を及ぼす前記焼却炉設備における複数のプロセス値に基づいて制御時点での前記制御量の予測値を予測する予測部と、前記制御量を制御するための前記制御対象に与える入力の大きさを示す入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記制御量を前記入力値に基づいて制御する制御部と、を備えている。
上記構成によれば、制御量に影響を及ぼす複数のプロセス値に基づいて予測された予測値に基づいて制御が行われる。これにより、プロセス値の影響を軽減して制御量の制御を行うことができる。
本発明の態様2に係る制御装置は、上記態様1において、前記予測部が、前記予測値として、前記制御量の現在から第1所定時間後までの変化量を予測してもよい。
上記構成によれば、現在値を基準とした第1所定時間後の変化量を予測するので、第1所定時間を短く設定することで、制御の精度をより高めることができる。
本発明の態様3に係る制御装置は、上記態様2において、前記第1所定時間が、制御の遅れ要素に基づく遅延時間であり、前記予測部が、前記制御量の現在から前記第1所定時間後の値と前記制御量の現在値との差を目的変数とし、前記プロセス値を説明変数とする予測モデルに基づいて前記制御量を予測してもよい。
上記構成によれば、遅延時間が考慮された目的変数を用いた予測モデルにより予測値が得られる。これにより、制御量をより精度高く制御することができる。
本発明の態様4に係る制御装置は、上記態様3において、前記説明変数が、前記プロセス値の現在値と前記プロセス値の現在から第2所定時間前の値との差であってもよい。
上記の構成によれば、焼却炉設備の規模、特性などに応じて、説明変数においてプロセス値の差をとる時間幅を設定することにより、各焼却炉設備に適した、より精度の高い制御を行うことができる。
本発明の態様5に係る制御装置は、上記態様3において、前記目的変数が、前記蒸気温度の現在から前記第1所定時間後の値と前記蒸気温度の現在値との差であってもよい。
上記構成によれば、遅延時間が考慮された目的変数を用いて予測モデルにより予測値が得られる。これにより、蒸気温度をより精度高く制御することができる。
本発明の態様6に係る制御装置は、上記態様5において、前記説明変数が、前記プロセス値の現在値と前記プロセス値の現在から第2所定時間前の値との差であってもよい。
上記の構成によれば、焼却炉設備の規模、特性などに応じて、説明変数においてプロセス値の差をとる時間幅を設定することにより、各焼却炉設備に適した、より精度の高い制御を行うことができる。
本発明の態様7に係る制御装置は、上記態様3において、前記制御量が、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、前記制御部が、前記減温器への冷却水の注入量を調整する注水弁に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記注水弁の開度を前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御してもよい。
本発明の態様8に係る制御装置は、上記態様3において、前記制御量が、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、前記制御部が、前記焼却炉における廃棄物の焼却量を調整する給塵装置に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記給塵装置が廃棄物を供給する速度を、前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御してもよい。
本発明の態様9に係る制御装置は、上記態様3において、前記制御量が、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、前記制御部が、前記ボイラの蒸気と低温熱源により熱交換する熱交換器の熱交換量を調整する前記熱交換器に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記熱交換量を前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御してもよい。
本発明の態様10に係る制御装置は、上記態様3において、前記制御量が、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、前記制御部が、前記ボイラの蒸気を通す配管の温度を調整する温度調整器に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記温度調整器の設定温度を前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御してもよい。
上記の態様7~10の構成によれば、過熱器の出口における蒸気温度の制御の精度を高めることができる。
本発明の態様11に係る制御装置は、上記態様3において、前記焼却炉が、火格子と、当該火格子に供給する燃焼空気の温度を調整する空気予熱器とを有し、前記制御量が、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、前記制御部が、前記空気予熱器に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記入力値に基づいて前記空気予熱器の温度を制御してもよい。
上記の構成によれば、過熱器の出口の蒸気温度の予測値の変動を燃焼空気温度の変動に結び付けて燃焼空気温度を制御することにより、焼却炉内の燃焼温度や排ガス流量を安定させることができる。その結果として、出口蒸気温度を安定させることができる。
本発明の態様12に係る制御装置は、上記態様1から11のいずれかにおいて、前記制御部が、前記予測値に基づいた前記制御量の制御を行う予測制御系統を用いて制御を行っている場合、前記予測値に対する前記制御量の現在値の偏差が所定値を超えるときに、前記制御量が目標値に一致するように前記制御量を制御するフィードバック制御系統に切り替えて制御を行ってもよい。
上記の構成によれば、予測制御系統による制御で制御量が過大に変化した場合に、フィードバック制御系統による制御で制御量を小さくすることができる。
本発明の態様13に係る焼却炉設備は、上記態様1から8のいずれかに記載の制御装置と、焼却炉と、前記焼却炉からの排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラにより発生した蒸気を過熱する過熱器と、前記過熱器により過熱された蒸気の温度を低下させる前記減温器と、を備えている。
本発明の態様14に係る予測モデル作成装置は、上記態様3から11のいずれかに記載の制御装置に用いられる前記予測モデルを作成する予測モデル作成装置であって、計測された前記プロセス値を入力データとし、計測された前記制御量を出力データとして、前記入力データを用いて予測される前記予測値の前記出力データに対する偏差を最小にする前記予測モデルの重みを学習により決定する重み決定部を備えている。
上記の構成によれば、予測精度の高い予測モデルを作成することができる。
本発明の態様15に係る予測モデル作成装置は、上記態様14において、前記説明変数が、前記プロセス値の現在値と前記プロセス値の現在から第2所定時間前の値との差であり、前記予測モデル作成装置が、プロセス値のそれぞれについて前記予測モデルの精度が最も高くなるように前記第2所定時間を設定する時間設定部をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、予測モデルを用いた予測部による予測の精度を向上させることができる。
本発明の態様16に係る制御方法は、焼却炉と、前記焼却炉からの排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラにより発生した蒸気を過熱する少なくとも2つの過熱器と、隣り合う2つの前記過熱器の間で前段の前記過熱器により過熱された蒸気の温度を低下させる減温器とを備える焼却炉設備における制御対象の制御量を制御する制御方法であって、前記制御量に影響を及ぼす前記焼却炉設備における複数のプロセス値に基づいて制御時点での前記制御量の予測値を予測する予測工程と、前記制御量を制御するために前記制御対象に与える入力の大きさを示す入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記制御量を前記入力値に基づいて制御する制御工程と、を含んでいる。
これにより、態様1に係る制御装置と同じく、プロセス値の影響を軽減して制御量の制御を行うことができる。
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、実施形態にそれぞれ開示された異なる技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 焼却炉
3 制御装置
4 予測モデル作成装置
31 予測部
41 重み決定部
42 時間設定部
100 焼却炉設備
131 乾燥火格子(火格子)
132 燃焼火格子(火格子)
133 後燃焼火格子(火格子)
241 1次減温器(減温器)
242 2次減温器(減温器)
231 1次過熱器(過熱器)
232 2次過熱器(過熱器)
233 3次過熱器(過熱器)
251 1次注水弁(注水弁)
252 2次注水弁(注水弁)
PCS 予測制御系統
FBCS フィードバック制御系統

Claims (16)

  1. 焼却炉と、前記焼却炉からの排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラにより発生した蒸気を過熱する過熱器と、前記過熱器により過熱された蒸気の温度を低下させる減温器とを備える焼却炉設備における制御量を制御する制御装置であって、
    前記制御量に影響を及ぼす前記焼却炉設備における複数のプロセス値に基づいて制御時点での前記制御量の予測値を予測する予測部と、
    前記制御量を制御するための制御対象に与える入力の大きさを示す入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記制御量を前記入力値に基づいて制御する制御部と、を備えていることを特徴とする制御装置。
  2. 前記予測部は、前記予測値として、前記制御量の現在から第1所定時間後までの変化量を予測することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記第1所定時間は、制御の遅れ要素に基づく遅延時間であり、
    前記予測部は、前記制御量の現在から前記第1所定時間後の値と前記制御量の現在値との差を目的変数とし、前記プロセス値を説明変数とする予測モデルに基づいて前記制御量を予測することを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記説明変数は、前記プロセス値の現在値と前記プロセス値の現在から第2所定時間前の値との差であることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記制御量は前記過熱器の出口における蒸気温度であり、
    前記目的変数は、前記蒸気温度の現在から前記第1所定時間後の値と前記蒸気温度の現在値との差であることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  6. 前記説明変数は、前記プロセス値の現在値と前記プロセス値の現在から第2所定時間前の値との差であることを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記制御量は、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、
    前記制御部は、前記減温器への冷却水の注入量を調整する注水弁に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記注水弁の開度を前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  8. 前記制御量は、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、
    前記制御部は、前記焼却炉における廃棄物の焼却量を調整する給塵装置に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記給塵装置が廃棄物を供給する速度を、前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  9. 前記制御量は、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、
    前記制御部は、前記ボイラの蒸気と低温熱源により熱交換する熱交換器の熱交換量を調整する前記熱交換器に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記熱交換量を前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  10. 前記制御量は、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、
    前記制御部は、前記ボイラの蒸気を通す配管の温度を調整する温度調整器に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記温度調整器の設定温度を前記入力値に基づいて前記蒸気温度についての前記差に応じた複数の段階で制御することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  11. 前記焼却炉は、火格子と、当該火格子に供給する燃焼空気の温度を調整する空気予熱器とを有し、
    前記制御量は、前記過熱器の出口の蒸気温度であり、
    前記制御部は、前記空気予熱器に与える前記入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記入力値に基づいて前記空気予熱器の温度を制御することを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
  12. 前記制御部は、前記予測値に基づいた前記制御量の制御を行う予測制御系統を用いて制御を行っている場合、前記予測値に対する前記制御量の現在値の偏差が所定値を超えるときに、前記制御量が目標値に一致するように前記制御量を制御するフィードバック制御系統に切り替えて制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の制御装置と、
    焼却炉と、
    前記焼却炉からの排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラと、
    前記ボイラにより発生した蒸気を過熱する過熱器と、
    前記過熱器により過熱された蒸気の温度を低下させる前記減温器と、を備えていることを特徴とする焼却炉設備。
  14. 請求項3から11のいずれか1項に記載の制御装置に用いられる前記予測モデルを作成する予測モデル作成装置であって、
    計測された前記プロセス値を入力データとし、計測された前記制御量を出力データとして、前記入力データを用いて予測される前記予測値の前記出力データに対する偏差を最小にする前記予測モデルの重みを学習により決定する重み決定部を備えていることを特徴とする予測モデル作成装置。
  15. 前記説明変数は、前記プロセス値の現在値と前記プロセス値の現在から第2所定時間前の値との差であり、
    前記予測モデル作成装置は、プロセス値のそれぞれについて前記予測モデルの精度が最も高くなるように前記第2所定時間を設定する時間設定部をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の予測モデル作成装置。
  16. 焼却炉と、前記焼却炉からの排ガスを用いて蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラにより発生した蒸気を過熱する過熱器と、前記過熱器により過熱された蒸気の温度を低下させる減温器とを備える焼却炉設備における制御量を制御する制御方法であって、
    前記制御量に影響を及ぼす前記焼却炉設備における複数のプロセス値に基づいて制御時点での前記制御量の予測値を予測する予測工程と、
    前記制御量を制御するための制御対象に与える入力の大きさを示す入力値を前記予測値に基づいて算出し、前記制御量を前記入力値に基づいて制御する制御工程と、を含んでいることを特徴とする制御方法。
JP2022135424A 2022-08-26 2022-08-26 制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置 Pending JP2024031699A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022135424A JP2024031699A (ja) 2022-08-26 2022-08-26 制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置
PCT/JP2023/023338 WO2024042839A1 (ja) 2022-08-26 2023-06-23 制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022135424A JP2024031699A (ja) 2022-08-26 2022-08-26 制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024031699A true JP2024031699A (ja) 2024-03-07

Family

ID=90012871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022135424A Pending JP2024031699A (ja) 2022-08-26 2022-08-26 制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024031699A (ja)
WO (1) WO2024042839A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2907672B2 (ja) * 1993-03-12 1999-06-21 株式会社日立製作所 プロセスの適応制御方法およびプロセスの制御システム
JPH1061932A (ja) * 1996-06-14 1998-03-06 Nkk Corp ごみ焼却炉の燃焼制御方法
JPH10292902A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Toshiba Corp 主蒸気温度制御装置
JP3712329B2 (ja) * 1999-02-03 2005-11-02 株式会社日立製作所 プロセスの制御装置
JP2004020011A (ja) * 2002-06-14 2004-01-22 Tlv Co Ltd 蒸気減温装置
JP4942788B2 (ja) * 2009-06-04 2012-05-30 株式会社神鋼環境ソリューション 焼却炉の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024042839A1 (ja) 2024-02-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9447963B2 (en) Dynamic tuning of dynamic matrix control of steam temperature
Krüger et al. Optimization of boiler start-up using a nonlinear boiler model and hard constraints
US9217565B2 (en) Dynamic matrix control of steam temperature with prevention of saturated steam entry into superheater
US9841185B2 (en) Steam temperature control using model-based temperature balancing
JP4131859B2 (ja) 蒸気温度制御装置及び蒸気温度制御方法並びにこれらを用いた発電プラント
US9335042B2 (en) Steam temperature control using dynamic matrix control
JPS63243602A (ja) 改善された蒸気温度制御
CN107664300B (zh) 多目标蒸汽温度控制
Zima Simulation of rapid increase in the steam mass flow rate at a supercritical power boiler outlet
Wu et al. Physics-informed energy-balanced modeling and active disturbance rejection control for circulating fluidized bed units
US10012114B2 (en) Method and device for controlling a temperature of steam for a steam power plant
WO2024042839A1 (ja) 制御装置、制御方法、焼却炉設備および予測モデル作成装置
Kruger et al. Optimal control for fast boiler start-up based on a nonlinear model and considering the thermal stress on thick-walled components
JP3965615B2 (ja) プロセス制御装置
Hubka et al. The practical possibilities of steam temperature dynamic models application
JP2017227393A (ja) 蒸気温度制御装置、蒸気温度制御方法、および発電システム
JP2001041403A (ja) ボイラ制御装置
JPS6199001A (ja) 火力発電ボイラの蒸気温度制御装置及び制御方法
JPS6346303A (ja) 火力発電ボイラの蒸気温度制御装置
JP3291467B2 (ja) プロセスの予測制御方法及び装置
Molloy Modelling and predictive control of a drum-type boiler
WO2021140900A1 (ja) ボイラの運転シミュレータ、ボイラの運転支援装置、ボイラの運転制御装置、ボイラの運転シミュレーション方法、ボイラの運転シミュレーションプログラム、及びボイラの運転シミュレーションプログラムを記録した記録媒体
JPH10299424A (ja) ごみ焼却発電プラント蒸気温度制御方法
JP2002023806A (ja) プロセスの制御装置
Begum et al. Application of Different Controllers and their Evaluation for Super Heater Temperature Control in Thermal Power Plant.