JP2024031589A - 耐遅れ破壊特性に優れた亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐遅れ破壊特性に優れた亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】下地鋼板の組成に関わりなく発現する優れた耐遅れ破壊特性を有し、しかも低コストに製造することができる表面処理亜鉛系めっき鋼板を提供する。【解決手段】引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、その表面に形成された次亜リン酸塩を含有する皮膜を有し、この皮膜中の次亜リン酸塩の付着量を0.01~2g/m2とする。皮膜中に含有される次亜リン酸塩は、還元反応性が高いために、湿潤下での腐食過程において下地鋼板と反応して還元性リン酸鉄を形成し、これが水素発生サイトである地鉄露出部を被覆するため、鋼中への水素侵入が抑制される。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車や建材などに用いられる亜鉛系めっき鋼板であって、耐遅れ破壊特性が要求される1180MPa(約120kgf/mm)以上の引張強度を有する高強度表面処理亜鉛系めっき鋼板及びその製造方法に関するものである。
近年、自動車分野において、環境保護の観点から車体軽量化によるCO排出量の削減が求められている。また、乗員保護の観点から衝突安全性の向上も求められており、自動車用鋼板の高強度化が図られている。しかしながら、鋼材の強度を高めていくと、遅れ破壊という現象が生じやすくなることが知られている。遅れ破壊とは、高強度鋼材が静的な負荷応力(引張強度未満の負荷応力)を受けた状態で、一定時間が経過したとき、塑性変形を伴うことなく、突然脆性的な破壊が生じる現象である。
遅れ破壊は、環境から鋼中に侵入した水素により引き起こされることが知られており(水素脆性)、水素の侵入経路としては、鋼板の製造・加工段階における酸洗工程、湿式めっき工程、大気環境下における腐食が挙げられる。非特許文献1には、水素脆性感受性は鋼材強度の増大とともに激しくなり、添加合金元素の増減に関わりなく、引張強度1200MPa以上の高強度鋼で顕著となることが報告されている。また、非特許文献2には、引張強度が1180MPa級の高強度冷延鋼板において、特定の加工条件や水素侵入量では水素割れが発生することが報告されている。
大気環境下において耐食性が求められる部材には、亜鉛めっき鋼板が広く用いられている。これは、亜鉛が優れた犠牲防食作用を有しているためであるが、犠牲防食反応の対反応として地鉄上では水素発生反応が起きるため、高強度亜鉛めっき鋼板では遅れ破壊が大きな懸念となっている。
高強度鋼板におけるこのような遅れ破壊を防止するために、例えば、特許文献1では、鋼板の組織や合金成分を調整することにより、遅れ破壊感受性を弱める検討がなされ、質量%で、C:0.07~0.25%、Si:0.3~2.50%、Mn:1.5~3.0%、Ti:0.005~0.09%、B:0.0001~0.01%、P:0.001~0.03%、S:0.0001~0.01%、Al:2.5%以下、N:0.0005~0.0100%、O:0.0005~0.007%を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、鋼板組織がフェライトを主とし、1μm以下のブロックサイズより構成されるマルテンサイトを含み、フェライトの体積率が50%以上、マルテンサイト中のC濃度が0.3%~0.9%、降伏比(YR)が0.75以下である延性及び耐遅れ破壊特性の良好な引張最大強度900MPa以上を有する高強度鋼板が提案されている。しかし、この特許文献1の手法では、外部環境から鋼板内部に侵入する水素量は変化しないため、遅れ破壊の発生を遅らせることは可能であるが、遅れ破壊自体を防止することはできない。さらに、合金成分の増加による溶接性の劣化が懸念される。
鋼中への水素の侵入を防ぐ方法として、鋼板に表面処理を施すことが検討されている。例えば、特許文献2では、鋼材表面に、バナジウム酸化物及び/又はモリブデン酸化物を含有する樹脂組成物からなる下塗り層と、銅酸化物を含有する樹脂組成物からなる上塗り層を設けることで水素脆性を防止する検討がなされている。しかし、特許文献2に記載の技術は、硫化水素が存在する環境下での腐食に限定されており、大気腐食環境下での腐食は考慮されていない。
大気腐食環境下での水素侵入を防ぐ表面処理技術としては、Mg、Ti、V、Zr、La、Fe、Si、Mo、Niの中から選ばれる1種以上の元素又はこれらのうちの2種以上の元素を含む化合物の微粒子を含有する皮膜を鋼板表面に被覆する技術(特許文献3~5)、導電性高分子及びアニオンからなる皮膜を酸洗処理後の鋼板表面に形成する技術(特許文献6)、Mo酸塩、W酸塩、Ca塩、Be塩の中から選ばれる1種以上の金属酸塩とP化合物を含有する皮膜を鋼板表面に形成する技術(特許文献7、8)、pH緩衝性を有するアニオン化合物を含有し、さらに好ましくはAl、Mg、Ca、Zn、V、Moの中から選ばれる金属の1種以上を含有する下層皮膜を有し、その上層にアニオン化合物を含有し又は含有しない有機樹脂を有する皮膜を鋼板表面に形成する技術(特許文献9)などが提案されている。しかし、これらの技術により形成される皮膜は、主として冷延鋼板表面に施されており、大気腐食環境下において冷延鋼板よりも水素の侵入が厳しい亜鉛めっき鋼板に対しての効果は不明である。
大気腐食環境下での亜鉛めっき鋼板への水素侵入を防ぐ表面処理技術として、例えば、亜鉛めっきされた高強度鋼板表面にビスマスを含有する化成処理層を形成することで、鋼板表面での水素発生を抑える検討がなされている(特許文献10)。しかし、ビスマスは非常に高価であるため、製造コストが高くなるという問題がある。また、めっき中にNiを添加した亜鉛-ニッケル系めっき層を高強度鋼板表面に形成することにより水素侵入を抑制する技術(特許文献11)が提案されている。しかし、この技術は電気めっき処理によりめっきが製膜されるため、自動車や建材分野で広く用いられている溶融亜鉛めっき鋼板への適用は難しい。
また、以上で挙げたいずれの特許文献の技術でも常温以上の温度では効果が見られるものの、寒冷地のような低温環境における効果は不明である。
特開2011-111671号公報 特開平2-21970号公報 特開2003-41384号公報 特開2016-160507号公報 特開2017-2354号公報 特開2018-44240号公報 特開2018-109216号公報 特開2018-168467号公報 特開2018-188707号公報 特開2015-209585号公報 特開2019-26893号公報
松山晋作著、「遅れ破壊」、日刊工業新聞社、1989年 田路勇樹、外4名、「高強度薄鋼板の耐水素脆化特性評価法」、鉄と鋼、日本鉄鋼協会、2009年、Vol.95、No.12、p.887-894
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、下地鋼板の組成に関わりなく発現する優れた耐遅れ破壊特性を有し、しかも低コストに製造することができる亜鉛系めっき鋼板(表面処理亜鉛系めっき鋼板)及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋼板を表面処理することにより水素侵入を抑制する手段について鋭意検討及び研究を重ねた。その結果、次亜リン酸塩を含有する皮膜を亜鉛系めっき鋼板上に形成することにより、鋼板の遅れ破壊を効果的に抑制できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する皮膜を有し、該皮膜中の次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[2]引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜又は無機系皮膜を有し、該皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[3]引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する下層皮膜と、該下層皮膜の上層に形成された有機樹脂皮膜を有し、前記下層皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[4]引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された下層皮膜と、該下層皮膜の上層に形成された次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を有し、該有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[5]引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する下層皮膜と、該下層皮膜の上層に形成された次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を有し、前記下層皮膜及び有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量がそれぞれ10~50質量%であり且つ下層皮膜及び有機樹脂皮膜中での次亜リン酸塩の合計付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[6]上記[2]~[5]のいずれかの亜鉛系めっき鋼板において、有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシエステル樹脂の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[7]上記[1]~[6]のいずれかの亜鉛系めっき鋼板において、次亜リン酸塩が、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸マンガンの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
[8]引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する皮膜を形成し、該皮膜中の次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[9]引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系又は無機系処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜又は無機系皮膜を形成し、該皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[10]引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を形成し、次いで、該下層皮膜の表面に有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に有機樹脂皮膜を形成し、前記下層皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[11]引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、処理液を塗布し、乾燥させることにより下層皮膜を形成し、次いで、該下層皮膜の表面に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成し、該有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[12]引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を形成し、次いで、該下層皮膜の表面に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成し、前記下層皮膜及び有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量がそれぞれ10~50質量%であり且つ下層皮膜及び有機樹脂皮膜中での次亜リン酸塩の合計付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[13]上記[9]~[12]のいずれかの亜鉛系めっき鋼板において、有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシエステル樹脂の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[14]上記[8]~[13]のいずれかの亜鉛系めっき鋼板において、次亜リン酸塩が、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸マンガンの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
[15]引張強度が1180MPa以上の亜鉛系めっき鋼板の遅れ破壊を抑制するための皮膜を亜鉛系めっき鋼板の表面に形成するための表面処理液であって、次亜リン酸塩を含有することを特徴とする表面処理液。
本発明の亜鉛系めっき鋼板は、その表面に特定の成分を含有する皮膜が形成されることにより、遅れ破壊が効果的に抑制される優れた耐遅れ破壊特性を有し、この優れた耐遅れ破壊特性は、下地鋼板の組成に関わりなく得られる利点がある。また、本発明の亜鉛系めっき鋼板は、表面の皮膜にビスマスなどのような高価な材料を使用しないため、低コストに製造することができる。このため自動車や建材に好適な表面処理亜鉛系めっき鋼板であり、それらの用途に高強度材を使用することによる重量削減が可能となる。
また、本発明の製造方法によれば、以上のような優れた耐遅れ破壊特性を有する亜鉛系めっき鋼板を適切且つ低コストに製造することができる。
図2の耐遅れ破壊性評価用試験片を構成する、亜鉛めっき鋼板を加工して得られた試験片を示す平面図 実施例で用いた耐遅れ破壊性評価用試験片を模式的に示す図面 実施例において行った低温環境での腐食を模擬した複合サイクル腐食試験の工程を示す説明図
本発明の耐遅れ破壊性に優れた表面処理亜鉛系めっき鋼板の基材(基質)となる鋼板は、引張強度が1180MPa以上の高強度鋼板であり、引張強度が1470MPa以上の高強度鋼板であることがより好ましい。引張強度が低い鋼板は、本質的に遅れ破壊が生じにくい。本発明の効果は、引張強度が低い鋼板でも発現されるが、引張強度が1180MPa以上の鋼板で顕著に発現され、引張強度が1470MPa以上の鋼板でより顕著に発現される。その化学組成や鋼組織は特に限定されない。
本発明において好ましく用いられる高強度鋼板は、所望の引張強度を有するものであれば、いかなる組成および組織を有するものでもよい。機械特性などの諸特性を向上させるために、例えば、C、Nなどの侵入型固溶元素およびSi、Mn、P、Crなどの置換型固溶元素の添加による固溶体強化、Ti、Nb、V、Alなどの炭・窒化物による析出強化、W、Zr、B、Cu、希土類元素などの強化元素の添加などの化学組成的改質を行うことができる。また、再結晶の起こらない温度で回復焼きなましすることによる強靭化あるいは完全に再結晶させずに未再結晶領域を残す部分再結晶強化を行うことができる。さらに、ベイナイトやマルテンサイト単相化あるいはフェライトとこれら変態組織の複合組織化といった変態組織による強化、フェライト粒径をdとしたときのHall-Petchの式:σ=σ+kd-1/2(式中σ:応力、σ、k:材料定数)で表される細粒化強化、圧延などによる加工強化を行うことができる。なお、これら組織的ないし構造的改質を単独でまたは複数を組み合わせて行うことができる。
このような高強度鋼板の組成としては、例えば、C:0.1~0.4質量%、Si:0~2.5質量%、Mn:1~3.5質量%、P:0~0.05質量%、S:0~0.005質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成とすることができる。鋼板の成分組成は、さらに、任意元素として、Cu:1.0質量%以下、Ti:0.2質量%以下、V:0.5質量%以下、sol.Al:0.1質量%以下、Cr:1.0質量%以下、Nb:0.2質量%以下、W:0.5質量%以下、Zr:0.1質量%以下、B:0.005質量%以下、N:0.0005~0.0100質量%、Ni:0.01~2.00質量%、Mo:0.005~2.000質量%、Ca:0.0002~0.0050質量%、REM:0.0002~0.0050質量%、Sb:0.002~0.200質量%、Sn:0.002~0.200質量%からなる群から選ばれる1種または2種以上を含んでいてもよい。一般にこれらの任意元素は、合計で4質量%程度を限度に添加されることが好ましい。また、各元素の含有量の下限としては、Si、sol.Al及びCrについては0.01質量%、Cu、Ti、V、Nb、W及びZrについては0.005質量%、P:0.001質量%、B及びSについては0.0001質量%、程度がそれぞれ好ましい。
また、高強度鋼板として商業的に入手可能なものとしては、例えば、JFE-CA1180、JFE-CA1320、JFE-CA1470、JFE-CA1180SF、JFE-CA1180Y1、JFE-CA1180Y2(以上、JFEスチール(株)製)、SAFC1180D(日本製鉄(株)製)などが非限定的に例示できる。また、冷延鋼板、熱延鋼板のいずれも高強度鋼板として利用できる。
また、高強度鋼板の板厚も特に限定されないが、一般には0.8~5mm程度、より好ましくは1.0~2.0mm程度が適当である。
高強度鋼板(下地鋼板)を被覆する亜鉛系めっきは亜鉛を主成分とするめっきであり、溶融めっき法、電気めっき法、無電解めっき法、蒸着めっき法などのいずれのめっき方法で形成されたものでもよい。なお、溶融亜鉛めっきには、めっき後に合金化処理される合金化溶融亜鉛めっきも含まれる。また、亜鉛系めっきには、電気めっき、無電解めっき、蒸着めっき法などのいずれかのめっき方法で形成された亜鉛合金めっきも含まれる。亜鉛合金めっきの例としては、例えば、亜鉛-ニッケル、亜鉛-マンガン、亜鉛-アルミニウム、亜鉛-アルミニウム-マグネシウムめっき等が挙げられる。
以上のような亜鉛系めっきは、高強度鋼板(下地鋼板)の少なくとも一方の表面に形成される。
本発明では、以上のような亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層(少なくとも鋼板の一方の表面に形成された亜鉛系めっき層)の表面に、次亜リン酸塩を含有する所定の付着量の皮膜を有するものであり、これにより腐食環境での水素の侵入が抑制され、優れた耐遅れ破壊特性が得られる。
一般的に亜鉛系めっき鋼板中への水素侵入は、湿潤下での腐食過程において、亜鉛の犠牲防食作用の対反応として起こる地鉄上での水素発生反応によるところが大きい。したがって、水素発生サイトである地鉄露出部の増加を抑制することが水素侵入の抑制につながると考えられる。本発明において皮膜中に添加する次亜リン酸塩は、還元反応性が高いために、湿潤下での腐食過程において下地鋼板と反応して還元性リン酸鉄を形成し、これが水素発生サイトである地鉄露出部を被覆するため、水素侵入の抑制につながるものと考えられる。防錆添加剤として従来からよく使用されてきたトリポリリン酸二水素アルミニウム等も、液膜中に溶出した有効成分が腐食環境中に共存する他のイオンに作用して、水に難溶性あるいは不溶性の塩を形成し、地鉄露出部を被覆することが知られている。しかし、次亜リン酸塩は地鉄と直接的に反応して還元性リン酸鉄を形成するため、前述の防錆添加剤による被覆よりも金属素地との密着性が良いと考えられることから、水素発生サイトである地鉄露出部の被覆効果が高いと考えられる。
皮膜に含有させる次亜リン酸塩としては、例えば、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸マンガンなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
次亜リン酸塩を含有する皮膜をめっき鋼板表面に形成する形態に制限はなく、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分などとともに含有する皮膜としてもよいし、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜としてもよい。また、2層以上の皮膜からなる複層被覆において、1層または2層以上を次亜リン酸塩含有皮膜としてもよい。したがって、本発明の亜鉛系めっき鋼板の代表的な形態としては、以下のものが挙げられる。但し、本発明の亜鉛系めっき鋼板では、何らかの形態で次亜リン酸塩を含有する皮膜が形成されればよいので、以下のものに限定されるものではない。
(i)亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層(少なくとも鋼板の一方の表面に形成された亜鉛系めっき層)の表面に、次亜リン酸塩を含有する無機系皮膜を有する。この無機系皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
(ii)亜鉛系めっき層(少なくとも鋼板の一方の表面に形成された亜鉛系めっき層)の表面に、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を有する。この有機樹脂皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
(iii)亜鉛系めっき層(少なくとも鋼板の一方の表面に形成された亜鉛系めっき層)の表面に、次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を有し、この下層皮膜の上層に有機樹脂皮膜を有する。前記下層皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分又は/及び有機樹脂とともに含有する。
(iv)亜鉛系めっき層(少なくとも鋼板の一方の表面に形成された亜鉛系めっき層)の表面に、無機成分又は/及び有機樹脂からなる下層皮膜を有し、この下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を有する。この有機樹脂皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
(v)亜鉛系めっき層(少なくとも鋼板の一方の表面に形成された亜鉛系めっき層)の表面に、次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を有し、この下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を有する。前記下層皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分又は/及び有機樹脂とともに含有し、前記有機樹脂皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
次亜リン酸塩を含有する皮膜が、腐食環境下において遅れ破壊の発生を抑制する効果を十分に発現するためには、皮膜中での次亜リン酸塩の付着量を0.01~2g/mとする必要がある。次亜リン酸塩の付着量が0.01g/m未満では、皮膜中に次亜リン酸塩を含有させることによる効果(遅れ破壊の抑制効果)が十分に得られない。一方、次亜リン酸塩の付着量が2g/mを超えると、皮膜中の次亜リン酸塩から水膜中への有効成分の溶出量が増え、水膜中のイオンとリン酸化合物を形成し、地鉄上に沈殿してしまうと考えられ、その結果、下地鋼板と次亜リン酸塩との反応量が減少し、還元性リン酸鉄の形成量が減少してしまうものと考えられる。
なお、2層以上の皮膜からなる複層被覆の場合において、2層以上の皮膜が次亜リン酸塩を含有す場合の次亜リン酸塩の付着量は、当該2層以上の皮膜が含有する次亜リン酸塩の合計付着量である。
次亜リン酸塩の付着量は、めっき鋼板面に処理液を塗布して次亜リン酸塩を含有する皮膜を形成する際の処理液濃度や処理液の塗布量を調整することにより調整することができる。
また、皮膜中に次亜リン酸塩を他の無機成分又は/及び有機成分とともに含有する場合は、皮膜中での次亜リン酸塩の含有量を10~50質量%、好ましくは、遅れ破壊抑制の観点から30~50質量%とするのがよい。次亜リン酸塩を他の無機成分又は/及び有機成分とともに含有する場合は、次亜リン酸塩は皮膜の潤滑性を決定する一因子となるため、その含有量が10質量%未満では皮膜の潤滑性が低下する場合がある。また、含有量が50質量%を超えると塗装後耐水強度が低下する場合がある。
有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、これらの中から選ばれる1種以上を用いることができる。
有機樹脂皮膜は、次亜リン酸塩を含有するか否かに関わりなく、膜厚が小さいと腐食環境に対するバリア層としての機能が低下するため、膜厚は0.1μm以上とすることが好ましい。一方、自動車用鋼板の場合、プレス加工により所定の形状に加工された後に、スポット溶接により鋼板どうしを組み付ける工程がある。このとき、有機樹脂皮膜が厚すぎると溶接時の電流が流れず溶接不良となる場合があるため、鋼板の接合にスポット溶接を用いるような用途の場合は、有機樹脂皮膜の膜厚は4.0μm以下とすることが好ましい。
皮膜中の次亜リン酸塩の付着量は、例えば、皮膜表面にX線を照射し、次亜リン酸塩に含まれる元素の蛍光X線の強度を測定し、検量線と比較することで算出することができる。また、複層皮膜の場合、全体の次リン酸塩付着量を蛍光X線で測定した後、上層が有機系皮膜の場合は有機溶剤(例えばアセトン等)を用いて上層皮膜を溶解させ、下層皮膜のみの状態で次亜リン酸塩付着量を測定することで下層皮膜中の次亜リン酸塩付着量を得ることができる。また、上層が無機系皮膜の場合は、バフ研磨により上層皮膜を除去し、下層皮膜のみの状態で次亜リン酸塩付着量を測定することで下層皮膜中の次亜リン酸塩付着量を得ることができる。また、いずれの場合でも、全体の次亜リン酸塩付着量と下層皮膜中の次亜リン酸塩付着量の差分をとることで、上層皮膜中の次亜リン酸塩付着量を得ることができる。
また、皮膜中の次亜リン酸塩の含有量は、例えば、次亜リン酸塩の付着量を皮膜全体の付着量で除すことで算出することができる。皮膜全体の付着量は、例えば、皮膜が付着した状態と皮膜が付着していない状態の鋼板質量を測定し、その測定量の差分を鋼板面積で除すことで算出することができ、また、皮膜に含まれる元素の蛍光X線の強度を測定し、検量線と比較することでも算出することができる。皮膜に含まれる元素は、例えば、有機系皮膜の場合は炭素などが挙げられ、無機系皮膜の場合はケイ素やリンなどが挙げられる。また、複層皮膜の場合は、下層皮膜中の次亜リン酸塩付着量を下層皮膜の付着量で除すことで下層皮膜中の次亜リン酸塩含有量が得られ、上層皮膜中の次亜リン酸塩付着量を上層皮膜の付着量で除すことで上層皮膜中の次亜リン酸塩含有量が得られる。上層皮膜及び下層皮膜の付着量は、例えば、皮膜に含まれる元素の蛍光X線の強度を測定し、検量線と比較することで算出することができる。皮膜に含まれる元素は、例えば、有機系皮膜の場合は炭素などが挙げられ、無機系皮膜の場合はケイ素やリンなどが挙げられる。なお、測定元素が各層に混在して各層で分離定量化できない場合は、上層皮膜を除去することで下層皮膜の付着量が測定できる。上層皮膜の除去方法としては、例えば、上層皮膜が有機系皮膜の場合は有機溶剤(例えばアセトン等)を用いて溶解させる方法が挙げられ、上層皮膜が無機系皮膜の場合はバフ研磨により上層皮膜を除去する方法が挙げられる。上層皮膜除去後の下層皮膜の付着量測定方法としては、蛍光X線を使用することが測定精度の点から困難な場合には、断面厚さを走査電子顕微鏡により測定し、皮膜の密度から推算する方法が挙げられる。なお、上層皮膜除去前後の鋼板質量を測定し、その測定量の差分を鋼板面積で除すことで上層皮膜の付着量を得ることもできる。
また、有機樹脂皮膜の膜厚については、皮膜断面を観察し、任意視野の複数箇所(例えば、3箇所)で皮膜の厚さ(基材の亜鉛系めっき鋼板面から皮膜表面までの厚さ)を測定し、それらの平均値を膜厚とする。断面加工の方法は特に限定されないが、例えばFIB(Focused Ion Beam)加工などが挙げられる。
次に、本発明の亜鉛系めっき鋼板の製造方法について説明すると、さきに説明したような基材である亜鉛系めっき鋼板(鋼板の少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層)の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより、さきに説明したような、次亜リン酸塩を含有し、その次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mの皮膜を形成する。
処理液としては、次亜リン酸塩を含有する無機系皮膜を形成する場合は、例えば、次亜リン酸塩を添加した水系処理液などの無機系処理液が用いられる。また、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成する場合は、例えば、次亜リン酸塩を添加した水系樹脂溶液や有機溶媒系樹脂溶液などの有機樹脂系処理液が用いられる。したがって、本発明の製造方法の代表的な形態としては、以下のものが挙げられる。但し、本発明の製造方法では、何らかの処理液を塗布・乾燥することで次亜リン酸塩を含有する皮膜が形成されればよいので、以下のものに限定されるものではない。
(i)亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する無機系処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する無機系皮膜を形成する。この無機系皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
(ii)亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成する。この有機樹脂皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
(iii)亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を形成し、次いで、この下層皮膜の表面に有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に有機樹脂皮膜を形成する。前記下層皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分又は/及び有機樹脂とともに含有する。
(iv)亜鉛系めっき層の表面に、処理液を塗布し、乾燥させることにより下層皮膜(無機成分又は/及び有機樹脂からなる下層皮膜)を形成し、次いで、この下層皮膜の表面に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成する。この有機樹脂皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
(v)亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を形成し、次いで、この下層皮膜の表面に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成する。前記下層皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分又は/及び有機樹脂とともに含有し、前記有機樹脂皮膜は、次亜リン酸塩を単独で若しくは他の無機成分とともに含有する。
めっき鋼板面に処理液を塗布する方式は、塗布方式(バーコート)、スプレー方式、浸漬方式(およびロール絞り)のいずれでもよく、塗布後、インダクションヒーターなどの加熱手段で到達板温70~250℃程度で加熱乾燥させる。
また、2層以上の皮膜からなる複層被覆の場合には、皮膜毎に上述のような方法で処理液の塗布・加熱乾燥を行う。
皮膜中の次亜リン酸塩の付着量は、処理液濃度を調整すること、処理液の塗布量を調整すること、などにより調整する。
本発明の表面処理液は、引張強度が1180MPa以上の亜鉛系めっき鋼板の遅れ破壊を抑制するための皮膜を亜鉛系めっき鋼板の表面に形成するための表面処理液であり、次亜リン酸塩を含有するものである。
この表面処理液が、次亜リン酸塩以外の他の無機成分や有機樹脂を含む場合は、表面処理液の全固形分中での次亜リン酸塩の割合(全固形分質量に対する割合)を10~50質量%、望ましくは30~50質量%とすることが好ましい。その理由は、さきに説明した高強度亜鉛めっき鋼板に関する理由と同様である。
基材である亜鉛系めっき鋼板として、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いた。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板の下地鋼板は、成分組成がC:0.22質量%、Si:1.2質量%、Mn:3.0質量%、P:0.007質量%、S:0.0005質量%、残部Feおよび不可避的不純物からなり、引張強度が1580MPa、板厚が1.4mmである。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板(両面めっき鋼板)は、めっき付着量が片面当たり44g/m、亜鉛めっき皮膜のFe含有率が14質量%である。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板をトルエンに浸漬して、5分間超音波洗浄を行うことにより防錆油を除去し、供試材とした。
この供試材に、表1及び表2に示すリン酸塩(次亜リン酸塩又は正リン酸塩)を含有する皮膜を形成した。
リン酸塩を単独で含有する皮膜の場合には、脱イオン水にリン酸塩を添加(混合)したものを処理液(表1及び表2において※印を付した処理液)とし、この処理液を供試材表面にバーコートにより塗布した後、インダクションヒーターで到達板温が140℃となるように加熱乾燥して成膜した。なお、表1のNo.7は、リン酸塩ではなくホウ酸ナトリウムを単独で含有する皮膜を形成した場合であるが、上記方法に準じて成膜した。
リン酸塩を含む無機系皮膜の場合には、下記組成を有する処理液に表1及び表2に示す質量比(含有量)でリン酸塩を添加(混合)し、処理液Aとした。この処理液Aを供試材表面にバーコートにより塗布した後、インダクションヒーターで到達板温が140℃となるように加熱乾燥して成膜した。
[処理液の組成]
成分(a):炭酸ジルコニウムナトリウム 20質量%
成分(b):テトラエトキシシラン 1.68質量%
成分(c):ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル 0.43質量%
成分(d):1-ヒドロキシメタン-1、1-ジホスホン酸(9)+酒石酸(1) 1.22質量%(但し、括弧内の数値は質量比を示す)
成分(e):メタバナジン酸ナトリウム 0.34質量%
成分(f):チタンフッ化アンモニウム 0.07質量%
リン酸塩を含む有機樹脂皮膜の場合には、下記B1~B5のいずれかの樹脂溶液に表1及び表2に示す質量比(含有量)でリン酸塩を添加(混合)し、処理液B1~B5とした。この処理液B1~B5を供試材表面にバーコートにより塗布した後、インダクションヒーターで到達板温が140℃となるように加熱乾燥して成膜した。
B1:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:jER1009)
B2:アクリル樹脂(DIC(株)製、商品名:40-418EF)
B3:ウレタン樹脂(大日本塗料(株)製、商品名:VトップRCクリヤー)
B4:フッ素樹脂(旭硝子(株)製、商品名:ルミフロン LF552)
B5:エポキシエステル樹脂(DIC(株)製 商品名:ウォーターゾールEFD-5560)
以上述べたいずれの皮膜についても、皮膜中のリン酸塩の付着量は処理液中のリン酸塩濃度を調整することで調整した(No.7のホウ酸ナトリウムについても同様)。
以上のようにして得られた各亜鉛めっき鋼板について、皮膜構成を測定するとともに、以下の特性を評価した。その結果を、皮膜構成とともに表1及び表2に示す。
皮膜中のリン酸塩の付着量の測定では、蛍光X線を用いて皮膜付与前後のP量を測定し、その測定量の差分からリン酸塩の付着量を算出した。また、皮膜中のホウ酸ナトリウムの付着量の測定では、蛍光X線を用いて皮膜付与前後のB量を測定し、その測定量の差分からホウ酸ナトリウムの付着量を算出した。
皮膜中のリン酸塩の含有量の測定では、皮膜付与前後の鋼板質量を測定し、その測定量の差分を鋼板面積で除すことで皮膜全体の付着量を算出し、次亜リン酸塩の付着量を皮膜全体の付着量で除すことで、リン酸塩の含有量を算出した。
皮膜の膜厚の測定は、FIB加工により得られた断面をSEM観察し、任意視野の3箇所で皮膜の厚さ(基材めっき鋼板面から有機樹脂皮膜の表面までの厚さ)を測定し、それらの平均値を膜厚とした。
皮膜の付着量の測定では、皮膜付与前後の鋼板質量を測定し、その測定量の差分を鋼板面積で除すことで算出した。
(1)耐遅れ破壊性の評価
発明例および比較例の亜鉛めっき鋼板を、それぞれ幅35mm×長さ100mmのサイズにせん断した後、せん断時の残留応力を除去するために幅が30mmとなるまで研削加工するとともに、ボルトを取り付けるための穴あけ加工を施し、図1(図中の寸法はmm)の試験片を作製した。この試験片に対して、3点曲げ試験機を用いて曲げ半径が10mmとなるように90°曲げ加工を施した。図2に示すように、ボルト2(サイズ:M8)とナット3(サイズ:M8)を用いて、フランジ端の内側間隔の差が拘束前後で14mmとなるように試験片1の形状を固定し、耐遅れ破壊性評価用試験片を得た。このようにして作製した耐遅れ破壊性評価用試験片に対して、低温環境での腐食を模擬した図3に示すサイクルの乾湿繰り返し試験を行い、最大28日間試験を実施した。試験温度一定(10℃)とし、湿度サイクルは、相対湿度30%のDryステップ、相対湿度90%のWetステップと湿度増減ステップの計4ステップを1サイクルとした。各ステップは2時間ごとに切り替え、1サイクル8時間を繰り返して試験を行った。また、週2回Dryステップ開始時に純水で洗浄後に27mass%(付着塩分量1g/m)の食塩水をサンプルに噴霧することで塩化物を付与した。3サイクル毎(1日毎)の乾燥過程開始時に、目視によって耐遅れ破壊性評価用試験片の曲げ加工部での割れ発生の有無を確認し、割れが発生するまでの日数(以下、「割れ日数」という)を調べた。本試験では、発明例および比較例の各亜鉛めっき鋼板について3検体ずつ試験を実施し、その割れ日数の平均値を用い、以下の基準により耐遅れ破壊特性を評価し、◎のみを合格とした。なお、表1及び表2において割れ日数が29日とは、本実施例の結果では、割れが発生しなかったことを示す。
◎:割れ日数が29日以上
〇:割れ日数が20日以上、29日未満
△:割れ日数が10日以上、20日未満
×:割れ日数が10日未満
(2)塗装後耐食性の評価
発明例および比較例の亜鉛めっき鋼板を、それぞれ150mm×70mmのサイズにせん断して平板試験片とし、耐食性試験用試験片とした。この耐食性試験用試験片に、日本パーカライジング(株)製「パルボンド」を用い、標準条件(35℃、120秒)で浸漬による化成処理を施し、次いで、関西ペイント(株)製の電着塗料「GT-100」を用いた電着塗装と焼付処理を行った。電着塗装の塗膜厚は15μmとし、市販の電磁膜厚計を用いて膜厚の測定を行った。塗装後の試験片にカッターナイフを用いて素地に達するXカット(交差角60°~90°)を入れ、JIS Z2371で定められた塩水噴霧試験を840時間行い、試験後の試験片のクロスカットからの最大さび幅を計測し、耐食性の評価を行った。耐食性は、鋼板ままの最大さび幅を1とした場合の各試験片の最大さび幅Aを算出して以下のように評価し、◎、○を合格とした。
◎:A≦0.8
○:0.8<A≦0.95
△:0.95<A≦1.2
×:1.2<A
表1及び表2において、No.1(比較例)は次亜リン酸塩を含む皮膜を形成させていないめっき鋼板(合金化溶融亜鉛めっき鋼板ままの比較例)であるが、早期に割れが発生しており、耐遅れ破壊特性が低いことが分かる。No.2~4(比較例)は、表面に次亜リン酸塩を含まない皮膜を単層又は二層に成膜した表面処理亜鉛めっき鋼板であるが、No.1のめっき鋼板に比べて耐遅れ破壊特性が若干向上しているものもあるが、耐遅れ破壊特性の十分な改善はみられない。また、No.5~12は、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、ホウ酸ナトリウムのいずれかを含有する皮膜を単層又は二層に成膜した表面処理亜鉛めっき鋼板であり、No.1のめっき鋼板に比べて耐遅れ破壊特性が若干向上しているものもあるが、耐遅れ破壊特性の十分な改善はみられない。
これに対してNo.13~31(発明例)は、次亜リン酸塩を含む皮膜を本発明範囲内の付着量で形成しためっき鋼板であるが、優れた耐遅れ破壊特性が得られるとともに、塗装後耐食性も良好である。また、No.33、34(発明例)も優れた遅れ破壊特性が得られているが、皮膜中の次亜リン酸塩含有量が10質量%未満であるため、摺動性が劣化する懸念がある。
一方、次亜リン酸塩の付着量が本発明範囲外であるNo.32(比較例)のめっき鋼板は、No.1のめっき鋼板に比べて耐遅れ破壊特性が若干向上しているものの、発明例であるNo.13、21、24などのめっき鋼板に比べて耐遅れ破壊特性が劣っている。
Figure 2024031589000001
Figure 2024031589000002
1 試験片
2 ボルト
3 ナット

Claims (15)

  1. 引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する皮膜を有し、該皮膜中の次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
  2. 引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜又は無機系皮膜を有し、該皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
  3. 引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する下層皮膜と、該下層皮膜の上層に形成された有機樹脂皮膜を有し、前記下層皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
  4. 引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された下層皮膜と、該下層皮膜の上層に形成された次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を有し、該有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
  5. 引張強度が1180MPa以上である鋼板と、その少なくとも一方の表面に形成された亜鉛系めっき層と、該亜鉛系めっき層の表面に形成された次亜リン酸塩を含有する下層皮膜と、該下層皮膜の上層に形成された次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を有し、前記下層皮膜及び有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量がそれぞれ10~50質量%であり且つ下層皮膜及び有機樹脂皮膜中での次亜リン酸塩の合計付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板。
  6. 有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシエステル樹脂の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項2~5のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板。
  7. 次亜リン酸塩が、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸マンガンの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板。
  8. 引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する皮膜を形成し、該皮膜中の次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  9. 引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系又は無機系処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜又は無機系皮膜を形成し、該皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  10. 引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより、次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を形成し、次いで、該下層皮膜の表面に有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に有機樹脂皮膜を形成し、前記下層皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  11. 引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、処理液を塗布し、乾燥させることにより下層皮膜を形成し、次いで、該下層皮膜の表面に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成し、該有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量が10~50質量%であり且つ次亜リン酸塩の付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  12. 引張強度が1180MPa以上である鋼板の少なくとも一方の表面に亜鉛系めっき層が形成された亜鉛系めっき鋼板を基材とし、その亜鉛系めっき層の表面に、次亜リン酸塩を含有する処理液を塗布し、乾燥させることにより次亜リン酸塩を含有する下層皮膜を形成し、次いで、該下層皮膜の表面に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂系処理液を塗布し、乾燥させることにより、下層皮膜の上層に次亜リン酸塩を含有する有機樹脂皮膜を形成し、前記下層皮膜及び有機樹脂皮膜中の次亜リン酸塩の含有量がそれぞれ10~50質量%であり且つ下層皮膜及び有機樹脂皮膜中での次亜リン酸塩の合計付着量が0.01~2g/mであることを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  13. 有機樹脂皮膜を構成する有機樹脂が、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシエステル樹脂の中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項9~12のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  14. 次亜リン酸塩が、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ニッケル、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸マンガンの中から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項8~12のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
  15. 引張強度が1180MPa以上の亜鉛系めっき鋼板の遅れ破壊を抑制するための皮膜を亜鉛系めっき鋼板の表面に形成するための表面処理液であって、次亜リン酸塩を含有することを特徴とする表面処理液。
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