JP2024031358A - 音量制御装置、電子楽器、音量制御方法及びプログラム - Google Patents

音量制御装置、電子楽器、音量制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】容易により適切な音量で音響出力することのできる音量制御装置、電子楽器、音量制御方法及びプログラムを提供する。【解決手段】音量制御装置は、音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得部と、音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成するDSP(70)と、を備える。音設定は、音量を規定する音量設定と、音設定の音量感に応じた音量の補正量に係る補正設定とを含む。DSP(70)は、音量設定で定められている音量を補正量により補正して音響出力信号を生成する。【選択図】図3

Description

この発明は、音量制御装置、電子楽器、音量制御方法及びプログラムに関する。
電子楽器では、ユーザの演奏操作に対して多様な音色や音量で音響出力することができる。これらの音色、音量や演奏効果(エフェクト)の設定は、個々にスイッチなどにより操作されるだけでなく、これらの組み合わせを予め設定したパッチなどと呼ばれる音設定を選択して演奏に適用することでも行われる。ユーザは、ライブ会場、演奏曲目や曲内の場面などの組み合わせに係るシーンごとにパッチを切り替えることで、容易に電子楽器の演奏の出力を所望の音色の間で容易かつ速やかに変更することができる。
また、電子楽器では、自機の演奏に係る楽音と外部からの音響データ入力、例えば他者の演奏や予め録音されている演奏データなどとを統合して音響出力することもできる。このときに組み合わされる楽音の音量設定などが異なると、一部の音が大きく他の音が効きづらいという場合が生じる。特許文献1の技術では、外部から歌唱者の音声の入力がある場合に、音声データの段階でその入力を検出して実際の音声出力前に相対的に音量などを調整している。
特開2007-298751号公報
しかしながら、同じような音量設定をしていても、音設定に係る種々のパラメータの違いにより、音響出力が聴感上適切な音量に聞こえない場合があるという課題がある。
この発明の目的は、容易により適切な音量で音響出力することのできる音量制御装置、電子楽器、音量制御方法及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、
音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得部と、
前記音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する音処理部と、
を備え、
前記音設定は、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた前記音量の補正量に係る補正設定とを含み、
前記音処理部は、前記音量設定で定められている前記音量を前記補正量により補正して前記音響出力信号を生成する
音量制御装置である。
本発明に従うと、容易により適切な音量で音響出力することができるという効果がある。
マルチエフェクタの上面を見た平面図である。 マルチエフェクタの機能構成を示すブロック図である。 DSP及びその周囲での信号の流れについて説明する図である。 パッチのエフェクトに係る設定内容の例を示す図表である。 (a)音量設定値と振幅の関係を示す図、及び(b)ギターアンプにおける入出力の関係の一例を示す図である。 音響出力制御処理の制御手順を示すフローチャートである。 音量補正処理の制御手順を示すフローチャートである。 電子楽器の上面を示す平面図である。 電子楽器の機能構成を示すブロック図である。 電子楽器における信号の流れを説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態の音量制御装置を含むマルチエフェクタ1の上面(操作面)を見た平面図である。
本実施形態のマルチエフェクタ1は、電子楽器の演奏データ(音源情報)の入力を受けて、当該演奏データに応じた音響出力を行う際の音を調整する。このマルチエフェクタ1は、電子楽器の演奏者であるユーザが足で当該電子楽器の演奏出力などに係るエフェクトを切り替え操作可能なものである。電子楽器は、特には限られないが、例えばここではギターである。マルチエフェクタ1は、操作受付部11と、表示部12と、接続端子群13(接続部)などを備える。
操作受付部11は、フットスイッチP1~P3と、フットペダルP4と、を含み、これらは足で操作しやすい配置及び操作性を有する。また、操作受付部11は、電源スイッチP5と、マスタ音量ダイヤルP6と、データ入力ダイヤルP7と、パッチ音量ダイヤルP8と、音量調整スイッチP9と、を含み、これらはパッチ(音設定)の内容の設定操作といった必要に応じてユーザが手で操作可能である。
フットスイッチP1は、バンクスイッチであり、音色や音量などの設定に係るパッチの選択群を上下に1つずつ切り替える。フットスイッチP2は、ナンバースイッチであり、選択されているバンクにおけるパッチの番号(ここでは、1~4のいずれか)を選択する。すなわち、パッチは、バンクとナンバーとの組み合わせに対して各々設定される。なお、直近で選択設定されたパッチの情報は、メモリ82などに記憶されてもよい。この場合、マルチエフェクタ1の電力供給が一度オフされて再起動された場合にも、引き続き選択されているパッチの設定が利用され得る。
フットスイッチP3は、コントロールスイッチであり、当該スイッチの操作に応じて予め設定されているエフェクトの設定値を異なる値に変更することができる。
フットペダルP4は、例えば、ユーザによる踏み込み操作に応じて予め設定されたエフェクトの実施有無を切り替えたり、エフェクトの設定値を予め設定されている2種類の値の間で変化させたりする。
電源スイッチP5は、マルチエフェクタ1の側面に位置し、入力操作に応じてマルチエフェクタ1の内部構成への電力供給有無を交互に切り替える。
マスタ音量ダイヤルP6は、上面(操作面)に垂直な方向に伸びる軸回りで回転操作を受け付け可能であり、回転位置に応じて各パッチなどに基づく出力音量の最大値を定める。
データ入力ダイヤルP7は、パッチの内容の作成変更時に回転操作されることで、パッチで定義されている各パラメータの設定値を変更する。
パッチ音量ダイヤルP8は、パッチの各々について設定される音量(パッチ音量)を変更するためのものである。パッチ音量ダイヤルP8に回転操作に応じて、選択されているパッチのパッチ音量の設定値が増減される。
音量調整スイッチP9は、押下されることで音量調整処理の開始命令を出力する。
なお、電源スイッチP5及び音量調整スイッチP9は、押しボタンスイッチではなくてもよい。例えば、電源スイッチP5及び/又は音量調整スイッチP9は、スライドスイッチやロッカースイッチなどであってもよい。また、マスタ音量ダイヤルP6、データ入力ダイヤルP7及びパッチ音量ダイヤルP8は、ダイヤル状の回転操作を受け付けるものではなくてもよい。例えば、これらは、2つの押しボタンスイッチの組であったり、スライドバーなどであったりしてもよい。
表示部12は、デジタル表示部121と、数値表示部122と、点灯表示部123などを備える。デジタル表示部121は、液晶表示画面(LCD)などを有し、制御信号に従って文字、数値、図形や標識などをLCDに表示させることができる。LCDには、後述のようにタッチパネルが重なって位置している。
数値表示部122は、数値を表示するためのセグメントを有し、ここでは3桁分の数字を表示することが可能となっている。セグメントは、液晶であってもよいし、LEDであってもよい。数値表示部122は、選択されているバンク(2桁)とナンバー(1桁:1~4)とを表示することができる。
点灯表示部123は、動作や選択に係るステータスに応じたLEDを点灯する。点灯表示部123は、例えば、4個のフットスイッチP2及び2個のフットスイッチP3にそれぞれ隣り合って位置する6個のLED123aと、フットペダルP4に隣り合って位置するLED123bと、音量調整及びパッチ編集に係るステータスを示す3個のLED123cとを有する。3個のLED123cは、それぞれ、“ADJUSTED”、“EDITED”、“ERROR”の文字標識と並んで位置している。
接続端子群13には、電力供給線の接続端子(AC)、音響信号出力端子(OUT)(ここでは左右別個)、マイク入力端子(MIC IN)、及び楽器(ギター)からの音響信号入力端子(GUITAR IN)が含まれる。音響信号入力端子から入力された電気信号である音響信号がマルチエフェクタ1内で調整される。調整後の音響信号(音響出力信号)が音響信号出力端子から楽器アンプへ出力される。音響信号には複数の音程が含まれていてもよく、また、ある音程の音に対して特徴的な周波数スペクトル分布で倍音列の音を含んでいてもよい。
図2は、マルチエフェクタ1の機能構成を示すブロック図である。
マルチエフェクタ1は、CPU41(Central Processing Unit)(設定取得部)と、RAM42(Random Access Memory)と、メモリ43と、LCDコントローラ44と、I/Oインターフェイス45(Input / Output)と、DSP70(Digital Signal Processing)(音処理部)などを備え、これらがバス90に接続されて、交互にデータをやり取り可能となっている。
CPU41は、演算処理を行ってマルチエフェクタ1を統括制御するプロセッサである。CPU41は、単一のものであってもよいし、複数のものが並列に、又は用途などに応じて独立に動作してもよい。CPU41は、汎用のプロセッサに限られず、専用に設計されたものであってもよい。
RAM42は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM42は、例えばDRAMであるが、これに限られるものではない。
メモリ43は、データを記憶保持する不揮発性のものである。例えば、メモリ43は、フラッシュメモリなどである。メモリ43は、CPU41によって実行されるプログラム431を記憶保持している。
LCDコントローラ44は、CPU41などから出力された表示対象画像データに基づいて、各RGB画素の発光有無や発光量を定め、LCD121aを駆動する。
I/Oインターフェイス45は、操作受付部11の各構成から直接、又は当該各構成が受け付けた操作内容を特定する構成などから検出内容に係る操作受付信号を取得する。I/Oインターフェイス45は、点灯表示部123のLED123a~123c及び数値表示部122の各セグメントに対して選択的に必要な電力を供給する駆動信号を出力する。また、I/Oインターフェイス45は、外付けされるマイクの受信音量(音響信号の振幅強度)を定める信号をCPU41から受けてマイク音量設定部62へ出力する。
I/Oインターフェイス45には、操作受付部11の入力操作の検出に係る構成が接続されている。ロータリーエンコーダ23は、データ入力ダイヤルP7の回転量を検出して検出結果をI/Oインターフェイス45へ出力する。ロータリーエンコーダ24は、パッチ音量ダイヤルP8の回転量を検出して検出結果をI/Oインターフェイス45へ出力する。タッチパネル25は、上記のようにLCD121aと重なって位置しており、タッチ操作が継続している間タッチ位置の情報をI/Oインターフェイス45へ出力する。
フットスイッチP1~P3は、それぞれ押下されると押下されたことを示す操作信号が出力されてI/Oインターフェイス45へ送られる。例えば、マスタ音量ダイヤルP6の回転操作に係る検出信号とフットペダルP4の踏み込み操作に応じた検出信号とがマルチプレクサ21により選択的に出力されている。選択出力されたデータは、ADC22によりデジタル変換されてI/Oインターフェイス45へ送られる。
接続検出部29は、マイク入力端子にマイクMが接続されている場合に検出信号をI/Oインターフェイス45へ出力する。
一方、マルチエフェクタ1は、音処理に係る構成として、プリアンプ51と、ADC53(アナログ/デジタル変換器)と、アンプ61と、上記のマイク音量設定部62と、ADC63と、DSP70と、DAC71(デジタル/アナログ変換器)と、アンプ72と、RAM81と、メモリ82などを備える。
プリアンプ51は、楽器(ギター)から入力された音響信号の振幅を増幅する。ADC53は、増幅した音響信号を適宜なサンプリングレート、例えば、44.1kHzでデジタル変換する。得られたデジタル信号は、DSP70に入力される。
アンプ61は、マイクから入力された音響信号の振幅を増幅する。マイク音量設定部62は、上述のように、CPU41からI/Oインターフェイス45を介して入力された制御信号に従ってこの音響信号を所定の倍率又は割合に振幅を調整する。ADC63は、マイク音量設定部62により調整された音響信号を適宜なサンプリングレートでデジタル変換する。得られたデジタル信号は、DSP70に入力される。
DSP70は、設定されているパッチ(音設定)に従って、ADC53から入力されたデジタル信号を調整して音響信号(音響出力信号)を生成、出力する処理(音処理)を行う。DSP70は、また、ADC63から入力された音響信号(音響入力信号)などを用いてパッチ音量の補正処理を行う。RAM81は、DSP70の処理に利用され、一時データを記憶する。RAM81は、例えば、DRAMである。メモリ82は、不揮発性メモリである。メモリ82は、DSP70の処理に用いられるパッチデータ821などの設定データや基準演奏データ822(ある演奏データ、音源情報)などを記憶保持する。
パッチデータ821には、上記のように音程、音色、音量や効果を具体的に既定する設定データであるパッチ(音設定)が含まれる。パッチは、設定可能上限数内で識別番号(バンク及びナンバーの組み合わせ)に対応付けられて記憶されている。操作受付部11への入力操作により指定されたパッチがパッチデータ821から読み出されて(取得されて)用いられる。
DSP70により調整されたデジタル信号は、DAC71に入力されてアナログ変換される。アナログ変換されて得られた音響出力信号は、アンプ72により増幅される。増幅された音響出力信号は、音響信号出力端子(OUT)に接続された外部の楽器アンプなどへ出力される。
次に、DSP70により行われるパッチに従った音処理について説明する。
図3は、DSP70及びその周囲での信号の流れについて説明する図である。
DSP70は、第1エフェクトモジュール701と、第2エフェクトモジュール702と、第3エフェクトモジュール703と、第4エフェクトモジュール704と、補正音量設定部705と、パッチ音量設定部706と、マスタ音量設定部707と、入力切替部708と、音量計測部709(音量取得部)とを含む。これらの各部は、各々別個のハードウェア構成である必要はなく、一部又は全部の処理がソフトウェア的に共通のプロセッサにより実行されるものであってもよい。一方で、プロセッサは、実行対象とされる処理に特化して設計、製造されたものであってもよく、すなわち、汎用のCPUではなくてもよい。
ADC52で音響信号からデジタル変換されたデジタル信号及び/又はメモリ82(演奏データ出力部)から入力される演奏データは、第1エフェクトモジュール701、第2エフェクトモジュール702、第3エフェクトモジュール703及び第4エフェクトモジュール704により最大4種類のエフェクトに応じた音の調整がなされる。各エフェクトモジュール701~704に割り当てられるエフェクトの種類は、パッチごとに定められている。
図4は、パッチのエフェクトに係る設定内容の例を示す図表である。
上記のように、パッチには、各エフェクトモジュール701~704に割り当てられるエフェクトの種別の設定と、当該割当の有無にかかわらず、マルチエフェクタ1で設定され得るエフェクトの設定パラメータとが、それぞれ記憶される。特に限られるものではないが、エフェクトの種別としては、例えば、ワウ(Wah)、コンプレッサ(Compressor)、オーバードライブ(Overdrive)、ディストーション(Distortion)、フェーザー(Phaser)、コーラス(Chorus)、フランジャ(Flanger)、ディレイ(Delay)、リバーブ(Reverb)などが挙げられる。
なお、4個のエフェクトを必要としない場合には、各エフェクトモジュール701~704の一部又は全部に対して「割り当てなし」が設定されてもよい。この設定がなされたエフェクトモジュールでは、音響信号の調整を行わずに入力されたデジタル信号をそのまま出力させる。
これらに加えて、パッチデータには、パッチごとに出力音量に係るパッチ音量(音量)の設定及び当該パッチ音量の補正に係る補正音量(補正量)の設定(補正設定)が記憶される。
第4エフェクトモジュール704から出力されたデジタル信号は、補正音量設定部705、パッチ音量設定部706及びマスタ音量設定部707(まとめて音量設定部705~707)により出力音量に応じた振幅に調整される。図5(a)は、音量設定値と振幅の関係を示す図である。各音量設定部705~707では、例えば、音量値として0~127(7ビット)の段階設定がなされ、基準値(例えば最大音量である127)に対する音の大きさの割合が定められてもよい。この音量値は、概ね振幅の平方根と対応する。したがって、各音量設定部705~707では、音量設定値に対応する振幅の音響出力信号が出力されるようにデジタル信号が調整される。
すなわち、マルチエフェクタ1から出力される音量は、これらの各音量設定部705~707の音量設定値を乗じたものに対応する。パッチ音量設定部706の設定値は、上記のようにパッチデータに含まれる。マスタ音量設定部707の設定値は、マスタ音量ダイヤルP6の回転量によりリアルタイムで設定される。補正音量設定部705の補正音量については後述する。
マスタ音量設定部707から出力されたデジタル信号は、上述のようにDAC71へ入力される。音響信号出力端子(OUT)から出力された音響出力信号は、楽器アンプ210(ギターアンプ)へ出力されて、当該楽器アンプ210の特性に応じて増幅される。増幅された音響出力信号は、スピーカ220により音に変換されて出力される。図5(b)は、ギターアンプにおける入出力の関係の一例を示す図である。ギターアンプでは、多くの場合、入力された音量設定に対して比例した音量に増幅せず、特に大音量では増幅率が飽和する。これにより、エレキギター特有の音が得られている。楽器アンプ210とスピーカ220(まとめて音響出力部)とは、一体的な構成であってもよいし、異なる製品が配線で接続されていてもよい。
スピーカ220からの音響出力は、マイクM(音響入力部)によって集音されて電気信号(音響入力信号)に変換されてもよい。マイク入力端子(MIC IN)にマイクケーブルが接続されたマイクMへ入力する音響の音量(入力音量)は、楽器アンプ210、スピーカ220及びマイクMのスピーカ220との位置関係などに応じたものとなる。マイクMで得られた音響入力信号は、マイク入力端子からマルチエフェクタ1へ入力される。音響入力信号は、アンプ61により増幅され、マイク音量設定部62により設定された振幅に変換(増幅。1倍未満を含む)された後、ADC63によりデジタル変換される。
ADC63により得られたデジタル信号は、音量計測部709に入力される。音量計測部709は、当該デジタル信号に係る音響入力信号の聴感上の音量感(ラウドネス)を求める。このような音量感の評価値(音量感に係るある特定の特性)としては、例えば、Loudness Units Full Scale(LUFS)やLoudness Units(LU)などが挙げられる。LUFSは、音響入力信号のある期間ごとの振幅のRMS(最小二乗平均)に対して等ラウドネス曲線などを適用して周波数ごとに重み付け加算されて(積分されて)算出される。例えば、人間の聴覚では、特に3-4kHz付近の周波数の音に対する感度が他の周波数の音に比して高い。したがって、3-4kHzの音では、他の周波数の音と比較して顕著に低い音圧レベル(信号強度)で、他の周波数と等しい音量感(ラウドネス)が得られる。音量計測部709は、等ラウドネス曲線のデータ、例えば、ラウドネスレベル(音量感)ごとに、周波数と音圧レベル(信号強度)とを対応付けるリストデータを記憶している。
一方で、DSP70では、入力切替部708の切り替えにより、パッチ音量設定部706が出力するデジタル信号をそのまま音量計測部709に入力させることもできる。この場合には、入力音量は、楽器アンプ210、スピーカ220及びマイクMのスピーカ220との位置関係などには依存しない。録音(収録)を行う場合の音量調整などであれば、実際の音響出力ではなく、デジタル信号のまま音量感に応じた補正音量の設定を行っても適宜な調整が可能である。また、ライブ会場で実際に音を出して調整することが困難な場合に、デジタル信号の間で音量感に応じた調整(音量補正)を行うことで、パッチ間の音量感の違いを低減可能である。
音量補正部411(補正設定部)は、補正音量設定部705が適用する補正音量(比率/倍率、信号強度)の設定を変更することができる。また、音量補正部411(整合設定部)は、マイク音量設定部62の適用する比率/倍率(信号強度)の設定を変更することができる。これらの変更は、音量計測部709の計測結果に基づいて行われ得る。音量補正部411は、CPU41の動作の一部であってもよいし、CPU41とは別個のプロセッサを有していてもよい。
DSP70による音響出力信号の生成、出力に係る処理動作(音処理ステップ、音処理手段)は、CPU41などの制御を介さず実行されてよい。すなわち、DSP70は、音響信号入力端子から音響信号が入力されてADC52によりデジタル信号に変換されて出力された場合、及びメモリ82に記憶された基準演奏データ822に応じたデジタル信号が出力されたりした場合には、機械的に音響出力信号の生成、出力を行ってよい。
次に、マルチエフェクタ1による音響出力の制御動作について説明する。
マルチエフェクタ1は、上述のようにパッチに設定された内容に基づいて入力された音響信号を調整して音響出力信号として出力する。パッチには、それぞれパッチ音量設定が含まれる。しかしながら、パッチに設定されている内容の違いによって、聴覚上の音量感(ラウドネス)には差が生じ得る。すなわち、出力する音の音程、その倍音列の周波数スペクトル分布(音色)などによって、同じ振幅であってもトータルの音量感が異なることになる。
マルチエフェクタ1では、各パッチに基づく出力音量(振幅)を、より聴覚上の音量(音量感に応じた音量。ラウドネス)と対応させるために、補正音量の設定をパッチに追加する。補正音量設定部705により、デジタル信号に対してこの補正音量が適用される。補正音量とパッチ音量との組み合わせにより、パッチ間での音量感の差が縮小される。
補正音量は、ここでは、元のパッチ音量に対して乗じられるパラメータ(係数)である。補正音量は、上記音程や周波数スペクトル分布などが反映された音量(基準音量)と出力音量との差分が基準以内となる(ある基準を満たして小さくなる)ように定められる。実際の出力音量は、パッチ音量に応じた振幅のRMS(最小二乗平均)に対して等ラウドネス曲線などを適用して算出したLUFSなどの想定値であってもよい。あるいは、出力音量は、実際にアンプから出力した音をマイクMにより集音して計測した実測値(振幅の計測値から上記手順でLUFSを算出したもの)であってもよい。
ユーザは、予め基準演奏を録音して(あるサンプリングレートで基準演奏データ822として記憶させて)おく。基準演奏は、ライブでの演奏内容を反映したものであってもよい。例えば、基準演奏は、演奏する曲の重要なフレーズであったり、バッキングなどで多用する和音(コード)をいくつか並べたものであったりしてもよい。マルチエフェクタ1では、この基準演奏を再生して(必要に応じて繰り返してもよい)、その出力音量を基準範囲に収めるように補正音量の設定処理が行われる。
実際にアンプから出力する音量の好ましい絶対値は、演奏を行うユーザや演奏(ライブ)会場などに応じて異なる。これは、メイン音量や楽器アンプ210の音量設定(増幅率)などによってパッチによらずに予め設定される。
次いで、上記の基準演奏に音量調整対象のパッチのうち基準となるもの(基準パッチ)を適用し、パッチ音量設定に係る音量のみを設定可能な最大音量に変更して出力する。この出力に応じたスピーカ220からの音響出力は、マイクMにより集音して増幅、デジタル変換されてデジタル信号とされる。デジタル信号の振幅が、音量計測部709の音量計測範囲の最大値(自身の最大取得可能音量)から基準範囲内に収まるように、マイク音量設定部62における音量設定(音響入力信号の信号強度)が調整される。これにより、出力音量と入力音量との整合が図られる。マイクMの集音は、マイクMとスピーカ220との位置関係、マイクMの指向性とその向き、マイクMの感度などの条件に依存する。したがってこのようにして、スピーカ220が出力する最大のパッチ音量による基準演奏が、音量計測部709により実際に最大音量として計測されるように調整される。これにより、調整対象となる任意のパッチにおける当該パッチで設定されているパッチ音量での出力に対する計測音量が、基準パッチの最大音量に対して相対的に定められる。
基準パッチは、例えば、ライブで最も重要な演奏シーンで用いられるパッチ、ライブの最初に用いられるパッチなどとされ得る。基準パッチは、ライブで用いられるパッチから任意に選択されてもよい。
一度設定された基準パッチの最大音量の情報(マイク音量の設定)は、そのままメモリ82に保持される。メモリ82に最大音量の情報が保持されている場合には、他のパッチの音量調整時には、最大音量の情報設定(更新)が行われない。基準パッチの設定内容を編集(変更)した場合、演奏曲目などに応じて基準パッチを他のパッチに変更する場合、異なる演奏会場に合わせて楽器アンプ210の再設定を行う場合などには、基準パッチの最大音量の情報を再設定する必要がある。操作受付部11への予め定められた入力操作に応じて、記憶されている基準パッチの情報が消去される。基準パッチの情報消去に加えて又は代えて、この情報の使用が不可であることを示すフラグが別途設定されてもよい。フラグは、専用の2値フラグではなくてもよい。例えば、マイク音量が実際には設定され得ない値(例えば「-1」など)とされることにより、最大音量の情報が利用不可(要更新)であることが示されてもよい。基準パッチの情報が保持されていない状況(上記フラグが設定されている状況)で音量調整スイッチP9が操作された場合には、基準パッチの最大音量の情報設定もなされる。
あるいは、音量調整スイッチP9の操作態様(例えば、基準時間以上の長押しなど)によって、基準パッチの最大音量の情報を再設定するか否かが決定されてもよい。この場合には、メモリ82に記憶されているそれまでの最大音量の情報が、再設定された最大音量の情報により上書き更新されればよい。
図6は、マルチエフェクタ1で実行される音響出力制御処理のCPU41による制御手順を示すフローチャートである。この音響出力制御処理は、電源スイッチP5がオンされたときにプログラム431から読み出されて起動され、電源スイッチP5がオフ操作を受け付けて終了処理がなされるまでの間継続的に実行される。なお、マルチエフェクタ1では、その動作に係る多様な処理が継続的に実行され得るが、ここでは、音量制御以外の処理については適宜記載を省略又は簡略化している。
音響出力制御処理が開始されると、CPU41は、各種設定パラメータなどを初期化する(ステップS101)。CPU41は、操作受付部11への入力操作を待ち受けて、入力操作の内容を取得する(ステップS102)。
CPU41は、取得した入力操作がフットスイッチP1、P2及びフットペダルP4などへのパッチの切り替え操作であるか否かを判別する(ステップS103)。入力操作がパッチの切り替え操作であると判別された場合には(ステップS103で“YES”)、CPU41は、取得された操作内容に応じたパッチへ設定を切り替える(ステップS104;設定取得ステップ、設定取得手段)。CPU41は、メモリ82のパッチデータ821から選択されたバンク及びナンバーのパッチの設定データを読み出して、DSP70の各部のレジスタなどに設定する。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作がパッチの切り替え操作ではないと判別された場合には(ステップS103で“NO”)、CPU41は、入力操作の内容がデータ入力ダイヤルP7やパッチ音量ダイヤルP8へのパッチ内容の編集操作であるか否かを判別する(ステップS105)。入力操作がパッチ内容の編集操作であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、CPU41は、現在選択されているバンク及びナンバーのパッチの内容を編集内容に応じて一時更新する(ステップS106)。このとき、CPU41は、点灯表示部123のLED123cのうち標識“EDITED”と対応するLEDを点灯させることで、現在設定されているパッチの内容を編集中であることを報知する。ここでいう一時更新は、DSP70の各部のレジスタの設定値の変更を意味し、また、更新情報は、RAM81などに一時的に記憶保持されてもよい。一方で、一時更新には、メモリ82のパッチデータ821を更新して保存することを含まない。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作がパッチ内容の編集操作ではないと判別された場合には(ステップS105で“NO”)、CPU41は、入力操作がパッチの保存操作であるか否かを判別する(ステップS107)。パッチの保存操作は、例えば、LCD121aの表示内容に応じたタッチパネル25への入力操作により受け付けられてもよい。入力操作がパッチの保存操作であると判別された場合には(ステップS107で“YES”)、CPU41は、ステップS106の処理に基づいてDSP70の各部のレジスタの設定値をパッチデータ821の対応するパッチの設定データに上書き記憶させる(ステップS108)。このとき、CPU41は、標識“EDITED”に対応するLED123cを消灯させる。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作がパッチの保存操作ではないと判別された場合には(ステップS107で“NO”)、CPU41は、入力操作が基準演奏の録音開始に係る操作であるか否かを判別する(ステップS109)。基準演奏の録音開始に係る操作は、例えば、LCD121aの表示内容に応じたタッチパネル25への入力操作により受け付けられてもよい。入力操作が基準演奏の録音開始に係る操作であると判別された場合には(ステップS109で“YES”)、CPU41は、基準演奏のマスタ音量設定部707からの出力を予め定められたサンプリングレートでデータ化してメモリ82に記憶させる動作(録音)を開始する(ステップS110)。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作が基準演奏の録音開始に係る操作ではないと判別された場合には(ステップS109で“NO”)、CPU41は、入力操作が基準演奏の録音終了に係る操作であるか否かを判別する(ステップS111)。基準演奏の録音終了に係る操作は、例えば、基準演奏の録音中にLCD121aに表示される内容に応じたタッチパネル25への入力操作により受け付けられてもよい。入力操作が基準演奏の録音終了に係る操作であると判別された場合には(ステップS111で“YES”)、CPU41は、録音を停止する(ステップS112)。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作が基準演奏の録音終了に係る操作ではないと判別された場合には(ステップS111で“NO”)、CPU41は、入力操作がマスタ音量の変更操作であるか否かを判別する(ステップS113)。マスタ音量の変更操作は、マスタ音量ダイヤルP6の回転により行われる。入力操作がマスタ音量の変更操作であると判別された場合には(ステップS113で“YES”)、CPU41は、マスタ音量の設定値を変更操作の内容に応じて変更する(ステップS114)。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作がマスタ音量の変更操作ではないと判別された場合には(ステップS113で“NO”)、CPU41は、基準パッチの最大音量設定をリセットする操作であるか否かを判別する(ステップS115)。入力操作が基準パッチの最大音量設定をリセットする操作であると判別された場合には(ステップS115で“YES”)、CPU41は、メモリ82に記憶されている最大音量設定を初期化する(ステップS116)。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作が基準パッチの最大音量設定をリセットする操作ではないと判別された場合には(ステップS115で“NO”)、CPU41は、入力操作が音量補正の実行命令に係る操作であるか否かを判別する(ステップS117)。音量補正の実行命令は、音量調整スイッチP9の押下操作による。入力操作が音量補正の実行命令に係る操作であると判別された場合には(ステップS117で“YES”)、CPU41は、音量補正処理を呼び出して実行する(ステップS118)。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作が音量補正の実行命令に係る操作ではないと判別された場合には(ステップS117で“NO”)、CPU41は、入力操作がその他の通常操作であるか否かを判別する(ステップS119)。その他の通常操作には、上記の通り、音量制御とは関係のない各種処理が含まれ得る。入力操作がその他の通常操作であると判別された場合には(ステップS119で“YES”)、CPU41は、当該その他の通常操作の内容に応じた処理を実行する(ステップS120)。CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。
入力操作がその他の通常操作ではないと判別された場合には(ステップS119で“NO”)、CPU41は、入力操作が電源オフ操作であるか否かを判別する(ステップS122)。電源オフ操作は、電源スイッチP5の操作である。入力操作が電源オフ操作ではないと判別された場合には(ステップS122で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS102へ戻る。入力操作が電源オフ操作であると判別された場合には(ステップS122で“YES”)、CPU41は、マルチエフェクタ1の動作停止に係る処理を行う(ステップS123)。動作停止に係る処理には、例えば、メモリ43、82へのアクセスの停止などが含まれ得る。そして、CPU41は、音響出力制御処理を終了する。
図7は、本実施形態の音量制御方法を含む音響出力制御処理のステップS118で呼び出された音量補正処理の制御手順を示すフローチャートである。
音量補正処理が開始されると、CPU41は、変数パラメータなどを初期化(メモリ領域を割り当て、リセット)する(ステップS141)。CPU41は、メモリ82から基準演奏データ822を読み出して基準演奏の再生を開始させる(ステップS142)。なお、再生時には、基準演奏データ822は、RAM81にコピーされて順次デジタル信号に変換処理される。上述のように、CPU41は、ステップS171の処理の前に基準演奏の再生が終了した場合には、当該基準演奏の再生を先頭から繰り返す。
CPU41は、マイクMのマイク入力端子への接続が検出されているか否かを判別する(ステップS143)。マイクMの接続有無は、接続検出部29からの検出信号に基づいて判断される。
マイクMがマイク入力端子に接続されていると判別された場合には(ステップS143で“YES”)、CPU41は、音量計測部709への入力をマイク入力(ADC63)とするように入力切替部708を切り替え設定する(ステップS151)。
CPU41は、有効な基準パッチの最大音量の設定がメモリ82に記憶されているか否かを判別する(ステップS152)。有効な基準パッチの最大音量の設定がメモリ82に記憶されていると判別された場合には(ステップS152で“YES”)、CPU41の処理は、ステップS162へ移行する。
有効な基準パッチの最大音量の設定がメモリ82に記憶されていないと判別された場合には(ステップS152で“NO”)、CPU41は、マイク音量設定部62の音量設定値を0とし、補正音量設定部705の補正音量を1.0倍(基準値)とし、パッチ音量を最大値(127など)とする(ステップS153)。
CPU41は、音量計測部709から音量計測値Lを取得する(ステップS154)。上記のように、この音量の絶対値は、マスタ音量や楽器アンプ210の設定などに応じて異なる値であってよい。CPU41は、音量計測部709の検出最大値L0から音量計測値Lを差し引いた差分Dを求める(ステップS155)。
CPU41は、差分Dが「0」以下であるか否かを判別する(ステップS156)。差分Dが「0」以下である(基準範囲内である)と判別された場合には(ステップS156で“YES”)、CPU41の処理は、ステップS162へ移行する。この状況は、音量計測部709による音量計測値がパッチ音量が最大の場合の音量と対応して最大になるようにマイク音量が調整された状態である。このとき、CPU41は、基準パッチの識別情報及びこの基準パッチにおける最大音量の設定値の情報をメモリ82に記憶させる。
差分Dが「0」以下ではないと判別された場合には(ステップS156で“NO”)、CPU41は、差分Dに応じた大きさの値をマイクの音量設定値に加算する(ステップS157)。差分Dに応じた値(変化量)は、差分Dが小さいほど小さくなるように予め定められた値である。検出最大値L0と音量計測値Lとの一致精度に応じた一定の加算値を音量設定値に毎回加算していくと、音量計測値Lが検出最大値L0に到達するまでに多大な時間を要する。したがって、差分Dが大きいうちはマイクの音量設定値を大きく変化させることで一気に検出最大値L0に近づける。差分Dが小さくなると、これに合わせて変化量も小さくしていくことで、音量計測値Lを検出最大値L0に漸近させてゆき、効率よく精度のよいマイクの音量設定値を得る。
CPU41は、マイクの音量設定値がマイク音量設定部62で設定可能な最大値より大きいか否かを判別する(ステップS158)。音量設定値が最大値より大きくない(最大値以下である)と判別された場合には(ステップS158で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS154に戻る。音量設定値が最大値より大きいと判別された場合には(ステップS158で“YES”)、CPU41は、LED123cのうち標識“ERROR”に対応するものを点灯させる(ステップS159)。十分な音量計測値が得られない原因としては、例えば、メイン音量が低すぎる、アンプの出力音量が小さすぎる、マイクMの位置や向きが適切ではない、などの場合があり得る。このような場合には、ユーザはこれらを再調整する必要がある。CPU41は、基準演奏の再生を停止させる(ステップS171)。そして、CPU41は、音量補正処理を終了して処理を音響出力制御処理に戻す。
ステップS143の判別処理で、マイクMがマイク入力端子に接続されていないと判別された場合には(ステップS143で“NO”)、CPU41は、音量計測部709への入力をパッチ音量設定部706の出力とするように入力切替部708を切り替える(ステップS161)。CPU41の処理は、ステップS162へ移行する。
ステップS152、S156の判別処理又はステップS161の処理からステップS162の処理に移行すると、CPU41は、設定されているパッチのパッチ音量設定値に対応する音量値Tを取得する。CPU41は、補正音量の設定値を0とする(ステップS163)。
CPU41は、基準演奏の再生に応じてマイクM又はパッチ音量設定部706から音量計測部709へ入力されたデジタル信号を音量計測部709が計測した音量計測値Lを取得する(ステップS164)。CPU41は、音量値Tから音量計測値Lを差し引いた差分Dを算出する(ステップS165)。
CPU41は、差分Dが0以下であるか否かを判別する(ステップS166)。差分Dが0以下である(基準範囲内である)と判別された場合には(ステップS166で“YES”)、CPU41は、標識“ADJUSTED”に対応するLED123cを点灯させる(ステップS170)。ステップS156の処理と同様に、差分Dが0以下となった前後で当該差分Dの絶対値が極小となり、音量計測値Lが音量値Tに最も近づいた状態となる。CPU41は、このときの補正音量を補正音量の設定値としてパッチの設定データに記憶させる。CPU41の処理は、ステップS171へ移行する。
差分Dが0以下ではない(0よりも大きい)と判別された場合には(ステップS166で“NO”)、CPU41は、差分Dの大きさに応じた値を補正音量に加算する(ステップS167)。ステップS157と同様に、差分Dが小さいほど加算される値(変化量)が小さくなるように定められている。したがって、差分Dが大きい間は、大きい加算値を加算することで速やかに音量計測値Lを音量値Tに近づけることができる。そして、差分Dが小さくなると、音量計測値Lが音量値Tに漸近していくように(漸近的に)徐々に変化量を小さくしていく。このような変化量の設定より、速やかに精度よく補正音量が特定される。
CPU41は、補正音量が音量計測部709の計測最大値より大きいか否かを判別する(ステップS168)。補正音量が計測最大値より大きくない(以下である)と判別された場合には(ステップS168で“NO”)、CPU41の処理は、ステップS164に戻る。
補正音量が計測最大値より大きいと判別された場合には(ステップS168で“YES”)、CPU41は、LED123cのうち標識“ERROR”に対応するものを点灯させる(ステップS169)。基準パッチと比較して音量感が著しく小さいパッチなどで、所望の音量計測値Lが得られない場合には、パッチの設定自体を修正する必要があるので、標識“ERROR”に対応するLED123cを点灯させることでこのような状態をユーザに知らせる。CPU41の処理は、ステップS171へ移行する。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態の音量制御装置を含む電子楽器1aの上面を示す平面図である。
電子楽器1aは、鍵盤楽器(キーボード)であって、音源としての楽器部分の構成と、上記マルチエフェクタとしての構成とが一体になったものである。
この電子楽器1aは、上記マルチエフェクタ1の各構成に対して鍵盤Kが追加され、また、LED123a、123b、フットスイッチP3及びフットペダルP4が省略されている。また、電子楽器1aは、接続端子群13のうち音響信号入力端子を有していない。フットスイッチP1、P2は、それぞれ手(指)で押下操作するスイッチP1a、P2aに置き換えられている。スイッチP2aは、ここでは、1~8のナンバーに対応する8個のスイッチを有する。その他の構成は同一であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
なお、電子楽器1aは、図示略のフットペダル(サウンドペダル)を有していてもよい。また、フットペダルは電子楽器1aに対して外付けされるものであってもよい。これに伴ってあるいはフットペダルの外付け可否とは関係なく、電子楽器1aは、音響信号入力端子を有していてもよい。
図9は、電子楽器1aの機能構成を示すブロック図である。
鍵盤Kは、鍵盤Kの各鍵の操作を検出するキースキャナ26を介してI/Oインターフェイス45に接続されている。音響信号入力端子の省略に伴い、プリアンプ51及びADC53が省略されている。また、上記の通り、フットペダルP4が省略され、これに伴ってマルチプレクサ21を介さずにマスタ音量ダイヤルP6の操作受付信号がADC22に入力される。フットスイッチP3の代わりにスイッチP3aがI/Oインターフェイス45に接続されている。その他の構成は第1実施形態のマルチエフェクタ1と同一であり、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、電子楽器1aにおける信号の流れを説明する図である。
電子楽器1aでは、メモリ82に記憶された基準演奏データ822(ある演奏データ、音源情報)に基づいて、各音の発生タイミングで対応する音を生成する。本実施形態では、基準演奏データ822はMIDIデータである。DSP70は、音生成部700を有する。音生成部700は、同時に発する音の生成を並列に最大設定数(この図10では3音分が記載されているが、例えば64音)の範囲で行うことができる。生成された各音は、ミキサ718で合成されて、第1エフェクトモジュール701へ送られる。
各音生成部700は、波形発生器711と、フィルタ712と、アンプ713と、イコライザ714と、ピッチエンベロープジェネレータ715と、フィルタエンベロープジェネレータ716と、アンプエンベロープジェネレータ717とを有する。波形発生器711は、発生させる音の音程に応じた周波数の信号を生成する。ピッチエンベロープジェネレータ715は、発生させる周波数信号の時間的な立ち上がり(Attack)、継続(Sustain)、立ち上がりピークから継続への移行(Delay)、及び鍵の押下終了後の立ち下がり(Release)の変化パターンを規定する。例えば、ピアノやオルガンなどの鍵盤楽器に応じた音を出力する場合には、鍵の押下から音が消えるまで音程が変化しないように定められる。
フィルタ712は、生成された周波数の音の音色を定める。音色は、周波数スペクトル強度の分布などに応じて定まる。これらは楽器に応じて概ね特徴的な形状を有するが、電子楽器では、多様な周波数スペクトル強度の分布形状が設定され得る。フィルタエンベロープジェネレータ716は、この音色の時間変化を規定する。特に音の立ち上がりでは、楽器に応じて特有の音色の変化を有することがあり、これらをフィルタエンベロープジェネレータ716により設定することができる。
アンプ713は、生成された音程及び音色の音の音量を定める。アンプエンベロープジェネレータ717は、発生させる各音の音量の上記各期間(ADSR)にわたる時間変化を規定する。ピアノなどのように継続期間が存在しない場合には、鍵の押下の継続状態によらずに立ち下がりに従って無音状態まで音量を減衰させることもできる。
これら、波形発生器711、フィルタ712及びアンプ713により、Attack、Sustain、Delay、Releaseの各段階における音程、音色及び音量が規定された各音の出力設定は、イコライザ714による周波数スペクトルの分布調整に係る設定、並びに上記マルチエフェクタ1で説明した各種エフェクトの設定とともにパッチに記憶される。これにより、選択されたパッチに応じた音が容易かつ多様に出力可能となっている。
このように、MIDIデータなどに基づいて生成される基準演奏であっても、上記実施の形態の図6及び図7で示した処理と同一の処理により音量の調整を行うことができる。MIDIデータは、鍵盤Kの操作に基づく演奏データから生成されてもよいし、外部で生成されたデータが取得されるのであってもよい。
以上のように、本実施形態の音量制御装置を含むマルチエフェクタ1や電子楽器1aは、CPU41と、DSP70とを備える。CPU41は、設定取得部として、音源情報(基準演奏データ822)に基づく音響出力に係る音設定(パッチ)を取得する。DSP70は、パッチに基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する。パッチは、パッチ音量を規定する音量設定と、当該パッチの音量感に応じた音量の補正音量に係る補正設定とを含む。DSP70は、音量設定で定められている音量を補正音量により補正して音響出力信号を生成する。
このように、種々のパッチを跨いで音量感に応じてパッチ音量を補正音量で補正することにより、異なるパッチに切り替えられた場合の音量感の変化を抑えることができる。すなわち、マルチエフェクタ1や電子楽器1aでは、より容易により適切な音量感で音響出力することができる。したがって、ユーザは、この音量制御装置を用いることで、複数のパッチの切り替え時に音量感が変化することによる違和感を抑え、演奏効果をユーザが所望のものにより高精度に合わせることができる。また、ユーザは、パッチの切り替えに応じていちいちマスタ音量や楽器アンプ210の出力を切り替える手間を要さない。
また、マルチエフェクタ1や電子楽器1aは、基準演奏データを音源情報として記憶して出力する演奏データ出力部としてのメモリ82と、基準演奏データ及びパッチに基づいてDSP70により生成された音響出力信号による出力音量を、音量感に係るある特定の特性(例えば、LUFS)に基づいて取得する音量計測部709と、出力音量と上記特定の特性に基づく基準音量との差分Dがある基準を満たして小さくなるように補正音量を定めて、補正設定としてパッチに含める音量補正部411と、を備える。
このように、マルチエフェクタ1や電子楽器1aは、パッチ音量による音響出力信号を、音量感に基づいて統一的に求められた出力音量により補正することができる。したがって、パッチで規定された音程や音色などの音設定に応じて聴覚上音量が変化するように感じるのを抑制することができる。
また、音量補正部411は、差分Dが小さいほど小さい変化量で補正量を変化させながら音量計測部709により出力音量を取得させて、差分Dが基準を満たす補正音量を漸近的に特定してもよい。
このような変化量の定め方により、マルチエフェクタ1や電子楽器1aは、効率よく速やかにかつ高精度で補正音量を特定することができる。
また、マルチエフェクタ1や電子楽器1aは、接続端子群13を備える。接続端子群13は、音響出力信号に応じて音響出力を行うことの可能な音響出力部(楽器アンプ210及びスピーカ220)に対して音響出力信号を出力させる音響信号出力端子と、集音して音響入力信号に変換するマイクMが集音して得た音響入力信号を当該マイクMから入力させるマイク入力端子と、を有する。音量計測部709は、マイクMが音響出力を集音して得た音響入力信号の入力音量の計測の結果に基づいて、出力音量を取得する。
このように、マルチエフェクタ1や電子楽器1aで生成された音響出力信号に基づいて一度スピーカ220により音響出力される。そして、当該音響出力がマイクMにより集音されて音響入力信号として取得されて、入力音量として計測され、この入力音量に基づいて実際の出力音量が取得される。これにより、マルチエフェクタ1や電子楽器1aでは、ライブ会場などでの実際の音量感に合わせて最適な音量設定を容易に行うことができる。
また、音量補正部411は、整合設定部としても動作する。整合設定部としての音量補正部411は、基準となるパッチのうち音量設定により規定された音量を当該音量設定において設定可能な最大音量に変更して、基準演奏データ822に基づく音響出力信号を音響信号出力端子から音響出力部に出力させる。音量補正部411は、マイクMにより得られた音響出力に係る音響入力信号の入力音量を音量計測部709により計測させる。そして、音量補正部411は、入力音量と自身の最大取得可能音量との差分Dが基準範囲内に収まるように音響入力信号の信号強度をマイク音量設定部62により定めることで、入力音量を出力音量と整合させる。
実際にライブ会場などで出力される音量の絶対値は、ユーザによるマスタ音量や楽器アンプ210の出力などに応じて異なる。したがって、パッチ間で音量感をそろえるためには基準となる音量が必要となる。マルチエフェクタ1や電子楽器1aでは、いずれかの基準パッチの設定による最大音量を基準音量(最大音量)として音量計測部709が取得できるように整合調整を行う。これにより、任意のパッチの設定音量に応じた入力音量の計測値が、基準音量に対して相対的に評価されて、音量補正部411は、補正音量を適切に定めることが可能になる。
また、音量補正部411は、調整対象のパッチを取得して、基準演奏データに基づく音響出力信号を音響信号出力端子から音響出力部に出力させる。音量補正部411は、マイクMにより得られた音響出力に係る音響入力信号の入力音量の上記整合がなされた計測の結果に基づいて、音量計測部709により出力音量を取得させる。そして、音量補正部411は、取得した出力音量に基づいて、調整対象のパッチに係る補正音量を定める。
上記のように、整合調整後の音量計測部709により取得される出力音量により、統一的な基準で各パッチの音量感に基づく音量が適切に得られる。これにより、マルチエフェクタ1や電子楽器1aでは、音量補正部411が補正音量を適切に定めることができる。
また、補正音量は、パッチの音量設定で定められている音量に対して乗じられる係数であってもよい。加算/減算値などと比較して、乗算される係数は、基準音量に対する比率を調整するのに好適であり、利用しやすい。
また、上記音量感に係るある特定の特性は、LUFSであってもよい。現在用いられている特性の中で、LUFSは、比較的音量感を適切に反映する度合が高い。したがって、LUFSを用いて出力音量を取得して、これを補正音量を定めるのに利用することで、ライブでパッチを切り替えた場合におけるユーザや聴衆が感じる聴覚上の違和感をより適切に抑制することができる。
また、電子楽器1aが上記音量制御装置としての機能構成を備える。したがって、ユーザによる電子楽器1aの演奏時に、より適切な思い通りの音量感でパッチを適用することができる。また、これにより、電子楽器1aによる演奏効果をより高めることができる。
また、本実施形態の音量制御方法は、音源情報(基準演奏データ822)に基づく音響出力に係るパッチを取得する設定取得ステップ、取得したパッチに基づいて、取得された基準演奏データ822から音響出力信号を生成する音処理ステップ、を含む。パッチは、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた音量の補正音量に係る補正設定とを含む。音処理ステップでは、音量設定で定められている音量を補正音量により補正して音響出力信号を生成する。
この音量制御方法によれば、より容易により適切な音量感で音響出力がなされる。したがって、ユーザは、この音量制御方法を用いることで、複数のパッチの切り替え時に音量感が変化することによる違和感を抑え、演奏効果をユーザが所望のものにより高精度に合わせることができる。
また、本実施形態のプログラム431をソフトウェア的に実行することで、上記音量制御方法に係る音量制御を容易かつ適切に行うことができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、第1実施形態では、ユーザによる演奏を直接録音して基準演奏データ822として記憶、再生したが、録音済のデータを外部から取得してもよい。
また、上記実施の形態では、マイク音量設定部62のマイク音量や補正音量の設定時に、音量ゼロから徐々に音量を増大させて基準値に漸近させ、基準値を超えた値で音量を確定させたが、これに限られない。マイク音量や補正音量には、基準値を超える前後の値のうち、差分Dの絶対値が小さい方を採用してもよい。あるいは、例えば、差分Dの正負が反転した場合に変化量の正負を反転させることで、音量の大小両側から基準値を挟みながら入力音量を当該基準値に漸近させてもよい。
また、マイク音量を定める際に出力、調整される音量は、パッチ音量及び音量計測部709による計測音量としてそれぞれ最大の音量ではなくてもよい。他のパッチ音量及び計測音量でマイク音量が定められてもよい。
また、上記実施の形態では、楽器アンプ210及びスピーカ220が電子楽器1aなどとは別個のものでなくてもよい。すなわち、これらは電子楽器1aに内蔵されているものであってもよい。
また、楽器アンプ210やマイクMと接続端子群13を介してライン接続されたが、これに限られない。無線通信を介してワイヤレスで接続されてもよい。無線通信は、必要なデータ伝送速度が得られるものであれば特に限られない。例えば、伝送可能距離が数メートルから数十メートル程度の近距離無線通信のいずれかであってもよい。
また、上記実施の形態では、音量計測部709をDSP70の構成、音量補正部411をDSP70外の構成として説明したが、これに限られない。いずれもDSP70内の構成であってもよいし、反対にいずれもDSP70外の構成であってもよい。
また、上記実施の形態では、電子楽器として鍵盤楽器(キーボード)とギターを例に挙げて説明したが、これらに限られない。電子楽器は他の楽器、例えば吹奏楽器などであってもよい。
また、他のマルチエフェクタや電子楽器などで設定された補正音量を含むパッチを他の装置で単純に利用してもよい。ただし、異なる装置間では、当然マスタ音量、マイク音量などの設定などが異なる。また、異なる楽器アンプ210を利用する場合には、当該楽器アンプの特性も異なる。したがって、音響出力をマイクで集音してマイク音量及び補正音量を定めた場合には、他の装置では改めてマイク音量及び補正音量を設定しなおすのがより好ましい。
また、以上の説明では、本発明の音量調整制御に係るプログラム431を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDD、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどからなるメモリ43を例に挙げて説明したが、これらに限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、MRAMなどの他の不揮発性メモリや、CD-ROM、DVDディスクなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、処理動作の内容及び手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得部と、
前記音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する音処理部と、
を備え、
前記音設定は、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた前記音量の補正量に係る補正設定とを含み、
前記音処理部は、前記音量設定で定められている前記音量を前記補正量により補正して前記音響出力信号を生成する
音量制御装置。
<請求項2>
ある演奏データを前記音源情報として出力する演奏データ出力部と、
前記演奏データ及び前記音設定に基づいて前記音処理部により生成された前記音響出力信号による出力音量を、前記音量感に係るある特定の特性に基づいて取得する音量取得部と、
前記出力音量と前記特定の特性に基づく基準音量との差分がある基準を満たして小さくなるように前記補正量を定めて、前記補正設定として前記音設定に含める補正設定部と、
を備える請求項1記載の音量制御装置。
<請求項3>
前記補正設定部は、前記差分が小さいほど小さい変化量で前記補正量を変化させながら前記音量取得部により前記出力音量を取得させて、前記差分が前記基準を満たす前記補正量を漸近的に特定する
請求項2記載の音量制御装置。
<請求項4>
前記音響出力信号に応じて音響出力を行うことの可能な音響出力部に対して前記音響出力信号を出力させ、集音して音響入力信号に変換する音響入力部が集音して得た前記音響入力信号を当該音響入力部から入力させる接続部と、
を備え、
前記音量取得部は、前記音響入力部が前記音響出力を集音して得た前記音響入力信号の入力音量の計測の結果に基づいて、前記出力音量を取得する
請求項2記載の音量制御装置。
<請求項5>
基準となる前記音設定のうち前記音量設定により規定された音量を当該音量設定において設定可能な最大音量に変更して、前記演奏データに基づく前記音響出力信号を前記接続部から前記音響出力部に出力させ、
前記音響入力部により得られた前記音響出力に係る前記音響入力信号の前記入力音量を前記音量取得部により計測させ、
当該入力音量と自身の最大取得可能音量との差分が基準範囲内に収まるように前記音響入力信号の信号強度を定めることで、前記入力音量を前記出力音量と整合させる
整合設定部を備える請求項4記載の音量制御装置。
<請求項6>
前記補正設定部は、
調整対象の音設定を取得して、前記演奏データに基づく前記音響出力信号を前記接続部から前記音響出力部に出力させ、
前記音響入力部により得られた前記音響出力に係る前記音響入力信号の前記入力音量の前記整合がなされた計測の結果に基づいて、前記音量取得部により前記出力音量を取得させ、
前記出力音量に基づいて、前記調整対象の音設定に係る前記補正量を定める
請求項5記載の音量制御装置。
<請求項7>
前記補正量は、前記音量設定で定められている音量に対して乗じられる係数である請求項1~6のいずれか一項に記載の音量制御装置。
<請求項8>
前記ある特定の特性は、LUFSである請求項2~6のいずれか一項に記載の音量制御装置。
<請求項9>
請求項1~8のいずれか一項に記載の音量制御装置を備える電子楽器。
<請求項10>
音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得ステップ、
前記音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する音処理ステップ、
を含み、
前記音設定は、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた前記音量の補正量に係る補正設定とを含み、
前記音処理ステップでは、前記音量設定で定められている前記音量を前記補正量により補正して前記音響出力信号を生成する
音量制御方法。
<請求項11>
コンピュータを
音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得手段、
前記音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する音処理手段、
として機能させ、
前記音設定は、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた前記音量の補正量に係る補正設定とを含み、
前記音処理手段は、前記音量設定で定められている前記音量を前記補正量により補正して前記音響出力信号を生成する
プログラム。
1 マルチエフェクタ
1a 電子楽器
11 操作受付部
12 表示部
121 デジタル表示部
122 数値表示部
123 点灯表示部
13 接続端子群
21 マルチプレクサ
22 ADC
23、24 ロータリーエンコーダ
25 タッチパネル
26 キースキャナ
29 接続検出部
41 CPU
42、81 RAM
43、82 メモリ
431 プログラム
821 パッチデータ
822 基準演奏データ
44 LCDコントローラ
51 プリアンプ
52 ADC
53 ADC
61 アンプ
62 マイク音量設定部
63 ADC
70 DSP
71 DAC
700 音生成部
701 第1エフェクトモジュール
702 第2エフェクトモジュール
703 第3エフェクトモジュール
704 第4エフェクトモジュール
705 補正音量設定部
706 パッチ音量設定部
707 マスタ音量設定部
708 入力切替部
709 音量計測部
711 波形発生器
712 フィルタ
713 アンプ
714 イコライザ
715 ピッチエンベロープジェネレータ
716 フィルタエンベロープジェネレータ
717 アンプエンベロープジェネレータ
718 ミキサ
71 DAC
72 アンプ
90 バス
210 楽器アンプ
220 スピーカ
411 音量補正部
K 鍵盤
M マイク
P1~P3 フットスイッチ
P1a~P3a スイッチ
P4 フットペダル
P5 電源スイッチ
P6 マスタ音量ダイヤル
P7 データ入力ダイヤル
P8 パッチ音量ダイヤル
P9 音量調整スイッチ

Claims (11)

  1. 音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得部と、
    前記音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する音処理部と、
    を備え、
    前記音設定は、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた前記音量の補正量に係る補正設定とを含み、
    前記音処理部は、前記音量設定で定められている前記音量を前記補正量により補正して前記音響出力信号を生成する
    音量制御装置。
  2. ある演奏データを前記音源情報として出力する演奏データ出力部と、
    前記演奏データ及び前記音設定に基づいて前記音処理部により生成された前記音響出力信号による出力音量を、前記音量感に係るある特定の特性に基づいて取得する音量取得部と、
    前記出力音量と前記特定の特性に基づく基準音量との差分がある基準を満たして小さくなるように前記補正量を定めて、前記補正設定として前記音設定に含める補正設定部と、
    を備える請求項1記載の音量制御装置。
  3. 前記補正設定部は、前記差分が小さいほど小さい変化量で前記補正量を変化させながら前記音量取得部により前記出力音量を取得させて、前記差分が前記基準を満たす前記補正量を漸近的に特定する
    請求項2記載の音量制御装置。
  4. 前記音響出力信号に応じて音響出力を行うことの可能な音響出力部に対して前記音響出力信号を出力させ、集音して音響入力信号に変換する音響入力部が集音して得た前記音響入力信号を当該音響入力部から入力させる接続部と、
    を備え、
    前記音量取得部は、前記音響入力部が前記音響出力を集音して得た前記音響入力信号の入力音量の計測の結果に基づいて、前記出力音量を取得する
    請求項2記載の音量制御装置。
  5. 基準となる前記音設定のうち前記音量設定により規定された音量を当該音量設定において設定可能な最大音量に変更して、前記演奏データに基づく前記音響出力信号を前記接続部から前記音響出力部に出力させ、
    前記音響入力部により得られた前記音響出力に係る前記音響入力信号の前記入力音量を前記音量取得部により計測させ、
    当該入力音量と自身の最大取得可能音量との差分が基準範囲内に収まるように前記音響入力信号の信号強度を定めることで、前記入力音量を前記出力音量と整合させる
    整合設定部を備える請求項4記載の音量制御装置。
  6. 前記補正設定部は、
    調整対象の音設定を取得して、前記演奏データに基づく前記音響出力信号を前記接続部から前記音響出力部に出力させ、
    前記音響入力部により得られた前記音響出力に係る前記音響入力信号の前記入力音量の前記整合がなされた計測の結果に基づいて、前記音量取得部により前記出力音量を取得させ、
    前記出力音量に基づいて、前記調整対象の音設定に係る前記補正量を定める
    請求項5記載の音量制御装置。
  7. 前記補正量は、前記音量設定で定められている音量に対して乗じられる係数である請求項1記載の音量制御装置。
  8. 前記ある特定の特性は、LUFSである請求項2記載の音量制御装置。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の音量制御装置を備える電子楽器。
  10. 音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得ステップ、
    前記音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する音処理ステップ、
    を含み、
    前記音設定は、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた前記音量の補正量に係る補正設定とを含み、
    前記音処理ステップでは、前記音量設定で定められている前記音量を前記補正量により補正して前記音響出力信号を生成する
    音量制御方法。
  11. コンピュータを
    音源情報に基づく音響出力に係る音設定を取得する設定取得手段、
    前記音設定に基づいて、取得された音源情報から音響出力信号を生成する音処理手段、
    として機能させ、
    前記音設定は、音量を規定する音量設定と、当該音設定の音量感に応じた前記音量の補正量に係る補正設定とを含み、
    前記音処理手段は、前記音量設定で定められている前記音量を前記補正量により補正して前記音響出力信号を生成する
    プログラム。
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