JP2024031148A - パンツ型使い捨てオムツ - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行中のずれ下がりを防止しつつ、着脱性や装着感の低下を抑制できるパンツ型使い捨てオムツを提供すること。【解決手段】着用者Mの腹側から股下を介して背側に延びる方向を長手方向Lとし、長手方向Lに直交する方向を幅方向Wとしたとき、着用者Mの腹部を覆う腹側部34の幅方向Wの両側部と、着用者Mの臀部を覆う背側部35の幅方向Wの両側部とが接合されて、ウエスト開口部33及び一対の脚周り開口部36が形成された外装体3と、外装体3の内側に配置された吸収部材2とを備えたパンツ型使い捨てオムツ1において、外装体3は、着用時に着用者Mの上前腸骨棘に対向する骨盤領域Kを有し、骨盤領域Kの着圧が、骨盤領域K以外の領域の着圧よりも高く設定されている構成とした。【選択図】図4

Description

本発明は、パンツ型使い捨てオムツに関するものである。
従来、着用者の腹部及び臀部を覆う外装体の内側に吸収部材を備えたパンツ型使い捨てオムツ(以下、「紙パンツ」という)が知られている(例えば、特許文献1~特許文献4参照)。
ここで、特許文献1に記載された紙パンツは、着用者の胴体を囲むウエスト部に、幅方向に伸縮する第1領域及び第2領域と、第1領域と第2領域の間に設定されて、幅方向の伸縮率が第1、第2領域よりも低い第3領域とを有している。
また、特許文献2に記載された紙パンツでは、着用時に着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に当接する高装着圧領域が設定されている。そして、高装着圧領域では、ウエスト開口部の周縁領域及び高装着圧領域よりも脚周り開口部側の領域のそれぞれよりも、着用時の圧力が高くなるように設定されている。
また、特許文献3に記載された紙パンツは、着用者の胴体を囲むウエスト部の全周にわたってギャザーを形成する複数の弾性部材が設けられ、ウエスト開口部に近づくほど、弾性部材の間隔が狭くなっている。また、複数の弾性部材は、ウエスト開口部に近づくほど、伸長率が高くなるように設定されている。
さらに、特許文献4に記載された紙パンツでは、ウエスト開口部よりも下方に、幅方向に連続した二つの高圧力領域(第1高圧力領域、第2高圧力領域)が設けられている。そして、ウエスト部の幅方向の両側部において、第1高圧力領域は、第2高圧力領域と離間していると共に、第2高圧力領域よりも上側に配置されている。また、ウエスト部の幅方向の中央部において、第1高圧力領域の後側が第1高圧力領域の前側より上方に位置すると共に、第1高圧力領域の一部と第2高圧力領域の一部が重なっている。
特許第6169467号公報 特開2007-44089号公報 特開平8-112308号公報 特許第6503489号公報
ところで、紙パンツでは、着用者の胴体を囲むウエスト部のフィット性が悪いと、歩行中にずれ下がってしまい、着用者の脚が引っ掛かり、歩行の妨げになることがある。特に、排尿後は重量が増加する上、吸収部材が膨張することからウエスト部がずり下がりやすく、着用者はより歩きにくくなる。
これに対し、特許文献1~特許文献4に記載された紙パンツでは、ウエスト部の一部に相対的に伸縮率を高めた領域を設けたり、相対的に着圧を高めた領域を設けたりすることで、紙パンツのずれ下がりを防止する。しかしながら、ウエスト部に設けられた伸縮率や着圧を高めた領域は、ウエスト部の全周にわたって連続しており、着用者の胴体の全周を取り囲む。そのため、伸縮率や着圧を高めた領域は、例えば着用者の腹部中央等の比較的柔らかい部分も強く締め付けてしまい、紙パンツの不要な食い込みが生じていた。これにより、従来の紙パンツは、着脱が行いにくくなると共に、装着感の低下を招くという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、歩行中のずれ下がりを防止しつつ、着脱性や装着感の低下を抑制できるパンツ型使い捨てオムツを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、着用者の腹側から股下を介して背側に延びる方向を長手方向とし、前記長手方向に直交する方向を幅方向としたとき、前記着用者の腹部を覆う腹側部の前記幅方向の両側部と、前記着用者の臀部を覆う背側部の前記幅方向の両側部とが接合されて、ウエスト開口部及び一対の脚周り開口部が形成された外装体と、前記外装体の内側に配置された吸収部材とを備えたパンツ型使い捨てオムツである。ここで、前記外装体は、着用時に前記着用者の上前腸骨棘に対向する骨盤領域を有し、前記骨盤領域の着圧が、前記骨盤領域以外の領域の着圧よりも高く設定されている構成とした。
これにより、本発明のパンツ型使い捨てオムツは、歩行中のずれ下がりを防止しつつ、着脱性や装着感の低下を抑制できる。
実施例1のパンツ型使い捨てオムツを示す展開図である。 図1におけるA-A断面図である。 図1におけるB-B断面図である。 実施例1のパンツ型使い捨てオムツの前側を示す平面図である。 実施例1のパンツ型使い捨てオムツの後側を示す平面図である。 第一の紙パンツ及び第二の紙パンツにおける、歩行時の外装体のずれ下がり寸法の測定結果を示す表である。 実施例2のパンツ型使い捨てオムツを示す要部断面図である。 実施例2のパンツ型使い捨てオムツの前側を示す平面図である。 実施例2のパンツ型使い捨てオムツの後側を示す平面図である。 実施例3のパンツ型使い捨てオムツを示す要部断面図である。 実施例3のパンツ型使い捨てオムツの前側を示す平面図である。
本発明のパンツ型使い捨てオムツを実施するための形態を、図面に示す実施例1~実施例3に基づいて説明する。なお、本明細書では、着用者Mの腹側から股間部を介して背側に向かう方向、つまり着用者Mの前後方向に対応する方向を長手方向Lとする。また、長手方向Lに直交する方向を幅方向Wとする。さらに、本明細書では、着用者Mを基準として「上下」「左右」「前後」等の用語が用いられる。
(実施例1)
実施例1のパンツ型使い捨てオムツ(以下「紙パンツ1」という)は、着用者Mの尿等の体液の吸収に使用される。紙パンツ1は、図1~図5に示されるように、吸収部材2と、外装体3と、フックテープ4とを備えている。
吸収部材2は、図2に示されたように、トップシート21と液不透過性シート22との間に吸収体23を介在させた構造を有し、トップシート21を透過した体液を吸収体23により吸収保持する。吸収部材2の平面形状は特に限定されないが、図1に示されたようにほぼ長方形とすることが一般的である。
トップシート21は、紙パンツ1の着用時に着用者Mの肌に接するシート材である。トップシート21は、体液を透過可能な透液性を有するシート材によって構成され、例えば有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシート等を用いることができる。実施例1では、図2に示されたように、トップシート21は、吸収体23の側縁部を巻き込んで、吸収体23の裏側まで延在されている。
液不透過性シート22は、外装体3に固定されるシート材である。液不透過性シート22は、体液を透過させない不透液性を有するシート材によって構成され、例えばポリプロピレン等の液不透過性プラスチックシートや不織布等を用いることができる。実施例1では、図2に示されたように、液不透過性シート22は、トップシート21と共に吸収体23の幅方向Wの両側で裏側(非肌側)に折り返されているが、このような構造に限定されず、公知の他の構造を採用することができる。
吸収体23は、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、不織布等を含む体液を吸収して保持可能な材料によって形成されている。吸収体23は、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。また、吸収体23は、高吸収性ポリマー繊維を含んでいてもよいし、高吸収性ポリマー粒子以外のポリマー粒子等を含んでいてもよい。さらに、吸収体23は、高吸収性ポリマー粒子以外の無機粒子等を含んでいてもよい。
そして、吸収体23は、形状及びポリマー保持等のため、クレープ紙等の液透過性及び液保持性を有する包装シート24によって包装されている。包装シート24としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。
さらに、吸収部材2の幅方向Wの両側には、立体ギャザー25が設けられている。立体ギャザー25は、シート材が折り返されて形成された二層構造を有している。そして、立体ギャザー25は、吸収部材2と外装体3の間に挟まれるギャザー固定部25aと、吸収部材2の幅方向Wの両側部から起立する起立部25bと、起立部25bに設けられたギャザー弾性部材25cとを有している。ギャザー弾性部材25cは、長手方向Lに延びる糸状の弾性素材である。ギャザー弾性部材25cの収縮力によって、起立部25bが着用者Mに向かって起立する。そして、立体ギャザー25は、着用者Mの鼠径部から脚周りを経て臀部までの範囲に接し、着用者Mと紙パンツ1との間からの体液の漏れ(いわゆる横漏れ)を防止する。
外装体3は、図1に示された展開状態では、長手方向Lに延びる帯状を呈し、長手方向Lの両端部に前側領域A1と後側領域A2がそれぞれ設定され、長手方向Lの中間部に前側領域A1及び後側領域A2よりも幅の狭い括れ領域A3が設定されている。外装体3は、着用者Mに臨む内面(上面)に吸収部材2の裏面がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合された後、吸収部材2と共に長手方向Lの中央で折り畳まれる。そして、外装体3は、前側領域A1及び後側領域A2の幅方向Wの両縁部5が熱溶着又はホットメルト接着剤などによって接合されて、サイドシール部6(図4参照)が形成されることで、いわゆるパンツ型に形成される。
パンツ型に形成された外装体3は、図4及び図5に示されたように、着用者Mの腹部及び臀部を覆う円筒状のウエスト部31と、ウエスト部31の下側に位置する股下部32とを有している。ウエスト部31は、上端に着用者Mの胴を取り囲むウエスト開口部33を有する。なお、ウエスト開口部33は、前側領域A1及び後側領域A2の端縁によって形成される。また、ウエスト部31のうち、前側領域A1に対応した前側が着用者Mの腹部を覆う腹側部34(図4参照)となり、後側領域A2に対応した後側が着用者Mの臀部を覆う背側部35(図5参照)となる。
そして、外装体3は、腹側部34の幅方向Wの両側部に、紙パンツ1の着用時に着用者Mの上前腸骨棘及びその周縁部に対向する左右一対の骨盤領域Kを有する。なお「上前腸骨棘」は、骨盤の腸骨のうち、前方に向かって最も突出している部分である。一対の骨盤領域Kは、腹側部34の中央領域を挟んで対称となる位置に設定される。
また、外装体3は、背側部35に、紙パンツ1の着用時に着用者Mの腰椎棘突起の両側部分及びその周縁部に対向する一対の背面領域Hを有する。なお「腰椎棘突起」は、腰椎の後側の中央にある後方に向かって突出した突起である。そして、腰椎棘突起の両側には、横突起と呼ばれる側方に延びる部分があり、背中の中でも比較的平坦な部位になっている。つまり、背面領域Hは、着用者Mの背中のうち平坦な部位に対向する領域である。
また、股下部32は、括れ領域A3に対応していて、着用者Mの股下を覆い、幅方向Wの両側にそれぞれ着用者Mの脚が挿入される一対の脚周り開口部36を有している。一対の脚周り開口部36は、括れ領域A3の端縁によって形成される。
外装体3は、図2及び図3に示されたように、押えシート41及びバックシート42(一対のシート材)からなる二層構造とされている。そして、押えシート41とバックシート42との間には、腹部弾性部材43及び脚周り弾性部材44が配置されている。また、バックシート42は、長手方向Lの両端部に内面側に折り返してなる折返部42aを有し、折返部42aにウエスト弾性部材45が配置されている(図3参照)。
押えシート41及びバックシート42は、体液を透過させない撥水性を有しており、例えば不織布等を用いることができる。なお、バックシート42は、ムレ防止の点から不透液性(遮水性)を損なわずに透湿性を備えたシート材によって構成されてもよい。さらに、バックシート42の非肌側面(衣服に接触する面又は衣服に臨む面)は、不織布等のシート材46によって覆われている。
腹部弾性部材43及びウエスト弾性部材45は、幅方向Wに延びると共に長手方向Lに一定の間隔をあけて配置された複数の糸ゴム等の細長状弾性部材である。腹部弾性部材43は、ウエスト部31のほぼ全面に設けられている。また、ウエスト弾性部材45は、ウエスト開口部33の周縁部に設けられている。腹部弾性部材43及びウエスト弾性部材45は、所定の伸長力で伸長した状態で押えシート41及びバックシート42に挟み込まれ、ホットメルト接着剤等を介して押えシート41及びバックシート42に接着されている。そして、腹部弾性部材43及びウエスト弾性部材45が自身の収縮力で自然長に戻ることで、ウエスト部31及びウエスト開口部33にギャザーが形成される。
ギャザーは、紙パンツ1を着用した着用者Mの胴にウエスト部31及びウエスト開口部33を沿わせ、着用者Mと紙パンツ1との間からの体液の漏れ(いわゆる背漏れや腹漏れ)を防止する。すなわち、ウエスト部31における着圧(紙パンツ1を着用した際にその部位にかかる圧力)は、腹部弾性部材43の伸縮力によって規定される。また、ウエスト開口部33における着圧は、ウエスト弾性部材45の伸縮力によって規定される。
なお、腹部弾性部材43とウエスト弾性部材45との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、ウエスト部31に長手方向Lに所定の間隔をおいて幅方向Wに延びる複数の細長状弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側(ウエスト開口部33側)の何本かの弾性部材がウエスト弾性部材45として機能し、残りの弾性部材が腹部弾性部材43として機能してもよい。
脚周り弾性部材44は、脚周り開口部36の周縁に設けられ、脚周り開口部36に沿って延びると共に所定の間隔をあけて配置された複数の糸ゴム等の細長状弾性部材である。脚周り弾性部材44は、所定の伸長力で伸長した状態で押えシート41及びバックシート42に挟み込まれ、ホットメルト接着剤等を介して押えシート41及びバックシート42に接着されている。そして、脚周り弾性部材44が自身の収縮力で自然長に戻ることで、脚周り開口部36にギャザーが形成される。ギャザーは、紙パンツ1を着用した着用者Mの脚に脚周り開口部36を沿わせ、着用者Mと紙パンツ1との間からの体液の漏れ(いわゆる横漏れ)を防止する。つまり、脚周り開口部36における着圧は、脚周り弾性部材44の伸縮力によって規定される。
さらに、実施例1では、図1及び図3に示されたように、外装体3の内面に、吸収部材2の長手方向Lの両端部(前端部2a、後端部2b)をカバーする第1カバーシート47及び第2カバーシート48が設けられている。第1カバーシート47は、ウエスト部31の内面のうち、前側の折返部42aの内面から吸収部材2の前端部2aと重なる位置までを覆い、幅方向Wの全域にわたって延在している。第2カバーシート48は、ウエスト部31の内面のうち、後側の折返部42aの内面から吸収部材2の後端部2bと重なる位置までを覆い、幅方向Wの全域にわたって延在している。第1カバーシート47及び第2カバーシート48は、それぞれホットメルト接着剤によって外装体3に接着されている。また、第1カバーシート47及び第2カバーシート48は、いずれも押えシート41やバックシート42と同様に体液を透過させない撥水性を有しており、例えば不織布等を用いることができる。
なお、第1カバーシート47及び第2カバーシート48を外装体3と別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装体3のバックシート42の長手方向Lの両端部を内面側に折り返してなる折返部42aを、吸収部材2の長手方向Lの両端部(前端部2a、後端部2b)と重なる部分まで延在させて、第1カバーシート47や第2カバーシート48と同等の部分を形成することもできる。
フックテープ4は、外装体3の幅方向Wの両側、ここではウエスト部31の背側部35の幅方向Wの両側部にそれぞれ設けられている。各フックテープ4は、テープ基材4aと、フック部4bと、を有している。テープ基材4aは、幅方向Wの一方端が外装体3(背側部35)に着脱不能に固定され、幅方向Wの他方端が自由端になっている。テープ基材4aは、不織布、織布、編布、樹脂フィルム、伸縮材、或いはこれらの積層体等によって形成されている。テープ基材4aは、自由端である幅方向Wの他方端に、幅方向Wにさらに延在したつまみ部4cが形成されている。フック部4bは、つまみ部4cの腹側部34に臨む面に設けられている。
フック部4bは、例えば面ファスナーのフックテープであり、不織布等のシート材46によって覆われたバックシート42の非肌側面に着脱可能に係合する部材である。すなわち、フックテープ4は、フック部4bを介して、腹側部34の非肌側面に着脱可能に係合する。
また、腹側部34の非肌側面には、幅方向Wの両側部にフックテープ4の係合位置を示す目印7が設けられている。なお、目印7は、腹側部34の非肌側面を覆うシート材46に着色等を施すことで設けられる。ここで、目印7は、フックテープ4が外装体3に固定された位置から目印7までの長さが、フックテープ4が外装体3に固定された位置からフック部4bまでの長さよりも長くなる位置に設けられている。
そして、実施例1の紙パンツ1では、紙パンツ1を着用した際、フックテープ4のフック部4bを目印7に係合させることで、フックテープ4の固定位置から目印7までの長さを、フックテープ4の固定位置からフック部4bまでの長さに縮め、腹側部34の幅方向Wの両側部の周長を狭くすることができる。また、このとき、腹側部34の中央領域は、フックテープ4によって締め付けられず、周長が狭くなることはない。これにより、実施例1の紙パンツ1は、骨盤領域Kにおける着圧の方が、腹側部34の骨盤領域K以外の領域における着圧及び背側部35における着圧よりも高い着圧となるように設定することができる。つまり、腹部弾性部材43の伸縮力によって規定されたウエスト部31の着圧は、フックテープ4のフック部4bを目印7に係合させることで、骨盤領域Kの部位が局所的に高められる。
また、骨盤領域Kにおける着圧は、吸収部材2の吸水量が100ccのときに背面領域Hにおける着圧の1.3倍以上の値になるように設定されていればよい。特に、骨盤領域Kにおける着圧は、吸収部材2の吸水量がゼロccのとき、背面領域Hにおける着圧の2.1倍以上の値になるように設定されることが望ましい。
すなわち、実施例1の紙パンツ1は、例えば、吸収部材2の吸水量がゼロccのとき、骨盤領域Kにおける着圧が1.37N(ニュートン)に設定され、背面領域Hにおける着圧が0.65Nに設定される。これにより、実施例1の紙パンツ1は、吸収部材2の吸水量がゼロccのとき、骨盤領域Kにおける着圧が、背面領域Hにおける着圧の2.1倍(1.3倍以上)になるように設定されることが可能となる。
また、実施例1の紙パンツ1は、例えば、吸収部材2の吸水量が100ccのとき、骨盤領域Kにおける着圧が1.31Nになり、背面領域Hにおける着圧が1.02Nになるように設定される。これにより、実施例1の紙パンツ1は、吸収部材2の吸水量が100ccのとき、骨盤領域Kにおける着圧が、背面領域Hにおける着圧の1.3倍になるように設定されることが可能となる。
ここで、着圧は、紙パンツ1と骨盤領域K或いは背面領域Hとの間に6軸力覚センサを配置して測定される。6軸力覚センサは、力とトルク(モーメント)の大きさと方向を3次元空間ベクトルで示すセンサである。6軸力覚センサは、市販品を用いることができ、ここでは株式会社レプトリノ製6軸力覚センサを用いた。
次に、実施例1の紙パンツ1の作用を説明する。
実施例1の紙パンツ1を着用するには、着用者M又は介助者は、着用者Mの両足を脚周り開口部36にそれぞれ挿入し、ウエスト開口部33を持って外装体3を引き上げる。このとき、フックテープ4は、テープ基材4aの幅方向Wの一方端が外装体3に固定されているが、フック部4bは外装体3に係合されていない。そのため、ウエスト部31における着圧にフックテープ4は影響を与えず、ウエスト部31における着圧は腹部弾性部材43の伸縮力によって規定される値となる。
そして、外装体3が着用者Mに着用された後、続いて、着用者M又は介助者は、フックテープ4のフック部4bを、バックシート42の非肌側面に設けられた目印7に係合させる。これにより、ウエスト部31は、幅方向Wの両側部がフックテープ4の長さに拘束されることで、フック部4bが係合していない状態に比べて締め付けられる。そのため、外装体3は、骨盤領域Kにおける着圧の方が、腹側部34の骨盤領域K以外の領域における着圧及び背側部35における着圧よりも高い着圧となる。
このように、実施例1の紙パンツ1は、フックテープ4を外装体3のバックシート42に係合させることで、骨盤の腸骨のうち、前方に向かって最も突出している部分である上前腸骨棘の位置で、外装体3を局所的に着用者Mに押し付けることができる。これにより、実施例1の紙パンツ1は、ウエスト部31のフィット性を高めて、歩行中の外装体3のずれ下がりを防止することができる。
また、実施例1の紙パンツ1は、上前腸骨棘に対向する骨盤領域Kでの着圧が高く、腹側部34の骨盤領域K以外の領域や背側部35における着圧は、骨盤領域Kにおける着圧よりも低く設定されている。つまり、実施例1の紙パンツ1では、ウエスト部31において比較的着圧が高い領域が着用者Mの胴体の全周にわたって連続することがない。これにより、実施例1の紙パンツ1は、例えば着用者Mの腹部中央等の比較的柔らかい部分に対向する領域では着圧が高くならず、腹部中央等が強く締め付けられることはない。これにより、実施例1の紙パンツ1は、不要な食い込みを生じさせず、紙パンツ1の着脱を行いやすくできる上、装着感の低下を抑制することができる。
また、実施例1の紙パンツ1は、外装体3の背側部35に、紙パンツ1の着用時に着用者Mの腰椎棘突起の両側部分に対向する背面領域Hを有している。そして、紙パンツ1の骨盤領域Kにおける着圧は、吸収部材2の吸水量が100ccのときに背面領域Hにおける着圧の1.3倍以上(特に、吸収部材2の吸水量がゼロccのとき、骨盤領域Kの着圧が、背面領域Hの着圧の約2.1倍以上)に設定されていればよい。
ここで、パンツ型使い捨てオムツにおける外装体のずれ下がり抑制効果を検証するため、第1の紙パンツを着用して歩行したときの外装体のずれ下がり寸法と、第2の紙パンツを着用して歩行したときの外装体のずれ下がり寸法を測定した。
なお、ずれ下がり寸法の測定は、男女4人ずつの被験者が、それぞれ所定の歩行速度(男性3km/h、女性2.5km/h)で二分間歩行した後に行った。また、第1の紙パンツは、吸収部材の吸水量がゼロccのとき、着用者の上前腸骨棘に対向する骨盤領域Kの着圧が、骨盤領域以外の領域(背面領域H)の着圧の2.1倍、吸収部材の吸水量が100ccのとき、骨盤領域Kの着圧が、背面領域Hの着圧の1.3倍に設定された紙パンツである。また、第2の紙パンツは、着用者の上前腸骨棘に対向する骨盤領域Kの着圧と、骨盤領域以外の領域(背面領域H)の着圧とがほぼ同程度(吸収部材の吸水量がゼロccのとき、骨盤領域Kの着圧が、背面領域Hの着圧の1.2倍、吸収部材の吸水量が100ccのとき、骨盤領域Kの着圧が、背面領域Hの着圧の1.0倍)に設定された紙パンツである。さらに、ずれ下がり寸法は、吸収部材2の吸水量に応じて変化するため、ここでは、吸収部材2の吸水量がゼロcc、100cc、200ccのそれぞれの状態でずれ下がり寸法を測定し、さらに平均値を算出した。ずれ下がり寸法の測定結果は、図6に示された通りである。
そして、図6に示されたように、第1の紙パンツ1を着用して歩行したときの外装体のずれ下がり寸法は、吸水量がゼロccのとき0.7mm、吸水量が100ccのとき1.5mm、平均値で1.3mmであった。これに対し、第2の紙パンツを着用して歩行したときの外装体のずれ下がり寸法は、吸水量がゼロccのとき1.9mm、吸水量が100ccのとき5.3mm、平均値で4.4mmであった。
このように、第1の紙パンツでは、吸収部材の吸水量が100ccのときに骨盤領域Kにおける着圧を背面領域Hにおける着圧の1.3倍に設定したことで、吸収部材の吸水量がゼロccのとき、第2の紙パンツではずれ下がり寸法が1.9mmになるところ、ずれ下がり寸法を0.7mmに抑える(抑制寸法1.2mm)ことが明らかとなった。また、第1の紙パンツは、吸収部材の吸水量が100ccのとき、第2の紙パンツではずれ下がり寸法が5.3mmになるのに対し、ずれ下がり寸法を1.5mmに抑える(抑制寸法3.8mm)ことができることが分かった。
この検証結果から、実施例1の紙パンツ1は、少なくとも吸収部材2の吸水量が100ccのときの骨盤領域Kにおける着圧が、背面領域Hにおける着圧の1.3倍以上に設定されることで、歩行に伴う外装体3のずれ下がりを抑制することができることが分かった。そして、この場合、実施例1の紙パンツ1は、骨盤領域Kを上前腸骨棘の位置に維持させ、紙パンツ1を適切に装着させることができる。
なお、第1の紙パンツにおいて、吸収部材2の吸水量が100ccのときの骨盤領域Kにおける着圧が、背面領域Hにおける着圧の1.3倍に設定されたことで、吸収部材の吸水量が200ccのときにおいても、第1の紙パンツは、第2の紙パンツと比べて外装体のずれ下がりを大幅に抑制することが明らかとなった(ずれ下がりの抑制寸法は4.2mm)。よって、実施例1の紙パンツ1は、吸収部材2の吸水量が100ccのときの骨盤領域Kにおける着圧が背面領域Hにおける着圧の1.3倍以上に設定された場合、吸収部材2が多くの水分(200cc)を含んでも、装着感を悪化させることなく外装体3のずれ下がりを適切に防止することができる。
さらに、第1の紙パンツでは、吸収部材の吸水量がゼロccのときに骨盤領域Kにおける着圧が、背面領域Hにおける着圧の2.1倍となるように設定されている。これにより、実施例1の紙パンツ1は、吸収部材2の吸水量がゼロccのときの骨盤領域Kにおける着圧が、背面領域Hにおける着圧の2.1倍以上となるように設定されることで、吸収部材2の吸水量が100ccのとき、骨盤領域Kにおける着圧を背面領域Hにおける着圧の1.3倍以上にすることが可能となる。また、第1の紙パンツは、図6に示されたように、吸収部材2の吸水量がゼロccのときに、外装体3のずれ下がりをほとんど生じさせることがない。よって、実施例1の紙パンツ1であっても、吸収部材2の吸水量がゼロccのときの骨盤領域Kにおける着圧が、背面領域Hにおける着圧の2.1倍以上となるように設定された場合、骨盤領域Kでの外装体3の固定性を向上させ、外装体3のずれ下がりをさらに抑制することができる。
また、実施例1の紙パンツ1は、外装体3の幅方向Wの両側に、腹側部34の非肌側面に着脱可能に係合するフックテープ4が設けられている。そして、腹側部34の非肌側面には、幅方向Wの両側部にフックテープ4の係合位置を示す目印7が設けられている。
これにより、実施例1の紙パンツ1では、着用者M又は介助者が目印7を目安にしてフックテープ4を外装体3に係合することで、ウエスト部31の幅方向Wの両側部をフックテープ4で締め付け、骨盤領域Kにおける着圧を適切に高めることができる。そして、実施例1の紙パンツ1は、歩行中の紙パンツ1のずれ下がりを防止すると共に、装着感の悪化を抑制することができる。
なお、着用者Mがトイレ等で紙パンツ1を脱ぐとき等、フックテープ4による締め付けを解除するときや、ウエスト部31の締め付けが不要な場合には、着用者M又は介助者は、フック部4bを、フックテープ4で締め付けられないような腹側部34の任意の位置に係合させておいてもよい。
(実施例2)
実施例2のパンツ型使い捨てオムツ(以下「紙パンツ1A」という)は、ウエスト部31に配置された腹部弾性部材60が幅方向Wに伸縮可能な伸縮フィルムによって構成されている。なお、実施例2の紙パンツ1Aは、フックテープ4は設けられていない。
すなわち、実施例2の紙パンツ1Aの外装体3Aは、図7に示されたように、実施例1の紙パンツ1の外装体3と同様に押えシート41及びバックシート42(一対のシート材)からなる二層構造とされている。そして、実施例2の紙パンツ1Aでは、押えシート41とバックシート42との間に腹部弾性部材60及び脚周り弾性部材44(図8、図9参照)が配置されている。なお、バックシート42は、実施例1と同様に、長手方向Lの両端部に内面側に折り返してなる折返部42aを有し、折返部42aにウエスト弾性部材45が配置されている。
実施例2の腹部弾性部材60は、幅方向Wに伸縮可能な伸縮フィルムであり、例えばポリウレタンやポリオレフィン系エラストマー等からなるシート材を用いることができる。伸縮フィルムからなる腹部弾性部材60は、ウエスト部31のほぼ全面、すなわち腹側部34及び背側部35の全域に配置されている。腹部弾性部材60は、所定の伸長力で伸長した状態で押えシート41及びバックシート42に挟み込まれ、超音波接着や、ホットメルト接着剤等の接着剤を介して押えシート41及びバックシート42に接着されている。そして、腹部弾性部材60が自身の収縮力で自然長に戻ることで、ウエスト部31にギャザーが形成される。すなわち、ウエスト部31における着圧は、腹部弾性部材60の伸縮力によって規定される。
また、実施例2の紙パンツ1Aでは、図8及び図9に示されたように、腹部弾性部材60と押えシート41及びバックシート42(一対のシート材)とを接着する接着パターン61(接着剤が塗布される領域)が、ウエスト部31の全域にほぼ均等に分散して複数設けられ、各接着パターン61は、紙パンツ1Aを平面視したときに円形を呈する。
さらに、図8に示されたように、接着パターン61の平面視の面積は、脚周り開口部36の周囲に設けられたものよりも、ウエスト開口部33の周囲に設けられたものの方が小さい。つまり、ウエスト開口部33の周囲に設けられた接着パターン61の面積は、脚周り開口部36の周囲に設けられた接着パターン61の面積よりも小さい。
また、図8及び図9に示されたように、接着パターン61の平面視の面積は、腹側部34の中央領域及び背側部35に設けられたものよりも、骨盤領域Kに設けられたものの方が小さい。つまり、骨盤領域Kに設けられた接着パターン61の面積は、腹側部34の中央領域及び背側部35に設けられた接着パターン61の面積よりも小さい。
なお、実施例2の紙パンツ1Aでは、接着パターン61は、平面視の面積が所定の第1接着パターン62と、第1接着パターン62よりも平面視の面積が小さい第2接着パターン63とを有している。そして、第1接着パターン62が、腹側部34の中央領域及び背側部35に設けられ、第2接着パターン63が、骨盤領域Kに設けられている。また、第1接着パターン62は、第2接着パターン63よりも、脚周り開口部36に近い位置に配置される。
なお、第1接着パターン62の面積は、0.5mm~1.5mm程度に設定され、第2接着パターン63の面積は、0.2mm~0.5mm程度に設定されることが望ましい。また、隣り合う第1接着パターン62同士の間隔は、1mm~3mm程度に設定され、隣り合う第2接着パターン同士の間隔は、3mm~8mm程度に設定されることが望ましい。
ここで、押えシート41やバックシート42は、腹部弾性部材60よりも伸縮率が低く、ほとんど伸縮しない。そして、接着パターン61は、ほとんど伸縮しない押えシート41及びバックシート42に対して、伸縮フィルムからなる腹部弾性部材60を固定する。そのため、接着パターン61が設けられた位置では、押えシート41やバックシート42によって腹部弾性部材60の伸縮性能が抑えられる。また、腹部弾性部材60の伸縮性能が抑えられ、伸縮性が低くなるほど、ウエスト部31の着圧が低下する。
これに対し、実施例2の紙パンツ1Aでは、ウエスト開口部33の周囲に設けられた接着パターン61の面積が、脚周り開口部36の周囲に設けられた接着パターン61の面積よりも小さい。そのため、腹部弾性部材60は、ウエスト開口部33の周囲領域において、脚周り開口部36の周囲領域よりも伸縮性が高くなる。これにより、実施例2の紙パンツ1Aは、外装体3Aの着圧を、脚周り開口部36の周囲よりも、ウエスト開口部33の周囲の方を高くすることができる。
また、実施例1の紙パンツ1Aでは、骨盤領域Kに設けられた接着パターン61の面積が、腹側部34の中央領域及び背側部35に設けられた接着パターン61の面積よりも小さい。このため、ウエスト部31の伸縮性は、骨盤領域Kにおいて局所的に高くなる。よって、実施例2の紙パンツ1Aは、骨盤領域Kにおける外装体3Aの着圧を、腹側部34の中央領域及び背側部35における外装体3Aの着圧よりも高くすることができる。
このように、実施例2の紙パンツ1Aは、ウエスト部31の着圧を部分的(局所的)に高め、骨盤領域Kにおける外装体3Aの着圧を、骨盤領域K以外の領域における外装体3Aの着圧よりも高く設定できる。このため、実施例2の紙パンツ1Aは、歩行中の外装体3Aのずれ下がりを防止すると共に、装着感の低下を抑制することができる。
(実施例3)
実施例3のパンツ型使い捨てオムツ(以下「紙パンツ1B」という)は、ウエスト部31に配置された腹部弾性部材70が幅方向Wに伸縮可能な伸縮フィルムによって構成されると共に、骨盤領域Kにおいて局所的に二層以上にされている。なお、実施例3の紙パンツ1Bは、フックテープ4は設けられていない。
すなわち、実施例3の紙パンツ1Bの外装体3Bは、図10に示されたように、実施例1の紙パンツ1の外装体3及び実施例2の紙パンツ1Aの外装体3Aと同様に押えシート41及びバックシート42(一対のシート材)からなる二層構造とされている。そして、押えシート41とバックシート42との間には、腹部弾性部材70及び脚周り弾性部材44(図11参照)が配置されている。なお、バックシート42は、実施例1及び実施例2と同様に、長手方向Lの両端部に内面側に折り返してなる折返部42aを有し、折返部42aにウエスト弾性部材45が配置されている。
実施例3の腹部弾性部材70は、幅方向Wに伸縮可能な伸縮フィルムであり、例えばポリウレタンやポリオレフィン系エラストマー等からなるシート材を用いることができる。また、実施例3の腹部弾性部材70は、所定の伸縮率を有する第1伸縮フィルム71と、第1伸縮フィルム71よりも高い伸縮率を有する第2伸縮フィルム72と、を有している(図11参照)。なお、第1伸縮フィルム71の伸縮率は140%~160%程度、第2伸縮フィルム72の伸縮率は160%~190%程度とすることが望ましい。
第1伸縮フィルム71は、図11に示されたように、ウエスト部31のほぼ全面、すなわち腹側部34及び背側部35の全域に配置されている。第1伸縮フィルム71は、所定の伸長力で伸長した状態で押えシート41及びバックシート42に挟み込まれ、超音波接着やホットメルト接着剤等の接着剤を介して押えシート41及びバックシート42に接着されている。そして、第1伸縮フィルム71が自身の収縮力で自然長に戻ることで、ウエスト部31にギャザーが形成される。
第2伸縮フィルム72は、図11に示されたように、ウエスト部31の腹側部34に有する骨盤領域Kに配置され、第1伸縮フィルム71に積層されている。なお、第2伸縮フィルム72は、接着剤等で第1伸縮フィルム71に固定されている。これにより、実施例3の紙パンツ1Bでは、骨盤領域Kにおいて、第1伸縮フィルム71と第2伸縮フィルム72が積層されて腹部弾性部材70を構成する伸縮フィルムが二層になる。また、ウエスト部31の骨盤領域K以外の領域(腹側部34の中央領域及び背側部35)は、第1伸縮フィルム71のみが配置されて腹部弾性部材70を構成する伸縮フィルムが一層になっている。
このように、実施例3の紙パンツ1Bでは、外装体3Bが幅方向Wに伸縮可能な伸縮フィルムからなる腹部弾性部材70を有している。そして、腹部弾性部材70は、骨盤領域Kでは、第1伸縮フィルム71と第2伸縮フィルム72とが積層されて二層になり、ウエスト部31における骨盤領域K以外の領域では、第1伸縮フィルム71のみが配置されて一層になっている。ここで、伸縮フィルムからなる腹部弾性部材70は、積層される伸縮フィルムの数が多いほど、伸縮性が高くなる。
そのため、第1伸縮フィルム71と第2伸縮フィルム72とが積層されて二層になった骨盤領域Kでは、骨盤領域K以外の領域よりも腹部弾性部材70の伸縮性が高くなる。これにより、実施例3の紙パンツ1Bは、骨盤領域Kにおける着圧を、腹側部34の中央領域及び背側部35等の骨盤領域K以外の領域における着圧よりも高くすることができる。
このように、実施例3の紙パンツ1Bは、ウエスト部31の着圧を部分的(局所的)に高め、骨盤領域Kにおける外装体3Bの着圧を、骨盤領域K以外の領域における外装体3Bの着圧よりも高く設定できる。このため、実施例3の紙パンツ1Bは、歩行中の外装体3Bのずれ下がりを防止すると共に、装着感の低下を抑制することができる。
また、実施例3の紙パンツ1Bでは、伸縮フィルムからなる腹部弾性部材70が、所定の伸縮率の第1伸縮フィルム71と、第1伸縮フィルム71よりも伸縮率が高い第2伸縮フィルム72と、を有している。そして、骨盤領域Kでは、第1伸縮フィルム71と、それよりも伸縮率の高い第2伸縮フィルム72とが積層されている。つまり、実施例3では、骨盤領域Kにおいて伸縮率の高い第2伸縮フィルム72が、第1伸縮フィルム71に追加されて配置されている。
これにより、実施例3の紙パンツ1Bは、骨盤領域Kの着圧を簡易な構造で部分的(局所的)に高めることができる。また、実施例3の紙パンツ1Bは、骨盤領域Kにおいて、第1伸縮フィルム71よりも伸縮率の高い第2伸縮フィルム72を追加したことで、例えば、骨盤領域Kにおいて第1伸縮フィルム71を二枚重ねて二層にした場合の腹部弾性部材70の伸縮率よりも、骨盤領域Kにおける腹部弾性部材70の伸縮率を高くすることができる。そして、実施例3の紙パンツ1Bは、第1伸縮フィルム71を二枚重ねた場合よりも、骨盤領域Kにおける着圧を高めて、さらに歩行中の外装体3Bのずれ下がりを抑えることができる。
以上、本発明のパンツ型使い捨てオムツを実施例1~実施例3に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例2の紙パンツ1Aでは、腹部弾性部材60と押えシート41及びバックシート42とを接着する接着パターン61が、所定の面積の第1接着パターン62と、第1接着パターン62よりも面積が小さい第2接着パターン63とを有する例が示された。しかしながら、接着パターン61の平面視の面積は、脚周り開口部36の周囲に設けられたものよりも、ウエスト開口部33の周囲に設けられたものの方が小さく、腹側部34の中央領域及び背側部35に設けられたものよりも、骨盤領域Kに設けられたものの方が小さければよい。そのため、例えば、脚周り開口部36からウエスト開口部33に向かって、次第に面積が小さくなる接着パターン61を設けたり、骨盤領域Kから離れるほど平面視の面積が大きくなる接着パターン61を設けたりしてもよい。
また、接着パターン61は、ウエスト部31の全域にほぼ均等に分散して設けられた例が示されたが、接着パターン61が設けられる位置は、任意に設定される。例えば、骨盤領域K及びその周辺では、接着パターン61の間隔が広げられてもよい。さらに、接着パターン61の平面視での面積や形状は、外装体3Aの素材や大きさ、形状、接着パターン61の面積の大きさ等に応じて任意に設定することができる。
また、実施例3の紙パンツ1Bでは、伸縮フィルムからなる腹部弾性部材70が、骨盤領域Kにおいて二層にされ、骨盤領域K以外の領域において一層にされた例が示された。しかしながら、骨盤領域Kでは伸縮フィルムが積層されて二層以上にされ、骨盤領域K以外の領域では、伸縮フィルムの積層数が骨盤領域Kよりも少なければよい。そのため、紙パンツ1Bは、例えば、骨盤領域Kにおいて伸縮フィルムを三層以上に積層すると共に、骨盤領域K以外の領域における伸縮フィルムの積層数を二層等に設定してもよい。
また、実施例3の紙パンツ1Bでは、骨盤領域Kにおいて、所定の伸縮率の第1伸縮フィルム71に、第1伸縮フィルム71よりも伸縮率が高い第2伸縮フィルム72を積層した例が示された。しかしながら、骨盤領域Kにおいて積層する伸縮フィルムは、同一のもの(第1伸縮フィルム71)であってもよい。つまり、骨盤領域Kの伸縮率が、骨盤領域K以外の領域の伸縮率よりも高く設定されていればよいため、積層される伸縮フィルムの伸縮率や、積層数等は任意に設定することができる。
さらに、第1伸縮フィルム71や第2伸縮フィルム72の伸縮率は、外装体3Aの素材や大きさ、形状等に応じて任意に設定することができる。
1 紙パンツ(パンツ型使い捨てオムツ)
2 吸収部材
3 外装体
31 ウエスト部
33 ウエスト開口部
34 腹側部
35 背側部
36 脚周り開口部
4 フックテープ
7 目印
K 骨盤領域
L 長手方向
W 幅方向
M 着用者

Claims (7)

  1. 着用者の腹側から股下を介して背側に延びる方向を長手方向とし、前記長手方向に直交する方向を幅方向としたとき、前記着用者の腹部を覆う腹側部の前記幅方向の両側部と、前記着用者の臀部を覆う背側部の前記幅方向の両側部とが接合されて、ウエスト開口部及び一対の脚周り開口部が形成された外装体と、前記外装体の内側に配置された吸収部材と、を備えたパンツ型使い捨てオムツであって、
    前記外装体は、着用時に前記着用者の上前腸骨棘に対向する骨盤領域を有し、
    前記骨盤領域の着圧が、前記骨盤領域以外の領域の着圧よりも高く設定されている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨てオムツ。
  2. 請求項1に記載されたパンツ型使い捨てオムツにおいて、
    前記外装体は、着用時に前記着用者の腰椎棘突起の両側部分に対向する背面領域を有し、
    前記骨盤領域の着圧は、前記背面領域の着圧の1.3倍以上の値に設定されている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨てオムツ。
  3. 請求項2に記載されたパンツ型使い捨てオムツにおいて、
    前記骨盤領域の着圧は、前記背面領域の着圧の2.1倍以上の値に設定されている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨てオムツ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたパンツ型使い捨てオムツにおいて、
    前記外装体の前記幅方向の両側には、前記外装体に一部が固定され、前記腹側部の非肌側面に一部が着脱可能に係合するフックテープが設けられ、
    前記非肌側面には、前記腹側部の前記幅方向の両側部に前記フックテープの係合位置を示す目印が設けられている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨てオムツ。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたパンツ型使い捨てオムツにおいて、
    前記外装体は、前記幅方向に伸縮可能な伸縮フィルムと、前記伸縮フィルムを挟む一対のシート材と、を有し、
    前記ウエスト開口部の周囲に設けられた前記伸縮フィルムと前記シート材とを接着する接着パターンは、前記脚周り開口部の周囲に設けられた前記接着パターンよりも、平面視での面積が小さく、
    前記骨盤領域に設けられた前記接着パターンは、前記腹側部の中央領域及び前記背側部に設けられた前記接着パターンよりも、平面視での面積が小さい
    ことを特徴とするパンツ型使い捨てオムツ。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたパンツ型使い捨てオムツにおいて、
    前記外装体は、前記幅方向に伸縮可能な伸縮フィルムを有し、
    前記骨盤領域では、前記伸縮フィルムが積層されて二層以上にされ、
    前記骨盤領域以外の領域では、前記伸縮フィルムの積層数が前記骨盤領域よりも少ない
    ことを特徴とするパンツ型使い捨てオムツ。
  7. 請求項6に記載されたパンツ型使い捨てオムツにおいて、
    前記伸縮フィルムは、所定の伸縮率の第1伸縮フィルムと、前記第1伸縮フィルムよりも前記伸縮率が高い第2伸縮フィルムと、を有し、
    前記骨盤領域では、前記第1伸縮フィルムと、前記第2伸縮フィルムとが積層されている
    ことを特徴とするパンツ型使い捨てオムツ。
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