JP2024030867A - 乗り物盗難防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアバイワイヤと併設し易い乗り物盗難防止装置を実現する。【解決手段】ステアリングホイール1と一体的に回転するシャフト(モータシャフト15)と、シャフト15と同軸上に設けられた電磁ブレーキ7と、制御部8とを備える。電磁ブレーキ7は、通電によりシャフト15の回転を阻止するロック状態となり、当該通電の遮断により当該シャフト15の回転を許容するフリー状態となる。制御部8は、運転室への搭乗者が運転権限を有するか否かを搭乗者判定処理部8aで判定し、その搭乗者が運転権限を有しない場合、電磁ブレーキ7をロック状態に制御する。【選択図】図1
Description
この発明は、車両、船舶等の乗り物の盗難を防止するために運転室に設置されたステアリングホイールの回転を阻止する乗り物盗難防止装置に関する。
車両等の乗り物においては、その運転室の搭乗者によるステアリングホイールの回転操作に応じて操舵対象の向き、例えば車両の転舵輪の向きを変化させる操舵装置が設けられている。
従来、車両等の盗難防止装置として、操舵装置のステアリングホイールの回転を阻止するステアリングロック方式のものがある。
特許文献1の乗り物盗難防止装置は、ボディ側に取り付けられた静止勘合部に対し、チルト機構の駆動によってステアリングシャフト側に取り付けられた勘合部が嵌合されることにより、ステアリングホイールの回転を阻止するロック状態になるように構成されている。
一方、車両等の操舵装置として、いわゆるステアバイワイヤを採用することがある。ステアバイワイヤでは、ステアリングホイールの操作量を検知する操舵センサと、ステアリングホイールに対して機械的に切り離して設けられた転舵アクチュエータとを設け、その転舵アクチュエータが、操舵センサで検知されるステアリングホイールの操作量に応じて作動し、左右一対の転舵輪の向きを変化させるようになっている。ステアバイワイヤでは、搭乗者によるステアリングホイールの操作量をいったん電気信号に変換し、その電気信号に基づいて転舵アクチュエータの動作を制御するので、例えば、ステアリングホイールを回転操作したときの転舵輪の向きの変化量を車両等の走行速度に応じて調整するといったように、車両等の走行状態に応じてステアリングホイールの操作量と転舵アクチュエータの動作量の対応関係を最適化することが可能であり、車両等の走行安定性や運動性能の向上に有利となる。
特許文献2の車両用操舵装置は、ステアリングホイールの操作量や車速等に基づいて演算される操舵反力をステアリングホイールに与える電動モータを有する。この電動モータのモータ軸は、ステアリングシャフトの回転軸線と食い違う軸線まわりに回転可能に支持され、そのモータ軸とステアリングシャフトとがウォームギヤ機構で連結されている。
また、特許文献2の車両用操舵装置は、ステアリングホイールが予め設定された角度範囲を超えて回転操作されるのを防止するため、ステアリングシャフトの外周の周方向の1箇所に外周突起を設けるとともに、ステアリングシャフトを回転可能に収容する筒状のステアリングコラムの内周の周方向の1箇所に内周突起を設け、ステアリングシャフトの外周突起をステアリングコラムの内周の内周突起で周方向に受け止めることで、ステアリングシャフトのステアリングコラムに対する回転角度を予め設定された範囲内に規制するようにしている。
しかしながら、ステアバイワイヤの乗り物の場合、ステアリングホイールに直結されたステアリングシャフトと、操舵対象の向きを変える転舵機構とを機械的に連結する必要がなく、一般に、ステアリングシャフトを長くする必要がないため、特許文献1の乗り物盗難防止装置をステアバイワイヤの乗り物に採用しようとすると、ステアリングシャフト側に勘合部を取り付けにくい問題がある。
また、ステアバイワイヤの場合、ステアリングホイールと転舵装置の機械的非連結性により、ステアリングホイールの設置位置を自由に選択することができる利点があるが、特許文献1の乗り物盗難防止装置をステアバイワイヤの乗り物に採用しようとすると、ボディ側の勘合部と、ステアリングシャフト側の勘合部を対応の位置関係で設置する必要があるため、ステアリングホイールの設置位置を自由に選びにくくなる問題がある。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、ステアバイワイヤと併設し易い乗り物盗難防止装置を実現することである。
上記の課題を解決するため、この発明は、運転室に設置されたステアリングホイールと、前記ステアリングホイールと一体的に回転するシャフトと、前記シャフトと同軸上に設けられ、通電により当該シャフトの回転を阻止するロック状態となり、当該通電の遮断により当該シャフトの回転を許容するフリー状態となる電磁ブレーキと、前記運転室への搭乗者が運転権限を有するか否かを判定する搭乗者判定処理部を有し、当該搭乗者が運転権限を有しないと当該搭乗者判定処理部で判定した場合、前記電磁ブレーキを前記ロック状態に制御する制御部と、を備える乗り物盗難防止装置、という第一の構成を採用した。
このようにすると、電磁ブレーキに対する通電の遮断(非通電)と通電の切り替えにより、ステアリングホイールと一体的に回転可能なシャフトの回転を許容するフリー状態から、シャフトの回転を阻止するロック状態に切り替え、これにより、ステアリングホイールの回転を阻止することができる。運転室への搭乗者が運転権限を有しないと搭乗者判定処理部が判定した場合、制御部の制御下でロック状態にある電磁ブレーキによってステアリングホイールの回転が阻止されるので、乗り物の盗難が防止される。また、ステアリングホイールの回転伝達系に属するシャフトと同軸上に設けられる電磁ブレーキは、その通電切り替えに基づいてステアリングホイールの回転を任意の角度位置で阻止することが可能であるので、ボディ側との位相関係を問わずに配置することができ、また、ステアリングシャフトの長さを要することなく配置することもできる。このように、上記第一の構成によれば、ステアバイワイヤと併設し易い乗り物盗難防止装置を実現することができる。
上記第一の構成において、前記搭乗者判定処理部は、前記運転室への搭乗が行われたか否かを監視し、前記制御部は、その搭乗が行われたと当該搭乗者判定処理部で判定したときに前記電磁ブレーキを前記ロック状態に切り替え、当該搭乗者判定処理部は、その搭乗者が運転権限を有するか否かを判定し、当該制御部は、その運転権限を有すると当該搭乗者判定処理部で判定したときに前記電磁ブレーキを前記フリー状態に切り替える、という第二の構成を採用することができる。
上記第二の構成によると、運転室への搭乗が行われた際に制御部が電磁ブレーキをロック状態に切り替えるので、運転室を移動する搭乗者がステアリングホイールに体重をかけてトルクを与える事態が起こっても、搭乗者が体勢を崩さないようにステアリングホイールの回転を電磁ブレーキで阻止することができ、ひいては搭乗者の負傷を防止することができる。
上記第一又は第二の構成において、前記ステアリングホイールと機械的に切り離して設けられ、当該ステアリングホイールの操作量に応じて操舵対象の向きを変化させる転舵アクチュエータをさらに備え、前記制御部は、前記操舵対象の向きがストロークエンドに到達したか否かを監視し、そのストロークエンドに到達したと判定したときに前記電磁ブレーキを前記ロック状態に切り替える、という第三の構成を採用することができる。
上記第三の構成によると、ステアリングホイールと転舵アクチュエータを機械的に切り離したステアバイワイヤの乗り物において、操舵対象の向きがストロークエンドに到達したときに、制御部が電磁ブレーキに通電し、ステアリングホイールの回転が阻止されるので、運転者がステアリングホイールを通じてその状況を確実に感知することができる。したがって、ステアバイワイヤの乗り物の運転者によるストロークエンドの確実な感知と、当該乗り物の盗難防止とを共通の電磁ブレーキ及び制御部で実現することができる。
上記第一から第三の構成のいずれかにおいて、前記電磁ブレーキは、回転しないように固定された固定部材と、前記シャフトと前記固定部材のうちの一方に連結された内方部材と、前記シャフトと前記固定部材のうちの他方に連結され前記内方部材を取り囲む外輪と、前記内方部材と前記外輪の内周との間に配置された係合子と、前記係合子を保持し、前記内方部材と前記外輪の内周の間に前記係合子を係合させる係合位置と、前記内方部材と前記外輪の内周の間への前記係合子の係合を解除する係合解除位置との間で周方向に移動可能に支持された保持器と、軸方向に移動可能に支持されたアーマチュアと、通電により前記アーマチュアを吸引して軸方向に移動させる電磁石と、前記アーマチュアの移動に応じて、前記保持器を前記係合位置と前記係合解除位置のうち一方から他方に周方向移動させる動作変換機構と、を有する、という第四の構成を採用することができる。
上記第四の構成によると、係合子が内方部材と外輪の内周間に噛み込むことでシャフトの回転を阻止するので、運転者がステアリングホイールを速く回転させる状況でその回転を電磁ブレーキで阻止するときであっても衝突音の発生を防止することができる。
上述のように、この発明は、上記第一の構成の採用により、ステアバイワイヤと併設し易い乗り物盗難防止装置を実現することができる。
この発明の一例としての第一実施形態にかかる乗り物盗難防止装置を図1、図2に示す。この乗り物盗難防止装置は、運転室に搭乗した運転者によるステアリングホイール1の操作量を電気信号に変換し、その電気信号に基づいて転舵アクチュエータ2を制御することで、車両の左右一対の転舵輪3(操舵対象)の向きを変化させるステアバイワイヤの車両用のものを例示している。
この乗り物盗難防止装置は、運転者により回転操作されるステアリングホイール1と、ステアリングホイール1に直結されたステアリングシャフト4と、ステアリングホイール1の操作量を検知する操舵センサ5と、ステアリングホイール1に操舵反力を与える反力モータ6と、反力モータ6に取り付けられた電磁ブレーキ7と、ステアリングホイール1に対して機械的に切り離して設けられた転舵アクチュエータ2と、電磁ブレーキ7等を制御するための制御部8と、を備える。
ステアリングシャフト4は、ステアリングホイール1を回転操作したときに、ステアリングホイール1と一体に回転するようにステアリングホイール1に接続されている。
操舵センサ5は、ステアリングシャフト4に取り付けられている。操舵センサ5としては、例えば、ステアリングホイール1の操舵角を検知する操舵角センサ、運転者によってステアリングホイール1に入力される操舵トルクを検知する操舵トルクセンサなどが挙げられる。
反力モータ6は、通電により回転トルクを発生する電動モータである。反力モータ6は、ステアリングシャフト4の端部に連結されている。反力モータ6は、回転トルクをステアリングシャフト4に入力することで、そのステアリングシャフト4を介してステアリングホイール1に操舵反力を付与する。
転舵アクチュエータ2は、転舵軸10と、転舵軸ハウジング11と、転舵軸10を車両の左右方向に移動させる転舵モータ12と、転舵軸10の位置を検知する転舵センサ13とを有する。転舵軸10は、車両の左右方向に移動可能に転舵軸ハウジング11で支持されている。転舵軸ハウジング11は、転舵軸10の左右両端が転舵軸ハウジング11から突出した状態となるように転舵軸10の中央部を収容している。
転舵モータ12および転舵センサ13は、転舵軸ハウジング11に取り付けられている。転舵モータ12と転舵軸10の間には、転舵モータ12が出力する回転を転舵軸10の直線運動に変換する運動変換機構(図示せず)が組み込まれている。転舵軸10の左右両端は、タイロッド14を介して左右一対の転舵輪3に連結され、転舵軸10が軸方向に移動するとこれに連動して左右一対の転舵輪3の向きが変化するようになっている。
図1、図3に示すように、反力モータ6は、モータシャフト15と、モータシャフト15に回転トルクを付与するモータ本体16とを有する。モータ本体16は、筒状のケーシングと、このケーシングに収容された環状のステータ(図示せず)とで構成されている。モータ本体16は、そのケーシングにおいて車両のボディ側の静止部に固定されており、運転室に設置されたステアリングホイール1及びこれに直結されたステアリングシャフト4に対して常に一定の位置関係にある。
モータシャフト15は、モータ本体16からの軸方向の一方側(図では上側)への突出部分と、モータ本体16からの軸方向の他方側(図では下側)への突出部分とを有する。モータシャフト15の図中上側への突出部分にステアリングシャフト4の下端部が同軸に連結され、モータシャフト15の図中下側への突出部分に電磁ブレーキ7が同軸に連結されている。ステアリングシャフト4とモータシャフト15は、ステアリングホイール1と一体的に回転可能な伝達系を構成している。
図1に示す電磁ブレーキ7は、シャフトとしてのモータシャフト15と同軸上に設けられており、電磁ブレーキ7への通電によりステアリングホイール1の回転を阻止するロック状態となり、当該通電の遮断によりステアリングホイール1の回転を許容するフリー状態となり、その通電制御に基づいてステアリングホイール1の回転を任意の角度位置で阻止可能な構造になっている。
具体的には、図3~図5に示すように、電磁ブレーキ7は、モータシャフト15の外周に装着された内方部材21と、内方部材21を取り囲む外輪22と、外輪22及びモータ本体16に対して相対回転しないように固定された固定部材としてのブレーキケース23と、内方部材21の外周に形成されたカム面24と外輪22の内周に形成された円筒面25との間に配置された係合子26と、これら係合子26を保持する保持器27と、軸方向に移動可能に支持されたアーマチュア28と、通電によりアーマチュア28を吸引して軸方向に移動させる電磁石29と、アーマチュア28の移動に応じて保持器27を周方向移動させる動作変換機構30と、を有する。
内方部材21は、モータシャフト15と一体回転することができるようにモータシャフト15の外周にスプライン嵌合している。モータシャフト15と内方部材21の間に周方向の遊び(例えば10°以下の遊び)を設け、その周方向の遊びの範囲ではモータシャフト15と内方部材21の相対回転を許容し、周方向の遊びを超えるとモータシャフト15と内方部材21が一体回転するように構成することも可能である。
外輪22は、ブレーキケース23に嵌め込まれている。ブレーキケース23は、電磁ブレーキ7の構成部材(内方部材21、係合子26、保持器27、アーマチュア28、電磁石29等)を一括して収容する筒状の部材である。ブレーキケース23の軸方向一端には、径方向外方に延びるフランジ部が形成され、そのフランジ部においてモータ本体16のケーシングの軸方向端面にボルト(図示省略)で固定されている。
外輪22は、ブレーキケース23の内周に装着した止め輪31でブレーキケース23から抜け止めされている。図5に示すように、ブレーキケース23の内周に形成されたキー溝32と、外輪22の外周に形成されたキー溝33に、共通のキー部材34が嵌め込まれ、このキー部材34によって、外輪22は回転しないように固定された状態となっている。
図3に示すように、外輪22の内周と内方部材21との間には、内方部材21を外輪22に対して回転可能に支持する軸受35が配置されている。
図4、図5に示すように、内方部材21の外周に複数のカム面24が形成されている。カム面24は、外輪22の円筒面25と半径方向に対向している。各カム面24と円筒面25の間には、周方向中央から周方向両端に向かって次第に狭小となるくさび空間が形成されている。
保持器27には、径方向に貫通するポケット36が周方向に間隔をおいて複数形成されている。各ポケット36に係合子26が収容されている。係合子26としてローラが採用されている。保持器27は、係合子26をカム面24の周方向中央から周方向に移動させることでカム面24と円筒面25の間に係合子26を係合させる係合位置と、係合子26をカム面24の周方向中央に移動させることでカム面24と円筒面25の間への係合子26の係合を解除する係合解除位置との間で、内方部材21に対して周方向に移動可能に支持されている。
図3、図4に示すように、アーマチュア28は、内方部材21の外周で軸方向に移動可能に支持されている。アーマチュア28は、磁性材料(鉄、珪素鋼など)で形成された円盤状の部材である。
電磁石29は、アーマチュア28と軸方向に対向して配置されている。電磁石29は、軸方向と周方向のいずれにも移動しないようにブレーキケース23に固定されている。アーマチュア28と電磁石29の間には、アーマチュア28を電磁石29から離反する方向に付勢する離反ばね37が配置されている。
電磁石29は、アーマチュア28に向かって軸方向に開放するC形断面をもつ環状のフィールドコア38と、フィールドコア38に巻回されたソレノイドコイル39とを有する。ソレノイドコイル39に通電すると、フィールドコア38とアーマチュア28とを通る磁気回路が形成され、アーマチュア28はフィールドコア38に吸引される。ブレーキケース23には、ソレノイドコイル39に電力を供給するリード線40を通すための貫通孔が形成されている。この貫通孔にゴム製のグロメット41が装着されている。
図4に示すように、動作変換機構30は、アーマチュア28に対して軸方向に相対移動可能な状態でアーマチュア28に回り止めされかつ保持器27に回り止めされたプレート42と、保持器27を係合解除位置に弾性的に保持するセンタリングばね43とを有する。
プレート42の外周には、保持器27に形成された係合凹部44に係合する係合凸部45が形成されている。プレート42は、それら係合凸部45と係合凹部44の係合によって、保持器27と一体に周方向移動するように保持器27に回り止めされている。また、プレート42には、アーマチュア28に向かって軸方向に延びる突起46が形成されている。アーマチュア28には、プレート42の突起46が軸方向にスライド可能に挿入される孔47が形成されている。プレート42は、それら突起46と孔47の係合によって、アーマチュア28に対して軸方向移動可能な状態で、アーマチュア28と一体に周方向移動するようにアーマチュア28に回り止めされている。
図5に示すように、センタリングばね43は、鋼線をC形に巻いたC形環状部48と、C形環状部48の両端からそれぞれ径方向外方に延出する一対の延出部49とからなる。C形環状部48は、内方部材21の軸方向の一端面に形成された円形のばね収容凹部50に嵌め込まれている。一対の延出部49は、ばね収容凹部50から径方向外方に貫通するように内方部材21の軸方向端面に形成された径方向溝51に挿入されている。
センタリングばね43の延出部49は、内方部材21の径方向溝51の径方向外端から突出しており、この突出部分が、保持器27に形成された切欠き部52に挿入されている。径方向溝51と切欠き部52は同じ周方向幅をもつように形成されている。センタリングばね43の延出部49は、内方部材21の径方向溝51の内面と、保持器27の切欠き部52の内面にそれぞれ接触し、その接触部分に作用する周方向の力によって保持器27を係合解除位置に弾性保持する。
図3~図5に示す電磁ブレーキ7は、電磁石29が非通電の状態では、内方部材21およびモータシャフト15の回転を許容するフリー状態となる。すなわち、電磁石29が非通電のとき、アーマチュア28が離反ばね37の付勢力によって電磁石29から離反し、アーマチュア28は、電磁石29に対して自由に回転可能な状態となる。このとき、保持器27は、センタリングばね43の弾性復元力によって係合解除位置に保持されるので、内方部材21を回転させても、内方部材21のカム面24と外輪22の円筒面25との間に係合子26は噛み込まず、内方部材21およびモータシャフト15は外輪22に対して正逆両方向に自由に回転することが可能である。
一方、電磁石29に通電した状態では、内方部材21およびモータシャフト15の回転を阻止するロック状態となる。すなわち、電磁石29に通電したとき、アーマチュア28は電磁石29に吸着され、アーマチュア28が電磁石29に摩擦接触した状態となる。このとき、内方部材21を回転させると、電磁石29に摩擦接触するアーマチュア28が、プレート42を介して保持器27に回り止めされているので、保持器27は回転が制限され、その保持器27に対して内方部材21が相対回転する。その結果、保持器27が、センタリングばね43の弾性力に抗し係合解除位置から係合位置に移動し、内方部材21のカム面24と外輪22の円筒面25との間に係合子26が噛み込むように係合するので、内方部材21の回転が阻止され、内方部材21に連結されたモータシャフト15の回転が阻止される。
図1に示す制御部8は、前述の反力モータ6、電磁ブレーキ7、転舵モータ12を制御する。制御部8の入力側には、外部センサ60、操舵センサ5、転舵センサ13、搭乗検知用の検知器61~66が電気的に接続されている。制御部8の出力側には、反力モータ6、電磁ブレーキ7、転舵アクチュエータ2が電気的に接続されている。
外部センサ60は、車両の走行速度を検知する車速センサ等である。制御部8は、操舵センサ5で検知されるステアリングホイール1の操作量と、外部センサ60で検知される車両の走行状況(車速等)とに応じて転舵モータ12を作動させ、左右一対の転舵輪3の向きを変化させる制御を行なう。また、このとき、制御部8は、ステアリングホイール1の操作量と車両の走行状況とに応じた大きさの操舵反力が発生するように反力モータ6を作動させる制御を行なう。
制御部8は、転舵センサ13で検知される転舵軸10の位置に基づいて、転舵輪3の向きがストロークエンドに到達したか否かを判定する。そして、転舵輪3の向きがストロークエンドに到達していないと判定したときは、電磁ブレーキ7の電磁石29(図3参照)を非通電とすることで、保持器27を係合解除位置に保持する。一方、転舵輪3の向きがストロークエンドに到達したと判定したときは、電磁ブレーキ7の電磁石29(図3参照)に通電することで、保持器27を係合解除位置から係合位置に移動させる。
ステアバイワイヤにおいては、運転者によって回転操作されるステアリングホイール1と、操舵対象としての転舵輪3の向きを変化させる転舵アクチュエータ2とが機械的に切り離されているため、停車中に運転者がステアリングホイール1を操作して転舵輪3の向きがその移動限界(ストロークエンド)に到達したときにも、運転者は、さらにステアリングホイール1を回転操作することが可能である。そのため、電磁ブレーキ7をロック状態にしなければ、転舵輪3の向きがストロークエンドに到達しているにもかかわらず、運転者は、転舵輪3の向きがストロークエンドに到達していることに気付かない。このようなとき、制御部8が電磁ブレーキ7に通電してロック状態に切り替えることにより、ステアリングホイール1の回転操作を規制すれば、運転者は、ステアリングホイール1を通じて転舵輪3の向きがストロークエンドに到達した状況を確実に感知することができる。また、転舵輪3の側面が路上の縁石に接触するなどして、転舵輪3の向きをそれ以上変化させることができない状況となったときも同様であり、制御部8は、操舵センサ5で検知される操作量に対する転舵センサ13で検知される転舵軸10の位置の非対応性からストロークエンドに到達したと判断し、電磁ブレーキ7をロック状態に切り替えることが可能である。なお、反力モータ6によってステアリングシャフト4に逆入力トルクを与えることでステアリングホイール1の操作感を重くすることにより転舵輪3の向きがストロークエンドに到達したことを運転者に感知させることも可能だが、この場合、運転者に確実に気付かせる程の逆入力トルクを発生させるのに反力モータ6が大型になる点で不利となる。
また、制御部8は、運転室への搭乗者が運転権限を有するか否かを判定する搭乗者判定処理部8aを有する。制御部8は、搭乗者判定処理部8aでの運転権限の判定結果に応じて、電磁ブレーキ7の通電と非通電を切り替え、ステアリングホイール1をロック状態又はフリー状態に制御する。
搭乗者判定処理部8aは、検知器61~66と接続されている(以下、図1、図2を適宜参照のこと。)。検知器61~66は、運転室への搭乗が行われたか否かを検知するためのセンサ、スイッチ等である。例えば、検知器61~65は、それぞれ車両に備わるドアの開閉を検知するセンサ、ドアの開閉時やウインドウの破壊時に発生する振動を検知するセンサであり、検知器66は、運転席に人が着座したか否かを検知するセンサである。搭乗者判定処理部8aは、検知器61~66の信号に基づいて運転室への搭乗が行われたか否かを監視する。例えば、搭乗者判定処理部8aは、検知器61~66の少なくとも一つからドア開、運転席への着座、振動検知等の運転室への搭乗が行われたことに対応の信号が入力されたか否かを監視し、その入力が有った場合、運転室への搭乗が行われたと判定する。また、搭乗者判定処理部8aは、その搭乗者が運転権限を有するか否かを判定する。この判定処理は、例えば、正規のキーを用いたキーオン操作の検知、運転席に着座した搭乗者の顔を撮像するカメラ(図示省略)を用いた顔認証、運転室に設置された指紋読み取り器(図示省略)を用いた指紋認証等、予め制御部8に登録されている権限認証条件に基づいて行われる。
搭乗者判定処理部8aでの判定結果に基づいて制御部8が電磁ブレーキ7を制御する際のフローチャートを図6に示す。
制御部8は、乗り物を運転不可な状態に切り替えるために運転者によって行われるキーオフ操作、例えば乗り物の動力源であるエンジンや主電源を切るためのキー操作、ボタン操作等を検知すると、搭乗者判定処理部8aでの判定結果に基づいた図6の盗難防止処理をスタートする。このスタート時、制御部8は、電磁ブレーキ7への通電を遮断しており、電磁ブレーキ7はフリー状態にある。
制御部8が盗難防止処理をスタートすると、搭乗者判定処理部8aは、検知器61~66からの信号に基づいて運転室への搭乗が行われたか否かを監視する(ステップS1)。制御部8は、運転室への搭乗が行われたと搭乗者判定処理部8aで判定したとき(対応の信号が発生したとき)、電磁ブレーキ7へ通電し、ロック状態に切り替える(ステップS2)。これにより、ステアリングホイール1に対するステアリングロックが行われる。
さらに、搭乗者判定処理部8aは、その搭乗者が運転権限を有するか否かを判定する処理を行う状態になる(ステップS3)。
制御部8は、その搭乗者が運転権限を有すると搭乗者判定処理部8aで判定したとき、電磁ブレーキ7への通電を遮断してフリー状態に切り替え(ステップS4)、盗難防止処理を終了する。これにより、ステアリングホイール1に対するステアリリンロックが解除される。
一方、制御部8は、ステップS3において、その搭乗者が運転権限を有しないと搭乗者判定処理部8aで判定したとき、電磁ブレーキ7への通電を維持して、電磁ブレーキ7をロック状態に制御する。制御部8は、運転権限の判定結果が運転権限有りになるまで運転権限の判定処理を繰り返し、この間、運転権限有りになるまで電磁ブレーキ7をロック状態に維持する。
この乗り物盗難防止装置は、上述のように、乗り物としての車両の運転室に設置されたステアリングホイール1と、ステアリングホイール1と一体的に回転するシャフトとしてのモータシャフト15と、モータシャフト15と同軸上に設けられ、通電により当該モータシャフト15の回転を阻止するロック状態となり、当該通電の遮断により当該モータシャフト15の回転を許容するフリー状態となる電磁ブレーキ7と、運転室への搭乗者が運転権限を有するか否かを判定する搭乗者判定処理部8aを有し、当該搭乗者が運転権限を有しないと当該搭乗者判定処理部8aで判定した場合、電磁ブレーキ7をロック状態に制御する制御部8と、を備えるものである。
この乗り物盗難防止装置は、電磁ブレーキ7に対する通電の遮断(非通電)と通電の切り替えにより、ステアリングホイール1と一体的に回転可能なモータシャフト15の回転を許容するフリー状態から、モータシャフト15の回転を阻止するロック状態に切り替え、これにより、ステアリングホイール1の回転を阻止することができる。運転室への搭乗者が運転権限を有しないと搭乗者判定処理部8aが判定した場合、制御部8の制御下でロック状態にある電磁ブレーキ7によってステアリングホイール1の回転が阻止されるので、乗り物の盗難が防止される。
また、ステアリングホイール1の回転伝達系に属するモータシャフト15と同軸上に設けられる電磁ブレーキ7は、その通電切り替えに基づいてステアリングホイール1の回転を任意の角度位置で阻止することが可能である。したがって、電磁ブレーキ7は、車両のボディ側とステアリングシャフト4との位相関係を問わずに配置することができ、ステアリングシャフト4の長さを要することなく配置することもできる。これにより、転舵アクチュエータ2に対して機械的に非連結なステアリングホイール1の設置位置は、電磁ブレーキ7の設置位置に制限されることなく自由に選び易くなる。
このように、この乗り物盗難防止装置によれば、ステアバイワイヤと併設し易い乗り物盗難防止装置を実現することができる。
また、この搭乗者判定処理部8aは、運転室への搭乗が行われたか否かを監視し、制御部8は、その搭乗が行われたと当該搭乗者判定処理部8aで判定したときに電磁ブレーキ7をロック状態に切り替え、当該搭乗者判定処理部8aは、その搭乗者が運転権限を有するか否かを判定し、当該制御部8は、その運転権限を有すると当該搭乗者判定処理部8aで判定したときに電磁ブレーキ7を前記フリー状態に切り替えるものである。これにより、この乗り物盗難防止装置は、運転室への搭乗が行われた際に制御部8が電磁ブレーキ7をロック状態に切り替えるので、運転室を移動する搭乗者がステアリングホイール1に体重をかけてトルクを与える事態が起こっても、搭乗者が体勢を崩さないようにステアリングホイール1の回転を電磁ブレーキ7で阻止することができ、ひいては搭乗者の負傷を防止することができる。
また、この乗り物盗難防止装置は、ステアリングホイール1と機械的に切り離して設けられ、当該ステアリングホイール1の操作量に応じて操舵対象としての転舵輪3の向きを変化させる転舵アクチュエータ2をさらに備え、転舵輪3の向きがストロークエンドに到達したか否かを制御部8が監視し、そのストロークエンドに到達したと判定したときに制御部8が電磁ブレーキ7をロック状態に切り替えるものである。このため、ステアリングホイール1と転舵アクチュエータ2を機械的に切り離したステアバイワイヤの乗り物としての車両において、転舵輪3の向きがストロークエンドに到達したときに、制御部8が電磁ブレーキ7に通電し、ステアリングホイール1の回転がモータシャフト15及びステアリングシャフト4を介して電磁ブレーキ7に阻止されるので、運転者がステアリングホイール1を通じてその状況を確実に感知することができる。したがって、この乗り物盗難防止装置は、ステアバイワイヤの乗り物の運転者によるストロークエンドの確実な感知と、当該乗り物の盗難防止とを共通の電磁ブレーキ7及び制御部8で実現することができる。
また、この電磁ブレーキ7は、回転しないように固定された固定部材としてのブレーキケース23と、モータシャフト15(シャフト)とブレーキケース23(固定部材)のうちの一方に連結された内方部材21と、モータシャフト15(シャフト)とブレーキケース23(固定部材)のうちの他方に連結され内方部材21を取り囲む外輪22と、内方部材21と外輪22の内周との間に配置された係合子26と、係合子26を保持し、内方部材21と外輪22の内周の間に係合子26を係合させる係合位置と、内方部材21と外輪22の内周の間への係合子26の係合を解除する係合解除位置との間で周方向に移動可能に支持された保持器27と、軸方向に移動可能に支持されたアーマチュア28と、通電によりアーマチュア28を吸引して軸方向に移動させる電磁石29と、アーマチュア28の移動に応じて、保持器27を係合位置と係合解除位置のうち一方から他方に周方向移動させる動作変換機構30と、を有するものである。この電磁ブレーキ7は、周方向に次第に狭小なくさび空間を成す内方部材21と外輪22の内周間に係合子26が噛み込むことでモータシャフト15の回転を阻止することができる。したがって、この乗り物盗難防止装置は、運転者がステアリングホイール1を速く回転させる状況でその回転を電磁ブレーキ7で阻止するときであっても衝突音の発生を防止することができる。
第一実施形態においては、運転室への搭乗が行われたことを契機として電磁ブレーキ7をロック状態に制御したが、この発明においては、運転室への搭乗者が運転権限を有するか否かの判定後に電磁ブレーキをロック状態に制御することも可能である。その一例としての第二実施形態に係る盗難防止処理のフローチャートを図7に示す(適宜、図1を参照)。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
制御部8が盗難防止処理のスタート後、搭乗者判定処理部8aが運転室への搭乗が行われたと判定したとき(ステップS11)、運転権限の判定を行い(ステップS12)、ここで運転権限を有すると判定したとき、制御部8が電磁ブレーキ7に通電することなく盗難防止処理を終了する。
一方、制御部8は、ステップS12において運転権限を有しないと搭乗者判定処理部8aで判定したとき、電磁ブレーキ7に通電してロック状態に制御する(ステップS13)。続いて、搭乗者判定処理部8aは、運転権限の判定結果が運転権限有りになるまで運転権限の判定処理を繰り返し、この間、制御部8は、搭乗者判定処理部8aで運転権限有りと判定するまで電磁ブレーキ7をロック状態に維持し(ステップS14)、搭乗者判定処理部8aで運転権限有りと判定したら電磁ブレーキ7への通電を遮断してフリー状態に制御し(ステップS15)、盗難防止処理を終了する。
図7例において、ステップS11の搭乗判定は、操舵センサ5によるステアリングホイール1の回転検知に基づく判定処理を採用している。すなわち、搭乗者がステアリングホイール1を回すことは運転室への搭乗が行われたことを示す事象であるから、盗難防止に支障のない範囲の所定量以上のステアリングホイール1の回転を操舵センサ5が検知したか否かで搭乗の有無を判定することが可能である。勿論、第二実施形態においても検知器61~66の信号に基づく搭乗判定を採用することも可能である。
第一実施形態のように搭乗者の体勢崩れを防止する目的がある場合、搭乗者がステアリングホイール1を回すか否かに頼ることなく搭乗判定を行えることが好ましいので、検知器61~66の信号に基づく搭乗判定を採用することが好ましいが、その目的を重視しない場合、操舵センサ5を利用した搭乗判定の採用し、適宜に検知器61~66を省略することが可能である。
上述の各実施形態では、普通乗用車の左右一対の転舵輪3を操舵対象とする車両用操舵装置を例に挙げて説明したが、この発明は、車両(乗用車)に限らず、船舶、建設機械、農業機械、全地形対応車、多用途四輪車など、ステアリングホイールの回転量に応じて転舵アクチュエータを作動させて操舵対象の向きを変化させるステアバイワイヤの他の乗り物にも同様に適用することが可能である。
また、上述の各実施形態では、乗り物の運転室が閉鎖的なものを例示したが、この発明は、ドアや屋根のないオープンな運転室を有する乗り物にも適用することが可能である。例えば、例えば、小型モータボートのようなオープンな運転室の場合、運転席への着座の検知、運転室を監視するカメラ映像の画像認識による搭乗者の検知によって、電磁ブレーキをロック状態に切り替えるようにすることが可能である。
また、上述の各実施形態では、電磁ブレーキ7を反力モータ6に対して反ステアリングホイール1側に配置した例を示したが、この発明は、電磁ブレーキを反力モータとステアリングホイールとの間に配置する場合にも適用することが可能である。
また、上述の各実施形態では、電磁ブレーキを連結するシャフト(モータシャフト15)と、ステアリングホイール1に直結されたステアリングシャフト4とを同一の回転軸線上に配置したが、この発明は、ステアリングシャフトの回転軸線に対してシャフトの回転軸線を平行又は交差する方向に配置する場合にも適用することが可能である。例えば、ステアリングシャフトの回転軸線と、平行又は交差する方向の回転軸線をもったモータシャフトとの間のトルク伝達を歯車伝達機構で行うようにし、電磁ブレーキをステアリングシャフト又はモータシャフトに連結することが可能である。
また、上述の各実施形態では、反力モータ6のモータシャフト15に電磁ブレーキ7を連結した場合を例示したが、この発明は、反力モータを備えないステアバイワイヤの乗り物にも適用することが可能である。この場合、運転者によるステアリングホイール1の回転を常に伝達する系統に属するシャフトに電磁ブレーキを連結すればよいだけのことであり、例えば、この発明は、ステアリングシャフトと同軸上に電磁ブレーキを連結すれば、ステアリングシャフトの回転を電磁ブレーキで直接に阻止することが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ステアリングホイール
2 転舵アクチュエータ
3 転舵輪(操舵対象)
6 反力モータ
7 電磁ブレーキ
8 制御部
8a 搭乗者判定処理部
15 モータシャフト(シャフト)
21 内方部材
22 外輪
23 ブレーキケース(固定部材)
26 係合子
27 保持器
28 アーマチュア
29 電磁石
30 動作変換機構
61~66 検知器
2 転舵アクチュエータ
3 転舵輪(操舵対象)
6 反力モータ
7 電磁ブレーキ
8 制御部
8a 搭乗者判定処理部
15 モータシャフト(シャフト)
21 内方部材
22 外輪
23 ブレーキケース(固定部材)
26 係合子
27 保持器
28 アーマチュア
29 電磁石
30 動作変換機構
61~66 検知器
Claims (4)
- 運転室に設置されたステアリングホイールと、
前記ステアリングホイールと一体的に回転するシャフトと、
前記シャフトと同軸上に設けられ、通電により当該シャフトの回転を阻止するロック状態となり、当該通電の遮断により当該シャフトの回転を許容するフリー状態となる電磁ブレーキと、
前記運転室への搭乗者が運転権限を有するか否かを判定する搭乗者判定処理部を有し、当該搭乗者が運転権限を有しないと当該搭乗者判定処理部で判定した場合、前記電磁ブレーキを前記ロック状態に制御する制御部と、を備える乗り物盗難防止装置。 - 前記搭乗者判定処理部は、前記運転室への搭乗が行われたか否かを監視し、前記制御部は、その搭乗が行われたと当該搭乗者判定処理部で判定したときに前記電磁ブレーキを前記ロック状態に切り替え、当該搭乗者判定処理部は、その搭乗者が運転権限を有するか否かを判定し、当該制御部は、その運転権限を有すると当該搭乗者判定処理部で判定したときに前記電磁ブレーキを前記フリー状態に切り替える請求項1に記載の乗り物盗難防止装置。
- 前記ステアリングホイールと機械的に切り離して設けられ、当該ステアリングホイールの操作量に応じて操舵対象の向きを変化させる転舵アクチュエータをさらに備え、
前記制御部は、前記操舵対象の向きがストロークエンドに到達したか否かを監視し、そのストロークエンドに到達したと判定したときに前記電磁ブレーキを前記ロック状態に切り替える請求項1又は2に記載の乗り物盗難防止装置。 - 前記電磁ブレーキは、
回転しないように固定された固定部材と、
前記シャフトと前記固定部材のうちの一方に連結された内方部材と、
前記シャフトと前記固定部材のうちの他方に連結され前記内方部材を取り囲む外輪と、
前記内方部材と前記外輪の内周との間に配置された係合子と、
前記係合子を保持し、前記内方部材と前記外輪の内周の間に前記係合子を係合させる係合位置と、前記内方部材と前記外輪の内周の間への前記係合子の係合を解除する係合解除位置との間で周方向に移動可能に支持された保持器と、
軸方向に移動可能に支持されたアーマチュアと、
通電により前記アーマチュアを吸引して軸方向に移動させる電磁石と、
前記アーマチュアの移動に応じて、前記保持器を前記係合位置と前記係合解除位置のうち一方から他方に周方向移動させる動作変換機構と、を有する請求項1又は2に記載の乗り物盗難防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022134065A JP2024030867A (ja) | 2022-08-25 | 2022-08-25 | 乗り物盗難防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022134065A JP2024030867A (ja) | 2022-08-25 | 2022-08-25 | 乗り物盗難防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2024030867A true JP2024030867A (ja) | 2024-03-07 |
Family
ID=90105822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022134065A Pending JP2024030867A (ja) | 2022-08-25 | 2022-08-25 | 乗り物盗難防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024030867A (ja) |
-
2022
- 2022-08-25 JP JP2022134065A patent/JP2024030867A/ja active Pending
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