JP2024030228A - ステアリングシャフトのグロメット - Google Patents
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Abstract
【課題】ダッシュパネルへの当接時におけるカップシールの内方への巻き込みの発生を抑制しつつグロメットの成形作業能率の向上を図り得るグロメットを提供する。【解決手段】ダッシュパネル9とステアリングギヤボックス3との間にステアリングシャフト6を覆うグロメット1が介装されている。グロメットは、ステアリングギヤボックス3に外挿嵌合される取付基部20と、筒状部21と、ダッシュパネル9のシャフト挿通孔9aの周辺に圧接するカップシール22と、を備えている。カップシールは、外周部に有する開放端部22bの端面にダッシュパネルに当接する円環状のシール部22cを有し、カップシールの内周面のうち、シール部をダッシュパネルに当接させる際に、少なくとも当接初期の短径側端部22d側の内周面に円弧状の補強リブ23を設けた。【選択図】図3
Description
本発明は、車両におけるステアリングシャフトのグロメットに関し、特にエンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルとステアリングギヤボックスとの間に介装されて、内部をステアリングシャフトが貫通する筒状のグロメットに関する。
この種のステアリングシャフトのグロメットとしては、その一例として特許文献1に記載されたものがある。なお、この種のグロメットは、ダッシュパネルに形成された穴を貫通するステアリングシャフトを覆う筒状のものでもあるため、ステアリングホールカバーあるいはステアリングシャフトカバー等とも称される。
図1は本発明に係るグロメットと従来のグロメットの正規組付状態での概略説明図、図10は組立時におけるグロメットがダッシュパネルに当接する方向を示す説明図、図11(a)は従来のグロメットの縦断面図、(b)は図11(a)のA部拡大図である。
従来のグロメット40は、可撓変形可能なゴム材によって一体に形成されて、例えば、図1に示すように、エンジンルーム7と車室8とを隔離するダッシュパネル9とステアリングギヤボックス3との間に介装されており、図11(a)に示すように、ステアリングギヤボックス3の端部に外挿嵌合される取付基部41と、この取付基部41と一体に形成されて、ステアリングシャフト6の周囲を覆う円筒状の筒状部42と、該筒状部42の端部に一体に設けられて、前記ダッシュパネル9のシャフト挿通孔9aの孔縁部付近にエンジンルーム7側から当接してシールする大径円環状のカップシール43と、を備えている。
前記カップシール43は、図11(a)に示すように、円盤状の最大直径部43aと、ダッシュパネル9に正対する円環状の開放端部43bと、該開放端部43bの端面外周側に一体に形成されてダッシュパネル9のシャフト挿通孔9aの孔縁部付近に当接する円環状のシール部43cと、を有している。また、カップシール43は、シール部43cの内周側にフランジ部44が一体に設けられている。このフランジ部44は、カップシール43の開放端部43の内周面の全周にわたって円盤状に形成されて、これによってカップシール43全体の剛性を高めるようになっている。
すなわち、グロメット40をダッシュパネル9に組付ける場合において、グロメット40のカップシール43を、前記ダッシュパネル9のシャフト挿通孔9aの孔縁部付近の当接面9bに当接させる際には、図10に示すように、当接面9bに対する垂直線(一点鎖線)に対して実線矢印で示す所定の角度θをもって当接させるようになっている。したがって、カップシール43がダッシュパネル9の当接面9bに最初に当接する部位は径方向長さが短い短径側部位43dとなるが、このとき、この短径側部位43dが、撓み変形して外端縁から図中白抜き矢印で示す内方へ巻き込まれるおそれがある。そこで従来技術では、前記フランジ部44を設けることによって、カップシール22全体の剛性を高めて短径側端部43dの内方への巻き込みを抑制するようになっている。
しかしながら、前記従来のグロメット40は、円盤状のフランジ部44によって組付け時の内方への巻き込みを抑制できるものの、このフランジ部44が、グロメット40の金型成形後における上下方向への脱型時にいわゆるアンダーカットになってしまうことから、カップシール22を成形する金型を脱型(離型)することが困難になるおそれがある。そこで、成形後にエア脱型装置を用いて取付基部41の内部からカップシール43の内部へ高圧エアを吹き込んでカップシール43全体を拡径変形させることによって脱型する方法が取られている。このため、グロメット40の成形作業が煩雑になって、この成形作業の能率の低下と成形コストの上昇が余儀なくされている。
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、ダッシュパネルへの組付け時におけるカップシールの内方への巻き込みの発生を抑制しつつグロメットの成形作業能率の向上を図り得るグロメットを提供することを目的としている。
本願の請求項1に係る発明は、エンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルとステアリングギヤボックスとの間に介装されて、内部に前記ステアリングギヤボックスに連係するステアリングシャフトが貫通する筒状のグロメットであって、
前記ステアリングギヤボックスの端部に外挿嵌合される取付基部と、
該取付基部と一体に形成され、ステアリングシャフトの周囲を覆う円筒状の筒状部と、
該筒状部の前記取付基部と反対側の端部に一体に設けられて、前記ダッシュパネルに当接するカップシールと、を備え、
前記カップシールは、外周側に前記ダッシュパネルに弾接する円環状のシール部を有し、
前記カップシールの内周面のうち、前記シール部を前記ダッシュパネルに当接させる際に、少なくとも当接初期の当接部位側の内周面に補強リブを設けたことを特徴としている。
前記ステアリングギヤボックスの端部に外挿嵌合される取付基部と、
該取付基部と一体に形成され、ステアリングシャフトの周囲を覆う円筒状の筒状部と、
該筒状部の前記取付基部と反対側の端部に一体に設けられて、前記ダッシュパネルに当接するカップシールと、を備え、
前記カップシールは、外周側に前記ダッシュパネルに弾接する円環状のシール部を有し、
前記カップシールの内周面のうち、前記シール部を前記ダッシュパネルに当接させる際に、少なくとも当接初期の当接部位側の内周面に補強リブを設けたことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、グロメットをダッシュパネルへの組付け時におけるカップシールの内方への巻き込みの発生を抑制しつつグロメットの成形作業能率の向上とコストの低減化を図ることができる。
図1は前述したように本発明に係るグロメットの正規組付状態での概略説明図、図2は本発明に係るグロメットの第1実施形態を示す縦断面図、図3は本実施形態のグロメットの底面図である。
図1に示すように、本実施形態のグロメット1が適用される車両用ステアリング装置は、ステアリングホイール2と、操舵機構の一つである例えばラック・ピニオン式のステアリングギヤボックス3と、ステアリングホイール2とステアリングギヤボックス3を連係する第1~第3のステアリングシャフト4、5、6と、を有している。また、エンジンルーム7と車室8とを仕切るダッシュパネル9に設けられたシャフト挿通孔9aに第3のステアリングシャフト6が挿通されている。また、ダッシュパネル9とステアリングギヤボックス3との間には、第3のステアリングシャフト6の周囲をエンジンルーム7から覆う前記グロメット1が設けられている。
第1~第3のステアリングシャフト4~6は、ユニバーサルジョイント10,11を介して相互に連結されている。第3のステアリングシャフト6の前端は、ステアリングギヤボックス3内のピニオン12に接続されている。ピニオン12は、車幅方向に往復動可能に設けられたラック軸13に噛み合っており、このラック軸13の両端部がタイロッドを介して左右の前輪のナックルアームに連結されて、ステアリングホイール2の回転操作に応じて左右の前輪が転舵されるようになっている。
なお、ステアリングギヤボックス3の側部には、運転者のステアリングホイール2の回転操舵をアシストする図外の電動モータが設けられている。また、前述した操舵機構としては、ラック・ピニオン式のものに限定されるものではなく、ボール・ナット式などにも適用することが可能である。
グロメット1は、前述のように第3のステアリングシャフト6が挿通されて当該ステアリングシャフト6を覆うことができるように例えばゴム系の可撓性材料にてほぼ段付き円筒状に形成されている。
具体的に説明すれば、このグロメット1は、複数の成形金型を用いた金型成形によって一体に成形され、図1~図3に示すように、ステアリングギヤボックス3の端部に外挿嵌合する取付基部20と、該取付基部20の軸方向の一端部に一体に設けられ、第3のステアリングシャフト6の周囲を覆う円筒状の筒状部21と、該筒状部21の前記取付基部20と反対側の端部に一体に設けられて、前記ダッシュパネル9のシャフト挿入孔9aの孔縁部の周囲の当接部9bに当接する円環状のカップシール22と、を有している。
取付基部20は、円筒状に形成されて、内部に第3のステアリングシャフト6が挿入される挿入孔20aが貫通形成されていると共に、該挿入孔20aの内周面にはステアリングギヤボックス3の端部嵌着する複数段の微細なシールビード部20bが形成されている。
筒状部21は、取付基部20と同軸上の本体21aと、該本体21aの外周部に一体に設けられた壁部21bと、を有している。本体21aは、内部に前記取付基部20の挿入孔20aと連続するシャフト孔21cが貫通形成されている。壁部21bは、軸方向の一端部が前記取付基部20の外周面に結合され、他端部がカップシール22の外面に結合されている。
カップシール22は、図2及び図3に示すように、それ自体がほぼ漏斗状に形成され、高さ方向の中間部に位置する円盤状の最大直径部22aが相対的に薄肉でかつ可撓性に富んだ変形容易になっていると共に、ダッシュパネル9と正対する開放端部22bがほぼ楕円形状に形成されている。また、開放端部22bの端面の外周側には、ダッシュパネル9の当接面9bに弾接する円環状のシール部22cが設けられている。
このような基本構成をもつグロメット1は、図1に示すように、ステアリングギヤボックス3に対する正規組付け状態においては、ステアリングギヤボックス3から突出する第3のステアリングシャフト6がダッシュパネル9に有するシャフト挿通孔9aから車室8内に臨んでいることから、グロメット1は第3のステアリングシャフト6のうちエンジンルーム7側であってかつダッシュパネル9に接近する部分を覆っている。
この状態で、グロメット1の取付基部20がステアリングギヤボックス3の端部に外挿されて嵌合することにより、ステアリングギヤボックス3に保持されていると共に、ステアリングギヤボックス3とダッシュパネル9との間で、主としてカップシール22が軸心方向(ダッシュパネル9に対して面直角となる方向)に撓み変形または圧縮変形して、カップシール22のシール部22cがダッシュパネル9のシャフト挿通孔9aの周囲の当接面9bに弾接するようになっている。これによって、ダッシュパネル9のシャフト挿通孔9aとステアリングギヤボックス3との間がシールされて気密性や水密性さらには遮音性が確保される。
また、グロメット1は、取付基部20と筒状部21とがともに同心状のものとして形成されているのに対して、図2のカップシール22の中心線(軸心)P2は筒状部21の中心線(軸心)P1に対して所定角度θ1をなして交差するように設定されている。このため、カップシール22は、取付基部20と筒状部21に対して傾斜した形で一体に形成されている。
そして、カップシール22は、図2及び図3に示すように、開放端部22bの内周面のうちダッシュパネル9への組付け時に、該ダッシュパネル9のシャフト挿通孔9aの周囲の当接面9bに最初に当接する短径側部位22dの内周面に補強リブ23が一体に設けられている。
この補強リブ23は、前記シール部22cの内側で、かつ、開放端部22bの短径側部位22dの中心線Pから内周面の周方向に沿って左右方向へ所定長さLだけ延びた円弧状に形成されている。つまり、補強リブ23は、開放端部22bの内周面全体に形成されているのではなく、ダッシュパネル9への組付け時に、該ダッシュパネル9に最初に当接する短径側端部22d側に部分的に設けられている。言い換えると、グロメット1は、前述したように、カップシール22の中心線(軸心)P2が筒状部21の中心線(軸心)P1に対して所定角度θ1をなして交差するように設定されていることから、ダッシュパネル9への組付け時には、図10に示したように、最初に短径側部位22dがダッシュパネル9に当接するようになっている。したがって、カップシール22の短径側部位22d側の剛性を確保するために、補強リブ23を短径側部位22d側の内周面に部分的に設けている。
補強リブ23は、横断面形状がほぼ矩形状に形成されて、外周部23aが開放端部22bの内面に一体に結合されていると共に、筒状部21側の端部23bが最大直径部22aの底面に一体に結合されて、内部が中実状に形成されている。
このような補強リブ23の配置および構造によって、前述のように、短径側部位22d側の中心線Pの部位及びこの周囲の部位の剛性が確保されるようになっている。
[本実施形態におけるグロメットの作用効果]
以上のように、本実施形態におけるグロメット1は、カップシール22の開放端部22bのうち短径側端部22d側が補強リブ23によって剛性が高くなっていることから、各構成部品の組付け時に、グロメット1のカップシール22をダッシュパネル9の当接面に当接させる際に、最初にダッシュパネル9に当接するカップシール2のシール部22cを含む短径側端部22d側の内方への巻き込みの発生を抑制できる。
以上のように、本実施形態におけるグロメット1は、カップシール22の開放端部22bのうち短径側端部22d側が補強リブ23によって剛性が高くなっていることから、各構成部品の組付け時に、グロメット1のカップシール22をダッシュパネル9の当接面に当接させる際に、最初にダッシュパネル9に当接するカップシール2のシール部22cを含む短径側端部22d側の内方への巻き込みの発生を抑制できる。
しかも、前記従来の技術のように、剛性を確保するためにカップシール22の開放端部22bの内周部、つまり、シール部22cの内周側に円周方向へ連続した環状のフランジ部を形成する必要がなくなるため、グロメットの金型成形時におけるいわゆるアンダーカットがなくなる。したがって、脱型時にアンダーカットを金型から外すためのエア脱型装置などを用いる必要がなくなり、グロメット成形品の離型作業が容易になる。この結果、金型成形の成形作業が容易になって該成形作業能率の向上が図れる。
[第2実施形態]
図4及び図5は本発明の第2実施形態を示し、グロメット1の基本構成は、第1実施形態と同じであって、補強リブの形態を変更したものである。
[第2実施形態]
図4及び図5は本発明の第2実施形態を示し、グロメット1の基本構成は、第1実施形態と同じであって、補強リブの形態を変更したものである。
すなわち、補強リブは、短径側部位22dの内周面に沿って分割状態で3つ設けたものであって、第1補強リブ24は、短径側部位22dの中心線Pの位置に設けられ、他の第2、第3補強リブ25、26は、第1補強リブ24の両側に一定の間隙C1、C2をもって設けられている。
中央の補強リブ24は、周方向の長さL1が両側の補強リブ25,26の周方向の長さL2、L2よりもわずかに長く設定されていると共に、それぞれの外周部24a~26aが開放端部22bの内面に一体に結合されていると共に、筒状部21側の端部24b~26bが最大直径部22aの底面に一体に結合されて、内部が中実状に形成されている。したがって、短径側部位22d側は、第1~第3補強リブ24~26によって剛性が十分に確保されている。
よって、この第2実施形態のグロメット1によれば、第1実施形態と同じく、グロメット1のカップシール22をダッシュパネル9の当接面に当接させる際における該カップシール2の短径側端部22d側の内方への巻き込みの発生を抑制できると共に、アンダーカット部がなくなることからグロメット成形品の脱型作業が容易になる。
また、各補強リブ24~26の間に間隙C1、C2を設けたことによって、短径側部位22dがわずかならも撓み変形し易くなることから、グロメット1をダッシュパネル9に対する組み付け性(当接性)が良好になる。これによって、グロメット1の組付け作業が容易になる。
[第3実施形態]
図6及び図7は本発明の第3実施形態を示し、第2実施形態を前提構成として、カップシール22の短径側端部22dと径方向で反対側の対称位置に長径側端部22e側にも3つの補強リブ27、28、29を形成したものである。
[第3実施形態]
図6及び図7は本発明の第3実施形態を示し、第2実施形態を前提構成として、カップシール22の短径側端部22dと径方向で反対側の対称位置に長径側端部22e側にも3つの補強リブ27、28、29を形成したものである。
この各補強リブ27~29は、それぞれの周方向の長さL1、L2や横断面形状などは第2実施形態の各補強リブ24~26と同じ構成になっていると共に、各補強リブ27~29の間に間隙C3,C4が形成されている。なお、短径側端部22d側の中心線Pから離れた2つの補強リブ25,26と隣接する長径側端部22e側の2つの補強リブ28,29との間には、他の間隙C1~C4よりも周方向に長い間隙C5、C6が形成されている。
したがって、この第3実施形態によれば、6つの補強リブ24~26、27~29によって短径側端部22d側と長径側端部22e側の剛性が高くなることから、カップシール22(開放端部22b)全体の剛性が高くなる。
このため、第2実施形態と同じく、カップシール2の短径側端部22dの内方への巻き込みの発生を抑制できると共に、グロメット成形品の離型作業が容易になることは勿論のこと、カップシール22の長径側端部22e側の剛性も高くなっていることから、グロメット1のカップシール22全体のダッシュパネル9に対する当接力が大きくなってシール部22bをダッシュパネル9の当接面9bに対して強く圧接させることができるので、シャフト挿通孔9aの周辺に対するシール性がさらに向上する。
また、各補強リブ24~29の間には間隙C1~C6が形成されていることから、カップシール22は各間隙C1~C6を介して撓み変形し易くなる。このため、グロメット1(カップシール22)は、ダッシュパネル9の当接面に対して柔軟に対応することができるので、ダッシュパネル9に対する組付け性が良好になる。特に、間隙C5、C6の長さを大きく取っていることから、カップシール22の中央部位での折り曲げが容易になるので、前記組付け性がさらに向上する。
[第4実施形態]
図8及び図9は本発明の第4実施形態を示し、カップシール22の開放端部22bの内周面全体に複数の補強リブ30a、30bが複数の間隙Cnをもって形成されている。各補強リブ30a、30bは、横断面形状や中実であることなどは第1~第3実施形態のものと同じ構成であるが、異なるところは、その周方向の長さがそれぞれ異なっており、一部の補強リブ30aは周方向の長さL3が長く、他の補強リブ30bは周方向の長さL4が短く設定されて、これらが互いに入り混じった状態で周方向に間欠的にかつ連続して配置されている。
[第4実施形態]
図8及び図9は本発明の第4実施形態を示し、カップシール22の開放端部22bの内周面全体に複数の補強リブ30a、30bが複数の間隙Cnをもって形成されている。各補強リブ30a、30bは、横断面形状や中実であることなどは第1~第3実施形態のものと同じ構成であるが、異なるところは、その周方向の長さがそれぞれ異なっており、一部の補強リブ30aは周方向の長さL3が長く、他の補強リブ30bは周方向の長さL4が短く設定されて、これらが互いに入り混じった状態で周方向に間欠的にかつ連続して配置されている。
したがって、この第4実施形態も前述した第1~第3実施形態と同じ作用効果が奏せられると共に、特に、各補強リブ30a、30bがカップシール22の内周面全体に間隙Cnを介して間欠的に配置されていることから、カップシール22全体の剛性を高めることができると共に、撓み変形性も確保できる。
これによって、ダッシュパネル9への組付け性が向上すると共に、カップシール22が周方向全体でダッシュパネル9に対してほぼ均一圧で当接することからシャフト挿通孔9a周辺のシール部22bによるシール性能も向上する。この結果、ステアリングギヤボックス3側からグロメット1に向かうような水撃作用による水圧が作用してもシール部22bによって内部への浸水を未然に防止することができる。
なお、ステアリングギヤボックス3とグロメット1の取付基部20との間では、シールビード部20bのシール機能によって一次的に水密性が付与されていることは言うまでもない。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、各補強リブの横断面形状を三角形などにさらに変更することも可能であり、カップシールの剛性を確保し、かつ、金型成形時にアンダーカットとならない形状であればいずれの形状であっても良い。
1…グロメット
2…ステアリングホイール
3…ステアリングギヤボックス
4…第1のステアリングシャフト
5…第2のステアリングシャフト
6…第3のステアリングシャフト
7…エンジンルーム
8…車室
9…ダッシュパネル
9a…シャフト挿通孔
9b…当接面
20…取付基部
21…筒状部
22…カップシール
22a…最大直径部
22b…開放端部
22c…シール部
22d…短径側端部(初期の当接部位)
22e…長径側端部
23…補強リブ
24~26…補強リブ
27~29…補強リブ
C…間隙
2…ステアリングホイール
3…ステアリングギヤボックス
4…第1のステアリングシャフト
5…第2のステアリングシャフト
6…第3のステアリングシャフト
7…エンジンルーム
8…車室
9…ダッシュパネル
9a…シャフト挿通孔
9b…当接面
20…取付基部
21…筒状部
22…カップシール
22a…最大直径部
22b…開放端部
22c…シール部
22d…短径側端部(初期の当接部位)
22e…長径側端部
23…補強リブ
24~26…補強リブ
27~29…補強リブ
C…間隙
Claims (5)
- エンジンルームと車室とを隔離するダッシュパネルとステアリングギヤボックスとの間に介装されて、内部に前記ステアリングギヤボックスに連係するステアリングシャフトが貫通する筒状のグロメットであって、
前記ステアリングギヤボックスの端部に外挿嵌合される取付基部と、
該取付基部と一体に形成され、ステアリングシャフトの周囲を覆う円筒状の筒状部と、
該筒状部の前記取付基部と反対側の端部に一体に設けられて、外周側に前記ダッシュパネルの前記エンジンルーム側の一側面に当接する円環状のシール部を有するカップシールと、
を備え、
前記カップシールの内周面のうち、前記シール部を前記ダッシュパネルの一側面に弾接させる際に、少なくとも当接初期の当接部位側の内周面に補強リブを設けたことを特徴とするステアリングシャフトのグロメット。 - 請求項1に記載のステアリングシャフトのグロメットであって、
前記補強リブは、前記カップシールの前記当接部位側の内周面に沿って円弧状に形成されていることを特徴とするステアリングシャフトのグロメット。 - 請求項1に記載のステアリングシャフトのグロメットであって、
前記補強リブは、前記カップシールの前記当接部位側の他に、該当接部位側以外のカップシール内周面に、周方向へ所定の間隙をもって複数設けられていることを特徴とするステアリングシャフトのグロメット。 - 請求項1に記載のステアリングシャフトのグロメットであって、
前記補強リブは、前記カップシールの内周面全体に、周方向へ所定の間隙をもって複数設けられていることを特徴とするステアリングシャフトのグロメット。 - 請求項4に記載のステアリングシャフトのグロメットであって、
前記複数の補強リブは、それぞれの周方向の長さが異なっていることを特徴とするステアリングシャフトのグロメット。
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JP2022132931A Pending JP2024030228A (ja) | 2022-08-24 | 2022-08-24 | ステアリングシャフトのグロメット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2024030228A (ja) |
-
2022
- 2022-08-24 JP JP2022132931A patent/JP2024030228A/ja active Pending
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
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