JP2024029745A - 水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法 - Google Patents

水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を簡便に分析することが可能な分析方法を提供する。【解決手段】赤外吸収分光法を用いて水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法であって、下記式(1)で表される検量線を用いることを特徴とする水素添加率を分析する方法に関する。(1)2H-Vin=aA2915+b(式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。A2915は、CH2逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度である。a,bは、定数である。)【選択図】なし

Description

本発明は、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法に関する。
水素添加スチレンブタジエン共重合体、水素添加ブタジエン重合体などの水素添加ジエン系ポリマーは、タイヤなどに適用されるゴム組成物の材料などとして用いられ、一般に、H NMR測定などを用いて特性の分析が行われている。しかし、従来の方法では、サンプルの準備、測定に時間を要するため、簡便な分析方法の提供が望まれている。
本発明は、前記課題を解決し、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を簡便に分析することが可能な分析方法を提供することを目的とする。
本発明は、赤外吸収分光法を用いて水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法であって、
下記式(1)で表される検量線を用いることを特徴とする水素添加率を分析する方法に関する。
(1)2H-Vin=aA2915+b
(式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。A2915は、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度である。a,bは、定数である。)
本発明は、赤外吸収分光法を用いて水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法であって、前記式(1)で表される検量線を用いることを特徴とする水素添加率を分析する方法であるので、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を簡便に分析できる。
水素添加スチレンブタジエン共重合体1~6、非水素添加スチレンブタジエン共重合体の赤外吸収スペクトルを示す図である。 図1の赤外吸収スペクトルのCH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度と、2H-Vinとの関係を示す図である。 水素添加スチレンブタジエン共重合体7の赤外吸収スペクトルを示す図である。
本発明は、赤外吸収分光法を用いて水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法であって、下記式(1)で表される検量線を用いることを特徴とする。
(1)2H-Vin=aA2915+b
(式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。A2915は、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度である。a及びbは、定数である。)
例えば、先ず、ビニル比率(%)及び水素添加率(%)が既知の2種以上の水素添加ジエン系ポリマーに赤外吸収分光法を適用し、次いで、得られた各スペクトルの2915cm-1付近のCH逆対称伸縮振動の各ピーク強度の値A2915(横軸)と、H(既知の各水素添加ジエン系ポリマーの各水素添加率(%))、Vin(既知の各水素添加ジエン系ポリマーの各ビニル比率(%))から算出される各2H-Vinの値(縦軸)との関係に基づいて、2H-Vin=aA2915+bのa及びb(定数)を求めて、検量線を作成する。
そして、例えば、ビニル比率(%)は既知であるが、水素添加率(%)が未知の水素添加ジエン系ポリマー試料について、赤外吸収分光法を用いて赤外吸収スペクトルを得、2915cm-1付近のCH逆対称伸縮振動のピーク強度を測定した後、測定されたピーク強度の値を作成した検量線に適用して該試料の2H-Vin(H:試料の水素添加率(%)、Vin:試料のビニル比率(%))を得、更に試料の既知のビニル比率(%)を用いることで、未知の水素添加ジエン系ポリマー試料の水素添加率H(%)を算出できる。
このように、本発明の方法によれば、水素添加率が不明な水素添加ジエン系ポリマー試料の水素添加率を簡便に分析できる。
以下、本発明の実施形態の一例を詳述するが、本発明はこのような実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
本発明は、赤外吸収分光法を用いて、水素添加率が不明な水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法で、特に下記式(1)で表される検量線を用いることにより、該水素添加率を分析する方法である。
(1)2H-Vin=aA2915+b
(式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。A2915は、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度である。a及びbは、定数である。)
分析対象として適用可能な水素添加ジエン系ポリマー、検量線の作成に使用可能な水素添加ジエン系ポリマーとしては、例えば、少なくとも1種の共役ジエンの単独重合体及び共重合体の水素化物、少なくとも1種の共役ジエンと少なくとも1種の芳香族ビニル化合物とからなる共重合体の水素化物などが挙げられる。少なくとも1種の共役ジエンと少なくとも1種の芳香族ビニル化合物とからなる共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。なお、以下、少なくとも1種の共役ジエンの単独重合体及び共重合体、並びに、少なくとも1種の共役ジエンと少なくとも1種の芳香族ビニル化合物とからなる共重合体を「共役ジエン系(共)重合体」と総称する。
共役ジエン系(共)重合体を構成する共役ジエンとしては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、4,5-ジエチル-1,3-オクタジエン、3-ブチル-1,3-オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、なかでも、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。
共役ジエン系(共)重合体を構成する芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p-t-ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルスチレン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。なかでも、スチレン、α-メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
共役ジエン系(共)重合体を構成する共役ジエンと芳香族ビニル化合物との質量比は特に限定されないが、好ましくは100:0~20:80、より好ましくは97:3~40:60である。
水素添加ジエン系ポリマーは特に限定されず、例えば、25℃で固体状態でゴム成分等として使用可能なポリマー、25℃で液体状態で可塑剤等として使用可能な液状ポリマーなどが挙げられる。
水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率は特に限定されず、任意の水素添加率を測定可能である。タイヤ性能の観点からは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率は、好ましくは60モル%以上、より好ましくは75モル%以上であり、また、好ましくは99モル%以下、より好ましくは98モル%以下である。ここで、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率は、ポリマー中の共役ジエン部に対して水素添加された割合である。
なお、水素添加率は、H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
水素添加ジエン系ポリマーがゴム成分のように分子量が高い場合、該ゴム成分は、架橋に寄与する成分であり、一般的に、重量平均分子量(Mw)が1万以上のポリマーで、アセトンにより抽出されないポリマー成分がゴム成分に該当する。前記ゴム成分は、常温(25℃)で固体状態である。
ゴム成分の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは20万以上であり、また、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下である。上記範囲内であると、タイヤ性能などの所望の性能を付与できる傾向がある。
水素添加ジエン系ポリマーが、例えば、25℃で固体状態のゴム成分に該当する場合、水素添加ジエン系ポリマーの骨格を構成するゴム成分としては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などのジエン系ゴムが挙げられる。なかでも、分析精度の観点から、イソプレン系ゴム、BR、SBRが好ましく、BR、SBRがより好ましく、SBRが更に好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ジエン系ゴムは、非変性ジエン系ゴムでもよいし、変性ジエン系ゴムでもよい。
変性ジエン系ゴムとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するジエン系ゴムであればよく、例えば、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴム(末端に上記官能基を有する末端変性ジエン系ゴム)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ジエン系ゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ジエン系ゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ジエン系ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ジエン系ゴム等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。
水素添加ジエン系ポリマーが25℃で液体状態の液状ジエン系ポリマーの場合、水素添加ジエン系ポリマーの骨格を構成する液状ジエン系ポリマーとしては、例えば、25℃で液体状態の液状スチレンブタジエン共重合体、液状ブタジエン重合体、液状イソプレン重合体、液状スチレンイソプレン共重合体、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)、液状ファルネセン重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、前記ゴム成分と同様、変性された液状ジエン系ポリマーでもよい。なかでも、分析精度の観点から、液状スチレンブタジエン共重合体、液状ブタジエン重合体、液状イソプレン重合体が好ましく、液状スチレンブタジエン共重合体、液状ブタジエン重合体がより好ましく、液状スチレンブタジエン共重合体が更に好ましい。
液状ジエン系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、タイヤ性能の観点からは、2000以上が好ましく、3000以上がより好ましい。また、100000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、7000以下が更に好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた値である。
水素添加ジエン系ポリマーは、例えば、前記共役ジエン系(共)重合体を炭化水素溶媒中に溶解し、20~100kg/cmの加圧水素下で水素化触媒の存在下で水素添加反応を実施することで製造できる。水素化触媒としては、パラジウム、ルテニウム等の貴金属をシリカ、カーボン、ケイソウ土等に担持した触媒、ロジウム、ルテニウム等の鎖体触媒、コバルト、ニッケル等の有機カルボン酸と有機アルミニウム又は有機リチウムからなる触媒、ジシクロペンタジエニルチタンジクロリド、ジシクロペンタジエニルジフェニルチタン等のチタン化合物とリチウム、アルミニウム、マグネシウムよりなる有機金属化合物からなる触媒などが挙げられる。
本発明の方法は、上記式(1)で表される検量線を用いる分析方法であるが、例えば、少なくともビニル比率(%)(水素添加ジエン系ポリマー中のビニル含有率(%))及び水素添加率(%)が既知の水素添加ジエン系ポリマー(例えば、以下の表1に示されるスチレン比率(%)、ビニル比率(%)及び水素添加率(%)が既知の水素添加スチレンブタジエン共重合体1~6)を用いて検量線を作成する。
Figure 2024029745000001
検量線を作成するに際し、先ず、スチレン比率(%)、ビニル比率(%)及び水素添加率(%)が既知の水素添加スチレンブタジエン共重合体1~6などに赤外吸収分光法を適用し、FT-IRなどを用いて、図1に示される水素添加スチレンブタジエン共重合体1~6などの各赤外吸収スペクトルを得る。
赤外吸収分光法としては特に限定されず、透過法、ATR法(減衰全反射法:Attenuated Total Reflection Method)等が挙げられる。
なかでも、ATR法が好ましい。
屈折率の大きい透明第1媒質(ATRプリズム)から屈折率の小さい透明第2媒質(被測定材料)に光が入射するとき、入射角が或る角度以上になると全部反射となる現象(ATR)が生じるが、全反射でも第2媒質中に光が全く入射しないというのではなく、第1媒質を通過した光は、第2媒質との境界面に沿って進み、且つその振幅が境界面からの距離に比例して指数関数的に急激に減少するエバネッセント場が存在し、このエバネッセント場に物質があると、その物質により特有の光吸収を受け、赤外吸収スペクトルが得られる。ATR法はこの原理を応用したものである。
図1は、スチレン比率(%)、ビニル比率(%)及び水素添加率(%)が既知の水素添加スチレンブタジエン共重合体1~6、非水素添加スチレンブタジエン共重合体の各赤外吸収スペクトルを示しており、スペクトルには、スチレン単位(sty)、ビニル単位(vin)、トランス単位(trans)、CH逆対称伸縮振動、CH対称伸縮振動、CHはさみ振動に帰属されるピークが見られる。
図1の赤外吸収スペクトルは、FT-IR測定などにより得ることができる。
FT-IR測定は特に限定されず、公知の装置を用いて可能であり、例えば、PerkinElmer社製Frontier、GeATRユニットMIRacleを用い、波数分解能4cm-1、積算回数16回で実施することができる。測定装置、測定条件は、適宜変更可能である。
図1において、水素添加スチレンブタジエン共重合体1~6のスペクトルには、ビニル単位に帰属されるピークがほぼ確認されず、ビニル単位のほぼすべてが水素添加されていると考えられる。本発明の水素添加率の分析方法は、特に、ポリマーのミクロ構造のうち、ビニル比率(%)が既知の水素添加ジエン系ポリマーに好適に適用でき、特に水素添加スチレンブタジエン共重合体の場合は、ビニル比率(%)及びスチレン比率(%)が既知の試料に好適に適用できる。また、本発明の方法は、下記式(2)を満たす水素添加ジエン系ポリマー、すなわち水素添加率(%)の値がビニル比率(%)の値以上の水素添加ジエン系ポリマーに好適に適用できる。
(2)H≧Vin
(式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。)
図1には、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率が高くなるにつれて965cm-1のtransのピーク強度が低下すること、2917cm-1,2848cm-1,1448cm-1のCHのピーク強度が上昇することが示されており、本発明では、特に、2915cm-1付近のCH逆対称伸縮振動のピーク強度を用いている。このようにピーク強度が高いピークを用いることで、分析精度を高めることができる。
次に、図1の各赤外吸収スペクトルに基づいて、各ポリマーについて、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度(A2915)を測定し、また、表1に記載されている既知の水素添加率H(%)及びビニル比率Vin(%)の値から2H-Vinを算出する。以下の表2は、表1に、A2915、2H-Vinの値を併記したものである。
Figure 2024029745000002
そして、図2は、表2の水素添加スチレンブタジエン共重合体1~6の各特性値について、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度(A2915)と、2H-Vin(H:各スペクトルの水素添加率(%)、Vin:各スペクトルのビニル比率(%))とをプロットした図であって、プロットした値に基づいて、検量線「2H-Vin=aA2915+b」の定数a、bとして、それぞれ3357.6、-24.447を求めることができる。図2では、R=0.9155の直線性の良い検量線が得られている。
横軸:2915cm-1付近のCH逆対称伸縮振動に帰属されるピークの高さ(ベースラインは3095cm-1~2750cm-1
縦軸:2×H(水素添加率(%))-Vin(ビニル比率(%))
なお、本発明の方法において、ビニル比率(%)は、ビニル比率(vin(%))+シス比率(cis(%))+トランス比率(trans(%))=100%(共役ジエン単位100%)中のビニル比率(%)ではなく、ビニル比率(%)+シス比率(%)+トランス比率(%)+他の単量体比率(%)=100%(水素添加ジエン系ポリマー全体)中のビニル比率(%)であり、例えば、水素添加スチレンブタジエン共重合体のビニル比率(%)は、ビニル比率(%)+シス比率(%)+トランス比率(%)+スチレン比率(%)=100%(水素添加スチレンブタジエン共重合体全体)中のビニル比率(%)を意味する。
なお、シス比率(%)、トランス比率(%)、スチレン比率(%)などの他の単量体比率(%)も同様に、100%(水素添加スチレンブタジエン共重合体全体)中のシス比率(%)、トランス比率(%)、スチレン比率(%)などの他の単量体比率(%)を意味する。
本発明における「2×H-vin」に関しては、ジエン系ポリマーの水素添加が、シス結合(cis),トランス結合(trans)が1か所水素添加されると、CHが2か所生成し、ビニル結合(vin)が1か所水素添加されると、CHが1か所生成することから、CH増加指数として以下の指数を定義したものである。
CH増加指数
=Hcis×Rcis/100×2+Htrans×Rtrans/100×2+Hvin×Rvin/100
(全二重結合中の水素添加されたcisの割合(%)×2+全二重結合中の水素添加されたtransの割合(%)×2+全二重結合中の水素添加されたvinの割合(%))
=(Hall-Hvin×Rvin/100)×2+Hvin×Rvin/100
=(Hall-Rvin)×2+Rvin
=2×Hall-Rvin
vin,Htrans,Hcis:vin,trans,cisの水素添加率(%)
all:全水素添加率(%)
sty,Rvin,Rtrans,Rcis:sty,vin,trans,cisの比率(%)
sty+Rvin+Rtrans+Rcis=100(%)
以上から、本発明では、2×H-vinを用いている。
次いで、以下においては、前述の方法で作成された検量線「2H-Vin=3357.6×A2915-24.447」の有効性を検証する。
例えば、水素添加率(%)が未知で、以下の表3に示す既知のスチレン比率(%)及びビニル比率(%)を持つ水素添加スチレンブタジエン共重合体7~10を用意する。
Figure 2024029745000003
水素添加スチレンブタジエン共重合体7~10について、図1と同様に、赤外吸収スペクトルを得る。図3は、赤外吸収スペクトルの一例として、水素添加スチレンブタジエン共重合体7の赤外吸収スペクトルを示しており、前記と同様、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度(A2915)を測定する。
いる。
そして、得られた水素添加ジエン系ポリマーのCH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度(A2915)、表3のビニル比率Vin(%)を、検量線「2H-Vin=3357.6×A2915-24.447」に適用することにより、水素添加スチレンブタジエン共重合体7~10の水素添加率H(%)をそれぞれ算出できる。
以下の表4は、表3に、上記で算出された水素添加率H(%)を追加し、更に水素添加スチレンブタジエン共重合体7~10のスペック値(製品値)を併記している。表4には、上記で算出した水素添加スチレンブタジエン共重合体7~10の水素添加率が、スペック値と±2%以内に収まっていることが示されている。この結果は、本発明の水素添加率を分析する方法の有効性を十分に示している。
Figure 2024029745000004
前述の方法では、水素添加スチレンブタジエン共重合体の例を説明しているが、水素添加ブタジエン重合体、水素添加イソプレン系重合体などの他の水素添加ジエン系ポリマーでも適用可能である。なかでも、水素添加スチレンブタジエン共重合体に好適に適用できる。
また、本発明に適用可能な試料として、水素添加ジエン系ポリマーのみからなる試料だけでなく、これ以外に他の成分も含む試料も適用できる。他の成分としては、例えば、ゴム組成物の分野で公知の成分を任意に使用できる。
試料に配合可能な他の成分としては、フィラー(充填材)が挙げられる。
フィラー(充填材)としては特に限定されず、ゴム分野で公知の材料を使用でき、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの無機フィラー;難分散性フィラー等が挙げられる。
試料に配合可能な他の成分としては、シランカップリング剤、可塑剤(液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤など)、樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂など))等も挙げられる。上記液体可塑剤としては、オイル、液状樹脂などが挙げられる。上記樹脂としては、例えば、常温(25℃)で固体状態の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
試料が含む他の成分としては、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックス、架橋剤(硫黄など)、加硫促進剤(スルフェンアミド系、グアニジン系、ベンゾチアゾール系加硫促進剤など)なども挙げられる。
本発明に適用する試料において、ゴム成分としての水素添加ジエン系ポリマー、可塑剤としての水素添加ジエン系ポリマー、他の成分などの各成分の含有量は、特に限定されず、適宜選択可能である。例えば、タイヤの各部材を分析対象の試料とする場合、各部材の成分として公知の含有量を適宜選択できる。
本発明は、水素添加ジエン系ポリマー含む試料であれば適用可能であり、例えば、タイヤ部材に適用できる。タイヤ部材としては特に限定されず、トレッド(キャップトレッド、ベーストレッド)、ベルト層、サイドウォール、ビードエイペックス、クリンチエイペックス、インナーライナー、アンダートレッド、ブレーカートッピング、プライトッピング等が挙げられる。
本発明(1)は、赤外吸収分光法を用いて水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法であって、
下記式(1)で表される検量線を用いることを特徴とする水素添加率を分析する方法である。
(1)2H-Vin=aA2915+b
(式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。A2915は、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度である。a,bは、定数である。)
本発明(2)は、赤外吸収分光法がATR法である本発明(1)記載の水素添加率を分析する方法である。
本発明(3)は、水素添加ジエン系ポリマーが水素添加スチレンブタジエン共重合体である本発明(1)又は(2)記載の水素添加率を分析する方法である。
本発明(4)は、水素添加ジエン系ポリマーが下記式(2)を満たす本発明(1)~(3)のいずれかとの任意の組合せの水素添加率を分析する方法である。
(2)H≧Vin
(式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。)
本発明(5)は、水素添加ジエン系ポリマー及びフィラーを含む試料を赤外吸収分光法を用いて分析することで、前記水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する本発明(1)~(4)のいずれかとの任意の組合せの水素添加率を分析する方法である。

Claims (5)

  1. 赤外吸収分光法を用いて水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する方法であって、
    下記式(1)で表される検量線を用いることを特徴とする水素添加率を分析する方法。
    (1)2H-Vin=aA2915+b
    (式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。A2915は、CH逆対称伸縮振動に帰属されるピークのピーク強度である。a,bは、定数である。)
  2. 赤外吸収分光法がATR法である請求項1記載の水素添加率を分析する方法。
  3. 水素添加ジエン系ポリマーが水素添加スチレンブタジエン共重合体である請求項1又は2記載の水素添加率を分析する方法。
  4. 水素添加ジエン系ポリマーが下記式(2)を満たす請求項1又は2記載の水素添加率を分析する方法。
    (2)H≧Vin
    (式中、Hは、水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率(%)である。Vinは、水素添加ジエン系ポリマーのビニル比率(%)である。)
  5. 水素添加ジエン系ポリマー及びフィラーを含む試料を赤外吸収分光法を用いて分析することで、前記水素添加ジエン系ポリマーの水素添加率を分析する請求項1又は2記載の水素添加率を分析する方法。
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