JP2024028849A - 19-ノルc3,3-二置換c21-n-ピラゾリルステロイドおよびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】19-ノルC3,3-二置換C21-N-ピラゾリルステロイドおよびその使用方法の提供。【解決手段】産後うつ病または大うつ病性障害などのうつ病の処置を必要とする被験体においてうつ病を処置する方法が本明細書中に提供され、その方法は、有効量の化合物1JPEG2024028849000019.jpg3653またはその薬学的に受容可能な塩をその被験体に投与する工程を含む。さらなる実施形態において、化合物1は、エピソード投薬レジメン(episodic dosing regimen)を用いて投与される。一部の局面において、化合物1の投与を必要とする被験体に化合物1を投与することを含むエピソード投薬レジメンが、本明細書中に提供される。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、それを必要とする被験体に投与される。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本願は、2018年6月12日出願の米国特許仮出願第62/684,155号、2019年1月7日出願の同第62/789,329号および2019年5月1日出願の同第62/841,645号に対して優先権および当該仮出願の利益を主張するものであり、これらの各々の全体が参照により本明細書中に援用される。
発明の分野
本発明は、概して、本明細書中に記載されるような化合物1を投与することによって、産後うつ病および大うつ病性障害などのうつ病を処置する方法に関する。
背景
脳内の最大40%のニューロンが、γ-アミノ酪酸であるGABAを神経伝達物質として利用するので、GABAは、脳全体の興奮性に対して著しい影響を及ぼす。GABAは、GRC(GABA受容体複合体)上の認識部位と相互作用することにより、塩素イオンがGRCの電気化学勾配の下方に向かって細胞内に流れるのを促進する。このアニオンのレベルの細胞内上昇は、膜内外電位の過分極を引き起こし、興奮性入力に対するニューロンの感受性を低下させる(すなわち、ニューロンの興奮性が低下する)。換言すれば、ニューロン内の塩素イオン濃度が高いほど、脳の興奮性(覚醒レベル)は低下する。GRCは、不安、発作活動および鎮静の媒介に関与することが充分証明されている。従って、GABA、およびGABAのように作用する薬物(例えば、治療的に有用なバルビツレートおよびベンゾジアゼピン(BZ)、例えば、Valium(登録商標))は、GRC上の特異的な制御部位と相互作用することによってその治療的に有用な効果をもたらす。
蓄積された証拠から、GRCは、神経刺激性ステロイドのための別個の部位を含むと示唆されている(Lan,N.C.ら、Neuwchem.Res.16:347-356(1991)。神経刺激性ステロイドは、内因的に生じ得る。最も強力な内因性神経刺激性ステロイドは、3α-ヒドロキシ-5-還元型プレグナン-20-オンおよび3α-21-ジヒドロキシ-5-還元型プレグナン-20-オン(それぞれ、ホルモン性ステロイドであるプロゲステロンおよびデオキシコルチコステロンの代謝産物)である。これらのステロイド代謝産物が脳の興奮性を変化させる能力は、1986年に認識された(Majewska,M.D.ら,Science 232:1004-1007(1986);Harrison,N.L.ら,J Pharmacol.Exp.Ther.241:346-353(1987))。
本明細書中に記載される神経刺激性ステロイドである化合物1は、GABAシナプスレセプターおよびGABAシナプス外レセプターを標的化する、GABAレセプターのポジティブアロステリックモジュレーターであると示されている。GABAレセプターのポジティブアロステリックモジュレーターとして、化合物1は、CNS関連障害、例えば、うつ病、例えば、産後うつ病および大うつ病を処置する治療薬として役立つ。CNS関連障害に対する現行の処置は、典型的には、長期の処置、時折、慢性的な処置が必要であり、患者の服薬遵守は、大きな問題となり得る。有効であって、投与しやすく、かつ/または必要な投与回数が少なく、ならびに副作用を回避するまたは最小限に抑える新しい処置レジメンによる大きな恩恵をCNS関連障害に罹患している患者は受けるだろう。
Majewska,M.D.ら,Science 232:1004-1007(1986) Harrison,N.L.ら,J Pharmacol.Exp.Ther.241:346-353(1987)
要旨
被験体においてうつ病を処置する方法が本明細書中に提供され、その方法は、治療有効量の化合物1
またはその薬学的に受容可能な塩をその被験体に投与する工程を含む。さらなる実施形態において、化合物1は、エピソード投薬レジメン(episodic dosing regimen)を用いて投与される。
一部の局面において、化合物1の投与を必要とする被験体に化合物1を投与することを含むエピソード投薬レジメンが、本明細書中に提供される。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、それを必要とする被験体に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、それを必要とする被験体に複数の週にわたって、例えば、約2週間~約6週間、例えば、約2週間~約4週間、例えば、約2週間、1日1回投与される。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、それを必要とする被験体に複数の週にわたって1日1回投与される。
好ましい実施形態では、化合物1が、エピソード投薬レジメンを用いて投与され、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約6週間行われる。より好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約4週間行われる。なおもより好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間(または約14日間)行われる。別の実施形態において、そのエピソード投薬レジメンは、2週間、すなわち、14日間の持続時間を有する。
一部の局面において、うつ病を処置するためのエピソード投薬レジメンが、本明細書中に提供され、その投薬レジメンは、それを必要とする被験体に化合物1を投与することを含む。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、被験体に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、被験体に複数の週にわたって1日1回投与される。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、被験体に複数の週にわたって1日1回投与される。好ましい実施形態において、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約6週間行われる。より好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約4週間行われる。なおもより好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間行われる。なおもより好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約14日間行われる。別の実施形態において、そのエピソード投薬レジメンは、2週間、すなわち、14日間の持続時間を有する。なおもより好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間(または約14日間)行われ、その2週間(または約14日間)の間、被験体に約30mgの化合物1が1日1回投与される。被験体が、約30mgの化合物1の1日1回の投与に耐容性を示さない場合、その被験体には、約20mgの化合物1が1日1回投与される。
一部の実施形態において、被験体は、エピソード投薬レジメンに対して応答を示し、その応答は、ベースラインからのHAM-Dスコアの約50%を超えるまたは約50%に等しい低下によって示される。一部の実施形態において、その応答は、うつ病症状の緩解によって示される。
一部の実施形態において、被験体は、再発、すなわち、うつ病症状の再出現について評価される。一部の実施形態において、被験体を処置する方法は、複数のエピソード投薬レジメンを含む。一部の実施形態において、あるエピソード投薬レジメンの完了後、次のエピソード投薬レジメンは、うつ病症状の再出現とともに投与される。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、少なくとも6週間の間隔があけられる。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、6週間あけられる。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、7週間あけられる。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、8週間あけられる。
一部の局面において、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病を処置するためのエピソード投薬レジメンが、本明細書中に提供され、その投薬レジメンは、それを必要とする被験体への化合物1の投薬を含む。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、被験体に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病を処置するために、複数の週にわたって、例えば、約2週間~約6週間、例えば、約2週間~約4週間、例えば、約2週間、1日1回投与される。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病を処置するために、複数の週にわたって1日1回、被験体に投与される。好ましい実施形態において、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約6週間行われる。より好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約4週間行われる。なおもより好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間、すなわち約14日間行われる。別の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、2週間の持続時間を有する。
一部の局面において、うつ病の処置を必要とする被験体においてうつ病を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、化合物1のエピソード投薬レジメンを前記被験体に投与する工程を含む。一部の局面において、産後うつ病の処置を必要とする被験体において産後うつ病を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、30mgの化合物1の2週間(または約14日間)にわたる1日1回のエピソード投薬レジメンを前記被験体に投与する工程を含む。被験体が、1日1回の30mgの化合物1の投与に耐容性を示さない場合、その被験体に、20mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体は、重度の産後うつ病と診断されたヒト女性である。一部の実施形態において、被験体は、約1年間にわたって大うつ病エピソードを経験している。一部の実施形態において、被験体は、約18~約75歳である。一部の実施形態において、被験体は、約18~約65歳である。
本発明のエピソード投薬レジメンは、うつ病、例えば、大うつ病性障害(MDD)に対する現行の処置とは異なり、慢性投薬レジメンではないという利点をもたらす。したがって、本発明によると、薬学的に有効な量の化合物1が、症状発生の各エピソードに応じて投与される。このエピソード投薬レジメンは、慢性投薬を必要としないがゆえに、現行のうつ病治療の数多くの不利益を回避するという利点を有する。
別の局面では、うつ病の処置を必要とする被験体においてうつ病を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、
(i)治療有効量の、式
を有する化合物を約2週間、1日1回、その被験体に投与する工程;および
(ii)うつ病症状の再発に応じて、治療有効量の化合物1を約2週間、1日1回、その被験体に再投与する工程
を含むが、但し、その被験体への化合物1の投与とその被験体への化合物1の再投与との間に間隔をあける。
一部の実施形態において、化合物1は、2週間、すなわち、14日間、被験体に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、2週間、すなわち、14日間、被験体に再投与される。一部の実施形態において、被験体への化合物1の投与と被験体への化合物1の再投与との間の間隔は、2~4週間である。一部の実施形態において、その間隔は、4週間である。一部の実施形態において、その間隔は、5週間である。一部の実施形態において、その間隔は、6週間である。一部の実施形態において、被験体への化合物1の投与と被験体への化合物1の再投与との間の間隔は、7週間である。一部の実施形態において、被験体への化合物1の投与と被験体への化合物1の再投与との間の間隔は、8週間である。
一部の実施形態において、うつ病は、大うつ病性障害(MDD)である。一部の実施形態において、MDDは、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、MDDは、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、うつ病は、双極性うつ病である。一部の実施形態において、うつ病は、産後うつ病である。一部の実施形態において、被験体は、うつ病と診断されている。一部の実施形態において、うつ病は、大うつ病性障害または双極性うつ病である。一部の実施形態において、被験体は、重度の産後うつ病と診断された女性である。一部の実施形態において、被験体は、約1年間にわたって大うつ病エピソードを経験している。一部の実施形態において、被験体は、約18~約75歳である。一部の実施形態において、被験体は、約18~約65歳である。
一部の実施形態において、化合物1の投与によって大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病を処置する方法は、認知機能を改善する。他の実施形態において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善する。一部の局面において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、約2~約8週間の持続時間を有した。さらなる局面において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、約2~約6週間の持続時間を有した。他の実施形態において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピ
ソード投薬レジメンは、約2~約4週間の持続時間を有した。さらなる実施形態では、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間または14日間の持続時間を有した。他の局面において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、2週間の持続時間を有した。
一部の実施形態において、被験体に、約10mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約20mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約30mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約40mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約10mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体に、約20mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体に、約30mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体に、約40mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態では、被験体に投与される化合物1の量を、重度の有害作用が発生した際に減少させる。一部の実施形態において、化合物1は、夜に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、食物とともに投与される。一部の実施形態において、化合物1は、カプセル剤に入っている。一部の実施形態において、上記方法は、第2の治療薬の投与をさらに含む。
一部の局面において、化合物1を含む薬学的組成物、およびエピソード投薬レジメンを用いてうつ病を処置するための方法を記載している指示セットを含むキットが、本明細書中に提供される。一部の実施形態において、薬学的組成物は、約10mgの化合物1を含む。一部の実施形態において、薬学的組成物は、約15mgの化合物1を含む。一部の実施形態において、薬学的組成物は、約20mgの化合物1を含む。一部の実施形態において、薬学的組成物は、約25mgの化合物1を含む。一部の実施形態において、薬学的組成物は、約30mgの化合物1を含む。一部の実施形態において、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約6週間行われる。より好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約4週間行われる。なおもより好ましい実施形態では、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間行われる。好ましい実施形態において、そのエピソード投薬レジメンは、2週間行われる。一部の実施形態において、うつ病は、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、そのエピソード投薬レジメンは、産後うつ病の処置のために約2週間(または約14日間)行われる。一部の実施形態において、指示セットは、好適な材料に印刷されている。一部の実施形態において、個別投与単位は、カプセル剤または錠剤である。一部の実施形態において、個別投与単位は、カプセル剤である。一部の実施形態において、個別投与単位は、サイズ1、2、3または4のカプセル剤である。一部の実施形態において、カプセル剤は、サイズ1である。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
うつ病の処置を必要とする被験体においてうつ病を処置する方法であって、前記方法は、治療有効量の、式

を有する化合物を、エピソード投薬レジメンを用いて前記被験体に投与して、前記被験体におけるうつ病を処置する工程を含む、方法。
(項目2)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約8週間の持続時間を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約6週間の持続時間を有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約4週間の持続時間を有する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記エピソード投薬レジメンが、約2週間または14日間の持続時間を有する、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記エピソード投薬レジメンが、2週間の持続時間を有する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記被験体が、前記エピソード投薬レジメンに対して応答を示し、前記応答は、ベースラインからのHAM-Dスコアの約50%を超えるまたは約50%に等しい低下によって示される、項目1~6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記被験体が、再発、またはうつ病症状の再出現について評価される、項目1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記方法が、複数のエピソード投薬レジメンを含む、項目1~8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記エピソード投薬レジメンが、少なくとも6週間の間隔をあけられる、項目9に記載の方法。
(項目11)
うつ病の処置を必要とする被験体においてうつ病を処置する方法であって、前記方法は、
(i)治療有効量の、式

を有する化合物を約2週間、1日1回、前記被験体に投与する工程;および
(ii)うつ病症状の再発に応じて、治療有効量の化合物1を約2週間、1日1回、前記被験体に再投与する工程であるが、但し、前記被験体への化合物1の投与と前記被験体への化合物1の再投与との間に少なくとも6週間の間隔をあける、工程
を含む、方法。
(項目12)
化合物1が、4週間、前記被験体に再投与される、項目11に記載の方法。
(項目13)
化合物1が、2週間、前記被験体に再投与される、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記被験体への化合物1の投与と前記被験体への化合物1の再投与との間の前記間隔が、6週間である、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記被験体への化合物1の投与と前記被験体への化合物1の再投与との間の前記間隔が、8週間である、項目11に記載の方法。
(項目16)
前記うつ病が、大うつ病性障害(MDD)である、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記MDDが、中等度の大うつ病性障害である、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記MDDが、重度の大うつ病性障害である、項目16に記載の方法。
(項目19)
前記うつ病が、双極性うつ病である、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記うつ病が、産後うつ病である、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記被験体が、うつ病と診断されている、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記うつ病が、大うつ病性障害または双極性うつ病である、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記被験体が、重度の産後うつ病と診断された女性である、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記被験体が、約1年間にわたって大うつ病エピソードを経験している、項目1~15のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記被験体が、約18~約75歳である、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。(項目26)
前記被験体が、約18~約65歳である、項目1~24のいずれか1項に記載の方法。(項目27)
前記被験体に、約10mgの化合物1が投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記被験体に、約20mgの化合物1が投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記被験体に、約30mgの化合物1が投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記被験体に、約40mgの化合物1が投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
前記被験体に、約10mgの化合物1が1日1回投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記被験体に、約20mgの化合物1が1日1回投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
前記被験体に、約30mgの化合物1が1日1回投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記被験体に、約40mgの化合物1が1日1回投与される、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
前記被験体に投与される化合物1の前記量を、重度の有害作用が発生した際に減少させる、項目1~34のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
化合物1が、夜に投与される、項目1~35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
化合物1が、食物とともに投与される、項目1~36のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
化合物1が、カプセル剤に入っている、項目1~37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記方法が、第2の治療薬の投与をさらに含む、項目1~38のいずれか1項に記載の方法。
(項目40)
うつ病の処置を必要とする被験体において、キットを用いてうつ病を処置する方法であって、前記キットは、
化合物1を含む複数の個別投与単位、および
エピソード投薬レジメンを用いて前記被験体に前記投与単位を投与するための方法が記載されている指示セット
を含む、方法。
(項目41)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約8週間の持続時間を有する、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約6週間の持続時間を有する、項目40に記載の方法。
(項目43)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約4週間の持続時間を有する、項目40に記載の方法。
(項目44)
前記エピソード投薬レジメンが、約2週間の持続時間を有する、項目40に記載の方法。
(項目45)
前記エピソード投薬レジメンが、2週間の持続時間を有する、項目40に記載の方法。(項目46)
前記被験体が、うつ病と診断されている、項目40~45のいずれか1項に記載の方法。
(項目47)
前記うつ病が、大うつ病性障害(MDD)である、項目40~45のいずれか1項に記載の方法。
(項目48)
前記MDDが、中等度の大うつ病性障害である、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記MDDが、重度の大うつ病性障害である、項目47に記載の方法。
(項目50)
前記うつ病が、双極性うつ病である、項目40~45のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
前記うつ病が、産後うつ病である、項目40~45のいずれか1項に記載の方法。
(項目52)
複数の治療的に効果的な投与量の化合物1、およびうつ病を処置するためのエピソード投薬レジメンを用いて前記投与量を投与する方法を記載している指示セットを含む、キット。
(項目53)
前記投与量が、化合物1の個別投与単位である、項目52に記載のキット。
(項目54)
個別投与単位が、10mgの化合物1を含む、項目52に記載のキット。
(項目55)
個別投与単位が、15mgの化合物1を含む、項目52に記載のキット。
(項目56)
個別投与単位が、20mgの化合物1を含む、項目52に記載のキット。
(項目57)
個別投与単位が、25mgの化合物1を含む、項目52に記載のキット。
(項目58)
個別投与単位が、30mgの化合物1を含む、項目52に記載のキット。
(項目59)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約8週間の持続時間を有する、項目52に記載のキット。
(項目60)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約6週間の持続時間を有する、項目52に記載のキット。
(項目61)
前記エピソード投薬レジメンが、約2~約4週間の持続時間を有する、項目52に記載のキット。
(項目62)
前記エピソード投薬レジメンが、約2週間または14日間の持続時間を有する、項目52に記載のキット。
(項目63)
前記エピソード投薬レジメンが、2週間の持続時間を有する、項目52に記載のキット。
(項目64)
前記うつ病が、大うつ病性障害(MDD)である、項目52~63のいずれか1項に記載のキット。
(項目65)
前記MDDが、中等度の大うつ病性障害である、項目64に記載のキット。
(項目66)
前記MDDが、重度の大うつ病性障害である、項目64に記載のキット。
(項目67)
前記指示セットが、好適な材料に印刷されている、項目52~66のいずれか1項に記載のキット。
(項目68)
前記個別投与単位が、カプセル剤または錠剤である、項目52~67のいずれか1項に記載のキット。
(項目69)
前記個別投与単位が、カプセル剤である、項目68に記載のキット。
(項目70)
前記個別投与単位が、サイズ1、2、3または4のカプセル剤である、項目68に記載のキット。
(項目71)
前記カプセル剤が、サイズ1である、項目70に記載のキット。
(項目72)
前記方法が、前記被験体の認知機能を改善する、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目73)
前記方法が、前記エピソード投薬レジメンの完了後に前記被験体の認知機能を改善する、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目74)
前記方法が、前記エピソード投薬レジメンの完了後に前記被験体の認知機能を改善し、前記エピソード投薬レジメンは、約2~約8週間の持続時間を有した、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目75)
前記方法が、前記エピソード投薬レジメンの完了後に前記被験体の認知機能を改善し、前記エピソード投薬レジメンは、約2~約6週間の持続時間を有した、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目76)
前記方法が、前記エピソード投薬レジメンの完了後に前記被験体の認知機能を改善し、前記エピソード投薬レジメンは、約2~約4週間の持続時間を有した、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目77)
前記方法が、前記エピソード投薬レジメンの完了後に前記被験体の認知機能を改善し、前記エピソード投薬レジメンは、約2週間または14日間の持続時間を有した、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目78)
前記方法が、前記エピソード投薬レジメンの完了後に前記被験体の認知機能を改善し、前記エピソード投薬レジメンは、2週間の持続時間を有した、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
(項目79)
前記方法が、前記被験体において認知機能障害をもたらさない、項目1~52のいずれか1項に記載の方法。
図1は、ベースラインからのハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)の総スコアのLS平均変化を処置群ごとに経時的に示している。
図2は、15日目における主要エンドポイントについてのサブグループ解析のフォレストプロットを示している。
図3は、時点ごとおよび処置群ごとのハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)緩解の棒グラフを示している。
図4は、時点ごとおよび処置群ごとのハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)緩解の棒グラフを示している。
図5は、ベースからのモントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)の総スコアの変化を処置群ごとに経時的に示している。
図6は、ベースラインからのハミルトン不安評価尺度(HAM-A)の総スコアの変化を処置群ごとに経時的に示している。
図7は、時点ごとおよび処置群ごとの臨床全般印象(CGI)の改善反応の棒グラフを示している。
図8は、化合物1でMDDを処置するための例示的な試験デザインを示している。
図9は、化合物1でMDDを処置するための例示的な試験デザインを示している。
詳細な説明
本明細書中に一般的に記載されるように、本発明は、産後うつ病および大うつ病性障害などのうつ病の処置に有用な化合物および組成物を提供する。
定義
本明細書中で使用されるとき、用語「単位剤形」は、化合物1が被験体に投与される形態のことを指すように定義される。詳細には、単位剤形は、例えば、丸剤、カプセル剤または錠剤であり得る。好ましくは、単位剤形は、カプセル剤である。本発明において有用な単位剤形における化合物1の典型的な量は、約10mg~約100mg、好ましくは、約10mg~約50mg(例えば、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mg)である。
本発明の好ましい実施形態において、単位剤形は、約30mgの化合物1を含み、カプセル剤の形態である。本発明の別の好ましい実施形態において、単位剤形は、約45mgの化合物(opound)1を含み、カプセル剤の形態である。本発明の別の好ましい実施形態において、単位剤形は、約20mgの化合物1を含み、カプセル剤の形態である。本発明の別の好ましい実施形態において、単位剤形は、約10mgの化合物1を含み、カプセル剤の形態である。本発明の別の好ましい実施形態において、単位剤形は、約15mgの化合物1を含み、カプセル剤の形態である。本発明の別の好ましい実施形態において、単位剤形は、約25mgの化合物1を含み、カプセル剤の形態である。好ましくは、約30mgまたは45mgの化合物1を含むカプセル剤は、1日あたり1回、被験体に投与される。一部の実施形態では、3つのカプセル剤が合わさって、30mgの化合物1を含む。一部の実施形態において、3つのカプセル剤が合わさって、45mgの化合物1を含む。
本明細書中で使用されるとき、「固形剤形」は、固形、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、サシェ剤、再構成可能な散剤、ドライパウダー吸入剤およびチュアブル剤における薬学的用量を意味する。
用語「約」が、定量値の前で使用される場合、本教示は、別段具体的に述べられていない限り、その特定の定量的値自体も含む。本明細書中で使用されるとき、用語「約」は、別段示されないかまたは推測されない限り、公称値からの±10%の変動のことを指す。
特定の官能基および化学的用語の定義を下記で詳細に説明する。化学元素は、元素周期表(CASバージョン,Handbook of Chemistry and Physics,第75版,内表紙)に従って特定され、特定の官能基は、一般に、その中に記載されているとおりに定義される。さらに、有機化学の通則、ならびに特定の官能性部分および反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999;SmithおよびMarch,March’s Advanced Organic Chemistry,第5版,John Wiley & Sons,Inc.,New
York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;およびCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,第3版,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
「薬学的に受容可能な」とは、連邦もしくは州政府の規制当局、または米国以外の国の対応する当局によって承認されているかまたは承認可能であること、あるいは米国薬局方または動物(より具体的には、ヒト)で使用するための他の一般に認められている薬局方に記載されていることを意味する。
「薬学的に受容可能な塩」とは、薬学的に受容可能であり、そして親化合物の所望の薬理活性を有する、本発明の化合物の塩のことを指す。特に、このような塩は非毒性であり、無機酸付加塩または有機酸付加塩および無機塩基付加塩または有機塩基付加塩であり得る。具体的には、このような塩としては、(1)無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと形成される;もしくは有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などと形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンで置き換えられるか;または有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどと配位する場合に形成される塩が挙げられる。塩としてはさらに、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;および化合物が塩基性官能基を含む場合には、非毒性有機酸または無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。用語「薬学的に受容可能なカチオン」とは、酸性官能基の受容可能なカチオン性対イオンのことを指す。このようなカチオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどによって例示される。例えば、Bergeら、J.Pharm.Sci.(1977)66(1):1-79を参照のこと。
「被験体」は、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児被験体(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験体(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)の男性または女性)である。
疾患、障害、および状態は、本明細書中で交換可能に使用される。
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、用語「処置する(treat)」、「処置する(treating)」および「処置(treatment)」は、被験体が特定の疾患、障害または状態を罹患している間に行われ、その疾患、障害または状態の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または状態の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療処置」)を想定し、そしてまた、被験体が特定の疾患、障害または状態を罹患し始める前に行われる行為(「予防処置」)を想定する。
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量、例えば、CNS関連障害、例えば、本明細書中に記載されるような障害(例えば、振戦(例えば、本態性振戦);うつ病(例えば、産後うつ病);または不安障害)を処置するのに十分な量のことを指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、処置される疾患、投与様式、ならびに被験体の年齢、体重、健康状態、および状態などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療処置および予防処置を包含する。
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または状態の処置において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または状態に関連する1つまたはそれより多くの症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または状態の処置において治療上の利点を提供する、単独でかまたは他の治療と組み合わせての、治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または状態の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効力を増強する量を包含し得る。
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは状態、またはその疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくはそれより多くの症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または状態の予防において予防上の利点を提供する、単独でかまたは他の剤と組み合わせての、治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効力を増強する量を包含し得る。
本明細書中で使用されるとき、「エピソード投薬レジメン」は、ある化合物またはある化合物を含む組成物が、ある障害またはその症状の診断、例えば、うつ病の診断または症状、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病のエピソードに応じて有限の期間にわたって被験体に投与される、投薬レジメンである。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、上記化合物は、個別投与単位として製剤化され、各単位が、化合物1および1つまたはそれを超える好適な薬学的賦形剤を含む。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、複数の週、例えば、約8週間の持続時間を有する。本明細書中で定義される慢性投与とは対照的に、化合物のエピソード投薬は、障害、例えばうつ病、またはその症状の診断または再発に応じて、有限の期間、例えば、約2週間~約8週間にわたって行われる。一部の実施形態において、エピソード投薬は、複数の週、例えば、約2週間~約6週間にわたって、1日あたり1回行われる。1つの実施形態において、エピソード投薬は、2週間の持続時間を有する。一部の実施形態において、1より多いエピソード投薬レジメンは、例えば、被験体の生涯にわたって2つまたはそれを超えるエピソードレジメンで、被験体に投与される。
一部の実施形態において、化合物1の投与は、認知機能を改善する。一部の実施形態において、認知機能とは、精神的な課題および機能の集合のことを指し、それらには、記憶(例えば、意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶、プライミング記憶または作業記憶);見当識;言語;問題解決;視覚認知、構成および統合;計画;組織化のスキル;選択的注意;抑制制御;ならびに情報を精神的に操作する能力が含まれるがこれらに限定されない。1つの実施形態において、認知機能は、記憶(例えば、意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶、プライミング記憶または作業記憶);見当識;言語;問題解決;視覚認知、構成および統合;計画;組織化のスキル;選択的注意;抑制制御;ならびに情報を精神的に操作する能力からなる群より選択される1つまたはそれを超えるものである。認知機能の尺度は、例えば、(a)一般的知能、(b)非言語性知能、(c)アチーブメント(achievement)、(d)注意/実行機能、(e)記憶および学習、(f)視覚運動および運動機能、ならびに(g)言語を測定するようにデザインされた評価ツールを含む。
これらの確立されたテストの1つまたはそれを超えるものを2つまたはそれを超える時点において使用し、それらの結果を比較することによって、例えば、経時的にまたは処置の間、認知機能の任意の変化がモニターされ得る。句「認知機能を改善する」は、本明細書中で言及されるとき、被験体が記号演算(symbolic operation)を行う能力、例えば、認知する能力、記憶する能力、心像を作る能力、思考の明確さを有する能力、気づける能力、論理的に考える能力、思考する能力または判断する能力の正の変化を意味する。正の変化は、2つまたはそれを超える機会、例えば、ベースラインの認知機能を測定するための第1の機会、および1つの期間(処置が行われたかもしれない期間)の後の認知機能を測定するための第2の機会において、上述のテストのいずれかを使用して測定され得る。そのような評価ツールは、当該分野で周知であり、それらとしては、例えば、本明細書中の実施例4に記載されているような評価ツールが挙げられる。
薬学的組成物
1つの局面において、本開示は、本発明の化合物(「有効成分」とも称される)、例えば化合物1、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む薬学的組成物を提供する。特定の実施形態において、薬学的組成物は、有効量の有効成分を含む。特定の実施形態において、薬学的組成物は、治療有効量の有効成分を含む。特定の実施形態において、薬学的組成物は、予防有効量の有効成分を含む。
本明細書中に提供される薬学的組成物は、種々の経路(経口(経腸)投与、非経口(注射による)投与、直腸投与、経皮投与、皮内投与、鞘内投与、皮下(SC)投与、静脈内(IV)投与、筋肉内(IM)投与、および鼻内投与が挙げられるが、これらに限定されない)によって投与され得る。好ましい実施形態では、化合物1は、被験体に経口投与される。
一般的に、本明細書中に提供される化合物は、有効量で投与される。実際に投与される化合物の量は、典型的には、関連する状況(処置される症状、選択される投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症候の重症度などを含む)に照らして、医師によって決定される。
CNS障害の発生を予防するために使用されるとき、本明細書中に提供される化合物は、典型的には、医師の助言によりおよび医師の監視下において、上に記載された投与量レベルで、その症状を発症する危険がある被験体に投与され得る。特定の症状を発症する危険がある被験体としては、一般に、その症状の家族歴を有する被験体、またはその症状の発症の影響を特に受けやすいと遺伝子検査もしくはスクリーニングによって特定された被験体が挙げられる。
本発明の薬学的組成物はさらに、種々の投薬方法を使用して送達され得る。例えば、特定の実施形態において、この薬学的組成物は、ボーラスとして、例えば、血液中でその化合物の濃度を有効レベルまで上昇させる目的で、与えられ得る。ボーラス用量の配置は、身体全体で望まれる活性成分の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分のゆっくりとした放出を可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)は、より速い送達を可能にし、これは、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学的組成物は、連続注入として、例えば、IV滴注によって投与されて、被験体の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供し得る。さらに、なおさらに他の実施形態において、この薬学的組成物は、最初にボーラス用量として投与され得、その後、連続注入が行われ得る。
経口投与用の組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液またはバルクの粉末の形態をとり得る。しかしながら、より一般的には、組成物は、正確な投薬を促進する単位剤形で提供される。用語「単位剤形」とは、ヒト被験体および他の哺乳動物に対する単位投与量として好適な物理的に不連続の単位のことを指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤とともに所望の治療効果をもたらすと計算される所定量の活性な材料を含む。典型的な単位剤形としては、液体組成物の予め測定され予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物では、化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは、様々なビヒクルまたは賦形剤および所望の投薬形態を形成するのに役立つ加工助剤である。
経口投与可能、注射可能または局所的に投与可能な組成物について上に記載された成分は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th edition,1985のPart 8,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania(参照により本明細書中に援用される)に示されている。
本発明の化合物は、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
本発明は、本発明の化合物の薬学的に受容可能な酸付加塩にも関する。薬学的に受容可能な塩を調製するために使用され得る酸は、無毒性の酸付加塩、すなわち、薬理学的に許容され得るアニオンを含む塩(例えば、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、安息香酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩など)を形成する酸である。
使用方法
被験体における産後うつ病、大うつ病性障害などのうつ病、または全般性不安障害などの不安を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、その被験体に有効量の化合物1またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を含む。
したがって、1つの局面において、被験体における産後うつ病または大うつ病性障害などのうつ病、または全般性不安障害などの不安を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、その被験体に治療有効量の化合物1またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を含む。一部の実施形態において、その方法は、被験体に治療有効量の化合物1を投与する工程を含む。一部の実施形態において、その被験体は、18歳以上かつ64歳以下である。一部の実施形態において、その被験体は、18歳以上かつ75歳以下である。一部の実施形態において、化合物1は、食物とともに投与される。一部の実施形態において、化合物1の治療有効量は、20mgである。一部の実施形態において、化合物1の治療有効量は、10mgである。一部の実施形態において、化合物1の治療有効量は、15mgである。一部の実施形態において、化合物1の治療有効量は、25mgである。一部の実施形態において、化合物1の治療有効量は、約30mgである。一部の実施形態において、化合物1の治療有効量は、約45mgである。一部の実施形態において、化合物1は、1つまたはそれを超えるカプセル剤で投与される。一部の実施形態において、治療有効量は、3つのカプセル剤にわたって投与される。一部の実施形態において、被験体は、根底にある状態を有しない。一部の実施形態において、被験体は、根底にある状態を有する。
一部の局面において、うつ病または不安を有する被験体を処置するための方法が、本明細書中に提供され、前記方法は、前記被験体においてうつ病を処置するのに有効なエピソード投薬レジメンを用いて、化合物1を含む薬学的組成物を前記被験体に投与する工程を含む。一部の局面において、投薬レジメンは、約2週間~約8週間の持続時間である。他の一部の局面において、投薬レジメンは、約2週間~約6週間の持続時間である。他の一部の局面において、投薬レジメンは、約2週間~約4週間の持続時間である。他の一部の局面において、投薬レジメンは、約2週間の持続時間である。他の一部の局面において、投薬レジメンは、約2週間、すなわち約14日間の持続時間である。
一部の実施形態において、約10mgの化合物1が、複数の週にわたって1日1回、被験体に投与される。一部の実施形態において、約15mgの化合物1が、複数の週にわたって1日1回、被験体に投与される。一部の実施形態において、約20mgの化合物1が、複数の週にわたって1日1回、被験体に投与される。いくつかの実施形態において、約25mgの化合物1が、複数の週にわたって1日1回、被験体に投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、被験体に1日1回投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、被験体に1日1回投与され、その被験体が、30mgの化合物1に耐容性を示さない場合、その被験体には、20mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、約2週間、1日1回、被験体に投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、約2週間(または約14日間)、1日1回、被験体に投与され、その被験体が30mgの化合物1に耐容性を示さない場合、その被験体には、20mgの化合物1が約2週間(または約14日間)、1日1回投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、2週間、1日1回、被験体に投与され、その被験体が30mgの化合物1に耐容性を示さない場合、その被験体には、20mgの化合物1が2週間、1日1回投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、少なくとも2週間(または約14日間)、1日1回、被験体に投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、2週間(または約14日間)、1日1回、被験体に投与され、その被験体が30mgの化合物1に耐容性を示さない場合、その被験体には、20mgの化合物1が少なくとも2週間(または約14日間)、1日1回投与される。一部の実施形態において、30mgの化合物1が、2週間、1日1回、被験体に投与される。
一部の局面において、上記方法は、エピソード投薬レジメンを含み、その方法は、処置される障害のエピソード、例えば、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安(全般性不安障害を含む)または産後うつ病のエピソード、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病のエピソードと同時に被験体に化合物1を投与する工程を含む。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、不安は、全般性不安障害である。
一部の実施形態において、被験体は、エピソード投薬レジメンに対して応答を示し、その応答は、ベースラインからのHAM-Dスコアの約50%を超えるまたは約50%に等しい低下によって示される。
一部の実施形態において、被験体は、うつ病症状の再発について評価される。一部の実施形態において、処置方法は、複数のエピソード投薬レジメンを含む。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、少なくとも6週間の間隔があけられる。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、6週間あけられる。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、7週間あけられる。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、8週間あけられる。
一部の局面において、産後うつ病の処置を必要とする被験体において産後うつ病を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、約2週間(または約14日間)にわたる1日1回の30mgの化合物1というエピソード投薬レジメンを前記被験体に投与する工程を含み、その被験体が、1日1回の30mgの化合物1の投与に耐容性を示さない場合、その被験体には、20mgの化合物1が1日1回投与される。
一部の実施形態において、上記方法は、約45、約21、約15、約8または約3日以内に治療効果(例えば、ハミルトンうつ病スコア(HAM-D)の低下によって測定した場合)を提供する。一部の実施形態において、その治療効果は、処置期間終了時点(例えば、投与またはエピソード投薬を開始した約45、約21、約15、約8または約3日後)におけるベースラインからのHAM-Dスコアの低下である。一部の実施形態において、ベースラインからのHAM-Dスコアの低下は、重度(例えば、24もしくはそれを超えるHAM-Dスコア;または26もしくはそれを超えるスコア)から症状なし、すなわち、うつ病の緩解(例えば、7またはそれ未満のHAM-Dスコア)への低下のことである。一部の実施形態において、ベースラインからのHAM-Dスコアの低下は、重度(例えば、24もしくはそれを超えるHAM-Dスコア;または26もしくはそれを超えるスコア)から正常もしくは軽度のうつ病(例えば、7もしくはそれ未満のHAM-Dスコア;または18~13のHAM-Dスコア)への低下のことである。
一部の実施形態において、上記方法は、約45、約21、約15、約8もしくは約3日以内またはそれ未満以内に治療効果(例えば、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)の低下によって測定した場合)を提供する。モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)は、気分障害を有する患者におけるうつ病エピソードの重症度を測定するために精神科医が使用する10項目の診断質問表(外見上の悲しみ、報告された悲しみ(reported sadness)、内的緊張、睡眠減少、食欲減退、集中困難、倦怠、感情を持てないこと、悲観的思考、および自殺思考に関する)である。0~6は、正常/症状なしを示し;7~19は、軽度のうつ病を示し;20~34は、中等度のうつ病を示し;>34は、重度のうつ病を示す。一部の実施形態において、治療効果は、処置期間終了時点(例えば、約45、約21、約15、約8もしくは約3日またはそれ未満)におけるベースラインからのMADRSスコアの低下である。一部の実施形態において、ベースラインからのMADRSスコアの低下は、重度(例えば、30またはそれを超えるMADRSスコア)から症状なし(例えば、20またはそれ未満のMADRSスコア)への低下のことである。例えば、本明細書中に記載される化合物での処置による、ベースラインからのMADRS総スコアの平均変化は、約-15、-20、-25、-30であり、プラセボでの処置による、ベースラインからのMADRS総スコアの平均変化は、約-15、-10、-5である。
一部の実施形態において、上記方法は、約45、約21、約15、約8もしくは約3日以内またはそれ未満以内に治療効果(例えば、臨床全般印象改善尺度(CGI)の低下によって測定した場合)を提供する。一部の実施形態において、その治療効果は、2またはそれ未満のCGIスコアである。
一部の実施形態において、上記方法は、約45、約21、約15、約8または約3日以内に治療効果(例えば、ハミルトン不安スコア(HAM-A)の低下によって測定した場合)を提供する。HAM-Aは、<17が、軽度の重症度を示し、18~24が、軽度から中程度の重症度を示し、25~30が、中程度から重度を示すように、スコア付けされる。一部の実施形態において、上記治療効果は、処置期間終了時点(例えば、投与またはエピソード投薬を開始した約45、約21、約15、約8または約3日後)における、ベースラインからのHAM-Aスコアの低下である。一部の実施形態において、ベースラインからのHAM-Aスコアの低下は、重度(例えば、25またはそれを超えるHAM-Aスコア)から症状なし(例えば、17またはそれ未満のHAM-Aスコア)への低下のことである。一部の実施形態において、ベースラインからのHAM-Aスコアの低下は、重度(例えば、25またはそれを超えるHAM-Aスコア)から軽度(例えば、24またはそれ未満のHAM-Aスコア)への低下のことである。
一部の実施形態において、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約6週間行われる。一部の実施形態において、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間~約4週間行われる。一部の実施形態において、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間、すなわち約14日間行われる。一部の実施形態において、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、そのエピソード投薬レジメンは、2週間行われる。
1つの実施形態において、指示セットは、印刷された指示セットである。
さらなる実施形態では、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、その方法は、処置される障害のエピソードと同時に化合物1を被験体に投与する工程を含む。一部の局面において、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、その方法は、処置される障害のエピソード、例えば、うつ病のエピソードと同時に化合物1を被験体に投与する工程を含む。一部の局面において、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、その方法は、処置される障害のエピソード、例えば、うつ病のエピソードと同時に化合物1を被験体に投与する工程を含む。一部の局面において、指示セットには、エピソード投薬レジメンを含む方法が記載されており、その方法は、処置される障害のエピソード、例えば、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病のエピソードと同時に化合物1を被験体に投与する工程を含む。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。
ある局面では、うつ病の処置を必要とする被験体においてうつ病を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、
(i)治療有効量の、式
を有する化合物を約2週間、1日1回、その被験体に投与する工程;および
(ii)うつ病症状の再発に応じて、治療有効量の化合物1を約2週間、1日1回、その被験体に再投与する工程
を含むが、但し、その被験体への化合物1の投与とその被験体への化合物1の再投与との間に少なくとも6週間の間隔をあける。
上に記載された6週間の間隔は、被験体への化合物1の投与の最終用量と、被験体への化合物1の再投与の最初の用量との間の持続時間であると理解される。
一部の実施形態において、化合物1は、2週間被験体に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、2週間被験体に再投与される。一部の実施形態において、被験体への化合物1の投与と被験体への化合物1の再投与との間の間隔は、6週間である。一部の実施形態において、被験体への化合物1の投与と被験体への化合物1の再投与との間の間隔は、7週間である。一部の実施形態において、被験体への化合物1の投与と被験体への化合物1の再投与との間の間隔は、8週間である。
一部の実施形態において、うつ病は、大うつ病性障害(MDD)である。一部の実施形態において、MDDは、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、MDDは、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、うつ病は、双極性うつ病である。一部の実施形態において、うつ病は、産後うつ病である。一部の実施形態において、被験体は、うつ病と診断されている。一部の実施形態において、うつ病は、大うつ病性障害または双極性うつ病である。一部の実施形態において、被験体は、重度の産後うつ病と診断された女性である。一部の実施形態において、被験体は、約1年間にわたって大うつ病エピソードを経験している。一部の実施形態において、被験体は、約18~約75歳である。一部の実施形態において、被験体は、約18~約65歳である。
一部の実施形態において、被験体に、約10mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約20mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約30mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約40mgの化合物1が投与される。一部の実施形態において、被験体に、約10mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体に、約20mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体に、約30mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体に、約40mgの化合物1が1日1回投与される。一部の実施形態では、被験体に投与される化合物1の量を、重度の有害作用が発生した際に減少させる。一部の実施形態において、化合物1は、夜に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、食物とともに投与される。一部の実施形態において、化合物1は、カプセル剤に入っている。一部の実施形態において、上記方法は、第2の治療薬の投与をさらに含む。
ある局面において、大うつ病性障害の処置を必要とする被験体において大うつ病性障害を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、
(i)その被験体への14日間の1日1回の治療有効量の式(I)の化合物の第1の投与:
および
(ii)大うつ病性障害の症状の再発に応じた1日1回の被験体への治療有効量の化合物1の第2の投与
を含むが、但し、その被験体への化合物1の第1の投与の最終用量とその被験体への化合物1の第2の投与の最初の用量との間に少なくとも6週間の間隔をあける。
ある局面において、大うつ病性障害の処置を必要とする被験体において産後うつ病を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、
(i)その被験体への14日間の1日1回の治療有効量の式(I)の化合物の第1の投与:
および
(ii)大うつ病性障害の症状の再発に応じた1日1回の被験体への治療有効量の化合物1の第2の投与
を含むが、但し、その被験体への化合物1の第1の投与の最終用量とその被験体への化合物1の第2の投与の最初の用量との間に少なくとも6週間の間隔をあける。
ある局面において、大うつ病性障害の処置を必要とする被験体において全般性不安障害を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、
(i)その被験体への14日間の1日1回の治療有効量の式(I)の化合物の第1の投与:
および
(ii)大うつ病性障害の症状の再発に応じた1日1回の被験体への治療有効量の化合物1の第2の投与
を含むが、但し、その被験体への化合物1の第1の投与の最終用量とその被験体への化合物1の第2の投与の最初の用量との間に少なくとも6週間の間隔をあける。
ある局面において、大うつ病性障害の処置を必要とする被験体において双極性うつ病を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、
(i)その被験体への14日間の1日1回の治療有効量の式(I)の化合物の第1の投与:
および
(ii)大うつ病性障害の症状の再発に応じた1日1回の被験体への治療有効量の化合物1の第2の投与
を含むが、但し、その被験体への化合物1の第1の投与の最終用量とその被験体への化合物1の第2の投与の最初の用量との間に少なくとも6週間の間隔をあける。一部の局面において、化合物1を投与することによって大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病を処置するための方法を記載している指示セットを含むキットが、本明細書中に提供され、その方法は、エピソード投薬レジメンを含む。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、被験体に投与される。一部の実施形態において、化合物1は、複数の週、例えば、約2週間~約6週間、例えば、約2週間~約4週間、例えば、約2週間にわたって、1日1回、被験体に投与される。一部の実施形態において、化合物1約10mg、約15mg、約20mg、約25mgまたは約30mgの化合物1が、複数の週にわたって1日1回、被験体に投与される。好ましい実施形態において、エピソード投薬レジメンは、約2週間~約6週間行われる。より好ましい実施形態では、エピソード投薬レジメンは、約2週間~約4週間行われる。なおもより好ましい実施形態では、エピソード投薬レジメンは、約2週間、すなわち約14日間行われる。別の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、2週間行われる。
また、被験体において不安を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、被験体に有効量の化合物1またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を含む。したがって、1つの局面において、被験体において不安を処置する方法が、本明細書中に提供され、その方法は、被験体に治療有効量の化合物1またはその薬学的に受容可能な塩を投与する工程を含む。一部の実施形態において、その方法は、被験体に治療有効量の化合物1を投与する工程を含む。一部の実施形態において、その被験体は、18歳以上かつ64歳以下である。一部の実施形態において、その化合物は、食物とともに投与される。一部の実施形態において、治療有効量は、20mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、10mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、15mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、25mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、約30mgである。一部の実施形態において、治療有効量は、約45mgである。一部の実施形態において、化合物1は、1つまたはそれを超えるカプセル剤で投与される。一部の実施形態において、治療有効量は、3つのカプセル剤にわたって投与される。
一部の実施形態において、不安は、全般性不安障害である。全般性不安障害(GAD)は、多種多様なことに関する持続的かつ過剰な気苦労により特徴付けられる。GADを有する人々は、災難を予測したり、お金、健康、家族、仕事または他の問題に関して過度に憂慮したりすることがある。GADを有する個体は、気苦労を制御することは困難であると思っている。それらの個体は、実際の出来事については、正当な理由があると思われる以上に心配したり、懸念について明らかな理由がなくても最悪の事態を予想したりすることがある。
他の実施形態において、不安は、強迫性障害(OCD);パニック障害、外傷後ストレス障害(PTSD)または社会不安障害である。強迫性障害、OCDは、不安障害であり、反復性の不必要な思考(強迫)および/または反復行動(強制)により特徴付けられる。強迫観念を防ぐまたは消し去ることを期待して、手を洗う、数を数える、点検する、または掃除するなどの反復行動を行うことが多い。しかしながら、これらのいわゆる「儀式」を行っても、一時的な安心しか得られず、行わないと不安が著しく増大する。パニック障害も、不安障害であり、胸痛、動悸、息切れ、眩暈または腹部苦悶を含み得る身体症状を伴う予期せぬ強い恐怖のエピソードが繰り返されることにより特徴付けられる。外傷後ストレス障害、PTSDは、重大な身体的危害が発生したかまたは脅された、恐ろしい出来事または試練にさらされた後に発症し得る不安障害である。PTSDの引き金となり得る外傷性の出来事としては、暴力的な個人攻撃、自然災害もしくは人災、事故または軍事戦闘が挙げられる。社会恐怖症または社会不安障害は、日常の社会的な場面での圧倒的な不安および過剰な自意識により特徴付けられる不安障害である。社会恐怖症は、公式もしくは非公式な場面で話すことへの恐怖、または他人の前で飲食することへの恐怖など、1つのタイプの状況に限定される場合もあれば、その最も深刻な形態では、他の人々が周りにいるときはほぼ常に症状を経験するほど非常に広範である場合もある。
エピソード投薬レジメンを用いて、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病を処置するための方法が、本明細書中に提供され、その方法は、それを必要とする被験体に化合物1を投薬する工程を含む。一部の実施形態において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後にその被験体の認知機能を改善する。一部の局面において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、約2~約8週間の持続時間を有した。さらなる局面において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、約2~約6週間の持続時間を有した。他の実施形態において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、約2~約4週間の持続時間を有した。さらなる実施形態では、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、約2週間または14日間の持続時間を有した。他の局面において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善し、そのエピソード投薬レジメンは、2週間の持続時間を有した。
エピソード投薬レジメンを用いて、大うつ病性障害、双極性うつ病、不安または産後うつ病を処置するための方法が、本明細書中に提供され、その方法は、それを必要とする被験体に化合物1を投薬する工程を含む。一部の実施形態において、その方法は、エピソード投薬レジメンの完了後に被験体の認知機能の変化をもたらさない。一部の実施形態において、その方法は、認知機能障害をもたらさないか、または認知機能の変化をもたらさない。
他の一部の局面において、本明細書中に記載されるような、化合物1を含む薬学的組成物の複数の個別投与単位および指示セットを含むキットが、本明細書中に記載される。一部の実施形態において、指示セットには、前記薬学的組成物を患者に投与するための方法が記載されており、前記方法は、エピソード投薬レジメンを含む。別の実施形態において、本発明は、
1.化合物1を含む薬学的組成物の複数の個別投与単位;および
2.それを必要とする患者に、エピソード投薬レジメンを用いて前記投与単位を投与するための指示セット
を含むキットを提供する。
一部の実施形態において、指示セットは、紙などの好適な材料に印刷されている。一部の実施形態において、投与単位は、カプセル剤である。一部の実施形態において、単位投与量または投与単位は、液体組成物の予め充填され、予め測定されたアンプルもしくはシリンジ、または固体組成物の場合は、丸剤、錠剤、カプセル剤などを含む。一部の実施形態において、投与単位は、サイズ1のカプセル剤である。他の実施形態において、カプセル剤は、当該分野において理解される、サイズ000、00、0、1、2、3または4である。
実施例1:化合物1および産後うつ病
うつ病を有する被験体において使用するために、化合物1を調べた。スクリーニング時および1日目に26を超えるかまたは26と等しいHAM-D総スコアを有する重度の産後うつ病(PDD)と診断された女性の被験体(18~65歳)を調査に用いた。被験体に、30mgの化合物1を含むカプセル剤を1日あたり1回投薬した。30mgの用量に耐容性を示さなかった場合、20mgの化合物1を含むカプセル剤に用量を調整することができた。化合物1を投薬しなかった被験体には、プラセボを投薬した。全体として、78人の被験体を30mgの化合物1で処置し、73人の被験体をプラセボで処置した。
統計
0.05というα水準の両側検定を仮定すると、1処置群あたりおよそ65人という評価可能被験体のサンプルサイズが、7ポイントの標準偏差(SD)と仮定した場合、15日目におけるベースラインからのHAM-D総スコアの変化である主要エンドポイントのおよそ4ポイントのプラセボで調整された処置差を検出するための90%の検出力を提供した。ベースラインからのHAM-D総スコアの変化を、反復測定による混合効果モデル(mixed effects model for repeated measures)(MMRM)を用いて解析した。このモデルには、ベースラインからの各来院時の変化が従属変数として含まれた。主な比較は、15日の時点における、化合物1カプセル剤とプラセボとの(最小二乗[LSMEAN]の差)であった。
モデルベースの点推定値(すなわち、LSMEAN、95%信頼区間およびp値)については、無構造の共分散構造を用いて、被験体内誤差をモデル化した。その無構造の共分散モデルに収束の問題があった場合、収束が達成されるまで、Toeplitz、複合対称またはAutoregressive(1)(AR[1])共分散構造を、この順序に従って用いた。そのモデルが、なおもAR(1)構造に収束しない場合、結果は報告されなかった。その共分散構造が、UNでなかったとき、分散共分散行列に対するサンドイッチ推定量を、SASにおけるPROC MIXEDステートメントにおけるEMPIRICALオプションを用いて導いた。
同様に、以下の変数の解析のためにMMRMを用いた:ベースラインからのMADRS総スコアおよびHAM-A総スコアの変化、ならびに選ばれた個々の項目および下位尺度スコア。各モデルについて、目的の比較は、15日の時点における化合物1カプセル剤と対応するプラセボとの比較であった。モデルベースの点推定値(すなわち、LS平均値)、95%信頼区間およびp値を報告した。
結果
結果は、主要エンドポイントが満たされたことを実証している。ベースラインからのHAM-D総スコアの平均低下は、15日目において、化合物1(30mg)で処置された被験体の場合、28.4(2.09)というベースライン平均値からの-18.0(8.36)であり、プラセボで処置された被験体の場合、28.8(2.32)というベースライン平均値からの-13.6(8.31)であった。モデルベースの15日目における処置群間の差および対応する95%信頼区間(confidence internal)(CI)は、化合物1を支持する-4.2(-6.9,-1.5)であり、p値=0.0029であった。図1は、ベースラインからのハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)の総スコアのLS平均変化を処置群ごとに経時的に示している。図2は、15日目における主要エンドポイントについてのサブグループ解析のフォレストプロットを示している。図3は、時点ごとおよび処置群ごとのハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)緩解の棒グラフを示している。図4は、時点ごとおよび処置群ごとのハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)緩解の棒グラフを示している。
HAM-D奏効率および緩解率は、プラセボで処置された被験体よりも、化合物1で処置された被験体において有意に高かった:
奏効:化合物1で処置された被験体(30mg)の場合の53/74(71.6%)対
プラセボで処置された被験体の場合の35/73(47.9%)。モデルベースのオッズ比および対応する(95%CI)は、2.63(1.34,5.16)であり、p値=0.0050であった。
緩解:化合物1で処置された被験体(30mg)の場合の33/74(44.6%) 対 プラセボで処置された被験体の場合の17/73(23.3%)。モデルベースのオッズ比および対応する(95%CI)は、2.50(1.22,5.11)であり、p値=0.0122であった。
15日目および他のすべての時点におけるベースラインからのMADRS総スコアの変化:
ベースラインからのMADRS総スコアの平均低下は、15日目において、化合物1で処置された被験体(30mg)の場合、34.9(4.41)というベースラインからの-22.0(11.64)であり、プラセボで処置された被験体の場合、36.3(4.68)というベースラインからの-17.7(11.72)であった。モデルベースの処置群間の差および対応する95%信頼区間(CI)は、化合物1を支持する-4.6(-8.3,-0.8)であり、p値=0.0182であった。この試験の結果を図5に示す。
15日目および他のすべての時点におけるベースラインからのHAM-A総スコアの変化:
ベースラインからのHAMA総スコアの平均低下は、15日目において、化合物1で処置された被験体(30mg)の場合、26.1(5.88)というベースライン平均値からの-16.5(9.51)であり、プラセボで処置された被験体の場合、27.2(5.45)というベースラインからの-12.9(8.57)であった。モデルベースの処置群間の差および対応する95%信頼区間(CI)は、化合物1を支持する-3.90(-6.7,-1.1)であり、p値=0.0063であった。この試験の結果を図6に示す。
15日目におけるCGI-I奏効:
化合物1(30mg)で処置された被験体の場合の53/74(71.6%)対 プラセボで処置された被験体の場合の38/73(52.1%)。モデルベースのオッズ比および対応する(95%CI)は、化合物1を支持する2.15(1.09,4.27)であり、p値=0.0280であった。本明細書中に記載される試験の結果を図7に示す。
上記試験は、15日間、30mgを1日1回投与された化合物1(例示的なエピソード投薬レジメン)が、プラセボと比べて、産後うつ病の処置に有効であることを実証した。
実施例2:大うつ病性障害(MDD)を有する成人被験体における安全性、耐容性、および化合物1による再処置の必要性に関するオープンラベルの1年間の第3相試験
省略形のリスト
ADT 抗うつ病薬治療
AE 有害事象
CGI-I 臨床全般印象-改善
CGI-S 臨床全般印象-重症度
CS 臨床的に有意
C-SSRS コロンビア自殺重症度評価尺度
CYP シトクロムP450
DSM-5 精神障害の診断と統計マニュアル、第5版
ECG 心電図
eCRF 電子症例報告書
EOT 処置終了時
ET 早期中止
FSH 卵胞刺激ホルモン
GABA γ-アミノ酪酸
HAM-D ハミルトンうつ病評価尺度
HCV C型肝炎ウイルス
HIV ヒト免疫不全ウイルス
ICF インフォームドコンセントフォーム
IRB 施設審査委員会
IRT 双方向応答技術
ISI 不眠重症度指数
MADRS モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度
MDD 大うつ病性障害
MDE 大うつ病エピソード
NCS 臨床的に有意でない
PHQ-9 9項目の患者健康状態質問票
PK 薬物動態
PSQ 患者状態質問票
QTcF Fridericiaの式に従って補正したQT
SAE 重篤な有害事象
SAP 統計解析計画書
SCID-5-CT 診断およびDSM-5臨床試験バージョンのための構造化臨床面接
SD 標準偏差
SDS シーハン障害尺度
SUSAR 予期せぬ重篤な有害反応の疑い
TEAE 処置下で発現した有害事象
WHO 世界保健機関
全体的な試験デザイン
MDDを有し、大うつ病エピソード(MDE)を現在経験している成人被験体におけるオープンラベル、長期間の縦断試験において、化合物1を調べた。試験デザインの概略図については、図8を参照のこと。
MDDの診断は、有資格のヘルスケア専門家が行うDSM-5臨床試験バージョンのための構造化臨床面接(SCID-5-CT)に従って行われた。スクリーニングのための来院時に、MADRSおよびCGI-Sの完了などの予備的スクリーニング手順において被験体を評価して、適格性を決定した。
この試験の主目的は、以下であった:MDDを有し、1年間にわたって大うつ病エピソード(MDE)を現在経験している成人において、化合物1による初期処置および再処置の安全性および耐容性を決定すること。
この試験の副次目的は、以下であった:MDDを有し、1年間にわたってMDEを現在経験している成人において初期処置後に化合物1による再処置の必要性を評価すること、ならびにMDDを有し、1年間にわたってMDEを現在経験している成人において化合物1による初期処置の応答および最初の2週間の処置期間(例示的なエピソード投薬レジメン)の後の再処置の応答を評価すること。
この試験の探索的目的は、以下であった:MDDを有し、MDEを現在経験している成人のデジタル表現型を開発すること、および臨床エンドポイントとの潜在的な相関関係を評価すること;睡眠に対する化合物1の効果を評価すること;ならびに患者が報告する転帰尺度は、被験体の生命、うつ病の重症度、機能性、症状に関する被験体の見込み、および化合物1に対する被験体の満足度に対するうつ病の影響に関係するので、それらを評価すること。
この試験の主要エンドポイントは、以下であった:AE/SAEの発生数および重症度;ベースラインからの臨床検査尺度、バイタルサインおよび心電図(ECG)の変化;ならびに希死念慮および自殺行動(コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)を用いて)を含む尺度によって評価される、化合物1による初期処置および化合物1による再処置の安全性および耐容性。
この試験の副次エンドポイントは、以下であった:最初の再処置までの時間(カプラン・マイヤー曲線)によって評価される化合物1による再処置の必要性;再処置に対する要件を達成した被験体の数;および各被験体に対する再処置のサイクル数。14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時におけるベースラインからの17項目のHAM-D総スコアの変化によって評価される初期処置および/または再処置の応答;14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時における、ベースラインからのHAM-Dスコアの≧50%低下として定義される、HAM-D奏効;14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時における、≦7のHAM-D総スコアとして定義されるHAM-D緩解;14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時における、「かなり改善された」または「非常にかなり改善された」として定義される、CGI-I奏効;および14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間(例示的なエピソード投薬レジメンとも称される)の各々の終了時における、ベースラインからの臨床全般印象-重症度(CGI-S)スコアの変化。
この試験の探索的エンドポイントは、以下であった:携帯電話対応ソフトウェアアプリケーションの使用に同意した被験体における基本的行動データ(例えば、例えば、GPS、テキスト/電話の使用、運動活動/睡眠パターン)の受動的収集によって開発される、デジタル表現型;不眠重症度指数(ISI)によって評価される、睡眠に対する化合物1の効果;最初の新規ADTの使用までの時間(カプラン・マイヤー曲線)および使用した新規ADTの数;9項目の患者健康状態質問票(PHQ-9)によって評価される、患者が報告するうつ病症状;シーハン障害尺度(SDS)によって評価される、患者が報告する機能性;ならびに患者状態質問票(PSQ)によって評価される、患者が報告するうつ病の影響ならびに症状の患者による見込みおよび満足度。
被験体の参加期間は、およそ56週間:スクリーニング期間(28日間)、初期処置期間(14日間、または例示的なエピソード投薬レジメン)、追跡調査期間(14日間)および観察期間(48週間)であった。48週間の観察期間中に、化合物1によるさらなる14日間の再処置期間(またはエピソード投薬レジメン)が行われた可能性がある。
すべての被験体に、第1の処置サイクルの1日目から14日目まで、ある1日経口量の化合物1を投与した。うつ病症状の再興もしくは再発または再出現に従って、その後の14日間の処置期間(再投与またはさらなるエピソード投薬レジメン)において、化合物1を投与した。
化合物1によって奏効を達成した被験体を48週間追跡した
1日目から開始して、適格被験体が、30mgの化合物1を14日間、1日1回、夜に経口的に自己投与した。14日間の処置期間の完了の14日(±1日)後に、追跡調査来院を行った。
被験体が、初期処置の15日目までに化合物1に対して、ベースラインからのHAM-Dスコアの≧50%低下として定義される奏効を示さなかった場合、その被験体は、14日間の追跡調査期間の完了時に当該試験を終了した。
初期処置期間の後、48週間、被験体の自然主義的追跡を行った。被験体は、臨床評価のために48週間の観察期間中、8週間ごとに当該施設に戻った(第1の追跡調査期間の後に開始)。
化合物1の処置サイクル
化合物1の14日間の処置期間および対応する14日間の追跡調査期間の各々を1サイクル(28日目)とみなした。初期処置は、サイクル1であり、再処置は、順を追ってナンバリングした。各サイクルは、1日目から始まった(例えば、第1の再処置期間の初日は、サイクル2の1日目であった)。最大5処置サイクルを許容した;48週目の後、新しい再処置サイクルを始めなかった。45週目と48週目の間に化合物1の新しい処置サイクルを開始した被験体は、処置サイクルの終了時(28日目、処置サイクルの追跡調査期間の終了時)まで追跡された。
再処置の必要性を、48週間の観察期間中、被験体が報告するPHQ-9の結果に基づいて14日ごとに遠隔評価によって評価した;そのPHQ-9スコアが、≧10であった場合、臨床医が行うHAM-Dによる評価を受けるために、その被験体は、当該施設に戻った。≧10のPHQ-9スコアからおよそ1週間、≧20のHAM-Dスコアが評価された被験体については、化合物1の新しいサイクルを開始した。
化合物1の処置サイクル間には、最低8週間(56日間)という期間または間隔が必要であった。これは、うつ病エピソードの「完全緩解」を確立する8週間の期間に基づき(American Psychiatric Association 2013)、利用可能な任意の抗うつ病薬(ADT)が最大の有効性を示すのに必要とされ得る処置期間と整合する。
本試験は、化合物1による長期間の再処置を調べた最初の試験であったので、他のGABA作用薬による公知の離脱症状およびイヌにおける化合物1の9ヶ月間の試験の非臨床所見に基づいて、発作を含む離脱関連事象の可能性をモニターした。
試験薬のパッケージングおよびラベリング
化合物1は、密封された単位用量を含む適切にラベルされた被験体特異的キットとして、試験薬の調剤に対して責任があるクリニック薬剤師および/または指定された施設職員に提供された。各単位用量は、1カプセルからなる。
試験薬の投与
化合物1を食物とともに1日1回、夜に経口的に投与した。実際の選択肢としては、夕食の1時間以内に化合物1を摂取することまたは固形食とともに夜遅くに化合物1を摂取することが挙げられた。被験体が、用量を怠った場合、その被験体は、その用量を飛ばし(すなわち、朝にその用量を摂取すべきではない)、次の夜に次の予定された用量を摂取した。
本試験は、化合物1による長期間の再処置を調べた最初の試験であったので、他のGABA作用薬による公知の離脱症状およびイヌにおける化合物1の9ヶ月間の試験の非臨床所見(試験薬概要書)に基づいて、発作を含む離脱関連事象の可能性をモニターし、それには、試験薬の中止または用量の低減が含まれた。
どの時点においても、被験体が自殺傾向を示したら、その被験体は、試験担当医師による評価を受けるために可能な限り早く施設に戻った。
スクリーニング期間および処置期間および追跡調査期間についての評価を表1に要約する;観察期間についての評価および任意の予定外の来院を表2に要約する。
CGI-I=臨床全般印象-改善;CGI-S-臨床全般印象-重症度;C-SSRS=コロンビア自殺重症度評価尺度;D=日;ET=早期中止;ECG=心電図;EOT=処置終了時;FSH=卵胞刺激ホルモン;HAM-D=ハミルトンうつ病評価尺度17項目版;HIV=ヒト免疫不全ウイルス;ICD-10=疾病および関連保健問題の国際統計分類バージョン10;ISI=不眠重症度指数;MADRS=モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度;MGH ATRQ=マサチューセッツ総合病院抗うつ病薬処置応答質問票;O=任意選択;SCID-5=精神障害の診断と統計マニュアル第5版のための構造化臨床面接;PHQ-9=9項目の患者健康状態質問票;PSQ=患者状態質問票;SAE=重篤な有害事象;
SDS=シーハン障害尺度;wt=体重
スクリーニング手順は、最初(サイクル1)の処置期間の前だけ行われる。
デジタル表現型決定のために携帯電話対応ソフトウェアアプリケーションの使用に同意した被験体の場合、最低14日間のスクリーニングが必要である。
1サイクルは、各々28日(±1日)であり、14日間の処置期間および14日間の追跡調査期間からなる。初期処置をサイクル1とみなし、再処置は順を追ってナンバリングする。各再処置サイクルは、1日目から始まる(例えば、第1の再処置の初日は、サイクル2の1日目となる)。
早期に処置を中止する被験体は、可能な限り早く、好ましくは処置を中止した翌日に、処置終了時(EOT)の来院のために施設に戻るべきである。追跡調査来院は、処置の最終用量の14日後に行うべきである。EOT来院後のどの時点であっても、被験体が試験を終了すると決断した場合、その被験体は、早期中止(ET)来院のために戻るべきである。被験体が、来診中の当日に試験薬を中止し、試験を終了する場合、EOT来院とET来院は、同じ日となり得る;この場合、EOT来院のために予定されたすべての事象を行う。
被験体は、別の臨床試験への参加の除外基準を満たす可能性のある被験体を特定する目的で、自身のユニークな被験体識別子を登録簿(www.subjectregistry.com)に登録されることを認めるよう求められることがある。
外科的不妊ではない女性被験体については、≧12ヶ月の自然無月経を有する女性被験体が、閉経後であることについてプロトコルで定義された基準を満たしているかを確認するために、スクリーニング時に血清FSH検査を行う。
スクリーニング時に完全な理学的検査を行い、その後、簡易な理学的検査を行う。完全な理学的検査には、体組織(例えば、頭部、眼、耳、鼻および咽喉;心臓;肺;腹部;ならびに四肢)の評価が含まれる。
安全性臨床検査には、血液学、血液生化学、凝固および尿検査が含まれる。
選択された乱用薬物についての尿毒物学(研究室のマニュアルに則って)およびアルコールの呼気検査。
スクリーニング時の血清妊娠検査およびその後の尿妊娠検査。
途中で中止する女性被験体は、EOT来院時に行われる妊娠検査を受ける
同意が得られている場合、ホルモン検査および探索的生化学検査のための任意選択の血液サンプル。同意が得られている場合、バイオマーカー検査のための任意選択の遺伝子サンプル。
バイタルサインには、口腔温(℃)、呼吸数、心拍数および血圧(仰臥位および起立)が含まれる。心拍数および血圧は、予定されたすべての時点において、被験体を5分間休ませた後、仰臥位で収集し、その後、立位で収集する。バイタルサインは、臨床的に指示されたとき、試験担当医師の判断で繰り返してもよい。
三連のECGを収集する。
「ベースライン/スクリーニング時」のC-SSRSフォームは、スクリーニング時に記入される。「前回の来院以降(Since Last Visit)」のC-SSRSフォームは、その後のすべての時点の任意の時刻に記入される。
HAM-Dは、来院中の可能な限り早く記入する。
HAM-D尺度に対する評価の時間枠は、過去7日間(1週間)のことを指す。
初期処置の15日目までに化合物1に対して、ベースラインからのHAM-Dスコアの≧50%低下として定義される奏効を示さない被験体は、追跡調査来院の完了時に試験を終了する。
同意した被験体は、スクリーニング来院時に開始して試験期間を通して、携帯電話対応ソフトウェアアプリケーションを使用する。
インフォームドコンセントの時点から開始して被験体の試験参加期間全体にわたって、有害事象を収集する。
以前の治療薬は、スクリーニング時に回収し、併用薬は、その後の各来院時に回収する。
ECG=心電図;ET=早期中止;HAM-D=ハミルトンうつ病評価尺度17項目版;ISI=不眠重症度指数;O=任意選択;PHQ-9=9項目の患者健康状態質問票;PSQ=患者状態質問票;Q2W=2週間ごとに1回;Q8W=8週間ごとに1回;SDS=シーハン障害尺度;SAE=重篤な有害事象
観察期間中の評価のスケジュールは、直前の処置サイクルの最終日に基づくべきである(例えば、Q2W遠隔評価の1回目は、42日目(±1日)であり、Q8W来院の1回目は、84日目(±3日間)である)。
PHQ-9スコアが≧10である場合および/または任意の自殺思考もしくは自殺行動があった場合、被験体は、Q8W来院スケジュール以外でも施設に戻る。
すべてのPHQ-9評価を、携帯電話対応ソフトウェアアプリケーションを介して行う。
被験体は、14日ごとにPHQ-9に回答する;PHQ-9スコアが≧10である場合、その被験体は、およそ1週間内に臨床医が行うHAM-Dによる評価を受けるために施設に戻る。HAM-Dスコアが<20である場合、被験体は、週1回の頻度でPHQ-9に回答する:被験体は、PHQ-9スコアが≧10のままであることをHAM-Dによって評価を受けるために毎週、施設に戻る;PHQ-9スコアが<10である場合、その後、被験体は2週間ごとにPHQ-9に回答する。
HAM-Dスコアが≧20であり(≧10のPHQ-9スコアを有してからおよそ1週間後に評価)、前の化合物1処置サイクルの最終処置日(すなわち、70日目またはそれより後)から少なくとも8週間経過した場合、被験体は、14日間の追跡調査来院を伴う14日間の再処置期間を開始する(表1を参照のこと)。HAM-Dスコアが≧20であるが、前の化合物1処置サイクルの最終処置日(すなわち、69日目またはそれより前)から8週間未満しか経過していない場合、被験体が化合物1による再処置期間を開始してもよい8週間の期間が経過するまで(表1を参照のこと)、またはPHQ-9スコアが<10になるまで、被験体は、週1回の頻度でPHQ-9に回答する。
併用薬は、各来診時に回収される。
デジタル表現型決定について同意した被験体は、スクリーニング来院時に開始して試験期間を通して、携帯電話対応ソフトウェアアプリケーションを使用する。
インフォームドコンセントの時点から開始して被験体の試験参加期間全体にわたって、有害事象を収集する。
用量の正当化
この試験における1日あたり30mgの用量レベルは、MDDを有する被験体において有効な用量レベルであり、第2相試験において耐容性がよかった用量レベルであった。20mgという化合物1への用量調整が許容された;20mgという化合物1は、最大耐用量レベルより低いので、耐容性がよいと見込まれた。鎮静/傾眠が、朝に投与していた以前の臨床試験において観察され、夜に投与すると耐容性が改善されたことに起因して、本試験では、化合物1を夜に投与した。
DSM-5によると、8週間という期間は、うつ病性エピソードの「完全緩解」を確立するために必要である(American Psychiatric Association 2013)。さらに、利用可能な抗うつ病薬治療(ADT)は、最大有効性をもたらすために最大8週間行われることが多い。したがって、14日間の処置期間の終了と新しい化合物1処置サイクルの開始との間に8週間(56日間)という最低期間が必要であった。
用量調整基準
どの時点であっても、試験薬に関連すると試験担当医師が判断する重篤なAEの発生によって評価されるように30mgの化合物1に耐容性を示さなくなった場合、可能な限り早く、20mgまで用量を減少させ、残りの処置期間はその用量を継続した。中等度のAEに関連する用量調整は、試験担当医師が判断した。試験担当医師によって30mgから20mgへの用量調整が必要であるとみなされた場合、調整された用量を調剤されるために、被験体は施設に戻った。被験体が前の処置期間に用量調整を必要としたか否かを問わず、いずれの再処置期間も30mgの用量から開始した。任意の時点において20mgの用量に耐容性を示さなくなった被験体は試験薬を中止し、その被験体は、その後の14日間の追跡調査期間の完了時に試験を終了した。
被験体の組み入れ基準
適格被験体は、以下の基準のすべてを満たした:
1.何らかの試験特異的手順が行われる前にICFに署名した被験体。
2.18歳~75歳(両端を含む)の男性または女性である被験体。
3.身体的健康が良好であり、試験担当医師が測定したとき、理学的検査、12誘導ECGまたは臨床検査において、臨床的に有意な所見を有しない被験体。
4.試験の要件に従うことに同意した被験体。
5.MDDの診断を受けた被験体であって、そのMDDが、SCID-5-CTによって診断され、症状が少なくとも4週間にわたって存在している、被験体。
6.スクリーニング時および1日目(投薬前)に≧28というMADRS総スコアを有する被験体。
7.大うつ病性障害を処置するために用いられる抗うつ病薬を摂取している被験体であって、1日目の前の少なくとも60日間、これらの薬剤を同じ用量で摂取しなければならなかった被験体。
8.閉経後(別の医学的原因のない12ヶ月間の無月経と定義され、>40mIU/mLという卵胞刺激ホルモン[FSH]によって確認される)でないか、外科的に不妊に(子宮摘出術または両側卵巣摘出術)されていないか、または妊娠リスクを伴う性的関係に関わる場合、試験参加中および試験薬の最終用量後30日間、以下の避妊方法のうちの1つを用いることに同意した女性被験体:排卵の阻害に関連する併用の(エストロゲンおよびプロゲストーゲン含有)経口、膣内または経皮的ホルモン避妊;排卵の阻害に関連する、経口、注射剤または植え込み型のプロゲストーゲンのみのホルモン避妊;子宮内避妊具;子宮内ホルモン放出システム;両側性卵管結紮/卵管閉塞術;精管切除したパートナー;禁欲(性交を行わない)。
9.妊娠リスクを伴う性的関係に関わる場合、試験期間にわたっておよび試験薬の最終用量を受けた後の5日間、有効かつ受容可能な避妊方法を用いることに同意した男性被験体。女性パートナーが妊娠の可能性がある場合、男性に対する有効かつ受容可能な避妊方法としては、禁欲、精管切除術、または非常に効果的な女性避妊方法とともに使用される殺精子薬付きコンドームが挙げられる(受容可能な避妊方法については、組み入れ基準#8を参照のこと)。
10.試験期間にわたっておよび試験薬の最後の投与を受けた後の5日間、精子提供を控える意思があった男性被験体。
11.試験期間にわたって薬物乱用およびアルコールを慎むことに同意した被験体。
被験体の除外基準
以下の基準のいずれかを満たす被験体は、この試験への参加資格がなかった:
1.MDDの現在のエピソードに伴って自殺を試みた被験体。
2.代謝障害、肝障害、腎障害、血液疾患、肺障害、心血管障害、胃腸障害、筋骨格障害、皮膚障害、尿生殖器障害、神経障害もしくは眼障害、耳障害、鼻障害および咽喉障害または他の任意の急性もしくは慢性状態(試験担当医師の意見において、被験体がこの臨床試験を完了する能力またはこの臨床試験に参加する能力を制限し得るもの)の最近の履歴または活動性の臨床的に有意な症状発現を有した被験体。
3.現在の大うつ病エピソード内に十分な用量の2つの異なるクラスの抗うつ病薬(抗精神病薬を除く)による処置を少なくとも4週間の処置にわたって受けたにもかかわらず、持続性のうつ病症状として定義される処置抵抗性うつ病を有した被験体。マサチューセッツ総合病院抗うつ病薬処置応答質問票をこの目的のために用いた。
4.迷走神経刺激、電気ショック治療を受けていたか、または現在の大うつ病性エピソード内にケタミンを摂取した被験体。
5.-28日目にベンゾジアゼピン、バルビツレートもしくはGABAA調節因子(例えば、エスゾピクロン、ゾピクロン、ザレプロンおよびゾルピデム)を摂取した被験体、または1年超にわたって毎日もしくはほぼ毎日(1週間につき≧4回)これらの薬剤を使用していた被験体。
6.-14日目に非GABA抗不眠薬(例えば、メラトニン、Benadryl[抗ヒスタミン]、トラゾドン、低用量クエチアピン、ミルタザピンなど)および/または非定型抗精神病薬(例えば、アリピプラゾール、クエチアピン)を摂取した被験体。
7.化合物1、アロプレグナノロンまたは関連化合物に対して既知のアレルギーを有する被験体。
8.スクリーニング時または任意の処置サイクルの試験薬投与の開始前の1日目に、妊娠検査が陽性であった被験体。
9.スクリーニング時または1日目(試験薬の投与前)に授乳していた被験体であって、1日目に試験薬を投与される直前から、各処置サイクルにおける試験薬の最終用量の7日後まで、子供に母乳を与えることを一時的に中止することに同意しなかった被験体。
10.スクリーニング時にB型肝炎表面抗原、抗C型肝炎ウイルス(HCV)および陽性のHCVウイルス量、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体が検出可能であった被験体。
11.スクリーニング時またはベースライン来院時に臨床的に有意な異常な12誘導ECGを有した被験体。注記:男性の>450msecまたは女性の>470msecという、Fridericia法を用いて計算した平均QT間隔(QTcF)を試験からの除外の根拠とした。
12.試験担当医師の評価によると活動性の精神病を有した被験体。
13.発作の病歴を有した被験体。
14.双極性障害、統合失調症および/または統合失調感情障害の病歴を有した被験体。
15.スクリーニング前の12ヶ月の間に、DSM-5基準を用いて診断された軽度、中等度または重度の物質使用障害(ベンゾジアゼピンを含む)の履歴を有した被験体。
16.-28日目に慢性または頓用の精神刺激薬(例えば、メチルフェニデート、アンフェタミン)またはオピオイドを摂取していた被験体。
17.スクリーニング前の30日以内に別の試験薬または試験デバイスに曝露されていた被験体。
18.以前に化合物1またはブレキサノロン(brexanolone)の臨床試験に参加していた被験体。
19.任意の化合物1処置サイクルの試験薬の最初の用量前の28日以内もしくは5半減期以内(いずれか長い方)におけるシトクロムP450(CYP)3A4の任意の公知の強力な阻害剤の使用、または任意の化合物1処置サイクルの試験薬の最初の用量前の14日以内におけるグレープフルーツ果汁、グレープフルーツもしくはダイダイまたはこれらを含む製品の消費。
20.任意の化合物1処置サイクルの試験薬の最初の用量前の28日以内における以下の強力なCYP3A4誘導因子の使用:リファンピン、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトインおよびセイヨウオトギリソウ。
21.スクリーニング時または初期処置サイクルの投薬前の1日目に薬物スクリーニングおよび/またはアルコールスクリーニングが陽性であった被験体。
22.初期処置期間中および追跡調査期間中に待機手術を受ける計画をしていた被験体。
23.スクリーニング前の過去1年以内に任意のタイプの癌(基底細胞癌および表皮内メラノーマを除く)と診断されたおよび/またはそれの処置を受けていた被験体。
24.睡眠時無呼吸の履歴を有した被験体。
25.胃バイパス手術を受けたことがあるか、スリーブ胃もしくはラップバンドを有するか、または消化管通過を妨げる任意の関連手技を受けたことがある被験体。
被験体の離脱基準
被験体は、どの時点においても任意の理由で試験薬から離脱または試験を終了することができた。試験担当医師は、以下の理由のうちのいずれかのために、被験体を試験薬または試験から離脱させることができた:被験体が、プロトコルに従う意思がなかった、またはプロトコルに従うことができなかった;被験体が、耐えられないAEを経験している;試験担当医師および/またはメディカルモニターの裁量における他の医学的または安全性の理由。
被験体が、何らかの理由で試験薬から離脱または試験を終了したら、試験担当医師は、直ちに試験依頼者および/またはメディカルモニターに通知した。その理由を被験体の電子症例報告書(eCRF)に記録した。
被験体が、いつまでも服薬遵守しなかった場合、試験担当医師は、その被験体の中止の可能性を試験依頼者と話し合った。プロトコルに従う意思がないことまたはプロトコルに従うことができないことに対する理由(来院し損なったこと、試験薬投与スケジュールの妨害、許されていない薬剤など)を被験体のeCRFに記録した。
試験担当医師が決定した因果関係を問わずAEに起因して試験を中止した被験体を、その事象が解消されるまで、安定したとみなされるまで、または試験担当医師が決定した事象がもはや臨床的に有意でなくなるまで、追跡した。
処置期間中に早期に試験薬を中止した被験体は、可能な限り早く、好ましくは処置を中止した翌日に、処置終了時(EOT)来院のために施設に戻った。追跡調査の電話および遠隔評価は、処置の最終用量の14日後に行った。その後、被験体は、予定されていたとおり観察期間を継続した(表2)。
追跡調査期間中または観察期間中のどの時点においても、被験体が試験を終了すると決断した場合、その被験体は、施設に連絡し、早期中止(ET)来院として遠隔評価を完了した。被験体が、処置期間中の同じ日に試験薬を中止し、試験を終了した場合、ET来院は、EOT来院と同じ日であった;この場合、EOT来院のために予定されていたすべての事象を行った。
被験体との連絡を試みたが失敗した後は、被験体を追跡不能とみなした。
個々の被験体の停止基準
本試験は、化合物1による長期間の再処置を調べた最初の試験だった。他のGABA作用薬による公知の離脱症状およびイヌにおける化合物1の9ヶ月間の試験の非臨床所見(試験薬概要書)に基づくと、発作を含む離脱関連事象の可能性があった。被験体の安全を支持するために、試験薬の中止または用量の低減に対する以下のガイドラインを提示した:
(1)どの時点においても発作の確認または発作の疑いを報告するあらゆる被験体は、処置を中止し、別の処置サイクルを受ける資格はなかったが、この試験における追跡を継続した;(2)最初の処置期間の後、試験担当医師は、併存する精神状態または病状によって説明されない発作を示唆するCNSに基づく徴候および症状の経過をモニターした。発作に対する将来のリスクおよび/または高リスクを反映し得る重大事象または重篤事象の報告例としては、一時的な錯乱、振戦、腕または脚の不随意筋線維束性収縮または痙攣運動、あるいは知覚異常が挙げられた。そのような症状が生じた場合、試験担当医師は、Sageメディカルモニターと相談して、試験薬の用量を20mgまで減少させること、処置を停止して、それらの症状に対する効果を評価すること(例えば、解消、改善など)、または被験体の処置を中止することを検討した。処置を中止する被験体は、この試験に残り、プロトコルが要求する評価を試験終了まで継続する。
本試験はオープンラベル試験であったので、本試験の状況における化合物1のベネフィット/リスクプロファイルの評価を含む任意の重篤事象または重大事象を継続的に評価した。結果として、試験依頼者は、試験を修正または中止した。
以前の治療薬および併用薬ならびに/またはサプリメント
スクリーニング前の30日以内および試験期間を通じて摂取したすべての薬剤および/またはサプリメントの開始日および終了日、経路、用量/単位、頻度ならびに適応症を記録した。さらに、スクリーニング前の3年間に受けた抗うつ病薬治療を記録した。
被験体の幸福のために必要と決定された任意の薬剤および/またはサプリメントを、試験中の任意の時点において試験担当医師の裁量で与えた。
被験体が、初期処置期間および追跡調査期間を通して(サイクル1の28日目まで)安定用量を続ける意向があった場合、1日目より前の少なくとも60日間、同一用量で摂取していた抗うつ病薬を許可した。
試験の各期間中に併用が許可された向精神薬については、表3を参照のこと。
化合物1処置サイクルの後に悪化するうつ病症状に対する薬剤使用
15日目において緩解または奏効を達成している被験体(78.6%)について、6.1%が、42日目に≧22のHAM-Dを有し;別の18.2%は、42日目に16~21のHAM-Dスコアを有した。これは、新しいMDEを経験する恐れがあるほとんどの被験体が、新しい化合物1処置サイクルの前に、必要とされる最小期間(8週間または56日間)に達した後、この経験を有し得ることを示唆している。このため、ほとんどの被験体が、必要なときに、化合物1処置サイクルに適格だった(すなわち、≧10のPHQ-9および≧20のHAM-Dが2週間にわたって確認された);新しいMDE(DSM-5)を確立するためには2週間の期間が必要だった。
28日目の後にうつ病症状を悪化させ、新しい化合物1処置サイクルに適格でなくなった被験体については、2つの介入オプションがあった:頓用薬(1週間につき最大4日間に限定される)および/または新しいADTの導入もしくは現行ADTの用量増加(表3)。すべてのADT使用(すなわち、新しい化合物1、新しいADT、または現行ADTの用量増加)にわたって臨床状態の同等性を維持するために、すべてのADT使用条件において、2週間にわたって≧10のPHQ-9および≧20のHAM-Dが確認されるという要件が必要とされた。安定ADTを受けている被験体が、うつ病症状を悪化させた場合(PHQ-9≧10)、HAM-Dスコアが<20である場合は頓用薬のみを使用することが推奨され;HAM-Dスコアが≧20である場合は現在の用量を増加させるかまたは新しいADTを導入した。さらに、臨床医は、新しい任意のADTを開始するとき、個々の被験体の化合物1による初期経験を考慮した。なぜなら、その初期経験は、時間が許せば被験体が新しい化合物1処置サイクルに適格になり得る(すなわち、HAM-Dが<20となり得る)可能性を実質的に減少させ得るからである。頓用薬使用に対しては、PHQ-9またはHAM-Dスコアの要件はなかった。
症状管理のために許可された頓用薬としては、ベンゾジアゼピン、不眠に対するGABA調節因子(例えば、エスゾピクロン、ゾピクロン、ザレプロンおよびゾルピデム)および不眠に対する非GABA処置が挙げられる;そのような処置の使用は、1週間につき最大4日間に限定されるべきである。
頓用薬および/または新しいADTを導入したか、または現行ADTの用量を増加させ、被験体が≧20のHAM-Dを示し続けた場合、70日目またはそれより後に新しい化合物1処置サイクルを開始することができた。新しい化合物1サイクルの完了後、前の観察期間中に用いられた任意の介入の継続使用を試験担当医師の裁量で行った。
観察期間中の任意のベンゾジアゼピンおよび/またはGABA調節薬剤の使用を、任意の新しい化合物1処置サイクルの7日前に停止した。頓用の非GABA調節薬剤の使用を、任意の新しい化合物1処置サイクルの1日前に中止した。
避妊を意図した薬剤を女性被験体に対して許可した。
頓用薬(ベンゾジアゼピン、不眠に対するGABA調節因子[例えば、エスゾピクロン、ゾピクロン、ザレプロンおよびゾルピデム]および不眠に対する非GABA処置[例えば、メラトニン、Benadryl[抗ヒスタミン]、トラゾドン、ミルタザピンなど])は、1週間につき最大4日に限定されるべきである。
安定ADTを受けている被験体が、うつ病症状を悪化させている場合(≧10のPHQ-9)、HAM-Dスコアが<20である場合に頓用薬だけを使用することが推奨される;HAM Dスコアが≧20である場合、現行ADTの用量を増加させてもよいし、新しいADTを導入してもよい。
化合物1の最初/前のサイクルを基準にしたタイミング
ADT=抗うつ病薬;安定ADT=試験前に開始し、ベースライン時に継続していたADT、または観察期間中に開始し、その後、新しい化合物1サイクルを通じて継続していた任意の新しいADT
実施例3:大うつ病性障害(MDD)を有する成人における再発予防に関する固定された反復処置レジメンを用いた、化合物1の有効性および安全性に関する第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
本試験は、オープンラベル期の後のランダム化二重盲検プラセボ対照相試験であり、この試験は、現在抗うつ病薬を摂取していないMDD(≧32のモントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度[MADRS]、≧22のHAM-D)を有する成人被験体における再発予防に関する、固定された反復処置レジメンにおける化合物1の単独療法の効果をプラセボと比べて評価する試験だった。試験デザインの模式図については、図9を参照のこと。
被験体が参加する計画された期間は、スクリーニング期間(最大4週間)、オープンラベル(OL)期(8週間)および二重盲検(DB)期(40週間)を含む最大52週間であった。
スクリーニング期間(表4)は、インフォームドコンセントフォーム(ICF)への署名から開始した;ICFへの署名は、任意のスクリーニング活動を始める前に行われた。MDDの診断は、有資格のヘルスケア専門家が行う精神障害の診断と統計マニュアル第5版のための構造化臨床面接(DSM-5)臨床試験バージョン(SCID-5-CT)に従って行われた。被験体は、スクリーニングのための来院時に予備的なスクリーニング手順(MADRSおよびCGI-Sへの記入を含む)を受け、適格性を決定された。
OL期の1日目から開始して、適格被験体が、連続14日間、外来ベースで、単一用量の試験薬を1日1回、夜に食物とともに自己投与した。実際の選択肢としては、夕食の1時間以内に化合物1を摂取することまたは固形食とともに夜遅くに化合物1を摂取することが挙げられた。被験体は、表5に概説されるように、OL処置中および追跡調査期間中に試験センターに戻った。
試験担当医師によって判断される有意な耐容性の問題なくOL期(56日目まで)を完了し、来院4、6、7および8(表5を参照のこと)においてベースラインからのHAM-D総スコアの≧50%低下として定義されるHAM-D奏効を示した被験体が、DB期に適格だった。来院6、7または8におけるベースラインからのHAM-D総スコアの<50%低下という逸脱1つは、DB期に対する適格性について許容した。
DB期の1日目から開始して、30mgの化合物1または対応するプラセボを投与されるように、1:1の比で適格被験体をランダム化した。40週間のDB期は、5つの14日間の処置期間からなり、各々が6週間の追跡調査期間で隔てられた;各追跡調査期間の終了は、次の処置期間の最初の来院と一致した。14日間の処置期間中、被験体は、外来ベースで、単一用量の試験薬を1日1回、夜に食物とともに自己投与した。被験体は、表5に概説されるように、DB処置期間中および追跡調査期間中に試験センターに戻った。
DB期の追跡調査期間中、うつ病症状を遠隔PHQ-9によって7日ごとにモニターした;PHQ-9スコアが≧10であった場合、被験体は、臨床医が行うHAM-Dによる評価を受けるために可能な限り早く施設に戻った(表6)。この来院時にHAM-Dが≧18であった場合、被験体は、HAM-Dによる再評価を受けるために7~14日後に施設に戻った(表6);HAM-Dが≧18のままである場合は、被験体は、再発したとみなされた。入院を必要とするうつ病の悪化、試験担当医師が決定する自殺のリスク、および/または入院を必要としない他の任意の臨床的に関連性のある事象があったとき、被験体は、再発したとみなされた。DB期中に、試験担当医師によって再発したと決定された被験体は、早期中止(ET)来院の完了時に試験を終了した;被験体が、処置期間中に再発したと決定された場合、その被験体は、可能な限り早く処置終了(EOT)来院を行い、EOT来院の7日後にET来院を行った。再発の最終決定は、Independent
Relapse Adjudication Committee(IRAC)によって行われた。
試験中のどの時点であっても、試験担当医師によって試験薬に関連すると判断される重篤なAEの発生によって評価されるように30mgの化合物1に耐容性を示さなくなった場合、20mgまで用量を減少させ、残りの処置期間はその用量を継続した。中等度のAEに関連する用量調整は、試験担当医師の裁量で行われた。被験体が前の処置期間に用量調整を必要としたか否かを問わず、その後の処置期間は、30mgの用量から開始した。任意の時点において20mgの用量に耐容性を示すことができなかった被験体は、可能な限り早くEOT来院を完了の際に試験を終了し、7日後にET来院を行った。
この試験の主目的は、化合物1によるOL処置に応答した大うつ病性障害(MDD)を有する被験体における再発の予防において、固定された反復処置レジメンを用いて化合物1の有効性を評価することであった。
この試験の副次目的は、最大1年間の化合物1の固定された反復処置レジメンの、長期間の安全性および耐容性を評価することであった。
この試験の他の目的は、MDDを有する被験体における労働損失および活動損失ならびに健康関連の生活の質に対する、固定された反復処置レジメンによる化合物1の有効性をプラセボと比べて評価すること、および集団PKアプローチを用いて化合物1の薬物動態(PK)を評価することであった。
本試験の主要エンドポイントは、DB期中の最初の再発までの時間(日数;DB期における試験薬の最初の用量からDB期中の再発まで[日付])であった。
この試験の副次エンドポイントは、以下であった:DB期中に再発する被験体のパーセンテージ、DB期における14日間の各処置期間の終了時のベースラインからの17項目のHAM-D総スコアの変化、ベースラインからのHAM-Dスコアの≧50%低下として定義される、DB期における14日間の各処置期間の終了時のHAM-D奏効、≦7のHAM-D総スコアとして定義される、DB期における14日間の各処置期間の終了時のHAM-D緩解、「かなり改善された」または「非常にかなり改善された」として定義される、DB期における14日間の各処置期間の終了時のCGI-I奏効、DB期における14日間の各処置期間の終了時のベースラインからの臨床全般印象-重症度(CGI-S)スコアの変化、DB期における14日間の各処置期間の終了時のベースラインからの9項目の患者健康状態質問票(PHQ-9)スコアの変化、OL期にHAM-D緩解を達成した被験体に対する、DB期中の最初の再発までの時間(日数;DB期における試験薬の最初の用量からDB期中の再発まで[日付])、ならびに処置下で発現した有害事象(TEAE)の発生率および重症度であった。
この試験の他のエンドポイントは、以下であった:ベースラインからの臨床検査尺度、バイタルサインおよび心電図(ECG)の変化、ベースラインからの希死念慮および自殺行動の変化(コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)を用いて);医師の離脱チェックリストによって測定した場合の離脱症状の評価。
(PWC-20);ベースラインからの、仕事の生産性および活動障害に関する質問票(WPAI)、特定の健康問題V2.0(欠勤、プレゼンティズム、総労働損失および総活動損失)の変化によって評価される、労働損失および活動損失のPRO尺度;EuroQolグループによって開発された5項目5水準質問票(EQ-5D-5L)の、ベースラインからの変化によって評価される、健康関連の生活の質のPRO尺度;集団PK法によって評価される、PKパラメータ(例えば、クリアランス)および曝露推定値(例えば、投薬間隔にわたる曲線下面積、最高血漿中濃度)。
組み入れ基準
適格被験体は、以下の基準のすべてを満たした:
1.何らかの試験特異的手順が行われる前にICFに署名した被験体。
2.18歳~65歳(両端を含む)の男性または女性である被験体。
3.身体的健康が良好であり、試験担当医師が測定したとき、理学的検査、12誘導ECGまたは臨床検査において、臨床的に有意な所見を有しない被験体。
4.試験の要件に従うことに同意した被験体。
5.MDDの診断を受けた被験体であって、そのMDDが、SCID-5-CTによって診断され、症状が少なくとも4週間にわたって存在している、被験体。
6.スクリーニング前の5年間に、少なくとも1回の事前の大うつ病エピソード(MDE)を有していた被験体(現在のエピソードは含まない)。
7.スクリーニング時およびオープンラベル期の1日目(投薬前)に≧32のMADRS総スコアおよび≧22のHAM-D総スコアを有した被験体。
8.試験完了後まで、任意の抗うつ病薬、抗不安薬、不眠、精神刺激薬または処方オピオイドレジメンの開始を遅らせる意思がある被験体。
9.精神療法を受けた被験体であって、1日目の前の少なくとも60日間、規則的なスケジュールで治療を受けなければならなかった被験体。
10.閉経後(別の医学的原因のない12ヶ月間の無月経と定義され、>40mIU/mLという卵胞刺激ホルモン[FSH]によって確認される)でないか、外科的に不妊に(子宮摘出術または両側卵巣摘出術)されていないか、または妊娠リスクを伴う性的関係に関わる場合、試験参加中および試験薬の最終用量後30日間、以下の非常に有効な避妊方法のうちの1つを用いることに同意した女性被験体:
・排卵の阻害に関連する併用の(エストロゲンおよびプロゲストーゲン含有)経口、膣内または経皮的ホルモン避妊;
・排卵の阻害に関連する、経口、注射剤または植え込み型のプロゲストーゲンのみのホルモン避妊;
・子宮内避妊具;
・子宮内ホルモン放出システム;
・両側性卵管結紮/卵管閉塞術;
・精管切除したパートナー;。
11.妊娠リスクを伴う性的関係に関わった場合、試験期間にわたっておよび試験薬の最終用量を受けた後の5日間、有効かつ受容可能な避妊方法を用いることに同意した男性被験体。女性パートナーが妊娠の可能性がある場合、男性に対する有効かつ受容可能な避妊方法としては、精管切除術、または非常に効果的な女性避妊方法とともに使用される殺精子薬付きコンドームが挙げられる(受容可能な避妊方法については、組み入れ基準#10を参照のこと)。
12.試験期間にわたっておよび試験薬の最後の投与を受けた後の5日間、精子提供を控える意思があった男性被験体。
13.試験期間にわたって薬物乱用およびアルコールを慎むことに同意した被験体。
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす被験体は、この試験への参加資格がなかった:
1.MDDの現在のエピソードに伴って自殺を試みた被験体。
2.代謝障害、肝障害、腎障害、血液疾患、肺障害、心血管障害、胃腸障害、筋骨格障害、皮膚障害、尿生殖器障害、神経障害もしくは眼障害、耳障害、鼻障害および咽喉障害または他の任意の急性もしくは慢性状態(試験担当医師の意見において、被験体がこの臨床試験を完了する能力またはこの臨床試験に参加する能力を制限し得るもの)の最近の履歴または活動性の臨床的に有意な症状発現を有した被験体。
3.スクリーニング時における≦18のボディマス指数(BMI)または≧50kg/m2を除外した;スクリーニング時の40~49kg/m2(両端を含む)のBMIは、医学的併存症(例えば、睡眠時無呼吸症候群、COPD)、併用薬、鎮静剤の以前の耐容性といったより広範な評価に供した。
4.現在の大うつ病エピソード内に十分な用量の2つの異なるクラスの抗うつ病薬(抗精神病薬を除く)による処置を少なくとも4週間の処置にわたって受けたにもかかわらず、持続性のうつ病症状として定義される処置抵抗性うつ病を有した被験体。マサチューセッツ総合病院抗うつ病薬処置応答質問票をこの目的のために用いた。
5.迷走神経刺激、電気ショック治療を受けていたか、または現在の大うつ病性エピソード内にケタミンを摂取した被験体。
6.1日目の前の60日以内に抗うつ病薬を摂取していた被験体。
7.-28日目にベンゾジアゼピン、バルビツレートもしくはGABAA調節因子(例えば、エスゾピクロン、ゾピクロン、ザレプロンおよびゾルピデム)を摂取した被験体、または-28日目に1年超にわたって毎日もしくはほぼ毎日(1週間につき≧4回)これらの薬剤を使用していた被験体。
8.≧48時間の半減期を有する任意のベンゾジアゼピンまたはGABA調節因子(例えば、ジアゼパム)を1日目の60日前から摂取した被験体。
9.非GABA抗不眠薬(例えば、メラトニン、Benadryl[抗ヒスタミン剤]、トラゾドン)または第1もしくは第2世代(定型/非定型)の抗精神病薬を-14日目に摂取した被験体。
10.精神刺激薬(例えば、メチルフェニデート、アンフェタミン)またはオピオイドを定期的にまたは必要に応じて-28日目に摂取した被験体。
11.化合物1、アロプレグナノロンまたは関連化合物に対して既知のアレルギーを有する被験体。
12.投薬前の1日目に、妊娠検査が陽性であった被験体。
13.スクリーニング時または1日目(試験薬の投与前)に授乳していた被験体であって、1日目に試験薬を投与される直前から、各処置期間における試験薬の最終用量の7日後まで、子供に母乳を与えることを一時的に中止することに同意しない被験体。
14.スクリーニング時にB型肝炎表面抗原、抗C型肝炎ウイルス(HCV)および陽性のHCVウイルス量、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体が検出可能であった被験体。
15.スクリーニング時またはベースライン来院時に臨床的に有意な異常な12誘導ECGを有した被験体。注記:男性の>450msecまたは女性の>470msecという、Fridericia法を用いて計算した平均QT間隔(QTcF)を試験からの除外の根拠とした。
16.試験担当医師の評価によると活動性の精神病を有した被験体。
17.発作の病歴を有した被験体。
18.双極性障害、統合失調症および/または統合失調感情障害の病歴を有した被験体。
19.スクリーニング前の12ヶ月の間に、DSM-5基準を用いて診断された軽度、中等度または重度の物質使用障害(ベンゾジアゼピンを含む)の履歴を有した被験体。
20.スクリーニング前の30日以内に別の試験薬または試験デバイスに曝露されていた被験体。
21.以前に化合物1またはブレキサノロン(brexanolone)の臨床試験に参加していた被験体。
22.試験薬の最初の用量前の28日以内もしくは5半減期以内(いずれか長い方)にシトクロムP450(CYP)3A4の任意の公知の強力な阻害剤を使用したか、または任意の処置期間中にこれらを使用することを計画しているか、あるいは任意の処置期間の試験薬の最初の用量前の14日以内におけるグレープフルーツ果汁、グレープフルーツもしくはダイダイまたはこれらを含む製品を消費したか、または任意の処置期間中にこれらの製品を消費することを計画している被験体。
23.任意の化合物1処置期間の試験薬の最初の用量前の28日以内における以下の強力なCYP3A誘導因子の使用:リファンピン、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトインおよびセイヨウオトギリソウ。
24.スクリーニング時またはオープンラベル期の投薬前の1日目に薬物スクリーニングおよび/またはアルコールスクリーニングが陽性であった被験体。
25.スクリーニング時から試験期間を通じて任意の時点において、待機手術または全身麻酔を必要とする手技を受ける計画をした被験体。意識下鎮静を必要とする手技および局所麻酔下で行われる外来手技は、以下のガイドラインの下で計画されてもよい:
・スクリーニング時から試験期間を通じて、各処置期間の最初の用量の開始の7日前より遅くならず、かつ各処置期間の最後の用量の7日後より早くならない、意識下鎮静を必要とする手技(例えば、結腸鏡検査)。
・局所麻酔下で行われる外来待機手技は、試験中のどの時点であっても許可された。
26.スクリーニング前の過去1年以内に任意のタイプの癌(基底細胞癌および表皮内メラノーマを除く)と診断されたおよび/またはそれの処置を受けていた被験体。
27.胃バイパス手術を受けたことがあるか、スリーブ胃もしくはラップバンドを有するか、または消化管通過を妨げる任意の関連手技を受けたことがある被験体。
28.任意の14日間の処置期間中に規則的に夜勤を行っていたかまたは夜勤を行うことが予想された被験体(追跡調査期間中の時々の夜勤は許可される)。
投与量および投与様式
化合物1は、白色からオフホワイトの粉末を含む硬ゼラチンカプセル剤として利用可能であった。化合物1の原薬に加えて、化合物1カプセル剤は、クロスカルメロースナトリウム、マンニトール、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、コロイド状二酸化ケイ素およびステアリルフマル酸ナトリウムを賦形剤として含んだ。コロイド状二酸化ケイ素は、SMCCの構成要素または製剤中の独立型の賦形剤であった。化合物1カプセル剤は、30mgまたは20mg用量として経口的に投与された。
参照の治療、投与量および投与様式:
DB期に、プラセボを、経口投与用の硬ゼラチンカプセル剤として食物とともに夜に提供した。
処置の期間:
すべての被験体に、OL期の1日目から14日目まで、ある1日量の化合物1を投与した。OL期に化合物1に対してHAM-D奏効を示した被験体を、DB期の40週間(52週間の試験中、合計6つの14日間の処置期間)にわたって、6週間の追跡調査期間で隔てられた14日間の処置期間に1日量の化合物1またはプラセボを投与するためにランダム化した。
米国の施設の被験体は、別の臨床試験への参加の除外基準を満たす可能性のある被験体を特定する目的で、自身のユニークな被験体識別子を登録簿に登録されることを認めるよう求められることがある。
可能な場合はICD-10コードを回収する。
外科的不妊ではない女性被験体については、≧12ヶ月の自然無月経を有する女性被験体が、閉経後であることについてプロトコルで定義された基準を満たしているかを確認するために、スクリーニング時に血清FSH検査を行う。
体組織(例えば、頭部、眼、耳、鼻および咽喉;心臓;肺;腹部;ならびに四肢)の評価を含む完全な理学的検査を行う。
臨床検査評価には、血液学、血液生化学、凝固および尿検査が含まれる。
選択された乱用薬物についての尿毒物学(研究室のマニュアルに則って)およびアルコールの呼気検査。
被験体は、施設職員による試験の実施に必要なソフトウェアアプリケーションおよびデバイスの使用について訓練を受ける。
バイタルサインには、口腔温(℃)、呼吸数、心拍数および血圧(仰臥位および起立)が含まれる。心拍数および血圧は、予定されたすべての時点において、被験体を5分間休ませた後、仰臥位で収集し、その後、およそ3分後に立位で収集する。バイタルサインは、臨床的に指示されたとき、試験担当医師の判断で繰り返してもよい。
三連のECGを収集する。
HAM-Dは、来院中の可能な限り早く記入する。HAM-D尺度に対する評価の時間枠は、過去7日間(1週間)のことを指す。
インフォームドコンセントの時点から開始して被験体の試験参加期間全体にわたって、有害事象を収集する。
早期に処置を中止する被験体は、可能な限り早く、好ましくは処置を中止した翌日に、処置終了時(EOT)来院のために施設に戻るべきである。追跡調査来院は、処置の最終日を基準にして予定された通りに行うべきである。EOT来院後のどの時点であっても、被験体が試験を終了すると決断した場合、その被験体は、早期中止(ET)来院のために戻るべきである。被験体が、来診中の同じ日に試験薬を中止し、試験を終了する場合、EOT来院とET来院は、同じ日となり得る;この場合、EOT来院のために予定されたすべての事象を行う。
オープンラベル期の完了は、二重盲検期の初日(試験の56日目、来院7)と一致する。オープンラベル期にSAGE-217に対して応答を示さない被験体(上記の基準を参照のこと)は、この日に試験を終了する。
被験体は、施設職員による試験の実施に必要なソフトウェアアプリケーションおよびデバイスの使用について訓練を受ける。
臨床検査には、血液学、血液生化学、凝固および尿検査が含まれる。
選択された乱用薬物についての尿毒物学(研究室のマニュアルに則って)およびアルコールの呼気検査。
バイタルサインには、口腔温(℃)、呼吸数、心拍数および血圧(仰臥位および起立)が含まれる。心拍数および血圧は、予定されたすべての時点において、被験体を5分間休ませた後、仰臥位で収集し、その後、およそ3分後に立位で収集する。バイタルサインは、臨床的に指示されたとき、試験担当医師の判断で繰り返してもよい。
三連のECGを収集する。ECGおよびPKサンプル収集を同じ日に行うとき、PKサンプル収集の前に12誘導ECGを行う。
「前回の来院以降」のC-SSRSフォームが記入される。
HAM-Dは、来院中の可能な限り早く記入される。HAM-D尺度に対する評価の時間枠は、56日目/二重盲検期の1日目から過去7日間(1週間)、ならびにオープンラベル期の1日目および他のすべての来院に対する「前回の来院以降」のことを指す。
PK解析用の血漿サンプルは、来診中の任意の時点において収集される。サンプル収集の日時および最終用量の投与の日時は、記録されなければならない。ECGおよびPKサンプル収集を同じ日に行うとき、PKサンプル収集の前に12誘導ECGを行う。
すべてのPHQ-9評価を、携帯電話対応ソフトウェアアプリケーションを介して行う。被験体は、7日ごとにPHQ-9に回答する;PHQ-9スコアが≧10である場合、被験体は、臨床医が行うHAM-Dによる評価を受けるために可能な限り早く施設に戻る。この来院時にHAM-Dが≧18である場合、被験体は、HAM-Dによる再評価を受けるために7~14日後に施設に戻る。これらの来院時に行われる評価については、表3を参照のこと。
インフォームドコンセントの時点から開始して被験体の試験参加期間全体にわたって、有害事象を収集する。
臨床検査には、血液学、血液生化学、凝固および尿検査が含まれる。
バイタルサインには、口腔温(℃)、呼吸数、心拍数および血圧(仰臥位および立位)が含まれる。心拍数および血圧は、予定されたすべての時点において、被験体を5分間休ませた後、仰臥位で収集し、その後、およそ3分後に立位で収集する。バイタルサインは、臨床的に指示されたとき、試験担当医師の判断で繰り返してもよい。
「前回の来院以降」のC-SSRSフォームが記入される。
HAM-Dは、来院中の可能な限り早く記入される。HAM-D尺度に対する評価の時間枠は、「前回の来院以降」のことを指す。
インフォームドコンセントの時点から開始して被験体の試験参加期間全体にわたって、有害事象を収集する。
実施例4
失認は、うつ病および不安、例えば、大うつ病性障害(MDD)を有する個体において生じ得る。認知テストバッテリー、または認知の変化があればそれについてのCogstateテストを用いて、化合物1を投与される被験体を評価する。
Cogstateテストは、特定の認知領域を測定するようにデザインされ得、試験デザインおよび集団のユニークな要件に基づいて、カスタマイズされたバッテリーを形成するために、グループ化され得る。Cogstateテストの例は、以下のとおりである:
Behavioral Pattern Separation Objectテストは、物体の写真を用いて認識記憶を測定する。参加者にありふれた物体の一連の写真を提示し、その参加者は、各物体が屋内で使用されるのか屋外で使用されるのかを決定しなければならない。次いでその参加者にある物体の写真を提示し、その参加者は、その物体が、すでに示された写真と同じか、類似であるか、または異なるかを思い出さなければならない。
Continuous Paired Associate Learningテストは、対の連合学習パラダイムを用いて視覚的記憶を測定する。このテストでは、参加者は、スクリーン上の種々の場所の下に隠された絵を学習し、記憶しなければならない。このテストの第1ステージでは、プレテストのスクリーン上の指示が、「これらの写真はどの場所に属しますか」と尋ねる。ある絵が、スクリーンの中央に提示される。参加者は、その絵の周辺の場所をタップし、その場所を記憶しなければならない。このテストの第2ステージでは、同じ絵がスクリーンの中央に提示されるが、しかしながら、各絵の周辺の場所は隠されている。参加者は、その絵が以前に現れた、周辺の場所をタップしなければならない。
Detectionテストは、単純反応時間パラダイムを用いて処理速度を測定する。スクリーン上の指示が、「カードは裏返りましたか?」と尋ねる。あるトランプカードが、スクリーンの中心に裏向きに提示される。そのカードが裏返って、表向きになる。そのカードが裏返るとすぐに、参加者は、「Yes」を押さなければならない。参加者は、できるだけ速く、可能な限り正確に作業するように奨励される。
Face Name Associative Memory Examは、実在する顔の写真を用いて連合記憶を測定する。参加者に、一連の顔写真および名前を、それぞれの顔と名前を対にして提示する。参加者は、顔と名前の対を記憶しなければならない。
Go-No Goテストは、応答阻害の尺度であり、十分に検証された認識反応時間パラダイムをトランプカード刺激とともに用いる。このテストでは、トランプカードはすべて、赤色または黒色のジョーカーである。スクリーンの中心に表示されたカードが黒色であるか被験体に尋ねる。被験体は、ジョーカーカードが黒色であったときはYesキーを押し、赤色のときは応答を保留しなければならない(すなわち、応答してはならない)。
Groton Maze Learningテストは、迷路学習パラダイムを用いて実行機能を測定する。10×10格子のタイルを参加者に対してスクリーン上に提示する。これらのタイルの間には、28ステップの経路が隠されている。青色のタイルは、開始を示し、赤色の円が描かれたタイルは、終了を示す。参加者は、現在地の隣にあるタイルをタッチすることによって、開始から終了に向かって1回に1ステップ移動しなければならない。正しく移動した場合は緑色のチェックマークが現れ、間違って移動した場合は赤色の×印が現れる。完了したら、参加者は、このテストを繰り返すために開始の場所に戻って、完了したばかりの経路を記憶しようとしなければならない。
Identificationテストは、選択反応時間パラダイムを用いて注意を測定する。スクリーン上の指示が、「そのカードは赤色ですか?」と尋ねる。あるトランプカードが、スクリーンの中心に裏向きに提示される。そのカードが裏返って、表向きになる。そのカードが裏返るとすぐに、参加者は、そのカードが赤色か否かを決定しなければならない。そのカードが赤色である場合、参加者は、「Yes」を押さなければならず、赤色でない場合、参加者は、「No」を押さなければならない。参加者は、できるだけ速く、可能な限り正確に作業するように奨励される。
International Shopping Listテストは、単語リスト学習パラダイムを用いて言語学習を測定する。参加者は、購入品リストを読み上げられ、そのリストから可能な限り多くの物品を記憶し、思い出さなければならない。
One Backテストは、n-バックパラダイムを用いて作業記憶を測定する。スクリーン上の指示が、「前のカードは同じものですか?」と尋ねる。あるトランプカードが、スクリーンの中心に表向きに提示される。参加者は、そのカードが前のカードと同じであるかを決定しなければならない。そのカードが同じである場合、参加者は、「Yes」を押さなければならず、同じでない場合、参加者は、「No」を押さなければならない。参加者は、できるだけ速く、可能な限り正確に作業するように奨励される。
One Card Learningテストは、パターン分離パラダイムを用いて視覚的記憶を測定する。スクリーン上の指示が、「このテストで前にこのカードを見ましたか?」と尋ねる。あるトランプカードが、スクリーンの中心に表向きに提示され、参加者は、このテストにおいて前にそのカードを見たかを決定しなければならない。参加者は、できるだけ速く、可能な限り正確に作業するように奨励される。
Set-Shiftingテストは、セットシフティングパラダイム(set shifting paradigm)を用いて、実行機能を測定する。スクリーン上の指示が、「これは、標的のカードですか?」と尋ねる。あるトランプカードが、スクリーンの中心に、その上に「数字」または「色」という単語とともに表向きに提示される。その単語が「色」である場合、参加者は、標的のカードが黒色または赤色であるかを推測しなければならない。その単語が「数字」である場合、参加者は、そのカード上に表示された現在の数字が正しいかを推測しなければならない。このテストの始めに、参加者は、現在のカードが標的のカードであるかを単に推測する必要があるだけである。参加者が、そのカードが標的のカードであると考える場合、その参加者は、「Yes」を押さなければならない。参加者が、そのカードが標的のカードではないと考える場合、その参加者は、「No」を押さなければならない。参加者が推測すると、フィードバックが提供され、正しい応答がなされるまで、次のカードは表示されない。参加者が、1組のカードを経験したら、隠されたルールが変化する(例えば、ある色から他の色へ[次元内シフト]または色から数字へ[次元外シフト])。これらのセットシフトが生じても、参加者には教えられず、このテストを進めていくためには、新しい標的ルールを学習しなければならない。参加者は、できるだけ速く、可能な限り正確に作業するように奨励される。
Social-Emotional Cognitionテストは、仲間外れパラダイムを用いて感情認識を測定する。スクリーン上の指示が、「仲間外れをタップしてください」と要求する。4つの絵が、スクリーン上に提示される。これらの絵のうちの1つが、他と異なり、参加者は、どの絵が異なるかを決定し、その絵をタップしなければならない。参加者は、できるだけ速く、可能な限り正確に作業するように奨励される。
Two Backテストは、n-バックパラダイムを用いて作業記憶を測定する。スクリーン上の指示が、「そのカードは2枚前に示されたものと同じですか?」と尋ねる。あるトランプカードが、スクリーンの中心に表向きに提示される。参加者は、そのカードが2枚前に示されたカードと同じかを決定しなければならない。そのカードが同じである場合、参加者は、「Yes」を押さなければならず、同じでない場合、参加者は、「No」を押さなければならない。参加者は、できるだけ速く、可能な限り正確に作業するように奨励される。
化合物1を投与された被験体の認知低下、失認または認知改善を評価するために、テストバッテリー(例えば、表7に示されるバッテリー)を用いて認知が評価され得る。
被験体は、化合物1の投与前、化合物1の投与中、および化合物1の投与後に、Cogstateテストのバッテリーを用いて評価され得る。
表7において引用された参考文献:
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等価物および範囲
請求項において、冠詞(例えば、「a」、「an」および「the」)は、反対のことが示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、1つまたはそれより多いことを意味し得る。反対のことが示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、ある群の1つ以上のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、1つの、1つより多いまたはすべての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連していることを満たすと考えられる。本発明は、その群の厳密に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連している実施形態を含む。本発明は、1つより多いまたはすべての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連している実施形態を含む。
さらに、本発明は、列挙される請求項の1つ以上からの1つ以上の制限、エレメント、節および記述用語が別の請求項に導入されているすべてのバリエーション、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属している任意の請求項は、同じ基本請求項に従属している他の任意の請求項に見られる1つ以上の制限を含むように改変され得る。エレメントが、例えば、マーカッシュ群の形式でリストとして提示される場合、そのエレメントの各部分群もまた開示され、任意のエレメントが、その群から除去され得る。一般に、本発明または本発明の局面が、特定のエレメントおよび/または特徴を含むと言及される場合、本発明または本発明の局面のある特定の実施形態は、そのようなエレメントおよび/もしくは特徴からなるかまたはそれらから本質的になると理解されるべきである。単純にする目的で、それらの実施形態は、この通りの言葉で本明細書中に明確に示されていない。用語「含む(comprising)」および「含む(containing)」は、オープンであるように意図されており、さらなるエレメントまたは工程を含むことを許容することも注意されたい。範囲が与えられている場合、終点は含まれる。さらに、別段示されないかまたは別段文脈および当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表現された値は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、本発明の種々の実施形態において述べられた範囲内の任意の特定の値または部分範囲をその範囲の下限の単位の10分の1まで想定し得る。
本願は、様々な発行済特許、公開特許出願、学術論文、および他の刊行物(これらのすべてが、参照により本明細書中に援用される)について言及する。援用される任意の参考文献と本明細書との間に矛盾が存在する場合、本明細書が支配するものとする。さらに、従来技術の範囲内に含まれる本発明の任意の特定の実施形態は、請求項の任意の1つ以上から明白に除外され得る。そのような実施形態は、当業者に公知であると見なされるので、それらは、その除外が本明細書中に明示的に示されなかったとしても、除外され得る。本発明の任意の特定の実施形態は、従来技術の存在に関係しているか否かを問わず、任意の請求項から、任意の理由で除外され得る。
当業者は、単なる慣用的な実験法を使用して、本明細書中に記載される特定の実施形態に対する多くの等価物を認識し得るかまたは確かめることができるだろう。本明細書中に記載される本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されると意図されておらず、それは、添付の特許請求の範囲に示されるとおりである。当業者は、以下の特許請求の範囲に定義されるような本発明の精神または範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変更および改変が行われ得ることを認識するだろう。

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載の発明。
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