JP2024024872A - 防水コネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】防水性能を向上させることができる防水コネクタを提供する。【解決手段】防水コネクタ1は、電線Wの端末に接続されたメス端子4、電線Wが挿通されたゴム栓5を備える。ゴム栓5は、ゴム栓本体部10のX1方向側の端部に設けられ、ゴム栓外周面11に周方向の全周にわたって形成され、かつX1方向側に対して径方向内側に向けて傾斜し、端子収容室20を区画している傾斜筒状内周面202に当接して弾性変形しつつ密着することで、ゴム栓5とメスハウジング2との間を防水する先端傾斜部16を有する。また、ゴム栓5は、ゴム栓本体部10のX2方向側の端部に設けられ、ゴム栓外周面11から径方向外側に突出して周方向の全周にわたって形成され、かつハウジング後端面23に当接して弾性変形しつつ密着することで、ゴム栓5とメスハウジング2との間を防水するフランジ部17をさらに有する。【選択図】図2
Description
本発明は、防水コネクタに関する。
従来、防水コネクタでは、電線に装着されたゴム栓を、端子における加締め部にて加締めている。その状態で、端子を、防水コネクタのハウジングに設けられている端子収容室に収容して、ゴム栓に設けられたリップを、端子収容室を区画している内周面に密着させることで、防水コネクタの防水を行っている。
ところで、特許文献1では、防水コネクタにおいて、端子収容室(キャビティ)に挿入されるゴム栓は、複数の栓部が一つの把持部に連設されており、各栓部から把持部にわたって電線挿通孔が形成されている、ことが記載されている。
特許文献2では、防水コネクタにおいて、端子収容室(キャビティ)に挿入されるゴム栓には、鍔部が設けられており、電線挿通孔が形成されている、ことが記載されている。
ところで、従来の防水コネクタでは、ゴム栓とハウジングとの間の防水は、ゴム栓のゴム栓外周面から径方向外側に突出して、周方向の全周わたって形成されたリップや、ゴム栓の後方(電線が引き出されている側)に設けられている把持部や鍔部によって行われている。また、ゴム栓と電線との間の防水は、ゴム栓の内周面から径方向内側に周方向の全周にわたって突出して形成されたリップによって行われている。しかしながら、従来の防水コネクタでは、防水コネクタが車両に搭載され、防水コネクタに高圧の水(例えば、高圧洗浄水)がかかった場合、防水コネクタ内に水が侵入することが懸念され、防水性能を維持できない虞がある。よって、防水コネクタの防水性能に関して、改善の余地がある。
本発明は、防水性能を向上させることができる防水コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る防水コネクタは、電線の端末に接続された端子と、前記端子を収容して保持する端子収容室を有するハウジングと、前記電線が挿通され、前記端子が前記端子収容室に収容された端子収容状態において、前記電線と前記ハウジングとの間を防水するゴム栓と、を備え、前記ゴム栓は、前記端子収容状態において、前記端子収容室を区画している円筒状内周面と前記電線の電線外周面との間に位置するゴム栓本体部と、前記ゴム栓本体部の軸方向の一方側の端部に設けられ、前記ゴム栓本体部の外周面に周方向の全周にわたって設けられ、かつ、前記一方側に対して径方向内側に向けて傾斜しており、前記端子収容状態おいて、前記端子収容室を区画している傾斜筒状内周面に当接して弾性変形しつつ密着することで、前記ゴム栓と前記ハウジングとの間を防水する先端傾斜部と、前記ゴム栓本体部の前記軸方向の他方側の端部に設けられ、前記ゴム栓本体部の外周面から径方向外側に突出して周方向の全周にわたって設けられ、かつ、前記端子収容状態において、前記ハウジングの前記他方側のハウジング後端面に当接して弾性変形しつつ密着することで、前記ゴム栓と前記ハウジングとの間を防水するフランジ部と、を有する、ことを特徴とする。
本発明に係る防水コネクタによれば、防水コネクタの防水性能を向上させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。すなわち、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
[第1実施形態]
図1に示す第1実施形態に係る防水コネクタ1は、メス型の防水のコネクタである。防水コネクタ1は、自動車等の車両に配策されて搭載されるワイヤハーネスWHに適用され、ワイヤハーネスWHの構成部品である。防水コネクタ1は、ワイヤハーネスWHを構成する電線Wに接続されているメス端子4と、相手コネクタ6のオス端子9とを電気的に接続する接続機構である。電線Wは、例えば、複数の導電性の金属素線を撚り合わせた導体部(芯線)と、導体部の外側を覆う絶縁性の被覆部とを含んで構成されている。
図1に示す第1実施形態に係る防水コネクタ1は、メス型の防水のコネクタである。防水コネクタ1は、自動車等の車両に配策されて搭載されるワイヤハーネスWHに適用され、ワイヤハーネスWHの構成部品である。防水コネクタ1は、ワイヤハーネスWHを構成する電線Wに接続されているメス端子4と、相手コネクタ6のオス端子9とを電気的に接続する接続機構である。電線Wは、例えば、複数の導電性の金属素線を撚り合わせた導体部(芯線)と、導体部の外側を覆う絶縁性の被覆部とを含んで構成されている。
ここで、防水コネクタ1が、メス型の防水コネクタであることから、防水コネクタ1をメスコネクタ1という場合がある。
まず、相手コネクタ6について説明する。相手コネクタ6は、オス型のコネクタである。相手コネクタ6は、車両に搭載される機器等に組付けられ、機器等の一部を構成するものである。相手コネクタ6は、図1、図2に示すように、オスハウジング7とオス端子9より構成されている。オスハウジング7は、オス本体部7Aと筐体組付け部7Bが一体で形成されている。オス本体部7Aには、2つのガイドリブ71とロック突起72が設けられており、ロック突起72は、2つのガイドリブ71の間に設けられている。オス本体部7Aには、オス嵌合空間73、及び、保持孔74が設けられている。オス本体部7Aの保持孔74には、オス端子9が圧入されて保持されており、オス端子9の先端は、オス嵌合空間73内に突出している。オスコネクタ6の筐体組付け部7Bが、車両に搭載される機器(不図示)の筐体に組付けられることにより、オスコネクタ6と機器とが一体化される。
ここで、相手コネクタ6が、オス型のコネクタであることから、オスコネクタ6という場合がある。
なお、以下の説明では、互いに交差する第1方向、第2方向、及び第3方向のうち、第1方向を「軸方向X」といい、第2方向を「幅方向Y」といい、第3方向を「高さ方向Z」という。ここでは、軸方向Xと幅方向Yと高さ方向Zとは、相互に直交する。軸方向Xは、防水コネクタ1と相手コネクタ6との嵌合方向に沿った方向である。防水コネクタ1と相手コネクタ6とは、軸方向Xに対して対向して配置され嵌合される。以下の説明で用いる各方向は、特に断りのない限り、各部が相互に組み付けられた状態での方向を表すものとする。また、以下の説明では、軸方向Xの一方をX1方向ともいい、軸方向Xの他方をX2方向という場合がある。また、方向において、径方向という場合がある。径方向は、軸方向Xと直交する方向であり、幅方向Y、高さ方向Zが含まれる。
防水コネクタ1であるメスコネクタ1は、図1、図2に示すように、メスハウジング2と、パッキン3と、電線Wの端末に接続されたメス端子4と、電線Wの電線外周面Waに装着されたゴム栓5より構成されている。なお、パッキン3とゴム栓5は防水部材である。
メスハウジング2は、絶縁性の合成樹脂材等によって形成されている。メスハウジング2は、メス本体部2A、メスフード部2B、メスロック機構2Cが一体で形成されている。メスハウジング2には、電線Wの端末に接続されたメス端子4と電線Wの電線外周面Waに装着されたゴム栓5が収容される。メスハウジング2は、メスハウジング2の端子収容室20にメス端子4とゴム栓5が収容された状態で、オスハウジング7と嵌合される部材である。
メス本体部2Aには、端子収容室20が設けられている。端子収容室20は、軸方向Xおいて、メス本体部2Aを貫通している。端子収容室20は、軸方向Xの一方(X1方向)側より連続している四角筒状内周面201により区画された空間、傾斜筒状内周面(または、円錐状内周面)202により区画された空間、及び、円筒状内周面203により区画された空間、とで形成されている。なお、四角筒状内周面201により区画された空間に対し、円筒状内周面203により区画された空間の方が広い空間として形成されている。端子収容室20には、電線Wの端末に接続されたメス端子4と、電線Wの電線外周面Waに装着されたゴム栓5が収容される。
ここで、端子収容室20にメス端子4とゴム栓5が収容された収容状態を、便宜的に端子収容状態という場合がある。
メス本体部2Aには、弾性変形可能なランス24が設けられている。ランス24は、四角筒状内周面201より端子収容室20内に突出する係止突起241を有している。端子収容状態において、ランス24の係止突起241が、メス端子4の四角筒状の接触部4Aの他方(X2方向)側の端縁と係止して、端子収容室20内に収容されたメス端子4を保持する。
メス本体部2Aには、ハウジング後端面23が設けられている。ハウジング後端面23は、メス本体部2Aの軸方向Xにおける他方(X2方向)側の端面である。ハウジング後端面23は、高さ方向Zに沿った平坦面を形成している。ハウジング後端面23は、軸方向Xの他方(X2方向)側から見た場合、略円環状に形成されている。ハウジング後端面23には、メス端子4とゴム栓5が挿入される円形状の挿入口28が形成されている。端子収容状態において、ハウジング後端面23には、ゴム栓5のフランジ部17が当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着する。
メスフード部2Bは、メス本体部2Aを覆っている。メスフード部2Bとメス本体部2Aとの間の空間は、メス嵌合空間26となっている。メス嵌合空間26は、メスハウジング2の軸方向Xの一方(X1方向)側に形成され、オス本体部7Aと嵌合可能な内形形状として形成されている。メス嵌合空間26内において、メス本体部2Aは、軸方向Xにおける他方(X2方向)側から一方(X1方向)側に向けて突出するように形成されている。メス嵌合空間26に、オスハウジング6Aのオス本体部7Aが挿入されることにより、メスコネクタ1とオスコネクタ6とが嵌合されることになる。
メスロック機構2Cは、オス本体部7Aに対して、高さ方向Zの一方側(図2の上側)に設けられている。メスロック機構2Cは、ロック部25を有している。ロック部25は、メスロック機構2Cの軸方向Xの他方(X2方向)側の端部に設けられている。メスコネクタ1とオスコネクタ66とが嵌合されると、ロック部25は、オスハウジング7のロック突起72と係合(ロック)する。
ここで、メスコネクタ1とオスコネクタ6とが嵌合され、メスロック機構2Cのロック部25とロック突起72とが係合(ロック)した状態を、嵌合状態という場合がある。
パッキン3は、円筒状に形成された防水部材である。例えば、弾性を有する合成ゴム等により構成されている。パッキン3は、メス嵌合空間26内に配置され、メス本体部2Aの外周に装着される。嵌合状態おいて、パッキン3は、メスハウジング2のメス本体部2Aとオスハウジング7のオス本体部7Aとの間に介在して、メスハウジング2とオスハウジング7との間を防水する。つまり、メスコネクタ1とオスコネクタ6との間を防水する。
メス端子4は、導電性を有する金属材料によって構成されている。メス端子4は、四角筒状の接触部4Aと電線接続部4Bが一体で形成されている。なお、電線接続部4Bには、後足加締め片4Bbが設けられている。接触部4A内には、接触バネ4Aaが設けられている。メス端子4は、電線Wの端末に接続されており、電線Wの電線外周面Waに装着されているゴム栓5とともに、メスハウジング2の端子収容室20に収容される。嵌合状態おいて、メス端子4は、オスコネクタ6のオス端子9と電気的に接続される。
ゴム栓5は、円筒状に形成された防水部材である。例えば、弾性を有する合成ゴム等により構成されている。ゴム栓5は、ゴム栓本体部10に、軸方向Xにおいて貫通する挿通孔13を有している。ゴム栓5は、挿通孔13に電線Wが挿通され、電線Wの端末に接続されたメス端子4に対して軸方向Xの他方(X2方向)側に離間した位置に装着される。ゴム栓5は、メス端子4における電線接続部4Bの後足加締め片4Bbにより、加締められていない。つまり、ゴム栓5は、電線Wに対して軸方向Xにおいて移動可能となっている。
ゴム栓5は、ゴム栓本体部10を有しており、ゴム栓本体部10には、複数(2つ)の外周リップ14、複数(2つ)の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、後方内周膨出部15Ab、及び、フランジ部17が設けられている。更に、ゴム栓本体部10には、先端傾斜部16が設けられている。
以下、ゴム栓5について、詳細に説明する。ゴム栓本体部10は、円筒状に形成されており、ゴム栓本体部10には、軸方向Xに沿って挿通孔13が設けられている。ゴム栓本体部10には、軸方向Xに沿って形成されたゴム栓外周面11、及び、ゴム栓内周面12設けられている。ゴム栓本体部10には、軸方向Xの両端に、平坦状のゴム栓前端面18と、平坦状のゴム栓後端面19が設けられている。ゴム栓前端面18は、軸方向Xの一方(X1方向)側から見た場合、挿通孔13を中心として円環状に形成されている。ゴム栓後端面19は、軸方向Xの他方(X2方向)側から見た場合、挿通孔13を中心として円環状に形成される。ゴム栓前端面18は、ゴム栓後端面19に対して、軸方向Xにおいて対向している。
挿通孔13には、電線Wが挿通される。
挿通孔13には、電線Wが挿通される。
ゴム栓本体部10のゴム栓外周面11には、複数の外周リップ14が設けられている。複数の外周リップ14は、ゴム栓本体部10のゴム栓外周面11から径方向外側に突出して、周方向の全周にわたって設けられている。複数の外周リップ14は、ゴム栓本体部10のゴム栓外周面11において、ゴム栓本体部10の軸方向Xにおける中間部分に間隔をあけて設けられている。端子収容状態において、ゴム栓5の複数の外周リップ14は、端子収容室20を区画している円筒状内周面203に当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着する。
ゴム栓本体部10のゴム栓外周面11には、複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abが設けられている。複数の内周リップ15は、ゴム栓本体部10のゴム栓内周面12から径方向内側に突出して、周方向の全周にわたって設けられている。複数の内周リップ15は、ゴム栓本体部10のゴム栓内周面12において、ゴム栓本体部10の軸方向Xにおける中間部分に間隔をあけて設けられている。また、先端内周膨出部15Aaは、ゴム栓本体部10のゴム栓内周面12から径方向内側に突出して、周方向の全周にわたって設けられている。先端内周膨出部15Aaは、ゴム栓本体部10のゴム栓内周面12において、ゴム栓本体部10の一方(X1方向)側の端部に設けられている。また、後方内周膨出部15Abは、ゴム栓本体部10のゴム栓内周面12から径方向内側に突出して、周方向の全周にわたって設けられている。後方内周膨出部15Abは、ゴム栓本体部10のゴム栓内周面12において、ゴム栓本体部10の軸方向Xの他方(X2方向)側の端部に設けられている。端子収容状態において、ゴム栓5の複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abは、電線Wの外周である電線外周面Waに当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着する。
フランジ部17は、ゴム栓本体部10のゴム栓外周面11から径方向外側に突出して、周方向の全周にわたって設けられている。フランジ部17は、ゴム栓本体部10の他方(X2方向)側の端部に設けられている。端子収容状態において、ゴム栓5のフランジ部17は、メスハウジング2の軸方向Xの他方(X2方向)側に設けられているハウジング後端面23に当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着する。
先端傾斜部16は、ゴム栓本体部10のゴム栓外周面11側であり、軸方向Xの一方(X1方向)側の端部において、周方向の全周にわたって設けられている。先端傾斜部16は、軸方向Xの一方(X1方向)側に対して径方向内側に向けて傾斜している。言い換えると、ゴム栓本体部10の軸方向Xの一方(X1方向)側の端部において、ゴム栓本体部10の軸方向Xの一方(X1方向)側に向けて先細りとなるように傾斜している。先端傾斜部16の傾斜する面は、ゴム栓外周面11とゴム栓前端面18と連結している面となっている。端子収容状態において、ゴム栓5の先端傾斜部16は、端子収容室20を区画している傾斜筒状内周面202に当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着する。
ここで、図5に示すように、端子収容状態おいて、ゴム栓5の先端傾斜部16は、傾斜筒状内周面202に当接して弾性変形(圧縮)して密着している。ゴム栓本体部10の弾性変形(圧縮)を伴う先端傾斜部16と傾斜筒状内周面202との当接により、先端傾斜部16部分では、ゴム栓本体部10が復元しようとして、軸方向Xの他方(X2方向)側に向かう分力Faと径方向内側に向かう分力Fbとの合力である反力Fが生じている。この反力Fにより、ゴム栓本体部10には、内部応力が生じている。この内部応力は、ゴム栓本体部10に設けられている複数の外周リップ14、複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abに分散されており、それぞれが更に弾性変形(圧縮)している。それにより、複数の外周リップ14、複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abの密着力がさらに強くなっており、それにより、複数の外周リップ14と円筒状内周面203との間の摺動摩擦力Maが強くなり、また同様に、複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abと電線Wの電線外周面Waとの間の摺動摩擦力Mbが強くなっている。その結果、端子収容室20内に収容されたゴム栓5は、軸方向Xの他方(X2方向)側へズレてしまうことが抑制されている。なお、図5では、摺動摩擦力Maや摺動摩擦力Mbを軸方向Xの一方(X1方向)側を指す矢印で示しているが、ゴム栓5が、軸方向Xの他方(X2方向)側へのズレに対抗するという意味で、軸方向Xの一方(X1方向)側向きの矢印となっている。
上記のメスコネクタ1は、以下のようにして組立てられる。
まず、ゴム栓5の挿通孔13に、電線Wを挿通し、ゴム栓5を電線Wの電線外周面Waに装着する。
次に、電線Wの端末に、メス端子4の電線接続部4Bを、加締め(圧着)により接続する。
次に、メスハウジング2のメス本体部2Aの外周に、パッキン3を装着する。
次に、メスハウジング2の端子収容室20に、電線Wの端末に接続されたメス端子4と、電線Wの電線外周面Waに装着されたゴム栓5を挿入し、メス端子4の接触部4Aの軸方向Xにおける他方(X2方向)側の端縁を、ランス24の係止突起241に係止させる。
以上により、メスコネクタ1は、組立てられる。
まず、ゴム栓5の挿通孔13に、電線Wを挿通し、ゴム栓5を電線Wの電線外周面Waに装着する。
次に、電線Wの端末に、メス端子4の電線接続部4Bを、加締め(圧着)により接続する。
次に、メスハウジング2のメス本体部2Aの外周に、パッキン3を装着する。
次に、メスハウジング2の端子収容室20に、電線Wの端末に接続されたメス端子4と、電線Wの電線外周面Waに装着されたゴム栓5を挿入し、メス端子4の接触部4Aの軸方向Xにおける他方(X2方向)側の端縁を、ランス24の係止突起241に係止させる。
以上により、メスコネクタ1は、組立てられる。
メスコネクタ1が組立てられた状態では、メス端子4は、端子収容室20の四角筒状内周面201により区画された空間に収容されている。また、ゴム栓5は、端子収容室20の傾斜筒状内周面202と円筒状内周面203により区画された空間に収容されている。そして、ゴム栓5の複数の外周リップ14は、円筒状内周面203に当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着している。フランジ部17は、ハウジング後端面23当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着している。先端傾斜部16は、傾斜筒状内周面202に当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着している。また、ゴム栓5の複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abは、電線Wの電線外周面Waに当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着している。
ゴム栓5は、電線Wの電線外周面Waに装着され、端子収容室20に収容された端子状態で、ゴム栓5とメスハウジング2との間、及び、ゴム栓5と電線Wとの間を防水する手段が形成されている。
ワイヤハーネスWHが自動車等の車両に配索されて搭載されると、メスコネクタ1は、車両に搭載されている機器等のオスコネクタ6と嵌合される。メスコネクタ1とオスコネクタ6との嵌合は、オスハウジング7のオス本体部7Aを、メスハウジング2のメス嵌合空間26に挿入し、また、メスハウジング2のメス本体部2Aを、オスハウジング7のオス嵌合空間73に挿入しつつ、オス端子9を、メス端子4の接触部4A内に挿入するようにして行われる。なお、この嵌合の際、オス本体部7Aのガイドリブ71は、メスフード部2Bの内周面と摺動し、オスハウジング6Aを案内(ガイド)する。嵌合が終了した嵌合状態では、オス端子9が、メス端子4の接触部4A内の接触バネ4Aaと弾性接触し、電気的な接続がなされる。また、メスハウジング2のメスロック機構2Cのロック部25が、オスハウジング6Aのロック突起72と係合(ロック)することで、メスコネクタ1とオスコネクタ6との嵌合状態が維持されている。
メスコネクタ1とオスコネクタ6との嵌合状態では、パッキン3は、メスハウジング2のメス本体部2Aとオスハウジング7のオス本体部7Aとの間に介在して、メスハウジング2とオスハウジング7との間を防水している。つまり、メスコネクタ1とオスコネクタ6との間を防水している。また、ゴム栓5は、電線Wの電線外周面Waに装着され、端子収容室20に収容されており、ゴム栓5とメスハウジング2との間、及び、ゴム栓5と電線Wとの間を防水している。
詳細には、ゴム栓5とメスハウジング2との間の防水は、ゴム栓5の複数の外周リップ14が、メスハウジング2における端子収容室20を区画している円筒状内周面203に、また、ゴム栓5のフランジ部17が、メスハウジング2の軸方向Xの他方(X2方向)側に設けられているハウジング後端面23に、更に、ゴム栓5の先端傾斜部16が、メスハウジング2における端子収容室20を区画している傾斜筒状内周面202に、それぞれ当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着していることによりなされている。また、ゴム栓5と電線Wとの間の防水は、ゴム栓5の複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abが、電線Wの電線外周面Waに当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着していることによりなされている。
第1実施形態の防水コネクタ1であるメスコネクタ1では、ゴム栓5とメスハウジング2との間の防水は、ゴム栓5の先端傾斜部16が、メスハウジング2の端子収容室20を区画している傾斜筒状内周面202に当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着している。この先端傾斜部16の密着により、従来の防水コネクタに比べ、防水個所が増えている。したがって、第1実施形態のメスコネクタ1では、メスコネクタ1に高圧の水(例えば、高圧洗浄水)がかかった場合でも、メスコネクタ1内に水が侵入することをより確実に阻止できるようになっている。つまり、メスコネクタ1の防水性能が向上していることになる。
第1実施形態の防水コネクタ1であるメスコネクタ1では、先端傾斜部16の密着により、複数の外周リップ14、複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abの密着力が強められている。したがって、第1実施形態のメスコネクタ1では、端子収容室20内に収容されたゴム栓5が、軸方向Xの他方(X2方向)側へズレしてしまうことが抑制されている。その結果、先端傾斜部16が、傾斜筒状内周面202に当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着している状態を維持できる。
ここで、図4に示す様に、ワイヤハーネスWHが車両に配索されると、メスコネクタ1は、車両に搭載されている機器等のオスコネクタ6と嵌合されている。この際、ワイヤハーネスWHの配策において、車両の電線配策経路によっては、電線Wが、図4中の破線で示すように、湾曲している場合がある。または、車両の走行中の振動により、電線Wが湾曲する場合がある。すると、ゴム栓5と電線Wとの間の防水において、例えば、軸方向Xの後方(X2方向)側では、後方内周膨出部15Abと電線Wの電線外周面Waとの間に隙間が生じ、また、複数の内周リップ15と電線Wの電線外周面Waとの間でも、隙間が生じる可能性がある。
第1実施形態の防水コネクタ1であるメスコネクタ1では、隙間より仮に水が浸入したとしても、先端(X1方向)側において、先端内周膨出部15Aaが電線Wの電線外周面Waに当接して弾性変形(圧縮)しつつ密着している状態が維持されるようになっている。したがって、第1実施形態のメスコネクタ1では、先端内周膨出部15Aaによって、防水コネクタ1であるメスコネクタ1の防水性能が向上している。
[第2実施形態]
図6は、第2実施形態に係る防水コネクタ1Aであるメスコネクタ1Aを示している。第2実施形態に係るメスコネクタ1Aは、カバー部材30を有する点で上記第1実施形態に係るメスコネクタ1とは異なる。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態に係るメスコネクタ1Aは、図6に示すように、メスハウジング2と、パッキン3と、メス端子4と、ゴム栓5に加え、更に、カバー部材30とを含んで構成される。
図6は、第2実施形態に係る防水コネクタ1Aであるメスコネクタ1Aを示している。第2実施形態に係るメスコネクタ1Aは、カバー部材30を有する点で上記第1実施形態に係るメスコネクタ1とは異なる。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。第2実施形態に係るメスコネクタ1Aは、図6に示すように、メスハウジング2と、パッキン3と、メス端子4と、ゴム栓5に加え、更に、カバー部材30とを含んで構成される。
カバー部材30は、図6に示すように、メスハウジング2の軸方向Xの他方(X2方向)側の端部に取付けられ、電線Wを保護する外装材40の軸方向Xの一方(X1方向)側の端部を保持するものである。カバー部材30は、メスハウジング2と同様に、絶縁性の合成樹脂材等によって形成されている。カバー部材30は、筐体状に形成されている。カバー部材30は、本体部31と、蓋部32と、ヒンジ部(不図示)とを含んで構成され、これらが一体で形成されている。カバー部材30は、一方(X1方向)側に押圧部30aを有している。
本体部31は、メスハウジング2の軸方向Xの他方(X2方向)側の端部に取付けられ、外装材40の一方(X1方向)側の端部を収容して保持する。本体部31は、一方(X1方向)側にカバー部材30としての押圧部30aを有している。
蓋部32は、ヒンジ部(不図示)を中心に本体部31に対して回動可能であり、回動により、本体部31と組み合わされる。蓋部32は、本体部31に対して係止機構(不図示)により係止され、組み合わされた状態が維持される。蓋部32は、軸方向Xの一方(X1方向)側にカバー部材30としての押圧部30a(本体部31と同様)を有している。
外装材40は、例えば、コルゲートチューブである。外装材40は、絶縁性の樹脂材料等によって可撓性を有する略円筒状に形成される。外装材40は、軸方向Xに沿って凹凸形状が繰り返して連続して形成された蛇腹形状をなしている。外装材40は、内部に軸方向Xに沿って電線Wが挿通され、電線Wを保護する。
第2実施形態の防水コネクタ1Aであるメスコネクタ1Aでは、図6に示すように、カバー部材30がメスハウジング2に取付けられたカバー取付状態において、カバー部材30の一方(X1方向)側の押圧部30aが、ゴム栓5におけるゴム栓本体部10やフランジ部17の軸方向Xの他方(X2方向)側の端面からなるゴム栓後端面19を、他方(X2方向)側から一方(X1方向)側に向けて押圧する。すると、フランジ部17は、ハウジング後端面23との密着力が増している。図3、図6を参照して、この際、押圧部30aによるゴム栓後端面19の押圧により、ゴム栓本体部10やフランジ部17には内部応力が生じる。この内部応力は、ゴム栓本体部10に設けられている先端傾斜部16、複数の外周リップ14、複数の内周リップ15、先端内周膨出部15Aa、及び、後方内周膨出部15Abに分散さて、更に弾性変形(圧縮)し、密着力が強くなっている。したがって、第2実施形態の防水コネクタ1Aであるメスコネクタ1Aでは、カバー部材30の押圧部30aでのゴム栓5のゴム栓後端面19の押圧によって、メスコネクタ1Aとしての防水性能が向上している。
なお、上述した本発明の実施形態に係る防水コネクタ(メスコネクタ)1,1Aは、上述した実施形態に限定されず、請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、メス端子4は、メスハウジング2に1つだけ収容される形態だが、2つ以上収容される形態であってもよい。
また、上記実施形態では、外周リップ14、及び、内周リップ15は、ゴム栓本体部10に対してそれぞれ2つ設けられているが、2つに限定されるものではない。
1,1A 防水コネクタ
2 メスハウジング
4 メス端子
5 ゴム栓
10 ゴム栓本体部
11 ゴム栓外周面
12 ゴム栓内周面
16 先端傾斜部
17 フランジ部
20 端子収容室
30 カバー部材
40 外装材
201 四角筒状内周面
202 傾斜筒状内周面
203 円筒状内周面
W 電線
Wa 電線外周面
2 メスハウジング
4 メス端子
5 ゴム栓
10 ゴム栓本体部
11 ゴム栓外周面
12 ゴム栓内周面
16 先端傾斜部
17 フランジ部
20 端子収容室
30 カバー部材
40 外装材
201 四角筒状内周面
202 傾斜筒状内周面
203 円筒状内周面
W 電線
Wa 電線外周面
Claims (3)
- 電線の端末に接続された端子と、
前記端子を収容して保持する端子収容室を有するハウジングと、
前記電線が挿通され、前記端子が前記端子収容室に収容された端子収容状態において、前記電線と前記ハウジングとの間を防水するゴム栓と、を備え、
前記ゴム栓は、
前記端子収容状態において、前記端子収容室を区画している円筒状内周面と前記電線の電線外周面との間に位置するゴム栓本体部と、
前記ゴム栓本体部の軸方向の一方側の端部に設けられ、前記ゴム栓本体部の外周面に周方向の全周にわたって設けられ、かつ、前記一方側に対して径方向内側に向けて傾斜しており、前記端子収容状態おいて、前記端子収容室を区画している傾斜筒状内周面に当接して弾性変形しつつ密着することで、前記ゴム栓と前記ハウジングとの間を防水する先端傾斜部と、
前記ゴム栓本体部の前記軸方向の他方側の端部に設けられ、前記ゴム栓本体部の外周面から径方向外側に突出して周方向の全周にわたって設けられ、かつ、前記端子収容状態において、前記ハウジングの前記他方側のハウジング後端面に当接して弾性変形しつつ密着することで、前記ゴム栓と前記ハウジングとの間を防水するフランジ部と、を有する、
ことを特徴とする防水コネクタ。 - 前記ゴム栓は、
前記ゴム栓本体部の内周面から径方向内側に突出して周方向の全周にわたって設けられ、かつ、前記端子収容状態において、前記電線の電線外周面に当接して弾性変形しつつ密着することで、前記電線と前記ゴム栓との間を防水する先端内周膨出部を有する、
請求項1に記載の防水コネクタ。 - 前記ハウジングの前記他方側の端部に取付けられ、前記電線を保護する外装材の前記一方側の端部を保持するカバー部材をさらに備え、
前記カバー部材は、押圧部を有し、
前記ゴム栓は、
前記他方側の端面であるゴム栓後端面を有し、
前記カバー部材は、
当該カバー部材が前記ハウジングに取付けられたカバー取付状態において、前記カバー部材の前記押圧部が、前記ゴム栓のゴム栓後端面を前記他方側から前記一方側に向けて押圧する、
請求項1または2に記載の防水コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022127818A JP2024024872A (ja) | 2022-08-10 | 2022-08-10 | 防水コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022127818A JP2024024872A (ja) | 2022-08-10 | 2022-08-10 | 防水コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024024872A true JP2024024872A (ja) | 2024-02-26 |
Family
ID=90011033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022127818A Pending JP2024024872A (ja) | 2022-08-10 | 2022-08-10 | 防水コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024024872A (ja) |
-
2022
- 2022-08-10 JP JP2022127818A patent/JP2024024872A/ja active Pending
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