JP2023102015A - 防水栓及びコネクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】シール性を保持することができる防水栓及びコネクタを提供する。【解決手段】筒状に形成された本体部3と、本体部3の外面から外方に向けて突出し、周方向に連続して形成されたシール部5とを備えた防水栓1において、シール部5より本体部3の長さ方向の端部13側に、本体部3の内面から突出し、周方向に離間して配置された複数の突部7を設けた。【選択図】図8
Description
本発明は、防水栓及びコネクタに関する。
従来、筒状に形成された本体部と、本体部の外周から外方に向けて突出し、周方向に連続して形成されたシール部としてのリップとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。この防水栓では、リップより本体部の長さ方向の端部に、本体部の長さ方向に突出して絡み規制部が設けられている。このような防水栓は、コネクタに適用される。
コネクタは、開口を有する端子収容室が形成されたハウジングと、端子収容室に収容される端子と、端子に電気的に接続され、端子収容室の開口から外部に引き出される電線と、防水栓とを備えている。このようなコネクタにおいて、防水栓は、本体部の内部に電線が密着して挿通され、リップが端子収容室に密着して収容される。
防水栓の絡み規制部には、テーパ面が形成されている。絡み規制部のテーパ面は、電線が束になった状態で、他の電線が引っ掛かることを回避させ、複数の電線が絡み合うことを防止する。
ところで、上記特許文献1のような防水栓では、シール部より本体部の長さ方向の端部側に位置する部分が、周方向に連続して形成されている。このような防水栓では、例えば、電線が屈曲したときに、本体部の長さ方向の端部側が、電線に追従して屈曲する。このとき、シール部において、電線の屈曲方向側に位置するシール部は、本体部の長さ方向の端部側の屈曲によって、外方に向けて膨出するように変形し、端子収容室の内面との密着性が高くなる。
しかしながら、電線の屈曲方向と反対側に位置するシール部は、本体部の長さ方向の端部側の屈曲によって、伸びるように変形し、端子収容室の内面との密着性が低くなる。このため、シール部と端子収容室の内面との間に、隙間が形成される可能性があり、シール性が低下する可能性があった。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、シール性を保持することができる防水栓及びコネクタを提供することにある。
本実施形態に係る防水栓は、筒状に形成された本体部と、前記本体部の外面から外方に向けて突出し、周方向に連続して形成されたシール部とを備え、前記シール部より前記本体部の長さ方向の端部側には、前記本体部の内面から突出し、周方向に離間して配置された複数の突部が設けられている。
本実施形態に係るコネクタは、開口を有する端子収容室が形成されたハウジングと、前記端子収容室に収容される端子と、前記端子に電気的に接続され、前記端子収容室の開口から外部に引き出される電線と、前記本体部の内部に前記電線が密着して挿通され、前記シール部が前記端子収容室に密着して収容される前記防水栓とを備え、前記防水栓の前記突部は、前記端子収容室の開口側に配置されている。
本発明によれば、シール性を保持することができる防水栓及びコネクタを提供することができる。
以下、図面を用いて本実施形態に係る防水栓及びコネクタについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
図1~図9に示すように、本実施形態に係るコネクタ101は、相手コネクタ(不図示)と嵌合可能となっている。コネクタ101は、相手コネクタと嵌合することにより、ハウジング103に収容された端子105と、相手コネクタに収容された相手端子(不図示)とが電気的に接続される。コネクタ101は、ハウジング103と、端子105と、電線107と、防水栓1とを備えている。
図1~図6に示すように、ハウジング103は、例えば、合成樹脂などの絶縁性材料からなる。ハウジング103は、相手コネクタと嵌合可能な筐体状に形成されている。ハウジング103の外面には、相手コネクタとの嵌合状態を保持するロック部109を有するロックアーム111が弾性変形可能に設けられている。なお、ロックアーム111には、ロックアーム111を弾性変形させ、ロック部109の係合を解除させる操作部113を有する解除アーム115が連結されている。ハウジング103の内部には、端子105を収容可能な端子収容室117が設けられている。なお、端子収容室117の外側には、相手コネクタとの間をシールする環状のパッキン119が装着されている。
端子収容室117は、コネクタ101と相手コネクタとの嵌合方向に沿って延出され、複数(ここでは2つ)設けられている。端子収容室117の長さ方向の一端側には、端子105を端子収容室117内に挿入可能な開口121が形成されている。端子収容室117の内部には、係止ランス123が弾性変形可能に設けられている。係止ランス123は、開口121から端子収容室117内に収容された端子105と係合し、端子105を端子収容室117から抜け止めする。
図1~図4,図9に示すように、端子105は、導電性材料からなる。端子105は、例えば、コネクタ101と相手コネクタとの嵌合方向に沿って延出された箱状の接続部125を有する雌型端子からなる。端子105には、接続部125と反対側に、電線接続部127が設けられている。電線接続部127は、一対の圧着片からなる芯線圧着部129と、一対の加締め片からなる被覆圧着部131とを有する。端子105の電線接続部127は、端子収容室117の開口121からハウジング103の外部に引き出される電線107の端末部に電気的に接続される。
図1~図5,図9に示すように、電線107は、例えば、電源、機器などに電気的に接続されている。電線107は、例えば、複数の芯線の外周を絶縁被覆で覆った被覆電線からなる。電線107の端末部は、絶縁被覆が所定長さ剥がされ、複数の芯線が露出する端末処理を施される。電線107の絶縁被覆から露出する複数の芯線は、電線接続部127の芯線圧着部129に圧着され、電線107と端子105とが電気的に接続される。電線107の絶縁被覆には、電線接続部127の被覆圧着部131が加締められ、端子105が電線107の端末部に固定される。電線107の外周には、防水栓1が密着して配置されている。
図1~図5,図7~図9に示すように、防水栓1は、例えば、ゴムなどの弾性材料からなる。防水栓1は、本体部3と、シール部5と、複数の突部7とを備えている。
本体部3は、円形の筒状に形成されている。本体部3の内径は、電線107の外径と同等、或いは僅かに小さく設定されている。本体部3の長さ方向の中央部分の内部には、本体部3の内面から内方に向けて突出し、周方向に連続して形成された内側リップ9が設けられている。内側リップ9は、本体部3の長さ方向に沿って複数列(ここでは2列)配置されている。内側リップ9の内径は、電線107の外径と同等、或いは僅かに小さく設定されている。
本体部3の長さ方向の一側には、外径が他の部分より小径に形成された装着部11が設けられている。本体部3の内部には、電線107の外周面が密着して挿通され、内側リップ9が電線107の外周面に密着し、防水栓1が電線107に装着される。なお、本体部3の長さ方向の端部13の内面は、本体部3の内部に電線107を挿通し易くするために、テーパ状に形成されている。電線107に装着された防水栓1は、装着部11の外周が、電線接続部127の被覆圧着部131に加締められ、電線107と共に端子105に固定される。本体部3のシール部5より長さ方向の端部13側は、外径が端子収容室117の内径より大きく設定され、端子収容室117の開口121側の内面に密着して配置される。
シール部5は、本体部3の長さ方向の中央部分において、本体部3の外面から外方に向けて突出し、周方向に連続して形成されている。シール部5は、本体部3の長さ方向に沿って複数列(ここでは2列)配置されている。シール部5の外径は、端子収容室117の内径より大きく設定されている。シール部5は、端子105が開口121から端子収容室117内に収容されると、端子収容室117の内面と密着する。シール部5と端子収容室117の内面との密着により、端子収容室117内がシールされる。
ここで、端子収容室117の開口121からハウジング103の外部に引き出された電線107は、例えば、配索経路に対応するなど、屈曲して配置されることがある。防水栓1では、端子収容室117の開口121側に配置される部分が、周方向に連続する一部材で筒状に形成された本体部3となっている。本体部3に何も設けられていない防水栓では、端子収容室117の開口121に位置する部分において、電線107が屈曲されると、電線107の屈曲に追従して本体部3も変形する。本体部3の変形において、電線107の屈曲方向と反対側は、本体部3の長さ方向に伸びるように変形する。このとき、シール部5では、本体部3の伸びるような変形に追従して、電線107の屈曲方向と反対側が、端子収容室117の内面から離間するように、伸びるように変形する。このため、シール部5の電線107の屈曲方向と反対側と端子収容室117の内面との間に隙間が形成され、シール性が低下する可能性があった。そこで、防水栓1では、シール部5より本体部3の長さ方向の端部13側に、複数の突部7が設けられている。
複数の突部7は、本体部3の長さ方向において、本体部3の長さ方向の端部13とシール部5との間に設けられている。複数の突部7は、それぞれ本体部3の内面から内方に向けて突出され、本体部3の長さ方向に沿って延出されている。複数の突部7は、本体部3の周方向に対して、互いに離間して配置されている。複数の突部7の間は、本体部3の周方向に対して、等間隔に設定されている。突部7の突出端は、内側リップ9の突出端と同等の位置に配置されている。
このような複数の突部7は、本体部3の内部に電線107が挿通されると、電線107の外周面に密着して当接され、周方向に拡がるように僅かに弾性変形される。防水栓1が端子収容室117に収容されると、複数の突部7は、端子収容室117の開口121側に配置された状態となる。このとき、複数の突部7が位置する本体部3の外周面は、端子収容室117の内面と密着されるので、本体部3が縮径するように僅かに弾性変形され、複数の突部7も周方向に拡がるように僅かに弾性変形される。
このような複数の突部7は、例えば、図4,図5に示すように、電線107が下方に向けて屈曲されると、電線107の屈曲方向である下方に位置する突部7が、電線107の外面で潰されるように弾性変形される。このとき、電線107の屈曲方向と反対側である上方に位置する突部7は、電線107の外面を付勢した状態から、電線107の屈曲方向である下方に位置する突部7の弾性変形した分だけ復元する。突部7の復元により、電線107の屈曲方向と反対側である上方に位置する本体部3の端部13側は、本体部3の長さ方向に伸びるように変形することがない。このため、電線107の屈曲方向と反対側である上方に位置するシール部5も、本体部3の長さ方向に伸びるように変形することがない。従って、電線107が屈曲しても、シール部5と端子収容室117の内面との間に隙間が形成されることがなく、シール性を保持することができる。
このような複数の突部7は、本体部3の長さ方向に沿って延出されている。このため、突部7が、広い範囲で電線107の屈曲を受けることができ、電線107の屈曲によるシール部5に対する影響を安定して抑制し、シール性を保持することができる。加えて、複数の突部7は、本体部3の周方向に対して、等間隔に配置されている。このため、複数の突部7は、電線107のあらゆる屈曲方向に対して、均等に対応することができ、シール性を保持することができる。
ここで、本体部3の長さ方向の端部13は、ハウジング103の端子収容室117の開口121が形成された端面133の位置を含むハウジング103の外部に位置されている。ここで、ハウジング103の端面133の位置を含むハウジング103の外部とは、ハウジング103の端面133からハウジング103の外部側の領域を示すものである。本実施形態においては、本体部3の端部13が、ハウジング103の端面133と面一となる位置に配置されている。なお、本体部3の端部13を、ハウジング103の端面133よりハウジング103の外部に露出して配置してもよい。
本体部3の端部13をハウジング103の端面133の位置を含むハウジング103の外部に位置させることにより、端子収容室117の開口121に、水などが溜まる空間が形成されることがない。このため、電線107の屈曲による開口121から端子収容室117内への水などの侵入を抑制することができ、シール性を保持することができる。
このような防水栓1では、筒状に形成された本体部3と、本体部3の外面から外方に向けて突出し、周方向に連続して形成されたシール部5とを備えている。そして、シール部5より本体部3の長さ方向の端部13側には、本体部3の内面から突出し、周方向に離間して配置された複数の突部7が設けられている。
複数の突部7は、本体部3の内面から突出しているので、複数の突部7が位置する部分では、本体部3に挿通された部材に対して、本体部3の内面が当接することなく、突部7が当接される。複数の突部7は、周方向に離間して配置されているので、本体部3に挿通された部材が、周方向の一部で、径方向外側に移動したとき、周方向の一部に位置する突部7が、部材に強く当接される。このとき、周方向の一部に位置する突部7は、潰れるように弾性変形し、周方向の他の部分に位置する突部7は、部材に当接された弾性変形状態から復元される。突部7の復元により、周方向の他の部分に位置する本体部3には、長さ方向に伸びるような変形が生じることがない。このため、シール部5には、本体部3の長さ方向に伸びるような変形が生じることがなく、シール部5が当接する部材とシール部5との間に隙間が形成されることがない。
従って、このような防水栓1では、シール部5が当接する部材とシール部5との間に隙間が形成されることがなく、シール性を保持することができる。
また、複数の突部7は、周方向等間隔に配置されている。このため、複数の突部7の周方向のあらゆる位置における変形に対して、均等に対応することができ、シール性を保持することができる。
さらに、突部7は、本体部3の長さ方向に沿って延出されている。このため、突部7が、本体部3の長さ方向に沿った広い範囲で、本体部3にかかる変形力に対して対応することができる。
さらに、コネクタ101では、開口121を有する端子収容室117が形成されたハウジング103と、端子収容室117に収容される端子105とを備えている。また、コネクタ101は、端子105に電気的に接続され、端子収容室117の開口121から外部に引き出される電線107を備えている。さらに、コネクタ101は、本体部3の内部に電線107が密着して挿通され、シール部5が端子収容室117に密着して収容される防水栓1を備えている。そして、防水栓1の突部7は、端子収容室117の開口121側に配置されている。
複数の突部7は、本体部3の内面から突出しているので、複数の突部7が位置する部分では、本体部3に挿通された電線107に対して、本体部3の内面が当接することなく、突部7が当接される。複数の突部7は、周方向に離間して配置されているので、電線107が屈曲したとき、電線107の屈曲方向に位置する突部7が、電線107に強く当接される。このとき、電線107の屈曲方向に位置する突部7は、潰れるように弾性変形し、周方向の他の部分に位置する突部7は、電線107に当接された弾性変形状態から復元される。突部7の復元により、周方向の他の部分に位置する本体部3には、長さ方向に伸びるような変形が生じることがない。このため、シール部5には、本体部3の長さ方向に伸びるような変形が生じることがなく、端子収容室117とシール部5との間に隙間が形成されることがない。
従って、このようなコネクタ101では、端子収容室117とシール部5との間に隙間が形成されることがなく、シール性を保持することができる。
また、防水栓1の長さ方向の端部13は、ハウジング103の端子収容室117の開口121が形成された端面133の位置を含むハウジング103の外部に位置されている。このため、端子収容室117の開口121に、水などが溜まる空間が形成されることがない。従って、電線107の屈曲による開口121から端子収容室117内への水などの侵入を抑制することができ、シール性を保持することができる。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、本実施形態に係る防水栓では、コネクタの端子収容室に挿入されているが、これに限らず、筐体状の部材の壁部に形成された貫通孔に挿入されるなど、防水栓はどのような構造にも適用することができる。
また、複数の突部は、本体部の長さ方向に延出されているが、これに限らず、本体部の外面から突出する突起などであってもよい。また、複数の突部は、突起を、本体部の長さ方向に沿って複数配置してもよい。
さらに、本体部は、円筒状に形成されているが、これに限らず、本体部が、角筒状などに形成されていてもよい。
1 防水栓
3 本体部
5 シール部
7 突部
13 端部
101 コネクタ
103 ハウジング
105 端子
107 電線
117 端子収容室
121 開口
133 端面
3 本体部
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13 端部
101 コネクタ
103 ハウジング
105 端子
107 電線
117 端子収容室
121 開口
133 端面
Claims (5)
- 筒状に形成された本体部と、
前記本体部の外面から外方に向けて突出し、周方向に連続して形成されたシール部と、
を備え、
前記シール部より前記本体部の長さ方向の端部側には、前記本体部の内面から突出し、周方向に離間して配置された複数の突部が設けられている防水栓。 - 前記複数の突部は、周方向等間隔に配置されている請求項1に記載の防水栓。
- 前記突部は、前記本体部の長さ方向に沿って延出されている請求項1又は2に記載の防水栓。
- 開口を有する端子収容室が形成されたハウジングと、
前記端子収容室に収容される端子と、
前記端子に電気的に接続され、前記端子収容室の開口から外部に引き出される電線と、
前記本体部の内部に前記電線が密着して挿通され、前記シール部が前記端子収容室に密着して収容される請求項1から3のいずれか1項に記載の防水栓と、
を備え、
前記防水栓の前記突部は、前記端子収容室の開口側に配置されているコネクタ。 - 前記防水栓の長さ方向の端部は、前記ハウジングの前記端子収容室の開口が形成された端面の位置を含む前記ハウジングの外部に位置されている請求項4に記載のコネクタ。
Priority Applications (1)
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JP2022002312A JP2023102015A (ja) | 2022-01-11 | 2022-01-11 | 防水栓及びコネクタ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2023102015A true JP2023102015A (ja) | 2023-07-24 |
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JP2022002312A Pending JP2023102015A (ja) | 2022-01-11 | 2022-01-11 | 防水栓及びコネクタ |
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2022
- 2022-01-11 JP JP2022002312A patent/JP2023102015A/ja active Pending
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