JP2024024344A - グリースまたは潤滑油組成物に用いられる基油 - Google Patents

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賢二 山本
Kenji Yamamoto
剛志 平松
Tsuyoshi Hiramatsu
瑛自 勝野
Eiji Katsuno
祐輔 菖蒲
Yusuke SHOBU
徹 泉
Toru Izumi
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Abstract

【課題】トリメリット酸エステルを使用したグリースまたは潤滑油組成物に対して、より高い耐摩耗性を付与する。【解決手段】本発明に係る基油は、グリースまたは潤滑油組成物に用いられる基油であって、トリメリット酸エステルを含み、前記トリメリット酸エステルの酸価が、2.0~10mgKOH/gである。【選択図】なし

Description

本発明は、グリースまたは潤滑油組成物に用いられる基油に関する。
摺動部等の機械要素における潤滑性を確保するためにグリースまたは潤滑油が用いられる。そして、これらに潤滑性を付与するための主成分として、基油が用いられる。
グリースまたは潤滑油には、その用途に応じて様々な特性が要求されることがある。例えば、自動車電装補機用転がり軸受は、耐熱性、耐酸化性、耐摩耗性に優れ、流動点が低く、極低温から高温までの使用環境に耐え得ることを要求される。
これらの要求に応えるために、特許文献1に記載のように、基油としてトリメリット酸エステルを使用したグリース組成物も開発されている。
特開2005-298537号公報
しかしながら、トリメリット酸エステルを使用したグリースまたは潤滑油組成物であっても、条件によっては耐摩耗性が十分ではなく、軸受に摩耗が生じてしまう場合があった。したがって、トリメリット酸エステルを使用したグリースまたは潤滑油組成物に対して、より高い耐摩耗性を付与する方法が求められていた。
本発明者らは、トリメリット酸エステルを使用したグリースまたは潤滑油組成物に対して、耐摩耗性を付与する方法について、鋭意検討した。そして、酸価が2.0~10mgKOH/gであるトリメリット酸エステルを基油として用いることで、前記課題を解決できることを見出し、発明を完成するに至った。
本発明は、かかる知見に基づきなされたもので、次の通りである。
<1>グリースまたは潤滑油組成物に用いられる基油であって、
トリメリット酸エステルを含み、前記トリメリット酸エステルの酸価が、2.0~10mgKOH/gである、前記基油。
<2>トリメリット酸エステルが、トリメリット酸と炭素数9~11のアルコールとの部分エステルを含む、<1>に記載の基油。
<3>炭素数9~11のアルコールが、分岐鎖アルコールである、<2>に記載の基油。
本発明によれば、トリメリット酸エステルを基油として用いたグリースまたは潤滑油組成物に対して、耐摩耗性を付与することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断らない限り、数値XおよびYについて「X~Y」という表記は「X以上Y以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Yのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Xにも適用されるものとする。
〔トリメリット酸エステル〕
本発明の基油は、トリメリット酸エステルを含む。トリメリット酸エステルの酸価は、2.0~10mgKOH/gである。本明細書において、トリメリット酸エステルの酸価とは、JIS K2501:2003により測定した酸価を意味する。
本発明において、トリメリット酸エステルの酸価は、好ましくは2.5mgKOH/g以上、より好ましくは3.0mgKOH/g以上であり、好ましくは8.0mgKOH/g以下、より好ましくは7.5mgKOH/g以下、さらに好ましくは6.0mgKOH/g以下、特に好ましくは5.0mgKOH/g以下である。一の実施形態において、トリメリット酸エステルの酸価は、好ましくは2.5~8.0mgKOH/g、より好ましくは3.0~7.5mgKOH/g、さらに好ましくは3.0~6.0mgKOH/g、特に好ましくは3.0~5.0mgKOH/gである。トリメリット酸エステルの酸価を上記範囲内とすることにより、グリースまたは潤滑油組成物において、耐摩耗性を付与することができる。
本明細書において、「トリメリット酸エステルの酸価が、2.0~10mgKOH/gである」とは、トリメリット酸エステル全体として、酸価が、2.0~10mgKOH/gであることを意味する。すなわち、酸価が2.0~10mgKOH/g以外のトリメリット酸エステルが基油に含まれていても、基油に含まれるトリメリット酸エステル全体として、酸価が2.0~10mgKOH/gであれば、「トリメリット酸エステルの酸価が、2.0~10mgKOH/gである」ことを満たす。
例えば、酸価が15mgKOH/gのトリメリット酸エステルが、基油に含まれていても、基油に含まれるトリメリット酸エステル全体として、酸価が5.0mgKOH/gであれば、「トリメリット酸エステルの酸価が、2.0~10mgKOH/gである」ことを満たす。
本発明において、トリメリット酸エステルは、酸価が2.0~10mgKOH/gである限り、フルエステル、部分エステル(モノエステルもしくはジエステル)、またはそれらの混合物のいずれでもよい。また、「トリメリット酸エステルの酸価が、2.0~10mgKOH/gである」とは、フルエステルおよび部分エステルを混合した状態での、トリメリット酸エステル全体としての酸価が2.0~10mgKOH/gであることを意味する。
本発明において、トリメリット酸エステルが、具体的には、トリメリット酸とアルコールとのエステルであり、下記の一般式(I)で表されるトリメリット酸エステルであることが、耐熱性、耐酸化性、耐摩耗性、低温流動性の観点から好ましい。
Figure 2024024344000001
式(I)中R、R、Rは、水素原子または炭素数が5~20の炭化水素基であり、R、R、Rは互いに同一であっても異なるものであっても良い。また、これらの炭化水素基は、飽和または不飽和の直鎖または分岐脂肪族炭化水素基を表す。ただし、R、R、Rが全て水素原子であることはない。
前記R、R、Rが炭化水素基である場合、本発明におけるトリメリット酸エステルとしては、各炭化水素基の炭素数が7~15であるものがより好ましく、炭素数が8~11であるものがさらに好ましい。炭素数を前記範囲内にすることにより、より耐摩耗性を向上させることができる。
また、前記R、R、Rが炭化水素基である場合、本発明におけるトリメリット酸エステルとしては、より耐摩耗性を向上させる観点から、飽和の分岐脂肪族炭化水素基であるものが好ましい。
本発明では、トリメリット酸エステルは、トリメリット酸と炭素数9~11のアルコールとの部分エステルを含むことが好ましく、炭素数9~11のアルコールが、分岐鎖アルコールであることがより好ましい。
また、トリメリット酸エステルのうち、トリメリット酸と炭素数9~11の(分岐鎖)アルコール(好ましくはイソデカノール)との部分エステルの含有量が、1~10質量%であることが好ましい。
トリメリット酸とアルコールとの部分エステルの構造は、有するエステル結合の数ごとにH-NMRにて特定することができる。更に、JIS K2501:2003にて測定する酸価より、トリメリット酸とアルコールとの部分エステルの含有量を、上記で特定した構造ごとに算出することができる。
本発明に用いるトリメリット酸エステルは、例えば、トリメリット酸またはその無水物とアルコールとを、酸価が2.0~10mgKOH/gとなるようエステル化反応させることで製造することができる。
本発明の効果が得られる限り、トリメリット酸エステルを鉱油または合成油と混合して使用してもよいが、トリメリット酸エステル単独で、好ましくは前記の一般式(I)で表されるトリメリット酸エステル単独で、使用することが好ましい。本発明の基油において、トリメリット酸エステル、好ましくは、前記の一般式(I)で表されるトリメリット酸エステルの含有量は、基油基準で、例えば、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、または99質量%以上であることができる。
本発明の基油の40℃における動粘度は、好ましくは30mm/s以上、より好ましくは40mm/s以上、さらに好ましくは45mm/s以上である。また、本発明の基油の40℃における動粘度は、好ましくは150mm/s以下、より好ましくは130mm/s以下、さらに好ましくは100mm/sである。具体的な範囲としては、好ましくは30~150mm/s、より好ましくは40~130mm/s、さらに好ましくは45~100mm/sである。
本発明の基油の40℃における動粘度は、JIS K 2283:2000に準拠して測定することができる。
グリースまたは潤滑油組成物が、本発明の基油を含む場合、その含有量は、グリースまたは潤滑油組成物全量基準で、好ましくは70~99質量%、より好ましくは80~99質量%、さらに好ましくは85~99質量%である。
本発明の基油が、グリースに用いられる場合、グリースは、金属石けん系増ちょう剤およびウレア系増ちょう剤から成る群から選択される少なくとも1つを含むことができる。
増ちょう剤の含有量は、所望のちょう度が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば、グリースの全量基準で、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。また、増ちょう剤の含有量は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、1~40質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましく、10~25質量%がさらに好ましい。増ちょう剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔その他の添加剤〕
本発明の基油を用いてグリースまたは潤滑油組成物を調製する場合、グリースまたは潤滑油組成物には、必要に応じて、一般に潤滑油やグリースに用いられている、清浄剤、分散剤、摩耗防止剤もしくは極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、または腐食防止剤などを適宜添加することができる。
清浄剤としては、カルシウムサリシレート、マグネシウムスルホネートなどの金属系清浄剤が挙げられる。グリースまたは潤滑油組成物が清浄剤を含有する場合、その含有量はグリースまたは潤滑油組成物全量基準で0.1~10質量%であることができる。
分散剤としては、コハク酸イミドまたはコハク酸エステルが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等のフェノール系化合物等が挙げられる。
摩耗防止剤または極圧剤としては、例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、ジハイドロカルビルポリサルファイド、硫化エステル、チアゾール化合物、チアジアゾール化合物等の硫黄含有化合物;リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステル等のリン系極圧剤等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、アミン類、中性または過塩基性の石油系または合成油系金属スルフォネート、カルボン酸金属塩類、エステル類、リン酸、リン酸塩等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、およびイミダゾール系化合物等の公知の腐食防止剤が挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。なお、特に説明のない限り、%は質量%を示す。
表1に示す特徴を有するトリメリット酸エステルを基油に用いて、耐摩耗性を試験した。用いたトリメリット酸エステルは、表1に示す脂肪酸とアルコールとのフルエステルおよび部分エステルの混合物からなり、前記の一般式(I)で表されるトリメリット酸エステルである。実施例1~2及び比較例1~2において用いたトリメリット酸エステルでは、トリメリット酸と炭素数9~11の飽和分岐アルコールとの部分エステルの含有量が、用いたトリメリット酸エステル基準で、表1に記載の通りである。基油の動粘度はJIS K 2283:2000に準拠して測定された値である。酸価はJIS K2501:2003に準拠して測定された値である。
<評価>
(1)高速四球耐摩耗 (ASTM D2266)
高速四球試験機を用いて、下記の条件下で摩耗試験を行い、試験後の摩耗痕径(mm)を測定した。
試験片:転がり軸受用鋼球 SUJ2(1/2インチ) 20等級
試験条件:回転数1200rpm、荷重392N、温度75℃、試験時間15分間
Figure 2024024344000002
酸価が2.0~10mgKOH/gであるトリメリット酸エステルを使用した実施例1および2の基油では、それぞれ、摩耗痕径は0.48mmまたは0.51mmとなり、良好な結果となった。
酸価が2.0mgKOH/g未満のトリメリット酸エステルを使用した比較例1、3~5では、摩耗痕径が、いずれも実施例1および2よりも悪化した。
酸価が10mgKOH/gより大きいトリメリット酸エステルを使用した比較例2では、摩耗痕径が0.56mmとなり、実施例1および2よりも悪化した。
本発明によれば、トリメリット酸エステルを基油として用いたグリースまたは潤滑油組成物に対して、耐摩耗性を付与することができる。

Claims (3)

  1. グリースまたは潤滑油組成物に用いられる基油であって、
    トリメリット酸エステルを含み、前記トリメリット酸エステルの酸価が、2.0~10mgKOH/gである、前記基油。
  2. トリメリット酸エステルが、トリメリット酸と炭素数9~11のアルコールとの部分エステルを含む、請求項1に記載の基油。
  3. 炭素数9~11のアルコールが、分岐鎖アルコールである、請求項2に記載の基油。
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