JP2023032093A - 潤滑油基油 - Google Patents

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浩之 巽
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Abstract

【課題】環境への影響が小さく、各種潤滑特性に優れた潤滑油組成物を調製し得る潤滑油基油が求められている。【解決手段】自然由来指数(ISO 16128)が100%であって、1つ以上の分岐鎖構造を有し、炭素数18以上のモノエステル化合物を含む、潤滑油基油。【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油基油、及び当該潤滑油基油を含む潤滑油組成物に関する。
近年、自動車に用いられる潤滑油組成物には、環境への影響を考慮した開発が行われている。例えば、特許文献1には、二酸化炭素の排出量を低減するために、燃費の低減を目的とし、重合体成分の構造や含有量、NOACK蒸発量や沸点が350~400℃の範囲にある留分の含有量を調整した潤滑油組成物が開示されている。
特開2021-25025号公報
ところで、ライフサイクルアセスメントの観点から、潤滑油組成物には、使用時だけでなく、廃棄の際における環境への影響を考慮することも要求されつつある。そのため、廃棄の際の環境への影響を低減しつつ、各種潤滑特性に優れた潤滑油組成物を調製し得る潤滑油基油が求められている。
本発明は、自然由来指数(ISO 16128)が100%であって、1つ以上の分岐鎖構造を有し、炭素数18以上のモノエステル化合物を含む潤滑油基油、及び、当該潤滑油基油を含む潤滑油組成物を提供する。
具体的には、下記[1]~[8]の態様に係る潤滑油基油、及び潤滑油組成物を提供する。
[1]自然由来指数(ISO 16128)が100%であって、
1つ以上の分岐鎖構造を有し、炭素数18以上のモノエステル化合物を含む、潤滑油基油。
[2]前記モノエステル化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、上記[1]に記載の潤滑油基油。
Figure 2023032093000001
(上記式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基であって、R及びRの少なくとも一方は、分岐鎖炭化水素基である。また、R及びRの合計炭素数は17以上である。)
[3]前記一般式(1)中のRが炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基であり、Rが炭素数5以上のアルキル基又はアルケニル基であって、R及びRの少なくとも一方は分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基である、上記[2]に記載の潤滑油基油。
[4]前記一般式(1)中のR及びRが、それぞれ独立して、分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基である、上記[2]又は[3]に記載の潤滑油基油。
[5]前記潤滑油基油の流動点が、0℃以下である、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の潤滑油基油。
[6]前記潤滑油基油に試験用アクリルゴムを浸漬させ、JIS K6258に準拠して150℃で72時間の条件下で測定した、前記試験用アクリルゴムの体積変化率が20%未満である、上記[1]~[5]のいずれか一項に記載の潤滑油基油。
[7]上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の潤滑油基油を含む、潤滑油組成物。
[8]さらに、流動点降下剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、無灰系分散剤、金属不活性化剤、摩擦調整剤、防錆剤、及び消泡剤から選ばれる1種以上の潤滑油用添加剤を含有する、上記[7]に記載の潤滑油組成物。
本発明の好適な一態様の潤滑油基油は、廃棄の際に環境への影響を低減した潤滑油基油でありつつも、各種潤滑特性に優れた潤滑油組成物を調製し得る。
本明細書に記載された数値範囲については、上限値及び下限値を任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「好ましくは30~100、より好ましくは40~80」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。また、例えば、数値範囲として「好ましくは30以上、より好ましくは40以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下である」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。
加えて、本明細書に記載された数値範囲として、例えば「60~100」との記載は、「60以上、100以下」という範囲であることを意味する。
本明細書において、動粘度及び粘度指数は、JIS K2283:2000に準拠して測定又は算出された値を意味する。
〔潤滑油基油の構成〕
本発明の一態様の潤滑油基油は、自然由来指数(ISO 16128)が100%であって、1つ以上の分岐鎖構造を有し、炭素数18以上のモノエステル化合物を含む。
本明細書において、自然由来指数とは、ISO 16128に準拠して算出される値であり、潤滑油基油の製造に使用される原料における、植物、動物、藻類、細菌や真菌等の微生物、及び鉱物に由来する自然原料が含まれる割合を示す。
つまり、本発明の一態様の潤滑油基油は、ISO 16128に準拠して算出される自然由来指数が100%であることから、すべての原料は自然原料に由来する。
例えば自動車業界において、ライフサイクルアセスメントの観点から、潤滑油組成物に対して、廃棄の際における環境への影響の低減が求められている。
本発明の一態様の潤滑油基油は、廃棄の際における環境への影響の低減のために、自然由来指数(ISO 16128)が100%となるような原料から構成されている。
さらに、本発明の一態様の潤滑油基油が、植物由来の原料から構成されている場合には、廃棄時に燃焼により二酸化炭素が発生しても、原料を構成する植物は成長過程で二酸化炭素を吸収しているため、ライフサイクル全体では大気中の二酸化炭素は増加せずに、二酸化炭素の排出量の収支は実質ゼロである「カーボンニュートラル」扱いとなる。
なお、本発明の一態様の潤滑油基油は、モノエステル化合物から構成されている。
モノエステル化合物は、モノカルボン酸成分とアルコール成分とのエステル反応により生成することができる。
特許文献1等にも記載され、一般的に潤滑油基油として知られているパルミチン酸2-エチルヘキシルは、パルミチン酸と2-エチルヘキサノールとのエステル反応により生成されるが、2-エチルヘキサノールは石油由来の原料であり、ISO 16128で規定の自然原料には該当しない。そのため、パルミチン酸2-エチルヘキシルの自然由来指数は100%とはならない。
一方で、本発明の一態様の潤滑油基油は、自然由来指数(ISO 16128)が100%であることから、モノエステル化合物の原料となるモノカルボン酸成分及びアルコール成分は、共に自然原料由来であることを要する。それにより、本発明の一態様の潤滑油基油は、廃棄の際における環境への影響を低減化した潤滑油基油とすることができる。
また、カーボンニュートラルの扱いとなる潤滑油基油とする観点から、本発明の一態様の潤滑油基油は、植物由来のモノカルボン酸成分とアルコール成分から生成されたモノエステル化合物から構成されていることが好ましい。
また、本発明の一態様の潤滑油基油は、1つ以上の分岐鎖構造を有し、炭素数18以上のモノエステル化合物を含む。このような構造を有するモノエステル化合物を含むことで、潤滑油基油として求められる各種性状(例えば、粘度特性、流動点、引火点、耐ゴム膨潤性等)に優れた潤滑油基油となり得る。そのため、当該潤滑油基油を用いることで、各種潤滑特性に優れた潤滑油組成物とすることができる。
本発明の一態様の潤滑油基油において、前記モノエステル化合物は、1つ以上の分岐鎖構造を有していればよいが、流動点をより低下させた潤滑油基油とする観点から、2つ以上の分岐鎖構造を有するモノエステル化合物であることが好ましく、2~5の分岐鎖構造を有するモノエステル化合物であることがより好ましく、2つの分岐鎖構造を有するモノエステル化合物であることが更に好ましい。
本発明の一態様の潤滑油基油において、前記モノエステル化合物の炭素数は、18以上であればよいが、高粘度化及び高引火点すると共に、耐ゴム膨潤性をより向上させた潤滑油基油とする観点から、好ましくは19以上、より好ましくは20以上、より好ましくは21以上、更に好ましくは22以上、更に好ましくは23以上、より更に好ましくは24以上、特に好ましくは25以上であり、また、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、48以下、46以下、45以下、44以下、42以下、40以下、38以下、37以下、36以下、35以下、34以下、33以下、32以下、31以下、30以下、29以下、又は28以下としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油基油は、自然由来指数を100%とし、且つ、潤滑油基油としての各種性状を阻害しない範囲で、前記モノエステル化合物以外の化合物を含有してもよい。
ただし、各種性状(例えば、粘度特性、流動点、引火点、耐ゴム膨潤性等)に優れた潤滑油基油とする観点から、本発明の一態様の潤滑油基油に含まれる前記モノエステル化合物の含有割合は、当該潤滑油基油の全量(100質量%)基準で、好ましくは50~100質量%、より好ましくは60~100質量%、より好ましくは70~100質量%、更に好ましくは80~100質量%、更に好ましくは85~100質量%、より更に好ましくは90~100質量%、より更に好ましくは95~100質量%、特に好ましくは98~100質量%である。
本発明の一態様の潤滑油基油において、各種性状(例えば、粘度特性、流動点、引火点、耐ゴム膨潤性等)に優れた潤滑油基油とする観点から、前記モノエステル化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2023032093000002
上記一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基であって、R及びRの少なくとも一方は、分岐鎖炭化水素基である。
なお、当該分岐鎖炭化水素基は、1つ以上の分岐点を有する基であればよいが、1又は2の分岐点を有する基であることが好ましく、1つの分岐点を有する基であることがより好ましい。
また、R及びRの合計炭素数は17以上であるが、高粘度化及び高引火点とすると共に、耐ゴム膨潤性をより向上させた潤滑油基油とする観点から、好ましくは18以上、より好ましくは19以上、より好ましくは20以上、更に好ましくは21以上、更に好ましくは22以上、より更に好ましくは23以上、特に好ましくは24以上であり、また、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下、48以下、46以下、45以下、44以下、42以下、40以下、38以下、37以下、36以下、35以下、34以下、33以下、32以下、31以下、30以下、29以下、28以下、又は27以下としてもよい。
上記一般式(1)中のRの炭素数は、高粘度化及び高引火点すると共に、耐ゴム膨潤性をより向上させた潤滑油基油とする観点から、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、より好ましくは10以上、より好ましくは11以上、更に好ましくは12以上、更に好ましくは13以上、より更に好ましくは14以上、より更に好ましくは15以上、特に好ましくは16以上であり、また、40以下、35以下、30以下、28以下、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、又は20以下としてもよい。
上記一般式(1)中のRの炭素数は、高粘度化及び高引火点すると共に、耐ゴム膨潤性をより向上させた潤滑油基油とする観点から、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは7以上、より更に好ましくは8以上であり、また、30以下、25以下、22以下、20以下、18以下、16以下、15以下、14以下、13以下、又は12以下としてもよい。
及びRとして選択し得る、前記炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n-プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基)、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、1-メチルヘプチル基、ノニル基、1-メチルオクチル基、1,1-ジメチルヘプチル基、デシル基、1-メチルヘプチル基、ウンデシル基、1-メチルデシル基、ドデシル基、1-メチルウンデシル基、トリデシル基、1-メチルドデシル基、テトラデシル基、1-メチルトリデシル基、ペンタデシル基、1-メチルテトラデシル基、ヘキサデシル基、1-メチルペンタデシル基、ヘプタデシル基、1-メチルヘキサデシル基、オクタデシル基、1-メチルヘプタデシル基、ノナデシル基、1-メチルオクタデシル基等の直鎖アルキル基又は分岐鎖アルキル基が挙げられる。
前記アルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロぺニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、メチルヘプテニル基、ノニル基、メチルオクテニル基、デセニル基、メチルノニル基、ウンデセニル基、メチルデセニル基、ドデセニル基、メチルウンデセニル基、トリデセニル基、メチルドデセニル基、テトラデセニル基、メチルトリデセニル基、ペンタデセニル基、メチルテトラデセニル基、ヘキサデセニル基、メチルペンタデセニル基、ヘプタデセニル基、メチルヘキサデセニル基、オクタデセニル基、メチルヘプタデセニル基、ノナデセニル基、メチルオクタデセニル基等の直鎖アルケニル基又は分岐鎖アルケニル基が挙げられる。
前記シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、プロピルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、ヘプチルシクロヘキシル基等のアルキル基を有してもよいシクロアルキル基が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられる。
前記アルキルアリール基としては、例えば、トリル基、ジメチルフェニル基、ブチルフェニル基、ノニルフェニル基、メチルベンジル基、ジメチルナフチル基等が挙げられる。
前記アリールアルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、フェニルエチル基、ジフェニルメチル基等が挙げられる。
これらの中でも、各種性状(例えば、粘度特性、流動点、引火点、耐ゴム膨潤性等)により優れた潤滑油基油とする観点から、前記一般式(1)中のR及びRは、それぞれ独立して、アルキル基又はアルケニル基であって、R及びRの少なくとも一方は分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基であることが好ましく、R及びRは、それぞれ独立して、アルキル基であって、R及びRの少なくとも一方は分岐鎖アルキル基であることがより好ましい。
また、本発明の一態様の潤滑油基油において、各種性状(特に、粘度特性、引火点、耐ゴム膨潤性)により優れた潤滑油基油とする観点から、前記一般式(1)中のRが炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基であり、Rが炭素数5以上のアルキル基又はアルケニル基であって、R及びRの少なくとも一方は分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基であることが好ましく、Rが炭素数8以上のアルキル基であり、Rが炭素数5以上のアルキル基であって、R及びRの少なくとも一方は分岐鎖アルキル基であることがより好ましい。
当該態様において、Rの炭素数は、8以上であるが、高引火点とすると共に、耐ゴム膨潤性をより向上させた潤滑油基油とする観点から、好ましくは9以上、より好ましくは10以上、より好ましくは11以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは13以上、更に好ましくは14以上、より更に好ましくは15以上、特に好ましくは16以上であり、また、40以下、35以下、30以下、28以下、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下、21以下、又は20以下としてもよい。
また、当該態様において、Rの炭素数は、5以上であるが、高粘度化及び高引火点すると共に、耐ゴム膨潤性をより向上させた潤滑油基油とする観点から、好ましくは6以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは8以上であり、また、30以下、25以下、22以下、20以下、18以下、16以下、15以下、14以下、13以下、又は12以下としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油基油において、特に、流動点がより低い潤滑油基油とする観点から、前記一般式(1)中のR及びRが、それぞれ独立して、分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基であることが好ましく、分岐鎖アルキル基であることがより好ましい。
〔潤滑油基油の性状〕
本発明の一態様の潤滑油基油の40℃動粘度は、4.0mm/s以上、4.2mm/s以上、4.5mm/s以上、4.7mm/s以上、5.0mm/s以上、5.2mm/s以上、5.5mm/s以上、5.7mm/s以上、6.0mm/s以上、6.2mm/s以上、6.5mm/s以上、6.7mm/s以上、7.0mm/s以上、7.5mm/s以上、8.0mm/s以上、8.5mm/s以上、9.0mm/s以上、又は9.5mm/s以上としてもよく、また、100mm/s以下、90mm/s以下、80mm/s以下、70mm/s以下、60mm/s以下、50mm/s以下、40mm/s以下、35mm/s以下、30mm/s以下、25mm/s以下、又は20mm/s以下としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油基油の100℃動粘度は、1.0mm/s以上、1.2mm/s以上、1.5mm/s以上、1.7mm/s以上、2.0mm/s以上、2.2mm/s以上、2.5mm/s以上、2.7mm/s以上、又は3.0mm/s以上としてもよく、また、10mm/s以下、9.0mm/s以下、8.0mm/s以下、7.0mm/s以下、6.0mm/s以下、5.0mm/s以下、4.5mm/s以下、4.2mm/s以下、4.0mm/s以下、3.8mm/s以下、又は3.5mm/s以下としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油基油の粘度指数は、70以上、80以上、85以上、90以上、95以上、100以上、105以上、110以上、115以上、120以上、125以上、又は130以上としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油基油の流動点は、広い温度範囲で使用可能な潤滑油組成物に調製し易い潤滑油基油とする観点から、好ましくは0℃以下、より好ましくは-5℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下、更に好ましくは-25℃以下、より更に好ましくは-30℃以下、より更に好ましくは-35℃以下、特に好ましくは-40℃以下である。
なお、本明細書において、流動点は、JIS K2269に準拠して測定した値を意味する。
本発明の一態様の潤滑油基油の引火点は、好ましくは170℃以上、より好ましくは174℃以上、より好ましくは180℃以上、より好ましくは184℃以上、更に好ましくは190℃以上、更に好ましくは194℃以上、更に好ましくは200℃以上、より更に好ましくは204℃以上、より更に好ましくは210℃以上、より更に好ましくは214℃以上、特に好ましくは220℃以上、また、400℃以下、380℃以下、350℃以下、330℃以下、320℃以下、310℃以下、又は300℃以下としてもよい。
なお、本明細書において、引火点は、JIS K2265-4(引火点の求め方-第4部:クリーブランド開放法)に準拠して、クリーブランド開放法(COC法)により測定した値を意味する。
本発明の一態様の潤滑油基油に試験用アクリルゴムを浸漬させ、JIS K6258に準拠して150℃で72時間の条件下で測定した、試験用アクリルゴムの体積変化率は、耐ゴム膨潤性が良好な潤滑油基油とする観点から、好ましくは20%未満、より好ましくは18%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは13%以下、更に好ましくは10%以下、より更に好ましくは8%以下、特に好ましくは7%以下である。
なお、本明細書において、試験用アクリルゴムの体積変化率は、実施例に記載の方法により測定及び算出された値を意味する。
〔潤滑油組成物の構成〕
本発明の一態様の潤滑油組成物は、上述の本発明の一態様の潤滑油基油を含有する。
本発明の一態様の潤滑油組成物は、さらに潤滑油用添加剤を含有してもよく、具体的には、さらに、流動点降下剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、無灰系分散剤、金属不活性化剤、摩擦調整剤、防錆剤、及び消泡剤から選ばれる1種以上の潤滑油用添加剤を含有してもよい。
これらの潤滑油用添加剤は、それぞれ、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの潤滑油用添加剤のそれぞれの含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内で、適宜調整することができるが、潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、それぞれの添加剤ごとに独立して、通常0.001~15質量%、好ましくは0.005~10質量%、より好ましくは0.01~5質量%である。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、上述の本発明の一態様の潤滑油基油の含有量は、当該潤滑油組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
[流動点降下剤]
本発明の一態様で用いる流動点降下剤としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩素化パラフィンとナフタレンとの縮合物、塩素化パラフィンとフェノールとの縮合物、ポリメタクリレート、ポリアルキルスチレン等が挙げられる。
これらの流動点降下剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[粘度指数向上剤]
本発明の一態様で用いる粘度指数向上剤としては、例えば、非分散型ポリメタクリレート、分散型ポリメタクリレート、オレフィン系共重合体(例えば、エチレン-プロピレン共重合体等)、分散型オレフィン系共重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチレン-ジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体等)等の重合体が挙げられる。
これらの粘度指数向上剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の一態様で用いる粘度指数向上剤の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上、7,000以上、10,000以上、15,000以上、又は20,000以上としてもよく、また、1,000,000以下、700,000以下、500,000以下、300,000以下、200,000以下、100,000以下、又は50,000以下としてもよい。
[酸化防止剤]
本発明の一態様で用いる酸化防止剤としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アルキル化フェニルナフチルアミン等のアミン系酸化防止剤;2、6-ジ-t-ブチルフェノール、4,4’-メチレンビス(2,6ージーtーブチルフェノール)、イソオクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n-オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止剤;等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、酸化防止剤は、アミン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤とを併用することが好ましい。
[極圧剤(耐摩耗剤)]
本発明の一態様で用いる極圧剤(耐摩耗剤)としては、例えば、ジチオリン酸亜鉛等の硫黄含有化合物;亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、ホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等のリン含有化合物;チオ亜リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、チオホスホン酸エステル類、及びこれらのアミン塩又は金属塩等の硫黄及びリン含有化合物が挙げられる
これらの極圧剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[金属系清浄剤]
本発明の一態様で用いる金属系清浄剤としては、金属スルホネート、金属サリシレート、及び金属フェネート等の金属塩が挙げられる。また、当該金属塩を構成する金属原子としては、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属原子が好ましく、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、又はバリウムがより好ましく、カルシウムが更に好ましい。
これらの金属系清浄剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物において、金属系清浄剤は、カルシウムスルホネート、カルシウムサリシレート、及びカルシウムフェネートから選ばれる1種以上を含むことが好ましく、カルシウムスルホネートを含むことがより好ましい。
カルシウムスルホネートの含有割合としては、潤滑油組成物に含まれる金属系清浄剤の全量(100質量%)基準で、好ましくは50~100質量%、より好ましくは60~100質量%、更に好ましくは70~100質量%、より更に好ましくは80~100質量%である。
金属系清浄剤の塩基価としては、好ましくは0~600mgKOH/gである。
ただし、本発明の一態様の潤滑油組成物において、金属系清浄剤は、塩基価が100mgKOH/g以上の過塩基性金属系清浄剤であることが好ましい。
過塩基性金属系清浄剤の塩基価としては、100mgKOH/g以上であるが、好ましくは150~500mgKOH/g、より好ましくは200~450mgKOH/gである。
なお、本明細書において、「塩基価」とは、JIS K2501:2003「石油製品および潤滑油-中和価試験方法」の7.に準拠して測定される過塩素酸法による塩基価を意味する。
[無灰系分散剤]
本発明の一態様で用いる無灰系分散剤としては、例えば、ホウ素非含有アルケニルコハク酸イミド等のホウ素非含有コハク酸イミド類、ホウ素含有アルケニルコハク酸イミド等のホウ素含有コハク酸イミド類、ベンジルアミン類、ホウ素含有ベンジルアミン類、コハク酸エステル類、脂肪酸あるいはコハク酸で代表される一価又は二価カルボン酸アミド類等が挙げられる。
これらの無灰系分散剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[金属不活性化剤]
本発明の一態様で用いる金属不活性化剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリルトリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピリミジン系化合物等が挙げられる。
これらの金属不活性化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[摩擦調整剤]
本発明の一態様で用いる摩擦調整剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)、ジチオリン酸モリブデン(MoDTP)、モリブテン酸のアミン塩等のモリブデン系摩擦調整剤;炭素数6~30のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、脂肪族アミン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤;油脂類、アミン、アミド、硫化エステル等が挙げられる。
これらの摩擦調整剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[防錆剤]
本発明の一態様で用いる防錆剤としては、例えば、脂肪酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル、脂肪酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、酸化パラフィン、アルキルポリオキシエチレンエーテル等が挙げられる。
これらの防錆剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[消泡剤]
本発明の一態様で用いる消泡剤としては、例えば、シリコーン油、フルオロシリコーン油及びフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。
これらの消泡剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔潤滑油組成物の性状、特性〕
本発明の一態様の潤滑油組成物は、自然由来指数が100%の潤滑油基油を含有するため、廃棄の際における環境への影響を低減化した潤滑油組成物となり得る。
なお、本発明の一態様の潤滑油組成物は、潤滑油用添加剤を含有することで、自然由来指数が100%未満となってよい。
ただし、廃棄の際における環境への影響を低減化した潤滑油組成物とする観点から、本発明の一態様の潤滑油組成物の自然由来指数は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上、より更に好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。
本発明の一態様の潤滑油組成物の40℃動粘度は、用途に応じて適宜調整され、4.0mm/s以上、4.2mm/s以上、4.5mm/s以上、5.0mm/s以上、5.2mm/s以上、5.5mm/s以上、6.0mm/s以上、6.2mm/s以上、6.5mm/s以上、7.0mm/s以上、7.5mm/s以上、8.0mm/s以上、8.5mm/s以上、9.0mm/s以上、9.5mm/s以上、又は10.0mm/s以上としてもよく、また、100mm/s以下、90mm/s以下、80mm/s以下、70mm/s以下、60mm/s以下、50mm/s以下、40mm/s以下、35mm/s以下、30mm/s以下、25mm/s以下、又は20mm/s以下としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物の100℃動粘度は、用途に応じて適宜調整され、1.0mm/s以上、1.5mm/s以上、2.0mm/s以上、2.2mm/s以上、2.5mm/s以上、2.7mm/s以上、又は3.0mm/s以上としてもよく、また、10mm/s以下、9.0mm/s以下、8.0mm/s以下、7.0mm/s以下、6.0mm/s以下、5.0mm/s以下、4.5mm/s以下、4.2mm/s以下、4.0mm/s以下、3.8mm/s以下、又は3.5mm/s以下としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物の粘度指数は、70以上、80以上、85以上、90以上、95以上、100以上、105以上、110以上、115以上、120以上、125以上、又は130以上としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物の流動点は、好ましくは0℃以下、より好ましくは-5℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下、更に好ましくは-25℃以下、より更に好ましくは-30℃以下、より更に好ましくは-35℃以下、特に好ましくは-40℃以下である。
本発明の一態様の潤滑油組成物の引火点は、好ましくは170℃以上、より好ましくは174℃以上、より好ましくは180℃以上、より好ましくは184℃以上、更に好ましくは190℃以上、更に好ましくは194℃以上、更に好ましくは200℃以上、より更に好ましくは204℃以上、より更に好ましくは210℃以上、より更に好ましくは214℃以上、特に好ましくは220℃以上、また、400℃以下、380℃以下、350℃以下、330℃以下、320℃以下、310℃以下、又は300℃以下としてもよい。
本発明の一態様の潤滑油組成物に試験用アクリルゴムを浸漬させ、JIS K6258に準拠して150℃で72時間の条件下で測定した、試験用アクリルゴムの体積変化率は、好ましくは20%未満、より好ましくは18%以下、より好ましくは15%以下、更に好ましくは13%以下、更に好ましくは10%以下、より更に好ましくは8%以下、特に好ましくは7%以下である。
本発明の一態様の潤滑油組成物について、室温(24℃)にて、JIS K2518に規定されているシーケンスI、II、IIIのそれぞれの条件下での泡立ち試験を行った際の直後及び10分後の泡の体積は、それぞれ独立して、好ましくは5mL以下、より好ましくは3mL以下、更に好ましくは1mL以下、より更に好ましくは0mL(泡が確認されない)である。
なお、当該泡の体積の値は、後述の実施例に記載の泡立ち試験を行い測定された値を意味する。
本発明の一態様の潤滑油組成物について、JIS K2513に準拠し、100℃で3時間の銅板腐食試験を行った際の試験後の銅板の変色の程度を示すJIS K2513の「表1 銅板腐食標準による腐食の分類」の記載に基づく変色番号は、好ましくは2c以下、より好ましくは2b以下、更に好ましくは2a以下、より更に好ましくは1b以下である。
なお、当該変色番号は、後述の実施例に記載の銅板腐食試験を行い、JIS K2513の「表1 銅板腐食標準による腐食の分類」に基づき特定された値を意味する。
本発明の一態様の潤滑油組成物について、JIS C2101に準拠して、絶縁破壊電圧試験を行い、絶縁破壊が生じて絶縁性を失った際の電圧は、好ましくは50kV以上、より好ましくは60kV以上、更に好ましくは70kV以上、より更に好ましくは80kV以上、特に好ましくは85kV以上である。
なお、当該電圧の値は、後述の実施例に記載の絶縁破壊電圧試験を行い測定された値を意味する。
本発明の一態様の潤滑油組成物を用いてASTM D4172に準拠して、試験温度80℃、荷重392N、回転数1800rpm、試験時間30分間の試験条件でシェル磨耗試験を行った際の摩耗痕径は、好ましくは1.00mm以下、より好ましくは0.90mm以下、より好ましくは0.80mm以下、更に好ましくは0.70mm以下、より更に好ましくは0.60mm以下、特に好ましくは0.50mm以下である。
なお、当該磨耗痕径の値は、後述の実施例に記載のシェル磨耗試験を行い測定された値を意味する。
〔潤滑油組成物の用途〕
本発明の好適な一態様の潤滑油組成物は、廃棄の際における環境への影響を低減化した潤滑油組成物でありつつも、各種潤滑特性に優れている。
このような特性を考慮し、本発明の一態様の潤滑油組成物は、例えば、電動駆動ユニット、エンジン、変速機、減速機、圧縮機、油圧装置等の各種装置に組み込まれている、トルクコンバータ、湿式クラッチ、歯車軸受機構、オイルポンプ、油圧制御機構等の機構における潤滑に好適に使用することができる。また、冷却特性及び絶縁特性に優れている為、モーター、バッテリーの冷却、絶縁に好適に使用することもできる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、各種性状の測定法又は算出法は、下記のとおりである。
(1)自然由来指数
ISO 16128に準拠して算出した。
(2)動粘度、粘度指数
JIS K2283:2000に準拠して測定及び算出した。
(3)流動点
JIS K2269に準拠して測定した。
(4)引火点
JIS K2265-4(引火点の求め方-第4部:クリーブランド開放法)に準拠して、クリーブランド開放法(COC法)により測定した。
(5)アクリルゴムの体積変化率
JIS K6258に準拠したゴム浸漬試験を行った。具体的には、測定対象となる潤滑油基油に、試験用アクリルゴム(NOK株式会社製、製品名「T303」)を、浸漬温度150℃、浸漬時間72時間の条件下で浸漬して測定した。そして、試験前後での試験片の体積を測定し、下記式から体積変化率を算出した。
・[体積変化率(%)]=([試験後の試験片の体積]-[試験前の試験片の体積])/[試験前の試験片の体積]×100
(潤滑油基油)
実施例1~4、比較例1~3
表1に示すカルボン酸成分及びアルコール成分から合成されたエステル化合物を潤滑油基油(1)~(7)とし、自然由来指数を算出すると共に、潤滑油基油として求められる各種性状を上記方法に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
参考例1~2
参考例1では60N鉱油を潤滑油基油(8)とし、参考例2では100N鉱油を潤滑油基油(9)として、自然由来指数を算出すると共に、各種物性を上記方法に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2023032093000003
表1に示されたとおり、実施例1~4の潤滑油基油(1)~(4)は、自然由来指数が100%であり、廃棄の際における環境への影響の低減された潤滑油基油であるといえる。また、潤滑油基油(1)~(4)は、参考例1~2の潤滑油基油(8)~(9)と同程度の性状を有していることが確認された。
一方で、比較例1~3の潤滑油基油(5)~(7)は、廃棄の際における環境への影響が懸念される潤滑油基油であるといえる。さらに、潤滑油基油(6)~(7)については、アクリルゴムの体積変化率の値が20%以上であり、耐ゴム膨潤性に問題がある。
(潤滑油組成物)
実施例5、参考例3
実施例5では、実施例1の潤滑油基油(1)及び各種添加剤を表2に示す含有量となるように添加して潤滑油組成物を調製した。
また、参考例3では、参考例1の潤滑油基油(8)の60N鉱油、参考例2の潤滑油基油(9)の100N鉱油、流動点降下剤、及び各種添加剤を表2に示す含有量となるように添加して潤滑油組成物を調製した。
これらの潤滑油組成物の調製に際して使用した各成分は以下のとおりである。
・潤滑油基油(1):表1に示された、実施例1の潤滑油基油(1)であるイソステアリン酸メチルヘプチル。
・潤滑油基油(8):表1に示された、参考例1の潤滑油基油(8)である60N鉱油。
・潤滑油基油(9):表1に示された、参考例1の潤滑油基油(8)である100N鉱油。
・流動点降下剤:ポリメタクリレート(PMA)系流動点降下剤。
・各種添加剤:亜リン酸エステル、チアジアゾール、カルシウムスルホネート(塩基価:300mgKOH/g)、ポリブテニルコハク酸イミド、ベンゾトリアゾール、及びシリコーン系消泡剤からなる添加剤混合物。
調製した潤滑油組成物について、各種性状を上述の方法で測定すると共に、以下の(1)~(4)の各種試験を行った。これらの結果を表2に示す。
(1)泡立ち試験
測定対象となる潤滑油組成物について、室温(24℃)にて、JIS K2518に規定されているシーケンスI、II、IIIの条件下での泡立ち試験を行い、試験開始直後及び10分後の泡の体積を測定した。泡の体積が小さいほど、消泡性に優れた潤滑油組成物であるといえる。
(2)銅板腐食試験
JIS K2513に準拠し、100℃で3時間の銅板腐食試験を行い、試験後の銅板の変色の程度を、JIS K2513の「表1 銅板腐食標準による腐食の分類」の記載に基づき、変色番号を特定した。変色番号の値が小さいほど耐腐食性に優れた潤滑油組成物であるといえる。
(3)絶縁破壊電圧試験
JIS C2101に準拠して、絶縁破壊電圧試験を行い、絶縁破壊が生じて絶縁性を失った際の電圧(単位:kV)を測定した。当該電圧の値が大きいほど、絶縁性に優れた潤滑油組成物であるといえる。
(4)シェル摩耗試験
ASTM D4172に準拠して、試験温度80℃、荷重392N、回転数1800rpm、試験時間30分間の試験条件における摩耗痕径(単位:mm)を測定した。当該磨
耗痕径の値が小さいほど、金属間の耐摩耗性に優れた潤滑油組成物であるといえる。
Figure 2023032093000004
表2に示されたとおり、実施例5で調製された潤滑油組成物は、自然由来指数が98%と高く、廃棄の際における環境への影響の低減された潤滑油組成物であるといえる。また、実施例5の潤滑油組成物は、参考例1の潤滑油組成物と同様に、一般的な潤滑油組成物に求められる良好な各種潤滑特性を有していることが確認された。

Claims (8)

  1. 自然由来指数(ISO 16128)が100%であって、
    1つ以上の分岐鎖構造を有し、炭素数18以上のモノエステル化合物を含む、潤滑油基油。
  2. 前記モノエステル化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の潤滑油基油。
    Figure 2023032093000005
    (上記式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭化水素基であって、R及びRの少なくとも一方は、分岐鎖炭化水素基である。また、R及びRの合計炭素数は17以上である。)
  3. 前記一般式(1)中のRが炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基であり、Rが炭素数5以上のアルキル基又はアルケニル基であって、R及びRの少なくとも一方は分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基である、請求項2に記載の潤滑油基油。
  4. 前記一般式(1)中のR及びRが、それぞれ独立して、分岐鎖アルキル基又は分岐鎖アルケニル基である、請求項2又は3に記載の潤滑油基油。
  5. 前記潤滑油基油の流動点が、0℃以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の潤滑油基油。
  6. 前記潤滑油基油に試験用アクリルゴムを浸漬させ、JIS K6258に準拠して150℃で72時間の条件下で測定した、前記試験用アクリルゴムの体積変化率が20%未満である、請求項1~5のいずれか一項に記載の潤滑油基油。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の潤滑油基油を含む、潤滑油組成物。
  8. さらに、流動点降下剤、粘度指数向上剤、酸化防止剤、極圧剤、金属系清浄剤、無灰系分散剤、金属不活性化剤、摩擦調整剤、防錆剤、及び消泡剤から選ばれる1種以上の潤滑油用添加剤を含有する、請求項7に記載の潤滑油組成物。
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