JP2024022867A - シート状化粧料 - Google Patents

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【課題】改善された有用性を有する、クレイをベースとするシート状化粧料を提供すること。【解決手段】本発明は、(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材、並びに(B)水溶性/分散性基材上に配置される、(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む、少なくとも1つのコーティング層を含む、シート状化粧料に関する。化粧料は、使用された後に皮膚から容易に除去される、改善された有用性を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状化粧料、好ましくはクレイを含むシート状化粧料に関する。
肌の油気は、皮脂腺からの油状物/ワックス状物質の過剰な分泌によって引き起こされる。皮脂腺は掌及び足の裏を除く全ての皮膚部位の至るところに分布しているが、それらは顔及び頭皮に最も豊富に存在する。皮脂は、トリグリセリド、ワックス、スクアレン、及び脂肪生成細胞の代謝物を含有する。皮脂は毛髪及び肌の柔軟性を保持するが、過剰な皮脂は肌の表面上の脂腺性毛嚢の開口部における角質細胞の集中に寄与する場合があり、これが毛包口における収縮を引き起こし、角栓又は面皰につながる。これは、黒色面皰、稗粒腫、著しい刺激感、発赤、組織損傷、及びニキビを結果としてもたらす場合がある。
薬用及び美容ツールとしての鉱物クレイの使用は、長い間、人気があった。クレイは、皮膚からの過剰な油分、垢及び毒素を吸収しながら、同時に角質を取り、皮膚の循環を改善させるために使用されている。例えば、米国特許出願公開第2006/0292108号は、10%のカオリンで構成されるスキンケア組成物を記載している。
また、粉末状又は既製ペースト状のクレイが、クレイマスク又はフェイスパックとして販売されている。用語「フェイスパック」は、本明細書においては、特定の期間、又は製品が乾燥するまで肌の上に製品の薄層を作ることでマスクとして施用され、その後こすって除去されるか、水を使用して洗い流される、クリーム状又はペースト状の製品を指す。しかしながら、そのような製品の施用は汚れやすい工程であり、消費者はそのような製品を除去するために肌をこする必要がある。そのようなクレイ製品の乾燥に際して、消費者が自分の顔の筋肉を動かすと、乾燥した泥が顔から落ちやすく、浴室、衣服等を汚し、使用者は掃除又は洗浄しなければならない。加えて、一般に、そのようなクレイマスクの塗布後に、消費者はまた、顔を洗うためにクレンジング製品を使用する必要もある。
また、WO2015/075143は、フェイスマスクの形態で提供されうる、少なくとも1種のクレイ及び少なくとも1種の水溶性ポリマーを含むアプリケータボディ組成物を報告している。この刊行物の製品は、皮膚に適用された後、皮膚から剥離されることが意図されている。
しかしながら、改善された有用性を有する、特に使用された後に皮膚から容易に除去できる、クレイをベースとするシート製品の開発が依然として必要とされている。
米国特許出願公開第2006/0292108号 WO2015/075143
Kirk-Othmer、Encyclopaedia of Chemical Technology、第5巻、544頁、第2版、John Wiley and Sons, Inc.、New York、N. Y. 1964年 Clay mineralogy、S. Caillere、S. Henin、M. Rautureau、第2版 1982年、Masson
本発明の目的は、改善された有用性を有する、特に使用された後に皮膚から容易に除去できる、クレイをベースとするシート製品を提供することである。
上記の本発明の目的は、
(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材、並びに
(B)水溶性/分散性基材上に配置される、(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む、少なくとも1つのコーティング層
を含む、シート状化粧料によって達成することができる。
製品は、ケラチン物質、例えば、皮膚のケア及び/又はコンディショニング用であってもよい。
製品は、スキンマスク、好ましくはフェイシャルマスクであってもよい。
(A)水溶性/分散性基材は、水溶性/分散性ポリマーを含んでもよい。
水溶性/分散性ポリマーは、セルロース及びその誘導体、ポリビニルアルコール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される水溶性ポリマーであってもよい。
コーティング層の含有量は、製品の1g/m2~200g/m2、好ましくは5g/m2~100g/m2、より好ましくは10g/m2~70g/m2、更により好ましくは15g/m2~50g/m2の範囲であってもよい。
コーティング層は、コーティング層の総質量に対して、50質量%~99.5質量%、好ましくは65質量%~99質量%、より好ましくは80質量%~98質量%、更により好ましくは90質量%~97質量%の範囲の量の(b1)クレイを含んでもよい。
(b2)水溶性結合剤は、デンプン、プルラン、セルロース、これらの誘導体、及びこれらのブレンド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、並びにこれらの混合物からなる群から選択されうる。
(b2)水溶性結合剤は、(A)水溶性/分散性基材中に含まれる水溶性/分散性ポリマーとは異なりうる。
コーティング層は、コーティング層の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.5質量%~10質量%、より好ましくは1質量%~7質量%、更により好ましくは2質量%~5質量%の範囲の量の(b2)水溶性結合剤を含んでもよい。
コーティング層は、少なくとも1種のポリオールを含んでもよい。
コーティング層中のポリオールの含有量は、コーティング層の総質量に対して、0.001から20質量%、好ましくは0.01から15質量%、より好ましくは0.1から10質量%、更により好ましくは1から5質量%の範囲であってもよい。
本発明はまた、本発明によるシート状化粧料の製造方法であって、
(i)(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材を調製する工程と、
(ii)少なくとも1種の溶媒中で(b1)少なくとも1種のクレイと(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤とを混合してコーティング溶液を調製する工程と、
(iii)(A)水溶性/分散性基材上にコーティング溶液を適用する工程と、
(iv)適用したコーティング溶液を乾燥させて(B)コーティング層を形成し、シート状化粧料を得る工程と
を含む、方法にも関する。
工程(ii)中の溶媒は、直鎖状又は分枝状低級一価アルコール、好ましくは1~8個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状低級一価アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、及びイソブタノール、並びにこれらの組合せから選択することができる。
本発明はまた、ケラチン物質、例えば、皮膚、特に顔の皮膚をケア及び/又はコンディショニングするための非治療的美容方法であって、
(1)ケラチン物質を濡らす工程と、
(2)本発明によるシート状化粧料を、濡れたケラチン物質へ適用する工程と、
(3)ケラチン物質上の適用された化粧料を特定の時間の間、放置する工程と、
(4)化粧料をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程、又は
(4')化粧料をケラチン物質から剥離する工程と、
(5)化粧料の残留物をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程と
を含む、方法にも関する。
フェイシャルマスクの本発明の一実施形態を示す。
鋭意検討の結果、本発明者らは、驚くべきことに、(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材、並びに(B)水溶性/分散性基材上に配置される、(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む、少なくとも1つのコーティング層から形成されるシート状製品が、改善された有用性を有し、適用後に皮膚から容易に除去され、したがって本発明を完成させることを発見した。
そのため、本発明による製品は、
(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材、並びに
(B)水溶性/分散性基材上に配置される、(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む、少なくとも1つのコーティング層
を含む、シート状化粧料である。
以下、本発明による製品、方法、プロセス、及び使用をより詳細に説明する。
[製品]
本発明による製品は、化粧料、好ましくはケラチン物質のための化粧料、より好ましくはケラチン物質をケア及び/又はコンディショニングするための化粧料である。ケラチン物質は、本明細書では、ケラチンを主要構成要素として含有する材料を意味し、その例には、皮膚、顔の皮膚、頭皮、唇等が挙げられる。好ましくは、ケラチン物質は、本明細書では、皮膚、特に顔の皮膚である。
本発明の一実施形態において、本発明による製品は、スキンケア製品、特に顔のスキンケア製品である。
本発明による製品は、(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材、及び(B)水溶性/分散性基材上の少なくとも1つのコーティング層を含む。(B)コーティング層は、(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む。言い換えると、本発明による製品は、(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材と、(B)(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む、水溶性/分散性基材上のコーティング層と、から形成される。製品中の成分は、以下で詳細に記載していく。
(A)水溶性/分散性基材
本発明による製品は、基材又は担体として、(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材を含む。単一のタイプの水溶性/分散性基材を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの水溶性/分散性基材を組み合わせて使用してもよい。
用語「水溶性/分散性基材」は、本明細書では、水溶性/分散性であるシート、紙、又は皮膜の形状の基材を意味する。用語「水溶性/分散性」は、本明細書では、例えば、攪拌せずに数秒間又は数分間から数日間までの時間にわたって、25℃の水に含浸された際に分解及び/又は溶解する物質を示す。一実施形態において、本発明の「水溶性/分散性」は、1分未満、25℃の水中に含浸させると分解及び/又は溶解する。
水溶性/分散性基材は、繊維、例えば織り繊維、編み繊維、不織繊維及び/又は高分子メッシュの形態であってもよい。用語「不織性」は、本明細書では、個々の繊維又はフィラメントが、シート状構造で無秩序に配置されて織られても編まれてもいない繊維を含む基材を意味する。
水溶性/分散性基材は、少なくとも1種の水溶性/分散性ポリマーから作られている。水溶性/分散性ポリマーは、水溶性ポリマーの中から選択することができる。
好ましくは、水溶性ポリマーは、水溶性成膜ポリマーであってもよい。合成及び/又は天然の水溶性成膜ポリマーを使用してもよい。
本発明において使用される水溶性成膜ポリマーとしては、以下を挙げることができる:
- デンプン、プルラン、セルロース、これらの誘導体、及びこれらの組合せを含む多糖、
- タンパク質、例えばコムギタンパク質又はダイズタンパク質等の植物起源のタンパク質;ケラチン、例えばケラチン加水分解物及びスルホン性ケラチン等の動物起源のタンパク質、
- アクリルポリマー又はコポリマー、例えばポリアクリレート又はポリメタクリレート、
- ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルとリンゴ酸無水物とのコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー、又はポリビニルアルコール、
- アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性のキチン又はキトサンポリマー、
- アラビアゴム、グアーガム、キサンタン化合物又はカラヤゴム、
- アルギネート及びカラゲナン、
- グリコアミノグリカン、ヒアルロン酸及びその化合物、
- シェラック樹脂、サンダラック樹脂、ダンマル脂、エレミス又はコーパル、
- デオキシリボ核酸、
- 硫酸コンドロイチン等のムコ多糖類、
並びにこれらの混合物。
有利には、本発明において使用される水溶性ポリマーは、セルロース及びその誘導体、及びポリビニルアルコール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。セルロース誘導体の好ましい例としては、セルロースエーテル、特にメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及び四級化セルロース化合物が挙げられる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)ポリマーの市販製品としては、Dow Chemical Co.社から商品名METHOCEL K35、METHOCEL A15LV、METHOCEL Premium E5 LV及びK35 LVで入手可能なものを挙げることができる。
水溶性/分散性基材は、少なくとも1種の水不溶性ポリマーを追加で含んでもよい。
用語「水不溶性」は、物質が、水に含浸されても溶解しない又は直ちに崩壊しないことを示す。
水不溶性ポリマーは、繊維、例えば織り繊維、編み繊維、不織繊維及び/又は高分子メッシュの形態であってもよい。好ましくは、水不溶性ポリマーは、不織繊維の形態である。
水不溶性ポリマーは、天然繊維、合成繊維、又はこれらの混合物であってもよい。合成繊維の非限定的な例は、ポリエステル、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)、ビスコース、アクリル繊維、モダクリル繊維、ポリ塩化ビニリデン及びスパンデックスである。天然繊維の例としては、セルロース繊維(例えば木材パルプ繊維、綿繊維、麻繊維、ジュート繊維及び亜麻繊維)、絹、及びケラチン(例えば羊毛繊維、及びラクダの毛の繊維)が挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態において、水不溶性ポリマーは、天然繊維、特に木材パルプ繊維等のセルロース繊維を含む。
市販の水溶性/分散性基材の非限定的な例としては、日本製紙パピリア株式会社から入手可能な水溶性の紙、smartSolve、及びAquashol cooperation社、並びにKuraray社製のPVA繊維から作られる不織/織物材料等の繊維性材料等を挙げることができる。市販の水溶性/分散性基材の一例は、日本製紙パピリア株式会社から入手可能な名称30MDPで販売されている水溶性の紙である。
水溶性/分散性基材の厚さは特に限定されないが、一般に、水溶性/分散性基材は、0.01mm~0.7mm、より好ましくは0.02mm~0.5mm、更により好ましくは0.03mm~0.2mmの範囲の厚さを有する。
水溶性/分散性基材は、従来の製紙プロセス又は任意の種類のフィルムキャスティング技術によって作製できる。
(B)コーティング層
本発明による製品は、(A)水溶性/分散性基材上に配置される(B)少なくとも1つのコーティング層を含む。1つのコーティング層が(A)水溶性/分散性基材の片面上に配置されてもよい、又は2つのコーティング層が(A)水溶性/分散性基材の両面に配置されてもよい。
好ましくは、コーティング層は、(A)水溶性/分散性基材の片面に配置される。この実施形態において、本発明の製品は、1つのコーティング層を含む。
コーティング層の含有量は、シート状化粧料の1g/m2以上、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは10g/m2以上、更により好ましくは15g/m2以上であってもよく、且つ/又は200g/m2以下、好ましくは100g/m2以下、より好ましくは70g/m2以下、更により好ましくは50g/m2以下であってもよい。
コーティング層の含有量は、シート状化粧料の1g/m2~200g/m2、好ましくは5g/m2~100g/m2、より好ましくは10g/m2~70g/m2、更により好ましくは15g/m2~50g/m2の範囲であってもよい。
コーティング層は、(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む。言い換えると、(b1)クレイ及び(b2)水溶性結合剤が適用され、(a)水溶性/分散性基材上に付着又は被覆される。コーティング層中の成分は、以下で詳細に記載していく。
(b1)クレイ
本発明のコーティング層は、(b1)少なくとも1種のクレイを含む。単一のタイプのクレイを使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのクレイを組み合わせて使用してもよい。
用語「クレイ」は、本明細書では、微粒鉱物で主に構成され、適切な水分量で一般に可塑性であり、乾燥又は焼成すると硬化する、天然物質を指す。クレイは、通常フィロケイ酸塩を含有するが、クレイは、乾燥又は焼成されたときに可塑性を付与して硬化する他の物質を含有してもよい。クレイ中の関連付けられる相は、可塑性を付与しない物質及び有機物を含んでもよい。一般的な定義は、Penguin Dictionary of Scienceにあるもの、すなわち「成分である鉱物が主にマグネシウム又はアルミニウを起源とする様々なケイ酸塩である、微細に分割された岩石材料」である。クレイは、カオリナイト(典型的には、[Si4]Al4O10(OH)8.nH2O(n=0又は4)と定義される)、イライト(典型的にはMx[Si6.8Al1.2]Al3Fe0.025Mg0.75O20(OH)4と定義される)、バーミキュライト(典型的には、Mx[Si7Al]AlFe0.05Mg0.5O2(OH)4と定義される)、スメクタイト(典型的には、Mx[Si8]Al3.2Fe0.2Mg0.6O2(OH)4と定義される)、及びクロライト(典型的には、(Al(OH)2.55)4[Si6.8AlO1.2}Al3.4Mg0.6)20(OH)4と定義される)を含んでもよい。
化学者によって頻繁に使用される別の定義は、「1つ又は複数の鉱物及び副化合物から構成される、天然の堆積物又は堆積岩であって、その全体は通常、水和ケイ酸アルミニウム、鉄若しくはマグネシウム、水和アルミナ、又は酸化鉄が豊富であり、コロイドのサイズ又はコロイドに近いサイズの粒子が主であり、十分に粉砕し濡らすと、通常、可塑性を発現するもの」である(Kirk-Othmer、Encyclopaedia of Chemical Technology、第5巻、544頁、第2版、John Wiley and Sons, Inc.、New York、N. Y. 1964年を参照)。クレイの例は、書籍「Clay mineralogy、S. Caillere、S. Henin、M. Rautureau、第2版 1982年、Masson」中に記載されている。クレイは、天然起源であっても合成起源であってもよい。
親水性クレイには、スメクタイト、例えばサポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライトが挙げられる。親水性のクレイとしては、Laporte Laponite XLG、Laponite RD、Laponite RDSの名称でBYK-Chemie社により販売される製品(これらの製品は、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸マグネシウムであり、特にナトリウム、リチウム、及びマグネシウムである)のような合成ヘクトライト(ラポナイトとも呼ばれる)、Bentone(登録商標)HC Rheoxの名称で販売される製品のようなベントナイト、ultra Veegum(登録商標)、Veegum(登録商標)HS、Veegum(登録商標)DGTとしてVanderbilt Company社により販売される、ケイ酸マグネシウム及び水和物等のアルミニウム生成物、又はMicro-cel(登録商標)Cの名称でImerys社により販売されるケイ酸カルシウム及び特に合成形態が挙げられる。
フーラー土は、マグネシウム、ナトリウム及びカルシウム等の金属イオンをそれらの構造内に含有する、水和ケイ酸アルミニウムから主になる。モンモリロナイトがフーラー土の主要なクレイ鉱物であるが、他の成分には、カオリナイト、アタパルジャイト、及びパリゴルスカイト等の他の鉱物も含まれうる。
親油性クレイは、親油性媒体中で膨潤するクレイを意味し、このクレイは膨潤してコロイド状分散体を形成する。親油性クレイとしては、Rheox社から「Bentone 38 CE」の名称で、或いはELEMENTIS社からBentone(登録商標)38Vの名称で販売される、アンモニウム塩化ジステアリルジメチルアンモニウムで変性されたヘクトライト(CTFA名:ジステアルジモニウムヘクトライト)のような、塩化アンモニウム脂肪酸C10~C22で変性された、変性ケイ酸マグネシウム(Rheox社のBentone gel VS38)ヘクトライト等の変性クレイが挙げられる。
このようなクレイの起源は、ヘクトライト、ベントナイト、及びそれらの四級化誘導体等の天然又は合成鉱物クレイであることができ、例えばこれらは、鉱物を、ステアラルコニウムベントナイト等の四級アンモニウム化合物、ヘクトライト、クオタニウム-18ヘクトライト等の四級化ヘクトライト、炭酸プロピレン等の炭酸塩、ベントン等と反応させることによって得られる。
本発明において使用することができるクレイの非限定的な例は、フーラー土、フィリピンのピナツボ火山灰泥、シリアのアレッポクレイ、マレーシアのティガ島火山泥、ベトナムのニャチャン泥、韓国のホワイトカオリナイト、韓国の黄土、韓国のチェジュ火山クレイ、台湾のクワンツーリン泥、中国の五大連池火山泥、中国のユンチェン塩湖の黒色泥、中国の担頭村の鉱物泥、陶土(カオリン)、中国の麦飯石、日本の別府温泉ファンゴ、日本のクチャ、日本のタナクラクレイ、ロシアのカンブリアン青色クレイ、アイスランドのブルーラグーン泥、ウクライナのサキ湖泥、チェコ共和国のカルロヴィヴァリー湿原泥、ハンガリーのヘーヴィーズゲオルギコン湿原泥、オーストリアのアルパイン湿原泥、ドイツのバートヴィルスナック泥、ドイツのバイエルン鉱物塩山泥、ドイツのフライブルグ火山灰、ギリシアのサントリーニ泥、スペインのマールメノール泥、イタリアのイスキア火山泥、イタリアのエウガネイ熱泥、フランスの黄色クレイ-イライト、フランスの緑色クレイ-モンモリロナイト、米国のカリストガ泥、米国のセイクリッドクレイ及びオーマライト、米国のレッドモンドクレイ、カナダの北極鉱物泥、メキシコのトゥルムマヤクレイ、カナダの氷成粘土、ブラジルのアマゾン白土、アルゼンチンのエルチラント火山熱泥、アフリカのヒーリングクレイ、並びにオーストラリアのオリーブグリーンクレイである。
本発明のコーティング層中のクレイの含有量は、コーティング層の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは65質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更により好ましくは90質量%以上であってもよく、且つ/又は概して99.5質量%以下、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更により好ましくは97質量%以下であってもよい。上限及び下限の値のいずれの組合せも利用可能である。
本発明のコーティング層は、コーティング層の総質量に対して、50質量%~99.5質量%、好ましくは65質量%~99質量%、より好ましくは80質量%~98質量%、更により好ましくは90質量%~97質量%の範囲の量のクレイを含んでもよい。
(b2)水溶性結合剤
本発明のコーティング層は、(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む。単一のタイプの水溶性結合剤を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの水溶性結合剤を組み合わせて使用してもよい。
水溶性結合剤は、(b1)クレイをコーティング層に接着させるように、特に(b1)クレイを(A)水溶性/分散性基材に接着させるように機能することができる。
好ましい一実施形態において、(b2)水溶性結合剤は、少なくとも1種の極性ポリマーを含む。別の好ましい実施形態において、(b2)水溶性結合剤は、水溶性成膜ポリマーから選択される。本発明において使用される水溶性成膜ポリマーとしては、以下を挙げることができる:
- デンプン、プルラン、セルロース、これらの誘導体、及びこれらの組合せを含む多糖、
- タンパク質、例えばコムギタンパク質又はダイズタンパク質等の植物起源のタンパク質;ケラチン、例えばケラチン加水分解物及びスルホン性ケラチン等の動物起源のタンパク質、
- アクリルポリマー又はコポリマー、例えばポリアクリレート又はポリメタクリレート、
- ビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテルとリンゴ酸無水物とのコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー、又はポリビニルアルコール、
- アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性のキチン又はキトサンポリマー、
- アラビアゴム、グアーガム、キサンタン化合物又はカラヤゴム、
- アルギネート及びカラゲナン、
- グリコアミノグリカン、ヒアルロン酸及びその化合物、
- シェラック樹脂、サンダラック樹脂、ダンマル脂、エレミス又はコーパル、
- デオキシリボ核酸、
- 硫酸コンドロイチン等のムコ多糖類、
並びにこれらの混合物。
有利には、水溶性成膜ポリマーは、デンプン、プルラン、セルロース、これらの誘導体、及びこれらのブレンド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
(b2)水溶性結合剤は、(a)水溶性/分散性基材を形成する水溶性/分散性ポリマーと同じであっても、異なっていてもよい。これらの材料は、それらの機能及び/又は状態を考慮して互いに区別することができる。具体的には、(a)水溶性/分散性基材中の水溶性/分散性ポリマーは基材を形成し、すなわち、このポリマーは基材の一部であり、一方で(b2)水溶性結合剤は、(b1)クレイを基材に接着させるように作用する。当業者は、本発明の製品を分析することによって、これらを容易に区別することができる。例えば、(b2)水溶性結合剤は、(b1)クレイと直接接触し、(b1)クレイの表面に存在することができる。一方、(a)水溶性/分散性基材中の水溶性/分散性ポリマーは、基材の内部に配置される。
本発明の一実施形態において、(b2)水溶性結合剤は、(a)水溶性/分散性基材を形成する水溶性/分散性ポリマーとは異なる。
本発明のコーティング層中の水溶性結合剤の含有量は、コーティング層の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更により好ましくは2質量%以上であってもよく、且つ/又は概して15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更により好ましくは5質量%以下であってもよい。上限及び下限の値のいずれの組合せも利用可能である。
本発明のコーティング層は、コーティング層の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.5質量%~10質量%、より好ましくは1質量%~7質量%、更により好ましくは2質量%~5質量%の範囲の量の水溶性結合剤を含んでもよい。
(他の成分)
本発明のコーティング層は、(b1)クレイ及び(b2)水溶性結合剤とは別の任意選択の成分を含んでもよい。
- 美容有効成分
本発明のコーティング層は、少なくとも1種の美容有効成分を含んでもよい。単一のタイプの美容有効成分を用いてもよいが、2種以上の異なるタイプの美容有効成分を組み合わせて用いてもよい。
美容有効成分は、スキンケア剤であってもよい。スキンケア剤としては、白色化剤、増白剤、抗酸化剤、クレンジング剤、フリーラジカル捕捉剤、保湿剤、肌色改変剤、抗ニキビ剤、抗老化剤、抗しわ剤、抗炎症剤、肌の質感のトリートメント剤、制汗剤、美容剤、抗菌剤、冷却作用剤、吸汗作用剤、栄養剤、皮脂吸収剤、吸油剤、及び水分吸収剤、並びにこれらの任意の組合せを挙げることができる。
皮膚の白色化剤又は増白剤の非限定的な例としては、限定されるものではないが、肌色改変顔料、反射性粒子材料、ソフトフォーカス剤、及びこれらの任意の混合物が挙げられる。
肌色改変剤は、限定されるものではないが、タルク、マイカ、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、及び/又は酸化チタンコーティングマイカ、ホウケイ酸塩;疎水変性酸化亜鉛、疎水変性二酸化チタン、酸化チタン-亜鉛の複合物を含む肌色改変顔料から選択することができる。
本発明において使用される抗酸化剤、抗炎症剤及び/又は冷却作用剤及び/又は吸汗作用剤の例としては、限定されるものではないが、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンC及びビタミンDの誘導体、リコペン、カロテン、レシチン、米糠脂質、米糠油分、メントール;ヨーグルト、ケイ素化メントール、乳酸メンチル;アーモンド油;ピーナツ油;ひまわり油;ホースグラム粉末;オリーブ油;ヒュームドシリカ又は非ヒュームドシリカ、疎水変性シリカ、親水変性シリカ、並びにこれらの任意の混合物/複合物が挙げられる。
本発明のコーティング層中の美容有効成分の量は特に限定されないが、一般に、コーティング層の総質量に対して、0.01質量%~10質量%、好ましくは0.05質量%~5質量%、より好ましくは0.1質量%~3質量%の範囲であってもよい。本発明の一実施形態において、コーティング層は、美容有効成分を含まない。
- ポリオール
本発明のコーティング層は、少なくとも1種のポリオールを含んでもよい。単一のタイプのポリオールを使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのポリオールを組み合わせて使用してもよい。
用語「ポリオール」は、本明細書では、2つ以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖又はその誘導体を包含しない。糖類の誘導体としては、糖類の1つ又は複数のカルボニル基を還元することによって得られる糖アルコール、及び1つ又は複数のヒドロキシ基中の水素原子が、少なくとも1つの置換基、例えばアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基、又はカルボニル基で置き換えられている糖類又は糖アルコールが挙げられる。
本発明におけるポリオールは、製品の可撓性及び強度を増加する可塑剤として機能することができ、いくつかの場合において、ポリオールは、皮膚のコンディショニングのメリットをもたらすことができる。
ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基、好ましくは2~5つのヒドロキシ基を含む、C2~C24ポリオール、好ましくはC2~C9ポリオールであってもよい。ポリオールは、グリセリン及びその誘導体、並びにグリコール及びその誘導体から選択されうる。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、C6~C24ポリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、及び1,5-ペンタンジオール、デキストリン、並びにソルビトールからなる群から選択されてもよい。
好ましい一実施形態において、ポリオールは、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びジエチレングリコール等のグリコール、デキストリン、並びにソルビトールから選択される。
本発明のコーティング層中のポリオールの含有量は特に限定されないが、一般に、コーティング層の総質量に対して、0.001から20質量%、好ましくは0.01から15質量%、より好ましくは0.1から10質量%、更により好ましくは1から5質量%の範囲であってもよい。本発明の一実施形態において、コーティング層は、ポリオールを含まない。
- 染料
本発明のコーティング層は、少なくとも1種の染料を含んでもよい。単一のタイプの染料を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの染料を組み合わせて使用してもよい。
本発明において使用することができる染料は、無機又は有機染料でありうる。好ましくは、染料は、少なくとも1種の無機染料、例えば顔料及びレーキを含む。染料としては、二酸化チタン、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄、及びカラメル、カルミン、カーボンブラック、D & C Red 7 Lake、FD & C Yellow 5 Lake、FD &C Yellow染料、FD & C Blue 1染料を挙げることができる。
本発明のコーティング層中の染料の量は特に限定されないが、一般に、コーティング層の総質量に対して、0.001質量%~10質量%、好ましくは0.005質量%~5質量%、より好ましくは0.01質量%~1質量%の範囲であってもよい。本発明の一実施形態において、コーティング層は染料を含まない。
- 任意選択の添加剤
本発明のコーティング層は、化粧品の分野で通常使用されるいずれかの任意選択の添加剤も含んでよく、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性界面活性剤、分散剤、香料、中和剤、防腐剤、キレート剤、及びこれらの混合物から選択される。
本発明の一実施形態において、本発明による製品は、スキンケア製品、特に顔のスキンケア製品である。一実施形態において、シート状化粧料は、脂っぽい皮膚のトリートメント又はケア、例えば、脂っぽい顔の皮膚のトリートメント又はケア用である。
特に、本発明による製品は、濡らした肌の表面に施用することができ、肌から不純物、皮脂、及び過剰な油分を吸収する。
一実施形態において、製品は、皮膚にマット感を付与するためのものである。
一実施形態において、製品は、リラックス美容ケアのためのものである。
一実施形態において、製品は、リフレッシュスキンケアのためのものである。
加えて、本発明は、ケラチン物質の油分制御、黒ニキビの除去及び/又はケラチン物質の毛穴の減少の効果ももたらすことができ、ケラチン物質に明るさを付与することができる。
本発明の製品の機能性は、主に、活性成分の活性に依存する。保湿、白色化、及び抗老化が、そのような製品、特にフェイシャルマスク又はフェイシャルパッドの最も一般的な機能性である。
更に、例えば、白色化、抗しわ等といった美容上の利点のための他のスキンケア活性成分が存在するか、又はコーティング層に添加されてもよく、これらは、適用時間中に肌に放出され得る。
本発明のシート状化粧料は、一般に、0.01mm~1mm、より好ましくは0.05mm~0.5mm、更により好ましくは0.07mm~0.12mmの範囲の厚さを有する。
製品は、使用目的に応じて所望の形状を有することができる。製品の流通の最も一般的な様式は、単回使用の小袋に、折り畳まれて包装される形態である。いくつかの場合において、製品は、ロールパックの様式で流通される。こうしたロールパックは、所定の形状をした複数の製品、例えば複数のフェイシャルマスクを有する基材ロールを備える。製品は、適用体をロールパック又は任意の他の包装から分離した後に、該適用体上に適用することができる。
製品の形状は、その標的とする機能性及び標的ゾーンによって決まる。製品の使用の一例は、フェイシャルマスク又はフェイシャルパッドの形態とすることができ、これは、目、口、及び鼻のためのスリットを伴って、顔の形状に切ることができる。製品は、例えばフェイスマスク、ワイプ及びパッドの中から選択される。
一実施形態において、製品は、スキンマスクである。
一実施形態において、製品は、フェイシャルマスクである。
図1は、使用前に、フェイシャルマスクが2つの部品で構成される、本発明の一実施形態を表す。この実施形態において、フェイシャルマスクは、顔の上部及び顔の下部への容易な施用を促進するために、それぞれ、上部分及び下部分の2つの部品に切ることができる。そのような2つの部品のフェイスマスクには、顔の上部に置かれることを意図する上部分と、顔の下部に置かれることを意図する下部分とが存在する。
[製造方法]
本発明はまた、本発明によるシート状化粧料の製造方法にも関する。
好ましくは、本発明によるシート状化粧料の製造方法は、
(i)(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材を調製する工程と、
(ii)少なくとも1種の溶媒中で(b1)少なくとも1種のクレイと(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤とを混合してコーティング溶液を調製する工程と、
(iii)(A)水溶性/分散性基材上にコーティング溶液を適用する工程、並びに
(iv)適用したコーティング溶液を乾燥させて(B)コーティング層を形成し、シート状化粧料を得る工程と
を含む。
工程(i)は、(a)少なくとも1種の水溶性/分散性基材を調製する工程である。(a)水溶性/分散性基材は、上記の「製品」の項で説明したものと同じであり、したがって、同じ説明が、ここでの(a)水溶性/分散性基材にも該当しうる。
工程(ii)は、少なくとも1種の溶媒中で(b1)少なくとも1種のクレイと(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤とを混合してコーティング溶液を調製する工程である。(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤は、上記の「製品」の項で説明したものと同じであり、したがって、同じ説明が、ここでの(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤にも該当しうる。
工程(ii)で使用される溶媒は特に限定されないが、好ましくは、水とは別の溶媒から選択される。溶媒の非限定的な例としては、例えば、直鎖状又は分枝状低級一価アルコール、好ましくは1~8個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状低級一価アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、及びイソブタノール、並びにこれらの組合せが挙げられる。
コーティング溶液中のクレイの量は、溶液の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更により好ましくは20質量%以上であってもよい。コーティング溶液中のクレイの量は、溶液の総質量に対して、60質量%以下、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更により好ましくは45質量%以下であってもよい。上限及び下限の値のいずれの組合せも利用可能である。
コーティング溶液は、溶液の総質量に対して、1質量%~60質量%、好ましくは5質量%~55質量%、より好ましくは10質量%~50質量%、更により好ましくは20質量%~45質量%の範囲の量のクレイを含んでもよい。
コーティング溶液中の水溶性結合剤の量は、溶液の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更により好ましくは0.7質量%以上であってもよい。コーティング溶液中の水溶性結合剤の量は、溶液の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更により好ましくは5質量%以下であってもよい。上限及び下限の値のいずれの組合せも利用可能である。
コーティング溶液は、溶液の総質量に対して、0.1質量%~20質量%、好ましくは0.3質量%~15質量%、より好ましくは0.5質量%~10質量%、更により好ましくは0.7質量%~5質量%の範囲の量の水溶性結合剤を含んでもよい。
本発明の一実施形態において、コーティング溶液中のポリオールの量は、溶液の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更により好ましくは1.5質量%以上であってもよい。コーティング溶液中のポリオールの量は、溶液の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更により好ましくは5質量%以下であってもよい。上限及び下限の値のいずれの組合せも利用可能である。
本発明の一実施形態において、コーティング溶液は、溶液の総質量に対して、0.1質量%~20質量%、好ましくは0.5質量%~15質量%、より好ましくは1質量%~10質量%、更により好ましくは1.5質量%~5質量%の範囲の量のポリオールを含んでもよい。
本発明の一実施形態において、コーティング溶液は、コーティング溶液の総質量に対して、5質量%未満、好ましくは3質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更により好ましくは0.5質量%未満、特に1質量%未満の水を含む。本発明の別の実施形態において、コーティング溶液は無水である。
工程(ii)は、1種以上の任意選択の成分、例えば美容有効成分、ポリオール、染料、及び/又は上記の任意選択の添加剤をコーティング溶液に添加することを含みうる。したがって、コーティング溶液は、美容有効成分、ポリオール、染料、及び任意選択の添加剤から選択される1種以上の任意選択の成分を含みうる。
成分を混合する方法は特に限定されず、スターラー及び/又はホモジナイザーを用いた混合等、従来の混合手段を用いてもよい。
工程(iii)は、(A)水溶性/分散性基材上にコーティング溶液を適用する工程である。(A)水溶性/分散性基材上にコーティング溶液を適用する方法は特に限定されず、従来のいずれの方法を用いてもよい。例えば、コーティング溶液は、浸漬被覆、ナイフコーティング、バーコーティング、カーテンコーティング、及びスクリーン印刷等の任意のウェットコーティング法を用いて基材上に適用することができる。
好ましくは、コーティング溶液は、(A)水溶性/分散性基材の両面に適用され、したがって、本発明の製品は2つのコーティング層を含む。
工程(iv)は、適用したコーティング溶液を乾燥させて(B)コーティング層を形成し、そうして、シート状化粧料を得る工程である。コーティング層の乾燥温度は、概して、40℃~200℃、好ましくは40℃~100℃、より好ましくは40℃~70℃の範囲であってもよい。コーティング層の乾燥時間は、概して、数秒、例えば、1秒、2秒、3秒、4秒、又は5秒から30分、好ましくは数秒から15分、より好ましくは数秒から5分の間の範囲であってもよい。
本発明の乾燥させた製品は、適切な所望の形状に応じて成形することができる。成形は、シート状製品を所望の形状に切ることによって行うことができる。
[美容方法及び使用]
本発明はまた、非治療的方法又は使用、好ましくは非治療的美容方法又は使用、より好ましくはケラチン物質、例えば、皮膚、特に顔の皮膚をケア及び/又はコンディショニングするための美容方法又は使用にも関する。
本発明の一実施形態において、本発明は、ケラチン物質、例えば、皮膚、特に顔の皮膚をケア及び/又はコンディショニングするための美容方法であって、
(1)ケラチン物質を濡らす工程と、
(2)本発明のシート状化粧料を、濡れたケラチン物質へ適用する工程と、
(3)ケラチン物質上の適用された化粧料を特定の時間の間、放置する工程と、
(4)化粧料をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程、又は
(4')化粧料をケラチン物質から剥離する工程と、
(5)化粧料の残留物をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程と
を含む、方法に関する。
本発明の別の実施形態において、本発明は、ケラチン物質、例えば、皮膚、特に顔の皮膚をケア及び/又はコンディショニングするためのシート状化粧料の使用であって、
(1)ケラチン物質を濡らす工程と、
(2)本発明のシート状化粧料を、濡れたケラチン物質へ適用する工程と、
(3)ケラチン物質上の適用された化粧料を特定の時間の間、放置する工程と、
(4)化粧料をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程、又は
(4')化粧料をケラチン物質から剥離する工程と、
(5)化粧料の残留物をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程と
を含む、使用に関する。
工程(1)は、ケラチン物質を濡らすためにケア又はコンディショニングされるケラチン物質を濡らす又は保湿する工程である。この目的のために、水を含む任意の様式の組成物、例えば、水溶液、トナー、ミセル水、ローション、乳液、ペースト、セラム、懸濁液、分散体、エマルション等が、ケラチン物質に適用されうる。組成物は、上記の化粧として許容される成分又は美容有効成分を含んでもよい。
本発明の一実施形態において、工程(1)でケラチン物質へ適用される組成物は水である。この実施形態において、工程(1)は、ケア又はコンディショニングされるケラチン物質へ水を適用する工程である。
工程(2)は、本発明のシート状化粧料を、工程(1)で処置された、濡れたケラチン物質へ適用する工程である。この工程は、例えば、工程(1)で濡らしたケラチン物質上にシート状化粧料を置くことによって行うことができる。
工程(3)は、化粧料を乾燥するために、ケラチン物質上に適用した化粧料を特定の時間の間、放置する工程である。この工程は、本発明による前記化粧料が自然に乾燥するまで、該化粧料をケラチン物質と接触させて置いた後、「適用時間」と呼ばれる十分な時間を待つ工程でありうる。
工程(3)の放置時間は、1分~30分、好ましくは3分~25分、より好ましくは5分~20分、更により好ましくは10分~20分の範囲であってよい。工程(3)は、室温(25℃)及び大気圧(105Pa)で実施することができる。
工程(3)において、化粧料は、不純物、ケラチン物質からの皮脂及び過剰の油分を吸収する。
本発明の一実施形態において、ケラチン物質に適用された化粧料は、工程(3)の後の工程(4)において、水でケラチン物質からすすぎ落とすことによって除去される。本発明のシート状化粧料は、(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材と、(B)(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む、水溶性/分散性基材上に配置される少なくとも1つのコーティング層と、から作られるため。例えば、化粧料は、こすって又は水を使用して手で洗い落とすことによってすすぎ落とすことができる。
本発明の別の実施形態において、ケラチン物質に適用された化粧料は、工程(3)の後の工程(4')において、ケラチン物質から剥離される。次いで、ケラチン物質上に残った化粧料の残留物を、工程(5)において、水ですすぎ落とす。化粧料の残留物は、こすって又は水を使用して手で洗い落とすことによってすすぎ落とすことができる。
本発明を、実施例によってより詳細に説明するが、これは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。各実施例は、別段の指定がない限り、室温(25℃)及び大気圧(105Pa)で実施した。
(実施例1及び2)
本発明によるシート状化粧料は、以下のプロトコルに従って調製した。先ず、日本製紙パピリア株式会社から入手した製紙30MDP(厚さ:0.065mm)の形態の水溶性物質を準備した。次いで、カオリン、ポリビニルピロリドン、イソプロピルアルコール、及びグリセリン(存在する場合)を、ホモジナイザーを使用して、Table 1(表1)に示す配合比で混合することによってコーティング溶液を調製した。Table 1(表1)に示す数値は全て、活性原料の「質量%」に基づく。得られた各コーティング溶液を、基材の片面上へのバーコーティング法によって、水溶性物質へ適用した。次いで、基材を70℃で数秒間乾燥して、本発明のシート状化粧料を得た。コーティング層の量は、シート状化粧料30g/m2であった。シート状化粧料の厚さは、約0.1mmであった。
得られたシート状化粧料を、図1に示すフェイシャルマスクの形に切った。
3名の専門家が、以下のプロセスに従って化粧料を使用した:
(1)専門家ら自身の顔の皮膚を水で濡らし、
(2)フェイシャルマスクの形態のシート状化粧料を、濡れた顔に施用し、
(3)顔に施用した化粧料を15分間放置し、
(4)水を使用して手でこすって化粧料を顔からすすぎ落とす。
化粧料は、水を使用して手でこするだけで各専門家らの顔から容易に除去できた。過剰の皮脂及び油分は、各専門家らの顔から成功裏に除去できた。また、少なくともマット感付与効果が確認できた。

Claims (15)

  1. (A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材、並びに
    (B)水溶性/分散性基材上に配置される、(b1)少なくとも1種のクレイ及び(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤を含む、少なくとも1つのコーティング層
    を含む、シート状化粧料。
  2. ケラチン物質、例えば、皮膚のケア及び/又はコンディショニング用の、請求項1に記載の化粧料。
  3. スキンマスク、好ましくはフェイシャルマスクである、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. (A)水溶性/分散性基材が、水溶性/分散性ポリマーを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧料。
  5. 水溶性/分散性ポリマーが、セルロース及びその誘導体、ポリビニルアルコール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される水溶性ポリマーである、請求項4に記載の化粧料。
  6. コーティング層の含有量が、化粧料の1g/m2~200g/m2、好ましくは5g/m2~100g/m2、より好ましくは10g/m2~70g/m2、更により好ましくは15g/m2~50g/m2の範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧料。
  7. コーティング層が、コーティング層の総質量に対して、50質量%~99.5質量%、好ましくは65質量%~99質量%、より好ましくは80質量%~98質量%、更により好ましくは90質量%~97質量%の範囲の量の(b1)クレイを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧料。
  8. (b2)水溶性結合剤が、デンプン、プルラン、セルロース、これらの誘導体、及びこれらのブレンド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧料。
  9. (b2)水溶性結合剤が、(A)水溶性/分散性基材中に含まれる水溶性/分散性ポリマーとは異なる、請求項4から8のいずれか一項に記載の化粧料。
  10. コーティング層が、コーティング層の総質量に対して、0.1質量%~15質量%、好ましくは0.5質量%~10質量%、より好ましくは1質量%~7質量%、更により好ましくは2質量%~5質量%の範囲の量の(b2)水溶性結合剤を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧料。
  11. コーティング層が少なくとも1種のポリオールを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の化粧料。
  12. コーティング層中のポリオールの含有量が、コーティング層の総質量に対して、0.001から20質量%、好ましくは0.01から15質量%、より好ましくは0.1から10質量%、更により好ましくは1から5質量%の範囲である、請求項11に記載の化粧料。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のシート状化粧料の製造方法であって、
    (i)(A)少なくとも1種の水溶性/分散性基材を調製する工程と、
    (ii)少なくとも1種の溶媒中で(b1)少なくとも1種のクレイと(b2)少なくとも1種の水溶性結合剤とを混合してコーティング溶液を調製する工程と、
    (iii)(A)水溶性/分散性基材上にコーティング溶液を適用する工程、並びに
    (iv)適用したコーティング溶液を乾燥させて(B)コーティング層を形成し、シート状化粧料を得る工程と
    を含む、方法。
  14. 工程(ii)中の溶媒が、直鎖状又は分枝状低級一価アルコール、好ましくは1~8個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状低級一価アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、及びイソブタノール、並びにこれらの組合せから選択される、請求項13に記載の方法。
  15. ケラチン物質、例えば、皮膚、特に顔の皮膚をケア及び/又はコンディショニングするための非治療的美容方法であって、
    (1)ケラチン物質を濡らす工程と、
    (2)請求項1から13のいずれか一項に記載のシート状化粧料を、濡れたケラチン物質へ適用する工程と、
    (3)ケラチン物質上の適用された化粧料を特定の時間の間、放置する工程と、
    (4)化粧料をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程、又は
    (4')化粧料をケラチン物質から剥離する工程と、
    (5)化粧料の残留物をケラチン物質から水ですすぎ落とす工程と
    を含む、方法。
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