JP2024022549A - ポリマーおよび電解質を含有する組成物、粘接着剤、粘接着剤の硬化物並びに接合体 - Google Patents

ポリマーおよび電解質を含有する組成物、粘接着剤、粘接着剤の硬化物並びに接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、初期接着力に優れ、且つ、短時間の電圧の印加により、加熱することなく容易に剥離することができる組成物、粘接着剤および粘接着剤の硬化物を提供することにある。【解決手段】ポリマーおよび電解質を含む組成物であって、前記ポリマーが、ヒドロキシ基を2個以上有する芳香環を含む芳香族系単量体由来の構成単位を有する、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーおよび電解質を含有する組成物、粘接着剤、粘接着剤の硬化物並びに接合体に関する。
近年、軽量化や異種被着体の接着が可能な点から接着剤の応用範囲が広がっているが、剥離が困難であることからリサイクル性への懸念が持たれている。そこで何らかの刺激によって容易に解体できる剥離性を有する接着剤が注目されているが、従来の熱・紫外線で剥離性を発現する接着剤は耐熱性や透過性といった点から被着体材料や用途に制限があるため、熱・紫外線以外の刺激によって剥離性を発現できる接着剤が望まれている。
熱・紫外線以外の刺激によって剥離性を発現できる接着剤としては、電圧を印加することにより粘接着力が低下する電気剥離性を有する粘接着剤が知られている。例えば、特許文献1には、電圧印加を行うことで剥離性を有するエポキシ系化合物を含むエポキシ系接着剤が記載されている。
また、非特許文献1には、電圧印加を行うことで剥離性を有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマー含有接着剤が記載されている。
特表2003-504504号公報
J.Am.Chem.Soc.2020,142,4631-4638
しかしながら、特許文献1に記載のエポキシ系接着剤による接合は、剥離に加温や長時間の電圧の印加が必要であった。
また、非特許文献1に記載の方法は、電解液に浸した状態で電圧を印加しなくてはならず、実用性の面で課題があった。
本発明の目的は、初期接着力に優れ、且つ、短時間の電圧の印加により、加熱することなく容易に剥離することができる組成物、粘接着剤、粘接着剤の硬化物および接合体を提供することにある。
すなわち、本発明は以下の[1]~[18]を要旨とする。
[1]ポリマーおよび電解質を含む組成物であって、
前記ポリマーが、ヒドロキシ基を2個以上有する芳香環を含む芳香族系単量体由来の構成単位を有する、組成物。
[2]前記ポリマーの全重量に対する、前記芳香族系単量体由来の構成単位の重量割合が0.5~90重量%である、[1]に記載の組成物。
[3]前記芳香族系単量体が、芳香環にヒドロキシ基を2~4個有する、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]前記芳香族系単量体が、芳香環にヒドロキシ基を2個または3個有する、[1]~[3]の何れか一項に記載の組成物。
[5]前記芳香族系単量体が、ドーパミンアクリルアミドおよび3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチルのうちの1種以上である、[1]~[4]の何れか一項に記載の組成物。
[6]前記ポリマーが、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する、[1]~[5]の何れか一項に記載の組成物。
[7]前記ポリマーが、メチルメタクリレート由来の構成単位を有する、[1]~[6]の何れか一項に記載の組成物。
[8]前記ポリマーがマクロモノマー由来の構成単位を有する、[1]~[7]の何れか一項に記載の組成物。
[9]前記電解質と有機溶媒とを含む電解液を含み、前記電解質が、イオン液体、有機第四級アンモニウム塩および無機アルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種以上である、[1]~[8]の何れか一項に記載の組成物。
[10]前記電解質が、炭酸アルキレン、γ-ブチロラクトンおよびN-メチル-2-ピロリドンのうちの1種以上を含む、[1]~[9]に記載の組成物。
[11]前記電解質が、第4級アンモニウム塩およびアルカリ金属塩のうちの1種以上を含む、[1]~[10]に記載の組成物。
[12][1]~[11]のいずれか1項に記載の組成物を含む、粘接着剤。
[13][12]に記載の粘接着剤から形成される硬化物。
[14]前記粘接着剤から形成される層の厚みが5μm~100μmである[12]に記載の粘接着剤。
[15]前記粘接着剤およびその硬化物に12Vの電圧を25℃、120秒間通電した際の剥離強度が、通電前の剥離強度に対して15%以下の剥離強度である、[12]または[14]に記載の粘接着剤。
[16]コンクリート被着体に塗布することで、コンクリートに金属との接着解体性を付与する[12]、[14]および[15]の何れか一項に記載の粘接着剤。
[17]コンクリート用添加剤として使用することで、コンクリートに金属との接着解体性を付与する[12]および[14]~[16]の何れか一項に記載の粘接着剤。
[18]低電圧導電によって粘接着剤の欠陥を検出できる機能を有する[12]または[14]~[17]の何れか一項に記載の粘接着剤。
[19]被着体、粘接着剤層、および基材をこの順で備える接合体であって、
前記粘接着剤層中にポリマーおよび電解質を含み、
前記ポリマーが、ヒドロキシ基を2個以上有する芳香環を含む芳香族系単量体由来の構成単位を有することを特徴とする、接合体。
[20]前記粘接着剤層を二層以上備える、[19]に記載の接合体。
[21]前記粘接着剤層を二層以上備え、前記粘接着剤層の間に導電性基材を備える、[19]に記載の接合体。
[22]前記導電性基材がスプレー塗料を吹き付けることにより形成される、[21]に記載の接合体。
[23]コンクリート被着体に塗布することで、コンクリートに金属との接着解体性を付与するための、[12]、および[14]~[18]の何れか一項に記載の粘接着剤の使用。
[24]コンクリート用添加剤として使用することで、コンクリートに金属との接着解体性を付与するための、[12]および[14]~[18]の何れか一項に記載の粘接着剤の使用。
[25][12]および[14]~[18]の何れか一項に記載の粘接着剤、または[13]に記載の硬化物に低電圧を導電することにより、粘接着剤または硬化物の欠陥を検出する方法。
[26][12]および[14]~[18]の何れか一項に記載の粘接着剤、または[13]に記載の硬化物の、コンクリートの層と金属の層とを備える積層体の製造における、使用。
本発明によれば、初期接着力に優れ、且つ、短時間の電圧の印加により、加熱することなく容易に剥離することができる組成物およびそれを含む粘接着剤を提供することができる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲において適用される。
「(メタ)アクリル系単量体」は、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を意味する。
「(メタ)アクリ」は、アクリおよびメタクリの総称である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
≪組成物≫
本発明の組成物は、芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマーおよび電解質を含む。
[ポリマー]
前記ポリマーとしては、芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマーであれば特に制限されず、例えば、単量体の重合物、単量体の部分重合物が挙げられる。前記単量体は、1種の単量体であっても、2種以上の単量体混合物であってもよい。なお、前記部分重合物とは、単量体および単量体混合物のうちの1種以上の成分が部分的に重合している重合物を意味する。
前記ポリマーとしては、通常粘接着剤として使用され、粘接着性を有するものである限り特に限定されないが、例えば、アクリル系ポリマー、ゴム系ポリマー、ビニルアルキルエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ウレタン系ポリマー、フッ素系ポリマー、エポキシ系ポリマー、ポリプロピレン系ポリマーが挙げられる。特に、コストや生産性の観点から、前記ポリマーは、アクリル系ポリマーであることが好ましい。前記ポリマーは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、また、前記以外のポリマーとの混合物としても用いることができる。
前記アクリル系ポリマーは、特に限定されないが、芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有する。
前記芳香族系単量体は、芳香環にヒドロキシ基を2~4個有することが好ましく、2個または3個有することがより好ましい。本発明で使用するポリマーが、芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有することで、本発明の組成物および粘接着剤に粘接着力および電気剥離性を付与することができる。芳香環に置換するヒドロキシ基は、粘接着力および凝集力を向上させる点から、2つ以上であることが好ましく、合成が容易な点から4個以下であることが好ましい。
初期粘接着力が良好となる点から、前記ポリマーは、前記芳香族系単量体由来の構成単位以外に、炭素数1~20の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位、極性基を有する単量体由来の構成単位、およびマクロモノマー由来の構成単位からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位を有することが好ましい。
前記のヒドロキシ基を2個以上含む芳香環としては、例えば、2つのヒドロキシ基がオルト位に位置する芳香環を挙げることができる。前記芳香環上の2つのヒドロキシ基がオルト位に位置する芳香環を有する単量体としては、例えば、ドーパミンアクリルアミド、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル、ウルシオール、カテコールアミンが挙げられる。これらの中でも、優れた粘着力を得る点と電気剥離性が良好な点から、ドーパミンアクリルアミド、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチルが好ましい。
前記ヒドロキシ基含有芳香族単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマーの全重量に対する、前記芳香族系単量体由来の構成単位の重量割合は0.5~90重量%であることが好ましい。被着体への本発明の組成物の接着性を発揮する点から、1重量%以上であることがより好ましく、3重量%以上であることがさらに好ましく、5重量%以上であることが特に好ましい。また、他の成分との親和性等の物性調整の点から、80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、60重量%以下であることがさらに好ましい。
前記の炭素数1~20の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、分岐状または直鎖状の炭素数1~20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、分岐状または直鎖状の炭素数1~20のアルケニル基を有する(メタ)アクリル酸アルケニルエステル、ベンジル基を有する(メタ)アクリル酸ベンジルエステルが挙げられる。これらの中でも、重合の簡便さから、分岐状または直鎖状の炭素数1~20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、分岐状または直鎖状の炭素数1~10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、分岐状または直鎖状の炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがさらに好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、他の単量体との共重合のしやすさが良好な点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルが好ましい。
前記アルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート以外の単量体としては、例えば、スチレン、ポリプロピレンが挙げられる。
前記ポリマーの全重量に対する、前記炭素数1~20の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位の重量割合は0.5~90重量%であることが好ましい。被着体への本発明の組成物の接着性を発揮する点から、1重量%以上であることがより好ましく、3重量%以上であることがさらに好ましく、5重量%以上であることが特に好ましい。また、他の成分との親和性等の物性調整の点から、80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、60重量%以下であることがさらに好ましい。
前記アクリル系ポリマーとしては、凝集力、耐熱性、架橋性、他の材料との親和性の向上を目的として、極性基を有する単量体由来の構成単位を有することが好ましい。
前記極性基としては、例えば、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、ホルムアミド基、ヒドラジド基、アシル基、エポキシ基、および環状アミド基が挙げられる。これらの中でも、接着力に優れる点から、アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エポキシ基が好ましく、メトキシエチル基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、グリシジル基がより好ましい。
前記極性基を有する単量体としては、例えば、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、アクリル酸等の(メタ)アクリル系単量体を挙げることができる。これらの中でも、接着力が良好となる点から、メトキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましく、メトキシエチルアクリレートが特に好ましい。
前記極性基を有する単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アルコキシ基を有する単量体としては、炭素数3~20のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられる。なかでも、重合の簡便さから、分岐状または直鎖状の炭素数3~20のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルが好ましく、分岐状または直鎖状の炭素数3~10のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルがより好ましく、分岐状または直鎖状の炭素数3~6のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルがさらに好ましい。
前記(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシイソプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシオクチル等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、他の単量体との共重合のしやすさが良好な点から、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピルが好ましい。
前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマーの全重量に対する、前記極性基を有する単量体由来の構成単位の重量割合は0.5~99重量%であることが好ましい。被着体への本発明の組成物の接着性を発揮する点から、0.5重量%以上であることがより好ましく、1重量%以上であることがさらに好ましく、1.5重量%以上であることが特に好ましい。また、他の成分との親和性等の物性調整の点から、95重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることがより好ましく、85重量%以下であることがさらに好ましい。
前記ポリマーは、共重合体の形態については、特に制限はなく、ランダム共重合体、ブロック共重合体、およびグラフト共重合体のいずれであってもよいが、電気剥離性の向上、および、製造コスト抑制の点から、ブロック共重合体とグラフト共重合体の混合物であることが好ましい。
また、前記ポリマーは、マクロモノマー由来の構成単位を有することが好ましい。なお、本明細書において「マクロモノマー」とは、主鎖末端に付加重合性二重結合基(α,β-エチレン性不飽和基)を有する単量体であって、且つ2つ以上の単量体由来の構成単位を含むオリゴマーである。マクロモノマーを前記ポリマーに組み込むことによって、マクロモノマー由来の構成単位がグラフト共重合体の側鎖(枝ポリマー)に導入され、マクロモノマー以外の単量体由来の構成単位がグラフト共重合体の主鎖(幹ポリマー)に導入されることが好ましい。
<マクロモノマーの製造方法>
前記マクロモノマーの製造方法としては、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(米国特許4680352号明細書)、α-ブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法(国際公開第1988/04304号)、重合性基を化学的に結合させる方法(特開昭60-133007号公報および米国特許5147952号明細書)および熱分解による方法(特開平11-240854号公報)が挙げられる。
これらの中で、マクロモノマーの製造方法としては、製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点でコバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。
コバルト連鎖移動剤を用いてマクロモノマーを製造する方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の水系分散重合法が挙げられる。
これらの中で、マクロモノマーへの各種単量体由来の構成単位の導入が容易である点から、溶液重合法が好ましい。
マクロモノマーを溶液重合法で製造する際に使用される溶剤としては、例えば、トルエン等の炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;アセトン等のケトン;メタノール等のアルコール;アセトニトリル等のニトリル;酢酸エチル等のエステル;エチレンカーボネート等のカーボネート;および超臨界二酸化炭素が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明で使用するポリマーの製造には、前記の製造方法で製造されたマクロモノマーを回収、精製した粉体状物として使用しても、懸濁重合で合成したマクロモノマーの懸濁液をそのまま使用してもよい。
マクロモノマーとしては、その主鎖の末端にラジカル重合性基を有するマクロモノマーが好ましく、下記式(1)で表されるマクロモノマーがより好ましい。
Figure 2024022549000001
(式(1)中、Rは水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基、又は非置換の若しくは置換基を有する(ポリ)オルガノシロキサン基を示し、Qは2以上の構成単位(a’)を含む主鎖部分を示し、Zは末端基を示す。)但し、構成単位(a’)は下記式(a’)で示される。
Figure 2024022549000002
式中、Rは水素原子、メチル基又はCHOHを示し、RはOR、ハロゲン原子、COR、COOR、CN、CONR又はRを示し、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有する非芳香族の複素環式基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、又は非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、カルボン酸基(COOH)、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基(SOH)およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Rは非置換の若しくは置換基を有するアリール基、又は非置換の若しくは置換基を有するヘテロアリール基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基、非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するオレフィン基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
Zとしては、例えば、公知のラジカル重合で得られる重合体の末端基と同様に、水素原子およびラジカル重合開始剤に由来する基が挙げられる。
マクロモノマーとしては、下記式(2)で表されるマクロモノマーが特に好ましい。
Figure 2024022549000003
(式(2)中、RおよびZは前記と同義であり、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は非置換の若しくは置換基を有するアルキル基、非置換の若しくは置換基を有する脂環式基、非置換の若しくは置換基を有するアリール基、非置換の若しくは置換基を有するへテロアリール基、非置換の若しくは置換基を有するアラルキル基、非置換の若しくは置換基を有するアルカリール基、又は非置換の若しくは置換基を有するオルガノシリル基を示し、これらの基における置換基はそれぞれ、ラジカル重合性基を有する基、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、非芳香族の複素環式基、アラルキル基、アルカリール基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、エポキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、イソシアナト基、スルホン酸基、カルボジイミド基、酸無水物基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、nは2以上の自然数を示す。)
マクロモノマーに用いる単量体としては、例えば、炭素数1~20の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、分岐状または直鎖状の炭素数1~20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、分岐状または直鎖状の炭素数1~10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましく、分岐状または直鎖状の炭素数1~6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがさらに好ましい。
前記ポリマーの全重量に対する、前記マクロモノマー由来の構成単位の重量割合は0.5~90重量%であることが好ましい。被着体への本発明の組成物の接着性を発揮する点から、1重量%以上であることがより好ましく、3重量%以上であることがさらに好ましく、5重量%以上であることが特に好ましい。また、他の成分との親和性等の物性調整の点から、60重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましく、40重量%以下であることがさらに好ましい。
本発明で使用するポリマーの製造には、マクロモノマーの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマーの製造方法>
本発明で使用する芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマーの製造方法は、特に限定されず、例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の各種の方法を用いることができるが、製造コストや生産性の点から、溶液重合が好ましい。
以下に、溶液重合による本発明で使用する前記ポリマーの製造方法の一例を示す。
溶液重合は、原料単量体を所定の割合で用い、これらを溶媒に溶解させて単量体組成物を調製し、ここにラジカル重合開始剤を添加して重合を行うことができる。
前記重合方法としては、公知のラジカル重合開始剤を用いて、公知の方法で行うことができる。前記重合方法としては、例えば、原料単量体を、ラジカル重合開始剤を使用して不活性雰囲気下、60~120℃の反応温度で2~14時間反応させる重合方法が挙げられる。重合の際、必要に応じて、連鎖移動剤を用いてもよい。
溶液重合で用いられる溶媒としては、例えば、メチルセロソルブ、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルイソブチルケトン、酢酸n-ブチル、酢酸エチル、エチル3-エトキシプロピオネート等の有機溶媒が挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤としては、公知の化合物を使用でき、例えば、2,2-アゾビスイソブチロニトリル、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、ラウリルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルパーオキ-2-エチルヘキサノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;が挙げられる。
前記連鎖移動剤としては、公知の化合物を使用でき、例えば、n-ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類;α-メチルスチレンダイマー;ターピノーレン;が挙げられる。
<ポリマーの分子量>
前記ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定はされないが、粘着特性の点から、50,000以上が好ましく、80,000以上がより好ましい。また、前記ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、粘着力向上の点から、500,000以下が好ましく、450,000以下がより好ましい。
また、前記ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は、1.5以上15以下が好ましく、1.8以上10以下がより好ましい。Mw/Mnが前記範囲内であれば本発明の粘着剤の粘着力が良好となる。
ポリマーのMwおよびMnは、それぞれポリスチレン換算の質量平均分子量および数平均分子量であり、通常ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCとも称する。)の測定により求めることができる。
[電解液]
本発明の組成物は電解質を含有する。本発明における電解質は、電解質を含む電解液として用いることが好ましい。電解液は、電解質に加え、さらに有機溶媒を含んでもよい。
前記電解質としては、導電性を確保できる点から、イオン液体および電解質塩の少なくとも一方を含むことが好ましい。
電解液としては、イオン液体および電解質塩の少なくとも一方の電解質と、有機溶媒を含有することが好ましく、イオン液体、有機第四級アンモニウム塩および無機アルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種以上の電解質と、有機溶媒を含有することがさらに好ましい。
(イオン液体)
イオン液体とは、常温(25℃)において溶融状態にあるイオン性物質のことであり、カチオン種とアニオン種とを有する塩であれば特に限定されない。
カチオン種としては、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、四級アンモニウムカチオンピリジニウムカチオン、四級ホスホニウムカチオン、グアジニウムカチオン、イソウロニウムカチオン、チオウロニウムカチオン等が挙げられる。
イミダゾリウムカチオンとしては、例えば、1,3-ジメチルイミダゾリウムイオン、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-メチル-3-プロピルイミダゾリウムイオン、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-メチル-3-ペンチルイミダゾリウムイオン、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-ヘプチル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-メチル-3-オクチルイミダゾリウムイオン、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-ドデシル-3-メチルイミダゾリウムイオン、1-エチル-3-プロピルイミダゾリウムイオン、1-ブチル-3-エチルイミダゾリウムイオン等のジアルキルイミダゾリウムイオン;3-エチル-1,2-ジメチル-イミダゾリウムイオン、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムイオン、1-ブチル-2,3-ジメチルイミダゾリウムイオン、1,2-ジメチル-3-ヘキシルイミダゾリウムイオン、1,2-ジメチル-3-オクチルイミダゾリウムイオン、1-エチル-3,4-ジメチルイミダゾリウムイオン、1-イソプロピル-2,3-ジメチルイミダゾリウムイオン等のトリアルキルイミダゾリウムイオン等を挙げることができる。
ピロリジニウムカチオンとしては、例えば、N,N-ジメチルピロリジニウムイオン、N-エチル-N-メチルピロリジニウムイオン、N-メチル-N-プロピルピロリジニウムイオン、N-ブチル-N-メチルピロリジニウムイオン、N-エチル-N-ブチルピロリジニウムイオン、N-メチル-N-ペンチルピロリジニウムイオン、N-ヘキシル-N-メチルピロリジニウムイオン、N-メチル-N-オクチルピロリジニウムイオン、N-デシル-N-メチルピロリジニウムイオン、N-ドデシル-N-メチルピロリジニウムイオン、N-(2-メトキシエチル)-N-メチルピロリジニウムイオン、N-(2-エトキシエチル)-N-メチルピロリジニウムイオン、N-(2-プロポキシエチル)-N-メチルピロリジニウムイオン、N-(2-イソプロポキシエチル)-N-メチルピロリジニウムイオン等を挙げることができる。
ピペリジニウムカチオンとしては、例えば、N,N-ジメチルピペリジニウムイオン、N-エチル-N-メチルピペリジニウムイオン、N-メチル-N-プロピルピペリジニウムイオン、N-ブチル-N-メチルピペリジニウムイオン、N-メチル-N-ペンチルピペリジニウムイオン、N-ヘキシル-N-メチルピペリジニウムイオン、N-メチル-N-オクチルピペリジニウムイオン、N-デシル-N-メチルピペリジニウムイオン、N-ドデシル-N-メチルピペリジニウムイオン、N-(2-メトキシエチル)-N-メチルピペリジニウムイオン、N-(2-メトキシエチル)-N-エチルピペリジニウムイオン、N-(2-エトキシエチル)-N-メチルピペリジニウムイオン、N-メチル-N-(2-メトキシフェニル)ピペリジニウムイオン、N-メチル-N-(4-メトキシフェニル)ピペリジニウムイオン、N-エチル-N-(2-メトキシフェニル)ピペリジニウムイオン、N-エチル-N-(4-メトキシフェニル)ピペリジニウムイオン等を挙げることができる。
四級アンモニウムカチオンとしては、例えば、N,N,N,N-テトラメチルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルエチルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルプロピルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルブチルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルペンチルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルヘプチルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルオクチルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルデシルアンモニウムイオン、N,N,N-トリメチルドデシルアンモニウムイオン、N-エチル-N,N-ジメチルプロピルアンモニウムイオン、N-エチル-N,N-ジメチルブチルアンモニウムイオン、N-エチル-N,N-ジメチルヘキシルアンモニウムイオン、2-メトキシ-N,N,N-トリメチルエチルアンモニウムイオン、2-エトキシ-N,N,N-トリメチルエチルアンモニウムイオン、2-プロポキシ-N,N,N-トリメチルエチルアンモニウムイオン、N-(2-メトキシエチル)-N,N-ジメチルプロピルアンモニウムイオン、N-(2-メトキシエチル)-N,N-ジメチルブチルアンモニウムイオン等を挙げることができる。
また、対アニオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、BF 、BFCF 、BF 、PF 、NO 、CFCO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、(CFSO、(CSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、AlCl 、AlCl 等を用いることができる。中でも、水分に対する安定性、導電率の点では、パーフルオロアルキルイミド塩系が好ましく、特に導電率の点では、CFCO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、(CSO、(FSO、(CFSO)(FSO)Nがより好ましく、(CFSO、CSO、(FSO、(CFSO)(FSO)Nが特に好ましい。
これらの組み合わせにおいては、導電率の面でイミダゾリウム系イオン性液体が好ましく、より好ましくはエチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミド、ブチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミド、ブチルジメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホンイミド、エチルメチルイミダゾリウムビスフルオロスルホニルイミド等が挙げられ、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビスフルオロスルホニルイミドがさらに好ましい。
電解質としてイオン液体を用いる場合、電解液中のイオン液体の含有量としては、1質量%~99質量%が好ましく、3質量%~80質量%がより好ましく、5質量%~50質量%がさらに好ましい。なお、有機溶媒を用いずにイオン液体のみからなる電解液としてもよい。
(電解質塩)
電解質塩は、組成物中でイオンを与える塩であり、電池に用いられる公知の支持電解質塩を任意に用いることができる。好ましくは第四級アンモニウム塩またはアルカリ金属塩であり、さらに好ましくは、有機第四級アンモニウム塩または無機アルカリ金属塩である。
(有機第四級アンモニウム塩)
前記有機第四級アンモニウム塩としては、例えば、式(R)NX(式中Rは、同一または異なって、炭素数1~4のアルキル基、Xはハロゲン原子、ClO、BFまたはPF)で示される化合物、式[(R)N]Y(式中Rは、前記と同一、YはSO)で示される化合物が挙げられる。
Xがハロゲン原子の場合、例えば、テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムブロミドまたはアンモニウムクロリドが挙げられる。
XがBFの場合、例えば、テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
XがPFの場合、例えば、テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートが挙げられる。
XがClOの場合、例えば、テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムパークロレートが挙げられる。
YがSOの場合、例えば、テトラブチル、テトラプロピル、テトラエチル、テトラメチル、トリエチルブチル、トリエチルプロピル、トリエチルメチル等のアンモニウムサルフェートが挙げられる。
前記有機第四級アンモニウム塩は、1種のみ使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。また、以下で説明する無機アルカリ金属塩と組み合わせて使用してもよい。
(無機アルカリ金属塩)
前記無機アルカリ金属塩としては、例えば、LiCl、LiSO、LiBF、LiPF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCFが挙げられる。なお、これら例示は、リチウム塩であるが、ナトリウム塩やカリウム塩であってもよい。これら無機アルカリ金属塩は、1種のみ使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。
前記無機アルカリ金属塩のうち、電気剥離特性をより向上できる点から、LiN(SO2CF3)2が好ましい。
電解質として電解質塩を用いる場合、前記電解液の電解質塩の濃度は、0.01~3mol/Lが好ましく、0.1~2.0mol/Lがより好ましく、0.5~2.0mol/Lがさらに好ましい。前記濃度の範囲で電解質塩を含むことで、電圧印加時の剥離性の確保と、電圧の非印加時の粘着性の確保を高い次元で両立実現できる。
(有機溶媒)
前記電解液に含まれる有機溶媒としては、粘接着剤組成物およびその硬化物の電圧の印加後の剥離性と、電圧の印加前の粘着性を阻害しない有機溶媒であれば特に限定されない。前記有機溶剤としては、電圧印加後の粘接着剤層の剥離性をより向上できる点から、炭酸アルキレン、γ-ブチロラクトンおよびN-メチル-2-ピロリドンのうちの1種以上を含むことが好ましい。前記有機溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等のラクトン類;プロピオン酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸オクチル等の鎖状カルボン酸エステル;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、1,2-ジブトキシエタン;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド類が挙げられる。
前記有機溶媒は、1種のみ使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記有機溶媒としては、電圧印加時の剥離性をより向上できる点から、高い比誘電率を有する有機溶媒を使用することが好ましい。前記高い比誘電率を有する有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドンが挙げられる。
(ポリマーと電解液の使用割合)
前記ポリマーの使用量は、本発明の組成物100重量%に対して、50~95重量%が好ましく、65~90重量%がより好ましい。前記範囲で使用することで、電圧印加後の前記粘接着剤層の剥離性の確保と、電圧印加前の本発明の組成物または粘接着剤の粘接着性の確保を両立しやすくなる。
前記電解液の使用量は、本発明の組成物(固形分)100重量%に対して、5~100重量%が好ましく、20~80重量%がより好ましい。前記範囲で使用することで、電圧印加後の前記粘接着剤層の剥離性の確保と、電圧印加前の本発明の組成物または粘接着剤の粘接着性の確保を両立できる。
(他の成分)
本発明の組成物および粘接着剤は、粘接着剤に架橋剤を含有させることで、架橋させてもよい。前記架橋剤としては、例えば、トルエンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート等のイソシアネート系架橋剤が挙げられる。前記架橋剤の使用割合は、本発明の組成物または粘接着剤100重量%に対して、0.2重量%以上が好ましく、2~15重量%がより好ましい。前記架橋剤の使用割合が、前記範囲内であれば、架橋させることで、粘接着剤組成物を支持体上に層として形成した際に、層の耐クリープ性や耐せん断性を改良できる。
また、前記他の成分としては、特に制限されないが、具体例としては、例えば、有機溶媒、前記ポリマー以外のアクリル系ポリマーおよびその硬化物、エポキシ系ポリマーおよびその硬化物、セラミックス、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、珪藻土、カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛、銀や銅等の金属粉が挙げられる。
前記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール類;、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド;を挙げることができる。
本発明の組成物または粘接着剤における前記芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマーの含有量は、前記組成物または粘接着剤の全質量(有機溶媒を除く固形分換算)に対して、1~99質量%が好ましく、10~90質量%がより好ましい。前記ポリマーの含有量が、前記範囲内であれば、前記組成物または粘接着剤の粘着力が良好となる。
本発明の組成物または粘接着剤における電解質の含有量は、前記組成物または粘接着剤の全質量(有機溶媒を除く固形分換算)に対して、1~99質量%が好ましく、10~90質量%がより好ましい。前記電解質の含有量が、前記範囲内であれば、前記組成物または粘接着剤の粘接着力が良好となる。
本発明の組成物または粘接着剤における前記他の成分の含有量は、前記組成物または粘接着剤の全質量(有機溶媒を除く固形分換算)に対して、0~99質量%が好ましく、10~90質量%がより好ましい。前記他の成分の含有量が、前記範囲内であれば、前記組成物または粘接着剤の粘接着力が良好となる。
本発明の前記組成物または粘接着剤における前記有機溶媒の含有量は、前記組成物または粘接着剤の固形分濃度が、1~90質量%となるように調整することが好ましく、10~50質量%となるように調整することがより好ましい。
前記粘接着剤の固形分濃度が、前記範囲内であれば、前記組成物または粘接着剤の粘接着力が良好となる。
≪組成物の製造方法≫
本発明の前記組成物は、ポリマーと電解質と、必要に応じてその他の成分とを、公知の撹拌機を用いて撹拌することにより製造することができる。
≪硬化物≫
本発明の硬化物は、本発明の組成物および粘接着剤を硬化させて得られるものであることが好ましい。
本発明の硬化物は、前記の本発明の電気剥離性を有する組成物から形成される粘接着剤層(電解液を含有する粘接着剤層)を少なくとも1層有する限り特に制限されず、粘接着剤層以外に、例えば、絶縁性基材、導電性基材等の粘接着剤層以外の基材(電解液を含有しない基材)(以下、単に「基材」と称する場合がある)上に積層されていてもよい。前記基材は、1層のみ設けられていても、2層以上設けられていてもよい。本発明の硬化物は、被着体に貼付され、被着体と基材との間に位置することが好ましい。
前記基材としては、被着体から剥離する際に、前記基材に電圧印加を行える点から、導電性基材であることが好ましい。つまり、電圧印加を行える点から、前記基材は、導電性基材を有し、前記導電性基材の少なくとも一方の表面に前記第1の粘接着剤層を有する構成であることが好ましい。
前記導電性基材を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、銀、白金、金等の金属およびこれら金属の合金、スズドープ酸化インジウム等の金属酸化物が挙げられる。
本発明においては、前記金属等からなる導電シートを導電性基材として用いてもよいし、被着体の一方の面に前記金属等を蒸着させた金属蒸着体を導電性基材として用いてもよいし、被着体の一方の面にスプレー塗料等を吹き付けることにより金属等を付着せしめ形成させたものを導電性基材としてもよい。作業性の観点から、被着体の一方の面にスプレー塗料等を吹き付けることにより金属等を付着せしめ形成させたものを導電性基材とすることが好ましい。
樹脂フィルムに金属を蒸着させる場合は、電圧印加を行える点から、被着体の前記粘接着剤層と接する面に金属を蒸着させることが好ましい。金属の蒸着には、公知の真空蒸着法、例えば蒸着、スパッタ、イオンプレーティング等を用いることができる。
被着体として樹脂フィルムを用いる場合、例えば、ポリエステルフィルムを使用できる。樹脂フィルムは、公知の表面処理により、金属等を蒸着もしくは塗料で付着させる側の表面を改質してもよい。
前記粘接着剤層の粘接着力や取扱い性が良好となる点から、基材の厚さは、5~300μmが好ましく、10~150μmがより好ましく、20~100μmがさらに好ましい。
前記粘接着剤層の厚みは、用途等に応じて適宜調整されるが、5~100μmが好ましく、5~80μmがより好ましく、10~60μmがさらに好ましい。
前記粘接着剤層の厚みが5μm以上であれば、本発明の粘接着剤は、被着体の種類に依らずに、良好な粘接着力を発現させることができる。一方、前記粘接着剤層の厚みが100μm以下であれば、前記粘接着剤の生産性の面で利点があると共に、前記粘接着剤の取扱性の面でも良好となる。
電気剥離性材料の利便性が良好となる点から、前記粘接着剤およびその硬化物に12Vの電圧を25℃、120秒間通電した際の剥離強度が、通電前の剥離強度に対して15%以下の剥離強度であることが好ましく、10%以下の剥離強度であることがより好ましく、5%以下の剥離強度であることがさらに好ましい。
本発明の硬化物について、実施例に記載の方法で測定した剥離強度は、5N/26mm以上が好ましく、10~100N/26mmがより好ましく、20~80N/26mmがさらに好ましく、30~60N/26mmが特に好ましい。
本発明の硬化物について、実施例に記載の方法で電流を流した後に測定した剥離強度は、8N/26mm以下が好ましく、0~5N/26mmがより好ましく、0~3N/26mmがさらに好ましく、0~2N/26mmが特に好ましい。
前記芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマーによる粘接着剤の粘接着効果が良好となる点から、本発明の粘接着剤は、コンクリート被着体と金属との接着解体性を付与することができる粘接着剤であることが好ましい。
前記芳香環にヒドロキシ基を2個以上有する芳香族系単量体由来の構成単位を有するポリマーによる粘接着剤の粘接着効果が良好となる点から、本発明の粘接着剤は、コンクリートに混合し、金属との接着解体性を付与することができる粘接着剤であることが好ましい。
前記第1の粘接着剤層に欠陥があった場合、電流は前記第1の粘接着剤層を通らず、より電気抵抗の低い被着体金属間を通る。そのときの電流値は、欠陥がない場合より大きい。そのため、低電圧導電の際の電流値の大小から、粘接着剤の欠陥の有無を判断できる点から、本発明の粘接着剤は、低電圧導電によって粘接着剤の欠陥を検出できる機能を有する粘接着剤であることが好ましい。
具体的には、粘接着剤またはその硬化物に、3~30Vの電圧を10秒間~10分間導電して電流値を測定する。[測定された電流値]/[粘接着剤またはその硬化物に欠陥がない場合の電流値]>5の場合は、粘接着剤またはその硬化物に欠陥があると判断し、[測定された電流値]/[粘接着剤またはその硬化物に欠陥がない場合の電流値]≦5の場合は、粘接着剤またはその硬化物に欠陥がないと判断する。
本発明の粘接着剤またはその硬化物は、電気を流すことにより被着体から剥離できる電気剥離性を有する。硬化物を被着体から剥離するために、硬化物に電気を流す際の電圧は、3~30Vが好ましく、5~20Vがより好ましく、8~15Vがさらに好ましい。電気を流す時間は、10秒間~10分間が好ましく、30秒間~8分間がより好ましく、1~3分間がさらに好ましい。
本発明の粘接着剤またはその硬化物は、電気剥離性に加えてさらに、加熱することにより被着体から剥離できる熱剥離性を有していてもよいし有していなくてもよい。本発明の粘接着剤またはその硬化物は、電気剥離性に加えてさらに、紫外線を照射することにより被着体から剥離できる紫外線剥離性を有していてもよいし、有していなくてもよい。
被着体、粘接着剤層、および基材をこの順で備える接合体において、被着体および基材を直流電源の電極にそれぞれ繋ぎ、電圧12Vにて120秒間電流を流すことにより、被着体から粘接着剤層を剥離することができる。
本発明では、粘接着剤層は1層のみ設けられていても、2層以上設けられていてもよく、粘接着剤層同士の間に導電性基材をさらに備えてもよい。また、前記導電性基材は、前記被着体にスプレー塗料を吹き付けることにより形成されることが好ましい。
≪硬化物の製造方法≫
本発明の組成物又は粘接着剤を硬化させる方法としては、例えば、加熱が挙げられる。加熱は10℃~180℃の温度で10分間~10時間行うのが好ましい。
本発明の硬化物が粘接着剤層に積層されたものである場合、本発明の硬化物は、基材の上にヘラ等で塗布されたのち、硬化されることが好ましい。
また、本発明の組成物又は粘接着剤が、前記ポリマー以外のアクリル系ポリマーおよびその硬化物、エポキシ系ポリマーおよびその硬化物を含む場合、アクリル系ポリマーおよびその硬化物、並びにエポキシ系ポリマーおよびその硬化物を前記ポリマーと混合してから本発明の組成物または粘接着剤を硬化してもよく、前記ポリマー以外のアクリル系ポリマー並びにエポキシ系ポリマーを硬化させてから、本発明の組成物または粘接着剤を混合してもよい。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例における「部」は「質量部」を表す。表中、「-」はその成分を含まないことを表す。
<電解液(Z1)>
第四級アンモニウム塩の電解液として、1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を用いた。
<電解液(Z2)>
電解液として、イオン液体である1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビスフルオロスルホニルイミド(富士フィルム和光純薬(株)製)を用いた。
<電解液(Z3)>
イオン液体として1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビスフルオロスルホニルイミド(富士フィルム和光純薬(株)製)を用い、有機溶媒としてジエチレングリコールエチルメチルエーテル含有する(純正化学(株)製)を用い、電解液に対して前記イオン液体の含有量を50質量%とした。
<粘接着剤組成物の調製>
アクリル系ポリマー100重量部に、表2に示す量の前記電解液を添加し、常温で撹拌し、脱泡することで粘接着剤組成物を得た。
<180°剥離試験用サンプルの作製>
導電性基材としての銅箔(商品名:C1020P-0.05-A4、厚さ50μm)上に、アプリケーターを用いて粘接着剤組成物を塗装した。100℃で10分加熱して溶媒を除いた後、作製したサンプルを26mm幅に切り取り、180°剥離試験用のサンプルとした。
<被着体の前処理>
被着体としては、JIS Z 0237:2009 粘着テープ・粘着シート試験方法に基づき、SUS304(株式会社エンジニアリングテストサービス製)を使用した。175℃でSUS304を1時間熱した後、トルエン(富士フィルム和光純薬株式会社製)およびメチルエチルケトン(富士フィルム和光純薬株式会社製)で3回ずつ洗浄した。
<剥離強度の測定方法>
(初期接着力)
IMADA デジタルフォースゲージ ZTS-50Nを用いてJIS Z 0237:2009 粘着テープ・粘着シート試験方法に則ってSUS304を被着体として前記の180°剥離試験用サンプルに接合させて接合体を得た。得られた接合体について180°剥離試験を行うことで、初期接着力を測定した。
(電気剥離性)
前記と同様の方法によって接合体を作製し、接合体の被着体および導電性基材を直流電源の電極にそれぞれ繋ぎ電圧12Vにて120秒間電流を流した。その後、前記初期接着力の測定と同様の操作により、接合体について180°剥離試験を行うことで、電気剥離性を測定した。
[製造例1a]分散剤(1)の合成
撹拌機、冷却管および温度計を備えた反応装置中に、17質量%水酸化カリウム水溶液61.6部、メタクリル酸メチル(MMA)(三菱ケミカル(株)製、商品名:アクリエステルM)19.1部および脱イオン水19.3部を仕込んだ。次いで、反応装置内の液を室温にて撹拌し、発熱ピークを確認した後、更に4時間撹拌した。この後、反応装置中の反応液を室温まで冷却してメタクリル酸カリウム水溶液を得た。次いで、撹拌機、冷却管および温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水900部、42質量%メタクリル酸2-スルホエチルナトリウム水溶液(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリエステルSEM-Na)70部、上記のメタクリル酸カリウム水溶液16部およびアクリエステルM7部を入れて撹拌し、重合装置内を窒素置換しながら、反応装置内の液を50℃に昇温した。重合装置中に、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(和光純薬工業(株)製、商品名:V-50)0.053部を添加し、反応装置内の液を60℃に昇温した。重合開始剤投入後、15分毎にアクリエステルM1.4部を計5回、分割添加した。この後、重合装置内の液を撹拌しながら60℃で6時間保持した後、室温に冷却して、透明な水溶液である固形分8質量%の分散剤(1)を得た。
[製造例2a]連鎖移動剤(1)の合成
撹拌装置を備えた合成装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物(和光純薬(株)製、和光特級)2.00g(8.03mmol)およびジフェニルグリオキシム(東京化成(株)製、EPグレード)3.86g(16.1mmol)および予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル100mlを入れ、室温で2時間撹拌した。次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(東京化成(株)製、EPグレード)20mlを加え、更に6時間撹拌した。得られたものをろ過し、固体をジエチルエーテルで洗浄し、100Mpa以下で、20℃において12時間乾燥し、茶褐色固体の連鎖移動剤(1)5.02g(7.93mmol、収率99質量%)を得た。
[製造例3a]マクロモノマー(MM1)の合成
撹拌機、冷却管および温度計を備えた重合装置中に、脱イオン水145部、硫酸ナトリウム(NaSO)0.1部および製造例1aで製造した分散剤(1)(固形分10質量%)0.26部を入れて撹拌して、均一な水溶液とした。次に、アクリエステルM95部、アクリル酸メチル(和光純薬(株)製、和光特級)5部、製造例2aで製造した連鎖移動剤(1)0.004部および1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(日油(株)製、商品名:パーオクタO)0.4部を加え、水性分散液とした。この後、重合装置内を十分に窒素置換し、水性分散液を80℃に昇温してから4時間保持し、更に92℃に昇温して2時間保持した。その後、反応液を40℃に冷却して、ポリマーを含む水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を濾過布で濾過し、濾過物を脱イオン水で洗浄し、40℃で16時間乾燥して、マクロモノマー(MM1)を得た。このマクロモノマー(MM1)の数平均分子量は7200であった。
[製造例1b:単量体(b):(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル):略号CATE3の合成]
製造例1bにおける反応式を下記式(3)に記載した。
Figure 2024022549000004
式(3)中の略号は以下の通りである。
MsCl:メタンスルホニルクロリド
TEA:トリエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
NaHCO:炭酸水素ナトリウム
DMSO:ジメチルスルホキシド
「2-ヒドロキシエチルメタクリレートのメシル化」
回転子を入れた三つ口フラスコに滴下漏斗を取り付けた。フラスコ内に2-ヒドロキシエチルメタクリレート(95.0g、0.73mol)を入れ、テトラヒドロフラン(1000mL)に溶解させたうえで、トリエチルアミン(89.2g、0.88mol)を加えた。反応液を0℃に冷却した後、メタンスルホニルクロリド(101.5g、0.89mol)を滴下ロートに入れてゆっくりと滴下した。滴下後、反応液を25℃で16時間反応させた。
反応液に水(800mL)を加え、生成物を酢酸エチル(800mL×3回)で有機層に抽出した。酢酸エチル溶液は水(800mL)、ブライン(800mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。その後、硫酸ナトリウムを濾過後、濾過液中の溶媒をエバポレーターで除去し、2-メタンスルホニルエチルメタクリレート(黄色液体物、151.0g)を得た。
前記の黄色液体物のH-NMRによる分析結果は以下の通りである。
H-NMR(400MHz,CDCl3):δ=6.08(s、1H)、5.57-5.54(m、1H)、4.41-4.37(m、2H)、4.35-4.31(m、2H)、2.98(s、3H)、1.88(s、3H)
「3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル:略号CATE3)の合成」
回転子を入れた三つ口フラスコに没食子酸(36.0g、0.21mol)と炭酸水素ナトリウム(43.0g、0.51mol)を入れ、DMSO(300mL)を加えた。さらに、室温下で、前記の2-ヒドロキシエチルメタクリレートのメシル化で得られた2-メタンスルホニルエチルメタクリレート(36.7g、0.18mol)を加えた後、80℃で16時間反応させた。
反応液を室温に冷却し、水(300mL)と1N塩酸水溶液(70mL)を加え、生成物を酢酸エチル(400mL×3回)で有機層に抽出した。酢酸エチル溶液は水(400mL)、ブライン(500mL)の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水させた。その後、硫酸ナトリウムを濾過後、濾過液中の溶媒をエバポレーターで除去し、カラムクロマトグラフィー(充填剤:シリカゲル、溶媒:ヘキサン/酢酸エチル混合液)で精製し、さらに、酢酸エチル/n-ヘプタン=1/8(270mL)の溶液で再結晶化を行うことで、CATE3(白色固体、26.0g)を得た。
前記CATE3の白色固体物のH-NMRによる分析結果は以下の通りである。
H-NMR(400MHz,DMSO-d6):δ=9.22(s、3H)、6.94(s、2H)、6.05-6.02(m、1H)、5.71-5.67(m、1H)、4.46-4.36(m、4H)、1.87(t、3H)
[実施例1:ポリマー(X1)の合成および剥離強度の測定]
N-[2-[3,4-ジヒドロキシフェニル]エチル]アクリルアミド(以下、「DOPA」と略記する。)(大阪有機化学工業株式会社製)3部をメチルセロソルブ(富士フィルム和光純薬株式会社製)45部および酢酸ブチル(富士フィルム和光純薬社製)74部に溶解させた。2-メトキシエチルアクリレート(以下、「MEA」と略記する。)(大阪有機化学工業株式会社製)78部、製造例3aで製造したマクロモノマー(MM1)19部をさらに加えて窒素バブリングにより内部を窒素置換した。次いで、単量体組成物を加温して内温を80℃に保った状態で、ラジカル重合開始剤として、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(富士フィルム和光純薬株式会社製、和光特級)0.2部を酢酸ブチル31部に溶かして単量体組成物に加えた後、5時間保持し、重合を完結させて、液状のポリマー(X1)を製造した。ポリマーの組成を表1に示す。
得られたポリマー(X1)および電解液(Z1)である1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を含む粘着剤組成物を表2に記載の組成となるように調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後の剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例2:ポリマー(X2)の合成および剥離強度の測定]
原料単量体の種類および使用量を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様の操作を行って、液状のポリマー(X2)を製造した。
得られたポリマー(X2)および電解液(Z1)である1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を含む粘着剤組成物を表2に記載の組成となるように調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後で剥離強度の測定を行った。結果を表1に示す。
[実施例3:ポリマー(X3)の合成および剥離強度の測定]
原料単量体の種類および使用量を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様の操作を行って、液状のポリマー(X3)を製造した。
得られたポリマー(X3)および電解液(Z1)である1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を含む粘着剤組成物を表2に記載の組成となるように調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後で剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例4:ポリマー(X4)の合成および剥離強度の測定]
原料単量体の種類および使用量を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様の操作を行って、液状のポリマー(X4)を製造した。
得られたポリマー(X4)および電解液(Z1)である1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を含む粘着剤組成物を表2に記載の組成となるように調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後で剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例5:ポリマー(X5)の合成および剥離強度の測定]
原料単量体の種類および使用量を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様の操作を行って、液状のポリマー(X5)を製造した。
得られたポリマー(X5)および電解液(Z1)である1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を含む粘着剤組成物を表2に記載の組成となるように調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後で剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例6:ポリマー(X6)の合成および剥離強度の測定]
原料単量体の種類および使用量を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様の操作を行って、液状のポリマー(X6)を製造した。
得られたポリマー(X6)および電解液(Z1)である1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を含む粘着剤組成物を表2に記載の組成となるように調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後で剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
[実施例7~9:剥離強度の測定]
実施例3で使用したポリマー(X3)100重量部に、表2で示す種類と量の電解液を添加し、常温で撹拌し、脱泡することで粘接着剤組成物を得た。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後の剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例1:ポリマー(Y1)の合成および剥離強度の測定]
原料単量体の種類および使用量を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様の操作を行って、液状のポリマー(Y1)を製造した。ポリマーの組成を表1に示す。
得られたポリマー(Y1)および電解液(Z1)である1.0M(mol/l)のテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液(PC)(富士フィルム和光純薬(株)製)を含む粘着剤組成物を表2に記載の組成となるように調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後で剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例2:剥離強度の測定]
実施例1で製造した液状のポリマー(X1)100質量部を含み、電解液を含まない粘着剤組成物を調製した。前記粘着剤組成物から作成した剥離試験用サンプルについて導電前および導電後で剥離強度の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2024022549000005
MM1:製造例3aで製造したマクロモノマー
DOPA:N-[2-[3,4-ジヒドロキシフェニル]エチル]アクリルアミド
CATE3:3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル
MEA:2-メトキシエチルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
2HEA:2-メトキシエチルアクリレート
Figure 2024022549000006
ポリマー(X1)~(X6)および電解質(Z1)~(Z3)を使用した実施例1~9、はいずれも、初期接着力に優れ、且つ電気剥離性が良好であった。
これに対して、電解質を使用したが、ヒドロキシ基含有芳香族単量体(b)を用いていない比較ポリマー(Y1)を使用した比較例1は、導電後の接着力が初期接着力を上回り、電気剥離性が見られなかった。
また、ポリマー(X1)を使用したが、電解質を用いていない比較例2は、初期接着力に優れるが、導電後の接着力も大きいままであり、電気剥離性が見られなかった。
[実施例10:剥離強度の測定]
ポリエチレンテレフタラートの樹脂フィルム(三菱ケミカル社製:商品名ダイアホイル)を被着体とし、被着体の表面に導電性塗料をスプレーにより吹き付けることで面積609cm(210mm×290mm)、厚み約60μmの導電性基材を形成した。なお、導電性塗料として、銀粒子および銅粒子とアクリル樹脂を含有するもの(プラスコート社製 PCS-S2117)を用いた。
前記ポリマー(X3)100重量部に対し、電解液(Z1)を40重量部添加し、常温で撹拌し、脱泡することで粘接着剤組成物を得た。
<180°剥離試験用サンプルの作製>
前記導電性基材上に、アプリケーターを用いて粘接着剤組成物を塗装した。100℃で10分加熱して溶媒を除いた後、作製したサンプルを26mm幅に切り取り、180°剥離試験用のサンプルとした。また、粘接着剤から形成される層の厚みは100~150μmの範囲内であった。この剥離試験用サンプルについて導電前および導電後の剥離強度の測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 2024022549000007
被着体と粘接着剤層の間に導電性基材を備えた接合体であり、粘接着剤層を形成する粘接着剤組成物にポリマー(X3)および電解質(Z1)を用いた実施例11は、初期接着力に優れ、且つ電気剥離性が良好であった。

Claims (22)

  1. ポリマーおよび電解質を含む組成物であって、
    前記ポリマーが、ヒドロキシ基を2個以上有する芳香環を含む芳香族系単量体由来の構成単位を有する、組成物。
  2. 前記ポリマーの全重量に対する、前記芳香族系単量体由来の構成単位の重量割合が0.5~90重量%である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記芳香族系単量体が、芳香環にヒドロキシ基を2~4個有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記芳香族系単量体が、芳香環にヒドロキシ基を2個または3個有する、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記芳香族系単量体が、ドーパミンアクリルアミドおよび3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸2-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチルのうちの1種以上である、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記ポリマーが、アルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を有する、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記ポリマーが、メチルメタクリレート由来の構成単位を有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記ポリマーがマクロモノマー由来の構成単位を有する、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記電解質と有機溶媒とを含む電解液を含み、前記電解質が、イオン液体、有機第四級アンモニウム塩および無機アルカリ金属塩から選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記電解質が、炭酸アルキレン、γ-ブチロラクトンおよびN-メチル-2-ピロリドンのうちの1種以上を含む、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記電解質が、第4級アンモニウム塩およびアルカリ金属塩のうちの1種以上を含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の組成物を含む、粘接着剤。
  13. 請求項12に記載の粘接着剤から形成される硬化物。
  14. 前記粘接着剤から形成される層の厚みが5μm~100μmである請求項12に記載の粘接着剤。
  15. 前記粘接着剤およびその硬化物に12Vの電圧を25℃、120秒間通電した際の剥離強度が、通電前の剥離強度に対して15%以下の剥離強度である、請求項12に記載の粘接着剤。
  16. コンクリート被着体に塗布することで、コンクリートに金属との接着解体性を付与する請求項12に記載の粘接着剤。
  17. コンクリート用添加剤として使用することで、コンクリートに金属との接着解体性を付与する請求項12に記載の粘接着剤。
  18. 低電圧導電によって粘接着剤の欠陥を検出できる機能を有する請求項12に記載の粘接着剤。
  19. 被着体、粘接着剤層、および基材をこの順で備える接合体であって、
    前記粘接着剤層中にポリマーおよび電解質を含み、
    前記ポリマーが、ヒドロキシ基を2個以上有する芳香環を含む芳香族系単量体由来の構成単位を有することを特徴とする、接合体。
  20. 前記粘接着剤層を二層以上備える、請求項19に記載の接合体。
  21. 前記粘接着剤層を二層以上備え、粘接着剤層の間に導電性基材を備える、請求項19に記載の接合体。
  22. 前記導電性基材がスプレー塗料を吹き付けることにより形成される、請求項21に記載の接合体。
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