JP2024021730A - 光学装置、及び制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な構成で装置の2つの面から被検体を走査することで計測範囲の拡大を可能とする光学装置を提供する。【解決手段】光学装置であって、発光素子からの光を反射させる複数の反射面を備え、回転することで被検物を第1の方向に走査する回転体と、回転体からの光を反射させる反射面を備え、揺動することで被検物を第2の方向に走査する揺動体62と、回転体及び揺動体を収納するカバー部材2と、カバー部材の互いに異なる位置に設けられた第1及び第2の開口部12a,12bと、第1及び第2の開口部に配置される第1及び第2の光学素子7a,7bと、揺動体62を回転させることで、光が第1の光学素子を通過する第1の光路と、光が第2の光学素子を通過する第2の光路と、を切り換える制御部と、を有することを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、光学装置、及び制御システムに関する。
近年、交通インフラを計測するために、ガルバノミラーとポリゴンミラーを駆動させ、レーザ光を用いた光学装置として、レーザレーダ装置、所謂LIDAR(Light Detection And Ranging)が提案されている。
例えば、特許文献1では、LIDAR装置は、光源から照射されたレーザ光をまずポリゴンミラーに当て水平方向に偏向させる。水平方向に偏向したレーザ光をガルバノミラーに当て、今度は鉛直方向に偏向させる。水平及び鉛直方向に偏向されたレーザ光が被測定物に照射され、その反射光を再度ガルバノミラーとポリゴンミラーで反射させ、受光素子で検出させる。このような構成が一般的に知られている。
しかしながら、上記した特許文献1では、装置の片側一面からのレーザ照射しかできない構成のため、非常に狭い範囲しか測距することができないという問題があった。
そこで、本発明では、安価な構成で装置の2つの面から被検体を走査することで計測範囲の拡大を可能とする光学装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての光学装置は、発光素子からの光を反射させる複数の反射面を備え、回転することで被検物を第1の方向に走査する回転体と、回転体からの光を反射させる反射面を備え、揺動することで被検物を第2の方向に走査する揺動体と、回転体及び揺動体を収納するカバー部材と、カバー部材の互いに異なる位置に設けられた第1及び第2の開口部と、第1及び第2の開口部に配置される第1及び第2の光学素子と、揺動体を回転させることで、光が第1の光学素子を通過する第1の光路と、光が第2の光学素子を通過する第2の光路と、を切り換える制御部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、安価な構成で装置の2つの面から被検体を走査することで計測範囲の拡大をすることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<実施例1>
以下、図を参照して、本発明の光学装置1について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る光学装置1の構成を示す一例の図である。以下に、図1を参照して本実施例に係る光学装置1の構成について説明する。本実施例に係る光学装置1は、レーザ光の発光(照射)から受光までの時間差を用いて、被検体までの距離を測距するTOF(Time OF Fright)方式を採用しているLiDAR装置(測距装置)として説明する。
以下、図を参照して、本発明の光学装置1について説明する。図1は、本発明の実施例1に係る光学装置1の構成を示す一例の図である。以下に、図1を参照して本実施例に係る光学装置1の構成について説明する。本実施例に係る光学装置1は、レーザ光の発光(照射)から受光までの時間差を用いて、被検体までの距離を測距するTOF(Time OF Fright)方式を採用しているLiDAR装置(測距装置)として説明する。
本実施例の光学装置1は、カバー部材2、発光素子3、受光素子4、回転ユニット5、揺動ユニット6、光学素子7、制御部(不図示)、を含むように構成される。尚、本実施例の光学装置1は、少なくともカバー部材2と回転ユニット5と揺動ユニット6と光学素子7と制御部が含まれていればよい。
カバー部材2は、光学装置1全体を覆うように構成される外装部材として機能する。本実施例の光学装置1は、屋外に設置されることを想定している。本実施例のカバー部材2は、雨や雪、風などに対する防水や防塵機能を有しているため、光学装置1を屋外等の環境で配置しても、光学装置1の内部に水やゴミ等が侵入を抑制することができる。また、カバー部材2は、発光素子3、受光素子4、回転ユニット5、揺動ユニット6、制御部を収納するように構成される。
発光素子3は、レーザ光を発光する照射部として機能する。受光素子4は、発光素子3から発光され、被検体で反射した反射光(レーザ光)を検知する。
回転ユニット5は、回転体モータ51と、回転体(回転ミラー)52と、回転体センサ53とを含むように構成される。回転体モータ51は、回転体52を回転駆動させる駆動機構(駆動部)として構成される。回転体52は、複数の反射面を備えるミラーとして構成される。本実施例では、回転体52は、図1に例示しているように4つの反射面を有するように構成されるが、反射面は4つに限らず、4つ以上または4つ以下であってもよい。回転体センサ53は、回転体52の回転速度等を計測する計測部として機能する。
光学装置1が所望の範囲を測距するために、回転体モータ51によって回転駆動する回転体52に発光素子3からのレーザ光を反射させることによって、レーザ光を水平方向(第1の方向)に偏向させている。これにより、測距エリア(計測エリア)にある被検物を水平方向にスキャン(走査)することができる。回転ユニット5では、回転体センサ53にて検知した回転体52の回転速度を検出値として取得し、この検出値を回転体モータ51への出力にフィードバックすることで、回転体52の回転速度を制御している。
揺動ユニット6は、揺動体モータ61と、揺動体(揺動ミラー)62と、揺動体センサ63とを含むように構成される。揺動体モータ61は、揺動体62を揺動駆動させる駆動機構(駆動部)として構成される。揺動体62は、反射面を備えるミラーとして構成される。揺動体センサ63は、揺動体62の角度を検知する検知部として機能する。
光学装置1が所望の範囲を測距するために、回転体52で水平後方に偏向されたレーザ光を、揺動体モータ61によって揺動駆動する揺動体62に反射させることによって、レーザ光を鉛直方向(第2の方向)に偏向させている。これにより、計測範囲にある被検物を鉛直方向にスキャン(走査)することができる。このように、本実施例では、回転体52と揺動体62によって、所望の画角で測距エリアをスキャンすることができる。
後述する制御部は、揺動体モータ61の回転方向と揺動体センサ63の検知状況に応じて、揺動体62の角度を制御する。また、揺動体センサ63以外にも揺動体62の位置を検出するものとして、モータ等に接続することができるエンコーダ(不図示)がある。当該エンコーダは、モータの回転量を検知することができる。このエンコーダで相対的な揺動体62の位置を検出し、揺動体センサ63で絶対的な位置を検出することができる。そのため、当該エンコーダと揺動体センサ63とを組み合わせることで、揺動体62の正確な位置を常時検出することが可能となるため、エンコーダも光学装置1に配置しておくことが好ましい。
レーザ光を水平方向に偏向させる回転体52の駆動と、レーザ光を鉛直方向に偏向させる揺動体62の駆動は、発光素子3から照射されるレーザ光のレーザ発光周波数に同期させる。即ち、本実施例では、回転体52の駆動と、揺動体62の駆動に同期してレーザ光を所定の周波数(レーザ発光周波数)でオンオフさせている。このような設定とすることで、所望のエリアにおける測距と画角、フレームレートを実現できる。
制御部(不図示)は、CPUやメモリ(記憶部)などを含み、少なくとも1つのコンピュータで構成される。制御部は、光学装置1の各構成要素に回線を介して接続される。また、制御部は、メモリに格納されたプログラムに従って、光学装置1全体の各構成要素を統括的に制御することができる。
以上のように、制御部により制御された発光素子3から照射されたレーザ光は、回転ユニット5の回転体52と揺動ユニット6の揺動体62で反射されることでレーザ光の照射方向が変更され、レーザ光の照射領域にある被検体で反射される。被検体で反射された反射光(反射されたレーザ光)は、回転体52と揺動体62で反射されることで反射光の方向を変更し、受光素子4に導光されることで、受光素子4は反射光を検知する。これにより、被検体までの距離を測定することができる。
図2は、本実施例に係る光学装置1の内部を側面側から見た一例の図である。図2(A)は、装置前面13側を測距している様子を示す一例の図である。図2(B)は、装置背面14側を測距している様子を示す一例の図である。図2(A)と図2(B)に示すように、本実施例における揺動体62は、装置前面13側と装置背面14側の2つの測距エリアをスキャンすることが可能となるように配置されている。
光学装置1から被検体に対し、レーザ光を照射させるため、カバー部材2にはレーザ光を通過させるための開口部12が設けられる。開口部12は、少なくとも装置前面13と装置背面14のそれぞれに設けられている。本実施例では、装置前面13側に設けられる開口部を第1の開口部12aとし、装置背面14側に設けられる開口部を第2の開口部12bとする。開口部12と記載する際は、第1の開口部12aと第2の開口部12bとを含んでいるものとする。第1の開口部12aと第2の開口部12bは揺動体62を挟んでそれぞれ対向するように設けられる。尚、開口部12は、本実施例では2つ設けられているが、2つに限らず3つ以上設けるようにしてもよい。
また、開口部12をレーザ光が出入り可能にするため、第1の開口部12aと第2の開口部12bには、レーザ光が透過可能で防水、防塵機能を有する光学素子7がそれぞれ設置されている。本実施例では、第1の開口部12aに配置される光学素子を第1の光学素子7aとし、第2の開口部12b側に配置される光学素子を第2の光学素子7bとする。尚、光学素子7と記載する際には、第1の光学素子7aと第2の光学素子7bとを含んでいるものとする。第1の光学素子7aと第2の光学素子7bは揺動体62を挟んでそれぞれ対向するように配置される。
本実施例では、カバー部材2と光学素子7の間にはOリング等の弾性部材が配置される。当該Oリングが配置された状態でカバー部材2と光学素子7とを固定することで、開口部12と光学素子7との間に隙間を生じさせず、光学装置1を略密閉構造とするようにしている。
光学素子7は、光学素子7での反射光が、受光素子4へ入射することを防ぐために、光軸に対して、垂直配置(鉛直配置)ではなく、垂直配置より傾けられた角度で設置されている。また、装置前面13における測距と装置背面14における測距の測距エリアの変更時には、揺動体62が反転駆動するため、光学素子7は少なくとも揺動体62回転時に干渉しないように開口部12に配置される。具体的には、光学素子7は、光学素子7の揺動体62側の面から揺動体の回転軸(揺動軸)中心64までの距離が揺動体62の揺動軸に垂直な断面における反射面の長さの半値65以上になるように配置される。即ち、揺動体62と光学素子7とは、揺動体62の揺動軸及び光学素子7の中心を通る軸上(光軸上)における距離が、揺動体62の揺動軸に対して、揺動体62の揺動軸に垂直な断面における反射面の長さの半値以上離れるように配置される。このような配置とすることで、揺動体62の反転駆動における回転時に揺動体62は光学素子7に接触しない。
図3は、装置前面13側と装置背面14側をスキャンする際の光学装置1における駆動処理を示したフローチャートである。図4は、図3で示した駆動処理の様子を示した一例の図である。即ち、図4では、光学装置1における測距エリアにおける駆動モード(第2の駆動モード)と測距エリア切り換え時における駆動モード(第1の駆動モード)で動作する光学装置1を示している。
図4(A)~(C)は、装置背面14側の測距エリアをスキャン駆動している様子を示す図である。図4(C)~(D)は、測距エリアの切換え駆動をしている様子を示す図である。ここで、図4(C)~(D)では、図4(A)~(C)の装置背面14側の測距エリアと、図4(D)~(F)の装置前面13側の測距エリアという反転した測距エリアを切換えるための駆動を行っている様子を例示している。図4(D)~(F)では、装置前面13側の測距エリアをスキャン駆動している様子を示す図である。ここで、本実施例における光学装置1は、図4を例にすると、図4(A)~(C)と、図4(D)~(F)の間の駆動モードは、第2の駆動モードとなり、図4(C)~(D)の間は第1の駆動モードになる。尚、第1の駆動モードと第2の駆動モードは制御部によって実行可能とされる。
以下に、図3を参照して、本実施例の光学装置1における装置前面13側と装置背面14側をスキャンする際の駆動処理を説明する。尚、図3のフローチャートで示す各動作(処理)は、制御部がコンピュータプログラムを実行することによって制御される。尚、ステップS101の開始前、具体的には開始直前に光学装置1の電源がオンされたとして説明する。さらに、スキャンは装置背面14側から開始するものとして説明する。
まず、ステップS101で、制御部は、回転ユニット5を制御し、現在の回転体52の回転位置を回転体センサ53によって認識させ、駆動するためのスタート位置(原点位置)へ移動させる。さらに、制御部は、揺動体62を制御し、現在の揺動体62の位置を揺動体センサ63によって認識させ、駆動するためのスタート位置(原点位置)へ移動させる。この際、揺動体62はこれからスキャンを開始するエリアではない位置に反射面があった場合、所望の測距エリアへ切換え駆動を行う。
次に、ステップS102で、制御部は、発光素子3を制御し、発光素子3からレーザ光を照射させ、当該レーザ光を回転体52と揺動体62で反射させることで装置背面14側の測距エリアをスキャンする。ここで、装置背面14側の測距エリアのスキャンを開始する際には、回転体52が所望の回転速度になるように、回転駆動を開始する。揺動体62は、所望の鉛直画角(垂直画角)内において、揺動駆動を開始する。回転体52と揺動体62の駆動が安定したことが確認されると、回転体52の回転速度と揺動体62の揺動速度と同期したレーザ発光周波数で発光素子3からレーザが照射され、測距エリア内の被検物を走査し、被検物までの距離を測定する(第2の駆動モード)。
次に、ステップS103で、制御部は、揺動体62を装置背面14側の測距エリアから装置前面13側の測距エリアとなるように、揺動体62を回転駆動させ、測距エリアを切り換える。具体的には、装置背面14側におけるスキャン駆動が完了後、発光素子3からレーザ光の照射を停止する。レーザ光を停止させたら、揺動体62を回転駆動させることで、装置背面14側の測距エリアから装置前面13側の測距エリアへと切り換える(第1の駆動モード)。測距エリアの切り換えに伴い、揺動体62の反射面も切り換わるため、第1の光学素子7aと第2の光学素子7bとを通過する際におけるレーザ光の光路も切り換わる。ステップS103の場合、揺動体62を回転駆動させることで、第2の光学素子7bを通過していたレーザ光の光路(第2の光路)を、第1の光学素子7aを通過する光路(第1の光路)に切り換えることができる。
このように、ステップS103では、第2の駆動モードから第1の駆動モードに切り換わる。尚、揺動体62が回転駆動をする際には、レーザ光は上記のように照射を停止することが好ましいが、レーザ光が照射されている状態で揺動体62は回転駆動を行ってもよい。
尚、制御部は、揺動体62が回転駆動を開始する前に、回転体52の回転駆動を停止するか、回転速度を低下させエージング駆動にする。また、制御部は、揺動体62の揺動駆動を停止する。制御部は、揺動体62の揺動駆動を停止させたことを揺動体センサ63により検知した後に、回転体52の反射面を装置背面14側から装置前面13側となるように回転させる。ここで、揺動体62を回転駆動させる際の検知方法は、さまざまな手法が考えられるが、ここでは揺動体センサ63として透過型のフォトセンサを使用した場合を考える。
例えば、図4(A)~(C)の間と、図4(D)~(F)の間は、それぞれフォトセンサへの光が透光、図4(C)~(D)の間はフォトセンサへの光が遮光されるように遮光板を配置することで、揺動体62の位置を検知することが可能となる。尚、透光と遮光の関係は、上記の逆の構成であっても構わない。
また、揺動体センサ63以外にも揺動体62の位置を検出するものとして、モータ等に接続することができるエンコーダ(不図示)がある。エンコーダは、モータの回転量を検知することができる。このエンコーダで相対的な揺動体62の位置を検出し、揺動体センサ63で絶対的な位置を検出することができるので、両者を組み合わせることで、揺動体62の正確な絶対位置を常時検出することが可能となる。
次に、ステップS104で、制御部は、発光素子3を制御し、発光素子3からレーザ光の照射を再開させ、当該レーザ光を回転体52と揺動体62で反射させることで装置前面13側の測距エリアをスキャンする。測距エリアの切換え駆動が完了後、尚、ステップS104では、装置背面14側の測距エリアのスキャンを行うステップS101と同様に、回転体52が所望の回転速度になるように、回転駆動を開始する。揺動体62は、所望の垂直画角内において、揺動駆動を開始する。回転体52と揺動体62の駆動が安定したことが確認されると、回転体52の回転速度と揺動体62の揺動速度と同期したレーザ発光周波数で発光素子3からレーザが照射され、測距エリア内の被検物を走査し、被検物までの距離を測定する(第2の駆動モード)。このように、ステップS104では、第1の駆動モードから第2の駆動モードに切り換わる。
次に、ステップS105で、制御部は、揺動体62を装置前面13側の測距エリアから装置背面14側の測距エリアとなるように、揺動体62を回転駆動させ、測距エリアを切り換える。具体的には、装置前面13側におけるスキャン駆動が完了後、発光素子3からレーザ光の照射を停止する。レーザ光を停止させたら、揺動体62を回転駆動させることで装置前面13側の測距エリアから装置背面14側の測距エリアへと切り換える(第1の駆動モード)。測距エリアの切り換えに伴い、揺動体62の反射面も切り換わるため、第1の光学素子7aと第2の光学素子7bとを通過する際におけるレーザ光の光路も切り換わる。ステップS105の場合、揺動体62を回転駆動させることで、第1の光学素子7aを通過していたレーザ光の光路(第1の光路)を、第2の光学素子7bを通過する光路(第2の光路)に切り換えることができる。このように、ステップS105では、第2の駆動モードから第1の駆動モードに切り換わる。
次に、ステップS106で、制御部は、処理を終了するか否か判定する。判定の結果処理を終了する場合は、本処理を終了する。一方、処理を終了しない場合は、ステップS102に戻り、ステップS102からS105までの処理を行う。本処理を終了しない限り、本実施例の光学装置1は、装置前面13側と装置背面14側の測距エリアを交互にスキャン駆動することができる。尚、処理の終了は制御部が処理の終了を示す制御信号等を受信した場合や光学装置1の電源をオフにする信号を受信した場合等に処理を終了する。
このように、本実施例の光学装置1では、第1の駆動モードでは、第1の光路と第2の光路とを切換え、第2の駆動モードでは、第1の光路上の被検物又は第2の光路上の被検物を走査することができる。
また、光学装置1におけるスキャン駆動は必ずしも交互でなくてもよく、例えばいずれかの方向の測距エリアでスキャン駆動を2回行い、もう一方の測距エリアでスキャン駆動を1回行う等、スキャン駆動における動作を予め設定するようにしてもよい。また、ステップS105とステップS106の処理順序を逆にして処理を実施してもよい。
以上のように、本実施例の光学装置1では、開口部12と光学素子7とを2つ設け、揺動体62を回転駆動させることで、上記した第1の光路側と第2の光路側の2つの方向(装置前面13側と装置背面14側)における各被検体を走査すること可能になる。これにより、安価な構成で測距エリアの拡大を可能とする光学装置を提供することができる。
<実施例2>
図5は、上記の実施例に係る光学装置1及びそれを備える車載システム(運転支援装置)1000の構成図である。車載システム1000は、自動車(車両)等の移動可能な移動体(移動装置)により保持され、光学装置1により取得した車両の周囲の障害物や歩行者などの対象物の距離情報に基づいて、車両500の運転(操縦)を支援するための制御システムである。図6は、車載システム1000を含む移動装置としての車両500の模式図である。図6においては、光学装置1の測距範囲(検出範囲)を車両500の前方に設定した場合を示しているが、測距範囲を車両500の後方や側方などに設定してもよい。
図5は、上記の実施例に係る光学装置1及びそれを備える車載システム(運転支援装置)1000の構成図である。車載システム1000は、自動車(車両)等の移動可能な移動体(移動装置)により保持され、光学装置1により取得した車両の周囲の障害物や歩行者などの対象物の距離情報に基づいて、車両500の運転(操縦)を支援するための制御システムである。図6は、車載システム1000を含む移動装置としての車両500の模式図である。図6においては、光学装置1の測距範囲(検出範囲)を車両500の前方に設定した場合を示しているが、測距範囲を車両500の後方や側方などに設定してもよい。
図5に示すように、車載システム1000は、光学装置1と、車両情報取得装置200と、制御装置(制御部、ECU:エレクトロニックコントロールユニット)300と、警告装置(警告部)400とを備える。車載システム1000において、光学装置1が備える制御部(不図示)は、距離取得部(取得部)及び衝突判定部(判定部)としての機能を有する。ただし、必要に応じて、車載システム1000において制御部とは別体の距離取得部や衝突判定部を設けてもよく、夫々を光学装置1の外部(例えば車両500の内部)に設けてもよい。あるいは、制御装置300を制御部として用いてもよい。
図7は、実施例3に係る車載システム1000の動作例を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って車載システム1000の動作を説明する。
まず、ステップS1では、光学装置1の発光素子3(光源形成部)からの光(レーザ光、照明光)により車両500の周囲の対象物(被検物)を照明し、対象物からの反射光を受光する。制御部は、反射光を受光することで受光素子4が出力する信号に基づいて、対象物の距離情報を取得する。この時、距離取得部は、受光素子からの信号に基づき物体の距離情報を取得する距離情報取得手段として機能する。ここで、距離情報は、移動装置(車両500)から物体までの距離に関する情報であればよく、距離そのものでなくてもよい。また、ステップS2では、車両情報取得装置200により車両500の車速、ヨーレート、舵角などを含む車両情報の取得を行う。そして、ステップS3では、制御部によって、ステップS1で取得された距離情報やステップS2で取得された車両情報を用いて、対象物までの距離が予め設定された設定距離の範囲内に含まれるか否かの判定を行う。
これにより、車両500の周囲の設定距離内に対象物が存在するか否かを判定し、車両500と対象物との衝突可能性を判定することができる。なお、ステップS1及びS2は、上記の順番とは逆の順番で行われてもよいし、互いに並列して処理を行われてもよい。制御部は、設定距離内に対象物が存在する場合は「衝突可能性あり」と判定し(ステップS4)、設定距離内に対象物が存在しない場合は「衝突可能性なし」と判定する(ステップS5)。
次に、制御部は、「衝突可能性あり」と判定した場合、その判定結果を制御装置300や警告装置400に対して通知(送信)する。このとき、制御装置300は制御部での判定結果に基づいて車両500を制御し(ステップS6)、警告装置400は制御部での判定結果に基づいて車両500のユーザ(運転者、搭乗者)への警告を行う(ステップS7)。この時、警告装置400は、物体の距離情報に応じて警告を行う警告手段として機能する。なお、判定結果の通知は、制御装置300及び警告装置400の少なくとも一方に対して行えばよい。
制御装置300は、車両500の駆動部(エンジンやモータなど)に対して制御信号を出力することで、車両500の駆動及び移動を制御することができる制御手段として機能する。制御装置300は、例えば、車両500においてブレーキをかける、アクセルを戻す、ハンドルを切る、各輪に制動力を発生させる制御信号を生成してエンジンやモータの出力を抑制するなどの制御を行う。また、警告装置400は、ユーザに対して、例えば警告音を発する、カーナビゲーションシステムなどの画面に警告情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどの警告を行う。
以上、実施例2に係る車載システム1000によれば、上記の処理により対象物の検出及び測距を行うことができ、車両500と対象物との衝突を回避することが可能になる。特に、上記した実施例に係る光学装置1を車載システム1000に適用することで、高い測距精度を実現することができるため、対象物の検出及び衝突判定を高精度に行うことが可能になる。
なお、実施例2では、車載システム1000を運転支援(衝突被害軽減)に適用したが、これに限らず、車載システム1000をクルーズコントロール(全車速追従機能付を含む)や自動運転などに適用してもよい。また、車載システム1000は、自動車等の車両に限らず、例えば船舶や航空機、産業用ロボットなどの移動体に適用することができる。また、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)や監視システム等の物体認識を利用する種々の機器に適用することができる。
また、車載システム1000や車両500は、万が一、車両500が障害物に衝突した場合に、その旨を車載システムの製造元(メーカ)や移動装置の販売元(ディーラ)などに通知するための通知装置(通知部)を備えていてもよい。例えば、通知装置としては、車両500と障害物との衝突に関する情報(衝突情報)を予め設定された外部の通知先に対して電子メールなどによって送信するもの採用することができる。
このように、通知装置によって衝突情報を自動通知する構成を採ることにより、衝突が生じた後に点検や修理などの対応を速やかに行うことができる。なお、衝突情報の通知先は、保険会社、医療機関、警察などや、ユーザが設定した任意のものであってもよい。また、衝突情報に限らず、各部の故障情報や消耗品の消耗情報を通知先に通知するように通知装置を構成してもよい。衝突の有無の検知については、上述した受光素子からの出力に基づいて取得された距離情報を用いて行ってもよいし、他の検知部(センサ)によって行ってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。その場合、そのプログラム、該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 光学装置
2 カバー部材
3 発光素子
4 受光素子
5 回転ユニット
6 揺動ユニット
7 光学素子
12 開口部
13 装置前面
14 装置背面
51 回転体モータ
52 回転体
53 回転体センサ
61 揺動体モータ
62 揺動体
63 揺動体センサ
64 揺動体の回転軸中心
65 揺動体の垂直方向長さの半値
2 カバー部材
3 発光素子
4 受光素子
5 回転ユニット
6 揺動ユニット
7 光学素子
12 開口部
13 装置前面
14 装置背面
51 回転体モータ
52 回転体
53 回転体センサ
61 揺動体モータ
62 揺動体
63 揺動体センサ
64 揺動体の回転軸中心
65 揺動体の垂直方向長さの半値
Claims (11)
- 発光素子からの光を反射させる複数の反射面を備え、回転することで被検物を第1の方向に走査する回転体と、
前記回転体からの前記光を反射させる反射面を備え、揺動することで前記被検物を第2の方向に走査する揺動体と、
前記回転体及び前記揺動体を収納するカバー部材と、
前記カバー部材の互いに異なる位置に設けられた第1及び第2の開口部と、
前記第1及び第2の開口部に配置される第1及び第2の光学素子と、
前記揺動体を回転させることで、前記光が前記第1の光学素子を通過する第1の光路と、前記光が前記第2の光学素子を通過する第2の光路と、を切り換える制御部と、
を有することを特徴とする光学装置。 - 前記揺動体と前記第1及び第2の光学素子とは、光軸上において、前記揺動体の揺動軸に対し前記揺動体の前記揺動軸に垂直な断面における前記反射面の長さの半値以上離れていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記第1の光路と前記第2の光路とを切換える第1の駆動モードと、前記第1の光路上の前記被検物又は前記第2の光路上の前記被検物を走査する第2の駆動モードとを実行可能であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記第1の駆動モードにおいて、前記回転体の回転を停止させるかまたは前記回転体の回転速度を低下させることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記第1の駆動モードにおいて、前記揺動体の揺動を停止させることを特徴とする請求項4に記載の光学装置。
- 前記制御部は、前記第2の駆動モードにおいて、前記発光素子の発光周波数を前記回転体の回転速度及び前記揺動体の揺動速度と同期させることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
- 前記第1と第2の開口部は、前記揺動体を挟んで対向する位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 前記第1の方向は水平方向であり、前記第2の方向は鉛直方向であることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 請求項1に記載の光学装置を備え、
前記光を受光する受光素子からの信号に基づき前記被検物の距離情報を取得する距離取得部を有することを特徴とする制御システム。 - 前記距離情報に基づき、移動可能な移動装置の駆動を制御する制御装置を備えることを特徴とする請求項9に記載の制御システム。
- 前記被検物の前記距離情報に応じて警告を行う警告装置を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022124774A JP2024021730A (ja) | 2022-08-04 | 2022-08-04 | 光学装置、及び制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022124774A JP2024021730A (ja) | 2022-08-04 | 2022-08-04 | 光学装置、及び制御システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024021730A true JP2024021730A (ja) | 2024-02-16 |
Family
ID=89855534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022124774A Pending JP2024021730A (ja) | 2022-08-04 | 2022-08-04 | 光学装置、及び制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024021730A (ja) |
-
2022
- 2022-08-04 JP JP2022124774A patent/JP2024021730A/ja active Pending
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